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特開2024-172251画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172251
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241205BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20241205BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20241205BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20241205BHJP
   G06T 5/77 20240101ALI20241205BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
G06K7/14 017
G06K7/10 372
G06K7/14 060
G06N20/00
G06T5/00 720
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089836
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陸 夢倩
(72)【発明者】
【氏名】田中 久徳
【テーマコード(参考)】
5B057
5L096
【Fターム(参考)】
5B057AA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB06
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE12
5B057DB02
5B057DB08
5L096AA06
5L096BA03
5L096EA33
5L096EA43
5L096GA51
5L096HA11
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】撮影条件に起因する読み取り率の悪化を抑制することの可能な画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】本開示の一側面に係る画像処理装置は、学習モデルを備えている。学習モデルは、撮像により得られたコード画像、およびコード画像に対応する2クラス分類がなされたSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされたモデルである。学習モデルは、コード画像またはコード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像が入力されると、コード画像または処理済み画像に対応する二値画像を出力することが可能となっている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受付部と、第1学習モデルと、デコード部とを備え、
前記受付部は、ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像を受け付けることが可能となっており、
前記第1学習モデルは、撮像により得られた第1コード画像、および前記第1コード画像に対応する2クラス分類がなされたSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされたモデルであり、前記コード画像または前記コード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像が入力されると、前記コード画像または前記処理済み画像に対応する二値画像を出力することが可能となっており、
前記デコード部は、前記二値画像をデコードすることにより識別コードを生成することが可能となっている
画像処理装置。
【請求項2】
第2学習モデルを更に備え、
前記第2学習モデルは、撮像により得られた第2コード画像、および前記第2コード画像に対して欠陥が付与された欠陥画像を学習データとする機械学習がなされたモデルであり、前記コード画像が入力されると、前記コード画像に含まれる欠陥が修復された画像を前記処理済み画像として出力することが可能となっている
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
撮像支援部と、学習部とを更に備え、
前記撮像支援部は、前記デコード部において前記識別コードが生成できなかった場合に、前記コード画像を生成することの可能な撮像装置に対して撮像条件の変更を指示する制御信号を、前記デコード部において前記識別コードが生成できるまで前記撮像条件を変えながら繰り返し出力することが可能となっており、
前記学習部は、前記第1学習モデルのバックアップデータであるマスタ学習モデルを有し、前記第1学習モデルを、前記マスタ学習モデルに対して機械学習を行うことにより得られる新学習モデルに置き換えることが可能となっており、
前記学習部は、前記撮像支援部による前記撮像条件の変更によって前記撮像装置で得られる前記コード画像を前記第1コード画像とし、前記撮像支援部による前記撮像条件の変更によって前記第1学習モデルから出力される前記二値画像を前記SemanticSegmentation画像として、前記マスタ学習モデルに対して機械学習を行うことにより前記新学習モデルを生成することが可能となっている
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
判定部を更に備え、
前記判定部は、前記デコード部で生成される前記識別コードが所定の条件を満たすとき、前記識別コードを外部装置に出力し、前記デコード部で生成される前記識別コードが前記所定の条件を満たさないとき、前記識別コードが正しく読み取れたデータではないことを示す処理を行うことが可能となっている
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
判定部を更に備え、
前記判定部は、前記第1学習モデルから得られる前記二値画像と、前記デコード部で生成される前記識別コードをエンコードすることにより得られる判定用二値画像との一致率が所定の条件を満たすとき、前記識別コードを外部装置に出力し、前記一致率が前記所定の条件を満たさないとき、前記識別コードが正しく読み取れたデータではないことを示す処理を行うことが可能となっている
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像を取得することと、
撮像により得られた第1コード画像、および前記第1コード画像に対応する2クラス分類がなされたSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされた第1学習モデルに対して、前記コード画像または前記コード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像を入力し、それにより、前記コード画像または前記処理済み画像に対応する二値画像を前記第1学習モデルから取得することと、
前記二値画像をデコードすることにより識別コードを生成することと
を含む
画像処理方法。
【請求項7】
