(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172365
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G03G15/08 343
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090032
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 圭三
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA05
2H077AA34
2H077AB02
2H077AB18
2H077AC02
2H077DA15
2H077DA32
(57)【要約】
【課題】トナーボトルに振動を加える際に発生する音を低減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーボトル3は本体部31の周面に本体部側磁性体34を有し、載置部41は、本体部31を載置部41に載置させたままトナーボトル3を回転させたときに本体部側磁性体34が通過する軌跡に対向し得る位置に載置部側磁性体44を有し、本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44は、最も近接したときに斥力が作用するように同じ極性が対面するように設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーが収容されたトナーボトルと、前記トナーボトルが装着される装着部を有する装置本体とを備えた画像形成装置であって、
前記装着部は、前記トナーボトルの本体部が載置される載置部と、前記トナーボトルを回転させる回転部と、を備え、
前記回転部により前記トナーボトルを回転させることにより、前記トナーボトルに収容されたトナーを当該トナーボトルに設けられた支持部から排出させるように構成され、
前記トナーボトルは前記本体部の周面に本体部側磁性体を有し、
前記載置部は、前記本体部を前記載置部に載置させたまま前記トナーボトルを回転させたときに前記本体部側磁性体が通過する軌跡に対向し得る位置に載置部側磁性体を有し、
前記本体部側磁性体及び前記載置部側磁性体は、最も近接したときに斥力が作用するように同じ極性が対面するように設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記本体部は、前記トナーボトルが回転して前記本体部側磁性体及び前記載置部側磁性体が最も近接したときに前記載置部から浮かされ得るように構成され、
少なくとも前記トナーボトルが新品の状態であるときは、衝撃が発生するほど前記本体部を前記載置部から浮かされず、
少なくとも前記トナーボトルの交換を報知する必要がある状態より前に、衝撃が発生するほど前記本体部を前記載置部から浮かされ得るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記トナーボトルに収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは、前記本体部を前記載置部から浮かされず、
前記残量が所定の閾値以下であるときは、前記本体部を前記載置部から浮かされ得るように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体部側磁性体は永久磁石であり、前記載置部側磁性体は電磁石であり、
前記電磁石は、前記残量が所定の閾値を上回っているときは非通電状態であり、前記残量が所定の閾値以下であるときは通電状態であるように制御されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体は前記トナーボトルに収容されているトナーの残量を検出する検出部を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記本体部側磁性体及び前記載置部側磁性体は、それぞれ永久磁石であり、
前記本体部側磁性体の磁力及び前記載置部側磁性体の磁力は、
少なくとも前記トナーボトルが新品の状態であるときは、衝撃が発生するほど前記本体部を前記載置部から浮かされず、
少なくとも前記トナーボトルの交換を報知する必要がある状態より前に、衝撃が発生するほど前記本体部を前記載置部から浮かされ得るように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記載置部側磁性体は、
前記トナーボトルに収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは前記本体部を前記載置部から浮かさず、
前記残量が所定の閾値以下であるときは前記本体部を前記載置部から浮かし得るように、
前記載置部における位置が可変に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記載置部側磁性体は、
前記残量が所定の閾値を上回っているときは前記載置部において前記本体部側磁性体が通過する軌跡に対向し得る位置から離間した位置に移動させられ、
前記残量が所定の閾値以下であるときは前記載置部において前記本体部側磁性体が通過する軌跡に対向し得る位置に移動させられることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記装着部は防磁部材を有し、
前記防磁部材は、
前記残量が所定の閾値を上回っているときは前記本体部側磁性体と前記載置部側磁性体との間に位置するように移動させられ、
