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特開2024-172208情報処理装置、移動販売計画作成方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172208
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、移動販売計画作成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20241205BHJP
   B64U 20/87 20230101ALI20241205BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20241205BHJP
   G08G 7/00 20060101ALI20241205BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20241205BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20241205BHJP
   G08G 1/00 20060101ALN20241205BHJP
   B64U 101/64 20230101ALN20241205BHJP
   B64U 101/30 20230101ALN20241205BHJP
【FI】
G06Q30/0202
B64U20/87
B64U10/13
G08G7/00
G08G5/00 A
G08G1/01 F
G08G1/00 A
B64U101:64
B64U101:30
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089770
(22)【出願日】2023-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】松本 麻希
【テーマコード(参考)】
5H181
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA21
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181EE02
5H181EE03
5H181FF05
5H181FF32
5H181MC19
5H181MC27
5L030BB04
5L049BB04
(57)【要約】
【課題】無人航空機による配送時の飛行を有効活用して有用な集客情報を得ることができるとともに、当該有用な集客情報を利用して効率良く移動販売を実施させることが可能な情報処理装置、移動販売計画作成方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】移動制御システムは、配送依頼品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得し、当該センシング情報から人の分布状況を解析し、当該解析により得られた解析情報に基づいて、上記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により移動販売品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行う。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得する取得部と、
前記センシング情報から人の分布状況を解析する解析部と、
前記解析部の解析により得られた解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行う作成部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記無人航空機が前記配送先に到達するまでの区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記作成部は、前記無人航空機が前記配送先から帰還するまでの区間に対応するエリアにおいて前記移動体により前記商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも一部区間における前記無人航空機の飛行方法を調整する調整部を更に備え、
前記取得部は、前記調整部により調整された前記少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方がある場合、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報に基づいて、前記飛行方法を調整することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記無人航空機は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントがない場合、通常の飛行方法で前記配送先に到達するまでの区間を飛行するものであり、
前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントがある場合、前記所定のイベントの情報に基づいて、前記センシングを優先するように前記通常の飛行方法を調整することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記無人航空機は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定の設備がない場合、通常の飛行方法で前記配送先に到達するまでの区間を飛行するものであり、
前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定の設備がある場合、前記所定の設備の情報に基づいて、前記センシングを優先するように前記通常の飛行方法を調整することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリアにおいて前記解析部の過去の解析により得られた過去の解析情報に基づいて、前記飛行方法を調整することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記解析情報には、前記人の人数、前記人の密度、前記人の人属性、及び前記人の流れのうち少なくとも何れか一つが示されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記作成部は、前記解析情報に基づいて、前記移動体の移動経路を設定し、当該設定された移動経路を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人数、前記人の密度、及び前記人の流れのうち少なくとも何れか一つに基づいて、前記移動体の移動経路を設定することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人属性と、前記商品の属性とに基づいて、前記移動体の移動経路を設定することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記作成部は、前記解析情報に基づいて、前記移動体の移動速度、または、前記移動体の停留位置及び停留時間を設定し、当該設定された移動速度、または、前記停留位置及び停留時間を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人属性に応じた商品を前記移動販売の対象となる商品として設定し、当該設定された商品の情報を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人数に応じた数量を前記移動販売の対象となる商品の数量として設定し、当該設定された数量を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記作成部は、前記配送先へ配送される前記物品の属性に応じた商品を前記移動販売の対象となる商品として設定し、当該設定された商品の情報を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記作成部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び移動販売予定日付において所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方がある場合、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報に基づいて、前記移動販売の対象となる商品を設定し、当該設定された商品の情報を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記作成部は、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報から特定される人属性に応じた商品を前記移動販売の対象となる商品として設定することを特徴とする請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記作成部は、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報から特定される人数に応じた数量を前記移動販売の対象となる商品の数量として設定することを特徴とする請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記移動体は、前記無人航空機であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記移動体は、無人で地上を走行可能な車両であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項22】
1または複数のコンピュータにより実行される移動販売計画作成方法であって、
物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報から人の分布状況を解析するステップと、
前記解析により得られた解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うステップと、
を含むことを特徴とする移動販売計画作成方法。
【請求項23】
物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報から人の分布状況を解析するステップと、
前記解析により得られた解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画を作成する方法等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動販売車両により集客の見込める場所へ移動しながら商品を販売する移動販売方法が知られている。例えば、特許文献1には、移動販売を管理する営業所が、鉄道会社の協力を得て駅の乗降客に関するデータを予め収集するか、または予め独自に収集し、それらのデータおよび販売日の状況に基づいて、どの場所で、どの時間帯に、何を販売したら多くの販売量が期待できるかの予測を行う技術が開示されている。一方、従来、無人航空機を用いて荷物を効率良く配送する荷物配送方法が知られている。例えば、特許文献2には、無人航空機の安全な飛行運用を確保しつつ、荷物を受け取る側の責任や負担を軽減できるようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-73941号公報
【特許文献2】特開2022-29387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、移動販売を管理する営業所が鉄道会社の協力を得られない場合や、独自の収集に莫大な労力がかかる場合があるため、集客情報を効率良く収集することが困難なこともある。一方、特許文献2に開示された技術では、無人航空機により受取側に荷物が配達された後、当該無人航空機を発送側に帰還させるだけであるので、特に、当該無人航空機の復路の飛行は有効活用されていない。
【0005】
そこで、本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、無人航空機による配送時の飛行を有効活用して有用な集客情報を得ることができるとともに、当該有用な集客情報を利用して効率良く移動販売を実施させることが可能な情報処理装置、移動販売計画作成方法、及びプログラムを提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(適用例1)上記課題を解決するために、本適用例に係る情報処理装置は、物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得する取得部と、前記センシング情報から人の分布状況を解析する解析部と、前記解析部の解析により得られた解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行う作成部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
(適用例2)本適用例に係る移動販売計画作成方法は、1または複数のコンピュータにより実行される移動販売計画作成方法であって、物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得するステップと、前記センシング情報から人の分布状況を解析するステップと、前記解析により得られた解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
