(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172322
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】カーテンウォールユニット
(51)【国際特許分類】
E04B 2/90 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
E04B2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089962
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 充
(72)【発明者】
【氏名】杉本 英一
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 日向子
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NB01
2E002NB02
2E002PA08
2E002PA09
2E002UB01
2E002UB16
2E002VA04
2E002XA11
2E002XA14
(57)【要約】
【課題】カーテンウォールユニットのスパンドレル部に設けられる中空層の内部での結露の発生を抑制しつつ、中空層から屋外空間への排水を防止する。
【解決手段】カーテンウォールユニット2は、スパンドレル部2Aの屋外側パネル体20と屋内側パネル体21の間に形成された中空層22を備え、左右方向Sに並べて設置されたときに、左右方向Sに隣り合う互いの枠体3により、屋外空間15と等圧な等圧空間17を形成する。枠体3は、中空層22の左右の両側に位置して等圧空間17を形成する縦枠6を有する。縦枠6は、等圧空間17と中空層22とを連通させて通気するとともに等圧空間17に向かって排水する第1連通孔70と、等圧空間17の外部に位置して屋外空間15と通気する通気空間18と中空層22とを連通させて通気する第2連通孔71を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、スパンドレル部に設けられて前記枠体に保持された屋外側パネル体及び屋内側パネル体と、前記屋外側パネル体と前記屋内側パネル体の間に形成された中空層と、を備え、左右方向に並べて設置されたときに、左右方向に隣り合う互いの前記枠体により、屋外空間と等圧な等圧空間を形成するカーテンウォールユニットであって、
前記枠体は、前記中空層の左右の両側に位置して前記等圧空間を形成する縦枠を有し、
前記縦枠は、前記等圧空間と前記中空層とを連通させて通気するとともに前記等圧空間に向かって排水する第1連通孔と、前記等圧空間の外部に位置して前記屋外空間と通気する通気空間と前記中空層とを連通させて通気する第2連通孔と、を有するカーテンウォールユニット。
【請求項2】
請求項1に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記通気空間は、前記等圧空間よりも屋外側に位置して前記屋外空間と通気する前記縦枠の内部空間であるカーテンウォールユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記縦枠は、前記第1連通孔に装着された排水弁と、前記第2連通とは異なる位置に形成され、前記通気空間と前記中空層とを連通させて通気する第3連通孔と、を有するカーテンウォールユニット。
【請求項4】
請求項1又は2に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記枠体は、前記中空層の下側に位置する無目を有し、
前記無目は、前記第1連通孔に向かって斜め下方に傾斜する傾斜面部を有するカーテンウォールユニット。
【請求項5】
請求項1又は2に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記枠体は、前記中空層の下側に位置する無目を有し、
前記無目は、前記縦枠に向かって開放された端部の開口の箇所に前記第1連通孔を位置させて前記縦枠に接する中空部を有し、
前記第1連通孔は、前記中空部の内部空間を介して前記中空層と連通するカーテンウォールユニット。
【請求項6】
請求項5に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記中空部は、前記中空層と前記中空部の内部空間とに向かって開放されて通気するとともに前記中空層から前記中空部の内部空間に向かって水を通過させる開放孔を有するカーテンウォールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパンドレル部に中空層が設けられたカーテンウォールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
スパンドレル部に中空層が設けられたカーテンウォールユニットでは、スパンドレル部の2つのパネル体が枠体に保持されて、2つのパネル体の間に中空層が形成される。このような中空層では、中空層の内部の湿度と中空層の内外の温度差等により、中空層の内部で結露が生じることがある。これに対し、従来、スパンドレル部において、下側の無目材に設けた吸気兼結露流出孔と上側の無目材に設けた排気孔により、中空層である密閉空間での結露を抑制するカーテンウォールが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来のカーテンウォールでは、大気中の空気が吸気兼結露流出孔から密閉空間に流入し、密閉空間の空気が排気孔から排出される。これにより、密閉空間の温度を大気温度に近づけて、結露を抑制している。また、密閉空間で結露が生じたときには、結露の水を吸気兼結露流出孔から大気へ流出させる。ところが、結露の水は、吸気兼結露流出孔を通ってカーテンウォールの屋外側に位置する屋外空間に排出される。これに伴い、大気温度によっては、カーテンウォールの屋外側で、吸気兼結露流出孔から排出された水が凍結する虞がある。また、寒冷地では、水の凍結により、氷柱が生じることも懸念される。そのため、従来のカーテンウォールにおいては、密閉空間から屋外空間への排水に対処することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、カーテンウォールユニットのスパンドレル部に設けられる中空層の内部での結露の発生を抑制しつつ、中空層から屋外空間への排水を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
枠体と、スパンドレル部に設けられて前記枠体に保持された屋外側パネル体及び屋内側パネル体と、前記屋外側パネル体と前記屋内側パネル体の間に形成された中空層と、を備え、左右方向に並べて設置されたときに、左右方向に隣り合う互いの前記枠体により、屋外空間と等圧な等圧空間を形成するカーテンウォールユニットであって、
前記枠体は、前記中空層の左右の両側に位置して前記等圧空間を形成する縦枠を有し、
前記縦枠は、前記等圧空間と前記中空層とを連通させて通気するとともに前記等圧空間に向かって排水する第1連通孔と、前記等圧空間の外部に位置して前記屋外空間と通気する通気空間と前記中空層とを連通させて通気する第2連通孔と、を有するカーテンウォールユニットである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カーテンウォールユニットのスパンドレル部に設けられる中空層の内部での結露の発生を抑制しつつ、中空層から屋外空間への排水を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のカーテンウォールを示す正面図である。
【
図2】第1実施形態のカーテンウォールを示す縦断面図である。
