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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172380
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】光照射装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20241205BHJP
   H05B 45/355 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 45/38 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 45/395 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20241205BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B45/355
H05B45/38
H05B45/375
H05B45/345
H05B45/395
H05B47/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090055
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】森 聖也
(72)【発明者】
【氏名】大武 寛和
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章裕
(72)【発明者】
【氏名】冨山 彩弥香
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273QA35
3K273RA12
3K273SA01
3K273SA37
3K273SA57
3K273TA12
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA37
3K273TA40
3K273TA52
3K273TA54
3K273UA19
3K273UA22
3K273UA27
3K273VA10
(57)【要約】
【課題】より安定した動作を実現できる光照射装置を提供する。
【解決手段】光を照射する光源と、空気を送るためのファンと、前記光源及び前記ファンの動作の制御を行う制御部と、前記光源への電力の供給を行う点灯回路と、前記ファン及び前記制御部への電力の供給を行う制御電源回路と、を備え、前記制御部は、前記ファンの回転数を、第1回転数と、前記第1回転数よりも低い第2回転数と、に切り替え可能であり、前記制御電源回路からの電力の供給開始に応じて前記光源及び前記ファンの動作を開始させる場合には、前記第2回転数で前記ファンの動作を開始させた後に、前記ファンの回転数を前記第2回転数から前記第1回転数に切り替えることを特徴とする光照射装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する光源と、
空気を送るためのファンと、
前記光源及び前記ファンの動作の制御を行う制御部と、
前記光源への電力の供給を行う点灯回路と、
前記ファン及び前記制御部への電力の供給を行う制御電源回路と、
を備え、
前記制御部は、前記ファンの回転数を、第1回転数と、前記第1回転数よりも低い第2回転数と、に切り替え可能であり、前記制御電源回路からの電力の供給開始に応じて前記光源及び前記ファンの動作を開始させる場合には、前記第2回転数で前記ファンの動作を開始させた後に、前記ファンの回転数を前記第2回転数から前記第1回転数に切り替えることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記制御電源回路は、前記ファン及び前記制御部と接続される一対の出力端子と、前記一対の出力端子間に設けられた電荷蓄積素子と、を有し、前記ファン及び前記制御部に直流電力の供給を行い、
前記制御部は、前記制御電源回路からの直流電力の供給開始に応じて前記光源及び前記ファンの動作を開始させる場合に、前記第2回転数で前記ファンの動作を開始させ、前記電荷蓄積素子の充電量が所定の閾値以上となった後に、前記ファンの回転数を前記第2回転数から前記第1回転数に切り替えることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項3】
前記制御部は、設定信号の入力に基づいて前記ファンの回転数を切り替え可能であり、前記設定信号によって前記第1回転数が設定されている場合に、前記第2回転数で前記ファンの動作を開始させることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項4】
人体の検知を行う人感センサをさらに備え、
前記制御部は、前記人感センサの検知結果に基づいて前記光源及び前記ファンの動作を制御するとともに、前記制御電源回路からの電力の供給開始に応じて前記光源の動作を開始させる場合に、前記光源に対して初期動作を行い、
前記初期動作は、前記人感センサの検知結果に関わらず前記光源を第1時間点灯させた後、前記人感センサの検知結果に関わらず前記光源を第2時間消灯させる動作であり、
前記制御部は、前記第1時間の経過の前に前記ファンの回転数を前記第2回転数から前記第1回転数に切り替えることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光を照射する光源と、空気を送るためのファンと、を備えた光照射装置がある。光照射装置は、例えば、室内などの空気を循環させながら空気の除菌を行う空気清浄機として用いられる。ファンは、ファン及び光源を内部に収容する筐体部の内部に空気を取り込むとともに、取り込まれた空気の筐体部の外部への排出を行う。光源は、筐体部の内部に取り込まれた空気に対して紫外光を照射することにより、空気の除菌を行う。これにより、光源から照射された光によって除菌された空気が筐体部の外部に排出され、室内などの空気を循環させながら空気の除菌を行うことができる。
【0003】
また、光照射装置は、例えば、照明装置として用いられる場合もある。光源は、室内などに向けて光を照射する。ファンは、光源や内部の回路などに向けて空気(冷却風)を送ることにより、光源や内部の回路などの冷却を行う。
【0004】
