(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172389
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】脚付き収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/24 20060101AFI20241205BHJP
D06F 39/00 20240101ALI20241205BHJP
【FI】
B65D25/24
D06F39/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090081
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】591239003
【氏名又は名称】株式会社SANKA
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】神子島 岩男
【テーマコード(参考)】
3B166
3E062
【Fターム(参考)】
3B166BA28
3B166BA48
3B166BA84
3B166WA01
3E062AA11
3E062AB07
3E062AC02
3E062CA02
3E062CA12
(57)【要約】
【課題】嵩上げ使用態様に切り替えて使用できると共に、切り替えの際に左右の嵩上げ用脚部の開脚操作手順を誤操作しにくい脚付き収納容器を提供すること。
【解決手段】収納体1の底部外周部に枠状の底部外周脚部2を有し、底部外周脚部2内の左右二箇所に回動自在な嵩上げ用脚部3を有し、左右の嵩上げ用脚部3を前記底部外周脚部2内に収めて底部外周脚部2が接地する通常使用態様Aと、左右の嵩上げ用脚部3を底部外周脚部2より下方へ突出させ開脚させて嵩上げ用脚部3が接地する嵩上げ使用態様Bとを切り替え可能に構成され、底部外周脚部2は、左右の嵩上げ用脚部3を底部外周脚部2内に収めた際に、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4が臨設する部位に開脚操作用切欠部6が設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口形の収納体の底部の外周部に、枠状の底部外周脚部が垂設されており、
前記収納体底部の前記底部外周脚部内の左右二箇所には、嵩上げ用脚部が回動自在に設けられ、この左右の嵩上げ用脚部を上方へ折畳み回動移動させ前記収納体底部に沿わせて前記底部外周脚部内に収めることによりこの底部外周脚部が接地して前記収納体が低位置に配設される通常使用態様と、この通常使用態様から左右の嵩上げ用脚部を下方へ回動移動させて底部外周脚部より下方へ突出させ開脚させることによりこの開脚させた嵩上げ用脚部が接地して前記収納体が高位置に配設される嵩上げ使用態様とを切り替え可能に構成されており、
左右の前記嵩上げ用脚部は、上端が前記収納体の底部に回動自在に枢着される前後一対の垂下用脚杆と、この前後の垂下用脚杆の下端部間に架設される架設杆とから成るコ字枠状体に形成されていると共に、
左右いずれか一方の嵩上げ用脚部は、前後幅が左右いずれか他方の嵩上げ用脚部の前後幅より大きい大型嵩上げ用脚部に構成されていて、左右の嵩上げ用脚部を上方へ折畳み回動移動させて前記底部外周脚部内に収めた際には、一方の大型嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆の内側に他方の嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆が配設されるように構成されていると共に、他方の嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆の上端が、一方の大型嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆と架設杆とに囲まれた収納体底部に枢着されている脚付き収納容器であって、
前記底部外周脚部は、左右の前記嵩上げ用脚部を上方へ折畳み回動移動させてこの底部外周脚部内に収めた際に、一方の大型嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆が臨設する部位若しくは一方の大型嵩上げ用脚部の架設杆が臨設する部位に開脚操作用切欠部が設けられていて、この開脚操作用切欠部を介して底部外周脚部内に収められていて他方の嵩上げ用脚部より外側に位置する一方の大型嵩上げ用脚部を手で下方へ回動移動して開脚操作し得るように構成されていることを特徴とする脚付き収納容器。
