(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172367
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】施設予約管理システムおよび施設予約管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090034
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺門 隆雄
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA03
5L049AA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特定の利用者によって利用される複数の共用施設の利用満足度の向上を図ることが可能な施設予約管理システム及び施設予約管理方法を提供する。
【解決手段】特定の利用者によって利用される複数の共用施設の予約情報を管理する予約管理部を備えた施設予約管理システムにおいて、予約管理装置10の予約管理部12は、複数の共用施設のうちの一つの共用施設に入室するための利用者による操作にともない、一つの共用施設への入退室を制御する入退室制御装置40から取得した一つの共用施設の識別情報に基づいて、一つの共用施設が利用者によって予約された施設ではないと判断した場合に、利用者が所持する携帯端末20aに判断結果を通知させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の利用者によって利用される複数の共用施設の予約情報を管理する予約管理部を備えた施設予約管理システムにおいて、
前記予約管理部は、
前記複数の共用施設のうちの一つの共用施設に入室するための前記利用者による操作にともない、前記一つの共用施設への入退室を制御する入退室制御装置から取得した前記一つの共用施設の識別情報に基づいて、前記一つの共用施設が前記利用者によって予約された施設ではないと判断した場合に、前記利用者が所持する携帯端末に判断結果を通知させる
施設予約管理システム。
【請求項2】
前記予約管理部は、前記操作を実施した現在日時において前記操作を実施した利用者による別の共用施設の予約情報の有無を確認し、前記利用者が所持する携帯端末に前記別の共用施設の予約情報を通知させる
請求項1に記載の施設予約管理システム。
【請求項3】
前記予約管理部は、
前記利用者が所持する携帯端末に、前記別の共用施設の予約情報とともに、前記別の共用施設への誘導案内を通知させる
請求項2に記載の施設予約管理システム。
【請求項4】
前記一つの共用施設の識別情報は、前記入退室制御装置の読取部に前記利用者が所持する携帯端末の識別情報を読み取らせる操作にともなって、前記読取部から取得される
請求項1に記載の施設予約管理システム。
【請求項5】
前記予約管理部は、
前記一つの共用施設が前記利用者によって予約された施設ではない場合に、前記操作を実施した現在日時において前記一つの共用施設に他の予約がなければ、前記一つの共用施設への予約変更が可能であることを前記利用者が所持する携帯端末に通知させる
請求項1に記載の施設予約管理システム。
【請求項6】
前記予約管理部は、
前記利用者が所持する携帯端末から、前記一つの共用施設への予約変更を受け付けた場合に、前記操作を実施した利用者による予約を前記一つの共用施設に変更する
請求項5に記載の施設予約管理システム。
【請求項7】
前記予約管理部は、
前記操作を実施した利用者とともに前記共用施設を利用する他の利用者が所持する携帯端末に対し、前記予約変更を通知させる
請求項6に記載の施設予約管理システム。
【請求項8】
前記利用者が予約した共用施設の識別情報と、前記利用者が予約した共用施設の利用日時と、前記利用者が所持する携帯端末の識別情報とを、前記予約情報として保持する予約管理データベースを備え、
前記予約管理部は、前記予約管理データベースが保持する前記予約情報に基づいて、前記判断を行う
請求項1に記載の施設予約管理システム。
【請求項9】
前記予約情報は、前記利用者と共に前記共用施設を利用する他の利用者が所持する各携帯端末の識別情報を含む
請求項8に記載の施設予約管理システム。
【請求項10】
特定の利用者によって利用される複数の共用施設の予約情報を管理するための施設予約管理方法において、
予約管理部が、前記複数の共用施設のうちの一つの共用施設に入室するための前記利用者による操作にともない、前記一つの共用施設への入退室を制御する入退室制御装置から取得した前記一つの共用施設の識別情報に基づいて、前記一つの共用施設が前記利用者によって予約された施設ではないと判断した場合に、前記利用者が所持する携帯端末に判断結果を通知させる