撮像により得られた第1コード画像、および前記第1コード画像に対応する2クラス分類がなされたSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされたモデルであって、かつ、入力画像が入力されると、前記入力画像に対応する二値画像を出力することの可能な第1学習モデルを含み、
ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像を取得することと、
前記コード画像または前記コード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像を前記入力画像として前記第1学習モデルに入力し、それにより、前記二値画像として、前記コード画像または前記処理済み画像に対応する画像を前記第1学習モデルから取得することと
をコンピュータに実行させることの可能な画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品の表面に、一次元バーコードや二次元コード等のコードを付与し、コードをデコードすることにより得られる識別コードに対して、物品に関する情報を紐付けることにより、物品を管理することが行われている。物品の表面に付与されたコードを読み取る際に、例えば、照明の当たり方や、コードの印刷品質、コードを読み取る撮像装置の特性等の撮影条件により、撮像装置で得られたコードの画像(以下、「コード画像」と称する。)の品質にばらつきが生じる。そのため、同じコード、および同じ二値化演算ルールを用いた場合であっても、コード画像に対して二値化処理を行うことにより得られる二値画像が、撮影条件によりばらついてしまうことがある。その結果、読み取り率が悪化してしまうことがある。
【0003】
そのような問題に対して、例えば、特許文献1に記載の発明では、読み取りに適さないコードを読み取り易いコードに修復する学習モデルを用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-67278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の発明では、一般的なデコード処理、つまり閾値を用いた二値化処理が行われているので、撮影条件に起因する読み取り率の悪化を抑制することは難しい。撮影条件に起因する読み取り率の悪化を抑制することの可能な画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面に係る画像処理装置は、受付部と、学習モデルと、デコード部とを備えている。受付部は、ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像を受け付けることが可能となっている。学習モデルは、撮像により得られたコード画像、およびコード画像に対応する2クラスのSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされたモデルである。学習モデルは、コード画像またはコード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像が入力されると、コード画像または処理済み画像に対応する二値画像を出力することが可能となっている。デコード部は、二値画像をデコードすることにより識別コードを生成することが可能となっている。
【0007】
本開示の第2の側面に係る画像処理方法は、以下の3つを含む。
(A1)ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像を取得すること
(A2)撮像により得られたコード画像、およびコード画像に対応する2クラスのSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされた学習モデルに対して、コード画像またはコード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像を入力し、それにより、コード画像または処理済み画像に対応する二値画像を学習モデルから取得すること
(A3)二値画像をデコードすることにより識別コードを生成すること
【0008】
本開示の第3の側面に係る画像処理プログラムは、撮像により得られたコード画像、およびコード画像に対応する2クラスのSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされたモデルであって、かつ、入力画像が入力されると、入力画像に対応する二値画像を出力することの可能な学習モデルを含む。この画像処理プログラムは、以下の2つをコンピュータに実行させることが可能となっている。
(B1)ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像を取得すること
(B2)コード画像またはコード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像を入力画像として学習モデルに入力し、それにより、二値画像として、コード画像または処理済み画像に対応する画像を学習モデルから取得すること
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施の形態に係る画像処理装置の概略構成例を表す図である。
図2図2は、図1の画像処理部の概要構成例を表す図である。
図3図3は、図1の学習装置の概要構成例を表す図である。
図4図4は、図1の画像処理装置における処理手順の一例を表す図である。
図5図5は、図2の画像処理部の概略構成の一変形例を表す図である。
図6図6は、図3の学習装置の概略構成の一変形例を表す図である。
図7図7は、図5の画像処理部を備えた画像処理装置における処理手順の一例を表す図である。
図8図8は、図1の画像処理装置の概略構成の一変形例を表す図である。
図9図9は、図8の画像処理部の概要構成例を表す図である。
図10図10は、図8の学習装置の概要構成例を表す図である。
図11図11は、図8の画像処理装置における処理手順の一例を表す図である。
図12図12は、図8の学習装置における処理手順の一例を表す図である。
図13図13は、図2の画像処理部の概要構成の一変形例を表す図である。
図14図14は、図13の画像処理部を備えた画像処理装置における処理手順の一例を表す図である。
図15図15は、図2の画像処理部の概要構成の一変形例を表す図である。
図16図16は、図15の画像処理部を備えた画像処理装置における処理手順の一例を表す図である。
図17図17は、図1の画像処理装置の概略構成の一変形例を表す図である。
図18図18は、図17の画像処理部の概要構成例を表す図である。
図19図19は、図17の画像処理部の概要構成の一変形例を表す図である。
図20図20は、図17の画像処理部の概要構成の一変形例を表す図である。
図21図21は、図17の画像処理部の概要構成の一変形例を表す図である。
図22図22は、図17の画像処理部の概要構成の一変形例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(図1図4
2.変形例(図5図22
【0011】
<1.実施の形態>
[構成]
本開示の一実施の形態に係る画像処理装置100について説明する。図1は、画像処理装置100の概略構成例を表したものである。画像処理装置100は、例えば、図1に示したように、レンズ110、撮像部120および画像処理部130を備えている。画像処理部130が、本開示の一実施の形態に係る「画像処理装置」の一具体例に対応する。
【0012】
