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  • 特開-丸形ボトル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172140
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】丸形ボトル
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65D1/02 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089675
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】栗原 誠明
(72)【発明者】
【氏名】木幡 博
(72)【発明者】
【氏名】早川 忠司
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA17
3E033BA18
3E033BB08
3E033CA05
3E033DA03
3E033DB01
3E033DC03
3E033DD05
3E033EA05
3E033FA03
3E033GA02
(57)【要約】
【課題】丸形ボトルが薄肉に形成されていても、把持した手の握力によって、開栓に伴うボトル内の開放時に丸形ボトルが潰れるのを抑制する。
【解決手段】口部11、肩部12、胴部13、および底部14が、ボトル軸O方向に沿って上方から下方に向けてこの順に連設されるとともに、合成樹脂材料で一体に形成され、ボトル軸に直交する横断面視形状が円形状とされた丸形ボトル1であって、胴部のボトル軸方向の大きさが、肩部のボトル軸方向の大きさより小さく、かつ60mm未満となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部、肩部、胴部、および底部が、ボトル軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に連設されるとともに、合成樹脂材料で一体に形成され、ボトル軸に直交する横断面視形状が円形状とされた丸形ボトルであって、
前記胴部のボトル軸方向の大きさが、前記肩部のボトル軸方向の大きさより小さく、かつ60mm未満となっている、丸形ボトル。
【請求項2】
前記口部の外周面に、ねじキャップが着脱可能に装着される雄ねじ部が形成され、
前記肩部の外周面に、上方から下方に向かうに従い周方向の一方側から周方向の他方側に向けて延びるリブが形成され、
前記雄ねじ部のねじ山は、上方から下方に向かうに従い周方向の他方側から周方向の一方側に向けて延びている、請求項1に記載の丸形ボトル。
【請求項3】
前記リブの下端部と、前記胴部の下端部と、の間のボトル軸方向の距離は、60mm未満となっている、請求項2に記載の丸形ボトル。
【請求項4】
丸形ボトルにおけるボトル軸方向の中央部は、前記肩部に位置している、請求項1から3のいずれか1項に記載の丸形ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丸形ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、口部、肩部、胴部、および底部が、ボトル軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に連設されるとともに、合成樹脂材料で一体に形成され、ボトル軸に直交する横断面視形状が円形状とされた丸形ボトルが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-043593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の環境問題に配慮して薄肉に形成した丸形ボトルでは、把持した手の握力によって、開栓に伴うボトル内の開放時に潰れるおそれが考えられる。特に、炭酸飲料が充填される耐圧の丸形ボトルの場合には、開栓時にボトル内圧が大きく低下するため、開栓時に潰れやすくなる。
【0005】
本発明は、薄肉に形成されていても、把持した手の握力によって、開栓に伴うボトル内の開放時に潰れるのを抑制することができる丸形ボトルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る丸形ボトルは、口部、肩部、胴部、および底部が、ボトル軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に連設されるとともに、合成樹脂材料で一体に形成され、ボトル軸に直交する横断面視形状が円形状とされた丸形ボトルであって、前記胴部のボトル軸方向の大きさが、前記肩部のボトル軸方向の大きさより小さく、かつ60mm未満となっている。
【0007】
胴部のボトル軸方向の大きさが、肩部のボトル軸方向の大きさより小さくなっているので、丸形ボトルを把持する使用者に、胴部ではなく肩部を握らせやすくすることが可能になる。この際、胴部は円筒状に形成され、肩部は円錐筒状に形成されているので、肩部の径方向の剛性が、胴部の径方向の剛性より高くなっている。したがって、丸形ボトルを把持する使用者に、径方向の剛性が高い肩部を握らせやすくすることが可能になり、丸形ボトルが薄肉に形成されていても、把持した手の握力によって、開栓に伴うボトル内の開放時に丸形ボトルが潰れるのを抑制することができる。
胴部のボトル軸方向の大きさが、成人女性の手幅より小さい60mm未満(社団法人 人間生活工学研究センター 日本人の手の寸法データ集2010)となっているので、丸形ボトルを把持する使用者が成人であれば、手の少なくとも一部は、開栓に際し確実に肩部に位置させることができる。
