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特開2024-172209制御装置、無人機の移動制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172209
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】制御装置、無人機の移動制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089771
(22)【出願日】2023-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】松本 麻希
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】移動販売の対象となる商品に対する関心度をリアルタイムに見極め、効率良く無人機の移動制御を行うことが可能な制御装置、無人機の移動制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理サーバ4は、移動販売品の移動販売を行うためにUVが移動しているときに、販売エリア内のユーザのユーザ端末3における操作状況であって、移動販売品に対する当該ユーザの操作状況を特定し、当該特定された操作状況に基づいて、UVの移動制御を行う。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定する特定部と、
前記ユーザの操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行う移動制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記移動制御部は、前記ユーザの操作状況に応じた移動方法を決定し、当該決定された移動方法で前記無人機を移動させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記移動方法には、前記無人機の移動速度と前記無人機の移動経路のうち少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、
前記移動制御部は、前記商品の注文確定に近い段階ほど、遅い移動速度で前記無人機を移動させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、
前記移動制御部は、前記商品の注文確定に近い段階ほど、前記ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って前記無人機を移動させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までの間において複数の段階に区分され、
前記移動制御部は、前記商品の注文確定に近い段階ほど、前記ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って、且つ遅い移動速度で前記無人機を移動させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、
前記特定部は、前記販売エリア内の複数のユーザのそれぞれが使用する端末における前記ユーザの操作状況を特定し、
前記移動制御部は、前記複数のユーザのうち、前記商品の注文確定に相対的に近い段階にある前記ユーザの操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、
前記特定部は、前記販売エリア内の複数のユーザのそれぞれが使用する端末における前記ユーザの操作状況を特定し、
前記移動制御部は、前記複数のユーザのうち、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい前記ユーザの操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記移動制御部は、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい前記ユーザほど、遅い移動速度で前記無人機を移動させることを特徴とする請求項7または8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記移動制御部は、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい前記ユーザほど、当該ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って前記無人機を移動させることを特徴とする請求項7または8に記載の制御装置。
【請求項11】
前記移動制御部は、前記端末により検出された現在位置を示す位置情報であって、前記端末から取得された前記位置情報に基づいて、前記ユーザの現在位置を特定することを特徴とする請求項5または6に記載の制御装置。
【請求項12】
前記移動制御部は、前記ユーザにより予め登録された所在地情報に基づいて、前記ユーザの現在位置を特定することを特徴とする請求項5または6に記載の制御装置。
【請求項13】
1または複数のコンピュータにより実行される移動制御方法であって、
商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定するステップと、
前記操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うステップと、
を含むことを特徴とする無人機の移動制御方法。
【請求項14】
商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定するステップと、
前記操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の移動販売を行うための無人機の制御方法等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動販売車両により集客の見込める場所へ移動しながら商品を販売する移動販売方法が知られている。例えば、特許文献1には、効率的な移動販売を可能にすることを主たる移動販売方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-73941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ドローン等の無人機による移動販売の場合、効率良く商品の販売を行うために、当該無人機の移動中に、当該商品に対する関心度をリアルタイムに見極め、効率良く無人機の移動制御を行うことが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、移動販売の対象となる商品に対する関心度をリアルタイムに見極め、効率良く無人機の移動制御を行うことが可能な制御装置、無人機の移動制御方法、及びプログラムを提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(適用例1)上記課題を解決するために、本適用例に係る制御装置は、商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定する特定部と、前記ユーザの操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行う移動制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
(適用例2)本適用例に係る無人機の移動制御方法は、1または複数のコンピュータにより実行される移動制御方法であって、商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定するステップと、前記操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
(適用例3)本適用例に係るプログラムは、商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定するステップと、前記操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、移動販売の対象となる商品に対する関心度をリアルタイムに見極め、効率良く無人機の移動制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】移動制御システムSの概要構成例を示す図である。
図2】配送依頼品の配送と移動販売品の移動販売とが1つのUAV1により行われる様子を示す概念図である。
図3】UAV1の概要構成例を示す図である。
図4】UGV2の概要構成例を示す図である。
図5】ユーザ端末3の概要構成例を示す図である。
図6】情報処理サーバ4の概要構成例を示す図である。
図7】制御部43における機能ブロック例を示す図である。
図8】移動販売品に対するユーザの操作状況、注文レベル、及びUAV1の移動速度との対応関係の一例をユーザ属性ごとに示す図である。
図9】移動販売品に対するユーザの操作状況、注文レベル、及びUAV1の移動経路との対応関係の一例を示す図である。
図10】UVにより配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図11】、図10のステップ11における移動販売制御処理の具体例を示すフローチャートである。
図12】配送依頼品の配送とは無関係にUVにより移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る移動制御システムについて説明する。以下の実施の形態は、商品(物品の一例)の移動販売を行うための無人機の移動制御を行うことが可能な移動制御システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。無人機として、無人で空中(大気中)を飛行可能なUAV(Unmanned Aerial Vehicle)、または無人で地上を走行可能なUGV(Unmanned Ground Vehicle)を例にとるものとする。UAVは、ドローン、またはマルチコプタとも呼ばれる。なお、UAVは、無人飛行ロボットであってもよい。UGVは、2輪または4輪の車両(無人地上機)であってもよい。移動販売を行うための無人機を、以下、適宜、「UV(Unmanned Vehicle)」という。移動販売の対象となる商品を、以下、適宜、「移動販売品」という。また、UVは、物品の配送にも利用することができる。配送対象となる物品を、以下、適宜、「配送依頼品」という。配送依頼品は、配送依頼人により例えばEC(Electronic commerce)サイトで注文され且つ配送依頼された商品である。或いは、配送依頼品は、依頼人により例えば宅配サイトで配送依頼された荷物であってもよい。移動販売品の移動販売を行うUVは、配送依頼品の配送を行うUVであってもよいし、配送依頼品の配送を行うUVとは異なるUVであってもよい。
