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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172321
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】継手ユニット
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/237 20060101AFI20241205BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20241205BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241205BHJP
   F16L 33/24 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
F16L3/237
H01L23/46 Z
H05K7/20 Q
F16L33/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089961
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】畑中 康司
(72)【発明者】
【氏名】奥野 喬也
(72)【発明者】
【氏名】堀口 元気
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 健人
【テーマコード(参考)】
3H017
3H023
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
3H017KA03
3H017KA04
3H023AA03
3H023AC08
3H023AD15
3H023AD55
5E322DB06
5E322FA01
5F136CB11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】チューブが破損し難い継手ユニットを提供する。
【解決手段】継手ユニット1は、貫通する流路を有する継手と、継手が取り付けられる固定部12とを備える。継手は、チューブが装着される少なくとも2つの装着部と、少なくとも2つの装着部の間に位置する中間部とを有する。固定部は、流路に交差する第一交差方向D01に延びており、中間部に当接する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通する流路を有する継手と、
前記継手が取り付けられる固定部と
を備え、
前記継手は、
チューブが装着される少なくとも2つの装着部と、
前記少なくとも2つの装着部の間に位置する中間部と
を有し、
前記固定部は、前記流路に交差する第一交差方向に延びており、前記中間部に当接する、継手ユニット。
【請求項2】
前記継手は、前記中間部と、前記少なくとも2つの装着部の1つとの間から、前記第一交差方向に突出する突出部を更に有する、請求項1に記載の継手ユニット。
【請求項3】
前記継手は、前記中間部と、前記少なくとも2つの装着部との間から、前記第一交差方向に突出する少なくとも2つの突出部を更に有し、
前記固定部は、前記2つの突出部の間に位置し、前記2つの突出部の間に位置する前記中間部に当接する、請求項1に記載の継手ユニット。
【請求項4】
前記固定部は、前記第一交差方向に拡がる第一板金及び第二板金を有し、
前記第一板金は、前記流路に交差する第二交差方向の一方側から前記中間部を受ける第一受け部を有し、
前記第二板金は、前記第二交差方向の他方側から前記中間部を受ける第二受け部を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の継手ユニット。
【請求項5】
前記中間部は、
所定の径を有する大径部と、
前記大径部と前記流路に沿う延伸方向の隣りに位置し、前記大径部よりも小径の小径部と
を有し、
前記固定部は、
前記大径部を前記流路に交差する第二交差方向の他方側から受ける第一受け部と、
前記小径部を前記第二交差方向の他方側から受ける第二受け部と
を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の継手ユニット。
【請求項6】