このように、光源とファンとを備えた光照射装置では、電源投入時にファンの駆動に応じて突入電流が発生し、光照射装置の動作が不安定になってしまう可能性がある。このため、光源とファンとを備えた光照射装置においては、より安定した動作を実現できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-57575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、より安定した動作を実現できる光照射装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、光を照射する光源と、空気を送るためのファンと、前記光源及び前記ファンの動作の制御を行う制御部と、前記光源への電力の供給を行う点灯回路と、前記ファン及び前記制御部への電力の供給を行う制御電源回路と、を備え、前記制御部は、前記ファンの回転数を、第1回転数と、前記第1回転数よりも低い第2回転数と、に切り替え可能であり、前記制御電源回路からの電力の供給開始に応じて前記光源及び前記ファンの動作を開始させる場合には、前記第2回転数で前記ファンの動作を開始させた後に、前記ファンの回転数を前記第2回転数から前記第1回転数に切り替えることを特徴とする光照射装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、より安定した動作を実現できる光照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る光照射装置を模式的に表すブロック図である。
図2】実施形態に係る光照射装置の動作の一例を模式的に表すタイミングチャートである。
図3】実施形態に係る光照射装置の動作の一例を模式的に表すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る光照射装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、光照射装置10は、器具本体12と、電源ユニット14と、を備える。器具本体12は、紫外光を照射するUV光源20(光源)と、可視光を照射する可視光光源22(光源)と、空気を送るためのファン24と、器具本体12及び電源ユニット14の各部の動作を制御するための制御ユニット26と、を有する。
【0012】
器具本体12は、例えば、建築物の天井に取り付けて使用される。電源ユニット14は、例えば、建築物の天井裏のスペースなどに配置され、配線を介して器具本体12及び電源2と接続される。光照射装置10は、例えば、UV光源20及びファン24により、室内などの空気を循環させながら空気の除菌を行うとともに、可視光光源22により、室内の照明を行う。光照射装置10は、例えば、照明機能付きの空気清浄機である。
【0013】
器具本体12は、例えば、UV光源20、可視光光源22、ファン24、及び制御ユニット26を内部に収容する筐体部28をさらに有する。但し、制御ユニット26は、例えば、筐体部28と別に設け、有線通信又は無線通信を介して筐体部28内の機器と通信を行うことにより、UV光源20、可視光光源22、及びファン24などの各部の動作を制御する構成などとしてもよい。筐体部28の構成は、少なくともUV光源20及びファン24を内部に収容する任意の構成でよい。
【0014】
ファン24は、筐体部28の内部に空気を取り込むとともに、筐体部28の内部に取り込まれた空気を筐体部28の外部に排出する。UV光源20は、筐体部28の内部に取り込まれた空気に対して紫外光を照射し、空気の除菌を行うことにより、空気を循環させながら空気の除菌を行う。これにより、光照射装置10では、室内などの空気を循環させながら空気の除菌を行うことができる。
【0015】
UV光源20は、例えば、紫外光を照射可能な発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。UV光源20は、紫外光を照射可能な他の発光素子でもよいし、殺菌灯などの紫外線を照射可能なランプなどでもよい。UV光源20の照射する光は、例えば、青色光などの紫外光以外の成分をさらに含んでもよい。UV光源20は、少なくとも紫外光を含む光を照射可能な任意の光源でよい。なお、紫外光とは、例えば、10nm以上400nm以下の波長の光である。
【0016】
UV光源20の照射する紫外光は、例えば、315nm以上380nm以下のUVA、及び200nm以上280nm以下のUVCの少なくとも一方を含む。器具本体12は、例えば、UVAの紫外光を照射するUV光源20、UVCの紫外光を照射するUV光源20などの複数の波長の紫外光を照射する複数のUV光源20を有してもよい。
【0017】
ファン24は、例えば、モータを有しており直流電力の供給を受けて動作する。ファン24は、例えば、PWM信号のデューティ比で回転数(風量)を調整可能なDCファンである。但し、ファン24は、例えば、交流電力の供給を受けて動作するACファンなどでもよい。ファン24の構成は、室内などの空気を適切に循環させるために必要な風量を確保することができる任意の構成でよい。
【0018】
可視光光源22は、例えば、器具本体12が天井に取り付けられた状態において、下方に向けて可視光を照射する。これにより、器具本体12(光照射装置10)に照明器具の機能を持たせることができる。器具本体12は、例えば、空気清浄機として機能するとともに、ダウンライトとして機能する。可視光光源22は、例えば、可視光を照射可能な発光ダイオードである。可視光光源22は、可視光を照射可能な他の発光素子でもよいし、可視光を照射可能な電球や蛍光管などでもよい。
【0019】
電源ユニット14は、器具本体12と接続されるとともに、電源2に接続される。電源2は、例えば、交流電源である。電源2は、例えば、交流の商用電源である。電源2の交流電力は、より詳しくは、単相交流電力である。電源ユニット14は、例えば、一対の入力端子14a、14bを有し、一対の入力端子14a、14bを介して電源2と接続される。電源ユニット14は、電源2から供給された電力を器具本体12の各部に対応した電力に変換し、変換後の電力を器具本体12の各部に供給することにより、器具本体12の各部を動作させる。
【0020】
電源ユニット14は、整流回路30と、力率改善回路31と、UV点灯回路32(点灯回路)と、可視光点灯回路33(点灯回路)と、制御電源回路34と、送り回路35と、を有する。
【0021】
