IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ紡織株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-乗物用シート 図1
  • 特開-乗物用シート 図2
  • 特開-乗物用シート 図3
  • 特開-乗物用シート 図4
  • 特開-乗物用シート 図5
  • 特開-乗物用シート 図6
  • 特開-乗物用シート 図7
  • 特開-乗物用シート 図8
  • 特開-乗物用シート 図9
  • 特開-乗物用シート 図10
  • 特開-乗物用シート 図11
  • 特開-乗物用シート 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172286
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20241205BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089894
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】戸田 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 史人
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BB02
3B087DE09
(57)【要約】
【課題】 乗物用シートに用いられるハーネスの具体的な配索構造の一例を開示する。
【解決手段】 乗物用シートは、ハーネス41及びコネクタ42を支持するとともに、当該ハーネス41及びコネクタ42が固定された樹脂製のコネクタホルダ43であって、スライド装置3に固定されたコネクタホルダ43を備える。これにより、当該乗物用シートは、ハーネス41及びコネクタ42がコネクタホルダ43により保持された構成となるので、ハーネス41及びコネクタ42が装着されたコネクタホルダ43を2つのスライド装置に装着することにより、ハーネス41及びコネクタ42の装着が完了する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物に搭載される乗物用シートにおいて、
乗物に対して固定される固定レール、及びシート本体が固定されるとともに当該固定レールに対してスライド可能な可動レールを有する第1スライド装置であって、当該シート本体のシート幅方向一端側に配置された第1スライド装置と、
乗物に対して固定される固定レール、及びシート本体が固定されるとともに当該固定レールに対してスライド可能な可動レールを有する第2スライド装置であって、当該シート本体のシート幅方向他端側に配置された第2スライド装置と、
電気機器に接続されるハーネス及びコネクタを支持するとともに、当該ハーネス及びコネクタが固定された樹脂製のコネクタホルダであって、前記第1スライド装置の可動レール及び前記第2スライド装置の可動レールに直接的又は間接的に固定されたコネクタホルダと
を備える乗物用シート。
【請求項2】
前記コネクタホルダに設けられた少なくとも3つの固定部であって、当該コネクタホルダを2つの前記可動レールに対して固定する3つの固定部と、
前記3つの固定部それぞれが装着された3つの被固定部であって、前記可動レールのスライド方向と平行な方向から当該3つの固定部が装着された3つの被固定部とを備え、
前記コネクタホルダのうち、当該コネクタホルダの装着方向前進側を前端側とし、前記3つの固定部のうち最も前端側に位置する固定部を主固定部とし、前記3つの固定部のうち前記主固定部以外の固定部の総称を副固定部とし、前記主固定部が装着された前記被固定部を主被固定部とし、前記副固定部が装着された前記被固定部を副被固定部としたとき、
前記主固定部、前記主被固定部、前記副固定部及び前記副被固定部は、前記3つの固定部それぞれが3つの前記被固定部に装着される際に、前記主固定部と主被固定部とが接触した後、前記副固定部と前記副被固定部とが接触するように構成されている請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
シート幅方向に延びるブリッジ部であって、2つの前記可動レール間を橋渡すように連結するブリッジ部を備え、
前記主被固定部は、前記ブリッジ部に設けられており、
前記副被固定部のうち少なくとも1つは、2つの前記可動レールのうち少なくとも一方に固定されたブラケットに設けられている請求項2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記ブラケットには、前記コネクタホルダがシート幅方向に予め決められた寸法を超えて変位することを規制する壁状の規制部が設けられ、
前記コネクタホルダのうち前記規制部と対向する部位には、当該規制部と滑り接触可能な壁状と対向壁が設けられており、
