IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図1
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図2
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図3
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図4
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図5
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図6
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図7
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図8
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図9
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図10
  • 特開-点検システムおよび点検方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172201
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】点検システムおよび点検方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B66B5/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089758
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】引地 剛樹
【テーマコード(参考)】
3F304
【Fターム(参考)】
3F304BA12
3F304BA26
(57)【要約】
【課題】エレベーターのインジケータの点検に費やされる保守員の作業時間を削減することができる点検システムおよび点検方法を提供する。
【解決手段】点検システムは、複数の階の各々の乗場に設けられたエレベーターのインジケータの点灯状態を制御する制御盤と、複数の階のうち第1対象階を移動して画像を撮影可能な第1ロボットに対して、点検指令を送信する指令部を有した指令装置と、を備え、点検指令を受信した第1ロボットは、第1対象階の乗場の近くを通過した際に、第1対象階の乗場に人がいないことを検出した場合、点検指令に示されるインジケータを点検モードで点灯させる指令を制御盤に送信し、その後、当該インジケータが点検モードで点灯している通知を受信したときに当該インジケータを撮影し、撮影した当該インジケータの画像を含む結果情報を指令装置に送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の階の各々の乗場に設けられたエレベーターのインジケータの点灯状態を制御する制御盤と、
前記複数の階のうち第1対象階を移動して画像を撮影可能な第1ロボットに対して、点検指令を送信する指令部を有した指令装置と、
を備え、
前記点検指令を受信した前記第1ロボットは、前記第1対象階の乗場の近くを通過した際に、前記第1対象階の乗場に人がいないことを検出した場合、前記点検指令に示されるインジケータを点検モードで点灯させる指令を前記制御盤に送信し、その後、当該インジケータが点検モードで点灯している通知を受信したときに当該インジケータを撮影し、撮影した当該インジケータの画像を含む結果情報を前記指令装置に送信する、
点検システム。
【請求項2】
前記指令部は、前記複数の階のうち前記第1対象階とは異なる第2対象階を移動して画像を撮影可能な第2ロボットに対して前記点検指令を送信し、
前記点検指令を受信した前記第2ロボットは、前記第2対象階の乗場の近くを通過した際に、前記第2対象階の乗場に人がいないことを検出した場合、前記点検指令に示されるインジケータを点検モードで点灯させる指令を前記制御盤に送信し、その後、当該インジケータが点検モードで点灯している通知を受信したときに当該インジケータを撮影し、撮影した当該インジケータの画像を含む結果情報を前記指令装置に送信する、
請求項1に記載の点検システム。
【請求項3】
前記複数の階の各々の乗場に設けられたインジケータごとに点検が行われた日を管理する管理部、
を更に備え、
前記指令部は、前記第1対象階の乗場のインジケータが最後に点検が行われた日から開始期間が経過した場合、当該インジケータを点検させる前記点検指令を作成して前記第1ロボットに送信する、
請求項1に記載の点検システム。
【請求項4】
前記指令部は、前記第1対象階の乗場のインジケータが最後に点検が行われた日から前記開始期間よりも長い補完期間が経過した場合、当該インジケータを点検させる補完指令を作成して、前記第1対象階へ別の階から移動可能な補完ロボットに前記補完指令を送信し、
前記補完指令を受信した前記補完ロボットは、前記補完指令に示された前記第1対象階の乗場へ移動し、その後、前記第1対象階の乗場に人がいないことを検出した場合、前記補完指令に示されるインジケータを点検モードで点灯させる指令を前記制御盤に送信し、その後、当該インジケータが点検モードで点灯している通知を受信したときに当該インジケータを撮影し、撮影した当該インジケータの画像を含む結果情報を前記指令装置に送信する、