整流回路30は、電源2から入力された交流電力を整流して整流電力に変換する。整流回路30には、例えば、4つの整流素子を組み合わせたダイオードブリッジが用いられる。すなわち、整流回路30は、全波整流器である。整流電力は、例えば、脈流電力である。但し、整流回路30は、半波整流器などでもよい。整流電圧は、全波整流された脈流でもよいし、半波整流された脈流でもよい。
【0022】
力率改善回路31は、整流回路30の入力電流において、電源周波数の整数倍の高調波が発生することを抑制する。これにより、力率改善回路31は、入力電力の力率を改善する。力率改善回路31は、例えば、図示を省略したスイッチング素子を有し、スイッチング素子をスイッチングさせ、入力電流を正弦波の半端波形に近づけることにより、力率を改善する。力率改善回路31は、例えば、昇圧チョッパ回路である。力率改善回路31は、例えば、100V~242V(実効値)の電源2の交流電圧を420Vの直流電圧に変換する。但し、力率改善回路31は、これに限ることなく、入力電力の力率を改善することができる任意の回路でよい。
【0023】
なお、電源2から供給される電力は、交流電力に限ることなく、直流電力でもよい。整流回路30及び力率改善回路31は、電源2から供給される電力が直流電力である場合には、省略してもよい。
【0024】
UV点灯回路32は、UV光源20への電力の供給を行う。UV点灯回路32は、力率改善回路31から供給された直流電力をUV光源20に対応した電力に変換し、変換後の電力をUV光源20に供給することにより、UV光源20を点灯させる。例えば、UV光源20が紫外光を照射可能なLEDである場合、UV点灯回路32は、力率改善回路31から供給された直流電力をUV光源20に対応した別の直流電力に変換し、変換後の直流電力をUV光源20に供給することにより、UV光源20を点灯させる。
【0025】
UV点灯回路32は、例えば、降圧チョッパ回路である。UV点灯回路32は、入力電力の電圧を降圧することにより、入力された直流電力をUV光源20に対応した別の直流電力に変換する。換言すれば、UV点灯回路32は、第1直流電力を第2直流電力に変換する。UV点灯回路32は、例えば、420Vの力率改善回路31の直流電圧を50V~300Vの直流電圧に変換する。UV点灯回路32は、例えば、定電流回路である。UV点灯回路32は、例えば、実質的に一定の直流電流をUV光源20に供給する。
【0026】
UV点灯回路32は、UV光源20に供給する直流電流の大きさを変化させることができる。UV点灯回路32は、例えば、図示を省略したスイッチング素子を有し、スイッチング素子のスイッチングのデューティ比により、UV光源20に供給する直流電流の大きさを変化させる。これにより、UV点灯回路32は、UV光源20から照射させる光の強さ(明るさ)を変化させることができる。換言すれば、UV点灯回路32は、UV光源20の調光機能を有する。但し、UV点灯回路32は、必ずしもUV光源20の調光機能を有しなくてもよい。
【0027】
可視光点灯回路33は、可視光光源22への電力の供給を行う。可視光点灯回路33は、例えば、可視光光源22の調光機能を有する。可視光点灯回路33の構成は、UV点灯回路32の構成と同様とすることができるから、詳細な説明は省略する。
【0028】
このように、電源ユニット14(光照射装置10)は、UV光源20への電力の供給を行うUV点灯回路32と、可視光光源22への電力の供給を行う可視光点灯回路33と、を有する。これにより、UV光源20及び可視光光源22のそれぞれの点灯、消灯、及び調光を個別に切り替えることができる。例えば、可視光光源22から照射される可視光の強さを一定としたまま、UV光源20から照射されるUV光の強さを変化させることなどができる。
【0029】
制御電源回路34は、ファン24及び制御ユニット26への電力の供給を行う。制御電源回路34は、力率改善回路31から供給された直流電力をファン24及び制御ユニット26に対応した電力に変換し、変換後の電力をファン24及び制御ユニット26に供給することにより、ファン24及び制御ユニット26の動作を可能にする。制御電源回路34は、例えば、力率改善回路31から供給された直流電力をファン24及び制御ユニット26に対応した別の直流電力に変換し、変換後の直流電力をファン24及び制御ユニット26に供給することにより、ファン24及び制御ユニット26の動作を可能にする。
【0030】
制御電源回路34は、例えば、降圧チョッパ回路である。制御電源回路34は、入力電力の電圧を降圧することにより、入力された直流電力をファン24及び制御ユニット26に対応した別の直流電力に変換する。制御電源回路34は、例えば、420Vの力率改善回路31の直流電圧を12Vの直流電圧に変換する。
【0031】
制御電源回路34は、例えば、ファン24及び制御ユニット26と接続される一対の出力端子34a、34bと、一対の出力端子34a、34b間に設けられた電荷蓄積素子34cと、を有し、ファン24及び制御ユニット26に直流電力の供給を行う。電荷蓄積素子34cは、例えば、ファン24及び制御ユニット26に供給される直流電圧の変動を抑制する。電荷蓄積素子34cは、例えば、コンデンサである。なお、制御電源回路34からファン24及び制御ユニット26に供給される電力は、直流電力に限ることなく、交流電力などでもよい。
【0032】
電源ユニット14は、例えば、器具本体12と同じ建築物の天井などに取り付けられた別の照明機器4を接続するための一対の接続端子14c、14dを有する。送り回路35は、電源2から供給された電力を一対の接続端子14c、14dに接続された別の照明機器4に供給する状態と、電源2から供給された電力の一対の接続端子14c、14dに接続された別の照明機器4への供給を停止した状態と、の切り替えを行う。
【0033】
このように、電源ユニット14(光照射装置10)は、一対の接続端子14c、14d及び送り回路35を介して、電源2から供給された電力の別の照明機器4への供給を行うことができる。
【0034】
送り回路35は、例えば、一対の入力端子14a、14bと一対の接続端子14c、14dとの間に設けられる。送り回路35は、例えば、リレー35aと、トライアック35bと、を有する。リレー35aの一端は、一方の入力端子14aと接続される。リレー35aの他端は、一方の接続端子14dと接続される。他方の入力端子14bは、他方の接続端子14cと接続される。トライアック35bは、リレー35aと並列に接続される。
【0035】
これにより、リレー35a及びトライアック35bの少なくとも一方をオン状態とすることにより、照明機器4に電源2の電力を供給する状態となる。そして、リレー35a及びトライアック35bのそれぞれをオフ状態とすることにより、照明機器4への電力の供給を停止した状態となる。