前記残量が所定の閾値以下であるときは前記本体部側磁性体と前記載置部側磁性体との間に位置しないように移動させられるように構成されていること特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トナーが収容されたトナーボトルと、前記トナーボトルが装着される装着部を有する装置本体とを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ装置のような電子写真方式の画像形成装置は、感光体の表面に静電潜像を形成し、現像装置により感光体に対してトナーを供給して前記静電潜像を現像し、現像により感光体に形成されたトナー像を記録材に転写した後、定着装置により定着させるように構成されている。
【0003】
このような画像形成装置においては、画像形成に伴い消費された分のトナーを、当該画像形成装置の装置本体に装着されたトナーボトルから搬送路を介して現像装置へと補給する。
【0004】
しかし、保管期間や保管環境、トナーの使用量により、トナーボトルの内部においてトナーに塊が発生したり、トナーボトルの内壁にトナーが付着したり、滞留したトナーが円滑に搬送されなかったりすることがある。
【0005】
このようにトナーに塊が発生したり、トナーボトルの内壁にトナーが付着したりしてしまうと、トナーがトナーボトルの内部から出てこなくなることにより現像装置へトナーが補給できずトナー像を正常に形成できなくなったり、トナーを最後まで使い切ることができずトナーを無駄に残してしまったりする虞がある。
【0006】
特許文献1には、トナーボトルの回転に応じて、トナーボトルの周囲に設けられた突出部が画像形成装置の本体側に設けられた当接ローラを乗り越えて突出部の高さの分だけ落下することで、トナーボトルに振動が与えられ、トナーボトルの内部に最後まで溜まって排出されないトナーの発生を回避する構成を備えた画像形成装置が開示されている。
【0007】
しかし、上記画像形成装置では、トナーボトルが回転すると、トナーボトルに収容されているトナーの残量に関わらず前記突出部と前記当接ローラとの接触音が常時発生するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、上述の問題に鑑みなされたものであり、トナーボトルに振動を加える際に発生する音を低減することができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するための、本開示に係る画像形成装置は、トナーが収容されたトナーボトルと、前記トナーボトルが装着される装着部を有する装置本体とを備えた画像形成装置であって、前記装着部は、前記トナーボトルの本体部が載置される載置部と、前記トナーボトルを回転させる回転部と、を備え、前記回転部により前記トナーボトルを回転させることにより、前記トナーボトルに収容されたトナーを当該トナーボトルに設けられた支持部から排出させるように構成され、前記トナーボトルは前記本体部の周面に本体部側磁性体を有し、前記載置部は、前記本体部を前記載置部に載置させたまま前記トナーボトルを回転させたときに前記本体部側磁性体が通過する軌跡に対向し得る位置に載置部側磁性体を有し、前記本体部側磁性体及び前記載置部側磁性体は、最も近接したときに斥力が作用するように同じ極性が対面するように設けられていることを特徴とする。
【0011】
上述の構成によると、トナーボトルを回転させて、本体部側磁性体が載置部側磁性体に対向する位置を通過する際に、本体部側磁性体と載置部側磁性体とに作用する斥力によって本体部が載置部から浮かされたあと、落下した際の衝撃によりトナーボトルの内部において塊となったトナーが解れたり、内壁に付着したトナーが剥がれたり、滞留したトナーが円滑に搬送されたりする。トナーボトルの内部でのトナーの搬送が円滑に行われ、トナーボトルに残留するトナーを低減することができる。
【0012】
本体部側磁性体と載置部側磁性体との間に作用する斥力によって、本体部を載置部から浮かせる構成であるため、部材どうしを接触させてトナーボトルを持ち上げたあとに落下させてトナーボトルに衝撃を与える従来の画像形成装置のような、部材どうしの接触音が発生することがない。そのため、トナーボトルに振動を加える際に発生する音を低減することができる。
【0013】
なお、本体部側磁性体は、本体部の周面の一箇所又は複数箇所に設けることができる。本体部側磁性体を本体部の周面の複数箇所に設ける場合は本体部の周面に均等な間隔で設けてもよいし、不均等な間隔で設けてもよい。
【0014】
本開示に係る画像形成装置において、前記本体部は、前記トナーボトルが回転して前記本体部側磁性体及び前記載置部側磁性体が最も近接したときに前記載置部から浮かされ得るように構成され、少なくとも前記トナーボトルが新品の状態であるときは、衝撃が発生するほど前記本体部を前記載置部から浮かされず、少なくとも前記トナーボトルの交換を報知する必要がある状態より前に、衝撃が発生するほど前記本体部を前記載置部から浮かされ得るように構成されていることを特徴としてもよい。
【0015】
トナーボトルに収容されているトナーの残量が充分であるときはトナーボトルに衝撃を与える必要が少ない。一方、トナーボトルに収容されているトナーの残量が減少してきたときは、トナーボトルの内部において塊となっているトナーを解したり、内壁に付着しているトナーを剥がしたり、滞留しているトナーを円滑に搬送して、排出させるためにトナーボトルに衝撃を与える必要がある。
【0016】
上述の構成によると、少なくとも前記トナーボトルが新品の状態であるときは、衝撃が発生するほど前記本体部を前記載置部から浮かさないことから、本体部と載置部との衝突音が発生しない。
【0017】
一方、トナーボトルに収容されているトナーの塊や付着が問題となり得るとき、すなわち少なくとも前記トナーボトルの交換を報知する必要がある状態より前に、例えば収容されているトナーが新品であるときの1/3から1/5程度を下回ったら、衝撃が発生するほど本体部を載置部から浮かして本体部と載置部とを衝突させ、塊となったトナーを解したり、内壁に付着したトナーを剥がしたり、滞留したトナーを円滑に搬送したりする。本体部と載置部の衝突音の発生期間、発生回数は少なくとも前記トナーボトルの交換を報知する必要がある状態より前の、例えば収容されているトナーが新品であるときの1/3から1/5程度を下回ったときだけと限定的であるため、トナーボトルに振動を加える際に発生する音は低減されることとなる。