施設予約管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設予約管理システムおよび施設予約管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
利用に際して予約を必要とする施設の予約管理に関する技術として、下記特許文献1に開示の技術がある。この特許文献1には、「予約時に携帯電話またはPHSの電話番号の指定を施設利用者に行ってもらい、携帯電話またはPHSの基地局による位置測定、電波マーカによる位置測定等、複数の位置測定手段を持たせ、これらの位置測定手段により測定した携帯端末所持者の現在位置を定期的に取得、蓄積しておき、施設予約者が現れることができない場合、予約順番の変更や取消しを行い、現れることができない施設予約者のために施設側で確保した資源を別の予約者に割当てる」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、大規模マンションや大規模社屋などの大規模施設は、特定の利用者が利用可能な複数の共用施設を有する。この場合、利用者は、共用施設を利用する日時を指定し、複数の共用施設のうちから利用したい一つの施設を選択して予約を行う。これにより、予約した日時に、予約した施設を利用することが可能となる。
【0005】
ところがこのような大規模施設では、予約の際の手違いや予約者自身の勘違いにより、予約者が、予約日時に実際に予約した施設とは別の施設を訪れる場合がある。この場合、予約者は、訪れた施設を利用できないだけではなく、予約の誤りに気付きにくいため、予約時間の経過により実際に予約した施設の利用もできなくなると言った問題が発生する。このような問題は、大規模施設における共用施設の利用満足度を低下させる要因となっている。
【0006】
そこで本発明は、特定の利用者によって利用される複数の共用施設の利用満足度の向上を図ることが可能な施設予約管理システムおよび施設予約管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、特定の利用者によって利用される複数の共用施設の予約情報を管理する予約管理部を備えた施設予約管理システムにおいて、前記予約管理部は、前記複数の共用施設のうちの一つの共用施設に入室するための前記利用者による操作にともない、前記一つの共用施設への入退室を制御する入退室制御装置から取得した前記一つの共用施設の識別情報に基づいて、前記一つの共用施設が前記利用者によって予約された施設ではないと判断した場合に、前記利用者が所持する携帯端末に判断結果を通知させる施設予約管理システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、特定の利用者によって利用される複数の共用施設の利用満足度の向上を図ることが可能な施設予約管理システムおよび施設予約管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る施設予約管理システムの構成図である。
【
図2】実施形態に係る施設予約管理システムが保持する施設情報テーブルを示す図である。
【
図3】実施形態に係る施設予約管理システムが保持する予約情報テーブルを示す図である。
【
図4】実施形態に係る施設予約管理システムが保持する携帯端末情報テーブルを示す図である。
【
図5】実施形態に係る施設予約管理方法の第1の手順を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係る施設予約管理方法の第2の手順を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る施設予約管理方法の第3の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した施設予約管理システムおよび施設予約管理方法の各実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
≪施設予約管理システム≫
図1は、実施形態に係る施設予約管理システム1の構成図である。この図に示す施設予約管理システム1は、大規模マンションや大規模社屋のように、特定の利用者(以下、単に利用者と称する)が利用可能な複数の共用施設を有する大規模施設において、共用施設の予約および利用を管理するためのシステムである。なお、利用者は、大規模施設がマンションであれば居住者であり、社屋であれば従業員などの許可された範囲の人員である。
【0012】
このような施設予約管理システム1は、予約管理装置10によって構成され、さらに携帯端末20がその一部を構成していてもよい。この施設予約管理システム1は、入退室管理装置30および入退室制御装置40を備えた大規模施設における共用施設の予約および利用を管理する。以下、これらの各装置の構成を詳細に説明する。
【0013】
<予約管理装置10>