前記装着部が挿通される貫通孔を有し、前記貫通孔の縁が前記継手に当接する板金を、前記固定部は更に有する、請求項5に記載の継手ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、継手ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術に係る水冷構造は、筐体と、支持部材と、給水管と、排水管とを備える。支持部材は、筐体内において筐体のスロットの付近に設置される。支持部材には、取付位置が規定されている。給水管及び排水管は、取付位置に取り付けられる。給水管及び排水管の各々は、筐体外部から取付位置を通って筐体内部へと延伸する(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案第216772366号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術では、給水管及び排水管は取付位置において支持部材と直接接触する。従って、給水管及び排水管において支持部材と直接接触する部分には負荷がかかりやすい。その結果、給水管及び排水管は、取付位置付近の部分で破損し易い。
【0005】
本開示の目的は、チューブが破損し難い継手ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る継手ユニットは、継手と、固定部とを備える。前記継手は、前記継手を貫通する流路を有する。前記固定部には、前記継手が取り付けられる。前記継手は、少なくとも2つの装着部と、中間部とを有する。前記少なくとも2つの装着部には、チューブが装着される。前記中間部は、前記少なくとも2つの装着部の間に位置する。前記固定部は、前記流路に交差する第一交差方向に延びており、前記中間部に当接する。
【発明の効果】
【0007】
例示的な開示によれば、チューブが破損し難い継手ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、冷却システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示される電子機器の筐体の一部を示す模式図である。
図3図3は、第一実施形態に係る継手ユニット及びその周辺を示す斜視図である。
図4図4は、図3に示される継手ユニットの拡大図である。
図5図5は、図3に示される継手ユニットの分解図である。
図6図6は、図4及び図5に示される継手の拡大図である。
図7図7は、図4の線VII-VIIに沿う継手ユニットの断面図である。
図8図8は、第二実施形態に係る継手ユニット及びその周辺を示す斜視図である。
図9図9は、図8に示される継手ユニットの拡大図である。
図10図10は、図9に示される継手ユニットの分解図である。
図11図11は、図10に示される本体を第一方向他方Z2から見た図である。
図12図12は、図11に示される本体に継手をはめ込んだ状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
各実施形態では、理解の容易のため、互いに交差する第一方向Z、第二方向X及び第三方向Yを適宜記載している。各実施形態において、「交差」という語は、線同士、面同士又は線及び面が互いに直角に交わることと、微差(公差及び誤差等)の範囲で非直角に交わることとを含む。
【0011】
また、第一方向Zの一方及び他方を、第一方向一方Z1及び第一方向他方Z2とそれぞれ記載する。第二方向Xの一方及び他方を、第二方向一方X1及び第二方向他方X2とそれぞれ記載する。第三方向Yの一方及び他方を、第三方向一方Y1及び第三方向他方Y2とそれぞれ記載する。ただし、あくまで説明の便宜のために、第一方向Z、第二方向X及び第三方向Yを定義したに過ぎない。
【0012】
図1は、冷却システム1000の構成を示すブロック図である。冷却システム1000は、冷媒を循環させることで、1つ又は複数の熱源110を冷却する。図1には、3つの熱源110が例示される。
【0013】
冷媒は、例えば冷却液である。冷却液としては不凍液又は純水が例示される。不凍液の典型例は、エチレングリコール水溶液又はプロピレングリコール水溶液である。
【0014】
熱源110は、典型的には、電子部品である。電子部品は、給電により動作し、発熱する。詳細には、電子部品は、電子機器100を構成する部品であって、電子機器100の筐体120内に収容される。他にも、電子部品は、筐体120に取り付けられてもよい。電子部品は、例示的には、電解コンデンサ、電力用半導体モジュール又はプリント回路基板を含む。電子機器100は、ラックマウントサーバ又はブレードサーバである。電子機器100は他にも、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ又はディスプレイであってもよい。
【0015】
冷却システム1000は、構成要素として、CDU200と、収集マニホールド300と、分配マニホールド400と、二個一対のコールドプレート500とを備える。CDU200、収集マニホールド300、分配マニホールド400、及び各コールドプレート500の間では、冷媒が矢印A01~A06で示されるように循環する。
【0016】
図1には、二個一対のコールドプレート500が三組例示されている。なお、コールドプレート500は、少なくとも1つであればよい。この場合、冷却システム1000は、収集マニホールド300と、分配マニホールド400とを備えていなくともよい。
【0017】
