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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172350
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】物品の固定構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 21/07 20060101AFI20241205BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20241205BHJP
   B60R 5/04 20060101ALI20241205BHJP
   B60R 7/08 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
F16B21/07 A
F16B5/06 Q
B60R5/04 Z
B60R7/08
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090006
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 英樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 淳嗣
(72)【発明者】
【氏名】森 久也
【テーマコード(参考)】
3D022
3J001
3J037
【Fターム(参考)】
3D022CD05
3D022CD06
3J001JD17
3J001KA19
3J001KB01
3J037BA04
3J037BB01
3J037DB01
3J037JA08
(57)【要約】
【課題】磁石を用いることなく、物品の着脱を容易に行うことができる物品の固定構造を提供する。
【解決手段】テーブルTaの下部に取り付けられた固定部材1が、フロアパネルに取り付けられた被固定ユニット2に挿入される過程において、その挿入方向に沿う方向および当該挿入方向に直交する外側方向にバネ部材3を弾性変形させ、固定部材1が所定の挿入位置に達してバネ部材3が固定部材1の係止溝15に嵌まり込んだ状態で、バネ部材3の変形によって固定部材1を挿入方向の下流側に付勢するようにしている。これにより、磁石を用いることなく、テーブルTaを安定的に固定できると共にテーブルTaの着脱を容易に行うことが可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被固定物に取り付けられた被固定手段に対して、物品に取り付けられた固定部材を挿入して固定することにより、前記物品を前記被固定物に固定する物品の固定構造において、
前記被固定手段は、
前記固定部材が当該被固定手段に挿入される過程において、当該固定部材からの押圧力を受けることによって、その挿入方向に沿う方向および当該挿入方向に直交する外側方向に弾性変形し、前記固定部材が所定の挿入位置に達した際に当該固定部材の外周部に形成された係止溝に嵌まり込むように内側方向に形状復帰して前記係止溝に係止される係止部、および、該係止部に連続して外周側に延在する被支持部を有するバネ部材と、
前記固定部材が前記所定の挿入位置に達した状態において当該固定部材に当接する底板部、および、前記バネ部材の前記係止部の外周部位を支持するバネ座面を有する台座部材と、
前記台座部材の前記バネ座面に支持された前記バネ部材の前記係止部の前記外周部位に対向するバネ抑え部、および、前記固定部材が挿入される挿入開口部を有する抑え部材とを備え、
前記固定部材の前記係止溝は、当該固定部材が前記所定の挿入位置に達した状態において前記バネ部材の前記係止部の内周部位が当接する当接面を備えており、
前記固定部材が前記所定の挿入位置に達した状態では、前記係止溝の前記当接面の位置が前記台座部材の前記バネ座面の位置よりも前記挿入方向の上流側に位置し、前記当接面に前記バネ部材の前記係止部の前記内周部位が当接し且つ前記バネ座面に前記バネ部材の前記係止部の前記外周部位が当接することによる当該バネ部材の変形によって前記固定部材を前記挿入方向の下流側に付勢していることを特徴とする物品の固定構造。
【請求項2】
請求項1記載の物品の固定構造において、
前記台座部材は、前記バネ部材が前記固定部材からの押圧力を受けて外側方向に弾性変形する際、当該バネ部材の前記係止部の前記外周部位を前記挿入方向の上流側に案内するように、外側方向に向かって前記挿入方向の上流側に傾斜するスロープ部を備えていることを特徴とする物品の固定構造。
【請求項3】
請求項1または2記載の物品の固定構造において、
前記台座部材の前記底板部は、前記挿入方向の上流側に向けて膨出する湾曲形状となっていることを特徴とする物品の固定構造。
【請求項4】
請求項1または2記載の物品の固定構造において、
前記台座部材には、前記バネ部材における前記被支持部の前記外側方向への変形を規制するように当該被支持部を位置規制するバネ固定部が設けられていることを特徴とする物品の固定構造。
