特開 2024-172178 エレベーターシステム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024172178

(43)【公開日】2024-12-12

(54)【発明の名称】エレベーターシステム

(51)【国際特許分類】

   B66B 3/00 20060101AFI20241205BHJP

   B66B 13/14 20060101ALI20241205BHJP

   B66B 1/06 20060101ALI20241205BHJP

【ＦＩ】

B66B3/00 L

B66B13/14 Q

B66B1/06 Z

【審査請求】有

【請求項の数】9

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023089730

(22)【出願日】2023-05-31

(71)【出願人】

【識別番号】000236056

【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110003199

【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】藤田 武

【テーマコード（参考）】

3F303

3F307

3F502

【Ｆターム（参考）】

3F303CB31

3F303DB11

3F303DB14

3F303DB27

3F303DC25

3F307EA21

3F502JA14

3F502JA53

3F502JA54

3F502KA02

3F502KA19

3F502MA43

3F502MA44

3F502MA46

3F502MA48

(57)【要約】

【課題】家に忘れ物をして外出してしまうことを防止する上で有利になるエレベーターシステムを提供する。
【解決手段】本開示に係るエレベーターシステムは、かご内の利用者を撮像する撮像手段と、撮像手段が撮像した画像に基づいて、利用者に対して家に忘れ物がないかの注意喚起を行う注意喚起手段と、を備える。本開示に係るエレベーターシステムは、撮像手段が撮像した画像から利用者のランドセル使用の有無を判定するランドセル判定手段を備え、利用者がランドセルを使用していると判定された場合に注意喚起手段が注意喚起を行うものでもよい。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

かご内の利用者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像に基づいて、前記利用者に対して家に忘れ物がないかの注意喚起を行う注意喚起手段と、
を備えるエレベーターシステム。

【請求項2】

前記撮像手段が撮像した画像から前記利用者のランドセル使用の有無を判定するランドセル判定手段を備え、
前記利用者がランドセルを使用していると判定された場合に前記注意喚起手段が前記注意喚起を行う請求項１に記載のエレベーターシステム。

【請求項3】

朝の通学時間帯に１階に向かう呼びが登録された場合に、前記撮像手段が前記利用者を撮像し、前記ランドセル判定手段が前記利用者のランドセル使用の有無を判定する請求項２に記載のエレベーターシステム。

【請求項4】

前記注意喚起手段は、音声によって前記注意喚起を行う請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。

【請求項5】

前記注意喚起手段は、前記注意喚起のための画像をディスプレイに表示する請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。

【請求項6】

前記注意喚起を行う場合、１階での戸開のときに通常よりも低速で戸開する請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。

【請求項7】

前記注意喚起を行う場合、前記かご内の照明を明滅させる請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。

【請求項8】

前記撮像手段が撮像した画像に基づいて、予め登録された物品を前記利用者が所持しているかどうかを判定する持ち物判定手段を備え、
前記利用者が前記物品を所持していない場合、前記注意喚起手段が前記注意喚起を行う請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。

【請求項9】

前記利用者が前記物品を所持していない場合、戸開せずに前記利用者の乗車階へ前記かごを運行させて前記乗車階で戸開する請求項８に記載のエレベーターシステム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、エレベーターシステムに関する。

【背景技術】

【0002】

下記特許文献１には、携帯端末からのかご呼び要求を受信し、エレベータを制御する制御装置へ、前記かご呼び要求に基づくエレベータ制御指令を送信するエレベータ制御システムにおいて、前記エレベータのかご内画像を受信する受信部と、前記かご呼び要求から作成される呼び情報を格納する呼び格納部と、前記かご内画像に人が検出されず、物品が検出された場合に、前記呼び格納部に格納された呼び情報を参照し、前記携帯端末にエレベータへの忘れ物を通知する送信部を備えるエレベータ制御システムが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２２－１１８９４４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

小学生は月曜日に学校に持っていく物が多い。例えば、上履き、運動着、給食着、水筒、お箸、マスクなどである。しかし、朝の急いでいる際には忘れたまま出かけることがある。その場合、親が届けなければならない状況が発生し、会社あるいは会議などに遅刻する可能性がある。

