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特開2024-172323無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172323
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/19 20180101AFI20241205BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20241205BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20241205BHJP
   H04W 48/10 20090101ALI20241205BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W72/0446
H04W72/0453
H04W48/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089964
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 雄太
(72)【発明者】
【氏名】内田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】谷口 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】秋田 耕司
(72)【発明者】
【氏名】米澤 祐紀
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA01
5K067CC02
5K067CC04
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE22
5K067JJ31
(57)【要約】
【課題】通信回線が途絶えた場合、再接続が短時間に実行され、実行中の通信に生じる遅延が短い無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る無線通信装置は、複数の無線機と複数の第1期間に周期的に通信する。前記複数の無線機は第1無線機を含む。前記無線通信装置は、前記複数の無線機と通信する通信部と、前記第1無線機との接続有又は接続無を判断する制御部と、を具備する。前記制御部は、前記第1無線機との接続が無いことを判断した場合、前記第1期間と同じ長さの第2期間に前記通信部の受信周波数を複数の周波数の中で切り替える。前記通信部は、前記第1無線機から送信されたアドバタイジング信号を受信した場合、前記複数の無線機との通信を再開する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1期間に複数の無線機と周期的に通信する通信部と、
前記複数の無線機の中の第1無線機との接続が有ること又は無いことを判断し、前記第1無線機との接続が無いことを判断した場合、前記第1期間と同じ長さの第2期間に前記通信部の受信周波数を複数の周波数の中で切り替え、前記通信部が前記第1無線機から送信されたアドバタイジング信号を受信した後、前記通信部による前記複数の無線機との周期的な通信を再開する処理部と、
を具備する無線通信装置。
【請求項2】
前記無線通信装置は、前記複数の無線機それぞれの複数の識別子を記憶するメモリをさらに具備する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記通信部が前記アドバタイジング信号を受信するまで、前記通信部による前記複数の無線機の中の前記第1無線機以外の無線機との通信を実行しない、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記無線通信装置は、前記アドバタイジング信号を受信した後、前記通信部により前記第1無線機へ接続要求信号を送信する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記複数の周波数の数はmであり、
前記無線通信装置は、前記第2期間に含まれるm個のサブ期間それぞれの受信周波数をm個の周波数のいずれかに設定する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記サブ期間それぞれの時間は前記第1期間のm分の1である、請求項5記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記m個のサブ期間それぞれの時間は互いに異なる、請求項5記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記m個のサブ期間それぞれの時間は第1期間と同じ長さまたは前記第1期間とは異なる長さである、請求項5記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記複数の周波数の数はmであり、
前記無線通信装置は、前記第2期間に含まれるm個のサブ期間それぞれの受信周波数をm個の周波数のいずれかに設定し、
前記サブ期間の時間は前記第1期間の長さの(k×m)分の1であり、