【0012】
1.移動制御システムSの構成及び動作概要
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る移動制御システムSの構成及び動作概要について説明する。図1は、移動制御システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、移動制御システムSは、UAV1、UGV2、ユーザ端末3、及び情報処理サーバ4を含んで構成され、これらは、通信ネットワークNWに接続可能になっている。なお、図1には、UAV1及びUGV2はそれぞれ1つずつ示されているが、移動制御システムSには、UAV1及びUGV2がそれぞれ複数含まれてもよい。通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、無線通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。UAV1、UGV2、ユーザ端末3、及び情報処理サーバ4は、通信ネットワークNWを介して互いに通信可能になっている。ユーザ端末3には、例えば、スマートフォン等の携帯端末を適用することができる。情報処理サーバ4は、配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売を管理及び制御するためのサーバである。さらに、情報処理サーバ4は、制御装置として、UAV1またはUGV2を制御する。
【0013】
なお、UAV1は、GCS(Ground Control Station)により管理され、地上からオペレータにより遠隔操作可能になっている。GCSは、例えば、アプリケーションとして通信ネットワークNWに接続可能な操縦端末に搭載される。この場合、オペレータは、例えば、操縦端末を操作する人、または操縦端末が備えるコントローラである。或いは、GCSは、サーバ等によりシステム化されてもよい。この場合、オペレータは、例えば、システム管理者、またはサーバが備えるコントローラである。
【0014】
図2は、配送依頼品の配送と移動販売品の移動販売とが1つのUAV1により行われる様子を示す概念図である。図2の例において、UAV1は、UAV拠点P1から配送元である店舗P2に向けて出発(離陸)し、店舗P2に到着すると、配送依頼された配送依頼品を積み込む。例えば、UAV1が店舗P2の敷地に着陸している状態で店舗P2のスタッフにより配送依頼品がUAV1に積み込まれる。このとき、店舗P2のスタッフによりUAV1における空きスペースが確認され、移動販売品が積み込まれる。そして、UAV1は、店舗P2から配送先P3に向けて出発し、配送先P3に到着すると、配送依頼品を受取人(例えば、配送依頼人)へ提供する。配送依頼品の配送完了後、UAV1は、所定の販売エリア内の移動経路(例えば、UAV拠点P1に帰還するための復路)に沿って移動し、当該UAV1から所定範囲(特に限定されないが、例えば50m~1km)以内に存在するユーザによりユーザ端末3を介して注文された移動販売品を当該ユーザへ提供(つまり、当該ユーザの現在位置まで移動して提供)する。
【0015】
なお、配送依頼品の配送がUAV1により行われ、移動販売品の移動販売がUGV2により行われてもよい。この場合、UAV1は、配送依頼品の配送完了後、例えばUGV拠点において移動販売品をUGV2に受け渡す。つまり、移動販売品がUAV1からUGV2へ引き継がれる。その後、UGV2は、所定の販売エリア内の移動経路(例えば、事前に決定された移動経路)に沿って移動し、当該UGV2から所定範囲以内に存在するユーザによりユーザ端末3を介して注文された移動販売品を当該ユーザへ提供する。なお、UGV2は、例えば、移動販売品を取り扱う店舗まで移動し、移動販売品を積み込んでもよい。この場合、移動販売品が、配送依頼品を配送するUAV1に積み込まれる必要はない。
【0016】
1-1.UAV1の構成及び機能
次に、図1及び図3を参照して、UAV1の構成及び機能について説明する。図3は、UAV1の概要構成例を示す図である。図3に示すように、UAV1は、駆動部11、測位部12、通信部13、センサ部14、記憶部15、及び制御部16等を備え、これらの各部へ電力を供給するバッテリ(図示せず)を備える。また、UAV1は、図1に示すように、水平回転翼であるロータ(プロペラ)1a、及び積載される1または複数の物品(配送依頼品と移動販売品とのうち少なくとも何れか一方)を保持する保持部材1b等を備える。保持部材1bは物品を収納する収納箱を保持してもよい。保持部材1bは、物品またはその収納箱を引っ掛ける部材であってもよい。さらに、UAV1は、図示しないが、保持機構等を備える。保持機構は、モータ等により構成されるアクチュエータを含む。保持機構は、制御部16から出力される制御信号に応じてアクチュエータを駆動することで保持部材1bから物品を解放する(つまり、物品を切り離す)。なお、保持機構には、保持部材1bに接続されるワイヤ等の線状部材、及び線状部材の送り出しまたは巻き取りを行うリール(ウインチ)が備えられてもよい。
【0017】
駆動部11は、モータ及び回転軸等を備える。駆動部11は、制御部16から出力された制御信号に従って駆動するモータ及び回転軸等により複数のロータ1aを回転させる。測位部12は、電波受信機及び高度センサ等を備える。測位部12は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の衛星から発信された電波を電波受信機により受信し、当該電波に基づいてUAV1の水平方向の現在位置(緯度及び経度)を検出する。なお、UAV1の水平方向の現在位置は、センサ部14のカメラにより撮像された画像に基づいて補正されてもよい。測位部12により検出された現在位置を示す位置情報は、制御部16へ出力される。さらに、測位部12は、気圧センサ等の高度センサによりUAV1の垂直方向の現在位置(高度)を検出してもよい。この場合、位置情報には、UAV1の高度を示す高度情報が含まれる。通信部13は、無線通信機能を備え、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。
【0018】
センサ部14は、UAV1の飛行制御等に用いられる各種センサを備える。各種センサには、例えば、光学センサ、3軸角速度センサ、3軸加速度センサ、及び地磁気センサ等が含まれる。光学センサは、カメラ(例えば、RGBカメラ、赤外線カメラ)を含んで構成され、カメラの画角に収まる範囲内の実空間を連続的に撮像する。なお、光学センサには、地物の形状や地物までの距離を測定するLiDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)センサが含まれてもよい。さらに、センサ部14のセンシングにより得られたセンシング情報は、制御部16へ出力される。
【0019】
記憶部15は、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。また、記憶部15は、UAV1の機体IDを記憶する。制御部16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ROM(または、記憶部15)に記憶されたプログラムに従って各種制御を実行する。各種制御には、飛行制御(離陸制御及び着陸制御を含む)、及び物品受け渡し制御が含まれる。飛行制御では、制御部16は、測位部12から取得された位置情報、及びセンサ部14から取得されたセンシング情報等を用いて、ロータ1aの回転数、UAV1の位置、姿勢及び進行方向を制御する。
【0020】
UAV1が配送依頼品の配送に用いられる場合、上記飛行制御において、情報処理サーバ4から取得される配送計画情報が用いられる。ここで、配送計画情報は、例えば、配送依頼品の物品情報、配送先の位置情報、配送経路(配送ルート)、及び配送予定日付を含む配送スケジュールを含む。配送先の位置情報は、緯度及び経度で表されてもよいし、受取人の住所等で表されてもよい。配送予定日付は、例えば、配送依頼品が配送先へ配達される年月日、または年月日及び予定時刻(または予定時間帯)を示す。
【0021】
また、UAV1が移動販売品の移動販売に用いられる場合、上記飛行制御において、情報処理サーバ4から取得される移動販売計画情報が用いられる。移動販売計画情報は、例えば、移動販売品の物品情報、販売エリアの位置情報、移動販売予定日付を含む移動販売スケジュール、及びUAV1の初期設定された移動方法(飛行方法)を含む。ここで、移動販売予定日付は、例えば、移動販売品が移動販売される年月日、または年月日及び予定時刻(または予定時間帯)を示す。販売エリアの位置情報は、例えば、当該販売エリアに含まれる全地点の緯度及び経度で表される。なお、移動販売予定日付は、配送予定日付と同一であってもよいし、配送予定日付が示す予定時刻後であってもよい。UAV1の初期設定された移動方法は、UAV1の移動経路(飛行経路)とUAV1の移動速度(飛行速度)との少なくとも何れか一方を含む。なお、UAV1の移動経路は、例えば緯度及び経度で表される2次元平面上の移動経路である。
【0022】
さらに、上記飛行制御において、情報処理サーバ4から取得される移動制御情報が用いられる。移動制御情報は、移動販売品に対するユーザ(販売エリア内のユーザ)の操作状況に基づいて決定された移動方法(UAV1の飛行方法)を含む。かかる移動方法は、UAV1の移動経路(飛行経路)とUAV1の移動速度(飛行速度)との少なくとも何れか一方を含んでおり、初期設定された移動方法から変更されうる。なお、移動制御情報は、ユーザにより注文された移動販売品の物品ID、及び当該移動販売品を注文したユーザの現在位置(ユーザ端末3の現在位置)を示す位置情報を含む場合もある。
【0023】
