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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172226
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】端子台ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/16 20060101AFI20241205BHJP
   H01R 4/58 20060101ALI20241205BHJP
   H01R 4/38 20060101ALI20241205BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20241205BHJP
   H02G 15/013 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01R9/16
H01R4/58 C
H01R4/38 C
H02K5/22
H02G15/013
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089800
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】柴田 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 隼士
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 秀人
(72)【発明者】
【氏名】沖 卓実
【テーマコード(参考)】
5E012
5E086
5G375
5H605
【Fターム(参考)】
5E012BA12
5E086CC47
5E086DD05
5E086HH01
5E086LL04
5E086LL06
5G375AA02
5G375BA01
5G375BB46
5G375CA19
5G375CB05
5G375DB04
5G375DB16
5H605AA08
5H605BB05
5H605CC06
5H605EC05
5H605EC07
5H605FF06
5H605GG18
(57)【要約】
【課題】組付作業性の低下を抑止しつつ汎用性を向上させる端子台ユニットを提供する。
【解決手段】端子台ユニット1は、複数の端子金具20と、複数の端子金具20を保持する端子台本体10と、各々の両端部に電気機器と接続される第1接続孔35aと第2接続孔36aとが形成された複数のバスバー31を有するバスバーユニット30と、端子金具20ごとに複数のバスバー31のいずれかを締結させる複数のボルト40とを備える。バスバーユニット30は、各々のバスバー31の一部を互いに非接触の状態で一体的に支持する樹脂成形部32を有し、樹脂成形部32が設けられていないバスバー31の他の一部を露出部33とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子金具と、
複数の前記端子金具を保持する端子台本体と、
各々の両端部に電気機器と接続される接続孔が形成された複数のバスバーを有するバスバーユニットと、
前記端子金具ごとに複数の前記バスバーのいずれかを締結させる複数のボルトと、
を備え、
前記バスバーユニットは、各々の前記バスバーの一部を互いに非接触の状態で一体的に支持する樹脂成形部を有し、当該樹脂成形部が設けられていない前記バスバーの他の一部を露出部とする、端子台ユニット。
【請求項2】
前記端子金具は、前記ボルトを挿通させる挿通孔を有し、
前記バスバーは、前記露出部に、前記ボルトを貫通させる貫通孔が形成された取付板部を有し、
前記端子台本体は、各々の前記ボルトの挿通方向が平行で、かつ、各々の前記挿通孔が前記挿通方向とは直交する方向に沿って並ぶように、各々の前記端子金具を保持する、請求項1に記載の端子台ユニット。
【請求項3】
複数の前記バスバーの少なくとも1つは、前記露出部に、屈曲板部を有し、
前記端子台本体は、前記屈曲板部を有する前記バスバーが前記端子金具に締結される位置で前記屈曲板部と対向する第1当て面を有する、請求項1又は2に記載の端子台ユニット。
【請求項4】
各々の前記バスバーは、前記露出部に、前記取付板部から屈曲した平板部を有し、
前記端子台本体は、前記バスバーが前記端子金具に締結された後に、前記平板部ごとに接触させる複数の第2当て面を有する、請求項2に記載の端子台ユニット。
【請求項5】