【0018】
本開示に係る画像形成装置において、前記トナーボトルに収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは、前記本体部を前記載置部から浮かされず、前記残量が所定の閾値以下であるときは、前記本体部を前記載置部から浮かされ得るように構成されていることを特徴としてもよい。
【0019】
上述の構成によると、トナーボトルに収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは、本体部を浮かさないことから、本体部と載置部との衝突音が発生しない。
【0020】
一方、トナーボトルに収容されているトナーの塊や付着が問題となり得るとき、すなわちトナーボトルに収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときに初めて本体部を載置部から浮かして本体部と載置部とを衝突させ、塊となったトナーを解したり、内壁に付着したトナーを剥がしたり、滞留したトナーを円滑に搬送したりする。本体部と載置部の衝突音の発生期間、発生回数はトナーの残量が所定の閾値以下のときだけと限定的であるため、トナーボトルに振動を加える際に発生する音は低減されることとなる。
【0021】
一方、トナーボトルに収容されているトナーの塊や付着が問題となり得るとき、すなわち少なくとも前記トナーボトルの交換を報知する必要がある状態より前に、例えば収容されているトナーが新品であるときの1/3から1/5程度を下回ったら、衝撃が発生するほど本体部を載置部から浮かして本体部と載置部とを衝突させ、塊となったトナーを解したり、内壁に付着したトナーを剥がしたり、滞留したトナーを円滑に搬送したりする。本体部と載置部の衝突音の発生期間、発生回数は少なくとも前記トナーボトルの交換を報知する必要がある状より前の、例えば収容されているトナーが新品であるときの1/3から1/5程度を下回ったらときだけと限定的であるため、トナーボトルに振動を加える際に発生する音は低減されることとなる。
【0022】
本開示に係る画像形成装置において、前記本体部側磁性体は永久磁石であり、前記載置部側磁性体は電磁石であり、前記電磁石は、前記残量が所定の閾値を上回っているときは非通電状態であり、前記残量が所定の閾値以下であるときは通電状態であるように制御されることを特徴としてもよい。
【0023】
上述の構成によると、通電状態又は非通電状態の切替えという簡単な構成により本体部を載置部から浮かせたり浮かせなかったりすることができる。本体部を載置部から浮かせたくないときは磁力を発生させず、本体部を載置部から浮かせたいときは磁力を発生させる。つまり、残量の閾値を任意の値とすることができる。また、載置部側磁性体が電磁石から構成されていることから、電流の強さに応じて斥力を調節することができる。
【0024】
前記電磁石は、前記残量が所定の閾値を上回っているときは非通電状態であり、前記残量が所定の閾値以下であるときは通電状態であるように制御される。電磁石を非通電状態とするときの条件や、通電状態とするときの条件の具体例として、このような構成が採用される。
【0025】
本開示に係る画像形成装置において、前記装置本体は前記トナーボトルに収容されているトナーの残量を検出する検出部を備えていることを特徴としてもよい。
【0026】
トナーボトルに収容されているトナーの残量は例えば用紙に対する印字量、印字枚数などから推測することはできるが、検出部によりトナーの残量を具体的に検出することができる。
【0027】
検出部は、例えば、装着部に備えられ、トナーの有無に対応する透磁率を計測する透磁率計であり、当該透磁率計により計測したトナーの透磁率に基づいて、トナーの残量を算出するような構成であってよい。
【0028】
また、検出部は、例えば、装着部に備えられ、トナーボトルが回転した回数を計測する回転数計であり、当該回転数計により計測した回数に基づいて、トナーの残量を算出するような構成であってよい。
【0029】
また、検出部は、例えば、装着部に備えられ、本体部を上方へ付勢する付勢部材であり、当該付勢部材の長さに基づいて、トナーの残量を算出するような構成であってよい。
【0030】
また、検出部は、例えば、装着部に備えられ、本体部からの圧力を計測する圧力センサであり、当該圧力センサにより計測した圧力に基づいて、トナーの残量を算出するような構成であってよい。
【0031】
本開示に係る画像形成装置において、前記本体部側磁性体及び前記載置部側磁性体は、それぞれ永久磁石であり、前記本体部側磁性体の磁力及び前記載置部側磁性体の磁力は、少なくとも前記トナーボトルが新品の状態であるときは、衝撃が発生するほど前記本体部を前記載置部から浮かされず、少なくとも前記トナーボトルの交換を報知する必要がある状態より前に、衝撃が発生するほど前記本体部を前記載置部から浮かされ得るように構成されていることを特徴としてもよい。
【0032】
本体部側磁性体及び前記載置部側磁性体として永久磁石を採用することにより、電磁石を用いる場合より安価で簡素な構成を実現できる。
【0033】
トナーボトルに収容されているトナーの残量が充分であるときはトナーボトルに衝撃を与える必要が少ない。一方、トナーボトルに収容されているトナーの残量が減少してきたときは、トナーボトルの内部に残留するトナーを低減させる点において、トナーボトルの内部において塊となったトナーを解したり、内壁に付着したトナーを剥がしたり、滞留しているトナーを円滑に搬送して、排出させることに意義がある。
【0034】
上述の構成によると、トナーボトルに衝撃を与えるべきときに、載置部側磁性体を、本体部を浮かし得る位置まで移動させて、本体部を載置部から浮かせるようにすることができる。
【0035】
本開示に係る画像形成装置において、前記載置部側磁性体は、前記トナーボトルに収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは前記本体部を前記載置部から浮かさず、前記残量が所定の閾値以下であるときは前記本体部を前記載置部から浮かし得るように、前記載置部における位置が可変に構成されていることを特徴としてもよい。