各実施形態では、各コールドプレート500は、CDU200とともに使用される。即ち、図1には、各コールドプレート500の実施態様が例示される。各コールドプレート500は、後述の継手ユニット1、及び流路部材2~5とともに独立して市場で流通してもよい。
【0018】
以下、冷却システム1000の構成要素について詳説する。
【0019】
CDU200は、流入口210を有する。流入口210には、流路部材610の一方端が接続される。流路部材610は、収集マニホールド300の流出口310と、CDU200の流入口210とを、これらの間で冷媒が流通可能に接続する。流路部材610は、特定材料で作製されるチューブである。特定材料は、合成樹脂又は金属である。なお、後述の各流路部材620,2~5は、流路部材610と同様に作製されてもよいし、流路部材610とは異なる手法で作製されてもよい。流入口210には、収集マニホールド300から高温の冷媒が、流路部材610を介して流入口210に流入する(矢印A01参照)。
【0020】
CDU200は、冷却装置及び流体機械(いずれも図示せず)と、流出口220を更に有する。冷却装置は、典型的には、空冷式又は水冷式のラジエータである。流体機械は、各種ポンプである。流出口220には、流路部材620の一方端が接続される。流路部材620は、CDU200の流出口220と、分配マニホールド400の流入口410とを、これらの間で冷媒が流通可能に接続する。CDU200は、冷却装置及び流体機械により、流入した冷媒を冷却及び圧送する。冷媒が圧送されることで、CDU200の流出口220からは、低温の冷媒が流出する。冷媒は、流路部材620内を流通し、流入口410に向けて送られる(矢印A02参照)。
【0021】
CDU200の作用により、冷媒は、矢印A01~A06で示される通り冷却システム1000内で循環する。
【0022】
収集マニホールド300は、複数の個別流路330と、共通流路340とを有する。複数の個別流路330と、共通流路340との各々には、冷媒が流通可能である。各個別流路330の一方端は、冷媒が流通可能に共通流路340と接続される。複数の個別流路330のうちの一つの他方端は、収集マニホールド300における冷媒の流出口310として使用される。流出口310は、流路部材610の他方端と、冷媒が流通可能に接続される。残りの個別流路330の他方端は、収集マニホールド300における冷媒の流入口320として使用可能である。複数の流入口320は、複数の流路部材5の一方端と、冷媒が流通可能に接続される。従って、各流入口320に、自身と接続された流路部材5から流入した高温の冷媒は、共通流路340において合流し、流出口310から流路部材610へと流出する。
【0023】
分配マニホールド400は、共通流路430と、複数の個別流路440とを有する。共通流路430と、複数の個別流路440との各々には、冷媒が流通可能である。各個別流路440の一方端は、冷媒が流通可能に共通流路430と接続される。複数の個別流路440のうちの一つの他方端は、分配マニホールド400における冷媒の流入口410として使用される。流入口410には、流路部材620の他方端が接続される。残りの個別流路440の他方端は、分配マニホールド400における冷媒の流出口420として使用可能である。各流出口420は、流路部材2の一方端と、冷媒が流通可能に接続される。従って、流入口410に流入した低温の冷媒は、1つの個別流路440から共通流路430へと流通し、残りの複数の個別流路440により分流された後、各流出口420から流路部材2に流出する。
【0024】
各コールドプレート500は、筐体120内の熱源110と熱的に直接接触するように配置される。各コールドプレート500は、熱伝導シート(図示せず)を介して熱源110と熱的に接触するように配置されてもよい。各コールドプレート500は、冷媒の流入口510と、冷媒の流出口520とを有する。コールドプレート500の内部には、流入口510から流出口520に至る冷媒流路(図示せず)が形成されている。流入口510には、流路部材3(後述)から低温の冷媒が流入する(矢印A04参照)。冷媒は、コールドプレート500内で流入口510から、コールドプレート500の冷媒流路において流出口520に向かって流通する。従って、熱源110で発生した熱は、熱源110と熱的に接触するコールドプレート500内を流れる冷媒に移動する。その結果、熱源110は冷却され、冷媒が高温になる。高温の冷媒は、流出口520から流路部材4(後述)へと流出する(矢印A05参照)。
【0025】