kは2以上の任意の正整数である、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記無線通信装置は、一定時間以上、前記第1無線機からの応答が無い場合、前記第1無線機との接続が無いことを判断する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記無線通信装置は、前記第1無線機からの接続断要求信号を受信した場合、前記第1無線機との接続が無いことを判断する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記無線通信装置は、エラーを検出した場合、前記第1無線機との接続が無いことを判断する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記無線通信装置は、前記複数の無線機からデータと前記アドバタイジング信号を受信する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記無線通信装置は、前記第1無線機へ前記複数の周波数に関する情報を送信する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項15】
前記処理部は、
前記複数の無線機の中の第2無線機との接続が有ること又は無いことをさらに判断し、
前記第1無線機との接続が無いことと前記第2無線機との接続が無いことを判断した場合、前記第2期間に前記通信部の受信周波数を前記複数の周波数の中で切り替え、前記通信部が前記第1無線機から送信されたアドバタイジング信号と前記第2無線機から送信されたアドバタイジング信号を受信した後、前記通信部による前記複数の無線機との周期的な通信を再開する、請求項1記載の無線通信装置。
【請求項16】
複数の無線機と
請求項1乃至請求項15のいずれか一項記載の無線通信装置と、
を具備する無線通信システム。
【請求項17】
前記複数の無線機のいずれかは、前記無線通信装置との接続が無いことを判断した場合、前記無線通信装置へ前記複数の周波数のいずれかで前記アドバタイジング信号を送信すし、
前記処理部は、前記通信部が前記第1無線機から送信されたアドバタイジング信号を受信した後、前記通信部の周波数を前記複数の周波数以外の周波数に設定する、請求項16記載の無線通信システム。
【請求項18】
複数の第1期間に複数の無線機と周期的に通信する間、前記複数の無線機の中の第1無線機との接続が有ること又は無いことを判断し、
前記第1無線機との接続が無いことを判断した場合、前記第1期間と同じ長さの第2期間に受信周波数を複数の周波数の中で切り替え、
前記第1無線機から送信されたアドバタイジング信号を受信した後、前記複数の無線機との周期的な通信を再開する無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の一形態として、1つの無線通信装置が多数の無線機と通信する1対多接続の無線通信が行なわれている。この無線通信の応用例は、IoTシステムである。IoTシステムは、1つのマスタと多数のスレーブを備える。マスタは、無線通信装置を備える。スレーブは、無線機とセンサを備える。スレーブは、センサのセンシング結果をマスタへ周期的に送信する。マスタは、多数のスレーブから周期的に送信されたセンス結果を受信し、多数のスレーブそれぞれに対する制御信号を生成する。マスタは、多数の制御信号を多数のスレーブへそれぞれ送信する。
【0003】
このような周期的な無線通信では、無線機との通信回線が途絶えた場合、短時間に無線機を再接続する必要がある。再接続中、無線通信装置と無線機との間の無線通信は実行されない(通信がスキップされるとも称される)。実行中の通信よりも再接続を優先して実行した場合、実行中の通信に遅延が生じる。そのため、通信の遅延が許容されない環境では、再接続よりも通信を優先して実行せざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4578392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、通信回線が途絶えた場合、再接続が短時間に実行され、実行中の通信に生じる遅延が短い無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る無線通信装置は、複数の第1期間に複数の無線機と周期的に通信する。前記複数の無線機は第1無線機を含む。前記無線通信装置は、前記複数の無線機と通信する通信部と、前記第1無線機との接続が有ること又は無いことを判断する制御部と、を具備する。前記制御部は、前記第1無線機との接続が無いことを判断した場合、第1期間と同じ長さの第2期間に前記通信部の受信周波数を複数の周波数の中で切り替える。前記通信部は、前記第1無線機から送信されたアドバタイジング信号を受信した場合、前記複数の無線機との通信を再開する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る無線通信システムの一例を説明するための図。
図2】実施形態に係る無線通信装置の一例を説明するための図である。
図3】実施形態に係る無線通信装置と無線機の間の通信の一例を説明するための図である。
図4】実施形態に係る無線通信装置と無線機との接続が無い場合に実行される再接続処理の一例を説明するための図である。
図5】再接続によって生じる通信のスキップを説明するための図である。