請求項3に記載の点検システム。
【請求項5】
請求項3に記載の点検システムを利用して行われる点検方法であって、
前記エレベーターの保守作業を行う保守員が前記エレベーターで前回の点検作業を行った後に行われ、前記指令装置が前記点検指令を送信する第1工程と、
前記第1工程の後、前記保守員が前記エレベーターで今回の点検作業を行う際に、前記点検指令に基づく点検が行われていないインジケータの点検を行う第2工程と、
を備えた点検方法。
【請求項6】
前記第1工程と前記第2工程のとの間に行われ、前記指令装置が、最後に点検が行われた日から前記開始期間よりも長い補完期間が経過したインジケータを点検させる補完指令を作成して、前記補完指令に示されるインジケータが設けられた階へ別の階から移動可能な補完ロボットに前記補完指令を送信する第3工程と、
前記第3工程の後であって前記第2工程の前に行われ、前記補完指令を受信した補完ロボットが、前記補完指令に示される階の乗場へ移動し、その後、当該階の乗場に人がいないことを検出した場合、前記補完指令に示されるインジケータを点検モードで点灯させる指令を前記制御盤に送信し、その後、当該インジケータが点検モードで点灯している通知を受信したときに当該インジケータを撮影し、撮影した当該インジケータの画像を含む結果情報を前記指令装置に送信する第4工程と、
を更に備えた請求項5に記載の点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターのインジケータの点検システムおよび点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの乗場インジケータの点検方法を開示する。当該点検方法によれば、エレベーターの保守員は、乗場にカメラを設置し、かごを点検用の走行パターンで走行させる。当該点検方法によって、インジケータの点検が容易に行われ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-089628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の点検方法において、保守員が各階の乗場に移動する必要がある。このため、保守作業時に保守員が移動する時間がかかってしまう。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、エレベーターのインジケータの点検に費やされる保守員の作業時間を削減することができる点検システムおよび点検方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る点検システムは、複数の階の各々の乗場に設けられたエレベーターのインジケータの点灯状態を制御する制御盤と、複数の階のうち第1対象階を移動して画像を撮影可能な第1ロボットに対して、点検指令を送信する指令部を有した指令装置と、を備え、点検指令を受信した第1ロボットは、第1対象階の乗場の近くを通過した際に、第1対象階の乗場に人がいないことを検出した場合、点検指令に示されるインジケータを点検モードで点灯させる指令を制御盤に送信し、その後、当該インジケータが点検モードで点灯している通知を受信したときに当該インジケータを撮影し、撮影した当該インジケータの画像を含む結果情報を指令装置に送信する。
【0007】
本開示に係る点検方法は、上記点検システムを利用して行われる点検方法であって、エレベーターの保守作業を行う保守員がエレベーターで前回の点検作業を行った後に行われ、指令装置が点検指令を送信する第1工程と、第1工程の後、保守員がエレベーターで今回の点検作業を行う際に、点検指令に基づく点検が行われていないインジケータの点検を行う第2工程と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、インジケータの点検は、ロボットによって行われ得る。例えば、保守員は、ロボットによって点検されなかったインジケータだけを点検すればよい。このため、エレベーターのインジケータの点検に費やされる保守員の作業時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における点検システムが適用されるエレベーター装置と建物との構成図である。
図2】実施の形態1における点検システムの概要を示す図である。
図3】実施の形態1における点検システムの機能ブロック図である。
図4】実施の形態1における点検システムによってロボットが行う点検動作の概要を示すフローチャートである。
図5】実施の形態1における点検システムの指令装置の動作の概要のフローチャートである。
図6】実施の形態1における点検システムを利用した点検方法を説明するフローチャートである。
図7】実施の形態2における点検システムが適用されるエレベーター装置と建物との構成図である。
図8】実施の形態2における点検システムの機能ブロック図である。
図9】実施の形態2における点検システムによってロボットが行う点検動作の概要を示すフローチャートである。
図10】実施の形態2における点検システムを利用した点検方法を説明するフローチャートである。
図11】実施の形態1または2における点検システムの指令装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における点検システムが適用されるエレベーター装置と建物との構成図である。図2は実施の形態1における点検システムの概要を示す図である。
