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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172270
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】分類装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65G47/14 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089866
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴光
(72)【発明者】
【氏名】石井 亨紀
(72)【発明者】
【氏名】井田 雄士
(72)【発明者】
【氏名】横山 雄大
(72)【発明者】
【氏名】石川 陽
(72)【発明者】
【氏名】立原 里紗
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA01
3F080AA03
3F080AA27
3F080BB01
3F080CC02
3F080CC20
3F080DA01
3F080DB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物品を形状に応じて分類可能な分類装置を提供する。
【解決手段】分類装置1Aは、鉛直方向Vに対して傾斜した回転軸A回りに回転方向Dに沿って回転可能な略円状の傾斜面11を備えた傾斜テーブル10と、傾斜面の外周に回転不能に立設されたガイド20と、ガイドの下部周縁に設けられ、傾斜面を転動可能な球状物品G1を傾斜面外に排出する第1の排出口22と、ガイドの第1の排出口に対して回転方向Dの下流側に設けられ、傾斜面上を転動不能な多面体G2を傾斜面外に排出する第2の排出口23と、傾斜面上を転動不能な平坦体G3を傾斜面外に排出する第3の排出口24と、傾斜面に対して回転不能に設けられ、傾斜面の回転に伴って移動する多面体G2を第2の排出口に案内する案内壁と、傾斜面に対して回転不能に設けられ、傾斜面の回転に伴って移動する平坦体G3を第3の排出口24に案内する第1の案内部40とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に対して傾斜した回転軸回りに所定の回転方向に沿って回転可能な略円状の傾斜面を備えた傾斜テーブルと、
前記傾斜面の外周に回転不能に立設されたガイドと、
前記ガイドの下部周縁に設けられ、前記傾斜面上を転動可能な球状物品を前記傾斜面外に排出する球状物品排出口と、
前記ガイドの前記球状物品排出口に対して前記回転方向の下流側に設けられ、前記傾斜面上を転動不能な非球状物品を前記傾斜面外に排出する非球状物品排出口と、
前記傾斜面に対して回転不能に設けられ、前記傾斜面の回転に伴って移動する前記非球状物品を前記非球状物品排出口に案内する案内部と、
を備えていることを特徴とする分類装置。
【請求項2】
異なる種類の前記非球状物品を種類に応じて選別する選別部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の分類装置。
【請求項3】
前記選別部は、前記非球状物品を、高さが高い分類である第1類非球状物品と前記第1類非球状物品より高さが低い分類である第2類非球状物品とに選別し、
前記非球状物品排出口は、前記第1類非球状物品を排出する第1の非球状物品排出口と、前記第2類非球状物品を排出する第2の非球状物品排出口と、であることを特徴とする請求項2に記載の分類装置。
【請求項4】
前記第2の非球状物品排出口は、前記第1の非球状物品排出口に対して前記回転方向の下流側に配置され、
前記選別部は、前記第1類非球状物品を前記第1の非球状物品排出口に案内する案内壁と、前記案内壁と傾斜面との間に形成されて前記第2類非球状物品を通過させる隙間と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の分類装置。
【請求項5】
前記第1の非球状物品排出口は、前記第2の非球状物品排出口に対して前記回転方向の下流側に配置され、
前記選別部は、前記第1類非球状物品を前記回転方向の下流側に案内する案内壁と、前記案内壁と傾斜面との間に形成されて前記第2類非球状物品を通過させる隙間と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の分類装置。