予約管理装置10は、以降説明する携帯端末20から、または別の端末装置20’から、特定の利用者のみが利用可能な複数の共用施設の利用の予約を受け付け、受け付けた予約を管理する。このような予約管理装置10は、ネットワーク接続可能なサーバ装置であって、通信部11、予約管理部12、および予約管理データベース13を備える。
【0014】
[通信部11]
通信部11は、通信ネットワークを介して携帯端末20、入退室管理装置30、および入退室制御装置40との間で情報の送受信を実施する。
【0015】
[予約管理部12]
予約管理部12は、通信部11で受信した情報と、次に説明する予約管理データベース13に保持された情報とに基づいて、各共用施設の予約を管理する。予約管理部12が実施する管理は、次に説明する予約管理データベース13への予約情報の保存と、予約の管理である。予約管理部12が実施する管理の詳細は、以降の施設予約管理方法において説明する。
【0016】
[予約管理データベース13]
予約管理データベース13は、予約管理に必要な情報を保持する。予約管理データベース13が保持する情報は、大規模施設が有する共用施設に関する施設情報が登録された施設情報テーブル[T1]、および利用者による共用施設の予約情報が登録された予約情報テーブル[T2]であり、それぞれ次のようである。
【0017】
図2は、実施形態に係る施設予約管理システムが保持する施設情報テーブル[T1]を示す図である。この図に示すように、施設情報テーブル[T1]は、利用者が利用可能な全ての共用施設について、予約管理に際して必要な施設情報を共用施設毎に保持する。施設情報テーブル[T1]は、各共用施設の識別情報である(13)施設IDに関連付けて、(11)サイトID、(12)サイト名、(14)施設名、(15)収容人数、(16),(17)利用可能時間の各情報を保持する。
【0018】
ここで、(11)サイトIDとは、複数の共用施設を有する大規模施設の各建物や各区画などのサイトに対して付された識別情報である。また(16),(17)利用可能時間は、(16)利用開始可能時間(FROM)と、(17)利用終了時間(TO)とである。
【0019】
これらの施設情報は、予約管理データベース13が予め保持している書き替え可能な情報であって、この大規模施設の管理者によって、例えば外部の端末装置から入力された情報であることとする。
【0020】
図3は、実施形態に係る施設予約管理システムが保持する予約情報テーブル[T2]を示す図である。この図に示すように、予約情報テーブル[T2]は、利用者による共用施設の予約に関する情報を、予約イベント毎に保持する。ここで、以下においては、利用者のうち共用施設の予約を実施した(または実施しようとする)利用者を、特に予約者と称する。
【0021】
予約情報テーブル[T2]は、予約イベント毎に、(21)利用日、(22)施設ID、(23)予約者の携帯端末ID、および(24),(25)利用時間、および(26)他の利用者の携帯端末IDを関連付けて保持する。このうち(22)施設IDは、予約者が予約した共用施設の識別情報である。(24),(25)利用時間は、(24)利用開始時間(FROM)と、(25)利用終了時間(TO)とである。また、(26)他の利用者の携帯端末IDとは、予約者が予約した共用施設を、予約者と一緒に利用する利用者が所持する携帯端末の識別情報である。
【0022】
これらの予約情報は、利用者が携帯端末20または別の端末装置20’から入力した情報に基づいて、予約管理部12が、予約管理データベース13の予約情報テーブル[T2]に登録した情報である。
【0023】
<携帯端末20>
図1に戻り、携帯端末20は、スマートフォンのように利用者が個人的に所持する端末装置であって、無線通信機能、入力機能、表示機能、および演算機能を有する。これらの携帯端末20は、次に説明する入退室管理装置30に登録されたものであり、利用者の操作に基づいて、予約管理装置10にログインして共用施設の予約を実施する。また携帯端末20は、予約した共用施設への入室の際に、予約者が実施する操作および予約の管理処理にも用いられる。携帯端末は、これらの操作および処理のためのアプリケーションが導入されたものである。
【0024】
<入退室管理装置30>
入退室管理装置30は、予約管理装置10および入退室制御装置40と連携し、携帯端末20を所持する予約者の共用施設への入退室を管理する。このような入退室管理装置30は、ネットワーク接続可能なサーバ装置であって、通信部31、入退室管理部32、および入退室管理データベース33を備える。
【0025】
[通信部31]
通信部31は、通信ネットワークを介して予約管理装置10および入退室制御装置40との間で情報の送受信を実施する。
【0026】
[入退室管理部32]