レンズ110は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を撮像部120に導き、撮像部120の受光面に結像させることが可能となっている。
【0013】
撮像部120は、レンズ110を介して受光面に結像される光に応じて、周期的に信号電荷を蓄積することが可能となっている。撮像部120に蓄積された信号電荷は、画素信号(画像データ)として、撮像部120内のDSP回路に転送される。つまり、撮像部120は、レンズ110を介して入射された像光(入射光)を受光し、受光した像光(入射光)に応じた画素信号をDSP回路に出力することが可能となっている。DSP回路は、画素信号(画像データ)を処理する信号処理回路である。撮像部120は、DSP回路により処理された画像を、フレーム単位で一時的にフレームメモリに保持することが可能となっている。撮像部120は、フレームメモリから読み出した画像をRAW画像として画像処理部130に出力することが可能となっている。
【0014】
撮像部120は、後段の画像処理部130で処理を行い易くするために、RAW画像の撮像環境依存を緩和する処理を行うことが可能となっていてもよい。このとき、撮像部120は、例えば、RAW画像に対して、撮像環境に対応したデモザイク、リニアマトリクス演算もしくはガンマ補正などを行うことが可能となっている。撮像部120は、例えば、上記処理により得られた画像を画像処理部130に出力することが可能となっている。
【0015】
本実施の形態では、被写体は、ワーク上のコードである。コードには、一次元バーコードおよび二次元コードの両方が含まれる。二次元コードとしては、例えば、QRコード(登録商標)、マイクロQRコード、データマトリクス(Data matrix; Data code)、ベリコード(Veri code)、アズテックコード(Aztec code)、PDF417、マキシコード(Maxi code)などが挙げられる。二次元コードにはスタック型とマトリクス型が含まれるが、本実施の形態では、コードは、いずれの二次元コードであってもよい。コードは、ワークに直接印刷あるいは刻印することによって付されたものであってもよいし、ラベルに印刷した後にワークに貼付することによって付されたものであってもよい。
【0016】
また、本実施の形態では、撮像部120から出力される画像(画像処理部130に入力される画像)は、ワーク上のコードを撮像部120で撮像することにより得られるコード画像である。以下では、このコード画像をコード画像Icと称するものとする。コード画像Icには、ワーク上のコードを読み取る際に、例えば、照明の当たり方や、コードの印刷品質、撮像装置120の特性等の撮影条件により品質にばらつきが生じていてもよい。コード画像Icが、本開示の一実施の形態に係る「コード画像」の一具体例に対応する。
【0017】
図2は、画像処理部130の概要構成例を表したものである。画像処理部130は、例えば、図2に示したように、受付部131、記憶部132、制御部133、デコード部134、出力部135および通信部136を有している。受付部131、記憶部132、制御部133、デコード部134、出力部135および通信部136は、バス137に接続されており、バス137を介して相互にデータの送受信を行うことが可能となっている。受付部131が、本開示の一実施の形態に係る「受付部」の一具体例に対応する。デコード部134が、本開示の一実施の形態に係る「デコード部」の一具体例に対応する。
【0018】
受付部131は、撮像部120からコード画像Icを受け付けることの可能な入力インタフェースである。受付部131は、受け付けたコード画像Icを制御部133に出力することが可能となっている。
【0019】
記憶部132は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリ、または、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成されている。記憶部132には、深層学習モデル132aおよび画像処理プログラム132bが記憶されている。深層学習モデル132aが、本開示の一実施の形態に係る「第1学習モデル」の一具体例に対応する。深層学習モデル132aおよび画像処理プログラム132bが、本開示の一実施の形態に係る「画像処理プログラム」の一具体例に対応する。
【0020】
深層学習モデル132aは、例えば、U-net等の、Segmentationを推定することの可能なネットワークである。深層学習モデル132aは、例えば、画素ごとにクラス分類することの可能なSemanticSegmentationモデルであり、例えば、画素ごとに2クラス(例えば、前景、背景)の分類が可能なSemanticSegmentationモデルである。深層学習モデル132aは、撮像により得られたコード画像、およびこのコード画像に対応する2クラス分類がなされたSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされたモデルである。深層学習モデル132aは、学習装置200に格納された深層学習モデル221(後述)と同一のモデルであり、例えば、深層学習モデル221のコピーである。深層学習モデル132aは、コード画像Icまたはコード画像Icに対して所定の処理がなされた処理済み画像が入力されると、コード画像Icまたは処理済み画像に対応する二値画像Ibを出力することが可能となっている。
【0021】
画像処理プログラム132bは、画像処理部130において画像処理を行うための一連の手順が記述されたプログラムである。例えば、画像処理プログラム132bが制御部133にロードされることにより、画像処理プログラム132bに記述された画像処理を行うための一連の手順が制御部133において実行される。
【0022】
制御部133は、例えば、画像処理を行うGPU(Graphics Processing Unit)、または、画像処理プログラム132bがロードされたCPU(Central Processing Unit)を含んで構成されている。制御部133は、受付部131を介してコード画像Icを取得することが可能となっている。制御部133は、取得したコード画像Icを深層学習モデル132aに入力し、その入力に対する応答として、二値画像Ibを取得することが可能となっている。制御部133は、取得した二値画像Ibをデコード部134に入力し、その入力に対する応答として、識別コードDcodeを取得することが可能となっている。制御部133は、取得した識別コードDcodeを出力部135に出力することが可能となっている。制御部133は、通信部136を介して深層学習モデル221のコピーを取得することが可能となっている。制御部133は、取得した深層学習モデル221のコピーを、深層学習モデル132aとして記憶部132に格納することが可能となっている。つまり、制御部133は、取得した深層学習モデル221のコピーを利用して、深層学習モデル132aを更新することが可能となっている。
【0023】
デコード部134は、ワーク上のコードの規格におけるデコードアルゴリズムに基づいて、二値画像Ibをデコードすることにより識別コードDcodeを生成することが可能となっている。デコード部134は、例えば、二値画像Ibに対するデコードを行うことの可能なICによって構成されている。
【0024】