【請求項6】
前記案内部は、前記選別部で選別された前記第1類非球状物品を前記第1の非球状物品排出口に案内する第1の案内部と、前記第1の案内部に対して前記回転方向の上流側に配置され、前記選別部で選別された前記第2類非球状物品を前記第2の非球状物品排出口に案内する第2の案内部と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の分類装置。
【請求項7】
前記第1の案内部と前記傾斜面との間には、前記第2類非球状物品を通過させる隙間が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の分類装置。
【請求項8】
前記傾斜面に対して回転不能に設けられ、前記回転方向において前記選別部と前記第1の案内部との間に位置する前記非球状物品を前記傾斜面の径方向に移動させる中間ガイド部をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の分類装置。
【請求項9】
前記選別部は、前記傾斜面の周縁に位置する前記非球状物品を種類に応じて選別することを特徴とする請求項2に記載の分類装置。
【請求項10】
前記傾斜面に対して回転不能に設けられ、前記傾斜面の回転に伴って前記傾斜面の中央側に位置する前記非球状物品を前記傾斜面の外周側に誘導する誘導部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の分類装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分類装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、大きさや形状等が異なる複数種の物品が混在した被分離物品に振動を付与して、被分離部品を、振動板の傾斜面を上る部品と振動板の傾斜面を下る部品とに分離する振動分離装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-171681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の振動分離装置では、振動板を振動させる加振機構が必要となり、また振動板の振動に伴って騒音が生じ、さらに、物品が傾斜面上を振動板の長手方向に沿って上る又は下るため分離装置が大型化するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、物品を簡便に分類可能な分類装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る分類装置は、鉛直方向に対して傾斜した回転軸回りに所定の回転方向に沿って回転可能な略円状の傾斜面を備えた傾斜テーブルと、前記傾斜面の外周に回転不能に立設されたガイドと、前記ガイドの下部周縁に設けられ、前記傾斜面上を転動可能な球状物品を前記傾斜面外に排出する球状物品排出口と、前記ガイドの前記球状物品排出口に対して前記回転方向の下流側に設けられ、前記傾斜面上を転動不能な非球状物品を前記傾斜面外に排出する非球状物品排出口と、前記傾斜面に対して回転不能に設けられ、前記傾斜面の回転に伴って移動する前記非球状物品を前記非球状物品排出口に案内する案内部と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、球状物品及び非球状物品をそれらの形状に応じて簡便に分類可能な分類装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係る分類装置を示す斜視図。
図2】回転軸方向から視た分類装置の構造を示す模式図。
図3】球状物品が分類装置の外部に排出される様子を示す模式図。
図4】多面体、平坦体が分類装置の外部に排出される様子を示す模式図。
図5】本発明の第2の実施形態に係る分類装置を示す斜視図。
図6】回転軸方向から視た分類装置の構造を示す模式図。
図7】多面体、平坦体が分類装置の外部に排出される様子を示す模式図。
図8】多面体に囲まれた平坦体が分類装置の外部に排出される様子を示す模式図。
図9】本発明の変形例に係る分類装置を示す斜視図。
図10】回転軸方向から視た分類装置の構造を示す模式図。
図11】多面体、平坦体が分類装置の外部に排出される様子を示す模式図。
