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特開2024-172236搬送システム、搬送方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172236
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】搬送システム、搬送方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 37/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65G37/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089816
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徳之
(72)【発明者】
【氏名】小林 哲平
(72)【発明者】
【氏名】二橋 謙介
(57)【要約】
【課題】設備レイアウトに応じて柔軟に積み付け作業を行う。
【解決手段】搬送システムは、自動で移動可能な少なくとも1つの移動体と、供給装置とを有する搬送システムであって、移動体は、供給装置に向けて、物品が搭載されていない複数のパレットを搬送して、供給装置に複数のパレットを供給し、供給装置は、移動体に、供給されたパレットを搭載し、パレットが搭載された移動体は、パレットに物品を搭載する積付装置に向けて、パレットを搬送する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動で移動可能な少なくとも1つの移動体と、供給装置とを有する搬送システムであって、
移動体は、前記供給装置に向けて、物品が搭載されていない複数のパレットを搬送して、前記供給装置に複数の前記パレットを供給し、
前記供給装置は、移動体に、供給された前記パレットを搭載し、
前記パレットが搭載された前記移動体は、前記パレットに物品を搭載する積付装置に向けて、前記パレットを搬送する、
搬送システム。
【請求項2】
前記供給装置が保有している前記パレットの数である残パレット数が所定数未満である場合には、前記供給装置により前記移動体へ前記パレットを搭載させる前に、前記移動体により前記供給装置へ前記パレットを搬送させ、
前記残パレット数が前記所定数以上である場合には、前記移動体により前記供給装置へ前記パレットを搬送する前に、前記供給装置により前記移動体へ前記パレットを搭載させる、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記パレットの搬送を管理する管理装置を更に含み、
前記管理装置は、前記供給装置が保有している前記パレットの数である残パレット数の情報を取得する情報取得部と、指令を出力する指令出力部と、を含み、
前記指令出力部は、
前記残パレット数が所定数未満である場合には、前記移動体により前記供給装置へ前記パレットを搬送する旨の指令を、出力し、
前記残パレット数が前記所定数以上である場合には、前記供給装置により前記移動体へ前記パレットを搭載する旨の指令を、出力する、請求項1又は請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記指令出力部は、
前記残パレット数が前記所定数未満である場合には、複数の前記パレットが設置されているパレット設置場所に前記移動体を移動させる旨の指令を、出力し、
前記移動体が前記パレット設置場所に到着した旨の情報が、前記情報取得部により取得されたら、前記移動体により前記供給装置へ前記パレットを搬送する旨の指令を、出力する、請求項3に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記指令出力部は、
前記残パレット数が前記所定数以上である場合には、前記移動体を供給装置に向けて移動させる旨の指令を、出力し、
前記移動体が前記供給装置の設置場所に到着した旨の情報が、前記情報取得部により取得されたら、前記供給装置により前記移動体へ前記パレットを搭載する旨の指令を、出力する、請求項3に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記指令出力部は、前記移動体に前記パレットが搭載された旨の情報が、前記情報取得部により取得されたら、前記パレットが搭載された前記移動体を前記積付装置に向けて移動させる旨の指令を、出力する、請求項3に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記移動体は、トレイ上に前記パレットを搭載しながら、前記パレットを搬送する、請求項1又は請求項2に記載の搬送システム。
【請求項8】
自動で移動可能な少なくとも1つの移動体と、供給装置とを用いてパレットを搬送する搬送方法であって、
移動体により、前記供給装置に向けて、物品が搭載されていない複数のパレットを搬送して、前記供給装置に複数の前記パレットを供給するステップと、
前記供給装置により、移動体に、供給された前記パレットを搭載するステップと、
前記パレットが搭載された前記移動体により、前記パレットに物品を搭載する積付装置に向けて、前記パレットを搬送するステップと、
を含む、
搬送方法。
【請求項9】
自動で移動可能な少なくとも1つの移動体と、供給装置とを用いてパレットを搬送する搬送方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
移動体により、前記供給装置に向けて、物品が搭載されていない複数のパレットを搬送して、前記供給装置に複数の前記パレットを供給するステップと、
前記供給装置により、移動体に、供給された前記パレットを搭載するステップと、
前記パレットが搭載された前記移動体により、前記パレットに物品を搭載する積付装置に向けて、前記パレットを搬送するステップと、
をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送システム、搬送方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パレットなどのトレイに物品を積み付けして、物品を出荷する方法が知られている。例えば特許文献1には、物品トレイをベルトコンベア上で搬送し、ベルトコンベア上の物品トレイに物品を積み付けて、積み付けられた物品を出荷する自動出荷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-85208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、位置が決められたベルトコンベア上でしか積み付けなどの作業を行うことができないため、個々の設備レイアウトに応じた柔軟な作業を行うことができない。従って、設備レイアウトに応じて柔軟に積み付け作業を行うことが求められている。
【0005】
本開示は、設備レイアウトに応じて柔軟に積み付け作業を行うことが可能な、搬送システム、搬送方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る搬送システムは、自動で移動可能な少なくとも1つの移動体と、供給装置とを有する搬送システムであって、移動体は、前記供給装置に向けて、物品が搭載されていない複数のパレットを搬送して、前記供給装置に複数の前記パレットを供給し、前記供給装置は、移動体に、供給された前記パレットを搭載し、前記パレットが搭載された前記移動体は、前記パレットに物品を搭載する積付装置に向けて、前記パレットを搬送する。
【0007】
本開示に係る搬送方法は、自動で移動可能な少なくとも1つの移動体と、供給装置とを用いてパレットを搬送する搬送方法であって、移動体により、前記供給装置に向けて、物品が搭載されていない複数のパレットを搬送して、前記供給装置に複数の前記パレットを供給するステップと、前記供給装置により、移動体に、供給された前記パレットを搭載するステップと、前記パレットが搭載された前記移動体により、前記パレットに物品を搭載する積付装置に向けて、前記パレットを搬送するステップと、を含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、自動で移動可能な少なくとも1つの移動体と、供給装置とを用いてパレットを搬送する搬送方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、移動体により、前記供給装置に向けて、物品が搭載されていない複数のパレットを搬送して、前記供給装置に複数の前記パレットを供給するステップと、前記供給装置により、移動体に、供給された前記パレットを搭載するステップと、前記パレットが搭載された前記移動体により、前記パレットに物品を搭載する積付装置に向けて、前記パレットを搬送するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、設備レイアウトに応じて柔軟に積み付け作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る搬送システムの模式図である。
