(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172122
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 59/04 20060101AFI20241205BHJP
B65B 61/02 20060101ALI20241205BHJP
B65B 9/20 20120101ALI20241205BHJP
【FI】
B65B59/04
B65B61/02
B65B9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089649
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】黒川 雄一朗
(72)【発明者】
【氏名】瀬野 知彦
【テーマコード(参考)】
3E050
3E056
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA11
3E050CA02
3E050CA08
3E050CA09
3E050CC08
3E050DC02
3E050DC09
3E050DD03
3E050DF02
3E050FA01
3E050FB02
3E050FB07
3E050HB09
3E056BA03
3E056BA04
3E056CA02
3E056DA01
3E056EA05
3E056FA01
3E056FH05
3E056HA05
(57)【要約】
【課題】印字装置に対するメンテナンス性が高い製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機は、帯状フィルムを搬送する搬送装置と、帯状フィルムの印字面に対して印字を行う印字部410を有する印字装置400と、スライド機構500と、印字装置及びスライド機構を支持する本体300と、を備える。スライド機構は、印字部を、帯状フィルムの幅方向Wにスライドさせる。スライド機構は、帯状フィルムの幅方向Wにおいて、印字部を、第1位置と、第2位置P2と、の間で移動させる。印字部が幅方向Wにおいて第1位置にある際、印字部は、帯状フィルムの印字面に対して印字を行う。印字部が幅方向Wにおいて第2位置にある際、印字部の少なくとも一部は、本体の外部に配置される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状フィルムを搬送する搬送装置と、
前記帯状フィルムの印字面に対して印字を行う印字部を有する印字装置と、
前記印字部を、前記帯状フィルムの幅方向にスライドさせるスライド機構と、
前記印字装置及び前記スライド機構を支持する本体と、
を備え、
前記スライド機構は、前記帯状フィルムの前記幅方向において、前記印字部を、前記帯状フィルムの前記印字面に対して印字を行う第1位置と、前記印字部の少なくとも一部が前記本体の外部に配置される第2位置と、の間で移動させる、
製袋包装機。
【請求項2】
前記印字部は、前記帯状フィルムの前記印字面に対して印字を行う際に、前記帯状フィルムの前記印字面に接触する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記印字部は、サーマルヘッドを有し、前記サーマルヘッドを前記帯状フィルムの前記印字面の感熱領域に接触させることで、前記帯状フィルムの前記印字面の前記感熱領域に対して印字を行う、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記本体には、前記印字部の少なくとも一部が出入りする開口が設けられる
請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記印字装置は、前記印字部の動作を制御する制御基板を収容する制御ボックスを更に有し、
前記スライド機構は、前記印字部と共に、前記制御ボックスを前記帯状フィルムの前記幅方向にスライドさせ、
前記印字部が前記第2位置に位置する時、前記制御ボックスの少なくとも一部が前記本体の外部に配置される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記印字装置は、前記印字部との間で前記帯状フィルムを挟み込むプラテンローラを更に有し、
前記プラテンローラは、前記スライド機構とは非連結である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記スライド機構は、前記帯状フィルムの前記幅方向に沿って延びるガイドと、前記ガイドに取り付けられ、前記ガイドに沿って移動する第1部材と、前記印字部が取り付けられ、前記第1部材と連結されている第2部材とを有し、
前記帯状フィルムの前記幅方向において、前記印字部の位置は、前記第1部材の位置に対してオフセットしている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記帯状フィルムが巻回されたフィルムロールと、
前記フィルムロールから繰り出されて、前記搬送装置により搬送される前記帯状フィルムを、前記帯状フィルムの前記印字面を内向きにした状態で案内する複数のガイドローラと、
前記フィルムロールから搬送されてくる前記帯状フィルムを、前記印字面が外側に配置される筒状に成形するフォーマと、
を更に備え、
前記本体は、前記ガイドローラの両端を支持する一対の側面を有し、
前記開口は、前記一対の側面の一方に形成されている、
