(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172279
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
G01L 5/165 20200101AFI20241205BHJP
G01L 5/1627 20200101ALI20241205BHJP
G01L 5/166 20200101ALI20241205BHJP
G01L 5/169 20200101ALI20241205BHJP
【FI】
G01L5/165
G01L5/1627
G01L5/166
G01L5/169
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089884
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】志田 亮
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA21
2F051AB03
2F051AB05
2F051AB06
2F051AB09
2F051DA03
2F051DB03
(57)【要約】
【課題】モーメントを検出可能であり、センサの数量が削減された入力装置を提供すること。
【解決手段】入力装置100は、互いに交差する第1方向及び第2方向に沿う面11を含む台座部10と、面11に交差する第3方向に台座部10に接続され、変形可能な接続部20と、接続部20を介して台座部10に接続されたフレーム30と、フレームと接続され、対象物を搭載可能な搭載部40と、フレーム30に接続された入力部を有し、台座部10に配置され、入力部50に作用する力を検出可能なセンサ300と、を備え、センサ300は、第1方向に沿う第1軸回りの第1モーメント、第2方向に沿う第2軸回りの第2モーメント、及び第3方向に沿う第3軸回りの第3モーメントを検出可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差する第1方向及び第2方向に沿う面を含む台座部と、
前記面に交差する第3方向において前記台座部に接続され、変形可能な接続部と、
前記接続部を介して前記台座部に接続されたフレームと、
前記フレームと接続され、対象物を搭載可能な搭載部と、
前記フレームに接続された入力部を有し、前記台座部に配置され、前記入力部に作用する力を検出可能なセンサと、を備え、
前記センサは、前記第1方向に沿う第1軸回りの第1モーメント、前記第2方向に沿う第2軸回りの第2モーメント、及び前記第3方向に沿う第3軸回りの第3モーメントを検出可能である、入力装置。
【請求項2】
前記センサは、前記第3方向に見て、前記台座部に1つ配置されている請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記フレームは、
所定の長さを有し、複数の前記接続部を連結する連結部と、
前記連結部及び前記センサの前記入力部に接続される伝達部と、を有し、
前記台座部には、前記第3方向において、前記連結部との間に配置された保護部が設けられている請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記対象物が前記搭載部に搭載されていない状態において、前記連結部は、前記第3方向に前記保護部と離れて配置され、
前記対象物が前記搭載部に搭載されている状態において、前記連結部は、前記第3方向に前記保護部と接触する請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記連結部の長手方向に交差する断面は、U字形を成し、
前記保護部は、U字形を成す前記連結部の凹部に配置されている請求項4に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷重を計測可能な装置として、複数の歪みゲージ(センサ)を備える体重計が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術に係る装置は、複数のセンサを備えることにより、1つのセンサが故障した場合、装置全体が使用できなくなる。複数のセンサを使用する装置は、いわゆる直列系のシステムのため、複数のセンサを使用する装置の故障率は1つのセンサを使う装置の故障率に比べて高くなる。また、1つの方向の荷重だけではなく、その他の方向に沿うモーメントを計測可能な装置が求められている。
【0005】