【0005】

本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、家に忘れ物をして外出してしまうことを防止する上で有利になるエレベーターシステムを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示に係るエレベーターシステムは、かご内の利用者を撮像する撮像手段と、撮像手段が撮像した画像に基づいて、利用者に対して家に忘れ物がないかの注意喚起を行う注意喚起手段と、を備えたものである。

【発明の効果】

【0007】

本開示によれば、家に忘れ物をして外出してしまうことを防止する上で有利になるエレベーターシステムを提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】実施の形態１におけるエレベーターシステムの例を示す図である。

【図2】エレベーターシステムの機能を説明するための図である。

【図3】実施の形態１におけるエレベーター制御基板及び映像表示装置の機能を実現する構成の一例を示す図である。

【図4】図４は、実施の形態２に係るエレベーターシステムの機能を説明するための図

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。以下に示す実施の形態に示した構成は、本開示に係る技術的思想の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示に記載の複数の技術的思想を組み合わせることも可能である。また、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略または変更することも可能である。

【0010】

実施の形態１．
図１は、実施の形態１におけるエレベーターシステムの例を示す図である。図１に示すエレベーターシステムは、かご１、及びつり合いおもり２を備える。かご１は、昇降路３を上下に移動する。かご１及びつり合いおもり２は、ロープ４によって昇降路３に吊り下げられる。つり合いおもり２は、かご１が移動する方向とは逆の方向に昇降路３を上下に移動する。

【0011】

ロープ４は、巻上機５に巻き掛けられる。巻上機５は、かご１を駆動する。エレベーター制御基板６は、巻上機５を制御する。即ち、かご１の移動は、エレベーター制御基板６によって制御される。また、エレベーター制御基板６は、かご１に備えられた機器を制御する。図１は、巻上機５及びエレベーター制御基板６が昇降路３の上方の機械室７に設けられる例を示す。巻上機５及びエレベーター制御基板６は、昇降路３に設けられても良い。

【0012】

図１は、かご１がある乗場８に停止している状態を示す。かご１は、かご室１１、ドア１２、モータ１３、カメラ１４、及び秤装置１５を備える。

【0013】

ドア１２は、かご室の出入口を開閉する。ドア１２は、モータ１３によって駆動される。モータ１３は、エレベーター制御基板６によって制御される。エレベーター制御基板６は、ドア１２の開閉を制御する。即ち、エレベーター制御基板６は、ドア１２の開閉を制御するドア制御装置の機能を有する。ドア制御装置は、エレベーター制御基板６とは別の装置として備えられても良い。例えば、ドア制御装置はかご１の上に設けられても良い。

【0014】

カメラ１４は、かご１の内部を撮影する。かご１に利用者がいれば、その利用者は、カメラ１４によって撮影される。カメラ１４は、かご１内の利用者を撮像する撮像手段の例である。秤装置１５は、かご１の積載荷重を計測する。図１は、秤装置１５がかご室１１の下に設けられる例を示す。他の例として、秤装置１５は、ロープ４の端部に設けられても良い。

【0015】

図２は、エレベーターシステムの機能を説明するための図である。図２に示すように、かご１は、映像表示装置１６を備える。映像表示装置１６は、かご室１１内のディスプレイ１７に画像を表示する機能を有する。ディスプレイ１７は、例えば、かご１の袖壁に設けられた液晶表示装置または有機ＥＬ表示装置でもよいし、ドア１２に設けられたスクリーンに映像を表示するプロジェクターでもよい。また、映像表示装置１６は、インターホン基板１８を介して、かご室１１内のインターホン１９から音声を出力する機能を有する。

【0016】

本実施の形態のエレベーターシステムは、朝の通学の時間帯に小学生がエレベーターのかご１内に乗った際に、忘れ物がないか注意を行うためのアナウンスを流すのに併せ、ディスプレイにも注意喚起の表示を出す。

【0017】

エレベーター制御基板６は、時計情報から月曜日の朝の通学時間帯を判断する。また、エレベーター制御基板６は、上記通学時間帯に、利用者が居住する１階以外の階から１階に向かう呼びが登録された情報を受けた際に、通学時の乗車であることを判断する。１階に向かう呼びは、かご１内の操作盤からの呼びでもよいし、例えばスマートフォンのような利用者端末からの呼びでもよい。

