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▶ エア・ウォーター・マッハ株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172163
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】除去部材、および、ベルトコンベア
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/08 20060101AFI20241205BHJP
   B65G 21/00 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
B65G15/08 A
B65G21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089707
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】598124249
【氏名又は名称】エア・ウォーター・マッハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】大友 彦志
【テーマコード(参考)】
3F023
【Fターム(参考)】
3F023AA02
3F023AB01
3F023AB02
3F023AB10
3F023BA03
3F023BC02
(57)【要約】
【課題】キャリアローラの外側の端板および外側支持部の隙間に堆積する粉体を除去することができる除去部材を提供すること。
【解決手段】除去部材6は、粉体Pを搬送する搬送ベルト2を下方から支持するキャリアローラ3の端板35と搬送ベルト2の幅より外側に配置されて端板35から突出した軸部36を支持する外側支持部51との間に配置される。除去部材6は、端板35と外側支持部51との間に配置される本体部61と、本体部61から端板35に向けて突出する突起部62と、を備え、端板35に堆積する粉体Pを除去する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を搬送する搬送ベルトを下方から支持するキャリアローラの端板と前記搬送ベルトの幅より外側に配置されて前記端板から突出した軸部を支持する外側支持部との間に配置され、前記端板に堆積する前記粉体を除去する除去部材であって、
前記端板と前記外側支持部との間に配置される本体部と、前記本体部から前記端板に向けて突出する突起部と、を備えることを特徴とする除去部材。
【請求項2】
前記本体部は、前記軸部が挿入される孔部を備えることを特徴とする請求項1に記載の除去部材。
【請求項3】
前記除去部材は、金属製の板材からなり、
前記本体部は、平板であり、
前記突起部は、前記本体部から屈曲することを特徴とする請求項1または2に記載の除去部材。
【請求項4】
前記キャリアローラは、前記端板より外径寸法が小さく前記端板から露出する軸受を前記端板の外側から覆うカバー部材を備え、
前記本体部は、前記カバー部材と前記外側支持部との間に配置され、
前記突起部は、前記カバー部材より前記軸部の軸中心の径方向外側の位置において前記本体部から前記端板に向けて突出することを特徴とする請求項1または2に記載の除去部材。
【請求項5】
前記本体部の厚み寸法は、前記カバー部材と前記外側支持部との間の隙間に対応する寸法であることを特徴とする請求項4に記載の除去部材。
【請求項6】
一対の駆動ローラと、
前記駆動ローラに無端状に巻きかけられ粉体を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの上側部分を下方から支持するキャリアローラであって、円筒状の筒部、前記筒部の両側の端部に配置される軸受、前記軸受を保持するとともに前記筒部の両側を覆う端板、前記端板から突出するとともに前記軸受を介して前記筒部を回転可能に支持する軸部、および、前記端板より外径寸法が小さく前記端板から露出する前記軸受を前記端板の外側から覆うカバー部材を備えるキャリアローラと、
前記搬送ベルトの幅より外側に配置されて前記軸部を支持する外側支持部を備える支持フレームと、
前記カバー部材と前記外側支持部との間に設けられ、前記端板に堆積する前記粉体を除去する除去部材と、
を有することを特徴とするベルトコンベア。
【請求項7】
前記除去部材は、前記カバー部材と前記外側支持部との間に配置される本体部と、前記カバー部材より前記軸部の軸中心の径方向外側の位置において前記本体部から前記端板に向けて突出する突起部と、を備えることを特徴とする請求項6に記載のベルトコンベア。
