(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172210
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/20 20230101AFI20241205BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20241205BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20241205BHJP
H10B 43/23 20230101ALI20241205BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20241205BHJP
H10B 43/40 20230101ALI20241205BHJP
H10B 43/30 20230101ALI20241205BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20241205BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241205BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20241205BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H10B43/20
H01L27/00 301B
H01L27/00 301C
H01L27/00 301A
H01L21/02 B
H10B43/23
H10B43/27
H10B43/40
H10B43/30
H10B43/50
H01L29/78 371
H01L25/08 E
H01L21/88 Z
H01L21/88 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089773
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀井 良之
(72)【発明者】
【氏名】和田 秀雄
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH08
5F033JJ01
5F033KK04
5F033KK19
5F033KK33
5F033NN07
5F033NN15
5F033PP06
5F033QQ13
5F033RR04
5F033RR06
5F033VV12
5F033VV16
5F083EP17
5F083EP18
5F083EP22
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5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
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5F083EP76
5F083ER02
5F083ER03
5F083ER22
5F083GA10
5F083GA17
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5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
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5F083LA25
5F083MA01
5F083MA15
5F083PR03
5F083PR21
5F083PR28
5F083ZA23
5F083ZA24
5F101BA42
5F101BA44
5F101BA46
5F101BB02
5F101BB08
5F101BC01
5F101BC02
5F101BC11
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
(57)【要約】
【課題】好適に製造可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、基板と、第1配線層と、第2配線層と、メモリセルアレイ層と、第1絶縁層とを備える。メモリセルアレイ層は、第1方向に並ぶ複数の第1導電層と、複数の第1導電層と対向する第1半導体層と、複数の第1導電層と第1半導体層との間に設けられた第1電荷蓄積層と、第1方向に延伸する第1及び第2コンタクトとを備える。第2配線層は、第1半導体層の一端に接続された第2導電層を備える。第1配線層は、第1及び第2コンタクトに接続された第1及び第2電極を備える。第1及び第2電極の基板側の面の少なくとも一部は、第1方向において、第2導電層の基板と反対側の面よりも、基板に近い。第1電極の基板と反対側の面は、第1絶縁層によって覆われない領域を備える。第2電極の基板と反対側の面は、第1絶縁層によって、全面が覆われている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
第1配線層と、
前記基板と前記第1配線層との間に設けられた第2配線層と、
前記基板と前記第2配線層との間に設けられたメモリセルアレイ層と、
前記第1配線層に対して前記基板と反対側に設けられた第1絶縁層と
を備え、
前記メモリセルアレイ層は、
前記基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数の第1導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記複数の第1導電層と対向する第1半導体層と、
前記複数の第1導電層と前記第1半導体層との間に設けられた第1電荷蓄積層と、
前記第1方向に延伸する第1コンタクトと、
前記第1方向に延伸する第2コンタクトと
を備え、
前記第2配線層は、
前記第1半導体層の一端に電気的に接続された第2導電層
を備え、
前記第1配線層は、
前記第1コンタクトに電気的に接続された第1電極と、
前記第2コンタクトに電気的に接続された第2電極と
を備え、
前記第1電極の前記基板側の面の少なくとも一部、及び、前記第2電極の前記基板側の面の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記第2導電層の前記基板と反対側の面よりも、前記基板に近く、
前記第1電極の前記基板と反対側の面は、前記第1絶縁層によって覆われない領域を備え、
前記第2電極の前記基板と反対側の面は、前記第1絶縁層によって、全面が覆われている
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ第1メモリプレーン及び第2メモリプレーンを含み、
前記第1メモリプレーンにおいて、前記メモリセルアレイ層は、
前記複数の第1導電層と、前記第1半導体層と、前記第1電荷蓄積層とを備え、
前記第2メモリプレーンにおいて、前記メモリセルアレイ層は、
前記複数の第1導電層と前記第2方向に離間し、前記第1方向に並ぶ複数の第3導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記複数の第3導電層と対向する第2半導体層と、
前記複数の第3導電層と前記第2半導体層との間に設けられた第2電荷蓄積層と
を備え、
前記第2電極は、前記第1メモリプレーンと前記第2メモリプレーンとの間に設けられている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1メモリプレーンにおいて、前記第2配線層は、
前記第2導電層を備え、
前記第2メモリプレーンにおいて、前記第2配線層は、
前記第2半導体層の一端に電気的に接続された第4導電層を備え、
前記第1メモリプレーン及び前記第2メモリプレーンの間において、前記第2配線層は、前記第2導電層及び前記第4導電層と離間した第5導電層を備え、
前記第5導電層は、
前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に並ぶ、複数の開口部を備え、
前記第2電極の少なくとも一部は、前記第1方向から見て、前記複数の開口部のいずれかの内側に、前記第5導電層と離間して設けられている
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第2電極は、
前記第2コンタクトの一端部と接する第1部分と、
前記第1方向から見て前記第1部分と重ならない位置に設けられ、前記第2導電層より前記基板から遠い位置に設けられた第2部分と、
前記第1部分及び前記第2部分に接続され、前記第1部分から前記第2部分にかけて延伸する第3部分と
を備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1電極に接するボンディングワイヤを備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第2導電層は、多結晶シリコンを含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1配線層は、前記第2導電層に電気的に接続された配線を備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
基板と、
第1配線層と、
前記基板と前記第1配線層との間に設けられた第2配線層と、
前記基板と前記第2配線層との間に設けられたメモリセルアレイ層と
を備え、
前記メモリセルアレイ層は、
前記基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数の第1導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記複数の第1導電層と対向する第1半導体層と、
前記複数の第1導電層と前記第1半導体層との間に設けられた第1電荷蓄積層と、
前記第1方向に延伸する第1コンタクトと、
前記第1方向に延伸する第2コンタクトと
を備え、
前記第2配線層は、
前記第1半導体層の一端に電気的に接続された第2導電層と、
前記第2コンタクトの一端に接続され、前記第1方向と交差する第2方向、並びに、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向における長さが、前記第2導電層の前記第2方向及び前記第3方向の長さよりも小さい第1導電部材と
を備え、
前記第1配線層は、
前記第1コンタクトに電気的に接続された第1電極と、
前記第1方向において前記第1導電部材から離間し、前記第1導電部材の前記基板と反対側の面を全面にわたって覆う他の導電層と
を備える半導体記憶装置。
【請求項9】
前記メモリセルアレイ層は、
前記第1方向に延伸する第3コンタクト
を備え、
前記第2配線層は、
前記第3コンタクトの一端に接続され、前記第2方向及び前記第3方向における長さが前記第2導電層の前記第2方向及び前記第3方向の長さよりも小さい第2導電部材
を備え、
前記他の導電層は、
前記第1方向において前記第2導電部材から離間し、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の前記基板と反対側の面を全面にわたって覆う
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第2方向に並ぶ第1メモリプレーン及び第2メモリプレーンを含み、
前記第1メモリプレーンにおいて、前記メモリセルアレイ層は、
前記複数の第1導電層と、前記第1半導体層と、前記第1電荷蓄積層とを備え、
前記第2メモリプレーンにおいて、前記メモリセルアレイ層は、