【0036】
トナーボトルに収容されているトナーの残量が充分であるときはトナーボトルに衝撃を与える必要が少ない。一方、トナーボトルに収容されているトナーの残量が減少してきたときは、トナーボトルの内部に残留するトナーを低減させる点において、トナーボトルの内部において塊となったトナーを解して排出させることに意義がある。
【0037】
上述の構成によると、トナーボトルに衝撃を与えるべきときに、載置部側磁性体を、本体部を浮かし得る位置まで移動させて、本体部を載置部から浮かせるようにすることができる。
【0038】
本開示に係る画像形成装置において、前記載置部側磁性体は、前記残量が所定の閾値を上回っているときは前記載置部において前記本体部側磁性体が通過する軌跡に対向し得る位置から離間した位置に移動させられ、前記残量が所定の閾値以下であるときは前記載置部において前記本体部側磁性体が通過する軌跡に対向し得る位置に移動させられることを特徴としてもよい。
【0039】
上述の構成によると、載置部において載置部側磁性体は、本体部側磁性体が通過する軌跡に対向し得る位置に対して近接方向又は離間方向へ移動させたり、前記近接方向又は離間方向とは交差する方向へ移動させたりすることで、本体部側磁性体と載置部側磁性体とに作用する斥力を強めたり弱めたりして、トナーボトルの浮き具合を調節することができる。
【0040】
本開示に係る画像形成装置において、前記装着部は防磁部材を有し、前記防磁部材は、前記残量が所定の閾値を上回っているときは前記本体部側磁性体と前記載置部側磁性体との間に位置するように移動させられ、前記残量が所定の閾値以下であるときは前記本体部側磁性体と前記載置部側磁性体との間に位置しないように移動させられるように構成されていること特徴としてもよい。
【0041】
上述の構成によると、載置部側磁性体の位置はそのままにしながら、防磁部材を移動させて本体部側磁性体と載置部側磁性体の間に位置させる又は位置させないという簡単な構成で、本体部側磁性体と載置部側磁性体とに互いに斥力を発生させない又は発生させるという状態を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は本開示に係る画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【
図3】
図3はトナーボトルが装着部に装着されていない説明図である。
【
図4】
図4はトナーボトルが装着部に装着されている説明図である。
【
図5】
図5は実施形態1に係る画像形成装置の説明図である。
【
図6】
図6は実施形態1に係る画像形成装置の説明図である。
【
図7】
図7は実施形態1に係る画像形成装置の説明図である。
【
図8】
図8は実施形態2及び実施形態3に係る画像形成装置の説明図である。
【
図9】
図9は実施形態2及び実施形態3に係る画像形成装置の説明図である。
【
図10】
図10は実施形態4に係る画像形成装置の説明図である。
【
図11】
図11は実施形態4に係る画像形成装置の説明図である。
【
図12】
図12は実施形態4に係る画像形成装置の説明図である。
【
図13】
図13は実施形態4に係る画像形成装置の説明図である。
【
図14】
図14は実施形態5に係る画像形成装置の説明図である。
【
図15】
図15は実施形態5に係る画像形成装置の説明図である。
【
図18】
図18はその他の実施形態に係る画像形成装置の説明図である。
【
図19】
図19はその他の実施形態に係る画像形成装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
[実施形態1]
まず、本開示の実施形態1について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各実施形態の間で同一の構成要素には同一の符号を付し、それら構成要素について重複する説明は省略する。
【0044】
実施形態1において、画像形成装置1は、印刷機能を有する電子写真方式のモノクロ画像形成装置(プリンタ)である。画像形成装置1は、図示しないパソコンなどと有線もしくは無線で接続されており、パソコンから送られる印刷用画像データに応じて、媒体、ここでは所定の印刷用紙2に対して黒色のトナー像を形成する。
【0045】
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体に帯電器10、露光装置11、感光体ドラム12、現像装置13、クリーナ装置14、転写装置15、定着装置16、除電装置17、給紙装置18、搬送手段19、排紙トレイ20などを備えている。
【0046】
帯電器10により表面が均一の電位に帯電させられた感光体ドラム12の表面に対して、露光装置11からレーザー光を照射することにより、露光された領域は抵抗値が下がって表面電位が低下し、印刷用画像データに応じた静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像装置13からトナーが供給されトナー像が現像される。
【0047】
感光体ドラム12の表面に形成されたトナー像は、感光体ドラム12と転写装置15との間を通過する印刷用紙2に転写され、定着装置16において加熱圧着され、印刷用紙2にトナー像が転写される。
【0048】
なお、感光体ドラム12の表面に残留したトナー像は、クリーナ装置14により掻き取られる。クリーナ装置14により表面がクリーニングされた感光体ドラム12は、除電装置17により表面に残っている静電潜像が取り除かれる。これにより、感光体ドラム12は帯電されていない状態に戻る。
【0049】
給紙装置18は画像形成に使用する印刷用紙2を積載するトレイを有しており、印刷用紙2は搬送路や搬送ローラを備えた搬送手段19により画像形成装置1の装置本体内を搬送され、上記トナー像が転写されたのち排紙トレイ20に排紙される。