【0008】
前記口部の外周面に、ねじキャップが着脱可能に装着される雄ねじ部が形成され、前記肩部の外周面に、上方から下方に向かうに従い周方向の一方側から周方向の他方側に向けて延びるリブが形成され、前記雄ねじ部のねじ山は、上方から下方に向かうに従い周方向の他方側から周方向の一方側に向けて延びてもよい。
【0009】
肩部の外周面に、上方から下方に向かうに従い周方向の一方側から周方向の他方側に向けて延びるリブが形成され、雄ねじ部のねじ山が、上方から下方に向かうに従い周方向の他方側から周方向の一方側に向けて延びているので、ねじキャップを丸形ボトルに対して周方向の一方側から他方側に向かう緩み側に回転させたときに、肩部を把持した手をリブに引っ掛けることが可能になり、手が肩部を滑るのを抑制することができる。これにより、開栓時に丸形ボトルを握るグリップ力を抑えることが可能になり、薄肉で剛性が低い丸形ボトルであっても潰れにくく開けやすくすることができる。
【0010】
前記リブの下端部と、前記胴部の下端部と、の間のボトル軸方向の距離は、60mm未満となってもよい。
【0011】
リブの下端部と、胴部の下端部と、の間のボトル軸方向の距離が、60mm未満となっているので、丸形ボトルを把持する使用者が成人であれば、手の少なくとも一部は、開栓に際し確実にリブに接触させることが可能になり、ねじキャップを丸形ボトルに対して緩み側に回転させたときに、手が滑るのを確実に抑制することができる。
【0012】
丸形ボトルにおけるボトル軸方向の中央部は、前記肩部に位置してもよい。
【0013】
丸形ボトルにおけるボトル軸方向の中央部が、肩部に位置しているので、丸形ボトルを把持する使用者に肩部を確実に握らせやすくすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、丸形ボトルが薄肉に形成されていても、把持した手の握力によって、開栓に伴うボトル内の開放時に丸形ボトルが潰れるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態として示した丸形ボトルを径方向の外側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、丸形ボトル1の一実施形態について説明する。
丸形ボトルは、図1に示されるように、口部11、肩部12、胴部13、および底部14が、ボトル軸O方向に沿って上方から下方に向けてこの順に連設されるとともに、合成樹脂材料で一体に形成され、ボトル軸Oに直交する横断面視形状が円形状とされている。丸形ボトル1は、例えば二軸延伸ブロー成形等により形成される。丸形ボトル1には、密封された状態で内圧を上昇させる例えば炭酸飲料等が充填される。
【0017】
口部11、肩部12、胴部13および底部14はそれぞれ、ボトル軸Oと同軸に配置されている。
以下、ボトル軸O方向から見てボトル軸Oに交差する方向を径方向といい、ボトル軸O方向から見てボトル軸O周りに周回する方向を周方向という。
【0018】
口部11の外周面には、図示しないねじキャップが着脱可能に装着される雄ねじ部11aが形成されている。雄ねじ部11aのねじ山は、上方から下方に向かうに従い周方向の他方側から周方向の一方側に向けて延びている。
口部11の外周面において、雄ねじ部11aより下方に位置する部分に、周方向の全長にわたって連続して延びるネックリング26が設けられている。なお、ネックリング26を有しない丸形ボトルを採用してもよい。
【0019】
肩部12は、上方から下方に向かうに従い拡径している。肩部12は、ボトル軸O方向に沿う縦断面視で、径方向の外側に向けて突の曲線状を呈する。肩部12の下端部は、胴部13の上端部に段差なく連なっている。
【0020】
胴部13は、ボトル軸O方向に真直ぐ延びている。胴部13に、ボトル内圧の上昇時に拡径変形する拡径部21が全周にわたって形成されている。拡径部21は、胴部13におけるボトル軸O方向の両端部に各別に設けられている。拡径部21は、周方向に沿って複数配置された窪み部22を備えている。拡径部21における窪み部22の非形成部分の外周面は、胴部13における拡径部21の非形成部分の外周面に段差なく連なっている。
【0021】
底部14は、ボトル軸O上に位置する中央壁部15と、中央壁部15の外周縁と胴部13の下端部とを連結する連結周壁部16と、を備えている。連結周壁部16の上端部は、周方向の全長にわたって胴部13の下端部に段差なく滑らかに連なっている。
【0022】
中央壁部15は、ボトル軸Oと同軸に配置された円板状に形成されている。中央壁部15は平坦に形成されている。なお、中央壁部15は、上方または下方に向けて突の曲面状に形成されてもよい。
連結周壁部16に、周方向に間隔をあけて3つ以上の縦溝部17が形成されている。縦溝部17は、連結周壁部16におけるボトル軸O方向の全長にわたって設けられている。連結周壁部16において周方向に隣り合う縦溝部17同士の間に位置する各部分に、中央壁部15よりも下側に向けて突出した脚部18が形成されている。複数の縦溝部17は、互いに同じ形状および大きさで形成され、周方向に同等の間隔をあけて配置されている。複数の脚部18は、互いに同じ形状および大きさで形成され、周方向に同等の間隔をあけて配置されている。
なお、底部14として、縦溝部17および脚部18を有さず、底壁に上方に向けてドーム状に窪む凹部が形成された構成等を採用してもよい。
【0023】
