(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172300
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】縦ピロー充填包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 51/10 20060101AFI20241205BHJP
B65B 9/087 20120101ALI20241205BHJP
B65B 51/16 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65B51/10 M
B65B9/087
B65B51/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089920
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】596092595
【氏名又は名称】三光機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134212
【弁理士】
【氏名又は名称】提中 清彦
(72)【発明者】
【氏名】府野 智弘
【テーマコード(参考)】
3E050
3E094
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050BA03
3E050CB01
3E050DB02
3E050DF03
3E050FA01
3E050FB07
3E050GB06
3E094AA13
3E094CA06
3E094CA12
3E094DA08
3E094EA03
3E094FA05
3E094FA14
3E094GA12
3E094HA20
(57)【要約】
【課題】 低コストかつコンパクトな構成として、メンテナンス性、設置レイアウトの自由度などを高めることができるユーザーフレンドリーな縦ピロー充填包装機を提供する。
【解決手段】 本発明に係る縦ピロー充填包装機は、横シーラー102、103の端部に開閉リンク部103、104を備え、開閉用モーター105、駆動リンク板110、第1開閉リンク板111、支点リンク板113、手前側リンク板115及び奥側リンク板119、手前側スライドガイド108及び奥側スライドガイド109を介いて、一対の横シーラーを開閉動作させるため、コンパクト化、特に奥行き方向の省スペース化を図ることができ、更にはリンク機構及びトグル機構によって大きな閉動作力を発生させることができる。従って、同じ横シール押圧力とすれば、低出力のモーターが使用できるため、駆動モーターの小型化による省スペース効果、省エネルギー効果も見込める。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定速度で縦方向に連続搬送される包装フィルムを縦方向に沿って配設される円筒状のフォーマーガイドの外周に巻き付けるようにして略円筒状にすると共に縦方向に沿って延在される開放側を合掌状または封筒状に重畳させ、それぞれの包装フィルムの該重畳部分に対して縦シーラーを用いて縦シールを施して筒状包装フィルムを形成した後、当該筒状包装フィルムの所定位置に対して横シール装置により横シールを施して上方開口した包装袋を形成した後、上方開口した包装袋内に充填パイプを介して内容物を充填し、その後に筒状包装袋の上側部分に横シールを施して上方開口を封止することでピロー包装袋を生産する縦ピロー充填包装機であって、
前記横シール装置は、包装フィルムを挟むように手前側と奥側の開閉方向に移動可能に配置された一対の横シーラーを含んで構成される一方、
当該一対の横シーラーを前記開閉方向に移動させる開閉機構が備えられ、
当該開閉機構は、
一対の横シーラーの端部に連結されていて一対の横シーラーを開閉させる開閉リンク部と、
当該開閉リンク部を駆動する駆動源である開閉用アクチュエータと、
を含み、
前記開閉リンク部は、
前記開閉用アクチュエータの出力が伝達される駆動リンク板であって、一端が所定の回転軸廻りに回転可能に横シール装置フレームに支持され、他端が開閉リンク板の一端に回転可能に連結されている駆動リンク板と、
前記開閉リンク板の一端に第1連結部を介して回転可能に連結されると共に、横シール装置フレームに回転自在に回転支点を介して支持されている支点リンク板であって、第1連結部と回転支点とは該支点リンク板の回転中心軸に沿った方向から見たときに所定に離間した位置に配設されると共に、前記回転支点を挟んで両側に第2連結部と第3連結部とが設けられた支点リンク板と、
一端が前記支点リンク板の第2連結部に回転自在に連結されると共に、他端が横シール装置フレームに対してスライドガイドを介して前記開閉方向に沿って直線移動可能に支持されている一対の横シーラーのうちの手前側横シーラーに手前側連結部を介して回転自在に連結されている手前側リンク板と、
一端が前記支点リンク板の第3連結部に回転自在に連結されると共に、他端が横シール装置フレームに対してスライドガイドを介して前記開閉方向に沿って直線移動可能に支持されている一対の横シーラーのうちの奥側横シーラーに奥側連結部を介して回転自在に連結されている奥側リンク板と、
を含んで構成された
ことを特徴とする縦ピロー充填包装機。
【請求項2】
