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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172378
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】配送システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20241205BHJP
【FI】
G05D1/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090052
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】泉 貴士
(72)【発明者】
【氏名】椿本 樹矢
(72)【発明者】
【氏名】小池 宇織
(72)【発明者】
【氏名】糸澤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB05
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD06
5H301DD17
5H301FF07
5H301GG09
5H301LL01
5H301LL06
5H301LL11
(57)【要約】
【課題】収納棚前の所定の領域内の障害物を取り除くように人に要求することが可能な配送システム等を提供する。
【解決手段】配送システム1は収納棚30と収納棚まで移動し物品を配送可能な配送ロボット10と、収納棚の周辺にある障害物を検知する1つ以上の検知部18と、配送ロボットを含む配送システムの動作を制御する制御部100と、を備える。検知部により、収納棚付近の所定の領域内に障害物があることを検知した場合、かつ、制御部100が、障害物により、前記配送ロボットが物品を前記収納棚に配送できないと判断した場合、制御部100は、検知された前記障害物を前記所定の領域から取り除くように報知するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納棚と、
前記収納棚まで移動し物品を配送可能な配送ロボットと、
前記収納棚の周辺にある障害物を検知する1つ以上の検知部と、
配送ロボットを含む配送システムの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記検知部により、収納棚付近の所定の領域内に障害物があることを検知した場合、かつ、前記制御部が、前記障害物により、前記配送ロボットが物品を前記収納棚に配送できないと判断した場合、
前記制御部は、検知された前記障害物を前記所定の領域から取り除くように報知するように構成された、配送システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記検知部により通行人を検知した場合、当該障害物を所定の領域内から取り除くように当該通行人に要求し、前記検知部により前記障害物が取り除かれることが検知されるまで、前記配送ロボットを待機させるように構成されている、請求項1に記載の配送システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記検知部により撮影された前記障害物の撮影画像とともに障害物取り除き要求を特定の人の通信端末に通知するように構成されている、請求項1に記載の配送システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記撮影画像とともに特定の人に障害物取り除き要求を通知する場合、前記検知部により前記障害物が除去されることが検知されるまでの間に、前記配送ロボットを、別の収納棚まで移動させ、別の物品を配送させるように構成されている、請求項3に記載の配送システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記配送ロボットに設けられた検知部とは異なる別の検知部により、収納棚付近の所定の領域内に障害物があることが検知された場合、かつ、前記制御部が、前記障害物により、前記配送ロボットが物品を前記収納棚に配送できないと判断した場合、
前記制御部は、検知された前記障害物を前記所定の領域から取り除くように特定の人の通信端末に通知するように構成されている、請求項1に記載の配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
AGV(automated guided vehicle)などの車両が荷物をエンドユーザーのロッカーに配送する際に車両が荷物をロッカーに収納する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-061816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送ロボットが物品を収納棚に収納するには、収納棚付近の所定の領域内に停車する必要がある。しかし、収納棚付近の所定の領域内に障害物が存在する場合、配送ロボットが、収納棚付近の所定の領域内に停車できない場合がある。そのため、配送ロボットが物品を収納棚に収納する動作を実行することができない。
