(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172222
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/46 20060101AFI20241205BHJP
H04L 45/42 20220101ALI20241205BHJP
【FI】
H04L12/46 V
H04L45/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089791
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】井田 牧子
【テーマコード(参考)】
5K030
5K033
【Fターム(参考)】
5K030GA11
5K030HD06
5K030JA10
5K030JA11
5K030KA05
5K030LB07
5K033AA09
5K033CB08
5K033DA05
5K033DB19
(57)【要約】
【課題】5GネットワークおよびLANを含むネットワークを抽象化できる制御装置、制御方法、および制御プログラムを実現する。
【解決手段】制御装置1は、5Gネットワーク62に配置されたUPF51がLAN61とのインタフェースにVLAN情報を設定するための第1の制御コマンドを生成するUPF制御コマンド生成部2と、5Gネットワーク62とLAN61との間の通信用の内部通信用仮想スイッチをLAN61内に構成するための第2の制御コマンドを生成する中継装置制御コマンド生成部3とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
5Gネットワークに配置されたUPF(User Plane Function)がLAN(Local Area Network)とのインタフェースにVLAN(Virtual Local Area Network)情報を設定するための第1の制御コマンドを生成するUPF制御コマンド生成部と、
前記5Gネットワークと前記LANとの間の通信用の内部通信用仮想スイッチを前記LAN内に構成するための第2の制御コマンドを生成する中継装置制御コマンド生成部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記LANには、前記UPFに接続されたレイヤ2中継装置および前記レイヤ2中継装置から最短のレイヤ3中継装置が配置され、
前記レイヤ2中継装置が前記内部通信用仮想スイッチに対応付けられ、
前記第2の制御コマンドは、
前記内部通信用仮想スイッチに前記VLAN情報を設定し、
前記レイヤ3中継装置に、前記内部通信用仮想スイッチのVLANインタフェースを設定する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
トポロジ情報に基づいて、前記UPFにおいて前記レイヤ2中継装置に接続しているインタフェースを探索する経路探索部をさらに備える
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1の制御コマンドは、APN(Access Point Name)とN3のネットワークアドレスとをさらに設定する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1の制御コマンドは、1つのAPNに対して、複数のVN(Virtual Network) groupのサブネット情報を設定する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記レイヤ2中継装置に接続される
請求項2に記載の制御装置。
【請求項7】
1つの仮想ルータに、前記UPFおよび前記レイヤ3中継装置が対応付けられる
請求項2に記載の制御装置。
【請求項8】
5Gネットワークに配置されたUPF(User Plane Function)がLAN(Local Area Network)とのインタフェースにVLAN(Virtual Local Area Network)情報を設定するための第1の制御コマンドを生成し、
前記5Gネットワークと前記LANとの間の通信用の内部通信用仮想スイッチを前記LAN内に構成するための第2の制御コマンドを生成する
制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
5Gネットワークに配置されたUPF(User Plane Function)がLAN(Local Area Network)とのインタフェースにVLAN(Virtual Local Area Network)情報を設定するための第1の制御コマンドを生成する処理と、
前記5Gネットワークと前記LANとの間の通信用の内部通信用仮想スイッチを前記LAN内に構成するための第2の制御コマンドを生成する処理と
を実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は制御装置、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、LAN(Local Area Network)上で、仮想ネットワークによりネットワークを抽象化し、ロケーションフリーのレイヤ2ネットワークを実現する。しかし、UPF(User Plane Function)などで実現される5GネットワークとLANとを含むネットワークを抽象化することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、5GネットワークおよびLANを含むネットワークを仮想ネットワークにより抽象化することは難しいという課題があった。