一条の幅広の包装フィルムをフィルム搬送方向に沿って複数条にスリットして複数列の包装フィルムとし、所定速度で縦方向に連続搬送される当該複数列の包装フィルムのそれぞれを縦方向に沿って配設される円筒状のフォーマーガイドの外周に巻き付けるようにして略円筒状にすると共に縦方向に沿って延在される開放側を合掌状または封筒状に重畳させ、それぞれの包装フィルムの該重畳部分に対して包装フィルムの列数と同数の縦シーラーを用いてそれぞれ縦シールを施して複数列の筒状包装フィルムを形成した後、それぞれの筒状包装フィルムの所定位置に対して横シール装置により横シールを施して上方開口した包装袋を形成した後、上方開口した包装袋内に充填パイプを介して内容物を充填し、その後に筒状包装袋の上側部分に横シールを施して上方開口を封止することでピロー包装袋を多列で生産する縦ピロー充填包装機であって、
前記横シール装置は、包装フィルムを挟むように手前側と奥側の開閉方向に移動可能に配置された一対の横シーラーを含んで構成される一方、
当該一対の横シーラーを前記開閉方向に移動させる開閉機構が備えられ、
当該開閉機構は、
一対の横シーラーの左右両端にそれぞれ接続されていて一対の横シーラーを開閉させる一対の開閉リンク部と、
一対の開閉リンク部を駆動する駆動源である開閉用アクチュエータと、
を含み、
前記開閉リンク部のそれぞれは、
前記開閉用アクチュエータの出力が伝達される駆動リンク板であって、一端が所定の回転軸廻りに回転可能に横シール装置フレームに支持され、他端が開閉リンク板の一端に回転可能に連結されている駆動リンク板と、
前記開閉リンク板の一端に第1連結部を介して回転可能に連結されると共に、横シール装置フレームに回転自在に回転支点を介して支持されている支点リンク板であって、第1連結部と回転支点とは該支点リンク板の回転中心軸に沿った方向から見たときに所定に離間した位置に配設されると共に、前記回転支点を挟んで両側に第2連結部と第3連結部とが設けられた支点リンク板と、
一端が前記支点リンク板の第2連結部に回転自在に連結されると共に、他端が横シール装置フレームに対してスライドガイドを介して前記開閉方向に沿って直線移動可能に支持されている一対の横シーラーのうちの手前側横シーラーに手前側連結部を介して回転自在に連結されている手前側リンク板と、
一端が前記支点リンク板の第3連結部に回転自在に連結されると共に、他端が横シール装置フレームに対してスライドガイドを介して前記開閉方向に沿って直線移動可能に支持されている一対の横シーラーのうちの奥側横シーラーに奥側連結部を介して回転自在に連結されている奥側リンク板と、
を含んで構成された
ことを特徴とする縦ピロー充填包装機。
【請求項3】
前記手前側横シーラーの先端と、前記奥側横シーラーの先端と、が最も接近した際に、前記回転支点と、前記第2連結部と、前記第3連結部と、前記手前側連結部と、前記奥側連結部と、が同一の略直線上に並ぶように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の縦ピロー充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルム(包材)を用いて被包装材料(内容物)を自動的に充填包装する自動包装機の技術分野に属する。より詳細には、帯状の包装フィルムを略筒状にフォーミングして上方開口の包装袋を形成し、その上方開口から内容物を充填して上方開口を横シールして密封する自動充填包装機(例えば縦ピロー充填包装機)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、粉末や固形物等を包装フィルムを用いて縦ピロー形包装(スティック形包装)を行う場合、複数列を同時に充填包装する多列式縦ピロー包装機がある。
この種の包装機において、横シールを行う横シール装置は、例えば特許文献1になどに記載されているように、対面配置された一対の横シーラー(横方向に延在される比較的長尺なヒートシール要素)を直動シリンダー等を用いて開閉させる構成とし、この一対の横シーラーの閉時に、包装袋の上方開口を挟んで横シールを施し、その後、横シールが完了した包装袋を、一対の横シーラーの間隔が開かれた開状態として当該一対の横シーラーの間を通過させるように構成されている。
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この一対の横シールの開閉機構(一対の横シールの間隔を広げたり狭めたりする機構)(当該機構を駆動する直動式のエアシリンダー等の駆動源も含む)を、包装機の後方(奥側)に備える場合には、包装機内の奥まった位置に開閉機構が配置されるため、メンテナンス(例えば可動部などのグリスアップや定期点検など)を行うことが困難で、包装機を分解し再び精密に復元したりする必要があるなど煩雑であった。このためメンテナンスに時間を要するため、その間、包装袋の生産を行なうことができず、生産能率の低下を招くといった実情がある。
【0005】
また、開閉機構を包装機の前方(手前側)に備える場合には、開閉機構が包装機前方(作業者や通路側)に突出してしまうため、工場内における包装機の設置レイアウトの自由度が大幅に制限されてしまうといった実情がある。
【0006】
なお、開閉機構を包装機の後方に備えるようにした場合においても、包装機の奥行き方向の長さが長くなるため、工場内などにおいて、後端を他の機械に合わせると包装機全体が手前に突出されて他の機械との関係で作業性が悪化する一方、前端を他の機械に合わせると包装機の後端が突出し広大な後方スペースが必要になるなどするおそれがあるため、設置レイアウトの自由度については、開閉機構を包装機の奥行方向に備える場合には、大幅に制限されてしまうといった実情がある。