入退室管理部32は、予約管理装置10および入退室制御装置40からの要請にしたがって、入退室管理データベース33が保持している情報を、これらの装置に送信する。入退室管理部32が実施する管理の詳細は、以降の施設予約管理方法において説明する。
【0027】
[入退室管理データベース33]
入退室管理データベース33は、携帯端末情報を保持する。入退室管理データベース33が保持する携帯端末情報は、利用者が所持する携帯端末20に関する情報が登録された携帯端末情報テーブル[T3]である。
【0028】
図4は、実施形態に係る施設予約管理システムが保持する携帯端末情報テーブル[T3]を示す図である。この図に示すように、携帯端末情報テーブル[T3]は、利用者が所持する携帯端末20の識別情報である(32)携帯端末IDを、利用者が居住する部屋の(31)部屋番号に関連付けして保持する。なお、(31)部屋番号は、複数の共用施設を有する大規模施設がマンションの場合であり、大規模施設が社屋の場合であれば、(31)部屋番号に換えて各部署の識別情報が用いられる。また(32)携帯端末IDは、各携帯端末20または別の端末装置20’からのログイン情報と関連付けされた情報であることとする。
【0029】
このような携帯端末情報は、入退室管理データベース33が予め保持している書き替え可能な情報であって、例えば各利用者が所持する各携帯端末20から、または外部の端末装置から、各利用者によって入力された情報であることとする。
【0030】
<入退室制御装置40>
図1に戻り、入退室制御装置40は、予約者の操作に基づいて、各共用施設への予約者の入退室を制御する。この入退室制御装置40は、大規模施設が複数の建物や区画などサイト毎に設けられている。このような入退室制御装置40は、通信部41、入退室制御部42、およびサイト用データベース43からなるネットワーク接続可能なサーバ装置と、制御対象扉44と、読取部45とを備える。
【0031】
[通信部41]
通信部41は、通信ネットワークを介して予約管理装置10および入退室管理装置30との間で情報の送受信を実施する。
【0032】
[入退室制御部42]
入退室制御部42は、次に説明する読取部45で読み取った携帯端末20の携帯端末情報に基づいて、制御対象扉44の施錠と解錠を制御することにより、その制御対象扉44を備えた共用施設への入室を制御する。入退室制御部42による制御対象扉44の施錠と解錠の制御の詳細は、以降の施設予約管理方法において説明する。
【0033】
[サイト用データベース43]
サイト用データベース43は、入退室制御部42を介して、予約管理装置10から送信された予約情報(
図3参照)を保持する。なお、サイト用データベース43が保持する予約情報は、
図3に示した予約情報テーブル[T2]に登録された予約情報のうち、当該サイトに所属する共用施設に関連する情報のみでよい。このようなサイト用データベース43が保持する予約情報は、予約管理装置10の予約管理部12から送信された情報であることとする。
【0034】
[制御対象扉44]
制御対象扉44は、各共用施設に設けられた扉であって、入退室制御部42によって施錠と解錠が制御されるものである。1つの共用施設に対して複数の扉が設けられている場合、そのうちの1つまたは複数を制御対象扉44としてもよい。この場合、1つの共用施設に設けられた制御対象扉44は、入退室制御部42によって一括で施錠と解錠が制御されるものであってよい。
【0035】
[読取部45]
読取部45は、共用施設の利用者の操作によって利用者に関する情報を読み取るための装置であり、利用者が所持する携帯端末20の携帯端末IDを読み取る。読取部45で読み取った携帯端末IDは、入退室制御部42に送られる。このような読取部45は、例えば図示したように各制御対象扉44に対応して設けられており、各共用施設の識別情報である施設IDを有する。
【0036】
読取部45が、携帯端末IDを読み取るものであることにより、以降に説明するように、入室しようとする施設が間違えである旨の通知が携帯端末20に届いた場合に、予約者が即時のその通知に気付くことが可能である。
【0037】
≪施設予約管理方法≫
次に、上述した施設予約管理システム1によって実施される施設予約管理方法の実施の形態を説明する。ここで説明する施設予約管理方法は、施設予約管理システム1を構成するサーバ装置に記憶された施設予約管理プログラムおよび携帯端末20が有するアプリケーションによって実施される管理方法であり、(a)予約情報の保存処理、および(b)予約の管理処理である。また以下においては、これらの管理方法によって管理された予約に基づく制御対象扉の施錠と解錠の制御についても、予約管理方法の一つとして最後に説明する。以下、
図1~
図4を参照しつつ、各フローチャートに基づいてこれらの各処理および制御を説明する。
【0038】
<(a)予約情報の保存処理>
図5は、実施形態に係る施設予約管理方法の第1の手順を示すフローチャートであって、予約情報の保存処理の手順を示す。以下、
