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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172120
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】給湯暖房機
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
F24H9/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089645
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿崎 友助
【テーマコード(参考)】
3L037
【Fターム(参考)】
3L037AB07
(57)【要約】
【課題】給湯暖房機において筐体の底板に設けられるビス孔を判別する。
【解決手段】給湯暖房機1は、底板71Bを備える筐体70を備え、底板71Bには往きヘッダーを接続可能な暖房往き口と戻りヘッダーを接続可能な暖房戻り口とが形成されている給湯暖房機1であって、底板71Bは、往きヘッダー及び戻りヘッダーを底板71Bに固定するために使用可能な第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4と、第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4の近傍に形成される第1マークFM1,FM2,FM3,FM4と、を有する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板を備える筐体を備え、前記底板には往きヘッダーを接続可能な暖房往き口と戻りヘッダーを接続可能な暖房戻り口とが形成されている給湯暖房機であって、
前記底板は、前記往きヘッダー及び前記戻りヘッダーを前記底板に固定するために使用可能な第1ビス孔と、前記第1ビス孔の近傍に形成される第1マークと、を有する、給湯暖房機。
【請求項2】
前記第1マークは前記底板から上方に凹んでいるか、または下方に突出している、請求項1に記載の給湯暖房機。
【請求項3】
前記第1ビス孔に締結されたビスをさらに備える、請求項1または請求項2に記載の給湯暖房機。
【請求項4】
前記底板に取り付けられる熱動弁をさらに備え、
前記底板は、前記熱動弁を前記底板に固定するために使用される第2ビス孔と、前記第2ビス孔の近傍に形成され、前記第1マークとは異なっている第2マークと、を有する、請求項1または請求項2に記載の給湯暖房機。
【請求項5】
前記第2マークは前記底板から上方に凹んでいるか、または下方に突出している、請求項4に記載の給湯暖房機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯暖房機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2006-342578号公報(下記特許文献1)に記載の融雪装置が知られている。特許文献1に記載の融雪装置は、不凍液を熱媒体として、バーナを熱源とする給湯装置と、融雪対象領域に埋設され、給湯装置から供給される加熱された不凍液を循環させるヒーティングパイプと、ヒーティングパイプと給湯装置との間を連結して不凍液を交互に循環させる一対のヘッダーセットと、を備えている。一対のヘッダーセットはそれぞれ給湯装置から導出される温水往き管及び温水戻り管を分岐させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-342578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成において、ヘッダーセットを給湯装置の筐体の底面にビス止めにより固定することを考える。通常、給湯装置の筐体の底面には配管等が密集しており、多くのビス孔が設けられている。このため、融雪装置を設置する作業者がヘッダーセットの取り付けに使用可能なビス孔を判別することが困難な場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の給湯暖房機は、底板を備える筐体を備え、前記底板には往きヘッダーを接続可能な暖房往き口と戻りヘッダーを接続可能な暖房戻り口とが形成されている給湯暖房機であって、前記底板は、前記往きヘッダー及び前記戻りヘッダーを前記底板に固定するために使用可能な第1ビス孔と、前記第1ビス孔の近傍に形成される第1マークと、を有する、給湯暖房機である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、給湯暖房機において筐体の底板に設けられるビス孔を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態にかかる給湯暖房機の正面図である。