【0005】
本開示はこのような問題を解決するためになされたものであり、5GネットワークおよびLANを含むネットワークを抽象化できる制御装置、制御方法、および制御プログラムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様にかかる制御装置は、
5Gネットワークに配置されたUPF(User Plane Function)がLAN(Local Area Network)とのインタフェースにVLAN(Virtual Local Area Network)情報を設定するための第1の制御コマンドを生成するUPF制御コマンド生成部と、
前記5Gネットワークと前記LANとの間の通信用の内部通信用仮想スイッチを前記LAN内に構成するための第2の制御コマンドを生成する中継装置制御コマンド生成部と
を備える。
【0007】
本開示の第2の態様にかかる制御方法は、
5Gネットワークに配置されたUPF(User Plane Function)がLAN(Local Area Network)とのインタフェースにVLAN(Virtual Local Area Network)情報を設定するための第1の制御コマンドを生成し、
前記5Gネットワークと前記LANとの間の通信用の内部通信用仮想スイッチを前記LAN内に構成するための第2の制御コマンドを生成する。
【0008】
本開示の第3の態様にかかる制御プログラムは、
コンピュータに、
5Gネットワークに配置されたUPF(User Plane Function)がLAN(Local Area Network)とのインタフェースにVLAN(Virtual Local Area Network)情報を設定するための第1の制御コマンドを生成する処理と、
前記5Gネットワークと前記LANとの間の通信用の内部通信用仮想スイッチを前記LAN内に構成するための第2の制御コマンドを生成する処理と
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、5GネットワークおよびLANを含むネットワークを抽象化できる制御装置、制御方法、および制御プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1にかかる制御装置の構成を説明する図である。
【
図2】実施形態2にかかるネットワークの構成を説明する図である。
【
図3】実施形態2にかかる制御装置の構成を説明する図である。
【
図4】実施形態2にかかるUPF情報を説明する図である。
【
図5】実施形態2にかかるAPN情報を説明する図である。
【
図6】実施形態2にかかる5G VN groupを説明する図である。
【
図7】実施形態2にかかる制御装置の動作を説明する図である。
【
図8】実施形態2にかかる制御装置の動作結果を説明する図である。
【
図9】実施形態2にかかる制御装置の動作結果を説明する図である。
【
図10】実施形態2にかかる制御装置の動作結果を説明する図である。
【
図11】実施形態2にかかる制御装置の動作結果を説明する図である。
【
図12】実施形態2にかかる制御装置の動作結果を説明する図である。
【
図13】実施形態2にかかる制御装置の動作結果を説明する図である。
【
図14】実施形態2にかかる制御装置の動作結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態1
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。なお、特許文献1の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【0012】
図1は、実施形態1にかかる制御装置の構成を説明する図である。実施形態1にかかる制御装置11は、UPF制御コマンド生成部2および中継装置制御コマンド生成部3を備える。UPF制御コマンド生成部2は、5Gネットワークに配置されたUPF(User Plane Function)がLAN(Local Area Network)とのインタフェースにVLAN(Virtual Local Area Network)情報を設定するための第1の制御コマンドを生成する。中継装置制御コマンド生成部3は、5Gネットワークと前記LANとの間の通信用の内部通信用仮想スイッチを前記LAN内に構成するための第2の制御コマンドを生成する。
【0013】
実施形態1にかかる制御装置は、UPFとLANとのインタフェースにVLAN情報を設定し、かつ、LAN内に内部通信用の仮想スイッチを構成することで、5GネットワークおよびLANを含むネットワークを抽象化できる。
【0014】
なお、制御装置1は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ、および記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかる制御方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムを前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、UPF制御コマンド生成部2および中継装置制御コマンド生成部3の機能を実現する。