図5に示すステップの順に、予約情報の保存処理の手順を説明する。
【0039】
[ステップS101]
ステップS101において、予約管理装置10の予約管理部12は、共用施設を予約しようとしている予約者が所持する携帯端末20からログイン情報を取得する。この場合、共用施設を利用しようとする予約者は、自身が所持する携帯端末20または他の端末装置20’から予約管理装置10にログインする。これにより、予約管理装置10の予約管理部12は、通信部11を介して予約者が所持する携帯端末20のログイン情報を取得する。なお、以下においては、予約管理装置10にログインした携帯端末20または他の端末装置20’をログイン端末と称する。
【0040】
[ステップS102]
ステップS102において、予約管理部12は、ログイン情報を入退室管理装置30に送信し、入退室管理装置30から、入退室管理データベース33に保持されている携帯端末情報テーブル[T3](
図4参照)に保持されている予約者の携帯端末IDを取得する。なお、ログイン情報が携帯端末IDである場合、本ステップは省略される。
【0041】
[ステップS103]
ステップS103において、予約管理部12は、ログイン端末から、予約に関する予約入力情報を取得する。ここで取得する予約入力情報は、予約者によるログイン端末の操作によって入力された情報であって、予約したい共用施設に関する情報、および利用日時である。
【0042】
この場合、予約管理装置10は、例えばログイン端末に対し、予約管理データベース13に保持された情報に基づいて、利用日時と、その利用日時において予約可能な共用施設の名称とを開示する。予約管理装置10は、これらの情報を、ログイン端末の操作によって選択可能に開示する。これにより、予約者は、利用したい共用施設と利用日時とを、ログイン端末に開示された中から選択して入力することができる。
【0043】
予約管理部12は、予約者によって、ログイン端末から入力された共用施設の名称および利用日時を、予約入力情報として取得する。
【0044】
[ステップS104]
ステップS104において、予約管理部12は、ステップS102で取得した携帯端末IDと、ステップS103で取得した予約入力情報とを、一つの予約イベントに関する予約情報として、予約管理データベース13の予約情報テーブル[T2](
図3参照)に登録し、保存する。
【0045】
さらに予約管理部12は、施設情報テーブル[T1](
図2参照)に基づいて、予約された施設を有するサイトの入退室制御装置40に、登録した予約情報を送信する。これにより、予約情報を受信した入退室制御装置40のサイト用データベース43は、当該サイトに属する共用施設に関連する予約情報を、サイト毎のサイト用予約情報テーブル(図示省略)に登録する。
【0046】
なお、ステップS101で予約管理装置10にログインしたログイン端末が、予約者が所持する携帯端末20である場合、この携帯端末20にも予約情報を保存してもよい。また、ステップS101で予約管理装置10にログインしたログイン端末が、他の端末装置20’である場合、予約管理部12は、ステップS103で取得した予約入力情報を予約者の携帯端末20に送信することにより、この携帯端末20にも予約情報を保存してもよい。
【0047】
<(b)予約の管理処理>
図6は、実施形態に係る施設予約管理方法の第2の手順を示すフローチャートであって、予約者が予約した共用施設を利用する場合の管理処理の手順を示す。以下、
図6に示すステップの順に、予約の管理処理の手順を説明する。
【0048】
[ステップS201]
ステップS201において、携帯端末20aは、当該共用施設に設けられている読取部45から、当該共用施設の施設IDを取得する。
【0049】
ここで、当該共用施設とは、複数の共用施設のうちの一つの共有施設って、携帯端末20aを所持する予約者が、現在日時に予約したと考えている共用施設である。予約者は、現在日時が予約日時となった場合に、当該共用施設の読取部45に自身が所持する携帯端末20aを翳す操作を実施する。この操作により、携帯端末20aは、当該共用施設の読取部45から施設IDを取得する。
【0050】
[ステップS202]
ステップS202において、予約管理部12は、ステップS201で取得した施設IDと、読み取りを行った携帯端末20aの携帯端末IDとに基づいて、当該共用施設が予約した施設であるか否かの判断を実施する。この場合、携帯端末20aは、ステップS201で取得した施設IDと携帯端末IDとを予約管理部12に送信する。予約管理部12は、予約管理データベース13に保持されている予約情報テーブル[T2]を参照し、現在日時に、携帯端末20aから送信された携帯端末IDと施設IDとを有する予約情報があれば、予約した施設である(YES)と判断し、ステップS203aに進む。一方、予約情報がなければ、予約した施設ではないではない(NO)と判断し、ステップS203に進む。
