(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172364
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】業務管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1091 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q10/1091
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090030
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】島田 祥吾
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA10
5L049AA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】時間外の労働中に中抜けなどが発生した場合でも、客観的に時間外の労働時間帯や労働時間の算出ができ、労働時間の客観的な把握及び申告労働時間との乖離時間を把握することが可能になり、過不足ない労働時間管理を支援する業務管理システムを提供する。
【解決手段】業務管理システムは、クライアント装置200におけるユーザーの操作履歴を監視し、操作履歴を記録する監視部210と、操作履歴に基づき時間外の労働時間を算出し、閾値を超えているかを判定し、その判定結果に基づいてユーザーへの通知を行う通知手段を備える勤怠管理システム120を含むサーバ100装置と、を有する。好ましくは、監視部210は、予め定められた操作時間の算出閾値時間のうちにクライアント装置200に対しマウス、キーボードなどによる所定量以上の操作入力があった場合に、ユーザーによる操作があったとして操作履歴を記録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置におけるユーザーの操作履歴を監視し、操作履歴を記録する監視手段と、
前記操作履歴に基づき時間外の労働時間を算出し、閾値を超えているかを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記ユーザーへの通知を行う通知手段
とを備えることを特徴とする業務管理システム。
【請求項2】
前記監視手段は、予め定められた操作時間の算出閾値時間のうちに前記端末装置に対しマウス、キーボードなどによる所定量以上の操作入力があった場合に前記ユーザーによる操作があったとして前記操作履歴を記録することを特徴とする請求項1に記載の業務管理システム。
【請求項3】
前記監視手段は前記端末装置に設けられ、
前記判定手段と前記通知手段とは、前記端末装置とネットワークを介して接続されたサーバー装置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の業務管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、働き方改革や新型コロナウイルスによって、テレワークやフレックスタイム制などが増えてきている。それにより管理者による労働時間の管理が複雑化してきており、自宅などで、時間外労働や中抜け労働、サービス残業などが増加している。そのため労働時間の可視化による効率化が必要になってきている。そのため労働時間をコンピューターなどのユーザーの端末操作情報から算出する製品が増加している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、ログイン操作やログオフ操作、操作入力を端末から取得し、所定の条件を満足するか否かに応じて時間外の労働時間を算出しているが、時間外の労働時間帯を算出していないため、申告労働時間外に作業があった場合に、申請漏れやサービス残業によるものなのか、深夜帯や自宅などで操作した隠れ残業なのかなど、時間外の労働時間帯など労働状況の実態がわからないという問題がある。
【0005】
また、申告労働時間帯にPCの操作がない会議などを行った場合に労働時間として扱われない場合がある。その対策として勤怠管理システムの勤怠情報から労働時間と判定されるものは労働時間として算出することや、所定時間ごとに操作入力を合算して労働時間を算出することの開示があるが、わざわざ労働時間を申請して残業抑止の制御などを受けないことがあるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、申告労働時間外にサービス残業や中抜けがあっても客観的に時間外の労働時間帯などの算出ができ、過不足ない時間外の労働時間帯や労働時間の管理を支援することができる業務管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上記課題を鑑み、コンピューターの操作ログを定時的に取得し、申告労働時間外の操作ログから時間外労働の時間帯や時刻を算出することや申告労働時間内は労働時間として算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、時間外の労働中に中抜けなどが発生した場合でも、客観的に時間外の労働時間帯や労働時間の算出ができ、労働時間の客観的な把握および、申告労働時間との乖離時間を把握することが可能になり、過不足ない労働時間管理を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態にかかる管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】クライアント装置における操作履歴の一例を示す図である。