【請求項2】
前記底部外周脚部の長辺部に、横長の前記開脚操作用切欠部が設けられていると共に、この横長の開脚操作用切欠部から視認される位置に、上方へ折畳み回動移動させて底部外周脚部内に収めた前記一方の大型嵩上げ用脚部の垂下用脚杆が配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の脚付き収納容器。
【請求項3】
一方の前記大型嵩上げ用脚部は、上方へ折畳み回動移動させて前記底部外周脚部内に収めた際に前記開脚操作用切欠部に臨設する指掛け部が前記垂下用脚杆に設けられていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の脚付き収納容器。
【請求項4】
前記指掛け部は、前記垂下用脚杆の長さ方向に沿った長尺凸条に形成されていることを特徴とする請求項3記載の脚付き収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば洗濯カゴなどの家庭用脚付き収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の家庭用収納容器には、例えば洗濯カゴとして使用した場合に、膝や腰に負担をかけずに洗濯物を取出せるように、一対の折畳み可能な嵩上げ用脚部を備えたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1を具体的に説明すると、上部開口形の収納体の底部の外周部に、枠状の底部外周脚部が垂設されている一方で、前記収納体底部の前記底部外周脚部内の左右二箇所には、嵩上げ用脚部が回動自在に設けられており、左右の嵩上げ用脚部を上方へ折畳み回動移動させ前記収納体底部に沿わせて前記底部外周脚部内に収めることによりこの底部外周脚部が接地して前記収納体が低位置に配設される通常使用態様と、この通常使用態様から左右の嵩上げ用脚部を下方へ回動移動させて底部外周脚部より下方へ突出させ開脚させることによりこの開脚させた嵩上げ用脚部が接地して前記収納体が高位置に配設される嵩上げ使用態様とを切り替えて使い分けできるように構成されている(嵩上げ使用態様を選択することで、膝や腰を大きく曲げることなく収納体内の収納物(洗濯物など)を容易に取り出し可能になる。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のような折畳み・開脚可能な嵩上げ用脚部を有する構造は、前記収納体の開口部を上にした状態で嵩上げ用脚部の開脚操作を行おうとすると、前記底部外周脚部によって左右の嵩上げ用脚部が隠れてしまっているために、通常使用態様での体裁は良い反面開脚操作がしづらい。収納体を高く持ち上げて底部(嵩上げ用脚部)を下から確認したり、収納体を上下反転させて底部(嵩上げ用脚部)を確認したりすれば開脚操作は容易になるものの、いちいち収納体を持ち上げたり上下反転させるのは面倒であった。
【0006】
また、特許文献1の左右の脚部は、上端が前記収納体の底部に回動自在に枢着される前後一対の垂下用脚杆と、この前後の垂下用脚杆の下端部間に架設される架設杆とから成るコ字枠状体に形成されていると共に、左右いずれか一方の嵩上げ用脚部は、前後幅が他方の嵩上げ用脚部の前後幅より大きい大型嵩上げ用脚部に構成されていて、左右の嵩上げ用脚部を上方へ折畳み回動移動させて前記底部外周脚部内に収めた際には、一方の大型嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆の内側に他方の嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆が配設されるように構成されていると共に、他方の嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆の上端が、一方の大型嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆と架設杆とに囲まれた収納体底部に枢着されている。即ち、このように左右の嵩上げ用脚部をコ字枠状とし且つ夫々の大きさを異ならせることで、一方の嵩上げ用脚部の内側に他方の嵩上げ用脚部が折り畳まれることとなり、収納体の狭い底部スペースを有効活用できている。