図2図2は、移動体の模式図である。
図3図3は、管理装置の模式的なブロック図である。
図4図4は、移動体管理装置の模式的なブロック図である。
図5図5は、移動体の制御装置の模式的なブロック図である。
図6図6は、供給装置の制御装置の模式的なブロック図である。
図7図7は、積付装置の制御装置の模式的なブロック図である。
図8図8は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。
図9図9は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。
図10図10は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。
図11図11は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。
図12図12は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。
図13図13は、残パレット数が所定数未満である場合の管理装置の処理フローを説明するフローチャートである。
図14図14は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。
図15図15は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。
図16図16は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。
図17図17は、残パレット数が所定数以上である場合の管理装置の処理フローを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0012】
(搬送システム)
図1は、本実施形態に係る搬送システムの模式図である。本実施形態に係る搬送システム1は、設備W内においてパレットPを搬送するシステムであり、より好ましくは、搬送したパレットP上に物品Rを積み付けるシステムである。設備Wは、例えば倉庫など、物流管理される設備であるが、パレットPが搬送される任意の設備であってよい。ここで、パレットPは、一般社団法人日本パレット協会の定義では「一つの単位にまとめた貨物を置くための面があり、人手またはフォークリフト等の専用車両により荷役、輸送、及び保管の全てが可能な構造をもつもの。上部構造物をもつものを含む」とされる。本実施形態では、パレットPとは、物品Rが積付される容器や台を指す。すなわちここでいうパレットは、いわゆる平板状の台に限られず、かご車等も含まれ、任意の形状のものであってよい。物品Rとは、パレットPに積付されるものであり、例えば出荷される商品などである。パレットP上に積み付けられる物品Rの種類や、物品Rの数などは、オーダーなどに応じて適宜設定されてよい。なお、以降においては、特に断りのない限り、パレットPとは、物品Rが搭載されていない空パレットを指す。
【0013】
図1に示すように、搬送システム1は、少なくとも1つの移動体10と、供給装置20と、積付装置30と、管理装置40と、移動体管理装置50とを有する。移動体10は、設備Wの領域AR内を移動する移動体であり、パレットPを搬送する。供給装置20は、移動体10にパレットPを供給する装置である。積付装置30は、パレットPに物品Rを積み付ける装置である。管理装置40は、パレットPの搬送を管理する装置であり、詳しくは後述するが、移動体10、供給装置20、及び積付装置30に対して、指令を出力する。移動体管理装置50は、移動体10の移動を管理する装置である。搬送システム1に複数の移動体10が配備されている場合、移動体管理装置50は、それら複数の移動体10の移動を管理する。なお、搬送システム1は、移動体10、供給装置20、及び積付装置30の少なくともいずれかを、複数有してもよい。
【0014】
以降において、領域ARに沿った一方向をX方向とし、領域ARに沿った方向であってX方向に交差する方向を、Y方向とする。本実施形態では、Y方向は、X方向に直交する方向である。X方向、Y方向は、水平面に沿った方向といってもよい。本実施形態においては、「位置」とは、特に断りのない限り、領域AR上の二次元面における座標系(領域ARの座標系)における位置(座標)を指す。
【0015】
(設備)
設備Wには、位置(座標)毎にウェイポイントWPが設定されている。移動体10の移動する経路は、ウェイポイントWPを繋ぐように設定される。すなわち、移動体10が通過を予定するウェイポイントWPを接続する経路が、移動体10の経路となる。ウェイポイントWPは、設備Wのレイアウトに応じて設定される。例えば、ウェイポイントWPは、領域AR内においてマトリクス状に設定されてよい。
【0016】
設備W内には、パレットPが配置される領域AR1(パレット設置場所)と、供給装置20が配置される領域AR2(供給装置設置場所)と、積付装置30が配置される領域AR3(積付装置設置場所)とが設けられている。領域AR1には、複数のパレットPが配置されている。本実施形態では、領域AR1内において、複数のパレットPが積み重ねられた状態で配置されている。以降においては、複数のパレットPが積み重ねられたパレットPの群を、適宜、パレット群Paと記載する。パレット群Paに含まれるパレットPの数は任意であってよい。領域AR1は、複数のウェイポイントWPのうちの1つのウェイポイントWPに対応する位置に設けられている。また、領域AR1は複数設けられてよく、それぞれの領域AR1に、パレット群Paが配置される。なお、図1の例では、領域AR1の数は3つであるが、それに限られない。
【0017】
領域AR2には、供給装置20が配置されている。領域AR2は、複数のウェイポイントWPのうちの1つのウェイポイントWPに対応する位置に設けられている。領域AR3には、積付装置30が配置されている。領域AR3は、複数のウェイポイントWPのうちの1つのウェイポイントWPに対応する位置に設けられている。なお、領域AR1、AR2、AR3の位置は、設備Wのレイアウトなどに応じて、適宜設定されてよい。
【0018】
(設備内での作業)
本実施形態においては、移動体10が、領域AR1に配置されたパレット群Pa(複数のパレットP)を取得し、取得したパレット群Paを領域AR2まで搬送して、供給装置20にパレット群Paを供給する。また、移動体10は、供給装置20から、供給装置20が保持するパレットPの供給を受け、供給されたパレットPを、領域AR3まで搬送する。積付装置30は、領域AR3まで搬送されたパレットPに物品Rを積付する。移動体10は、領域AR3で物品Rが積付されたパレットPを、他の領域に搬送する。なお、以上の各作業を実行する移動体10は、同じ移動体10であってもよいし、異なる移動体10であってもよい。
【0019】
(パレット群)
本実施形態においては、パレット群Paは、トレイQ上に配置されている。トレイQは、パレット群Paが配置される任意の形状であってよいが、本実施形態では、図1に示すように、台部Q1と、足部Q2とを有する。台部Q1は、上面にパレット群Paが配置される台である。足部Q2は、台部Q1の下面から延在する部材であり、台部Q1を、設備Wの床面よりも上方で保持する。移動体10は、台部Q1の下方の空間に進入して台部Q1の下面を保持し、移動することで、パレット群Paが搭載されたトレイQを(すなわち複数のパレットPを)保持して、搬送する。なお、トレイQの構造はこれに限られず、トレイQは、パレット群Paが配置可能であり、移動体10によって搬送可能な任意の構造であってよい。
【0020】
ただし、パレット群Paは、トレイQ上に配置されていることに限られず、例えば設備Wの床面に直接配置されていてよい。この場合例えば、領域AR1において、作業者により、パレット群Paを移動体10に搭載してもよいし、パレット群Paを移動体10に搭載する装置により、パレット群Paを移動体10に搭載してもよい。また例えば、移動体10がAGF(Automated Guided Forklift)である場合、移動体10に設けられたフォークにより、領域AR1の床面に配置されたパレット群Paをピックアップさせてよい。
【0021】
(各装置の構成)
次に、搬送システム1が有する各装置の構成について説明する。
【0022】
(移動体)
図2は、移動体の模式図である。移動体10は、自動で移動可能な装置である。すなわち、移動体10は、パレットPを搭載可能であり、自律移動可能な移動体である。本実施形態では、移動体10は、いわゆるAGV(Automated Guided Vehicle)であり、フォークリフトとしての機能を有するものではない。すなわち、本実施形態における移動体10は、AGFのような、パレットPを持ち上げ可能なフォークを有さない。ただしそれに限られず、設備Wに配備される移動体10の少なくとも1つは、AGFであってもよい。