図6】スキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定を説明するための図である。
図7】スキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定を説明するための図である。
図8】実施形態に係る無線通信装置によるスキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定の一例を示す図である。
図9】ある閉空間の受信信号強度特性の一例を説明するための図である。
図10】実施形態に係る無線通信装置によるスキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定の一例を説明するための図である。
図11】実施形態に係る無線通信装置による再接続時間の累積分布関数を示す図である。
図12】実施形態に係る無線通信装置によるスキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定の他の例を説明するための図である。
図13】実施形態に係る無線通信装置によるスキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定の他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。以下の説明は、実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施形態の技術的思想は、以下に説明する構成要素の構造、形状、配置、材質等に限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各要素のサイズ、厚み、平面寸法、又は形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、互いの寸法の関係や比率が異なる要素が含まれることもある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して重複する説明を省略する場合もある。いくつかの要素に複数の呼称を付す場合があるが、これら呼称の例はあくまで例示であり、これらの要素に他の呼称を付すことを否定するものではない。また、複数の呼称が付されていない要素についても、他の呼称を付すことを否定するものではない。なお、以下の説明において、「接続」は直接接続のみならず、他の要素を介した接続も含む場合もある。
【0009】
図1は、実施形態に係る無線通信システムの一例を説明するための図である。無線通信システムは、1台の無線通信装置10と、無線通信装置10と無線通信するように設定された複数(N台)の無線機12、12、…12を含む。Nは、任意の正整数である。無線通信方式の一例は、BLE(Bluetooth Low Energy)(登録商標)方式である。以下の説明では、BLE方式の無線通信システムを説明する。BLE方式では、無線通信装置10はマスタと称され、無線機12はスレーブと称される。
【0010】
無線通信システムの応用例の一つは、直列接続された複数の二次電池ユニットを含む高出力の電池装置である。電池装置は、蓄電システムに使用され得る。各二次電池ユニットは、無線機12と温度センサと電圧センサを備える。無線機12は、二次電池ユニットの温度と電圧を無線通信装置10へ周期的に送信する。無線通信装置10は、二次電池ユニットの温度または電圧が異常値を示すと、全ての無線機12に指示信号を送信し、全ての二次電池ユニットの出力を停止させ、電池装置をシャットダウンさせる。シャットダウンさせることにより、温度または電圧が異常値である場合、電池装置の出力で動作する機器が、電池装置の誤動作により異常動作することが防止される。
【0011】
電池装置は金属のハウジングに収納されているので、ハウジング内で、電波は複数回反射する。これにより、無線通信において、特定の周波数で通信回線が途絶える率が高くなり、無線通信の成功率が低下することがある。無線機12から温度と電圧を送信するタイミングで、無線通信装置10と無線機12との通信回線が途切れていると、無線通信が成功しない。この場合、周期的な送信が途切れ、無線通信装置10は、二次電池ユニットの異常を検知することができない。無線通信装置10と無線機12との通信回線が途切れた場合、短時間に再接続を完了することが好ましい。
【0012】
図2は、実施形態に係る無線通信装置10の一例を説明するための図である。無線通信装置10は、通信部28、メモリ30、及び処理部32を備える。処理部32は、複数の処理を実行する。処理部32は、複数の処理をそれぞれ実行する複数のハードウェアにより構成されてもよいし、複数の処理を実行する単一のハードウェアにより構成されてもよいし、複数の処理を実行するCPUにより構成されてもよい。通信部28、メモリ30、及び処理部32は、バスライン34に接続される。
【0013】
通信部28は、アンテナ36に接続される。通信部28は、無線機12-12へ複数の信号を送信し、無線機12-12から送信された複数の信号を受信する。
【0014】
処理部32は、無線通信装置10の使用開始までに複数の無線機12-12の識別子をメモリ30に書き込む。
【0015】