【0012】
図1の建物1には、複数の階2が設けられる。建物1には、エレベーター装置3が設けられる。昇降路4は、各階2を貫く。複数の乗場5は、建物1の各階2にそれぞれ設けられる。複数の乗場5の各々は、昇降路4に対向する。巻上機6は、機械室に設けられる。主ロープ7は、巻上機6の綱車に巻き掛けられる。かご8は、昇降路4の内部において、主ロープ7に吊るされる。
【0013】
複数の乗場ドア9は、複数の乗場5のそれぞれの出入口に設けられる。複数のインジケータ10は、複数の乗場5にそれぞれ設けられる。特に、インジケータ10は、乗場ドア9の周囲に設けられる。インジケータ10は、点灯することで利用者に情報を伝える機器である。例えば、インジケータ10は、複数の点灯ドットから構成される画面、数字の形をした複数の電灯、等の機器である。1つの乗場5に複数のインジケータ10が設けられてもよい。
【0014】
制御盤11は、機械室に設けられる。制御盤11は、巻上機6と複数のインジケータ10とに電気的に接続される。制御盤11は、巻上機6の駆動を制御することで、かご8の運行を制御する。制御盤11は、インジケータ10の点灯状態を制御する。
【0015】
建物1には、1以上のロボット20が配置される。ロボット20は、自律的に移動可能な機能を有する。ロボット20は、画像または連続した画像である映像を撮影可能である。例えば、ロボット20は、汎用のロボットであって、建物1の各階2を移動しながら設定された業務を行う。例えば、ロボット20は、業務として、配送、給仕、ルームサービス、警備、等を行う。例えば、ロボット20は、配置された階2とは別の階2には自律的に移動することができない。
【0016】
一例として、実施の形態1では、1以上のロボット20として、3つのロボット20a、20b、20cが建物1に配置される。3つのロボット20a、20b、20cは、互いに異なる業務を行ってもよいし、同じ業務を行ってもよい。ロボット20aは、第1ロボットとして、建物1の1階に配置される。ロボット20bは、第2ロボットとして、建物1の2階に配置される。ロボット20cは、第3ロボットとして、建物1の4階に配置される。例えば、本例において、建物1の3階にはロボット20が配置されない。
【0017】
ロボット20は、建物ネットワーク21に無線で接続される。例えば、建物ネットワーク21は、建物1の内部の機器および建物1の外部の機器によって構成されるネットワークである。ロボット20は、建物ネットワーク21を介して、図示されない指令装置から業務に関する命令を受信可能である。
【0018】
図2に示されるように、制御盤11は、ゲートウェイの役割を有するGW装置22を介して建物ネットワーク21に接続される。
【0019】
点検システム30は、制御盤11と監視装置31と情報センター装置32とを備える。監視装置31は、機械室に設けられる。監視装置31は、制御盤11に電気的に接続される。監視装置31は、制御盤11からの情報に基づいてエレベーター装置3の状態を監視し得るように設けられる。監視装置31は、制御盤11、GW装置22、建物ネットワーク21を介して、ロボット20と通信可能である。
【0020】
情報センター装置32は、建物1から離れた場所に設けられる。例えば、情報センター装置32は、エレベーター装置3を保守管理する保守会社に設けられる。情報センター装置32は、監視装置31からの情報に基づいてエレベーター装置3の状態を把握可能である。
【0021】
点検システム30は、インジケータ10を点検するためのシステムである。監視装置31は、インジケータ10を点検するための指令を作成する指令装置として機能する。具体的には、監視装置31は、ロボット20に対して、配置された階2のインジケータ10を点検させる点検指令を送信する。ロボット20は、点検指令に基づいて、インジケータ10を撮影して、監視装置31へ撮影した画像の情報を送信する。監視装置31は、ロボット20から受信した画像に基づいて、インジケータ10の異常の有無を判定する。
【0022】
一例として、あるインジケータ10が異常であると判定された場合、監視装置31は、情報センター装置32に当該インジケータ10が異常である旨を通知する。情報センター装置32は、建物1にエレベーター装置3の保守作業を行う保守員を派遣する計画を立てる。
【0023】
別の例として、複数の階2のうち、1階、2階、および4階のインジケータ10に異常が無いという点検の結果が監視装置31に蓄積される。定期的な保守作業のために建物1を訪れた保守員は、監視装置31と通信接続された保守端末Tを介して、監視装置31に蓄積された情報を確認する。保守員は、3階のインジケータ10のみを点検モードで点灯させ、3階のインジケータ10の点検のみを行う。保守員は、3階のインジケータ10を点検した後、建物1の複数のインジケータ10の保守点検を終了する。
【0024】
次に、図3を用いて、各装置の機能を説明する。
図3は実施の形態1における点検システムの機能ブロック図である。
【0025】
図3に示されるように、制御盤11は、機能として、運転制御部12と点灯制御部13を少なくとも備える。運転制御部12は、かご8の運転を制御する。点灯制御部13は、複数のインジケータ10の各々の点灯状態を制御する。例えば、点灯制御部13は、あるインジケータ10を点検モードで点灯させる点検点灯指令を受信した場合、当該インジケータ10を点検モードで点灯させる。その後、点灯制御部13は、点検モードで点灯させている旨の確認通知を、点検点灯指令の送信先に送信する。
