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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172418
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】高周波モジュール
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20241205BHJP
   H03F 1/02 20060101ALI20241205BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20241205BHJP
   H03F 3/213 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H04B1/04 A
H03F1/02 144
H03F3/24
H03F3/213
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090125
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】大前 佑貴
【テーマコード(参考)】
5J500
5K060
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA12
5J500AA22
5J500AA41
5J500AC46
5J500AF15
5J500AF16
5J500AF18
5J500AH06
5J500AH12
5J500AH29
5J500AH33
5J500AH37
5J500AH39
5J500AK29
5J500AK49
5J500AK66
5J500AM22
5J500AQ04
5J500AQ05
5J500AQ06
5J500AS14
5J500AT01
5J500RG07
5J500RU06
5K060BB07
5K060HH06
5K060HH11
5K060JJ03
5K060JJ04
5K060JJ21
5K060JJ23
5K060JJ24
5K060MM00
(57)【要約】
【課題】特性の劣化を抑制することができる高周波モジュールを提供する。
【解決手段】高周波モジュール1は、モジュール基板90と、電力増幅器11及び12を含む集積回路10と、整合回路30と、電力増幅器11及び12の出力端の間に接続される一次コイル21と整合回路30及びグランドの間に接続される二次コイル22とを含むバラン20と、一次コイル21の接続部213に切り替え可能に接続される電源端子61及び62と、電源端子61及び62と一次コイル21との間に接続されるスイッチ回路40と、スイッチ回路40の出力端子403と一次コイル21の接続部213との間を接続する電源ライン500と、を備え、モジュール基板90の平面視において、電源ライン500と整合回路30との間のy方向に沿った距離D1は、電源ライン500とバラン20の外縁上の点72との間のy方向に沿った距離D2よりも長い。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール基板と、
前記モジュール基板に配置され、第1電力増幅器及び第2電力増幅器を含む集積回路と、
前記モジュール基板に配置された整合回路と、
前記モジュール基板に配置され、前記第1電力増幅器の出力端及び前記第2電力増幅器の出力端の間に接続される一次コイルと前記整合回路及びグランドの間に接続される二次コイルとを含むバランと、
前記モジュール基板に配置され、前記一次コイルの両端部の間の接続部に切り替え可能に接続される第1電源端子及び第2電源端子と、
前記モジュール基板に配置され、前記第1電源端子及び前記第2電源端子と前記一次コイルとの間に接続されるスイッチ回路と、
前記モジュール基板に配置され、前記スイッチ回路と前記一次コイルの前記接続部との間を電気的に接続する電源ラインと、を備え、
前記モジュール基板の平面視において、前記電源ラインと前記整合回路との間の所定方向と垂直な方向に沿った第1距離は、前記電源ラインと前記バランの外縁上の所定点との間の前記所定方向と垂直な方向に沿った第2距離よりも長く、
前記所定方向と垂直な方向は、前記一次コイルの両端部を結ぶ線分と平行な方向であり、
前記所定点は、前記線分の垂直二等分線から最も離れた前記バランの外縁上の点である、
高周波モジュール。
【請求項2】
前記バランは、前記整合回路と前記スイッチ回路との間に配置されている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項3】
前記バランは、前記集積回路と前記スイッチ回路との間に配置されている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項4】
前記第1電源端子及び前記第2電源端子の各々は、前記モジュール基板の平面視において、前記スイッチ回路と少なくとも部分的に重なっている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
前記高周波モジュールは、さらに、前記モジュール基板に配置され、前記電源ラインとグランドとの間に接続されるキャパシタを備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記キャパシタは、前記モジュール基板の平面視において、前記一次コイル及び前記二次コイルの内部に配置されている、
請求項5に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
前記一次コイル及び前記二次コイルは、前記モジュール基板のパターン配線によって構成されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
【請求項8】
前記二次コイルは、前記モジュール基板の複数のレイヤに形成されている、
請求項7に記載の高周波モジュール。
【請求項9】
前記高周波モジュールは、さらに、前記整合回路と前記スイッチ回路との間に配置された金属壁を備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
【請求項10】
前記モジュール基板は、互いに対向する第1主面及び第2主面を有し、
前記整合回路は、前記第1主面に配置され、
前記スイッチ回路は、前記第2主面に配置されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
【請求項11】
モジュール基板と、
前記モジュール基板に配置され、第1電力増幅器及び第2電力増幅器を含む集積回路と、
前記モジュール基板に配置された整合回路と、
前記モジュール基板に配置され、前記第1電力増幅器の出力端及び前記第2電力増幅器の出力端の間に接続される一次コイルと前記整合回路及びグランドの間に接続される二次コイルとを含むバランと、
前記モジュール基板に配置され、前記一次コイルの両端部の間の接続部に切り替え可能に接続される第1電源端子及び第2電源端子と、
前記モジュール基板に配置され、前記第1電源端子及び前記第2電源端子と前記一次コイルとの間に接続されるスイッチ回路と、
前記モジュール基板に配置され、前記スイッチ回路の出力端子と前記一次コイルの前記接続部との間を電気的に接続する電源ラインと、を備え、
前記モジュール基板は、所定方向に沿って第1領域、第2領域及び第3領域に分割され、前記第2領域は、前記第1領域及び前記第3領域の間に位置し、
前記所定方向は、前記モジュール基板の平面視において、前記一次コイルの両端部を結ぶ線分と垂直な方向であり、
前記バランは、前記第2領域に配置され、前記第1領域及び前記第3領域に配置されず、
前記スイッチ回路の前記出力端子は、前記第2領域又は前記第3領域に配置され、