処理部32は、通信部28を介して無線機12-12と通信する。通信中に通信回線が途絶えることがある。このため、処理部32は、常時、通信回線が途絶えていないか、すなわち無線通信装置10と無線機12との接続が有ること又は無いことを判断する。処理部32は、例えば、通信部28が無線機12からの応答を一定時間以上受信しない場合、無線通信装置10と無線機12との接続が無いことを判断する。
【0016】
無線通信システムでは、意図的に再接続したい場合がある。この場合、無線通信装置10(又は無線機12)は、無線機12(又は無線通信装置10)に接続断要求信号を送信する。処理部32は、接続断要求信号を受信した場合、無線通信装置10と無線機12との接続が無いことを判断し、再接続を開始してもよい。
【0017】
エラーが生じて、予期せぬことが生じた場合、通信回線が切断されることがある。処理部32は、エラーを検出した場合、無線通信装置10と無線機12との接続が無いことを判断し、再接続を開始してもよい。
【0018】
処理部32は、無線通信装置10と無線機12との接続が無いことを判断した場合、無線機12と再接続する。iは1乃至Nの任意の正整数である。再接続の詳細は、図4を参照して後述される。
【0019】
無線機12と無線通信装置10の構成は等しい。同じ装置が、無線通信装置10又は無線機12として使用可能である。ただし、無線機12はメモリ30を備えない。
【0020】
図3は、実施形態に係る無線通信装置10と無線機12-12の間の通信の一例を説明するための図である。説明の便宜上、Nは11とする。無線通信装置10は各無線機12-1211と周期的に通信を行う。無線通信装置10と無線機12-1211との通信の1周期の期間は、コネクションインターバルと称される。コネクションインターバルは第1期間とも称される。コネクションインターバル内で無線機12-1211は順番に無線通信装置10と通信する。
【0021】
このように、各コネクションインターバルで無線機12-1211毎の通信タイミングが予めスケジューリングされている。この通信タイミングは、基本的に変更されない。各無線機12-1211にスケジューリングされている通信タイミングで通信回線が切断している場合、無線通信装置10は当該無線機12-1211との通信を実行せず、通信をスキップする。
【0022】
図4は、実施形態に係る無線通信装置10と無線機12との通信回線が断たれた場合に実行される再接続処理の一例を説明するための図である。iは1乃至Nの任意の正整数である。
【0023】
BLE方式の無線通信帯域は、2400MHz-2480MHzであり、無線チャネル数は40チャネルである。チャネル0乃至チャネル36の37チャネルは、データを通信するデータチャネルである。チャネル37、38、39の3チャネルは、アドバタイジングパケットを通信するアドバタイジングチャネルである。アドバタイジングパケットは、接続開始の際、無線機12が自機の名称、識別子、送信電力等を無線通信装置10に通知するためのパケットである。
【0024】
データチャネル0乃至データチャネル36には、昇順の周波数が割り当てられる。アドバタイジングチャネル37には、データチャネル0より低い周波数が割り当てられる。アドバタイジングチャネル38には、データチャネル10と11の間の周波数が割り当てられる。アドバタイジングチャネル39には、データチャネル36より高い周波数が割り当てられる。
【0025】
無線機12は、無線通信装置10との接続が無いことを判断した場合、送信周波数をアドバタイジングチャネル37、38、39に順次設定し、アドバタイジングパケット(以下、アドバタイジング信号と称される)を無線通信装置10へ送信する。無線機12は、再接続が完了するまで、アドバタイジングチャネル37、38、39によるアドバタイジング信号の送信を繰り返す。アドバタイジング信号の送信周期は、アドバタイジングインターバルと称される。
【0026】
無線通信装置10側では、処理部32は、無線機12との接続が無いことを判断した場合、再接続処理を実行する。具体的には、処理部32は、通信部28の受信周波数を一定時間ずつアドバタイジングチャネル37、38、39に順次設定する。通信部28は、無線機12からアドバタイジングチャネル37、38、39で送信されたアドバタイジング信号の受信を一定期間試みる。一定期間は、スキャンウィンドウと称される。スキャンウィンドウは第2期間とも称される。
【0027】
処理部32は、先ず、1回目のスキャンウィンドウSW1を設定する。処理部32は、し、1回目のスキャンウィンドウSW1の間、通信部28の受信周波数をアドバタイジングチャネル37に設定する。通信部28は、スキャンウィンドウSW1の間、無線機12から送信されたアドバタイジング信号の受信を試みる。処理部32は、メモリ30に記憶されている識別子に基づいて、アドバタイジング信号の送信元の無線機12を特定する。
【0028】
無線機12は、アドバタイジングチャネル37、38、39のいずれかでアドバタイジング信号を送信しており、通信部28は、スキャンウィンドウSW1の間、アドバタイジングチャネル37で送信されたアドバタイジング信号の受信に成功するとは限らない。ここでは、スキャンウィンドウSW1の間、アドバタイジングチャネル37で送信されたアドバタイジング信号の受信に成功しなかったとする。
【0029】