【請求項8】
前記本体部は、前記軸部が挿入される孔部を備えることを特徴とする請求項7に記載のベルトコンベア。
【請求項9】
前記除去部材は、金属製の板材からなり、
前記本体部は、平板であり、
前記突起部は、前記本体部から屈曲することを特徴とする請求項7または8に記載のベルトコンベア。
【請求項10】
前記カバー部材は、前記軸部に固定され、
前記軸部は、前記外側支持部に回転不能に支持され、
前記本体部は、前記カバー部材と前記外側支持部とに挟まれることを特徴とする請求項7または8に記載のベルトコンベア。
【請求項11】
前記本体部と前記外側支持部との間に配置されるスペーサを有することを特徴とする請求項10に記載のベルトコンベア。
【請求項12】
前記キャリアローラは、前記搬送ベルトの幅方向の中央部に配置される中央部キャリアローラと、前記搬送ベルトの幅方向の両側に配置され外側に向かって上方に傾斜した端部キャリアローラと、を備え、
前記外側支持部は、前記端部キャリアローラの外側の前記軸部を支持することを特徴とする請求項6に記載のベルトコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を除去する除去部材、および、粉体を搬送するベルトコンベアに関する。
【0002】
鉱物、土砂、石炭、穀類などの原料の粉体を搬送するベルトコンベアは、特許文献1に記載されている。同文献のベルトコンベアは、粉体を搬送する無端状の搬送ベルトと、搬送ベルトを駆動する一対の駆動ローラと、搬送ベルトを下方から支持するキャリアローラと、キャリアローラを回転可能に支持する支持部材と、を備える。キャリアローラは、搬送ベルトの幅方向の中央に配置される中央部キャリアローラと、搬送ベルトの幅方向の両側に配置され外側に向かって上方に傾斜した端部キャリアローラと、を備える。支持部材は、端部キャリアローラの内側の端部を支持する内側支持部と、端部キャリアローラの外側の端部を支持する外側支持部と、を備える。端部キャリアローラの外側の端部および外側支持部は、搬送ベルトより外側に位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-167242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のベルトコンベアは、粉体を搬送する際に、粉体が搬送ベルトの両端部から外側に落下する場合がある。粉体が搬送ベルトの両端部から外側に落下する際に、粉体が、端部キャリアローラの外側の端部に堆積する。端部に堆積した粉体が増えると、端部および外側支持部の隙間が粉体で埋められるので、端部キャリアローラが粉体により回転しなくなるという問題がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、キャリアローラの外側の端部および外側支持部の隙間に堆積する粉体を除去することができる除去部材を提供することにある。また、キャリアローラの外側の端部および外側支持部の隙間に粉体が堆積することを抑制することができるベルトコンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の除去部材は、粉体を搬送する搬送ベルトを下方から支持するキャリアローラの端板と前記搬送ベルトの幅より外側に配置されて前記端板から突出した軸部を支持する外側支持部との間に配置され、前記端板に堆積する前記粉体を除去する除去部材であって、前記端板と前記外側支持部との間に配置される本体部と、前記本体部から前記端板に向けて突出する突起部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、除去部材は、突起部が回転するキャリアローラの端板に堆積する粉体を掻き取ることにより、端板に堆積する粉体を除去することができる。
【0008】
本発明において、前記本体部は、前記軸部が挿入される孔部を備えることが好ましい。このようにすれば、除去部材を端板と外側支持部との間に配置することが容易である。
【0009】
本発明において、前記除去部材は、金属製の板材からなり、前記本体部は、平板であり、前記突起部は、前記本体部から屈曲することが好ましい。このようにすれば、除去部材をプレス加工品で成形することができるので、除去部材を生産することが容易である。
【0010】
本発明において、前記キャリアローラは、前記端板より外径寸法が小さく前記端板から露出する軸受を前記端板の外側から覆うカバー部材を備え、前記本体部は、前記カバー部材と前記外側支持部との間に配置され、前記突起部は、前記カバー部材より前記軸部の軸中心の径方向外側の位置において前記本体部から前記端板に向けて突出することができる。