【0015】
または、UPF制御コマンド生成部2および中継装置制御コマンド生成部3は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)等を用いることができる。
【0016】
また、制御装置1の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0017】
実施形態2
実施形態2は、実施形態1の具体例である。
図2は、実施形態2にかかる制御装置11を含むネットワークの構成を説明する図である。制御装置11は、制御装置1の具体例である。制御装置11を含むネットワークは、LAN61および5Gネットワーク62を含んでいる。
【0018】
LAN61は、特許文献1と同様、レイヤ2中継装置、レイヤ3中継装置、および端末を含む。レイヤ2中継装置およびレイヤ3中継装置を互いに区別しない場合、中継装置と言われる場合がある。LAN61には、制御装置11およびレイヤ2中継装置21が配置されている。
【0019】
5Gネットワーク62は、互いに接続された基地局ネットワーク621およびコアネットワーク(不図示)を含む。コアネットワークには、UPF51が配置される。
【0020】
レイヤ2中継装置21およびUPF51は、互いに通信可能に接続される。制御装置11は、LAN61内の中継装置、およびUPF51を制御する。LAN61内の中継装置には、レイヤ2中継装置21が含まれる。
【0021】
UPF51は、インタフェース51-1、51-2、および51-3を備える。レイヤ2中継装置21は、インタフェース21-1、21-2、21-3、および21-4を備える。
【0022】
制御装置11は、レイヤ2中継装置21とデータ転送用リンクで接続されている。レイヤ2中継装置21を含む中継装置間も、データ転送用リンクで接続される。各中継装置は、データ転送用リンクで制御装置11からの制御コマンドを受け付ける。なお、制御装置11とレイヤ2中継装置21との間が、直接的に制御用リンクで接続されていてもよい。UPF51のインタフェース51-2は、レイヤ2中継装置21のインタフェース21-3とデータ転送用リンクで接続されている。UPF51のインタフェース51-3は、レイヤ2中継装置21のインタフェース21-4とデータ転送用リンクで接続されている。UPF51は、データ転送用リンクで制御装置11からの制御コマンドを受け付ける。
図1では、制御装置11はUPF51に接続されたレイヤ2中継装置21に接続されているが、制御装置11はLAN61内の他のレイヤ2中継装置に接続されていてもよい。
【0023】
LAN61に配置されるレイヤ3中継装置およびレイヤ2中継装置は、それぞれ、特許文献1に記載されたレイヤ3中継装置およびレイヤ2中継装置と同等の機能を持つ。
【0024】
UPF51は、端末がアクセス可能なネットワークをAPN(Access Point Name)として設定する機能を持つ。APNは、UPF51上に複数定義されることも可能である。端末のIPアドレスは、APNに設定されたサブネットから、自動的に割り当てられる。また、UPF51は、5G LAN type Serviceをサポートしている。したがって、UPF51は、複数のVNグループを定義し、複数のVNグループを同一のAPNと結び付けることができる。端末のIPアドレスは、VNグループと結び付けられたサブネットから、自動的に割り当てられる。
【0025】
レイヤ2中継装置21の数は1台でなくてもよい。同様に、UPF51の数は1台でなくてもよい。冗長化のため、複数の中継装置を含むスタック構成が用いられてもよい。
【0026】
図3を参照し、制御装置11は、中継装置通信部11-1、トポロジ取得部11-2、トポロジテーブル11-3、情報入力部11-4、中継装置グループ情報記憶部11-5、経路探索部11-6、仮想ネットワーク情報記憶部11-7、および中継装置制御コマンド生成部11-8を備える。中継装置通信部11-1等の機能は、特許文献1に記載された中継装置通信部等と同様の機能を含む。そして、制御装置11は、UPF通信部11-9、UPF制御コマンド生成部11-10、UPF情報記憶部11-11、およびAPN情報記憶部11-12、および5G LAN type Service情報記憶部11-13を備えている。UPF制御コマンド生成部11-10はUPF制御コマンド生成部2の具体例であり、中継装置制御コマンド生成部11-8は中継装置制御コマンド生成部3の具体例である。
【0027】
UPF通信部11-9は、中継装置通信部11-1と同様に、UPF51との制御用セッションの確立、および制御用コマンドの送受信を行う。telnet/ssh経由のCLI(Command Line Interface)が用いられてもよい。RESTful API、またはSNMP(Simple Network Management Protocol)が用いられてもよい。
【0028】
UPF情報記憶部11-11は、情報入力部11-4で入力されたUPF情報(装置情報とも言われる)を蓄積する。
図4に示されるように、UPF情報は、UPFグループIDと、そのグループに所属するUPFの情報とを含む。
【0029】