前記複数の第1導電層と前記第2方向に離間し、前記第1方向に並ぶ複数の第3導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記複数の第3導電層と対向する第2半導体層と、
前記複数の第3導電層と前記第2半導体層との間に設けられた第2電荷蓄積層と
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1メモリプレーンと前記第2メモリプレーンとの間に設けられている
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1メモリプレーンにおいて、前記第2配線層は、
前記第2導電層を備え、
前記第2メモリプレーンにおいて、前記第2配線層は、
前記第2半導体層の一端に電気的に接続された第4導電層を備え、
前記第1メモリプレーン及び前記第2メモリプレーンの間において、前記第2配線層は、前記第2導電層及び前記第4導電層と離間した第3導電部材を備え、
前記第3導電部材は、
前記第3方向に並ぶ、複数の開口部を備え、
前記第1導電部材は、前記第1方向から見て、前記複数の開口部のいずれかの内側に、前記第3導電部材と離間して設けられている
請求項10記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第3導電部材と前記第1導電部材との間には絶縁層が設けられている
請求項11記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記第2コンタクトと、前記他の導電層は、電気的に絶縁されている
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第1電極に接するボンディングワイヤを備える
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第2導電層及び前記第1導電部材は、多結晶シリコンを含む
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記第1配線層は、前記第2導電層に電気的に接続された配線を備える
請求項8記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板と、基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数の導電層と、第1方向に延伸し複数の導電層と対向する半導体層と、複数の導電層と半導体層との間に設けられた電荷蓄積層と、を備える半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開2022/0069093
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に製造可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、基板と、第1配線層と、基板と第1配線層との間に設けられた第2配線層と、基板と第2配線層との間に設けられたメモリセルアレイ層と、第1配線層に対して基板と反対側に設けられた第1絶縁層とを備える。メモリセルアレイ層は、基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数の第1導電層と、第1方向に延伸し、複数の第1導電層と対向する第1半導体層と、複数の第1導電層と第1半導体層との間に設けられた第1電荷蓄積層と、第1方向に延伸する第1コンタクトと、第1方向に延伸する第2コンタクトとを備える。第2配線層は、第1半導体層の一端に電気的に接続された第2導電層を備える。第1配線層は、第1コンタクトに電気的に接続された第1電極と、第2コンタクトに電気的に接続された第2電極とを備える。第1電極の基板側の面の少なくとも一部、及び、第2電極の基板側の面の少なくとも一部は、第1方向において、第2導電層基板と反対側の面よりも、基板に近い。第1電極の基板と反対側の面は、第1絶縁層によって覆われない領域を備える。第2電極の基板と反対側の面は、第1絶縁層によって、全面が覆われている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【
図2】同半導体記憶装置の構成を示す模式的な側面図である。
【
図3】同半導体記憶装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図4】同半導体記憶装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【
図5】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図6】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図7】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な底面図である。
【
図8】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図9】
図7のA1-A1´線及び
図8のB1-B1´線に対応する模式的な断面図である。
【
図10】
図7のA2-A2´線及び
図8のB2-B2´線に対応する模式的な断面図である。
【
図11】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図12】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図13】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図14】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図15】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図16】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図17】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図及び断面図である。
【
図18】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図及び断面図である。
【
図19】同半導体記憶装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図20】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図21】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図22】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図23】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図24】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図25】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図26】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図27】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図28】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図29】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図30】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図31】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図32】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図33】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図34】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図及び断面図である。
【
図35】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図及び断面図である。
【
図36】同半導体記憶装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図37】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図38】同製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【
図39】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図40】その他の実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイ(メモリチップ)を意味する事もあるし、メモリカード、SSD等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0011】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0012】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0014】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0015】
また、本明細書において、構成、部材等について、所定方向の「幅」、「長さ」又は「厚み」等と言った場合には、SEM(Scanning electron microscopy)やTEM(Transmission electron microscopy)等によって観察された断面等における幅、長さ又は厚み等を意味することがある。
【0016】
[第1実施形態]
[メモリシステム10]
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【0017】
メモリシステム10は、ホストコンピュータ20から送信された信号に応じて、ユーザデータの読出し、書込み、消去等を実行する。メモリシステム10は、例えば、メモリカード、SSD又はその他のユーザデータを記憶可能なシステムである。メモリシステム10は、ユーザデータを記憶する複数のメモリダイMDと、これら複数のメモリダイMD及びホストコンピュータ20に接続されるコントローラダイCDと、を備える。コントローラダイCDは、例えば、プロセッサ、RAM等を備え、論理アドレスと物理アドレスの変換、ビット誤り検出/訂正、ガベージコレクション(コンパクション)、ウェアレベリング等の処理を実行する。
【0018】
図2は、本実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的な側面図である。
図3は、同構成を示す模式的な平面図である。説明の都合上、
図2及び
図3では一部の構成を省略する。
【0019】