本開示は、モーメントを検出可能であり、センサの数量が削減された入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る入力装置は、互いに交差する第1方向及び第2方向に沿う面を含む台座部と、面に交差する第3方向において台座部に接続され、変形可能な接続部と、接続部を介して台座部に接続されたフレームと、フレームと接続され、対象物を搭載可能な搭載部と、フレームに接続された入力部を有し、台座部に配置され、入力部に作用する力を検出可能なセンサと、を備え、センサは、第1方向に沿う第1軸回りの第1モーメント、第2方向に沿う第2軸回りの第2モーメント、及び第3方向に沿う第3軸回りの第3モーメントを検出可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、モーメントを検出可能であり、センサの数量が削減された入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る入力装置を示す斜視図の一例である。
【
図2】上面カバーが取り外された状態の入力装置を示す斜視図の一例である。
【
図4】センサ及び伝達部を示す斜視図の一例である。
【
図5】台座、センサ、フレーム、及びストッパーを示す斜視図の一例である。
【
図6】台座、ストッパー、及び連結部を示す側面図の一例である。
【
図7】X軸に沿う力Fx、Y軸に沿う力Fy、Z軸に沿う力Fz、X軸周りのモーメントMx、Y軸周りのモーメントMy、及びZ軸周りのモーメントMzの向きを示す図の一例である。
【
図8】実施形態に係る力覚センサ装置を示す斜視図の一例である。
【
図9】実施形態に係る力覚センサ装置を示す断面斜視図の一例である。
【
図10】入力伝達部にセンサチップが取り付けられた状態を示す斜視図の一例である。
【
図11】力覚センサ装置の配置の示す斜視図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る入力装置について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
【0010】
[実施形態に係る入力装置]
図1~
図6を参照して、実施形態に係る入力装置100について説明する。
図1は、実施形態に係る入力装置100を示す斜視図の一例である。
図2は、上面カバー40が取り外された状態の入力装置100を示す斜視図の一例である。
図3は、フレーム30を示す斜視図の一例である。
図4は、センサ300及び伝達部80を示す斜視図の一例である。
図5は、台座部10、センサ300、フレーム30、及びストッパー60を示す斜視図の一例である。
図6は、台座部10、ストッパー60、及び連結部90を示す側面図の一例である。
【0011】
各図には、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は、直交していなくてもよい。Z軸方向は、例えば上下方向に沿う。XY面は、X軸及びY軸に沿う面である。XZ面は、X軸及びZ軸に沿う面である。YZ面は、Y軸及びZ軸に沿う面である。
【0012】
図1に示されるように、入力装置100は、台座部10と、接続部20と、上面カバー40とを備える。
図2及び
図3に示されるように、入力装置100は、フレーム30を備える。
図2及び
図4に示されるように、入力装置100は、センサ300を備える。入力装置100は、例えば、電子機器に対する入力操作を入力可能な装置である。入力装置100は、その他の機械、装置等に対する入力操作を入力するための装置として利用可能である。また、入力装置100は、上面カバー40の上に載置された対象物の重量を計測可能な計測器でもよい。対象物は人でもよい。入力装置100は、例えば床面に配置される。
【0013】
[台座部]
図1、
図2及び
図5に示されるように、台座部10は、面11を含む。面11は、X軸方向及びY軸方向に沿うXY面を含む。台座部10は、例えば板状を成す。台座部10の板厚方向は、Z軸方向に沿う。台座部10は、Z軸方向に見て、例えば矩形状を成す。台座部10の形状は、矩形状に限定されない。台座部10は、円盤状でもよく、楕円形状でもよく、台形状でもよい。台座部10は、例えば樹脂から形成されている。台座部10の材質は、樹脂に限定されず、例えば金属でもよい。X軸方向は、第1方向の一例である。Y軸方向は、第2方向の一例である。Z軸方向は、第3方向の一例である。面11は、例えば平面でもよい。面11は、XY面に交差する面を含んでもよく、湾曲面を含んでもよい。
【0014】
台座部10の角部には、下方に張り出す凸部12が形成されている。凸部12の下面は、例えば床面に接する面である。凸部12の下面は、接地面である。凸部12は、例えば、台座部10の四隅に配置されている。
【0015】
台座部10の上面には、接続部20が配置される支持面13が形成されている。支持面13は、台座部10の四隅に配置されている。支持面13は、Z軸方向において、凸部12とは反対側に形成されている。
【0016】
[接続部]
図1~