図2図2は、フロントカバーを除いた給湯暖房機の正面図である。
図3図3は、給湯暖房機の概略回路図である。
図4図4は、往きヘッダーと戻りヘッダーとが接続された給湯暖房機の拡大正面図である。
図5図5は、往きヘッダーと戻りヘッダーとが接続された給湯暖房機の拡大斜視図である。
図6図6は、往きヘッダーと戻りヘッダーとが接続された給湯暖房機の底面図である。
図7図7は、熱動弁の周辺を示す給湯暖房機の拡大斜視図である。
図8図8は、往きヘッダーと戻りヘッダーとが接続されていない給湯暖房機の底面図である。
図9図9は、図8の一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図である。
図10図10は、図9のA-A断面図である。
図11図11は、図8の一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図であって、第1ビス孔に挿通されるビスを省略した図である。
図12図12は、図8の一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図であって、往きヘッダーと戻りヘッダーとが底板に固定された状態を示す図である。
図13図13は、往きヘッダーと戻りヘッダーとが接続された給湯暖房機の底面図であって、図6とサイズの異なる戻りヘッダーが適用された状態を示す図である。
図14図14は、図8の二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図である。
図15図15は、図14のB-B断面図である。
図16図16は、図15の拡大図であって、第2マークの断面形状について示す図である。
図17図17は、図8の二点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図であって、熱動弁を取り外した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0009】
(1)本開示の給湯暖房機は、底板を備える筐体を備え、前記底板には往きヘッダーを接続可能な暖房往き口と戻りヘッダーを接続可能な暖房戻り口とが形成されている給湯暖房機であって、前記底板は、前記往きヘッダー及び前記戻りヘッダーを前記底板に固定するために使用可能な第1ビス孔と、前記第1ビス孔の近傍に形成される第1マークと、を有する。
【0010】
このような構成によると、作業者が往きヘッダー及び戻りヘッダーの固定に使用可能な第1ビス孔を第1マークにより認識することができるから、誤取り付けを防止することができる。また、往きヘッダー及び戻りヘッダーの取り付けの作業性を向上させることができる。
【0011】
(2)(1)に記載の給湯暖房機において、前記第1マークは前記底板から上方に凹んでいるか、または下方に突出していることが好ましい。
【0012】
このような構成によると、第1マークを底板のプレス加工の工程において形成することができるから、例えば塗装により第1マークを形成する場合と比較してコスト面で優れている。また塗装により第1マークを形成した場合、経年劣化による塗装剥がれや退色等により、第1マークが読み取りにくくなることがありうる。しかし、上記の構成によれば、第1マークが経年劣化しにくく、長期的に判別可能となる。
【0013】
(3)(1)または(2)に記載の給湯暖房機は、前記第1ビス孔に締結されたビスをさらに備えることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、第1ビス孔に予めビスを締結しておくことで、作業者がビスを準備しなくてもよい。また、第1ビス孔がビスによって塞がれるから、第1ビス孔を通して筐体内に異物が侵入することを防ぐことができる。
【0015】