【0018】

上記の条件から、通学時の乗車であることを判断したエレベーター制御基板６は、映像表示装置１６へ、カメラ１４の画像を取り込んで当該画像を解析する指示を出す。

【0019】

指示を受けた映像表示装置１６は、かご１内のカメラ１４からの映像を取り込む。映像表示装置１６は、取り込んだ画像から人物を検出し、その人物がランドセルを背負っているかどうかを判定する。例えば、映像表示装置１６は、取り込んだ画像から人物が何かを背負っているかどうかを認識し、背負っているものにランドセルの特徴点を認識できた場合には、ランドセル使用と判定し、ランドセルの特徴点を認識できない場合には、ランドセル不使用と判定してもよい。また、映像表示装置１６は、取り込んだ画像の人物の身長が所定値以下である場合には小学生であるのでランドセル使用の可能性が高いと判定し、身長が当該所定値を超える場合には小学生ではなく大人であるのでランドセル使用の可能性が低いと判定してもよい。また、映像表示装置１６は、取り込んだ画像から人物が黄色い帽子を被っているかどうかを認識し、黄色い帽子を被っている場合には小学生と考えられるのでランドセル使用の可能性が高いと判定してもよい。

【0020】

映像表示装置１６は、ランドセル使用の有無を判定した結果、ランドセルを使用していると判断した場合には、「忘れ物は無いか？」という啓蒙画像をディスプレイ１７に表示する。これにより、利用者の視覚に対して注意喚起を行うことができる。また、映像表示装置１６は、エレベーター側のインターホン基板１８へ指令を出し、かご１内のインターホン１９から「忘れ物はありませんか？」というアナウンスも流す。これにより、利用者の聴覚に対して注意喚起を行うことができる。

【0021】

本実施の形態において、映像表示装置１６は、カメラ１４が撮像した画像から利用者のランドセル使用の有無を判定するランドセル判定手段に相当する。このような構成に限らず、エレベーター制御基板６が、カメラ１４が撮像した画像から利用者のランドセル使用の有無を判定してもよい。また、ディスプレイ１７とインターホン１９は、利用者に対して家に忘れ物がないかの注意喚起を行う注意喚起手段に相当する。

【0022】

本実施の形態であれば、小学生の利用者が建物の外に出るまでに忘れ物に気付けるようになり、取りに戻ることで、親の負担が軽減できる。

【0023】

なお、利用者がランドセルをしていると判定された場合に、エレベーター制御基板６は、１階での戸開のときに通常よりも低速で戸開するようにしてもよい。これにより、利用者に忘れ物がないかの注意喚起に確実に気付かせることができる。

【0024】

また、利用者がランドセルをしていると判定された場合に、注意喚起として、かご１内の照明を明滅させてもよい。これにより、利用者に忘れ物がないかの注意喚起に確実に気付かせることができる。

【0025】

エレベーター制御基板６は、秤装置１５によってかご１内の利用者の人数を判定してもよい。または、映像表示装置１６は、カメラ１４が撮像した画像から、かご１内の利用者の人数を判定してもよい。そして、かご１内の利用者が一人である場合に限って、１階での戸開を低速にする処理、あるいはかご１内の照明を明滅させる処理を実行するようにしてもよい。これにより、かご１に同乗者がいる場合に迷惑がかかることを防止できる。

【0026】

上述した実施の形態では、月曜日の朝の通学時間帯に限って、忘れ物がないかの注意喚起を実施する処理を実行している。これにより、ただし、本開示では、月曜日にかぎらず、毎朝の通学時間帯に忘れ物がないかの注意喚起を実施する処理を実行してもよい。

【0027】

図３は、実施の形態１におけるエレベーター制御基板６及び映像表示装置１６の機能を実現する構成の一例を示す図である。エレベーター制御基板６及び映像表示装置１６の各機能は、例えば、処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア６００であってもよい。処理回路は、プロセッサ６０１およびメモリ６０２を備えていてもよい。処理回路の一部が専用ハードウェア６００として形成され、且つ、当該処理回路は更にプロセッサ６０１およびメモリ６０２を備えていてもよい。図３に示す例において、処理回路の一部は専用ハードウェア６００として形成されている。また、図３に示す例において、処理回路は、専用ハードウェア６００に加えて、プロセッサ６０１およびメモリ６０２を更に備えている。