前記バスバーユニットは、複数の前記バスバーにおける各々の前記露出部に亘って取り付けられるヒートシンクを有する、請求項1又は2に記載の端子台ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端子台本体に複数の端子金具を保持させた端子台がある。特許文献1は、インバータ側とモータ側とを電気的に接続するものであり、プレートに保持されたハウジングを端子台本体とみなし、端子ユニットに含まれる複数の第1導電部材を端子金具とみなし得るコネクタに関する技術を開示している。当該コネクタは、更に、第1導電部材に接続される複数の第2導電部材を有し、複数の第2導電部材を被覆部材によって1つの部品として構成することで組付作業性の低下を抑止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-15642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のコネクタでは、複数の第2導電部材のいずれも、一方の端部が第1導電部材に接続され、他方の端部がインバータ側導電部材に接続される直線状の短片部材である。つまり、特許文献1には、第2導電部材を、インバータ等の電気機器に接続される回路がより複雑化した形状のバスバーとみなす場合の例示がない。そのため、例えば、複数の第2導電部材を1つのユニットとみなしたとき、全体形状が当該ユニットと異なる別のユニットに容易に交換させることができるとは限らず、汎用性に難がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、組付作業性の低下を抑止しつつ汎用性を向上させる端子台ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る端子台ユニットは、複数の端子金具と、複数の端子金具を保持する端子台本体と、各々の両端部に電気機器と接続される接続孔が形成された複数のバスバーを有するバスバーユニットと、端子金具ごとに複数のバスバーのいずれかを締結させる複数のボルトと、を備え、バスバーユニットは、各々のバスバーの一部を互いに非接触の状態で一体的に支持する樹脂成形部を有し、樹脂成形部が設けられていないバスバーの他の一部を露出部とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、組付作業性の低下を抑止しつつ汎用性を向上させる端子台ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る端子台ユニットの斜視図である。
図2】第1実施形態に係る端子台ユニットの分解図である。
図3】バスバーユニットの正面図である。
図4】各バスバーの第1端部の電気機器への接続を示す一部分解図である。
図5】各バスバーの第2端部の電気機器への接続を示す一部分解図である。
図6図1のVI-VIに対応した端子台ユニットの断面図である。
図7】第2実施形態に係る端子台ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて各実施形態に係る端子台ユニットについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る端子台ユニット1の斜視図である。図2は、端子台ユニット1の分解図である。
【0011】
端子台ユニット1は、一例として、ハイブリッド車や電気自動車等の車両に搭載されるモータに関連し、当該車両に設置された電気機器であるインバータと高圧バッテリとを電気的に接続する導電路に設置されるものとする。この場合、端子台ユニット1は、具体的には、モータのモータケースに取り付けられる。端子台ユニット1は、端子台本体10と、複数の端子金具20と、バスバーユニット30と、複数のボルト40とを備える。
【0012】
端子台本体10は、合成樹脂等で形成され、複数の端子金具20を保持する。なお、端子台本体10と複数の端子金具20との組み合わせは、単に「端子台」と呼称される場合もある。また、本実施形態では、端子台本体10は、2つの端子金具20を保持するものとする。つまり、この場合の端子台の極数は、2つである。ただし、端子台本体10は、3つ以上の端子金具20を保持するものであってもよい。
【0013】
以下、端子台本体10を基準として、各方向を次のように規定する。端子台本体10は、各々の端子金具20を、すべて同一姿勢で、かつ、1つの方向に並列に配置されるように保持する。この場合、端子台本体10において各々の端子金具20が配置される方向に沿った方向をX方向と規定する。端子台本体10に保持されている端子金具20においてボルト40を挿通させる挿通孔21の挿通方向に沿った方向を、X方向とは直交するY方向と規定する。以下、Y方向について、高圧バッテリ側の不図示の相手コネクタが嵌合される側を「前側」と表記し、インバータに接続されるバスバーユニット30が組み付けられる側を「後ろ側」と表記する場合がある。また、X方向とY方向との双方に直交する方向をZ方向と規定する。
【0014】
また、端子台本体10は、ハウジング部11と、プレート部12と、第1当て部13と、第2当て部14とを有する。
【0015】