【
図3】第1実施形態のカーテンウォールを示す横断面図である。
【
図4】第1実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す縦断面図である。
【
図5】第1実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す横断面図である。
【
図6】第2実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す縦断面図である。
【
図7】第2実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す横断面図である。
【
図8】第3実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す縦断面図である。
【
図9】第3実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す横断面図である。
【
図10】第4実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す縦断面図である。
【
図11】第4実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す横断面図である。
【
図12】第5実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す縦断面図である。
【
図13】第5実施形態のカーテンウォールユニットのスパンドレル部を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のカーテンウォールユニットの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のカーテンウォールユニットは、建物のカーテンウォールに用いられて、建物の外壁に設けられる。複数のカーテンウォールユニットは、互いに組み合わされて、カーテンウォールの一部を構成する。カーテンウォールユニット及びカーテンウォールは、建物の外壁で、建物の屋内(室内)と屋外(室外)の間に設置されて、建物の外壁を形成する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のカーテンウォール1を示す正面図であり、建物10に設置されたカーテンウォール1の一部及びカーテンウォールユニット2を屋外側からみて示している。
図2は、第1実施形態のカーテンウォール1を示す縦断面図であり、上下方向Rと屋内外方向Tを含む面で切断したカーテンウォール1と建物10の一部を示している。
図3は、第1実施形態のカーテンウォール1を示す横断面図であり、左右方向Sと屋内外方向Tを含む面で切断したカーテンウォール1を示している。
【0011】
なお、建物10に設置したカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2を正面からみたときに、上下となる方向が上下方向Rであり、左右となる方向が左右方向Sである。
図1では、上下方向Rは鉛直方向であり、左右方向Sは水平方向である。屋内外方向Tは、建物10に設置したカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2における屋内外方向(室内外方向)である。また、屋内外方向Tは、建物10に設置したカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2を正面からみたときに、前後となる方向(奥行方向)であり、
図1では、左右方向Sに直交する水平方向である。このように、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2に関する方向は、建物10に設置した状態での方向で特定する。また、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2に関して屋内側、屋外側とは、建物10に設置した状態での屋内側、屋外側である。
【0012】
図示のように、建物10は、カーテンウォール1と、躯体11と、建物10の上下階の間の境界部分12と、建物10の各階のフロア部分13を備えている。建物10の躯体11、境界部分12、及び、フロア部分13は、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2の屋内側に位置している。躯体11は、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2が取り付けられる取付体である。境界部分12は、建物10の上階と下階の間の境界に位置する部分であり、上階のフロア部分13と下階のフロア部分13の間に位置している。フロア部分13は、建物10の屋内の使用部分であり、上下の境界部分12の間に位置している。
【0013】
カーテンウォール1は、建物10に並べて設置される複数のカーテンウォールユニット2を備えている。カーテンウォールユニット2は、カーテンウォール1を構成するユニットであり、建物10への設置前に、予め組み立てられる。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の外壁14の箇所に設置されて、建物10の外壁14を構成している。カーテンウォールユニット2は、上下方向Rと左右方向Sに並べて設置されて、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット2と互いに組み合わされている。
【0014】
カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の躯体11の屋外側に配置されて、建物10の躯体11に取り付けられている。その状態で、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の境界部分12と屋外空間15の間、及び、建物10のフロア部分13と屋外空間15の間に位置して、外気に接する。屋外空間15は、建物10、カーテンウォール1、及び、カーテンウォールユニット2の屋外の空間であり、外気は、屋外空間15の空気である。
【0015】
カーテンウォールユニット2は、上下方向Rにおいて隣り合うスパンドレル部2A及びビジョン部2Bと、スパンドレル部2Aの開口部3A及びビジョン部2Bの開口部3Bを区画する枠体3を備えている。スパンドレル部2Aとビジョン部2Bは、上下に並べてカーテンウォールユニット2に設けられて、各カーテンウォールユニット2で互いに隣り合うとともに、上下方向Rに隣り合うカーテンウォールユニット2の間で互いに隣り合う。また、スパンドレル部2Aとビジョン部2Bは、カーテンウォール1に、上下方向Rに交互に設けられるとともに、それぞれ左右方向Sに並べて設けられている。
【0016】
スパンドレル部2Aは、建物10の境界部分12の屋外側に位置する腰部であり、カーテンウォールユニット2の上下方向Rにおける一方側に設けられている。ビジョン部2Bは、建物10のフロア部分13の屋外側に位置する窓部であり、カーテンウォールユニット2の上下方向Rにおける他方側に設けられている。ここでは、スパンドレル部2Aは、カーテンウォールユニット2の上側部分であり、ビジョン部2Bの上側に位置している。また、ビジョン部2Bは、カーテンウォールユニット2の下側部分であり、スパンドレル部2Aの下側に位置している。スパンドレル部2Aは、屋内外方向Tにおいて、建物10の境界部分12(境界部分12の屋内空間12A)と屋外空間15の間に位置し、境界部分12と相対する。ビジョン部2Bは、屋内外方向Tにおいて、建物10のフロア部分13(フロア部分13の屋内空間13A)と屋外空間15の間に位置し、フロア部分13と相対する。