前記対向壁のうち前記装着方向と平行な部位の寸法は、前記規制部のうち前記装着方向と平行な部位の寸法より大きい請求項3に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記ハーネス又は前記コネクタを保持するハーネスクランプを備え、
前記ブリッジ部には、電動モータが装着されているとともに、前記ハーネスクランプの装着部が設けられている請求項4に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記主被固定部は、
前記コネクタホルダの装着方向後退側に向けて突出した第1案内突出部、
前記コネクタホルダの装着方向後退側に向けて突出した第2案内突出部であって、前記第1案内突出部に対してシート幅方向にずれた位置に設けられた第2案内突出部、及び
前記第1案内突出部と前記第2案内突出部との間に設けられ、前記主固定部に係止された係止部であって、弾性的に変位可能な係止部を有し、
前記主固定部は、
前記係止部が係止された被係止部、
シート幅方一方側及び上下方向から前記第1案内突出部と滑り接触可能な第1案内部、並びに
シート幅方他方側及び上下方向から前記第2案内突出部と滑り接触可能な第2案内部を有する請求項5に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記副被固定部のうち少なくとも1つは、前記ブリッジ部に設けられており、
前記ブリッジ部に設けられた前記副被固定部に装着された前記固定部は、当該副被固定部を上下方向から挟み込んだ状態で当該副被固定部に装着されている請求項3ないし6のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【請求項8】
前記ブラケットに設けられた前記副被固定部に装着された前記固定部は、当該副被固定部を上下方向から挟み込んだ状態で当該副被固定部に装着されている請求項3ないし6のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【請求項9】
乗物に搭載される乗物用シートの組立方法において、
当該乗物用シートは、
乗物に対して固定される固定レール、及びシート本体が固定されるとともに当該固定レールに対してスライド可能な可動レールを有する第1スライド装置であって、当該シート本体のシート幅方向一端側に配置された第1スライド装置と、
乗物に対して固定される固定レール、及びシート本体が固定されるとともに当該固定レールに対してスライド可能な可動レールを有する第2スライド装置であって、当該シート本体のシート幅方向他端側に配置された第2スライド装置と、
電気機器に接続されるハーネス及びコネクタを支持するとともに、当該ハーネス及びコネクタが固定された樹脂製のコネクタホルダであって、前記第1スライド装置の可動レール及び前記第2スライド装置の可動レールに直接的又は間接的に固定されたコネクタホルダと、
前記コネクタホルダに設けられた少なくとも3つの固定部であって、当該コネクタホルダを2つの前記可動レールに対して固定する3つの固定部と、
前記3つの固定部それぞれが装着された3つの被固定部であって、前記可動レールのスライド方向と平行な方向から当該3つの固定部が装着された3つの被固定部とを備えており、
前記コネクタホルダのうち、当該コネクタホルダの装着方向前進側を前端側とし、前記3つの固定部のうち最も前端側に位置する固定部を主固定部とし、前記3つの固定部のうち前記主固定部以外の固定部の総称を副固定部とし、前記主固定部が装着された前記被固定部を主被固定部とし、前記副固定部が装着された前記被固定部を副被固定部としたとき、
前記3つの固定部それぞれが3つの前記被固定部に装着される際に、前記主固定部と主被固定部とが接触した後、前記副固定部と前記副被固定部とが接触するように前記コネクタホルダを組み付ける乗物用シートの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗物に搭載される乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の乗物用シートでは、電子制御装置等のECUがブラケットを介してクッションフレームに装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-109469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ECU等の電気機器には、信号線や電力を供給する電源線等のハーネスが接続される。しかし、特許文献1には、電気機器に接続されるハーネスの具体的な配索構造が一切開示されていない。本開示は、当該点に鑑みた乗物用シートの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
乗物に搭載される乗物用シートは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