【請求項5】
請求項1または2記載の物品の固定構造において、
前記バネ部材の断面形状は、円形、または、矩形で成ることを特徴とする物品の固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両のフロアパネルにテーブルを固定する場合等に適用可能な物品の固定構造に係る。特に、本発明は、着脱が容易な固定構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばキャンピングカー等の車両の車室内にテーブルや棚等の物品を設置する場合、これら物品を移動不能に固定する必要がある。一般的には、テーブルの下部をフロアパネルにボルト締結したり、棚を車室内の壁パネルにボルト締結したりすることが行われている。また、車両に固定用フックを備えさせ、この固定用フックに物品を係止して固定することも行われている。しかし、このような固定構造は、物品の着脱作業が煩雑であるため改良の余地があった。例えば、キャンピングカー等の車両にあっては、車室内空間の使用形態を変更する度にテーブルや棚等の物品の設置場所を変更したいといった要求があるため、これら物品の着脱作業の簡略化が求められていた。
【0003】
この点に鑑みられたものとして特許文献1が提案されている。この特許文献1のものは、物品に設けられた第1閉鎖部材とフロアパネルに設けられた第2閉鎖部材とを備え、第1閉鎖部材に、磁力を利用して出没移動自在とされた係止片が収容された構成が開示されている。そして、フロアパネルに物品を固定する際、第1閉鎖部材が第2閉鎖部材に近付くと、第2閉鎖部材に収容されている磁石の磁力によって第1閉鎖部材から係止片が突出し、この係止片を、第2閉鎖部材に収容されたロック要素のラッチ部に係止可能な構成となっている。また、第1閉鎖部材のロック状態を解除する際には、該第1閉鎖部材を水平方向に移動させて前記ロック要素の側方開口部を通過させる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許第102013203440号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている物品の固定構造にあっては、磁石を使用するものであることから以下の課題があった。
【0006】
先ず、小型で磁力が高い磁石が必要となったり、磁石をインサートするための樹脂製部材の形状が複雑になって成形金型が複雑化したりすることから製造コストが高騰してしまうことが挙げられる。また、磁石の磁力によって砂鉄等の磁性体が吸着してしまう可能性があることも挙げられる。磁性体が部材同士の間に噛み込んでしまった場合には安定した固定強度が得られないばかりでなく場合によっては物品を固定できなくなる可能性がある。また、物品の固定位置の近くに電子デバイスが存在する場合には磁力が電子デバイスに悪影響を与えてしまう虞もある。この悪影響を防止するためには、磁気シールドを設ける必要があり、これも製造コストの高騰を招く要因となる。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、磁石を用いることなく、物品を安定的に固定できると共に物品の着脱を容易に行うことができる物品の固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、被固定物に取り付けられた被固定手段に対して、物品に取り付けられた固定部材を挿入して固定することにより、前記物品を前記被固定物に固定する物品の固定構造を前提とする。そして、この物品の固定構造は、前記被固定手段が、バネ部材、台座部材、および、抑え部材を備えている。バネ部材は、前記固定部材が当該被固定手段に挿入される過程において、当該固定部材からの押圧力を受けることによって、その挿入方向に沿う方向および当該挿入方向に直交する外側方向に弾性変形し、前記固定部材が所定の挿入位置に達した際に当該固定部材の外周部に形成された係止溝に嵌まり込むように内側方向に形状復帰して前記係止溝に係止される係止部、および、該係止部に連続して外周側に延在する被支持部を有する。台座部材は、前記固定部材が前記所定の挿入位置に達した状態において当該固定部材に当接する底板部、および、前記バネ部材の前記係止部の外周部位を支持するバネ座面を有する。抑え部材は、前記台座部材の前記バネ座面に支持された前記バネ部材の前記係止部の前記外周部位に対向するバネ抑え部、および、前記固定部材が挿入される挿入開口部を有する。そして、前記固定部材の前記係止溝は、当該固定部材が前記所定の挿入位置に達した状態において前記バネ部材の前記係止部の内周部位が当接する当接面を備えており、前記固定部材が前記所定の挿入位置に達した状態では、前記係止溝の前記当接面の位置が前記台座部材の前記バネ座面の位置よりも前記挿入方向の上流側に位置し、前記当接面に前記バネ部材の前記係止部の前記内周部位が当接し且つ前記バネ座面に前記バネ部材の前記係止部の前記外周部位が当接することによる当該バネ部材の変形によって前記固定部材を前記挿入方向の下流側に付勢していることを特徴とする。