【0017】
枠体3は、方形状の開口枠であり、カーテンウォールユニット2のスパンドレル部2A及びビジョン部2Bに設けられている。また、枠体3は、建物10の躯体11の屋外側に配置されて、建物10の躯体11に取り付けられている。複数のカーテンウォールユニット2の枠体3は、上下方向Rと左右方向Sに並べて設置されて、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット2の枠体3と互いに組み合わされている。枠体3は、スパンドレル部2Aに開口部3Aを形成するとともに、ビジョン部2Bに開口部3Bを形成している。スパンドレル部2Aの開口部3Aは、枠体3の上側開口部であり、ビジョン部2Bの開口部3Bの上側に位置し、ビジョン部2Bの開口部3Bから上方に離隔して形成されている。ビジョン部2Bの開口部3Bは、枠体3の下側開口部であり、スパンドレル部2Aの開口部3Bの下側に位置し、スパンドレル部2Aの開口部3Aから下方に離隔して形成されている。
【0018】
枠体3は、互いに組み合わされた4つの枠4~6(上枠4、下枠5、一対の縦枠6)と無目7を有し、枠4~6と無目7により、方形状の開口部3A、3Bを形成している。枠体3の枠4~6と無目7は、枠体3を構成する枠構成材であり、それぞれ押出成形により形成された金属製(例えば、アルミニウム合金製)の形材からなる。また、上枠4、下枠5、及び、無目7は、横方向(左右方向S)に延びる横材であり、一対の縦枠6は、縦方向(上下方向R)に延びる縦材である。上枠4と下枠5は、枠体3の上部と下部に位置し、一対の縦枠6は、枠体3の左右の側部に位置している。上枠4、下枠5、及び、一対の縦枠6の端部同士が接続されて、枠4~6が枠組みされている。
【0019】
無目7は、枠体3の上下方向Rの中間に位置する中横枠であり、上枠4と下枠5の間に位置して、一対の縦枠6に接続されている。無目7は、一対の縦枠6に架設されて、枠体3の内側(開口部3A、3B)を上下に区画している。スパンドレル部2A及び開口部3Aは、枠体3の上枠4、一対の縦枠6、及び、無目7により区画され、開口部3Aは、枠体3の上枠4、一対の縦枠6、及び、無目7により囲まれている。ビジョン部2B及び開口部3Bは、枠体3の下枠5、一対の縦枠6、及び、無目7により区画され、開口部3Bは、枠体3の下枠5、一対の縦枠6、及び、無目7により囲まれている。
【0020】
図4は、第1実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す縦断面図であり、
図2のスパンドレル部2Aを含む部分を拡大して示している。
図示のように、カーテンウォールユニット2は、スパンドレル部2Aに設けられた2つのパネル体20、21(屋外側パネル体20、屋内側パネル体21)及び中空層22を備えている。パネル体20、21は、方形状のパネル状部材であり、枠体3のスパンドレル部2Aの開口部3Aに配置されて、枠体3に保持されている。
【0021】
スパンドレル部2Aで、カーテンウォールユニット2及び枠体3は、屋外空間15と建物10の境界部分12の屋内空間12Aの間に設置されている。また、屋外側パネル体20は、屋外側(屋外空間15側)に位置し、屋内側パネル体21は、屋内側(屋内空間12A側)に位置している。屋外側パネル体20は、ガラスパネル体(例えば、合わせガラス、板ガラス、又は、複層ガラス)であり、開口部3Aで屋外側の箇所に設けられている。屋内側パネル体21は、バックパネル(例えば、耐火パネル、金属パネル)であり、開口部3Aで屋内側の箇所に設けられている。
【0022】
パネル体20、21は、固定パネル体であり、それぞれ枠体3のスパンドレル部2Aの開口部3Aに固定されている。スパンドレル部2Aで、パネル体20、21は、枠体3の上枠4、一対の縦枠6、及び、無目7に囲まれて、上枠4、一対の縦枠6、及び、無目7に装着されている。これにより、パネル体20、21は、上枠4、一対の縦枠6、及び、無目7に保持されて、枠体3に固定されている。また、屋外側パネル体20と屋内側パネル体21は、屋内外方向Tに離隔して配置されて、屋内外方向Tにおいて、互いの間に中空層22を挟んで相対する。
【0023】
中空層22は、スパンドレル部2Aに設けられた空間部(スパンドレル空間)であり、スパンドレル部2Aの開口部3Aで、屋内外方向Tにおいて、屋外側パネル体20と屋内側パネル体21の間に形成されている。中空層22は、屋外側パネル体20の屋内側、かつ、屋内側パネル体21の屋外側に位置し、枠体3により囲まれて、枠体3の内側(開口部3A)に形成されている。屋外側パネル体20は、屋内側パネル体21及び中空層22の屋外側、かつ、屋外空間15と中空層22の間に位置し、屋内側パネル体21は、屋外側パネル体20及び中空層22の屋内側、かつ、建物10の境界部分12(屋内空間12A)と中空層22の間に位置している。
【0024】
中空層22は、枠体3の上枠4、無目7、及び、一対の縦枠6により上下左右において囲まれて、上下方向Rにおいて、上枠4と無目7の間に形成され、左右方向Sにおいて、一対の縦枠6の間に形成されている。上枠4は、パネル体20、21及び中空層22の上側に位置し、パネル体20、21の上縁部を保持して、中空層22の上縁部を区画している。無目7は、パネル体20、21及び中空層22の下側に位置し、パネル体20、21の下縁部を保持して、中空層22の下縁部を区画している。一対の縦枠6は、パネル体20、21及び中空層22の左右の両側に位置し、無目7の上側で、パネル体20、21の左右の縦縁部を保持して、中空層22の左右の縦縁部を区画している。
【0025】
カーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aで、中空層22は、中空状の無目7の上側に位置している。無目7は、左右方向Sにおいて、一対の縦枠6の間に配置されて、無目7の長手方向(左右方向S)における端部において縦枠6に接する。また、無目7は、中空層22の下縁部を区画する無目本体30と、無目本体30に取り付けられた横押縁40を有している。無目本体30は、無目7の本体を構成する中空状の本体部であり、パネル体20、21を保持している。横押縁40は、横方向に延びる押縁(無目押縁)であり、無目本体30の屋外側に位置して、屋外側パネル体20を保持している。屋外側パネル体20(屋外側パネル体20の下縁部)は、屋内外方向Tにおいて、無目本体30と横押縁40の間に配置されて、無目本体30と横押縁40の間に保持されている。
【0026】
無目7の無目本体30は、水平面に対して傾斜する傾斜面部31を有している。傾斜面部31は、無目本体30及び無目7の上面部であり、屋外側パネル体20の屋内側、かつ、屋内側パネル体21の屋外側に位置している。傾斜面部31は、中空層22の下側に位置して、中空層22に面する。無目7の長手方向に直交する断面をみたときに、傾斜面部31は、水平方向(屋内外方向T)に対して傾斜するとともに、屋外側の端部と屋内側の端部のそれぞれから屋内外方向Tの中間部に向かって斜め下方に傾斜している。傾斜面部31は、屋外側パネル体20と屋内側パネル体21の間に位置し、無目7の長手方向における端部において縦枠6に接する。
【0027】
図5は、第1実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す横断面図であり、左右の2つのカーテンウォールユニット2の互いに隣り合う箇所を示している。
図示のように、複数のカーテンウォールユニット2及び枠体3は、建物10の外壁14に、左右方向Sに並べて設置されている。左右方向Sに並べて設置された左右のカーテンウォールユニット2及び枠体3は、左右方向Sに隣り合う。また、左右方向Sに隣り合う左右のカーテンウォールユニット2の枠体3の縦枠6は、左右方向Sに間隔をあけて配置されて、左右方向Sに隣り合い、左右方向Sにおいて相対する。
【0028】
カーテンウォールユニット2は、左右方向Sに並べて設置されたときに、左右方向Sに隣り合う互いの枠体3及び縦枠6により、目地空間16を形成するとともに、屋外空間15と等圧な等圧空間17を形成する。目地空間16は、左右方向Sに隣り合うカーテンウォールユニット2の枠体3及び縦枠6の間の目地(縦目地)に形成される空間(隙間)であり、等圧空間17の屋外側に位置している。等圧空間17は、屋外空間15(外気)の気圧(外気圧)と等圧となる空間であり、目地空間16の屋内側に位置している。
【0029】
目地空間16と等圧空間17は、左右方向Sに隣り合うカーテンウォールユニット2の枠体3及び縦枠6の間に形成されて、縦枠6に沿って縦枠6の長手方向(上下方向R)に延びる。目地空間16は、屋外側パネル体20よりも屋内側の箇所で閉塞し、屋外空間15に向かって開放されて、屋外空間15と連通して通気する。
【0030】
等圧空間17は、屋外側の箇所(目地空間16の屋内側の箇所)と屋内側の箇所(目地空間16から屋内側に離隔した箇所)のそれぞれで閉塞している。また、等圧空間17は、縦枠6の下端部において、上下方向Rに隣り合うカーテンウォールユニット2の枠体3の間に形成される等圧空間(図示せず)と連通するとともに、連通部(図示せず)により、屋外空間15と連通する。左右方向Sに隣り合う左右の縦枠6は、互いの間に目地空間16及び等圧空間17を形成し、左右方向Sにおいて、目地空間16及び等圧空間17を挟んで相対する。
【0031】
カーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aで、中空層22は、一対の中空状の縦枠6の間に位置している。縦枠6は、中空層22の縦縁部を区画する縦枠本体50と、縦枠本体50に取り付けられた縦押縁60と、屋外側パネル体20が装着される装着溝部61と、屋外側パネル体20を保持する保持材62と、内部空間63、64を有している。縦枠本体50は、縦枠6の本体を構成する中空状の本体部であり、屋内側パネル体21を保持している。
【0032】
縦枠6の縦枠本体50は、見込み部51と、見込み部51の等圧空間17側に位置する嵌合部52と、見込み部51の目地空間16側に位置する中空部53を有している。見込み部51は、縦枠本体50の屋内側の端部と装着溝部61の間で、縦枠6の見込み方向(屋内外方向T)に沿って配置されている。また、見込み部51は、左右方向Sにおける中空層22の側方に位置して、中空層22に面する。嵌合部52は、縦枠6の長手方向に延び、見込み部51から左右方向Sにおける枠体3の側方に向かって突出している。
【0033】
嵌合部52は、2つの嵌合壁52A、52B(屋外側嵌合壁52A、屋内側嵌合壁52B)を有している。屋外側嵌合壁52Aと屋内側嵌合壁52Bは、屋内外方向Tに離隔して並列し、屋内外方向Tにおいて相対する。左右方向Sに隣り合うカーテンウォールユニット2の縦枠6において、一方のカーテンウォールユニット2の縦枠6の嵌合部52及び嵌合壁52A、52Bは、他方のカーテンウォールユニット2の縦枠6の嵌合部52内、及び、嵌合部52の2つの嵌合壁52A、52Bの間に配置される。これにより、左右方向Sに隣り合う縦枠6の嵌合部52が互いに嵌合する。
【0034】
互いに嵌合する2つの嵌合部52の屋外側嵌合壁52Aは、互いの間にレインバリアである水密材54を挟み、水密材54により、互いの間の箇所がシールされる。また、互いに嵌合する2つの嵌合部52の屋内側嵌合壁52Bは、互いの間にウインドバリアである気密材55を挟み、気密材55により、互いの間の箇所がシールされる。左右方向Sに隣り合うカーテンウォールユニット2は、互いの縦枠6の嵌合部52を嵌合させて設置され、互いに嵌合する嵌合部52内の箇所に等圧空間17を形成する。
【0035】
等圧空間17は、左右方向Sに隣り合う縦枠本体50の見込み部51と嵌合部52(嵌合壁52A、52B)により囲まれて形成される。嵌合部52の屋外側嵌合壁52Aは、等圧空間17と目地空間16の間に位置する仕切り部であり、等圧空間17と目地空間16を仕切るとともに、目地空間16を屋内側において仕切る。目地空間16は、屋外側嵌合壁52A(仕切り部)により、等圧空間17の屋外側の箇所で仕切られて閉塞している。中空部53は、屋内外方向Tにおいて、嵌合部52(屋外側嵌合壁52A)と装着溝部61の間に設けられて、等圧空間17の屋外側、及び、中空層22と目地空間16の間に位置している。
【0036】
縦押縁60は、縦方向に延びる押縁(縦枠押縁)であり、縦枠本体50の屋外側に位置している。また、縦押縁60は、縦枠本体50から屋外側パネル体20の屋外側まで配置されて、屋外側パネル体20を保持している。縦枠6の装着溝部61は、屋外側パネル体20(屋外側パネル体20の縦縁部)を保持する保持溝部であり、縦枠6の長手方向に延びる。装着溝部61は、縦枠本体50と縦押縁60により凹状に形成され、左右方向Sにおいて、スパンドレル部2Aの開口部3A側に向かって開放されている。屋外側パネル体20は、装着溝部61内に配置され、装着溝部61に装着されて保持されている。
【0037】
保持材62は、屋内外方向Tにおける装着溝部61の幅を調整する調整材であり、装着溝部61内に配置されて、装着溝部61に装着されている。また、保持材62は、屋内外方向Tにおいて、屋外側パネル体20(屋内側面)と縦枠本体50の間に配置されて、ネジ65により、縦枠本体50に固定されている。保持材62は、左右方向Sにおける中空層22の側方に位置して、中空層22に面する。
【0038】
縦枠6は、屋外側パネル体20(屋外側パネル体20の縦縁部)の屋外側に位置する縦押縁60により、屋外側パネル体20を屋外側において保持している。また、縦枠6は、屋外側パネル体20の屋内側に位置する保持材62により、屋外側パネル体20を屋内側において保持している。屋外側パネル体20は、屋内外方向Tにおいて、保持材62と縦押縁60の間に配置されて、保持材62と縦押縁60の間に保持されている。
【0039】
縦枠6には、少なくとも1つ(1つ又は複数)の内部空間63、64が形成されている。ここでは、縦枠6は、等圧空間17よりも屋外側に位置する2つの内部空間63、64(第1内部空間63、第2内部空間64)を有している。内部空間63、64は、縦枠6の内部に形成されて、屋内外方向Tにおいて、等圧空間17と屋外側パネル体20の間に位置している。内部空間63、64は、縦枠6におけるスパンドレル部2Aの下側の箇所又は縦枠6の下端部に設けられた連通口(図示せず)により、屋外空間15と連通する。
【0040】
第1内部空間63は、縦枠6の装着溝部61内の空間(ここでは、保持材62の内部に位置する箇所)であり、保持材62と縦枠本体50の間に形成されて、保持材62と縦枠本体50により囲まれている。第2内部空間64は、縦枠本体50の中空部53内の空間であり、屋内外方向Tにおいて、嵌合部52(屋外側嵌合壁52A)と装着溝部61の間に形成されている。内部空間63、64は、左右方向Sにおいて、中空層22と目地空間16の間に位置している。
【0041】
屋内外方向Tにおいて、第1内部空間63は、第2内部空間64の屋外側に位置する屋外側内部空間であり、第2内部空間64と屋外側パネル体20の間に位置している。また、第2内部空間64は、第1内部空間63の屋内側に位置する屋内側内部空間であり、等圧空間17と第1内部空間63の間に位置している。左右方向Sにおいて、保持材62は、中空層22と第1内部空間63の間に位置し、縦枠本体50の見込み部51は、中空層22と第2内部空間64の間に位置している。内部空間63、64は、等圧空間17よりも屋外側で、縦枠6の内部に位置し、屋外空間15と連通して、屋外空間15との間で通気する。
【0042】
図4、