【0028】

一部が少なくとも１つの専用ハードウェア６００である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ＡＳＩＣ、ＦＰＧＡ、またはこれらを組み合わせたものが該当する。

【0029】

処理回路が少なくとも１つのプロセッサ６０１および少なくとも１つのメモリ６０２を備える場合、エレベーター制御基板６及び映像表示装置１６の各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。

【0030】

ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ６０２に格納される。プロセッサ６０１は、メモリ６０２に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ６０１は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはＤＳＰともいう。メモリ６０２には、例えば、ＲＡＭ、ＲＯＭ、フラッシュメモリー、ＥＰＲＯＭおよびＥＥＰＲＯＭ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクおよびＤＶＤ等が該当する。

【0031】

このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、エレベーター制御基板６及び映像表示装置１６の機能を実現することができる。なお、エレベーター制御基板６及び映像表示装置１６の各機能は、複数の機器が連携することで実現されてもよいし、単一の機器によって実現されてもよい。また、エレベーター制御基板６及び映像表示装置１６の各機能の少なくとも一部は、外部ネットワーク上のサーバ等に実装されていてもよい。

【0032】

実施の形態２．
次に、図４を参照して、実施の形態２について説明するが、前述した実施の形態１との相違点を中心に説明し、共通する説明を簡略化または省略する。また、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付す。図４は、実施の形態２に係るエレベーターシステムの機能を説明するための図である。

【0033】

本実施の形態のエレベーターシステムは、利用者が事前に登録した物品を利用者が所持しているかどうかを判定する。利用者は、忘れ物しそうな物品を予め登録しておくことで、忘れ物を確実に防止することができる。

【0034】

図２に示すように、エレベーター制御基板６は、通信網２０を介して、管理サーバ２１と通信可能である。利用者が所持する例えばスマートフォンのような利用者端末２２は、通信網２３を介して、管理サーバ２１と通信可能である。

【0035】

利用者端末２２には、かご呼びの指令を管理サーバ２１に送信することが可能なアプリケーションがインストールされている。利用者端末２２からかご呼びの指令を受けた管理サーバ２１は、かご呼びを作成し、エレベーター制御基板６に送信する。このようにして、利用者は、利用者端末２２を用いて、かご１を呼んで乗車することができる。

【0036】

利用者は、利用者端末２２を用いて、忘れ物を検知してほしい物品を事前に管理サーバ２１に登録する。例えば、利用者は、忘れ物を検知してほしい物品の画像を管理サーバ２１に送信する。当該物品は、例えば、上履き、運動着、給食着、水筒、マスク、傘、鍵盤ハーモニカ、絵具セット、習字セットなどでもよい。当該物品は、利用者がぶら下げて持つもの、あるいは身に着けるものでもよい。管理サーバ２１は、当該物品の画像を、アプリケーションへのログイン情報によって特定される利用者ＩＤと紐づけてエレベーター制御基板６に送信し、エレベーター制御基板６は、当該物品の画像を当該利用者ＩＤと紐づけて映像表示装置１６に送信する。

【0037】

利用者端末２２によって、利用者が居住する１階以外の階から１階に向かう呼びが登録され、上記利用者ＩＤによって特定される利用者がかご１に乗車すると、エレベーター制御基板６は、映像表示装置１６へ、カメラ１４の画像を取り込んで当該画像を解析する指示を出す。

【0038】

指示を受けた映像表示装置１６は、かご１内のカメラ１４からの映像を取り込む。映像表示装置１６は、公知の画像認識技術を用いて、取り込んだ画像を解析して画像から人物を検出し、その人物が、事前に登録された物品を所持しているかどうかを判定する。例えば、映像表示装置１６は、利用者ＩＤと紐づけられて事前に登録された物品の画像と、カメラ１４で撮像された画像とを照合することにより、利用者が、事前に登録された物品をぶら下げているかどうかを判定する。その結果、利用者が事前に登録された物品を所持していないと判定された場合に、「〇〇の忘れ物をしていませんか？」という啓蒙画像をディスプレイ１７に表示する。〇〇は物品の名称である。これにより、利用者の視覚に対して注意喚起を行うことができる。また、映像表示装置１６は、エレベーター側のインターホン基板１８へ指令を出し、かご１内のインターホン１９から「〇〇の忘れ物をしていませんか？」というアナウンスも流す。これにより、利用者の聴覚に対して注意喚起を行うことができる。