図12】多面体に囲まれた平坦体が分類装置の外部に排出される様子を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る分類装置の各実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下では、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
【0010】
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
【0011】
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
【0012】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係る分類装置1Aについて図面に基づいて説明する。図1は、分類装置1Aの構成を示す斜視図であり、図2は、分類装置1Aを示す模式図である。
【0013】
分類装置1Aは、混在する球状物品及び非球状物品を形状に応じて分類する。なお、「球状物品」とは、後述する傾斜面11上を転動し易い形状を呈するものであれば良く、必ずしも球状に形成されたものに限定されるものではない。また、「非球状物品」とは、球状物品と比べて傾斜面11上を転動しにくい形状を呈するものであれば良く、例えば、立方体又は直方体等の特に高さの分類が高い多面体又は円盤・多角形状板等の高さの分類が低い平坦体等であるが、これらに限定されるものではない。以下、球状物品及び非球状物品を総称する場合には、単に「物品」という。
【0014】
分類装置1Aは、傾斜テーブル10を備えている。傾斜テーブル10は、略円状に形成された傾斜面11と、傾斜面11を回転軸A回りに回転方向Dに回転させる図示しないモータと、を備えている。
【0015】
回転軸Aは、傾斜面11の回転中心Oを通るとともに、鉛直方向Vに対して傾斜して設けられている。傾斜面11の斜度及びモータの回転速度は任意に調整可能であり、傾斜面11の斜度は、例えば7度に設定され、傾斜テーブル10の回転速度は、例えば約20rpmに設定される。
【0016】
傾斜テーブル10の上方には、図示しない供給部が設けられている。供給部は、球状物品及び非球状物品が混在された物品を傾斜面11上に投下する。本実施形態では、球状物品としての球状物品G1、高さの分類が高い非球状物品としての多面体G2及び高さの分類が低い非球状物品としての平坦体G3を用いた。なお、球状物品G1の直径は約12~20mm、多面体G2の高さは約8~15mm、平坦体G3の高さは約5mmに設定した。
【0017】
傾斜面11の表面は、フェルト、金属又はゴム等で覆われている。傾斜面11の表面をフェルトで覆う場合、球状物品が傾斜面11上を転動する具合と非球状物品が傾斜面11上を滑らずに留まる具合のバランスが適切である。また、傾斜面11の表面を金属で覆う場合、球状物品が傾斜面11上をさらに転動し易く、傾斜面11の表面をゴムで覆う場合、非球状物品が傾斜面11上にさらに留まり易くなる。したがって、物品の形状や材質、傾斜面11の斜度や回転速度等に応じて、傾斜面11の表面を覆う材質を適宜選択するのが好ましい。すなわち、本実施形態では、傾斜面11の斜度を7度、傾斜テーブル10の回転速度を約20rpmにそれぞれ設定するとしたが、斜度や回転速度を変更した場合、傾斜面11の表面を覆う材質も変更後の斜度及び回転速度に応じた好適なものを選択するのが好ましい。
【0018】
傾斜テーブル10の外周には、回転不能に立設されたガイド20が設けられている。ガイド20は、リング状に形成されており、物品が傾斜テーブル10から落下しない程度に高く形成されている。
【0019】
ガイド20には、ガイド20の側面21を貫通するようにして、球状物品G1を排出可能な第1の排出口22と、多面体G2を排出可能な第2の排出口23と、平坦体G3を排出可能な第3の排出口24と、が形成されている。
【0020】
第1の排出口22は、ガイド20の鉛直方向Vの下部周縁に設けられている。第1の排出口22の開口寸法は、球状物品G1が通過可能な程度に設定されている。
【0021】
第2の排出口23は、ガイド20の第1の排出口22に対して回転方向Dの下流側且つガイド20の鉛直方向Vの上部周縁に設けられている。第2の排出口23の開口寸法は、多面体G2が通過可能な程度に設定されている。