なお、上述してきた各種の実情は、多列式の縦ピロー充填包装機に限らず、単列式の縦ピロー充填包装機においても程度の差はあるが存在する実情である。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みなされたもので、低コストかつコンパクトな構成として、メンテナンス性、設置レイアウトの自由度などを高めることができるユーザーフレンドリーな縦ピロー充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
所定速度で縦方向に連続搬送される包装フィルムを縦方向に沿って配設される円筒状のフォーマーガイドの外周に巻き付けるようにして略円筒状にすると共に縦方向に沿って延在される開放側を合掌状または封筒状に重畳させ、それぞれの包装フィルムの該重畳部分に対して縦シーラーを用いて縦シールを施して筒状包装フィルムを形成した後、当該筒状包装フィルムの所定位置に対して横シール装置により横シールを施して上方開口した包装袋を形成した後、上方開口した包装袋内に充填パイプを介して内容物を充填し、その後に筒状包装袋の上側部分に横シールを施して上方開口を封止することでピロー包装袋を生産する縦ピロー充填包装機であって、
前記横シール装置は、包装フィルムを挟むように手前側と奥側の開閉方向に移動可能に配置された一対の横シーラーを含んで構成される一方、
当該一対の横シーラーを前記開閉方向に移動させる開閉機構が備えられ、
当該開閉機構は、
一対の横シーラーの端部に連結されていて一対の横シーラーを開閉させる開閉リンク部と、
当該開閉リンク部を駆動する駆動源である開閉用アクチュエータと、
を含み、
前記開閉リンク部は、
前記開閉用アクチュエータの出力が伝達される駆動リンク板であって、一端が所定の回転軸廻りに回転可能に横シール装置フレームに支持され、他端が開閉リンク板の一端に回転可能に連結されている駆動リンク板と、
前記開閉リンク板の一端に第1連結部を介して回転可能に連結されると共に、横シール装置フレームに回転自在に回転支点を介して支持されている支点リンク板であって、第1連結部と回転支点とは該支点リンク板の回転中心軸に沿った方向から見たときに所定に離間した位置に配設されると共に、前記回転支点を挟んで両側に第2連結部と第3連結部とが設けられた支点リンク板と、
一端が前記支点リンク板の第2連結部に回転自在に連結されると共に、他端が横シール装置フレームに対してスライドガイドを介して前記開閉方向に沿って直線移動可能に支持されている一対の横シーラーのうちの手前側横シーラーに手前側連結部を介して回転自在に連結されている手前側リンク板と、
一端が前記支点リンク板の第3連結部に回転自在に連結されると共に、他端が横シール装置フレームに対してスライドガイドを介して前記開閉方向に沿って直線移動可能に支持されている一対の横シーラーのうちの奥側横シーラーに奥側連結部を介して回転自在に連結されている奥側リンク板と、
を含んで構成されたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、
一条の幅広の包装フィルムをフィルム搬送方向に沿って複数条にスリットして複数列の包装フィルムとし、所定速度で縦方向に連続搬送される当該複数列の包装フィルムのそれぞれを縦方向に沿って配設される円筒状のフォーマーガイドの外周に巻き付けるようにして略円筒状にすると共に縦方向に沿って延在される開放側を合掌状または封筒状に重畳させ、それぞれの包装フィルムの該重畳部分に対して包装フィルムの列数と同数の縦シーラーを用いてそれぞれ縦シールを施して複数列の筒状包装フィルムを形成した後、それぞれの筒状包装フィルムの所定位置に対して横シール装置により横シールを施して上方開口した包装袋を形成した後、上方開口した包装袋内に充填パイプを介して内容物を充填し、その後に筒状包装袋の上側部分に横シールを施して上方開口を封止することでピロー包装袋を多列で生産する縦ピロー充填包装機であって、
前記横シール装置は、包装フィルムを挟むように手前側と奥側の開閉方向に移動可能に配置された一対の横シーラーを含んで構成される一方、
当該一対の横シーラーを前記開閉方向に移動させる開閉機構が備えられ、
当該開閉機構は、
一対の横シーラーの左右両端にそれぞれ接続されていて一対の横シーラーを開閉させる一対の開閉リンク部と、
一対の開閉リンク部を駆動する駆動源である開閉用アクチュエータと、
を含み、
前記開閉リンク部のそれぞれは、
前記開閉用アクチュエータの出力が伝達される駆動リンク板であって、一端が所定の回転軸廻りに回転可能に横シール装置フレームに支持され、他端が開閉リンク板の一端に回転可能に連結されている駆動リンク板と、
前記開閉リンク板の一端に第1連結部を介して回転可能に連結されると共に、横シール装置フレームに回転自在に回転支点を介して支持されている支点リンク板であって、第1連結部と回転支点とは該支点リンク板の回転中心軸に沿った方向から見たときに所定に離間した位置に配設されると共に、前記回転支点を挟んで両側に第2連結部と第3連結部とが設けられた支点リンク板と、
一端が前記支点リンク板の第2連結部に回転自在に連結されると共に、他端が横シール装置フレームに対してスライドガイドを介して奥行き方向に沿って直線移動可能に支持されている一対の横シーラーのうちの手前側横シーラーに手前側連結部を介して回転自在に連結されている手前側リンク板と、