【0036】
送り回路35では、例えば、トライアック35bをオフ状態からオン状態に切り替えた後に、リレー35aをオフ状態からオン状態に切り替える。これにより、リレー35aのオフ状態からオン状態への切り替えにともなう突入電流の発生を抑制することができる。
【0037】
但し、送り回路35の構成は、上記に限ることなく、照明機器4に電力を供給する状態と、照明機器4への電力の供給を停止した状態と、を適切に切り替えることができる任意の構成でよい。
【0038】
なお、一対の接続端子14c、14dに接続される別の機器は、照明機器4に限ることなく、別の光照射装置10でもよいし、別の空気清浄機などでもよい。一対の接続端子14c、14dに接続される機器は、器具本体12とともに天井などに取り付けられ、電源ユニット14を介した電力の供給を必要とする任意の機器でよい。
【0039】
制御ユニット26は、制御部40と、3端子レギュレータ42と、人感センサ44と、を有する。制御部40は、UV光源20、可視光光源22、及びファン24のそれぞれの動作の制御を行う。
【0040】
制御部40は、UV点灯回路32と接続されている。制御部40は、UV点灯回路32に制御信号を送信し、UV点灯回路32からUV光源20への電力の供給及び供給の停止を制御することにより、UV光源20の動作を制御する。換言すれば、制御部40は、UV点灯回路32に制御信号を送信し、UV点灯回路32の動作を制御することにより、UV光源20の点灯及び消灯の切り替えを制御する。
【0041】
また、制御部40は、UV点灯回路32に制御信号を送信し、UV点灯回路32からUV光源20に供給する直流電流の大きさを変化させることにより、UV光源20から照射させる光の強さを変化させる。
【0042】
制御部40は、可視光点灯回路33と接続されている。制御部40は、UV点灯回路32と同様に、可視光点灯回路33に制御信号を送信し、可視光点灯回路33から可視光光源22への電力の供給及び供給の停止を制御することにより、可視光光源22の動作を制御する。制御部40は、可視光光源22の点灯、消灯、及び照射させる光の強さ(明るさ)を制御する。
【0043】
制御部40は、ファン24と接続されている。制御部40は、ファン24に制御信号を送信することにより、ファン24の動作及び動作の停止を制御する。また、制御部40は、ファン24に制御信号を送信することにより、ファン24の回転数を制御する。
【0044】
制御部40は、ファン24の回転数を、第1回転数と、第1回転数よりも低い第2回転数と、に切り替え可能である。第1回転数は、例えば、ファン24の定格の回転数(100%の回転数)である。第2回転数は、例えば、ファン24の定格の回転数の50%の回転数である。但し、第1回転数及び第2回転数は、これに限ることなく、任意の回転でよい。制御部40からUV点灯回路32、可視光点灯回路33、及びファン24に送信する制御信号は、例えば、PWM信号である。第1回転数は、換言すれば、PWM信号のデューティ比を100%に設定した時の回転数であり、第2回転数は、換言すれば、PWM信号のデューティ比を50%に設定した時の回転数である。
【0045】
制御部40は、送り回路35と接続されている。制御部40は、送り回路35による照明機器4への電力の供給、及び供給の停止の切り替えを制御する。制御部40は、例えば、リレー35a及びトライアック35bと接続され、リレー35a及びトライアック35bのオン状態及びオフ状態の切り替えを制御することにより、照明機器4への電力の供給、及び供給の停止の切り替えを制御する。
【0046】
制御部40は、例えば、マイコンである。但し、制御部40は、各部の動作を適切に制御可能な任意の素子でよい。制御部40は、例えば、複数の素子を組み合わせて構成してもよい。
【0047】
3端子レギュレータ42は、制御電源回路34から供給された直流電力を制御部40に応じた別の直流電力に変換し、変換後の直流電力を制御部40に供給することにより、制御部40を駆動する。3端子レギュレータ42は、例えば、制御電源回路34から供給された12Vの直流電圧を3.3Vの直流電圧に変換し、変換後の直流電力を制御部40に供給する。制御部40は、3端子レギュレータ42からの直流電力の供給に基づいて動作する。制御電源回路34は、換言すれば、ファン24及び制御部40への電力の供給を行う。
【0048】
人感センサ44は、人体の検知を行う。人感センサ44は、より詳しくは、器具本体12に接近する人体の検知を行う。人感センサ44は、制御部40と接続されている。人感センサ44は、人体の検知の検知結果を制御部40に入力する。
【0049】
制御部40は、人感センサ44の検知結果に基づいて、UV光源20、可視光光源22、及びファン24の動作を制御する。制御部40は、例えば、人感センサ44による人体の検知に応じて、UV光源20及び可視光光源22を点灯させるとともに、ファン24の動作を開始させる。これにより、器具本体12に対する人の接近に応じて、可視光光源22から室内などに向けて可視光が照射されるとともに、UV光源20及びファン24による室内などの空気の循環及び除菌が行われる。そして、制御部40は、例えば、人感センサ44による人体の非検知に応じて、UV光源20及び可視光光源22を消灯させるとともに、ファン24の動作を停止させる。これにより、器具本体12から人が離れていくことに応じて、可視光の照射、及び空気を循環させながらの除菌が停止される。
【0050】
人感センサ44には、例えば、焦電センサ、赤外線センサ、電波センサなどが用いられる。但し、人感センサ44は、これらに限ることなく、器具本体12に接近する人体を適切に検知可能な任意のセンサでよい。
【0051】
器具本体12は、風量設定スイッチ50と、動作モード設定スイッチ52と、をさらに有する。風量設定スイッチ50及び動作モード設定スイッチ52は、制御部40と接続されている。
【0052】
風量設定スイッチ50は、ファン24の風量(回転数)を設定するための設定信号を制御部40に入力する。制御部40は、例えば、強運転モードと、強運転モードよりも風量を低くした弱運転モードと、を有する。強運転モードは、例えば、ファン24を定格の回転数に設定するモードである。弱運転モードは、例えば、ファン24を定格の50%の回転数に設定するモードである。強運転モードは、換言すれば、ファン24を第1回転数に設定するモードであり、弱運転モードは、換言すれば、ファン24を第2回転数に設定するモードである。
【0053】