(4)(1)から(3)のいずれか1つに記載の給湯暖房機は、前記底板に取り付けられる熱動弁をさらに備え、前記底板は、前記熱動弁を前記底板に固定するために使用される第2ビス孔と、前記第2ビス孔の近傍に形成され、前記第1マークとは異なっている第2マークと、を有することが好ましい。
【0016】
このような構成によると、作業者が熱動弁を交換する際、熱動弁の固定に使用される第2ビス孔を第1マークとは異なる第2マークにより認識することができるから、誤取り付けを防止することができる。また、熱動弁の交換の作業性を向上させることができる。
【0017】
(5)(4)に記載の給湯暖房機において、前記第2マークは前記底板から上方に凹んでいるか、または下方に突出していることが好ましい。
【0018】
このような構成によると、第2マークを底板のプレス加工の工程において形成することができるから、例えば塗装により第2マークを形成する場合と比較してコスト面で優れている。また塗装により第2マークを形成した場合、経年劣化による塗装剥がれや退色等により、第2マークが読み取りにくくなることがありうる。しかし、上記の構成によれば、第2マークが経年劣化しにくく、長期的に判別可能となる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態について、図1から図18を参照しつつ説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0020】
[給湯暖房機の全体構造]
本実施形態の給湯暖房機1は、供給された水道水を加熱して外部に湯を供給する給湯機能と、湯を外部の室内や床下に設置された放熱器に供給し、室内や床を暖房する暖房機能と、を併せ持つ。詳細には、給湯暖房機1は、給湯回路Aと、暖房回路Bと、風呂回路Cと、を有する。
【0021】
図2に示すように、給湯暖房機1は、筐体70、筐体70内に収容される内胴2、コントローラ79等を備えている。筐体70は、前面に開口71Aを有する箱状の筐体本体71と、筐体本体71の開口71Aを閉塞するフロントカバー72(図1参照)と、を備える。筐体本体71は、正面視で下側に位置する底板71Bと、正面視で左側に位置する左側板71Cと、正面視で右側に位置する右側板71Dと、正面視で上側に位置する天板71Eと、背面側に位置する背面壁71Fと、を備えている。図8に示すように、底板71Bには、暖房高温往き口75(暖房往き口の一例)、暖房戻り口76、暖房低温往き口77、水入口78等が形成されている。図1に示すように、フロントカバー72は、排気筒16が収容される排気口73や、外気を取り込むための給気口74等を有している。
【0022】
図2に示すように、内胴2は、給湯燃焼室4、暖房燃焼室5、給湯一次熱交換器11、暖房一次熱交換器13、給湯二次熱交換器12、暖房二次熱交換器14、排気フード15等を備えている。内胴2は左右に仕切られており、右側に給湯燃焼室4、給湯一次熱交換器11、給湯二次熱交換器12が、左側に暖房燃焼室5、暖房一次熱交換器13、暖房二次熱交換器14が設けられている。
【0023】
図3に示すように、給湯暖房機1は、内胴2内に、仕切部材3によって仕切り形成される給湯燃焼室4及び暖房燃焼室5と、バーナ6と、を有している。バーナ6は、給湯燃焼室4の下部に配される給湯バーナ6Aと、暖房燃焼室5の下部に配される暖房バーナ6Bと、を備えている。また、各燃焼室4,5には、点火プラグ8とフレームロッド9とがそれぞれ設けられている。内胴2の下部には、各バーナ6A,6Bへ燃焼用空気を供給する燃焼ファン10が設けられている。
【0024】
給湯燃焼室4内の上部には、給湯バーナ6Aの燃焼排気が通過する給湯一次熱交換器11及び給湯二次熱交換器12が設けられている。暖房燃焼室5の上部には、暖房バーナ6Bの燃焼排気が通過する暖房一次熱交換器13及び暖房二次熱交換器14が設けられている。各二次熱交換器12,14は、内胴2の上部に設けられた排気フード15内に収容されている。排気フード15には、各二次熱交換器12,14を通過した燃焼排気を排出する排気筒16が形成されている。
【0025】
筐体70の底板71Bに設けたガス入口には、外部からのガス配管が接続されるガス管17が接続されている。各給湯バーナ6Aと暖房バーナ6Bとには、ガス管17から分岐するガス分岐管18,18・・がそれぞれ接続されると共に、各ガス分岐管18には、ガス流路を開閉するガス電磁弁19がそれぞれ設けられている。また、分岐前のガス管17には、上流側から元ガス電磁弁20、ガス比例弁21がそれぞれ設けられている。