【0009】
この特定事項によれば、物品を被固定物に固定するに際しては、被固定物に取り付けられた被固定手段に対して、物品に取り付けられた固定部材を挿入して固定する。この際、バネ部材は、固定部材が被固定手段に挿入される過程において、固定部材からの押圧力を受けることによって、その挿入方向に沿う方向および当該挿入方向に直交する外側方向に弾性変形し、固定部材が所定の挿入位置に達した際に当該固定部材の外周部に形成された係止溝に嵌まり込むように内側方向に形状復帰して係止溝に係止される。そして、この状態では、係止溝の当接面の位置が台座部材のバネ座面の位置よりも挿入方向の上流側に位置しており、当接面にバネ部材の係止部の内周部位が当接し且つバネ座面にバネ部材の係止部の外周部位が当接することによる当該バネ部材の変形によって固定部材を挿入方向の下流側に付勢している。このように固定部材は被固定手段に付勢された状態で固定されるため、磁石を用いることなく物品を安定的に固定できる。また、固定部材を被固定手段から離脱させる際にはバネ部材の変形(外側方向への変形)によって容易に離脱させることができるため物品の着脱を容易に行うことが可能である。
【0010】
また、前記台座部材は、前記バネ部材が前記固定部材からの押圧力を受けて外側方向に弾性変形する際、当該バネ部材の前記係止部の前記外周部位を前記挿入方向の上流側に案内するように、外側方向に向かって前記挿入方向の上流側に傾斜するスロープ部を備えている。
【0011】
これにより、固定部材からの押圧力を受けることによってバネ部材の係止部が外側方向に弾性変形した際、当該係止部の外周部位がスロープ部に沿って挿入方向の上流側に案内される(移動する)ことになる。前述したように、固定部材が所定の挿入位置に達した状態では、係止溝の当接面の位置が台座部材のバネ座面の位置よりも挿入方向の上流側に位置することになるが、係止部がスロープ部に沿って挿入方向の上流側に案内されていることにより、この係止部(係止部の内周部位)が固定部材の係止溝に容易に係止される(嵌まり込む)ことになる。このため、固定部材を被固定手段に固定する動作の信頼性の確保および物品の固定状態の安定性の確保を図ることができる。
【0012】
また、前記台座部材の前記底板部は、前記挿入方向の上流側に向けて膨出する湾曲形状となっている。
【0013】
これによれば、前記固定構造を構成する部品に形状のバラツキが生じていたとしても、湾曲形状とされた底板部の変形によって当該バラツキを吸収することができる。このため、台座部材の底板部に固定部材を安定的に当接させることができ、これら部材同士の間にガタツキが生じてしまうことを抑制できる。これにより、物品の固定状態を安定的に得ることができる。
【0014】
また、前記台座部材には、前記バネ部材における前記被支持部の前記外側方向への変形を規制するように当該被支持部を位置規制するバネ固定部が設けられている。
【0015】
これによれば、バネ部材の係止部を所謂片持ち梁構造とすることができ、固定部材が所定の挿入位置に達した際におけるバネ部材の弾性エネルギ(形状復帰のための復元力)を良好に確保することができる。
【0016】
また、前記バネ部材の断面形状は、円形、または、矩形で成る。
【0017】
特に、バネ部材の断面形状を矩形とした場合には、固定部材から押圧力を受けた際にバネ部材を外側方向へ変形しやすくすることができ(円形の場合と同一断面積である場合に断面二次モーメントが小さくなることにより変形しやすくすることができ)、形状復帰の速度を高く得ることができる。これにより、固定部材を被固定手段に固定する動作の信頼性を確保することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、固定部材が被固定手段に挿入される過程において、その挿入方向に沿う方向および当該挿入方向に直交する外側方向にバネ部材を弾性変形させ、固定部材が所定の挿入位置に達してバネ部材が固定部材の係止溝に嵌まり込んだ状態で、バネ部材の変形によって固定部材を挿入方向の下流側に付勢するようにしている。これにより、磁石を用いることなく、物品を安定的に固定できると共に物品の着脱を容易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態において、車室内にテーブルおよび棚を設置した状態の一例を示す斜視図である。
図2】被固定ユニットおよび固定部材の分解斜視図である。
図3】物品固定動作を示す図であって、図3(a)は物品固定動作開始時の状態、図3(b)は物品固定動作の途中の状態、図3(c)は物品固定動作完了時の状態それぞれにおける被固定ユニットおよび固定部材の一部を示す断面図である。
図4】台座部材にバネ部材を装着した状態を示す平面図である。
図5】固定部材を被固定ユニットに固定した状態における図4のV-V線に対応する位置での断面図である。