【0026】
1以上のロボット20は、機能として、撮影部23と駆動部24と動作制御部25と点検制御部26とを少なくとも備える。
【0027】
撮影部23は、画像または映像を撮影する機能である。例えば、撮影部23は、カメラである。
【0028】
駆動部24は、ロボット20を移動させる機能である。例えば、駆動部24には、車輪とモータとが含まれる。
【0029】
動作制御部25は、ロボット20の移動、業務のための行動、等の動作を全体的に制御する。例えば、動作制御部25は、駆動部24の動作を制御する。動作制御部25は、建物1の地図情報およびロボット20に設定された業務の内容に基づいて、建物1の内部の移動を制御する。
【0030】
点検制御部26は、点検指令を受信した場合、設定された点検動作をロボット20に行わせる。具体的には、点検制御部26は、点検動作に沿って、撮影部23または動作制御部25に特定の処理を行わせる。なお、点検動作の具体的な内容は、点検制御部26に予め設定されていてもよいし、点検指令に含まれていてもよい。
【0031】
指令装置である監視装置31は、機能として、記憶部33と判定部34と管理部35と指令部36とを備える。
【0032】
記憶部33は、インジケータ10の保守点検に必要な各種の情報を記憶する。例えば、記憶部33は、複数のインジケータ10の各々について、当該インジケータ10が設置されている階2および乗場5が対応付けられた建物情報を記憶する。建物情報には、1以上のロボット20の各々について、当該ロボット20が配置された階2を示す情報が含まれる。建物情報には、乗場5の地図と地図においてインジケータ10が存在する位置とが含まれていてもよい。
【0033】
判定部34は、インジケータ10の画像に基づいて、当該インジケータ10の異常の有無を判定する。インジケータ10の異常とは、ドット抜け、点灯の有無、等である。
【0034】
管理部35は、複数のインジケータ10の各々について、当該インジケータ10の点検が行われた日時を管理する。管理部35は、インジケータ10の点検が行われた日時と点検結果とが対応付けられた管理情報を記憶部33に記憶させる。また、管理部35は、記憶部33に記憶された管理情報を更新する。
【0035】
指令部36は、1日毎等の規定の周期で、管理情報に基づいて、複数のインジケータ10のうち、最後に点検が行われた日時から規定の点検期間が経過しているインジケータ10を抽出する。点検期間は、点検を行うべき周期の期間よりも予備日数だけ短い期間である。例えば、点検を行うべき周期は、保守員が建物1の定期的な保守作業を行う周期と同じであってもよく、3ヶ月であってもよい。予備日数は、0日、5日、等の設置環境に応じた日数が設定されればよい。
【0036】
指令部36は、記憶部33に記憶された建物情報に基づいて、抽出したインジケータ10が設けられた階2および乗場5を抽出する。指令部36は、抽出したインジケータ10を識別する情報が含まれた当該インジケータ10の点検指令を、当該インジケータ10が設けられた階2に配置されたロボット20に送信する。点検指令には、建物情報のうち少なくとも一部が含まれてもよい。
【0037】
次に、図4を用いて、ロボット20が行う点検動作を説明する。
図4は実施の形態1における点検システムによってロボットが行う点検動作の概要を示すフローチャートである。
【0038】
図4に示されるフローチャートは、ロボット20が点検指令を受信したとき、開始する。点検指令を受信した後も、ロボット20は、主に設定された業務に基づいて移動および行動している。
【0039】
以降では、一例として、ロボット20aに点検指令が送信された場合の動作が説明される。即ち、指令部36は、ロボット20aが配置された階2を第1対象階として抽出する。指令部36は、ロボット20aに対して、第1対象階である1階の乗場5におけるインジケータ10を点検させる点検指令を送信している。
【0040】
ステップS001において、ロボット20aの点検制御部26は、点検指令に示されるインジケータ10が設置された乗場5の近くに存在するか否かを判定する。例えば、点検制御部26は、当該乗場5から規定の有効範囲以内に存在するとき、乗場5の近くに存在すると判定する。有効範囲は、乗場5から1m以内、0m以内等の任意の範囲が設定されてよい。
【0041】
ステップS001で、乗場5の近くに存在しない場合、点検制御部26は、ステップS001の動作を繰り返す。即ち、ロボット20aは、乗場5の近くではない場所で、通常の業務に基づく行動を行う。
【0042】
ステップS001で、乗場5の近くに存在する場合、ステップS002の動作が行われる。ステップS002において、点検制御部26は、ロボット20aの各種センサの検出結果または撮影部23が撮影した画像に基づいて、当該乗場5に人が存在するか否かを判定する。
【0043】
ステップS002で、当該乗場5に人が存在しない場合、ステップS003の動作が行われる。ステップS003において、点検制御部26は、点検指令に示されたインジケータ10の点検点灯指令を、建物ネットワーク21およびGW装置22を介して、制御盤11に送信する。点検制御部26は、動作制御部25を介して、点検指令に示されたインジケータ10を撮影可能な位置までロボット20aを移動させる。