【0026】
給湯二次熱交換器12の吸熱管の入口には、底板71Bの水入口78に接続される給水管22が接続される。給水管22には、上流側から、水抜き栓を備えたストレーナ23と、給水管22を流れる水量を検出する給湯水量センサ24と、入水温度を検出する給湯入水サーミスタ25と、給水管22を流れる水量を制御する水量制御弁26とが設けられている。吸熱管の出口は、給湯一次熱交換器11の伝熱管の入口に接続され、伝熱管の出口には、底板71Bの湯出口に接続される出湯管27が接続される。出湯管27には、給湯一次熱交換器11からの出口温度を検出する給湯熱交換器サーミスタ28と、給湯熱交換器サーミスタ28より下流側で器具からの出湯温度を検出する給湯出湯サーミスタ29と、が設けられている。出湯管27における給湯出湯サーミスタ29の上流側と、給水管22における水量制御弁26の下流側との間には、給湯一次、二次熱交換器11,12をバイパスするバイパス管30が接続され、バイパス管30には、バイパス流量を制御する水分配弁31が設けられている。
【0027】
こうして筐体70内には、給水管22からの水が給湯二次熱交換器12、給湯一次熱交換器11の順に通過して給湯バーナ6Aの燃焼排気と熱交換して加熱された後、出湯管27から出湯される給湯回路Aが形成される。
【0028】
一方、暖房二次熱交換器14の吸熱管の入口には、底板71Bの暖房戻り口76に接続された暖房戻り管32が接続される。暖房戻り口76は、戻りヘッダー84(詳細は後述する)を介して、給湯暖房機1外部の高温放熱器33及び低温放熱器34から延びる配管の下流端と接続される。高温放熱器33は例えば室内へと温風を吹き出す暖房送風機である。低温放熱器34は例えば床暖房である。暖房二次熱交換器14の吸熱管の出口は中間配管35に接続されている。中間配管35には、暖房タンク69及び暖房循環ポンプ36が設けられている。暖房タンク69は、暖房回路Bを循環する液体(本実施形態では水)が加熱されて膨張した場合に、暖房回路Bを構成する配管等が破損することを防止するためのものである。暖房タンク69には、暖房低温サーミスタ37が設けられている。
【0029】
中間配管35の下流側の端部は、暖房低温往き管38及び暖房一次熱交換器13の伝熱管の入口に接続されている。暖房低温往き管38の下流側には熱動弁39(詳細は後述する)が配されており、暖房低温往き管38を分岐させている。熱動弁39の下流側の端部は、暖房低温往き口77となっている。暖房低温往き口77は、低温放熱器34に接続されている。
【0030】
暖房一次熱交換器13の伝熱管の出口は、暖房高温往き管40に接続されている。暖房高温往き管40の下流側の端部は、底板71Bに設けられる暖房高温往き口75となっている。暖房高温往き口75は、往きヘッダー80(詳細は後述する)を介して、高温放熱器33と接続されている。暖房高温往き管40には、暖房高温サーミスタ41が設けられている。暖房高温往き管40と暖房戻り管32との間は、風呂加熱用配管42によって接続されている。風呂加熱用配管42には、追い炊き流量制御弁43が設けられている。中間配管35における暖房タンク69の上流側と、暖房高温往き管40との間には、暖房一次、暖房二次熱交換器13,14をバイパスする暖房バイパス管44が接続され、暖房バイパス管44には、バイパス流量を制御するバイパス熱動弁45が設けられている。
【0031】
よって、暖房回路Bでは、暖房二次熱交換器14で加熱された湯は、中間配管35、暖房タンク69、暖房低温往き管38、低温放熱器34を介して暖房戻り管32へと循環するとともに、中間配管35を介して、暖房一次熱交換器13へと流入する。暖房一次熱交換器13で加熱された湯は、暖房高温往き管40、高温放熱器33を介して、暖房戻り管32へ戻り、暖房二次熱交換器14、中間配管35、暖房タンク69を介して、暖房一次熱交換器13へと循環する。
【0032】