【0023】
図2に示すように、移動体10は、車体12と、車輪14と、センサ16と、制御装置60とを有する。車体12には、パレットPを搭載可能であり、言い換えれば、車体12に、パレットPを搭載する搭載部が設けられている。図2の例では、車体12の上面が、パレットPが搭載可能な搭載部となっている。車輪14は、車体12に取り付けられる車輪である。
【0024】
センサ16は、移動体10の周辺に存在する対象物を検出する。センサ16の設けられる位置及び数は任意であってよい。センサ16は、例えばレーザ光を照射するセンサである。センサ16は、一方向(ここでは横方向)に走査しつつレーザ光を照射し、照射したレーザ光の反射光から、対象物を検出する。すなわち、センサ16は、いわゆる2次元(2D)-LiDAR(Light Detection And Ranging)であるともいえる。ただし、センサ16は、以上のものに限られず任意の方法で対象物を検出するセンサであってよく、例えば、複数の方向に走査されるいわゆる3次元(3D)-LiDARであってもよいし、走査されない、いわゆる1次元(1D)-LiDARであってもよいし、カメラであってもよい。
【0025】
制御装置60は、移動体10の移動を制御する装置である。制御装置60の構成については後述する。
【0026】
(供給装置)
供給装置20は、パレットPを保持して、保持したパレットPを、移動体10に供給(搭載)する装置である。供給装置20の構成は任意であるが、図1に示すように、本実施形態においては、供給装置20は、基台部22と、保持部24と、制御装置70とを有する。基台部22は、パレットPを収納する機構であり、内部にパレットPを収納する収納空間22aが形成されている。収納空間22aは、外部の空間と連通しており、移動体10が外部から進入可能となっている。供給装置20が配置される領域AR2のウェイポイントWPは、収納空間22a内に設定されることが好ましい。保持部24は、パレットPを保持する機構である。保持部24は、基台部22の収納空間22aに設けられており、収納空間22a内でパレットPを保持する。保持部24は、移動体10が収納空間22aに搬入したパレットPを回収して、保持する。保持部24の形状は任意であってよいが、例えば、パレットPに形成された開口に挿入可能な爪状となっていてよい。さらに言えば、保持部24は、収納空間22a内を上下方向(鉛直方向)に移動可能となっている。ただし、供給装置20の構造はこれに限られず、供給装置20は、移動体10が搬入したパレットPを回収して保持可能な、任意の構造であってよい。制御装置70は、供給装置20の動作を制御する装置である。制御装置70の構成については後述する。
【0027】
(積付装置)
積付装置30は、パレットPに物品Rを積み付ける装置(ロボット)であり、いわゆるパレタイザである。図1に示すように、積付装置30は、アーム32と制御装置80とを有する。アーム32は、いわゆるロボットアームである。アーム32は、物品Rをピックアップし、ピックアップした物品RをパレットP上に配置することで、パレットPに物品Rを積み付ける機構である。積付装置30が配置される領域AR3のウェイポイントWPは、アーム32が届く位置に設定されることが好ましい。ただし、積付装置30の構造はこれに限られず、積付装置30は、パレットPに物品Rを積み付け可能な、任意の構造であってよい。制御装置80は、積付装置30の動作を制御する装置である。制御装置80の構成については後述する。
【0028】
(管理装置)
図3は、管理装置の模式的なブロック図である。管理装置40は、搬送システム1が有する各装置の動作を管理するシステムである。管理装置40は、本実施形態ではWCS(Warehouse Control System)やWMS(Warehouse Management System)であるが、WCS及びWMSに限られず任意のシステムであってよく、例えば、その他の生産管理系システムのようなバックエンドシステムでも構わない。管理装置40が設けられる位置は任意であり、設備W内に設けられてもよいし、設備Wから離れた位置に設けられて、離れた位置から設備Wを管理するものであってもよい。管理装置40は、コンピュータであり、図3に示すように、通信部42と記憶部44と制御部46とを含む。なお、管理装置40は、単体の装置で構成してもよいし、他の装置と一体に構成してもよいし、演算装置及びデータサーバ等の各種装置を組み合わせたシステムとして構成してもよく、特に限定されない。
【0029】
通信部42は、制御部46に用いられて、搬送システム1が有する各装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部42による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部44は、制御部46の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部44が保存する制御部46用のプログラムは、管理装置40が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0030】
制御部46は、演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算回路を含む。制御部46は、作業設定部46Aと、情報取得部46Bと、指令出力部46Cとを含む。制御部46は、記憶部44からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、作業設定部46Aと情報取得部46Bと指令出力部46Cを実現して、その処理を実行する。なお、制御部46は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、作業設定部46Aと情報取得部46Bと指令出力部46Cとの少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。
【0031】
作業設定部46Aは、搬送システム1が有する各装置の作業内容を設定する。情報取得部46Bは、搬送システム1が有する各装置から送信された情報を取得する。指令出力部46Cは、搬送システム1が有する各装置に、指令を出力する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0032】
(移動体管理装置)
図4は、移動体管理装置の模式的なブロック図である。移動体管理装置50は、移動体10を管理する装置である。移動体管理装置50は、例えばFCS(Fleet Control System)であるが、それに限られず、移動体10を管理する任意の装置であってよい。移動体管理装置50が設けられる位置は任意であり、設備W内に設けられてもよいし、設備Wから離れた位置に設けられてもよい。移動体管理装置50は、コンピュータであり、図4に示すように、通信部52と記憶部54と制御部56とを含む。なお、移動体管理装置50は、単体の装置で構成してもよいし、他の装置と一体に構成してもよいし、演算装置及びデータサーバ等の各種装置を組み合わせたシステムとして構成してもよく、特に限定されない。
【0033】
通信部52は、制御部56に用いられて、管理装置40や移動体10などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部52による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部54は、制御部56の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部54が保存する制御部56用のプログラムは、移動体管理装置50が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0034】
制御部56は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部56は、情報取得部56Aと、経路設定部56Bと、情報出力部56Cとを含む。制御部56は、記憶部54からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、情報取得部56Aと経路設定部56Bと情報出力部56Cを実現して、その処理を実行する。なお、制御部56は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、情報取得部56Aと経路設定部56Bと情報出力部56Cとの少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。
【0035】
情報取得部56Aは、搬送システム1が有する各装置から送信された情報を取得する。経路設定部56Bは、移動体10の経路を設定する。情報出力部56Cは、搬送システム1が有する各装置に、情報を出力する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0036】