すなわち、当該構成要件は、乗物に対して固定される固定レール(3A)、及びシート本体(2)が固定されるとともに当該固定レール(3A)に対してスライド可能な可動レール(3B)を有する第1スライド装置(31)であって、当該シート本体(2)のシート幅方向一端側に配置された第1スライド装置(31)と、乗物に対して固定される固定レール(3A)、及びシート本体(2)が固定されるとともに当該固定レール(3A)に対してスライド可能な可動レール(3B)を有する第2スライド装置(32)であって、当該シート本体(2)のシート幅方向他端側に配置された第2スライド装置(32)と、電気機器に接続されるハーネス(41)及びコネクタ(42)を支持するとともに、当該ハーネス(41)及びコネクタ(42)が固定された樹脂製のコネクタホルダ(43)であって、第1スライド装置(31)の可動レール(3B)及び第2スライド装置(32)の可動レール(3B)に直接的又は間接的に固定されたコネクタホルダ(43)とである。
【0006】
これにより、当該乗物用シートでは、ハーネス(41)及びコネクタ(42)がコネクタホルダ(43)により保持された構成となるので、ハーネス(41)及びコネクタ(42)が装着されたコネクタホルダ(43)を2つのスライド装置(31、32)に装着することにより、ハーネス(41)及びコネクタ(42)の装着が完了する。
【0007】
なお、当該乗物用シートは、例えば、以下の構成であってもよい。
すなわち、コネクタホルダ(43)に設けられた少なくとも3つの固定部(51~54)であって、当該コネクタホルダ(43)を2つの可動レール(3B)に対して固定する3つの固定部(51~54)と、複数の固定部(51~54)それぞれが装着された複数の被固定部(61~64)であって、可動レール(3B)のスライド方向と平行な方向から当該複数の固定部(51~54)が装着された複数の被固定部(61~64)とを備え、主固定部(51)、主被固定部(61)、副固定部(52~54)及び副被固定部(62~64)は、複数の固定部(51~54)それぞれが複数の被固定部(61~64)に装着される際に、主固定部(51)と主被固定部(61)とが接触した後、副固定部(52~54)と副被固定部(62~64)とが接触するように構成されていることが望ましい。
【0008】
なお、主固定部(51)とは、複数の固定部(51~54)のうち最も前端側に位置する固定部をいう。前端側とは、コネクタホルダ(43)のうち、当該コネクタホルダ(43)の装着方向前進側をいう。副固定部(52~54)とは、複数の固定部(51~54)のうち主固定部(51)以外の固定部の総称をいう。主被固定部(61)とは、主固定部(51)が装着された被固定部をいう。副被固定部(62~64)とは、副固定部(52~54)が装着された被固定部をいう。
【0009】
これにより、複数の固定部(51~54)それぞれが同一の向きから対応する被固定部(61~64)に装着される。そして、コネクタホルダ(43)が装着される際には、主固定部(51)と主被固定部(61)とにより位置決めされた状態で、副固定部(52~54)が副被固定部(62~64)に装着される。
【0010】
したがって、コネクタホルダ(43)の装着を行う作業者は、装着工程の順序を意識することなく、当該コネクタホルダ(43)を装着できる。延いては、装着時の工数増を抑制でき得るとともに、コネクタホルダ(43)の装着作業時に特定の固定部(51~54)に荷重が集中することが抑制される。
【0011】
また、シート幅方向に延びるブリッジ部(3C)であって、2つの可動レール(3B)間を橋渡すように連結するブリッジ部(3C)を備え、主被固定部(61)は、ブリッジ部(3C)に設けられており、副被固定部(62~64)のうち少なくとも1つは、2つの可動レール(3B)のうち少なくとも一方に固定されたブラケット(3D、3E)に設けられていることが望ましい。
【0012】
ブラケット(3D、3E)には、コネクタホルダ(43)がシート幅方向に予め決められた寸法を超えて変位することを規制する壁状の規制部(3G)が設けられ、コネクタホルダ(43)のうち規制部(3G)と対向する部位には、当該規制部(3G)と滑り接触可能な壁状と対向壁(55)が設けられており、対向壁(55)のうち装着方向と平行な部位の寸法(L1)は、規制部(3G)のうち装着方向と平行な部位の寸法(L2)より大きいことが望ましい。
【0013】
ハーネス(41)又はコネクタ(42)を保持するハーネスクランプ(45)を備え、ブリッジ部(3C)には、電動モータ(33)が装着されているとともに、ハーネスクランプ(45)の装着部(34)が設けられていることが望ましい。
【0014】
なお、仮に、ハーネスクランプ(45)の装着部(34)がコネクタホルダ(43)に設けられた構成であると、コネクタホルダ(43)の装着作業時に、電動モータ(33)とハーネスクランプ(45)とが干渉する可能性がある。しかし、当該構成であれば、コネクタホルダ(43)の装着作業時に、電動モータ(33)とハーネスクランプ(45)とが干渉することはない。