【0022】
第3の排出口24は、ガイド20の第2の排出口23に対して回転方向Dの下流側且つガイド20の鉛直方向Vにおいて第2の排出口23より僅かに下方に設けられている。第3の排出口24の開口寸法は、平坦体G3が通過可能な程度に設定されている。
【0023】
傾斜面11の上方には、選別部30と、第1の案内部40と、誘導部50とが設けられている。
【0024】
選別部30は、上流端31が回転中心Oに対して鉛直方向Vの上方側で且つ傾斜面11の径方向の中腹に設けられ、下流端32が上流端31より鉛直方向Vの上方で且つ第2の排出口23の近傍に配置され、上流端31から下流端32に向かって直線的に形成されている。換言すれば、選別部30は、傾斜面11の径方向において少なくとも周縁を含むように形成されている。下流端32がガイド20に接続されていることにより、選別部30は、傾斜面11に対して回転不能に設けられている。選別部30の案内壁33と傾斜面11との間には、平坦体G3が通過可能で且つ多面体G2が通過不能な隙間34が設けられている。
【0025】
第1の案内部40は、上流端41が鉛直方向Vにおいて回転中心Oと上流端31との間に設けられ、下流端42が上流端41より鉛直方向Vの上方で且つ第3の排出口24の近傍に配置され、中央が上流端41及び下流端42より回転方向Dの上流側に向かって膨出するように湾曲して形成されている。下流端42がガイド20に接続されていることにより、第1の案内部40は、傾斜面11に対して回転不能に設けられている。第1の案内部40と傾斜面11との間には、ほぼ隙間がない又は平坦体G3が通過不能な程度の隙間が設けられる。
【0026】
誘導部50は、上流端51が回転中心Oより僅かに鉛直方向Vの下方側に設けられ、下流端52が上流端51より鉛直方向Vの下方に配置され、上流端51から下流端52に亘って回転方向Dの上流側に膨出するように湾曲して形成されている。誘導部50は、図示しない梁等によってガイド20に接続され、傾斜面11に対して回転不能に設けられている。誘導部50と傾斜面11との間には、ほぼ隙間がない又は平坦体G3が通過不能な程度の隙間が設けられる。
【0027】
このようにして、図3に示すように、傾斜面11に投下された球状物品G1は、傾斜面11上を鉛直方向Vの下方に向かって転動し、ガイド20の側面に誘導されて第1の排出口22に案内される。
【0028】
また、図4に示すように、傾斜面11の回転に伴って回転方向Dに沿って移動する多面体G2は、案内壁33に沿って傾斜面11の径方向の外周側に誘導されて第2の排出口23に案内される。
【0029】
また、傾斜面11の回転に伴って回転方向Dに沿って移動する平坦体G3は、案内壁33と傾斜面11との隙間34を通過した後に、第1の案内部40の案内面43に沿って傾斜面11の径方向の外周側に誘導されて第3の排出口24に案内される。
【0030】
さらに、選別部30の上流端31や第1の案内部40の上流端41より傾斜面11の径方向の内側に位置するとともに傾斜面11の回転に伴って傾斜面11の中央側で回転中心O回りに公転移動する多面体G2及び平坦体G3は、誘導部50の誘導面53に沿って傾斜面11の径方向の外周側に誘導される。これにより、多面体G2及び平坦体G3が、選別部30で選別され易くなっている。
【0031】
すなわち、本実施形態に係る分類装置1Aは、鉛直方向Vに対して傾斜した回転軸A回りに回転方向Dに沿って回転可能な略円状の傾斜面11を備えた傾斜テーブル10と、傾斜面11の外周に回転不能に立設されたガイド20と、ガイド20の下部周縁に設けられ、傾斜面11上を転動可能な球状物品G1を傾斜面11外に排出する第1の排出口22と、ガイド20の第1の排出口22に対して回転方向Dの下流側に設けられ、傾斜面11上を転動不能な多面体G2を傾斜面11外に排出する第2の排出口23と、傾斜面11上を転動不能な平坦体G3を傾斜面11外に排出する第3の排出口24と、傾斜面11に対して回転不能に設けられ、傾斜面11の回転に伴って移動する多面体G2を第2の排出口23に案内する案内壁33と、傾斜面11に対して回転不能に設けられ、傾斜面11の回転に伴って移動する平坦体G3を第3の排出口24に案内する第1の案内部40と、を備えている構成とした。
【0032】