図2は、図1に示される電子機器100の筐体120の一部を示す模式図である。図2に示されるように、筐体120は、典型的には略直方体形状である。筐体120において、第一方向Zにおける寸法は、第三方向Yにおける寸法よりも小さい。筐体120は、外装パネル130を有する。外装パネル130は、板状である。実施形態では、外装パネル130は、第二方向一方X1を向き、第一方向Z及び第三方向Yに拡がる。外装パネル130には、少なくとも1つの開口140が形成されている。第一実施形態では、開口140は、第二方向Xからの平面視で、第一方向Zよりも第三方向Yに長い略矩形形状である。開口140は、外装パネル130を第二方向Xに貫通する。従って、筐体120の内部空間150は、開口140を通じて筐体120の外部空間と繋がっている。内部空間150には、コールドプレート500及び熱源110が収容される。
【0026】
再度図1を参照する。冷却システム1000の冷媒流路(矢印A01~A06参照)において、各コールドプレート500と、収集マニホールド300及び分配マニホールド400とは、継手ユニット1及び流路部材2~5とによって冷媒が流通可能に接続される。継手ユニット1は、開口140(図2参照)を塞ぐように筐体120に取り付けられる。
【0027】
「第一実施形態」
図3は、第一実施形態に係る継手ユニット1及びその周辺を示す斜視図である。図4は、図3に示される継手ユニット1の拡大図である。図5は、図3に示される継手ユニット1の分解図である。図6は、図4及び図5に示される継手11の拡大図である。図7は、図4の線VII-VIIに沿う継手ユニット1の横断面を第一方向一方Z1側から視た図である。
【0028】
継手ユニット1の説明に先立ち、コールドプレート500についてより詳細に説明する。図3に示されるように、二個一対のコールドプレート500は、コールドプレート500A,500Bを含む。コールドプレート500A,500Bの各々は、熱源110(図1参照)とともに内部空間150に収容される。コールドプレート500A,500Bの各々は、筐体530と、流体コネクタ540,550とを有する。各筐体530には、流体コネクタ540,550が設けられている。流入口510及び流出口520は、流体コネクタ540,550にそれぞれ形成されている。
【0029】
図3図7に示されるように、継手ユニット1は、構成要素として、少なくとも1つの継手11と、固定部12とを備える。第一実施形態では、少なくとも1つの継手11は、2つの継手11A,11Bである。
【0030】
以下では、特に断り書きが無い場合、「継手ユニット1」という用語は、筐体120に取り付けられた状態の継手ユニット1を意味する。「継手11」及び「固定部12」という用語は、筐体120に取り付けられた状態の継手11及び固定部12をそれぞれ意味する。この点については、後述の第二実施形態でも同様である。
【0031】
各継手11は、典型的には、硬質の合成樹脂で作製され、互いに同一形状である。これにより、各継手11は、低コストで作製される。なお、各継手11は、金属で作製されてもよい。また、各継手11は、互いに異なる形状であってもよい。
【0032】
各継手11は、第二方向Xに長い形状を有する(図4から図6を特に参照)。継手11は、貫通する流路111を有する。詳細には、流路111は、継手11の第二方向一方X1の端面111Pと、継手11の第二方向他方X2の端面111Qとの間で貫通する。流路111は、継手11内で第二方向Xに沿って延びる(図7を特に参照)。
【0033】
各継手11は、少なくとも2つの装着部112と、中間部113とを有する。第一実施形態では、少なくとも2つの装着部112は、2つの装着部112A,112Bである。
【0034】
装着部112Aは、装着部112Bから第二方向一方X1に離れて位置する。即ち、装着部112A,112Bは、第二方向Xに沿って並んでいる。4つの装着部112には、流路部材2~5が装着される。流路部材2~5は、本開示における「チューブ」の一例である。詳細には、4つの装着部112には、流路部材2~5が直接装着される。更に詳細には、継手11Aの装着部112Aには、流路部材5の他方端51が直接装着される。継手11Aの装着部112B(図4参照)には、流路部材4の一方端41(図3参照)が直接装着される。なお、流路部材4の他方端42は、コールドプレート500Bの流体コネクタ550に装着される(図3参照)。継手11Bの装着部112Aには、流路部材2の他方端21(図3参照)が直接装着される。継手11Bの装着部112B(図4参照)には、流路部材3の一方端31(図3参照)が直接装着される。流路部材3の他方端32は、コールドプレート500Aの流体コネクタ540に装着される(図3参照)。また、コールドプレート500Aの流体コネクタ550、及びコールドプレート500Bの流体コネクタ540には、流路部材6の一方端61及び他方端62が装着される。その結果、コールドプレート500Aの流出口520からコールドプレート500Bの流入口510へと冷媒が流通可能となる。
【0035】
なお、図4図7に示されるように、各装着部112の外周面には、装着された流路部材2~5が抜けないように、凹部と凸部とが形成されている。詳細には、凹部と凸部とが第二方向Xに交互に並んでいる。
【0036】