図6】変形例におけるバネ部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、キャンピングカーの車室内にテーブルや棚等の物品を設置する場合の固定構造として本発明を適用した場合について説明する。
【0021】
-車室内の説明-
図1は、本実施形態において、車室内SにテーブルTaおよび棚Shを設置した状態の一例を示す斜視図である。本発明に係る物品の固定構造は、テーブルTaをフロアパネル(被固定物)Fpに固定したり、棚Shを壁パネル(被固定物)Wpに固定したりするためのものである。具体的には、テーブルTaの下部(下面)に取り付けられた固定部材1(図2および図3を参照)を、車室内Sを構成するフロアパネルFpに取り付けられた被固定ユニット(被固定手段)2(同じく図2および図3を参照)に固定することによって、テーブルTaをフロアパネルFpに固定する。また、棚Shの側面(背面)に取り付けられた固定部材1を、車室内Sを構成する壁パネルWpに取り付けられた被固定ユニット2に固定することによって、棚Shを壁パネルWpに固定する。
【0022】
具体的に、被固定ユニット2はフロアパネルFpの複数箇所に配置(マトリックス配置)されており、テーブルTaの下部に取り付けられた固定部材1を固定するための被固定ユニット2を選択することによってテーブルTaの配設位置を任意に変更できるようになっている。つまり、テーブルTaの下部における車体前後方向および車幅方向に亘って複数の固定部材1,1,…が取り付けられている場合には、フロアパネルFpにおける各被固定ユニット2,2,…の配設ピッチ(車体前後方向での配設ピッチおよび車幅方向での配設ピッチ)に対して、テーブルTaの下部に取り付けられた固定部材1,1,…の配設ピッチ(車体前後方向での配設ピッチおよび車幅方向での配設ピッチ)が整数倍とされており、これによって、一つの固定部材1を固定する被固定ユニット2が決まると、それに応じて他の固定部材1を固定する被固定ユニット2も一義的に決まることになるため、固定部材1を固定する被固定ユニット2を任意に選択することによってテーブルTaの固定位置を任意に変更できるようになっている。
【0023】
同様に、被固定ユニット2は壁パネルWpの複数箇所に配置(マトリックス配置)されており、棚Shに取り付けられた固定部材1を固定するための被固定ユニット2を選択することによって棚Shの配設位置を任意に変更できるようになっている。つまり、棚Shにおける車体前後方向に亘って複数の固定部材1,1が取り付けられている場合には、壁パネルWpにおける各被固定ユニット2,2の配設ピッチ(車体前後方向での配設ピッチ)に対して、棚Shに取り付けられた固定部材1,1の配設ピッチ(車体前後方向での配設ピッチ)が整数倍とされており、これによって、一つの固定部材1を固定する被固定ユニット2が決まると、それに応じて他の固定部材1を固定する被固定ユニット2も一義的に決まることになるため、固定部材1を固定する被固定ユニット2を任意に選択することによって棚Shの固定位置を任意に変更できるようになっている。また、図1に示すように、本実施形態では、壁パネルWpの上下方向に亘って複数の被固定ユニット2,2,…が配設されているため、棚Shの取り付け高さ位置も任意に変更できるようになっている。
【0024】
-固定部材および被固定ユニットの説明-
以下、固定部材1および被固定ユニット2の構成について具体的に説明する。各固定部材1および各被固定ユニット2はそれぞれ同一の構成となっているため、ここでは1個の固定部材1および被固定ユニット2を代表して説明する。
【0025】
図2は被固定ユニット2および固定部材1の分解斜視図である。また、図3は、物品固定動作を示す図であって、図3(a)は物品固定動作開始時の状態、図3(b)は物品固定動作の途中の状態、図3(c)は物品固定動作完了時の状態それぞれにおける被固定ユニット2および固定部材1の一部(図面上における右側半分)を示す断面図(後述するバネ部材3および台座部材4の平面図である図4におけるIII-III線に対応する位置での断面図)である。
【0026】
尚、以下の説明では、テーブルTaの下部に取り付けられた固定部材1を、フロアパネルFpに取り付けられた被固定ユニット2に固定する場合を例に挙げて説明する。この場合、固定部材1を被固定ユニット2に固定する際には、被固定ユニット2に対して固定部材1を上側から挿入する(嵌め込む)ものとなる。つまり、この挿入方向は上下方向である。このため、以下で説明する上下方向とは被固定ユニット2に対して固定部材1を挿入する方向に相当し、水平方向とは被固定ユニット2に対して固定部材1を挿入する方向に対して直交する方向に相当する。尚、棚Shに取り付けられた固定部材1を、壁パネルWpに取り付けられた被固定ユニット2に固定する場合には、被固定ユニット2に対して固定部材1を水平方向に挿入することになる。
【0027】
(固定部材の説明)
図2および図3に示すように、固定部材1は、テーブルTaの下部にボルト締結によって取り付けられる部材である。また、固定部材1は、中央部にボルト挿通孔11が形成された略偏平円筒形状の部材で成る。このボルト挿通孔11に下側からボルトB(図3を参照)が挿通されることにより、テーブルTaの下部に固定部材1が固定(ボルト締結)されている。