APN情報記憶部11-12は、情報入力部11-4で入力されたAPN情報をAPN情報テーブルに蓄積する。
図5に示されるように、APN情報テーブルは、APNを設定するUPFの情報、APN、APNを接続する仮想ネットワークのIDから構成される。5G LAN type Service機能を利用する場合、N3のネットワークアドレスとして空欄が指定される。N6インタフェースVLAN(VLAN情報)および仮想スイッチIDは、制御装置11等により自動的に割り当てられてもよい。この場合、N6インタフェースVLAN等の入力は省略されてもよい。N3とは、UPF51と基地局ネットワーク621との間のインタフェースを表す。N6とは、UPF51とLAN61との間のインタフェースを表す。
【0030】
5G LAN type Service情報記憶部11-13は、情報入力部11-4で入力されたVN(Virtural Network)グループ情報を蓄積する。
図6に示されるように、5G LAN type Service情報テーブルは、5G VN group IDの定義と、5G VN groupに結び付けられるAPNと、サブネット情報とから構成される。なお、5G LAN type Serviceを用いない場合、この情報の入力がスキップされてもよい。以下では、この情報の入力をスキップする場合が主に説明される。
【0031】
UPF制御コマンド生成部11-10は、仮想ネットワーク情報から第1の制御コマンドを生成する。そして、UPF制御コマンド生成部11-10は、UPF通信部11-9を介して、UPF51に仮想ネットワークのコマンド設定を行う。
【0032】
トポロジ取得部11-2は、特許文献1に記載された、中継装置間のトポロジ情報の取得に加え、中継装置とUPF51との間のリンク情報を取得する。特許文献1と同様、このリンク情報は、情報入力部11-4で直接入力されることも可能である。
【0033】
仮想ネットワーク情報記憶部11-7は、情報入力部11-4で入力された仮想ネットワーク情報を蓄積する。特許文献1と同様、仮想ネットワーク情報記憶部11-7は、仮想ネットワークテーブル、仮想スイッチテーブル、マッピングテーブル、仮想ルータテーブル、仮想ルータインタフェーステーブル、および仮想ルータIPアドレステーブルを保持する。
【0034】
次に、実施形態2にかかる制御装置11が、レイヤ2中継装置21およびUPF51に仮想ネットワークを構築する動作について説明する。なお、LAN61上の中継装置に関する処理のうち、特許文献1に記載された処理と同様の処理については、説明が省略される。UPF51の5G LAN type Service機能は使用しないものとする。レイヤ2中継装置21の最短のレイヤ3中継装置を、レイヤ3中継装置31とする(
図14参照)。レイヤ2中継装置21と接続しているインタフェースを、インタフェース31-1とする。
【0035】
まず、ユーザは、情報入力部11-4より、UPF51の装置情報およびAPN情報を入力する。情報入力部11-4から入力されたUPF51の装置情報は、UPF情報記憶部11-11に蓄積される。情報入力部11-4から入力されたAPN情報は、APN情報記憶部11-12に蓄積される。そして、仮想ネットワーク情報の更新要求がユーザによって入力されたことが通知される。UPF制御コマンド生成部11-10は、経路探索部11-6に、UPF51においてレイヤ2中継装置21に接続しているインタフェースの情報を要求する。この動作は、特許文献1に記載された動作と同様である。経路探索部11-6は、トポロジ情報に基づいて、要求された情報(経路情報とも言われる)を返却する。UPF制御コマンド生成部11-10は、取得した経路情報、およびAPN情報を参照し、APN情報、N3ネットワーク、およびN6インタフェースVLANを設定するための第1の制御コマンドを生成する。UPF制御コマンド生成部11-10は、第1の制御コマンドを生成した後、第1の制御コマンドの送信をUPF通信部11-9に要求する。結果として、UPF51に設定が行われる。
【0036】
レイヤ2中継装置21を含むLAN61内の中継装置に関する処理は、特許文献1に記載された処理と同様の処理を含む。仮想ネットワーク情報記憶部11-7は、情報が更新されたことを中継装置制御コマンド生成部11-8に通知する。中継装置制御コマンド生成部11-8は、LAN61内の仮想ネットワークの制御コマンドを生成するとともに、5Gネットワーク62とLAN61との間の通信を実現する制御コマンド(第2の制御コマンド)を生成する必要がある。LAN61内の仮想ネットワーク設定用の制御用コマンドを生成する処理は、特許文献1に記載された処理と同様であり、ステップS2-1、ステップS2-2、およびステップS2-3を含む(特許文献1の
図14参照)。ステップS2-1は、仮想ルータのVRFと仮想スイッチのVLANインタフェースを設定するレイヤ3中継装置を決定する。ステップS2-2は、仮想スイッチのVLANを設定する中継装置のインタフェースを決定する。ステップS2-3は、仮想ルータの内部通信用VLANを設定するインタフェースと、内部通信用IPアドレスとを決定する。ステップS2-1~2-3の後、ステップS2-4が行われる。ステップS2-4は、経路情報およびAPN情報に基づいて、5Gネットワーク62とLAN61との間の内部通信用の設定を行う。
【0037】
次に、
