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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172240
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】グリップ加温装置
(51)【国際特許分類】
   B62J 33/00 20060101AFI20241205BHJP
   B62K 23/04 20060101ALI20241205BHJP
   B62K 21/26 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B62J33/00 A
B62K23/04
B62K21/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089822
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000213954
【氏名又は名称】朝日電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】石橋 龍基
【テーマコード(参考)】
3D013
【Fターム(参考)】
3D013CG06
3D013CH06
(57)【要約】
【課題】発熱部で生じた熱がハンドルバーに伝達されてしまうのを抑制することができるとともに、ハンドルバーに対する取付状態を安定させることができるグリップ加温装置を提供する。
【解決手段】車両が具備するハンドルバーHに取り付け可能なハンドルパイプ1と、ハンドルパイプ1に取り付けられるとともに、電流が流れることにより発熱可能なフレキシブル基板2と、フレキシブル基板2を介してハンドルパイプ1の外周に形成され、運転者が把持可能なハンドルグリップ3とを具備し、フレキシブル基板2に電流を流して発熱させることによりハンドルグリップ3を加温するグリップ加温装置であって、ハンドルパイプ1は、ハンドルバーHとの間で空隙Kを形成する溝形状1aが形成されるとともに、溝形状1aは、ハンドルパイプ1の一端及び他端の間で連続的に延設されたものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が具備するハンドルバーに取り付け可能なハンドルパイプと、
前記ハンドルパイプに取り付けられるとともに、電流が流れることにより発熱可能な発熱部と、
前記発熱部を介して前記ハンドルパイプの外周に形成され、運転者が把持可能なハンドルグリップと、
を具備し、前記発熱部に電流を流して発熱させることにより前記ハンドルグリップを加温するグリップ加温装置であって、
前記ハンドルパイプは、前記ハンドルバーとの間で空隙を形成する溝形状が形成されるとともに、前記溝形状は、当該ハンドルパイプの一端及び他端の間で連続的に延設されたことを特徴とするグリップ加温装置。
【請求項2】
前記溝形状は、前記ハンドルパイプの内周面における周方向に亘って複数形成されたことを特徴とする請求項1記載のグリップ加温装置。
【請求項3】
前記溝形状は、前記ハンドルパイプの一端から他端に亘って直線状に形成されるとともに、周方向に亘って等間隔に複数形成されたことを特徴とする請求項1記載のグリップ加温装置。
【請求項4】
前記ハンドルパイプは、前記ハンドルバーに対して回転可能に取り付けられたことを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載のグリップ加温装置。
【請求項5】
前記ハンドルパイプは、前記ハンドルバーに対して固定して取り付けられたことを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載のグリップ加温装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱部を発熱させることによりハンドルグリップを加温するグリップ加温装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二輪車やATV、雪上車などハンドルバーを具備した車両においては、そのハンドルバーの先端に運転者が把持し得るハンドルグリップが形成されている。かかるハンドルグリップには、従来、運転者が把持する際に暖かい状態とすべく、車両に搭載されたバッテリから電流を流し得る発熱部(板状ヒータ等)を内蔵させたものが提案されるに至っている。このようなグリップ加温装置は、例えば特許文献1にて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平2-10190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のグリップ加温装置においては、ハンドルバーと接触する面側に凹部を形成することにより、ハンドルバーに対する接触面積を減少させ、板状ヒータで生じた熱がハンドルバーに伝達されてロスしてしまうのを抑制し得るものの、凹部によりハンドルバーとの間でガタが生じてしまい、ハンドルバーに対する取付状態が不安定になってしまう虞があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、発熱部で生じた熱がハンドルバーに伝達されてしまうのを抑制することができるとともに、ハンドルバーに対する取付状態を安定させることができるグリップ加温装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、車両が具備するハンドルバーに取り付け可能なハンドルパイプと、前記ハンドルパイプに取り付けられるとともに、電流が流れることにより発熱可能な発熱部と、前記発熱部を介して前記ハンドルパイプの外周に形成され、運転者が把持可能なハンドルグリップとを具備し、前記発熱部に電流を流して発熱させることにより前記ハンドルグリップを加温するグリップ加温装置であって、前記ハンドルパイプは、前記ハンドルバーとの間で空隙を形成する溝形状が形成されるとともに、前記溝形状は、当該ハンドルパイプの一端及び他端の間で連続的に延設されたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のグリップ加温装置において、前記溝形状は、前記ハンドルパイプの内周面における周方向に亘って複数形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のグリップ加温装置において、前記溝形状は、前記ハンドルパイプの一端から他端に亘って直線状に形成されるとともに、周方向に亘って等間隔に複数形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1~3の何れか1つに記載のグリップ加温装置において、前記ハンドルパイプは、前記ハンドルバーに対して回転可能に取り付けられたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1~3の何れか1つに記載のグリップ加温装置において、前記ハンドルパイプは、前記ハンドルバーに対して固定して取り付けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、ハンドルパイプは、ハンドルバーとの間で空隙を形成する溝形状が形成されるとともに、溝形状は、当該ハンドルパイプの一端及び他端の間で連続的に延設されたので、発熱部で生じた熱がハンドルバーに伝達されてしまうのを抑制することができるとともに、ハンドルバーに対する取付状態を安定させることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、溝形状は、ハンドルパイプの内周面における周方向に亘って複数形成されたので、ハンドルバーとの間の接触面積を減少させつつハンドルバーに対する取付状態を安定させることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、溝形状は、ハンドルパイプの一端から他端に亘って直線状に形成されるとともに、周方向に亘って等間隔に複数形成されたので、ハンドルバーとの間の接触面積を減少させつつハンドルバーに対する取付状態をより一層安定させることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、ハンドルパイプは、ハンドルバーに対して回転可能に取り付けられたので、車両のハンドルバーの右側端部に取り付けられたスロットルグリップに適用することができ、スロットル操作のための回転操作を円滑に行わせることができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、ハンドルパイプは、ハンドルバーに対して固定して取り付けられたので、車両のハンドルバーの左側端部に取り付けられた把持グリップに適用することができ、運転者の把持を確実かつ安定に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るグリップ加温装置(右側グリップ加温装置)を示す正面図及び端面図
図2図1におけるII-II線断面図
図3図1におけるIII-III線断面図
図4】同グリップ加温装置を示す斜視図
図5】同グリップ加温装置を示す分解斜視図
図6】同グリップ加温装置におけるハンドルグリップを示す3面図
図7】同グリップ加温装置における加温部としてのフレキシブル基板を示す平面図
図8】本発明の実施形態に係るグリップ加温装置(左側グリップ加温装置)を示す正面図及び端面図
図9図8におけるIX-IX線断面図
図10】同グリップ加温装置を示す分解斜視図
図11】同グリップ加温装置におけるハンドルグリップを示す3面図
図12】本発明の実施形態が適用されるグリップ加温装置(右側グリップ加温装置及び左側グリップ加温装置)を示す正面図
図13】本発明の効果が分かる実験結果を示す表
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るグリップ加温装置は、二輪車のハンドルバーにおける先端に取り付けられたハンドルグリップ(運転者が把持する左右の把持グリップ)を加温するためのものであり、図12に示すように、ハンドルバーHの右側端部Haに取り付けられた右側グリップ加温装置Rと、ハンドルバーHの左側端部Hbに取り付けられた左側グリップ加温装置Lとにより構成されている。
【0018】