【0007】
しかしながら、このような脚折畳み構造を採用しているが故に、前記通常使用態様(脚折畳み状態)から開脚操作を行おうとする際、他方の(小型の)嵩上げ用脚部から先に下方へ回動させて開脚させてしまうと、続いて一方の(大型の)嵩上げ用脚部を下方へ回動させようとしても、この一方の嵩上げ用脚部の前記架設杆が他方の嵩上げ用脚部(の垂下用脚杆の上部)に当たって回動移動できない状況に陥ってしまう。
【0008】
即ち、左右の嵩上げ用脚部の開脚操作をする際には、先ず一方の(大型の)嵩上げ用脚部を開脚させ、続いて他方の嵩上げ用脚部を開脚するという手順を守る必要があり、この手順が守られないと両脚を開脚状態にできない上に、間違って先に他方の(小型の)嵩上げ用脚部を開脚してしまった場合には、この他方の嵩上げ用脚部を再び元の折畳み状態に戻してから、一方の嵩上げ用脚部,他方の嵩上げ用脚部の順番で開脚操作しなおさなければならず、非常に煩わしかった。
【0009】
本発明は、このような問題点を見い出し、これを解決しようとするもので、収納体底部の狭いスペースを有効活用した脚折畳み構造はそのままに、左右の嵩上げ用脚部が折畳み状態となっている状態で開脚操作用切欠部から一方の嵩上げ用脚部が見え、収納体を上方へ持ち上げたり上下反転したりすることなくこの開脚操作用切欠部を介して一方の嵩上げ用脚部を容易に開脚操作可能となることにより誤操作を効果的に防止できる脚付き収納容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
上部開口形の収納体1の底部の外周部に、枠状の底部外周脚部2が垂設されており、
前記収納体1底部の前記底部外周脚部2内の左右二箇所には、嵩上げ用脚部3が回動自在に設けられ、この左右の嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させ前記収納体1底部に沿わせて前記底部外周脚部2内に収めることによりこの底部外周脚部2が接地して前記収納体1が低位置に配設される通常使用態様Aと、この通常使用態様Aから左右の嵩上げ用脚部3を下方へ回動移動させて底部外周脚部2より下方へ突出させ開脚させることによりこの開脚させた嵩上げ用脚部3が接地して前記収納体1が高位置に配設される嵩上げ使用態様Bとを切り替え可能に構成されており、
左右の前記嵩上げ用脚部3は、上端が前記収納体1の底部に回動自在に枢着される前後一対の垂下用脚杆4と、この前後の垂下用脚杆4の下端部間に架設される架設杆5とから成るコ字枠状体に形成されていると共に、
左右いずれか一方の嵩上げ用脚部3Aは、前後幅が左右いずれか他方の嵩上げ用脚部3Bの前後幅より大きい大型嵩上げ用脚部3Aに構成されていて、左右の嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させて前記底部外周脚部2内に収めた際には、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4の内側に他方の嵩上げ用脚部3Bの前後の垂下用脚杆4が配設されるように構成されていると共に、他方の嵩上げ用脚部3Bの前後の垂下用脚杆4の上端が、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4と架設杆5とに囲まれた収納体1底部に枢着されている脚付き収納容器であって、
前記底部外周脚部2は、左右の前記嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させてこの底部外周脚部2内に収めた際に、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4が臨設する部位若しくは一方の大型嵩上げ用脚部3Aの架設杆5が臨設する部位に開脚操作用切欠部6が設けられていて、この開脚操作用切欠部6を介して底部外周脚部2内に収められていて他方の嵩上げ用脚部3Bより外側に位置する一方の大型嵩上げ用脚部3Aを手で下方へ回動移動して開脚操作し得るように構成されていることを特徴とする脚付き収納容器に係るものである。
【0012】
また、前記底部外周脚部2の長辺部に、横長の前記開脚操作用切欠部6が設けられていると共に、この横長の開脚操作用切欠部6から視認される位置に、上方へ折畳み回動移動させて底部外周脚部2内に収めた前記一方の大型嵩上げ用脚部3Aの垂下用脚杆4が配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の脚付き収納容器に係るものである。