前記整合回路は、前記第1領域に配置され、前記第2領域に配置されていない、
高周波モジュール。
【請求項12】
前記スイッチ回路は、前記第3領域に配置され、
前記バランは、前記整合回路と前記スイッチ回路との間に配置されている、
請求項11に記載の高周波モジュール。
【請求項13】
前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、前記第3領域に配置されている、
請求項12に記載の高周波モジュール。
【請求項14】
前記スイッチ回路は、前記第2領域に配置され、
前記バランは、前記集積回路及び前記スイッチ回路の間に配置されている、
請求項11に記載の高周波モジュール。
【請求項15】
前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、前記第2領域に配置されている、
請求項14に記載の高周波モジュール。
【請求項16】
前記整合回路に接続される前記二次コイルの端部は、前記二次コイルのうち前記第3領域の最も遠くに位置する、
請求項11~15のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
【請求項17】
前記高周波モジュールは、さらに、前記第2領域に配置され、前記電源ラインとグランドとの間に接続されるキャパシタを備える、
請求項11~15のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
【請求項18】
前記キャパシタは、前記モジュール基板の平面視において、前記一次コイル及び前記二次コイルの内部に配置されている、
請求項17に記載の高周波モジュール。
【請求項19】
前記一次コイル及び前記二次コイルは、前記モジュール基板のパターン配線によって構成されている、
請求項11~15のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
【請求項20】
前記二次コイルは、前記モジュール基板の複数のレイヤに形成されている、
請求項19に記載の高周波モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高周波信号の増幅に差動増幅器が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-170224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術において、差動増幅器に供給される電源電圧を切り替え可能に構成すると、電源ラインにノイズが侵入しやすくなる。そのような電源ラインが整合回路と結合して整合回路にノイズが漏洩することで、高周波モジュールの特性が劣化する場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、差動増幅器に供給される電源電圧を切り替え可能に構成する場合であっても特性の劣化を抑制することができる高周波モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る高周波モジュールは、モジュール基板と、モジュール基板に配置され、第1電力増幅器及び第2電力増幅器を含む集積回路と、モジュール基板に配置された整合回路と、モジュール基板に配置され、第1電力増幅器の出力端及び第2電力増幅器の出力端の間に接続される一次コイルと整合回路及びグランドの間に接続される二次コイルとを含むバランと、モジュール基板に配置され、一次コイルの両端部の間の接続部に切り替え可能に接続される第1電源端子及び第2電源端子と、モジュール基板に配置され、第1電源端子及び第2電源端子と一次コイルとの間に接続されるスイッチ回路と、モジュール基板に配置され、スイッチ回路と一次コイルの接続部との間を電気的に接続する電源ラインと、を備え、モジュール基板の平面視において、電源ラインと整合回路との間の所定方向と垂直な方向に沿った第1距離は、電源ラインとバランの外縁上の所定点との間の所定方向と垂直な方向に沿った第2距離よりも長く、所定方向と垂直な方向は、一次コイルの両端部を結ぶ線分と平行な方向であり、所定点は、線分の垂直二等分線から最も離れたバランの外縁上の点である。
【0007】
本発明の一態様に係る高周波モジュールは、モジュール基板と、モジュール基板に配置され、第1電力増幅器及び第2電力増幅器を含む集積回路と、モジュール基板に配置された整合回路と、モジュール基板に配置され、第1電力増幅器の出力端及び第2電力増幅器の出力端の間に接続される一次コイルと整合回路及びグランドの間に接続される二次コイルとを含むバランと、モジュール基板に配置され、一次コイルの両端部の間の接続部に切り替え可能に接続される第1電源端子及び第2電源端子と、モジュール基板に配置され、第1電源端子及び第2電源端子と一次コイルとの間に接続されるスイッチ回路と、モジュール基板に配置され、スイッチ回路の出力端子と一次コイルの接続部との間を電気的に接続する電源ラインと、を備え、モジュール基板は、所定方向に沿って第1領域、第2領域及び第3領域に分割され、第2領域は、第1領域及び第3領域の間に位置し、所定方向は、モジュール基板の平面視において、一次コイルの両端部を結ぶ線分と垂直な方向であり、バランは、第2領域に配置され、第1領域及び第3領域に配置されず、スイッチ回路の出力端子は、第2領域又は第3領域に配置され、整合回路は、第1領域に配置され、第2領域に配置されていない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、差動増幅器に供給される電源電圧を切り替え可能に構成する場合であっても高周波モジュールの特性の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図2図2は、実施の形態1に係る高周波モジュールの平面図である。
図3図3は、実施の形態1に係る高周波モジュールの平面図である。
図4図4は、実施の形態1に係る高周波モジュールの配線図である。
図5図5は、実施の形態1に係るバランの分解斜視図である。
図6図6は、実施の形態1に係る高周波モジュールの断面図である。
図7図7は、実施の形態2に係る高周波モジュールの平面図である。
図8図8は、実施の形態2に係る高周波モジュールの平面図である。
図9図9は、実施の形態2に係る高周波モジュールの配線図である。
図10図10は、他の実施の形態に係る高周波モジュールの平面図である。
図11図11は、他の実施の形態に係る高周波モジュールの平面図である。
図12図12は、他の実施の形態に係る高周波モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0011】
なお、各図は、本発明を示すために適宜強調、省略、又は比率の調整を行った模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではなく、実際の形状、位置関係、及び比率とは異なる場合がある。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡素化される場合がある。
【0012】
以下の各図において、x軸及びy軸は、モジュール基板の主面と平行な平面上で互いに直交する軸である。具体的には、平面視においてモジュール基板が矩形状を有する場合、x軸は、モジュール基板の第1辺に平行であり、y軸は、モジュール基板の第1辺と直交する第2辺に平行である。また、z軸は、モジュール基板の主面に垂直な軸であり、その正方向は上方向を示し、その負方向は下方向を示す。
【0013】
以下の説明において、「接続される」とは、接続端子及び/又は配線導体で直接接続される場合だけでなく、他の回路素子を介して電気的に接続される場合も含む。「直接接続される」とは、他の回路素子を介さずに接続端子及び/又は配線導体で直接接続されることを意味する。「CがA及びBの間に接続される」とは、Cの一端がAに接続され、Cの他端がBに接続されることを意味し、A及びBの間を結ぶ経路にCが直列配置されることを意味する。「A及びBの間を結ぶ経路」とは、AをBに電気的に接続する導体で構成された経路を意味する。