風呂回路Cには、風呂加熱用配管42が内挿される風呂熱交換器46が設けられている。風呂熱交換器46の入口は、底板71Bの風呂戻り口に接続された風呂戻り管47が接続される。風呂戻り口は、外部風呂戻り管48を介して浴槽49と接続される。風呂戻り管47の下流側には風呂循環ポンプ50が設けられている。風呂循環ポンプ50の上流側には、風呂戻り温度を検出する風呂戻りサーミスタ51が設けられている。風呂循環ポンプ50の下流側には、水流スイッチ52と水位センサ53とが設けられている。風呂熱交換器46の出口は、底板71Bの風呂往き口に接続される風呂往き管54に接続されている。風呂往き口は、外部風呂往き管55を介して浴槽49と接続されている。風呂往き管54には、風呂往き温度を検出する風呂往きサーミスタ56が設けられている。
【0033】
また、出湯管27におけるバイパス管30より下流側と、風呂戻り管47における風呂循環ポンプ50よりも上流側との間には、落とし込み管57が接続される。この落とし込み管57には、上流側(出湯管27側)から、落とし込み管57を開閉する落とし込み水電磁弁58と、落とし込み管57を流れる水量を検出する風呂水量センサ59とがそれぞれ設けられている。落とし込み管57により、給湯回路Aで加熱された湯を浴槽49へ供給可能となっている。風呂水量センサ59の下流側には、3つの逆止弁60,60,60が設けられている。これらの逆止弁60の間には、縁切弁61が接続されている。この縁切弁61は、底板71Bに設けたオーバーフロー排出口に接続される排水管62と、給水管22におけるストレーナ23の下流側と接続された導入管63とが接続されている。落とし込み管57内の湯水の内圧が、風呂戻り管47からの逆圧によって高まり、導入管63からの背圧よりも大きくなると、縁切弁61は、落とし込み管57から逆流した湯水を、排水管62を介してオーバーフロー排出口へと排出するようになっている。
【0034】
このように、風呂熱交換器46、風呂往き管54、風呂戻り管47等によって、浴槽49の湯水を循環させる風呂回路Cが形成される。
【0035】
筐体70内には、給湯二次熱交換器12及び暖房二次熱交換器14で生じたドレンを中和するための中和器64が設けられている。この中和器64は、ドレン導入管65を介して排気フード15の底面に設けたドレン受け66と接続されるとともに、ドレン排出管67を介して縁切弁61の排水管62と接続されている。中和器64には、水位を検出する水位電極68が設けられている。
【0036】
コントローラ79(図3では不図示)は、各サーミスタやセンサ等の検出信号を受けて各弁等を動作させて出湯温制御や浴槽49への湯張り制御、暖房に関する温度制御等を行う。図示しないものの、給湯暖房機1は、コントローラ79と通信可能に接続されるリモコン等を備えている。
【0037】
[往きヘッダー]
図4から図6に示すように、往きヘッダー80は、暖房高温往き口75に接続される連結管81と、連結管81に接続される分岐管82と、を備える。分岐管82には、複数の分岐口82Aが形成されている。各分岐口82Aは、配管を介して高温放熱器33に接続されている。分岐管82は細長い円筒状をなしている。図5に示すように、分岐管82における連結管81と反対側に配される端部には、固定片82Bが設けられている。固定片82Bは、固定部材83によって底板71Bに固定されている。固定部材83は、上下方向に延びる第1部分83Aと、第1部分83Aと接続され、水平方向に延びる第2部分83Bと、を備える。固定部材83は略L字状をなしている。第1部分83Aは分岐管82の固定片82Bに接続される。第2部分83Bは底板71Bに重ね合わせられ、ビス止めにより底板71Bに固定される。
【0038】
[戻りヘッダー]
図4から図6に示すように、戻りヘッダー84は、暖房戻り口76に接続される連結管85と、連結管85に接続される分岐管86と、を備える。分岐管86には、複数の分岐口86Aが形成されている。各分岐口86Aは、配管を介して高温放熱器33及び低温放熱器34に接続されている。分岐管86は細長い円筒状をなしている。図5に示すように、分岐管86における連結管85と反対側に配される端部には、固定片86Bが設けられている。固定片86Bは、固定部材87によって底板71Bに固定されている。固定部材87は、上下方向に延びる第1部分87Aと、第1部分87Aと接続され、水平方向に延びる第2部分87Bと、を備える。固定部材87は略L字状をなしている。第1部分87Aは分岐管86の固定片86Bに接続される。第2部分87Bは底板71Bに重ね合わせられ、ビス止めにより底板71Bに固定される。
【0039】
なお、上記した往きヘッダー80、戻りヘッダー84、及び固定部材83,87は、給湯暖房機1に取り付けられる部材であって、給湯暖房機1の構成要素ではない。