この構成によれば、回転軸A回りに回転する傾斜面11上に物品を投下することにより、傾斜面11上を転動する球状物品G1は、第1の排出口22から傾斜面11外に排出され、傾斜面11の回転に伴って回転方向Dに移動する多面体G2、平坦体G3は、第2の排出口23、第3の排出口24から傾斜面11外に排出されるため、物品を形状に応じて簡便に分類することができる。
【0033】
さらに、分類装置1Aは、従来のような振動板に振動を加えて物品を分類する振動分離装置と比べて、振動板を振動させる複雑な加振機構や振動が周辺の機器に伝達することを妨げる頑丈な架台等を必要とせず装置構成を簡略化できる上に、装置運転に伴って生じる騒音を低減でき、さらに、振動に伴って往復動する機構の摩耗が生じないため、メンテナンス頻度を減らすことができる。
【0034】
また、分類装置1Aは、傾斜面11が回転方向Dに繰り返し回転し続けることにより、物品の分類が1回転目で完了しない場合であっても、1回転目で分類から漏れた多面体G2、平坦体G3が回転中心O回りに公転するため、2回転目以降で再び分類可能であり、物品の分類漏れを防止することができる。
【0035】
また、本実施形態に係る分類装置1Aは、多面体G2及び平坦体G3を種類に応じて選別する選別部30をさらに備えている構成とした。
【0036】
この構成によれば、選別部30は、非球状物品を多面体G2又は平坦体G3に分類するため、非球状物品を簡便に分類することができる。
【0037】
また、本実施形態に係る分類装置1Aは、選別部30が、多面体G2及び平坦体G3を高さ分類の高低に応じて選別する構成とした。
【0038】
この構成によれば、選別部30は、非球状物品を相対的に高い多面体G2と相対的に低い平坦体G3とに分類するため、非球状物品を簡便に分類することができる。
【0039】
また、本実施形態に係る分類装置1Aは、第3の排出口24が、第2の排出口23に対して回転方向Dの下流側に配置され、選別部30が、多面体G2を第2の排出口23に案内する案内壁33と、案内壁33の下部に形成されて平坦体G3を通過させる隙間34と、を備えている構成とした。
【0040】
この構成によれば、案内壁33は、隙間34を通過不能な多面体G2と隙間34を通過可能な平坦体G3とに非球状物品を分類することができる。
【0041】
また、本実施形態に係る分類装置1Aは、傾斜面11に対して回転不能に設けられ、傾斜面11の回転に伴って傾斜面11の中央側に位置する多面体G2及び平坦体G3を傾斜面11の外周側に誘導する誘導部50をさらに備えている構成とした。
【0042】
この構成によれば、傾斜面11上を転動不能な多面体G2及び平坦体G3は、回転中心O回りに公転し続けがちなところ、誘導部50が傾斜面11の中央側に位置する多面体G2及び平坦体G3を傾斜面11の外周側に誘導することにより、選別部30による多面体G2及び平坦体G3の選別が促進される。
【0043】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る分類装置1Bについて図面に基づいて説明する。図5は、第2の実施形態に係る分類装置1Bの構成を示す斜視図であり、図6は、分類装置1Bを示す模式図である。なお、本実施形態に係る分類装置1Bは、上述した第1の実施形態に係る分類装置1Aと以下の点で相違し、その他の構成は共通する。したがって、共通する構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0044】
第3の排出口24は、ガイド20の第2の排出口23に対して回転方向Dの上流側且つガイド20の鉛直方向Vの上部周縁に設けられている。また、第2の排出口23は、ガイド20の鉛直方向Vにおいて第2の排出口23より僅かに下方に設けられている。
【0045】
選別部30の上流端31がガイド20に接続され、選別部30は、傾斜面11に対して回転不能に設けられている。案内壁33は、上流端31から傾斜面11の径方向の中腹に位置する下流端32に向かって略水平方向に直線的に延伸されている。
【0046】
第1の案内部40の上流端41が、選別部30の下流端32に接続されている。第1の案内部40の下流端42は、第3の排出口24の付近でガイド20に接続され、第1の案内部40は、上流端41から下流端42に亘って直線的に形成されるとともに、傾斜面11に対して回転不能に設けられている。以下、第1の案内部40の上流端41からガイド20までの距離(傾斜面11の径方向に投影した投影長さ)をL1とする。
【0047】