請求項4に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2019-218141号公報)のように、搬送される帯状フィルムに対して所定の情報を印字し、印字済みの帯状フィルムを、内部に物品が入った状態で袋状に成形することで物品を包装する製袋包装機が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような製袋包装機において、帯状フィルムに印字を行う印字装置は、裏面を外向きにして搬送される帯状フィルムの搬送経路に隣接する位置に、特に帯状フィルムの表側に対向する位置である、製袋包装機の内部の限られた空間に配置されるため、メンテナンスがし難いという課題がある。
【0004】
そのため、製袋包装機には、印字装置に対するメンテナンス性の向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、帯状フィルムを搬送する搬送装置と、印字装置と、スライド機構と、印字装置及びスライド機構を支持する本体と、を備える。印字装置は、帯状フィルムの印字面に対して印字を行う印字部を有する。スライド機構は、印字部を、帯状フィルムの幅方向にスライドさせる。スライド機構は、帯状フィルムの幅方向において、印字部を、第1位置と、第2位置と、の間で移動させる。印字部が帯状フィルムの幅方向において第1位置にある際、印字部は、帯状フィルムの印字面に対して印字を行う。印字部が帯状フィルムの幅方向において第2位置にある際、印字部の少なくとも一部は、本体の外部に配置される。
【0006】
第1観点に係る製袋包装機では、印字部の少なくとも一部を本体の外部に移動させることが可能なため、印字部に対する高いメンテナンス性が得られる。
【0007】
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、第1観点の製袋包装機であって、印字部は、帯状フィルムの印字面に対して印字を行う際に、帯状フィルムの印字面に接触する。
【0008】
第2観点に係る製袋包装機では、印字部が帯状フィルムの印字面に接触するため、印字部の汚れが帯状フィルムに悪影響を与えるおそれがある。しかし、この製袋包装機では、印字部の少なくとも一部を本体の外部に移動させることが可能なため、印字部の清掃を行うことが容易で、比較的容易な作業で、印字部の汚れが帯状フィルムに悪影響を与えることを抑制できる。
【0009】
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第2観点の製袋包装機であって、印字部は、サーマルヘッドを有し、サーマルヘッドを帯状フィルムの印字面の感熱領域に接触させることで、帯状フィルムの印字面の感熱領域に対して印字を行う。
【0010】
第3観点に係る製袋包装機では、サーマルヘッドの汚れが帯状フィルムに対する印字に悪影響を与えるおそれがある。しかし、この製袋包装機では、印字部の少なくとも一部を本体の外部に移動させることが可能なため、サーマルヘッドの清掃を行うことが容易で、比較的容易な作業で、サーマルヘッドの汚れが印字に悪影響を与えることを抑制できる。
【0011】
本発明の第4観点に係る製袋包装機は、第1観点から第3観点の製袋包装機であって、本体には、印字部の少なくとも一部が出入りする開口が設けられる。
【0012】
第4観点に係る製袋包装機では、開口を通じて印字部にアクセスするのが容易である。
【0013】
本発明の第5観点に係る製袋包装機は、第1観点から第4観点の製袋包装機であって、印字装置は、印字部の動作を制御する制御基板を収容する制御ボックスを更に有する。スライド機構は、印字部と共に、制御ボックスを帯状フィルムの幅方向にスライドさせる。印字部が第2位置にある時、制御ボックスの少なくとも一部が本体の外部に配置される。
【0014】
第5観点に係る製袋包装機では、印字装置の制御ボックスの少なくとも一部を本体の外部に移動させることができるため、制御基板に対する高いメンテナンス性が得られる。
【0015】
本発明の第6観点に係る製袋包装機は、第1観点から第5観点の製袋包装機であって、印字装置は、印字部との間で帯状フィルムを挟み込むプラテンローラを更に含む。プラテンローラは、スライド機構とは非連結である。
【0016】
第6観点に係る製袋包装機では、帯状フィルムの巻き掛けられるプラテンローラがスライド機構とは非連結であって、印字部と共に移動しないため、印字部のメンテナンスを行う時にも帯状フィルムの搬送経路の調整等の作業は不要である。
【0017】
本発明の第7観点に係る製袋包装機は、第1観点から第6観点の製袋包装機であって、スライド機構は、帯状フィルムの幅方向に沿って延びるガイドと、第1部材と、第1部材と連結されている第2部材とを有する。第1部材は、ガイドに取り付けられ、ガイドに沿って移動する。第2部材には、印字部が取り付けられる。帯状フィルムの幅方向において、印字部の位置は、第1部材の位置に対してオフセットしている。
【0018】
第7観点に係る製袋包装機では、ガイドを本体の外部まで延ばして製袋包装機の機幅を広げなくても、印字部をメンテナンスする際に、印字部を本体の外部に比較的大きく張り出させることができる。
【0019】
本発明の第8観点に係る製袋包装機は、第4観点の製袋包装機であって、帯状フィルムが巻回されたフィルムロールと、複数のガイドローラと、フォーマと、を更に備える。複数のガイドローラは、フィルムロールから繰り出されて、搬送装置により搬送される帯状フィルムを、帯状フィルムの印字面を内向きにした状態で案内する。フォーマは、フィルムロールから搬送されてくる帯状フィルムを、印字面が外側に配置される筒状に成形する。本体は、ガイドローラの両端を支持する一対の側面を有する。開口は、一対の側面の一方に形成されている。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る製袋包装機では、印字部に対する高いメンテナンス性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態に係る製袋包装機の概略斜視図である。