図3に示されるように、接続部20は、Z軸方向に台座部10に接続されている。接続部20は、台座部10の四隅に配置されている。接続部20は、支持面13上に配置されている。接続部20は、台座部10に固定されていてもよく、単に、置かれているだけでもよい。また、接続部20は、台座部10に直接接していてもよく、他の部材を介して接続されていてもよい。
【0017】
図2に示されるように、接続部20は、Z軸方向において、フレーム30と台座部10との間に配置されている。接続部20の下面は、台座部10に接続され、接続部20の上面は、フレーム30に接続されている。接続部20は、例えば円盤状を成している。接続部20は、円盤状に限定されない。接続部20は、円柱状でもよく、角柱状でもよく、枠状でもよく、リング状でもよい。接続部20の上面は、Z軸方向において、台座部10よりも上方に張り出している。接続部20は、Z軸方向において、フレーム30に近づく方に張り出している。例えば、「円盤状」は、直径よりも厚さが薄いものを含む。例えば、「円柱状」は、直径よりも厚さが厚いものを含む。
【0018】
接続部20は、変形可能である。接続部20は、例えばフレーム30に作用する力に応じて変形可能である。例えば、上面カバー40上に対象物が配置されている場合には、フレーム30に力が作用する。上面カバー40上に対象物が配置されている場合には、接続部20は、Z軸方向に縮むように変形する。上面カバー40上から対象物が取り除かれた場合には、接続部20は、伸長する。接続部20は、その他の方向に変形してもよい。
【0019】
入力装置100は、少なくとも1つの接続部20を備えていてもよい。入力装置100は、2以上の複数の接続部20を備えていてもよい。
【0020】
[フレーム]
図2及び
図3に示されるように、フレーム30は、接続部20を介して台座部10に接続されている。フレーム30は、接続部20に支持されている。フレーム30は、Z軸方向に見て、例えば矩形の枠体を成している。フレーム30は、例えば梁70と、伝達部80と、連結部90とを含む。フレーム30は、例えば金属製のフレームでもよい。
【0021】
[梁]
フレーム30は、一対の梁70を含む。一対の梁70は、Y軸方向に離れて配置されている。一対の梁70は、X軸方向に延在する。一対の梁70は、所定の長さを有する。梁70の長手方向の両端部は、接続部20の上に配置されている。梁70は、X軸方向に離れて配置された接続部20を連結するように配置されている。梁70は、例えば角筒状を成している。梁70の長手方向と交差する断面は、例えばL字形を成していてもよく、H字形を成していてもよく、U字形を成していてもよい。
【0022】
[連結部]
フレーム30は、一対の連結部90を含む。一対の連結部90は、X軸方向に離れて配置されている。一対の連結部90は、Y軸方向に延在する。一対の連結部90は、所定の長さを有する。一対の連結部90は、Y軸方向に一対の梁70を連結する。連結部90の長手方向の両端部は、接続部20の上に配置されていてもよい。連結部90は、梁70を介して、複数の接続部20を連結してもよい。
【0023】
図6に示されるように、連結部90の断面形状は、例えばU字形を成す。連結部90は、第1片91、第2片92、及びフランジ93を有する。第1片91の厚さ方向は、Z軸方向に沿う。第2片92の厚さ方向は、X軸方向に沿う。第2片92は、第1片91のX軸方向の両端部から折り曲げられて形成されている。第2片92は、第1片91から下方に突出する。一対の第1片91は、X軸方向に離れて配置されている。
【0024】
フランジ93の厚さ方向は、Z軸方向に沿う。フランジ93は、第2片92の下端部から折り曲げられて形成されている。フランジ93は、第2片92からX軸方向に突出する。一対のフランジ93は、X軸方向に互いに反対側に突出する。ストッパー60については、後述する。連結部90は、溝形を成すように形成されている。連結部90は、例えばL字形を成すように形成されていてもよく、H字形を成すように形成されてよく、角筒状を成すように形成されていてもよい。
【0025】
[伝達部]
図2、
図3及び
図5に示されるように、入力装置100は、一対の伝達部80を含む。一対の伝達部80は、X軸方向に離れて配置されている。一対の伝達部80は、X軸方向において、一対の連結部90間に配置されている。一対の伝達部80は、Y軸方向に延在する。一対の伝達部80は、所定の長さを有する。一対の伝達部80は、Y軸方向に一対の梁70を連結する。一対の伝達部80は、Z軸方向に見て、台座部10の中心に近い位置に配置されている。伝達部80の長手方向に交差する断面形状は、連結部90の断面形状と同じでもよい。伝達部80は、例えばL字形を成すように形成されていてもよく、H字形を成すように形成されてよく、角筒状を成すように形成されていてもよい。
【0026】
伝達部80は、センサ300の入力部50に接続される。伝達部80は、フレーム30に作用する力をセンサ300に伝達することができる。
【0027】
[上面カバー]