制御部16は、配送計画情報に示される配送先に向けてUAV1を自律的に飛行させることができる。また、制御部16は、移動販売計画情報または移動制御情報に従ってUAV1を自律的に飛行させることができる。例えば、制御部16は、移動販売計画情報または移動制御情報に示される移動経路に沿ってUAV1を自律的に飛行させることができる。なお、UAV1の自律的な飛行は、UAV1に備えられる制御部16が飛行制御を行うことによる自律飛行に限定されるものではなく、UAV1の自律的な飛行にはシステム全体として自律制御を行うことによる自律飛行も含まれる。配送計画情報、移動販売計画情報、及び移動制御情報の少なくとも何れか一つの情報は、GCSから取得されてもよい。この場合、GCSは、配送計画情報、移動販売計画情報、及び移動制御情報の少なくとも何れか一つの情報を情報処理サーバ4から取得する。UAV1の飛行中、UAV1の位置情報は、UAV1の機体IDとともに通信部13により情報処理サーバ4へ逐次送信される。
【0024】
また、物品受け渡し制御では、制御部16は、例えば着陸状態にあるUAV1が保持機構により保持部材1bから物品を解放させることで物品を受取人(つまり、配送依頼品の受取人、または移動販売品を注文したユーザ)へ提供する。或いは、制御部16は、ホバリング状態にあるUAV1が保持機構により保持部材1bから物品を解放(つまり、投下)させることで物品を受取人へ提供する。この場合のホバリングは、例えば垂直方向に数十cm~1m程度離れた位置で行われることが望ましい。或いは、制御部16は、ホバリング状態にあるUAV1が保持機構により線状部材を下方に送り出させることで物品を受取人へ提供する。なお、物品受け渡し制御により、配送依頼品の配送に用いられるUAV1から、移動販売品の移動販売に用いられるUAV1またはUGV2へ移動販売品が提供される場合もある。
【0025】
1-2.UGV2の構成及び機能
次に、図1及び図4を参照して、UGV2の構成及び機能について説明する。図4は、UGV2の概要構成例を示す図である。図4に示すように、UGV2は、駆動部21、測位部22、通信部23、センサ部24、記憶部25、及び制御部26等を備え、これらの各部へ電力を供給するバッテリ(図示せず)を備える。また、UGV2は、図1に示すように、車輪2a、積載される1または複数の物品(配送依頼品と移動販売品とのうち少なくとも何れか一方)を収容するための収容部2b、側面扉2c、及び天井扉2d等を備える。側面扉2cは、収容部2bの側面開口部を塞ぐように設けられている。収容部2bの側面開口部を通じて、UGV2と受取人との間で物品が受け渡される。天井扉2dは、収容部2bの天井開口部を塞ぐように設けられている。収容部2bの天井開口部を通じて、UAV1とUGV2との間で物品が受け渡される。さらに、UGV2は、図示しないが、側面扉開閉機構、及び天井扉開閉機構等を備える。
【0026】
駆動部21は、モータ及び回転軸等を備える。制御部26から出力された制御信号に従って駆動するモータ及び回転軸等により複数の車輪2aを回転させる。測位部22は、電波受信機等を備える。測位部22は、例えば、GNSSの衛星から発信された電波を電波受信機により受信し、当該電波に基づいてUGV2の現在位置(緯度及び経度)を検出する。なお、UGV2の現在位置は、GNSSの衛星から発信された電波に加えて、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)処理により特定されてもよい。UGV2の現在位置は、センサ部24のカメラにより撮像された画像に基づいて補正されてもよい。測位部22により検出された現在位置を示す位置情報は、制御部26へ出力される。通信部23は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。
【0027】
センサ部24は、UGV2の走行制御等に用いられる各種センサを備える。各種センサには、例えば、光学センサ等が含まれる。光学センサは、カメラ(例えば、RGBカメラ、赤外線カメラ)を含んで構成され、カメラの画角に収まる範囲内の実空間を連続的に撮像する。センサ部24のセンシングにより得られたセンシング情報は、制御部26へ出力される。UGV2の機体IDは、UGV2を識別するための識別情報である。
【0028】
記憶部25は、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。また、記憶部25は、UGV2の機体IDを記憶する。制御部26は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、ROM(または、記憶部25)に記憶されたプログラムに従って各種制御を実行する。各種制御には、走行制御、及び物品受け渡し制御が含まれる。走行制御では、制御部26は、測位部22から取得された位置情報、及びセンサ部24から取得されたセンシング情報等を用いて、車輪2aの回転数、UGV2の位置及び進行方向を制御する。
【0029】
UGV2が配送依頼品の配送に用いられる場合、上記走行制御において、情報処理サーバ4から取得される配送計画情報が用いられる。また、UGV2が移動販売品の移動販売に用いられる場合、上記走行制御において、情報処理サーバ4から取得される移動販売計画情報が用いられる。移動販売計画情報は、例えば、移動販売品の物品情報、販売エリアの位置情報、移動販売予定日付を含む移動販売スケジュール、及びUGV2の初期設定された移動方法(走行方法)を含む。かかる移動方法は、UGV2の移動経路(走行経路)とUAV1の移動速度(走行速度)との少なくとも何れか一方を含む。
【0030】
さらに、上記飛行制御において、情報処理サーバ4から取得される移動制御情報が用いられる。ここで、移動制御情報は、移動販売品に対するユーザ(販売エリア内のユーザ)の操作状況に基づいて決定された移動方法(UGV2の走行方法)を含む。かかる移動方法は、UGV2の移動経路(走行経路)とUGV2の移動速度(走行速度)との少なくとも何れか一方を含んでおり、初期設定された移動方法から変更されうる。なお、移動制御情報は、ユーザにより注文された移動販売品の物品ID、及び当該移動販売品を注文したユーザの現在位置を示す位置情報を含む場合もある。
【0031】
制御部26は、配送計画情報に示される配送先に向けてUGV2を自律的に走行させることができる。また、制御部26は、移動販売計画情報または移動制御情報に従ってUGV2を自律的に走行させることができる。例えば、制御部26は、移動販売計画情報または移動制御情報に示される移動経路に沿ってUGV2を自律的に走行させることができる。
【0032】
また、物品受け渡し制御では、制御部26は、例えば停止状態にあるUGV2が側面扉開閉機構により側面扉2cを開放させることで物品を受取人(つまり、配送依頼品の受取人、または移動販売品を注文したユーザ)へ提供する。側面扉2cは、物品の受取人から側面扉2cの鍵を解錠(つまり、側面扉2cのロックを解除)するための認証コードが入力されることにより開放されてもよい。この場合、入力された認証コードと予め登録された認証コードを用いて認証処理が行われる。物品の受取人からの認証コードは、側面扉2cの前面に設けられた操作パネルから入力されてもよいし、当該受取人のユーザ端末3から近距離無線通信を介して入力されてもよい。そして、制御部26は、上記認証処理において認証が成功(例えば、両認証コードが一致)すると、側面扉2cの鍵を解錠させる。なお、物品受け渡し制御により、配送依頼品の配送に用いられるUAV1から、UGV2へ物品が提供される場合もある。例えばUAV1がUGV2上に着陸、またはUAV1がUGV2の上空でホバリングしている状態で、天井扉開閉機構により天井扉2dを開放させることでUAV1からの物品を収容部2b内に搬入する。
【0033】
1-3.ユーザ端末3の構成及び機能
次に、図5を参照して、ユーザ端末3の構成及び機能について説明する。図5は、ユーザ端末3の概要構成例を示す図である。ユーザ端末3は、操作・表示部31、GPS(Global Positioning System)受信機32、通信部33、記憶部34、及び制御部35等を備える。ユーザ端末3には、例えば、スマートフォンやタブレット等が適用可能である。操作・表示部31は、例えば、ユーザの指やペン等による操作を受け付ける入力機能と、UI(User Interface)画面を表示する表示機能とを有する。GPS受信機32は、GPS衛星から発信された電波を受信し、ユーザ端末3の現在位置(緯度及び経度)を検出する。GPS受信機32により検出された位置を示す位置情報は、制御部35へ出力される。
【0034】
通信部33は、無線通信機能を備え、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。通信部33により、ユーザ端末3の現在位置(ユーザの現在位置)を示す位置情報が情報処理サーバ4へ送信される。記憶部34は、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。各種プログラムには、オペレーティングシステム(OS)、移動販売品を注文するための注文用アプリケーション、及びウェブブラウザが含まれる。なお、注文用アプリケーションは、通信ネットワークNWに接続された所定のサーバからユーザ端末3にダウンロードされるとよい。
【0035】
制御部35は、CPU、ROM、及びRAM等を備え、ROM(または、記憶部34)に記憶された注文用アプリケーションに従って処理を実行する。かかる処理において、制御部35は、移動販売品に関する各種ページを提供する移動販売サイトにアクセスすることによりUI画面を操作・表示部31に表示させる。なお、制御部35は、ウェブブラウザにより移動販売サイトのURL(Uniform Resource Locator)が指定されることで当該移動販売サイトにアクセスしてもよい。これにより、情報処理サーバ4から提供されたウェブページに基づいてUI画面が表示されてもよい。ユーザ端末3のユーザは、UI画面を通じて移動販売品に対する操作を行うことができる。
【0036】