図5に示すように、縦枠6は、中空層22を外部の空間と連通させる2つの連通孔70、71(第1連通孔70、第2連通孔71)を有している。第1連通孔70と第2連通孔71は、いずれも中空層22を換気する換気孔であり、上下方向Rにおける互いに異なる位置に設けられている。また、第1連通孔70は、通気孔と排水孔を兼ねる通気兼排水孔であり、中空層22の下部、又は、中空層22の下側に位置して、通気と排水とを行う。第2連通孔71は、通気孔であり、中空層22の上部に位置して、通気のみを行う。
【0043】
第1連通孔70は、等圧空間17と中空層22とを直接又は間接に連通させる縦枠6の第1連通部であり、等圧空間17と中空層22との間で直接又は間接に通気させる。第1連通孔70は、等圧空間17と中空層22のそれぞれに向かって空気を通過させて、空気を流通させる。また、第1連通孔70は、中空層22から等圧空間17に向かう排水経路に位置し、中空層22から等圧空間17に向かって流れる水を通過させる。このように、第1連通孔70は、等圧空間17と中空層22とを連通させて通気するとともに、等圧空間17に向かって水を排出(排水)する。
【0044】
第2連通孔71は、通気空間18と中空層22とを直接又は間接に連通させる縦枠6の第2連通部であり、通気空間18と中空層22との間で直接又は間接に通気させる。第2連通孔71は、通気空間18と中空層22のそれぞれに向かって空気を通過させて、空気を流通させる。通気空間18は、中空層22及び等圧空間17の外部に位置する外部空間であり、等圧空間17よりも屋外側に位置している。また、通気空間18は、屋外空間15と連通する連通空間であり、中空層22と屋外空間15の間に位置して、屋外空間15と通気する。通気空間18は、等圧空間17とは連通せず、屋外空間15及び中空層22と連通する。第2連通孔71は、通気空間18と中空層22とを連通させて通気する。
【0045】
ここでは、第1連通孔70は、中空層22の下部に位置し、等圧空間17と中空層22とを直接に連通させて、等圧空間17と中空層22との間で直接に通気させる。第1連通孔70は、等圧空間17と中空層22の間に位置し、中空層22から等圧空間17に向かって直接に排水させる。中空層22から等圧空間17に向かって流れる水は、第1連通孔70により、等圧空間17に排出されて、中空層22から除去される。また、通気空間18は、屋外空間15と通気する縦枠6の内部空間(ここでは、第1内部空間63)であり、縦枠6の内部に設けられている。第2連通孔71は、通気空間18と中空層22の間に位置し、通気空間18と中空層22とを直接に連通させて、通気空間18と中空層22との間で直接に通気させる。
【0046】
第1連通孔70は、縦枠本体50の見込み部51に形成され、見込み部51を左右方向Sに貫通して、左右方向Sの一方側に位置する等圧空間17と左右方向Sの他方側に位置する中空層22とに向かって開口している。第1連通孔70は、等圧空間17と中空層22とに面し、等圧空間17と中空層22とに向かって開放されて、等圧空間17と中空層22の間で、空気及び水を通過させる。無目7は、無目本体30に設けられた傾斜面部31を有しており、傾斜面部31により、第1連通孔70に向かって水を誘導する。第1連通孔70は、無目7の傾斜面部31の上側で、傾斜面部31に接する位置に設けられている。傾斜面部31は、水平方向に対し、第1連通孔70に向かって斜め下方に傾斜している。
【0047】
第1連通孔70は、中空層22の屋内外方向Tにおける中間部に位置している。無目7の傾斜面部31は、第1連通孔70が位置する箇所(屋内外方向Tにおける中間部)で最も低くなり、第1連通孔70が位置する箇所から屋外側の端部と屋内側の端部のそれぞれに向かって次第に高くなる。無目7の長手方向に直交する断面をみたときに、傾斜面部31は、水平方向(屋内外方向T)に対し、屋外側パネル体20と対向する屋外側の端部から第1連通孔70に向かって斜め下方に傾斜するとともに、屋内側パネル体21と対向する屋内側の端部から第1連通孔70に向かって斜め下方に傾斜している。
【0048】
水は、無目7の傾斜面部31の上で、水平方向に対する傾斜面部31の傾斜方向における上側から下側に流動して、第1連通孔70に向かって流れる。ここでは、中空層22の内部に結露が発生したときに、結露の水が傾斜面部31に沿って第1連通孔70まで流れて第1連通孔70により排出される。水は、中空層22から第1連通孔70を通って等圧空間17に向かって排出される。
【0049】
上下方向Rにおける位置をみたときに、第1連通孔70は、第2連通孔71よりも下方に位置する下方連通孔であり、第2連通孔71は、第1連通孔70よりも上方に位置する上方連通孔である。第2連通孔71は、縦枠6の保持材62に形成され、保持材62を左右方向Sに貫通して、左右方向Sの一方側に位置する通気空間18(第1内部空間63)と左右方向Sの他方側に位置する中空層22とに向かって開口している。第2連通孔71は、通気空間18と中空層22とに面し、通気空間18と中空層22とに向かって開放されて、通気空間18と中空層22の間で、空気を通過させる。第2連通孔71は、屋外側パネル体20の屋内側に隣接して、縦枠6の上部に設けられている。
【0050】
日光や外気温等によりスパンドレル部2Aの中空層22の空気が暖められて、空気の温度が上昇すると、中空層22の空気の密度が外気の密度よりも小さくなり、中空層22内で空気が上昇する。これに伴い、中空層22の空気は、縦枠6の第2連通孔71により、中空層22から通気空間18に排出される。同時に、等圧空間17の空気は、縦枠6の第1連通孔70により、等圧空間17から中空層22に供給される。これにより、中空層22が換気されて、中空層22の湿度が低下、又は、中空層22の湿度の上昇が緩和されて、中空層22の内部での結露の発生が抑制される。中空層22の内部に結露の水が生じたときには、第1連通孔70により、中空層22から等圧空間17に排水される。
【0051】
このように、縦枠6の第1連通孔70は、中空層22に空気を供給(給気)する給気孔と等圧空間17に水を排出(排水)する排水孔を兼ねる給気兼排水孔であり、縦枠6の第2連通孔71は、中空層22から空気を排出(排気)する排気孔である。第1連通孔70は、中空層22の下部で、等圧空間17から中空層22に向かって空気を通過させて、等圧空間17から中空層22に給気する。第1連通孔70により、空気が中空層22の下部から供給され、水が中空層22の下部から排出される。第2連通孔71は、中空層22の上部で、中空層22から通気空間18に向かって空気を通過させて、中空層22から通気空間18に排気する。第2連通孔71により、空気が中空層22の上部から排出される。
【0052】
これに対し、空気中の湿度の差により、空気の流れが生じて、湿度の高い空気が湿度の低い空気に向かって流れることがある。そのため、等圧空間17、通気空間18、及び、中空層22のそれぞれの湿度によっては、中空層22から第1連通孔70を通って等圧空間17に空気が流れ、通気空間18から第2連通孔71を通って中空層22に空気が流れることがある。この場合には、第1連通孔70により、中空層22から等圧空間17に排気され、第2連通孔71により、通気空間18から中空層22に給気される。
【0053】
以上説明したように、第1実施形態のカーテンウォールユニット2では、縦枠6の第1連通孔70と第2連通孔71により、中空層22を換気して、中空層22の内部での結露の発生を抑制することができる。また、第1連通孔70により等圧空間17に排水することで、中空層22から屋外空間15への排水を防止することができる。
【0054】