なお、本実施形態では、管理装置40と移動体管理装置50とが別の装置であったが、一体の装置であってもよい。すなわち、管理装置40が移動体管理装置50の少なくとも一部の機能を兼ね備えてよいし、移動体管理装置50が管理装置40の少なくとも一部の機能を兼ね備えてよい。
【0037】
(移動体の制御装置)
次に、移動体10の制御装置60について説明する。図5は、移動体の制御装置の模式的なブロック図である。制御装置60は、移動体10を制御する装置である。制御装置60は、コンピュータであり、図5に示すように、通信部62と記憶部64と制御部66とを含む。通信部62は、制御部66に用いられて、移動体管理装置50などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部62による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部64は、制御部66の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部64が保存する制御部66用のプログラムは、制御装置60が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0038】
制御部66は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部66は、情報取得部66Aと、移動制御部66Bと、情報出力部66Cとを含む。制御部66は、記憶部64からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、情報取得部66Aと移動制御部66Bと情報出力部66Cを実現して、その処理を実行する。なお、制御部66は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、情報取得部66Aと移動制御部66Bと情報出力部66Cとの少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。
【0039】
情報取得部66Aは、搬送システム1が有する各装置から送信された情報を取得し、移動制御部66Bは、移動体10の駆動部やステアリングなどの移動機構を制御して、移動体10の移動を制御し、情報出力部66Cは、搬送システム1が有する各装置に情報を出力する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0040】
(供給装置の制御装置)
次に、供給装置20の制御装置70について説明する。図6は、供給装置の制御装置の模式的なブロック図である。制御装置70は、供給装置20を制御する装置である。制御装置70は、コンピュータであり、図6に示すように、通信部72と記憶部74と制御部76とを含む。通信部72は、制御部76に用いられて、管理装置40などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部72による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部74は、制御部76の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部74が保存する制御部76用のプログラムは、制御装置70が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0041】
制御部76は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部76は、情報取得部76Aと、動作制御部76Bと、情報出力部76Cとを含む。制御部76は、記憶部74からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、情報取得部76Aと動作制御部76Bと情報出力部76Cを実現して、その処理を実行する。なお、制御部76は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、情報取得部76Aと動作制御部76Bと情報出力部76Cとの少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。
【0042】
情報取得部76Aは、管理装置40から指令を取得し、動作制御部76Bは、供給装置20の動作を制御し、情報出力部76Cは、管理装置40などに情報を出力する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0043】
なお、例えば供給装置20が複数設けられている場合などにおいては、複数の移動体10を管理する移動体管理装置50と同様に、複数の供給装置20を管理する管理装置が設けられていてよい。この場合、供給装置20の制御装置70は、供給装置20の管理装置を介して、管理装置40と、後述する各種情報や各種指令の送受信を行ってよい。
【0044】
(積付装置の制御装置)
次に、積付装置30の制御装置80について説明する。図7は、積付装置の制御装置の模式的なブロック図である。制御装置80は、積付装置30を制御する装置である。制御装置80は、コンピュータであり、図7に示すように、通信部82と記憶部84と制御部86とを含む。通信部82は、制御部86に用いられて、管理装置40などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部82による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部84は、制御部86の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0045】
制御部86は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部86は、情報取得部86Aと、動作制御部86Bと、情報出力部86Cとを含む。制御部86は、記憶部84からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、情報取得部86Aと動作制御部86Bと情報出力部86Cを実現して、その処理を実行する。なお、制御部86は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、情報取得部86Aと動作制御部86Bと情報出力部86Cとの少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部84が保存する制御部86用のプログラムは、制御装置80が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0046】
情報取得部86Aは、管理装置40から指令を取得し、動作制御部86Bは、積付装置30の動作を制御し、情報出力部86Cは、管理装置40などに情報を出力する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0047】
なお、例えば積付装置30が複数設けられている場合などにおいては、複数の移動体10を管理する移動体管理装置50と同様に、複数の積付装置30を管理する管理装置が設けられていてよい。この場合、積付装置30の制御装置80は、積付装置30の管理装置を介して、管理装置40と、後述する各種情報や各種指令の送受信を行ってよい。
【0048】
(搬送システムの処理)
以上説明した搬送システム1の処理内容について、以下で説明する。
【0049】
(作業の設定)
管理装置40の作業設定部46Aは、移動体10、供給装置20、及び積付装置30の作業内容と、それぞれの作業内容の実施順とを設定する。作業設定部46Aは、移動体10の移動元の位置及び移動先の位置を、移動体10の作業内容として設定する。例えば、作業設定部46Aは、移動体10の移動元のウェイポイントWPと、移動先のウェイポイントWPとを設定してよい。また、作業設定部46Aは、供給装置20によるパレットPの回収と、供給装置20によるパレットPの供給とを、供給装置20の作業内容として設定する。また、作業設定部46Aは、積付装置30によるパレットPへの物品Rの積み付けを、積付装置30の作業内容として設定する。作業設定部46Aは、このようなそれぞれの作業内容の実施順も設定する。なお、作業内容及び実施順は、例えばオーダーの内容などに応じて、適宜設定されてよい。
【0050】
管理装置40は、作業設定部46Aによって設定された作業内容及び実施順に基づいて、移動体10、供給装置20、及び積付装置30の動作を管理する。管理装置40は、移動体10、供給装置20、及び積付装置30に対して、後述する各種指令(管理装置40から管理対象となる装置への指令)と各種情報(管理対象の装置から管理装置40への作業の進捗情報)とを送受信しながら、設定された作業内容及び実施順に応じた作業を行わせる。