無線通信装置10の近傍には、当該無線通信装置10と通信することが予定されていない他の無線機も存在する場合がある。通信部28は、他の無線機から他の無線通信装置へ送信されたアドバタイジング信号も受信する可能性がある。通信部28は、アドバタイジング信号を受信した時、それに含まれる識別子に基づいて、どの無線機から送信されたアドバタイジング信号であるかを判断する。これにより、通信部28は、無線通信装置10と通信するように設定された無線機12からのアドバタイジング信号を受信することができる。
【0030】
スキャンウィンドウSW1の間、アドバタイジング信号の受信に成功しなかった場合、処理部32は、スキャンウィンドウSW1の開始タイミングから一定時間後に、2回目のスキャンウィンドウSW2を設定する。この一定時間、すなわちスキャンウィンドウの周期は、スキャンインターバルと称される。
【0031】
処理部32は、2回目のスキャンウィンドウSW2の間、通信部28の受信周波数をアドバタイジングチャネル38に設定する。通信部28は、スキャンウィンドウSW2の間、アドバタイジングチャネル38で送信されたアドバタイジング信号の受信を試みる。ここでは、スキャンウィンドウSW2の間、アドバタイジング信号の受信に成功したとする。
【0032】
処理部32は、通信部28を介してアドバタイジング信号を受信した場合、通信部28を介してCONN-INDパケット(以下、接続要求信号と称される)を無線機12へ送信する。処理部32は、メモリ30に記憶されている識別子に基づいて、接続要求信号の送信先の無線機12を特定する。
【0033】
無線機12は、接続要求信号を受信した場合、図6の破線で示すように、アドバタイジング信号の送信を中止する。無線機12は、接続要求信号を受信した場合、送信周波数をデータチャネルに設定し、無線通信装置10との通信を開始する。
【0034】
処理部32は、無線機12へ接続要求信号を送信した後、スキャンウィンドウの設定を中止する。図6の例では、破線で示すように、受信周波数がアドバタイジングチャネル39であるスキャンウィンドウSW3の設定が中止される。
【0035】
処理部32は、スキャンウィンドウの設定を中止した後、通信部28の周波数をデータチャネルに設定し、無線機12との通信を再開する。
【0036】
スキャンウィンドウSW2の間も、アドバタイジング信号の受信に成功しなかった場合、処理部32は、スキャンウィンドウSW2の開始タイミングから一定時間後に、3回目のスキャンウィンドウSW3(図4の破線)を設定する。処理部32は、3回目のスキャンウィンドウSW3の間、通信部28の受信周波数をアドバタイジングチャネル39に設定する。通信部28は、スキャンウィンドウSW3の間、アドバタイジングチャネル39で送信されたアドバタイジング信号の受信を試みる。
【0037】
スキャンウィンドウSW3の間もアドバタイジング信号の受信に成功しなかった場合、処理部32は、スキャンウィンドウSW3の開始タイミングから一定時間後にスキャンウィンドウを設定する。このスキャンウィンドウでは、通信部28の受信周波数はアドバタイジングチャネル37に設定される。処理部32は、通信部28がアドバタイジング信号の受信に成功するまで、スキャンウィンドウを繰り返し設定する。
【0038】
無線通信装置10は、単一のアンテナ36しか備えていない。無線通信装置10は、無線機12との接続が無いことを判断してから接続要求信号を無線機12へ送信するまでの期間、無線機12と通信することができない。再接続の実行中、無線通信装置10は無線機12との通信を実行せず、スキップする。このため、この通信は遅延する。
【0039】
図5は、再接続処理によって生じる通信のスキップを説明するための参考例を示す図である。処理部32は、無線通信装置10と無線機12との接続が無いことを判断した場合、スキャンウィドウを設定し、再接続処理を実行する。スキャンインターバルの時間に対してスキャンウィドウが占める時間の割合が大きいと、アドバタイジング信号の受信成功率を向上させることができ、通信を再開するまでの時間を短縮することができると考えられる。
【0040】
しかし、スキャンウィドウの期間にスケジューリングされている無線機12-1211との通信は、図5に破線で示すように、スキップされる。この結果、無線機12-1211との通信は遅延される。スキャンインターバルの時間に対してスキャンウィドウが占める時間の割合を大きくした場合、スキップされる通信の数は、増える。スキップされる通信の数が増えることは、低遅延な通信が好ましいアプリケーションにおいては問題となることがある。例えば、電池装置の応用例では、一定周期で全ての二次電池ユニットの温度と電圧を無線通信装置へ送信することが好ましい。1つのコネクションインターバル内の通信のスキップは許容できるが、連続する2つのコネクションインターバル内で通信がスキップされることは許容できない場合がある。
【0041】
そこで、無線機との通信の遅延を防止するとともに、再接続を短時間に実行するという2つを両立することが好ましい。
【0042】
この問題を解決するためには、先ず、接続が無いことを判断した際、無線機12は、アドバタイジング信号をできるだけ速く無線通信装置10へ送信することが好ましい。BLE方式の場合、High duty cycle connectable directed advertisingモードにした場合、アドバタイジングインターバルを3.75ms以下の間隔とすることができる。このモードを利用すれば、通常のアドバタイジングインターバル(最小20ms)よりも高速にアドバタイジング信号の送信を行うことができる。