誘導部50の下流端52からガイド20までの距離L2は、第1の案内部40を傾斜面11の径方向に投影した投影長さL1と略等しく設定される。これにより、誘導部50によって傾斜面11の径方向の外周側に誘導された多面体G2や平坦体G3が、漏れなく選別部30によって選別される。
【0048】
第2の案内部60は、上流端61が鉛直方向Vにおいて回転中心Oと第1の案内部40の上流端41との間に設けられ、下流端62が上流端61より鉛直方向Vの上方で且つ第2の排出口23の近傍に設けられ、中央が上流端61及び下流端62より回転方向Dの上流側に向かって案内面63が膨出するように湾曲して形成されている。下流端62がガイド20に接続されていることにより、第2の案内部60は、傾斜面11に対して回転不能に設けられている。また、第2の案内部60と傾斜面11との間には、平坦体G3が通過可能で且つ多面体G2が通過不能な隙間64が設けられている。
【0049】
このようにして、図7に示すように、傾斜面11の回転に伴って移動する平坦体G3は、案内壁33と傾斜面11との隙間34を通過した後に、第1の案内部40の案内面43に沿って傾斜面11の径方向の外周側に誘導されて第3の排出口24に案内される。
【0050】
一方、傾斜面11の回転に伴って移動するとともに隙間34を通過不能な多面体G2は、案内壁33に沿って回転方向Dの下流側に誘導された後に、第2の案内部60の案内面63と沿って傾斜面11の径方向の外周側に誘導されて第2の排出口23に案内される。
【0051】
さらに、図8に示すように、平坦体G3が複数の多面体G2に囲まれる等して誤って第2の案内部60に達する場合であっても、平坦体G3は、第2の案内部60と傾斜面11との隙間64を通過し、傾斜面11の回転に伴って選別部30に再び達する。
【0052】
すなわち、本実施形態に係る分類装置1Bは、第2の排出口23が、第3の排出口24に対して回転方向Dの下流側に配置され、選別部30が、多面体G2を回転方向Dの下流側に案内する案内壁33と、案内壁33の下部に形成された平坦体G3を通過させる隙間34と、を備えている構成とした。
【0053】
この構成によれば、選別部30が、相対的に低い平坦体G3を相対的に高い多面体G2より先行して分類することにより、平坦体G3が誤って第2の排出口23に排出される誤分類を抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る分類装置1Bは、選別部30が、案内壁33で選別された多面体G2を第2の排出口23に案内する第2の案内部60と、案内壁33で選別された平坦体G3を第3の排出口24に案内する第1の案内部40と、を備えている構成とした。
【0055】
また、本実施形態に係る分類装置1Bは、第2の案内部60と傾斜面11との間には、平坦体G3を通過させる隙間64が形成されている構成とした。
【0056】
この構成によれば、平坦体G3が複数の多面体G2に囲まれる等して誤って第2の案内部60に達する場合であっても、平坦体G3が隙間64を通過し、傾斜面11の回転に伴って選別部30に再び移動するため、平坦体G3を正確に分類できる。
【0057】
<変形例>
次に、第2の実施形態の変形例に係る分類装置1Cについて図面に基づいて説明する。図9は、本変形例に係る分類装置1Cの構成を示す斜視図であり、図10は、分類装置1Cを示す模式図である。なお、本変形例に係る分類装置1Cは、上述した第2の実施形態に係る分類装置1Bと以下の点で相違し、その他の構成は共通する。したがって、共通する構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0058】
分類装置1Cは、回転方向Dにおいて第1の案内部40と第2の案内部60との間にそれぞれ配置された第1の中間ガイド部70、第2の中間ガイド部80を備えている。
【0059】
第1の中間ガイド部70は、図示しない梁等によってガイド20に接続され、傾斜面11に対して回転不能に設けられている。第1の中間ガイド部70は、上流端71が鉛直方向Vにおいて回転中心Oと第1の案内部40の上流端41との間に設けられ、下流端72が傾斜面11の径方向においてガイド20との間に隙間を空けて配置され、上流端71から下流端72に亘って第1の案内部40と略平行に直線状に延伸されている。また、第1の中間ガイド部70と傾斜面11との間には、平坦体G3が通過可能で且つ球状物品G1及び多面体G2が通過不能な隙間74が設けられている。
【0060】