一端が前記支点リンク板の第3連結部に回転自在に連結されると共に、他端が横シール装置フレームに対してスライドガイドを介して奥行き方向に沿って直線移動可能に支持されている一対の横シーラーのうちの奥側横シーラーに奥側連結部を介して回転自在に連結されている奥側リンク板と、
を含んで構成されたことを特徴とする。
【0010】
本発明において、
前記手前側横シーラーの先端と、前記奥側横シーラーの先端と、が最も接近した際に、前記回転支点と、前記第2連結部と、前記第3連結部と、前記手前側連結部と、前記奥側連結部と、が同一の略直線上に並ぶように構成されていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、低コストかつコンパクトな構成として、メンテナンス性、設置レイアウトの自由度などを高めることができるユーザーフレンドリーな縦ピロー充填包装機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る多列式縦ピロー充填包装機の一構成例を示す正面図である。
【
図2】同上実施の形態に係る一対の横シーラーの動作を概略的に示す図である。
【
図3】(A)は同上実施の形態に係る一対の横シーラーの正面図であり、(B)は(A)の右側面図である。
【
図4】同上実施の形態に係る一対の横シーラーの平面図である。
【
図5】
図4に示されている開閉リンク部の右側面図である。
【
図6】(A)は同上開閉リンク部の閉状態を示す図(横シーラーとスライドガイド部分を分離して図示)であり、(B)は同上開閉リンク部の開状態を示す図(横シーラーとスライドガイド部分を分離して図示)である。
【
図7】駆動時間(駆動開始からの駆動終了までの時間(開閉用モーターの回転角度))と、横シーラーの開き幅と、の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る多列式縦ピロー充填包装機の一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は本発明の一実施の形態に係る多列式縦ピロー充填包装機(自動充填包装機)の正面図であり、
図2は同上実施の形態に係る多列式縦ピロー充填包装機の側面図である。これらの図面において各々符号1で全体的に示した多列式縦ピロー充填包装機は、一度に複数本のスティック包装袋(縦ピロー形包装袋)を連続的にシール成形できるように構成されている。
【0015】
図1、
図2において、符号2は被包装材料(充填物、内容物)を収容したホッパーを示しており、符号3はホッパー2から供給される被包装材料を計量した後充填パイプ4に供給する充填物計量装置、符号4は一条の包装フィルムがスリットされて幅が狭くなった複数条の包装フィルムを略筒状に巻き付けると共に被包装材料の投入通路となる充填パイプ、符号5は包装フィルムが巻き付けられた充填パイプ4との僅かな隙間に包装フィルムを挟んで略筒状にフォーミングしつつ案内するフォーマーガイドである。
【0016】
符号6は縦シール装置、符号7はその下に設けた横シール装置、符号8は連続包装袋の横シール中央付近が切断された個別包装袋を受け取るすべり台、符号10は操作パネルボックス(制御盤)を示している。
【0017】
包装フィルムは、例えば、PET等のベースフィルムと、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムや、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの3層構造を有する包装フィルムなどとすることができる。
【0018】
本実施の形態に係る多列式縦ピロー充填包装機1(自動充填包装機1或いは自動包装機1とも称する)は、一条の幅広の包装フィルムをフィルム搬送方向に沿って複数条にスリットして複数列の包装フィルムFとし、所定速度で縦方向に連続搬送される当該複数列の包装フィルムFのそれぞれを縦方向に沿って配設される円筒状のフォーマーガイド5の外周に巻き付けるようにして略円筒状にすると共に
図1の上下方向(縦方向、略鉛直方向)に沿って延在される開放側(包装フィルムの
図1における左右方向端部)を合掌状または封筒状に重畳させ、それぞれの包装フィルムFの該重畳部分に対して包装フィルムの列数と同数の縦シール装置6内に備わる縦シーラーを用いてそれぞれ縦シールを施して複数列の筒状包装フィルムを形成した後、それぞれの筒状包装フィルムF2の所定位置に対して横シール装置7により横シールを施して
図1において上方開口した包装袋を形成した後、上方開口した包装袋F2内に充填パイプ4を介して内容物を充填し、その後に筒状包装袋の上側部分に横シールを施して上方開口を封止することでピロー包装袋(F1)を多列で(同時に)生産する多列式縦ピロー充填包装機である。
【0019】
この種の多列式縦ピロー充填包装機の一例としては、例えば、特許文献1に記載されてり、本実施の形態に係る多列式縦ピロー充填包装機1としては、以下で説明する横シール装置7を除いて、特許文献1の構成と同様の構成を採用することができる。
【0020】
ここで、
図2に示すように、横シール装置7は、手前側横シーラー(ヒートシールバー)101と、奥側横シーラー102と、を含んで構成され、これらは包装袋F(F1,F2)を挟んで両側に対面配置されている。