【0043】
次に、無線通信装置10は、スキャンインターバルとスキャンウィンドウを適切に調整する必要がある。図6図7は、スキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定を説明するための図である。図6図7は、スキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定が不適切であるために、無線機12との通信に遅延が生じてしまった参考例を示す。参考例では、スキャンウィンドウSW1、SW2、…が周期的に設定される。図6は、スキャンウィンドウSW1についての通信の例を示す。図7は、図6に後続し、スキャンウィンドウSW2についての通信の例を示す。
【0044】
無線通信装置10では、処理部32は、無線機12との間の接続が無いことを判断した場合、アドバタイジングチャネル37のスキャンウィンドウSW1を設定する。処理部32は、スキャンウィンドウSW1の設定前に、無線機12との間の通信を実施したとする。
【0045】
無線機12は、アドバタイジング信号を無線通信装置10へ繰り返し送信する。無線機12の送信周波数は、アドバタイジングチャネル37、38、39に繰り返し設定される。
【0046】
処理部32は、スキャンウィンドウSWの間、アドバタイジング信号の受信に成功しなかったとする。図6図7の破線は成功しなかった通信を示す。処理部32は、スキャンウィンドウSW1の間、無線通信装置10と無線機12-1211、12、12との通信を実行しない。
【0047】
処理部32は、1回目のスキャンウィンドウSW1の開始タイミングからスキャンインターバル後に、2回目のスキャンウィンドウSW2を設定する。1回目のスキャンウィンドウSW1の終了タイミングから2回目のスキャンウィンドウSW2の開始タイミングまでの間、無線通信装置10と無線機12-12、12との通信が実施されたとする。
【0048】
通信部28は、2回目のスキャンウィンドウSW2の間、アドバタイジングチャネル38で送信されたアドバタイジング信号の受信を試みる。処理部32は、スキャンウィンドウSW2の間、無線通信装置10と無線機12-1211、12、12との通信をスキップする。通信部28は、スキャンウィンドウSW2の間、アドバタイジング信号の受信に成功したとする。処理部32は、アドバタイジング信号の受信に成功した場合、無線機12へ接続断要求信号を送信する。
【0049】
無線通信装置10と無線機12、12、12-1211との通信は、スキャンウィンドウSW1、SW2のいずれにおいてもスキップされる。したがって、無線通信装置10と無線機12、12、12-1211との通信は、2回連続してスキップされ、遅延時間が長くなる。
【0050】
このように、スキャンインターバルとスキャンウィンドウが適切に設定されていない場合には、特定の無線機12との通信の遅延時間が長くなってしまうことがある。
【0051】
図8は、実施形態に係る無線通信装置10によるスキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定の一例を示す図である。処理部32は、スキャンウィンドウをスキャンインターバルと等しく設定する。処理部32は、さらに両者をコネクションインターバルと等しく設定する。これによる効果を説明する。
【0052】
先ず、スキャンウィンドウがスキャンインターバルと等しいことにより、通信部28の受信周波数がアドバタイジング信号の送信周波数のいずれかである時間が長くなり、アドバタイジング信号の受信に成功する確率が高くなる。このため、或る無線機12との接続が無いことを検出してから1コネクションインターバルの間に或る無線機12との通信回線の再接続が完了する確率が高くなる。
【0053】
次に、スキャンウィンドウがコネクションインターバルと等しいことにより、特定の無線機12との通信が不公平にスキップされることがなくなる。通信システムでは、コネクションインターバル中は、全ての無線機12が公平に1回ずつ通信するように構成されている。そのため、スキャンウィンドウがコネクションインターバルと等しいので、全ての無線機12との通信が公平に1回ずつスキップされる。すなわち、ある無線機12との通信はスキップされないにもかかわらず、別の無線機12との通信は連続して複数回スキップされるというような事態が起こらなくなる。
【0054】
1回目のスキャンウィンドウの間にアドバタイジング信号の受信に成功(すなわち、1回目のスキャンウィンドウの間に接続処理が完了)すれば、接続が有ることが判断されている無線機12との通信のスキップ回数も1回で済み、通信の遅延は小さくすることができる。
【0055】
1回目のスキャンウィンドウの間に再接続処理が完了しない場合を考える。この一例は、例えばマルチパスの多い閉空間などにおいて、特定のチャネルにおける通信の成功率が低い場合が考えられる。応用例として説明した電池装置では、無線通信装置と無線機は、金属のハウジング内の閉空間に配置されている。開空間で電波の見通しが良く、直接波が支配的に受信される環境においては、受信信号強度は周波数に関わらずほぼ一定になる。一方、閉空間で様々に反射された電波が合成されて受信される環境においては、受信信号強度は周波数に応じて変化する。