図7を参照してステップS2-4について説明する。なお、ステップS2-1~2-3は、特許文献1に記載された動作と同様であるため、説明を省略する。ステップS2-4は、ステップS6-1~6-3を含む。
【0038】
ステップS6-1は、中継装置制御コマンド生成部11-8が、APN情報記憶部11-12から、5Gネットワーク62とLAN61との間の通信に必要なVLANを取得する、またはVLANを払い出す、つまりVLANを自動的に割り当てる。そして、中継装置制御コマンド生成部11-8は、仮想スイッチにIDを割り当てる。
図8は、ステップS6-1を行った結果の一例を説明する図である。以下では、5Gネットワーク62とLAN61との間の通信用の仮想スイッチは、内部通信用仮想スイッチと言われる。内部通信用仮想スイッチに割り当てられるVLAN情報(ID)は、UPF51に設定されるN6インタフェースVLANに対応していてもよい。
【0039】
ステップS6-2は、特許文献1に記載された動作と同様に、詳細な経路情報より、UPF51と接続するレイヤ3中継装置の情報を取得する。ステップS6-2は、レイヤ2中継装置21の最短のレイヤ3中継装置を決定してもよい。ステップS6-2は、特許文献1に記載されたステップS3-1~S3-5を含んでもよい(特許文献1の
図15参照)。
図9は、ステップS3-1の動作の結果として得られる情報の一例を説明するための図である。内部通信用仮想スイッチは、レイヤ2中継装置21に対応付けられている。
図10は、ステップS3-2~3-5の結果として決定される、VLANインタフェースが設定されるレイヤ3中継装置の一例を説明するための図である。レイヤ3中継装置31に、仮想スイッチのVLANインタフェースが設定される。
図11は、仮想ルータごとの仮想スイッチのVLANインタフェースが設定されるレイヤ3中継装置と、VRFの一例を説明するための図である。内部通信用仮想スイッチに紐づけられる仮想ルータインタフェースIDは、中継装置制御コマンド生成部11-8が、自動で割り当ててもよく、ユーザが情報入力部11-4を介して仮想ネットワーク情報として登録してもよい。
【0040】
ステップS6-3は、特許文献1のステップS4-1~S4-4と同様の動作が行われる(特許文献1の
図19参照)。ステップS6-3は、内部通信用仮想スイッチのVLANを設定する中継装置のインタフェースを決定する。
図12は、ステップS4-1およびステップS4-3で抽出される詳細な経路情報の一例を説明するための図である。
図13は、ステップS4-4で決定されるTaggedとUntaggedのVLANを設定するインタフェースの一例を説明するための図である。
【0041】
実施形態1にかかる制御装置は、5Gネットワークを含むネットワーク構成において特許文献1と同様の効果を奏することができる。APNのN6インタフェースのVLANを仮想スイッチとして扱うことで、LANだけでなく5Gネットワークを含むネットワークを、
図14に示されるように、制御装置11上でシンプルな仮想ネットワークとして扱うことができる。
図14を参照すると、レイヤ2中継装置21が仮想スイッチc10に対応付けられている。また、レイヤ3中継装置31とUPF51とが、1つの仮想ルータに対応付けられている。LANには、端末が接続された複数のレイヤ2中継装置が配置されている。各レイヤ2中継装置が仮想スイッチに対応付けられている。
【0042】
実施形態1により、5GネットワークとLANとの間の通信に必要な設定を別途入力する必要がなくなる。UPFと接続するレイヤ2中継装置とレイヤ3中継装置の設定が、制御装置から一括して制御され得る。
【0043】
実施形態2の変形例
UPFの5G LAN type Serviceによる仮想ネットワークの拡張が行われてもよい。5G LAN type Serviceの機能を用いてAPNにVNを定義することで、1つの仮想ネットワーク上に5Gネットワーク配下のサブネットを複数定義できる。5G LAN type Serviceの機能を用いる場合、ユーザは、情報入力部11-4から、UPF51の装置情報、APN情報、および5G LAN type Service情報を入力する。5G LAN type Serviceの機能を用いる場合、
図5のN3ネットワークには空欄が指定される。その後の動作は、この機能を用いない場合と同様であるため、説明を省略する。第1の制御コマンドは、1つのAPNに対して複数のVN groupのサブネット情報を設定することとなる。
【0044】
なお、上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0045】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1、11 制御装置
2、11-10 UPF制御コマンド生成部
3、11-8 中継装置制御コマンド生成部
11-1 中継装置通信部
11-2 トポロジ取得部
11-3 トポロジテーブル
11-4 情報入力部
11-5 中継装置グループ情報記憶部
11-6 経路探索部
11-7 仮想ネットワーク情報記憶部
11-9 UPF通信部
11-11 UPF情報記憶部
11-12 APN情報記憶部
11-13 5G LAN type Service情報記憶部
21 レイヤ2中継装置
31 レイヤ3中継装置
51 UPF
61 LAN
62 5Gネットワーク
621 基地局ネットワーク