【0044】
その後、ステップS004において、点検制御部26は、点検指令に示されたインジケータ10に関する確認通知を受信したか否かを判定する。当該確認通知を受信しない場合、ステップS004の動作が繰り返される。
【0045】
ステップS004において、確認通知を受信した場合、ステップS005の動作が行われる。即ち、点検点灯指令を受信した制御盤11は、点検点灯指令に示されたインジケータ10を点検モードで点灯させ、ロボット20aに確認通知を送信している。インジケータ10は、点検モードで点灯している。ステップS005において、点検制御部26は、撮影部23に、点検指令に示されるインジケータ10の画像を撮影させる。
【0046】
その後、ステップS006において、点検制御部26は、ステップS005で撮影された画像、即ち点検指令に示されるインジケータ10の画像を含む結果情報と、点検モードでの点灯を終了させる指令とを、制御盤11および監視装置31に送信する。
【0047】
ロボット20aから指令を受信した制御盤11は、当該インジケータ10の点検モードでの点灯を終了し、通常のモードに遷移させる。結果情報を受信した監視装置31は、結果情報に示されるインジケータ10についての点検指令を削除させる指令を、結果情報を送信したロボット20aに送信する。その後、ステップS007の動作が行われる。ステップS007において、点検制御部26は、監視装置31からの指令を受信し、当該指令に対応する点検指令を削除する。
【0048】
その後、ステップS008において、点検制御部26は、点検動作を終了する。ロボット20aは、通常の業務を行うモードに戻る。例えば、ロボット20aは、乗場5から離れる。その後、フローチャートの動作が終了する。
【0049】
ステップS002で、乗場5に人が存在する場合、ステップS009の動作が行われる。ステップS009において、点検制御部26は、今回のインジケータ10の点検を延期して、通常の業務を行うモードに戻る。例えば、ロボット20aは、乗場5から離れる。その後、ステップS001以降の動作が行われる。即ち、点検制御部26は、次にロボット20aが乗場5の近くを通過した際に、ステップS002以降の動作が行われるようにする。
【0050】
このように、ロボット20aは、点検指令を受信した場合、通常の業務の間、乗場5に近づいた際に乗場5に人が存在しなければ、ステップS003以降の動作を行う。図4に示されるフローチャートの動作は、第2ロボットであるロボット20bおよび第3ロボットであるロボット20cのいずれにおいても、点検指令を受信した場合に行われる。この場合、指令部36は、ロボット20bに対して第2対象階である2階の乗場5のインジケータ10を点検させる点検指令、または、ロボット20cに対して第3対象階である4階の乗場5のインジケータ10を点検させる点検指令を送信している。
【0051】
なお、ロボット20aの点検制御部26は、ステップS001の代わりに、待機状態にあるか否かを判定してもよい。待機状態にない場合、同様の動作が繰り返されてもよいし、ステップS001の動作が行われてもよい。待機状態にある場合、点検制御部26は、動作制御部25に対して、ロボット20aを点検指令に示されるインジケータ10が設置されている乗場5へ移動させてもよい。その後、ステップS002以降の動作が行われてもよい。
【0052】
次に、図5を用いて、指令装置である監視装置31の動作を説明する。
図5は実施の形態1における点検システムの指令装置の動作の概要のフローチャートである。
【0053】
図5のフローチャートの動作は、例えば、点検指令が送信された後に開始される。ステップS101において、指令装置の管理部35は、いずれかのインジケータ10に関する結果情報を受信したか否かを判定する。ステップS101で、結果情報を受信していない場合、ステップS101の動作が繰り返される。
【0054】
ステップS101で、結果情報を受信した場合、ステップS102の動作が行われる。ステップS102において、指令装置の指令部36は、結果情報を送信したロボット20に対して、結果情報に示されるインジケータ10の点検指令を削除させる指令を送信する。
【0055】
その後、ステップS103において、判定部34は、結果情報に含まれる画像に基づいて、結果情報に示されるインジケータ10の異常の有無を判定する。
【0056】
その後、ステップS104の動作が行われる。ステップS104において、管理部35は、結果情報に示されるインジケータ10について、当該インジケータ10を識別する情報と結果情報と判定部34の判定結果とを対応付けて管理情報とし、当該インジケータ10に関する管理情報を更新する。この際、管理部35は、結果情報に含まれる日時または現在の日時を、点検した日時として更新した管理情報に含める。なお、管理部35は、結果情報に含まれる日時または現在の日時を最後に点検した日時として管理情報に含めてもよい。なお、管理情報には、少なくとも最後に点検した日時が含まれていればよい。
【0057】
その後、指令装置は、フローチャートの動作を終了する。なお、点検指令を送信したインジケータ10であって、まだ結果情報を受信していないインジケータ10が存在する場合、フローチャートの動作が再び開始されてもよい。
【0058】
次に、図6を用いて、インジケータ10の点検方法を説明する。
図6は実施の形態1における点検システムを利用した点検方法を説明するフローチャートである。