【0005】
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、収納棚前の所定の領域内の障害物を取り除くように人に要求することが可能な配送システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の配送システムは、
収納棚と、
前記収納棚まで移動し物品を配送可能な配送ロボットと、
前記収納棚の周辺にある障害物を検知する1つ以上の検知部と、
配送ロボットを含む配送システムの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記検知部により、収納棚付近の所定の領域内に障害物があることを検知した場合、かつ、前記制御部が、前記障害物により、前記配送ロボットが物品を前記収納棚に配送できないと判断した場合、
前記制御部は、検知された前記障害物を前記所定の領域から取り除くように報知するように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、収納棚前の所定の領域内の障害物を取り除くように人に要求することが可能な配送システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1にかかる配送システムを説明する概略斜視図である。
図2】実施形態1にかかる配送システムの機能を説明するブロック図である。
図3】実施形態1にかかる障害物の除去後の配送ロボットの配送を説明する斜視図である。
図4】実施形態1にかかる配送ロボットによる通信端末への報知と別の収納棚への配送を説明する斜視図である。
図5】実施形態1にかかる配送ロボットが収納棚に到着する前に、収納棚前の障害物が検知される例を説明する斜視図である。
図6】実施形態2にかかる配送システムの配送ロボットと収納棚を説明する概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0010】
実施形態1
以下、図面を参照して実施形態1にかかる配送システムについて説明する。
図1は、配送システム1の概要を説明する概略斜視図である。配送システム1は、物流におけるラストワンマイル、すなわち、最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスに用いられ得る。配送システム1は、配送ロボット10と収納棚30を備える。収納棚30はスマートポストとも呼ばれ、配送ロボットがエンドユーザーに物品を手渡しする必要はなく、配送を完了することができる。収納棚は、例えば、エンドユーザーが住む集合住宅の各部屋に設置され得る。収納棚内に収納された物品には、住民(エンドユーザー)が部屋の中からもアクセスし、物品を出し入れすることができる。
【0011】
配送ロボット10は、様々な場所に配置される複数の収納棚30の前に順次移動し停車して、物品20を収納棚30に収納する。これは、配達とも呼ばれ得る。また、配送ロボット10は、様々な場所に配置される複数の収納棚30の前に順次移動し停車し、収納棚30から物品20を取り出し、取り出した物品20を搬送する。これは、集荷とも呼ばれ得る。配送ロボット10(又は収納棚30)は、収納棚30との間で物品を受け渡しのための機構を備える。また、配送ロボット10は、各種センサを備え、人、収納棚、道路や障害物を検知し、自律的に移動可能である。既知の物体認識技術を利用することができる。本開示は、収納棚の付近に障害物がある場合に、障害物を取り除くように人に要求することが可能な配送システム及び配送方法を提案する。
【0012】
収納棚30は、物品を収容可能な複数の棚(不図示)を含み得る。収納棚30は、例えば、建物や集合住宅の各部屋の前に設置され、その前面に扉(不図示)を有する。当該扉は、配送ロボット10が収納棚30の前に停車した場合に、自動的に開くことができる。扉は、例えば、横開きシャッター、縦開きシャッター、片開き戸、又は両開き戸などであり得る。
【0013】
配送ロボット10は、複数の車輪13を備えたベース部11(これらは、合わせて台車部130とも称され得る)と、ベース部11上に設けられ、多数の物品20を収納可能な収納部12と、ベース部11上に設けられ、物品20を載せた載置台15と、を備える。ベース部11は、略矩形の細長い板状部材であり得る。また、配送ロボット10の任意の場所(本例ではベース部11)には、配送ロボットの全方位方向の物体等を検知又は撮影し、道路上の障害物の位置や収納棚の位置等を検知する1つ以上のセンサ18が設けられている。センサ18は、例えば、カメラであり得る。いくつかの実施形態では、配送ロボット10とは別に、例えば、集合住宅内を巡回する、センサ(例えば、カメラなどのセンサ18)を備えた巡回ロボット60(図5参照)、又はセンサを備えた別の配送を行う別の配送ロボットが設けられてもよい。巡回ロボット60は、例えば、集合住宅内の通路を移動し、通路上に障害物がないか等を監視しうる。巡回ロボット60は、無線ネットワークを介して、監視情報を配送ロボット10に通信することができる。他の実施形態では、収納棚30付近(例えば、集合住宅の通路の天井)に設置された固定監視カメラ70(センサ18)(図4及び図5参照)が設けられてもよい。
【0014】