通気空間18は、屋外空間15と通気する縦枠6の第1内部空間63である。第2連通孔71による縦枠6の第1内部空間63と中空層22との間の通気により、中空層22の換気性能を確保しつつ、第2連通孔71及び中空層22への雨水の浸入を抑制することができる。また、屋外側パネル体20が装着される縦枠6の装着溝部61を利用して、通気空間18を縦枠6の内部に簡便に設けることもできる。無目7の傾斜面部31により、水を傾斜面部31に沿って第1連通孔70に向かって誘導して、第1連通孔70により、等圧空間17に向かって円滑に排水することができる。
【0055】
なお、1つの第1連通孔70を縦枠6に設けてもよく、複数の第1連通孔70を縦枠6に設けてもよい。また、1つの第2連通孔71を縦枠6に設けてもよく、複数の第2連通孔71を縦枠6に設けてもよい。縦枠6の縦枠本体50を複数の部材により構成して、縦枠本体50の複数の部材により、縦枠6の内部空間及び通気空間18を形成してもよい。通気空間18は、縦枠6の第1内部空間63に限定されず、例えば、屋外空間15と通気する目地空間16であってもよい。この場合には、縦枠6の目地空間16側の部分に通気可能なカバーを設けて、カバーにより、第2連通孔71の目地空間16に開口する箇所に雨水が入るのを防止する。このように、縦枠6の第2連通孔71を形成する部分は、保持材62に限定されず、中空層22と通気空間18とを連通可能な他の部分であってもよい。
【0056】
次に、他の実施形態のカーテンウォールユニット2について説明する。以下の各実施形態のカーテンウォールユニット2では、第1実施形態のカーテンウォールユニット2と同じ事項の説明は省略し、第1実施形態のカーテンウォールユニット2と相違する事項について主に説明する。また、以下の各実施形態のカーテンウォールユニット2に関し、第1実施形態のカーテンウォールユニット2の構成に相当する構成には、第1実施形態のカーテンウォールユニット2の構成と同じ名称及び符合を用いる。
【0057】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す縦断面図であり、
図4と同様に、カーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを含む部分を拡大して示している。
図7は、第2実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す横断面図であり、
図5と同様に、左右の2つのカーテンウォールユニット2の互いに隣り合う箇所を示している。
【0058】
図示のように、第2実施形態のカーテンウォールユニット2では、通気空間18と縦枠6の第2連通孔71が第1実施形態のカーテンウォールユニット2と相違している。通気空間18は、縦枠6の第2内部空間64であり、第2連通孔71は、縦枠6の縦枠本体50に設けられた見込み部51に形成されている。第2連通孔71は、縦枠本体50の見込み部51を左右方向Sに貫通して、左右方向Sの一方側に位置する通気空間18(第2内部空間64)と左右方向Sの他方側に位置する中空層22とに向かって開口している。
【0059】
なお、第1実施形態の通気空間18と第2連通孔71、及び、第2実施形態の通気空間18と第2連通孔71の両方をカーテンウォールユニット2に設けてもよい。この場合には、縦枠6の第1内部空間63と第2内部空間64の両方が通気空間18になり、互いに隔てられた2つの通気空間18が縦枠6に設けられる。また、2つの第2連通孔71が屋内外方向Tに互いに離隔して縦枠6に設けられる。
【0060】
第1内部空間63は、第2内部空間64の屋外側に位置する屋外側通気空間(第1通気空間)であり、第2内部空間64は、屋外側通気空間の屋内側に位置する屋内側通気空間(第2通気空間)である。第1内部空間63と中空層22とを連通させる第2連通孔71(第1実施形態の第2連通孔71)は、第2内部空間64と中空層22とを連通させる第2連通孔71(第2実施形態の第2連通孔71)の屋外側に位置する屋外側第2連通孔であり、第2実施形態の第2連通孔71は、第1実施形態の第2連通孔71の屋内側に位置する屋内側第2連通孔である。
【0061】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す縦断面図であり、
図4と同様に、カーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを含む部分を拡大して示している。
図9は、第3実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す横断面図であり、
図5と同様に、左右の2つのカーテンウォールユニット2の互いに隣り合う箇所を示している。
【0062】
図示のように、第3実施形態のカーテンウォールユニット2では、縦枠6は、第1連通孔70に装着された排水弁72と、第1連通孔70及び第2連通孔71とは異なる位置に形成された第3連通孔73を有している。排水弁72は、第1連通孔70を通って等圧空間17に向かう水の流れ(排水)のみを許容する一方向弁であり、等圧空間17に向かう排水を許容するとともに、等圧空間17側において第1連通孔70への水の浸入を阻止する。等圧空間17と中空層22は、第1連通孔70に設けられた排水弁72を介して、互いに連通して通気する。
【0063】
第3連通孔73は、中空層22を換気する換気孔である。縦枠6の3つの連通孔70、71、73は、上下方向Rにおける互いに異なる位置に設けられている。また、第3連通孔73は、通気孔であり、中空層22の下部に位置して、通気のみを行う。第3連通孔73は、縦枠6の第1内部空間63である通気空間18と中空層22とを直接又は間接に連通させる縦枠6の第3連通部であり、通気空間18と中空層22との間で直接又は間接に通気させる。第3連通孔73は、通気空間18と中空層22のそれぞれに向かって空気を通過させて、空気を流通させる。このように、第3連通孔73は、通気空間18と中空層22とを連通させて通気する。
【0064】
ここでは、第3連通孔73は、通気空間18と中空層22の間に位置し、通気空間18と中空層22とを直接に連通させて、通気空間18と中空層22との間で直接に通気させる。また、上下方向Rにおける位置をみたときに、第3連通孔73は、第2連通孔71よりも下方に位置する下方連通孔であり、第2連通孔71は、第3連通孔73よりも上方に位置する上方連通孔である。中空層22の下部において、第3連通孔73は、第1連通孔70よりも上方に位置している。
【0065】
第3連通孔73は、縦枠6の保持材62に形成され、保持材62を左右方向Sに貫通して、左右方向Sの一方側に位置する通気空間18(第1内部空間63)と左右方向Sの他方側に位置する中空層22とに向かって開口している。第3連通孔73は、通気空間18と中空層22とに面し、通気空間18と中空層22とに向かって開放されて、通気空間18と中空層22の間で、空気を通過させる。第2連通孔71と第3連通孔73は、通気空間18の上下方向Rにおける互いに異なる箇所(上方箇所、下方箇所)で、通気空間18と中空層22とを連通させる。
【0066】
スパンドレル部2Aの中空層22で空気の温度が上昇すると、縦枠6の第2連通孔71により、中空層22から通気空間18に空気が排出される。同時、縦枠6の第1連通孔70により、等圧空間17から中空層22に空気が供給されるとともに、縦枠6の第3連通孔73により、通気空間18から中空層22に空気が供給される。これにより、中空層22が換気される。
【0067】
このように、第3連通孔73は、中空層22に空気を供給(給気)する給気孔であり、中空層22の下部で、通気空間18から中空層22に向かって空気を通過させて、通気空間18から中空層22に給気する。第1連通孔70及び第3連通孔73により、空気が中空層22の下部から供給される。また、空気中の湿度の差に応じて、第2連通孔71により、通気空間18から中空層22に給気されるときには、第1連通孔70により、中空層22から等圧空間17に排気されるとともに、第3連通孔73により、中空層22から通気空間18に排気される。