【0050】
画像形成装置1は、上記説明した構成のほか、画像形成装置1の各部を制御する制御部(図示せず)を備えている。
【0051】
以下に、本開示に係る要部について説明する。
図2に示すように、現像装置13は、現像槽131、二つの攪拌部材132a、132b、トナー供給ローラ133、現像ローラ134、トナーボトル3を装着する装着部4などを有している。
【0052】
現像槽131はトナーが貯留される槽である。攪拌部材132a、132bは、現像槽131に設けられたスクリューであり、トナーを攪拌しながらトナー供給ローラ133へ搬送する。トナー供給ローラ133から現像ローラ134に搬送されたトナーは現像ローラ134の表面に担持される。現像ローラ134に担持されたトナーは、感光体ドラム12に形成された静電潜像に付着しトナー像が形成される。
【0053】
図3はトナーボトル3が装着部4に装着されていない説明図であり、
図4はトナーボトル3が装着部4に装着されている説明図である。
【0054】
装着部4はトナーボトル3を装着する部分であり、画像形成装置1の装置本体の一側面に設けられた開閉カバーを開いて、トナーが空になったトナーボトル3の交換が可能に構成されている。なお、画像形成装置1は、トナーボトル3に収容されているトナーが空になると、その旨を報知するように構成されている。トナーボトル3は少なくともトナーボトル3の交換を報知する必要がある状態より前に、例えば収容されているトナーが新品であるときの1/3から1/5程度を下回ったら、衝撃が発生するほど本体部31を載置部41から浮かされ得るように構成されている。
【0055】
トナーボトル3はトナーが収容された容器である。トナーとして非磁性のトナーが用いられる。トナーボトル3は、トナーが収容された本体部31と、本体部31に収容されているトナーを排出する排出口(図示せず)が設けられ、トナーを収容する本体部31の一端を回転可能に支持する支持部32を備えている。
【0056】
本体部31は内壁に螺旋状のリブを有しており、トナーボトル3が回転させられることにより、トナーはこのリブにより搬送され支持部32から外部に排出される。
【0057】
装着部4は、トナーボトル3の本体部31が載置される載置部41と、支持部32が取り付けられる取付部42、トナーボトル3を回転させる回転部43と、を備えている。
【0058】
回転部43は係合部43aを備えている。トナーボトル3の一端部には当該係合部43aが係合する被係合部(図示せず)が設けられている。回転部43の係合部43aをトナーボトル3の前記被係合部に係合させた状態で、回転部43が駆動することによりトナーボトル3の本体部31が回転させられる。これにより、本体部31に収容されたトナーがリブに案内されながら支持部32の方へ搬送され、当該支持部32に設けられた排出口から外部へ排出させられる。なお、外部へ排出させられたトナーはホッパ(図示せず)を介して現像槽131へ供給される。
【0059】
現像槽131に供給されたトナーは、上述のように感光体ドラム12への現像に利用される。
【0060】
トナーボトル3は本体部31の周面に本体部側磁性体34を有している。本体部31の周面には窪みが設けられてあり、当該窪みに本体部側磁性体34が配置されている。本体部31の周面と本体部側磁性体34とは面一になるように構成されている。
【0061】
載置部41は、トナーボトル3を回転させたときに本体部31の本体部側磁性体34が通過する軌跡に対向し得る位置に載置部側磁性体44を有している。載置部側磁性体44は、トナーボトル3が載置部41に載置された状態であるときの、本体部31の軸心の真下に配置されている(
図5参照)。
【0062】
本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44は、例えば、それぞれ永久磁石から構成されており、本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44は、最も近接したときに斥力が作用するように同じ極性が対面するように設けられている。
【0063】
本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44は、トナーの残量が少なくなった場合にトナーが収容されたトナーボトル3の本体部31を載置部41から数ミリから数センチメートル程度浮かし得るような磁力が発生するような種類の永久磁石、磁力、寸法が選定される。本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44は、非希土類軽金属磁石、希土類磁石、又はフェライト磁石が好ましく例示できる。
【0064】
図5は、トナーボトル3の回転に伴う本体部側磁性体34と載置部側磁性体44との斥力によるトナーボトル3の挙動の説明図であり、トナーボトル3の軸心に沿った方向に見たトナーボトル3と装着部4とが示されている。
【0065】
図5においては、トナーボトル3は時計回りに回転する。
図5の一番左及び
図6に示されるように本体部側磁性体34が3時の位置から、
図5の左から二番目に示されるように4時、5時の位置を経て、
図5の左から三番目に示されるように載置部側磁性体44に対向する位置、すなわち6時の位置を通過する際に、トナーの残量が少なくなった場合に本体部側磁性体34と載置部側磁性体44とに作用する斥力によって、本体部31が載置部41から浮かされる(
図7参照)。
【0066】
図5の左から四番目に示されるように本体部側磁性体34が載置部側磁性体44に対向する位置、すなわち6時の位置を通過したあとは、本体部側磁性体34と載置部側磁性体44とに斥力が作用しなくなるため本体部31は載置部41に落下する。
【0067】
この衝撃によりトナーボトル3の内部において塊となったトナーが解されたり、トナーボトル3の内壁に付着したトナーが剥がされたり、滞留しているトナーが円滑に搬送されたりする。これによりトナーボトル3の内部でのトナーの搬送が円滑に行われ、トナーボトル3に残留するトナーが低減される。