風量設定スイッチ50は、例えば、操作部を有し、ユーザなどによる操作部の操作に応じて、強運転モードと弱運転モードとを切り替えるための設定信号を制御部40に入力する。制御部40は、風量設定スイッチ50から入力された設定信号に基づいて、強運転モードと弱運転モードとの切り替えを行う。
【0054】
このように、制御部40は、設定信号の入力に基づいて、ファン24の回転数を切り替え可能である。なお、設定信号は、器具本体12に設けられた風量設定スイッチ50に限ることなく、外部の機器などから制御部40に入力してもよい。設定信号は、例えば、光照射装置10の動作を制御する外部のコントローラや、ユーザの所有するスマートフォンなどから制御部40に入力されるようにしてもよい。制御部40に対する設定信号の入力方法は、上記に限ることなく、制御部40に対して適切に設定信号を入力することが可能な任意の方法でよい。
【0055】
また、強運転モード及び弱運転モードのそれぞれの回転数は、上記に限ることなく、任意の回転数でよい。設定信号に基づいて切り替えられるファン24の回転数は、2段階に限ることなく、3段階以上に切り替えられるようにしてもよい。
【0056】
動作モード設定スイッチ52は、動作モードを切り替えるための設定信号を制御部40に入力する。制御部40は、例えば、停止モード、第1動作モード、第2動作モード、及び第3動作モードの4つの動作モードを有する。
【0057】
動作モード設定スイッチ52は、例えば、操作部を有し、ユーザなどによる操作部の操作に応じて、各動作モードを切り替えるための設定信号を制御部40に入力する。制御部40は、動作モード設定スイッチ52から入力された設定信号に基づいて、各動作モードの切り替えを行う。なお、風量設定スイッチ50の場合と同様に、各動作モードを切り替えるための設定信号の入力方法は、上記に限ることなく、任意の方法でよい。
【0058】
停止モードは、人感センサ44の検知結果に関わらず、UV光源20及び可視光光源22を消灯させ、ファン24の動作を停止させた状態を継続する動作モードである。第1動作モードは、人感センサ44による人体の非検知から第1保持時間の経過に応じて可視光光源22を消灯させ、UV光源20の点灯及びファン24の動作を継続させる動作モードである。第1動作モードは、換言すれば、人体の非検知に応じて可視光の照射のみを停止させ、空気を循環させながらの除菌を継続させる動作モードである。第1保持時間は、例えば、6分間である。第2動作モードは、人感センサ44による人体の非検知から第1保持時間の経過に応じて可視光光源22を消灯させ、人体の非検知から所定時間の経過に応じてUV光源20の消灯及びファン24の停止を行う動作モードである。UV光源20の消灯及びファン24の停止を行う所定時間は、例えば、3時間である。第3動作モードは、人感センサ44による人体の非検知から第1保持時間よりも短い第2保持時間の経過に応じて可視光光源22を消灯させ、人体の非検知から所定時間の経過に応じてUV光源20の消灯及びファン24の停止を行う動作モードである。第2保持時間は、例えば、1分間である。第1保持時間、第2保持時間、及び所定時間は、上記に限ることなく、任意の時間でよい。また、制御部40に設定される動作モードは、上記に限ることなく、任意の動作モードでよい。制御部40に設定される動作モードの数も、任意の数でよい。
【0059】
図2は、実施形態に係る光照射装置の動作の一例を模式的に表すタイミングチャートである。
図2は、風量設定スイッチ50で強運転モードが設定され、動作モード設定スイッチ52で第1動作モードが設定された場合の光照射装置10の動作の一例を模式的に表す。
【0060】
図2に表したように、光照射装置10において、図示を省略したスイッチの操作などにより、電源2から電源ユニット14への電力の供給が開始されると、まず、整流回路30及び力率改善回路31を介して制御電源回路34に電力が供給され、制御電源回路34が動作を開始する(図2のタイミングt10)。
【0061】
制御電源回路34が動作を開始し、制御電源回路34からファン24及び制御ユニット26への電力の供給が開始されると、3端子レギュレータ42が動作を開始する(図2のタイミングt11)。
【0062】
3端子レギュレータ42が動作を開始し、3端子レギュレータ42から制御部40への直流電力の供給が開始されると、制御部40が動作を開始する(図2のタイミングt12)。
【0063】
制御部40は、動作を開始すると、まず、力率改善回路31の動作の制御を行う(図2のタイミングt13)。これにより、所望の大きさの直流電力が、力率改善回路31からUV点灯回路32及び可視光点灯回路33に供給される。
【0064】
制御部40は、力率改善回路31の制御を開始し、力率改善回路31からUV点灯回路32及び可視光点灯回路33への所望の大きさの直流電力の供給を開始した後、UV点灯回路32及び可視光点灯回路33の制御を開始することにより、UV光源20及び可視光光源22を点灯させるとともに、ファン24の動作を開始させる(図2のタイミングt14)。
【0065】
この際、制御部40は、第2回転数でファン24の動作を開始させる。制御部40は、設定信号によって強運転モードが設定されている場合(第1回転数が設定されている場合)においても、第2回転数でファン24の動作を開始させる。
【0066】
また、この際、制御部40は、第1強さ(明るさ)よりも低い第2強さでUV光源20を点灯させる。このように、制御部40は、ファン24の回転数(風量)の低い状態においては、UV光源20の光の強さも低くする。これにより、例えば、ファン24から送られる空気の量に対して過度に強い紫外線を照射し、不必要に消費電力が大きくなってしまうことを抑制することができる。第1強さは、例えば、定格の強さ(デューティ比100%の強さ)である。第2強さは、例えば、定格の50%の強さ(デューティ比50%の強さ)である。但し、第1強さは、任意の強さでよい。第2強さは、第1強さよりも低い任意の強さでよい。
【0067】
また、制御部40は、UV光源20及び可視光光源22の点灯、及びファン24の動作を開始させるとともに、トライアック35bをオフ状態からオン状態に切り替えることにより、電源2の電力の照明機器4への供給を開始する。
【0068】
制御部40は、第2回転数でファン24の動作を開始させた後、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える(図2のタイミングt15)。このように、制御部40は、制御電源回路34からの電力の供給開始に応じてUV光源20、可視光光源22、及びファン24の動作を開始させる場合には、第2回転数でファン24の動作を開始させた後に、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える。