(適用例3)本適用例に係るプログラムは、物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得するステップと、前記センシング情報から人の分布状況を解析するステップと、前記解析により得られた解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無人航空機による配送時の飛行を有効活用して有用な集客情報を得ることができるとともに、当該有用な集客情報を利用して効率良く移動販売を実施させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】移動制御システムSの概要構成例を示す図である。
図2】配送依頼品の配送と移動販売品の移動販売とが1つのUAV1により行われる様子を示す概念図である。
図3】UAV1の概要構成例を示す図である。
図4】UGV2の概要構成例を示す図である。
図5】ユーザ端末3の概要構成例を示す図である。
図6】情報処理サーバ4の概要構成例を示す図である。
図7】制御部43における機能ブロック例を示す図である。
図8】飛行方法の調整ロジックの一例を示す図である。
図9】実施例1において配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図10】実施例1において配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図11図9のステップS2における配送計画作成処理の具体例を示すフローチャートである。
図12図9のステップS10における移動販売計画作成処理の具体例を示すフローチャートである。
図13】実施例2において配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図14】実施例3において配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図15】実施例3において配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る移動制御システムについて説明する。以下の実施の形態は、無人で空中(大気中)を飛行可能な無人航空機を利用して物品の配送を行うことが可能な移動制御システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。物品の配送を行う無人航空機として、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)を例にとるものとする。UAVは、ドローン、またはマルチコプタとも呼ばれる。UAVは、無人飛行ロボットであってもよい。UAVに荷物(貨物)として積載される物品は、配送依頼人により例えばEC(Electronic commerce)サイトで注文され且つ配送依頼された商品(物品の一例、以下、適宜、「配送依頼品」という)である。なお、配送依頼品は、依頼人により例えば宅配サイトで配送依頼された荷物であってもよい。そして、本実施形態に係る移動制御システムは、無人機に積載される商品(物品の一例)の移動販売のためにも利用される。移動販売の対象となる商品を、以下、適宜、「移動販売品」という。移動販売を行うための無人機(移動体の一例)を、以下、適宜、「UV(Unmanned Vehicle)」という。UVには、例えば、UAV、またはUGV(Unmanned Ground Vehicle)を適用することができる。UVは、配送依頼品の配送を行うUAVであってもよいし、配送依頼品の配送を行うUAVとは異なるUAVであってもよい。UGVは、無人で地上を走行可能な車両(無人地上機)である。なお、移動体は、2輪以上の有人車両であってもよい。
【0012】
1.移動制御システムSの構成及び動作概要
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る移動制御システムSの構成及び動作概要について説明する。図1は、移動制御システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、移動制御システムSは、UAV1、UGV2、ユーザ端末3、及び情報処理サーバ4(情報処理装置の一例)を含んで構成され、これらは、通信ネットワークNWに接続可能になっている。なお、図1には、UAV1及びUGV2はそれぞれ1つずつ示されているが、移動制御システムSには、UAV1及びUGV2がそれぞれ複数含まれてもよい。通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、無線通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。UAV1、UGV2、ユーザ端末3、及び情報処理サーバ4は、通信ネットワークNWを介して互いに通信可能になっている。ユーザ端末3には、例えば、スマートフォン等の携帯端末を適用することができる。情報処理サーバ4は、配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売を管理及び制御するためのサーバである。
【0013】
なお、UAV1は、GCS(Ground Control Station)により管理され、地上からオペレータにより遠隔操作可能になっている。GCSは、例えば、アプリケーションとして通信ネットワークNWに接続可能な操縦端末に搭載される。この場合、オペレータは、例えば、操縦端末を操作する人、または操縦端末が備えるコントローラである。或いは、GCSは、サーバ等によりシステム化されてもよい。この場合、オペレータは、例えば、システム管理者、またはサーバが備えるコントローラである。
【0014】
図2は、配送依頼品の配送と移動販売品の移動販売とが1つのUAV1により行われる様子を示す概念図である。図2の例において、UAV1は、UAV拠点P1(出発拠点)から配送元である店舗P2に向けて出発(離陸)し、店舗P2に到着すると、配送依頼された配送依頼品を積み込む。例えば、UAV1が店舗P2の敷地に着陸している状態で店舗P2のスタッフにより配送依頼品がUAV1に積み込まれる。このとき、店舗P2のスタッフによりUAV1における空きスペースが確認され、移動販売品が積み込まれる。そして、UAV1は、店舗P2から配送先P3に向けて出発し、配送先P3に到着すると、配送依頼品を受取人(例えば、配送依頼人)へ提供する。配送依頼品の配送完了後、UAV1は、所定の販売エリア内の移動経路(例えば、UAV拠点P1に帰還するための復路)に沿って移動し、当該UAV1から所定範囲(特に限定されないが、例えば50m~1km)内に存在(位置)するユーザによりユーザ端末3を介して注文された移動販売品を当該ユーザへ提供(つまり、当該ユーザの位置まで移動して提供)する。
【0015】
なお、配送依頼品の配送がUAV1により行われ、移動販売品の移動販売がUGV2により行われてもよい。この場合、UAV1は、配送依頼品の配送完了後、例えばUGV拠点において移動販売品をUGV2に受け渡す。つまり、移動販売品がUAV1からUGV2へ引き継がれる。その後、UGV2は、所定の販売エリア内の移動経路(例えば、事前に決定された移動経路)に沿って移動し、当該UGV2から所定範囲内に存在するユーザによりユーザ端末3を介して注文された移動販売品を当該ユーザへ提供する。なお、UGV2は、例えば、移動販売品を取り扱う店舗まで移動し、移動販売品を積み込んでもよい。この場合、移動販売品が、配送依頼品を配送するUAV1に積み込まれる必要はない。
【0016】
1-1.UAV1の構成及び機能
次に、図1及び図3を参照して、UAV1の構成及び機能について説明する。図3は、UAV1の概要構成例を示す図である。図3に示すように、UAV1は、駆動部11、測位部12、通信部13、センサ部14、記憶部15、及び制御部16等を備え、これらの各部へ電力を供給するバッテリ(図示せず)を備える。また、UAV1は、図1に示すように、水平回転翼であるロータ(プロペラ)1a、及び積載される1または複数の物品(配送依頼品と移動販売品とのうち少なくとも何れか一方)を保持する保持部材1b等を備える。保持部材1bは物品を収納する収納箱を保持してもよい。保持部材1bは、物品またはその収納箱を引っ掛ける部材であってもよい。さらに、UAV1は、図示しないが、保持機構等を備える。保持機構は、モータ等により構成されるアクチュエータを含む。保持機構は、制御部16から出力される制御信号に応じてアクチュエータを駆動することで保持部材1bから物品を解放する(つまり、物品を切り離す)。なお、保持機構には、保持部材1bに接続されるワイヤ等の線状部材、及び線状部材の送り出しまたは巻き取りを行うリール(ウインチ)が備えられてもよい。
【0017】
駆動部11は、モータ及び回転軸等を備える。駆動部11は、制御部16から出力された制御信号に従って駆動するモータ及び回転軸等により複数のロータ1aを回転させる。測位部12は、電波受信機及び高度センサ等を備える。測位部12は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の衛星から発信された電波を電波受信機により受信し、当該電波に基づいてUAV1の水平方向の現在位置(緯度及び経度)を検出する。なお、UAV1の水平方向の現在位置は、センサ部14のカメラにより撮像された画像に基づいて補正されてもよい。測位部12により検出された現在位置を示す位置情報は、制御部16へ出力される。さらに、測位部12は、気圧センサ等の高度センサによりUAV1の垂直方向の現在位置(高度)を検出してもよい。この場合、位置情報には、UAV1の高度を示す高度情報が含まれる。通信部13は、無線通信機能を備え、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。
【0018】
センサ部14は、UAV1の飛行制御等に用いられる各種センサを備える。各種センサには、例えば、光学センサ、3軸角速度センサ、3軸加速度センサ、及び地磁気センサ等が含まれる。光学センサは、カメラ(例えば、RGBカメラ、赤外線カメラ)を含んで構成され、カメラの画角に収まる範囲内の実空間を連続的に撮像(センシングの一例)する。UAV1が配送依頼品の配送に用いられる場合、UAV1が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において、光学センサは、制御部16の制御にしたがって上空から下方を連続的に撮像する。ここで、少なくとも一部区間には、(i)往路及び復路の区間(つまり、出発してから帰還するまでのすべての区間)、(ii)往路のみの区間(つまり、UAV拠点から配送先、または店舗から配送先までの区間)、(iii)復路のみの区間(つまり、配送先からUAV拠点、または配送先から店舗までの区間)、(iv)上記(i)~(iii)における一部の区間のうち何れかである。上記(iv)の「一部の区間」には、例えば、上記(ii)の区間から「人の居住がない山や森等の区間」を除いた区間が該当する。また、往路と復路とは、同じ飛行経路でもよく、違う飛行経路でも良い。
【0019】
なお、光学センサには、地物の形状や地物までの距離を測定するLiDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)センサが含まれてもよい。さらに、センサ部14のセンシングにより得られたセンシング情報は、制御部16へ出力される。センシング情報には、光学センサにより連続的に撮像された映像を示す映像情報が含まれるとよい。センシング情報は、UAV1の機体IDとともに通信部13により情報処理サーバ4へ逐次送信される。UAV1の機体IDは、UAV1を識別するための識別情報である。
【0020】
記憶部15は、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。また、記憶部15は、UAV1の機体IDを記憶する。制御部16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ROM(または、記憶部15)に記憶されたプログラムに従って各種制御を実行する。各種制御には、飛行制御(離陸制御及び着陸制御を含む)、及び物品受け渡し制御が含まれる。飛行制御では、制御部16は、測位部12から取得された位置情報、及びセンサ部14から取得されたセンシング情報等を用いて、ロータ1aの回転数、UAV1の位置、姿勢及び進行方向を制御する。
【0021】
UAV1が配送依頼品の配送に用いられる場合、上記飛行制御において、情報処理サーバ4から取得される配送計画情報が用いられる。ここで、配送計画情報は、例えば、配送依頼品の物品情報、配送先の位置情報、配送予定日付を含む配送スケジュール、及びUAV1が配送先に到達するまでの区間におけるUAV1の飛行方法を含む。配送先の位置情報は、緯度及び経度で表されてもよいし、受取人の住所等で表されてもよい。配送予定日付は、例えば、配送依頼品が配送先へ配達される年月日、または年月日及び予定時刻(または予定時間帯)を示す。UAV1の飛行方法は、UAV1の飛行経路、UAV1の飛行速度、及びUAV1の飛行高度のうち少なくとも何れか1つを含む。
【0022】
また、UAV1の飛行方法は、上記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベント(例えば、展示会やお祭り等、管理者により予め設定されるイベント)と所定の設備(例えば、公園、キャンプ場、釣り堀、または球場等、管理者等により予め設定される設備)との少なくとも何れか一方がある場合、当該所定のイベントと当該所定の設備との少なくとも何れか一方の情報に基づいて調整される(詳細は後述)。区間に対応するエリアとは、UAV1の飛行経路に沿った地上エリアであり、所定の広さを有する。例えば、UAV1が出発してから配送先に到達するまでの飛行経路に沿った地上エリアで、UAV1が飛行中にセンシング可能な範囲にある地上エリアである。なお、所定のイベントと所定の設備は、人が多く集まることが期待(予測)される場所である。