【0014】
「端子」とは、要素内の導体が終了するポイントを意味する。なお、要素間の導体のインピーダンスが十分に低い場合には、端子は、単一のポイントだけでなく、要素間の導体上の任意のポイント又は導体全体と解釈される。
【0015】
「部品が基板に配置される」とは、部品が基板の主面に配置されること、及び、部品が基板内に配置されることを含む。「部品が基板の主面に配置される」とは、部品が基板の主面に接触して配置されることに加えて、部品が主面と接触せずに当該主面の上方に配置されること(例えば、部品が主面と接触して配置された他の部品上に積層されること)を含む。また、「部品が基板の主面に配置される」は、主面に形成された凹部に部品が配置されることを含んでもよい。「部品が基板内に配置される」とは、部品がモジュール基板内にカプセル化されることに加えて、部品の全部が基板の両主面の間に配置されているが部品の一部が基板に覆われていないこと、及び、部品の一部のみが基板内に配置されていることを含む。
【0016】
「AがB及びCの間に配置される」とは、B内の任意の点とC内の任意の点とを結ぶ複数の線分のうちの少なくとも1つがAを通ることを意味する。「A及びBの間の距離」とは、A及びBの間の最短距離を意味する。つまり、「A及びBの間の距離」とは、Aの表面上の任意の点とBの表面上の任意の点とを結ぶ複数の線分のうち最も短い線分の長さを意味する。
【0017】
「モジュール基板の平面視」とは、z軸正側からxy平面に物体を正投影して見ることを意味する。「Aは平面視においてBと重なる」とは、xy平面に正投影されたAの領域が、xy平面に正投影されたBの領域と重なることを意味する。また、「AがB及びCの間に配置される」とは、B内の任意の点とC内の任意の点とを結ぶ複数の線分のうちの少なくとも1つがAを通ることを意味する。
【0018】
また、「平行」及び「垂直」などの要素間の関係性を示す用語、及び、「矩形」などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表すのではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の誤差をも含むことを意味する。
【0019】
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。本実施の形態に係る通信装置5は、無線接続を提供するために使用することができる。例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ウェアラブル・デバイスなどのセルラーネットワーク(モバイルネットワークともいう)におけるユーザ端末(UE:User Equipment)に通信装置5を実装することができる。別の例では、通信装置5を実装することで、IoT(Internet of Things)センサ・デバイス、医療/ヘルスケア・デバイス、車、無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)(いわゆるドローン)、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)に無線接続を提供することができる。さらに別の例では、通信装置5を実装することで、無線アクセスポイント又は無線ホットスポットで無線接続を提供することもできる。
【0020】
本実施の形態に係る通信装置5及び高周波モジュール1の回路構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る通信装置5の回路構成図である。
【0021】
なお、図1は、例示的な回路構成であり、通信装置5及び高周波モジュール1は、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供される通信装置5及び高周波モジュール1の説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0022】
[1.1 通信装置5の回路構成]
まず、本実施の形態に係る通信装置5の回路構成について図1を参照しながら説明する。通信装置5は、UEに実装され、高周波モジュール1と、アンテナ2と、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)3と、BBIC(Baseband Integrated Circuit)4と、を備える。
【0023】
高周波モジュール1は、アンテナ2とRFIC3との間で高周波信号を伝送することができる。高周波モジュール1の回路構成については後述する。
【0024】
アンテナ2は、高周波モジュール1のアンテナ接続端子65に接続される。アンテナ2は、高周波モジュール1から高周波信号を受けて通信装置5の外部に送信することができる。また、アンテナ2は、通信装置5の外部から高周波信号を受信して高周波モジュール1へ供給してもよい。なお、アンテナ2は、通信装置5に含まれなくてもよい。また、通信装置5は、アンテナ2に加えて、さらに1以上のアンテナを備えてもよい。
【0025】
RFIC3は、高周波信号を処理する信号処理回路の一例である。具体的には、RFIC3は、BBIC4から供給された送信信号をアップコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された高周波送信信号を、高周波モジュール1に供給することができる。さらに、RFIC3は、高周波モジュール1を介して受けた高周波受信信号を、ダウンコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をBBIC4へ供給してもよい。また、RFIC3は、高周波モジュール1が有するスイッチ及び電力増幅器等を制御する制御部を有してもよい。なお、RFIC3の制御部としての機能の一部又は全部は、RFIC3の外部に含まれてもよく、例えば、BBIC4又は高周波モジュール1に含まれてもよい。
【0026】
BBIC4は、高周波モジュール1が伝送する高周波信号よりも低周波の中間周波数帯域を用いて信号処理するベースバンド信号処理回路である。BBIC4で処理される信号としては、例えば、画像表示のための画像信号、及び/又は、スピーカを介した通話のために音声信号が用いられる。なお、BBIC4は、通信装置5に含まれなくてもよい。
【0027】
[1.2 高周波モジュール1の回路構成]
次に、本実施の形態に係る高周波モジュール1の回路構成について図1を参照しながら説明する。高周波モジュール1は、電力増幅器11及び12と、バラン20と、整合回路(整合ネットワーク(MN))30と、スイッチ回路40と、インダクタ51と、キャパシタ52と、電源端子61及び62と、高周波入力端子63及び64と、アンテナ接続端子65と、を備える。
【0028】
電力増幅器11及び12は、それぞれ第1電力増幅器及び第2電力増幅器の一例であり、集積回路10に含まれる。電力増幅器11の入力端は、高周波入力端子63に接続され、電力増幅器11の出力端は、集積回路10の出力端子101を介してバラン20の一次コイル21の端部211に接続される。電力増幅器12の入力端は、高周波入力端子64に接続され、電力増幅器12の出力端は、集積回路10の出力端子102を介してバラン20の一次コイル21の端部212に接続される。
【0029】
電力増幅器11及び12は、差動増幅器を構成することができる。具体的には、電力増幅器11及び12は、電源回路(図示せず)から電源端子61又は62を介して供給される電源電圧Vcc1又はVcc2を用いて、高周波入力端子63及び64を介してRFIC3から供給される差動信号を増幅することができる。