ハウジング部11は、例えば、高圧バッテリ側の相手コネクタの一部が嵌合されるキャビティ11a(図5及び図6参照)を内部に有する筒状部の集合である。キャビティ11aは、1つの端子金具20につき1つ設けられる。そのため、本実施形態では、ハウジング部11は、2つの端子金具20に対応した2つの筒状部がX方向で隣り合う形状を有する。2つの筒状部の軸方向は、各々Y方向に沿う。ハウジング部11の前側には、相手コネクタの一部を挿入させるキャビティ11aの開口部11bが形成されている。
【0016】
プレート部12は、ハウジング部11を支持するとともに、端子台ユニット1の取付対象である不図示のモータケースに保持される。プレート部12は、XZ平面と平行な2つの主平面を含む形状を有し、ハウジング部11の後ろ側と連続するように設けられる。また、プレート部12は、不図示の固定ボルトを用いてモータケースに固定され得る。この場合、プレート部12は、例えば、各々Y方向に挿通し、金属製かつ円筒状のカラーが取り付けられた2つの第1固定孔12aを有してもよい。2つの第1固定孔12aは、X方向で互いにハウジング部11を挟むように配置される。
【0017】
第1当て部13及び第2当て部14は、それぞれ、端子台本体10の外面のうち、端子台本体10にバスバーユニット30が組み付けられたときにバスバー31の一部と対向する部位に設けられる。このうち、第1当て部13は、バスバー31が端子金具20に締結される位置で、バスバー31の一部である屈曲板部39と対向する第1当て面13aを有する。第2当て部14は、バスバー31が端子金具20に締結された後に、バスバー31の一部である取付板部34から屈曲した平板部に接触させる第2当て面14aを有する。本実施形態では、第1当て部13及び第2当て部14は、端子金具20ごとにボルト40を用いて締結されるバスバー31に各々対応して設けられる。なお、第1当て部13及び第2当て部14の具体的形状又は構成については、バスバー31の具体的形状と併せて以下で詳説する。
【0018】
端子金具20は、一端をインバータと連結される1つのバスバー31に締結させ、他端を相手コネクタの相手端子と連結される接続端部22(図5及び図6参照)とする導通部材である。本実施形態では、2つの端子金具20、すなわち、第1端子金具20aと第2端子金具20bとが存在する。各々の端子金具20の形状は、互いに同一である。
【0019】
端子金具20の一端は、XZ平面と平行な平板状に構成され、ボルト40を挿通させる挿通孔21を有する。挿通孔21の挿通方向は、上記のとおり、Y方向に沿った方向である。なお、端子台本体10には、予め、挿通孔21に挿通されたボルト40を係合させるネジ穴が形成されている。接続端部22は、軸方向がY方向に沿った棒状部である。
【0020】
また、各々の端子金具20は、各々のボルト40の係合方向が平行で、かつ、上記のとおり各々の挿通孔21が挿通方向に沿って並ぶように保持される。ここで、各々の端子金具20は、インサート成形により、端子台本体10に一体的に保持されてもよい。
【0021】
図3は、X方向視によるバスバーユニット30の正面図である。
【0022】
バスバーユニット30は、複数のバスバー31と、樹脂成形部32とを有する。
【0023】
本実施形態では、バスバーユニット30は、第1バスバー31aと、第2バスバー31bとの2つのバスバー31を有する。第1バスバー31aは、第1端子金具20aの締結対象である。第2バスバー31bは、第2端子金具20bの締結対象である。第1バスバー31aと第2バスバー31bとでは、具体的形状は、インバータ側の構成に依拠することから互いに相違するものの、基本形状は、おおよそ同一である。そこで、以下、第1バスバー31aを例に、バスバー31の基本形状について説明する。
【0024】
第1バスバー31aは、金属等の導電性材料からなり、一方の端部である第1端部35から、他方の端部である第2端部36に至るまで、延伸方向を適宜変化させた形状を有する板体である。一例として、第1バスバー31aは、取付板部34と、第1端部35と、第2端部36と、延伸板部37と、これらの板部を連結する複数の平板部とを有する。以下、第1バスバー31aの形状については、バスバーユニット30が端子台本体10に組み付けられた状態、すなわち、第1バスバー31aが第1端子金具20aに締結された状態を基準として説明する。
【0025】
取付板部34は、主平面がXZ平面と平行で、ボルト40を貫通させる貫通孔34aが形成された板部である。貫通孔34aの貫通方向は、Y方向に沿う。
【0026】
図4は、バスバー31の第1端部35のインバータへの接続を示す一部分解図である。
【0027】
第1端部35は、主平面がXZ平面と平行で、第1接続ボルト41を貫通させる第1接続孔35aが形成された板部である。第1接続孔35aの貫通方向は、Y方向に沿う。第1端部35は、インバータの一部位である第1部品101に接続され得る。第1部品101には、予め第1ネジ穴101aが設けられている。この場合、作業者は、第1接続ボルト41を第1接続孔35aに貫通させつつ第1ネジ穴101aに係合させることで、第1端部35と第1部品101とを接続することができる。