胴部13が、この丸形ボトル1において外径が最も大きい部分となっている。胴部13の外径は、例えば62.2mm以上70.5mm以下とされ、図示の例では約68.5mmとなっている。胴部13の肉厚は、0.25mm以下となっている。
丸形ボトル1のボトル軸O方向の長さは、例えば198mm以上220mm以下とされ、図示の例では約206mmとなっている。丸形ボトル1の内容量は、例えば400ml以上600ml以下とされ、図示の例では、丸形ボトル1は500ml用となっている。
なお、以上の各数値は適宜変更してもよい。
【0024】
そして、本実施形態では、胴部13のボトル軸O方向の大きさが、肩部12のボトル軸O方向の大きさより小さく、かつ60mm未満(好ましくは50mm未満)となっている。丸形ボトル1におけるボトル軸O方向の中央部は、肩部12に位置している。胴部13のボトル軸O方向の大きさは、肩部12のボトル軸O方向の大きさの半分未満となっている。胴部13および肩部12のボトル軸O方向の大きさの合計は、丸形ボトル1のボトル軸O方向の大きさの2/3以上となっている。
【0025】
肩部12の外周面に、上方から下方に向かうに従い周方向の一方側から周方向の他方側に向けて延びるリブ19が形成されている。ボトル軸O方向から見て、リブ19の上端部とリブ19の下端部とは、ボトル軸Oを中心として45°以下離れている。リブ19は、稜線部分を介して周方向に連ねられて複数形成されている。複数のリブ19は、肩部12のうち、上端部より下方に位置する部分の全域にわたって設けられている。リブ19の下端部は、肩部12の下端部に位置し、かつ胴部13から上方に離れている。リブ19の下端部と、胴部13の下端部と、の間のボトル軸O方向の距離は、60mm未満となっている。リブ19は凹条状に形成されている。リブ19の溝幅方向に沿う断面視形状は、径方向の内側に向けて窪む円弧状となっている。
なお、複数のリブ19は、周方向に間隔をあけて設けられてもよい。リブ19は、突条状に形成されてもよい。
【0026】
以上説明したように、本実施形態による丸形ボトル1によれば、胴部13のボトル軸O方向の大きさが、肩部12のボトル軸O方向の大きさより小さくなっているので、丸形ボトル1を把持する使用者に、胴部13ではなく肩部12を握らせやすくすることが可能になる。この際、胴部13は円筒状に形成され、肩部12は円錐筒状に形成されているので、肩部12の径方向の剛性が、胴部13の径方向の剛性より高くなっている。したがって、丸形ボトル1を把持する使用者に、径方向の剛性が高い肩部12を握らせやすくすることが可能になり、丸形ボトル1が薄肉に形成されていても、把持した手の握力によって、開栓に伴うボトル内の開放時に丸形ボトル1が潰れるのを抑制することができる。
【0027】
胴部13のボトル軸O方向の大きさが、成人女性の手幅より小さい60mm未満(社団法人 人間生活工学研究センター 日本人の手の寸法データ集2010)となっているので、丸形ボトル1を把持する使用者が成人であれば、手の少なくとも一部は、開栓に際し確実に肩部12に位置させることができる。
【0028】
肩部12の外周面に、上方から下方に向かうに従い周方向の一方側から周方向の他方側に向けて延びるリブ19が形成され、雄ねじ部11aのねじ山が、上方から下方に向かうに従い周方向の他方側から周方向の一方側に向けて延びているので、ねじキャップを丸形ボトル1に対して周方向の一方側から他方側に向かう緩み側に回転させたときに、肩部12を把持した手をリブ19に引っ掛けることが可能になり、手が肩部12を滑るのを抑制することができる。これにより、開栓時に丸形ボトル1を握るグリップ力を抑えることが可能になり、薄肉で剛性が低い丸形ボトル1であっても潰れにくく開けやすくすることができる。
複数のリブ19が、稜線部分を介して周方向に連ねられて設けられているので、肩部12を把持した手をリブ19に確実に引っ掛けることができる。
【0029】
リブ19の下端部と、胴部13の下端部と、の間のボトル軸O方向の距離が、60mm未満となっているので、丸形ボトル1を把持する使用者が成人であれば、手の少なくとも一部は、開栓に際し確実にリブ19に接触させることが可能になり、ねじキャップを丸形ボトル1に対して緩み側に回転させたときに、手が滑るのを確実に抑制することができる。
【0030】
丸形ボトル1におけるボトル軸O方向の中央部が、肩部12に位置しているので、丸形ボトル1を把持する使用者に肩部12を確実に握らせやすくすることができる。
【0031】
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0032】
例えば、肩部12の外周面にリブ19を形成しなくてもよい。
口部11の外周面に雄ねじ部11aを形成しなくてもよい。
リブ19の下端部と、胴部13の下端部と、の間のボトル軸O方向の距離を、60mm以上としてもよい。
丸形ボトル1におけるボトル軸O方向の中央部は、胴部13に位置してもよい。
【0033】
丸形ボトル1を形成する合成樹脂材料は、例えばポリエチレンテレフタレートや、ポリエチレンナフタレート、非晶性ポリエステル等、またはこれらのブレンド材料等、適宜変更してもよい。
丸形ボトル1は、単層構造体に限らず中間層を有する積層構造体としてもよい。この中間層としては、例えばガスバリア性を有する樹脂材料からなる層、再生材からなる層、酸素吸収性を有する樹脂材料からなる層、若しくはこれらの層の組み合わせ、または蒸着層等が挙げられる。
【0034】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 丸形ボトル
11 口部
11a 雄ねじ部
12 肩部
13 胴部
14 底部
19 リブ
図1