そして、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102は、両者が離間した状態(初期位置P1,P2)から、それぞれA方向、A’方向に移動されて、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102により包装フィルムFを挟み込み、包装袋F1とF2の間の横シールを開始する(
図2の状態)。なお、このときには、上方開口の包装袋F2へ内容物の充填はまだ行なわれていない。
【0021】
上記の横シールの開始後に内容物を充填しても漏れなどが生じなくなった時点で、充填パイプ4を介して包装袋F2内への内容物の充填が開始される。
その後、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102は、包装袋F1とF2の間の横シール部分を挟んだ状態(
図2の状態)のまま、共にB方向に移動(下降)される。これにより、包装袋F1とF2は下方に搬送(引き出)される。なお、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102の間にカッターを設けておくことで、シールが完成された包装袋F1と、上方開口の包装袋F2と、を切り離して、包装袋F1を落下させ、すべり台8から、包装袋F1を排出するように構成することができる。
【0022】
この後、手前側横シーラー101と、奥側横シーラー102と、は、それぞれC方向、C’方向に移動されて、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102は、両者が所定に離間した状態とされる。この互いに離間した状態では、手前側横シーラー101の先端と奥側横シーラー102の先端との間隙は、包装袋F2を通過させることができる大きさとされていて、この互いに離間した状態のまま、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102は共に、D方向に移動(上昇)されて、初期状態(次の包装袋F1(
図2のF2)の上側)へと移動され、次回の横シール動作に備える。
【0023】
本実施の形態においては、このような手前側横シーラー101と奥側横シーラー102の開閉動作(A方向、A’方向への動作が閉動作、C方向、C’方向への動作が開動作)は、開閉機構100によりなされる。なお、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102の昇降(上下方向)動作(B方向への動作が下降動作、D方向への動作が上昇動作)は、例えば、
図3(A)、
図3(B)に示す直動アクチュエータ(エアシリンダーなど)200により行わせる構成とすることができる。
【0024】
手前側横シーラー101と奥側横シーラー102は、横シール装置7のフレーム7Aに上下方向に関して一体的に載置され、直動アクチュエータ200による横シール装置7の上下動と連動して、自動充填包装機1のフレーム1Fに対して相対的に上下動される(
図2のB方向、D方向へ移動される)。
【0025】
開閉機構100は、
図3、
図4に示すように、右側開閉リンク部103と、左側開閉リンク部104と、開閉用モーター(開閉用駆動源、開閉用アクチュエータ)105と、を含んで構成されている。
開閉用モーター105は、ギア機構Gを介して動力が伝達される右側の開閉駆動軸106を介して、右側開閉リンク部103に連結されている。また、開閉用モーター105は、左側の開閉駆動軸107を介して、左側開閉リンク部104に連結されている。なお、ここでは、共通の開閉用モーター105を用いているが、右側開閉リンク部103用の開閉用モーターと、左側開閉リンク部104用の開閉用モーターと、それぞれ別個に設ける構成とすることもできる。
【0026】
なお、右側開閉リンク部103と、左側開閉リンク部104と、は、それらが対面する中心面X(
図4の符号X参照)に関して、対称な構成とすることができるため、
図5では、右側開閉リンク部103を代表して説明する。
【0027】
図5に示すように、開閉用モーター105に連結されている右側の開閉駆動軸106は、駆動リンク板110の一端(基端側)に固定的に連結され、開閉用モーター105を回転駆動すると、右側の開閉駆動軸106を回転中心として、駆動リンク板110は回転されるように構成されている。この駆動リンク板110は、例えば、長方形の例えば平板状部材から作製されることができる。
【0028】
そして、駆動リンク板110の他端(先端側)には、駆動連結部112が設けられ、この駆動連結部112を介して、第1開閉リンク板111が軸受等を介して回転可能に連結されている。
【0029】
第1開閉リンク板111は、略コ字状に形成された例えば平板状部材からなり、
図5平面においては、コの字の開口部分が上方を向くように配置され、一端(基端側)に駆動連結部112が回転可能に連結されている一方、他端(先端側)には、第1連結部114を介して、支点リンク板113の一端(基端側)に軸受等を介して回転可能に連結されている。
【0030】
支点リンク板113は、横シール装置7のフレーム7Aに対して固定的な回転支点115を介して、フレーム7Aに軸受等を介して回転可能に支持されている。すなわち、支点リンク板113は、回転支点115廻りに回転可能にフレーム7Aに支持されている。
【0031】
そして、
図5において、支点リンク板113の回転支点115を略水平方向に沿って挟んで両側には、第2連結部117と、第3連結部120と、が設けられている。
この第2連結部117には、手前側リンク板116が軸受等を介して回転可能に連結されている。