【0068】
第1連通孔70への排水弁72の装着に伴い、第1連通孔70の通気性能に影響が生じて、第1連通孔70におる通気量が減少することがある。これに対し、第3連通孔73による通気により、第1連通孔70におる通気量の減少を補うことができる。そのため、第3実施形態のカーテンウォールユニット2では、排水弁72により、等圧空間17から第1連通孔70及び中空層22への水の浸入を妨げることができ、第3連通孔73により、中空層22の換気性能を確保することもできる。
【0069】
なお、1つの第3連通孔73を縦枠6に設けてもよく、複数の第3連通孔73を縦枠6に設けてもよい。通気空間18は、縦枠6の第1内部空間63に限定されず、例えば、目地空間16であってもよい。この場合には、縦枠6の目地空間16側の部分に通気可能なカバーを設けて、カバーにより、第3連通孔73の目地空間16に開口する箇所に雨水が入るのを防止する。このように、縦枠6の第3連通孔73を形成する部分は、保持材62に限定されず、中空層22と通気空間18とを連通可能な他の部分であってもよい。
【0070】
第2実施形態のカーテンウォールユニット2と同様に、通気空間18を縦枠6の第2内部空間64にして、第3連通孔73を縦枠6の縦枠本体50に設けられた見込み部51に形成してもよい。この場合には、第3連通孔73は、縦枠本体50の見込み部51を左右方向Sに貫通して、左右方向Sの一方側に位置する通気空間18(第2内部空間64)と左右方向Sの他方側に位置する中空層22とに向かって開口する。
【0071】
第1内部空間63と中空層22とを連通させる第3連通孔73(第3実施形態の第3連通孔73)、及び、第2内部空間64と中空層22とを連通させる第3連通孔73の両方を縦枠6に形成して、2つの第3連通孔73を屋内外方向Tに互いに離隔させて縦枠6に設けてもよい。この場合には、第3実施形態の第3連通孔73は、第2内部空間64と中空層22とを連通させる第3連通孔73の屋外側に位置する屋外側第3連通孔であり、第2内部空間64と中空層22とを連通させる第3連通孔73は、第3実施形態の第3連通孔73の屋内側に位置する屋内側第3連通孔である。
【0072】
第1実施形態の第2連通孔71と第2実施形態の第2連通孔71のいずれか一方又は両方をカーテンウォールユニット2に設けてもよい。また、第1実施形態の第2連通孔71、第2実施形態の第2連通孔71、第3実施形態の第3連通孔73、第2内部空間64と中空層22とを連通させる第3連通孔73を任意に組み合わせて、1つ又は複数の第2連通孔71と1つ又は複数の第3連通孔73をカーテンウォールユニット2に設けてもよい。
【0073】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す縦断面図であり、
図4と同様に、カーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを含む部分を拡大して示している。
図11は、第4実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す横断面図であり、
図5と同様に、左右の2つのカーテンウォールユニット2の互いに隣り合う箇所を示している。
【0074】
図示のように、第4実施形態のカーテンウォールユニット2では、無目7と縦枠6の第1連通孔70が第1実施形態のカーテンウォールユニット2と相違している。無目7は、無目本体30に設けられて第1連通孔70を包囲する中空部32を有している。中空部32は、中空層22の下側に位置して、中空層22に面している。また、中空部32は、屋外側パネル体20と屋内側パネル体21の間に位置して、無目7の長手方向に延び、左右方向Sにおいて、一対の縦枠6の間に配置されている。中空部32の端部は、無目7の長手方向における中空部32の端部であり、縦枠6に向かって開口している。中空部32は、端部において第1連通孔70を囲う。
【0075】
中空部32の端部の開口は、中空部32の端部に位置して、縦枠6に向かって開放されている。中空部32の端部の開口の箇所に第1連通孔70を位置させた状態で、中空部32は、開口を含む端部において、縦枠6(ここでは、縦枠本体50の見込み部51)に接する。第1連通孔70と中空部32を無目7の長手方向においてみたときに、第1連通孔70は、中空部32の端部の開口の箇所に位置して、中空部32の内側となる箇所に配置される。中空部32の端部で、第1連通孔70は、中空部32の端部の開口及び中空部32の内部空間33に面している。
【0076】
無目7の中空部32の内部空間33は、中空部32内の空間であり、中空部32の内部に形成されている。中空部32の端部の開口は、縦枠6及び第1連通孔70に面する内部空間33の端部の開口である。第1連通孔70は、中空層22の下側に位置し、左右方向Sの一方側に位置する等圧空間17と左右方向Sの他方側に位置する中空部32の内部空間33とに向かって開口している。また、第1連通孔70は、等圧空間17と中空部32の内部空間33とに面し、等圧空間17と中空部32の内部空間33とに向かって開放されている。中空部32の内部空間33は、第1連通孔70と中空層22の間に位置しており、第1連通孔70は、中空部32の内部空間33を介して中空層22と連通している。
【0077】
無目7の中空部32は、内部空間33と中空層22を隔てる隔壁部34と、隔壁部34に形成された開放孔35と、傾斜面部31を有している。また、無目7は、無目本体30に設けられた上面部36を有している。隔壁部34は、中空部32の上面部であり、内部空間33の上側に位置するとともに、内部空間33と中空層22の間に位置している。また、隔壁部34は、上面部36の一部(屋外側の部分)である。上面部36及び隔壁部34は、屋外側パネル体20と屋内側パネル体21の間に位置し、水平面に対して傾斜する。
【0078】
上面部36及び隔壁部34は、中空層22の下側に位置して、中空層22に面する。無目7の長手方向に直交する断面をみたときに、上面部36及び隔壁部34は、水平方向(屋内外方向T)に対して傾斜するとともに、屋内側の端部から屋外側の端部に向かって斜め下方に傾斜している。開放孔35は、上面部36及び隔壁部34の屋外側の端部に形成された貫通孔であり、上面部36及び隔壁部34を貫通している。上面部36及び隔壁部34は、水平方向に対し、屋内側の端部から開放孔35に向かって斜め下方に傾斜している。
【0079】
水は、上面部36及び隔壁部34の上で、水平方向に対する上面部36及び隔壁部34の傾斜方向における上側から下側に流動して、開放孔35に向かって流れる。ここでは、中空層22の内部に結露が発生したときに、結露の水が上面部36及び隔壁部34に沿って開放孔35まで流れる。無目7は、中空層22の内部で、上面部36及び隔壁部34により、開放孔35に向かって水を誘導する。
【0080】
開放孔35は、中空層22と中空部32の内部空間33の間に位置して、中空層22と中空部32の内部空間33とに向かって開口している。開放孔35は、中空層22と中空部32の内部空間33とに面し、中空層22と中空部32の内部空間33とに向かって開放されて通気するとともに、中空層22から中空部32の内部空間33に向かって水を通過させる。開放孔35は、中空層22と中空部32の内部空間33とを連通させて、中空層22と中空部32の内部空間33との間で空気を通過させて通気させる。また、開放孔35は、中空層22から中空部32の内部空間33に向かって水を排出(排水)する。
【0081】