出力部135は、識別コードDcodeを所定のデータ形式の出力データDoutに変換して外部に出力することの可能な出力インタフェースである。通信部136は、所定のネットワークを介して学習装置200と通信することの可能な通信インタフェースである。通信部136は、学習装置200から深層学習モデル221のコピーを受信することが可能となっている。通信部136は、受信した深層学習モデル221のコピーを制御部133に出力することが可能となっている。「所定のネットワーク」と、例えば、インターネット、クラウドネットワーク、または、事業者固有のネットワークなどを含んで構成されている。
【0025】
図3は、学習装置200の概要構成例を表したものである。学習装置200は、例えば、図3に示したように、通信部210、記憶部220および制御部230を有している。通信部210、記憶部220および制御部230は、バス240に接続されており、バス240を介して相互にデータの送受信を行うことが可能となっている。
【0026】
通信部210は、上述の「所定のネットワーク」を介して画像処理装置100と通信することの可能な通信インタフェースである。通信部210は、制御部230から入力された深層学習モデル221のコピーを画像処理装置100に送信することが可能となっている。
【0027】
記憶部220は、例えば、DRAMなどの揮発性メモリ、または、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成されている。記憶部220には、深層学習モデル221、RAWコード画像222、SemanticSegmentation画像223および学習プログラム224が記憶されている。RAWコード画像222が、本開示の一実施の形態に係る「第1コード画像」の一具体例に対応する。SemanticSegmentation画像223が、本開示の一実施の形態に係る「SemanticSegmentation画像」の一具体例に対応する。
【0028】
RAWコード画像222は、撮像により得られたRAW画像であり、ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像である。SemanticSegmentation画像223は、RAWコード画像222に対応するSemanticSegmentation画像である。SemanticSegmentation画像223では、画素ごとに2クラス(例えば、前景、背景)の分類がなされている。
【0029】
深層学習モデル221は、例えば、U-net等の、Segmentationを推定することの可能なネットワークである。深層学習モデル221は、例えば、画素ごとにクラス分類することの可能なSemanticSegmentationモデルであり、例えば、画素ごとに2クラス(例えば、前景、背景)の分類が可能なSemanticSegmentationモデルである。深層学習モデル221は、撮像により得られたRAWコード画像222、およびRAWコード画像222に対応するSemanticSegmentation画像223を学習データとする機械学習がなされたモデルである。深層学習モデル221は、コード画像Icが入力されると、コード画像Icに対応する二値画像Ibを出力することが可能となっている。
【0030】
学習プログラム224は、学習装置200において深層学習モデル221に対して機械学習を行うための一連の手順が記述されたプログラムである。例えば、学習プログラム224が制御部230にロードされることにより、学習プログラム224に記述された機械学習を行うための一連の手順が制御部230において実行される。
【0031】
制御部230は、例えば、深層学習モデル221に対して機械学習を行うGPU、または、学習プログラム224がロードされたCPUを含んで構成されている。制御部230は、深層学習モデル221に対して、RAWコード画像222およびSemanticSegmentation画像223を学習データとする機械学習を行うことが可能となっている。制御部230は、学習済みの深層学習モデル221のコピーを通信部210に出力することが可能となっている。
【0032】
[画像処理]
次に、画像処理装置100における画像処理について説明する。
【0033】
図4は、画像処理装置100における画像処理の処理手順の一例を表したものである。まず、制御部133は、撮像部120からコード画像Icを取得する(ステップS101)。次に、制御部133は、取得したコード画像Icを深層学習モデル132aに入力する(ステップS102)。深層学習モデル132aは、コード画像Icが入力されると、コード画像Icに対応する二値画像Ibを出力する。制御部133は、深層学習モデル132aから二値画像Ibを取得する(ステップS103)。
【0034】
次に、制御部133は、二値画像Ibをデコード部134に入力する。デコード部134は、二値画像Ibが入力されると、ワーク上のコードの規格におけるデコードアルゴリズムに基づいて、二値画像Ibをデコードすることにより識別コードDcodeを生成する(ステップS104)。デコード部134は、生成した識別コードDcodeを制御部133に出力する。制御部133は、識別コードDcodeを取得する。制御部133は、取得した識別コードDcodeを出力部135に出力する。出力部135は、制御部133から識別コードDcodeが入力されると、入力された識別コードDcodeを所定のデータ形式の出力データDoutに変換して外部装置300に出力する(ステップS105)。外部装置300は、画像処理装置100から入力された出力データDoutを利用した所定の情報処理を行う。このようにして、画像処理装置100における画像処理が行われる。
【0035】
[効果]
次に、画像処理装置100の効果について説明する。
【0036】
本実施の形態では、RAWコード画像222およびSemanticSegmentation画像223を学習データとする機械学習がなされた深層学習モデル132aに対して、撮像部120により得られたコード画像Icを入力することにより、コード画像Icに対応する二値画像Ibが得られる。そして、得られた二値画像Ibをデコードすることにより識別コードDcodeが生成される。これにより、一般的なデコード処理、つまり閾値を用いた二値化処理を行う場合と比べて、撮影条件の影響を抑えた二値画像Ibを得ることができる。その結果、撮影条件に起因する読み取り率の悪化を抑制することができる。
【0037】
<2.変形例>
次に、上記実施の形態に係る画像処理装置100の変形例について説明する。以下では、共通の構成要素に対しては、共通の符号を付与し、共通の構成要素についての説明を適宜、省略するものとする。
【0038】
[変形例A]
上記実施の形態において、画像処理部130は、例えば、図5に示したように、深層学習モデル138aが記憶された記憶部138を更に有していてもよい。深層学習モデル138aが、本開示の一実施の形態に係る「第2学習モデル」の一具体例に対応する。さらに、上記実施の形態において、学習装置200は、例えば、図6に示したように、深層学習モデル251、RAWコード画像252,253および学習プログラム254が記憶された記憶部250を更に有していてもよい。
【0039】
記憶部138は、例えば、DRAMなどの揮発性メモリ、または、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成されている。深層学習モデル138aは、例えば、オートエンコーダ等のニューラルネットワークである。深層学習モデル138aは、例えば、撮像により得られたコード画像、およびコード画像に対して欠陥が付与された欠陥画像を学習データとする機械学習がなされたモデルである。深層学習モデル138aは、学習装置200に格納された深層学習モデル251と同一のモデルであり、例えば、深層学習モデル251のコピーである。深層学習モデル138aは、コード画像Icが入力されると、コード画像Icに含まれる欠陥が修復された画像を処理済み画像Idとして出力することが可能となっている。