各継手11において、中間部113は、少なくとも2つの装着部112の間に位置する。第一実施形態では、中間部113は、第二方向Xにおいて装着部112A,112Bの間に位置する。中間部113の外周面は、略円柱形状である。第一実施形態では、装着部112A,112Bは、中間部113を基準として第二方向Xにおいて互いに対称形状でよい。なお、装着部112A,112Bは、中間部113を基準として互いに非対称形状であってもよい。
【0037】
固定部12には、各継手11が取り付けられる。固定部12は、流路111が交差する第一交差方向D01に延びている。第一実施形態では、第一交差方向D01は、第三方向Yに沿う方向である。詳細には、固定部12は、第一方向Z及び第三方向Yに拡がる板状である。固定部12は、各継手11における中間部113に当接する(図4図5図7を特に参照)。即ち、固定部12は、継手11の中間部113に当接して、各継手11を支持する。従って、固定部12が振動した場合、又は、流路部材2~5に外力が加わり流路部材2~5が引っ張られた場合であっても、固定部12が流路部材2~5に直接当たらない。よって、流路部材2~5が破損し難い。
【0038】
固定部12は、下記(a)~(c)の状態で(図1参照)、開口140(図2参照)を塞ぐように筐体120に取り付けられる。(a)は、各コールドプレート500が筐体120の内部空間150に収容された状態である。(b)は、流路部材2の一方端が流出口420に接続された状態である。(c)は、流路部材5の一方端が流入口320に接続された状態である。固定部12が筐体120に取り付けられるため、固定部12には、電子機器100の外装パネル130の振動が直接伝達される。しかし、固定部12は、継手11の中間部113に当接して、各継手11を支持する。よって、流路部材2~5には、外装パネル130の振動が直接伝達されないため、流路部材2~5は、同振動により破損し難い。
【0039】
また、流路部材3,4と流路部材5,6とが直接繋がっていない。従って、筐体120外の流路部材5,6に外力が加わった場合であっても、同外力は、筐体120内に配置された流路部材3,4には伝達され難い。即ち、流路部材3,4は、筐体120内で移動し難い。その結果、流路部材3,4が筐体120内の他の部品と接触することが抑制される。
【0040】
また、好ましくは、各継手11は、少なくとも1つの突出部114を更に有する。第一実施形態では、少なくとも1つの突出部114は、少なくとも2つの突出部114A,114Bである。少なくとも1つの突出部114は、中間部113と、少なくとも2つの装着部112の1つとの間から、第一交差方向D01に突出する。特に、突出部114Aは、中間部113と、装着部112Aとの間から、第一交差方向D01に突出する。突出部114Bは、中間部113と、装着部112Bとの間から、第一交差方向D01に突出する。各突出部114と固定部12とが互いに当接することで、流路111に沿う延伸方向D02に各継手11が移動しない(図7を特に参照)。延伸方向D02は、第二方向Xに沿う方向である。
【0041】
突出部114A,114Bは、更に具体的には中間部113の外周面の全周から第一交差方向D01に環状又は鍔状に突出する。
【0042】
各継手11が突出部114A,114Bを有する場合、固定部12は、2つの突出部114A,114Bの間に位置し、これらの間に位置する中間部113に当接する。従って、第一交差方向D01及び延伸方向D02に交差する第二交差方向D03にも各継手11は容易に位置決めされる(図4を特に参照)。実施形態では、第二交差方向D03は、第一方向Zに沿っている。
【0043】
より詳細には、固定部12は、2つの突出部114A,114Bとも当接する。従って、各継手11の延伸方向D02への移動(位置ずれ)が更に抑制される。
【0044】
固定部12は、板金121,122を有する(図5を特に参照)。板金121,122は、本開示における「第一板金」及び「第二板金」の一例である。板金121,122は、第一交差方向D01に拡がる板状である。第一実施形態では、板金121,122は、金属製であり、第一方向Z及び第三方向Yに拡がる。第一実施形態では、各板金121,122の第一方向Zにおける寸法は、開口140の同方向における寸法と概ね同じである。各板金121,122の第三方向Yにおける寸法は、開口140の同方向における寸法と概ね同じである。各板金121,122の第二方向Xにおける寸法は、突出部114A,114B間の同方向における間隔の半分に概ね同じである。各板金121,122の第二方向Xにおける寸法は、中間部113の同方向における間隔の半分に概ね同じである。
【0045】
板金121は、継手11と同数の受け部1211として受け部1211A,1211Bを有する。板金122は、継手11と同数の受け部1221として受け部1221A,1221Bを有する。受け部1211,1221は、本開示の「第一受け部」及び「第二受け部」の一例である。各受け部1211,1221は、流路111に交差する第二交差方向D03の一方側及び他方側から中間部113をそれぞれ受ける(図4図5を特に参照)。これにより、受け部1211,1221により、継手11を簡単な構造で支持できる。