【0015】
主被固定部(61)は、コネクタホルダ(43)の装着方向後退側に向けて突出した第1案内突出部(61A)、コネクタホルダ(43)の装着方向後退側に向けて突出した第2案内突出部(61B)であって、第1案内突出部(61A)に対してシート幅方向にずれた位置に設けられた第2案内突出部(61B)、及び第1案内突出部(61A)と第2案内突出部(61B)との間に設けられ、主固定部(51)に係止された係止部(61C、61D)であって、弾性的に変位可能な係止部(61C、61D)を有し、主固定部(51)は、係止部(61C、61D)が係止された被係止部(51A、51B)、シート幅方一方側及び上下方向から第1案内突出部(61A)と滑り接触可能な第1案内部(51C)、並びにシート幅方他方側及び上下方向から第2案内突出部(61B)と滑り接触可能な第2案内部(51D)を有することが望ましい。
【0016】
これにより、主固定部(51)が主被固定部(61)に装着される際に、シート幅方向及び上下方向が位置決めされる。
副被固定部(62~64)のうち少なくとも1つは、ブリッジ部(3C)に設けられており、ブリッジ部(3C)に設けられた副被固定部(62)に装着された固定部(52)は、当該副被固定部(62)を上下方向から挟み込んだ状態で当該副被固定部(62)に装着されていることが望ましい。
【0017】
これにより、主固定部(51)が主被固定部(61)に位置決めされた状態で、当該副被固定部(62)に副固定部(52)が装着される。
ブラケット(3D、3E)に設けられた副被固定部(63、64)に装着された固定部(53、54)は、当該副被固定部(63、64)を上下方向から挟み込んだ状態で当該副被固定部(63、64)に装着されていることが望ましい。
【0018】
これにより、主固定部(51)が主被固定部(61)に位置決めされた状態で、当該副被固定部(63、64)に副固定部(53、54)が装着される。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る乗物用シートを示す図である。
図2】第1実施形態に係るホルダアッセンブリの分解図である。
図3】第1実施形態に係るハーネスアッセンブリを示す図である。
図4】第1実施形態に係るハーネスクランプを示す図である。
図5】第1実施形態におけるホルダアッセンブリの装着方法を示す図である。
図6】第1実施形態におけるホルダアッセンブリ及びスライド装置を示す図である。
図7】第1実施形態におけるホルダアッセンブリ及びスライド装置を示す図である。
図8】第1実施形態におけるブラケット等を示す図である。
図9】第1実施形態における副固定部及び副被固定部を示す図である。
図10】第1実施形態における主固定部及び主被固定部を示す図である。
図11】第1実施形態における主固定部及び主被固定部を示す図である。
図12】第1実施形態における副固定部及び副被固定部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0021】
本実施形態は、車両等の乗物に搭載されるシート(以下、乗物用シートという。)に本開示に係る乗物用シートが適用された例である。各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び部材又は部位の形状等を理解し易くするために記載されたものである。
【0022】
したがって、当該乗物用シートは、各図に付された方向に限定されない。各図に示された方向は、本実施形態に係る乗物用シートが車両に組み付けられた状態における方向である。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示さない。
【0023】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された乗物用シートは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位のうち少なくとも1つを備える。
【0024】
(第1実施形態)
<1.乗物用シートの概要>
乗物用シート1は、図1に示されるように、シート本体2、2つスライド装置31、32、及びホルダアッセンブリ40等を少なくとも備える。シート本体2は、シートクッション21及びシートバック22等を有する。シートクッション21は、着席者の臀部を支持するための部位である。シートバック22は、着席者の背部を支持するための部位である。
【0025】
2つスライド装置31、32は、シート本体2をスライド可能に支持する機構である。第1のスライド装置31は、シート幅方向一端側(図1では、左端側)に配置されてシート本体2を支持する。
【0026】