【
図3】ログ管理DBにおける操作履歴の一例を示す図である。
【
図4】勤怠管理システムにおける勤怠情報の一例を示す図である。
【
図5】組織管理システムにおける組織情報の一例を示す図である。
【
図6】設定ファイルにおける設定情報の一例を示す図である。
【
図7】管理システムにおける管理処理の一例を示す図である。
【
図8】メール通知におけるメール内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
図1は、実施形態に係る管理システムの概要を示す図である。
図1に示すように管理システムは、サーバーとして動作する端末装置(以下、サーバー装置と呼ぶ)100、クライアントとして動作する端末装置(以下、クライアント装置と呼ぶ)200を有している。
【0012】
各端末装置はパーソナルコンピューター、携帯情報端末などの情報処理装置であり、本実施形態ではそれぞれパーソナルコンピューターにより実現した場合を説明する。クライアント装置200、サーバー装置100がネットワークを介して接続されている。なお、
図1に示した構成は一例であり、端末装置の台数や、ネットワーク構成などは
図1に限るものではない。
【0013】
(クライアント装置200)
クライアント装置200は、アクセス情報を含むクライアント装置200の操作履歴(ログ)を取得し、サーバー装置100に送信する。サーバー装置100は、受信したアクセス情報を含む操作履歴から労働時間の算出を行う。クライアント装置200は監視部210を備えている。監視部210は、クライアント装置200における操作(例えば、Web利用状況、アプリケーション利用状況、メール利用状況、ファイル利用状況、入力装置に対するユーザーの操作工数等)を監視し、操作履歴として記録する。設定ファイルにより申告労働時間内は操作履歴を取得しないなどの設定も可能である。
【0014】
図2は、操作履歴の一例を示す図である。操作履歴には、例えば、次の情報が含まれうる。
・クライアント装置の識別情報・・・コンピューター名、IPアドレス、MACアドレスなど
・操作開始日時・・・操作を開始した日時(操作履歴の取得開始時)
・ユーザー名・・・端末装置にログインしているユーザーのIDなど
・PC名・・・端末装置の識別情報など
・アクティブウインドウのアプリケーション名・・・プロセス名など
・アクティブウインドウのタイトル名・・・キャプション名(編集されているファイルの名称など)
・操作時間・・・アプリケーションの操作時間やURL・パスごとの閲覧時間
・URL・・・Webページのアドレス
・パス名・・・ファイルパス、フォルダパスなど
・IPアドレス
・ポート番号
・ファイル名
・ハッシュ値
・キーボードの打鍵数
・入力文字コード・・・全角/半角、2バイト系文字/1バイト系文字、Unicode/EUC/ISO/JISなど
・入力確定文字・・・フロントエンドプロセッサ(FEP)を通じて確定された文字
・ポインティングデバイスのポインタの移動距離
・ポインティングデバイスのクリック数
・音声入力装置の接続記録
・音声入力装置のON/OFF状態
・画像記録装置の接続記録
・画像記録装置のON/OFF状態
【0015】
図2に示す操作履歴の一例においては、「操作時刻」ラベルに操作開始日時(2022/11/1 14:43:32など)、「ユーザー」ラベルにユーザー名(0001など)、「URL/パス名」ラベルにURL名またはパス名(C:¥Users¥adminなど)、「プロセス名」ラベルにアクティブウインドウのアプリケーション名(A.exeなど)を示しており、残りの履歴情報については表記を省略している。
【0016】
クライアント装置200の監視部210は、予め設定された監視期間(例:1分)ごとに操作履歴を作成し、サーバー装置100に送信する。
【0017】
操作開始日時の欄には操作履歴(動作履歴)の記録を監視部210が開始した日時のデータが記録される。
【0018】
ユーザー名の欄には、端末装置にログインしているユーザーの識別情報が記録されている。
【0019】
なお、
図2には図示していないが、キーボードの打鍵数の欄には、操作開始日時から所定の監視期間(例:1分間)の間にキーボードが打鍵された回数が記録される。例えば、資料の作成時にキーボード入力を行った際や、ウェブサイトでログインを行う際にアカウント名を入力したときなどがある。ポインタ移動距離の欄には、操作開始日時から所定の監視期間(例:1分間)の間にポインティングデバイスのポインタが移動した距離のデータが記録される。例えば、特定の項目にポインタを合わせるためにマウスを移動したり、資料を閲覧しているときにスクロールを行ったりしたときなどがある。ウインドウタイトルの欄には、アプリケーションを識別するための識別情報(例:編集作業名や編集対象ファイルの名称など)が記録される。例えば、電子メールプログラム(メーラ)がアプリケーションであれば、編集作業名は、例えば、「作成」とのタイトルである「Re:ありがとう」などである。プロセス名の欄305には、アクティブウインドウで実行されるプロセスのプロセス名(アプリケーション名)が記録される。