図2に示す様に、本実施形態に係るメモリシステム10は、実装基板MSBと、実装基板MSBに積層された複数のメモリダイMDと、メモリダイMDに積層されたコントローラダイCDと、を備える。実装基板MSBの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の一部の領域は接着剤等を介してメモリダイMDの下面に接着されている。メモリダイMDの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の領域は接着剤等を介して他のメモリダイMD又はコントローラダイCDの下面に接着されている。コントローラダイCDの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられている。
【0020】
図3に示す様に、実装基板MSB、複数のメモリダイMD、及び、コントローラダイCDは、それぞれ、X方向に並ぶ複数のパッド電極Pを備えている。実装基板MSB、複数のメモリダイMD、及び、コントローラダイCDに設けられた複数のパッド電極Pは、それぞれ、ボンディングワイヤBを介してお互いに接続されている。
【0021】
尚、
図2及び
図3に示した構成は例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、
図2及び
図3に示す例では、複数のメモリダイMD上にコントローラダイCDが積層され、これらの構成がボンディングワイヤBによって接続されている。この様な構成では、複数のメモリダイMD及びコントローラダイCDが一つのパッケージ内に含まれる。しかしながら、コントローラダイCDは、メモリダイMDとは別のパッケージに含まれていても良い。また、複数のメモリダイMD及びコントローラダイCDは、ボンディングワイヤBではなく、貫通電極等を介してお互いに接続されていても良い。
【0022】
[メモリダイMDの回路構成]
図4は、第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
図5は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。説明の都合上、
図4及び
図5では一部の構成を省略する。
【0023】
尚、
図4には、複数の制御端子等を図示している。これら複数の制御端子は、ハイアクティブ信号(正論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ローアクティブ信号(負論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ハイアクティブ信号及びローアクティブ信号の双方に対応する制御端子として表される場合と、がある。
図4において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、オーバーライン(上線)を含んでいる。本明細書において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、スラッシュ(“/”)を含んでいる。尚、
図4の記載は例示であり、具体的な態様は適宜調整可能である。例えば、一部又は全部のハイアクティブ信号をローアクティブ信号としたり、一部又は全部のローアクティブ信号をハイアクティブ信号としたりすることも可能である。
【0024】
図4に示す様に、メモリダイMDは、複数のコア回路CoCと、複数のコア回路CoCに接続された周辺回路PCと、を備える。
【0025】
[コア回路CoCの構成]
コア回路CoCは、それぞれ、メモリセルアレイMCAと、メモリセルアレイMCAにそれぞれ接続されたロウデコーダRDと、センスアンプSAと、を備える。
【0026】
[メモリセルアレイMCAの構成]
メモリセルアレイMCAは、
図5に示す様に、複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0027】
メモリストリングMSは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続されたドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC(メモリセルトランジスタ)、及び、ソース側選択トランジスタSTSを備える。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD、及び、ソース側選択トランジスタSTSを、単に選択トランジスタ(STD、STS)と呼ぶ事がある。
【0028】
メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積層を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積層中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、通常、1ビット又は複数ビットのユーザデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0029】
選択トランジスタ(STD、STS)は、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。半導体層は、チャネル領域として機能する。選択トランジスタ(STD、STS)のゲート電極には、それぞれ、ドレイン側選択ゲート線SGD、及び、ソース側選択ゲート線SGSが接続される。ドレイン側選択ゲート線SGDは、ストリングユニットSUに対応して設けられ、1のストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。ソース側選択ゲート線SGSは、メモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。以下、ドレイン側選択ゲート線SGD、及び、ソース側選択ゲート線SGSを、単に選択ゲート線(SGD、SGS)と呼ぶ事がある。
【0030】
[ロウデコーダRDの構成]
ロウデコーダRDは、例えば、デコード回路及びスイッチ回路を備える。デコード回路は、アドレスレジスタADRに保持されたロウアドレスRAをデコードする。スイッチ回路は、デコード回路の出力信号に応じて、ロウアドレスRAに対応するワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS)を、対応する電圧供給線と導通させる。
【0031】
[センスアンプSAの構成]
センスアンプSA(
図4)は、センスアンプモジュールSAMと、キャッシュメモリCM(データレジスタ)と、を備える。キャッシュメモリCMは、ラッチ回路XDLを備える。
【0032】
ラッチ回路XDLは、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に接続される。ラッチ回路XDLには、例えば、メモリセルMCに書き込まれるユーザデータ又はメモリセルMCから読み出されたユーザデータが格納される。
【0033】
キャッシュメモリCMには、例えば、カラムデコーダが接続される。カラムデコーダは、アドレスレジスタADR(
図4)に格納されたカラムアドレスCAをデコードし、カラムアドレスCAに対応するラッチ回路XDLを選択する。
【0034】
尚、これら複数のラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatは、書込動作の際に、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に順次転送される。また、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に含まれるユーザデータDatは、読出動作の際に、ラッチ回路XDLに順次転送される。また、ラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatは、データアウト動作の際に、入出力制御回路I/Oに順次転送される。
【0035】
[周辺回路PCの構成]
周辺回路PCは、例えば
図4に示す様に、電圧生成回路VGと、シーケンサSQCと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、アドレスレジスタADRと、コマンドレジスタCMRと、ステータスレジスタSTRと、を備える。
【0036】
電圧生成回路VG(
図4)は、例えば、レギュレータ等の降圧回路及びチャージポンプ回路等の昇圧回路を含む。これら降圧回路及び昇圧回路は、それぞれ、電源電圧V
CC及び接地電圧V
SS(
図4)が供給される電圧供給線に接続されている。これらの電圧供給線は、例えば、
図2、
図3を参照して説明したパッド電極Pに接続されている。電圧生成回路VGは、例えば、シーケンサSQCからの制御信号に従って、メモリセルアレイMCAに対する読出動作、書込動作及び消去動作に際してビット線BL、ソース線SL、ワード線WL、及び、選択ゲート線(SGD、SGS)に印加される複数通りの動作電圧を生成し、複数の電圧供給線に同時に出力する。電圧供給線から出力される動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0037】
シーケンサSQC(
図4)は、コマンドレジスタCMRに格納されたコマンドデータCmdに従い、ロウデコーダRD、センスアンプモジュールSAM、及び、電圧生成回路VGに内部制御号を出力する。また、シーケンサSQCは、メモリダイMDの状態を示すステータスデータSttを、適宜ステータスレジスタSTRに出力する。
【0038】
また、シーケンサSQCは、レディ/ビジー信号を生成し、端子RY//BYに出力する。端子RY//BYが“L”状態の期間(ビジー期間)では、メモリダイMDへのアクセスが基本的には禁止される。また、端子RY//BYが“H”状態の期間(レディ期間)においては、メモリダイMDへのアクセスが許可される。尚、端子RY//BYは、例えば、
図2、
図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0039】
アドレスレジスタADRは、
図4に示す様に、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oから入力されたアドレスデータAddを格納する。アドレスレジスタADRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、複数備える。レジスタ列は、例えば、読出動作、書込動作又は消去動作等の内部動作が実行される際、実行中の内部動作に対応するアドレスデータAddを保持する。
【0040】
尚、アドレスデータAddは、例えば、カラムアドレスCA(
図4)及びロウアドレスRA(
図4)を含む。ロウアドレスRAは、例えば、メモリブロックBLK(
図5)を特定するブロックアドレスと、ストリングユニットSU及びワード線WLを特定するページアドレスと、メモリセルアレイMCA(プレーン)を特定するプレーンアドレスと、メモリダイMDを特定するチップアドレスと、を含む。
【0041】
コマンドレジスタCMRは、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oから入力されたコマンドデータCmdを格納する。コマンドレジスタCMRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、少なくとも1セット備える。コマンドレジスタCMRにコマンドデータCmdが格納されると、シーケンサSQCに制御信号が送信される。