右側グリップ加温装置Rは、図12に示すように、種々のスイッチが形成されたスイッチケースC1に隣接して取り付けられるとともに、図1~7に示すように、ハンドルパイプ1と、発熱部としてのフレキシブル基板2と、ハンドルグリップ3と、カバー部材4とを有して構成されている。かかる右側グリップ加温装置Rのハンドルパイプ1は、ハンドルバーHの右側端部Haに対して軸回り(図12に示すα方向)に回転可能に取り付けられ、回転操作により車両の駆動源を制御可能なスロットルグリップとして機能するよう構成されている。
【0019】
また、ハンドルパイプ1は、図5、6に示すように、筒状に成形した硬質樹脂から成り、外周面にフレキシブル基板2が巻き付けられるよう構成されている。さらに、ハンドルパイプ1の基端側には、樹脂製のカバー部材4が取り付けられるとともに、当該カバー部材4に配線h1が取り付けられるようになっている。
【0020】
フレキシブル基板2は、ハンドルパイプ1の外周面に巻き付けられたシート状の可撓性部材から成り、図7に示すように、表面又は裏面に所定の電熱線パターンが形成された発熱領域2aを有している。なお、フレキシブル基板2の表面における所定位置には、位置決め用開口aが複数形成されており、ハンドルパイプ1の外周面に形成された位置決め用突起部bに位置決め用開口aを挿通させることにより、ハンドルパイプ1に対するフレキシブル基板2の位置決めが可能とされている。
【0021】
また、フレキシブル基板2に形成された電熱線パターンは、不図示の電源(例えば車両に搭載されたバッテリ)から延設された配線h1と接続されており、電源から電流が供給されると、電熱線パターンに電流が流れて発熱するので、その熱がハンドルグリップ3に伝達されてハンドルグリップ3の外周面に形成された把持面を加温し得るよう構成されている。
【0022】
ハンドルグリップ3は、フレキシブル基板2を介してハンドルパイプ1の外周に形成され、運転者が把持可能なもので、所定の樹脂材(例えば、エラストマー等の軟質樹脂やゴム材等)から成る。具体的には、フレキシブル基板2が巻き付けられたハンドルパイプ1を所定の型内に載置し、その外周に所定の樹脂材にて二次成形することにより、フレキシブル基板2を内在させたハンドルグリップ3を得ることができる。
【0023】
ここで、本実施形態に係るハンドルパイプ1は、図1~4に示すように、その内周面においてハンドルバーHの右側端部Haとの間で空隙Kを形成する溝形状1aが形成されている。かかる溝形状1aは、ハンドルパイプ1の一端及び他端の間で軸方向に亘って連続的に延設された凹形状から成り、ハンドルパイプ1の内周面における周方向に亘って複数形成されている。
【0024】
より具体的には、本実施形態に係る右側グリップ加温装置Rのハンドルパイプ1に形成された溝形状1aは、図2に示すように、ハンドルパイプ1の一端(先端)から他端(基端)に亘って直線状に形成されるとともに、図6に示すように、内周面において周方向に亘って等間隔に複数形成されている。そして、ハンドルバーHの右側端部Haに右側グリップ加温装置Rが取り付けられると、ハンドルパイプ1がハンドルバーHに対して回転可能とされるようになっている。
【0025】
これにより、ハンドルパイプ1とハンドルバーHとの間に空隙Kが介在することとなり、フレキシブル基板2で生じた熱がハンドルバーHに伝達するのを抑制することができ、ハンドルグリップ3を効率よく加温することができる。しかるに、右側グリップ加温装置Rのハンドルパイプ1は、スロットル操作の際、ハンドルバーHの外周面を回動するので、溝形状1aが周方向に亘って等間隔に複数形成されることにより、回動の際のガタを抑制することができる。
【0026】
一方、左側グリップ加温装置Lは、図12に示すように、種々のスイッチが形成されたスイッチケースC2に隣接して取り付けられるとともに、図8~11に示すように、ハンドルパイプ5と、発熱部としての電熱線6と、ハンドルグリップ7と、取付板8とを有して構成されている。かかる左側グリップ加温装置Lのハンドルパイプ5は、ハンドルバーHの左側端部Hbに対して接着剤等により固定して取り付けられ、運転者が把持可能とされている。
【0027】
また、ハンドルパイプ5は、図10、11に示すように、筒状に成形した硬質樹脂から成り、外周面に電熱線6が螺旋状に巻き付けられるよう構成されている。さらに、ハンドルパイプ5の基端側には、樹脂製の取付板8が取り付けられるとともに、当該取付板8に配線h2が取り付けられるようになっている。
【0028】
電熱線6は、ハンドルパイプ5の外周面に螺旋状に巻き付けられた導電性部材から成り、不図示の電源(例えば車両に搭載されたバッテリ)から延設された配線h2と接続されている。そして、電源から電流が供給されると、電流が流れて発熱するので、その熱がハンドルグリップ7に伝達されてハンドルグリップ7の外周面に形成された把持面を加温し得るよう構成されている。
【0029】
ハンドルグリップ7は、電熱線6を介してハンドルパイプ5の外周に形成され、運転者が把持可能なもので、所定の樹脂材(例えば、エラストマー等の軟質樹脂やゴム材等)から成る。具体的には、電熱線6が巻き付けられたハンドルパイプ5を所定の型内に載置し、その外周に所定の樹脂材にて二次成形することにより、電熱線6を内在させたハンドルグリップ7を得ることができる。
【0030】