手前側リンク板116は、略コ字状に形成された例えば平板状部材からなり、
図5平面においては、コの字の開口部分が上方を向くように配置され、一端(基端側)が第2連結部117を介して支点リンク板113に回転可能に連結されている一方、他端(先端側)には、手前側連結部118を介して、手前側横シーラー101が軸受等を介して回転可能に連結されている。
【0032】
手前側横シーラー101は、フレーム7Aに、手前側スライドガイド(直動ガイド)108を介して連結されている。すなわち、手前側横シーラー101は、フレーム7Aに対して、手前側スライドガイド(直動ガイド)108を介して
図5の水平方向(左右方向)に沿って移動自在に支持されている。
【0033】
一方で、第3連結部120には、奥側リンク板119が軸受等を介して回転可能に連結されている。
奥側リンク板119は、略コ字状に形成された例えば平板状部材からなり、
図5平面においては、コの字の開口部分が下方を向くように配置され、一端(基端側)が第3連結部120を介して支点リンク板113に回転可能に連結されている一方、他端(先端側)には、奥側連結部121を介して、奥側横シーラー102が軸受等を介して回転可能に連結されている。
【0034】
奥側横シーラー102は、フレーム7Aに、奥側スライドガイド(直動ガイド)109を介して連結されている。すなわち、奥側横シーラー102は、フレーム7Aに対して、奥側スライドガイド(直動ガイド)109を介して
図5の水平方向(左右方向)に沿って移動自在に支持されている。
【0035】
なお、第1連結部114と、第2連結部117と、第3連結部120と、は、それぞれが三角形の頂点に配設され、第2連結部117と、第3連結部120と、の間に、回転支点115が配置される構成であればよいため、支点リンク板113の
図5平面における形状は、
図6に示したような略三角形の形状とする場合に限られず、他の形状とすることができ、例えば、二点鎖線Lに示すような略L字形状などとすることもできる。
【0036】
かかる構成の開閉機構100による手前側横シーラー101と奥側横シーラー102の対面している先端同士の隙間を広げる開動作と、当該隙間を狭める閉動作について説明する。
<開動作>
かかる構成の開閉機構100(右側開閉リンク部103)によれば、
図5、
図6(A)の閉状態から、開閉用モーター105を所定方向(開方向:一対の横シーラーの相互離間方向、
図5、
図6(A)において時計回り)に回転(回動)させると、奥側開閉駆動軸106を介して、駆動リンク板110を時計回りに回転(回動)させる。
これに伴い、駆動リンク板110は、第1開閉リンク板111の駆動連結部112側(基端側)を時計方向に移動させる。
この第1開閉リンク板111の基端側の移動に伴い、第1開閉リンク板111は、支点リンク板113を回転支点115廻りに時計方向へ回転させるように作用する。
この支点リンク板113の時計方向への回転は、第2連結部117を介して連結されている手前側リンク板115に作用して、この手前側リンク板115に対して手前側連結部118を介して連結されている手前側横シーラー101を、手前側スライドガイド108に沿って、
図5、
図6(A)の水平方向左側(奥側横シーラー102から離間する方向)に移動させる。
【0037】
これと同時に、支点リンク板113の時計方向への回転は、第3連結部120を介して連結されている奥側リンク板119に作用して、この奥側リンク板119に対して奥側連結部121を介して連結されている奥側横シーラー102を、奥側スライドガイド109に沿って、
図5、
図6(A)の水平方向右側(手前側横シーラー101から離間する方向)に移動させる。
このため、手前側横シーラー101と、奥側横シーラー102と、が互いに離間する方向に移動され、
図6(B)の開状態へと移行される。
【0038】
<閉動作>
閉動作の際には、開閉機構100(右側開閉リンク部103)では、
図6(B)の開状態から、開閉用モーター105を所定方向(閉方向:一対の横シーラーの相互接近方向、
図6(B)において反時計回り)に回転(回動)させる。これにより、奥側開閉駆動軸106を介して、駆動リンク板110を反時計回りに回転(回動)させる。
これに伴い、駆動リンク板110は、第1開閉リンク板111の駆動連結部112側(基端側)を反時計方向に移動させる。
この第1開閉リンク板111の基端側の移動に伴い、第1開閉リンク板111は、支点リンク板113を回転支点115廻りに反時計方向へ回転させるように作用する。
この支点リンク板113の反時計方向への回転は、第2連結部117を介して連結されている手前側リンク板115に作用して、この手前側リンク板115に対して手前側連結部118を介して連結されている手前側横シーラー101を、手前側スライドガイド108に沿って、
図6(B)の水平方向右側(奥側横シーラー102に接近する方向)に移動させる。
【0039】
これと同時に、支点リンク板113の反時計方向への回転は、第3連結部120を介して連結されている奥側リンク板119に作用して、この奥側リンク板119に対して奥側連結部121を介して連結されている奥側横シーラー102を、奥側スライドガイド109に沿って、
図6(B)の水平方向左側(手前側横シーラー101に接近する方向)に移動させる。
このため、手前側横シーラー101と、奥側横シーラー102と、が互いに接近する方向に移動され、
図6(A)の閉状態へと移行される。