【0028】
固定部材1は、フランジ部12、バネ係止部13、台座当接部14を備えている。
【0029】
フランジ部12は、固定部材1の上端に位置し、平面視が円形であって所定の外径寸法を有している。このフランジ部12の外径寸法は、後述する被固定ユニット2を構成する抑え部材5に形成されている挿入開口部51aの開口幅(図2における寸法t1を参照)よりも僅かに大きく設定されている。
【0030】
バネ係止部13は、フランジ部12の下側に連続し、フランジ部12よりも小径の円筒形状の部分である。このバネ係止部13の外径寸法は、被固定ユニット2の抑え部材5に形成されている挿入開口部51aの開口幅t1よりも僅かに小さく設定されている。これにより、このバネ係止部13が抑え部材5の挿入開口部51aに挿入され、所定の挿入位置に達した際に固定部材1が被固定ユニット2に固定されることになる(具体的な固定構造については後述する)。
【0031】
バネ係止部13の外周面には、その全周囲に亘って内周側に向けて凹陥して成る係止溝15が形成されている。この係止溝15の底面15a(図3を参照)は、固定部材1が所定の挿入位置に達して被固定ユニット2に固定された状態(図3(c)に示す状態)において後述するバネ部材3の係止部33の一部が当接する当接面となっている。
【0032】
台座当接部14は、バネ係止部13の下側に連続する部分である。この台座当接部14の外周面14aは、下方に向かうに従って内周側に向けて傾斜している。また、この台座当接部14の内周面14bは、下方に向かうに従って外周側(外側方向)に向けて傾斜している。この内周面14bはボルト挿通孔11に挿通されているボルトBの頭部が当接する部分である。
【0033】
(被固定ユニットの説明)
フロアパネルFpに取り付けられている被固定ユニット2は、バネ部材3、台座部材4、抑え部材5が一体的に組み付けられて構成されている。以下、各部材について説明する。
【0034】
<バネ部材の説明>
バネ部材3は、金属製であって、断面形状が円形であり、固定部材1が被固定ユニット2に挿入される過程において、固定部材1からの押圧力を受けることによって、その挿入方向に沿う方向(具体的には上方)および当該挿入方向に直交する外側方向に弾性変形し(図3(b)に示す状態を参照)、固定部材1が所定の挿入位置に達した際に前記係止溝15に嵌まり込むように内側方向に形状復帰して該係止溝15に係止する部材である(図3(c)に示す状態を参照)。
【0035】
図4は、台座部材4にバネ部材3を装着した状態を示す平面図である。以下、理解を容易にするために、図4における左右方向をX方向と呼び、上下方向をY方向と呼ぶこととする。
【0036】
図4に示すように、バネ部材3は、台座部材4の中心部を囲むような形状となっている。具体的に、バネ部材3は、X方向に沿って延在する円弧部31、該円弧部31の両側(X方向の両側)に連続して外周側(台座部材4における半径方向の外側)に位置する被支持部32,32、該被支持部32,32に連続する係止部33,33を備えている。
【0037】
被支持部32は、平面視がコ字状(台座部材4の中心側に向けて開放するコ字状)に屈曲されており、円弧部31に連続して外周側に延在する第1延在部32a、該第1延在部32aの外周側端に連続して周方向に延在する第2延在部32b、該第2延在部32bの先端に連続して内周側(内側方向)に延在する第3延在部32cを備えている。
【0038】
係止部33は、平面視がコ字状(被支持部32に向かう側に開放するコ字状)に屈曲されており、被支持部32の第3延在部32cに連続して周方向に延在する第4延在部33a、該第4延在部33aの先端に連続して外周側に延在する第5延在部33b、該第5延在部33bの外周側端に連続して周方向に延在する第6延在部33cを備えている。
【0039】
図4の一点鎖線は、抑え部材5に設けられた挿入開口部51aの形状を示している。この図4からも分かるように、バネ部材3の係止部33のうち、第4延在部33a、第5延在部33b、および、第6延在部33cの一部(第5延在部33b寄りの部分)が挿入開口部51aに臨んでいる。
【0040】
X方向で対向する第5延在部33b,33b同士の間の間隔寸法(X方向での間隔寸法)は固定部材1のバネ係止部13の外径寸法よりも小さくなっている。このため、抑え部材5の挿入開口部51aに固定部材1が挿入される過程(抑え部材5および台座部材4の中心位置と固定部材1の中心位置とが位置合わせされた状態で図4における紙面の手前側から奥側に向けて挿入される過程)にあっては、バネ部材3において、この挿入開口部51aに臨んでいる部分が固定部材1からの押圧力(X方向の外側に向かう押圧力)を受けることになる。図4の仮想線は、この押圧力を受けたことによるバネ部材3の係止部33の変形状態を示している。
【0041】
<台座部材の説明>