ここで、本実施形態に係るハンドルパイプ5は、図8~10に示すように、その内周面においてハンドルバーHの左側端部Hbとの間で空隙Kを形成する溝形状5aが形成されている。かかる溝形状5aは、右側グリップ加温装置Rのハンドルパイプ1に形成された溝形状1aと同様、ハンドルパイプ5の一端及び他端の間で軸方向に亘って連続的に延設された凹形状から成り、ハンドルパイプ5の内周面における周方向に亘って複数形成されている。
【0031】
より具体的には、本実施形態に係る左側グリップ加温装置Lのハンドルパイプ5に形成された溝形状5aは、図9に示すように、ハンドルパイプ5の一端(先端)から他端(基端)に亘って直線状に形成されるとともに、図8、11に示すように、内周面において周方向に亘って複数形成されている。そして、ハンドルバーHの左側端部Hbに左側グリップ加温装置Lが取り付けられると、ハンドルパイプ5がハンドルバーHに対して固定されるようになっている。なお、左側グリップ加温装置Lのハンドルパイプ5は、内周面にハンドルバーHに対する接着面を有するため、当該接着面を避けた位置に溝形状5aが形成されている。
【0032】
これにより、ハンドルパイプ5とハンドルバーHとの間に空隙Kが介在することとなり、電熱線6で生じた熱がハンドルバーHに伝達するのを抑制することができ、ハンドルグリップ7を効率よく加温することができる。しかるに、左側グリップ加温装置Lのハンドルパイプ5は、ハンドルバーHに対して接着等にて固定されるので、ハンドルバーHとの間で一定の接触面積を確保しつつ確実な固定を図ることができる。
【0033】
次に、本実施形態に係るグリップ加温装置の効果を示す実験結果について説明する。
本実施形態に係る右側グリップ加温装置R(実施例)と、溝形状1aが形成されないものの他の構成及び寸法等が同一の比較例とを用意し、暗室及び周囲温度が22℃の場所にて実験を行った。
【0034】
そして、実施例及び比較例におけるフレキシブル基板2に消費電力14Wにて通電するとともに、ハンドルグリップの表面における前部、上部、奥部及び下部の各領域について温度を計測したところ、図13に示す表のような結果となった。かかる実験結果によれば、いずれの部位においても比較例より実施例の方が温度が高くなっているので、溝形状1aにより空隙Kを形成することにより、ハンドルグリップ3の加温効率を高くすることができることが分かった。
【0035】
本実施形態に係るグリップ加温装置(R、L)によれば、ハンドルパイプ(1、5)は、ハンドルバーHとの間で空隙Kを形成する溝形状(1a、5a)が形成されるとともに、溝形状(1a、5a)は、当該ハンドルパイプ(1、5)の一端及び他端の間で連続的に延設されたので、フレキシブル基板2又は電熱線6で生じた熱がハンドルバーHに伝達されてしまうのを抑制することができるとともに、ハンドルバーHに対する取付状態を安定させることができる。
【0036】
特に、本実施形態に係る溝形状(1a、5a)は、ハンドルパイプ(1、5)の内周面における周方向に亘って(全周に亘って)複数形成されたので、ハンドルバーHとの間の接触面積を減少させつつハンドルバーHに対する取付状態を安定させることができる。また、右側グリップ加温装置Rの溝形状1aは、ハンドルパイプ1の一端から他端に亘って直線状に形成されるとともに、周方向に亘って等間隔に複数形成されたので、ハンドルバーHとの間の接触面積を減少させつつハンドルバーHに対する取付状態をより一層安定させることができる。
【0037】
さらに、右側グリップ加温装置Rによれば、ハンドルパイプ1は、ハンドルバーHに対して回転可能に取り付けられたので、車両のハンドルバーHの右側端部Haに取り付けられたスロットルグリップに適用することができ、スロットル操作のための回転操作を円滑に行わせることができる。またさらに、左側グリップ加温装置Lによれば、ハンドルパイプ5は、ハンドルバーHに対して固定して取り付けられたので、車両のハンドルバーHの左側端部Hbに取り付けられた把持グリップに適用することができ、運転者の把持を確実かつ安定に行わせることができる。
【0038】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばフレキシブル基板2及び電熱線6に代えて他の形態の発熱部を用いてもよく、ハンドルグリップ(3、7)の形状や材質等、他のものとしてもよい。また、溝形状(1a、5a)は、ハンドルパイプ(1、5)の一端及び他端の間で連続的に延設され、ハンドルバーHとの間で空隙Kを形成するものであれば足り、溝形状の深さ寸法や幅寸法が部位に応じて異なるもの等であってもよい。なお、本実施形態においては、二輪車のハンドルグリップ(3、7)を加温するものに適用されているが、他の車両(ATV、雪上車などハンドルバーを具備した車両)に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明と同様の趣旨であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 ハンドルパイプ
1a 溝形状
2 フレキシブル基板(発熱部)
3 ハンドルグリップ
4 カバー部材
5 ハンドルパイプ
5a 溝形状
6 電熱線(発熱部)
7 ハンドルグリップ
8 取付板
R 右側グリップ加温装置
L 左側グリップ加温装置
H ハンドルバー
Ha 右側端部
Hb 左側端部
C1、C2 スイッチケース
K 空隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13