【0042】
ステータスレジスタSTRは、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oへ出力するステータスデータSttを格納する。ステータスレジスタSTRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、複数備える。レジスタ列は、例えば、読出動作、書込動作又は消去動作等の内部動作が実行される際、実行中の内部動作に関するステータスデータSttを保持する。また、レジスタ列は、例えば、メモリセルアレイMCAのレディ/ビジー情報を保持する。
【0043】
入出力制御回路I/O(
図4)は、データ信号入出力端子DQn(nは0~7の自然数)と、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSと、データ信号入出力端子DQnに接続されたシフトレジスタと、シフトレジスタに接続されたバッファ回路と、電源端子VCCQ,VCC,VSSと、を備える。
【0044】
データ信号入出力端子DQn、及び、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの各々は、例えば、
図2、
図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。データ信号入出力端子DQnを介して入力されたデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、バッファ回路から、キャッシュメモリCM、アドレスレジスタADR又はコマンドレジスタCMRに入力される。また、データ信号入出力端子DQnを介して出力されるデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、キャッシュメモリCM又はステータスレジスタSTRからバッファ回路に入力される。
【0045】
データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSを介して入力された信号(例えば、データストローブ信号及びその相補信号)は、データ信号入出力端子DQnを介したデータの入力に際して用いられる。データ信号入出力端子DQn(nは0~7の自然数)を介して入力されたデータは、データストローブ信号入出力端子DQSの電圧の立ち上がりエッジ(入力信号の切り換え)及びデータストローブ信号入出力端子/DQSの電圧の立ち下がりエッジ(入力信号の切り換え)のタイミング、並びに、データストローブ信号入出力端子DQSの電圧の立ち下がりエッジ(入力信号の切り換え)及びデータストローブ信号入出力端子/DQSの電圧の立ち上がりエッジ(入力信号の切り換え)のタイミングで、入出力制御回路I/O内のシフトレジスタ内に取り込まれる。電源端子VCCQ,VCC,VSSは、例えば、
図2、
図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。電源端子VCCQ及び電源端子VSSは、入出力制御回路I/O(
図4)に含まれるシフトレジスタ等に接続される。
【0046】
論理回路CTR(
図4)は、複数の外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,REと、これら複数の外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,REに接続された論理回路と、を備える。論理回路CTRは、外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,REを介してコントローラダイCDから外部制御信号を受信し、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。
【0047】
尚、外部制御端子/CE,CLE,ALE,/WE,/RE,REの各々は、例えば、
図2、
図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0048】
[メモリダイMDの構造]
図6は、本実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な分解斜視図である。
図6に示す通り、メモリダイMDは、メモリセルアレイ側のチップC
Mと、周辺回路側のチップC
Pと、を備える。
【0049】
チップCMの上面には、複数の外部パッド電極PXが設けられている。また、チップCMの下面には、複数の第1貼合電極PI1が設けられている。また、チップCPの上面には、複数の第2貼合電極PI2が設けられている。以下、チップCMについては、複数の第1貼合電極PI1が設けられる面を表面と呼び、複数の外部パッド電極PXが設けられる面を裏面と呼ぶ。また、チップCPについては、複数の第2貼合電極PI2が設けられる面を表面と呼び、表面の反対側の面を裏面と呼ぶ。図示の例において、チップCPの表面はチップCPの裏面よりも上方に設けられ、チップCMの裏面はチップCMの表面よりも上方に設けられる。
【0050】
チップC
M及びチップC
Pは、チップC
Mの表面とチップC
Pの表面とが対向するよう配置される。複数の第1貼合電極P
I1は、複数の第2貼合電極P
I2にそれぞれ対応して設けられ、複数の第2貼合電極P
I2に貼合可能な位置に配置される。第1貼合電極P
I1と第2貼合電極P
I2とは、チップC
MとチップC
Pとを貼合し、かつ電気的に導通させるための、貼合電極として機能する。外部パッド電極P
Xは、
図2及び
図3を参照して説明したパッド電極Pとして機能する。
【0051】
尚、
図6の例において、チップC
Mの角部a1、a2、a3、a4は、それぞれ、チップC
Pの角部b1、b2、b3、b4と対応する。
【0052】
図7は、チップC
Mの構成例を示す模式的な底面図である。
図7の右下の点線で囲まれた部分は、複数の第1貼合電極P
I1が設けられたチップC
Mの表面よりも内部の構造を示す。
図8は、チップC
Pの構成例を示す模式的な平面図である。
図8の左下の点線で囲まれた部分は、複数の第2貼合電極P
I2が設けられたチップC
Pの表面よりも内部の構造を示す。
図9は、
図7のA1-A1´線及び
図8のB1-B1´線に対応する模式的な断面図である。
図10は、
図7のA2-A2´線及び
図8のB2-B2´線に対応する模式的な断面図である。
図9及び
図10は、
図7、
図8に示す構造を各線に沿って切断し、矢印の方向に見た場合の断面を示す。
【0053】
[チップC
Mの構造]
チップC
Mは、例えば
図7に示す様に、X方向に並ぶ4つのメモリプレーンMPを備える。メモリプレーンMPは、例えば、メモリセルアレイ領域R
MCAと、メモリセルアレイ領域R
MCAに対してX方向の一方側及び他方側に設けられたフックアップ領域R
HUと、を備える。また、チップC
Mは、例えば、隣接するメモリプレーンMPの間等に設けられたマイクロパッド領域R
MCPと、チップC
MのY方向の一端側に設けられた周辺領域R
Pと、を備える。
【0054】
チップC
Mは、例えば
図9及び
図10に示す様に、基体層L
SBと、基体層L
SBの下方に設けられたメモリセルアレイ層L
MCAと、メモリセルアレイ層L
MCAの下方に設けられた複数の配線層M0,M1,M2と、を備える。
【0055】
基体層LSBは、チップCMの裏面に設けられた絶縁層183と、絶縁層183の下方に設けられた配線層LMAと、配線層LMAの下方に設けられた絶縁層182と、絶縁層182の下方に設けられた配線層LBSLと、を備える。
【0056】
絶縁層183は、例えば、ポリイミド等のパッシベーション膜、窒化シリコン(Si3N4)、酸化シリコン(SiO2)等からなる絶縁層である。
【0057】
配線層L
MAは、複数の導電層を含む配線層である。配線層L
MAが含む複数の導電層は、それぞれ例えばアルミニウム(Al)等の導電性材料を含む。配線層L
MAは、メモリセルアレイ領域R
MCA及びフックアップ領域R
HUに設けられた配線MA10と、マイクロパッド領域R
MCPに設けられた電極MA20(
図9)と、周辺領域R
Pに設けられた電極MA30(
図10)と、を含む。
【0058】
配線MA10は、例えば複数のコンタクトV10等を介して、後述する導電層BSL10に電気的に接続されている。配線MA10は、例えばソース線SL(
図5)として機能する導電層BSL10の補助配線として機能する。配線MA10は、例えばアルミニウム(Al)等の導電性材料を含む。
【0059】
電極MA20(
図9)は、例えば酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層103に設けられた複数のコンタクトCC10等を介して、チップC
P中の構成に電気的に接続されている。
【0060】
電極MA20(
図9)の半導体基板200と反対側の面である面SU_M20T(
図9)は、絶縁層183によって、全面が覆われている。
【0061】
電極MA20は、マイクロパッド電極PMとして機能する。電極MA20は、例えばアルミニウム(Al)等の導電性材料を含む。
【0062】
マイクロパッド電極P
Mは、メモリダイMD内部の回路、配線、トランジスタ等の評価及び解析を行うためのパッド電極である。マイクロパッド電極P
Mは、外部パッド電極P
X(
図6)と異なり、外部接続用のボンディングワイヤB(
図2、
図3)に接続されていない。
【0063】
電極MA30(
図10)は、例えば絶縁層103に設けられた複数のコンタクトCC30等を介して、チップC
P中の構成に電気的に接続されている。
【0064】
電極MA30(
図10)の半導体基板200と反対側の面である面SU_M30Tは、絶縁層183によって覆われないパッド電極領域193を備える。
【0065】
電極MA30のパッド電極領域193は、外部パッド電極PXとして機能する。電極MA30は、例えばアルミニウム(Al)等の導電性材料を含む。
【0066】
図2及び
図3を参照して説明した様に、外部パッド電極P
Xは、外部接続用のボンディングワイヤB(
図2、
図3)に接続されている。
【0067】
絶縁層182は、例えば、窒化シリコン(Si3N4)、酸化シリコン(SiO2)等からなる絶縁層である。
【0068】
配線層L
BSLは、複数の導電層を含む配線層である。配線層L
BSLが含む複数の導電層は、それぞれ例えばリン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入された多結晶シリコン(Si)等の半導体層を含む。配線層L
BSLは、メモリセルアレイ領域R
MCAに設けられた導電層BSL10と、フックアップ領域R
HU及びマイクロパッド領域R
MCPに設けられた導電層BSL20(
図9)と、周辺領域R
Pに設けられた導電層BSL30(
図10)と、を含む。
【0069】
導電層BSL10は、例えば
図9及び
図10に示す様に、後述する複数の半導体柱120の上端部に接続されている。導電層BSL10は、例えばZ方向から見て、複数の半導体柱120と重なる領域にわたって設けられていても良い。導電層BSL10は、ソース線SL(
図5)として機能する。導電層BSL10は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入された多結晶シリコン(Si)等の半導体層を含む。
【0070】
導電層BSL20は、開口部210(
図9)を有する。開口部210の内側には、例えば電極MA20の一部が設けられている。導電層BSL20は、複数の半導体柱120、コンタクトCC10等の、メモリセルアレイ層L