【0040】
なお、手前側横シーラー101と、奥側横シーラー102と、が互いに接近する方向に移動されて、内容物の充填が完了した上方開口の包装袋の上端を挟み込むことで、横シールが行われる。そして、手前側横シーラー101と、奥側横シーラー102と、が互いに離間する方向に移動されて、連接されていた次の包装袋が通過可能な隙間が形成されることで、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102は上方に移動されて、当該次の包装袋の上端横シールを施すために、初期位置(原位置)へと復帰される(
図2参照)。
【0041】
なお、左側開閉リンク部104の動作についての説明は省略するが、上述した右側開閉リンク部103とは、これらが対面する中心面X(
図4参照)に関して対称な構成であり、対称な動きをするように構成されている。
【0042】
このように、本実施の形態によれば、比較的厚さの薄い平板状のリンク板(110,111,113,116,119)を組み合わせたリンク機構を含んで構成される右側開閉リンク部103と左側開閉リンク部104(開閉機構100)を、対面配置される一対の手前側横シーラー101と奥側横シーラー102の端部に配置することで、横シール装置7の前後スペース(
図4の上下方向スペース、奥行き方向スペース)を大幅に減らすことができ、以って自動充填包装機1の省スペース化(特に奥行き方向)や設置レイアウトの自由を向上させることができる。
また、横シール装置7の端部にメンテナンスが必要な可動部である右側開閉リンク部103と左側開閉リンク部104を配置したため、メンテナンス性を大幅に向上させることができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102の両端に、右側開閉リンク部103と、左側開閉リンク部104と、を備えた構成例を用いて説明したが、何れか一方を省略した構成とすることも可能である。
【0044】
以上のように、本実施の形態によれば、低コストかつコンパクトな構成として、メンテナンス性、設置レイアウトの自由度などを高めることができるユーザーフレンドリーな多列式縦ピロー充填包装機を提供することができる。
【0045】
また、本実施の形態に係る開閉機構100は、複数のリンク及びスライド(駆動リンク板110→第1開閉リンク板111→支点リンク板113→手前側リンク板115及び奥側リンク板119→手前側スライドガイド108及び奥側スライドガイド109)を備えたトグル機構によって、一対の横シーラー(手前側横シーラー101、奥側横シーラー102)を閉動作させるため、リンク機構及びトグル機構によって大きな閉動作力を発生させることができる。従って、同じ横シール押圧力(手前側横シーラー101と奥側横シーラー102の先端の当接力)とすれば、従来よりも低出力のモーターが使用できるため、駆動モーターの小型化による省スペース効果、更に省エネルギー効果も見込める。
【0046】
本実施の形態に係る開閉機構100の駆動力の伝達に関してより詳しく説明すると、本実施の形態は、開閉用モーター105が軸(開閉駆動軸106)を回転させることで、先ず、クランク(駆動リンク板110)を回転させる(但し、直動アクチュエータを駆動源としてクランク(駆動リンク板110)を回転させる構成とすることもできる)。
この回転動作により、クランク(駆動リンク板110)に接続されている第1開閉リンク板111により、支点リンク板113が回転支点115廻りに回転される。
更に、支点リンク板113が回転することで、手前側リンク板115及び奥側リンク板119も回転し、手前側スライドガイド108及び奥側スライドガイド109に支持されている手前側横シーラー101と奥側横シーラー102とが相互に接近する方向或いは離間する方向に水平移動する。すなわち、これにより、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102が開閉され、閉動作では包装袋をヒートシールし、開動作では包装袋を手前側横シーラー101と奥側横シーラー102との間を通過させる。
【0047】
このような駆動力の伝達であるため、本実施の形態に係る開閉機構100では、開閉用モーター105から出力される駆動力を増幅させることができる。
すなわち、クランク(駆動リンク板110)と第1開閉リンク板111(開閉駆動軸106、駆動連結部112、第1連結部114)を水平角度に近づけることで、トグル機構と同様の原理により、開閉用モーター105の駆動力から得られる第1連結部114における水平方向に作用する力として増大させることができる。
次に、支点リンク板113の支点(回転支点115)、力点(第1連結部114)、作用点(第2連結部117、第3連結部120)の関係から、第2連結部117、第3連結部120に作用する力を増大させることができる。
更に、支点リンク板113の回転支点115と、第2連結部117と、第3連結部120と、手前側連結部118と、奥側連結部121が水平方向に近づくことで、すなわち、手前側リンク板115及び奥側リンク板119が水平方向に近づくことで、トグル機構となり、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102による包装袋に対する横シールの際の押圧力を増幅させることができる。但し、例えば横シーラーを傾斜させて設置したい場合などの横シール装置7の設置姿勢の変更等の種々の要求に応じて、回転支点115と、第2連結部117と、第3連結部120と、手前側連結部118と、奥側連結部121と、を、略水平方向に限らず、同一の略直線上に並ぶように配設することも可能である。