【0040】
制御部133は、受付部131を介してコード画像Icを取得することが可能となっている。制御部133は、取得したコード画像Icを深層学習モデル138aに入力し、その入力に対する応答として、コード画像Icにおける欠陥が修復された画像を処理済み画像Idとして取得することが可能となっている。制御部133は、取得した処理済み画像Idを深層学習モデル132aに入力し、その入力に対する応答として、二値画像Ibを取得することが可能となっている。制御部133は、取得した二値画像Ibをデコード部134に入力し、その入力に対する応答として、識別コードDcodeを取得することが可能となっている。制御部133は、取得した識別コードDcodeを出力部135に出力することが可能となっている。
【0041】
制御部133は、通信部136を介して深層学習モデル221,251のコピーを取得することが可能となっている。制御部133は、取得した深層学習モデル221のコピーを、深層学習モデル132aとして記憶部132に格納することが可能となっている。つまり、制御部133は、取得した深層学習モデル221のコピーを利用して、深層学習モデル132aを更新することが可能となっている。制御部133は、取得した深層学習モデル251のコピーを、深層学習モデル138aとして記憶部138に格納することが可能となっている。つまり、制御部133は、取得した深層学習モデル251のコピーを利用して、深層学習モデル138aを更新することが可能となっている。
【0042】
通信部136は、学習装置200から深層学習モデル221,251のコピーを受信することが可能となっている。通信部136は、受信した深層学習モデル221,251のコピーを制御部133に出力することが可能となっている。
【0043】
記憶部250は、例えば、DRAMなどの揮発性メモリ、または、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成されている。RAWコード画像252は、撮像により得られたRAW画像であり、ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像である。RAWコード画像253は、RAWコード画像252に対して欠陥(欠陥部分df)が付与された欠陥画像である。
【0044】
深層学習モデル251は、例えば、オートエンコーダ等のニューラルネットワークである。深層学習モデル251は、例えば、撮像により得られたRAWコード画像252、およびRAWコード画像252に対して欠陥(欠陥部分df)が付与された欠陥画像であるRAWコード画像253を学習データとする機械学習がなされたモデルである。深層学習モデル251は、コード画像Icが入力されると、コード画像Icにおける欠陥が修復された画像を処理済み画像Idとして出力することが可能となっている。
【0045】
学習プログラム254は、学習装置200において深層学習モデル251に対して機械学習を行うための一連の手順が記述されたプログラムである。例えば、学習プログラム254が制御部230にロードされることにより、学習プログラム254に記述された機械学習を行うための一連の手順が制御部230において実行される。
【0046】
制御部230は、例えば、深層学習モデル251に対して機械学習を行うGPU、または、学習プログラム251がロードされたCPUを含んで構成されている。制御部230は、深層学習モデル251に対して、RAWコード画像252,253を学習データとする機械学習を行うことが可能となっている。制御部230は、学習済みの深層学習モデル251のコピーを通信部210に出力することが可能となっている。
【0047】
次に、本変形例に係る画像処理装置100における画像処理について説明する。
【0048】
図7は、本変形例に係る画像処理装置100における画像処理の処理手順の一例を表したものである。まず、制御部133は、撮像部120からコード画像Icを取得する(ステップS201)。次に、制御部133は、取得したコード画像Icを深層学習モデル138aに入力する(ステップS202)。深層学習モデル138aは、コード画像Icが入力されると、コード画像Icにおける欠陥が修復された画像を処理済み画像Idとして出力する。制御部133は、深層学習モデル138aから処理済み画像Idを取得する(ステップS203)。制御部133は、取得した処理済み画像Idを深層学習モデル132aに入力する(ステップS204)。深層学習モデル132aは、処理済み画像Idが入力されると、処理済み画像Idに対応する二値画像Ibを出力する。制御部133は、深層学習モデル132aから二値画像Ibを取得する(ステップS205)。
【0049】
次に、制御部133は、二値画像Ibをデコード部134に入力する。デコード部134は、二値画像Ibが入力されると、ワーク上のコードの規格におけるデコードアルゴリズムに基づいて、二値画像Ibをデコードすることにより識別コードDcodeを生成する(ステップS206)。デコード部134は、生成した識別コードDcodeを制御部133に出力する。制御部133は、識別コードDcodeを取得する。制御部133は、取得した識別コードDcodeを出力部135に出力する。出力部135は、制御部133から識別コードDcodeが入力されると、入力された識別コードDcodeを所定のデータ形式の出力データDoutに変換して外部装置300に出力する(ステップS207)。外部装置300は、画像処理装置100から入力された出力データDoutを利用した所定の情報処理を行う。このようにして、本変形例に係る画像処理装置100における画像処理が行われる。
【0050】
次に、本変形例に係る画像処理装置100の効果について説明する。
【0051】
本変形例では、RAWコード画像252,253を学習データとする機械学習がなされた深層学習モデル138aに対して、撮像部120により得られたコード画像Icを入力することにより、コード画像Icにおける欠陥が修復された画像(処理済み画像Id)が得られる。そして、深層学習モデル132aに対して処理済み画像Idを入力することにより、二値画像Ibが得られる。これにより、例えば、ワーク上のコードやレンズ110等に汚れが付着している場合であっても、そのような撮影条件の影響を抑えた二値画像Ibを得ることができる。その結果、撮影条件に起因する読み取り率の悪化を抑制することができる。
【0052】
[変形例B]
上記実施およびその変形例において、画像処理部130は、例えば、図8に示したように、撮像部120に対して、撮像条件の変更を指示する制御信号ctlを出力することが可能となっていてもよい。本変形例において、制御部133は、本開示の一実施の形態に係る「撮像支援部」の一具体例に対応する。
【0053】
図9は、本変形例に係る画像処理部130の概略構成例を表したものである。画像処理部130は、例えば、図9に示したように、送信部139を更に有している。送信部139は、撮像部120に対して制御信号ctlを出力することの可能な出力インタフェースである。制御部133は、デコード部134において識別コードIbが生成できなかった場合に、撮像装置120に対して制御信号ctlを、デコード部134において識別コードIbが生成できるまで撮像条件を変えながら繰り返し送信部139に出力することが可能となっている。撮像部120は、画像処理部130から制御信号ctlが入力されると、入力された制御信号ctlに従って、撮像条件を変更(設定)することが可能となっている。