【0046】
詳細には、各受け部1211,1221は、図5に明示されるように、切り欠き加工により形成され、下記のような形状を有する。受け部1211Aは、第一方向一方Z1側の端部に、第二方向Xからの平面視で円弧L01をなす曲面S01になっている。円弧L01は、第一方向他方Z2を向いている。円弧L01の中心角は180°である。円弧L01の弦は、第三方向Yに沿って延びており、中間部113(図6参照)の外周面の径と概ね同じ長さを有する。受け部1211Aは更に、曲面S01の両端から、板金121の第一方向他方Z2の端に至る側面S02,S03を有する。側面S02,S03の第三方向Yにおける間隔は、円弧L01の弦の長さよりも広い。
【0047】
受け部1211Bは、受け部1211Aを第三方向他方Y2に第一所定距離だけ平行移動させた形状でよい。よって、受け部1211Bの詳説を控える。
【0048】
受け部1221Aは、第一方向他方Z2側の端部に、第二方向Xからの平面視で円弧L11をなす曲面S11になっている。円弧L11は、第一方向一方Z1を向いている。円弧L11の中心角及び弦は、円弧L01と同じである。板金121,122をぴったりと重ね合わせた場合に円弧L01と円弧L11とは円形をなす。受け部1221Aは更に、曲面S11の両端から、板金122の第一方向一方Z1の端に至る側面S12,S13を有する。
【0049】
受け部1221Bは、受け部1221Aを第三方向他方Y2に第二所定距離だけ平行移動させた形状でよい。よって、受け部1221Bの詳説を控える。従って、板金121,122をぴったりと重ね合わせた場合に、受け部1221A,1221Bは、第二方向Xからの平面視で円を形成する。
【0050】
継手ユニット1を組み立てる場合、受け部1211A,1221Aは、第二交差方向D03の一方側及び他方側から、継手11Aの中間部113を挟み込む。受け部1211A,1221Aは、曲面S01,S11で中間部113を受ける(図4図5を特に参照)。同様に、受け部1211B,1221Bは、継手11Bの中間部113を受ける。そして、板金121,122がぴったりと重ね合わせられた状態で、板金121,122は、ねじ123により締結される。上記形状の受け部1211,1221により、継手11は、簡単な構造で固定部12に支持される。また、固定部12において継手11A,11Bが第一交差方向D01に固定されるため、継手ユニット1を筐体120に組み付けることが容易になるとともに、流路部材3,4を筐体120内で引き回し易くなる。
【0051】
「第二実施形態」
図8は、第二実施形態に係る継手ユニット1及びその周辺を示す斜視図である。図9は、図8に示される継手ユニット1の拡大図である。図10は、図9に示される継手ユニット1の分解図である。
【0052】
継手ユニット1の説明に先立ち、コールドプレート500についてより詳細に説明する。図8に示されるように、二個一対のコールドプレート500は、コールドプレート500A,500Bを含む。コールドプレート500A,500Bは、第一実施形態と同様であるため、それぞれの詳説を控える。
【0053】
図8図10に示されるように、継手ユニット1は、第一実施形態と同様、構成要素として、少なくとも1つの継手11と、固定部12とを備える。少なくとも1つの継手11は、第一実施形態と同様、2つの継手11A,11Bである。
【0054】
各継手11は、第一実施形態と同様、少なくとも2つの装着部112と、中間部113とを有する。少なくとも2つの装着部112は、第一実施形態と同様、2つの装着部112A,112Bである。装着部112A,112Bの各々は、第一実施形態と比較すると、下記の点で相違する。
【0055】
装着部112Aは、カップリングソケットであり、流路111にバルブ1121を更に有する。
【0056】
第一実施形態と同様、4つの装着部112には、流路部材2~5が装着される。但し、継手11Aの装着部112A(即ち、カップリングソケット)には、流路部材5の他方端51(図3参照)に取り付けられたカップリングプラグ(図示せず)が装着される。継手11Bの装着部112Aには、流路部材2の他方端21(図3参照)に取り付けられたカップリングプラグ(図示せず)が装着される。即ち、継手11A,11Bの装着部112Aには、流路部材5,2がカップリングプラグを介してそれぞれ装着される。従って、本開示の「装着部112に流路部材2~5が装着される」という記載は、「装着部112に流路部材2~5が直接装着される」という概念と、「装着部112に流路部材2~5がカップリングを介して装着される」という概念とを含む。カップリングプラグの装着に応じて、各装着部112Aの流路111に設けられたバルブ1121が開く。それに対し、カップリングプラグの取り外しに応じて、各装着部112Aのバルブ1121が閉じる。
【0057】