【0028】
なお、第2バスバー31bの第1端部35も、第1バスバー31aと同様に、インバータの一部位であり、かつ、第1部品101とは別回路を構成する第2部品102に接続され得る。第2部品102には、予め第2ネジ穴102aが設けられている。この場合、作業者は、第1接続ボルト41を第1接続孔35aに貫通させつつ第2ネジ穴102aに係合させることで、第1端部35と第2部品102とを接続することができる。
【0029】
また、第1バスバー31aでは、第1端部35は、主平面がXY平面と平行な第2平板部38bを介して取付板部34の一端と連続する。
【0030】
図5は、バスバー31の第2端部36のインバータへの接続を示す一部分解図である。
【0031】
第2端部36は、主平面がXZ平面と平行で、第2接続ボルト42を貫通させる第2接続孔36aが形成された板部である。第2接続孔36aの貫通方向は、Y方向に沿う。第2端部36は、インバータの一部位であり、かつ、第1部品101及び第2部品102とは別回路を構成する第3部品103の第1回路103aに接続され得る。第1回路103aには、予め第3ネジ穴103cが設けられている。この場合、作業者は、第2接続ボルト42を第2接続孔36aに貫通させつつ第3ネジ穴103cに係合させることで、第2端部36と第1回路103aとを接続することができる。
【0032】
なお、第2バスバー31bの第2端部36も、第1バスバー31aと同様に、インバータの一部位であり、かつ、第1部品101及び第2部品102並びに第1回路103aとは別回路を構成する第2回路103bに接続され得る。第2回路103bには、予め第4ネジ穴103dが設けられている。この場合、作業者は、第2接続ボルト42を第2接続孔36aに貫通させつつ第4ネジ穴103dに係合させることで、第2端部36と第2回路103bとを接続することができる。
【0033】
ここで、第1端部35と第2端部36とは、各々のバスバー31における両端部であるので、取付板部34は、第1端部35と第2端部36との間に位置することになる。
【0034】
また、第1バスバー31aでは、第2端部36は、第5平板部38e、第4平板部38d、第3平板部38c、延伸板部37及び第1平板部38aを順に介して取付板部34の一端と連続する。ここで、第1平板部38aは、主平面がXY平面と平行となる形状を有する。第3平板部38cは、主平面がXY平面と平行となる形状を有する。第4平板部38dは、主平面がYZ平面と平行となる形状を有する。第5平板部38eは、主平面がXY平面と平行となる形状を有する。
【0035】
延伸板部37は、主平面がXZ平面と平行で、Z方向に延伸する板部である。バスバーユニット30において、第1バスバー31aが有する延伸板部37と、第2バスバー31bが有する延伸板部37とは、少なくとも一部がX方向に沿って並ぶように配置される。
【0036】
樹脂成形部32は、第1バスバー31aの一部と、第2バスバー31bの一部とを、互いに非接触の状態で一体的に支持する。本実施形態では、各々のバスバーでは、第4平板部38dの一端に第3平板部38cが連続し、第4平板部38dの他端に第5平板部38eが連続する。このとき、図3に示すように、第3平板部38cは、第4平板部38dに対して、X方向とは反対方向に直角に屈曲した状態で連続し、第5平板部38eは、第4平板部38dに対して、X方向に直角に屈曲した状態で連続する。そこで、本実施形態では、樹脂成形部32は、第4平板部38dの全体と、第3平板部38cの少なくとも一部と、第5平板部38eの少なくとも一部とを内包するように成形されてもよい。この場合、樹脂成形部32は、各々のバスバー31における複数の屈曲部を内包した状態で成形されることになるので、例えば、成形後の樹脂成形部32がバスバー31上で位置ズレを生じさせることを抑止することができる。
【0037】
また、樹脂成形部32は、例えば、必要に応じて固定ボルトを用いてモータケースの一部にバスバーユニット30を固定可能とするために、Y方向に挿通し、金属製かつ円筒状のカラーが取り付けられた第2固定孔32aを有してもよい。
【0038】
露出部33は、図3に示すように、バスバー31において樹脂成形部32が設けられていない部位の総称である。本実施形態では、取付板部34、第1端部35、第2端部36、及び、延伸板部37の少なくとも一部は、露出部33である。
【0039】
ボルト40は、端子台本体10にバスバーユニット30を組み付けるに際して、端子金具20ごとに複数のバスバー31のいずれかを締結させる。作業者は、ボルト40を、取付板部34に形成されている貫通孔34aと、端子金具20に形成されている挿通孔21とに貫通させつつ、端子台本体10のネジ穴に係合させることで、端子金具20にバスバー31を締結させることができる。