【0069】
制御部40は、制御電源回路34からの直流電力の供給開始に応じてUV光源20、可視光光源22、及びファン24の動作を開始させる場合に、第2回転数でファン24の動作を開始させ、制御電源回路34の電荷蓄積素子34cの充電量が所定の閾値以上となった後に、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える。
【0070】
制御部40は、例えば、第2回転数でファン24の動作を開始させた後、ファン24の動作の開始から所定時間の経過に応じて、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える。所定時間は、電荷蓄積素子34cの充電量が所定の閾値以上となるのに必要な時間に設定される。所定時間は、例えば、5秒である。所定時間は、電荷蓄積素子34cを適切に充電することが可能な任意の時間でよい。
【0071】
制御部40は、例えば、電圧検出回路などを用いて電荷蓄積素子34cの電圧を検出し、電荷蓄積素子34cの電圧が所定の電圧以上となったことに応じて電荷蓄積素子34cの充電量が所定の閾値以上となったと判断し、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替えてもよい。電荷蓄積素子34cの充電量が所定の閾値以上となった後に、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える方法は、上記に限ることなく、電荷蓄積素子34cの充電量が所定の閾値以上となった後に、ファン24の回転数を切り替えることが可能な任意の方法でよい。
【0072】
制御部40は、第2回転数でファン24の動作を開始させた後、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替えるとともに、UV光源20の光の強さを第2強さから第1強さに切り替える。なお、制御部40は、例えば、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替えた後に、UV光源20の光の強さを第2強さから第1強さに切り替えてもよい。また、制御部40は、例えば、UV光源20の光の強さを第2強さから第1強さに切り替えた後に、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替えてもよい。このように、制御部40は、ファン24の回転数の切り替えのタイミングと、UV光源20の光の強さの切り替えのタイミングと、をずらしてもよい。このように、切り替えのタイミングをずらすことにより、一度に消費される電流の急激な変換を抑制し、電源ユニット14の負担を抑制することができる。
【0073】
また、制御部40は、トライアック35bをオフ状態からオン状態に切り替え、電源2の電力の照明機器4への供給を開始した後、リレー35aをオフ状態からオン状態に切り替える。このように、トライアック35bをオン状態に切り替えた後にリレー35aをオン状態に切り替えることにより、リレー35aのオン状態への切り替えにともなう突入電流の発生を抑制できるとともに、トライアック35bのみで電力の供給を行う場合と比べて、トライアック35bのオンオフの切り替えの制御にともなう制御の複雑化や消費電力の増加などを抑制することができる。
【0074】
なお、図2の例では、リレー35aのオン状態への切り替えのタイミングを、ファン24の回転数の切り替えのタイミングと同じとしている。リレー35aのオン状態への切り替えのタイミングは、ファン24の回転数の切り替えのタイミングと異なってもよい。リレー35aのオン状態への切り替えのタイミングは、突入電流の発生を抑制可能な任意のタイミングに設定すればよい。
【0075】
制御部40は、リレー35aをオフ状態からオン状態に切り替えた後、トライアック35bをオン状態からオフ状態に切り替える(図2のタイミングt16)。
【0076】
図2の例では、タイミングt16において人感センサ44の検知結果が非検知状態から検知状態に切り替わり、タイミングt17において人感センサ44の検知結果が検知状態から非検知状態に切り替わっている。
【0077】
制御部40は、制御電源回路34からの電力の供給開始のタイミングから第1時間が経過するまでの間は、人感センサ44の検知結果に関わらず、可視光光源22を点灯させた状態を維持する。また、制御部40は、第1動作モードが設定されている場合には、上述のように、人感センサ44の検知結果に関わらず、UV光源20の点灯及びファン24の動作を継続させる。
【0078】
制御部40は、制御電源回路34からの電力の供給開始のタイミングから第1時間の経過に応じて、可視光光源22を消灯させる(図2のタイミングt18)。この場合、制御部40は、可視光光源22の点灯から消灯への切り替えのタイミングから第2時間が経過するまでの間は、人感センサ44の検知結果に関わらず、可視光光源22を消灯させた状態を維持する。第1時間は、例えば、1分間である。第2時間は、例えば、2秒である。但し、第1時間及び第2時間は、上記に限ることなく、任意の時間でよい。
【0079】
このように、制御部40は、人感センサ44の検知結果に基づいてUV光源20、可視光光源22、及びファン24の動作を制御するとともに、制御電源回路34からの電力の供給開始に応じて可視光光源22の動作を開始させる場合に、可視光光源22に対して初期動作を行う。
【0080】
初期動作は、人感センサ44の検知結果に関わらず可視光光源22を第1時間点灯させた後、人感センサ44の検知結果に関わらず可視光光源22を第2時間消灯させる動作である。このように、初期動作を行うことにより、電源2からの電力供給の開始時に、可視光光源22及び人感センサ44が正常に動作しているか否かを容易に確認することができる。
【0081】
制御部40は、上記のように初期動作を行う場合に、第1時間の経過の前にファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える。換言すれば、制御部40は、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える所定時間よりも第1時間を長く設定する。これにより、例えば、初期動作によって可視光光源22及び人感センサ44の異常を検出できるようにしつつ、可視光光源22の点灯及び消灯の変化にともなう負荷変動が、電荷蓄積素子34cの充電時間に影響を与えてしまうことを抑制することができる。初期動作を行う場合においても、電荷蓄積素子34cの充電をより安定的に行うことができる。
