特開 2024-172121 デファレンシャル装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024172121

(43)【公開日】2024-12-12

(54)【発明の名称】デファレンシャル装置

(51)【国際特許分類】

   F16H 48/38 20120101AFI20241205BHJP

   F16H 48/08 20060101ALI20241205BHJP

   F16B 1/02 20060101ALI20241205BHJP

   F16B 11/00 20060101ALI20241205BHJP

【ＦＩ】

F16H48/38

F16H48/08

F16B1/02 P

F16B11/00 C

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023089648

(22)【出願日】2023-05-31

(71)【出願人】

【識別番号】000185488

【氏名又は名称】株式会社オティックス

(74)【代理人】

【識別番号】110001036

【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】服部 純

(72)【発明者】

【氏名】鈴木 義視

【テーマコード（参考）】

3J023

3J027

【Ｆターム（参考）】

3J023EA01

3J023FA03

3J027FA17

3J027FB02

3J027HA01

3J027HA03

3J027HB07

3J027HC07

3J027HC12

(57)【要約】

【課題】デファレンシャルケースをかしめることなく、固定ピンを抜け止めすることが可能なデファレンシャル装置を提供する。
【解決手段】デファレンシャルケース２０と、ピニオンシャフト４０と、を備え、デファレンシャルケース２０には、ピニオンシャフト４０の一端部が挿入されるシャフト取付孔２１が形成され、ピニオンシャフト４０の一端部には、シャフト側貫通孔４１が形成され、デファレンシャルケース２０には、ケース側貫通孔２４が形成され、固定ピン２３は、シャフト側貫通孔４１及びケース側貫通孔２４の双方に挿通されており、固定ピン２３において、シャフト側貫通孔４１に挿通された部分の外周面には、ピン側凹部２６が形成され、ピニオンシャフト４０の端面４２には、ピン側凹部２６と連通するシャフト側凹部４３が形成され、シャフト側凹部４３及びピン側凹部２６には、抜け止め部材７０が充填されている。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

デファレンシャルケースと、
前記デファレンシャルケースに収容されたピニオンシャフトと、
前記ピニオンシャフトを前記デファレンシャルケースに固定する固定ピンと、を備え、
前記デファレンシャルケースには、前記ピニオンシャフトの一端部が挿入されるシャフト取付孔が形成され、
前記ピニオンシャフトの前記一端部には、前記ピニオンシャフトを前記ピニオンシャフトの軸方向と交差する方向に貫通するシャフト側貫通孔が形成され、
前記デファレンシャルケースのうち、前記シャフト取付孔を構成する壁部において前記シャフト側貫通孔と対向する箇所には、ケース側貫通孔が形成され、
前記固定ピンは、前記シャフト側貫通孔及び前記ケース側貫通孔の双方に挿通されており、
前記固定ピンにおいて、前記シャフト側貫通孔に挿通された部分の外周面には、ピン側凹部が形成され、
前記ピニオンシャフトの前記一端部側の端面には、前記ピン側凹部と連通するシャフト側凹部が形成され、
前記シャフト側凹部及び前記ピン側凹部には、前記ピニオンシャフトに対して前記固定ピンを抜け止めする抜け止め部材が充填されている、デファレンシャル装置。

【請求項2】

前記抜け止め部材は、接着剤によって構成されている、請求項１に記載のデファレンシャル装置。

【請求項3】

前記固定ピンは、円柱状をなしており、
前記ピン側凹部は、前記固定ピンにおける周方向の全周に亘って延びている、請求項１又は請求項２に記載のデファレンシャル装置。

【請求項4】

前記シャフト側貫通孔は、前記シャフト側凹部における深さ方向の中間部と交差する形で形成されている、請求項３に記載のデファレンシャル装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本明細書で開示される技術は、デファレンシャル装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、デファレンシャル装置として、下記特許文献１に記載のものが知られている。特許文献１に記載されたデファレンシャル装置は、デファレンシャルケースと、デファレンシャルケースに収容されたピニオンシャフトと、を備え、ピニオンシャフト及びデファレンシャルケースの各々に形成された両貫通孔に固定ピンを挿通することで、デファレンシャルケースに対してピニオンシャフトが固定される構成となっている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１７－１５０５２４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