図1に示される上面カバー40は、フレーム30を上方から覆うように配置されている。上面カバー40は、フレーム30、センサ300、及び台座部10を上方から覆う。上面カバー40の厚さ方向は、Z軸方向に沿う。上面カバー40は、所定の強度を有する。上面カバー40の下面には、リブが形成されていてもよい。上面カバー40は、Z軸方向から見て、矩形状を成している。上面カバー40は、例えば、円形でもよく、楕円形でもよく、その他の形状でもよい。フレーム30は、外部に露出しないように、上面カバー40によって覆われている。
【0028】
上面カバー40は、フレーム30の一対の梁70に支持されている。上面カバー40は、梁70に固定されていてもよい。上面カバー40は、フレーム30と接続されている。上面カバー40は、対象物を搭載可能である。上面カバー40は、天面40aを含む。天面40aには、対象物を配置することができる。また、ユーザは、天面40aの上に乗ることができる。上面カバー40に作用する力は、フレーム30を介して、センサ300に伝達される。上面カバー40は、搭載部の一例である。
【0029】
また、上面カバー40の下面には、基板等が取り付けられていてもよい。基板は、例えば、X軸方向において、伝達部80と連結部90との間に配置されている。
【0030】
[センサ]
図4及び
図5に示されるセンサ300は、入力部50を有する。センサ300は、台座部10の面11上に配置されている。センサ300は、入力部50に作用する力を検出する。センサ300は、例えば力覚センサである。力覚センサの詳細については後述する。センサ300は、力覚センサに限定されない。センサ300は、例えば、静電容量センサ、ひずみゲージ、光学センサ、磁気センサでもよい。センサ300は、例えば、センサチップを有するセンサ本体300aを備える。
【0031】
センサ300は、Z軸方向に見て、台座部10の中央に1つのみ配置されている。なお、センサ300の設置数量は1に限定されない。また、センサ300が配置される位置は、台座部10の中央に限定されない。
【0032】
[入力部]
センサ300は、入力部50を含む。入力部50は、フレーム30の伝達部80に接続されている。入力部50は、X軸方向において、センサ本体300aの両側に配置されている。一対の入力部50間にセンサ本体300aが配置されている。
【0033】
センサ300は、センサ本体300aからX軸方向に張り出す一対のアーム55を含む。X軸方向において、アーム55の先端には、入力部50が形成されている。入力部50は、X軸方向において、センサ本体300aから離れた位置に配置されている。
【0034】
入力部50は、アーム55から上方に張り出す。伝達部80は、入力部50を上方から覆うように配置されている。入力部50は、Y軸方向に延在する。入力部50は、伝達部80の溝内に配置されている。
【0035】
入力部50は、Z軸方向において伝達部80に接触する入力面51を有する。入力面51は、入力部50の天面でもよい。入力面51は、XY面を含む。入力面51は、Z軸方向に見て、矩形状を成している。入力面51は、Y軸方向に所定の長さを有する。
【0036】
X軸方向において、センサ本体300aと入力部50との間には、Y軸方向に連続する溝が形成されている。この溝は上方に開口する。この溝の内部には、伝達部80の一部が配置されている。
【0037】
[ストッパー]
次に、
図6を参照して、ストッパー60について説明する。
図6に示されるように、台座部10には、ストッパー60が設けられている。ストッパー60は、台座部10の面11から上方に突出する。ストッパー60は、例えば円柱状を成す。ストッパー60は、Z軸方向に見て、支持面13の近傍に配置されている。ストッパー60は、Z軸方向において、台座部10と連結部90との間に配置されている。ストッパー60は、保護部の一例である。
【0038】
ストッパー60は、連結部90の下方への移動を抑制する。連結部90が台座部10に接近するように、Z軸方向に変位すると、連結部90の第1片91がストッパー60の天面60aと当接する。
【0039】
対象物が上面カバー40に搭載されていない状態において、連結部90は、ストッパー60の上方に離れて配置されている。対象物が上面カバー40に搭載されていない状態において、連結部90とストッパー60の天面60aとの間には、隙間が形成されている。
【0040】
対象物が上面カバー40に搭載されている状態において、連結部90は、Z軸方向にストッパー60と接触する。上面カバー40に下向きの力が作用すると、上面カバー40及びフレーム30が下向きに変位する。上面カバー40及びフレーム30の移動量が大きくなると、フレーム30の連結部90がストッパー60に当たる。これにより、上面カバー40及びフレーム30の下方への移動が抑制される。フレーム30の下方への移動が制限されることにより、伝達部80から入力部50への接触圧が制限される。入力部50に対して過剰な負荷が作用することが防止される。そのため、センサ300が保護される。