【0023】
制御部16は、UAV1が出発してから上記飛行方法で飛行し、配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方が光学センサによりセンシングされることで得られたセンシング情報を取得する。かかるセンシング情報は、UAV1の機体IDとともに通信部13により情報処理サーバ4へ逐次送信され、人の分布状況の解析に利用される。センシング情報を得るためのセンシングを、以下、「解析用センシング」という。
【0024】
また、UAV1が移動販売品の移動販売に用いられる場合、上記飛行制御において、情報処理サーバ4から取得される移動販売計画情報が用いられる。移動販売計画情報は、例えば、移動販売品の物品情報、販売エリアの位置情報、移動販売予定日付を含む移動販売スケジュール、及びUAV1の移動経路(飛行経路)を含む。ここで、移動販売予定日付は、例えば、移動販売品が移動販売される年月日、または年月日及び予定時刻(または予定時間帯)を示す。販売エリアの位置情報は、例えば、当該販売エリアに含まれる全地点の緯度及び経度で表される。なお、移動販売予定日付は、配送予定日付と同一であってもよいし、配送予定日付が示す予定時刻後であってもよい。
【0025】
さらに、移動販売計画情報は、UAV1の移動速度(飛行速度)、または、UAV1の停留位置及び停留時間を含んでもよい。かかる移動速度は、移動経路上の複数の区間ごとに設定されてもよい。また、停留位置とは、UAV1が移動経路において留まる(例えば、ホバリング状態または着陸状態で留まる)位置であり、停留位置とは当該停留位置で留まる時間である。さらに、上記飛行制御において、情報処理サーバ4から取得される移動制御情報が用いられる。移動制御情報は、例えば、ユーザにより注文された移動販売品の物品ID、及び当該移動販売品を注文したユーザの現在位置(ユーザ端末3の現在位置)を示す位置情報を含む。
【0026】
制御部16は、配送計画情報に示される配送先に向けて当該配送計画情報に示される飛行方法でUAV1を自律的に飛行させることができる。また、制御部16は、UAV1を移動販売計画情報または移動制御情報に従ってUAV1を自律的に飛行させることができる。なお、UAV1の自律的な飛行は、UAV1に備えられる制御部16が飛行制御を行うことによる自律飛行に限定されるものではなく、UAV1の自律的な飛行には、UAV1及びUAV1と通信可能な所定のサーバを含むシステム全体として自律制御を行うことによる自律飛行も含まれる。ここで、システム全体として自律制御とは、UAV1が所定のサーバから必要に応じて受信する制御情報をも用いて飛行制御を行うことを意味する。配送計画情報、移動販売計画情報、及び移動制御情報の少なくとも何れか一つの情報は、GCSから取得されてもよい。この場合、GCSは、配送計画情報、移動販売計画情報、及び移動制御情報の少なくとも何れか一つの情報を情報処理サーバ4から取得する。UAV1の飛行中、UAV1の位置情報は、UAV1の機体IDとともに通信部13により情報処理サーバ4へ逐次送信される。
【0027】
また、物品受け渡し制御では、制御部16は、例えば着陸状態にあるUAV1が保持機構により保持部材1bから物品を解放させることで物品を受取人(つまり、配送依頼品の受取人、または移動販売品を注文したユーザ)へ提供する。或いは、制御部16は、ホバリング状態にあるUAV1が保持機構により保持部材1bから物品を解放(つまり、投下)させることで物品を受取人へ提供する。この場合のホバリングは、例えば垂直方向に数十cm~1m程度離れた位置で行われることが望ましい。或いは、制御部16は、ホバリング状態にあるUAV1が保持機構により線状部材を下方に送り出させることで物品を受取人へ提供する。なお、物品受け渡し制御により、配送依頼品の配送に用いられるUAV1から、移動販売品の移動販売に用いられるUAV1またはUGV2へ移動販売品が提供される場合もある。
【0028】
1-2.UGV2の構成及び機能
次に、図1及び図4を参照して、UGV2の構成及び機能について説明する。図4は、UGV2の概要構成例を示す図である。図4に示すように、UGV2は、駆動部21、測位部22、通信部23、センサ部24、記憶部25、及び制御部26等を備え、これらの各部へ電力を供給するバッテリ(図示せず)を備える。また、UGV2は、図1に示すように、車輪2a、積載される1または複数の物品(移動販売品)を収容するための収容部2b、側面扉2c、及び天井扉2d等を備える。側面扉2cは、収容部2bの側面開口部を塞ぐように設けられている。収容部2bの側面開口部を通じて、UGV2と受取人との間で物品が受け渡される。天井扉2dは、収容部2bの天井開口部を塞ぐように設けられている。収容部2bの天井開口部を通じて、UAV1とUGV2との間で物品が受け渡される。さらに、UGV2は、図示しないが、側面扉開閉機構、及び天井扉開閉機構等を備える。
【0029】
駆動部21は、モータ及び回転軸等を備える。制御部26から出力された制御信号に従って駆動するモータ及び回転軸等により複数の車輪2aを回転させる。測位部22は、電波受信機等を備える。測位部22は、例えば、GNSSの衛星から発信された電波を電波受信機により受信し、当該電波に基づいてUGV2の現在位置(緯度及び経度)を検出する。なお、UGV2の現在位置は、GNSSの衛星から発信された電波に加えて、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)処理により特定されてもよい。UGV2の現在位置は、センサ部24のカメラにより撮像された画像に基づいて補正されてもよい。測位部22により検出された現在位置を示す位置情報は、制御部26へ出力される。通信部23は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。
【0030】
センサ部24は、UGV2の走行制御等に用いられる各種センサを備える。各種センサには、例えば、光学センサ等が含まれる。光学センサは、カメラ(例えば、RGBカメラ、赤外線カメラ)を含んで構成され、カメラの画角に収まる範囲内の実空間を連続的に撮像する。センサ部24のセンシングにより得られたセンシング情報は、制御部26へ出力される。UGV2の機体IDは、UGV2を識別するための識別情報である。
【0031】
記憶部25は、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。また、記憶部25は、UGV2の機体IDを記憶する。制御部26は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、ROM(または、記憶部25)に記憶されたプログラムに従って各種制御を実行する。各種制御には、走行制御、及び物品受け渡し制御が含まれる。走行制御では、制御部26は、測位部22から取得された位置情報、センサ部24から取得されたセンシング情報、及び移動販売計画情報等を用いて、車輪2aの回転数、UGV2の位置及び進行方向を制御する。
【0032】
ここで、移動販売計画情報は、例えば、移動販売品の物品情報、販売エリアの位置情報、移動販売予定日付を含む移動販売スケジュール、及びUGV2の移動経路(走行経路)を含む。さらに、移動販売計画情報は、UGV2の移動速度(走行速度)、または、UGV2の停留位置及び停留時間を含んでもよい。かかる停留位置とは、UGV2が移動経路において留まる(例えば、一時停止する)位置であり、停留位置とは当該停留位置で留まる時間である。さらに、上記走行制御において、情報処理サーバ4から取得される移動制御情報が用いられる。移動制御情報は、上述したように、ユーザにより注文された移動販売品の物品ID、及び当該移動販売品を注文したユーザの現在位置を示す位置情報を含む。制御部26は、移動販売計画情報または移動制御情報に従ってUGV2を自律的に走行させることができる。
【0033】
また、物品受け渡し制御では、制御部26は、例えば停止状態にあるUGV2が側面扉開閉機構により側面扉2cを開放させることで物品を受取人(つまり、移動販売品を注文したユーザ)へ提供する。側面扉2cは、移動販売品の受取人から側面扉2cの鍵を解錠(つまり、側面扉2cのロックを解除)するための認証コードが入力されることにより開放されてもよい。この場合、入力された認証コードと予め登録された認証コードを用いて認証処理が行われる。移動販売品の受取人からの認証コードは、側面扉2cの前面に設けられた操作パネルから入力されてもよいし、当該受取人のユーザ端末3から近距離無線通信を介して入力されてもよい。そして、制御部26は、上記認証処理において認証が成功(例えば、両認証コードが一致)すると、側面扉2cの鍵を解錠させる。なお、物品受け渡し制御により、配送依頼品の配送に用いられるUAV1から、UGV2へ移動販売品が提供される場合もある。例えばUAV1がUGV2上に着陸、またはUAV1がUGV2の上空でホバリングしている状態で、天井扉開閉機構により天井扉2dを開放させることでUAV1からの物品を収容部2b内に搬入する。
【0034】
1-3.ユーザ端末3の構成及び機能
次に、図5を参照して、ユーザ端末3の構成及び機能について説明する。図5は、ユーザ端末3の概要構成例を示す図である。ユーザ端末3は、操作・表示部31、GPS(Global Positioning System)受信機32、通信部33、記憶部34、及び制御部35等を備える。ユーザ端末3には、例えば、スマートフォンやタブレット等が適用可能である。操作・表示部31は、例えば、ユーザの指やペン等による操作を受け付ける入力機能と、UI(User Interface)画面を表示する表示機能とを有する。GPS受信機32は、GPS衛星から発信された電波を受信し、ユーザ端末3の現在位置(緯度及び経度)を検出する。GPS受信機32により検出された位置を示す位置情報は、制御部35へ出力される。
【0035】
通信部33は、無線通信機能を備え、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。通信部33により、ユーザ端末3の現在位置を示す位置情報が情報処理サーバ4へ送信される。記憶部34は、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。各種プログラムには、オペレーティングシステム(OS)、移動販売品を注文するための注文用アプリケーション、及びウェブブラウザが含まれる。なお、注文用アプリケーションは、通信ネットワークNWに接続された所定のサーバからユーザ端末3にダウンロードされるとよい。
【0036】
制御部35は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、ROM(または、記憶部34)に記憶された注文用アプリケーションに従って処理を実行する。かかる処理において、制御部35は、移動販売サイトにアクセスすることによりUI画面を操作・表示部31に表示させる。ユーザ端末3のユーザは、UI画面を通じて、所望の移動販売品の検索、閲覧、及び注文に係る操作を行うことができる。ユーザによる注文に係る操作に応じて、移動販売品の注文要求が情報処理サーバ4へ送信される。なお、制御部35は、ウェブブラウザにより移動販売サイトのURL(Uniform Resource Locator)が指定されることで制御部35は当該移動販売サイトにアクセスしてもよい。これにより、情報処理サーバ4から提供されたウェブページに基づいてUI画面が表示されてもよい。
【0037】
1-4.情報処理サーバ4の構成及び機能
次に、図6を参照して、情報処理サーバ4の構成及び機能について説明する。図6は、情報処理サーバ4の概要構成例を示す図である。図6に示すように、情報処理サーバ4は、通信部41、記憶部42、及び制御部43(コンピュータの一例)等を備える。通信部41は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。UAV1から送信されたセンシング情報、位置情報、及び機体IDは、通信部41により受信される。情報処理サーバ4は、UAV1の位置情報によりUAV1の現在位置を認識することができる。また、UGV2から送信された位置情報、及び機体IDは、通信部41により受信される。情報処理サーバ4は、UGV2の位置情報によりUGV2の現在位置を認識することができる。また、ユーザ端末3から送信された位置情報は、通信部41により受信される。情報処理サーバ4は、ユーザ端末3の位置情報によりユーザの現在位置を認識することができる。
【0038】
記憶部42は、例えば、ハードディスクドライブ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。記憶部42には、所定のサーバ(例えばECサイトを提供するサーバ)から通信部41により受信された配送依頼情報が記憶される。かかる配送依頼情報には、配送依頼人により配送依頼された配送依頼品の物品情報、当該配送依頼人により指定された配送先の位置情報、及び配送予定日付等が含まれる。なお、配送依頼品が例えばECサイトで注文された商品である場合、配送依頼情報には、当該配送依頼品を取り扱う店舗の店舗情報が含まれる。店舗の店舗情報には、当該店舗の店舗ID、及び当該店舗の設置位置情報等が含まれる。店舗IDは、店舗を識別するための識別情報である。また、記憶部42には、UAV管理データベース421、UGV管理データベース422、配送管理データベース423、商品管理データベース424、移動販売管理データベース425、及びユーザ管理データベース426等が構築される。
【0039】