上記特許文献１の構成では、貫通孔に挿通された固定ピンを抜け止めする必要がある。従来、固定ピンを抜け止めする方法として、例えば、デファレンシャルケースにおける貫通孔を構成する壁部の表面を工具（ポンチなど）で押圧することで、固定ピンに対して壁部をかしめる方法が知られている。しかしながら、このような方法では、工具を押圧する際に、工具が壁部の表面を滑り、所定箇所以外に打痕が付く事態が懸念される。また、工具を押圧する際の荷重によってデファレンシャルケースが割れる事態も懸念される。

【0005】

本明細書で開示される技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、デファレンシャルケースをかしめることなく、固定ピンを抜け止めすることが可能なデファレンシャル装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記課題を解決するための手段として、本明細書で開示されるデファレンシャル装置は、デファレンシャルケースと、前記デファレンシャルケースに収容されたピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトを前記デファレンシャルケースに固定する固定ピンと、を備え、前記デファレンシャルケースには、前記ピニオンシャフトの一端部が挿入されるシャフト取付孔が形成され、前記ピニオンシャフトの前記一端部には、前記ピニオンシャフトを前記ピニオンシャフトの軸方向と交差する方向に貫通するシャフト側貫通孔が形成され、前記デファレンシャルケースのうち、前記シャフト取付孔を構成する壁部において前記シャフト側貫通孔と対向する箇所には、ケース側貫通孔が形成され、前記固定ピンは、前記シャフト側貫通孔及び前記ケース側貫通孔の双方に挿通されており、前記固定ピンにおいて、前記シャフト側貫通孔に挿通された部分の外周面には、ピン側凹部が形成され、前記ピニオンシャフトの前記一端部側の端面には、前記ピン側凹部と連通するシャフト側凹部が形成され、前記シャフト側凹部及び前記ピン側凹部には、前記ピニオンシャフトに対して前記固定ピンを抜け止めする抜け止め部材が充填されていることを特徴とする。

【0007】

シャフト側凹部及びピン側凹部の双方に抜け止め部材が充填されることで、抜け止め部材を介して、ピニオンシャフトに対して固定ピンを抜け止めすることができる。また、シャフト側凹部は、ピニオンシャフトの端面に設けられているため、シャフト側凹部に対して、抜け止め部材を容易に差し入れることができ、作業性が良好である。以上のように、上記構成では、デファレンシャルケースをかしめることなく、固定ピンを抜け止めすることができる。

【0008】

また、前記抜け止め部材は、接着剤によって構成されているものとすることができる。接着剤によって、固定ピンとピニオンシャフトを接着することができるため、より確実に固定ピンを抜け止めすることができる。

【0009】

また、前記固定ピンは、円柱状をなしており、前記ピン側凹部は、前記固定ピンにおける周方向の全周に亘って延びているものとすることができる。仮に、ピン側凹部が固定ピンの周方向の一部のみに設けられている場合には、固定ピンをシャフト側貫通孔に挿通する際に、シャフト側凹部とピン側凹部とが連通するように、固定ピンの軸回りの回転角度を調整する必要が生じる。上記構成では、ピン側凹部が、固定ピンの周方向の全周に亘って設けられているため、固定ピンの軸回りの回転角度に関わらず、シャフト側凹部とピン側凹部とを連通させることができる。

【0010】

また、前記シャフト側貫通孔は、前記シャフト側凹部における深さ方向の中間部と交差する形で形成されているものとすることができる。抜け止め部材を充填する際には、シャフト側凹部の手前側からピン側凹部を通って、シャフト側凹部の奥方に抜け止め部材を充填することができる。これにより、固定ピンの全周を抜け止め部材で覆うと共に、抜け止め部材をシャフト側凹部の内面のうち、ケース側貫通孔の孔縁部に係止させることができ、より確実に固定ピンを抜け止めすることができる。