移動販売品に対するユーザの操作の例として、移動販売品を販売する店舗に係る店舗画面を表示させるための操作(以下、「店舗閲覧操作」という)、移動販売品に係る商品画面を表示させるための操作(以下、「商品閲覧操作」という)、移動販売品を買い物かごに登録させるための操作(以下、「買い物かご登録操作」という)、移動販売品に係る注文(購入)手続画面を表示させるための操作(以下、「注文手続操作」という)、移動販売品の注文を確定させるための操作(以下、「注文確定操作」という)が挙げられる。ここで、店舗画面、商品画面、及び注文手続画面は、それぞれ、UI画面の一例である。ユーザの注文確定操作の実行に応じて、移動販売品の注文要求が情報処理サーバ4へ送信される。移動販売品に対するユーザの操作の他の例として、移動販売品をお気に入り登録させるための操作や、移動販売品を注文するための決済方法を指定するための操作が挙げられる。また、ユーザの操作のさらなる別の例として、注文用アプリケーションまたはウェブブラウザにより移動販売サイトにアクセスするための操作や移動販売サイトを閲覧するための操作が挙げられる。なお、移動販売品に対するユーザの操作を示す操作情報は、情報処理サーバ4へ送信される。
【0037】
1-4.情報処理サーバ4の構成及び機能
次に、図6を参照して、情報処理サーバ4の構成及び機能について説明する。図6は、情報処理サーバ4の概要構成例を示す図である。図6に示すように、情報処理サーバ4は、通信部41、記憶部42、及び制御部43(コンピュータの一例)等を備える。通信部41は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。UAV1から送信された位置情報及び機体IDは、通信部41により受信される。情報処理サーバ4は、UAV1の位置情報によりUAV1の現在位置を認識することができる。また、UGV2から送信された位置情報及び機体IDは、通信部41により受信される。情報処理サーバ4は、UGV2の位置情報によりUGV2の現在位置を認識することができる。また、ユーザ端末3から送信された位置情報(ユーザ端末3により検出された現在位置を示す位置情報)は、通信部41により受信される。情報処理サーバ4は、ユーザ端末3の位置情報によりユーザの現在位置を認識することができる。さらに、ユーザ端末3から送信された操作情報は、通信部41により受信される。
【0038】
記憶部42は、例えば、ハードディスクドライブ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。記憶部42には、所定のサーバ(例えばECサイトを提供するサーバ)から通信部41により受信された配送依頼情報が記憶される。かかる配送依頼情報には、配送依頼人により配送依頼された配送依頼品の物品情報、当該配送依頼人により指定された配送先の位置情報、及び配送予定日付が含まれる。なお、配送依頼品が例えばECサイトで注文された商品である場合、配送依頼情報には、当該配送依頼品を取り扱う店舗の店舗情報が含まれる。店舗の店舗情報には、当該店舗の店舗ID、及び当該店舗の設置位置情報が含まれる。店舗IDは、店舗を識別するための識別情報である。また、記憶部42には、UAV管理データベース421、UGV管理データベース422、配送管理データベース423、商品管理データベース424、移動販売管理データベース425、及びユーザ管理データベース426等が構築される。
【0039】
UAV管理データベース421は、UAV1に関する情報を管理するためのデータベースである。UAV管理データベース421には、UAV1の機体ID、UAV1のバッテリ容量(上限値)、及びUAV1の現在位置等がUAV1(機体ID)ごとに対応付けられて格納(登録)される。UAV1の現在位置は、UAV1からの位置情報に基づき適宜更新される。UGV管理データベース422は、UGV2に関する情報を管理するためのデータベースである。UGV管理データベース422には、UGV2の機体ID、UGV2のバッテリ容量、及びUGV2の現在位置等がUGV2(機体ID)ごとに対応付けられて格納される。UGV2の現在位置は、UGV2からの位置情報に基づき適宜更新される。
【0040】
配送管理データベース423は、配送依頼品の配送に関する情報を管理するためのデータベースである。配送管理データベース423には、配送に用いられるUV(UAV1またはUGV2)の機体情報、及び配送計画情報等がUVごとに対応付けられて格納される。ここで、機体情報には、UVの機体ID等が含まれる。配送計画情報には、上述したように、配送依頼品の物品情報、配送先の位置情報、配送経路、及び配送予定日付を含む配送スケジュール等が含まれる。なお、配送依頼品が例えばECサイトで注文された商品である場合、配送計画情報には、当該配送依頼品を取り扱う店舗の店舗情報が含まれる。
【0041】
配送依頼品の物品情報には、当該配送依頼品の物品ID、当該配送依頼品の名称、当該配送依頼品の数量、及び当該配送依頼品の属性等が含まれる。配送依頼品の物品IDは、配送依頼品を識別するための識別情報である。配送依頼品の属性は、例えば、当該配送依頼品の種類(カテゴリ)と当該配送依頼品のスペック(諸元)とのうち少なくとも何れか一方を示す。かかるスペックには、サイズ(幅×奥行×高さ)が含まれるとよい。配送依頼品の種類としては、食品、アルコール飲料(酒)、ベビー用品、日用品、化粧品、書籍等が挙げられる。なお、1台のUAV1によって、異なる複数の配送先のそれぞれへ配送依頼品が配送される場合、それぞれの配送依頼品の物品情報、及びそれぞれの配送先の位置情報が配送計画情報に含まれる。
【0042】
商品管理データベース424は、商品(移動販売品を含む)に関する情報を管理するためのデータベースである。商品管理データベース424には、商品の物品情報、及び当該商品を取り扱う店舗の店舗情報等が商品ごとに対応付けられて格納される。ここで、商品の物品情報には、当該商品の物品ID、当該商品の名称、当該商品の販売価格、当該商品の在庫、及び当該商品の属性等が含まれる。当該商品を取り扱う店舗が複数ある場合、それぞれの店舗ごとに店舗情報が格納される。商品の属性は、例えば、当該商品の種類と当該商品のスペックとのうち少なくとも何れか一方を示す。
【0043】
移動販売管理データベース425は、移動販売品の移動販売に関する情報を管理するためのデータベースである。移動販売管理データベース425には、移動販売に用いられるUVの機体情報、及び移動販売計画情報等がUVごとに対応付けられて格納される。ここで、移動販売計画情報には、上述したように、移動販売品の物品情報、販売エリアの位置情報、移動販売予定日付を含む移動販売スケジュール、及びUVの初期設定された移動方法等が含まれる。移動販売品の物品情報には、当該移動販売品の物品ID、当該移動販売品の名称、当該移動販売品の販売価格、当該移動販売品の数量、及び当該移動販売品の属性等が含まれる。移動販売計画情報には、移動販売品を取り扱う店舗の店舗情報が含まれてもよい。なお、1台のUVに異なる複数の移動販売品が積載される場合、それぞれの移動販売品の物品情報が移動販売計画情報に含まれる。
【0044】
ユーザ管理データベース426は、ユーザ端末3のユーザに関する情報を管理するためのデータベースである。ユーザ管理データベース426には、ユーザ端末3のユーザのユーザID、パスワード、氏名、人属性、住所(または居所)、電話番号、メールアドレス、ユーザランク(ユーザ属性)、商品購入(注文)履歴、お気に入り商品登録履歴、及び決済用情報等がユーザ(ユーザID)ごと対応付けられて格納される。ここで、ユーザIDは、ユーザを識別するための識別情報であり、パスワードとともにユーザのログイン(認証)のために用いられる。人属性には、例えば、年齢層、性別、家族構成等が含まれる。住所(または居所)は、ユーザにより予め登録された所在地情報の一例である。なお、所在地情報は、ユーザが勤務する建物の場所であってもよい。
【0045】
ユーザランクは、例えば、Aランク、Bランク、Cランクというように複数に区分されており、例えば、商品の注文頻度が高いほどまたは注文総額が大きいほど高いランク(例えば、Aランクが最も高い)に設定される。例えば、ユーザランクが基準ランク(例えば、Bランク)より高いユーザを、以下、「ヘビーユーザ」といい、ヘビーユーザ以外のユーザを、「通常ユーザ」という。商品購入履歴には、例えばECサイトまたは移動販売においてユーザにより購入された商品の物品ID及び購入(注文)日付が含まれる。商品購入履歴は、ユーザランクを設定するために利用することができる。お気に入り商品登録履歴には、例えばECサイトにおいてユーザによりお気に入り登録された商品の物品ID及び登録日付が含まれる。決済用情報は、ユーザが注文した移動販売品の決済処理に用いられる情報である。決済用情報には、ユーザにより指定された決済方法に応じた情報が含まれる。利用可能な決済方法の例として、クレジット決済、UID決済(例えば、スマートフォン決済)、電子マネー決済、即時引落決済、及びポイント決済等が挙げられる。
【0046】
制御部43は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。図7は、制御部43における機能ブロック例を示す図である。制御部43は、例えばROMまたは記憶部42に記憶されたプログラム(プログラムコード群)に従って、図7に示すように、操作状況特定部431(特定部の一例)、機体移動制御部432(移動制御部の一例)、及び移動販売管理部433等として機能する。
【0047】
操作状況特定部431は、移動販売品の移動販売を行うためにUVが移動(一時停止を含む)しているときに(例えば、販売エリア内に存在(位置)するとき、または販売エリアに向けて移動しているときに)、当該販売エリア内のユーザが使用するユーザ端末3における操作状況であって、当該移動販売品(つまり、当該UVに積載されている商品)に対するユーザの操作状況を特定する。かかる操作状況は、ユーザ端末3から通信部41を介して取得された操作情報に基づいて特定することができる。販売エリア内に複数のユーザが存在する場合、操作状況特定部431は、当該販売エリア内の複数のユーザのそれぞれが使用するユーザ端末3における当該ユーザのそれぞれの操作状況を特定する。また、かかる操作状況は、例えば、ユーザが移動して販売エリア内に入ってから(或いは、ユーザが販売エリアに入る直前(例えば、所定距離手前から))移動販売品の注文確定までにおいて複数の段階に区分される。このような段階を注文レベルともいい、移動販売品の注文確定に近い(換言すると、注文確定に至り易い)段階ほど、注文レベルが高くなる。なお、注文レベルの高さは、例えば数値で表され、当該数値が大きいほど注文レベルが高いということができる。
【0048】