【0040】
[第1ビス孔、第1マーク]
図11に示すように、底板71Bは、往きヘッダー80及び戻りヘッダー84を固定するために使用可能な第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4を有している。底板71Bにおける第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4の近傍には、それぞれ第1マークFM1,FM2,FM3,FM4が形成されている。本実施形態では、第1マークFM1,FM2,FM3,FM4は、底面視において、正三角形の形状を有している。図10に示すように、第1マークFM3は、底板71Bの下面から上方に凹んで形成されている。図示しないが、第1マークFM1,FM2,FM4も同様に底板71Bの下面から凹んで形成されている。
【0041】
図9に示すように、本実施形態の給湯暖房機1は、ビスS1,S2,S3,S4を備えている。ビスS1,S2,S3,S4はそれぞれ第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4に挿通されている(図11参照)。これにより、往きヘッダー80及び戻りヘッダー84を取り付ける際、作業者が別途ビスを準備しなくてもよい。また、予め第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4にビスS1,S2,S3,S4が挿通されていることで、第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4を通して筐体70内に異物が侵入することを抑制することができる。
【0042】
図11及び図12に示すように、本実施形態では、ビスS1を用いて第1ビス孔FH1の孔縁部に対して固定部材83の第2部分83Bをビス止めすることにより、往きヘッダー80が底板71Bに取り付けられる。また、ビスS3を用いて第1ビス孔FH3の孔縁部に対して固定部材87の第2部分87Bをビス止めすることにより、戻りヘッダー84が底板71Bに取り付けられる。なお、ビスS3は、他の配管(水入口78)を底板71Bに取り付けるためにも用いられている。
【0043】
なお、第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4のいずれが往きヘッダー80及び戻りヘッダー84の取り付けに使用されるかは、往きヘッダー80及び戻りヘッダー84のサイズや固定部材83,87の形状等に応じて修正することができる。例えば、上記とは異なり、図13に示すように、戻りヘッダー84のサイズが小さい場合に、第1ビス孔FH4及びビスS4を用いて、戻りヘッダー84を固定してもよい。
【0044】
第1マークFM1,FM2,FM3,FM4により、作業者は、往きヘッダー80及び戻りヘッダー84を取り付ける際に使用可能な第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4と、その他のビス孔と、を判別することができる。よって、往きヘッダー80及び戻りヘッダー84の誤取り付けを防止することができる。また、往きヘッダー80及び戻りヘッダー84の取り付けの作業性を向上させることができる。
【0045】
[熱動弁]
図7に示すように、本実施形態の給湯暖房機1は、筐体70内に内蔵される熱動弁39を備えている。熱動弁39は底板71Bに取り付けられている。図15に示すように、本実施形態では、複数の熱動弁39が取付板88に配置されており、取付板88とともに底板71Bにビス止めされている。
【0046】
[第2ビス孔、第2マーク]
図17に示すように、底板71Bは、熱動弁39を固定するために使用される第2ビス孔SH1,SH2,SH3を有している。底板71Bにおける第2ビス孔SH1,SH2,SH3の近傍には、それぞれ第2マークSM1,SM2,SM3が形成されている。第2マークSM1,SM2,SM3は、第1マークFM1,FM2,FM3,FM4とは異なる形状を有している。本実施形態では、第2マークSM1,SM2,SM3は、底面視において、円形状をなしている。図16に示すように、第2マークSM2は、底板71Bの下面から下方に突出して形成されている。図示しないが、第2マークSM1,SM3も同様に底板71Bの下面から下方に突出して形成されている。
【0047】