【発明の効果】

【0011】

本発明によれば、デファレンシャルケースをかしめることなく、固定ピンを抜け止めすることが可能なデファレンシャル装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本発明の一実施形態に係るデファレンシャル装置を切断して視た断面図

【図2】抜け止め部材が充填されていない状態の固定ピン付近を切断して視た断面図

【図3】固定ピン付近を切断して視た断面図（図１における固定ピン付近の拡大図）

【図4】固定ピンの中間部を切断して視た断面図（図３のＩＶ－ＩＶ線で切断した図に対応）

【発明を実施するための形態】

【0013】

本発明の一実施形態を図１から図４によって説明する。本実施形態のデファレンシャル装置１０（デファレンシャルユニット）は、自動車などの車両に搭載されるもので、図１に示すように、デファレンシャルケース２０と、リングギア１１と、デファレンシャルケース２０に収容された円柱状のピニオンシャフト４０と、ピニオンシャフト４０をデファレンシャルケース２０に固定する固定ピン２３と、一対のピニオンギア５１，５２と、一対のサイドギア１３，１４と、一対のワッシャ６１，６２と、を備える。

【0014】

デファレンシャルケース２０は、例えば鋳造などによって成形され、収容空間Ｓ１を有する略箱状をなしている。より詳しくは、デファレンシャルケース２０は、図１の紙面貫通方向（ピニオンシャフト４０の軸方向及びドライブシャフト１５，１６の軸方向の双方と直交する方向）の両側が開口された略箱状をなしている。収容空間Ｓ１には、ピニオンシャフト４０、一対のサイドギア１３，１４及び一対のピニオンギア５１，５２が収容されている。

【0015】

一対のピニオンギア５１，５２は、それぞれピニオンシャフト４０に対して回動可能に取り付けられている。つまり、ピニオンシャフト４０は、ピニオンギア５１，５２の回動軸を構成するものとされる。一対のサイドギア１３，１４は、それぞれ車両の左右方向（図１の左右方向）に間隔を空けて対向配置されている。サイドギア１３，１４にはドライブシャフト１５，１６がそれぞれスプライン嵌合などによって連結されている。また、ドライブシャフト１５，１６は、それぞれデファレンシャルケース２０に形成された貫通孔２０Ａ，２０Ａに挿通されている。

【0016】

ピニオンシャフト４０は車両の左右方向（図１の左右方向）と直交する方向に沿って延びており、一対のピニオンギア５１，５２は、ピニオンシャフト４０の長手方向（図１の上下方向）に間隔を空けて対向配置されている。一対のサイドギア１３，１４は、ピニオンギア５１及びピニオンギア５２を左右から挟み込む形で配されており、ピニオンギア５１及びピニオンギア５２に対してそれぞれ噛み合っている。一方、デファレンシャルケース２０のフランジ部２０Ｇには、リングギア１１が取り付けられている。リングギア１１にはドライブピニオン１２が噛み合う構成となっている。

【0017】

車両に搭載されたエンジンの回転がドライブピニオン１２を介してリングギア１１に伝達されることで、リングギア１１が回動する。これにより、デファレンシャルケース２０が左右方向に沿う回動軸を中心として回動し、ドライブシャフト１５，１６がそれぞれ回動する構成となっている。また、車両がカーブを曲がる際には、左右のドライブシャフト１５，１６に作用する負荷の差に起因して一対のピニオンギア５１，５２が回動することで、ドライブシャフト１５，１６の回転数に差が生じる構成となっている。

【0018】

一対のピニオンギア５１，５２は、それぞれピニオンシャフト４０に対して外挿されている。ピニオンギア５１とデファレンシャルケース２０の内面の間にはワッシャ６１が介在され、ピニオンギア５２とデファレンシャルケース２０の内面の間にはワッシャ６２が介在されている。デファレンシャルケース２０の内面において、ワッシャ６１が配置される箇所には凹部２０Ｄが形成され、ワッシャ６２が配置される箇所には凹部２０Ｅが形成されている。ワッシャ６１は、凹部２０Ｄに嵌合されており、ワッシャ６２は、凹部２０Ｅに嵌合されている