UAV管理データベース421は、UAV1に関する情報を管理するためのデータベースである。UAV管理データベース421には、UAV1の機体ID、UAV1のバッテリ容量(上限値)、UAV1の物品積載容量(上限値)、及びUAV1の現在位置等がUAV1(機体ID)ごとに対応付けられて格納(登録)される。UAV1の現在位置は、UAV1からの位置情報に基づき適宜更新される。UGV管理データベース422は、UGV2に関する情報を管理するためのデータベースである。UGV管理データベース422には、UGV2の機体ID、UGV2のバッテリ容量、UGV2の物品積載容量、及びUGV2の現在位置等がUGV2(機体ID)ごとに対応付けられて格納される。UGV2の現在位置は、UGV2からの位置情報に基づき適宜更新される。
【0040】
配送管理データベース423は、配送依頼品の配送に関する情報を管理するためのデータベースである。配送管理データベース423には、配送に用いられるUAV1の機体情報、及び配送計画情報等がUAV1ごとに対応付けられて格納される。ここで、機体情報には、UAV1の機体ID等が含まれる。配送計画情報には、上述したように、配送依頼品の物品情報、配送先の位置情報、配送予定日付を含む配送スケジュール、及びUAV1の飛行方法等が含まれる。なお、配送依頼品が例えばECサイトで注文された商品である場合、配送計画情報には、当該配送依頼品を取り扱う店舗の店舗情報が含まれる。
【0041】
配送依頼品の物品情報には、当該配送依頼品の物品ID、当該配送依頼品の名称、当該配送依頼品の数量、及び当該配送依頼品の属性等が含まれる。配送依頼品の物品IDは、配送依頼品を識別するための識別情報である。配送依頼品の属性は、例えば、当該配送依頼品の種類(カテゴリ)と当該配送依頼品のスペック(諸元)とのうち少なくとも何れか一方を示す。かかるスペックには、サイズ(幅×奥行×高さ)が含まれるとよい。配送依頼品の種類としては、食品、アルコール飲料(酒)、ベビー用品、日用品、化粧品、書籍等が挙げられる。なお、1台のUAV1によって、異なる複数の配送先のそれぞれへ配送依頼品が配送される場合、それぞれの配送依頼品の物品情報、及びそれぞれの配送先の位置情報が配送計画情報に含まれる。
【0042】
商品管理データベース424は、商品(移動販売品を含む)に関する情報を管理するためのデータベースである。商品管理データベース424には、商品の物品情報、及び当該商品を取り扱う店舗の店舗情報等が商品ごとに対応付けられて格納される。ここで、商品の物品情報には、当該商品の物品ID、当該商品の名称、当該商品の販売価格、当該商品の在庫、及び当該商品の属性等が含まれる。当該商品を取り扱う店舗が複数ある場合、それぞれの店舗ごとに店舗情報が格納される。商品の属性は、例えば、当該商品の種類と当該商品のスペックとのうち少なくとも何れか一方を示す。
【0043】
移動販売管理データベース425は、移動販売品の移動販売に関する情報を管理するためのデータベースである。移動販売管理データベース425には、移動販売に用いられるUV(UAV1またはUGV2)の機体情報、及び移動販売計画情報等がUVごとに対応付けられて格納される。ここで、移動販売計画情報には、上述したように、移動販売品の物品情報、販売エリアの位置情報、移動販売予定日付を含む移動販売スケジュール、及びUVの移動経路等が含まれる。移動販売品の物品情報には、当該移動販売品の物品ID、当該移動販売品の名称、当該移動販売品の販売価格、当該移動販売品の数量、及び当該移動販売品の属性等が含まれる。移動販売計画情報には、上述したように、UVの移動速度、または、UVの停留位置及び停留時間が含まれてもよい。また、移動販売計画情報には、移動販売品を取り扱う店舗の店舗情報が含まれてもよい。なお、1台のUVに異なる複数の移動販売品が積載される場合、それぞれの移動販売品の物品情報が移動販売計画情報に含まれる。
【0044】
ユーザ管理データベース426は、ユーザ端末3のユーザに関する情報を管理するためのデータベースである。ユーザ管理データベース426には、ユーザ端末3のユーザのユーザID、パスワード、氏名、人属性、住所(または居所)、電話番号、メールアドレス、商品購入(注文)履歴、お気に入り商品登録履歴、及び決済用情報等がユーザ(ユーザID)ごと対応付けられて格納される。ユーザIDは、ユーザを識別するための識別情報であり、パスワードとともにユーザのログイン(認証)のために用いられる。人属性には、例えば、年齢層、性別、家族構成等が含まれる。商品購入履歴には、例えばECサイトまたは移動販売においてユーザにより購入された商品の物品ID及び購入日付が含まれる。お気に入り商品登録履歴には、例えばECサイトにおいてユーザによりお気に入り登録された商品の物品ID及び登録日付が含まれる。決済用情報は、ユーザが注文した移動販売品の決済処理に用いられる情報である。決済用情報には、ユーザにより指定された決済方法に応じた情報が含まれる。利用可能な決済方法の例として、クレジット決済、UID決済(例えば、スマートフォン決済)、電子マネー決済、即時引落決済、及びポイント決済等が挙げられる。
【0045】
制御部43は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。図7は、制御部43における機能ブロック例を示す図である。制御部43は、例えばROMまたは記憶部42に記憶されたプログラム(プログラムコード群)に従って、図7に示すように、配送計画情報作成部431(調整部の一例)、センシング情報取得部432(取得部の一例)、分布状況解析部433(解析部の一例)、移動販売計画情報作成部434(作成部の一例)、移動販売管理部435、及び機体移動制御部436等として機能する。
【0046】
配送計画情報作成部431は、配送依頼品の配送依頼情報に基づいて、例えば、配送依頼品の物品情報、配送先の位置情報、配送スケジュール、及び選定されたUAV1の通常の飛行方法を含む配送計画情報を作成する処理(これを、適宜、「配送計画作成処理」という)を行う。なお、配送依頼品が例えばECサイトで注文された商品である場合、配送計画情報には、当該配送依頼品を取り扱う店舗の店舗情報が含まれる。UAV1の通常の飛行方法は、例えば、当該UAV1が待機するUAV拠点から店舗を経由して配送先までのUAV1の飛行方法である。
【0047】
UAV1の通常の飛行方法は、配送計画作成処理において、当該UAV1が待機するUAV拠点の位置情報、当該配送依頼品を取り扱う店舗の設置位置情報、及び配送先の位置情報に基づいて設定される。UAV1の通常の飛行方法には、当該UAV1の通常の飛行経路、通常の飛行速度、及び通常の飛行高度が含まれるとよい。ここで、UAV1の通常の飛行経路は、例えば、UAV拠点から店舗を経由して配送先まで最も早く到達する(または、当該配送先までの最も距離が短い)最適経路である。また、通常の飛行速度及び通常の飛行高度は、例えば、UAV拠点から店舗を経由して配送先までを含む配送エリアに予め対応付けられて登録された飛行速度及び飛行高度であるとよい。
【0048】
また、配送計画情報作成部431は、配送計画作成処理において、上記少なくとも一部区間(例えば、UAV拠点から配送先、UAV拠点から店舗、または店舗から配送先)に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方があるか否かを判定してもよい。例えば、配送計画情報作成部431は、開催予定のイベントの情報(例えば、イベント名、開催場所、開催期間)を登録したイベント情報を参照することにより、所定のイベントがあるか(つまり、開催予定ありか)否かを判定する。なお、イベント情報は、通信ネットワークNWに接続された他のサーバから適宜取得されるとよい。イベント情報には、イベントに来訪することが予想される人属性(年齢層、性別)や人数が含まれてもよい。また、配送計画情報作成部431は、上記少なくとも一部区間に対応するエリアに対応する地図データを参照することにより、所定の設備があるか否かを判定する。そして、所定の設備がある場合、当該設備を利用する人の人属性や人数を示す設備情報が通信ネットワークNWに接続された他のサーバから取得されてもよい。
【0049】
上記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベント及び所定の設備がない場合、UAV1は、上記設定された通常の飛行方法で配送先まで飛行することになる。一方、上記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方がある場合、配送計画情報作成部431は、所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方の情報に基づいて、配送依頼品の配送より解析用センシングを優先するように上記通常の飛行方法(飛行経路、飛行速度、及び飛行高度のうち少なくとも何れか1つ)を調整する。これにより、所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方の情報を利用して、より高精度の集客情報を得ることが可能となる。
【0050】
ここで、「配送依頼品の配送より解析用センシングを優先する」とは、例えば、配送スケジュールが許す範囲で、遠回りしてでも解析用センシングを優先すること、または時間がかかっても解析用センシングを優先することを意味する。また、UAV1のバッテリ容量(100%)からの減少量(飛行距離に応じた減少量)が所定割合以上にならないように、通常の飛行経路よりも距離が長い(つまり、遠回りする)飛行経路に調整されるとよい。また、UAV1のバッテリ容量からの減少量(飛行速度に応じた減少量)が所定割合以上にならないように、通常の飛行速度よりも遅い飛行速度に調整されてもよい。また、通常の飛行高度よりも高い飛行高度または低い飛行高度に調整されてもよい。そして、配送計画情報作成部431は、上記調整された飛行方法を含む配送計画情報を作成する。
【0051】
図8は、飛行方法の調整ロジックの一例を示す図である。図8の例では、所定のイベント及び所定の設備がない場合、通常の飛行方法が設定される。一方、所定のイベントがなく、所定の設備がある場合、通常の飛行経路が当該設備の上空を通過するように調整され、且つ当該設備の上空において通常の飛行高度から上昇するように調整される。これにより、上記少なくとも一部区間に対応するエリアにおいて広範囲に解析用センシングを行うことが可能となり、例えば疎らに人が存在する設備における人の分布状況の解析が可能となる。一方、所定のイベントがあり、所定の設備がない場合、通常の飛行経路が当該イベントの開催場所の上空を通過するように調整され、且つ当該イベントの開催場所の上空において通常の飛行高度から下降するように調整される。これにより、上記少なくとも一部区間に対応するエリアにおいてより詳細に当該イベントの解析用センシングを行うことが可能となり、当該イベントにおける人の分布状況の解析が可能となる。なお、上述したように作成された配送計画情報は、上記選定されたUAV1へ送信される。
【0052】
センシング情報取得部432は、物品の配送を行うUAV1がUAV拠点から出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方を解析用センシング(例えば、連続的に解析用センシング)することで得られたセンシング情報を、通信部41を介して取得する。ここで、少なくとも一部区間とは、上述した通りであるが、例えば、UAV1が配送先に到達するまでの区間(例えば、UAV拠点から配送先、または店舗から配送先)であるとよい。これにより、上記少なくとも一部区間に対応するエリア(または当該エリア内の一部エリア)において移動販売品の移動販売を行うための移動販売計画情報を効率良く作成することが可能となる。なお、配送計画情報作成部431により上記飛行方法が調整された場合、センシング情報取得部432は、当該調整された飛行方法で飛行するUAV1が配送先に到達するまでの区間において上空から下方を解析用センシングすることで得られたセンシング情報を、通信部41を介して取得することになる。
【0053】
分布状況解析部433は、センシング情報取得部432により取得されたセンシング情報から人の分布状況(静的な分布状況と動的な分布状況との少なくとも何れか一方)を解析する。このような解析では、例えば、映像情報が示す映像から人が検知され(当該人が追跡されてもよい)、当該検知された人の座標位置が地図上にマッピングされる。かかる解析により有用な集客情報として解析情報を得ることができる。かかる解析情報には、上記少なくとも一部区間に対応するエリアにおける人の人数、密度、及び流れのうち少なくとも何れか一つが示される。つまり、人の分布状況の解析により人の人数、密度、及び流れのうち少なくとも何れか一つが特定されることになる。かかる解析において検知された人の人属性(例えば、年齢層、性別)が特定されてもよい。例えば、人属性を特定するためのアルゴリズム(例えば、機械学習を利用したアルゴリズム)により、上記検知された人の顔画像や服装などから人属性が特定されるとよい。この場合、解析情報には、上記少なくとも一部区間に対応するエリアにおける人の人属性が示される。
【0054】
なお、分布状況解析部433の解析により得られた解析情報は、当該解析されたエリアの情報(例えば、エリアの位置情報や名称)、及び当該解析された日時に対応付けられて記憶部42に記憶されるとよい。こうして記憶された過去の解析情報は、配送計画作成処理において利用することができる。例えば、配送計画情報作成部431は、当該配送計画作成処理において、UAV1が配送先に到達するまでの区間に対応するエリアにおいて(つまり、当該エリアの情報が対応付けられた)過去の解析情報を記憶部42から検索する。そして、配送計画情報作成部431は、上記検索により過去の解析情報を発見できた場合、当該解析情報(つまり、過去の解析により得られた過去の解析情報)に基づいて、当該エリア及び配送予定日付において人が集まる傾向にある場所(位置情報)を特定し、当該場所の解析用センシングを優先するように上記通常の飛行方法を調整してもよい。これにより、UAV1による配送時の過去の飛行実績を有効活用して有用な集客情報を得ることが可能となる。