【0041】
ストッパー60は、一対の連結部90に対してそれぞれ設けられている。ストッパー60は、連結部90の長手方向の両端部に対応する位置に配置されている。
【0042】
ストッパー60は、その他の位置に配置されていてもよい。ストッパー60は、Z軸方向において台座部10の面11とフレーム30との間に配置されていてもよい。ストッパー60は、Z軸方向において、台座部10と伝達部80との間に配置されていてもよい。ストッパー60は、Z軸方向において、フレーム30に連結された部材と、台座部10との間に配置されていてもよい。ストッパー60は、フレーム30の下方への変位を抑制可能なものであればよい。
【0043】
対象物が上面カバー40に搭載されていない状態において、連結部90の第2片92は、ストッパー60の側面60bから離れて配置されている。対象物が上面カバー40に搭載されていない状態において、連結部90の第2片92とストッパー60の側面60bとの間には、隙間が形成されている。
【0044】
また、上面カバー40に対してZ軸方向に回転する力が加わった場合においてもストッパー60は、連結部90の変位を抑制する機能を発揮する。例えば、上面カバー40に対してZ軸方向に時計回りの力を加えた場合、
図6において紙面右から左への力が連結部90に働くことになる。連結部90は、X軸方向において、台座部10の中心から離れる方向に移動する。ここで、上面カバー40に対して、過剰な力が加わっても第2片92とストッパー60の側面60bが当接することにより、Z軸方向の時計回りの移動が抑制される。ここで、連結部90の第2片とストッパー60の側面60bの間をセンサ300の力検知の許容変位にすることができる。その結果、センサ300を許容変位の仕様内で安全に使用することができる。
【0045】
[センサによる検出]
図7は、X軸に沿う力Fx、Y軸に沿う力Fy、Z軸に沿う力Fz、X軸周りのモーメントMx、Y軸周りのモーメントMy、及びZ軸周りのモーメントMzの向きを示す図である。センサ300は、例えば、X軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、及びZ軸方向の力Fzを検出できる。センサ300は、X軸を軸として回転させるモーメントMx、Y軸を軸として回転させるモーメントMy、及びZ軸を軸として回転させるモーメントMzを検出できる。
【0046】
なお、各図においてX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向が矢印で図示されている場合がある。X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、センサ300を基準とする。例えば、センサ300の向きが変化した場合には、センサ300の向きに応じてX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の向きも変化する。X軸方向は、矢印で示す向きとその逆向きの両方を含む。Y軸方向は、矢印で示す向きとその逆向きの両方を含む。Z軸方向は、矢印で示す向きとその逆向きの両方を含む。
【0047】
X軸は、第1軸の一例である。Y軸は、第2軸の一例である。Z軸は、第3軸の一例である。モーメントMxは、第1モーメントの一例である。モーメントMyは、第2モーメントの一例である。モーメントMzは、第3モーメントの一例である。
【0048】
[実施形態に係る入力装置の作用効果]
実施形態に係る入力装置100は、互いに交差するX軸方向及びY軸方向に沿う面11を含む台座部10と、面11に交差するZ軸方向に台座部10に接続され、変形可能な複数の接続部20と、当該接続部20を介して台座部10に接続されたフレーム30と、当該フレーム30と接続され、対象物を搭載可能な上面カバー(搭載部)40と、フレーム30に接続された入力部50を有し、台座部10に配置され、入力部50に作用する力を検出可能なセンサ300と、を備える。センサ300は、X軸回りのモーメント(第1モーメント)Mx、Y軸回りのモーメント(第2モーメント)My、及びZ軸回りのモーメント(第3モーメント)Mzを検出可能である。
【0049】
従来技術では、Z軸方向の力検知しかできなかったが、本開示に係る入力装置100では、例えば、上面カバー40にユーザが乗った状態でZ軸方向まわりに回転する動作をした場合でも、センサ300はモーメントMzを検知することができる。
【0050】
本実施形態によれば、モーメントMx、モーメントMy、及びモーメントMzを可能であり、センサ300の数量が削減された入力装置100を提供できる。入力装置100では、1つのセンサ300を用いて、複数の異なるモーメントMx、モーメントMy、及びモーメントMzを検出できるので、従来技術のように、複数のセンサを設置しなくてもよい。入力装置100では、センサ300の設置数量の削減を図ることができるので、センサ300の故障のリスクを低減できる。