【0059】
図6に示されるフローチャートは、保守員がエレベーター装置3に訪れて、点検作業をする際の点検方法に関するものである。この点検作業を今回の点検作業とみなしたとき、フローチャートは、前回の点検作業が行われているときに開始する。
【0060】
ステップS201において、保守員は、エレベーター装置3の点検作業を行う。ステップS201の点検作業が、前回の点検作業に相当する。点検作業には、インジケータ10の点灯状態の点検も含まれてもよい。作業員は、自身の保守端末からインジケータ10の点検結果を入力する。管理部35は、ステップS201の点検作業において点検されたインジケータ10を最後に点検した日時が前回の点検作業の日時となるよう管理情報を更新してもよい。
【0061】
その後、ステップS202の第1工程が行われる。第1工程において、指令装置である監視装置31は、規定の周期で管理情報を参照し、最後に点検が行われた日から開始期間が経過したインジケータ10を点検させるための点検指令を、当該インジケータ10に対応する階2に配置されたロボット20に送信する。点検指令に基づくインジケータ10の点検がロボット20によって行われた場合、指令装置において、管理情報が更新される。点検指示に基づくインジケータ10の点検がロボット20によって行われなかった場合、管理情報は更新されない。
【0062】
その後、ステップS203の第2工程が行われる。ステップS203において、第2工程として、保守員によって今回の点検作業が行われる。第2工程は、ステップS201の前回の点検作業が行われてから定期点検に関する期間が経過した後に行われる。保守員は、保守端末から指令装置の記憶部33にアクセスして、管理情報を確認する。管理情報において、保守員は、複数のインジケータ10のうち、ステップS202の期間に点検が行われていないインジケータ10を参照する。
【0063】
例えば、ロボット20が点検指令を受信したものの、当該ロボット20が配置された階2の乗場5の近くに立ち寄ることが無かった、当該ロボット20が乗場5の近くに存在しても乗場5に人がいることが続いた、等の場合、当該ロボット20が配置された階2の乗場5のインジケータ10は点検されない。また、そもそもロボット20が配置されていない階2の乗場5のインジケータ10は、点検されない。
【0064】
ステップS203において、管理情報において点検が行われていないインジケータ10が存在する場合、保守員は、当該インジケータ10を点検する。具体的には、保守員は、当該インジケータ10を点検モードで点灯させた後、当該インジケータ10が設けられた階2の乗場5へ移動して、点検モードで点灯する当該インジケータ10の点検を行う。その後、保守員は、当該インジケータ10の点検結果を保守端末に入力する。更に、保守員は、当該インジケータ10の点検結果を指令装置に反映させて、管理情報を更新させる。
【0065】
その後、フローチャートの点検方法は終了する。
【0066】
以上で説明した実施の形態1によれば、点検システム30は、制御盤11と指令装置である監視装置31を備える。点検方法は、点検システム30を利用して行われる。指令装置は、点検指令を送信する指令部36を有する。点検指令を受信した第1ロボットは、乗場5の近くを通過した際に、人がいなければ、点検指令に示された第1対象階のインジケータ10を点検する。保守員は、通常の保守点検時には、点検システム30によって点検されなかったインジケータ10だけを点検すればよい。このため、エレベーター装置3のインジケータ10の点検に費やされる保守員の作業時間を削減することができる。
【0067】
更に、第1ロボットは、点検指令を受信した後、対象となる乗場5の近くを通過した際にインジケータ10の点検を試みる。このため、第1ロボットは、エレベーター装置3の点検を専用に行うロボットでなくてもよく、別の業務を行うロボットであってもよい。このため、点検のためのコストを低減することができる。また、建物1に配置されたロボット全体の稼働率を向上させることができる。
【0068】
また、指令部36は、第1ロボットが配置された階2とは別の第2対象階に配置された第2ロボットに対して、同様に点検指令を送信する。このため、保守員が点検するインジケータ10の数を減らすことができる。
【0069】
また、点検が行われたインジケータ10が管理部35によって管理される。指令部36は、あるインジケータ10について、最後に点検が行われた日から開始期間が経過した場合に、当該インジケータ10を点検させる点検指令を作成する。例えば、従来では、3か月ごと等の周期でインジケータ10の点検が行われていた。即ち、インジケータ10の点検周期は、数ヶ月単位で十分とみなされている。開始期間が経過した場合に点検指令が作成されることで、第1ロボットがインジケータ10を点検する頻度が過剰になってしまうことが抑制され得る。このため、第1ロボットの稼働効率が低下することを抑制することができる。
【0070】
なお、点検システム30には、エレベーター装置3およびロボット20が含まれてもよい。
【0071】
なお、監視装置31は、判定部34を備えていなくてもよい。例えば、判定部34は、保守員が所持する保守端末に備えられてもよい。この場合、保守員は、建物1を訪問した際に、記憶部33に記憶された結果情報を保守端末で解析することで、複数のインジケータ10の異常の有無を確認してもよい。また、判定部34は、情報センター装置32に設けられてもよい。
【0072】
実施の形態2.