【0011】
本発明において、前記本体部の厚み寸法は、前記カバー部材と前記外側支持部との間の隙間に対応する寸法であることが好ましい。このようにすれば、隙間に本体部が挟み込まれるので、隙間に粉体が堆積することを抑制することができる。この結果、端板に粉体が堆積しにくい。
【0012】
本発明のベルトコンベアは、一対の駆動ローラと、前記駆動ローラに無端状に巻きかけられ粉体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトの上側部分を下方から支持するキャリアローラであって、円筒状の筒部、前記筒部の両側の端部に配置される軸受、前記軸受を保持するとともに前記筒部の両側を覆う端板、前記端板から突出するとともに前記軸受を介して前記筒部を回転可能に支持する軸部、および、前記端板より外径寸法が小さく前記端板から露出する前記軸受を前記端板の外側から覆うカバー部材を備えるキャリアローラと、前記搬送ベルトの幅より外側に配置されて前記軸部を支持する外側支持部を備える支持フレームと、前記カバー部材と前記外側支持部との間に設けられ、前記端板に堆積する前記粉体を除去する除去部材と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、除去部材は、カバー部材と外側支持部との間で、端板に堆積する粉体を除去する。これにより、端板に粉体が堆積しにくいので、キャリアローラの外側の端板および外側支持部の隙間が粉体で埋められることを抑制することができる。この結果、キャリアローラが回転しなくなることを抑制することができる。
【0014】
本発明において、前記カバー部材は、前記軸部に固定され、前記軸部は、前記外側支持部に回転不能に支持され、前記本体部は、前記カバー部材と前記外側支持部とに挟まれることが好ましい。このようにすれば、カバー部材と外側支持部とで本体部を挟むことにより、除去部材を固定することができる。これにより、簡単な構成によって、カバー部材と外側支持部との間で、除去部材を固定することができる。
【0015】
本発明において、前記本体部と前記外側支持部との間に配置されるスペーサを有することが好ましい。このようにすれば、カバー部材と外側支持部とで本体部を挟む圧力を強くすることができるので、除去部材を、より強固に固定することができる。
【0016】
本発明において、前記キャリアローラは、前記搬送ベルトの幅方向の中央部に配置される中央部キャリアローラと、前記搬送ベルトの幅方向の両側に配置され外側に向かって上方に傾斜した端部キャリアローラと、を備え、前記外側支持部は、前記端部キャリアローラの外側の前記軸部を支持することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、除去部材により、端板に堆積する粉体を除去することができるので、キャリアローラの外側の端板および外側支持部の隙間が粉体で埋められることを抑制することができる。この結果、キャリアローラが回転しなくなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態1のベルトコンベアの全体を示す概略側面図である。
図2図1のA-A線に沿った正面から見た断面端面図である。
図3】端部キャリアローラ、除去部材、および外側支持部を示す斜視図である。
図4】端部キャリアローラ、除去部材、および外側支持部を示す分解斜視図である。
図5】端部キャリアローラ、除去部材、および外側支持部を示す平面図である。
図6】実施形態1の除去部材を示す斜視図である。
図7】実施形態2の除去部材を示す図である。
図8】実施形態3の除去部材を示す図である。
図9】他の実施形態の一例のベルトコンベアを正面から見た断面端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実勢形態1)
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態1を説明する。図1は、実施形態1のベルトコンベアの全体を示す概略側面図である。図2は、図1のA-A線に沿った正面から見た断面端面図である。図3は、端部キャリアローラ、除去部材、および外側支持部を示す斜視図である。図4は、端部キャリアローラ、除去部材、および外側支持部を示す分解斜視図である。図5は、端部キャリアローラ、除去部材、および外側支持部を示す平面図である。なお、図5において、端部キャリアローラは、断面図で示されている。図6は、実施形態1の除去部材を示す斜視図である。
【0020】