【
図2】
図1の製袋包装機の概略的な構成を示す側面図である。
【
図3】
図1の製袋包装機の概略ブロック構成図である。
【
図4】
図1の製袋包装機の製袋包装ユニットの概略的な構成を示す斜視図である。
【
図5】
図1の製袋包装機の印字装置の周辺の概略斜視図である。
【
図6】
図1の製袋包装機の印字装置及びスライド機構の周辺を概略的に示す平面図であり、印字装置の印刷部が左右方向において第1位置に配置されている状態を描画している。
【
図7】
図1の製袋包装機の印字装置及びスライド機構の周辺を概略的に示す平面図であり、印字装置の印刷部が左右方向において第2位置に配置されている状態を描画している。
【
図8】
図1の製袋包装機の印字装置の制御ボックスの周辺の概略斜視図であり、制御ボックスのカバーの取り外し工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0023】
(1)全体構成
本発明の一実施形態に係る製袋包装機1000について、
図1~
図3を参照しながら説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図面中に描画された方向に従い「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現は、特記なき場合、本発明の内容を限定するものではない。
【0024】
製袋包装機1000は、帯状フィルムFを袋状に成形し、食品等の被包装物Cを袋詰めする装置である。製袋包装機1000は、
図1~
図3に示すように、主として、フィルム供給ユニット100と、製袋包装ユニット200と、本体300と、印字装置400と、スライド機構500と、液晶ディスプレイ900と、制御装置800と、を含む。
【0025】
製袋包装ユニット200は、上方に配置される組合せ計量機等から被包装物Cが供給されるタイミングに合わせて袋Bを成形し、被包装物Cを袋Bの中に密封して包装する。
【0026】
フィルム供給ユニット100は、
図2に示すように、フィルムロールFRからシート状のフィルム(以下、帯状フィルムFと呼ぶ)を繰り出して、帯状フィルムFを製袋包装ユニット200に供給する。
【0027】
印字装置400は、
図2に示すように、フィルム供給ユニット100における帯状フィルムFの搬送経路に隣接して配置される。具体的には、印字装置400は、その上方、前方及び後方が、帯状フィルムFやガイドローラ120によって囲まれている比較的狭小な空間に配置されている。印字装置400は、フィルム供給ユニット100が製袋包装ユニット200へと搬送する帯状フィルムFに各種情報を印字する。スライド機構500は、印字装置400のメンテナンスの際等に、印字装置400の印字部410を左右方向に移動させる機構である。
【0028】
本体300は、フィルム供給ユニット100、製袋包装ユニット200、及び印字装置400及びスライド機構500を支持するフレームや、フレームに取り付けられるカバーを含む。
【0029】
液晶ディスプレイ900は、タッチパネル式のディスプレイであり、製袋包装機1000に対する指示や各種設定を受け付ける入力装置として、また、製袋包装機1000に関する情報を表示する出力装置として機能する。
【0030】
制御装置800は、CPU、ROM及びRAM等を有するコンピュータである。制御装置800は、
図3のように、製袋包装ユニット200及びフィルム供給ユニット100の各種構成、印字装置400、及び液晶ディスプレイ900に電気的に接続されている。制御装置800は、例えば液晶ディスプレイ900からの入力に基づき、製袋包装ユニット200及びフィルム供給ユニット100の各種構成を制御し、液晶ディスプレイ900に各種の情報を出力する。さらに、制御装置800は、印字装置400の動作を制御し、フィルム供給ユニット100が供給する帯状フィルムFに、各種情報を印字させる。
【0031】
(2)詳細構成
製袋包装機1000の詳細について、
図4~
図8も参照しながら説明する。
【0032】
(2-1)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット100は、製袋包装ユニット200の後方に配置され(
図2参照)、帯状フィルムFを、製袋包装ユニット200の後述する成形機構210に供給する。
【0033】
フィルム供給ユニット100は、
図2に示すように、フィルムロール支持機構110と、複数のガイドローラ120と、を主に含む。
【0034】
フィルムロール支持機構110は、帯状フィルムFが巻き芯に巻き回されたフィルムロールFRを保持する。フィルムロール支持機構110は、例えば、図示しないモータ等の駆動部を用いてフィルムロールFRの巻き芯が取り付けられているシャフト112(
図2参照)を回転させることで、フィルムロールFRから帯状フィルムFを繰り出す。
【0035】
複数のガイドローラ120は、その長手方向が、帯状フィルムFの搬送方向Aと直交するように、かつ、帯状フィルムFの幅方向Wに延びるように配置されている。本実施形態では、各ガイドローラ120の長手方向は、左右方向である。複数のガイドローラ120のそれぞれは、本体300の右側面302及び左側面304(特に、本実施形態では、左右に配置されているフレーム310)により両端を支持されている。複数のガイドローラ120は、帯状フィルムFの搬送経路に沿って配置され、フィルムロールFRから繰り出されて、後述する製袋包装ユニット200の搬送装置220により搬送される帯状フィルムFを案内する。複数のガイドローラ120は、帯状フィルムFを、印字装置400により印字がされる印字面Faを内向きにした状態で、言い換えれば、印字面Faの裏側に配置される非印字面Fbを外向きにした状態で、案内する。