各継手11において、中間部113は、第一実施形態と比較すると、大径部1131と、小径部1132とを有する点で相違する。
【0058】
大径部1131及び小径部1132は、延伸方向D02において並んでいる。詳細には、小径部1132は、大径部1131に対して延伸方向D02の隣りに位置する。延伸方向D02は、前述の通り、第二方向Xに沿う方向である。更に詳細には、小径部1132は、大径部1131に対して第二方向一方X1において隣接する。
【0059】
大径部1131及び小径部1132はいずれも、中心軸を共有する略円柱形状である。大径部1131は、所定の径と、所定の高さを有する。高さは、第二方向Xにおける寸法である。小径部1132は、大径部1131よりも小径である。小径部1132は、大径部1131よりも高い高さを有する。大径部1131及び小径部1132の各径は、各装着部112の最大径よりも大きい(図10及び図12を特に参照)。
【0060】
固定部12は、第一実施形態と比較すると、板金125と、本体126とを有する点で相違する。
【0061】
板金125は、金属製であり、第一方向Z及び第三方向Yに拡がる。第二実施形態では、板金125の第一方向Zにおける寸法は、開口140(図2参照)の同方向における寸法と概ね同じである。板金125の第三方向Yにおける寸法は、開口140の同方向における寸法と概ね同じである。
【0062】
板金125は、継手11と同数の貫通孔1251として、貫通孔1251A,1251Bを有する。各貫通孔1251は、図10に明示されるように、プレス加工により形成され、板金125を延伸方向D02に貫通する。詳細には、貫通孔1251Aは、曲面S11を有する。曲面S11は、第二方向Xからの平面視で、概ね円形に近い円弧L11を有する。円弧L11の中心角は360°に近い角度である。また、円弧L11の径は、小径部1132の径を概ね同径である。貫通孔1251Aは更に、曲面S11の両端から、板金125の第一方向他方Z2の端に至る側面S12,S13を有する。
【0063】
貫通孔1251Bは、貫通孔1251Aを第三方向他方Y2に第二所定距離だけ平行移動させた形状でよい。よって、貫通孔1251Bの詳説を控える。
【0064】
固定部12は、板金125に抜け止め部1252を更に有する。詳細には、抜け止め部1252は、板金125と一体であり、板金125における各貫通孔1251よりも第一方向他方Z2側から第二方向他方X2に突出する。抜け止め部1252は、第二方向X及び第三方向Yに拡がる板状である。
【0065】
本体126は、例えば合成樹脂による成形品である。本体126は、第二方向Xに長い寸法を有する。詳細には、本体126の第二方向Xにおける寸法は、第一方向Z及び第三方向Yにおける寸法よりも大きい。
【0066】
本体126は、複数の端面1261と、複数の端面1262と、複数の端面1263とを有する。各端面1261は、本体126における第二方向一方X1側の端を規定する。各端面1261は、第一方向Z及び第三方向Yに拡がる平坦面であって、互いに面一である。「面一」は、段差無く平行であるという意味である。各端面1262は、本体126における第二方向他方X2側の端を規定する。各端面1262は、各端面1261から第二方向他方X2に離れて位置し、各端面1261と略平行である。各端面1263は、本体126における第一方向他方Z2側の端を規定する。各端面1263は、第二方向X及び第三方向Yに拡がる平坦面であって、互いに面一である。
【0067】
本体126は、継手11と同数の凹部1264として、凹部1264A,1264Bを更に有する。凹部1264Aは、図10及び図11に示されるように、各端面1263から第一方向一方Z1に向かって凹む。即ち、凹部1264Aは、第一方向他方Z2に向かって開放されている。凹部1264Aは、端面1261から端面1262までにわたって、延伸方向D02に沿って延びる。詳細には、凹部1264Aは、受け部127,128,129を更に有する。受け部127,128は、本開示の「第二受け部」及び「第一受け部」の他の一例である。
【0068】
受け部127は、受け部127,128,129の中で、最も第二方向一方X1側に位置する。受け部127の形状は、第二方向Xから平面視で円弧L21である。円弧L21は、小径部1132と同じ径を有するとともに、180°の中心角を有する。受け部127は、端面1261から第二方向Xに延びる。受け部127は、第二方向Xにおいて小径部1132と同じ寸法を有する。
【0069】
受け部128は、受け部127と第二方向他方X2側で隣接する。受け部128の形状は、第二方向Xから平面視で円弧L22である。円弧L22は、大径部1131と同じ径を有するとともに、180°の中心角を有する。また、円弧L21,L22は中心を共有する。受け部128は、第二方向Xにおいて、大径部1131と同じ寸法を有する。
【0070】