図1に示すベルトコンベア100は、粉体Pを搬送する。粉体Pとしては、鉱物、土砂、石炭、穀類、塩、小麦粉などの原料である。ここで、以下の説明では、便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、およびZ軸とする。ベルトコンベア100が延在する方向をX軸方向とする。X軸方向において、粉体Pが搬送される側をX2とし、反対側をX1とする。上下方向をZ軸方向とする。Z軸方向において、下方をZ1とし、上方をZ2とする。
【0021】
図1および図2に示すように、ベルトコンベア100は、ベルトコンベア100のX軸方向の両端に配置された一対の駆動ローラ1と、駆動ローラ1に無端状に巻きかけられ粉体Pを搬送する搬送ベルト2と、一対の駆動ローラ1の間に等間隔で配置されたキャリアローラ3およびリターンローラ4と、を有する。キャリアローラ3は、搬送ベルト2の上方部分を下方から支持する。図2に示すように、キャリアローラ3は、搬送ベルト2の幅方向の中央部に配置される中央部キャリアローラ31と、搬送ベルト2の幅方向の両側に配置された端部キャリアローラ32と、を備える。リターンローラ4は、水平に配置され、搬送ベルト2の下方部分を下方から支持する。リターンローラ4は、キャリアローラ3より全長が長い点を除き、キャリアローラ3と同一の構成を備える。
【0022】
ベルトコンベア100は、一対の駆動ローラ1、キャリアローラ3およびリターンローラ4を支持する支持フレーム5を有する。図2に示すように、支持フレーム5は、搬送ベルト2の幅より外側に配置されて端部キャリアローラ32の軸部36を支持する外側支持部51を備える。図2に示すように、ベルトコンベア100は、端部キャリアローラ32の端板35と外側支持部51との間に設けられた除去部材6を有する。
【0023】
ここで、ベルトコンベア100が粉体Pを搬送する際に、粉体Pが搬送ベルト2の外側に流れ出てしまうことがある。図2に示すように、例えば、搬送ベルト2のY2側から粉体Pが流れ出た場合、キャリアローラ3の端板35に粉体Pが堆積する場合がある。このとき、堆積した粉体Pは、時間が経つに従って、水分や熱などによって、固着する。端板35に堆積した粉体Pが増えると、端板35および外側支持部51の隙間が粉体Pで埋められてくるので、端部キャリアローラ32は、粉体Pにより回転が阻害される。端板35および外側支持部51の隙間が粉体Pで完全に埋められると、端部キャリアローラ32は、回転しなくなる。
【0024】
(支持フレーム)
支持フレーム5は、金属製である。図1に示すように、支持フレーム5は、起立した縦フレーム54と、複数の縦フレーム54を繋ぐ上フレーム55および下フレーム56と、を備える。縦フレーム54の両端部には、駆動ローラ1が回転可能に支持されている。図2に示すように、支持フレーム5は、上フレーム55を繋ぐ横フレーム57と、端部キャリアローラ32の外側の軸部36を支持する外側支持部51と、中央部キャリアローラ31の両側の軸部36および端部キャリアローラ32の内側の軸部36を支持する内側支持部52と、リターンローラ4の両側の軸部36を支持する下部支持部53と、を備える。下部支持部53は、搬送ベルト2より外側に配置されるとともに、横フレーム57の下方に固定されている。
【0025】
外側支持部51は、搬送ベルト2より外側に配置されるとともに、横フレーム57の上方に固定されている。外側支持部51は、金属製の板材からなる。図3および図4に示すように、外側支持部51は、Z軸方向に延びる本体部分510と、本体部分510の上端部から内側に屈曲した傾斜部分511と、を備える。本体部分510および傾斜部分511は、平板状であり、X軸方向の両端部から外側に屈曲した屈曲部分512を備える。
【0026】
外側支持部51は、傾斜部分511に、上方に開口する凹部513を備える。凹部513は、上方に向かって直線状に切り欠かれている。図2に示すように、内側支持部52は、搬送ベルト2より内側に配置されるとともに、横フレーム57の上方に固定されている。内側支持部52は、外側支持部51と同様に、不図示の凹部を備える。ここで、外側支持部51は、内側支持部52より、Z軸方向に長い。これにより、中央部キャリアローラ31は、水平に配置され、端部キャリアローラ32は、外側に向かって上方に傾斜するように配置されている。
【0027】
(搬送ベルト)
搬送ベルト2は、ゴム等で無端状に形成されている。図1に示すように、搬送ベルト2は、1対の駆動ローラ1の間に架け渡されている。図2に示すように、搬送ベルト2の上方部分は、キャリアローラ3に沿って、下方に凹んでいる。本形態では、搬送ベルト2は、粉体Pを載せてX2側へ向かい、X2側の端部で粉体Pを降ろした後、X1側へと向かう。