【0082】
制御部40は、可視光光源22の点灯から消灯への切り替えのタイミングから第2時間が経過した後、人感センサ44による人体の検知に応じて、可視光光源22を消灯状態から点灯状態に切り替える(図2のタイミングt19)。
【0083】
制御部40は、可視光光源22を点灯させた後、人感センサ44の検知結果が検知状態から非検知状態に切り替わったことに応じて、第1保持時間の計時を開始する(図2のタイミングt20)。
【0084】
制御部40は、第1保持時間の計時を開始した後、第1保持時間が経過する前に、トライアック35bをオフ状態からオン状態に切り替える(図2のタイミングt21)。そして、制御部40は、トライアック35bをオン状態に切り替えた後、第1保持時間が経過する前に、リレー35aをオン状態からオフ状態に切り替える(図2のタイミングt22)。これにより、リレー35aのオフ状態への切り替えにともなう突入電流の発生を抑制することができる。
【0085】
制御部40は、リレー35aをオフ状態に切り替えた後、第1保持時間の経過に応じて、可視光光源22を消灯させるとともに、トライアック35bをオフ状態に切り替えることにより、電源2の電力の照明機器4への供給を停止する(図2のタイミングt23)。
【0086】
制御部40は、人感センサ44の非検知に応じて可視光光源22の消灯、及び照明機器4への電力の供給の停止を行った後、人感センサ44の非検知状態から検知状態への切り替わりに応じて、可視光光源22を点灯させるとともに、トライアック35bをオン状態に切り替えることにより、電源2の電力の照明機器4への供給を開始する(図2のタイミングt24)。
【0087】
制御部40は、トライアック35bをオフ状態からオン状態に切り替え、電源2の電力の照明機器4への供給を開始した後、リレー35aをオフ状態からオン状態に切り替える(図2のタイミングt25)。
【0088】
制御部40は、リレー35aをオフ状態からオン状態に切り替えた後、トライアック35bをオン状態からオフ状態に切り替える(図2のタイミングt26)。以下、制御部40は、人感センサ44の検知状態から非検知状態への切り替わりに応じて、図2のタイミングt20に関する説明と同様に、第1保持時間の計時を開始し、同様の処理を繰り返す。
【0089】
図3は、実施形態に係る光照射装置の動作の一例を模式的に表すタイミングチャートである。
図3は、風量設定スイッチ50で強運転モードが設定され、動作モード設定スイッチ52で第2動作モードが設定された場合の光照射装置10の動作の一例を模式的に表す。なお、図3において、タイミングt30~t43までの動作は、図2に関して説明したタイミングt10~t23までの動作と実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
【0090】
図3に表したように、制御部40は、第2動作モードにおいては、人感センサ44の検知状態から非検知状態への切り替わりのタイミングから第1保持時間の経過に応じて、可視光光源22の消灯、及びトライアック35bのオフ状態への切り替えを行った後、人感センサ44の検知状態から非検知状態への切り替わりのタイミングから所定時間の経過に応じてUV光源20の消灯及びファン24の停止を行う(図3のタイミングt44)。
【0091】
また、この際、制御部40は、UV光源20の消灯及びファン24の停止を行うとともに、力率改善回路31の動作を停止させる。これにより、力率改善回路31の動作にともなう消費電力の増加を抑制することができる。
【0092】
制御部40は、UV光源20の消灯及びファン24の停止を行った後、人感センサ44の非検知状態から検知状態への切り替わりに応じて、力率改善回路31の動作の開始、トライアック35bのオン状態への切り替え、可視光光源22の点灯、UV光源20の点灯、及びファン24の動作の開始を行う(図3のタイミングt45)。この際、制御部40は、制御電源回路34からの電力の供給開始時と同様に、第2回転数でファン24の動作を開始させるとともに、第2強さでUV光源20を点灯させる。
【0093】
制御部40は、人感センサ44の非検知状態から検知状態への切り替わりに応じて、ファン24の動作の開始及びUV光源20の点灯などを行った後、制御電源回路34からの電力の供給開始時と同様に、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替えるとともに、UV光源20の光の強さを第2強さから第1強さに切り替える(図3のタイミングt46)。
【0094】
また、制御部40は、トライアック35bをオフ状態からオン状態に切り替え、電源2の電力の照明機器4への供給を開始した後、リレー35aをオフ状態からオン状態に切り替える(図3のタイミングt46)。
【0095】
制御部40は、リレー35aをオフ状態からオン状態に切り替えた後、トライアック35bをオン状態からオフ状態に切り替える(図3のタイミングt47)。以下、制御部40は、人感センサ44の検知状態から非検知状態への切り替わりに応じて、第1保持時間の計時を開始し、同様の処理を繰り返す。
【0096】
なお、第3動作モードは、第1保持時間を第2保持時間に置き換えるだけで、上記と同様に動作を行うことができるから、詳細な説明は省略する。
【0097】
以上、説明したように、本実施形態に係る光照射装置10では、制御部40が、制御電源回路34からの電力の供給開始に応じてUV光源20、可視光光源22、及びファン24の動作を開始させる場合に、第2回転数でファン24の動作を開始させた後に、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える。このように、本実施形態に係る光照射装置10では、制御電源回路34からの電力の供給が開始された際に、ファン24を低い回転数で始動させる。これにより、電源投入時にファン24の駆動に応じて突入電流が発生し、光照射装置10の動作が不安定になってしまうことを抑制することができる。例えば、ファン24の駆動に応じて突入電流が発生し、制御電源回路34の出力電圧が低下することにより、制御部40が動作を停止してしまう(制御部40にリセットがかかってしまう)ことを抑制することができる。