受け部129は、受け部128と第二方向他方X2側で隣接し、第二方向Xに延びて端面1262に至る。受け部129の形状は、第二方向Xからの平面視で円弧L23である。円弧L23は、小径部1132の径よりも小さく、装着部112の径よりも大きい。円弧L23は、円弧L21,L22と中心を共有し、180°の中心角を有する。
【0071】
凹部1264Bは、凹部1264Aを第三方向他方Y2に第二所定距離だけ平行移動させた形状でよい。よって、凹部1264Bの詳説を控える。
【0072】
継手ユニット1を組み立てる場合、凹部1264A,1264Bには、継手11A,11Bがはめ込まれる(図12参照)。換言すると、凹部1264A,1264Bにおいて、受け部127~129は、第二交差方向D03の他方側から、継手11A,11Bを受ける。詳細には、各受け部127,128は、小径部1132及び大径部1131を第二交差方向D03の他方側から受ける(図10及び図12を特に参照)。受け部127,128により、継手11A,11Bを支持できるとともに、第一方向Z、第二方向X及び第三方向Yにおける継手11A,11Bの位置決めが容易になる。
【0073】
また、板金125の貫通孔1251A,1251Bに、継手11A,11Bの装着部112Aが挿通された状態で、板金125は、ねじ1210により本体126の端面1261に締結される。従って、板金125において、貫通孔1251A,1251Bの縁が継手11A,11Bに当接する。その結果、固定部12から継手11が脱落し難くなる。また、固定部12において継手11A,11Bが第一交差方向D01に並ぶため、継手ユニット1を筐体120に組み付けることが容易になるとともに、流路部材3,4を筐体120内で引き回し易くなる。
【0074】
また、継手ユニット1を組み立てた場合、抜け止め部1252が、凹部1264A,1264Bの少なくとも一部と第一方向Zにおいて重なる。従って、抜け止め部1252により、各貫通孔1251に装着部112Aを挿通させた場合に、継手11A,11Bが各貫通孔1251から脱落し難い。
【0075】
また、図面は、本開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0076】
なお、本技術は、以下のような構成を採用することも可能である。
【0077】
(1)貫通する流路を有する継手と、
前記継手が取り付けられる固定部と
を備え、
前記継手は、
チューブが装着される少なくとも2つの装着部と、
前記少なくとも2つの装着部の間に位置する中間部と
を有し、
前記固定部は、前記流路に交差する第一交差方向に延びており、前記中間部に当接する、継手ユニット。
【0078】
(2)前記継手は、前記中間部と、前記少なくとも2つの装着部の1つとの間から、前記第一交差方向に突出する突出部を更に有する、上記(1)に記載の継手ユニット。
【0079】
(3)前記継手は、前記中間部と、前記少なくとも2つの装着部との間から、前記第一交差方向に突出する少なくとも2つの突出部を更に有し、
前記固定部は、前記2つの突出部の間に位置し、前記2つの突出部の間に位置する前記中間部に当接する、上記(1)に記載の継手ユニット。
【0080】
(4)前記固定部は、前記第一交差方向に拡がる第一板金及び第二板金を有し、
前記第一板金は、前記流路に交差する第二交差方向の一方側から前記中間部を受ける第一受け部を有し、
前記第二板金は、前記第二交差方向の他方側から前記中間部を受ける第二受け部を有する、上記(1)から(3)のいずれかに記載の継手ユニット。
【0081】
(5)前記中間部は、
所定の径を有する大径部と、
前記大径部に対して前記流路に沿う延伸方向の隣りに位置し、前記大径部よりも小径の小径部と
を有し、
前記固定部は、
前記大径部を前記流路に交差する第二交差方向の他方側から受ける第一受け部と、
前記小径部を前記第二交差方向の他方側から受ける第二受け部と
を有する、上記(1)から(4)のいずれかに記載の継手ユニット。
【0082】
(6)前記装着部が挿通される貫通孔を有し、前記貫通孔の縁が前記継手に当接する板金を、前記固定部は更に有する、上記(5)に記載の継手ユニット。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示に係る継手ユニットは、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0084】
1000:冷却システム
1 :継手ユニット
2~6 :流路部材
11 :継手
111 :流路
112 :装着部
113 :中間部
114 :突出部
12 :固定部
121 :板金
122 :板金
125 :板金
126 :本体
127 :受け部
128 :受け部
1131:大径部
1132:小径部
1211:受け部
1221:受け部
1251:貫通孔
D01 :第一交差方向
D02 :延伸方向
D03 :第二交差方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12