【0013】
また、一方の前記大型嵩上げ用脚部3Aは、上方へ折畳み回動移動させて前記底部外周脚部2内に収めた際に前記開脚操作用切欠部6に臨設する指掛け部7が前記垂下用脚杆4に設けられていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の脚付き収納容器に係るものである。
【0014】
また、前記指掛け部7は、前記垂下用脚杆4の長さ方向に沿った長尺凸条に形成されていることを特徴とする請求項3記載の脚付き収納容器に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、収納体底部の狭いスペースを有効活用した脚折畳み構造を有して、底部外周脚部が接地して収納体が低位置に配設される通常使用態様と、この通常使用態様から左右の嵩上げ用脚部を下方へ回動移動させて底部外周脚部より下方へ突出させ開脚させることによりこの開脚させた嵩上げ用脚部が接地して前記収納体が高位置に配設される嵩上げ使用態様とを切り替えて使用でき、左右の嵩上げ用脚部を開脚操作して前記嵩上げ使用態様とする際に、先ず一方の大型嵩上げ用脚部を開脚させ、続いて他方の嵩上げ用脚部を開脚するという手順を守らないと左右の嵩上げ用脚部を両方開脚させることができない構成であるが、前記底部外周脚部に、左右の前記嵩上げ用脚部を上方へ折畳み回動移動させてこの底部外周脚部内に収めた際に、一方の大型嵩上げ用脚部の前後の垂下用脚杆が臨設する部位若しくは一方の大型嵩上げ用脚部の架設杆が臨設する部位に開脚操作用切欠部が設けられているため、ユーザーは収納体を上方に高く持ち上げたり上下反転させることなく開脚操作用切欠部を介して最初に開脚操作すべき一方の大型嵩上げ用脚部の垂下用脚杆を容易に視認でき、この開脚操作用切欠部を介して底部外周脚部内に収められていて他方の嵩上げ用脚部より外側に位置する一方の大型嵩上げ用脚部を手で下方へ回動移動して開脚操作することができるので、先に他方の嵩上げ用脚部を開脚してしまうような誤操作を効果的に防止できる極めて実用性に優れた脚付き収納容器となる。
【0016】
また、請求項2記載の発明においては、開脚操作用切欠部を介して一方の大型嵩上げ用脚部を視認し易く且つ手で開脚操作し易い一層実用性に優れた構成の脚付き収納容器となる。
【0017】
また、請求項3,4記載の発明においては、開脚操作用切欠部から入れた手の指を指掛け部に掛けて一方の大型嵩上げ用脚を容易に開脚操作可能となる一層実用性に優れた構成の脚付き収納容器となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施例の通常使用態様を示す斜視図である。
【
図2】本実施例の通常使用態様を示す下方側からの斜視図である。
【
図3】本実施例の通常使用態様を示す底面図である。
【
図4】本実施例の通常使用態様において、開脚操作用切欠部を介して一方の大型嵩上げ用脚部(の指掛け部)に手(指)を掛けた状態を示す説明斜視スである。
【
図5】本実施例の嵩上げ使用態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の最適な実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0020】
本発明の脚付き収納容器は、上部開口形の収納体1の底部の外周部に、枠状の底部外周脚部2が垂設されていて、この底部外周脚部2を接地させることができるが、その一方で前記収納体1底部の前記底部外周脚部2内の左右二箇所には、嵩上げ用脚部3が回動自在に設けられており、この左右の嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させ前記収納体1底部に沿わせて前記底部外周脚部2内に収めることによりこの底部外周脚部2が接地して前記収納体1が低位置に配設される通常使用態様Aと、この通常使用態様Aから左右の嵩上げ用脚部3を下方へ回動移動させて底部外周脚部2より下方へ突出させ開脚させることによりこの開脚させた嵩上げ用脚部3が接地して前記収納体1が高位置に配設される嵩上げ使用態様Bとを切り替えて使用可能である。
【0021】