第2のスライド装置32は、シート幅方向他端側(図1では、右端側)に配置されてシート本体2を支持する。なお、2つのスライド装置31、32は、同一構造である。以下、2つのスライド装置31、32を総称する場合には、スライド装置3と記す。
【0027】
スライド装置3は、固定レール3A及び可動レール3B等を少なくとも有して構成されている。固定レール3Aは、乗物に直接的又は間接的に固定されるレール部材である。可動レール3Bは、シート本体2が固定されるとともに固定レール3Aに対してスライド可能な部材である。
【0028】
ホルダアッセンブリ40は、図2に示されるように、1つ又は複数のハーネス41、1つ又は複数のコネクタ42、及びコネクタホルダ43等を少なくとも有して構成されたサブアッセンブリである。
【0029】
複数のハーネス41は、1つ又は複数の電気機器(図示せず。)に接続される電気線である。具体的には、当該ハーネス41は、電力を供給する電源線や信号を伝える信号線等である。複数のコネクタ42は、ハーネスとハーネスとを接続するための接続部、又はハーネスと電気機器とを接続するための接続部である。
【0030】
各コネクタ42は、いずれかのハーネス41の末端部に設けられている。以下、1つ又は複数のハーネス41及び1つ又は複数のコネクタ42を総称する場合には、ハーネスアッセンブリ44という。
【0031】
コネクタホルダ43は、ハーネスアッセンブリ44を支持するとともに、ハーネス41及びコネクタ42が固定された樹脂製の部材である。そして、当該コネクタホルダ43は、2つの可動レール3B間を橋渡すように、当該可動レール12に直接的又は間接的に固定されている(図1参照)。
【0032】
ハーネスアッセンブリ44には、図3に示されるように、少なくとも1つ(本実施形態では、複数)のハーネスクランプ45が設けられている。各ハーネスクランプ45は、ハーネスアッセンブリ44を保持するための部材である。
【0033】
具体的には、本実施形態に係る各ハーネスクランプ45は、図4に示されるように、いずれかのハーネス41にテープ45Aにて固定されている。そして、当該ハーネスクランプ45には係止部45Bが設けられている。係止部45Bは、コネクタホルダ43に係止固定される部位である。
【0034】
なお、複数のコネクタ42のうち少なくとも1つのコネクタにも、係止部(図示せず。)が設けられている。当該係止部も、コネクタホルダ43に設けられた被係止部(図示せず。)に係止固定される。
【0035】
これにより、ハーネスアッセンブリ44がコネクタホルダ43に保持された状態となり、ホルダアッセンブリ40が構成される。したがって、組立作業者(以下、作業者という。)は、ホルダアッセンブリ40を組み立てた後、当該ホルダアッセンブリ40をスライド装置3に装着する(図5参照)。
【0036】
以下、上記の装着作業時におけるホルダアッセンブリ40の装着の向き(図5の矢印の向き)を装着方向という。なお、本実施形態に係る装着方向は、可動レール3Bのスライド方向と平行であって、シート前方側からシート後方側に向かう向きである。
【0037】
<2.コネクタホルダの詳細>
コネクタホルダ43には、図6に示されるように、少なくとも3つ(本実施形態では、4つ)の固定部51~54が設けられている。これら固定部51~54は、コネクタホルダ43を2つの可動レール3Bに直接的又は間接的に固定するための部位である。
【0038】
一方、2つの可動レール3B側には、各固定部51~54が装着される4つの被固定部61~64が設けられている。それら被固定部61~64それぞれには、4つの固定部51~54それぞれが装着される(図7参照)。
【0039】
なお、2つの可動レール3B側とは、本実施形態では、2つ可動レール3B及びブリッジ部3C等を少なくとも含む部位をいう。ブリッジ部3Cとは、シート幅方向に延びて2つの可動レール3B間を橋渡すように連結する部材である(図6参照)。
【0040】
ブリッジ部3Cには、図5に示されるように、電動モータ33が装着されている。当該電動モータ33は、第1スライド装置31及び第2スライド装置32を稼働させる駆動力を発生する。
【0041】
そして、当該ブリッジ部3Cのうち電動モータ33の近傍には、少なくとも1つ(図5では、2つ)の被係止部34が設けられている。当該被係止部34は、ハーネスクランプ45の係止部45Bが係止される装着部である。このため、本実施形態に係るブリッジ部3Cは、樹脂にて構成されている。
【0042】
以下、図6に示されるように、複数の固定部51~54のうち最も装着方向前進側(以下、前端側ともいう。)に位置する固定部を主固定部という。なお、本実施形態では、固定部51が主固定部に相当する。
【0043】
4つの固定部51~54のうち主固定部51以外の固定部52~54の総称を副固定部とし、主固定部51が装着された被固定部61を主被固定部とし、副固定部52~54が装着された被固定部62~64を副被固定部とする。
【0044】
また、副固定部52を第1副固定部とし、副固定部53を第2副固定部とし、副固定部54を第3副固定部とする。これに対応して、副被固定部62を第1副被固定部とし、副被固定部63を第2副被固定部とし、副被固定部64を第3副被固定部とする。
【0045】
そして、本実施形態では、コネクタホルダ43及び各被固定部61~64は、ホルダアッセンブリ40が2つの可動レール3B側に装着される際に、主固定部51と主被固定部61とが接触した後、副固定部52~54と副被固定部62~64とが接触するように構成されている。
【0046】
すなわち、本実施形態では、主被固定部61は、ブリッジ部3Cに設けられている。第1副被固定部62は、当該ブリッジ部3Cのうち主被固定部61に対してシート幅方向にずれた位置に設けられている。
【0047】
第2副被固定部63及び第3副被固定部64それぞれは、ブリッジ部3Cより装着方向後退側(本実施形態では、シート前方側)において、ブラケット3D、3Eを介して可動レール3Bに設けられている。
【0048】
ブラケット3Dとブラケット3Eとは、図8に示されるように、略対称な形状である。具体的には、各ブラケット3D、3Eは、水平部3F及び規制部3G等を少なくとも有する。各水平部3Fは、水平な板状の部位であって、副被固定部63、64を構成する。
【0049】
各規制部3Gは、コネクタホルダ43がシート幅方向に予め決められた寸法を超えて変位することを規制する壁状の部位である。具体的には、図8の右側に位置する規制部3Gは、コネクタホルダ43が右方向に変位することを規制する。
【0050】
図8の左側に位置する規制部3Gは、コネクタホルダ43が左方向に変位することを規制する。このため、コネクタホルダ43は、シート幅方向いずれの向きにであっても、予め決められた寸法を超えて当該向きに変位することが規制される。
【0051】
コネクタホルダ43のうち各規制部3Gと対向する各部位には、対向壁55(図7参照)が設けられている。それら対向壁55は、対抗する規制部3Gと滑り接触可能な壁状の部位である。
【0052】
各対向壁55のうち装着方向と平行な部位の寸法、つまり、図9に示されるように、各対向壁55のシート前後方向寸法L1は、規制部3Gのうち装着方向と平行な部位の寸法L2より大きい。
【0053】
具体的には、主固定部51と主被固定部61とが接触した時から、主固定部51と主被固定部61との装着、及び副固定部52~54と副被固定部62~64との装着が完了するまでの間において、各規制部3Gと対応する対向壁55とが面するように、寸法L1が寸法L2より大きくなっている。
【0054】
<2.1 固定部及び被固定部の詳細>
<主被固定部>
主被固定部61は、図10に示されるように、第1案内突出部61A、第2案内突出部61B、係止部(本実施形態では、2つの係止部61C、61D)等を少なくとも有して構成されている。
【0055】
第1案内突出部61A及び第2案内突出部61Bは、コネクタホルダ43の装着方向後退側(図10では、シート前方側)に向けて突出した部位である。第2案内突出部61Bは、第1案内突出部61Aに対してシート幅方向にずれた位置に設けられている。
【0056】
係止部61C、61Dは、第1案内突出部61Aと第2案内突出部61Bとの間に設けられている。当該係止部61C、61Dは、弾性的に変位することにより、主固定部51に係止される部位である。
【0057】
具体的には、各係止部61C、61Dは、鉤状に形成されたスナップフィット状の部位である。なお、第1案内突出部61A、第2案内突出部61B及び係止部61C、61Dは、ブリッジ部3Cと共に樹脂にて一体成形されたブリッジ部3Cとの一体品である。
【0058】
<主固定部>
主固定部51は、図11に示されるように、被係止部(本実施形態では2つの被係止部51A、51B)、第1案内部51C及び第2案内部51D等を少なくとも有して構成されている。
【0059】
各被係止部51A、51Bは、対応する係止部61C、61Dが係止される部位である。なお、本実施形態に係る2つの被係止部51A、51Bは、矩形状の枠部51Eの水平方向一端側枠部、及び他端側枠部を構成している。
【0060】
第1案内部51Cは、シート幅方一方側及び上下方向から第1案内突出部61Aと滑り接触可能な壁面を構成する部位である。具体的には、第1案内部51Cは、壁部51F、51G、51H等を少なくとも有する。
【0061】
壁部51Fは、係止部61C側から第1案内突出部61Aに面する部位である。壁部51Gは、第1案内部51Cの上方から当該第1案内部51Cに面する部位である。壁部51Hは、第1案内部51Cの下方から当該第1案内部51Cに面する部位である。
【0062】
第2案内部51Dは、シート幅方他方側及び上下方向から第2案内突出部61Bと滑り接触可能な壁面を構成する部位である。具体的には、第2案内部51Dは、壁部51J、51K、51L等を少なくとも有する。
【0063】