図14及び図17に示すように、第2ビス孔SH1,SH2,SH3には、それぞれビスS5,S6,S7が挿通されている。ビスS5,S6,S7を用いて第2ビス孔SH1,SH2,SH3の孔縁部に対して熱動弁39及び取付板88をビス止めすることにより、熱動弁39が底板71Bに取り付けられている。
【0048】
第2マークSM1,SM2,SM3により、作業者は、熱動弁39を交換する際に、熱動弁39を取り付けるために使用される第2ビス孔SH1,SH2,SH3と、その他のビス孔と、を判別することができる。よって、熱動弁39の誤取り付けを防止することができる。また、熱動弁39の交換の作業性を向上させることができる。
【0049】
[実施形態の作用効果]
以上のように、実施形態の給湯暖房機1は、底板71Bを備える筐体70を備え、底板71Bには往きヘッダー80を接続可能な暖房往き口(暖房高温往き口75)と戻りヘッダー84を接続可能な暖房戻り口76とが形成されている給湯暖房機1であって、底板71Bは、往きヘッダー80及び戻りヘッダー84を底板71Bに固定するために使用可能な第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4と、第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4の近傍に形成される第1マークFM1,FM2,FM3,FM4と、を有する。
【0050】
このような構成によると、作業者が往きヘッダー80及び戻りヘッダー84の固定に使用可能な第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4を第1マークFM1,FM2,FM3,FM4により認識することができるから、誤取り付けを防止することができる。また、往きヘッダー80及び戻りヘッダー84の取り付けの作業性を向上させることができる。
【0051】
実施形態では、第1マークFM1,FM2,FM3,FM4は底板71Bから上方に凹んでいる。
【0052】
このような構成によると、第1マークFM1,FM2,FM3,FM4を底板71Bのプレス加工の工程において形成することができるから、例えば塗装により第1マークを形成する場合と比較してコスト面で優れている。また塗装により第1マークを形成した場合、経年劣化による塗装剥がれや退色等により、第1マークが読み取りにくくなることがありうる。しかし、上記の構成によれば、第1マークFM1,FM2,FM3が経年劣化しにくく、長期的に判別可能となる。
【0053】
実施形態にかかる給湯暖房機1は、第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4に締結されたビスS1,S2,S3,S4をさらに備える。
【0054】
このような構成によると、第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4に予めビスS1,S2,S3,S4を締結しておくことで、作業者がビスを準備しなくてもよい。また、第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4がビスS1,S2,S3,S4によって塞がれるから、第1ビス孔FH1,FH2,FH3,FH4を通して筐体70内に異物が侵入することを防ぐことができる。
【0055】
実施形態にかかる給湯暖房機1は、底板71Bに取り付けられる熱動弁39をさらに備え、底板71Bは、熱動弁39を底板71Bに固定するために使用される第2ビス孔SH1,SH2,SH3と、第2ビス孔SH1,SH2,SH3の近傍に形成され、第1マークFM1,FM2,FM3,FM4とは異なっている第2マークSM1,SM2,SM3と、を有する。
【0056】
このような構成によると、作業者が熱動弁39を交換する際、熱動弁39の固定に使用される第2ビス孔SH1,SH2,SH3を第1マークFM1,FM2,FM3,FM4とは異なる第2マークSM1,SM2,SM3により認識することができるから、誤取り付けを防止することができる。また、熱動弁39の交換の作業性を向上させることができる。
【0057】
実施形態では、第2マークSM1,SM2,SM3は底板71Bから下方に突出している。
【0058】