【0030】
バラン20は、トランスフォーマと呼ばれる場合もあり、差動信号(平衡信号)をシングルエンド信号(不平衡信号)に合成することができる。差動信号とは、互いに180度位相が異なる2つの信号であって異なる信号線を介して伝送される2つの信号を意味し、平衡信号と呼ばれる場合もある。シングルエンド信号とは、単一の信号線を介して伝送される単一の信号を意味し、不平衡信号と呼ばれる場合もある。バラン20は、一次コイル21及び二次コイル22を含む。
【0031】
一次コイル21は、電力増幅器11の出力端及び電力増幅器12の出力端の間に接続される。具体的には、一次コイル21の端部211は、集積回路10の出力端子101を介して電力増幅器11の出力端に接続される。一次コイル21の端部212は、集積回路10の出力端子102を介して電力増幅器12の出力端に接続される。さらに、一次コイル21の端部211及び212の間の接続部213は、電源端子61及び62に切り替え可能に接続される。接続部213は、一次コイル21の中点に位置してもよい。
【0032】
二次コイル22は、整合回路30及びグランドの間に接続される。具体的には、二次コイル22の端部221は、整合回路30に接続され、二次コイル22の端部222は、グランドに接続される。
【0033】
整合回路30は、バラン20とアンテナ接続端子65との間に接続され、バラン20とアンテナ2との間のインピーダンス整合をとることができる。整合回路30は、キャパシタ31及び32を含む。キャパシタ31は、二次コイル22の端部221とアンテナ接続端子65との間に接続される。キャパシタ32は、二次コイル22及びキャパシタ31の間の経路とグランドとの間に接続される。なお、整合回路30の回路構成は、図1の構成に限定されない。例えば、整合回路30は、インダクタを含んでもよく、キャパシタ31及び/又は32を含まなくてもよい。
【0034】
スイッチ回路40は、電源端子61及び62と一次コイル21との間に接続され、一次コイル21の接続を電源端子61及び62の間で切り替えることができる。具体的には、スイッチ回路40は、電源端子61に接続される入力端子401と、電源端子62に接続される入力端子402と、インダクタ51を介して一次コイル21の接続部213に接続される出力端子403と、を含む。この接続構成において、スイッチ回路40は、例えばRFIC3からの制御信号に基づいて、出力端子403を入力端子401及び402に排他的に接続することができる。スイッチ回路40は、例えば、SPDT(Single-Pole Double-Throw)型のスイッチ回路で構成される。
【0035】
インダクタ51は、いわゆるチョークインダクタであり、電源端子61及び62とバラン20との間に接続される。具体的には、インダクタ51の一端は、スイッチ回路40を介して電源端子61及び62に切り替え可能に接続される。インダクタ51の他端は、一次コイル21の接続部213に接続される。なお、インダクタ51は、高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0036】
キャパシタ52は、いわゆるバイパスキャパシタ又はデカップリングキャパシタであり、電源端子61及び62とバラン20との間を接続する経路とグランドとの間に接続される。具体的には、キャパシタ52の一端は、一次コイル21の接続部213とインダクタ51の他端との間を結ぶ経路に接続され、キャパシタ52の他端は、グランドに接続される。なお、キャパシタ52は、高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0037】
電源端子61及び62は、高周波モジュール1の外部接続端子であり、高周波モジュール1外で電源回路(図示せず)に接続され、高周波モジュール1内でスイッチ回路40の入力端子401及び402にそれぞれ接続される。
【0038】
高周波入力端子63及び64は、高周波モジュール1の外部接続端子であり、高周波モジュール1外でRFIC3に接続され、高周波モジュール1内で電力増幅器11及び12の入力端にそれぞれ接続される。高周波入力端子63及び64は、RFIC3から差動信号を受けることができる。なお、高周波入力端子63及び64の一方は、RFIC3からシングルエンド信号を受けてもよい。この場合、高周波モジュール1は、高周波入力端子63及び64の他方を備えなくてもよく、シングルエンド信号を差動信号に変換するバランを備えてもよい。
【0039】
アンテナ接続端子65は、高周波モジュール1の外部接続端子であり、高周波モジュール1外でアンテナ2に接続され、高周波モジュール1内で整合回路30に接続される。
【0040】
なお、高周波モジュール1の回路構成は、例示であり、図1の回路構成に限定されない。例えば、高周波モジュール1は、さらに、フィルタを備えてもよい。この場合、フィルタは、例えば整合回路30及びアンテナ接続端子65の間に接続されてもよい。
【0041】
[1.3 高周波モジュール1の実装例]
次に、以上のような回路構成を有する高周波モジュール1の実装例について、図2図6を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の平面図である。図3は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の平面図であり、z軸正側からモジュール基板90の主面90b側を透視した図である。図4は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の配線図である。図5は、本実施の形態に係るバラン20の分解斜視図である。図6は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の断面図である。図6における高周波モジュール1の断面は、図2図4のvi-vi線における断面である。
【0042】
図2及び図4において、各部品の配置関係が容易に理解されるように、各部品にはそれを表すラベル(例えば「MN」など)が付されているものがあるが、実際の各部品には、当該ラベルは付されなくてもよい。また、図2において、複数の回路部品を覆う樹脂部材94と、樹脂部材94の表面を覆うシールド電極層95の図示が省略されている。
【0043】
なお、図2図6は、高周波モジュール1の一実装例を示し、高周波モジュール1は、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供される高周波モジュール1の説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0044】
モジュール基板90は、互いに対向する主面90a及び90bを有する。主面90aは、第1主面の一例であり、上面又は表面と呼ばれる場合もある。主面90bは、第2主面の一例であり、下面又は裏面と呼ばれる場合もある。モジュール基板90内並びに主面90a及び90b上には、配線及びビア導体などが形成されている。
【0045】
モジュール基板90は、x方向に沿って領域91~93に分割される。ここで、x方向は、所定方向の一例であり、一次コイル21の端部211及び212を結ぶ線分71と垂直な方向である。具体的には、モジュール基板90は、x方向に延びる境界線912によって領域91及び92に分割され、x方向に延びる境界線923によって領域92及び93に分割される。なお、境界線912及び923は、仮想的な線であり、モジュール基板90に実際に表されなくてもよい。
【0046】
一次コイル21の端部211及び212を結ぶ線分71は、端部211の表面上の任意の点と端部212の表面上の任意の点とを結ぶ複数の線分のうち最も短い線分である。つまり、線分71は、端部211及び212を最短距離で結ぶ線分である。
【0047】