【0019】

ワッシャ６１は、図１に示すように、ピニオンギア５１の外周面に倣う曲面状をなしており、ワッシャ６２は、ピニオンギア５２の外周面に倣う曲面状をなしている。ピニオンギア５１は、ワッシャ６１に対して摺動可能となっており、ピニオンギア５２は、ワッシャ６２に対して摺動可能となっている。なお、ピニオンギア５１とワッシャ６１の間、及びピニオンギア５２とワッシャ６２の間には、それぞれ潤滑剤が供給される構成となっている。ピニオンシャフト４０は、ワッシャ６１の挿通孔６１Ａ、ピニオンギア５１，５２の貫通孔５１Ａ，５２Ａ、ワッシャ６２の挿通孔６２Ａに対してそれぞれ圧入されている。

【0020】

ピニオンシャフト４０は、例えば、合金材とされる。また、ワッシャ６１，６２は、例えば、鋼板とされる。なお、デファレンシャルケース２０、ピニオンシャフト４０、ワッシャ６１，６２の材質は上述したものに限定されず適宜変更可能である。

【0021】

ピニオンシャフト４０は、円柱状をなしている。デファレンシャルケース２０を構成する壁部には、ピニオンシャフト４０の一端部４０Ａが挿入されるシャフト取付孔２１と、ピニオンシャフト４０の他端部４０Ｂが挿入されるシャフト取付孔２２とがそれぞれ貫通形成されている。ピニオンシャフト４０の一端部４０Ａ（図１の上側の端部）には、ピニオンシャフト４０を径方向（ピニオンシャフト４０の軸方向と交差する方向）に貫通するシャフト側貫通孔４１が形成されている。

【0022】

図３に示すように、デファレンシャルケース２０のうち、シャフト取付孔２１を構成する壁部２０Ｂにおいてシャフト側貫通孔４１と対向する箇所には、一対のケース側貫通孔２４，２５が形成されている。より詳しくは、ケース側貫通孔２４は、シャフト側貫通孔４１の一端部と対向する形で設けられ、ケース側貫通孔２５は、シャフト側貫通孔４１の他端部と対向する形で設けられている。固定ピン２３は、シャフト側貫通孔４１及びケース側貫通孔２４，２５に挿通されている。これにより、ピニオンシャフト４０がデファレンシャルケース２０に固定されている。

【0023】

固定ピン２３において、軸方向の中間部２３Ａ（シャフト側貫通孔４１に挿通された部分）の外周面には、ピン側凹部２６が形成されている。固定ピン２３は、円柱状をなしており、ピン側凹部２６は、固定ピン２３における周方向の全周に亘って延びている。このため、固定ピン２３の中間部２３Ａにおいては、固定ピン２３の長さ方向の中心に向かうにつれて直径が次第に小さくなっている。

【0024】

ピニオンシャフト４０の一端部４０Ａ側の端面４２には、ピン側凹部２６と連通するシャフト側凹部４３が形成されている。シャフト側凹部４３の底面４３Ｄは、シャフト側貫通孔４１よりも下方（ピニオンシャフト４０の内部側）に配されている。このため、シャフト側貫通孔４１は、シャフト側凹部４３における深さ方向の中間部４３Ａ（図２参照）と直交（交差）する形で形成されている。シャフト側凹部４３は、平面視において、円形状をなしており、シャフト側凹部４３の開口部４３Ｂは、図３に示すように、開口端に向かうにつれて直径が大きくなる形状をなしている。また、シャフト側凹部４３は、ピニオンシャフト４０の中心軸に沿う形で設けられている。

【0025】

シャフト側凹部４３及びピン側凹部２６には、図３に示すように、ピニオンシャフト４０に対して固定ピン２３を抜け止めする抜け止め部材７０が充填されている。抜け止め部材７０は、例えば、接着剤によって構成されている。このため、抜け止め部材７０は、シャフト側凹部４３の内面及びピン側凹部２６の内面（固定ピンの外周面）の双方に接着されている。