【0020】
音声入力装置の接続記録には、ヘッドセットなどの接続履歴が記録される。例えばWEB会議のプロセス実行中にキーボードやマウス入力がない場合でも操作履歴として記録を行う。
【0021】
(サーバー装置100)
サーバー装置100は、ログ管理DB110、勤怠管理システム120、組織管理システム130、設定ファイル140を備えている。なおこれは一例であり、勤怠管理システムや組織管理システムなどは外部システムとして構成し、それらから後述する各種情報を取得してもよい。外部APIなどを使用し連携する場合には、設定ファイル140などに記載したパスから連携を行い、勤怠情報や組織情報を取得してもよい。
【0022】
ログ管理DB110は、クライアント装置200から受信した操作履歴に基づいて、ログ管理DB110に対し、クライアント装置/ユーザー毎に操作履歴を記録する。
図3はログ管理DBにおける操作履歴の一例を示す図である。記録する操作履歴はクライアント装置200から受信した操作履歴と同一でもよいし、データを編集し、必要な項目のみを記録してもよい。
図3においては、クライアント装置200から受信したデータを並び替えて管理している状態を示している。なお、DBはデータベースの略称である。
【0023】
勤怠管理システム120はユーザーの勤怠に関する情報を記憶し、管理する情報システムである。
図4は、勤怠管理システムにおける勤怠情報の一例を示す図である。勤怠管理システム120は、例えば、ユーザーの申告に基づき算出される勤務時間の情報を記録する。
【0024】
なお、勤怠管理システム120は、
図1に示すようにサーバー装置100内に構築してもよいし、それとは別体のサーバーなどから構成してもよい。勤怠情報には、例えば、次の情報が含まれうる。
・ユーザー名・・・端末装置にログインしているユーザーのIDなど
・日付・・・勤怠情報の日付
・始業時間・・・勤怠の始業時間
・終業時間・・・勤怠の終業時間
・休憩時間1(開始時間)・・・勤怠の休憩時間1の開始時間
・休憩時間1(終了時間)・・・勤怠の休憩時間1の終了時間
・勤務区分・・・ユーザーの勤務区分
【0025】
図4に示す操作履歴の一例においては、「ユーザー」ラベルにユーザー名(0001など)、「日付」ラベルに勤怠情報の日付(2022/11/01など)、「始業時間」ラベルに勤怠の始業時間(7:00など)、「終業時間」ラベルに勤怠の終業時間(16:00など)、「休憩1」の「開始」ラベルに休憩時間1の開始時間(12:00など)、「休憩1」の「終了」ラベルに休憩時間1の終了時間(13:00など)を示しており、残りの勤怠情報については表記を省略している。
【0026】
組織管理システム130はユーザーの組織に関する情報を記憶し、管理する情報システムである。
図5は、組織管理システムにおける組織情報の一例を示す図である(詳しくは後述)。組織管理システム130は、例えば、ユーザーの組織名やメールアドレス、名前、PC名などの情報を記録する。組織管理システム130は、
図1に示すようにサーバー装置100内に構築してもよいし、それとは別体のサーバーなどから構成してもよい。組織情報には、例えば、次の情報が含まれうる。
・ユーザー名・・・端末装置にログインしているユーザーのIDなど
・表示名・・・ユーザーの名前
・メールアドレス・・・ユーザーのメールアドレス
・電話番号・・・ユーザーの電話番号
・部署名・・・所属している部署名
・部署コード・・・所属している部署のコード
・勤務形態・・・ユーザーの勤務形態
・役職/グレード・・・ユーザーの役職
【0027】
図5に示す組織情報の一例においては、「ユーザー」ラベルにユーザー名(0001など)、「メールアドレス」ラベルにユーザーのメールアドレス(taro@mail.comなど)、「部署名1」ラベルに所属部署名の上位階層(全社)、「部署名2」ラベルに所属部署名の中位階層(人事など)、「部署名3」ラベルに所属部署名の下位階層(一区など)が示されている。なお、部署名で示したように、複数の階層で管理される項目についてはこのように管理することが可能であり、階層は3つに限られない。また、該当する階層の情報がない場合(例えば
図5の「ユーザー」0001の「部署名3」)には、空欄となっている。
【0028】
設定ファイル140は本システムの設定情報を記憶し、管理する設定ファイルである。設定ファイルには、勤怠情報や組織情報といった情報の取り込み先のパスや、通知を行うための通知条件などが含まれる。
図6は、設定ファイルにおける設定情報の一例を示す図である。設定情報には、例えば、次の情報が含まれうる。
図6にはこれらの設定値を含む設定ファイルの例を示している。
・勤怠情報のパス・・・勤怠情報の取り込み先ディレクトリパス
・組織情報のパス・・・組織情報の取り込み先ディレクトリパス
・通知API連携のパス・・・通知を行うアプリなどのAPI連携のパス
・労働時間の算出閾値・・・労働時間を算出する際の閾値
・通知する乖離時間の閾値・・・通知処理を行う際の乖離時間の閾値
・通知する時間外の労働時間の閾値・・・通知処理を行う際の時間外の労働時間の閾値
・時間外利用の通知・・・時間外利用であることを通知するか否か
【0029】
また、申告労働時間外のみ操作履歴を取得するかを設定可能とし、その設定値を含むようにしてもよい。
【0030】
(サーバー装置100の処理フロー)