MCAが含む構成には接続されていない。導電層BSL20は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入された多結晶シリコン(Si)等の半導体層を含む。
【0071】
尚、導電層BSL20及び導電層BSL10の間には、スリット180(
図9)が設けられ、このスリット180には、絶縁層182の一部が設けられる。導電層BSL20と導電層BSL10とは、互いに電気的に絶縁されている。
【0072】
導電層BSL30は、開口部BA(
図10)を有する。開口部BAの内側には、例えば電極MA30の一部が設けられている。導電層BSL30は、複数の半導体柱120、コンタクトCC30等の、メモリセルアレイ層L
MCAが含む構成には接続されていない。導電層BSL30は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入された多結晶シリコン(Si)等の半導体層を含む。
【0073】
尚、導電層BSL30及び導電層BSL10の間には、スリット181(
図10)が設けられ、このスリット181には、絶縁層182の一部が設けられる。導電層BSL30と導電層BSL10とは、互いに電気的に絶縁されている。
【0074】
尚、電極MA20(
図9)の半導体基板200側の面の少なくとも一部である面SU_M20U(
図9)は、Z方向において、導電層BSL10の半導体基板200と反対側の面である面SU_B10T(
図9、
図10)よりも、半導体基板200に近い。
【0075】
尚、電極MA30(
図10)の半導体基板200側の面の少なくとも一部である面SU_M30U(
図10)は、Z方向において、面SU_B10T(
図9、
図10)よりも、半導体基板200に近い。
【0076】
メモリセルアレイ層L
MCAのメモリセルアレイ領域R
MCA(
図10)には、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKが設けられている。メモリブロックBLKは、Y方向に並ぶ複数のストリングユニットSUを備える。Y方向において隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO
2)等のブロック間絶縁層STが設けられる。Y方向において隣り合う2つのストリングユニットSUの間には、酸化シリコン(SiO
2)等のストリングユニット間絶縁層SHEが設けられる。
【0077】
図11は、メモリセルアレイ領域R
MCAを拡大して示す模式的な断面図である。
図12は、
図11のFで示した部分の模式的な拡大図である。尚、
図12は、YZ断面を示しているが、半導体柱120の中心軸に沿ったYZ断面以外の断面(例えば、XZ断面)を観察した場合にも、
図12と同様の構造が観察される。
【0078】
メモリブロックBLKは、例えば
図11に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体柱120と、複数の導電層110及び複数の半導体柱120の間にそれぞれ設けられた複数のゲート絶縁膜130と、を備える。
【0079】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の導電層である。導電層110は、
図12に示す様に、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜116と、タングステン(W)等の金属膜115と、を含む積層膜を含んでいても良い。尚、バリア導電膜116の外周を覆う位置には、アルミナ(AlO)等の絶縁性の金属酸化膜134が設けられていても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層101が設けられている。
【0080】
導電層110の上方には、
図11に示す様に、上述した導電層BSL10が設けられている。導電層BSL10は、半導体柱120の上端部の外周面に接続される。導電層110及び導電層BSL10の間には、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層101が設けられている。ソース線SL(
図5)として機能する導電層BSL10は、例えば、メモリセルアレイ領域R
MCA(
図9及び
図10)に含まれる全てのメモリブロックBLKについて共通に設けられており、且つ、メモリセルアレイMCA毎に電気的に独立している。
【0081】
複数の導電層110のうち、最上層に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択ゲート線SGS(
図5)及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSのゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0082】
また、これよりも下方に位置する複数の導電層110は、ワード線WL(
図5)及びこれに接続された複数のメモリセルMC(
図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0083】
また、これよりも下方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択ゲート線SGD及びこれに接続された複数のドレイン側選択トランジスタSTD(
図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、その他の導電層110よりもY方向の幅が小さい。また、Y方向において隣り合う2つの導電層110の間には、ストリングユニット間絶縁層SHEが設けられている。これら複数の導電層110は、それぞれ、ストリングユニットSU毎に電気的に独立している。
【0084】
半導体柱120は、例えば
図9及び
図10に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体柱120は、1つのメモリストリングMS(
図5)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD、STS)のチャネル領域として機能する。半導体柱120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等の半導体層である。半導体柱120の中心部分には、酸化シリコン等の絶縁層125(
図11)が設けられている。
【0085】
半導体柱120は、
図11に示す様に、半導体領域120
Lと、半導体領域120
Lの下方に設けられた半導体領域120
Uと、を備える。また、半導体柱120は、半導体領域120
Lの下端及び半導体領域120
Uの上端に接続された半導体領域120
Jと、半導体領域120
Lの上端に接続された不純物領域122と、半導体領域120
Uの下端に接続された不純物領域121と、を備える。
【0086】
半導体領域120L,半導体領域120Uは、Z方向に延伸する略円筒状の領域である。半導体領域120L,半導体領域120Uの外周面は、それぞれメモリセルアレイ層LMCAに含まれる複数の導電層110によって囲まれており、これら複数の導電層110と対向している。
【0087】
不純物領域121は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む。
図11の例では、半導体領域120
Uの下端部と不純物領域121の上端部との境界線を、破線によって示している。不純物領域121は、コンタクトCh及びコンタクトVy(
図9及び
図10)を介してビット線BLに接続される。
【0088】
不純物領域122は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物を含む。
図11の例では、半導体領域120
Lの上端部と不純物領域122の下端部との境界線を、破線によって示している。不純物領域122は、導電層BSL10に接続されている。
【0089】
ゲート絶縁膜130は、半導体柱120の外周面を覆う円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば
図12に示す様に、半導体柱120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積層132、及び、ブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁膜である。電荷蓄積層132は、例えば、窒化シリコン(Si
3N
4)等であり、電荷を蓄積可能な膜を含む。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積層132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体柱120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0090】
尚、
図12には、ゲート絶縁膜130が窒化シリコン等を含む電荷蓄積層132を備える例を示した。しかしながら、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0091】
メモリセルアレイ層L
MCAのフックアップ領域R
HUには、例えば
図9に示す様に、複数のコンタクトCCが設けられている。これら複数のコンタクトCCはZ方向に延伸し、上端においてそれぞれ導電層110と接続されている。これら複数のコンタクトCCは、配線層M0,M1中の配線m0,m1及び配線層M2中の第1貼合電極P
I1を介して、チップC
P中の構成に接続されている。コンタクトCCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0092】
メモリセルアレイ層L
MCAのマイクロパッド領域R
MCPには、複数のコンタクトCC10(
図9)が設けられている。コンタクトCC10は、上述した様に上端において電極MA20に接続され、下端において後述する配線m0等に接続されている。
【0093】
メモリセルアレイ層L
MCAの周辺領域R
Pには、複数のコンタクトCC30(
図10)が設けられている。コンタクトCC30は、上述した様に上端において電極MA30の接続部191に接続され、下端において後述する配線m0等に接続されている。
【0094】
例えば
図9及び
図10に示す様に、配線層M0,M1,M2に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層L
MCA中の構成及びチップC
P中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0095】
配線層M0は、複数の配線m0を含む。これら複数の配線m0は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。尚、複数の配線m0のうちの一部は、ビット線BL(
図5)として機能する。ビット線BLは、例えば
図9及び
図10に示す様に、X方向に並びY方向に延伸する。また、これら複数のビット線BLは、それぞれ、各ストリングユニットSUに含まれる一の半導体柱120に接続されている。
【0096】
配線層M1は、複数の配線m1を含む。これら複数の配線m1は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0097】