第2の中間ガイド部80の上流端81がガイド20に接続されていることにより、第2の中間ガイド部80は、傾斜面11に対して回転不能に設けられている。また、第2の中間ガイド部80は、上流端81から上流端81より鉛直方向Vの下方に配置された下流端82に向かって直線的に形成されている。また、第2の中間ガイド部80と傾斜面11との間には、平坦体G3が通過可能で且つ球状物品G1及び多面体G2が通過不能な隙間84が設けられている。
【0061】
このようにして、図11に示すように、選別部30に沿って誘導されて傾斜面11の回転に伴って移動する多面体G2は、まず、第1の中間ガイド部70のガイド面73に沿って回転方向Dの下流側且つ傾斜面11の径方向の外周側に誘導された後に、第1の中間ガイド部70の下流端72とガイド20との間を通過する。
【0062】
続いて、第1の中間ガイド部70の下流端72とガイド20との間を通過した多面体G2は、第2の中間ガイド部80のガイド面83に沿って回転方向Dの下流側且つ傾斜面11の径方向の内周側に誘導された後に、第2の中間ガイド部80の下流端82より傾斜面11の径方向の内側を通過して第2の案内部60に案内される。
【0063】
このようにして、多面体G2が第1の案内部40から第2の案内部60の間で傾斜面11の径方向の内外に揺動させることにより、複数の多面体G2が密集状態で移動する場合であっても、その密集状態を解消することができる。同様にして、図示を省略するが、例えば、平坦体G3が複数の多面体G2に囲まれる等して誤って第1の中間ガイド部70に達する場合であっても、多面体G2が第1の案内部40から第2の案内部60の間で傾斜面11の径方向の内外に揺動するとともに、平坦体G3が第1の中間ガイド部70と傾斜面11との隙間74を通過することにより、多面体G2と平坦体G3とが密集した状態が解消される。その後、多面体G2との密集状態が解消された平坦体G3は、傾斜面11の回転に伴って選別部30に再び達する。
【0064】
さらに、図12に示すように、例えば、球状物品G1が複数の多面体G2に囲まれる等して誤って第1の中間ガイド部70、第2の中間ガイド部80に達した場合、球状物品G1及び多面体G2は、先ず、第1の中間ガイド部70によって回転方向Dの下流側且つ傾斜面11の径方向の外周側に誘導され、続いて、第2の中間ガイド部80によって回転方向Dの下流側且つ傾斜面11の径方向の内周側に誘導される。その後、多面体G2は、第2の中間ガイド部80の下流端82を越え、回転中心O回りに公転移動して第2の案内部60に案内される一方、球状物品G1は、第2の中間ガイド部80の下流端82を越え、傾斜面11上を転動して第1の排出口22から外部へ排出される。
【0065】
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、上記以外にも種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。また、各実施形態及び変形例を適宜組み合わせても構わない。
【0066】
また、上述した実施形態及び変形例では、分類装置1A~1Cが、3種類の物品を形状や高さに応じて分類する場合を例に説明したが、本発明は、2種類以下の物品を分類する場合又は4種類以上の物品を分類する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
1A、1B、1C:分類装置
10:傾斜テーブル、11:傾斜面
20:ガイド、21:(ガイドの)側面、22:第1の排出口(球状物品排出口)、23:第2の排出口(第1の非球状物品排出口)、24:第3の排出口(第2の非球状物品排出口)
30:選別部、33:案内壁、34:(選別部と傾斜面との)隙間
40:第1の案内部、43:(第1の案内部の)案内面
50:誘導部、53:(誘導部の)誘導面
60:第2の案内部、63:(第2の案内部の)案内面、64:(第2の案内部と傾斜面との)隙間
70:第1の中間ガイド部、73:(第1の中間ガイド部の)ガイド面、74:(第1の中間ガイド部と傾斜面との)隙間
80:第2の中間ガイド部、83:(第2の中間ガイド部の)ガイド面、84:(第2の中間ガイド部と傾斜面との)隙間
A:回転軸、D:回転方向、G1:球状物品、G2:多面体(第1類非球状物品)、G3:平坦体(第2類非球状物品)、O:回転中心、V:鉛直方向
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12