領域91~93は、それぞれ第1領域、第2領域及び第3領域の一例であり、平面視において矩形状の領域である。領域92は、平面視において領域91及び93の間に位置する。なお、本実施の形態では、モジュール基板90及びその領域91~93は、平面視において矩形状を有するが、モジュール基板90及びその領域91~93の形状は矩形状に限定されない。
【0048】
モジュール基板90としては、例えば、複数の誘電体層の積層構造を有する低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)基板もしくは高温同時焼成セラミックス(HTCC:High Temperature Co-fired Ceramics)基板、部品内蔵基板、再配線層(RDL:Redistribution Layer)を有する基板、又は、プリント基板等を用いることができるが、これらに限定されない。
【0049】
集積回路10(PAIC)は、モジュール基板90の主面90a上に配置され、モジュール基板90の領域92に配置されている。なお、集積回路10は、領域91又は93に配置されてもよい。
【0050】
集積回路10は、電力増幅器11及び12を構成するヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Heterojunction Bipolar Transistor)を含み、半導体材料を用いて製造することができる。集積回路10の半導体材料としては、例えばシリコンゲルマニウム(SiGe)又はガリウムヒ素(GaAs)を用いることができる。
【0051】
なお、電力増幅器11及び12の増幅トランジスタはHBTに限定されない。例えば、電力増幅器11及び/又は12は、HEMT(High Electron Mobility Transistor)又はMESFET(Metal-Semiconductor Field Effect Transistor)で構成されてもよい。この場合、集積回路10の半導体材料としては、窒化ガリウム(GaN)又は炭化シリコン(SiC)が用いられてもよい。
【0052】
バラン20(BALUN)は、その巻回軸(winding axis)がモジュール基板90と交差するように、本実施の形態では直交するように、モジュール基板90に配置されている。具体的には、バラン20は、モジュール基板90の複数のレイヤ901~904にパターン配線によって構成されている。また、バラン20は、モジュール基板90の領域92に配置されており、モジュール基板90の領域91及び93に配置されていない。本実施の形態では、バラン20は、整合回路30及びスイッチ回路40の間に配置されている。
【0053】
一次コイル21は、図5に示すように、レイヤ901及び904に形成されている。一次コイル21の端部211及び212は、レイヤ901及び904に配置され、集積回路10の出力端子101及び102に電気的に接続される。一次コイル21の接続部213は、レイヤ901に配置され、電源ライン500を介してスイッチ回路40の出力端子403に電気的に接続される。
【0054】
二次コイル22は、図5に示すように、レイヤ902及び903に形成されている。二次コイル22の端部221は、レイヤ903に配置され、二次コイル22のうち領域93の最も遠くに位置する。逆に言えば、端部221は、二次コイル22のうち領域91の最も近くに位置する。端部221は、整合回路30に電気的に接続される。二次コイル22の端部222は、レイヤ902に配置され、グランドに電気的に接続される。レイヤ902及び903に配置された接続部223は、図6に示すように、ビア導体を介して互いに電気的に接続されている。
【0055】
整合回路30(MN)は、モジュール基板90の主面90a上に配置されている。また、整合回路30は、モジュール基板90の領域91に配置され、モジュール基板90の領域92及び93に配置されない。整合回路30に含まれるキャパシタ31及び32は、チップキャパシタとして実装されている。チップキャパシタとは、キャパシタを構成する表面実装デバイス(SMD:Surface Mount Device)を意味する。なお、キャパシタ31及び32の実装は、チップキャパシタに限定されない。例えば、キャパシタ31及び32の一部又は全部は、集積型受動デバイス(IPD:Integrated Passive Device)として実装されてもよく、モジュール基板90のパターン配線で実装されてもよい。
【0056】
スイッチ回路40(VCC-SW)は、モジュール基板90の主面90a上に配置されている。また、スイッチ回路40は、モジュール基板90の領域93に配置されており、モジュール基板90の領域91及び92に配置されていない。スイッチ回路40の入力端子401及び402並びに出力端子403も、モジュール基板90の領域93に配置されており、モジュール基板90の領域91及び92に配置されていない。スイッチ回路40としては、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)を含む半導体集積回路を用いることができる。このとき、半導体材料としては、例えばシリコン(Si)が用いられる。なお、半導体材料として、GaAs、SiGe、GaN又はSiCが用いられてもよい。
【0057】
インダクタ51は、スイッチ回路40とバラン20との間を電気的に接続する電源ライン500によって構成されている。インダクタ51、つまり電源ライン500は、モジュール基板90の領域92及び93に配置されており、モジュール基板90の領域91に配置されていない。
【0058】
キャパシタ52は、モジュール基板90の主面90a上に配置されている。また、キャパシタ52は、モジュール基板90の領域92に配置されており、モジュール基板90の領域91及び93に配置されていない。キャパシタ52は、電源ライン500とグランドとの間に接続される。具体的には、キャパシタ52の端子521は、電源ライン500に接続され、キャパシタ52の端子522は、グランドに接続される。
【0059】
モジュール基板90の主面90bには、電源端子61及び62、高周波入力端子63、64、並びに、アンテナ接続端子65を含む複数の外部接続端子が配置されている。複数の外部接続端子は、例えば銅電極又ははんだ電極で構成され、高周波モジュール1のz軸負方向に配置されたマザー基板(図示せず)上の入出力端子及び/又はグランド端子等に電気的に接続される。
【0060】
電源端子61及び62は、モジュール基板90の領域93に配置され、モジュール基板90の平面視においてスイッチ回路40と少なくとも部分的に重なっている。電源端子61及び62は、モジュール基板90を貫通するビア導体(図示せず)などを介してスイッチ回路40の入力端子401及び402にそれぞれ電気的に接続される。
【0061】
高周波入力端子63及び64は、モジュール基板90の領域92に配置され、モジュール基板90の平面視において集積回路10と少なくとも部分的に重なっている。高周波入力端子63及び64は、モジュール基板90のレイヤ間を電気的に接続するビア導体(図示せず)などを介して集積回路10の入力端子に電気的に接続される。
【0062】
アンテナ接続端子65は、モジュール基板90の領域91に配置されている。アンテナ接続端子65は、モジュール基板90を貫通するビア導体(図示せず)などを介して整合回路30に電気的に接続される。
【0063】
樹脂部材94は、モジュール基板90の主面90a上に配置された部品を覆っている。樹脂部材94は、例えばエポキシ樹脂で構成され、主面90a上の複数の電子部品の機械強度及び耐湿性等の信頼性を確保する機能を有する。なお、樹脂部材94は、高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0064】