【0055】
移動販売計画情報作成部434は、分布状況解析部433の解析により得られた解析情報に基づいて、上記少なくとも一部区間に対応するエリアにおいてUVにより移動販売品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理(これを、適宜、「移動販売計画作成処理」という)を行う。ここで、一部区間に対応するエリアは、当該一部区間に対応するエリアの全体になる場合もあるし、或いは当該エリア内の一部(つまり、当該エリアよりも狭い範囲)になる場合もある。例えば、解析情報から当該エリアの全体に人が存在することが特定された場合、当該エリアの全体において移動販売品の移動販売を行うための移動販売計画情報が作成される。一方、解析情報から当該エリアの一部に人が集まることが特定された場合、当該エリア内の一部(つまり、一部エリア)において移動販売品の移動販売を行うための移動販売計画情報が作成される。また、一部区間に対応するエリアは、例えば、UAV1が配送先から帰還する復路に対応するエリアであるとよい。これにより、UAV1が配送依頼品の配送を完了した後、配送先から帰還する復路を利用して効率良く移動販売をUAV1に実施させることができる。なお、移動販売計画情報作成部434は、UAV1の復路のみの区間におけるセンシング情報に基づく解析により得られた解析情報に基づいて、UAV1の復路のみの区間に対応するエリアにおいてUVにより移動販売品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成してもよい。
【0056】
移動販売計画情報作成部434は、例えば、分布状況解析部433の解析により得られた解析情報に示される人(つまり、検知された人)の人属性に応じた商品(例えば、女性用の商品、または若年層に人気のある商品)を移動販売品として設定し、当該設定された移動販売品の物品情報を含む移動販売計画情報を作成するとよい。これにより、移動販売で購入されやすい適切な移動販売品の物品情報を含む移動販売計画情報を作成することができる。なお、分布状況解析部433の解析により複数の人が検知された場合において、当該検知された人それぞれの人属性が異なる場合、最も多い人属性に応じた商品が移動販売品として設定されるとよい。また、移動販売計画情報作成部434は、分布状況解析部433の解析により得られた解析情報に示される人の人数に応じた数量(例えば、当該人数と同程度の数量)を移動販売品の数量として設定し、当該設定された数量を含む(移動販売品の物品情報に含む)移動販売計画情報を作成してもよい。これにより、移動販売品の適切な数量を含む移動販売計画情報を作成することができる。
【0057】
また、分布状況解析部433の解析において検知された人が特定された場合(例えば、登録されたユーザであることを顔画像から識別できた場合)、当該特定されたユーザの商品購入履歴に示される商品、またはお気に入り商品登録履歴に示される商品を移動販売品として設定し、当該設定された移動販売品の物品情報を含む移動販売計画情報を作成してもよい。また、分布状況解析部433の解析において検知された複数の人それぞれが上記ユーザとして特定された場合、当該特定されたユーザそれぞれの商品購入履歴に示される商品、またはお気に入り商品登録履歴に示される商品のうち、最も出現頻度が高い商品を移動販売品として設定し、当該設定された移動販売品の物品情報を含む移動販売計画情報を作成してもよい。
【0058】
また、移動販売計画情報作成部434は、移動販売計画作成処理において、上記少なくとも一部区間に対応するエリア及び移動販売予定日付において所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方があるか否かを判定してもよい。そして、所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方がある場合、移動販売計画情報作成部434は、所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方の情報に基づいて移動販売品を設定し、当該設定された移動販売品の物品情報を含む移動販売計画情報を作成する。これにより、上記解析情報を補足することができるとともに、より適切な移動販売品の物品情報を含む移動販売計画情報を作成することができる。例えば、移動販売計画情報作成部434は、所定のイベントのイベント情報または所定の設備の設備情報から特定される人属性に応じた商品を移動販売品として設定する。これにより、上記解析情報から人属性を特定できない場合であっても、移動販売で購入されやすい適切な移動販売品を設定することができる。また、移動販売計画情報作成部434は、所定のイベントのイベント情報または所定の設備の設備情報から特定される人数に応じた数量を移動販売品の数量として設定する。これにより、上記解析情報から人数を特定できない場合であっても、移動販売品の適切な数量を設定することができる。
【0059】
また、配送依頼品及び移動販売品が同一のUAV1に搭載される場合、移動販売計画情報作成部434は、配送依頼品の属性に応じた商品を移動販売品として設定し、当該設定された移動販売品の物品情報を含む移動販売計画情報を作成してもよい。これにより、配送先へ配送される配送依頼品の受取人により購入されやすい移動販売品の物品情報を含む移動販売計画情報を作成することができる。ここで、配送依頼品の属性に応じた商品の例として、配送依頼品と同一または類似する種類の商品や、配送依頼品との相性が良い(相性の良い)商品等が挙げられる。配送依頼品との相性が良い商品であるか否かは、商品の種類やサイズに基づいて判定されるとよい。例えば、商品の種類に基づく場合、配送依頼品がアルコール飲料(種類)であるとすると、所謂つまみ等の種類の食べ物が相性の良い商品として設定される。かかる判定にあたり、相性の良い商品の種類の組み合わせを規定する相性リストが参照されるとよい。一方、商品のサイズに基づく場合、配送依頼品がUAV1に搭載されたことを想定した場合の空きスペース(3次元空間)が算出され、当該空きスペースに収まるサイズの商品が相性の良い商品として設定される。ここで、空きスペースは、例えば、UAV1の物品積載容量と配送依頼品の総サイズとに基づき算出される。なお、移動販売品は、時間帯(朝の時間帯、昼の時間帯、夕方の時間帯、夜の時間帯)や天候(晴、雨、雪、曇)等に応じて異なるように設定されてもよい。
【0060】
また、移動販売計画情報作成部434は、分布状況解析部433の解析により得られた解析情報(例えば、当該解析情報に示される人の人数、密度、または流れ)に基づいて、UAV1の移動経路を設定し、当該設定された移動経路を含む移動販売計画情報を作成するとよい。これにより、UVが移動販売を行うための適切な移動経路を含む移動販売計画情報を作成することができる。例えば、解析情報に示される人の人数が閾値以上の場所、または人数が最も多い場所を経由(通過)する移動経路が設定される。或いは、当該人の密度が閾値以上の場所、または人の密度が最も高い場所を経由する移動経路が設定されてもよい。また、当該人の流れに沿ってUVが移動するように移動経路が設定されてもよい。なお、UVの移動経路は、UVのバッテリ容量からの減少量(移動距離に応じた減少量)が所定割合以上にならないように設定されるとよい。
【0061】
また、移動販売計画情報作成部434は、分布状況解析部433の解析により得られた解析情報に示される人の人数、密度、または流れに基づいて、UVの移動速度、または、UVの停留位置及び停留時間を設定し、当該設定された移動速度、または停留位置及び停留時間を含む移動販売計画情報を作成してもよい。これにより、UVが移動販売を行うための適切な移動速度、または、適切な停留位置及び停留時間を含む移動販売計画情報を作成することができる。例えば、上記解析情報に示される人の人数が閾値以上の場所、または人数が最も多い場所を含む近傍(当該場所の近傍)範囲内において当該近傍範囲外よりも移動速度が遅くなるように設定される。或いは、当該人の密度が閾値以上の場所、または人の密度が最も高い場所を含む近傍範囲内において当該近傍範囲外よりも移動速度が遅くなるように設定される。また、上記解析情報に示される人の人数が閾値以上の場所、または人数が最も多い場所を含む近傍範囲内に停留位置を設定するとともに、当該人数が多いほど停留時間が長くなるように設定してもよい。また、上記解析情報に示される人の密度が閾値以上の場所、または人の密度が最も高い場所を含む近傍範囲内に停留位置を設定するとともに、当該密度が高いほど停留時間が長くなるように設定してもよい。
【0062】
また、移動販売計画情報作成部434は、分布状況解析部433の解析により得られた解析情報に示される人の人属性と、上述したように設定された移動販売品の属性とに基づいて、UVの移動経路を設定し、当該設定された移動経路を含む移動販売計画情報を作成してもよい。これにより、より適切な移動経路を含む移動販売計画情報を作成することができる。例えば、移動販売品の属性が化粧品である場合、上記解析情報から特定された複数の人属性のうち女性が最も多く集まる場所を経由する移動経路が設定される。また、移動販売品の属性がアルコール飲料である場合、上記解析情報から特定された複数の人属性のうち成人男性が最も多く集まる場所を経由する移動経路が設定される。
【0063】
移動販売管理部435は、移動販売計画情報にしたがって移動販売のために移動するUVの現在位置、及び当該UVに積載されている移動販売品を管理(在庫管理を含む)する。また、移動販売管理部435は、例えばUVから所定範囲内に現在位置があり、且つ移動販売サイトへアクセスしているユーザ端末3へ当該UVに積載されている移動販売品のうち注文可能な移動販売品の物品情報を、通信部41を介して送信する。これにより、ユーザ端末3のUI画面には注文可能な移動販売品の物品情報が表示される。なお、ユーザ端末3の現在位置を示す位置情報は、例えばユーザ端末3が移動販売サイトにアクセスした際にユーザ端末3から送信され、通信部41を介して移動販売管理部435により受信される。
【0064】
また、移動販売管理部435は、ユーザによる注文に係る操作に応じてユーザ端末3から送信された注文要求を、通信部41を介して受け付け、当該注文要求に応じて決済処理を実行する。ここで、注文要求には、例えば、ユーザ端末3のユーザのユーザID、当該ユーザにより注文された移動販売品の物品ID、注文数量、及び当該ユーザにより指定された決済方法等が含まれる。決済処理は、ユーザにより指定された決済方法に対応する決済用情報、当該ユーザにより注文された移動販売品の販売価格及び数量に基づいて実行される。なお、移動販売品を注文したユーザは、配送先で配送依頼品を受け取った受取人であってもよい。この場合、例えば、配送依頼品との相性が良い移動販売品を効率良く購入することができる。
【0065】
機体移動制御部436は、配送計画情報作成部431により作成された配送計画情報を、配送のために選定されたUAV1へ通信部41を介して送信する。これにより、UAV1は、配送計画情報にしたがって配送依頼品の配送を行うことができる。また、機体移動制御部436は、移動販売計画情報作成部434により作成された移動販売計画情報を、移動販売のために選定されたUVへ通信部41を介して送信する。これにより、UVは、移動販売計画情報にしたがって移動販売のための移動を行うことができる。さらに、機体移動制御部436は、移動販売品を注文したユーザの現在位置へ移動させる移動制御情報を、当該移動販売品を積載するUVへ通信部41を介して送信する。ここで、移動制御情報には、例えば、注文された移動販売品の物品ID、及び当該移動販売品を注文したユーザの現在位置を示す位置情報が含まれる。これにより、移動販売品を積載するUVは、ユーザの現在位置まで移動し、当該ユーザ端末3のユーザへ移動販売品を提供することができる。
【0066】
2.移動制御システムSの動作
次に、移動制御システムSの動作例について、実施例1~実施例3に分けて説明する。実施例1は、配送依頼品の配送と移動販売品の移動販売とが1つのUAV1により行われる場合において移動販売品が移動販売計画情報作成部434により設定される場合の動作例である。実施例2は、配送依頼品の配送と移動販売品の移動販売とが1つのUAV1により行われる場合において移動販売品が任意に設定される場合の動作例である。実施例3は、配送依頼品の配送がUAV1により行われ、移動販売品の移動販売がUGV2により行われる場合において移動販売品が任意に設定される場合の動作例である。
【0067】
(実施例1)
先ず、図9図12を参照して、実施例1における移動制御システムSの動作について説明する。図9及び図10は、実施例1において配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。図11は、図9のステップS2における配送計画作成処理の具体例を示すフローチャートである。図12は、図9のステップS10における移動販売計画作成処理の具体例を示すフローチャートである。
【0068】
図9において、情報処理サーバ4は、所定のサーバから通信部41を介して受信された配送依頼情報を取得する(ステップS1)。次いで、情報処理サーバ4(配送計画情報作成部431)は、ステップS1で取得された配送依頼情報に基づいて、上述したように、配送計画作成処理を行う(ステップS2)。なお、配送計画作成処理の具体例については後述する。次いで、情報処理サーバ4(機体移動制御部436)は、ステップS2で作成された配送計画情報を、配送のために選定されたUAV1へ送信する(ステップS3)。
【0069】