例えば、移動販売品に対するユーザの操作状況は、店舗閲覧操作の実行前の段階(注文レベル“0”)、店舗閲覧操作の実行から商品閲覧操作の実行前の段階(注文レベル“1”)、商品閲覧操作の実行から買い物かご登録操作の実行前の段階(注文レベル“2”)、買い物かご登録操作の実行から注文手続操作の実行前の段階(注文レベル“3”)、注文手続操作の実行から注文確定操作の実行前の段階(注文レベル“4”)等に区分される。ここで、注文レベル“0”は、移動販売品に対するユーザの操作が無いという状況であり、移動販売サイトにアクセスしているか否かを問わない。なお、注文レベル“0”は、UVの移動経路上(当該移動経路の近傍範囲を含む)にユーザが存在するか否かによりさらに区分されてもよい。例えば、注文レベル“0-1”、注文レベル“0-2”というように区分される。注文レベル“1”は、店舗画面の表示中(換言すると、店舗ページにアクセス中)という状況である。注文レベル“2”は、商品画面の表示中(換言すると、商品ページにアクセス中)という状況である。注文レベル“3”は、買い物かごに移動販売品が登録中という状況である。注文レベル“4”は、注文手続画面の表示中(換言すると、注文手続ページにアクセス中)という状況である。また、移動販売品に対するユーザの操作状況は、注文用アプリケーションまたはウェブブラウザにより移動販売サイトにアクセスするための操作や移動販売サイトを閲覧するための操作に基づいてさらに区分されてもよい。
【0049】
なお、販売エリア内のユーザとは、当該販売エリア内に存在するユーザである。販売エリア内に存在するか否かは、販売エリアの位置情報と当該ユーザの現在位置とから判定される。ユーザの現在位置は、ユーザ端末3から通信部41を介して取得された位置情報に基づいて特定されるとよい。或いは、ユーザの現在位置は、ユーザにより予め登録された所在地情報に基づいて特定されてもよい。かかる所在地情報は、ユーザ管理データベース426から取得することができる。
【0050】
機体移動制御部432は、操作状況特定部431により特定された操作状況に基づいて、移動販売を行うためのUVの移動制御を実行する。かかる移動制御は、上述したように、UVの移動方法を含む移動制御情報が通信部41を介してUVへ送信されることで行われる。例えば、機体移動制御部432は、操作状況特定部431により特定された操作状況(つまり、移動販売品に対するユーザの操作状況)に応じた移動方法を決定し、当該決定した移動方法でUVを移動させる。ここで、複数の移動方法の候補のうちから何れか一つの移動方法が選択されることで移動方法が決定されてもよい。また、予め設定された移動方法がユーザの操作状況に応じて調整(変更)されることで移動方法が決定されてもよい。
【0051】
なお、移動販売品に対するユーザの操作状況に応じた移動方法とは、当該ユーザの操作状況に応じて、UVの移動速度とUVの移動経路のうち少なくとも何れか一方が変化することを意味する。例えば、機体移動制御部432は、移動販売品の注文確定に近い段階(つまり、注文レベルが高い)ほど、遅い移動速度でUVに移動させる。これにより、移動販売品の注文機会を増やすことができ、移動販売を促進することができる。なお、UVを遅い速度に変えるタイミングは、当該ユーザの操作状況の変化が検出された時点であってもよいし、当該ユーザの近くにUVが到達(例えば、当該ユーザから所定距離を離れた地点に到達)した時点であってもよい。また、機体移動制御部432は、移動販売品の注文確定に近い段階ほど、ユーザの現在位置に近い移動経路に沿ってUVに移動させる。これによっても、移動販売品の注文機会を増やすことができ、移動販売を促進することができる。或いは、機体移動制御部432は、移動販売品の注文確定に近い段階ほど、ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って、且つ遅い移動速度でUVに移動させる。これにより、移動販売品の注文機会を、より一層増やすことができ、移動販売を促進することができる。なお、UVの移動経路は、UVのバッテリ容量からの減少量(移動距離に応じた減少量)が所定割合以上にならないように設定されるとよい。
【0052】
また、販売エリア内に複数のユーザが存在する場合、機体移動制御部432は、当該複数のユーザのうち、移動販売品の注文確定に相対的に近い(例えば、最も近い)段階にあるユーザの操作状況に基づいて、移動販売を行うためのUVの移動制御を実行するとよい。これにより、移動販売品の注文確定の可能性を高めることができ、移動販売を促進することができる。或いは、機体移動制御部432は、販売エリア内の複数のユーザのうち、ユーザランクが相対的に高いユーザ(例えば、ヘビーユーザ)の操作状況に基づいて、移動販売を行うためのUVの移動制御を実行してもよい。これによっても、移動販売品の注文確定の可能性を高めることができ、移動販売を促進することができる。また、販売エリア内の複数のユーザの中に複数のヘビーユーザが含まれる場合、当該複数のヘビーユーザのうち、移動販売品の注文確定に最も近い段階にあるヘビーユーザの操作状況に基づいて、移動販売を行うためのUVの移動制御を実行するとよい。
【0053】
なお、機体移動制御部432は、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きいユーザ(例えば、ヘビーユーザ)ほど、遅い移動速度でUVを移動させるとよい。これにより、移動販売品の注文確定の可能性を、より一層高めることができ、移動販売を促進することができる。また、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きいユーザ(例えば、ヘビーユーザ)ほど、当該ユーザの現在位置に近い移動経路に沿ってUVを移動させてもよい。これによっても、移動販売品の注文確定の可能性を、より一層高めることができ、移動販売を促進することができる。
【0054】
図8は、移動販売品に対するユーザの操作状況、注文レベル、及びUAV1の移動速度との対応関係の一例をユーザ属性ごとに示す図である。図8の例では、販売エリア内の通常ユーザ(UAV1の移動経路上に存在しない)の店舗閲覧操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動速度“13m/s(通常速度)”が対応付けられている。また、販売エリア内の通常ユーザ(UAV1の移動経路上に存在する)の店舗閲覧操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動速度“10m/s”が対応付けられている。また、販売エリア内の通常ユーザの店舗閲覧操作の実行から商品閲覧操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動速度“8m/s”が対応付けられている。このように、移動販売品の注文確定に近い段階(つまり、注文レベルが高い)ほど、UAV1の移動速度が低下するようになっている。一方、販売エリア内のヘビーユーザ(UAV1の移動経路上に存在する)の店舗閲覧操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動速度“8m/s”が対応付けられている。また、販売エリア内のヘビーユーザの店舗閲覧操作の実行から商品閲覧操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動速度“7m/s”が対応付けられている。このように、通常ユーザの操作状況に基づき決定される移動速度よりもヘビーユーザの操作状況に基づき決定される移動速度が遅くなっている。
【0055】
図9は、移動販売品に対するユーザの操作状況、注文レベル、及びUAV1の移動経路との対応関係の一例を示す図である。図9の例では、販売エリア内のユーザの店舗閲覧操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動経路“R0(通常ルート)”が対応付けられている。また、販売エリア内のユーザの店舗閲覧操作の実行から商品閲覧操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動経路“R1”が対応付けられている。また、販売エリア内のユーザの商品閲覧操作の実行から買い物かご登録操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動経路“R2”が対応付けられている。また、販売エリア内のユーザの買い物かご登録操作の実行から注文手続操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動経路“R3”が対応付けられている。また、販売エリア内のユーザの注文手続操作の実行から注文確定操作の実行前の段階に対して、UAV1の移動経路“R4”が対応付けられている。このように、移動販売品の注文確定に近い段階(つまり、注文レベルが高い)ほど、UAV1の移動経路がユーザの現在位置に近づく(通常ルートに対して遠回りする)ようになっている。
【0056】
なお、機体移動制御部432は、販売エリア内の複数のユーザのうち、移動販売を行うためのUVの現在位置に最も近い(時間的または距離的に近い)ユーザの操作状況に基づいてUVの移動制御を行ってもよい。また、機体移動制御部432は、販売エリア内の複数のユーザのうち、移動販売を行うためのUVの移動経路に最も近い(時間的または距離的に近い)ユーザの操作状況に基づいてUVの移動制御を行ってもよい。また、機体移動制御部432は、販売エリア内の複数のユーザのうち、UVに積載されている移動販売品の属性に応じた人属性を有するユーザの操作状況に基づいてUVの移動制御を行ってもよい。例えば、移動販売品が女性用の商品である場合、女性のユーザの操作状況に基づいてUVの移動制御が行われてもよい。或いは、移動販売品が若年層に人気のある商品である場合、若年層のユーザの操作状況に基づいてUVの移動制御が行われてもよい。
【0057】
移動販売管理部433は、移動販売のために移動するUVの現在位置、及び当該UVに積載されている移動販売品を管理(在庫管理を含む)する。また、移動販売管理部433は、移動販売サイトへアクセスしているユーザ端末3へUVに積載されている移動販売品のうち注文可能な移動販売品の物品情報を、通信部41を介して送信する。これにより、ユーザ端末3には注文可能な移動販売品の物品情報が表示される。また、移動販売管理部433は、移動販売のために移動するUVの販売エリア内に存在するユーザに対して、当該UVがユーザの近くに存在することを示すメッセージを通知するとよい。或いは、移動販売管理部433は、移動販売のために移動するUVの移動経路上(当該移動経路の近傍範囲を含む)、または当該UVの現在位置から所定距離(例えば、50m~100m)内に存在するユーザに対して、当該UVがユーザの近くに存在することを示すメッセージを通知してもよい。なお、メッセージの通知は、ユーザのメールアドレス宛に電子メールが送信されることで行われてもよいし、ユーザの電話番号宛てにSMS(Short Message Service)によりメッセージが送信されることで行われてもよい。或いは、メッセージは、例えばポップアップメッセージやお知らせ等で所定のアプリケーションやウェブサイトを経由して発信されてもよい。