【0051】
なお、携帯端末20aが予約情報を保持している場合であれば、この判断は携帯端末20aが実施してもよい。
【0052】
[ステップS203a]
ステップS203aにおいて、携帯端末20aは、「入室可です」や「お待ちしておりました」や「いつもご利用ありがとうございます」などの入室許可の通知を表示し、処理を終了させる。
【0053】
[ステップS203]
ステップS203において、予約管理装置10の予約管理部12は、現在日時において別施設の予約の有無を検索する。別施設とは、当該共用施設とは別の共用施設である。この際、予約管理部12は、携帯端末20aからの情報に基づいて、予約管理データベース13に保持された予約情報テーブル[T2]内において、現在日時に携帯端末20aの携帯端末IDを有する予約情報を検索する。
【0054】
[ステップS204]
ステップS204において、予約管理部12は、ステップS203での検索の結果、別施設の予約があるか否かの判断を実施する。予約管理部は、予約情報テーブル[T2](
図3参照)内に、現在日時を含む利用日時と、携帯端末20aの携帯端末IDとを有する別の予約情報がある場合には、別施設の予約がある(YES)と判断してステップS205に進む。それ以外は、別施設の予約が無い(NO)と判断してステップS211に進む。
【0055】
[ステップS205]
ステップS205において、携帯端末20aは、別施設予約有りの情報の通知を表示する。これにより、この携帯端末20aを所持する利用者は、自身が予約した共用施設が、別の施設であることを認識することができる。なお、携帯端末20aは、予約管理部12からの情報に基づいて、この通知を実施する。
【0056】
[ステップS206]
ステップS206において、予約管理部12は、予約情報テーブル[T2]を参照し、当該共用施設が、現在日時において空きであって予約可能であるか否かの判断を実施する。予約管理部12は、当該共用施設は空きである(YES)と判断した場合には、ステップS207に進む、一方、当該共用施設は空きではない(NO)と判断した場合には、ステップS207aに進む。
【0057】
[ステップS207a]
ステップS207aにおいて、携帯端末20aは、携帯端末20aを有する予約者が、現在日時において本来予約している別施設への誘導案内の通知を表示する。これにより、この携帯端末20aを所持する予約者は、自身が予約した本来の共用施設に向かうことができる。なお、携帯端末20aは、予約管理部12からの情報に基づいて、この通知を実施する。
【0058】
[ステップS207]
一方、ステップS207において、携帯端末20aは、本来予約している別施設から、当該共用施設への予約変更が可能であることの通知を表示する。携帯端末20aは、この情報を、予約変更を実施するか否かを選択するための選択表示と共に通知する。これにより、この携帯端末20aを所持する予約者は、自身が予約した本来の共用施設(別施設)から、当該共用施設に予約を変更するか否かの選択をすることが可能となる。なお、携帯端末20aは、予約管理部12からの情報に基づいて、この通知を実施する。
【0059】
[ステップS208]
ステップS208において、予約管理部12は、予約変更が入力されたか否かの判断を実施する。予約管理部12は、携帯端末20aから予約変更が入力された(YES)と判断した場合には、ステップS209に進む。
【0060】
一方、予約管理部12は、携帯端末20aから予約変更が入力されなかった(NO)と判断した場合には、ステップS207aに進む。これにより、ステップS207aにおいて、携帯端末20aは、携帯端末20aを有する予約者が、本来予約している別施設への案内の通知を表示する。
【0061】
[ステップS209]
ステップS209において、予約管理部12は、予約変更処理を実施する。この際、予約管理部12は、現在日時を含む予約日時において、携帯端末20aの携帯端末IDに関連付けされた予約情報について、施設IDを別施設のものから、当該共用施設のものに変更する。なお、変更された情報は、入退室制御装置40に送信され、入退室制御装置40のサイト用データベース43が保持するサイト用の予約情報テーブルに登録される。
【0062】
[ステップS210]
ステップS210において、予約管理部12は、予約変更を同施設利用者の携帯端末に通知する。この際、予約管理部12は、ステップS209で変更した予約情報が、他の利用者の携帯端末IDの情報を有している場合に、他の利用者携帯端末IDの各携帯端末に対して、予約施設を当該施設に変更したことを通知させ、処理を終了させる。
【0063】
[ステップS211]