UAV1は、情報処理サーバ4からの配送計画情報を受信すると(ステップS4)、当該配送計画情報にしたがって配送依頼品の配送を開始(つまり、UAV拠点を出発)する(ステップS5)。次いで、UAV1は、配送計画情報に含まれる飛行方法にしたがって飛行しつつ、上空から下方をセンシングし(ステップS6)、これにより得られたセンシング情報をUAV1の機体IDとともに情報処理サーバ4へ送信する(ステップS7)。UAV1によるセンシングは、例えば、UAV拠点(出発拠点)から店舗までの全部区間または一部区間において連続的に行われるとよい。なお、UAV1の現在位置を示す位置情報及び機体IDは、定期的または不定期で情報処理サーバ4へ送信される。
【0070】
情報処理サーバ4は、UAV1からのセンシング情報をセンシング情報取得部432により取得(受信)すると(ステップS8)、当該センシング情報から人の分布状況を分布状況解析部433により解析する(ステップS9)。なお、UAV1からのセンシング情報は時系列で断続的に受信されてもよい。この場合、時系列で受信される複数のセンシング情報のうち、最後のセンシング情報が受信された場合に、複数のセンシング情報が1つに結合されたセンシング情報から人の分布状況が解析されるとよい。
【0071】
次いで、情報処理サーバ4(移動販売計画情報作成部434)は、ステップS9の解析により得られた解析情報に基づいて、移動販売計画作成処理を行う(ステップS10)。なお、移動販売計画作成処理の具体例については後述する。次いで、情報処理サーバ4(機体移動制御部436)は、ステップS10で作成された移動販売計画情報をUAV1へ返信する(ステップS11)。
【0072】
UAV1は、情報処理サーバ4からの移動販売計画情報を受信する(ステップS12)。なお、移動販売計画情報は、UAV1が店舗に到着された後に受信されてもよい。UAV1は、配送計画情報に示される店舗に到着すると(ステップS13)、配送計画情報に示される配送依頼品を積み込むとともに、移動販売計画情報に示される移動販売品を積み込む(ステップS14)。例えば、店舗のスタッフにより配送依頼品及び移動販売品が積み込まれるとよい。次いで、UAV1は、店舗を出発し(ステップS15)、配送先に到着すると(ステップS16)、物品受け渡し制御を行うことで、配送依頼品を受取人に提供する(ステップS17)。
【0073】
次に、図10において、UAV1は、配送先を出発し(ステップS18)、移動販売計画情報に従って移動販売を開始する(ステップS19)。次いで、UAV1は、移動販売計画情報に含まれる移動経路(例えば、配送先から帰還拠点への復路)に沿って移動(飛行)する(ステップS20)。
【0074】
情報処理サーバ4(移動販売管理部435)は、例えば、移動販売を開始したUAV1から所定範囲内に現在位置があり、且つ移動販売サイトへアクセスしているユーザ端末3へ当該UAV1に積載されている移動販売品のうち注文可能な移動販売品の物品情報を送信する(ステップS21)。
【0075】
ユーザ端末3は、情報処理サーバ4から移動販売品の物品情報を受信すると(ステップS22)、注文可能な移動販売品の物品情報をUI画面に表示する(ステップS23)。次いで、ユーザ端末3は、ログイン中のユーザによる注文に係る操作に応じて注文要求を情報処理サーバ4へ送信する(ステップS24)。
【0076】
情報処理サーバ4(移動販売管理部435)は、ユーザ端末3からの注文要求を受信すると(ステップS25)、当該注文要求に応じて決済処理を実行する(ステップS26)。次いで、情報処理サーバ4(機体移動制御部436)は、移動販売品を注文したユーザの現在位置へ移動させる移動制御情報をUAV1へ送信する(ステップS27)。
【0077】
UAV1は、情報処理サーバ4からの移動制御情報を受信すると(ステップS28)、ユーザの現在位置まで移動する(ステップS29)。次いで、UAV1は、物品受け渡し制御を行うことで、注文された移動販売品をユーザに提供する(ステップS30)。このとき、UAV1は、移動販売計画情報において、注文可能な移動販売品の物品情報(例えば、数量)を更新する。次いで、UAV1は、移動販売を継続しつつ、UAV拠点(帰還拠点)に帰還する(ステップS31)。なお、UAV1は、出発拠点とは異なる場所にあるUAV拠点に帰還してもよい。また、UAV1は、配送スケジュールが許す範囲で、配送先に到着するまでの間に、移動販売計画情報に含まれる移動経路(つまり、例えば、出発拠点から配送先への往路)に沿って移動しながら、移動販売品の移動販売を行ってもよい。
【0078】
(配送計画作成処理)
次に、図11を参照して、ステップS2における配送計画作成処理の具体例について説明する。配送計画作成処理では、図11に示すように、配送計画情報作成部431は、配送依頼情報から、配送依頼品の物品情報、配送依頼品を取り扱う店舗の店舗情報、配送先の位置情報、及び配送予定日付を取得する(ステップS201)。次いで、配送計画情報作成部431は、配送のために選定されたUAV1が待機するUAV拠点の位置情報、配送依頼品を取り扱う店舗の設置位置情報、及び配送先の位置情報に基づいて、上述したように、UAV1の通常の飛行方法を設定する(ステップS202)。
【0079】
次いで、配送計画情報作成部431は、UAV1がUAV拠点から店舗に到達するまでの区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントがあるか否かを判定する(ステップS203)。所定のイベントがあると判定された場合(ステップS203:YES)、処理はステップS204へ進む。一方、所定のイベントがないと判定された場合(ステップS203:NO)、処理はステップS207へ進む。
【0080】
ステップS204では、配送計画情報作成部431は、UAV1がUAV拠点から店舗に到達するまでの区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定の設備があるか否かを判定する。所定の設備があると判定された場合(ステップS204:YES)、処理はステップS205へ進む。一方、所定の設備がないと判定された場合(ステップS204:NO)、処理はステップS206へ進む。
【0081】
ステップS205では、配送計画情報作成部431は、ステップS202で設定された通常の飛行方法を所定のイベント及び所定の設備に応じて調整(解析用センシングを優先するように調整)し、処理をステップS209へ進める。例えば、通常の飛行経路が所定のイベントの開催場所及び所定の設備のそれぞれの上空を通過するように調整されるとともに、当該イベントの開催場所の上空において通常の飛行高度から下降するように調整され、且つ当該設備の上空において通常の飛行高度から上昇するように調整される。なお、イベントの開催場所及び所定の設備のそれぞれの上空において通常の飛行速度が低下するように調整されてもよい。
【0082】
ステップS206では、配送計画情報作成部431は、ステップS202で設定された通常の飛行方法を所定のイベントに応じて調整(解析用センシングを優先するように調整)し、処理をステップS209へ進める。例えば、通常の飛行経路が所定のイベントの開催場所の上空を通過するように調整されるとともに、当該イベントの開催場所の上空において通常の飛行高度から下降するように調整される。なお、イベントの開催場所の上空において通常の飛行速度が低下するように調整されてもよい。
【0083】
ステップS207では、配送計画情報作成部431は、UAV1がUAV拠点から店舗に到達するまでの区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定の設備があるか否かを判定する。所定の設備があると判定された場合(ステップS207:YES)、処理はステップS208へ進む。一方、所定の設備がないと判定された場合(ステップS207:NO)、通常の飛行方法は調整されずに、処理はステップS209へ進む。
【0084】
ステップS208では、配送計画情報作成部431は、ステップS202で設定された通常の飛行方法を所定の設備に応じて調整(解析用センシングを優先するように調整)し、処理をステップS209へ進める。例えば、通常の飛行経路が所定の設備の上空を通過するように調整されるとともに、当該設備の上空において通常の飛行高度から上昇するように調整される。なお、所定の設備の上空において通常の飛行速度が低下するように調整されてもよい。
【0085】
ステップS209では、配送計画情報作成部431は、上記取得された配送依頼品の物品情報、配送依頼品を取り扱う店舗の店舗情報、配送先の位置情報、及び配送予定日付と、上記設定または上記調整された飛行方法とを含む配送計画情報を作成する。なお、ステップS207において所定の設備がないと判定された場合、配送計画情報作成部431は、UAV1がUAV拠点から店舗に到達するまでの区間に対応するエリアの情報が対応付けられた過去の解析情報を記憶部42から検索してもよい。そして、配送計画情報作成部431は、上記検索により過去の解析情報を発見できた場合、当該解析情報に基づいて、当該エリア及び配送予定日付において人が集まる傾向にある場所を特定し、当該場所の上空を通過するように通常の飛行経路を調整してもよい。
【0086】
(移動販売計画作成処理)
次に、図12を参照して、ステップS10における移動販売計画作成処理の具体例について説明する。移動販売計画作成処理では、図12に示すように、移動販売計画情報作成部434は、配送依頼品を取り扱う店舗で取り扱われる商品のうちから、当該配送依頼品とともに積載されるべき移動販売品及びその数量を設定する(ステップS1001)。例えば、移動販売計画情報作成部434は、ステップS9の解析により得られた解析情報に示される人の人属性に応じた商品を移動販売品として設定し、上述した空きスペースに収まる数量以下であって当該解析情報に示される人数に応じた数量を移動販売品の数量として設定する。或いは、移動販売計画情報作成部434は、配送依頼品の属性に応じた商品を移動販売品として設定し、上述した空きスペースに収まる数量以下であって当該解析情報に示される人の人数に応じた数量を移動販売品の数量として設定してもよい。
【0087】
或いは、移動販売計画情報作成部434は、ステップS9の解析において検知された人が特定された場合、当該特定されたユーザの商品購入履歴に示される商品、またはお気に入り商品登録履歴に示される商品を移動販売品として設定し、上述した空きスペースに収まる数量以下であって上記解析情報に示される人の人数に応じた数量を移動販売品の数量として設定してもよい。或いは、移動販売計画情報作成部434は、所定のイベントのイベント情報または所定の設備の設備情報から特定される人属性に応じた商品を移動販売品として設定し、上述した空きスペースに収まる数量以下であって所定のイベントのイベント情報または所定の設備の設備情報から特定される人数に応じた数量を移動販売品の数量として設定してもよい。或いは、移動販売計画情報作成部434は、配送依頼品の属性に応じた商品(例えば、配送依頼品との相性が良い商品)を移動販売品として設定し、上述した空きスペースに収まる数量を移動販売品の数量として設定する。
【0088】
次いで、移動販売計画情報作成部434は、UAV1の移動経路(飛行経路)を設定する(ステップS1002)。例えば、移動販売計画情報作成部434は、ステップS9の解析により得られた解析情報に示される人の人数、密度、または流れに基づいて、UAV1の移動経路を設定する。このとき、移動販売計画情報作成部434は、ステップS9の解析により得られた解析情報に示される人の人数、密度、または流れに基づいて、UAV1の移動速度(飛行速度)、または、UAV1の停留位置及び停留時間を設定してもよい。或いは、移動販売計画情報作成部434は、上記解析情報に示される人の人属性と、ステップS1001で設定された移動販売品の属性とに基づいて、UAV1の移動経路を設定してもよい。
【0089】
次いで、移動販売計画情報作成部434は、ステップS201で取得された配送予定日付に基づいて、移動販売予定日付を設定する(ステップS1003)。次いで、移動販売計画情報作成部434は、ステップS1001で設定された移動販売品の物品情報、ステップS1002で設定された移動経路、及びステップS1003で設定された移動販売予定日付を含む移動販売計画情報を作成する(ステップS1004)。なお、ステップS1002においてUAV1の移動速度、または、UAV1の停留位置及び停留時間が設定された場合、UAV1の移動速度、または、UAV1の停留位置及び停留時間が含まれる移動販売計画情報が設定される。
【0090】
(実施例2)
次に、図13を参照して、実施例2における移動制御システムSの動作について説明する。図13は、実施例2において配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。なお、図13に示すステップS41~S48の処理は、図9に示すステップS1~S8の処理と同様である。ここで、ステップS42に示す配送計画作成処理には、図11に示す配送計画作成処理を適用することができるが、かかる配送計画作成処理において「UAV拠点から店舗に到達するまでの区間に対応するエリア」は、「UAV拠点から配送先に到達するまでの区間に対応するエリア」と読み替えるものとする。
【0091】
UAV1は、店舗に到着すると(ステップS49)、配送計画情報に示される配送依頼品を積み込むとともに、制御部16により設定された移動販売品を積み込む(ステップS50)。例えば、配送依頼品の属性に応じた商品(例えば、配送依頼品との相性が良い商品)が移動販売品として設定される。或いは、店舗のスタッフにより任意に選択された移動販売品がUAV1に積み込まれてもよい。
【0092】
次いで、UAV1は、店舗を出発すると(ステップS51)、配送計画情報に含まれる飛行方法にしたがって飛行しつつ、上空から下方をセンシングし(ステップS52)、これにより得られたセンシング情報を情報処理サーバ4へ送信する(ステップS53)。こうして、UAV1によるセンシングは、例えば、店舗から配送先までの全部区間または一部区間において連続的に行われるとよい。