【0036】
なお、帯状フィルムFの外向きに配置される面とは、帯状フィルムFが透明ではなく、かつ、製袋包装機1000の本体300のカバー等の、帯状フィルムFを見る上で視界を遮る部材を取り外した状態を想定した場合に、フィルム供給ユニット100部分の上面視、正面視、又は背面視において、目視可能な面を意味する。一方、帯状フィルムFの内向きに配置される面とは、上記と同様の想定をした場合に、フィルム供給ユニット100部分の上面視、正面視、又は背面視において、目視できない面を意味する。
【0037】
複数のガイドローラ120の1つ(位置を限定するものではないが、
図2で符号“130”を付したガイドローラ120)にはエンコーダ(図示せず)が連結されており、帯状フィルムFの搬送距離や搬送速度を計測している。制御装置800は、エンコーダの計測結果に応じて印字装置400の印字タイミングを制御する。
【0038】
(2-2)製袋包装ユニット
製袋包装ユニット200は、
図2及び
図4に示すように、主に、成形機構210と、搬送装置220と、縦シール機構230と、横シール機構240を含む。
【0039】
成形機構210は、フィルム供給ユニット100から供給される帯状フィルムFを筒状に成形する機構である。成形機構210は、フォーマ212と、チューブ214とを有する。チューブ214は、上端及び下端が開口している、円筒形状の部材である。チューブ214の上端の開口には、上方から供給される被包装物Cが投入される。フォーマ212は、チューブ214を取り囲むように配置されている。フォーマ212は、帯状フィルムFがチューブ214とフォーマ212との間の隙間を通過する際に、印字面Faが外側に配置されるように帯状フィルムFを筒状に成形する。筒状に成形された帯状フィルムFは、チューブ214に巻き付いた状態で、搬送装置220により下方に搬送される。
【0040】
搬送装置220は、フォーマ212の下方に配置され、チューブ214に巻き付いた、筒状に成型された帯状フィルムF(以後、筒状フィルムFtと呼ぶ)を吸着しながら下方に搬送する。製袋包装機1000は、チューブ214の左右に配置される、一対の搬送装置220を有する。各搬送装置220は、筒状フィルムFtを吸着する機構を有する搬送ベルト226と、搬送ベルト226の巻き掛けられている駆動ローラ222及び従動ローラ224と、を有する。各搬送装置220は、駆動ローラ222を図示しないモータによって回転させることで搬送ベルト226を駆動し、筒状フィルムFtを下方に搬送する。
【0041】
縦シール機構230は、フォーマ212の下方であって、チューブ214の正面側に、チューブ214に隣接して配置される。縦シール機構230は、フォーマ212により筒状に成形された帯状フィルムFの両端部の重なり部分を、帯状フィルムFの搬送方向Aと平行な縦方向(
図2では、上下方向)にシールする。具体的には、縦シール機構230は、駆動機構(図示せず)によって、チューブ214に近づくように、あるいは、チューブ214から遠ざかるように前後方向に移動する。縦シール機構230が駆動機構によってチューブ214に近づくように駆動されると、チューブ214に巻き付いた帯状フィルムFの縦方向の重なり部分は、縦シール機構230とチューブ214との間に挟まれる。そして、縦シール機構230は、帯状フィルムFの重なり部分を所定の圧力でチューブ214に押し付けながら加熱することで、帯状フィルムFの重なり部分を縦方向に熱シールする。なお縦シール機構230のシール方法は超音波シールであってもよい。
【0042】
横シール機構240は、搬送装置220及び縦シール機構230の下方に配置され、縦シール機構230により帯状フィルムFの重なり部分が縦シールされた筒状フィルムFtを、搬送方向Aと直交する横方向にシールして、上端部及び下端部が横シールされた袋Bを形成する。具体的には、横シール機構240は、主として、筒状フィルムFtの前方に配置されるシールジョー242と、筒状フィルムFtの後方に配置されるシールジョー242とを有する。横シール機構240は、例えば、筒状フィルムFtの前方及び後方に配置されているシールジョー242を旋回させることで、搬送装置220により搬送される筒状フィルムFtを、所定のタイミングで(被包装物Cが、筒状フィルムFtの下端に配置された状態で)筒状フィルムFtの搬送方向と交差する横方向(
図2では、左右方向)に沿って挟み込む。筒状フィルムFtを挟み込む一対のシールジョー242は、筒状フィルムFtを挟み込みながら加熱することで、筒状フィルムFtを横方向に熱シールする。なお横シール機構240のシール方法は超音波シールであってもよい。また、横シール機構240は、一対のシールジョー242を駆動機構により旋回させる代わりに、一対のシールジョー242が同期して筒状フィルムFtに接近/離隔するように、駆動機構が一対のシールジョー242を前後に移動させてもよい。
【0043】
(2-3)印字装置
印字装置400は、帯状フィルムFの印字面に対して印字を行う。印字内容を限定するものではないが、印字装置400の印字する情報には、被包装物Cの、製品名、原材料、アレルギー情報、製造者、製造日、消費期限等の情報を含む。
【0044】
印字装置400は、
図2、
図3及び
図6に示すように、印字部410、制御ボックス420、制御基板430、モータ440及びプラテンローラ450を含む。プラテンローラ450には、搬送される帯状フィルムFが巻き掛けられており、ガイドローラ120としても機能する。
【0045】
印字部410は、帯状フィルムFの印字面Faに対して印字を行う。
【0046】
本実施形態では、印字部410は、帯状フィルムFの印字面Faに接触して、帯状フィルムFの印字面Faに対して印字を行う。
【0047】