載置台15は、収納部12から取り出された1つの物品20を載せて、当該物品20を、収納棚30の目的の一の棚に格納するための機構を備えている。また、載置台15は、鉛直方向に沿って昇降可能で、水平方向軸に伸縮可能な伸縮アーム(図示せず)を備え、伸縮アームは、前後左右に移動可能に構成される。いくつかの実施形態では、載置台15は、鉛直軸に対して回転可能に構成され得る。また、載置台15は、物品を載せて全方位(360°)に移動可能に構成され得る。ただし、図1に示すように、ベース部11の片側には、収納部12が配置されているため、載置台15は、収納部12のある方向(本明細書では背面側とも呼ばれる)には移動できない。なお、配送ロボット10は、収納棚30との間で、物品の受け渡しを行うために用いられ、障害物を除去する機構は備えていない。そのため、収納棚前の所定の領域内の障害物を取り除くには、人の助けが必要であり得る。
【0015】
なお、配送システム1には、配送ロボット10の走行を制御する管理サーバ(不図示)が備えられてもよい。この場合、管理サーバは、配送ロボットとネットワークを介して接続された制御部100を備える。また、他の実施形態では、管理サーバの制御部と、配送ロボットの制御部が機能を分散して本開示を実現することができる。
【0016】
図2は、配送システムの機能を説明するブロック図である。配送システム1は、制御部100を備えている。制御部100は、配送ロボット10又は管理サーバなどに設けられうる。制御部100は、有線又は無線ネットワークで接続されたセンサ18からのセンサ信号を受け付けて、台車部130、昇降部151、および伸縮アーム152などの配送システムの通常動作を制御する。また、制御部100は、センサ18からのセンサ信号を受け付けて、ネットワークを介して、報知部17を介して、障害物の存在を報知することができる。いくつかの実施形態では、制御部100は、収納棚前面の扉やその内部のマニピュレータの動作を制御することができる。
【0017】
台車部130は、図1に示したように、ベース部11と、ベース部11に回転可能に設けられた駆動車輪13と、各駆動車輪13を回転駆動するモータ1301(図2)とを有している。各モータ1301は、減速機などを介して、各駆動車輪13を回転させる。各モータ1301は、制御部100からの制御信号に応じて、各駆動車輪13を回転させる。各モータ1301は、制御部100からの制御信号に応じて、各駆動車輪13を回転及び停止させることで、ベース部11を任意の位置に移動及び停車することができる。なお、上記台車部130の構成は一例であり、これに限定されない。例えば、台車部130の駆動車輪および従動車輪の数は任意でよく、ベース部11を任意の位置に移動させることができれば任意の構成が適用可能である。
【0018】
昇降部151が鉛直軸に沿って伸縮することで、載置台15が昇降する。昇降部151は、回転装置1511を備える。伸縮アーム152は、載置台15に取り付けられている。伸縮アーム152は、アーム本体および駆動装置1521を備えている。駆動装置1521は、載置台15の内部(不図示)に取り付けられており、アーム本体を水平方向に移動させる。駆動装置1521は、アーム本体を軸周りに回転させる機構をさらに有していてもよい。
【0019】
センサ18は、台車部130等を含む配送ロボット10の任意の場所に設けられている。センサ18は、検知部とも呼ばれ、例えば、カメラであり、撮影画像を取得することができる。センサ18は、通路、障害物、人、収納棚等の存在を検知することができる。センサ18は、台車部130の移動を検出する移動検出センサや、載置台15の高さを検出する高さ検出センサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ18は、配送ロボットではなく、別の巡回ロボットに取り付けられてもよいし、建物等に固定されていてもよい。この場合も、センサ18は、配送ロボット10の制御部100と無線ネットワークを介して接続され得る。
【0020】
報知部17は、配送ロボットの内蔵スピーカー、内蔵モニター及びランプ、又は特定の人(例えば、通行人、受取人、その家族、管理人、隣人など)の通信端末であり得る。報知部17は、制御部100からの制御信号を受け付けて、センサ18により検知された障害物の存在と、その除去要求を報知することができる。例えば、配送ロボットの内蔵スピーカーは、障害物の存在と、その除去要求を音声で報知することができる。また、配送ロボットの内蔵モニター及びランプは、障害物の存在と、その除去要求を視覚的に報知することができる。通信端末は、障害物の存在と、その除去要求を音声で、又は視覚的に報知することができる。
【0021】
制御部100は、台車部130、昇降部151、および伸縮アーム152などの配送システムの通常動作を制御する。制御部100は、制御信号を送信して、特定の人に対して、障害物の存在と、その除去要求を、報知部17に報知させることができる。制御部100は、台車部130の各モータ1301に制御信号を送信することで、各駆動車輪13の回転を制御し、ベース部11を任意の位置に移動させることができる。制御部100は、昇降部151の回転装置1511に対して制御信号を送信することで、載置台15の高さ位置を変更することができる。また、制御部100は、伸縮アーム152の駆動装置1521に制御信号を送信することでアーム本体の水平位置を変更できる。