シールド電極層95は、例えばスパッタ法により形成された金属薄膜である。シールド電極層95は、樹脂部材94の表面(上面及び側面)を覆うように形成されている。シールド電極層95は、グランドに接続され、外来ノイズが高周波モジュール1を構成する電子部品に侵入すること、及び、高周波モジュール1で発生したノイズが他のモジュール又は他の機器に干渉することを抑制する。なお、シールド電極層95は、高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0065】
金属壁96(SCW)は、銅シールド壁であり、モジュール基板90の主面90a上で整合回路30とスイッチ回路40との間に配置されている。金属壁96は、モジュール基板90の主面90aからz方向に向けて立設されている。金属壁96の先端は、シールド電極層95に接合されてもよく、グランドに接続されている。
【0066】
なお、金属壁96の材料は、銅に限定されない。例えば、金属壁96の材料はアルミニウムであってもよい。また、金属壁96の形状は、板に限定されない。例えば、金属壁96は、複数のポスト電極で構成されてもよい。また、金属壁96に加えて、又は、金属壁96の代わりに、モジュール基板90のグランドパターン電極が、整合回路30とスイッチ回路40との間に配置されてもよい。また、金属壁96は、高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0067】
図4に示すように、モジュール基板90の平面視において、電源ライン500と整合回路30との間のy方向に沿った距離D1(第1距離の一例)は、電源ライン500とバラン20の外縁上の点72との間のy方向に沿った距離D2(第2距離の一例)よりも長い。ここで、y方向は、所定方向と垂直な方向の一例であり、一次コイル21の端部211及び212を結ぶ線分71と平行な方向である。点72は、所定点の一例であり、線分71の垂直二等分線から最も離れたバラン20の外縁上の点である。
【0068】
[1.4 効果など]
以上のように、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、モジュール基板90と、モジュール基板90に配置され、電力増幅器11及び12を含む集積回路10と、モジュール基板90に配置された整合回路30と、モジュール基板90に配置され、電力増幅器11の出力端及び電力増幅器12の出力端の間に接続される一次コイル21と整合回路30及びグランドの間に接続される二次コイル22とを含むバラン20と、モジュール基板90に配置され、一次コイル21の端部211及び212の間の接続部213に切り替え可能に接続される電源端子61及び62と、モジュール基板90に配置され、電源端子61及び62と一次コイル21との間に接続されるスイッチ回路40と、モジュール基板90に配置され、スイッチ回路40と一次コイル21の接続部213との間を電気的に接続する電源ライン500と、を備え、モジュール基板90は、所定方向に沿って領域91~93に分割され、領域92は、領域91及び93の間に位置し、所定方向は、モジュール基板90の平面視において、一次コイル21の端部211及び212を結ぶ線分71と垂直なx方向であり、バラン20は、領域92に配置され、領域91及び93に配置されず、スイッチ回路40の出力端子403は、領域93に配置され、整合回路30は、領域91に配置され、領域92に配置されていない。
【0069】
別の見地によれば、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、モジュール基板90と、モジュール基板90に配置され、電力増幅器11及び12を含む集積回路10と、モジュール基板90に配置された整合回路30と、モジュール基板90に配置され、電力増幅器11の出力端及び電力増幅器12の出力端の間に接続される一次コイル21と整合回路30及びグランドの間に接続される二次コイル22とを含むバラン20と、モジュール基板90に配置され、一次コイル21の端部211及び212の間の接続部213に切り替え可能に接続される電源端子61及び62と、モジュール基板90に配置され、電源端子61及び62と一次コイル21との間に接続されるスイッチ回路40と、モジュール基板90に配置され、スイッチ回路40と一次コイル21の接続部213との間を電気的に接続する電源ライン500と、を備え、モジュール基板90の平面視において、電源ライン500と整合回路30との間の所定方向と垂直な方向に沿った距離D1は、電源ライン500とバラン20の外縁上の所定点との間の所定方向と垂直な方向に沿った距離D2よりも長く、所定方向と垂直な方向は、一次コイル21の端部211及び212を結ぶ線分71と平行なy方向であり、所定点は、線分71の垂直二等分線から最も離れたバラン20の外縁上の点72である。
【0070】
これらによれば、整合回路30が領域92に配置される場合よりも、整合回路30を一次コイル21の接続部213及びスイッチ回路40の出力端子403から離すことができ、整合回路30を電源ライン500から離すことができる。したがって、電源ライン500から整合回路30へのノイズの漏洩を抑制することができ、高周波モジュール1の特性の劣化を抑制することができる。特に、差動増幅器(電力増幅器11及び12)に供給される電源電圧を切り替えるためのスイッチ回路40によって電源ライン500に流入するノイズが増加しても、電源ライン500と整合回路30との間の結合を抑制することができ、高周波モジュール1の特性の劣化を効果的に抑制することができる。
【0071】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、スイッチ回路40は、領域93に配置され、バラン20は、整合回路30とスイッチ回路40との間に配置されてもよい。
【0072】
これよれば、スイッチ回路40を領域93に配置して、整合回路30とスイッチ回路40との間にバラン20を介在させることで、整合回路30をスイッチ回路40から離すことができ、スイッチ回路40から整合回路30へのノイズの漏洩を抑制することができる。
【0073】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、電源端子61及び62は、領域93に配置されてもよい。
【0074】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、電源端子61及び62の各々は、モジュール基板90の平面視において、スイッチ回路40と少なくとも部分的に重なってもよい。
【0075】
これらによれば、電源端子61及び62の各々とスイッチ回路40との間の配線長を短くすることができ、電源端子61及び62の各々とスイッチ回路40との間の配線からのノイズの影響を抑制することができる。
【0076】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、整合回路30に接続される二次コイル22の端部221は、二次コイル22のうち領域93の最も遠くに位置してもよい。
【0077】
これによれば、整合回路30に接続される二次コイル22の端部221をスイッチ回路40から離すことができ、スイッチ回路40から整合回路30へのノイズの漏洩を抑制することができる。
【0078】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、さらに、領域92に配置され、電源ライン500とグランドとの間に接続されるキャパシタ52を備えてもよい。
【0079】
これによれば、電源ライン500上のノイズを低減することができる。
【0080】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、一次コイル21及び二次コイル22は、モジュール基板90のパターン配線によって構成されてもよい。
【0081】
これによれば、高周波モジュール1の部品数を削減することができる。