【0051】
入力装置100では、センサ300を備えているので、X軸方向に沿う力Fx、Y軸方向に沿う力Fy、及びZ軸方向に沿う力Fzを検出可能である。入力装置100では、1つのセンサ300を用いて、異なる方向の力Fx,Fy,Fz、及びモーメントMx,My,Mzを検出することができる。ユーザは、上面カバー40の上に乗って、体重をかける位置を変えることにより、入力装置100を用いて操作入力を行うことができる。センサ300は、フレーム30に作用する力を検出することができる。
【0052】
入力装置100において、センサ300は、Z軸方向に見て、台座部10の中央に1つ配置されている。このような入力装置100によれば、1つのみのセンサ300を備えることにより、センサの設置数量の削減を図ることができる。
【0053】
入力装置100において、フレーム30は、所定の長さを有し、複数の接続部20を連結する連結部90と、当該連結部90及びセンサ300の入力部50に接続される伝達部80と、を有する。台座部10には、Z軸方向において、連結部90との間に配置されたストッパー(保護部)60が設けられている。このような入力装置100では、連結部90の変位量が大きくなると、連結部90とストッパー60とが当接する。これにより、フレーム30の変位量を抑制することができ、伝達部80からセンサ300の入力部50に対して過大な負荷が作用することが防止される。その結果、センサ300を保護することができる。
【0054】
また、入力装置100では、対象物が上面カバー40に搭載されていない状態において、連結部90は、Z軸方向にストッパー60と離れて配置され、対象物が上面カバー40に搭載されている状態において、連結部90は、Z軸方向にストッパー60と接触する。これにより、フレーム30の変位量を抑制することができ、伝達部80からセンサ300の入力部50に対して過大な負荷が作用することが防止される。その結果、センサ300を保護することができる。
【0055】
また、入力装置100において、連結部90の長手方向に交差する断面は、U字形を成し、ストッパー60は、U字形を成す連結部90の凹部に配置されている。U字形を成す凹部の内部に、ストッパー60が配置されているので、連結部90とストッパー60とを確実に当てることができる。連結部90のX軸方向における変位が大きくなると、連結部90とストッパー60とが当たる。そのため、フレーム30のX軸方向における変位を抑制することができる。ここで、連結部90とストッパー60の間をセンサ300の力検知の許容変位にすることができる。その結果、センサ300を許容変位の仕様内で安全に使用することができる。
【0056】
[実施形態に係る力覚センサ装置]
次に、
図8~
図11を参照して、実施形態に係る力覚センサ装置601について説明する。力覚センサ装置601は、上記のセンサ300として適用可能なものである。本実施形態に係る力覚センサ装置601は、X軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、及びZ軸方向の力Fzを検出できる。力覚センサ装置601は、X軸を軸として回転させるモーメントMx、Y軸を軸として回転させるモーメントMy、及びZ軸を軸として回転させるモーメントMzを検出できる。
図4に示されるセンサ300のセンサ本体300aは、力覚センサ装置601を含む。力覚センサ装置601は、センサ本体300aの内部に配置されている。
【0057】
[力覚センサ装置の概略構成]
図8は、実施形態に係る力覚センサ装置601を示す斜視図である。
図9は、実施形態に係る力覚センサ装置601を示す断面斜視図である。
図10は、入力伝達部830にセンサチップ700が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図8及び
図9を参照すると、力覚センサ装置601は、センサチップ700と、起歪体800とを有している。
【0058】
[起歪体]
起歪体800は、受力板810と、起歪部820と、入力伝達部830と、蓋板840とを有している。受力板810上に起歪部820が積層され、起歪部820上に入力伝達部830が積層され、入力伝達部830上に蓋板840が積層され、全体として略円筒状の起歪体800を形成している。また、蓋板840には複数の連結穴840aが形成されている。なお、起歪体800としての機能は主に起歪部820及び入力伝達部830が担っているため、受力板810及び蓋板840は必要に応じて設けられる。
【0059】