【0068】
このように、トナーの残量が少なくなった場合に本体部側磁性体34と載置部側磁性体44との間に作用する斥力によって、本体部31を載置部41から浮かせる構成であるため、部材どうしを接触させてトナーボトル3を持ち上げたあとに落下させてトナーボトル3に衝撃を与える従来の画像形成装置のような、部材どうしの接触音が常時発生することがない。そのため、トナーボトル3に振動を加える際に発生する音を低減することができる。
【0069】
[実施形態2]
次に、本開示の実施形態2について、添付図面を参照しながら説明する。
【0070】
トナーボトル3に収容されているトナーの残量が充分であるときはトナーボトル3に衝撃を与える必要が少ない。一方、トナーボトル3に収容されているトナーの残量が減少してきたときは、トナーボトル3の内部において塊となったトナーを解したり、トナーボトル3の内壁に付着したトナーを剥がしたり、滞留しているトナーを円滑に搬送したりするためにトナーボトル3に衝撃を与える必要がある。
【0071】
実施形態1に係る画像形成装置1のように永久磁石を用いた構成では、本体部31には、トナーボトル3が一周するたびに載置部41から浮かそうとする力が常時作用しているため、トナーの残量が減っていくのに応じて、トナーボトル3が浮かされる距離が大きくなるようなアナログ的な動作しかできない。つまり、トナーの残量が所定の閾値を上回っているときには、トナーボトル3を載置部41から浮かさず、トナーの残量が所定の閾値以下であるときは本体部31を載置部41から浮かすといような、デジタル的な動作をさせることができない。
【0072】
そこで、
図8及び
図9に示すように、本体部側磁性体34の磁力及び載置部側磁性体44の磁力は、トナーボトル3に収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは、本体部31を載置部41から浮かさず、トナーの残量が所定の閾値以下であるときは本体部31を載置部41から浮かし得るようにすべく、実施形態2に係る画像形成装置1においては、本体部側磁性体34に永久磁石を採用しながらも、載置部側磁性体44に電磁石を採用する。
【0073】
本体部側磁性体34は、実施形態1に係る画像形成装置1と同じく非希土類軽金属磁石、希土類磁石、又はフェライト磁石のような永久磁石である。
【0074】
載置部側磁性体44は、電磁石であり、磁性材料から構成される芯441、芯441の周りに巻かれたコイル442、コイル442に電流を流す電池443、電流の通電状態又は非通電状態を切り替えるスイッチ444を備えている。電池443は、コイル442に電流を流したときに芯441が、永久磁石から構成された本体部側磁性体34と斥力を発生する方向に接続される。なお、電池443やスイッチ444は、同様の制御を実現し得る構成であればよい。
【0075】
本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44は、最も近接したときに斥力が作用するように同じ極性が対面するように設けられている。実施形態2においては、載置部側磁性体44が電磁石であることから、載置部側磁性体44のコイル442には、本体部側磁性体34と載置部側磁性体44とに斥力が作用する極面が対面するように電流が流される。なお、電流の強さに応じて斥力を調節することができる。
【0076】
スイッチ444を通電状態とすることで電池443からコイル442を介して芯441の周りに電流が流れ、載置部側磁性体44は磁力を発生させる。これにより
図5の左から三番目や
図7に示されるように本体部31は載置部41から浮かされ得る。
【0077】
一方、スイッチ444を非通電状態とすることで、載置部側磁性体44は磁力を発生させないことから、本体部31は載置部41から浮かされることがない。
【0078】
このように、通電状態又は非通電状態の切替えという簡単な構成により本体部31を載置部41から浮かせたり浮かせなかったりすることができる。本体部31を載置部41から浮かせたくないときは磁力を発生させず、本体部31を載置部41から浮かせたいときは磁力を発生させることができる。
【0079】
[実施形態3]
次に、本開示の実施形態3について、添付図面を参照しながら説明する。
【0080】
実施形態3に係る画像形成装置1は、トナーボトル3に収容されているトナーの残量に応じて、本体部31を載置部41から浮かせるように構成されている。
【0081】
具体的には、
図8及び
図9に示すように、実施形態2に係る画像形成装置1において、装置本体はトナーボトル3に収容されているトナーの残量を検出する検出部5を備えている。
【0082】
トナーボトル3に収容されているトナーの残量は、例えば用紙に対する印字量、印字枚数などから検出することができる。また、
図8及び
図9に示すように、トナーボトル3の重量を検出する検出部5によりトナーの残量を具体的に検出することもできる。なお、印字量は、トナーボトル3の回転数や印刷ドットをカウントすることにより判断される。以下に、検出部5の一例を記載する。
【0083】
検出部5は、ハウジング51、ハウジング51の内部に設けられた付勢部材52、ハウジング51の内部で上下動可能に配置され付勢部材52に接続されてありスイッチ444を構成する二つの端子部材のうち一方の端子部材に連接されて可動部材53、可動部材53に設けられてあり本体部31に接触する突起部材54を備えている。可動部材53及び突起部材54は付勢部材52により上方へ付勢されている。
【0084】
トナーボトル3の重量が付勢部材52による付勢力を上回っているとき、突起部材54は付勢部材52の付勢力に抗して下方に位置しているので、これに伴って可動部材53及びこれに連接された端子部材も下方に位置し、端子部材どうしが離間しているのでスイッチ444は導通しない。
【0085】
一方、トナーボトル3の重量が付勢部材52による付勢力以下となっているときは、付勢部材52の付勢力により突起部材54が上方へ位置するので、これに伴って可動部材53及びこれに連接された端子部材が上方に位置し端子部材どうしが接触しスイッチ444が導通する。