また、本発明の左右の嵩上げ用脚部3は、収納体1底部の狭いスペースを有効活用するために、上端が前記収納体1の底部に回動自在に枢着される前後一対の垂下用脚杆4と、この前後の垂下用脚杆4の下端部間に架設される架設杆5とから成るコ字枠状体に形成されていると共に、左右いずれか一方の嵩上げ用脚部3Aは、前後幅が左右いずれか他方の嵩上げ用脚部3Bの前後幅より大きい大型嵩上げ用脚部3Aに構成されており、さらに左右の嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させて前記底部外周脚部2内に収めた際に、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4の内側に他方の嵩上げ用脚部3Bの前後の垂下用脚杆4が配設されるように構成されていると共に、他方の嵩上げ用脚部3Bの前後の垂下用脚杆4の上端が、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4と架設杆5とに囲まれた収納体1底部に枢着されている。
【0022】
即ち、本発明も上記特許文献1と同様に、左右の嵩上げ用脚部3を開脚操作して前記嵩上げ使用態様Bとする際に、先ず一方の大型嵩上げ用脚部3Aを開脚させ、続いて他方の嵩上げ用脚部3Bを開脚するという手順を守らないと左右の嵩上げ用脚部3を両方開脚させることができない構成となっているが、先に他方の嵩上げ用脚部3Bが誤って開脚操作されてしまわないように、本発明は、前記底部外周脚部2に、左右の前記嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させてこの底部外周脚部2内に収めた際に、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4が臨設する部位若しくは一方の大型嵩上げ用脚部3Aの架設杆5が臨設する部位に開脚操作用切欠部6が設けられている。
【0023】
従って、通常使用態様Aでは、本発明も特許文献1と同様に底部外周脚部2内に左右の嵩上げ用脚部3が隠れてしまうが、前記開脚操作用切欠部6を介して一方の大型嵩上げ用脚部3Aの垂下用脚杆4若しくは架設杆5が視認できるので、ユーザーは、収納体1を上方に高く持ち上げたり上下反転させることなく最初に操作すべき一方の大型嵩上げ用脚部3Aを容易に確認でき、この開脚操作用切欠部6を介して底部外周脚部2内に収められていて他方の嵩上げ用脚部3Bより外側に位置する一方の大型嵩上げ用脚部3A(の垂下用脚杆4若しくは架設杆5)を手で下方へ回動移動し開脚操作することができるので、先に他方の嵩上げ用脚部3Bが開脚される誤操作を効果的に防止できる。
【実施例0024】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、洗濯カゴに適用した場合を示している。上部開口形の箱形収納体1の上部開口部に左右一対のハンドル8が回動自在に設けられ、収納体1の底部の外周部には枠状の底部外周脚部2が垂設され、さらに前記底部外周脚部2内の左右二箇所には嵩上げ用脚部3が回動自在に設けられている。また、この収納体1とハンドル8と嵩上げ用脚部3とは、いずれも合成樹脂製であって一体成形されたものが採用されている。
【0026】
具体的には、本実施例の収納体1は、
図1,
図2に示すような周壁に多数の小開口9を有するカゴ状形態であって、上部開口部の形状が平面視略長方形状を呈する形態の容器に構成され、前記底部外周脚部2の形状もこの収納体1の形状に同調する底面視略長方形枠状に形成されている。図中符号10は、持ち運びに使用可能な把手穴である。尚、本実施例では、この収納体1上部開口部の長手方向に沿う方向を収納体1の左右方向、これと直交する収納体1上部開口部の短手方向に沿う方向を収納体1の前後方向と定めて、以下説明する。
【0027】
本実施例の前記ハンドル8は、棒状の持手部と、この持手部の両端部から直角に連設する棒状の腕部とから成る略コ字形棒状体で構成されており、前記腕部を介して前記収納体1の上部開口部の左右二箇所に、上部開口部を前後に跨ぐようにして回動自在に枢着されていて、前記持手部同士を束ねたハンドル使用状態(
図1中の想像線参照)と、左右のハンドル8を夫々対向外側へ回動移動させて略水平に伏せたハンドル折畳み状態(
図1参照)とを選択して切り替え可能に構成されている。
【0028】
本実施例の前記嵩上げ用脚部3は、上端が前記収納体1の底部に回動自在に枢着される前後一対の棒状の垂下用脚杆4と、この前後の垂下用脚杆4の下端部間に架設される棒状の接地用架設杆5とから成るコ字枠形棒状体に形成されており、前記垂下用脚杆4を介して前記収納体1の底部の左右二箇所に回動自在に枢着されている。図中符号11は、前記架設杆5の前後部に突設(一体成形)されている接地用凸部であって、後述する嵩上げ使用態様Bのときはこの接地用凸部11が接地面に接地する。