図7は、サーバー装置100の処理の一例を示すフローチャートである。S301にて、勤怠管理システムから申告労働時間や時間外労働の基準時間などを算出する。S302では、ログ管理DBにて記録されている操作履歴から時間外の労働時間などを算出する。S303では、S302で算出された時間外の労働時間などを、設定ファイル140で設定された閾値と比較をする。S303の比較において閾値を超えた場合には、S304で通知処理を行う。これら各ステップにおける詳細な処理について以下に説明する。
【0031】
[申告労働時間と時間外労働の基準時間の算出方法]
S301では、勤怠管理システム120に保存されている勤怠情報に基づいて、申告労働時間や時間外労働の基準時間など算出を行う。例えば、
図4にあるユーザー0001、日付が2022/11/01のデータで算出例を示す。申告労働時間は始業時間の7:00から始まり、終業時間の16:00の9時間から、休憩1の開始12:00から終了13:00までの1時間をひいた8時間が申告労働時間となり、時間外労働の基準時間は7:00と16:00になる。他の方法として、設定ファイルなどで始業時間や終業時間などが定義されていてもよい。
【0032】
[時間外の労働時間の算出方法]
次いで、S302では、勤怠管理システム120に保存されている勤怠情報に基づいて算出された申告労働時間や時間外労働の基準時間、ログ管理DB110に保存されている操作履歴などに基づき、操作履歴から操作時間を算出して、時間外の労働時間などを算出する。
【0033】
操作時間の算出方法として例えば、1分毎にアクティブかどうかを判定しアクティブな分数を操作時間として算出する方法がある。アクティブかどうかの判定基準として例えば、操作時間の算出閾値として1分間のうちにマウス移動が50ピクセル以上ある場合や、マウス・キーボード入力が1回以上あるなどの場合にアクティブとしてその1分間を操作ありとする。この判定基準を満たしていない場合には操作なしとして計算する。このようにアクティブかどうかを判定することによって、マウスに振動があっただけで操作ありとして計算されてしまうようなことを防止でき、ユーザーが操作していないときにも操作ありとして計算されないようになるため、より精度のよい操作時間の算出が可能になる。
【0034】
上記の算出方法などによって算出された操作時間を使い、時間外の労働時間などを算出する。例えば、設定ファイルにある労働時間の算出閾値が5分、始業時間が8:00、終業時間が17:00の場合、操作時間が17:00から17:35までいずれの5分間においても連続して操作したと判定した場合に時間外労働は終業時間17:00より後の35分間と算出される。この場合に時間外の労働時間帯は、17:00-17:35となり、時間外の労働時間は35分となる。なお、申告労働時間と労働時間を足したものを労働時間として算出をしてもよい。
【0035】
他の例として、操作時間が1分単位で、設定ファイルにある労働時間の算出閾値が5分、始業時間が8:00、終業時間が17:00の場合、操作時間が17:00から17:26まであり、次の操作時間が17:30の場合に無操作が4分間あるが、設定ファイルにある労働時間の算出閾値が5分のため17:26から17:30までの間も作業をしていたとみなして労働時間が30分間と算出する。17:30の次の操作時間が20:37の場合算出閾値の5分を超えているため17:30から20:37の間は労働時間として算出されない。20:37の次が20:41の場合、閾値の5分以内のため20:42までの5分間が時間外の労働時間として算出される。これらの判定処理を繰り返して時間を加算していくことで時間外の労働時間と労働時間帯を算出する。始業時間の前も同様にして算出を行う。
【0036】
[通知方法]
上記で算出した時間外の労働時間帯と申告労働時間の乖離時間がサーバー装置100内の設定ファイル140に設定してある閾値を超えている場合に通知処理を行う。通知の方法には、例えば、次の方法が含まれうる。
・メール通知
・ポップアップ通知
・デスクトップ通知
・サウンド通知
・バナー通知
【0037】
例えば、時間外の労働時間帯が17:00から17:30の30分と20:00から21:32の1時間32分で、合わせて2時間2分で、申告労働時間が8:00から17:00である場合、通知する乖離時間の閾値が30分に設定されていれば、乖離時間が閾値を超えているため通知処理を行う。
【0038】
メール通知の例として、乖離があった場合に通知を行うメールアドレスは、乖離があったユーザーの情報を組織管理システム130から参照し、参照したメールアドレスを使って、ユーザーにメールを送ってもよい。
図8にメールの通知時のメールの例を示す。メールの内容には乖離があったユーザーの名前やアカウント名、日付などの基礎情報と、本システムから算出された労働時間や申告労働時間が含まれる。他にも、労働時間の乖離や時間外のPC使用時間など設定ファイルにて定義されたアラートが含まれうる。
【0039】
以上のように、PCの操作履歴を定期的に取得し時間外の労働時間として算出することで、テレワークやフレックスタイム制などユーザーの勤務状況を把握しづらい環境であっても客観的な時間外の労働時間の把握や、申告労働時間との乖離時間を把握することが可能になる。客観的な時間外の労働時間の把握ができることにより、ユーザーの業務負荷や、サービス残業などを把握することが容易になる。また、部門単位で分析を行うことによって人員が不足している部門や、人員が過剰な部門を把握でき、人事異動の際には参考にすることができるであろう。