【0086】
つまり、付勢部材52の付勢力は、トナーボトル3の重量が所定重量を上回っているとき、すなわちトナーボトル3に収容されているトナーの残量が、トナーが満量であるときの例えば1/5を上回っているときはその重量により付勢部材52による付勢力に抗して突起部材54及び可動部材53は下方に移動した状態になり端子部材どうしが接触せず、トナーボトル3の重量が所定重量以下、すなわちトナーの残量が、トナーが満量であるときの例えば1/5以下であるときは、付勢部材52の付勢力より、突起部材54及び可動部材53は上方に移動した状態になり端子部材どうしが接触するように設定されている。
【0087】
このような構成であることから、付勢部材52の付勢力を調節することで残量の閾値を任意の値とすることができる。また、載置部側磁性体44が電磁石から構成されていることから、電流の強さに応じて斥力を調節することができる。なお、上記1/5との数値は例示である。例えば1/2や1/3であってもよい。
【0088】
以上の構成により、電磁石から構成されている載置部側磁性体44は、トナー残量が所定の閾値を上回っているときは非通電状態であり、トナー残量が所定の閾値以下であるときは通電状態であるように制御される。
【0089】
なお、検出部5は上記のような構成に限らない。検出部5は、例えば、装着部4に備えられ、トナーの有無に対応する透磁率を計測する透磁率計であり、当該透磁率計により計測したトナーの透磁率に基づいて、トナーの残量を算出するような構成であってもよい。
【0090】
また、検出部5は、例えば、装着部4に備えられ、トナーボトル3が回転した回数を計測する回転数計であり、当該回転数計により計測した回数に基づいて、トナーの残量を算出するような構成であってもよい。
【0091】
また、検出部5は、例えば、装着部4に備えられ、本体部31を上方へ付勢する付勢部材であり、当該付勢部材の長さに基づいて、トナーの残量を算出するような構成であってもよい。
【0092】
また、検出部5は、例えば、装着部4に備えられ、本体部31からの圧力を計測する圧力センサであり、当該圧力センサにより計測した圧力に基づいて、トナーの残量を算出するような構成であってもよい。
【0093】
いずれにせよ実施形態3に係る画像形成装置1によれば、トナーボトル3に収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは、本体部31を浮かさないことから、本体部31と載置部41との衝突音が発生しない。
【0094】
一方、トナーボトル3に収容されているトナーの塊の発生や、内壁への付着や、滞留が問題となり得るとき、すなわちトナーの残量が所定の閾値以下となったときに初めて本体部31を載置部41から浮かして本体部31と載置部41とを衝突させ、塊となったトナーを解したり、トナーボトル3の内壁に付着したトナーを剥がしたり、滞留しているトナーを円滑に搬送したりする。本体部31と載置部41の衝突音の発生期間、発生回数はトナーの残量が所定の閾値以下のときだけと限定的であるため、トナーボトル3に振動を加える際に発生する音は低減されることとなる。
【0095】
[実施形態4]
次に、本開示の実施形態4について、添付図面を参照しながら説明する。
【0096】
トナーボトル3に収容されているトナーの残量が充分であるときはトナーボトル3に衝撃を与える必要が少ない。一方、トナーボトル3に収容されているトナーの残量が減少してきたときは、トナーボトル3の内部に残留するトナーを低減させる点において、トナーボトル3の内部において塊となったトナーを解したり、トナーボトル3の内壁に付着したトナーを剥がしたり、滞留しているトナーを円滑に搬送したりすることに意義がある。
【0097】
実施形態2及び実施形態3に係る画像形成装置1においては、載置部側磁性体44を電磁石とすることにより、本体部側磁性体34の磁力及び載置部側磁性体44の磁力は、トナーボトル3に収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは、本体部31を載置部41から浮かさず、トナーの残量が所定の閾値以下であるときは本体部31を載置部41から浮かし得るように構成されていたが、載置部側磁性体44を永久磁石としても同様のことが実現できる。
【0098】
例えば、
図10及び
図11に示すように、永久磁石から構成された載置部側磁性体44を、図示しない案内部材などに沿って上下移動可能に配設し、その下方にカム機構45を設ける。
【0099】
カム機構45を回転させることにより載置部側磁性体44は昇降させられる。トナーボトル3に収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは、
図10に示すように、載置部側磁性体44は下げられた位置にあり、本体部31を載置部41から浮かさない。磁力は距離の二乗に反比例するため、本体部31を載置部41から浮かせたくないときは、載置部側磁性体44を遠くに位置させるのである。
【0100】
一方、トナーボトル3に収容されているトナーの残量が所定の閾値以下であるときは、
図11に示すように、載置部側磁性体44は上げられた位置にあり、本体部31を載置部41から浮かし得る。
【0101】
このように、トナーボトル3に衝撃を与えるべきときに、載置部側磁性体44を、本体部31を浮かし得る位置まで移動させて、本体部31を載置部41から浮かせるようにすることができる。
【0102】
当該実施形態4に係る画像形成装置1においても、カム機構45は、トナーボトル3に収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているときは載置部41において本体部側磁性体34が通過する軌跡に対向し得る位置から離間した位置に載置部側磁性体44を移動させ、トナーの残量が所定の閾値以下であるときは載置部41において本体部側磁性体34が通過する軌跡に対向し得る位置に載置部側磁性体44を移動させるように構成することができる。