壁部51Jは、係止部61D側から第2案内突出部61Bに面する部位である。壁部51Kは、第2案内突出部61Bの上方から当該第2案内突出部61Bに面する部位である。壁部51Lは、第2案内突出部61Bの下方から当該第2案内突出部61Bに面する部位である。
【0064】
そして、(1)係止部61C、61Dと被係止部51A、51Bとの係止によりコネクタホルダ43が装着方向に変位することが規制される。(2)第1案内突出部61A、第2案内突出部61B、第1案内部51C及び第2案内部51Dによりコネクタホルダ43が上下方向及びシート幅方向に変位することが規制される。
【0065】
<第1副固定部、第1副被固定部>
第1副被固定部52は、図12に示されるように、第1副固定部62を上下方向から挟み込んだ状態で当該第1副固定部62に装着されている。
【0066】
<第2副固定部、第3副固定部、第2副被固定部、第3副被固定部>
第2副固定部53及び第3副固定部54それぞれは、例えば、図9に示されるように、対応する副被固定部63、64をなす水平部3Fを上下方向から挟み込んだ状態で当該副被固定部63、64に装着されている。
【0067】
<3.コネクタホルダの装着方法(図5参照)>
コネクタホルダ43をスライド装置3に組み付ける作業者は、以下の手順にて当該組み付け作業を行う。
【0068】
作業者は、先ず、コネクタホルダ43に複数のハーネス41及び複数のコネクタ42を組み付けてホルダアッセンブリ40を組み立てるとともに、ブリッジ部3C及び電動モータ33をスライド装置3に組み付ける。以下、ブリッジ部3C及び電動モータ33が組み付けられたスライド装置3を単に「スライド装置3」と記す。
【0069】
次に、作業者は、図5に示されるハーネスクランプ45がブリッジ部3Cに下面側に位置するように、ホルダアッセンブリ40をスライド装置3に装着する。その理由は、図5に示されるハーネスクランプ45が被係止部34の下面側から当該被係止部34に装着される構成だからである。
【0070】
具体的には、作業者は、主固定部51及び第1副固定部52が、第2副固定部53及び第3副固定部54に比べて低くなるように、ホルダアッセンブリ40を傾斜させた状態で当該ホルダアッセンブリ40をスライド装置3に装着する。
【0071】
このとき、作業者は、主固定部51と主被固定部61とが接触した後、副固定部52~54と副被固定部62~64とが接触するようにコネクタホルダ43、つまりホルダアッセンブリ40をスライド装置3に組み付ける。
【0072】
なお、作業者は、主固定部51と主被固定部61とが接触した時、又は接触した時から僅かに装着が進行した時に、ホルダアッセンブリ40を略水平状態とする。その理由は、第2副固定部53及び第3副固定部54それぞれが水平部3Fを上下方向から挟み込み可能とするためである。
【0073】
<3.本実施形態に係る乗物用シートの特徴>
本実施形態に係る乗物用シート1は、ハーネス41及びコネクタ42を支持するとともに、当該ハーネス41及びコネクタ42が固定された樹脂製のコネクタホルダ43であって、スライド装置3に固定されたコネクタホルダ43を備える。
【0074】
これにより、当該乗物用シート1では、ハーネス41及びコネクタ42がコネクタホルダ43により保持された構成となるので、ハーネス41及びコネクタ42が装着されたコネクタホルダ43を2つのスライド装置に装着することにより、ハーネス41及びコネクタ42の装着が完了する。
【0075】
そして、当該乗物用シート1では、固定部51~54それぞれが被固定部61~64に装着される際に、主固定部51と主被固定部61とが接触した後、副固定部52~54と副被固定部62~64とが接触するように構成されている。
【0076】
これにより、固定部51~54それぞれが同一の向きから対応する被固定部61~64に装着される。そして、ホルダアッセンブリ40が装着される際には、主固定部51と主被固定部61とにより位置決めされた状態で、副固定部52~54が副被固定部62~64に装着される。
【0077】
したがって、ホルダアッセンブリ40の装着を行う作業者は、装着工程の順序を意識することなく、当該ホルダアッセンブリ40を装着できる。延いては、装着時の工数増を抑制でき得るとともに、ホルダアッセンブリ40の装着作業時に特定の固定部51~54に荷重が集中することが抑制される。
【0078】
当該乗物用シート1では、対向壁55のうち装着方向と平行な部位の寸法L1は、規制部3Gのうち装着方向と平行な部位の寸法L2より大きい。これにより、作業者がホルダアッセンブリ40をスライド装置3に装着する際に、当該ホルダアッセンブリ40が装着方向に確実に案内され得るので、組立作業性が向上する。
【0079】
ブリッジ部3Cには、電動モータ33が装着されているとともに、ハーネスクランプ45の被係止部34が設けられている。これにより、電動モータ33とハーネスクランプ45との干渉が回避され得る。
【0080】