配線層M2は、複数の第1貼合電極PI1を含む。これら複数の第1貼合電極PI1は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜pI1B及び銅(Cu)等の金属膜pI1Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0098】
[チップC
Pの構造]
チップC
Pは、例えば
図8に示す様に、メモリプレーンMPに対応してX方向に並ぶ4つの周辺回路領域R
PCを備える。周辺回路領域R
PCは、メモリセルアレイ領域R
MCAに対向する領域のうちの一部に設けられたセンスアンプモジュール領域R
SAMと、フックアップ領域R
HUに対向する領域に設けられたロウデコーダ領域R
RDと、を備える。また、チップC
Pは、周辺領域R
Pに対向する領域に設けられた回路領域R
Cを備える。
【0099】
また、チップC
Pは、例えば
図9及び
図10に示す様に、半導体基板200と、半導体基板200の上方に設けられたトランジスタ層L
TRと、トランジスタ層L
TRの上方に設けられた複数の配線層M0´,M1´,M2´,M3´,M4´と、を備える。
【0100】
半導体基板200は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)からなる半導体基板である。例えば
図9及び
図10に示す様に、半導体基板200の表面には、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域200Nと、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域200Pと、N型ウェル領域200N及びP型ウェル領域200Pが設けられていない半導体基板領域200Sと、絶縁領域200Iと、が設けられている。N型ウェル領域200N、P型ウェル領域200P及び半導体基板領域200Sは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTr、及び、複数のキャパシタ等の一部として機能する。
【0101】
半導体基板200の上面には、例えば
図9及び
図10に示す様に、絶縁層200Gを介して、配線層GCが設けられている。配線層GCは、半導体基板200の表面と対向する複数の電極gcを含む。また、半導体基板200の各領域及び配線層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、コンタクトCSに接続されている。
【0102】
半導体基板200のN型ウェル領域200N、P型ウェル領域200P及び半導体基板領域200Sは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域、及び、複数のキャパシタの一方の電極等として機能する。
【0103】
配線層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート電極、及び、複数のキャパシタの他方の電極等として機能する。
【0104】
コンタクトCSは、Z方向に延伸し、下端において半導体基板200又は電極gcの上面に接続されている。コンタクトCSと半導体基板200との接続部分には、図示しないN型の不純物又はP型の不純物を含む高濃度不純物領域が設けられている。コンタクトCSは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0105】
配線層M0´はトランジスタ層L
TRの上方に設けられる。配線層M0´は、例えば、タングステン(W)等の導電性材料を含む配線層である。配線層M1´は配線層M0´の上方に設けられる。配線層M1´は、例えば、銅(Cu)等の導電性材料を含む配線層である。配線層M2´は、
図9及び
図10においては省略して示しているが、配線層M1´の上方に設けられる。配線層M2´は、例えば、銅(Cu)等の導電性材料を含む配線層である。配線層M3´は、例えば、銅(Cu)又はアルミニウム(Al)等の導電性材料を含む配線層である。配線層M4´は、例えば、銅(Cu)等の導電性材料を含む配線層であり、複数の第2貼合電極P
I2を備える。これら複数の第2貼合電極P
I2は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜p
I2B及び銅(Cu)等の金属膜p
I2Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0106】
ここで、第1貼合電極PI1と第2貼合電極PI2とに銅(Cu)等の金属膜pI1M,pI2Mを用いると、金属膜pI1Mと金属膜pI2Mとが一体化して、互いの境界の確認が困難となる。但し、貼り合せの位置ずれによる第1貼合電極PI1と第2貼合電極PI2とを貼り合せた形状の歪み、バリア導電膜pI1B,pI2Bの位置ずれ(側面における不連続箇所の発生)により貼り合せ構造が確認できる。また、第1貼合電極PI1及び第2貼合電極PI2をダマシン法により形成する場合、それぞれの側面はテーパー形状を有する。このため、第1貼合電極PI1と第2貼合電極PI2とを貼り合せた部分におけるZ方向に沿った断面の形状は、側壁が直線状とはならず、非矩形形状となる。また、第1貼合電極PI1と第2貼合電極PI2とを貼り合せた場合、これらを形成する各Cuの底面、側面、及び上面をバリアメタルが覆う構造となる。これに対し、一般的なCuを用いた配線層では、Cuの上面にCuの酸化防止機能を有する絶縁層(SiNまたはSiCN等)が設けられ、バリアメタルは設けられていない。このため、貼り合せの位置ずれが発生していなくても、一般的な配線層との区別は可能である。
【0107】
[マイクロパッド領域R
MCPの配置例]
次に、マイクロパッド領域R
MCPの配置例について、
図13を参照して説明する。
図13は、チップC
Mにおけるマイクロパッド領域R
MCPの配置例を示す上面図である。
【0108】
マイクロパッド領域R
MCPは、例えば
図13に示す様に、隣接するメモリプレーンMPとメモリプレーンMPとの間に設けられる。この様なマイクロパッド領域R
MCPに含まれるマイクロパッド電極P
Mは、X方向に並ぶメモリプレーンMPとメモリプレーンMPの間に設けられる。
【0109】
また、マイクロパッド領域R
MCPは、X方向に並ぶメモリプレーンMPとメモリプレーンMPとの間において、Y方向に複数並んで設けられていても良い。例えば
図13においては、X方向負側から数えて2番目のメモリプレーンMPと3番目のメモリプレーンMPの間に、Y方向に並ぶ2つのマイクロパッド領域R
MCPが図示されている。
【0110】
また、マイクロパッド領域R
MCPは、例えば
図13に示す様に、チップC
MのX方向の両端側付近にも、設けられていても良い。例えば
図13においては、チップC
MのX方向負側端に、Y方向に並ぶ2つのマイクロパッド領域R
MCPが設けられている。また、チップC
MのX方向正側端に、Y方向に並ぶ2つのマイクロパッド領域R
MCPが設けられている。
【0111】
図13に示す例では、X方向に並ぶ複数のメモリプレーンMPにそれぞれ対応して、導電層BSL10がX方向に並んで設けられる。X方向に並ぶメモリプレーンMPとメモリプレーンMPの間においては、1又は複数のマイクロパッド領域R
MCPに対応して、導電層BSL20が設けられる。導電層BSL20は、導電層BSL10とX方向に離間して設けられる。
【0112】
尚、導電層BSL20は、例えば、隣り合う導電層BSL10の間に、複数配置されていても良い。この様な場合も、複数の導電層BSL20と導電層BSL10との間には、スリット180が形成され、導電層BSL10は、複数の導電層BSL20から分離されている。
【0113】
尚、
図13に示す例では、周辺領域R
Pは、メモリプレーンMP及びマイクロパッド領域R
MCPからY方向に離間した位置に設けられている。また、
図13に示す例では、周辺領域R
Pに対応して、導電層BSL30が設けられる。
【0114】
[マイクロパッド領域R
MCPの詳細な構成例]
次に、マイクロパッド領域R
MCPの詳細な構成例について、
図9、及び、
図14~
図18を参照して説明する。
図14は、マイクロパッド領域R
MCPにおける配線層L
MAを、Z方向正側から見た上面図である。
図15は、マイクロパッド領域R
MCPにおける配線層L
BSLを、Z方向正側から見た上面図である。
図14及び
図15には、
図13に示すマイクロパッド領域R
MCPの一部を拡大して示している。
図16は、
図14及び
図15のC1―C1´線に沿って切断し、矢印方向(X方向正側)から見た断面図である。
図17下図及び
図18下図は、
図14及び
図15のD1-D1´線に沿って切断し、矢印方向(Y方向負側)から見た断面図である。
図17上図は、
図17下図のE1-E1´線に沿って切断し、矢印方向(Z方向正側)から見た断面図である。
図18上図は、
図18下図のF1-F1´線に沿って切断し矢印方向(Z方向正側)から見た断面図である。
【0115】
電極MA20は、例えば
図14及び
図16に示す様に、Y方向に複数並んで設けられている。電極MA20は、Z方向正側から見て、X方向正側及び負側に隣接する配線MA10と分離された孤立パターンとして形成されている(
図14)。電極MA20は、Z方向正側から見て、例えば略四角形状を有する。
【0116】
Y方向に隣り合う電極MA20の間、及び、電極MA20と配線MA10との間には、例えば絶縁層182の一部及び絶縁層183の一部が設けられる(
図9、
図16)。
【0117】
導電層BSL20には、例えば
図15に示す様に、Y方向に並ぶ複数の開口部210が設けられる。開口部210は、例えばZ方向正側から見て略四角形状である。開口部210は、例えば、電極MA20の一部である接続部211を、収容可能な大きさで形成されている。
【0118】
電極MA20は、例えば
図17下図に示す様に、コンタクトCC10の上端と接続される接続部211と、Z方向から見て接続部211の周囲に設けられた周縁部212と、を備える。また、接続部211の上面には、マイクロパッド電極P
Mとして機能するパッド電極領域213が設けられている。また、電極MA20は、接続部211と周縁部212との間に設けられた側壁部214を備える。
【0119】
接続部211は、絶縁層103の上面に形成されている(
図17下図)。接続部211は、例えば
図18上図に示す様に、X方向及びY方向の中央付近で、コンタクトCC10と接続されている。接続部211は、例えばX方向及びY方向に延伸する略四角形状である。接続部211の上面は、絶縁層183に覆われ、メモリダイMDの外部には露出していない。
【0120】
周縁部212は、配線MA10と同様に、絶縁層182の上面に形成されている(
図17下図)。周縁部212は、例えば、導電層BSL20の上面よりも上方、即ち半導体基板200(
図9)から遠い位置に設けられる(
図17下図)。周縁部212は、Z方向正側から見て、接続部211と重ならない位置に設けられる。周縁部212は、X方向又はY方向に延伸する部分を含む(
図17上図)。周縁部212は、その内周部で側壁部214と接続されている(
図17下図)。周縁部212の上面は、絶縁層183に覆われ、メモリダイMDの外部には露出していない。
【0121】
側壁部214は、半導体基板200(
図9)から遠ざかる方向、例えばZ方向正側に延伸する(
図17下図)。側壁部214は、例えば絶縁層182に設けられた開口の内側面に形成されている。側壁部214の内周面は、絶縁層183に覆われ、メモリダイMDの外部には露出していない。
【0122】
尚、
図17及び