【0082】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、二次コイル22は、モジュール基板90の複数のレイヤ902及び903に形成されてもよい。
【0083】
これによれば、二次コイル22が単一のレイヤに形成される場合よりも、二次コイル22の端部221の配置の自由度を増加させることができ、端部221をスイッチ回路40から離すことを容易にすることができ、ノイズの低減に効果的である。
【0084】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、さらに、整合回路30とスイッチ回路40との間に配置された金属壁96を備えてもよい。
【0085】
これによれば、整合回路30とスイッチ回路40との間の結合を抑制することができ、スイッチ回路40から整合回路30へのノイズの漏洩を抑制することができる。
【0086】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、スイッチ回路40及びキャパシタ52の配置が実施の形態1と主として異なる。以下に、本実施の形態について、実施の形態1と異なる点を中心に図面を参照しながら具体的に説明する。
【0087】
なお、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aの回路構成は、インダクタ51が省略される点を除いて実施の形態1に係る高周波モジュール1の回路構成と同様であるので、その図示及び説明を省略する。
【0088】
[2.1 高周波モジュール1Aの実装例]
本実施の形態に係る高周波モジュール1Aの実装例について、図7図9を参照しながら説明する。図7は、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aの平面図である。図8は、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aの平面図であり、z軸正側からモジュール基板90の主面90b側を透視した図である。図9は、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aの配線図である。
【0089】
図7及び図9において、各部品の配置関係が容易に理解されるように、各部品にはそれを表すラベルが付されているものがあるが、実際の各部品には、当該ラベルは付されなくてもよい。また、図7において、複数の回路部品を覆う樹脂部材94と、樹脂部材94の表面を覆うシールド電極層95の図示が省略されている。また、図7では、本発明に必須ではない任意の回路部品にハッチングが付されている。
【0090】
なお、図7図9は、高周波モジュール1Aの一実装例を示し、高周波モジュール1Aは、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供される高周波モジュール1Aの説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0091】
スイッチ回路40は、モジュール基板90の領域91~93に配置され、主として領域92に配置されている。本実施の形態では、スイッチ回路40の入力端子401及び402並びに出力端子403は、モジュール基板90の領域92に配置されており、モジュール基板90の領域91及び93に配置されていない。バラン20は、集積回路10及びスイッチ回路40の間に配置されている。
【0092】
電源端子61及び62は、モジュール基板90の領域92に配置され、モジュール基板90の平面視においてスイッチ回路40と少なくとも部分的に重なっている。
【0093】
キャパシタ52は、モジュール基板90の領域92に配置され、モジュール基板90の平面視において一次コイル21及び二次コイル22の内部に配置されている。
【0094】
図9に示すように、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、モジュール基板90の平面視において、電源ライン500と整合回路30との間のy方向に沿った距離D1(第1距離の一例)は、電源ライン500とバラン20の外縁上の点72との間のy方向に沿った距離D2(第2距離の一例)よりも長い。
【0095】
なお、本実施の形態では、高周波モジュール1Aは、金属壁96を備えていないが、実施の形態1と同様に、整合回路30とスイッチ回路40との間に配置された金属壁96を備えてもよい。
【0096】
[2.2 効果など]
以上のように、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aは、モジュール基板90と、モジュール基板90に配置され、電力増幅器11及び12を含む集積回路10と、モジュール基板90に配置された整合回路30と、モジュール基板90に配置され、電力増幅器11の出力端及び電力増幅器12の出力端の間に接続される一次コイル21と整合回路30及びグランドの間に接続される二次コイル22とを含むバラン20と、モジュール基板90に配置され、一次コイル21の端部211及び212の間の接続部213に切り替え可能に接続される電源端子61及び62と、モジュール基板90に配置され、電源端子61及び62と一次コイル21との間に接続されるスイッチ回路40と、モジュール基板90に配置され、スイッチ回路40の出力端子403と一次コイル21の接続部213との間を電気的に接続する電源ライン500と、を備え、モジュール基板90は、所定方向に沿って領域91~93に分割され、領域92は、領域91及び93の間に位置し、所定方向は、モジュール基板90の平面視において、一次コイル21の端部211及び212を結ぶ線分71と垂直なx方向であり、バラン20は、領域92に配置され、領域91及び93に配置されず、スイッチ回路40の出力端子403は、領域92に配置され、整合回路30は、領域91に配置され、領域92に配置されていない。
【0097】
別の見地によれば、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aは、モジュール基板90と、モジュール基板90に配置され、電力増幅器11及び12を含む集積回路10と、モジュール基板90に配置された整合回路30と、モジュール基板90に配置され、電力増幅器11の出力端及び電力増幅器12の出力端の間に接続される一次コイル21と整合回路30及びグランドの間に接続される二次コイル22とを含むバラン20と、モジュール基板90に配置され、一次コイル21の端部211及び212の間の接続部213に切り替え可能に接続される電源端子61及び62と、モジュール基板90に配置され、電源端子61及び62と一次コイル21との間に接続されるスイッチ回路40と、モジュール基板90に配置され、スイッチ回路40と一次コイル21の接続部213との間を電気的に接続する電源ライン500と、を備え、モジュール基板90の平面視において、電源ライン500と整合回路30との間の所定方向と垂直な方向に沿った距離D1は、電源ライン500とバラン20の外縁上の所定点との間の所定方向と垂直な方向に沿った距離D2よりも長く、所定方向と垂直な方向は、一次コイル21の端部211及び212を結ぶ線分71と平行なy方向であり、所定点は、線分71の垂直二等分線から最も離れたバラン20の外縁上の点72である。
【0098】
これらによれば、整合回路30が領域92に配置される場合よりも、整合回路30を一次コイル21の接続部213及びスイッチ回路40の出力端子403から離すことができ、整合回路30を電源ライン500から離すことができる。したがって、電源ライン500から整合回路30へのノイズの漏洩を抑制することができ、高周波モジュール1の特性の劣化を抑制することができる。特に、差動増幅器(電力増幅器11及び12)に供給される電源電圧を切り替えるためのスイッチ回路40によって電源ライン500に流入するノイズが増加しても、電源ライン500と整合回路30との間の結合を抑制することができ、高周波モジュール1Aの特性の劣化を効果的に抑制することができる。