【0058】
また、移動販売管理部433は、ユーザの注文確定操作の実行に応じてユーザ端末3から送信された注文要求を、通信部41を介して受け付け、当該注文要求に応じて決済処理を実行する。ここで、注文要求には、例えば、ユーザ端末3のユーザのユーザID、当該ユーザにより注文された移動販売品の物品ID、注文数量、及び当該ユーザにより指定された決済方法等が含まれる。決済処理は、ユーザにより指定された決済方法に対応する決済用情報、当該ユーザにより注文された移動販売品の販売価格及び数量に基づいて実行される。これにより、移動販売品の注文が確定する。移動販売品の注文が確定すると、当該移動販売品を注文したユーザの現在位置へ移動させる移動制御情報が、当該移動販売品を積載するUVへ通信部41を介して送信されることになる。かかる移動制御情報には、例えば、移動販売品を注文したユーザの現在位置を示す位置情報が含まれる。これにより、移動販売品を積載するUVは、ユーザの現在位置まで移動し、当該ユーザへ移動販売品を提供することができる。
【0059】
2.移動制御システムSの動作
次に、移動制御システムSの動作例について、実施例1と実施例2に分けて説明する。実施例1は、UVにより配送依頼品の配送と移動販売品の移動販売とが行われる場合の動作例である。実施例2は、配送依頼品の配送とは無関係にUVにより移動販売品の移動販売だけが行われる場合の動作例である。
【0060】
(実施例1)
先ず、図10及び図11を参照して、実施例1における移動制御システムSの動作について説明する。図10は、UVにより配送依頼品の配送及び移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。図11は、図10のステップ11における移動販売制御処理の具体例を示すフローチャートである。
【0061】
図10において、情報処理サーバ4は、所定のサーバからの配送依頼情報を受信すると、当該配送依頼情報等に基づいて配送計画情報及び移動販売計画情報を作成する(ステップS1)。なお、配送計画情報には、配送依頼品の物品情報、配送先の位置情報、配送経路、配送予定日付、及び配送依頼品を取り扱う店舗の店舗情報等が含まれる。また、移動販売計画情報の作成において、配送及び移動販売のために選定されたUVの移動方法(例えば、移動経路及び移動速度を含む)、販売エリア、及び移動販売品が設定される。ここで、情報処理サーバ4は、例えば、UVが配送先から帰還拠点までの復路(例えば、最短ルート)を、UVの移動経路として設定(初期設定)するとよい。また、情報処理サーバ4は、配送経路に対応するエリアを販売エリアとして設定するとよい。また、情報処理サーバ4は、少なくとも初期設定された移動経路を含み、その後の経路変更に対応可能な所定の広さを有するエリアを、販売エリアとして設定するとよい。
【0062】
また、情報処理サーバ4は、販売エリア内に存在する施設の情報、または販売エリア内に存在するユーザの情報に基づいて移動販売品を設定するとよい。例えば、販売エリア内に存在する施設を利用する人の人属性(例えば、女性)に応じた商品(例えば、移動販売品が女性用の商品)、または販売エリア内に存在するユーザの人属性に応じた商品が移動販売品として設定される。販売エリア内の複数のユーザが存在する場合、最も多い人属性に応じた商品が移動販売品として設定されるとよい。また、情報処理サーバ4は、販売エリア内に存在するユーザの購入傾向(例えば、購入された商品)に基づいて移動販売品を設定してもよい。販売エリア内の複数のユーザが存在する場合、最も多くのユーザに購入された商品に基づいて移動販売品が設定されるとよい。なお、ユーザの購入傾向は、販売エリア内に存在するユーザの商品購入履歴に基づいて特定することができる。また、情報処理サーバ4は、配送依頼品の属性に応じた商品を移動販売品として設定してもよい。
【0063】
次いで、情報処理サーバ4は、ステップS1で作成された配送計画情報及び移動販売計画情報を、配送及び移動販売のために選定されたUV(UAV1、またはUGV2)へ送信する(ステップS2)。UVは、情報処理サーバ4からの配送計画情報及び移動販売計画情報を受信すると、当該配送計画情報に従って配送依頼品の配送を開始(つまり、出発拠点から出発)する(ステップS3)。次いで、UVは、配送計画情報に示される店舗に到着すると(ステップS4)、当該配送計画情報に示される配送依頼品を積み込むとともに移動販売計画情報に示される移動販売品を積み込む(ステップS5)。
【0064】
次いで、UVは、店舗を出発し(ステップS6)、配送先に到着すると(ステップS7)、物品受け渡し制御を行うことで、配送依頼品を受取人に提供する(ステップS8)。次いで、UVは、配送依頼品の配送完了を示す配送完了情報を情報処理サーバ4へ送信し(ステップS9)、移動販売計画情報に示される移動経路に沿って移動しながら移動販売を開始する(ステップS10)。情報処理サーバ4は、UVからの配送完了情報を受信すると、移動販売制御処理を実行する(ステップS11)。なお、移動販売制御処理の具体例については後述する。
【0065】
次いで、UVは、情報処理サーバ4からの移動制御情報を受信すると、当該移動制御情報に従って移動しながら移動販売を継続する(ステップS12)。次いで、UVは、帰還拠点に到達したか否かを判定する(ステップS13)。帰還拠点に到達していないと判定された場合(ステップS13:NO)、処理はステップS12へ戻る。一方、帰還拠点に到達したと判定された場合(ステップS13:YES)、移動販売の終了を示す移動販売終了情報が情報処理サーバ4へ送信される(ステップS14)。なお、UVは、出発拠点とは異なる場所にある帰還拠点に帰還してもよい。
【0066】
次に、図11を参照して、ステップS11における移動販売制御処理の具体例について説明する。移動販売制御処理では、図11に示すように、情報処理サーバ4の制御部43は、移動販売計画情報に示される販売エリア内にユーザ(移動販売サイトへアクセスしているユーザ端末3のユーザ)が存在するか否かを判定する(ステップS111)。なお、販売エリア内にユーザが存在するか否かは、移動販売計画情報に示される販売エリアの位置情報と、移動販売サイトへアクセスしているユーザ端末3からの位置情報とに基づいて判定される。或いは、販売エリア内にユーザが存在するか否かは、販売エリアの位置情報と、移動販売サイトへアクセスしているユーザ端末3のユーザにより予め登録された所在地情報とに基づいて判定される。或いは、販売エリア内にユーザが存在するか否かは、ユーザ端末3による移動販売サイトへのアクセスの有無を判定せずに、移動販売計画情報に示される販売エリアの位置情報と、ユーザ端末3からの位置情報とに基づいて判定されてもよい。
【0067】
販売エリア内にユーザが存在しないと判定された場合(ステップS111:NO)、処理はステップS112へ進む。一方、販売エリア内にユーザが存在すると判定された場合(ステップS111:YES)、処理はステップS113へ進む。ステップS112では、制御部43は、UVから移動販売終了情報が受信されたか否かを判定する。UVから移動販売終了情報が受信されていないと判定された場合(ステップS112:NO)、処理はステップS111に戻る。一方、UVから移動販売終了情報が受信されたと判定された場合(ステップS112:YES)、図11に示す処理は終了する。
【0068】
ステップS113では、制御部43(操作状況特定部431)は、上述したように、販売エリア内に存在するユーザの操作状況(つまり、移動販売品に対する操作状況)を特定する。ここで、販売エリア内に複数のユーザが存在する場合、それぞれのユーザの操作状況が特定される。なお、こうして特定された操作状況は、これに対応するユーザのユーザ端末3からの操作情報に基づいて更新される。次いで、制御部43は、ステップS113で特定された操作状況の利用対象となる対象ユーザを特定する(ステップS114)。ステップS113において1人のユーザの操作状況が特定された場合、当該ユーザが対象ユーザとして特定される。
【0069】
一方、ステップS113において複数のユーザの操作状況が特定された場合、当該複数のユーザのうち、移動販売品の注文確定に最も近い段階にあるユーザが対象ユーザとして特定されるとよい。ここで、対象ユーザの特定にあたり、ユーザランクが相対的に高いユーザ(例えば、ヘビーユーザ)が優先されるとよい。例えば、通常ユーザの操作状況とヘビーユーザの操作状況が同一である(つまり、同一の注文レベルにある)場合、ヘビーユーザが対象ユーザとして特定される。なお、対象ユーザの特定にあたり、移動販売を行うUVの現在位置(または、UVの移動経路)から、上記操作状況が特定されたユーザの現在位置までの距離が相対的に短いユーザが優先されてもよい。或いは、対象ユーザの特定にあたり、UVに積載されている移動販売品の属性に応じた人属性を有するユーザが優先されてもよい。
【0070】
次いで、制御部43(機体移動制御部432)は、ステップS114で特定された操作状況に応じた移動方法を決定する(ステップS115)。例えば、移動販売品の注文確定に近い段階ほど、遅い移動速度が決定される。また、移動販売品の注文確定に近い段階ほど、対象ユーザの現在位置に近い移動経路が決定される。なお、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい対象ユーザ(例えば、ヘビーユーザ)ほど、遅い移動速度が決定されてもよい。また、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい対象ユーザ(例えば、ヘビーユーザ)ほど、当該対象ユーザの現在位置に近い移動経路が決定されてもよい。なお、ステップS115で決定される移動方法は、移動販売計画情報において初期設定されている移動方法と同一の場合もある。
【0071】