【0098】
ファン24(モータ)は、制御電源回路34の出力電力(電荷蓄積素子34cの電力)で駆動するが、駆動時に第1回転数とした場合には、ファン24(モータ)の突入電流(ファン24で消費される電流)が大きくなり、電荷蓄積素子34cの充電量以上の消費をしてしまうと、電荷蓄積素子34cの電圧が低下(電圧ドロップ)してしまい、ファン24が動作を停止する恐れがある。一方、本実施形態に係る光照射装置10では、第2回転数で駆動するため、突入電流(ファン24で消費される電流)を低く抑えることができ、電荷蓄積素子34cの充電量を超えない範囲でファン24を駆動することができるため、ファン24を安定して駆動することができる。従って、本実施形態に係る光照射装置10では、より安定した動作を実現することができる。
【0099】
また、第2動作モード及び第3動作モードにおいては、人感センサ44の非検知に応じてUV光源20の消灯及びファン24の停止を行った後、人感センサ44の検知に応じてUV光源20の点灯及びファン24の動作の開始を行う際にも、第2回転数でファン24の動作を開始させるとともに、第2強さでUV光源20を点灯させる。これにより、人感センサ44の検知に応じてUV光源20の点灯及びファン24の動作の開始を行う際にも、ファン24の駆動に応じて突入電流が発生し、光照射装置10の動作が不安定になってしまうことを抑制することができる。
【0100】
本実施形態に係る光照射装置10では、制御部40が、制御電源回路34からの直流電力の供給開始に応じてUV光源20、可視光光源22、及びファン24の動作を開始させる場合に、第2回転数でファン24の動作を開始させ、制御電源回路34の電荷蓄積素子34cの充電量が所定の閾値以上となった後に、ファン24の回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える。これにより、ファン24の駆動に応じて突入電流が発生し、制御電源回路34の出力電圧が低下することにより、制御部40の動作が不安定になってしまうことをより適切に抑制することができる。
【0101】
また、本実施形態に係る光照射装置10では、制御部40が、設定信号によって第1回転数が設定されている場合(強運転モードが設定されている場合)に、第2回転数でファン24の動作を開始させる。これにより、設定信号の入力に基づいてファン24の回転数を切り替える場合にも、より安定した動作を実現することができる。
【0102】
上記実施形態では、光照射装置10が、空気清浄機である場合を説明した。但し、光照射装置10は、空気清浄機に限定されるものではない。光照射装置10は、例えば、照明装置でもよい。光源は、室内などに向けて可視光を照射する光源でもよい。ファンは、光源や光源用電源などの内部の回路に向けて空気(冷却風)を送ることにより、光源や内部の回路などの冷却を行うファンでもよい。例えば、レーザ光を照射する光照射装置や屋外の演出などで比較的強い光を照射する光照射装置においては、光源や内部の回路などの冷却のためにファンが用いられる場合がある。こうした光照射装置において、上記実施形態の構成を適用してもよい。
【0103】
光照射装置は、少なくとも光源とファンと制御部と点灯回路と制御電源回路とを備え、制御電源回路からの電力の供給開始に応じて光源及びファンの動作を開始させる場合に、第2回転数でファンの動作を開始させた後に、ファンの回転数を第2回転数から第1回転数に切り替える任意の光照射装置でよい。光源は、例えば、UV光源及び可視光光源の少なくとも一方でよい。また、光源は、これらに限ることなく、光を照射する任意の光源でよい。
【0104】
本実施形態は、以下の態様を含む。
(付記1)
光を照射する光源と、
空気を送るためのファンと、
前記光源及び前記ファンの動作の制御を行う制御部と、
前記光源への電力の供給を行う点灯回路と、
前記ファン及び前記制御部への電力の供給を行う制御電源回路と、
を備え、
前記制御部は、前記ファンの回転数を、第1回転数と、前記第1回転数よりも低い第2回転数と、に切り替え可能であり、前記制御電源回路からの電力の供給開始に応じて前記光源及び前記ファンの動作を開始させる場合には、前記第2回転数で前記ファンの動作を開始させた後に、前記ファンの回転数を前記第2回転数から前記第1回転数に切り替えることを特徴とする光照射装置。
【0105】
(付記2)
前記制御電源回路は、前記ファン及び前記制御部と接続される一対の出力端子と、前記一対の出力端子間に設けられた電荷蓄積素子と、を有し、前記ファン及び前記制御部に直流電力の供給を行い、
前記制御部は、前記制御電源回路からの直流電力の供給開始に応じて前記光源及び前記ファンの動作を開始させる場合に、前記第2回転数で前記ファンの動作を開始させ、前記電荷蓄積素子の充電量が所定の閾値以上となった後に、前記ファンの回転数を前記第2回転数から前記第1回転数に切り替えることを特徴とする付記1記載の光照射装置。
【0106】
(付記3)
前記制御部は、設定信号の入力に基づいて前記ファンの回転数を切り替え可能であり、前記設定信号によって前記第1回転数が設定されている場合に、前記第2回転数で前記ファンの動作を開始させることを特徴とする付記1又は2に記載の光照射装置。
【0107】
(付記4)
人体の検知を行う人感センサをさらに備え、前記制御部は、前記人感センサの検知結果に基づいて前記光源及び前記ファンの動作を制御するとともに、前記制御電源回路からの電力の供給開始に応じて前記光源の動作を開始させる場合に、前記光源に対して初期動作を行い、前記初期動作は、前記人感センサの検知結果に関わらず前記光源を第1時間点灯させた後、前記人感センサの検知結果に関わらず前記光源を第2時間消灯させる動作であり、前記制御部は、前記第1時間の経過の前に前記ファンの回転数を前記第2回転数から前記第1回転数に切り替えることを特徴とする付記1~3のいずれか1つに記載の光照射装置。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
2…電源、 4…照明機器、 10…光照射装置、 12…器具本体、 14…電源ユニット、 20…UV光源、 22…可視光光源、 24…ファン、 26…制御ユニット、 28…筐体部、 30…整流回路、 31…力率改善回路、 32…UV点灯回路、 33…可視光点灯回路、 34…制御電源回路、 35…送り回路、 40…制御部、 42…3端子レギュレータ、 44…人感センサ、 50…風量設定スイッチ、 52…動作モード設定スイッチ
図1
図2
図3