図7は実施の形態2における点検システムが適用されるエレベーター装置と建物との構成図である。図8は実施の形態2における点検システムの機能ブロック図である。図9は実施の形態2における点検システムによってロボットが行う点検動作の概要を示すフローチャートである。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0073】
図7に示されるように、実施の形態2において、点検システム30は、補完ロボット40を更に備える。補完ロボット40は、エレベーター装置3の点検を行うためのロボットであってもよい。補完ロボット40は、画像または映像を撮影可能である。補完ロボット40は、自律的に移動可能なロボットであって、かご8に乗車可能なロボットである。即ち、補完ロボット40は、任意の階2から別の階2へ自律的に移動可能である。例えば、補完ロボット40は、指令装置である監視装置31と通信可能である。補完ロボット40と監視装置31との通信経路は、ロボット20と監視装置31との通信経路と同じであってもよい。
【0074】
図8に示されるように、補完ロボット40は、撮影部41と駆動部42と動作制御部43と点検制御部44とを少なくとも備える。撮影部41、駆動部42、動作制御部43、および点検制御部44は、ロボット20の撮影部23、駆動部24、動作制御部25、および点検制御部26と同様の機能を有する。
【0075】
指令部36は、1日毎等の規定の周期で、管理情報に基づいて、複数のインジケータ10のうち、最後に点検が行われた日時から規定の補完期間が経過しているインジケータ10を抽出する。補完期間は、点検期間よりも長い期間である。補完期間は、保守員によって点検作業が行われる周期よりも短い期間であってもよい。
【0076】
指令部36は、記憶部33に記憶された建物情報に基づいて、抽出したインジケータ10が設けられた階2および乗場5を抽出する。指令部36は、抽出したインジケータ10を識別する情報が含まれた当該インジケータ10の補完指令を、補完ロボット40に送信する。
【0077】
図9に示されるフローチャートは、補完ロボット40が補完指令を受信したとき、開始する。
【0078】
ステップS301において、補完ロボット40の点検制御部44は、補完指令に示されるインジケータ10が設置された階2へ移動する。例えば、補完ロボット40は、かご8に乗車して、当該階2へ移動する。
【0079】
ステップS301で、補完指令に示された階2の乗場5に補完ロボット40が到着した後、ステップS302の動作が行われる。ステップS302において、点検制御部44は、補完ロボット40の各種センサの検出結果または撮影部41が撮影した画像に基づいて、当該乗場5に人が存在するか否かを判定する。
【0080】
ステップS302で、当該乗場5に人が存在しない場合、ステップS303の動作が行われる。ステップS303において、点検制御部44は、補完指令に示されたインジケータ10の点検点灯指令を、建物ネットワーク21およびGW装置22を介して、制御盤11に送信する。点検制御部44は、動作制御部43を介して、補完指令に示されたインジケータ10を撮影可能な位置まで補完ロボット40を移動させる。
【0081】
その後、ステップS304において、点検制御部44は、補完指令に示されたインジケータ10に関する確認通知を受信したか否かを判定する。当該確認通知を受信しない場合、ステップS304の動作が繰り返される。
【0082】
ステップS304において、確認通知を受信した場合、ステップS305の動作が行われる。即ち、点検点灯指令を受信した制御盤11は、点検点灯指令に示されたインジケータ10を点検モードで点灯させ、補完ロボット40に確認通知を送信している。インジケータ10は、点検モードで点灯している。ステップS305において、点検制御部44は、撮影部41に、補完指令に示されるインジケータ10の画像を撮影させる。
【0083】
その後、ステップS306において、点検制御部44は、ステップS305で撮影された画像である補完指令に示されるインジケータ10の画像を含む結果情報と、点検モードでの点灯を終了させる指令とを、制御盤11および監視装置31に送信する。
【0084】
補完ロボット40から指令を受信した制御盤11は、当該インジケータ10の点検モードでの点灯を終了し、通常のモードに遷移させる。結果情報を受信した監視装置31は、結果情報に示されるインジケータ10についての補完指令を削除させる指令を、補完ロボット40に送信する。その後、ステップS307の動作が行われる。ステップS307において、点検制御部44は、監視装置31からの指令を受信し、補完指令を削除する。
【0085】
その後、ステップS308において、点検制御部44は、補完点検動作を終了する。例えば、補完ロボット40は、移動前にいた階2へ戻る。その後、フローチャートの動作が終了する。
【0086】
ステップS302で、乗場5に人が存在する場合、ステップS309の動作が行われる。ステップS309において、規定の時間だけ待機する。その後、点検制御部44は、ステップS302の動作を繰り返す。即ち、補完ロボット40は、乗場5から人がいなくなるまで、乗場5に待機する。
【0087】
次に、図10を用いて、実施の形態2におけるインジケータ10の点検方法を説明する。
図10は実施の形態2における点検システムを利用した点検方法を説明するフローチャートである。