【0029】
また、収納体1底部の前記底部外周脚部2の内側には、右端前側に図示省略の前右軸支部が設けられ(一体成形され)ていると共に、左端前側に図示省略の前左軸支部が設けられ(一体成形され)、一方、この前右軸支部と前左軸支部に位置を対応させて収納体1底部の右端後側には図示省略の後右軸支部が、左端後側には図示省略の後左軸支部が設けられ(一体成形され)ており、この前右軸支部と後右軸支部とに嵩上げ用脚部3両端の前記垂下用脚杆4の先端(上端)部が夫々回動自在に枢着されて収納体1底部の右端側にこの底部を前後に跨ぐようにして嵩上げ用脚部3(一方の嵩上げ用脚部3A)が設けられていると共に、前記前左軸支部と後左軸支部とに嵩上げ用脚部3両端の垂下用脚杆4の先端(上端)部が回動自在に枢着されて収納体1底部の左端側にもこの底部を前後に跨ぐようにして別の嵩上げ用脚部3(他方の嵩上げ用脚部3B)が設けられている。
【0030】
即ち、一方の嵩上げ用脚部3Aと他方の嵩上げ用脚部3Bとが収納体1底部の前記底部外周脚部2の内側に夫々別々に回動移動可能に設けられており、この左右の嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させ前記収納体1底部に沿わせて前記底部外周脚部2内に収めることによりこの底部外周脚部2が接地して前記収納体1が低位置に配設される通常使用態様Aと、この通常使用態様Aから左右の嵩上げ用脚部3を下方へ回動移動させて底部外周脚部2より下方へ且つ外方へやや傾斜するように突出させ開脚させることによりこの開脚させた嵩上げ用脚部3(の前記接地用凸部11)が接地して前記収納体1が高位置に配設される嵩上げ使用態様Bとを切り替えて使用可能に構成されている。
【0031】
また、この一方の嵩上げ用脚部3Aと他方の嵩上げ用脚部3Bとは、
図2,
図3,
図5に示すように前後幅(前記垂下用脚杆4間の前後対向間隔及び前記架設杆5の前後長)が異なるものに構成されている。即ち、左右いずれか一方の嵩上げ用脚部3Aは、前後幅が左右いずれか他方の嵩上げ用脚部3Bの前後幅より大きい大型嵩上げ用脚部3Aに構成されていて、左右の嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させて前記底部外周脚部2内に収めた際には、
図2,
図3に示すように一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4の内側に他方の嵩上げ用脚部3Bの前後の垂下用脚杆4が接触することなく配設されるように構成されていると共に、他方の嵩上げ用脚部3Bの前後の垂下用脚杆4の上端が、折畳まれた一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4と架設杆5とに囲まれた位置であってこの架設杆5近傍の収納体1底部の前後位置に枢着されている(前記前左軸支部と前記後左軸支部とが、折畳まれた一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4と架設杆5とに囲まれた位置であって架設杆5の近傍位置の収納体1底部の前後位置に設けられている。)。
【0032】
従って、本実施例は、このように左右の嵩上げ用脚部3の大きさを異ならせ尚且つ一方の大型嵩上げ用脚部3Aの内側に他方の嵩上げ用脚部3Bが折畳まれる構成を採用したことで収納体1底部の狭いスペースを有効活用できているが、その反面、左右の嵩上げ用脚部3を開脚操作して前記嵩上げ使用態様Bとする際には、上記特許文献1と同様に、先ず一方の大型嵩上げ用脚部3Aを開脚させ、続いて他方の嵩上げ用脚部3Bを開脚するという手順を守らないと左右の嵩上げ用脚部3を両方開脚させることができないように構成されている。
【0033】
また、ここで前記底部外周脚部2についてさらに詳しく説明すると、左右の前記嵩上げ用脚部3を折畳み状態として前記通常使用態様Aとしたときのこの左右の嵩上げ用脚部3よりも下方へ若干長く垂下する形状に形成されていて、この通常使用態様Aでは底部外周脚部2が接地面に接地するように構成されている。
【0034】