【0103】
また、当該実施形態4に係る画像形成装置1の変形例として、
図10及び
図11に示されるように、載置部側磁性体44を、本体部側磁性体34が通過する軌跡に対向し得る位置に対して近接方向又は離間方向へ移動させる構成とは異なり、
図12及び
図13に示すように、当該近接方向又は離間方向とは交差する方向へ移動させたりするように構成することもできる。
【0104】
なお、
図12及び
図13では、前記近接方向又は離間方向とは交差する方向として、トナーボトル3の軸心方向に沿った方向を選択したが、この限りではない。例えば、
図12及び
図13の紙面の手前方向又は奥行方向であってもよい。
【0105】
いずれにせよ、本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44のそれぞれを永久磁石から構成しながらも、載置部側磁性体44の位置を変化させることで、本体部側磁性体34と載置部側磁性体44とに作用する斥力を強めたり弱めたりして、トナーボトル3の浮き具合を調節することができる。
【0106】
[実施形態5]
本開示の実施形態5について、添付図面を参照しながら説明する。
【0107】
実施形態4に係る画像形成装置1においては、永久磁石から構成されている載置部側磁性体44を移動させて本体部側磁性体34との間に作用する斥力を変化させたが、これに限らない。
【0108】
図14、
図15、
図16、
図17に示すように、実施形態5に係る画像形成装置1においては、装着部4は防磁部材6を有している。
【0109】
防磁部材6は、鉄などの強磁性体から構成されている。防磁部材6は、付勢部材61により本体部側磁性体34と載置部側磁性体44との間に位置するように付勢されており、カム機構62によって、付勢部材61の付勢力に抗して、本体部側磁性体34と載置部側磁性体44との間に位置しないように移動させられる。
【0110】
カム機構62を回転させることにより防磁部材6が移動させられ、本体部側磁性体34と載置部側磁性体44との間に斥力を作用させたり作用させなかったり切り替えることができる。
【0111】
トナーボトル3に収容されているトナーの残量が所定の閾値を上回っているとき、すなわちトナーボトル3に収容されているトナーの残量が、トナーが満量であるときの例えば1/5を上回っているときは、
図14及び
図16に示すように、防磁部材6は本体部側磁性体34と載置部側磁性体44との間に位置するため、本体部側磁性体34と載置部側磁性体44との間に斥力が作用せず、本体部31は載置部41から浮かされない。
【0112】
一方、トナーボトル3に収容されているトナーの残量が所定の閾値以下であるときは、すなわちトナーの残量が、トナーが満量であるときの例えば1/5以下であるときは、
図15及び
図17に示すように、防磁部材6は本体部側磁性体34と載置部側磁性体44との間に位置しないように移動させられるため、本体部側磁性体34と載置部側磁性体44との間に斥力が作用し、本体部31を載置部41から浮かし得る。ここでも、1/5との数値は例示である。例えば1/2や1/3であってもよい。
【0113】
実施形態5に係る画像形成装置1によると、載置部側磁性体44の位置はそのままにしながら、防磁部材6を移動させて本体部側磁性体34と載置部側磁性体44の間に位置させる又は位置させないという簡単な構成で、本体部側磁性体34と載置部側磁性体44とに互いに斥力を発生させない又は発生させるという状態を切り替えることができる。
【0114】
上述したいずれの実施形態においても、本体部側磁性体34は、本体部31の周面の一箇所に設けられていたが、これに限らない。本体部側磁性体34は、本体部31の周面において複数箇所、例えば
図18に示すように、9時の位置、0時の位置、3時の位置の3箇所に設けられていてもよい。
【0115】
なお、本体部側磁性体34を本体部31の周面の複数箇所に設ける場合は本体部31の周面に均等な間隔で設けてもよいし、不均等な間隔で設けてもよい。
【0116】
また、上述したいずれの実施形態においても、本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44はトナーボトル3の軸心方向における一箇所に設けられていたが、これに限らない。本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44はトナーボトル3の軸心方向における複数箇所、例えば
図19に示すように、3箇所に設けられていてもよい。なお、本体部側磁性体34及び載置部側磁性体44はトナーボトル3の軸心方向おいて均等な間隔で設けてもよいし、不均等な間隔で設けてもよい。
【0117】
各載置部側磁性体44を電磁石から構成し、支持部32から遠いものから近いものへと切り替えることで本体部31が浮き上がる角度を切り替えることができる。例えば、トナーボトル3に収容されているトナーの残量に応じて、残量が多きときは支持部32から遠い載置部側磁性体44を使用し、残量が少なくなるにつれて支持部32に近い載置部側磁性体44を使用する。
【0118】
上述した本実施形態では画像形成装置1としてモノクロプリンタを例に説明したが、これに限定されず、トナーボトル3を搭載した装置であれば、どのような装置にも適用することができる。例えば、プリンタ機能、コピー機能及びファックス機能のいずれか2つ以上の機能を有する、複合機などに適用することができる。
【符号の説明】
【0119】
1 :画像形成装置
2 :印刷用紙
3 :トナーボトル
31 :本体部
32 :支持部
34 :本体部側磁性体
4 :装着部
41 :載置部
42 :取付部
43 :回転部
43a :係合部
44 :載置部側磁性体
441 :芯
442 :コイル
443 :電池
444 :スイッチ
45 :カム機構
5 :検出部
51 :ハウジング
52 :付勢部材
53 :可動部材
54 :突起部材
6 :防磁部材
61 :付勢部材
62 :カム機構
131 :現像槽