特に、本実施形態では、帯状フィルムFには、印字面Faの少なくとも印字領域(印字を行う領域)に、熱により発色する熱反応材料が予め塗布されているフィルムが用いられ、印字部410は、サーマルヘッド412を含む。サーマルヘッド412は、図示を省略する複数の発熱体(ヒータ)を有し、各ヒータに電流が流れる際に発生する熱を熱反応材料に伝えることで印字するデバイスである。印字部410は、サーマルヘッド412を帯状フィルムFの印字面Faの感熱領域(熱反応材料が塗布されている領域)に接触させ、印字内容・印字位置に応じた位置のヒータを、印字内容・印字位置に応じたタイミングで発熱させることで、印字面Faの感熱領域に対して決められた内容の印字を行う。
【0048】
制御基板430は、CPU,ROMやRAMを含む電子部品を有し、印字部410の動作を制御する。制御基板430は、制御装置800と電気的に接続されており、制御装置800からの指令に応じて印字部410の動作を制御し、印字部410に、帯状フィルムFの感熱領域に対して印字を行わせる。
【0049】
制御ボックス420は、制御基板430を収容する。制御ボックス420は、
図8に示すように、前面と上面とが開口している箱状のボックス本体422と、ボックス本体422の前面及び上面を覆うカバー424とを含む。カバー424は、ボルトやネジ等の固定部材426,428により固定されている(
図8参照)。
【0050】
なお、従来の制御ボックスでは、カバーは、例えば、箱状のボックス本体の上面において、四隅で、ボルトやネジ等の固定部材により固定される。しかし、このように構成される場合、印字装置400はその上方、前方及び後方が、帯状フィルムFやガイドローラ120によって囲まれている比較的狭小な空間に配置されているため(後述するように制御ボックス420の少なくとも一部分は、スライド機構500により、本体300の外部に移動させることができるものの)、カバーの取り外しは容易ではない。
【0051】
そこで、ここでは、カバー424をボックス本体422に固定する固定部材426が、いずれも、制御ボックス420の一部が出入りする開口320が形成されている(オペレータがアクセスの容易な)、本体300の右側面302側から取り外し可能に配置・構成されている(
図8参照)。また、カバー424をボックス本体422に固定する固定部材428は、前方側に配置されるものの、カバー424の固定部材428により固定される部分には、左側に開口する切り欠き424aが設けられており(
図8参照)、固定部材428を取り外さなくても、固定部材428を緩めるだけで、カバー424を右方に引き出して、ボックス本体422から取り外すことができる。
【0052】
制御ボックス420は、
図8に示すように、印字部410の下方に配置されている。制御ボックス420が印字部410の下方に配置されることで得られる効果を説明する。
【0053】
印字部と制御基板とは、制御用の配線(ハーネス、図示省略)により接続されるが、ハーネスが長くなるとノイズにより印字品質が低下する可能性がある。そのため、ハーネスはできるだけ短いことが好ましく、印字部と制御基板とは隣接して設置されることが好ましい。そこで、印字部と制御基板を収容する制御ボックスとは、従来、水平方向に並べて配置されている。この場合、水平方向において印字装置のサイズが大きくなり、その結果製袋包装機の設置面積が大きくなりやすいという問題がある。これに対し、本実施形態では、制御ボックス420を、印字部410の下方に配置しているため、印字装置400の水平方向のサイズ増大を抑制して、製袋包装機1000の設置面積の増大も抑制できる。
【0054】
なお、印字部410及び制御ボックス420は、
図6に示すように、後述するベース部材530に取り付けられている。また、モータ440も、ベース部材530に取り付けられている。ベース部材530は、単一部材でもよいし、複数の部材で構成されてもよい。
【0055】
モータ440は、印字部410の移動に用いられる。モータ440の動作は、制御基板430により制御される。
【0056】
後述するように、印字部410は、スライド機構500により帯状フィルムFの幅方向W(本実施形態では左右方向、以後、単に幅方向Wと呼ぶ)にスライド可能であり、スライド機構500は、印字部410を、幅方向Wにおいて、帯状フィルムFの印字面Faに対して印字を行う位置(第1位置P1と呼ぶ)に移動させることができる。モータ440は、印字部410が幅方向Wにおいて第1位置P1に配置されている状態で、印字部410を左右方向(幅方向W)に延びる回転軸O(
図8参照)回りで回転させることで、印字部410を、帯状フィルムFの印字面Faに接触する位置(印字面Faに印字を行うことが可能な位置)と、帯状フィルムFに接触しない位置(帯状フィルムFより後方の、帯状フィルムFとは離れた位置)との間で移動させる。モータ440は、スライド機構500が印字部410を幅方向Wに移動させる際には、印字部410を、帯状フィルムFに接触しない位置に移動させ、印字部410に帯状フィルムFに対して印字させる際には、印字部410を、帯状フィルムFに接触する位置に移動させる。
【0057】
プラテンローラ450は、例えば、金属製の棒状の部材の周りに樹脂が成形された部品である。プラテンローラ450は、ガイドローラ120の一つでもある。プラテンローラ450は、帯状フィルムFのフィルム送りと、印字の際に帯状フィルムFを支持する機能とを有する。サーマルヘッド412は、帯状フィルムFの印字面Faに情報を印字する際に、帯状フィルムFをプラテンローラ450に向かって押し当てる。言い換えれば、プラテンローラ450は、印字部410が帯状フィルムFに情報を印字する際に、印字部410のサーマルヘッド412との間で帯状フィルムFを挟み込む。
【0058】