また、本実施例の底部外周脚部2は、左右の前記嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させてこの底部外周脚部2内に収めた際(前記通常使用態様Aとした際に)に、略水平状態で折畳まれている一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4が臨設する部位に開脚操作用切欠部6が設けられていて、この開脚操作用切欠部6を介して底部外周脚部2内に収められていて他方の前記嵩上げ用脚部3Bより外側に位置する一方の大型嵩上げ用脚部3Aを手で下方へ回動移動して開脚操作し得るように構成されている。
【0035】
尚、図示していないが、左右の前記嵩上げ用脚部3を上方へ折畳み回動移動させてこの底部外周脚部2内に収めた際に、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの架設杆5が臨設する部位に開脚操作用切欠部6が設けられる構成が採用されていても良いし、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4が臨設する部位と、一方の大型嵩上げ用脚部3Aの架設杆5が臨設する部位との双方に開脚操作用切欠部6が設けられる構成が採用されていても良い。
【0036】
また、この開脚操作用切欠部6は、前記底部外周脚部2の前後夫々の長辺部に、左右方向に長さのある形状に切欠形成されており、この横長の開脚操作用切欠部6に略水平折畳み状態の一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4が臨設することで、ユーザーはこの横広に開口している開脚操作用切欠部6を介して底部外周脚部2の外方から一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後の垂下用脚杆4良好に視認し得るように構成されている。
【0037】
従って、本実施例は、前述のように左右の嵩上げ用脚部3を開脚操作して前記嵩上げ使用態様Bとする際に、先ず一方の大型嵩上げ用脚部3Aを開脚させ、続いて他方の嵩上げ用脚部3Bを開脚するという手順を守らないと左右の嵩上げ用脚部3を両方開脚させることができない構成であるが、この開脚操作に際してユーザーは、収納体1を上方に高く持ち上げたり上下反転させたりすることなく最初に開脚操作すべき一方の大型嵩上げ用脚部3Aを開脚操作用切欠部6を介して容易に確認できるし、この開脚操作用切欠部6の前後どちらからでも底部外周脚部2内に手を入れて、他方の嵩上げ用脚部3Bより外側に位置している一方の大型嵩上げ用脚部3Aを下方へ回動移動して容易に開脚操作できるので、他方の嵩上げ用脚部3Bを先に開脚操作してしまう誤操作を効果的に防止できる。
【0038】
また、一方の前記大型嵩上げ用脚部3Aは、上方へ折畳み回動移動させて前記底部外周脚部2内に収めた際に前記開脚操作用切欠部6に臨設する指掛け部7がこの一方の大型嵩上げ用脚部3Aの前後夫々の前記垂下用脚杆4に設けられていて、ユーザーはこの指掛け部7に開脚操作用切欠部6から入れた手の指を掛けて一方の大型嵩上げ用脚部3Aを下方へ回動操作(開脚操作)し得るように構成されている。
【0039】
さらに具体的には、前記指掛け部7は、一方の大型嵩上げ用脚部3Aを上方へ折畳み回動移動させて底部外周脚部2内に収めた際に、この大型嵩上げ用脚部3Aの垂下用脚杆4の前記開脚操作用切欠部6に臨設する側面部に、即ち大型嵩上げ用脚部3Aの前側垂下用脚杆4の前側面部と後側垂下用脚杆4の後側面部に設けられていると共に、前記垂下用脚杆4の長さ方向に沿った長尺凸条形状に形成(一体成形)されていて、この指掛け部7が前記開脚操作用切欠部6の横幅いっぱいに表出して底部外周脚部2の外方から良好に視認し得るように構成されている。また、この指掛け部7は、大型嵩上げ用脚部3Aを底部外周脚部2内に折畳んで収めた際に、前記開脚操作用切欠部6の下方側に表出する位置に配設されていて、この下方側に存している指掛け部7に開脚操作用切欠部6から入れた手の指を掛け易く開脚操作が容易に行われるように構成されている(
図4参照)。
【0040】
また、本実施例では、他方の嵩上げ用脚部3Bにも前記指掛け部7が設けられており、一方の大型嵩上げ用脚部3Aを開脚操作した後で、他方の嵩上げ用脚部3Bもその指掛け部7に開脚操作用切欠部6から入れた手の指を掛けて容易に開脚操作可能に構成されている。
【0041】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。