【0039】

利用者が事前に登録された物品を所持しておらず、注意喚起を行った場合に、エレベーター制御基板６は、戸開せずに利用者の乗車階へかごを運行させて乗車階で戸開するようにしてもよい。これにより、利用者が忘れ物を取りに戻る時間が短縮される。

【0040】

利用者が事前に登録された物品を所持していない場合、その旨の通知を利用者端末２２に送信してもよい。また、小学生の利用者が事前に登録された物品を所持していない旨の通知を、当該利用者の親などの保護者の利用者端末２２に通知するようにしてもよい。これにより、保護者は、忘れ物の物品を持って子供を追いかけて物品を渡すことができる。

【0041】

本実施の形態では、映像表示装置１６が、カメラ１４が撮像した画像に基づいて、予め登録された物品を利用者が所持しているかどうかを判定する持ち物判定手段に相当する。本開示では、管理サーバ２１またはエレベーター制御基板６が持ち物判定手段として機能する構成としてもよい。すなわち、事前に登録された物品の画像と、カメラ１４で撮像された画像とを照合することにより、利用者が、事前に登録された物品を所持しているかどうかを判定する処理を管理サーバ２１またはエレベーター制御基板６が実行するようにしてもよい。

【0042】

以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。

【0043】

（付記１）
かご内の利用者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像に基づいて、前記利用者に対して家に忘れ物がないかの注意喚起を行う注意喚起手段と、
を備えるエレベーターシステム。
（付記２）
前記撮像手段が撮像した画像から前記利用者のランドセル使用の有無を判定するランドセル判定手段を備え、
前記利用者がランドセルを使用していると判定された場合に前記注意喚起手段が前記注意喚起を行う付記１に記載のエレベーターシステム。
（付記３）
朝の通学時間帯に前記かご内の操作盤で１階に向かう呼びが登録された場合に、前記撮像手段が前記利用者を撮像し、前記ランドセル判定手段が前記利用者のランドセル使用の有無を判定する付記２に記載のエレベーターシステム。
（付記４）
前記注意喚起手段は、音声によって前記注意喚起を行う付記１から付記３のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
（付記５）
前記注意喚起手段は、前記注意喚起のための画像をディスプレイに表示する付記１から付記４のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
（付記６）
前記注意喚起を行う場合、１階での戸開のときに通常よりも低速で戸開する付記１から付記５のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
（付記７）
前記注意喚起を行う場合、前記かご内の照明を明滅させる付記１から付記６のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
（付記８）
前記撮像手段が撮像した画像に基づいて、予め登録された物品を前記利用者が所持しているかどうかを判定する持ち物判定手段を備え、
前記利用者が前記物品を所持していない場合、前記注意喚起手段が前記注意喚起を行う付記１から付記７のいずれか一項に記載のエレベーターシステム。
（付記９）
前記利用者が前記物品を所持していない場合、戸開せずに前記利用者の乗車階へ前記かごを運行させて前記乗車階で戸開する付記８に記載のエレベーターシステム。

【符号の説明】

【0044】

１ かご、 ２ つり合いおもり、 ３ 昇降路、 ４ ロープ、 ５ 巻上機、 ６ エレベーター制御基板、 ７ 機械室、 ８ 乗場、 １１ かご室、 １２ ドア、 １３ モータ、 １４ カメラ、 １５ 秤装置、 １６ 映像表示装置、 １７ ディスプレイ、 １８ インターホン基板、 １９ インターホン、２０ 通信網、 ２１ 管理サーバ、 ２２ 利用者端末、 ２３ 通信網、 ６００ 専用ハードウェア、 ６０１ プロセッサ、 ６０２ メモリ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】