(2-4)スライド機構
スライド機構500は、帯状フィルムFの幅方向Wにスライドさせる機構である。
【0059】
具体的には、スライド機構500は、幅方向W(本実施形態では左右方向)において、印字装置400の印字部410を、印字部410が帯状フィルムFの印字面Faに対して印字を行う第1位置P1(
図6参照)と、印字部410に対してメンテナンスを行うことが容易な第2位置P2(
図7参照)との間で移動させる。
【0060】
印字部410が幅方向Wにおいて第1位置P1に配置される時(以後、説明の簡易化のため、単に“印字部410が第1位置P1に配置される時”という)には、幅方向W(本実施形態では左右方向)において、印字部410の全体が本体300の内部に配置される。言い換えれば、印字部410が第1位置P1に配置される時には、印字部410は、本体300の左右の端部の間に配置される。なお、第1位置P1は、常に同じ位置である必要はなく、使用される帯状フィルムFのサイズや、帯状フィルムFに対する印字位置により変更されてもよい。
【0061】
印字部410が幅方向Wにおいて第2位置P2に配置される時(以後、説明の簡易化のため、単に“印字部410が第2位置P2に配置される時”という)には、幅方向W(本実施形態では左右方向)において、印字部410の少なくとも一部が本体300の外部に配置される。特に、本実施形態では、印字部410が第2位置P2に配置される時には、幅方向Wにおいて、印字部410のサーマルヘッド412の少なくとも一部が本体300の外部に配置される。言い換えれば、印字部410が第2位置P2に配置される時には、印字部410の少なくとも一部が(特に、本実施形態ではサーマルヘッド412の少なくとも一部が)、幅方向Wにおける本体300の一方の端部より外側に(特に本実施形態では、本体300の右端より右側に)配置される。
【0062】
なお、本体300には、スライド機構500により移動させられる印字部410の少なくとも一部が出入りする開口320が設けられている。具体的には、本体300は、複数のガイドローラ120の両端を支持する一対の側面(右側面302及び左側面304)を有し、このうち一方の側面(本実施形態では右側面302)に、開口320が形成されている。より具体的には、本体300は、フィルム供給ユニット100の左右に、ガイドローラ120の両端を支持するフレーム310を有し(一対のフレーム310を有し)、このうち一方のフレーム310(本実施形態では右側のフレーム310)に、開口320が形成されている。スライド機構500が、幅方向Wにおいて、印字装置400の印字部410を第1位置P1と第2位置P2との間で移動させる際には、開口320を通って、印字部410が本体300の内部と外部との間を移動する。なお、開口320は、運転時にはカバーにより覆われ、スライド機構500により印字部410を移動させる際に、このカバーが取り外されてもよい。
【0063】
スライド機構500の構成・構造を説明する。
【0064】
スライド機構500は、
図6に示すように、ガイド510と、移動部材520と、ベース部材530と、取手590と、を主に有する。
【0065】
ガイド510は、帯状フィルムFの幅方向Wに沿って延びる部材である。例えば、ガイド510は棒状の部材である。ただし、ガイド510の形状は、棒状に限定されず、レール状等、他の形状であってもよい。
【0066】
移動部材520は、第1部材の一例であり、ガイド510に、ガイド510に沿って移動可能に取り付けられており、ガイド510に沿って移動する。なお、スライド機構500は、移動部材520をガイド510に対する所定の位置に移動させた後に、移動部材520を所定の位置に固定する固定装置(図示省略、移動部材520の固定/開放を切り換え可能な固定装置)を有することが好ましい。
【0067】
ベース部材530は、第2部材の一例であり、移動部材520と連結されている。なお、ベース部材530は、移動部材520と一体化されていてもよい。ベース部材530には、前述のように、印字部410が取り付けられている。また、ベース部材530には、制御ボックス420及びモータ440も取り付けられている。
【0068】
スライド機構500では、移動部材520がガイド510に沿って移動する際に、ベース部材530が移動部材520と共に移動し、ベース部材530に取り付けられている印字部410を左右方向(言い換えれば幅方向W)にスライドさせる。ベース部材530には、前述のように制御ボックス420も取り付けられているため、スライド機構500が印字部410を幅方向Wにスライドさせる際には、制御ボックス420も幅方向Wにスライドさせられる。そして、印字部410が第2位置P2に位置する時には、制御ボックス420の少なくとも一部が本体300の外部に配置される。言い換えれば、印字部410が第2位置P2に配置される時には、制御ボックス420の少なくとも一部が、幅方向Wにおける本体300の一方の端部より外側(特に本実施形態では、本体300の右端より右側)に配置される。なお、スライド機構500が、幅方向Wにおいて、印字装置400の印字部410を第1位置P1と第2位置P2との間で移動させる際には、開口320を通って、制御ボックス420の一部も、本体300の内部と外部との間を移動する。
【0069】
なお、本実施形態では、スライド機構500は、印字部410と共に制御ボックス420をスライドさせるが、これに限定されるものではない。例えば、制御ボックス420は本体300の不動のフレーム等に固定されていてもよい。言い換えれば、スライド機構500は、制御ボックス420はスライドさせなくてもよい。
【0070】
なお、幅方向Wにおいて、ベース部材530に取り付けられている印字部410の位置は、移動部材520の位置に対してオフセットしていることが好ましい。言い換えれば、