このような構成によると、第2マークSM1,SM2,SM3を底板71Bのプレス加工の工程において形成することができるから、例えば塗装により第2マークを形成する場合と比較してコスト面で優れている。また塗装により第2マークを形成した場合、経年劣化による塗装剥がれや退色等により、第2マークが読み取りにくくなることがありうる。しかし、上記の構成によれば、第2マークSM1,SM2,SM3が経年劣化しにくく、長期的に判別可能となる。
【0059】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、第1マークFM1,FM2,FM3,FM4は同一形状(正三角形)を有して形成されていた。しかし、例えば、複数の第1マークは、第3マークと、第3マークとは異なる形状を有する第4マークと、を含み、第3マークは往きヘッダーをビス止めするための第1ビス孔の近傍に配され、第4マークは戻りヘッダーをビス止めするための第1ビス孔の近傍に配されていてもよい。
【0060】
(2)往きヘッダー80、戻りヘッダー84、固定部材83,87、熱動弁39、取付板88の形状や大きさ、配置等は、本開示の目的が達成可能な範囲において、上記実施形態の態様から適宜修正することができる。
【0061】
(3)上記実施形態では、第1マークFM1,FM2,FM3,FM4は底板71Bから上方に凹んでいたが、第1マークは底板から下方に突出していてもよい。また、第2マークSM1,SM2,SM3は底板71Bから下方に突出していたが、第2マークは底板から上方に凹んでいてもよい。また、第1マーク及び第2マークの少なくとも一方は、凹凸形状を有して形成されていなくてもよい。第1マーク及び第2マークの少なくとも一方は、例えば、塗装等によって形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1:給湯暖房機
2:内胴、3:仕切部材、4:給湯燃焼室、5:暖房燃焼室、6:バーナ、6A:給湯バーナ、6B:暖房バーナ、8:点火プラグ、9:フレームロッド、10:燃焼ファン、11:給湯一次熱交換器、12:給湯二次熱交換器、13:暖房一次熱交換器、14:暖房二次熱交換器、15:排気フード、16:排気筒、17:ガス管、18:ガス分岐管、19:ガス電磁弁、20:元ガス電磁弁、21:ガス比例弁、22:給水管、23:ストレーナ、24:給湯水量センサ、25:給湯入水サーミスタ、26:水量制御弁、27:出湯管、28:給湯熱交換器サーミスタ、29:給湯出湯サーミスタ、30:バイパス管、31:水分配弁、32:暖房戻り管、33:高温放熱器、34:低温放熱器、35:中間配管、36:暖房循環ポンプ、37:暖房低温サーミスタ、38:暖房低温往き管、39:熱動弁、40:暖房高温往き管、41:暖房高温サーミスタ、42:風呂加熱用配管、43:追い炊き流量制御弁、44:暖房バイパス管、45:バイパス熱動弁、46:風呂熱交換器、47:風呂戻り管、48:外部風呂戻り管、49:浴槽、50:風呂循環ポンプ、51:風呂戻りサーミスタ、52:水流スイッチ、53:水位センサ、54:風呂往き管、55:外部風呂往き管、56:風呂往きサーミスタ、57:落とし込み管、58:落とし込み水電磁弁、59:風呂水量センサ、60:逆止弁、61:縁切弁、62:排水管、63:導入管、64:中和器、65:ドレン導入管、66:ドレン受け、67:ドレン排出管、68:水位電極、69:暖房タンク
A:給湯回路、B:暖房回路、C:風呂回路
70:筐体、71:筐体本体、71A:開口、71B:底板、71C:左側板、71D:右側板、71E:天板、71F:背面壁、72:フロントカバー、73:排気口、74:給気口
75:暖房高温往き口(暖房往き口)、76:暖房戻り口、77:暖房低温往き口、78:水入口
79:コントローラ
80:往きヘッダー、81:連結管、82:分岐管、82A:分岐口、82B:固定片、83:固定部材、83A:第1部分、83B:第2部分
84:戻りヘッダー、85:連結管、86:分岐管、86A:分岐口、86B:固定片、87:固定部材、87A:第1部分、87B:第2部分
88:取付板
FH1,FH2,FH3,FH4:第1ビス孔
FM1,FM2,FM3,FM4:第1マーク
SH1,SH2,SH3:第2ビス孔
SM1,SM2,SM3:第2マーク
S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7:ビス
図1
図2
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