【0054】
図10は、本変形例に係る学習装置200の概略構成例を表したものである。例えば、図10に示したように、記憶部220には、深層学習モデル221~学習プログラム224の他に、RAWコード画像225および二値画像226が更に記憶される。RAWコード画像225および二値画像226は、本変形例に係る画像処理部130における画像処理に伴って生成される。RAWコード画像225は、制御信号ctlに従って撮像条件が変更(設定)されたときに撮像部120で得られるコード画像Icである。二値画像226は、RAWコード画像225が深層学習モデル132aに入力されることにより深層学習モデル132aから出力される二値画像Ibである。深層学習モデル221が、本開示の一実施の形態に係る「第1学習モデルのバックアップデータであるマスタ学習モデル」の一具体例に対応する。
【0055】
制御部230は、深層学習モデル221に対して、RAWコード画像225および二値画像226を学習データとする機械学習(追加学習)を行うことが可能となっている。制御部230は、追加学習済みの深層学習モデル221のコピーを通信部210に出力することが可能となっている。通信部210は、制御部230から入力された追加学習済みの深層学習モデル221のコピーを画像処理装置100に送信することが可能となっている。
【0056】
次に、本変形例に係る画像処理装置100における画像処理について説明する。
【0057】
図11は、本変形例に係る画像処理装置100における画像処理の処理手順の一例を表したものである。まず、制御部133は、撮像部120からコード画像Icを取得する(ステップS301)。次に、制御部133は、取得したコード画像Icを深層学習モデル132aに入力する(ステップS302)。深層学習モデル132aは、コード画像Icが入力されると、コード画像Icに対応する二値画像Ibを出力する。制御部133は、深層学習モデル132aから二値画像Ibを取得する(ステップS303)。
【0058】
このとき、制御部133は、通信部136を介して、コード画像Icおよび二値画像Ibを学習装置200に送信する(ステップS304)。学習装置200は、画像処理装置100からコード画像Icおよび二値画像Ibを受信すると、受信したコード画像Icおよび二値画像Ibを、RAWコード画像225および二値画像226として記憶部220に格納する。
【0059】
次に、制御部133は、二値画像Ibをデコード部134に入力する。デコード部134は、二値画像Ibが入力されると、ワーク上のコードの規格におけるデコードアルゴリズムに基づいて、二値画像Ibをデコードする(ステップS305)。このとき、制御部133は、二値画像Ibのデコードに成功したか否かを判定する(ステップS306)。二値画像Ibのデコードに失敗した場合(ステップS306;N)、つまり、デコード部134が、二値画像Ibから識別コードDcodeを生成することができなかった場合には、制御部133は、制御信号ctlを出力して撮像部120の撮像条件を変更する(ステップS307)。そして、制御部133は、変更後の撮像条件での撮像により撮像部120で得られたコード画像Icを利用してステップS301~S305を再度実行する。
【0060】
一方、二値画像Ibのデコードに成功した場合(ステップS306;Y)、つまり、デコード部134が、二値画像Ibから識別コードDcodeを生成することができた場合には、生成した識別コードDcodeを制御部133に出力する。制御部133は、識別コードDcodeを取得する。制御部133は、取得した識別コードDcodeを出力部135に出力する。出力部135は、制御部133から識別コードDcodeが入力されると、入力された識別コードDcodeを所定のデータ形式の出力データDoutに変換して外部装置300に出力する(ステップS308)。外部装置300は、画像処理装置100から入力された出力データDoutを利用した所定の情報処理を行う。
【0061】
制御部133は、学習装置200から、追加学習済みの深層学習モデル221のコピーを取得する。制御部133は、取得した深層学習モデル221のコピーを利用して、深層学習モデル132aを更新する(ステップS309)。つまり、制御部133は、深層学習モデル132aを、追加学習済みの深層学習モデル221のコピーに置き換える。このようにして、画像処理装置100における画像処理が行われる。
【0062】
次に、本変形例に係る学習装置200における追加学習について説明する。
【0063】
図12は、本変形例に係る学習装置200における追加学習の処理手順の一例を表したものである。まず、制御部230は、通信部210を介して、画像処理装置100からコード画像Icおよび二値画像Ibを受信する(ステップS401)。制御部230は、受信したコード画像Icおよび二値画像Ibを、RAWコード画像225および二値画像226として記憶部220に格納する。制御部230は、コード画像Icおよび二値画像Ibを受信するたびに、受信したコード画像Icおよび二値画像Ibを、RAWコード画像225および二値画像226として記憶部220に格納する。
【0064】
その後、制御部230は、深層学習モデル221に対して、記憶部220に格納されたRAWコード画像225および二値画像226を学習データとする機械学習(追加学習)を行う(ステップS402)。このとき、得られる追加学習済みの深層学習モデル221が、本開示の一実施の形態に係る「新学習モデル」の一具体例に対応する。制御部230は、通信部210を介して、追加学習済みの深層学習モデル221のコピーを画像処理装置100に送信する(ステップS403)。画像処理装置100は、追加学習済みの深層学習モデル221のコピーを学習装置200から受信すると、受信した追加学習済みの深層学習モデル221のコピーを利用して、深層学習モデル132aを更新する。つまり、画像処理装置100は、深層学習モデル132aを、追加学習済みの深層学習モデル221のコピーに置き換える。このようにして、学習装置200における追加学習が行われる。
【0065】
次に、本変形例に係る画像処理装置100の効果について説明する。
【0066】
本変形例では、デコード部134において識別コードDcodeが生成できなかった場合に、深層学習モデル132aが、撮像条件を変えながら得られたRAWコード画像225および二値画像226を学習データとする機械学習(追加学習)を行うことにより得られた追加学習済みの深層学習モデル221に置き換えられる。これにより、一般的なデコード処理、つまり閾値を用いた二値化処理を行う場合と比べて、撮影条件の影響を抑えた二値画像Ibを得ることができる。その結果、撮影条件に起因する読み取り率の悪化を抑制することができる。
【0067】
[変形例C]
上記実施およびその変形例において、記憶部132は、例えば、図13に示したように、判定条件132cを記憶していてもよい。判定条件132cは、出力データDoutの出力の可否を判定するための情報である。
【0068】