図7に示すように、幅方向W(言い換えれば左右方向)における印字部410の中心位置C1は、幅方向Wにおける移動部材520の中心位置C2に対してオフセットしていることが好ましい。具体的に言えば、印字部410の左右方向における中心位置C1は、移動部材520の左右方向における中心位置C2に対して右側(本体300の開口320が形成されている側面302側)にずれていることが好ましい(
図7参照)。同様に、ベース部材530に取り付けられている制御ボックス420の位置は、移動部材520の位置に対してオフセットしており、制御ボックス420の左右方向における中心位置C3は、移動部材520の左右方向における中心位置C2に対して右側(本体300の開口320が形成されている側面302側)にずれていることが好ましい(
図7参照)。
【0071】
なお、幅方向Wにおいて、印字部410及び/又は制御ボックス420の位置が、移動部材520の位置に対してオフセットしていることは、好ましくはあるが、必須の構成ではない。例えば、スライド機構500により、印字部410の少なくとも一部を本体300の外部に配置する位置へと移動させることが可能であれば、幅方向Wにおいて、印字部410の中心位置C1は、移動部材520の中心位置C2と一致していてもよい。
【0072】
なお、印字装置400は、その全体がスライド機構500により幅方向Wに移動可能に構成されてもよい。しかし、印字装置400の一部を構成するプラテンローラ450については、スライド機構500とは非連結であり(スライド機構500の移動部材520とは連結されておらず)、スライド機構500によって移動(スライド)させられないように構成されることが好ましい。
【0073】
取手590は、スライド機構500の移動部材520を左右に移動させる際に、オペレータが把持する部材である。取手590が存在しなくても、オペレータは適当な位置を把持して、移動部材520を左右に移動させることができる可能性があるが、この場合、把持する位置によっては、部品を破損したりする可能性がある。これに対し、取手590を設けることで、部品の破損の発生を抑制することができる。また、取手590は、スライド機構500の移動部材520の直近に配置されるため、取手590を把持して操作する際の、取手590と移動部材520との間のモーメントを抑制し、移動部材520のスムーズな移動が実現される。
【0074】
なお、ここでは、スライド機構500が手動である場合を例に説明しているが(オペレータが取手590を把持して操作することで、移動部材520を左右に移動させることを想定しているが)、スライド機構500の移動部材520は、液晶ディスプレイ900に対してオペレータが指示した入力に応じて、モータ等の駆動部により動かされてもよい。
【0075】
(3)製袋包装機の動作
製袋包装機1000が被包装物Cを袋Bに密封する動作の概略について説明する。
【0076】
フィルム供給ユニット100において搬送される帯状フィルムFの所定の位置には、印字装置400により所定の情報が印字される。フィルム供給ユニット100から製袋包装ユニット200に供給された帯状フィルムFは、チューブ214に巻き付けられて筒状に成形され、搬送装置220によって下方に搬送される。チューブ214に巻き付けられた筒状の帯状フィルムF(筒状フィルムFt)の、上下方向に延びる帯状フィルムFの重なり部分は、縦シール機構230によって縦方向にシールされる。縦シールされた筒状フィルムFtは、チューブ214から抜けて、横シール機構240まで下方に搬送される。横シール機構240は、一対のシールジョー242によって、筒状フィルムFtを挟み込んで横シールする。このとき、筒状フィルムFtの横シールされる部分の下方には、被包装物Cが封入された袋Bが形成されている。一方、筒状フィルムFtの横シールされた部分の上方では、上方から供給される被包装物Cがチューブ214内を落下して、筒状フィルムFtの中に投入される。また、筒状フィルムFtが横シールされるタイミングに合わせて、一対のシールジョー242の一方に内蔵されているカッター(図示せず)によって、筒状フィルムFtの横シールされた部分が横方向に切断される。これにより、被包装物Cが封入された袋Bは、後続の筒状フィルムFtから切り離される。
【0077】
(4)特徴
(4-1)
本実施形態の製袋包装機1000は、帯状フィルムFを搬送する搬送装置220と、印字装置400と、スライド機構500と、印字装置400及びスライド機構500を支持する本体300と、を備える。印字装置400は、帯状フィルムFの印字面Faに対して印字を行う印字部410を有する。スライド機構500は、印字部410を、帯状フィルムFの幅方向W(以後、単に幅方向Wと呼ぶ)にスライドさせる。スライド機構500は、幅方向Wにおいて、印字部410を、第1位置P1と、第2位置P2と、の間で移動させる。印字部410が幅方向Wにおいて第1位置P1にある際、印字部410は、帯状フィルムFの印字面Faに対して印字を行う。印字部410が幅方向Wにおいて第2位置P2にある際、印字部410の少なくとも一部は、本体300の外部に配置される。
【0078】
製袋包装機1000では、印字部410の少なくとも一部を本体300の外部に移動させることが可能なため、オペレータがメンテナンスの際に印字部410にアクセスすることが容易で、印字部410に対する高いメンテナンス性が得られる。
【0079】
(4-2)
本実施形態の製袋包装機1000では、印字部410は、帯状フィルムFの印字面Faに対して印字を行う際に、帯状フィルムFの印字面Faに接触する。
【0080】