これにより、手前側横シーラー101と奥側横シーラー102の開閉用の駆動モーターや直動シリンダーなどのアクチュエータ(駆動源)から得られる出力が小さい場合でも大きな圧力でシールすることが可能となる。
よって、アクチュエータの小容量化によるコスト低減、省スペース化、更に省エネルギー化に貢献可能である。また、アクチュエータの出力(駆動力)を同じにすれば、より大きなシール圧力を得ることが可能となる。
【0048】
また、
図7に、駆動時間(駆動開始からの駆動終了までの時間(開閉用モーターの回転角度))と、横シーラーの開き幅と、の関係を示す。この
図7から分かるように、各シーラー(手前側横シーラー101及び奥側横シーラー102)を直接移動させる直接駆動タイプ(ラック&ピニオン機構を介してモーターにより前記各シーラーを駆動するものや、エアシリンダーなどで前記各シーラーを駆動するものなど)(曲線Z)と比較して、本実施の形態に係る開閉機構100を介して各シーラーを移動させる構成の場合(曲線Y)には、各シーラーの開閉動作の速度(延いては閉動作の際のシーラー当接時の衝撃力)を抑えることができるため、低騒音化延いては作業環境の改善にも貢献可能である。
【0049】
特に、
図7の曲線Yから分かるように、本実施の形態に係る開閉機構100によれば、前記各シーラーが閉状態に近づくに連れて減速していくが各シーラーを移動させる駆動力は増大していくため、前記各シーラー同士の衝突による機械部品及び包装フィルム(横シール部分)へのダメージを効果的に軽減しつつ、大きなシール圧力(横シールする際に各シーラーの先端が当接する圧力)を得ることができ、以って歩留まり率の高い包装袋の生産(包装袋の生産性の向上)の実現に貢献可能である。
【0050】
このように、本実施の形態に係る開閉機構100を備えた自動充填包装機によれば、駆動源(モーター又はシリンダー出力軸など)の速度が一定でも前記各シーラーが全閉又は全開にする際は、速度が低下し力は増大する。これにより、前記各シーラーが開閉動作する際に発生する騒音も低減可能となる。そして、電気又はエアーなどの消費量を抑え、低消費エネルギーで且つ静粛性に優れ、小型で大きなシール圧力が得られる横シール装置を備えた自動充填包装機(縦ピロー充填包装機)を提供することができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、多列式の縦ピロー充填包装機を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、単列式の縦ピロー充填包装機においても適用可能である。
すなわち、本発明は、「所定速度で縦方向に連続搬送される包装フィルムを縦方向に沿って配設される円筒状のフォーマーガイドの外周に巻き付けるようにして略円筒状にすると共に縦方向に沿って延在される開放側を合掌状または封筒状に重畳させ、それぞれの包装フィルムの該重畳部分に対して縦シーラーを用いて縦シールを施して筒状包装フィルムを形成した後、当該筒状包装フィルムの所定位置に対して横シール装置により横シールを施して上方開口した包装袋を形成した後、上方開口した包装袋内に充填パイプを介して内容物を充填し、その後に筒状包装袋の上側部分に横シールを施して上方開口を封止することでピロー包装袋を生産する縦ピロー充填包装機」にも適用可能である。
【0052】
なお、本実施の形態では、開閉用アクチェータ(開閉用駆動源)として開閉用モーター105を用いて開閉リンク部103、104を駆動する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉リンク部の駆動リンク板110をその回転軸(符号106相当の軸)廻りに回転駆動可能な駆動源であれば、例えば、直動式のエアシリンダーなどを駆動用アクチェータとして採用することも可能である。例えば、駆動リンク板110の回転軸(符号106相当の軸)から離れた位置に直動式のエアシリンダーなどの出力を作用させて伸縮させる構成などとすることで、駆動リンク板110を回転軸(符号106相当の軸)廻りに揺動させることで開閉動作を行わせることもできる。
【0053】
以上で説明した実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1:多列縦ピロー充填包装機(自動充填包装機)
1F:本体フレーム
2:ホッパー
3:充填物計量装置
4:充填パイプ(充填シュート)
5:フォーマーガイド
6:縦シール装置
7:横シール装置
7A:フレーム(横シール装置の装置フレーム)
8:搬出スベリ台
9:制御盤
101:手前側横シーラー
102:奥側横シーラー
103:右側開閉リンク部
104:左側開閉リンク部
105:開閉用モーター(開閉用アクチュエータの一例)
106:右側の開閉駆動軸
107:左側の開閉駆動軸
108:手前側スライドガイド
109:奥側スライドガイド
110:駆動リンク板
111:開閉リンク板
112:駆動連結部(駆動リンク板と開閉リンク板の連結部)
113:支点リンク板
114:第1連結部
115:回転支点
116:手前側リンク板
117:第2連結部
118:手前側連結部(手前側横シーラーと手前側リンク板の連結部)
119:奥側リンク板
120:第3連結部
121:奥前側連結部(奥側横シーラーと奥側リンク板の連結部)