次いで、制御部43(機体移動制御部432)は、ステップS115で決定された移動方法を含む移動制御情報を、通信部41を介してUVへ送信する(ステップS116)。これにより、UVは、情報処理サーバ4からの移動制御情報を受信すると、当該移動制御情報に含まれる移動方法が前回取得された移動方法から変更されている場合、変更後の移動方法に従って移動することになる。次いで、制御部43は、対象ユーザの操作状況が変化したか否かを判定する(ステップS117)。対象ユーザの操作状況が変化したと判定された場合(ステップS117:YES)、処理はステップS115に戻る。一方、対象ユーザの操作状況が変化していないと判定された場合(ステップS117:NO)、処理はステップS118へ進む。
【0072】
ステップS118では、制御部43は、ユーザ端末3から注文要求が受信されたか否かを判定する。なお、当該注文要求を送信したユーザ端末3は、ステップS114で特定された対象ユーザであるとは限らない。ユーザ端末3から注文要求が受信されたと判定された場合(ステップS118:YES)、処理はステップS119へ進む。一方、ユーザ端末3から注文要求が受信されていないと判定された場合(ステップS118:NO)、処理はステップS121へ進む。
【0073】
ステップS119では、制御部43(移動販売管理部433)は、ステップS118で受信された注文要求に応じて決済処理を実行する。次いで、制御部43(機体移動制御部432)は、移動販売品を注文したユーザ(注文確定操作を行ったユーザ)の現在位置へ移動させる移動制御情報を、通信部41を介してUVへ送信し(ステップS120)、処理をステップS121へ進める。UVは、情報処理サーバ4からの移動制御情報に従って、ユーザの現在位置まで移動し、物品受け渡し制御を行うことで、注文された移動販売品をユーザに提供する。このとき、UVは、移動販売計画情報において、注文可能な移動販売品の物品情報(例えば、数量)を更新する。その後、UVは、移動販売を継続しつつ、帰還拠点に帰還することになる。
【0074】
ステップS121では、制御部43は、所定のリセット条件を満たすか否かを判定する。ここで、リセット条件とは、対象ユーザを再特定するための条件である。リセット条件の例として、対象ユーザのユーザ端末3からのアクセスが切断(例えば、注文用アプリケーションが終了)したこと、対象ユーザが販売エリアから出たこと、移動制御情報の送信から所定時間(例えば、数十分)が経過したこと、などが挙げられる。なお、対象ユーザよりもユーザランクが高いユーザの操作状況が、対象ユーザの操作状況よりも注文確定に近い段階になったことをリセット条件にしてもよい。
【0075】
所定のリセット条件を満たすと判定された場合(ステップS121:YES)、処理はステップS111に戻る。一方、所定のリセット条件を満たさないと判定された場合(ステップS121:NO)、処理はステップS122へ進む。ステップS122では、制御部43は、UVから移動販売終了情報が受信されたか否かを判定する。UVから移動販売終了情報が受信されていないと判定された場合(ステップS122:NO)、処理はステップS117に戻る。一方、UVから移動販売終了情報が受信されたと判定された場合(ステップS122:YES)、図11に示す処理は終了する。
【0076】
なお、上記動作例においては、配送依頼品の配送と移動販売品の移動販売とが同じのUV(1つのUV)により行われる場合を想定しているが、配送依頼品の配送と移動販売品の移動販売とが異なるUV(2つのUV)により行われてもよい。例えば、配送依頼品の配送がUAV1により行われ、移動販売品の移動販売がUGV2により行われる場合、情報処理サーバ4は、移動販売のために選定されたUGV2へも移動販売計画情報を送信する。UAV1は、配送先において配送依頼品を受取人に提供すると、配送先からUGV2との待ち合わせ場所(例えば、UGV拠点)へ移動する。そして、UAV1は、上記待ち合わせ場所に到着すると、物品受け渡し制御を行うことで、移動販売品をUGV2に提供する。UGV2は、UAV1から提供された移動販売品を積み込むと、移動販売計画情報に従って移動販売を開始する(ステップS10)。その後、上記と同様にステップS11~S14の処理が行われる。或いは、UGV2は、移動販売計画情報に含まれる店舗情報にしたがって移動販売品を取り扱う店舗へ移動し、当該店舗において移動販売品を積み込んでもよい。この場合、UAV1は、上記ステップS5において移動販売品を積み込む必要はない。
【0077】
(実施例2)
次に、図12を参照して、実施例2における移動制御システムSの動作について説明する。図12は、配送依頼品の配送とは無関係にUVにより移動販売品の移動販売が行われる場合の移動制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0078】
図12において、情報処理サーバ4は、例えば移動販売の管理者からの指示に応じて移動販売計画情報を作成する(ステップS21)。なお、移動販売計画情報には、移動販売品の物品情報、販売エリアの位置情報、移動販売予定日付を含む移動販売スケジュール、UVの初期設定された移動方法、及び移動販売品を取り扱う店舗の店舗情報等が含まれる。かかる移動販売計画情報の作成において、移動販売のために選定されたUVの移動方法、販売エリア、及び移動販売品が設定される。ここで、情報処理サーバ4は、例えば、事前に決定された移動経路を、UVの移動経路として設定(初期設定)するとよい。また、情報処理サーバ4は、UV拠点(UAV拠点またはUGV拠点)の管轄エリアを販売エリアとして設定するとよい。また、情報処理サーバ4は、実施例1と同様、少なくとも初期設定された移動経路を含み、その後の経路変更に対応可能な所定の広さを有するエリアを、販売エリアとして設定するとよい。また、情報処理サーバ4は、実施例1と同様、販売エリア内に存在する施設の情報、または販売エリア内に存在するユーザの情報に基づいて移動販売品を設定するとよい。
【0079】
次いで、情報処理サーバ4は、ステップS21で作成された移動販売計画情報を、移動販売のために選定されたUV(UAV1、またはUGV2)へ送信する(ステップS22)。UVは、情報処理サーバ4からの移動販売計画情報を受信すると、当該移動販売計画情報に示される店舗へ移動する。そして、UVは、当該店舗に到着すると(ステップS23)、当該移動販売計画情報に示される移動販売品を積み込む(ステップS24)。
【0080】
次いで、UVは、移動販売計画情報に従って移動販売品の移動販売を開始し(ステップS25)、移動販売の開始を示す移動販売開始情報を情報処理サーバ4へ送信する(ステップS26)。情報処理サーバ4は、UVからの移動販売開始情報を受信すると、移動販売制御処理を実行する(ステップS27)。かかる移動販売制御処理には、実施例1と同様、図11に示す移動販売制御処理を適用することができる。そして、UVは、情報処理サーバ4からの移動制御情報を受信すると、実施例1と同様、当該移動制御情報に従って移動しながら移動販売を継続する(ステップS28)。
【0081】
次いで、UVは、移動販売を終了するか否かを判定する(ステップS29)。例えば、移動経路に沿った移動が完了したか、或いは移動販売の終了時刻が到来した場合、移動販売を終了すると判定される。移動販売を終了しないと判定された場合(ステップS29:NO)、処理はステップS28へ戻る。一方、移動販売を終了すると判定された場合(ステップS29:YES)、移動販売の終了を示す移動販売終了情報が情報処理サーバ4へ送信される(ステップS30)。
【0082】
以上説明したように、上記実施形態によれば、移動制御システムSは、移動販売品の移動販売を行うためのUVが販売エリア内に位置するときに(例えば、販売エリア内を移動中に)、当該販売エリア内のユーザのユーザ端末3における操作状況であって、移動販売品に対する当該ユーザの操作状況を特定し、当該特定された操作状況に基づいて、UVの移動制御を行うように構成したので、当該移動販売品に対する関心度をリアルタイムに見極めることが可能となり、効率良くUVの移動制御を行うことができる。
【0083】
なお、上記実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。上記実施形態において、移動販売を行うUVは、情報処理サーバ4に代えて、操作状況特定部431及び機体移動制御部432として機能するように構成してもよい。この場合、UVの制御部(16または26)は、ユーザ端末3の現在位置を示す位置情報及び移動販売品に対するユーザの操作を示す操作情報を、通信ネットワークNWを介してユーザ端末3(または、情報処理サーバ4)から受信する。そして、制御部(16または26)は、受信した操作情報に基づいて、販売エリア内のユーザの移動販売品に対する操作状況を特定し、当該特定された操作状況に基づいて、当該UVの移動制御を行う。また、上記実施形態においては、配送依頼品の配送を行うUVが店舗において配送依頼品を積み込む例を示したが、これに代えて、配送依頼品の配送を行うUVが出発拠点において配送依頼品を積み込むように構成してもよい。また、上記実施形態においては、移動販売を行うUVが店舗において移動販売品を積み込む例を示したが、これに代えて、当該UVが出発拠点において移動販売品を積み込むように構成してもよい。
【0084】
<付記>
[1]本開示に係る制御装置は、商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定する特定部と、前記ユーザの操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行う移動制御部と、を備えることを特徴とする。これにより、移動販売の対象となる商品に対する関心度をリアルタイムに見極めることが可能となり、効率良く無人機の移動制御を行うことができる。
【0085】
[2]上記[1]に記載の制御装置において、前記移動制御部は、前記ユーザの操作状況に応じた移動方法を決定し、当該決定された移動方法で前記無人機を移動させることを特徴とする。これにより、より効率良く無人機の移動制御を行うことができる。
【0086】
[3]上記[2]に記載の制御装置において、前記移動方法には、前記無人機の移動速度と前記無人機の移動経路のうち少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする。
【0087】
[4]上記[1]乃至[3]の何れか一つに記載の制御装置において、前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、前記移動制御部は、前記商品の注文確定に近い段階ほど、遅い移動速度で前記無人機を移動させることを特徴とする。これにより、商品の注文機会を増やすことができ、移動販売を促進することができる。