【0051】
(作業の実行)
供給装置20にパレットPを補充する際の、移動体10及び供給装置20の作業内容を説明する。供給装置20にパレットPを補充する場合、移動体10は、パレット群Paが配置されている領域AR1(領域AR1に対応するウェイポイントWP)まで移動して、領域AR1に到着したら、領域AR1に配置されているパレット群Pa(本実施形態ではパレット群Paが搭載されたトレイQ)を取得する。パレット群Paを取得した移動体10は、領域AR1から、供給装置20が配置されている領域AR2(領域AR2に対応するウェイポイントWP)にまで移動することで、領域AR1から領域AR2にパレット群Paを搬送して、供給装置20にパレット群Paを供給する。供給装置20は、領域AR2に到着した移動体10が保持しているパレット群Paを、保持部24により回収して、パレット群Paを保持する。これにより、供給装置20にパレットPが供給(補充)される。
【0052】
移動体10にパレットPを搭載する際の、移動体10及び供給装置20の作業内容を説明する。移動体10にパレットPを搭載する場合、移動体10は、供給装置20が配置されている領域AR2まで移動する。供給装置20は、領域AR2に位置している移動体10に対して、保持しているパレットPを搭載(供給)する。供給装置20は、1台の移動体10に対して、1つのパレットPを搭載することが好ましい。なお、本実施形態の例では、供給装置20が保持しているパレットPが複数である場合には、供給装置20は、保持している複数のパレットPのうちの一部のパレットP(好ましくは1つのパレットP)を、移動体10に搭載する。一方、供給装置20が保持しているパレットPが1つである場合には、供給装置20は、保持している1つのパレットPを、移動体10に搭載する。
【0053】
積付装置30にパレットPを搬送する際の、移動体10及び積付装置30の作業内容を説明する。積付装置30にパレットPを搬送する場合、供給装置20からパレットPが供給された移動体10が、供給装置20が配置されている領域AR2から、積付装置30が配置されている領域AR3(領域AR3に対応するウェイポイントWP)にまで移動することで、領域AR2から領域AR3にパレットPを搬送する。積付装置30は、領域AR3に搬送されたパレットPに、物品Rを積付する。物品Rの積付が完了したパレットPは、移動体10により他の場所に搬送される。
【0054】
なお、以上で説明した、供給装置20にパレットPを搬送する移動体10と、供給装置20からパレットPが供給される移動体10(積付装置30にパレットPを搬送する移動体10)と、物品Rの積付が完了したパレットPを他の場所に搬送する移動体10とは、同じ移動体10であってもよいし、別の移動体10であってもよい。作業を行う対象となる移動体10は、作業内容により設定される。
【0055】
また、移動体10が移動する経路は、任意に設定されてよい。例えば本実施形態では、移動体管理装置50の経路設定部56Bが、作業内容に示された移動元及び移動先の情報に基づき、移動元から移動先までの経路を、移動体10が移動する経路として設定してよい。そして、移動体10の情報取得部66Aが、移動体管理装置50から、移動元から移動先までの経路を取得して、移動体10の移動制御部66Bが、取得した経路に従って、移動体10を移動先まで移動させてよい。なお、移動元から移動先までの経路は、移動元のウェイポイントWPから移動先のウェイポイントWPまでの各ウェイポイントWPを経由する経路であってもよい。また、移動元から移動先までの経路は、移動元から移動先までの各ウェイポイントWPを経由する経路に基づいて設定された、移動体10が追従可能な経路であってもよい。
【0056】
また、移動体10の移動制御部66Bは、移動体10の位置及び姿勢(位置情報)を逐次把握することで、設定された経路を通るように、移動体10を移動させる。移動体10の位置情報の取得方法は任意であるが、例えば本実施形態では、設備Wの床面のウェイポイントWPに対応する位置に、その位置情報を示す識別子が設けられており、移動制御部66Bは、センサ16などにより識別子を検出させて、識別子の検出結果に基づき、移動体10の位置情報を取得する。ただし、移動体10の位置情報の取得方法は、床面に配置された識別子を用いることに限られず、例えば、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)を用いてもよい。また例えば、移動体10が、設備Wに設けられた検出体にレーザ光を照射し、その反射波を検出することで、移動体10の位置情報を検出してもよい。
【0057】
(一連の作業)
以降において、移動体10、供給装置20、及び積付装置30による一連の作業を、より詳細に説明する。図8から図12は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。
【0058】
(残パレット数が所定数未満の場合の作業)
ここで、供給装置20が保有しているパレットPの数(収納空間22a内で保持されているパレットPの数)を、残パレット数とする。移動体10は、残パレット数が所定数未満である場合には、供給装置20へパレット群Paを搬送して、供給装置20にパレット群Paを補充する。言い換えれば、残パレット数が所定数未満である場合には、供給装置20が移動体10にパレットPを搭載する作業を実行する前に、供給装置20にパレット群Paを補充する作業を実行する。なお、ここでの所定数は、任意に設定されてよいが、本例では1つであってよい。
【0059】
(残パレット数の取得)
本実施形態においては、管理装置40の情報取得部46Bは、残パレット数の情報を取得する。管理装置40は、残パレット数の情報を逐次取得してよい。管理装置40による残パレット数の情報の取得方法は任意であってよい。例えば、供給装置20が、供給装置20に設けられたセンサにより、供給装置20が保有しているパレットPの数を残パレット数として検出し、情報出力部76Cにより、検出した残パレット数を管理装置40に送信してもよい。また例えば、管理装置40は、これまでに実施された作業内容に基づいて、残パレット数を算出してよい。すなわち、これまでに実施された作業内容から、供給装置20に補充されたパレットPの数と、供給装置20から移動体10に搭載された(搬出された)パレットPの数を算出可能なので、管理装置40は、これらの作業内容から、残パレット数を算出できる。
【0060】
(供給装置へのパレットの搬送)
管理装置40の指令出力部46Cは、残パレット数が所定数未満である場合には(本例では残パレット数が0個である場合には)、パレット搬送指令C1を出力する。パレット搬送指令C1とは、移動体10により供給装置20へパレット群Paを搬送する旨の指令である。本実施形態では、指令出力部46Cは、移動体管理装置50を介して、対象となる移動体10にパレット搬送指令C1を出力する。対象となる移動体10は、作業内容において予め設定されてよい。管理装置40は、移動体管理装置50にパレット搬送指令C1を出力し、移動体管理装置50の情報取得部56Aが、管理装置40からパレット搬送指令C1を取得する。そして、移動体管理装置50の情報出力部56Cは、パレット搬送指令C1を移動体10に出力する。ただし、管理装置40は、移動体管理装置50を介して移動体10にパレット搬送指令を出力することに限られず、パレット搬送指令C1を、移動体10に直接出力してもよい。以降においても、管理装置40は、移動体管理装置50を介して、移動体10に各種指令を出力する旨を説明するが、同様に、各種指令を移動体10に直接出力してもよい。
【0061】
(パレット搭載指令の出力)
より詳しくは、管理装置40の指令出力部46Cは、残パレット数が所定数未満である場合には、パレット搭載指令C0を出力する。パレット搭載指令C0とは、パレット群Paが配置される領域AR1に移動体10を移動させる旨の指令である。図8は、パレット搭載指令C0が出力された場合の例を示している。指令出力部46Cは、移動体管理装置50を介して、対象となる移動体10にパレット搭載指令C0を出力する。図8に示すように、パレット搭載指令C0を取得した移動体10は、領域AR1に向けて移動する。具体的には、パレット搭載指令C0を取得した移動体10は、作業内容に示された移動元のウェイポイントWP0から、作業内容に示された移動先(領域AR1)に対応するウェイポイントWP1まで、設定された経路に従って移動する。
【0062】
(搭載完了情報の出力)