【0028】
(キャリアローラ)
中央部キャリアローラ31および端部キャリアローラ32は、同一の形状を備える。よって、ここでは、端部キャリアローラ32について説明し、中央部キャリアローラ31の説明は省略する。図3~5に示すように、端部キャリアローラ32は、円筒状の筒部33、筒部33の両側の端部に配置される軸受34、軸受34を保持するとともに筒部33の両側を覆う端板35、端板35から突出するとともに軸受34を介して筒部33を回転可能に支持する軸部36、および、端板35から露出する軸受34を端板35の外側から覆うカバー部材37を備える。
【0029】
端板35は、軸受34を保持する筒状の収容部351と、収容部351の外周側から筒部33まで径方向外側に広がる円板部352と、を備える。円板部352は、収容部351の外側の端部351aより内側に位置し、筒部33の端部33aより内側に位置する。すなわち、円板部352は、筒部33の端部33aより凹んでいる。ここで、本形態において、径方向とは、軸部36の軸L中心の径方向を意味している。
【0030】
軸部36は、筒部33を貫通する一本の軸である。軸部36の端部には、径方向と平行な方向に切り欠かれ互いに対向する平面部分361と、軸Lに沿った方向において平面部
分361の両側から径方向に延びる壁部分362と、を備える。ここで、凹部513のX軸方向の幅寸法は、対向する平面部分361の間隔の寸法より僅かに大きい。このため、凹部513は、軸部36の平面部分361に嵌合することにより、軸部36を回転不能に支持する。これにより、筒部33は、軸部36を中心に回転する。また、傾斜部分511の厚み寸法は、対向する壁部分362の間隔の寸法より僅かに小さい。これにより、軸部36が軸Lに沿った方向に移動した場合には、壁部分362が、傾斜部分511に当接することにより、軸部36の移動が規制される。なお、内側支持部52の凹部は、外側支持部51の凹部513と同様に、軸部36の平面部分361に嵌合することにより、軸部36を回転不能に支持する。
【0031】
カバー部材37は、軸部36に固定されている。これにより、カバー部材37と外側支持部51との間の隙間は、所定の寸法で規定されている。カバー部材37は、環状である。カバー部材37は、端板35より外径寸法が小さく、収容部351より外径寸法が大きい。カバー部材37は、外周部分から端板35の側に屈曲した屈曲部分371を備える。屈曲部分371は、収容部351の端部351aを外周側から覆う。
【0032】
(除去部材)
除去部材6は、端板35に堆積する粉体Pを除去する。除去部材6は、金属製の板材からなるプレス加工品である。図3図6に示すように、除去部材6は、カバー部材37と外側支持部51との間に配置される本体部61と、カバー部材37より径方向外側の位置において本体部61から端板35に向けて突出する突起部62と、を備える。本体部61は、カバー部材37と外側支持部51とに挟まれている。図6に示すように、本体部61は、長方形状の平板である。本体部61は、軸部36が挿入される孔部63を備える。本体部61は、径方向と平行な方向に延びる1対の長辺61aを備える。本体部61の径方向の寸法は、端板35の外径寸法より、小さい。
【0033】
図5に示すように、本体部61の厚み寸法は、カバー部材37と外側支持部51との間の隙間に対応する寸法である。よって、本形態では、本体部61は、カバー部材37と外側支持部51とに挟まれて固定されている。なお、対応する寸法とは、本体部61が、カバー部材37と外側支持部51との間の隙間で挟まれて固定される程度の寸法を意味している。
【0034】
図6に示すように、突起部62は、本体部61から屈曲する。より具体的には、突起部62は、長辺61aが延在する方向の両端部において長辺61aから屈曲する。本形態では、突起部62は、それぞれの長辺61aから屈曲し、4つ設けられている。突起部62は、長辺61aに沿って延びる。図5に示すように、突起部62は、筒部33の端部33aより内側まで延びている。
【0035】
ここで、図3図5に示すように、ベルトコンベア100は、本体部61と外側支持部51との間に配置されるスペーサ7を有する。スペーサ7は、環状の部材であり、軸部36に挿入される。スペーサ7は、ゴムやシリコンなどの弾性材料からなる。スペーサ7は、弾性変形した状態で、本体部61と外側支持部51との間に配置されている。これにより、カバー部材37と外側支持部51とで本体部61を挟む圧力を強くすることができる。この結果、除去部材6は、より強固に固定される。
【0036】