またステップS204において別施設の予約なし(NO)と判断した進んだステップS211において、携帯端末20aは、現在日時において、共用施設の予約無しの通知を表示する。これにより、この携帯端末20aを所持する予約者は、自身が現在日時に共用施設の予約をしていないことを知ることができる。なお、携帯端末20aは、予約管理部12からの情報に基づいて、この通知を実施する。
【0064】
[ステップS212]
ステップS212において、予約管理部12は、予約管理データベース13に保持されている施設情報テーブル[T1]と、予約情報テーブル[T2]を参照し、現在日時において利用可能な空き施設を検索する。
【0065】
[ステップS213]
ステップS213において、携帯端末20aは、予約管理部12での検索の結果として、現在日時において利用可能な空き施設の有り無しの通知を表示する。この際、携帯端末20aは、空き施設がある場合には、空き施設の施設名を表示する。これにより、この携帯端末20aを所持する予約者は、空き施設が検索された場合には、現在日時に空き施設を新たに予約することが可能となる。なお、携帯端末20aは、予約管理部12からの情報に基づいて、これらの通知を実施する。
【0066】
また、空き施設が検索された場合、携帯端末20aは、現在日時において空き施設を予約するか否かを選択可能に表示してもよい。この場合、携帯端末20において、空き施設の予約が選択された場合には、予約管理部12は、この予約を受け付けて予約情報テーブル[T2]に予約情報を登録し、処理を終了させる。なお、以上説明したステップS201~S213のうち、予約管理装置10の予約管理部12で実施しているとした処理および判断は、携帯端末20において実施する構成であってもよく、携帯端末20を予約管理部12の構成の一部としてもよい。
【0067】
<(c)制御対象扉の施錠と解錠の制御>
図7は、実施形態に係る施設予約管理方法の第1の手順を示すフローチャートであって、共用施設に設けられた制御対象扉44の施錠と解錠の制御の手順を示す。以下、
図7に示すステップの順に、制御対象扉44の施錠と解錠の制御の手順を説明する。
【0068】
[ステップS301]
ステップS301において、入退室制御装置40の入退室制御部42は、当該共用施設けられている読取部45が読み取った携帯端末20aの携帯端末IDを取得する。
【0069】
[ステップS302]
ステップS302において、入退室制御部42は、ステップS301で読み取った携帯端末IDに基づいて、当該共用施設を予約した利用者の携帯端末20aであるか否かの判断を実施する。
【0070】
この際、入退室制御部42は、サイト用データベース43に保持されているサイト用予約情報テーブルを参照し、現在日時に、ステップS301で取得した携帯端末IDを有する予約情報があれば、予約した利用者である(YES)と判断し、ステップS303に進む。一方、現在日時に、ステップS301で取得した携帯端末IDを有する予約情報がなければ、予約した利用者ではない(NO)と判断し、ステップS304に進む。
【0071】
[ステップS303]
ステップS303において、入退室制御部42は、当該共用施設の制御対象扉44を解錠し、当該共用施設への入室を許可し、処理を終了させる。
【0072】
[ステップS304]
ステップS304において、入退室制御部42は、当該共用施設の制御対象扉44を施錠したままとし、当該共用施設への入室を不可とし、処理を終了させる。
【0073】
≪実施形態の効果≫
以上説明した実施形態によれば、予約の際の手違いや予約者自身の勘違いにより別の施設を予約した利用者が、予約当日に訪れた当該共用施設への入室を拒否された場合に、その利用者が所持する携帯端末20aに施設間違えが通知される。これにより、施設の利用者は、入室不可の原因を管理人やカスタマーセンターに問い合わせることなく予約誤りに気付くことができ、もともと予約していた別の施設の予約が無駄になることもない。この結果、大規模施設における供用施設の利用満足度の向上を図ることが可能となり、かつ大規模施設における供用施設の予約管理の手間を簡素化することが可能となる。
【0074】
さらに、共用施設への入室の可否の判断は、読取部45が携帯端末20aから取得した携帯端末IDに基づいて実施される構成である。このため、利用者は手持ちの携帯端末20aを読取部45に翳したまま、上述した施設間違えの通知を受け取るリアルタイム性を確保することができる。これにより、例えばカードを翳して入室不可の際に、携帯端末20aがバッグや衣服のポケットの中あって通知に気づけないことを防止することができる。
【0075】
なお、本発明は上記した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1……施設予約管理システム
10…予約管理装置
12…予約管理部
13…予約管理データベース
20,20a…携帯端末
40…入退室制御装置
42…入退室制御部
44…制御対象扉(共用施設)
45…読取部
[T2]…予約情報ゲーブル