図8に示すように、移動体10は、領域AR1に対応するウェイポイントWP1に到着したら、領域AR1に設置されたパレット群Pa(本例ではパレット群Paが搭載されたトレイQ)を取得(搭載)する。移動体10は、ウェイポイントWP1に到着してパレット群Paを搭載したら、情報出力部66Cにより、搭載完了情報C1Aを出力する。搭載完了情報C1Aとは、移動体10が領域AR1に到着した旨を示す情報であってもよいし、移動体10へのパレット群Paの搭載が完了した旨を示す情報であってもよい。搭載完了情報C1Aを生成及び出力するトリガは任意であってよい。例えば、移動体10の位置情報から、移動体10がウェイポイントWP1に到着した旨を認識したことを、トリガとしてもよい。又は、移動体10がウェイポイントWP1に到着し、かつパレット群Paの搭載が完了した旨を認識したことを、トリガとしてもよい。
【0063】
移動体10の情報出力部66Cは、搭載完了情報C1Aを、移動体管理装置50を介して管理装置40に出力する。すなわち、移動体10は、移動体管理装置50に搭載完了情報C1Aを出力し、移動体管理装置50の情報取得部56Aが、移動体10から搭載完了情報C1Aを取得する。そして、移動体管理装置50の情報出力部56Cは、搭載完了情報C1Aを管理装置40に出力する。ただし、移動体10は、移動体管理装置50を介して管理装置40に搭載完了情報C1Aを出力することに限られず、搭載完了情報C1Aを、管理装置40に直接出力してもよい。以降においても、移動体10は、移動体管理装置50を介して、管理装置40に各種情報を出力する旨を説明するが、同様に、各種情報を管理装置40に直接出力してもよい。
【0064】
(パレット搬送指令の出力)
図9は、パレット搬送指令C1が出力された場合の例を示している。管理装置40の指令出力部46Cは、搭載完了情報C1Aを取得したら、移動体管理装置50を介して、パレット群Paを搭載した移動体10に(搭載完了情報C1Aを送信した移動体10に)、パレット搬送指令C1を出力する。図9に示すように、パレット搬送指令C1を取得した移動体10は、領域AR1から領域AR2に向けて移動する。具体的には、パレット搬送指令C1を取得した移動体10は、作業内容に示されていた移動元(領域AR1)のウェイポイントWP1から、作業内容に示されていた移動先(領域AR2)に対応するウェイポイントWP2まで、設定された経路に従って移動する。これにより、パレット群Paが、移動体10により、領域AR2(ウェイポイントWP2)まで搬送される。本実施形態の例では、領域AR2に到着した移動体10は、パレット群Paを搭載したまま、領域AR2(ウェイポイントWP2)に待機する。
【0065】
(搬送完了情報の出力)
図9に示すように、移動体10の情報出力部66Cは、移動体10が領域AR2に対応するウェイポイントWP2に到着したら、供給装置20へのパレット群Paの搬送が完了した旨を示す搬送完了情報C2Aを出力する。移動体10の情報出力部66Cは、搬送完了情報C2Aを、移動体管理装置50を介して管理装置40に出力する。搬送完了情報C2Aを生成及び出力するトリガは任意であってよい。例えば、移動体10の位置情報から、移動体10がウェイポイントWP2に到着した旨を認識したことを、トリガとしてもよい。
【0066】
(パレット回収指令の出力)
図10は、パレット回収指令C2が出力された場合の例を示している。管理装置40の指令出力部46Cは、搬送完了情報C2Aを取得したら、供給装置20の制御装置70に、パレット回収指令C2を出力する。パレット回収指令C2とは、供給装置20にパレット群Paを回収させる旨の指令である。供給装置20の制御装置70は、情報取得部76Aによりパレット回収指令C2を取得したら、図10に示すように、動作制御部76Bにより保持部24を制御して、保持部24により、領域AR2に搬送されたパレット群Paを回収する。具体的には、動作制御部76Bは、保持部24を下方に移動させて、保持部24により、領域AR2に位置しているパレット群Paを保持させる。そして、動作制御部76Bは、パレット群Paを保持した保持部24を上方に移動させて、パレット群Paを回収する。
【0067】
供給装置20は、領域AR2に搬送されたパレット群Paのうちの、一部のパレットPを領域AR2(本例では領域AR2で待機している移動体10)に残しつつ、他のパレットPのみを回収することが好ましい。具体的には、供給装置20は、領域AR2に搬送されたパレット群Paのうちの、1つのパレットPを領域AR2に残しつつ、他のパレットPを回収することが好ましい。すなわち図10の例では、4つのパレットPが搬送されたため、供給装置20は、最下段に積まれた1つのパレットPを移動体10に残しつつ、それよりも上段に積まれた3つのパレットPを回収する。これにより、領域AR2で待機している移動体10は、パレットP(本例では1つのパレットP)が搭載された状態となる。
【0068】
(搭載完了情報の出力)
領域AR2に待機している移動体10にパレットPが搭載された状態になったら、移動体10の情報出力部66Cは、移動体10にパレットPが搭載された旨を示す搭載完了情報C3Aを出力する。移動体10の情報出力部66Cは、搭載完了情報C3Aを、移動体管理装置50を介して管理装置40に出力する。ただし、搭載完了情報C3Aを出力する主体は、移動体10に限られず、供給装置20の制御装置70により、搭載完了情報C3Aを管理装置40に出力してもよい。
【0069】
(パレット搬送指令の出力)
図11は、パレット搬送指令C3が出力された場合の例を示している。管理装置40の指令出力部46Cは、搭載完了情報C3Aを取得したら、移動体管理装置50を介して、領域AR2でパレットPを搭載した移動体10に(搭載完了情報C3Aを送信した移動体10に)、パレット搬送指令C3を出力する。パレット搬送指令C3とは、移動体10により積付装置30へパレットPを搬送する旨の指令である。図11に示すように、パレット搬送指令C3を取得した移動体10は、領域AR2から領域AR3に向けて移動する。具体的には、パレット搬送指令C3を取得した移動体10は、作業内容に示されていた移動元のウェイポイントWP2から、作業内容に示されていた移動先(領域AR3)に対応するウェイポイントWP3まで、設定された経路に従って移動する。これにより、パレットPが、移動体10により、領域AR3(ウェイポイントWP3)まで搬送される。本実施形態の例では、領域AR3に到着した移動体10は、パレットPを搭載したまま、領域AR3(ウェイポイントWP3)に待機する。
【0070】
(搬送完了情報の出力)
図11に示すように、移動体10の情報出力部66Cは、移動体10が領域AR3に対応するウェイポイントWP3に到着したら、積付装置30へのパレットPの搬送が完了した旨を示す搬送完了情報C4Aを出力する。移動体10の情報出力部66Cは、搬送完了情報C4Aを、移動体管理装置50を介して管理装置40に出力する。搬送完了情報C4Aを生成及び出力するトリガは任意であってよい。例えば、移動体10の位置情報から、移動体10がウェイポイントWP3に到着した旨を認識したことを、トリガとしてもよい。
【0071】
(積付指令の出力)
図12は、積付指令C4が出力された場合の例を示している。管理装置40の指令出力部46Cは、搬送完了情報C4Aを取得したら、積付装置30の制御装置80に、積付指令C4を出力する。積付指令C4とは、積付装置30にパレットPへ物品Rを積み付けさせる旨の指令である。積付装置30は、情報取得部86Aにより管理装置40からの積付指令C4を取得したら、図12に示すように、動作制御部86Bによりアーム32を制御して、アーム32により、領域AR3(ウェイポイントWP3)に位置しているパレットPに、物品Rを搭載する。積付装置30は、作業内容に基づき、パレットPに物品Rを搭載する。
【0072】
(積付完了情報の出力)
領域AR3に位置しているパレットPへの物品Rの積付が完了したら、積付装置30の情報出力部86Cは、パレットPへの物品Rの積付が完了した旨を示す積付完了情報C5Aを出力する。積付装置30の情報出力部86Cは、積付完了情報C5Aを管理装置40に出力する。
【0073】
(パレット搬送指令の出力)
図12は、パレット搬送指令C5が出力された場合の例を示している。管理装置40の指令出力部46Cは、積付完了情報C5Aを取得したら、移動体管理装置50を介して、領域AR3でパレットPを搭載したまま待機している移動体10に、パレット搬送指令C5を出力する。パレット搬送指令C5とは、物品Rの積付が完了したパレットPを移動体10により搬送する旨の指令である。図12に示すように、パレット搬送指令C5を取得した移動体10は、領域AR3から移動する。これにより、物品Rの積付が完了したパレットPが、移動体10により、領域AR3(ウェイポイントWP3)から搬送される。なお、物品Rの積付が完了したパレットPの搬送先(移動体10の移動先)は、適宜設定されてよい。移動体10により搬送先に搬送されたパレットPは、例えば、AGFにより、収納棚などの収納箇所に搬送されてよい。
【0074】
(処理フロー)