つまり、仮に、ハーネスクランプ45の被係止部34がコネクタホルダ43に設けられた構成であると、ホルダアッセンブリ40の装着作業時に、電動モータ33とハーネスクランプ45とが干渉する可能性がある。しかし、本実施形態に係る構成であれば、ホルダアッセンブリ40の装着作業時に、電動モータ33とハーネスクランプ45とが干渉することはない。
【0081】
主被固定部61は、第1案内突出部61A、第2案内突出部61B、及び係止部61C、61Dを有し、主固定部51は、被係止部51A、51B、第1案内部51C、及び第2案内部51Dを有する。これにより、主固定部51が主被固定部61に装着される際に、シート幅方向及び上下方向が位置決めされる。
【0082】
第1副固定部52は、第1副被固定部62を上下方向から挟み込んだ状態で当該第1副被固定部62に装着されている。これにより、主固定部51が主被固定部61に位置決めされた状態で、第1副被固定部62に第1副固定部52が装着される。
【0083】
第2副固定部53及び第3副固定部54は、第2副被固定部63及び第3副被固定部64を上下方向から挟み込んだ状態で当該副被固定部63、64に装着されている。これにより、主固定部51が主被固定部61に位置決めされた状態で、当該副被固定部63、64に副固定部53、54が装着される。
【0084】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、乗物用シート1では、固定部51~54それぞれが被固定部61~64に装着される際に、主固定部51と主被固定部61とが接触した後、副固定部52~54と副被固定部62~64とが接触するように構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0085】
上述の実施形態では、主被固定部61及び第1副被固定部62がブリッジ部3Cに設けられ、他の副被固定部63、64は、可動レール3Bに固定されたブラケット3D、3Eに設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0086】
上述の実施形態では、乗物用シート1では、対向壁55のうち装着方向と平行な部位の寸法L1は、規制部3Gのうち装着方向と平行な部位の寸法L2より大きい構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0087】
上述の実施形態では、ブリッジ部3Cには、電動モータ33が装着されているとともに、ハーネスクランプ45の被係止部34が設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0088】
上述の実施形態では、主被固定部61は、第1案内突出部61A、第2案内突出部61B、及び係止部61C、61Dを有し、主固定部51は、被係止部51A、51B、第1案内部51C、及び第2案内部51Dを有していた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0089】
上述の実施形態では、第1副固定部52は、第1副被固定部62を上下方向から挟み込んだ状態で当該第1副被固定部62に装着されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0090】
上述の実施形態では、第2副固定部53及び第3副固定部54は、第2副被固定部63及び第3副被固定部64を上下方向から挟み込んだ状態で当該副被固定部63、64に装着されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0091】
上述の実施形態では、車両に本開示に係る乗物用シートを適用した。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。
【0092】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0093】
1… 乗物用シート 2…シート本体 3… スライド装置
3A… 固定レール 3B…可動レール 3C… ブリッジ部
3D、3E… ブラケット 3F…水平部 3G… 規制部
12… 可動レール 21…シートクッション 22… シートバック
33… 電動モータ 34…被係止部 40… ホルダアッセンブリ
41… ハーネス 42…コネクタ 43… コネクタホルダ
44… ハーネスアッセンブリ 45…ハーネスクランプ
45A… テープ 45B…係止部 51… 固定部(主固定部)
52… 副固定部(第1副被固定部) 53… 副固定部(第2副固定部)
54… 副固定部(第3副固定部) 55… 対向壁
61… 被固定部(主被固定部) 61A… 第1案内突出部
61B… 第2案内突出部 61C…係止部
62… 副被固定部(第1副被固定部) 63… 副被固定部(第3副被固定部)
64… 副被固定部(第3副被固定部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12