除去部材6が、カバー部材37と外側支持部51との間で固定されているので、端部キャリアローラ32の端板35は、除去部材6に対して回転する。この際、除去部材6は、突起部62が、回転する端部キャリアローラ32の端板35に堆積する粉体Pを掻き取ることにより、端板35に堆積する粉体Pを除去する。
【0037】
(作用効果)
本形態の除去部材6は、粉体Pを搬送する搬送ベルト2を下方から支持するキャリアローラ3の端板35と搬送ベルト2の幅より外側に配置されて端板35から突出した軸部36を支持する外側支持部51との間に配置される。除去部材6は、端板35に堆積する粉体Pを除去し、端板35と外側支持部51との間に配置される本体部61と、本体部61から端板35に向けて突出する突起部62と、を備える。
【0038】
本形態によれば、除去部材6は、突起部62が、回転する端部キャリアローラ32の端板35に堆積する粉体Pを掻き取ることにより、端板35に堆積する粉体Pを除去することができる。
【0039】
本形態では、本体部61は、軸部36が挿入される孔部63を備える。これにより、除去部材6を端板35と外側支持部51との間に配置することが容易である。
【0040】
本形態では、除去部材6は、金属製の板材からなる。本体部61は、平板であり、突起部62は、本体部61から屈曲する。これにより、除去部材6をプレス加工品で成形することができるので、除去部材6を生産することが容易である。
【0041】
本形態では、本体部61は、軸部36の軸L中心の径方向と平行な方向に延びる1対の長辺61aを備える。突起部62は、それぞれの長辺61aの両端部において長辺61aから屈曲するとともに、長辺61aに沿って延びる。よって、突起部62が径方向と直交する方向の短辺に沿って延びる場合と比較して、突起部62は、端板35に堆積する粉体Pに接する面積が大きくなる。これにより、突起部62は、端板35に堆積する粉体Pを、より掻き取ることができる。
【0042】
本形態では、キャリアローラ3は、端板35より外径寸法が小さく端板35から露出する軸受34を端板35の外側から覆うカバー部材37を備える。本体部61は、カバー部材37と外側支持部51との間に配置される。本体部61の厚み寸法は、カバー部材37と外側支持部51との間の隙間に対応する寸法である。このようにすれば、隙間に本体部61が挟み込まれるので、隙間に粉体Pが堆積することを抑制することができる。この結果、端板35に粉体Pが堆積しにくい。
【0043】
本形態のベルトコンベア100は、カバー部材37と外側支持部51との間に設けられ、端板35に堆積する粉体を除去する除去部材6と、を有する。
【0044】
本形態によれば、除去部材6は、端板35に堆積する粉体Pを除去する。これにより、端板35に粉体Pが堆積しにくいので、キャリアローラ3の外側の端板35および外側支持部51の隙間が粉体Pで埋められることを抑制することができる。この結果、キャリアローラ3が回転しなくなることを抑制することができる。
【0045】
本形態では、カバー部材37は、軸部36に固定される。軸部36は、外側支持部51に回転不能に支持される。本体部61は、カバー部材37と外側支持部51とに挟まれる。これにより、カバー部材37と外側支持部51とで本体部61を挟むことにより、除去部材6を固定することができる。これにより、簡単な構成によって、カバー部材37と外側支持部51との間で、除去部材6を固定することができる。
【0046】
本形態のベルトコンベア100は、本体部61と外側支持部51との間に配置されるスペーサ7を有する。これにより、カバー部材37と外側支持部51とで本体部61を挟む圧力を強くすることができるので、除去部材6を、より強固に固定することができる。
【0047】
(他の実施形態)
図7は、実施形態2の除去部材を示す図であり、図7(A)は、実施形態2の除去部材の平面図であり、図7(B)は、実施形態2の除去部材の側面図である。図8は、実施形態3の除去部材を示す図であり、図8(A)は、実施形態3の除去部材の平面図であり、図8(B)は、実施形態3の除去部材の側面図である。図9は、他の実施形態の一例のベルトコンベアを正面から見た断面端面図である。
【0048】
実施形態2の除去部材6Aは、金属製の板材からなるプレス加工品である。図7に示すように、実施形態2の除去部材6Aは、本体部61Aと、本体部61Aから突出する突起部62Aと、を備える。本体部61Aは、十字状に形成された4つの腕部611を備える。本体部61Aの外径寸法は、端板35の外径寸法より、小さい。本体部61Aは、軸部36が挿入される孔部63Aを備える。突起部62Aは、4つの腕部611の端部から、それぞれ同一方向に屈曲する。実施形態2の除去部材6Aによれば、実施形態1の除去部材6と同様に、除去部材6Aは、突起部62Aが、回転する端部キャリアローラ32の端板35に堆積する粉体Pを掻き取ることにより、端板35に堆積する粉体Pを除去することができる。