なお、本実施形態では、便宜上、力覚センサ装置601において、蓋板840側を上側又は一方の側、受力板810側を下側又は他方の側とする。また、各部位の蓋板840側の面を一方の面又は上面、受力板810側の面を他方の面又は下面とする。但し、力覚センサ装置601は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。また、平面視とは対象物を蓋板840の上面の法線方向(Z軸方向)から視ることを指し、平面形状とは対象物を蓋板840の上面の法線方向(Z軸方向)から視た形状を指すものとする。
【0060】
図10に示すように、入力伝達部830には、入力伝達部830の下面から起歪部820側に突出する収容部835が設けられている。そして、収容部835の蓋板840側に、センサチップ700が固定されている。
【0061】
収容部835には、蓋板840側に突起する4つの第2接続部が配置されている。そして、各々の第2接続部は、センサチップ700の力点の下面と接続されている。
【0062】
収容部835は起歪部820側に入り込んでいる。起歪部820には、入力伝達部830側に突起する5本の柱状の第1接続部が配置されている。各々の第1接続部は、センサチップ700の支持部の下面と接続されている。
【0063】
[センサチップ]
図9及び
図10に示されるように、センサチップ700は、起歪体800に搭載されている。センサチップ700は、起歪体800から突出しないように接着されている。センサチップ700は、Z軸方向において蓋板840に近い位置に配置されている。
【0064】
センサチップ700は、1チップで6軸を検知するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサチップであり、SOI(Silicon On Insulator)基板等の半導体基板から形成されている。センサチップ700の平面形状は、例えば、3000μm角程度の正方形とすることができる。なお、センサチップ700の構成は、本出願人により出願された特許出願(特開2018-185296号公報)等により知られているので、詳細な説明は省略する。
【0065】
このような力覚センサ装置601は、力Fx、力Fy、力Fz、モーメントMx、モーメントMy、及びモーメントMzを検知することができる。
【0066】
[力覚センサ装置の配置]
図11は、力覚センサ装置601の配置を示す斜視図の一例である。センサ本体300aの内部には空洞が形成されている。この空洞に力覚センサ装置601が配置されている。蓋板840は、空洞を形成する上面に接している。空洞を形成する上面は、Z軸方向において、蓋板840の上面と対向する。蓋板840の上面と空洞の上面と接した状態で、力覚センサ装置601が空洞の上面に取り付けられている。空洞の上面とは、空洞の上に配置されているセンサ本体300aの下向きの面でもよい。この下向きの面の下方に空洞が形成されている。
【0067】
センサ本体300aの上面300bには複数の穴300cが形成されている。穴300c及び連結穴840aにネジが挿通され、蓋板840が固定される。そのため、入力部50に加えられた力を力覚センサ装置601に伝えることができる。
【0068】
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【0069】
上記の実施形態では、上面カバー40及びフレーム30が別部材として構成された入力装置100について例示しているが、上面カバー40及びフレーム30は、一体として構成されていてもよい。
【0070】
また、上記の実施形態では、センサ300が台座部10の中央に配置されている場合について例示しているが、センサ300は、その他の位置に配置されていてもよい。また、入力装置100において、その他の部品が一体として形成されていてもよい。
【0071】
上記の実施形態では、台座部10から上方に突出するストッパー60を備える入力装置100について例示しているが、保護部はこれに限定されない。例えば、入力装置100は、連結部90から下方に張り出すストッパーを備えるものでもよい。連結部90から下方に張り出すストッパーが、台座部10と当接することにより、フレーム30の変位が制限されるものでもよい。また、連結部90の下端部が、伝達部80の下端部よりも下方に張り出すように形成されている場合には、連結部90の下端部が、台座部10に当たることにより、フレーム30の変位が制限される。入力装置100は、このような連結部90を備えるものでもよい。また、上記の実施形態をゲームの入力装置に使用することもできる。
【符号の説明】
【0072】
100:入力装置、10:台座部、11:面、20:接続部、30:フレーム、40:上面カバー(搭載部)、50:入力部、60:ストッパー(保護部)、70:梁、80:伝達部、90:連結部、300:センサ、Mx…モーメント(第1モーメント)、My…モーメント(第2モーメント)、Mz…モーメント(第3モーメント)、X…X軸方向(第1方向、第1軸)、Y…Y軸方向(第2方向、第2軸)、Z…Z軸方向(第3軸)。