【0026】

抜け止め部材７０は、図２に示すように、シャフト側貫通孔４１に固定ピン２３が挿通されている状態で、硬化前の接着剤をシャフト側凹部４３の開口部４３Ｂに流し込み、その後、硬化させることで形成することができる。抜け止め部材７０に用いる接着剤としては、例えば、乾燥によって硬化するものや二液混合型のもの等を用いることができる。また、ピン側凹部２６の幅（図３の左右方向の長さ、固定ピン２３の軸方向に沿った長さ）は、ピン側凹部２６が、ケース側貫通孔２４，２５と重なる値で設定されている。これにより、抜け止め部材７０をケース側貫通孔２４，２５の内面に係止させることができ、抜け止め部材７０の強度をより高くすることができる。

【0027】

次に本実施形態の効果について説明する。シャフト側凹部４３及びピン側凹部２６の双方に抜け止め部材７０が充填されることで、抜け止め部材７０を介して、ピニオンシャフト４０に対して固定ピン２３を抜け止めすることができる。また、シャフト側凹部４３は、ピニオンシャフト４０の端面４２に設けられているため、図２に示すように、固定ピン２３をシャフト側貫通孔４１に挿通した状態で、シャフト側凹部４３に対して、硬化前の抜け止め部材７０を容易に流し入れることができ、作業性が良好である。このように、本実施形態では、デファレンシャルケース２０をかしめることなく、固定ピン２３を抜け止めすることができる。

【0028】

また、抜け止め部材７０は、接着剤によって構成されている。接着剤によって、固定ピン２３とピニオンシャフト４０を接着することができるため、より確実に固定ピン２３を抜け止めすることができる。

【0029】

また、固定ピン２３は、円柱状をなしており、ピン側凹部２６は、固定ピン２３における周方向の全周に亘って延びている。仮に、ピン側凹部２６が固定ピン２３の周方向の一部のみに設けられている場合には、固定ピン２３をシャフト側貫通孔４１に挿通する際に、シャフト側凹部４３とピン側凹部２６とが連通するように、固定ピン２３の軸回りの回転角度を調整する必要が生じる。本実施形態では、ピン側凹部２６が、固定ピン２３の周方向の全周に亘って設けられているため、固定ピン２３の軸回りの回転角度に関わらず、シャフト側凹部４３とピン側凹部２６とを連通させることができる。

【0030】

また、シャフト側貫通孔４１は、シャフト側凹部４３における深さ方向の中間部と交差する形で形成されている。抜け止め部材７０を充填する際には、シャフト側凹部４３の手前側からピン側凹部２６を通って、シャフト側凹部４３の奥方に抜け止め部材７０を充填することができる。これにより、図４に示すように、固定ピン２３の全周を抜け止め部材７０で覆うと共に、図３に示すように、抜け止め部材７０をシャフト側凹部４３の内面のうち、ケース側貫通孔２４の孔縁部２４Ａやケース側貫通孔２５の孔縁部２５Ａに係止させることができ、より確実に固定ピン２３を抜け止めすることができる。

【0031】

＜他の実施形態＞
本明細書に開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。

【0032】

（１）上記実施形態では、抜け止め部材７０として、接着剤を例示したが、これに限定されない。抜け止め部材は、シャフト側凹部４３及びピン側凹部２６の双方に充填した後、硬化する性質を有するものであればよく、例えばパテ等を用いてもよい。
（２）上記実施形態では、固定ピン２３が円柱状をなすものを例示したが、これに限定されず、固定ピン２３の形状は適宜変更可能である。
（３）上記実施形態では、シャフト側凹部４３とシャフト側貫通孔４１とが直交する構成を例示したが、これに限定されない。また、シャフト側凹部４３の底部とシャフト側貫通孔４１と直接的に接続されていてもよい。

【符号の説明】

【0033】

１０…デファレンシャル装置、２０…デファレンシャルケース、２１…シャフト取付孔、２３…固定ピン、２４…ケース側貫通孔、２６…ピン側凹部、４０…ピニオンシャフト、４１…シャフト側貫通孔、４２…ピニオンシャフトの一端部側の端面、４３…シャフト側凹部、７０…抜け止め部材

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】