図18に示す例では、接続部211、周縁部212、パッド電極領域213、及び、側壁部214は、Z方向正側から見て、開口部210の内側に形成されている。しかしながら、例えば周縁部212の一部は、Z方向正側から見て、開口部210の内側から外側にわたって形成されていても良い。
【0123】
尚、電極MA20(
図17)の半導体基板200側の面の少なくとも一部である面SU_M20U(
図17)は、Z方向において、導電層BSL20の半導体基板200と反対側の面である面SU_B20T(
図17)よりも、半導体基板200に近い。
【0124】
[周辺領域R
Pの詳細な構成例]
次に、周辺領域R
Pの詳細な構成例について、
図10及び
図13を参照して説明する。
【0125】
電極MA30は、Y方向正側に隣接する配線MA10と、分離された孤立パターンとして形成されている(
図10)。電極MA30は、例えば
図13に示すX方向に並ぶ複数の外部パッド電極P
Xに対応して、X方向に複数並んで設けられている。
【0126】
電極MA30と配線MA10との間には、例えば絶縁層182の一部及び絶縁層183の一部が設けられる(
図10)。
【0127】
導電層BSL30には、例えば、X方向に並ぶ複数の開口部BAが設けられる。開口部BAは、例えば、電極MA30の一部である接続部191を、収容可能な大きさで形成されている。
【0128】
電極MA30は、例えば
図10に示す様に、コンタクトCC30の上端と接続される接続部191と、外部パッド電極P
Xを形成するパッド電極領域193と、これらの周囲に設けられた周縁部192と、を備える。
【0129】
接続部191は、絶縁層103の上面に形成されている(
図10)。接続部191は、例えば
図10に示す様に、X方向及びY方向の中央付近で、コンタクトCC30と接続されている。接続部191は、例えばX方向及びY方向に延伸する略四角形状である。接続部191の上面は、絶縁層183に覆われ、メモリダイMDの外部には露出していない。
【0130】
周縁部192は、配線MA10と同様に、絶縁層182の上面に形成されている(
図10)。周縁部192は、例えば、導電層BSL20の上面よりも上方、即ち半導体基板200から遠い位置に設けられる(
図10)。周縁部192は、Z方向正側から見て、接続部191と重ならない位置に設けられる。周縁部192の上面は、絶縁層183に覆われ、メモリダイMDの外部には露出していない。
【0131】
パッド電極領域193(
図10)は、例えばZ方向正側から見て、接続部211と異なる位置に設けられる。パッド電極領域193のZ方向の位置は、例えば接続部191と周縁部192の間である。パッド電極領域193の上面は、絶縁層183に設けられた開口TVを介して、メモリダイMDの外部に露出している。このパッド電極領域193の露出した部分は、外部パッド電極P
Xとして機能する。
【0132】
尚、外部パッド電極PXを含む電極MA30のX方向及びY方向の長さは、マイクロパッド電極PMを含む電極MA20のX方向及びY方向の長さより、大きくても良い。
【0133】
【0134】
メモリダイMDの製造に際しては、まず、チップCM及びチップCPを製造する。
【0135】
次に、
図19に示す通り、チップC
Mが形成されたウェハと、チップC
Pが形成されたウェハとを、第1貼合電極P
11と第2貼合電極P
12とが接続されるように位置合わせして貼合する。この貼合工程では、例えば、一方のウェハを他方のウェハに向かって押し付けることによって両者を密着させ、熱処理等を行う。これにより、第1貼合電極P
I1及び第2貼合電極P
I2を介して、チップC
Mが形成されたウェハが、チップC
Pが形成されたウェハに貼合される。
【0136】
次に、例えば
図20に示す様に、チップC
Mに含まれる基板100を除去し、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層104を露出させる。絶縁層104は、例えば絶縁層182(
図9、
図10)の一部である。この工程は、例えば、グラインディング加工及びCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の方法によって行う。
【0137】
次に、例えば
図21及び
図22に示す様に、絶縁層104の上にレジストを塗布し、フォトエッチングの手法により図示しないマスクを形成して、絶縁層104及び導電層BSL10´に、開口OP10及び開口180´等(
図21)、並びに、開口OP13及び開口181´等(
図22)を形成する。これにより、導電層BSL10、導電層BSL20、及び、導電層BSL30を形成する。この工程は、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)等の方法によって行う。
【0138】
次に、例えば
図23及び
図24に示す様に、絶縁層104の上面、開口OP10及び開口180´(
図23)の内部、並びに、開口OP13及び開口181´(
図24)の内部に、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層182´を形成する。これにより、スリット180(
図23)及びスリット181(
図24)を形成する。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の方法によって行う。
【0139】
次に、例えば
図25及び
図26に示す様に、絶縁層182´の上にレジストを塗布し、フォトエッチングの手法により図示しないマスクを形成して、絶縁層182、開口V10´、開口OP11(
図25)、及び、OP14(
図26)を形成する。これにより、開口OP11の底面においてコンタクトCC10の上端部が露出する(
図25)。また、開口OP14の底面においてコンタクトCC30の上端部が露出する(
図26)。また、開口V10´の底面において導電層BSL10が露出する。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0140】
次に、例えば
図27及び
図28に示す様に、開口OP11の内側面及び底面(
図27)、開口OP13及び開口OP14の内側面及び底面(
図28)、開口V10´の内部、並びに、絶縁層182の上面に、配線MA10、電極MA20、及び、電極MA30と同様の材料を含む導電層を形成する。また、フォトエッチングの手法により、配線MA10、電極MA20、及び、電極MA30を含む所定の配線パターンを形成する。この工程は、例えばCVD、RIE等の方法によって行う。
【0141】
次に、配線MA10、電極MA20、及び、電極MA30等の上面に、絶縁層183を形成し、電極MA30の上部に開口TVを形成する。この工程は、例えば、CVD、CMP、及び、RIE等の方法によって行う。これにより、
図9及び
図10に示した様な構造が形成される。
【0142】
[マイクロパッド電極P
Mを用いた評価及び解析方法]
図29は、マイクロパッド電極P
Mを用いた評価及び解析方法について説明するための、模式的な断面図である。
【0143】
複数のマイクロパッド電極PMは、それぞれ例えば、チップCP中に形成された所定の回路、配線、トランジスタ等へ接続されている。
【0144】
評価及び解析に際しては、例えば
図29に示す様に、絶縁層183の一部を除去し、開口OP12を形成することにより、マイクロパッド電極P
Mの表面を露出させる。検査対象以外のメモリダイMDのマイクロパッド電極P
Mは、基本的には開口されない。絶縁層183に開口OP12を形成した後、スパッタ等の手段により、絶縁層183の上面に、マイクロパッド電極P
Mと導通する導電部材を形成しても良い。次に、電圧計、電流計等の機能を有するテスト装置の検査プローブを、マイクロパッド電極P
M又はこれと導通する導電部材と接触させ、電圧、電流等の測定を行う。測定に際しては、外部パッド電極P
X(
図6)を介してメモリダイMDに信号等を入力し、メモリダイMDに、読出動作、書込動作等を実行させても良い。これにより、メモリダイMD中の配線等の、読出動作、書込動作実行時の電圧等を測定することが可能である。
【0145】
[効果]
マイクロパッド電極PMを含む電極MA20は、ソース線SLの補助配線である配線MA10等と同時に形成される。よって、比較的容易にマイクロパッド電極PMを形成することができる。
【0146】
また、マイクロパッド電極PMは、アルミニウム等の低抵抗材料から構成される。よって、比較的接触抵抗の低い解析用パッドを提供可能である。
【0147】
また、マイクロパッド電極PMは、ポリイミド等の絶縁層183を除去するだけで表面に露出させることができる。よって、比較的容易に評価及び解析を行うことができる。
【0148】
[第2実施形態]
次に、
図30~
図39を参照して、第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。
【0149】
図30は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【0150】
本実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。しかしながら、本実施形態に係る半導体記憶装置は、マイクロパッド領域R
MCP(
図9)のかわりにマイクロパッド領域R
MCP2(
図30)を備える。また、本実施形態に係る半導体記憶装置は、基体層L
SB(
図9)のかわりに、基体層L
SB2(
図30)を備える。
【0151】
基体層L
SB2は、例えば
図30に示す様に、チップC
Mの裏面に設けられた絶縁層189と、絶縁層189の下方に設けられた配線層L
MA2と、配線層L
MA2の下方に設けられた絶縁層190と、絶縁層190の下方に設けられた配線層L
BSL2と、を備える。
【0152】
絶縁層189は、例えば、絶縁層183と同様の材料を含む。
【0153】
配線層L
MA2は、基本的には、配線層L
MA(
図9)と同様に構成されている。しかしながら、配線層L
MA2は、マイクロパッド領域R
MCP2において、複数の電極MA20のかわりに、導電層MA21(
図30)を含む。
【0154】
導電層MA21(
図30)は、コンタクトCC10から電気的に絶縁されている。導電層MA21は、チップC
P中の構成から電気的に絶縁されている。
【0155】
尚、導電層MA21(
図30)は、Z方向において後述する導電部材BSL40から離間する。導電層MA21は、導電部材BSL40の半導体基板200と反対側の面SU_B40T(
図30)を全面にわたって覆う。
【0156】
導電層MA21は、例えばアルミニウム(Al)等の導電性材料を含む。
【0157】
絶縁層190は、例えば、絶縁層182(
図9)と同様の材料を含む。
【0158】
配線層L
BSL2は、基本的には、配線層L
BSL(
図9)と同様に構成されている。しかしながら、配線層L
BSL2は、マイクロパッド領域R
MCP2において、導電層BSL20(
図9)のかわりに、導電部材BSL21及び導電部材BSL40(
図30)を含む。
【0159】
導電部材BSL21は、開口部310(
図30)を有する。導電部材BSL21は、複数の半導体柱120、コンタクトCC10等の、メモリセルアレイ層L
MCAが含む構成から電気的に絶縁されている。導電部材BSL21は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入された多結晶シリコン(Si)等の半導体層を含む。
【0160】
尚、導電部材BSL21及び導電層BSL10の間には、スリット180(