【0093】
情報処理サーバ4は、UAV1からのセンシング情報をセンシング情報取得部432により取得(受信)すると(ステップS54)、ステップS48で取得されたセンシング情報及びステップS54で取得されたセンシング情報それぞれから人の分布状況を分布状況解析部433により解析する(ステップS55)。
【0094】
次いで、情報処理サーバ4(移動販売計画情報作成部434)は、ステップS55の解析により得られた解析情報に基づいて、移動販売計画作成処理を行う(ステップS56)。ここで、移動販売計画作成処理には、図12に示す移動販売計画作成処理(ステップS1001の処理を除く)を適用することができる。次いで、情報処理サーバ4は、ステップS56で作成された移動販売計画情報を、UAV1へ返信する(ステップS57)。
【0095】
UAV1は、情報処理サーバ4からの移動販売計画情報を受信する(ステップS58)。なお、移動販売計画情報は、UAV1が配送先に到着された後に受信されてもよい。UAV1は、配送先に到着すると(ステップS59)、物品受け渡し制御を行うことで、配送依頼品を受取人に提供する(ステップS60)。UAV1が配送先を出発した後の処理は、実施例1(図10に示す処理)と同様である。なお、上記実施例1及び実施例2においては、1つのUAV1により解析用センシングと移動販売とが1つのUAV1により行われる例を示したが、解析用センシングと移動販売とが別々のUAV1により行われてもよい。
【0096】
(実施例3)
次に、図14及び図15を参照して、実施例3における移動制御システムSの動作について説明する。図14及び図15は、実施例3において配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。なお、図14に示すステップS61~S76の処理は、図13に示すステップS41~S56の処理と同様である。ステップS77では、情報処理サーバ4(機体移動制御部436)は、ステップS76で作成された移動販売計画情報を、UGV拠点において移動販売のために選定されたUGV2へ送信する。UGV2は、情報処理サーバ4からの移動販売計画情報を受信する(ステップS78)。ここで、UGV2は、情報処理サーバ4からの移動制御情報に応じて、UAV1との待ち合わせ場所へ移動してもよい。
【0097】
なお、ステップS76の移動販売計画作成処理において、実施例1と同様に、配送依頼品を取り扱う店舗で取り扱われる商品のうちから、当該配送依頼品とともに積載されるべき移動販売品及びその数量が設定されてもよい。この場合、情報処理サーバ4は、ステップS68でセンシング情報を取得したときに、図12に示す移動販売計画作成処理が行われる。
【0098】
一方、UAV1は、配送先に到着すると(ステップS79)、物品受け渡し制御を行うことで、配送依頼品を受取人に提供する(ステップS80)。次いで、UAV1は、配送先を出発し(ステップS81)、例えば、情報処理サーバ4からの移動制御情報に応じて、UGV拠点に向けて移動する。なお、UAV1は、情報処理サーバ4からの移動制御情報に応じて、UGV2との待ち合わせ場所へ移動してもよい。
【0099】
次いで、UAV1は、UGV拠点または上記待ち合わせ場所に到着すると、物品受け渡し制御を行うことで、移動販売品をUGV2に提供する(ステップS82)。UGV2は、UAV1から提供された移動販売品を積み込む(ステップS83)。こうして、UAV1とUGV2との間で移動販売品の受け渡しが行われる。
【0100】
UGV2は、移動販売品を積み込むと、ステップS78で受信された移動販売計画情報に従って移動販売を開始する(ステップS84)。なお、図15に示すステップS84~S96の処理は、図10に示すステップS19~S30の処理と同様である。次いで、UGV2は、移動販売を継続しつつ、UGV拠点に帰還する(ステップS97)。
【0101】
なお、UGV2は、移動販売計画情報に含まれる店舗情報にしたがって移動販売品を取り扱う店舗へ移動し、当該店舗において移動販売品を積み込むように構成してもよい。この場合、UAV1は、ステップS70において移動販売品を積み込む必要はなく、ステップS82及びS83における移動販売品の受け渡しは必要ない。
【0102】
以上説明したように、上記実施形態によれば、移動制御システムSは、配送依頼品の配送を行うUAV1が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得し、当該センシング情報から人の分布状況を解析し、当該解析により得られた解析情報に基づいて、上記少なくとも一部区間に対応するエリアにおいて移動体により移動販売品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うように構成したので、UAV1による配送時の飛行を有効活用して有用な集客情報を得ることができるとともに、当該有用な集客情報を利用して効率良く移動販売を実施させることができる。
【0103】
なお、上記実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。上記実施形態において、配送依頼品の配送を行うUAV1は、情報処理サーバ4に代えて、上述した分布状況解析部433及び移動販売計画情報作成部434として機能するように構成してもよい。この場合、配送依頼品の配送を行うUAV1が、自ら取得したセンシング情報から人の分布状況を解析し、当該解析により得られた解析情報に基づいて、上記少なくとも一部区間に対応するエリアにおいて移動体により移動販売品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行う。また、上記実施形態において、移動販売を行うUAV1またはUGV2は、情報処理サーバ4に代えて、上述したセンシング情報取得部432、分布状況解析部433、及び移動販売計画情報作成部434として機能するように構成してもよい。この場合、移動販売を行うUAV1またはUGV2が、配送依頼品の配送を行うUAV1等からセンシング情報を取得し、当該センシング情報から人の分布状況を解析し、当該解析により得られた解析情報に基づいて、上記少なくとも一部区間に対応するエリアにおいて移動体により移動販売品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行う。
【0104】
また、上記実施形態において、配送依頼品の配送を行うUAV1が、所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方の情報を情報処理サーバ4等から取得し、当該取得した情報に基づいて、配送先に到達するまでの区間における当該UAV1の飛行方法を調整するように構成してもよい。また、上記実施形態においては、配送依頼品の配送を行うUAV1が店舗において配送依頼品を積み込む例を示したが、これに代えて、配送依頼品の配送を行うUAV1がUAV拠点において配送依頼品を積み込むように構成してもよい。また、上記実施形態においては、移動販売を行うUGV2が店舗において移動販売品を積み込む例を示したが、これに代えて、当該UGV2がUGV拠点において移動販売品を積み込むように構成してもよい。
【0105】
<付記>
[1]本開示に係る情報処理装置は、物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得する取得部と、前記センシング情報から人の分布状況を解析する解析部と、前記解析部の解析により得られた解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行う作成部と、を備えることを特徴とする。これにより、無人航空機による配送時の飛行を有効活用して有用な集客情報を得ることができるとともに、当該有用な集客情報を利用して効率良く移動販売を実施させることができる。
【0106】
[2]上記[1]に記載の情報処理装置において、前記取得部は、前記無人航空機が前記配送先に到達するまでの区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得することを特徴とする。これにより、無人航空機が配送先に到達するまでの区間に対応するエリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を効率良く作成することができる。
【0107】
[3]上記[1]または[2]に記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記無人航空機が前記配送先から帰還するまでの区間に対応するエリアにおいて移動体により前記商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする。これにより、無人航空機が配送依頼品の配送を完了した後、配送先から帰還する復路を利用して効率良く移動販売を実施させることができる。
【0108】
[4]上記[1]乃至[3]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記少なくとも一部区間における前記無人航空機の飛行方法を調整する調整部を更に備え、前記取得部は、前記調整部により調整された前記飛行方法で飛行する前記少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得することを特徴とする。これにより、無人航空機による配送時の飛行を有効活用して高精度の集客情報を得ることができる。
【0109】
[5]上記[4]に記載の情報処理装置において、前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方がある場合、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報に基づいて、前記飛行方法を調整することを特徴とする。これにより、所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方の情報を利用して、より高精度の集客情報を得ることができる。
【0110】
[6]上記[4]または[5]に記載の情報処理装置において、前記無人航空機は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントがない場合、通常の飛行方法で前記配送先に到達するまでの区間を飛行するものであり、前記調整部は、前記無人航空機が前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントがある場合、前記所定のイベントの情報に基づいて、前記センシングを優先するように前記通常の飛行方法を調整することを特徴とする。これにより、所定のイベントの情報を利用して、より高精度の集客情報を得ることができる。
【0111】
[7]上記[4]乃至[6]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記無人航空機は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定の設備がない場合、通常の飛行方法で前記配送先に到達するまでの区間を飛行するものであり、前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定の設備がある場合、前記所定の設備の情報に基づいて、前記センシングを優先するように前記通常の飛行方法を調整することを特徴とする。これにより、所定の設備の情報を利用して、より高精度の集客情報を得ることができる。
【0112】
[8]上記[4]乃至[7]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリアにおいて前記解析部の過去の解析により得られた過去の解析情報に基づいて、前記飛行方法を調整することを特徴とする。これにより、無人航空機による配送時の過去の飛行実績を有効活用して有用な集客情報を得ることができる。
【0113】
[9]上記[1]乃至[8]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記解析情報には、前記人の人数、前記人の密度、前記人の人属性、及び前記人の流れのうち少なくとも何れか一つが示されることを特徴とする。これにより、無人航空機による配送時の飛行を有効活用して、より有用な集客情報を得ることができる。
【0114】
[10]上記[1]乃至[9]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記解析情報に基づいて、前記移動体の移動経路を設定し、当該設定された移動経路を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする。これにより、移動体が移動販売を行うための適切な移動経路を含む移動販売計画情報を作成することができる。
【0115】
[11]上記[10]に記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人数、前記人の密度、及び前記人の流れのうち少なくとも何れか一つに基づいて、前記移動体の移動経路を設定することを特徴とする。これにより、より適切な移動経路を設定することができる。
【0116】
[12]上記[10]に記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人属性と、前記商品の属性とに基づいて、前記移動体の移動経路を設定することを特徴とする。これにより、より適切な移動経路を設定することができる。
【0117】