台座部材4は、バネ部材3を支持する部材であって、抑え部材5と共に図示しないブラケットを介してフロアパネルFpに固定されている。例えば、台座部材4の外周囲に図示しない係止爪が設けられ、この係止爪が、フロアパネルFpにボルト締結されたブラケットに係止されている。図2および図4に示すように、台座部材4は、底板部41と、該底板部41よりも高い位置にあるバネ部材支持部42と、これら底板部41とバネ部材支持部42との間に亘る傾斜板部43とを備えている。
【0042】
底板部41の中央部は、上側に向けて膨出する湾曲形状となっている。また、この底板部41の中央部には貫通孔41aが形成されている。この貫通孔41aは、台座部材4の上側に入り込んだ塵埃(砂や埃)を下側に排出するためのものである。底板部41における貫通孔41aの外周部分には上方へ僅かに突出した円環状の突起41b(図3を参照)が設けられている。この突起41bは、図3(c)に示すように固定部材1が挿入された(嵌め込まれた)状態において当該固定部材1の下端(台座当接部14の下端)が当接する部分である。
【0043】
バネ部材支持部42は、バネ固定部42a、バネ座面42b、スロープ部42cを備えている。
【0044】
バネ固定部42aは、バネ部材3における被支持部32を移動不能に支持している。具体的には、バネ固定部42aは、バネ部材3の第1延在部32aおよび第3延在部32cに当接する突起によって構成されている。これらバネ固定部42a,42a同士の間の間隔(台座部材4の周方向における間隔)は、第2延在部32bの長さ寸法に略一致している。このため、各バネ固定部42a,42a同士の間にバネ部材3の被支持部32が嵌め込まれた状態となって、該バネ部材3が台座部材4上に支持された構成となっている。
【0045】
特に、第3延在部32cに当接するバネ固定部42aの先端位置(内周側の先端位置)は、バネ部材3の第3延在部32cと第4延在部33aとの境界付近、つまり、バネ部材3の被支持部32と係止部33との境界付近に設定されている。このため、固定部材1からの押圧力を受けた際、バネ部材3の被支持部32の変形はバネ固定部42aによって規制されるのに対し、係止部33が変形することになる。これにより、係止部33を所謂片持ち梁構造としている(図4に仮想線で示す係止部33の変形状態を参照)。
【0046】
バネ座面42bは、バネ部材3における係止部33の第6延在部33cの下側に位置した水平面で構成され、この第6延在部33cを支持する部分である。
【0047】
本実施形態の特徴の一つとして、図3(c)に示すように固定部材1が所定の挿入位置に達した状態では、係止溝15の底面15aの位置が台座部材4のバネ座面42bの位置よりも僅かに上側に位置している。つまり、台座部材4における突起41bの上端位置とバネ座面42bとの間の距離に対し、固定部材1における台座当接部14の下端と係止溝15の底面15aとの間の距離が僅かに長く設定されている。これにより、バネ部材3の係止部33が固定部材1の係止溝15に係止した状態にあっては、係止溝15の底面15aにバネ部材3の係止部33の内周部位が当接し且つ台座部材4のバネ座面42bにバネ部材3の係止部33の外周部位(第6延在部33cを含む外周部位)が当接することになり、バネ部材3が変形(内側が上側に捩れるように変形)した状態となるようになっている。
【0048】
スロープ部42cは、図3および図4に示すように、バネ座面42bの外側に連続し、係止部33の第6延在部33cに対応する位置に形成されている。そして、このスロープ部42cは、図3に示すように、外周側に向かうに従って所定角度をもって上側に傾斜する傾斜面で構成されている。このため、図3(b)に示すように、固定部材1からの押圧力を受けてバネ部材3の係止部33が外側方向に弾性変形した際には、係止部33の第6延在部33cがスロープ部42cに沿って上側に案内される(移動する)構成となっている。このスロープ部42cの傾斜角度としては、固定部材1からの押圧力を受けてバネ部材3の係止部33が弾性変形した際における上下方向成分(上下方向での弾性エネルギ)に比べて外側方向成分(水平方向での弾性エネルギ)が大きくなるように実験またはシミュレーションによって設定される。これにより、バネ部材3の形状復帰のための復元力を良好に確保することができ、固定部材1を被固定ユニット2に固定する動作の信頼性を確保することができるようにしている。
【0049】
<抑え部材の説明>
抑え部材5は、台座部材4およびバネ部材3の上側を覆うことによって、台座部材4との間でバネ部材3を挟み込む構造となっている。具体的に、抑え部材5は、図2および図3に示すように、前記挿入開口部51aを有する上板部51、該上板部51の外縁から所定寸法だけ下方に延在する円筒部52、該円筒部52の上下方向の中間位置から外周側に突出するフランジ部53を備えている。そして、上板部51および円筒部52によって形成されている内側空間にバネ部材3および台座部材4が収容されている。上板部51は、台座部材4のバネ部材支持部42の上側に位置しており、このバネ部材支持部42との間でバネ部材3の被支持部32や係止部33の第6延在部33cの外周部位を挟むように(所定隙間を存して挟むように)配置されている。このため、この上板部51が本発明でいうバネ抑え部に相当する。