【0049】
実施形態3の除去部材6Bは、金属製の板材からなるプレス加工品である。図8に示すように、実施形態3の除去部材6Bは、円形状の本体部61Bと、本体部61Bから突出する突起部62Bと、を備える。本体部61Bの外径寸法は、端板35の外径寸法より、小さく、本体部61Bは、端板35を外側から覆う。本体部61Bは、軸部36が挿入される孔部63Bを備える。
【0050】
突起部62Bは、本体部61Bの外周縁の2箇所から同一方向に屈曲する。なお、突起部62Bの数は、2つに限定されない。実施形態2の除去部材6Bによれば、本体部61Bは、円形状であり、端板35を覆うので、粉体Pが端板35に堆積しにくい。また、粉体Pが端板35に堆積した場合であっても、実施形態1の除去部材6と同様に、除去部材6Bは、突起部62Bが、回転する端部キャリアローラ32の端板35に堆積する粉体Pを掻き取ることにより、端板35に堆積する粉体Pを除去することができる。
【0051】
図9に示すように、他の実施形態の一例のベルトコンベア100Aは、水平に配置されたキャリアローラ3Aを備える。このようなベルトコンベア100Aであっても、上記形態の除去部材6を用いることができるので、ベルトコンベア100Aは、実施形態1と同様な作用効果を得ることができる。なお、キャリアローラ3Aは、一本に限定されない。キャリアローラ3Aは、複数本が水平に配置されていてもよい。
【0052】
上記形態では、除去部材は、金属製の板材からなるプレス加工品であったが、除去部材は、これに限定されない。例えば、除去部材は、本体部と突起部とが別部材となっており、突起部をネジ止めなどで本体部に固定する構成であってもよい。
【0053】
実施形態1では、ベルトコンベア100は、スペーサ7を有していたが、これに限定されない。ベルトコンベア100は、スペーサ7を有していなくてもよい。この場合、除去部材6は、カバー部材37と外側支持部51との間で挟まれて固定されていればよい。
【0054】
実施形態1では、本体部61は、カバー部材37と外側支持部51とに挟まれて固定されていたが、これに限定されない。例えば、孔部63が軸部36に圧入されることによって、本体部61は、カバー部材37と外側支持部51との間で固定されてもよい。また、本体部61は、ネジなどによって、カバー部材37、または外側支持部51に固定されてもよい。
【0055】
実施形態1では、本体部61の厚み寸法は、カバー部材37と外側支持部51との間の隙間に対応する寸法であったが、これに限定されない。本体部61の厚み寸法は、隙間の寸法より小さくてもよい。この場合、スペーサ7の厚み寸法を調整することにより、本体部61は、カバー部材37と外側支持部51とに挟まれて固定される。
【0056】
実施形態1では、突起部62は、4つ設けられていたが、これに限定されない。突起部62は、1~3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0057】
実施形態1では、突起部62は、それぞれの長辺61aの両端部において長辺61aから屈曲するとともに、長辺61aに沿って延びていたが、これに限定されない。突起部62は、径方向と直交する方向の短辺から屈曲するとともに、短辺に沿って延びていてもよい。
【0058】
上記形態では、スペーサ7は、弾性部材であったが、スペーサ7は、樹脂や金属からなる部材であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…駆動ローラ、2…搬送ベルト、3・3A…キャリアローラ、4…リターンローラ、5…支持フレーム、6・6A・6B…除去部材、7…スペーサ、31…中央部キャリアローラ、32…端部キャリアローラ、33…筒部、33a…端部、34…軸受、35…端板、36…軸部、37…カバー部材、51…外側支持部、52…内側支持部、53…下部支持部、54…縦フレーム、55…上フレーム、56…下フレーム、57…横フレーム、61・61A・61B…本体部、61a…長辺、62・62A・62B…突起部、63・63A・63B…孔部、100・100A…ベルトコンベア、351…収容部、351a…端部、352…円板部、361…平面部分、362…壁部分、371…屈曲部分、510…本体部分、511…傾斜部分、512…屈曲部分、513…凹部、611…腕部、P…粉体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9