【0088】
図10に示されるフローチャートにおいて、ステップS401、S402、およびステップS405で行われる工程は、実施の形態1における図6のフローチャートのステップS201、S202、およびS203で行われる工程と同じである。
【0089】
実施の形態2において、ステップS402の第1工程とステップS405の第2工程との間に、ステップS403の第3工程とステップS404の第4工程とが行われる。
【0090】
具体的には、ステップS402の後、ステップS403の第3工程が行われる。第3工程において、指令装置である監視装置31は、規定の周期で管理情報を参照し、最後に点検が行われた日から補完期間が経過したインジケータ10を点検させるための補完指令を、補完ロボット40に送信する。
【0091】
その後、ステップS404の第4工程が行われる。第4工程において、補完指令に基づくインジケータ10の点検が補完ロボット40によって行われる。この場合、指令装置において、補完ロボット40からの結果情報に基づいて、管理情報が更新される。
【0092】
その後、ステップS405の第2工程が行われる。第2工程の後、フローチャートの点検方法は終了する。
【0093】
以上で説明した実施の形態2によれば、第3工程において、指令装置は、補完ロボット40に対して補完指令を送信する。補完指令は、最後に点検が行われた日から開始期間よりも長い補完期間が経過したインジケータ10が存在する場合に、作成される。即ち、点検指令が送信されたものの、点検指令を受信したロボット20がなかなか乗場5の近くを通過できなかった、または乗場5に人がいる状況が多いことで、インジケータ10の点検が行われなかった場合に、補完指令が作成され得る。また、補完指令は、ロボット20が配置されていない階2のインジケータ10を対象として作成され得る。第4工程において、補完ロボット40は、補完指令に示された階2へ移動して、インジケータ10の点検を行う。このため、より確実にインジケータ10の点検を行うことができる。その結果、保守員が保守点検のために建物1に訪れた際に、インジケータ10の点検に費やされる保守員の作業時間をさらに削減することができる。
【0094】
次に、図11を用いて、指令装置を構成するハードウェアの例を説明する。
図11は実施の形態1または2における点検システムの指令装置のハードウェア構成図である。
【0095】
指令装置である監視装置31の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0096】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、指令装置の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、指令装置の各機能を実現する。
【0097】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、指令装置の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、指令装置の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0098】
指令装置の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、管理部35の機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、管理部35の機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0099】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで指令装置の各機能を実現する。
【0100】
図示されないが、制御盤11、情報センター装置32、1以上のロボット20、および補完ロボット40の各機能も、指令装置の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【0101】
また、指令装置の各機能のうち少なくとも1つは、情報センター装置32に設けられてもよい。この場合、各機能において必要な情報は、ネットワークを介して監視装置31と情報センター装置32との間で適宜通信されればよい。
【符号の説明】
【0102】
1 建物、 2 階、 3 エレベーター装置、 4 昇降路、 5 乗場、 6 巻上機、 7 主ロープ、 8 かご、 9 乗場ドア、 10 インジケータ、 11 制御盤、 12 運転制御部、 13 点灯制御部、 20 ロボット、 20a ロボット、 20b ロボット、 20c ロボット、 21 建物ネットワーク、 22 GW装置、 23 撮影部、 24 駆動部、 25 動作制御部、 26 点検制御部、 30 点検システム、 31 監視装置、 32 情報センター装置、 33 記憶部、 34 判定部、 35 管理部、 36 指令部、 40 補完ロボット、 41 撮影部、 42 駆動部、 43 動作制御部、 44 点検制御部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア、 T 保守端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11