【0040】
図6は、図1のVI-VIに対応した端子台ユニット1の断面図である。図6は、第2バスバー31bを含みつつボルト40の係合位置を含まないYZ平面で切断されている。
【0041】
ここで、バスバーユニット30では、第1バスバー31aにおける延伸板部37と第3平板部38cとが連続する部分は、屈曲板部39(図2及び図3参照)である。屈曲板部39では、第3平板部38cは、延伸板部37からY方向に延伸する。そのため、端子台本体10にバスバーユニット30が組み付けられている状態では、図6に示すように、第3平板部38cの一部は、端子台本体10の一部とZ方向で対向する。そこで、本実施形態では、第1当て部13の一部が延伸板部37の一部と対向し、第1当て部13の他の一部が第3平板部38cの一部と対向するように、第1当て部13が端子台本体10に設けられる。このとき、延伸板部37又は第3平板部38cと対向する面が、図6において二点鎖線で囲まれた範囲として示される第1当て面13aである。
【0042】
また、バスバーユニット30では、各々のバスバー31において、第1平板部38aが取付板部34の一端からY方向とは反対方向に屈曲している。そこで、本実施形態では、第2当て部14をY方向とは反対方向に突出する突起形状とし、図6に示すように、バスバー31が端子金具20に締結された後に第1平板部38aの表面と接触させる。このとき、第1平板部38aと接触する面が第2当て面14aである。
【0043】
次に、端子台ユニット1の効果について説明する。
【0044】
端子台ユニット1は、複数の端子金具20と、複数の端子金具20を保持する端子台本体10とを備える。また、端子台ユニット1は、各々の両端部に電気機器と接続される接続孔が形成された複数のバスバー31を有するバスバーユニット30と、端子金具20ごとに複数のバスバー31のいずれかを締結させる複数のボルト40とを備える。バスバーユニット30は、各々のバスバー31の一部を互いに非接触の状態で一体的に支持する樹脂成形部32を有し、樹脂成形部32が設けられていないバスバー31の他の一部を露出部33とする。
【0045】
ここで、複数の端子金具20は、上記例示では、第1端子金具20a及び第2端子金具20bに相当する。複数のバスバー31は、上記例示では、第1バスバー31a及び第2バスバー31bに相当する。各々のバスバー31における両端部は、上記例示では、第1接続孔35aが形成された第1端部35と、第2接続孔36aが形成された第2端部36とに相当する。また、接続孔に接続される電気機器は、例えばインバータである。
【0046】
まず、端子台ユニット1では、各々のバスバー31は、端子金具20ごとにボルト締結されるので、作業者は、各々の端子金具20に対して各々のバスバー31を容易に取り付けることができる。つまり、作業者は、端子台本体10に対して、バスバーユニット30を容易に組み付けることができる。また、バスバーユニット30では、樹脂成形部32により複数のバスバー31が一体的に支持されているので、複数のバスバー31の取り扱いが容易となり、その結果、端子台本体10への組み付けに要する工数を削減することができる。したがって、端子台ユニット1によれば、組付作業性の点で有利である。
【0047】
また、各々のバスバー31は、端子金具20ごとにボルト締結されるので、作業者は、ボルト締結を解除することで、端子台本体10からバスバーユニット30を容易に取り外すことができる。ここで、端子台本体10の形状が一定であるものとする。一方、複数の端子金具20への締結部分の形状を共通としつつ、バスバー31の配索に関する全体形状がそれぞれ異なる複数のバスバーユニット30を予め準備したとする。この場合、作業者は、端子台本体10に対して、所望のバスバーユニット30に容易に交換することができるので、端子台ユニット1の構成を、様々な車種や個別の仕様に合わせて適宜変更することができる。特に、端子台ユニット1では、バスバー31の各々の両端部に、電気機器と接続される接続孔が設けられるため、ボルト40を用いて端子金具20に締結される部位は、接続孔が設けられている両端部とは、別部位にある。したがって、端子台ユニット1は、個々のバスバー31の形状が電子機器側の制約に合わせて複雑化したものであっても対応し得る。更に、バスバーユニット30では、樹脂成形部32が設けられていない部位が露出部33となるので、個々のバスバー31に、しなりを許容する形状を残存させることになる。そのため、個々のバスバー31は、端子金具20と締結される部位の寸法公差を吸収することができるので、取付性を向上させ、その結果、対応し得るバスバー31の形状の範囲をより広げることができる。したがって、端子台ユニット1によれば、汎用性を向上させることができる。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、組付作業性の低下を抑止しつつ汎用性を向上させる端子台ユニット1を提供することができる。