【0088】
[5]上記[1]乃至[3]の何れか一つに記載の制御装置において、前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、前記移動制御部は、前記商品の注文確定に近い段階ほど、前記ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って前記無人機を移動させることを特徴とする。これにより、商品の注文機会を増やすことができ、移動販売を促進することができる。
【0089】
[6]上記[1]乃至[3]の何れか一つに記載の制御装置において、前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までの間において複数の段階に区分され、前記移動制御部は、前記商品の注文確定に近い段階ほど、前記ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って、且つ遅い移動速度で前記無人機を移動させることを特徴とする。これにより、商品の注文機会を、より一層増やすことができ、移動販売を促進することができる。
【0090】
[7]上記[1]乃至[6]の何れか一つに記載の制御装置において、前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、前記特定部は、前記販売エリア内の複数のユーザのそれぞれが使用する端末における前記ユーザの操作状況を特定し、前記移動制御部は、前記複数のユーザのうち、前記商品の注文確定に相対的に近い段階にある前記ユーザの操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うことを特徴とする。これにより、商品の注文確定の可能性を高めることができ、移動販売を促進することができる。
【0091】
[8]上記[1]乃至[7]の何れか一つに記載の制御装置において、前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、前記特定部は、前記販売エリア内の複数のユーザのそれぞれが使用する端末における前記ユーザの操作状況を特定し、前記移動制御部は、前記複数のユーザのうち、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい前記ユーザの操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うことを特徴とする。これにより、商品の注文確定の可能性を高めることができ、移動販売を促進することができる。
【0092】
[9]上記[7]または[8]に記載の制御装置において、前記移動制御部は、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい前記ユーザほど、遅い移動速度で前記無人機を移動させることを特徴とする。これにより、商品の注文確定の可能性を、より一層高めることができ、移動販売を促進することができる。
【0093】
[10]上記[7]または[8]に記載の制御装置において、前記移動制御部は、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい前記ユーザほど、当該ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って前記無人機を移動させることを特徴とする。これにより、商品の注文確定の可能性を、より一層高めることができ、移動販売を促進することができる。
【0094】
[11]上記[5]または[6]に記載の制御装置において、前記移動制御部は、前記端末により検出された現在位置を示す位置情報であって、前記端末から取得された前記位置情報に基づいて、前記ユーザの現在位置を特定することを特徴とする。
【0095】
[12]上記[5]または[6]に記載の制御装置において、前記移動制御部は、前記ユーザにより予め登録された所在地情報に基づいて、前記ユーザの現在位置を特定することを特徴とする。
【0096】
[13]本開示に係る移動制御方法は、1または複数のコンピュータにより実行される移動制御方法であって、商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定するステップと、前記操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0097】
[14]本開示に係るプログラムは、商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定するステップと、前記操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【符号の説明】
【0098】
1 UAV
2 UGV
3 ユーザ端末
4 情報処理サーバ
11 駆動部
12 測位部
13 通信部
14 センサ部
15 記憶部
16 制御部
21 駆動部
22 測位部
23 通信部
24 センサ部
25 記憶部
26 制御部
31 操作・表示部
32 GPS受信機
33 通信部
34 記憶部
35 制御部
41 通信部
42 記憶部
43 制御部
431 操作状況特定部
432 機体移動制御部
433 移動販売管理部
S 移動制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定する特定部と、
前記ユーザの操作状況と、前記端末により検出された現在位置を示す位置情報または前記ユーザにより予め登録された所在地情報とに基づいて、前記無人機の移動制御を行う移動制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記移動制御部は、前記ユーザの操作状況に応じた移動方法を決定し、当該決定された移動方法で前記無人機を移動させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記移動方法には、前記無人機の移動速度と前記無人機の移動経路のうち少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、
前記移動制御部は、前記商品の注文確定に近い段階ほど、遅い移動速度で前記無人機を移動させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、
前記移動制御部は、前記商品の注文確定に近い段階ほど、前記ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って前記無人機を移動させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までの間において複数の段階に区分され、
前記移動制御部は、前記商品の注文確定に近い段階ほど、前記ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って、且つ遅い移動速度で前記無人機を移動させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、
前記特定部は、前記販売エリア内の複数のユーザのそれぞれが使用する端末における前記ユーザの操作状況を特定し、
前記移動制御部は、前記複数のユーザのうち、前記商品の注文確定に相対的に近い段階にある前記ユーザの操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記ユーザの操作状況は、前記商品の注文確定までにおいて複数の段階に区分され、
前記特定部は、前記販売エリア内の複数のユーザのそれぞれが使用する端末における前記ユーザの操作状況を特定し、
前記移動制御部は、前記複数のユーザのうち、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい前記ユーザの操作状況に基づいて、前記無人機の移動制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記移動制御部は、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい前記ユーザほど、遅い移動速度で前記無人機を移動させることを特徴とする請求項7または8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記移動制御部は、商品の注文頻度が相対的に高いまたは注文総額が相対的に大きい前記ユーザほど、当該ユーザの現在位置に近い移動経路に沿って前記無人機を移動させることを特徴とする請求項7または8に記載の制御装置。
【請求項11】
前記移動制御部は、前記端末により検出された現在位置を示す位置情報であって、前記端末から取得された前記位置情報に基づいて、前記ユーザの現在位置を特定することを特徴とする請求項5または6に記載の制御装置。
【請求項12】
前記移動制御部は、前記ユーザにより予め登録された所在地情報に基づいて、前記ユーザの現在位置を特定することを特徴とする請求項5または6に記載の制御装置。
【請求項13】
1または複数のコンピュータにより実行される移動制御方法であって、
商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定するステップと、
前記商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、前記端末により検出された現在位置を示す位置情報または前記ユーザにより予め登録された所在地情報を取得するステップと、
前記操作状況と、前記位置情報または前記所在地情報とに基づいて、前記無人機の移動制御を行うステップと、
を含むことを特徴とする無人機の移動制御方法。
【請求項14】
商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、販売エリア内のユーザが使用する端末における操作状況であって、前記商品に対する前記ユーザの操作状況を特定するステップと、
前記商品の移動販売を行うために無人機が移動しているときに、前記端末により検出された現在位置を示す位置情報または前記ユーザにより予め登録された所在地情報を取得するステップと、
前記操作状況と、前記位置情報または前記所在地情報とに基づいて、前記無人機の移動制御を行うステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。