【0056】
図9は、ある閉空間で実験した無線通信システムにおける受信信号強度特性の一例を説明するための図である。図9は、チャネル24、25の受信信号強度が他のチャネルに比べて低いことを示す。すなわち、無線通信の成功率が低いチャネルが存在する。そのため、スキャンウィンドウの間に再接続処理が完了するか否かは、スキャンウィンドウの間に設定される通信部28の受信周波数に依存する。設定された受信周波数が通信成功率の高いチャネルであれば、1回目のスキャンウィンドウの間に再接続処理が完了する。
【0057】
反対に、1回目のスキャンウィンドウについて設定された受信周波数が通信成功率の低いチャネルであれば、1回目のスキャンウィンドウの間にアドバタイジング信号の受信に成功しない可能性が高くなる。その場合、2回目のスキャンウィンドウが設定され、他の周波数でのアドバタイジング信号の受信を再び試みる。そのため、アドバタイジング信号を受信するまでの時間が長くなる。さらに、2回目のスキャンウィンドウの間も通信がスキップされるので、各無線機12が複数回スキップされ、通信の遅延も長くなる。
【0058】
特定のチャネルでの通信成功率が低いために通信の遅延が長くなってしまうことを避けるためには、1つのコネクションインターバルの間、アドバタイジング信号の送信に使用される全チャネルでアドバタイジング信号の受信を試みることが考えられる。
【0059】
処理部32は、コネクションインターバルをアドバタイジングチャネルの数で割って得られたサブ期間をスキャンインターバルとスキャンウィンドウに設定する。例えば、コネクションインターバルが90msの場合、処理部32は、スキャンインターバルとスキャンウィンドウを30ms(=90ms÷3)に設定する。
【0060】
図10は、実施形態に係る無線通信装置10によるスキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定の一例を説明するための図である。1つのコネクションインターバルに3つのスキャンインターバルが設定される。スキャンウィンドウはスキャンインターバルと等しく設定される。最初のスキャンインターバルの間、受信周波数をアドバタイジングチャネル37とするスキャンウィンドウが設定される。2番目のスキャンインターバルの間、受信周波数をアドバタイジングチャネル38とするスキャンウィンドウが設定される。3番目のスキャンインターバルの間、受信周波数をアドバタイジングチャネル39とするスキャンウィンドウが設定される。
【0061】
図9のような受信信号強度特性の場合でも、3つのアドバタイジングチャネルの全ての通信成功率が低い可能性は低い。例えばアドバタイジングチャネル37と38の通信成功率が低く、アドバタイジングチャネル39の通信成功率が高いとする。処理部32は、1回目、2回目のスキャンウィンドウの間にアドバタイジング信号の受信に成功しなかったとしても、3回目のスキャンウィンドウの間にアドバタイジング信号の受信に成功し、接続要求信号を無線機12に送信する。そのため、1つのコネクションインターバルの間に再接続が完了する可能性が高い。この場合、通信がスキップされる期間、言い換えると通信の遅延時間は、最長で1つのコネクションインターバルである。さらに、1つのコネクションインターバルの間、各無線機12との通信は公平に1回スキップされる。
【0062】
なお、処理部32は、1回目又は2回目のスキャンウィンドウの間、アドバタイジング信号の受信に成功した場合、1回目又は2回目のスキャンウィンドウの終了以後から通信を再開することが可能である。そのため、通信の断絶時間は、コネクションインターバルの3分の1の時間やコネクションインターバルの3分の2の時間となり、通信を再開するまでの時間が短縮される。
【0063】
1つの無線機12との通信回線が断たれた場合を説明したが、複数の無線機12との通信回線が断たれた場合も、処理部32は同様な動作を行う。複数の無線機、例えば第1、第2無線機との接続が無いことを判断した場合、処理部32は、30msの3つのスキャンウィンドウそれぞれの間、アドバタイジングチャネル37、38、39でアドバタイジング信号の受信を試みる。例えば、処理部32は、アドバタイジングチャネル37(又はアドバタイジングチャネル38)のスキャンウィンドウの間に第1無線機からのアドバタイジング信号を受信した場合、第1無線機へ接続断要求信号を送信後、アドバタイジングチャネル38(又はアドバタイジングチャネル39)のスキャンウィンドウの間、第2無線機からのアドバタイジング信号の受信を試みる。例えば、処理部32は、アドバタイジングチャネル38のスキャンウィンドウ又はアドバタイジングチャネル39のスキャンウィンドウの間に第2無線機からのアドバタイジング信号を受信すると、第2無線機へ接続断要求信号を送信する。
【0064】
このように、複数の無線機12との通信回線が断たれた場合、処理部32は、複数の無線機12に対して順次再接続を実行する。
【0065】
図11は、実施形態に係る無線通信装置10による再接続時間の累積分布関数を説明するための図である。図11は、スキャンインターバルとスキャンウィンドウが図10に示すように設定された場合の再接続時間を示す。再接続時間とは、処理部32が無線線機12との間の接続が無いことを判断してから、当該無線機12へ接続要求信号を送信するまでの時間である。