以上説明した、残パレット数が所定数未満である場合の管理装置40の処理フローを、フローチャートに基づき説明する。図13は、残パレット数が所定数未満である場合の管理装置の処理フローを説明するフローチャートである。図13に示すように、残パレット数が所定数未満である場合(ステップS10)、管理装置40は、パレット群Paが配置される領域AR1に移動体10を移動させる旨のパレット搭載指令C0を、移動体10に出力する(ステップS12)。パレット搭載指令C0を取得した移動体10は、領域AR1に移動して、領域AR1でパレット群Paの搭載が完了したら、管理装置40に搭載完了情報C1Aを出力する。管理装置40は、搭載完了情報C1Aを取得したら(ステップS14;Yes)、移動体10に、供給装置20が配置された領域AR2にパレット群Paを搬送する旨のパレット搬送指令C1を出力する(ステップS16)。パレット搬送指令C1を取得した移動体10は、領域AR2に移動して、領域AR2への移動が完了したら、管理装置40に搬送完了情報C2Aを出力する。管理装置40は、搬送完了情報C2Aを取得したら(ステップS18;Yes)、供給装置20に、搬送されたパレット群Paを回収する旨のパレット回収指令C2を出力する(ステップS20)。供給装置20は、パレット回収指令C2を取得したら、1つのパレットPを移動体10に残しつつ、他のパレットPを回収して、移動体10にパレットPが搭載された旨を示す搭載完了情報C3Aを出力する。管理装置40は、搭載完了情報C3Aを取得したら(ステップS22;Yes)、移動体10に、積付装置30が配置される領域AR3へパレットPを搬送する旨のパレット搬送指令C3を出力する(ステップS24)。パレット搬送指令C3を取得した移動体10は、領域AR3に移動して、領域AR3への移動が完了したら、管理装置40に搬送完了情報C4Aを出力する。管理装置40は、搬送完了情報C4Aを取得したら(ステップS26;Yes)、積付装置30に、搬送されたパレットPに物品Rを積付する旨の積付指令C4を出力する(ステップS28)。積付装置30は、積付指令C4を取得したら、搬送されたパレットPに物品Rを積付し、積付が完了したら、積付完了情報C5Aを管理装置40に出力する。管理装置40は、積付完了情報C5Aを取得したら(ステップS30;Yes)、移動体10に、物品Rの積付が完了したパレットPを搬送する旨のパレット搬送指令C35を出力する(ステップS32)。パレット搬送指令C5を取得した移動体10は、物品Rの積付が完了したパレットPを、領域AR3から搬送する。
【0075】
(他の例)
以上が、残パレット数が所定数未満である場合の作業の流れである。ただし、残パレット数が所定数未満である場合の作業の流れは以上の説明に限られない。例えば、図9に示すように、パレット群Paを領域AR2に搬送した移動体10は、パレット群Paを搭載したまま領域AR2に待機するが、それに限られない。パレット群Paを領域AR2に搬送した移動体10は、パレット群Paを領域AR2に荷下ろしして、パレット群Paを搭載しない状態で、他の場所に移動してもよい。また例えば、図10に示すように、供給装置20は、領域AR2に搬送されたパレット群Paのうちの、一部のパレットPを残しつつ、他のパレットPのみを回収していたが、それに限られず、領域AR2に搬送されたパレット群Paの全てを回収してもよい。このような場合には、残パレット数が所定数以上である状態となるため、以降で説明する残パレット数が所定数以上である場合と、同様の流れで作業が行われる。
【0076】
また例えば、図11及び図12に示すように、パレットPを領域AR3に搬送した移動体10は、物品Rの積み付けが完了するまで、パレットPを搭載したまま領域AR3に待機するが、それに限られない。パレットPを領域AR3に搬送した移動体10は、パレットPを領域AR3に荷下ろしして、パレットPを搭載しない状態で、他の場所に移動してもよい。この場合、管理装置40の指令出力部46Cは、積付完了情報C5Aを取得したら、移動体管理装置50を介して、対象となる移動体10に、パレット搬送指令C5を出力する。パレット搬送指令C5を取得した移動体10は、領域AR3まで移動して、物品Rが搭載されたパレットPを取得して、物品Rの積付が完了したパレットPを、領域AR3から搬送する。
【0077】
(残パレット数が所定数以上の場合の作業)
次に、残パレット数が所定数以上の場合の作業について説明する。図14から図16は、移動体、供給装置、及び積付装置による一連の作業を説明する模式図である。残パレット数が所定数以上である場合には(本例では残パレット数が1個以上である場合には)、供給装置20は、移動体10にパレットPを供給(搭載)する。言い換えれば、残パレット数が所定数以上である場合には、供給装置20にパレット群Paを補充する作業を実行する前に、供給装置20により移動体10にパレットPを供給する作業を実行する。管理装置40の指令出力部46Cは、残パレット数が所定数以上である場合には、パレット搭載指令D1を出力する。パレット搭載指令D1とは、供給装置20により移動体10へパレットPを搭載する旨の指令である。指令出力部46Cは、供給装置20の制御装置70に、パレット搭載指令D1を出力する。
【0078】
(移動指令の出力)
より詳しくは、管理装置40の指令出力部46Cは、残パレット数が所定数以上である場合には、移動体管理装置50を介して、対象となる移動体10に、移動指令D0を出力する。移動指令D0とは、移動体10を、供給装置20が設置されている領域AR2へ移動させる旨の指令である。指令出力部46Cは、移動体管理装置50を介して、対象となる移動体10に移動指令D0を出力する。図14は、移動指令D0が出力された場合の例を示している。図14に示すように、移動指令D0を取得した移動体10は、領域AR2に向けて移動する。具体的には、本実施形態では、移動指令D0を取得した移動体10は、トレイQを搭載した状態で、作業内容に示された移動先(領域AR2)に対応するウェイポイントWP2まで、設定された経路に従って移動する。
【0079】
なお、対象となる移動体10がトレイQを搭載していない場合には、管理装置40は、移動体10にトレイを搭載する旨の指令を出力する。この指令を取得した移動体10は、トレイQが設置されたトレイ設置場所まで移動してトレイQを搭載し、トレイQを搭載した旨を示す情報を管理装置40に出力する。管理装置40は、トレイQを搭載した旨を示す情報を取得したら、移動体10に移動指令D0を出力して、移動体10を領域AR2まで移動させる。ただし、トレイQを用いずにパレットPを搬送する場合は、これらの処理は不要である。
【0080】
(移動完了情報の出力)
図14に示すように、移動体10の情報出力部66Cは、移動体10が領域AR2に対応するウェイポイントWP2に到着したら、領域AR2への移動が完了した旨を示す移動完了情報D1Aを、移動体管理装置50を介して管理装置40に出力する。移動完了情報D1Aを生成及び出力するトリガは任意であってよい。例えば、移動体10の位置情報から、移動体10がウェイポイントWP2に到着した旨を認識したことを、トリガとしてもよい。
【0081】
(パレット搭載指令の出力)
図15は、パレット搭載指令が出力された場合の例を示している。管理装置40の指令出力部46Cは、移動完了情報D1Aを取得したら、供給装置20の制御装置70に、パレット搭載指令D1を出力する。供給装置20の制御装置70は、情報取得部76Aによりパレット搭載指令D1を取得したら、図15に示すように、動作制御部76Bにより保持部24を制御して、保持部24により、領域AR2(ウェイポイントWP2)に位置している移動体10にパレットPを搭載する。具体的には、動作制御部76Bは、パレットPを保持している保持部24を下方に移動させて、保持しているパレットPを移動体10の上面に配置する。そして、動作制御部76Bは、移動体10の上面に配置したパレットPの保持部24による保持を解除して、保持部24を上方に移動させる。これにより、移動体10にパレットPが搭載される。
【0082】
なお、供給装置20は、移動体10に対して、1つのパレットPを搭載することが好ましい。従って、供給装置20が保持しているパレットPが複数である場合には、供給装置20は、保持している複数のパレットPのうちの1つのパレットPを、移動体10に搭載する。一方、供給装置20が保持しているパレットPが1つである場合には、供給装置20は、保持している1つのパレットPを、移動体10に搭載する。
【0083】
(搭載完了情報の出力)
領域AR2に位置している移動体10にパレットPが搭載されたら、移動体10の情報出力部66Cは、移動体10にパレットPが搭載された旨を示す搭載完了情報C3Aを出力する。移動体10の情報出力部66Cは、搭載完了情報C3Aを、移動体管理装置50を介して管理装置40に出力する。ただし、搭載完了情報C3Aを出力する主体は、移動体10に限られず、供給装置20の制御装置70により、搭載完了情報C3Aを管理装置40に出力してもよい。
【0084】
搭載完了情報C3Aを出力した後の処理は、残パレット数が所定数未満であった場合における、搭載完了情報C3Aを出力した後の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。すなわち、管理装置40は、搭載完了情報C3Aを取得したら、領域AR2でパレットPを搭載した移動体10にパレット搬送指令C3を出力する。パレット搬送指令C3を取得した移動体10は、図16に示すように、積付装置30が配置された領域AR3まで移動する。その後は、図11図12を用いて説明した処理と同様の処理が行われる。