図14は、本変形例に係る画像処理装置100における画像処理の処理手順の一例を表したものである。まず、制御部133は、撮像部120からコード画像Icを取得する(ステップS501)。次に、制御部133は、取得したコード画像Icを深層学習モデル132aに入力する(ステップS502)。深層学習モデル132aは、コード画像Icが入力されると、コード画像Icに対応する二値画像Ibを出力する。制御部133は、深層学習モデル132aから二値画像Ibを取得する(ステップS503)。
【0069】
次に、制御部133は、二値画像Ibをデコード部134に入力する。デコード部134は、二値画像Ibが入力されると、ワーク上のコードの規格におけるデコードアルゴリズムに基づいて、二値画像Ibをデコードすることにより識別コードDcodeを生成する(ステップS504)。デコード部134は、生成した識別コードDcodeを制御部133に出力する。制御部133は、識別コードDcodeを取得する。
【0070】
次に、制御部133は、識別コードDcodeが判定条件132c(所定の条件)を満たすか否か判定する(ステップS505)。その結果、識別コードDcodeが判定条件132c(所定の条件)を満たさないとき(ステップS505;N)、制御部133は、識別コードDcodeが正しく読み取れたデータではないことを示す処理を行う。制御部133は、例えば、識別コードDcodeを出力部135に出力するのを取りやめる(ステップS506)。一方、識別コードDcodeが判定条件132c(所定の条件)を満たすとき(ステップS505;Y)、制御部133は、識別コードDcodeを出力部135に出力する(ステップS507)。出力部135は、制御部133から識別コードDcodeが入力されると、入力された識別コードDcodeを所定のデータ形式の出力データDoutに変換して外部装置300に出力する。外部装置300は、画像処理装置100から入力された出力データDoutを利用した所定の情報処理を行う。このようにして、画像処理装置100における画像処理が行われる。
【0071】
本変形例では、識別コードDcodeが判定条件132cを満たさないとき、識別コードDcodeが正しく読み取れたデータではないことを示す処理が行われ、識別コードDcodeが判定条件132cを満たすとき、識別コードDcodeが出力部135に出力される。これにより、外部装置300において、誤った識別コードDcodeに基づいた処理が行われるのを防ぐことができる。
【0072】
[変形例D]
上記実施およびその変形例において、記憶部132は、例えば、図15に示したように、判定条件132dを記憶していてもよい。判定条件132dは、出力データDoutの出力の可否を判定するための情報である。さらに、上記実施およびその変形例において、画像処理部130は、例えば、図15に示したように、エンコード部141を更に有していてもよい。エンコード部141は、ワーク上のコードの規格におけるエンコードアルゴリズムに基づいて識別コードDcodeをエンコードすることにより二値画像Ib’を生成することが可能となっている。エンコード部141は、例えば、識別コードDcodeに対するエンコードを行うことの可能なICによって構成されている。本変形例において、制御部133が、本開示の一実施の形態に係る「判定部」の一具体例に対応する。
【0073】
図16は、本変形例に係る画像処理装置100における画像処理の処理手順の一例を表したものである。まず、制御部133は、撮像部120からコード画像Icを取得する(ステップS601)。次に、制御部133は、取得したコード画像Icを深層学習モデル132aに入力する(ステップS602)。深層学習モデル132aは、コード画像Icが入力されると、コード画像Icに対応する二値画像Ibを出力する。制御部133は、深層学習モデル132aから二値画像Ibを取得する(ステップS603)。
【0074】
次に、制御部133は、二値画像Ibをデコード部134に入力する。デコード部134は、二値画像Ibが入力されると、ワーク上のコードの規格におけるデコードアルゴリズムに基づいて、二値画像Ibをデコードすることにより識別コードDcodeを生成する(ステップS604)。デコード部134は、生成した識別コードDcodeを制御部133に出力する。制御部133は、識別コードDcodeを取得する。続いて、制御部133は、識別コードDcodeをエンコード部141に出力する。エンコード部141は、識別コードDcodeが入力されると、ワーク上のコードの規格におけるエンコードアルゴリズムに基づいて識別コードDcodeをエンコードすることにより二値画像Ib’を生成する(ステップS605)。
【0075】
次に、制御部133は、二値画像Ibと二値画像Ib’との一致率を計算する(ステップS606)。続いて、制御部133は、計算により得られた一致率が判定条件132d(所定の条件)を満たすか否かを判定する(ステップS607)。その結果、一致率が判定条件132d(所定の条件)を満たさないとき(ステップS607;N)、制御部133は、識別コードDcodeが正しく読み取れたデータではないことを示す処理を行う。制御部133は、例えば、識別コードDcodeを出力部135に出力するのを取りやめる(ステップS608)。一方、一致率が判定条件132d(所定の条件)を満たすとき(ステップS607;Y)、制御部133は、識別コードDcodeを出力部135に出力する(ステップS609)。出力部135は、制御部133から識別コードDcodeが入力されると、入力された識別コードDcodeを所定のデータ形式の出力データDoutに変換して外部装置300に出力する。外部装置300は、画像処理装置100から入力された出力データDoutを利用した所定の情報処理を行う。このようにして、画像処理装置100における画像処理が行われる。
【0076】
本変形例では、一致率が判定条件132dを満たさないとき、識別コードDcodeが正しく読み取れたデータではないことを示す処理が行われ、一致率が判定条件132dを満たすとき、識別コードDcodeが出力部135に出力される。これにより、外部装置300において、誤った識別コードDcodeに基づいた処理が行われるのを防ぐことができる。
【0077】
[変形例E]
上記実施およびその変形例において、画像処理部130は、例えば、図17に示したように、画像処理部130の代わりに画像処理部140を有していてもよい。画像処理部140は、例えば、図18に示したように、図2に記載の画像処理部130において、通信部136が省略され、記憶部220が更に設けられたものであってもよい。
【0078】
画像処理部140は、例えば、図19に示したように、図5に記載の画像処理部130において、通信部136が省略され、記憶部220,250が更に設けられたものであってもよい。画像処理部140は、例えば、図20に示したように、図9に記載の画像処理部130において、通信部136が省略され、記憶部220が更に設けられたものであってもよい。画像処理部140は、例えば、図21に示したように、図13に記載の画像処理部130において、通信部136が省略され、記憶部220が更に設けられたものであってもよい。画像処理部140は、例えば、図22に示したように、図15に記載の画像処理部130において、通信部136が省略され、記憶部220が更に設けられたものであってもよい。
【0079】
本変形例では、学習装置200内に設けられていた記憶部200(さらには記憶部250)が、画像処理装置100内に設けられている。このようにした場合であっても、上記実施の形態およびその変形例と同様の効果を得ることができる。
【0080】
なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。また、本明細書中に実施例を分けて記載しているが、これらの実施例を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0081】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
受付部と、第1学習モデルと、デコード部とを備え、
前記受付部は、ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像を受け付けることが可能となっており、
前記第1学習モデルは、撮像により得られた第1コード画像、および前記第1コード画像に対応する2クラス分類がなされたSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされたモデルであり、前記コード画像または前記コード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像が入力されると、前記コード画像または前記処理済み画像に対応する二値画像を出力することが可能となっており、
前記デコード部は、前記二値画像をデコードすることにより識別コードを生成することが可能となっている
画像処理装置。
(2)
第2学習モデルを更に備え、
前記第2学習モデルは、撮像により得られた第2コード画像、および前記第2コード画像に対して欠陥が付与された欠陥画像を学習データとする機械学習がなされたモデルであり、前記コード画像が入力されると、前記コード画像に含まれる欠陥が修復された画像を前記処理済み画像として出力することが可能となっている
(1)に記載の画像処理装置。
(3)
撮像支援部と、学習部とを更に備え、
前記撮像支援部は、前記デコード部において前記識別コードが生成できなかった場合に、前記コード画像を生成することの可能な撮像装置に対して撮像条件の変更を指示する制御信号を、前記デコード部において前記識別コードが生成できるまで前記撮像条件を変えながら繰り返し出力することが可能となっており、
前記学習部は、前記第1学習モデルのバックアップデータであるマスタ学習モデルを有し、前記第1学習モデルを、前記マスタ学習モデルに対して機械学習を行うことにより得られる新学習モデルに置き換えることが可能となっており、
前記学習部は、前記撮像支援部による前記撮像条件の変更によって前記撮像装置で得られる前記コード画像を前記第1コード画像とし、前記撮像支援部による前記撮像条件の変更によって前記第1学習モデルから出力される前記二値画像を前記SemanticSegmentation画像として、前記マスタ学習モデルに対して機械学習を行うことにより前記新学習モデルを生成することが可能となっている
(1)または(2)に記載の画像処理装置。
(4)
判定部を更に備え、
前記判定部は、前記デコード部で生成される前記識別コードが所定の条件を満たすとき、前記識別コードを外部装置に出力し、前記デコード部で生成される前記識別コードが前記所定の条件を満たさないとき、前記識別コードが正しく読み取れたデータではないことを示す処理を行うことが可能となっている
(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(5)
判定部を更に備え、
前記判定部は、前記第1学習モデルから得られる前記二値画像と、前記デコード部で生成される前記識別コードをエンコードすることにより得られる判定用二値画像との一致率が所定の条件を満たすとき、前記識別コードを外部装置に出力し、前記一致率が前記所定の条件を満たさないとき、前記識別コードが正しく読み取れたデータではないことを示す処理を行うことが可能となっている
(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(6)
ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像を取得することと、
撮像により得られた第1コード画像、および前記第1コード画像に対応する2クラス分類がなされたSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされた第1学習モデルに対して、前記コード画像または前記コード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像を入力し、それにより、前記コード画像または前記処理済み画像に対応する二値画像を前記第1学習モデルから取得することと、
前記二値画像をデコードすることにより識別コードを生成することと
を含む
画像処理方法。
(7)
撮像により得られた第1コード画像、および前記第1コード画像に対応する2クラス分類がなされたSemanticSegmentation画像を学習データとする機械学習がなされたモデルであって、かつ、入力画像が入力されると、前記入力画像に対応する二値画像を出力することの可能な第1学習モデルを含み、
ワーク上のコードを撮像することにより得られたコード画像を取得することと、
前記コード画像または前記コード画像に対して所定の処理がなされた処理済み画像を前記入力画像として前記第1学習モデルに入力し、それにより、前記二値画像として、前記コード画像または前記処理済み画像に対応する画像を前記第1学習モデルから取得することと
をコンピュータに実行させることの可能な画像処理プログラム。
【0082】
本開示の第1の側面に係る画像処理装置、本開示の第2の側面に係る画像処理方法、および本開示の第3の側面に係る記録媒体では、撮像画像から抽出された、被写体を含む領域画像をエンコードすることにより特徴量画像が生成され、撮像画像と特徴量画像とを互いに合成することによりマスク画像が生成される。ここで、マスク画像に含まれる特徴量画像は、被写体を識別する情報としての意味をなさない。そのため、マスク画像からは、被写体を識別する情報を取得することができないので、マスク画像を外部に提供した場合であっても、被写体を識別する情報が外部に流出するのを防止することができる。また、特徴量画像を公知のデコーダによってデコードすることにより得られるM次元の特徴量データには、被写体に固有の特徴がみられる。そのため、特徴量画像から得られるM次元の特徴量データを解析することにより、被写体の同定を行うことができる。従って、被写体認識機能を損なうことなく、被写体を識別する情報を特定し難くする処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
100…画像処理装置、110…レンズ、120…撮像部、130…画像処理部、131…受付部、132…記憶部、132a…深層学習モデル、132b…画像処理プログラム、132c…判定条件、133…制御部、134…デコード部、135…出力部、136…通信部、137…バス、138…記憶部、138a…深層学習モデル、139…送信部、140…画像処理部、141…エンコード部、200…学習装置、210…通信部、220…記憶部、221…深層学習モデル、222…RAWコード画像、223…SemanticSegmentation画像、224…画像処理プログラム、225…RAWコード画像、226…二値画像、230…制御部、240…バス、250…記憶部、251…深層学習モデル、252,253…RAWコード画像、300…外部装置、ctr…制御信号、Dcode…識別コード、Dout…出力データ、Ib,Ib’…二値画像、Ic…コード画像、Id…処理済み画像。
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