製袋包装機1000では、印字部410が帯状フィルムFの印字面Faに接触するため、印字部410の汚れが帯状フィルムFに悪影響を与えるおそれがある。しかし、製袋包装機1000では、印字部410の少なくとも一部を本体300の外部に移動させることが可能なため、印字部410の清掃を行うことが容易で、比較的容易な作業で、印字部410の汚れが帯状フィルムFに悪影響を与えることを抑制できる。
【0081】
特に、本実施形態の製袋包装機1000では、印字部410は、サーマルヘッド412を有し、サーマルヘッド412を帯状フィルムFの印字面Faの感熱領域に接触させることで、帯状フィルムFの印字面Faの感熱領域に対して印字を行う。
【0082】
製袋包装機1000では、サーマルヘッド412の汚れが帯状フィルムFに対する印字に悪影響を与えるおそれがある。しかし、製袋包装機1000では、印字部410の少なくとも一部を本体300の外部に移動させることが可能なため、サーマルヘッド412の清掃を行うことが容易で、比較的容易な作業で、サーマルヘッド412の汚れが印字に悪影響を与えることを抑制できる。
【0083】
(4-3)
本実施形態の製袋包装機1000では、印字装置400は、印字部410の動作を制御する制御基板430を収容する制御ボックス420を有する。スライド機構500は、印字部410と共に、制御ボックス420を幅方向Wにスライドさせる。印字部410が第2位置P2にある時、制御ボックス420の少なくとも一部が本体300の外部に配置される。
【0084】
製袋包装機1000では、印字装置400の制御ボックス420の少なくとも一部を本体300の外部に移動させることができるため、制御基板430に対する高いメンテナンス性が得られる。
【0085】
(4-4)
本実施形態の製袋包装機1000では、印字装置400は、印字部410との間で帯状フィルムFを挟み込むプラテンローラ450を含む。プラテンローラ450は、スライド機構500とは非連結である。
【0086】
製袋包装機1000では、帯状フィルムFの巻き掛けられるプラテンローラ450がスライド機構500とは非連結であって、印字部410と共に移動しないため、印字部410のメンテナンスを行う時にも帯状フィルムFの搬送経路の調整等の作業は不要である。
【0087】
(4-5)
本実施形態の製袋包装機1000では、スライド機構500は、幅方向Wに沿って延びるガイド510と、第1部材の一例としての移動部材520と、移動部材520と連結されている第2部材の一例としてのベース部材530とを備える。移動部材520は、ガイド510に取り付けられ、ガイド510に沿って移動する。ベース部材530には、印字部410が取り付けられる。幅方向Wにおいて、印字部410の位置は、移動部材520の位置に対してオフセットしている。
【0088】
製袋包装機1000では、ガイド510を本体300の外部まで延ばして製袋包装機1000の機幅(幅方向Wにおける製袋包装機1000の機幅)を広げなくても、印字部410をメンテナンスする際に、印字部410を本体300の外部に比較的大きく張り出させることができる。
【0089】
(4-6)
本実施形態の製袋包装機1000は、帯状フィルムFが巻回されたフィルムロールFRと、複数のガイドローラ120と、フォーマ212と、を備える。複数のガイドローラ120は、フィルムロールFRから繰り出されて、搬送装置220により搬送される帯状フィルムFを、帯状フィルムFの印字面Faを内向きにした状態で案内する。フォーマ212は、フィルムロールFRから搬送されてくる帯状フィルムFを、印字面Faが外側に配置される筒状に成形する。本体300は、ガイドローラ120の両端を支持する一対の側面302,304を有する。開口320は、一対の側面の一方(右側面302)に形成されている。
【0090】
(5)変形例
(5-1)変形例A
上記実施形態では、帯状フィルムFが感熱領域を有し(帯状フィルムFの印字面Faに熱反応材料が塗布されており)、印字装置400のサーマルヘッド412は、帯状フィルムFに直接接触して、帯状フィルムFの感熱領域に対して印字を行うが、本発明の製袋包装機は、このようなタイプに限定されるものではない。
【0091】
例えば、帯状フィルムFには熱反応材料は塗布されておらず、印字装置400は、インクリボンを使用する熱転写プリンタや、帯状フィルムにインクを吹き付けるインクジェットプリンタ等であってもよい。印字装置400が、印字部410に対するメンテナンス(清掃や部品交換等)が必要なプリンタである場合には、スライド機構500により印字部410を第2位置P2へとスライドさせる構成は有用である。
【0092】
ただし、上記実施形態で説明したサーマルヘッド412を帯状フィルムFの感熱領域に直接接触させる場合に、スライド機構500により印字部410を第2位置P2へとスライドさせる構成は特に有用である。
【0093】
(5-2)変形例B
上記実施形態では、本体300の右側面302側に開口320が設けられ、印字部410が第2位置P2に配置された時に、印字部410の少なくとも一部が本体300の右端部よりも右側に配置されるが、これに限定されるものではない。例えば、本体300の左側面304側に開口が設けられ、印字部410が第2位置P2に配置された時に、印字部410の少なくとも一部が本体300の左端部よりも左側に配置されるように製袋包装機1000は設計されもよい。
【符号の説明】
【0094】
220 搬送装置
300 本体
320 開口
400 印字装置
410 印字部
420 制御ボックス
430 制御基板
450 プラテンローラ
412 サーマルヘッド
500 スライド機構
510 ガイド
520 移動部材(第1部材)
530 ベース部材(第2部材)
1000 製袋包装機
F 帯状フィルム
Fa 印字面
P1 第1位置
P2 第2位置
W 帯状フィルムの幅方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】