【0085】
(処理フロー)
以上説明した、残パレット数が所定数以上である場合の管理装置40の処理フローを、フローチャートに基づき説明する。図17は、残パレット数が所定数以上である場合の管理装置の処理フローを説明するフローチャートである。図17に示すように、残パレット数が所定数以上である場合(ステップS40)、管理装置40は、移動体10に、供給装置20が配置された領域AR2に移動する旨の移動指令D0を出力する(ステップS42)。移動指令D0を取得した移動体10は、領域AR2に移動して、領域AR2への移動が完了したら、管理装置40に移動完了情報D1Aを出力する。管理装置40は、移動完了情報D1Aを取得したら(ステップS44;Yes)、供給装置20に、移動体10にパレットPを搭載する旨のパレット搭載指令D1を出力する(ステップS46)。供給装置20は、パレット搭載指令D1を取得したら、1つのパレットPを移動体10に搭載して、移動体10にパレットPが搭載された旨を示す搭載完了情報C3Aを出力する。ステップS48からステップS58の処理は、図13で説明したステップS22からステップS32までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
(効果)
以上説明したように、本開示の第1態様に係る搬送システム1は、自動で移動可能な少なくとも1つの移動体10と、供給装置20とを有する。移動体10は、供給装置20に向けて、物品Rが搭載されていない複数のパレットP(パレット群Pa)を搬送して、供給装置20に複数のパレットPを供給する。供給装置20は、移動体10に、供給されたパレットPを搭載する。パレットPが搭載された移動体10は、パレットPに物品Rを搭載する積付装置30に向けて、パレットPを搬送する。本開示に係る搬送システム1は、設備W内を自律移動可能な移動体10により、供給装置20へのパレットPの搬送と、供給装置20から積付装置30へのパレットPの搬送とを行う。従って、供給装置20や積付装置30がどこに配置されていたとしても、移動体10の移動先を調整することで、パレットPの搬送を適切に行うことができる。また、供給装置20や積付装置30の位置が変更されても、移動体10の移動先を調整することで、パレットPの搬送を適切に行うことができる。従って、本開示によると、設備レイアウトに応じて柔軟にパレットPの搬送を行うことが可能となるので、設備レイアウトに応じて柔軟に積み付け作業を行うことができる。
【0087】
本開示の第2態様に係る搬送システム1は、第1態様に係る搬送システム1であって、供給装置20が保有しているパレットPの数である残パレット数が所定数未満である場合には、供給装置20により移動体10へパレットPを搭載させる前に、移動体10により供給装置20へパレットPを搬送させる。また、残パレット数が所定数以上である場合には、移動体10により供給装置20へパレットPを搬送する前に、供給装置20により移動体10へパレットPを搭載させる。このように、残パレット数に応じて作業を設定することで、供給装置20が保有しているパレットPの数が不足したり、積付装置30へのパレットPの搬送作業が遅延したりすることを、抑制できる。
【0088】
本開示の第3態様に係る搬送システム1は、第1態様又は第2態様に係る搬送システム1であって、パレットPの搬送を管理する管理装置40を更に含み、管理装置40は、残パレット数の情報を取得する情報取得部46Bと、指令を出力する指令出力部46Cと、を含む。指令出力部46Cは、残パレット数が所定数未満である場合には、移動体10により供給装置20へパレットPを搬送する旨の指令(パレット搬送指令C1)を、出力し、残パレット数が所定数以上である場合には、供給装置20により移動体10へパレットPを搭載する旨の指令(パレット搭載指令D1)を、出力する。このように、残パレット数に応じて作業を設定することで、供給装置20が保有しているパレットPの数が不足したり、積付装置30へのパレットPの搬送作業が遅延したりすることを、抑制できる。
【0089】
本開示の第4態様に係る搬送システム1は、第3態様に係る搬送システム1であって、指令出力部46Cは、残パレット数が所定数未満である場合には、複数のパレットPが設置されているパレット設置場所(領域AR1)に移動体10を移動させる旨の指令(パレット搭載指令C0)を、出力する。指令出力部46Cは、移動体10がパレット設置場所に到着した旨の情報(搭載完了情報C1A)が、情報取得部46Bにより取得されたら、移動体10により供給装置20へパレットPを搬送する旨の指令(パレット搬送指令C1)を出力する。本開示によると、管理装置40により、作業が完了した旨の情報を管理装置40が取得したことをトリガとして、次の作業の開始を指令することが可能となるため、パレットPの搬送を適切に行うことができる。
【0090】
本開示の第5態様に係る搬送システム1は、第3態様又は第4態様に係る搬送システム1であって、指令出力部46Cは、残パレット数が所定数以上である場合には、移動体10を供給装置20に向けて移動させる旨の指令(移動指令D0)を、出力する。指令出力部46Cは、移動体10が供給装置20の設置場所(領域AR2)に到着した旨の情報(移動完了情報D1A)が、情報取得部46Bにより取得されたら、供給装置20により移動体10へパレットPを搭載する旨の指令(パレット搭載指令D1)を、出力する。本開示によると、管理装置40により、作業が完了した旨の情報を管理装置40が取得したことをトリガとして、次の作業の開始を指令することが可能となるため、パレットPの搬送を適切に行うことができる。
【0091】
本開示の第6態様に係る搬送システム1は、第3態様から第5態様のいずれかに係る搬送システム1であって、指令出力部46Cは、移動体10にパレットPが搭載された旨の情報(搭載完了情報C3A)が、情報取得部46Bにより取得されたら、パレットPが搭載された移動体10を積付装置30に向けて移動させる旨の指令(パレット搬送指令C3)を、出力する。本開示によると、管理装置40により、作業が完了した旨の情報を管理装置40が取得したことをトリガとして、次の作業の開始を指令することが可能となるため、パレットPの搬送を適切に行うことができる。
【0092】
本開示の第7態様に係る搬送システム1は、第1態様から第6態様のいずれかに係る搬送システム1であって、移動体10は、トレイQ上にパレットPを搭載しながら、パレットPを搬送する。本開示によると、移動体10によりパレットPを適切に搬送できる。
【0093】
本開示の第8態様に係る搬送方法は、自動で移動可能な少なくとも1つの移動体10と、供給装置20とを用いてパレットPを搬送する。本方法は、移動体10により、供給装置20に向けて、物品Rが搭載されていない複数のパレットP(パレット群Pa)を搬送して、供給装置20に複数のパレットPを供給するステップと、供給装置20により、移動体10に、供給されたパレットPを搭載するステップと、パレットPが搭載された移動体10により、パレットPに物品Rを搭載する積付装置30に向けて、パレットPを搬送するステップと、を含む。本開示によると、設備レイアウトに応じて柔軟にパレットPの搬送を行うことが可能となるので、設備レイアウトに応じて柔軟に積み付け作業を行うことができる。
【0094】
本開示の第9態様に係るプログラムは、自動で移動可能な少なくとも1つの移動体10と、供給装置20とを用いてパレットPを搬送する搬送方法をコンピュータに実行させる。本プログラムは、移動体10により、供給装置20に向けて、物品Rが搭載されていない複数のパレットP(パレット群Pa)を搬送して、供給装置20に複数のパレットPを供給するステップと、供給装置20により、移動体10に、供給されたパレットPを搭載するステップと、パレットPが搭載された移動体10により、パレットPに物品Rを搭載する積付装置30に向けて、パレットPを搬送するステップと、を、コンピュータに実行させる。本開示によると、設備レイアウトに応じて柔軟にパレットPの搬送を行うことが可能となるので、設備レイアウトに応じて柔軟に積み付け作業を行うことができる。
【0095】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0096】
1 搬送システム
10 移動体
20 供給装置
30 積付装置
40 管理装置
50 移動体管理装置
60、70、80 制御装置
AR1、AR2、AR3 領域
P パレット
Pa パレット群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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図17