図30)が設けられ、このスリット180には、絶縁層190の一部が設けられる。導電部材BSL21と導電層BSL10とは、互いに電気的に絶縁されている。
【0161】
導電部材BSL40は、導電部材BSL21の開口部310の内側に設けられている。導電部材BSL40は、複数のコンタクトCC10の一端に接続されている。導電部材BSL40は、例えば複数のコンタクトCC10等を介して、チップCP中の構成に電気的に接続されている。導電部材BSL40は、マイクロパッド電極PM2として機能する。導電部材BSL40は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入された多結晶シリコン(Si)等の半導体層を含む。
【0162】
マイクロパッド電極PM2は、マイクロパッド電極PMと同様に、メモリダイMD内部の回路、配線、トランジスタ等の評価及び解析を行うためのパッド電極である。
【0163】
尚、導電部材BSL40のX方向における長さXB40(
図30)は、導電層BSL10のX方向における長さXB10(
図13)よりも小さい。また、同様に、導電部材BSL40のY方向における長さは、導電層BSL10のY方向における長さよりも小さい。
【0164】
[マイクロパッド領域R
MCP2の配置例]
マイクロパッド領域R
MCP2は、基本的には、
図13を参照して説明したマイクロパッド領域R
MCPと同様に配置される。
【0165】
例えば、この様なマイクロパッド領域RMCP2に含まれるマイクロパッド電極PM2は、X方向に並ぶメモリプレーンMPとメモリプレーンMPの間に設けられる。
【0166】
また、
図13に示す導電層BSL20の配置例と同様に、X方向に並ぶメモリプレーンMPとメモリプレーンMPの間において、1又は複数のマイクロパッド領域R
MCP2に対応して、導電部材BSL21(
図30)が設けられる。導電部材BSL21は、導電層BSL10とX方向に離間して設けられる。
【0167】
尚、導電部材BSL21は、例えば、X方向に隣り合う2つの導電層BSL10の間に、複数配置されていても良い。この様な場合も、複数の導電部材BSL21と導電層BSL10との間には、スリット180が形成され、導電層BSL10は、複数の導電部材BSL21から分離されている。
【0168】
[マイクロパッド領域R
MCP2の詳細な構成例]
次に、マイクロパッド領域R
MCP2の詳細な構成例について、
図30~
図35を参照して説明する。
図31は、マイクロパッド領域R
MCP2の配線層L
MA2を、Z方向正側から見た上面図である。
図32は、マイクロパッド領域R
MCP2の配線層L
BSL2を、Z方向正側から見た上面図である。
図33は、
図31及び
図32のC2―C2´線に沿って切断し、矢印方向(X方向正側)から見た断面図である。
図34下図及び
図35下図は、
図31及び
図32のD2-D2´線に沿って切断し、矢印方向(Y方向負側)から見た断面図である。
図34上図は、
図31下図のE2-E2´線に沿って切断し、矢印方向(Z方向正側)から見た断面図である。
図35上図は、
図32下図のF2-F2´線に沿って切断し、矢印方向(Z方向正側)から見た断面図である。
【0169】
導電層MA21は、例えば
図31及び
図33に示す様に、複数のマイクロパッド電極P
M2に対向する領域にわたって、平坦に設けられている。導電層MA21には、開口部は設けられていない。
【0170】
導電層MA21は、例えば
図33に示す様に、隣り合う複数の導電部材BSL40それぞれの、半導体基板200と反対側の面SU_B40Tを、全面にわたって覆う。
【0171】
導電部材BSL21には、例えば
図32に示す様に、Y方向に並ぶ複数の開口部310が設けられる。開口部310は、例えばZ方向正側から見て略四角形状である。開口部310は、例えば、導電部材BSL40を、収容可能な大きさで形成されている。
【0172】
導電部材BSL40は、例えば
図32及び
図33に示す様に、Y方向に複数並んで設けられる。導電部材BSL40は、Z方向正側から見て、周囲の導電部材BSL21と分離された孤立パターンとして形成されている(
図32)。導電部材BSL40は、Z方向正側から見て、例えば略四角形状を有する。
【0173】
導電部材BSL40と導電部材BSL21との間には、絶縁層190の一部が設けられる(
図33)。
【0174】
導電部材BSL40は、例えば
図34下図に示す様に、コンタクトCC10の上端と接続される接続部311として機能する。また、接続部311の上面には、マイクロパッド電極P
M2として機能するパッド電極領域313が設けられている。
【0175】
接続部311は、絶縁層103の上面に形成されている(
図34下図)。接続部311は、X方向及びY方向の中央付近で、コンタクトCC10と接続されている。接続部311は、例えばX方向及びY方向に延伸する略四角形状である。接続部311の上面は、絶縁層189に覆われ、メモリダイMDの外部には露出していない。
【0176】
[製造方法]
次に、
図22、
図24、
図26、及び、
図28、並びに、
図36~
図38を参照して、第2実施形態に係るメモリダイMDの製造方法について説明する。
図36~
図38は、同製造方法について説明するための模式的な断面図であり、
図30に対応する断面を示している。尚、
図22、
図24、
図26、及び、
図28に示す絶縁層182及び絶縁層183は、本実施形態の製造方法の説明においては、それぞれ絶縁層190及び絶縁層189と読み替えるものとする。
【0177】
本実施形態に係るメモリダイMDは、基本的には第1実施形態に係るメモリダイMDと同様に製造される。しかしながら、本実施形態に係るメモリダイMDの製造方法では、
図19及び
図20を参照して説明した工程の次に、
図22、
図24、
図26、及び、
図28、並びに、
図36~
図38に示す工程を行う。
【0178】
例えば
図36及び
図22に示す工程では、絶縁層104(
図20)の上にレジストを塗布し、フォトエッチングの手法により図示しないマスクを形成して、絶縁層104及び導電層BSL10´(
図20)に、開口OP21及び開口180´等(
図36)、並びに、開口OP13及び開口181´等(
図22)を形成する。これにより、導電層BSL10、導電部材BSL21、導電層BSL30、及び、導電部材BSL40を形成する。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0179】
次に、例えば
図37及び
図24に示す様に、絶縁層104の上面、開口OP21及び開口180´の内部(
図37)、並びに、開口OP13及び開口181´の内部(
図24)に、絶縁層190を形成する。これにより、開口部310、スリット180、及び、スリット181を形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0180】
また、例えば
図37及び
図26に示す様に、
図25を参照して説明した工程と同様に、開口V10´及びOP14(
図26)を形成する。これにより、開口V10´の底面において導電層BSL10が露出する。また、開口OP14の底面においてコンタクトCC30の上端部が露出する(
図26)。
【0181】
次に、例えば
図38及び
図28に示す様に、開口V10´の内部及び絶縁層190の上面、並びに、開口OP13及び開口OP14の内側面及び底面(
図28)に、配線MA10等と同様の材料を含む導電層を形成する。次に、フォトエッチングの手法により図示しないマスクを形成して、配線MA10、導電層MA21、及び、電極MA30を含む所定の配線パターンを形成する。この工程は、例えばCVD等の方法によって行う。
【0182】
次に、導電層MA21の上面に、絶縁層189を形成する。この工程は、例えば、CVD及びCMP等の方法によって行う。これにより、
図30に示した様な構造が形成される。
【0183】
[マイクロパッド電極P
M2を用いた評価及び解析方法]
図39は、マイクロパッド電極P
M2を用いた評価及び解析方法について説明するための、模式的な断面図である。
【0184】
マイクロパッド電極PM2は、基本的にはマイクロパッド電極PMと同様に、所定の回路、配線、トランジスタ等へ接続されている。
【0185】
また評価及び解析時、マイクロパッド電極PM2は、マイクロパッド電極PMと同様に開口され、検査に使用される。
【0186】
マイクロパッド電極P
M2の開口に際しては、例えば
図39に示す様に、絶縁層189の一部、導電層MA21の一部、絶縁層190の一部を除去し、開口OP22を形成することにより、マイクロパッド電極P
M2の表面を露出させる。検査対象以外のメモリダイMDのマイクロパッド電極P
M2は、基本的には開口されない。
【0187】
[効果]
メモリダイMD(
図6)の長手方向の中央付近には、チップを曲げた際の応力が集中しやすい。
図13に示す様なチップC
Mを貼合したメモリダイMDにおいて、チップの長手方向であるX方向の中央付近にマイクロパッド領域R
MCP2が設けられた場合、マイクロパッド領域R
MCP2に曲げ応力が集中する場合がある。マイクロパッド領域R
MCP2の裏面側表層付近に、構造上の凹凸が形成されている場合、そのような部分からメモリダイMDの破断が起こりやすいことがある。
【0188】
本実施形態においては、例えばマイクロパッド領域R
MCP2においては、裏面側表層付近の絶縁層189、導電層MA21、及び、絶縁層190が、それぞれ平坦に形成されてている(
図30)。この様な構造により、マイクロパッド領域R
MCP2に曲げ応力が集中した場合であっても、マイクロパッド領域R
MCP2からのメモリダイMDの破断を防ぐことができる。
【0189】
また、マイクロパッド電極P
M2として機能する導電部材BSL40は、ソース線SLとして機能する導電層BSL10と同時に形成される(
図36)。よって、比較的容易にマイクロパッド電極P
M2を形成することができる。
【0190】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、これらの実施形態に係る半導体記憶装置はあくまでも例示であり、具体的な構成、動作等は適宜調整可能である。
【0191】
例えば、以上の説明では、隣接するメモリプレーンMPとメモリプレーンMPの間等に、マイクロパッド領域R
MCP及びマイクロパッド領域R
MCP2が配置される例(
図13)について説明した。しかしながら、マイクロパッド領域R
MCP及びマイクロパッド領域R
MCP2の配置は、適宜調整可能である。
【0192】
図40は、チップC
Mにおけるマイクロパッド領域R
MCP及びマイクロパッド領域R
MCP2の配置例を示す上面図である。
図40においては、マイクロパッド領域R
MCP又はマイクロパッド領域R
MCP2をマイクロパッド領域R
MCP3と表記する。
【0193】
マイクロパッド領域R
MCP3は、例えば
図40に示す様に、隣接するメモリプレーンMPとメモリプレーンMPとの間、及び、チップC
MのX方向の両端側だけでなく、チップC
MのY方向正側端の付近、及び、メモリプレーンMPと周辺領域R
Pとの間に、設けられていても良い。
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0194】
110…導電層、120…半導体柱、132…電荷蓄積層、183…絶縁層、200…半導体基板、LMA…配線層、LBSL…配線層、LMCA…メモリセルアレイ層、CC10…コンタクト、CC30…コンタクト、BSL10…導電層、BSL20…導電層、BSL30…導電層、MA20…電極、MA30…電極。