【0049】
また、端子台ユニット1では、端子金具20は、ボルト40を挿通させる挿通孔21を有してもよい。バスバー31は、露出部33に、ボルト40を貫通させる貫通孔34aが形成された取付板部34を有してもよい。端子台本体10は、各々のボルト40の係合方向が平行で、かつ、各々の挿通孔21が挿通方向とは直交する方向に沿って並ぶように、各々の端子金具20を保持してもよい。
【0050】
ここで、上記例示では、ボルト40の挿通方向は、Y方向に相当する。また、上記例示では、各々の挿通孔21が並ぶ方向である、ボルト40の挿通方向と直交する方向は、X方向に相当する。
【0051】
この端子台ユニット1によれば、複数のバスバー31ごとにボルト40による締結を要するものの、各々のボルト40の係合方向、すなわち、各々のバスバー31の締結方向が均一になるため、組付作業性を向上させることができる。
【0052】
また、端子台ユニット1では、複数のバスバー31の少なくとも1つは、露出部33に、屈曲板部39を有してもよい。端子台本体10は、屈曲板部39を有するバスバー31が端子金具20に締結される位置で屈曲板部39と対向する第1当て面13aを有してもよい。
【0053】
この端子台ユニット1によれば、バスバーユニット30の組み付けに際して、作業者が第1当て面13aに屈曲板部39を当てるようにバスバーユニット30を端子台本体10に近づけることで、バスバーユニット30を簡易的に位置決めすることができる。したがって、組付作業性を向上させることができる。
【0054】
また、端子台ユニット1では、各々のバスバー31は、露出部33に、取付板部34から屈曲した平板部を有してもよい。端子台本体10は、バスバー31が端子金具20に締結された後に、平板部ごとに接触させる複数の第2当て面14aを有してもよい。
【0055】
ここで、上記例示では、第2当て面14aが接触する、取付板部34から屈曲した平板部は、第1平板部38aに相当する。
【0056】
この端子台ユニット1によれば、バスバーユニット30が端子台本体10に組み付けられた後、バスバー31ごとに、第1平板部38aを第2当て面14aに接触し続けさせることができるので、バスバー31が過大に変形することを抑止することができる。したがって、端子台ユニット1の品質を確保するのに有利となる。
【0057】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る端子台ユニット1の斜視図である。
【0058】
上記の第1実施形態に係る端子台ユニット1では、バスバーユニット30において個々のバスバー31に露出部33が存在するので、バスバー31の放熱を促し、その結果、通電電流値を上げるのに有利となり得る。
【0059】
ここで、バスバーユニット30では、第1バスバー31a及び第2バスバー31bは、露出部33の一部として、互いに主平面を同一方向に向けさせつつ同一姿勢で並ぶ延伸板部37を有する。そこで、本実施形態におけるバスバーユニット30は、図7に示すように、2つの延伸板部37に亘ってヒートシンク50を取り付ける。なお、ヒートシンク50は、各々のバスバー31に対して取り付け及び取り外し自在であってもよい。
【0060】
つまり、バスバーユニット30は、複数のバスバー31における各々の露出部33に亘って取り付けられるヒートシンク50を有してもよい。
【0061】
本実施形態によれば、露出部33にヒートシンク50が取り付けられるので、より放熱性を向上させることができ、その結果、より通電電流値を上げることができる。
【0062】
なお、上記説明では、複数のバスバー31としての第1バスバー31aと第2バスバー31bとの基本形状が互いにおおよそ同一である場合を例示した。これに対して、バスバーユニット30には、複数のバスバー31が3つ以上存在してもよいし、各々のバスバー31の具体的形状の他、基本形状についても互いに相違するものであってもよい。
【0063】
以上、一実施形態を説明したが、実施形態はこれらに限定されるものではなく、実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 端子台ユニット
10 端子台本体
13a 第1当て面
14a 第2当て面
20 端子金具
20a 第1端子金具
20b 第2端子金具
21 挿通孔
30 バスバーユニット
31 バスバー
31a 第1バスバー
31b 第2バスバー
32 樹脂成形部
33 露出部
34 取付板部
34a 貫通孔
35 第1端部
35a 第1接続孔
36 第2端部
36a 第2接続孔
38a 第1平板部
39 屈曲板部
40 ボルト
50 ヒートシンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7