【0050】
挿入開口部51aは、一方向(図2における右方向、図4における下方向)に開放されている。また、図5(固定部材1を被固定ユニット2に固定した状態における図4のV-V線に対応する位置での断面図)に示すように、固定部材1を被固定ユニット2に固定した状態にあっては、抑え部材5のフランジ部53の上面と台座部材4の底板部41の上面とが面一となっている。このため、固定部材1が挿入開口部51aに挿入され、当該固定部材1にバネ部材3が係止した状態において、固定部材1を、挿入開口部51aの開放方向にスライド移動させることによって被固定ユニット2から固定部材1を抜き取ることが可能な構成となっている(図5における矢印Y1を参照)。この場合、固定部材1がバネ部材3の第5延在部33b,33b同士の間を通過することになるため、この通過時には、バネ部材3の第5延在部33b,33bが固定部材1からの押圧力を受けることによって、バネ部材3の係止部33が外側方向に弾性変形し(図4の仮想線を参照)、固定部材1が抜き取られると当該係止部33が内側方向に形状復帰することになる。
【0051】
また、この挿入開口部51aの開放方向は、車内に設置されている各被固定ユニット2,2,…の全てが同一方向に設定されている。例えば、フロアパネルFpに取り付けられた各被固定ユニット2,2,…の挿入開口部51aの開放方向は車両後方側に設定されている。このため、被固定ユニット2に固定されている固定部材1を離脱させる際には当該固定部材1を車両後方側にスライド移動させることになる。また、壁パネルWpに取り付けられた各被固定ユニット2,2,…の挿入開口部51aの開放方向は上方に設定されている。このため、被固定ユニット2に固定されている固定部材1を離脱させる際には当該固定部材1を上方にスライド移動させることになる。
【0052】
-物品固定動作の説明-
次に、前述の如く構成された固定部材1および被固定ユニット2を利用した物品の固定動作(テーブルTaの下部をフロアパネルFpに固定するための動作)について説明する。
【0053】
図3(a)は物品固定動作開始時の状態である。この図3(a)に示すように、抑え部材5および台座部材4の中心位置と固定部材1の中心位置とが位置合わせされた状態で、固定部材1を抑え部材5の挿入開口部51a(図2を参照)に上側から挿入していく。
【0054】
図3(b)は物品固定動作の途中の状態である。この図3(b)に示すように、固定部材1を抑え部材5の挿入開口部51aに挿入していくに従って当該固定部材1の台座当接部14の外周面14aがバネ部材3の係止部33に当接し、該係止部33に外側方向への押圧力が作用する。これにより、係止部33は外周側に向けて弾性変形していく。バネ部材3における第6延在部33cの外側には台座部材4のスロープ部42cが存在しているため、第6延在部33cが外周側に移動していくに従って、当該第6延在部33cがスロープ部42cに沿って上側に移動していく。つまり、バネ部材3の係止部33が台座部材4のバネ座面42bから浮き上がった状態となる。
【0055】
この状態で、更に固定部材1を抑え部材5の挿入開口部51aに挿入していき、図3(c)に示すように固定部材1が所定の挿入位置(台座当接部14の下端が突起41bに当接した位置)に達すると、バネ座面42bから浮き上がっているバネ部材3の係止部33が固定部材1の係止溝15に嵌まり込み、内側方向に形状復帰して係止溝15に係止される状態となる。前述したように、固定部材1が所定の挿入位置に達した状態では、係止溝15の底面15aの位置は台座部材4のバネ座面42bの位置よりも上側に位置しているが、バネ部材3の係止部33がバネ座面42bから浮き上がっているため、当該係止部33は容易に係止溝15に入り込み、当該係止溝15の底面15aにバネ部材3の係止部33の内周部位が当接し且つ台座部材4のバネ座面42bにバネ部材3の係止部33の外周部位が当接することになる。つまり、バネ部材3が変形した状態となる。このため、バネ部材3によって固定部材1を下側に付勢した状態で、固定部材1が被固定ユニット2に固定された状態となる。
【0056】
一方、テーブルTaの設置場所を変更する要求等が生じた場合であって、被固定ユニット2に固定されている固定部材1を離脱させる際には、前述したように、固定部材1を、挿入開口部51aの開放方向にスライド移動させることによって被固定ユニット2から固定部材1を抜き取ることになる(図5における矢印Y1を参照)。これにより、前述した図3(a)~(c)の動作を再度行うことで他の場所にテーブルTaの設置することが可能となる。
【0057】
-実施形態の効果-