【0022】
制御部100は、駆動車輪13に設けられた回転センサにより検出された駆動車輪13の回転情報などに基づいて、フィードバック制御、ロバスト制御等の周知の制御を行うことで、ベース部11(台車部130)の移動を制御してもよい。制御部100は、ベース部11に設けられたカメラや超音波センサなどの距離センサにより検出された距離情報、移動環境の地図情報などの情報に基づいて、台車部130、昇降部151、および伸縮アーム152の動作を制御してもよい。制御部100は、カメラにより検知された障害物の位置及び収納棚の位置に基づいて、収納棚に対する配送ロボットの停止位置及び停止向きを決定する。
【0023】
制御部100は、例えば、制御処理、演算処理等を行うCPU(Central Processing Unit)101によって実行される制御プログラム、演算プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)からなるメモリ102、外部と信号の入出力を行うインタフェース部(I/F)103などからなるマイクロコンピュータを備える。CPU101、メモリ102、およびインタフェース部103は、データバスなどを介して相互に接続されている。
【0024】
図1では、障害物40が、収納棚30の前方に置かれている。配送ロボット10の制御部100は、センサ18により、障害物40の位置及び収納棚30の位置を検知する。制御部100は、検知された障害物の位置及び収納棚の位置に基づいて、収納棚に対する配送ロボットの停止位置及び停止向きを決定できない。この場合、制御部100は、センサ18を介して、周囲の人2を検知する。制御部100は、ネットワークを介して、配送ロボット10の内蔵スピーカー又は内蔵モニター及びランプなどである報知部17に制御信号を送信して、障害物40を取り除くように、人2に報知することができる。この場合、制御部100は、短時間に、人2により障害物40が取り除かれると判断し、その場に配送ロボット10を待機させることができる。
【0025】
図3は、障害物の除去後の配送ロボットの配送を説明する斜視図である。
制御部100は、センサ18により、人2が障害物40を除去したことを確認後、配送ロボット10を、図3に示すように、収納棚30に対して左横置きに停車させる。また、配送ロボット10は、伸縮アームの伸ばす距離ができるだけ短くなるように、収納棚30からできるだけ近い位置に、停車することができる。その後、配送ロボット10の制御部100は、センサ18からの収納棚30の位置に基づいて、伸縮アーム152及び昇降部151を制御する。これにより、載置台15は、物品20を収納棚30の目的とする棚に収納することができる。
【0026】
図4は、配送ロボットによる通信端末への報知と別の収納棚への配送を説明する斜視図である。
図4では、障害物40が、収納棚30aの前方に置かれている。配送ロボット10の制御部100は、センサ18により、障害物40の位置及び収納棚30aの位置を検知する。制御部100は、検知された障害物の位置及び収納棚の位置に基づいて、収納棚30aに対する配送ロボットの停止位置及び停止向きを決定できない。この場合、制御部100は、特定の人(例えば、受取人、その家族、管理人、隣人など)の通信端末50の報知部17を介して、特定の人に、障害物40を取り除くように報知することができる。図4では、通信端末50はスマートフォンとして描かれているが、これに限定されず、音声や表示で人に報知することができる様々な通信端末を利用することができる。この場合、制御部100は、カメラである検知部により撮影された障害物の撮影画像とともに特定の人に通知してもよい。これにより、特定の人(例えば、管理人)は、当該画像により、収納棚前の障害物40の位置を確認し、すぐに障害物40を取り除くための行動をとることができる。
【0027】
この場合、制御部100は、短時間には、特定の人により障害物40が取り除かれないと判断し、図4に示すように、配送ロボット10を別の収納棚30bまで移動させ、別の物品を配送させることができる。一方、例えば、天井に配置された固定監視カメラ70のセンサ18により、収納棚30aの前の障害物40が人により除去されたか否かを監視することができる。障害物40が除去された場合は、制御部100は、配送ロボット10に再配送を通知し、再度、物品20を収納棚30aに配送するように手配することができる。これにより、配送ロボットは、特定の人により障害物40が取り除かれるまでの時間に、効率よく別の配送を行うことができる。
【0028】
図5は、配送ロボットが収納棚に到着する前に、センサにより収納棚前の障害物が検知される例を説明する斜視図である。
図5では、2つの障害物40が、収納棚30の前方にそれぞれ置かれている。管理サーバの制御部100は、巡回ロボット60のセンサ18又は固定監視カメラ70のセンサ18により、2つの障害物40の位置及び収納棚30の位置を検知する。管理サーバの制御部100は、検知された障害物の位置及び収納棚の位置に基づいて、収納棚に対する配送ロボットの停止位置及び停止向きを決定できない。この場合、制御部100は、配送ロボットが到達する前に、特定の人2の通信端末50に通知し、障害物40を収納棚30の前の所定の領域から取り除くように要求することができる。この場合、制御部100は、カメラであるセンサ18により撮影された障害物の撮影画像とともに特定の人2に通知してもよい。なお、巡回ロボット60は、別の配送を行う配送ロボットであってもよい。