[13]上記[1]乃至[12]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記解析情報に基づいて、前記移動体の移動速度、または、前記移動体の停留位置及び停留時間を設定し、当該設定された移動速度、または、前記停留位置及び停留時間を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行う。これにより、移動体が移動販売を行うための適切な移動速度、または、適切な停留位置及び停留時間を含む移動販売計画情報を作成することができる。
【0118】
[14]上記[1]乃至[13]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人属性に応じた商品を前記移動販売の対象となる商品として設定し、当該設定された商品の情報を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする。これにより、移動販売で購入されやすい適切な商品の情報を含む移動販売計画情報を作成することができる。
【0119】
[15]上記[1]乃至[14]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人数に応じた数量を前記移動販売の対象となる商品の数量として設定し、当該設定された数量を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする。これにより、移動販売の対象となる商品の適切な数量を含む移動販売計画情報を作成することができる。
【0120】
[16]上記[1]乃至[15]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記配送先へ配送される前記物品の属性に応じた商品を前記移動販売の対象となる商品として設定し、当該設定された商品の情報を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする。これにより、配送先へ配送される物品の受取人により購入されやすい商品の情報を含む移動販売計画情報を作成することができる。
【0121】
[17]上記[1]乃至[16]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び移動販売予定日付において所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方がある場合、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報に基づいて、前記移動販売の対象となる商品を設定し、当該設定された商品の情報を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする。これにより、解析部の解析により得られた解析情報を補足することができるとともに、より適切な商品の情報を含む移動販売計画情報を作成することができる。
【0122】
[18]上記[17]に記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報から特定される人属性に応じた商品を前記移動販売の対象となる商品として設定することを特徴とする。これにより、解析情報から人属性を特定できない場合であっても、移動販売で購入されやすい適切な商品を設定することができる。
【0123】
[19]上記[17]に記載の情報処理装置において、前記作成部は、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報から特定される人数に応じた数量を前記移動販売の対象となる商品の数量として設定することを特徴とする。これにより、解析情報から人数を特定できない場合であっても、移動販売の対象となる商品の適切な数量を設定することができる。
【0124】
[20]上記[1]乃至[19]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記移動体は、前記無人航空機であることを特徴とする。これにより、無人航空機による配送時の飛行を有効活用して有用な集客情報を得ることができるとともに、当該有用な集客情報を利用して当該無人航空機により効率良く移動販売を実施させることができる。
【0125】
[21]上記[1]乃至[19]の何れか一つに記載の情報処理装置において、前記移動体は、無人で地上を走行可能な車両であることを特徴とする。これにより、無人航空機による配送時の飛行を有効活用して有用な集客情報を得ることができるとともに、当該有用な集客情報を利用して当該地上を走行可能な車両により効率良く移動販売を実施させることができる。
【0126】
[22]本開示に係る移動販売計画作成方法は、1または複数のコンピュータにより実行される移動販売計画作成方法であって、物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得するステップと、前記センシング情報から人の分布状況を解析するステップと、前記解析により得られた解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0127】
[23]本開示に係るプログラムは、物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得するステップと、前記センシング情報から人の分布状況を解析するステップと、前記解析により得られた解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【符号の説明】
【0128】
1 UAV
2 UGV
3 ユーザ端末
4 情報処理サーバ
11 駆動部
12 測位部
13 通信部
14 センサ部
15 記憶部
16 制御部
21 駆動部
22 測位部
23 通信部
24 センサ部
25 記憶部
26 制御部
31 操作・表示部
32 GPS受信機
33 通信部
34 記憶部
35 制御部
41 通信部
42 記憶部
43 制御部
431 配送計画情報作成部
432 センシング情報取得部
433 分布状況解析部
434 移動販売計画情報作成部
435 移動販売管理部
436 機体移動制御部
S 移動制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得する取得部と、
前記センシング情報から人の分布状況を解析する解析部と、
前記解析部の解析により得られた解析情報であって、前記人の人数、前記人の密度、前記人の人属性、及び前記人の流れのうち少なくとも何れか一つを示す解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行う作成部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記無人航空機が前記配送先に到達するまでの区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記作成部は、前記無人航空機が前記配送先から帰還するまでの区間に対応するエリアにおいて前記移動体により前記商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも一部区間における前記無人航空機の飛行方法を調整する調整部を更に備え、
前記取得部は、前記調整部により調整された前記少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方がある場合、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報に基づいて、前記飛行方法を調整することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記無人航空機は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントがない場合、通常の飛行方法で前記配送先に到達するまでの区間を飛行するものであり、
前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定のイベントがある場合、前記所定のイベントの情報に基づいて、前記センシングを優先するように前記通常の飛行方法を調整することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記無人航空機は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定の設備がない場合、通常の飛行方法で前記配送先に到達するまでの区間を飛行するものであり、
前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び配送予定日付において所定の設備がある場合、前記所定の設備の情報に基づいて、前記センシングを優先するように前記通常の飛行方法を調整することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記調整部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリアにおいて前記解析部の過去の解析により得られた過去の解析情報に基づいて、前記飛行方法を調整することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記作成部は、前記解析情報に基づいて、前記移動体の移動経路を設定し、当該設定された移動経路を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人数、前記人の密度、及び前記人の流れのうち少なくとも何れか一つに基づいて、前記移動体の移動経路を設定することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人属性と、前記商品の属性とに基づいて、前記移動体の移動経路を設定することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記作成部は、前記解析情報に基づいて、前記移動体の移動速度、または、前記移動体の停留位置及び停留時間を設定し、当該設定された移動速度、または、前記停留位置及び停留時間を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人属性に応じた商品を前記移動販売の対象となる商品として設定し、当該設定された商品の情報を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記作成部は、前記解析情報に示される前記人の人数に応じた数量を前記移動販売の対象となる商品の数量として設定し、当該設定された数量を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記作成部は、前記配送先へ配送される前記物品の属性に応じた商品を前記移動販売の対象となる商品として設定し、当該設定された商品の情報を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記作成部は、前記少なくとも一部区間に対応するエリア及び移動販売予定日付において所定のイベントと所定の設備との少なくとも何れか一方がある場合、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報に基づいて、前記移動販売の対象となる商品を設定し、当該設定された商品の情報を含む前記移動販売計画情報を作成する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記作成部は、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報から特定される人属性に応じた商品を前記移動販売の対象となる商品として設定することを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記作成部は、前記所定のイベントと前記所定の設備との少なくとも何れか一方の情報から特定される人数に応じた数量を前記移動販売の対象となる商品の数量として設定することを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記移動体は、前記無人航空機であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記移動体は、無人で地上を走行可能な車両であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項21】
1または複数のコンピュータにより実行される移動販売計画作成方法であって、
物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報から人の分布状況を解析するステップと、
前記解析により得られた解析情報であって、前記人の人数、前記人の密度、前記人の人属性、及び前記人の流れのうち少なくとも何れか一つを示す解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うステップと、
を含むことを特徴とする移動販売計画作成方法。
【請求項22】
物品の配送を行う無人航空機が出発してから配送先を経由して帰還するまでの間の少なくとも一部区間において上空から下方をセンシングすることで得られたセンシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報から人の分布状況を解析するステップと、
前記解析により得られた解析情報であって、前記人の人数、前記人の密度、前記人の人属性、及び前記人の流れのうち少なくとも何れか一つを示す解析情報に基づいて、前記少なくとも一部区間に対応するエリアまたは当該エリア内の一部エリアにおいて移動体により商品の移動販売を行うための移動販売計画情報を作成する処理を行うステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。