以上説明したように、本実施形態では、固定部材1が被固定ユニット2に挿入される過程において、その挿入方向に沿う方向および当該挿入方向に直交する外側方向にバネ部材3を弾性変形させ、固定部材1が所定の挿入位置に達してバネ部材3が固定部材1の係止溝15に嵌まり込んだ状態で、バネ部材3の変形によって固定部材1を下側に付勢するようにしている。これにより、磁石を用いることなく、テーブルTaを安定的に固定できると共にテーブルTaの着脱を容易に行うことが可能である。その結果、車両の急制動時等であって急激な入力(水平方向の入力)が生じた場合であっても安定した固定状態を維持することができる。また、磁石を使用しないため、コストの低廉化を図ることができ、また、砂鉄等の磁性体が吸着してしまうことによる不具合もない。
【0058】
また、本実施形態では、台座部材4のバネ部材支持部42にスロープ部42cを備えさせ、バネ部材3の係止部33がスロープ部42cに沿って案内されることにより、係止部33を固定部材1の係止溝15に容易に係止させることができる。このため、固定部材1を被固定ユニット2に固定する動作の信頼性の確保およびテーブルTaの固定状態の安定性の確保を図ることができる。
【0059】
また、本実施形態では、台座部材4の底板部41を上側に向けて膨出する湾曲形状としている。これによれば、前記固定構造を構成する部品に形状のバラツキが生じていたとしても、底板部41の変形によって当該バラツキを吸収することができる。このため、台座部材4の底板部41に固定部材1を安定的に当接させることができ、これら部材同士の間にガタツキが生じてしまうことを抑制できる。これにより、テーブルTaの固定状態を安定的に得ることができる。
【0060】
また、本実施形態では、バネ部材3を金属製としたことにより、樹脂製のバネ部材を使用する場合に比べて、温度依存性を無くすことができ、高い支持強度を安定的に得ることができる。また、繰り返し荷重に対する耐久性を高めることもできる。
【0061】
-変形例-
次に、変形例について説明する。本変形例は、バネ部材3の断面形状(前述の実施形態では円形)が前述した実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作は前述した実施形態と同様であるので、ここではバネ部材3の断面形状について主に説明する。
【0062】
図6は本変形例におけるバネ部材3’の断面図である。この図6に示すように、本変形例におけるバネ部材3’の断面は異形で成る。具体的には、幅寸法に対して高さ寸法が僅かに長く、且つ上面の外縁形状が僅かに上方に膨出するように湾曲し、下面の外縁形状が僅かに下方に膨出するように湾曲している。
【0063】
このような断面形状としたことにより、前述した実施形態におけるバネ部材3と同一断面積であったとしても、本変形例におけるバネ部材3’は断面二次モーメントが小さくなり、入力される荷重に対する変形量が大きく得られることになる。つまり、固定部材1から押圧力を受けた際にバネ部材3’を外側方向へ変形しやすくすることができ(断面が円形の場合と同一断面積である場合に断面二次モーメントが小さくなることにより変形しやすくすることができ)、形状復帰の速度を高く得ることができる。これにより、固定部材1を被固定ユニット2に固定する動作の信頼性を確保することができる。また、本変形例にあっては、固定部材1から押圧力を受けた際にバネ部材3’を外側方向へ変形しやすくしたことにより、固定部材1からの押圧力を受けてバネ部材3の係止部33が弾性変形した際における上下方向成分(上下方向での弾性エネルギ)に比べて外側方向成分(水平方向での弾性エネルギ)を大きくすることができ、これにより、バネ部材3の形状復帰のための復元力を良好に確保することができる。また、バネ部材3の係止部33の小型化を図ることが可能となり、被固定ユニット2全体としての小型化を図ることもできる。
【0064】
-他の実施形態-
尚、本発明は、前記実施形態および前記変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
【0065】
例えば、前記実施形態および前記変形例では、キャンピングカーの車室内にテーブルTaや棚Sh等の物品を設置する場合の固定構造として本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、種々の被固定物に物品を固定するものとして適用することが可能である。
【0066】
また、前記実施形態および前記変形例では、バネ部材3を金属製としていたが、樹脂製のバネ部材を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、キャンピングカーの車室内にテーブルや棚を設置する固定構造に適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…固定部材 15…係止溝 15a…底面(当接面)
2…被固定ユニット(被固定手段) 3…バネ部材 32…被支持部 33…係止部
4…台座部材 41…底板部 42a…バネ固定部 42b…バネ座面
42c…スロープ部 5…抑え部材 51…上板部(バネ抑え部) 51a…挿入開口部
Ta…テーブル(物品) Sh…棚(物品) Fp…フロアパネル(被固定物)
Wp…壁パネル(被固定物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6