【0066】
7msで全ての場合において再接続処理が完了するので、スキャンウィンドウとスキャンインターバルは7ms以上であれば問題がないことが分かる。図10の例では、スキャンウィンドウとスキャンインターバルは30msに設定されているので、再接続が必要な全ての無線機11との再接続がアドバタイジングチャネル37の1回目のスキャンウィンドウの間に完了することが分かる。
【0067】
図12は、実施形態に係る無線通信装置10によるスキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定の他の一例を説明するための図である。再接続時間が7msと比較的短いことが分かっている場合、通信を再開するまでの時間をさらに短縮することも可能である。処理部32は、サブ期間の時間を、コネクションインターバルをアドバタイジングチャネルの数mの任意の整数(k)倍で割った値とする。例えば、コネクションインターバルが90msの場合、処理部32は、スキャンインターバルとスキャンウィンドウを15ms(=90ms÷(2×3))に設定する。ここで、k=2である。
【0068】
3個のスキャンインターバルの合計の時間は、コネクションインターバルの時間の半分である。このようにすれば、最短で45ms(3個のスキャンウィンドウ)でアドバタイジング信号の受信を試みることができる。
【0069】
なお、3個のスキャンインターバルの合計の時間は、コネクションインターバルの時間の半分に限らず、コネクションインターバルの時間より短ければよい。
【0070】
図13は、実施形態に係る無線通信装置10によるスキャンインターバルとスキャンウィンドウの設定のさらに他の一例を説明するための図である。図10図12の例では、全てのスキャンインターバルの時間は互いに等しい。図13の例では、互いに等しくないスキャンインターバル(=スキャンウィンドウ)が設定される。例えば、アドバタイジングチャネル37のスキャンウィンドウの時間は15msであり、アドバタイジングチャネル38のスキャンウィンドウの時間は25msであり、アドバタイジングチャネル39のスキャンウィンドウの時間は50msである。
【0071】
さらに、図13の例において、いずれか2つのスキャンウィンドウの時間が互いに等しくてもよい。例えば、アドバタイジングチャネル37とアドバタイジングチャネル38のスキャンウィンドウの時間は25msとし、アドバタイジングチャネル39のスキャンウィンドウの時間は40msとしてもよい。
【0072】
図13図12のように変形することも可能である。すなわち、3個のスキャンインターバルの合計の時間は、コネクションインターバルの時間より短くてもよい。
【0073】
無線通信装置10の変形例を説明する。
【0074】
アドバタイジング信号を送信するアドバタイジングチャネルとしては、3つのチャネル37、38、39を説明したが、他の3つのチャネルを利用してもよい。さらに、チャネル数は、3つに限らず、1又は2でもよいし、4つ以上でもよい。
【0075】
無線通信装置10又は無線機12は、アドバタイジングチャネルの数及び/又は周波数を変更することができる。これらを変更する場合、無線通信装置10(又は無線機12)は、アドバタイジングチャネルの数及び/又は周波数を無線機12(又は無線通信装置10)へ通知する。無線機12からアドバタイジングチャネルの数及び/又は周波数を通知された無線通信装置10は、これらをメモリ30に書き込んでもよい。無線通信装置10は、アドバタイジングチャネルの数及び/又は周波数を認識することにより、アドバタイジングチャネルではないチャネルでアドバタイジング信号の受信を試みる無駄なスキャンウィンドウを設定することを防止できる。あるいは、無線通信装置10は、アドバタイジングチャネルで送信されたアドバタイジング信号の受信を試みるためのスキャンウィンドウを設定しないことを防止できる。
【0076】
無線通信システムでは、無線の伝搬環境に応じてアンテナの構成やコネクションインターバルなどの機器の設定が変更される場合がある。変更のため通信回線を意図的に切断することがあり、切断後に再度通信回線を接続したい場合がある。処理部32は、このような場合にも再接続を短時間で実行できる。
【0077】
通信部28は、各無線機12から送信されたアドバタイジング信号を受信する。アドバタイジング信号は、初期接続および再接続の際に必要となる。この際、再接続の際に使用するアドバタイジングチャネルの数及び/又は周波数をアドバタイジング信号に付随して、無線機12から無線通信装置10に通知してもよい。これにより、初期接続や再接続の際に、必要なスキャンウィンドウを確実に設定することができる。
【0078】
処理部32は、接続が有ることが判断されている無線機12との通信を行う。処理部32は、再接続の際に使用するアドバタイジングチャネルの数及び/又は周波数をこの通信に付随して無線機12へ通知してもよい。これにより、初期接続や再接続の際に、必要なスキャンウィンドウを確実に設定することができる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10…無線通信装置、12…無線機、28…通信部、30…メモリ、32…処理部、36…アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13