第1連通孔70は、傾斜面部31の屋内側の端部の上側に位置している。傾斜面部31は、中空部32の下面部であり、中空部32の内部で、内部空間33の下側に位置している。傾斜面部31の屋外側の端部は、開放孔35の下側に位置し、傾斜面部31の屋内側の端部は、第1連通孔70の下側に位置している。無目7の長手方向に直交する断面をみたときに、傾斜面部31は、水平方向に対し、屋外側の端部及び開放孔35から屋内側の端部及び第1連通孔70に向かって斜め下方に傾斜している。
【0082】
第1連通孔70は、等圧空間17を中空部32の内部空間33及び開放孔35を介して中空層22に連通させる。等圧空間17と中空層22は、第1連通孔70、中空部32の内部空間33、及び、開放孔35を介して互いに連通して通気する。水は、中空層22から開放孔35を通って中空部32の内部空間33に入り、内部空間33で、傾斜面部31に沿って第1連通孔70まで流れる。このように、水は、中空層22から開放孔35と内部空間33を順に経て第1連通孔70まで流れて、第1連通孔70により、等圧空間17に向かって排出される。
【0083】
第4実施形態のカーテンウォールユニット2では、中空層22とともに無目7の中空部32の内部空間33を換気することができる。また、中空部32の開放孔35により、中空層22と中空部32の内部空間33との通気、及び、中空層22から中空部32の内部空間33への排水を円滑に行うことができる。
【0084】
なお、1つの開放孔35を無目7の中空部32に設けてもよく、複数の開放孔35を無目7の中空部32に設けてもよい。複数の開放孔35は、例えば、無目7の長手方向における複数箇所で中空部32に形成される。また、第1実施形態の第2連通孔71と第2実施形態の第2連通孔71のいずれか一方又は両方をカーテンウォールユニット2に設けてもよい。
【0085】
(第5実施形態)
図12は、第5実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す縦断面図であり、
図10と同様に、カーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを含む部分を拡大して示している。
図13は、第5実施形態のカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aを示す横断面図であり、
図11と同様に、左右の2つのカーテンウォールユニット2の互いに隣り合う箇所を示している。
【0086】
図示のように、第5実施形態のカーテンウォールユニット2では、無目7と縦枠6の第1連通孔70は、第4実施形態のカーテンウォールユニット2における無目7と縦枠6の第1連通孔70と同様に構成されている。また、縦枠6は、第3実施形態のカーテンウォールユニット2と同様に、第1連通孔70に装着された排水弁72と、第3連通孔73を有している。
【0087】
以上のとおり、本実施形態では、以下の(1)~(6)に記載されたカーテンウォールユニットを開示している。
【0088】
(1) 枠体と、スパンドレル部に設けられて前記枠体に保持された屋外側パネル体及び屋内側パネル体と、前記屋外側パネル体と前記屋内側パネル体の間に形成された中空層と、を備え、左右方向に並べて設置されたときに、左右方向に隣り合う互いの前記枠体により、屋外空間と等圧な等圧空間を形成するカーテンウォールユニットであって、
前記枠体は、前記中空層の左右の両側に位置して前記等圧空間を形成する縦枠を有し、
前記縦枠は、前記等圧空間と前記中空層とを連通させて通気するとともに前記等圧空間に向かって排水する第1連通孔と、前記等圧空間の外部に位置して前記屋外空間と通気する通気空間と前記中空層とを連通させて通気する第2連通孔と、を有するカーテンウォールユニット。
(1)に記載されたカーテンウォールユニットでは、カーテンウォールユニットのスパンドレル部に設けられる中空層の内部での結露の発生を抑制しつつ、中空層から屋外空間への排水を防止することができる。
【0089】
(2) (1)に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記通気空間は、前記等圧空間よりも屋外側に位置して前記屋外空間と通気する前記縦枠の内部空間であるカーテンウォールユニット。
(2)に記載されたカーテンウォールユニットでは、屋外空間と通気する縦枠の内部空間と中空層との間の通気により、中空層の換気性能を確保しつつ、第2連通孔及び中空層への雨水の浸入を妨げることができる。
【0090】
(3) (1)又は(2)に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記縦枠は、前記第1連通孔に装着された排水弁と、前記第2連通とは異なる位置に形成され、前記通気空間と前記中空層とを連通させて通気する第3連通孔と、を有するカーテンウォールユニット。
(3)に記載されたカーテンウォールユニットでは、排水弁により、等圧空間から第1連通孔及び中空層への水の浸入を妨げることができ、第3連通孔により、中空層の換気性能を確保することもできる。
【0091】
(4) (1)ないし(3)のいずれかに記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記枠体は、前記中空層の下側に位置する無目を有し、
前記無目は、前記第1連通孔に向かって斜め下方に傾斜する傾斜面部を有するカーテンウォールユニット。
(4)に記載されたカーテンウォールユニットでは、無目の傾斜面部により、水を傾斜面部に沿って第1連通孔に向かって誘導して、第1連通孔により、等圧空間に向かって円滑に排水することができる。
【0092】
(5) (1)ないし(3)のいずれかに記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記枠体は、前記中空層の下側に位置する無目を有し、
前記無目は、前記縦枠に向かって開放された端部の開口の箇所に前記第1連通孔を位置させて前記縦枠に接する中空部を有し、
前記第1連通孔は、前記中空部の内部空間を介して前記中空層と連通するカーテンウォールユニット。
(5)に記載されたカーテンウォールユニットでは、中空層とともに無目の中空部の内部空間を換気することができる。
【0093】
(6) (5)に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記中空部は、前記中空層と前記中空部の内部空間とに向かって開放されて通気するとともに前記中空層から前記中空部の内部空間に向かって水を通過させる開放孔を有するカーテンウォールユニット。
(6)に記載されたカーテンウォールユニットでは、中空部の開放孔により、中空層と中空部の内部空間との通気、及び、中空層から中空部の内部空間への排水を円滑に行うことができる。
【符号の説明】
【0094】
1・・・カーテンウォール、2・・・カーテンウォールユニット、2A・・・スパンドレル部、2B・・・ビジョン部、3・・・枠体、3A・・・開口部、3B・・・開口部、4・・・上枠、5・・・下枠、6・・・縦枠、7・・・無目、10・・・建物、11・・・躯体、12・・・境界部分、12A・・・屋内空間、13・・・フロア部分、13A・・・屋内空間、14・・・外壁、15・・・屋外空間、16・・・目地空間、17・・・等圧空間、18・・・通気空間、20・・・屋外側パネル体、21・・・屋内側パネル体、22・・・中空層、30・・・無目本体、31・・・傾斜面部、32・・・中空部、33・・・内部空間、34・・・隔壁部、35・・・開放孔、36・・・上面部、40・・・横押縁、50・・・縦枠本体、51・・・見込み部、52・・・嵌合部、52A・・・屋外側嵌合壁、52B・・・屋内側嵌合壁、53・・・中空部、54・・・水密材、55・・・気密材、60・・・縦押縁、61・・・装着溝部、62・・・保持材、63・・・第1内部空間、64・・・第2内部空間、65・・・ネジ、70・・・第1連通孔、71・・・第2連通孔、72・・・排水弁、73・・・第3連通孔、R・・・上下方向、S・・・左右方向、T・・・屋内外方向。