【0029】
特定の人2は、通信端末50を介して、撮影画像を見て、2つの障害物40を収納棚30の前の所定の領域から取り除く。巡回ロボット60のセンサ18又は固定監視カメラ70のセンサ18により、障害物40が取り除かれたことが検知されると、管理サーバの制御部100は、配送ロボット10に、収納棚30への物品の配送スケジュールを手配することができる。このように、配送ロボットが収納棚に到着する前に障害物を取り除かれることを確実にすることで、配送ロボットの配送スケジュールを最適化することができる。
【0030】
複数の人に障害物の取り除き要求を通知し、特定の人が実際に障害物を取り除いた場合、当該特定の人に対して、インセンティブや報酬を付与してもよい。
【0031】
実施形態2
図6は、配送システム1aの配送ロボット10aと収納棚30cを説明する図である。配送システム1aは、収納棚30cおよび配送ロボット10aを備えている。配送ロボット10は、物品を搬送して収納棚30に格納する。配送ロボット10aは、収納棚30cから物品を取り出し、取り出した物品を搬送する。図9には図示していないが、配送ロボット10aは、図1に示したような収納部12を備えてもよい。また、実施形態2にかかる収納棚30cおよび配送ロボット10aは、安全な物品の出し入れを可能にするため、後述するような係合機構を備える。図6では、実施形態1と同一の構成要素は、適宜説明を省略する。
【0032】
収納棚30cは、図示しない物品を収容している。物品は、例えば、通函であってもよい。収納棚30は、筐体311、支持部材312、およびガイドレール313を備えている。支持部材312は、収納棚30cに収容される物品を支持する。
【0033】
ガイドレール313は、配送ロボット10aの載置台15aに設けられた溝156と係合する。ガイドレール313は、鉛直方向に延びている。ガイドレール313は、収納棚30cの前面と平行に設けられた板状部材であってもよい。板状部材は、筐体311から内側に突出する。ガイドレール313は、筐体311の左右両側に設けられていてもよく、いずれかに設けられていてもよい。
【0034】
配送ロボット10aは、載置台15a、台車部130a、昇降部151a、伸縮アーム152a、および係合検出センサ155を備えている。載置台15aは、物品を載置可能な台であり、天板とも呼ばれる。載置台15aの側面には、鉛直方向に延びた溝156が設けられている。昇降部151aの動作により載置台15aが下端から上昇する場合、溝156は、収納棚30cのガイドレール313と係合する。溝156は、載置台15aの側面の右側と左側の両方に設けられてよい。
【0035】
配送ロボット10aは、移動可能な台車部130aにより水平方向に移動する。昇降部151aは、台車部130a上に設けられている。昇降部151aは、載置台15aを昇降させる。伸縮アーム152aは、水平方向に伸縮する。伸縮アーム152aは、収納棚30cから物品を取り出して載置台15aに載置し、載置台15a上の物品を収納棚30に格納する。
【0036】
係合検出センサ155は、溝156に設けられる。係合検出センサ155は、ガイドレール313と溝156とが係合していることを検出する。ガイドレール313と溝156とが係合している場合、ガイドレール313と載置台15aとが係合する。係合検出センサ155は、例えば、フォトインタラプタやフォトリフレクタである。このケースでは、係合検出センサ155は発光部および受光部を備える。発光部からの光がガイドレール313で遮られている場合、ガイドレール313と載置台15とが係合していることを検出してもよい。発光部からの光がガイドレール313で反射されている場合、ガイドレール313と載置台15aとが係合していることを検出してもよい。なお、係合検出センサ155は、ガイドレール313から受ける力を検出するセンサ(例えば、接触センサ、磁気センサ)であってもよい。
【0037】
なお、上記の実施形態では、配送システムについて説明したが、本開示は、配送システムの構成要素を用いた配送方法にも適用可能である。
【0038】
上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0039】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 配送システム
2 人
10 配送ロボット
11 ベース部
12 収納部
13 車輪
15 載置台
18 センサ(検知部)
20 物品
30、30a、30b、30c 収納棚
40 障害物
50 通信端末
60 巡回ロボット
70 固定監視カメラ
100 制御部
102 メモリ
103 インタフェース部
130 台車部
151 昇降部
152 伸縮アーム
1301 モータ
1511 回転装置
1521 駆動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6