【0099】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aにおいては、スイッチ回路40は、領域92に配置されてもよく、バラン20は、集積回路10及びスイッチ回路40の間に配置されてもよい。
【0100】
これによれば、スイッチ回路40が領域92に配置され、集積回路10とスイッチ回路40との間にバラン20が配置される。その結果、一次コイル21の端部221及び222と逆側に位置する接続部213とスイッチ回路40との間の電源ライン500を短縮することができ、電源ライン500からのノイズの影響を抑制することができる。
【0101】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aにおいて、電源端子61及び62は、第2領域92に配置されてもよい。
【0102】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aにおいて、電源端子61及び62の各々は、モジュール基板90の平面視において、スイッチ回路40と少なくとも部分的に重なってもよい。
【0103】
これらによれば、電源端子61及び62の各々とスイッチ回路40との間の配線長を短くすることができ、電源端子61及び62の各々とスイッチ回路40との間の配線からのノイズの影響を抑制することができる。
【0104】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aは、さらに、領域92に配置され、電源ライン500とグランドとの間に接続されるキャパシタ52を備えてもよい。
【0105】
これによれば、電源ライン500上のノイズを低減することができる。
【0106】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aにおいて、キャパシタ52は、モジュール基板90の平面視において、一次コイル21及び二次コイル22の内部に配置されてもよい。
【0107】
これによれば、スイッチ回路40とバラン20との間にキャパシタ52を配置しなくてもよいので、スイッチ回路40及びバラン20の間の電源ライン500を短縮することができる。
【0108】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aにおいて、一次コイル21及び二次コイル22は、モジュール基板90のパターン配線によって構成されてもよい。
【0109】
これによれば、高周波モジュール1Aの部品数を削減することができる。
【0110】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aにおいて、二次コイル22は、モジュール基板90の複数のレイヤ902及び903に形成されてもよい。
【0111】
これによれば、二次コイル22が単一のレイヤに形成される場合よりも、二次コイル22の端部221の配置の自由度を増加させることができ、端部221をスイッチ回路40から離すことを容易にすることができ、ノイズの低減に効果的である。
【0112】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る高周波モジュールについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明に係る高周波モジュールは、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、上記高周波モジュールを内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
【0113】
例えば、上記各実施の形態に係る高周波モジュールの回路構成において、図面に開示された各回路素子及び信号経路を接続する経路の間に、別の回路素子及び配線などが挿入されてもよい。例えば、整合回路30とアンテナ接続端子65との間にフィルタが挿入されてもよい。
【0114】
なお、上記各本実施の形態において、バラン20は、モジュール基板90のパターン配線によって構成されていたが、これに限定されない。例えば、バラン20は、SMDによって構成されてもよい。
【0115】
また、上記各実施の形態において高周波モジュールの回路部品は、モジュール基板90の片方の主面90aに配置されていたが、両方の主面90a及び90bに配置されてよい。例えば、図10図12に示すように、高周波モジュール1において、整合回路30は、主面90aに配置され、スイッチ回路40は、主面90bに配置されてもよい。これによれば、整合回路30とスイッチ回路40と間の結合を抑制することができ、スイッチ回路40から整合回路30へのノイズの漏洩を抑制することができる。また例えば、スイッチ回路40に加えて、電源ライン500及びキャパシタ52も、主面90bに配置されてもよい。これによれば、スイッチ回路40、電源ライン500及びキャパシタ52の配置の自由度を向上させることができ、例えば、モジュール基板90の平面視においてバラン20と少なくとも部分的に重複するようにスイッチ回路40を主面90bに配置することができる。その結果、電源ライン500の長さを短縮することができ、電源ライン500からのノイズの影響を抑制することができる。また、主面90aに配置された整合回路30を電源ライン500から離すことができ、電源ライン500から整合回路30へのノイズの漏洩をさらに抑制することができる。
【0116】
以下に、上記各実施の形態に基づいて説明した高周波モジュールの特徴を示す。
【0117】
<1>
モジュール基板と、
前記モジュール基板に配置され、第1電力増幅器及び第2電力増幅器を含む集積回路と、
前記モジュール基板に配置された整合回路と、
前記モジュール基板に配置され、前記第1電力増幅器の出力端及び前記第2電力増幅器の出力端の間に接続される一次コイルと前記整合回路及びグランドの間に接続される二次コイルとを含むバランと、
前記モジュール基板に配置され、前記一次コイルの両端部の間の接続部に切り替え可能に接続される第1電源端子及び第2電源端子と、
前記モジュール基板に配置され、前記第1電源端子及び前記第2電源端子と前記一次コイルとの間に接続されるスイッチ回路と、
前記モジュール基板に配置され、前記スイッチ回路と前記一次コイルの前記接続部との間を電気的に接続する電源ラインと、を備え、
前記モジュール基板の平面視において、前記電源ラインと前記整合回路との間の所定方向と垂直な方向に沿った第1距離は、前記電源ラインと前記バランの外縁上の所定点との間の前記所定方向と垂直な方向に沿った第2距離よりも長く、
前記所定方向と垂直な方向は、前記一次コイルの両端部を結ぶ線分と平行な方向であり、
前記所定点は、前記線分の垂直二等分線から最も離れた前記バランの外縁上の点である、
高周波モジュール。
【0118】
<2>
前記バランは、前記整合回路と前記スイッチ回路との間に配置されている、
<1>に記載の高周波モジュール。
【0119】
<3>
前記バランは、前記集積回路と前記スイッチ回路との間に配置されている、
<1>に記載の高周波モジュール。
【0120】
<4>
前記第1電源端子及び前記第2電源端子の各々は、前記モジュール基板の平面視において、前記スイッチ回路と少なくとも部分的に重なっている、
<1>~<3>のいずれか1つに記載の高周波モジュール。
【0121】
<5>
前記高周波モジュールは、さらに、前記モジュール基板に配置され、前記電源ラインとグランドとの間に接続されるキャパシタを備える、
<1>~<4>のいずれか1つに記載の高周波モジュール。
【0122】
<6>
前記キャパシタは、前記モジュール基板の平面視において、前記一次コイル及び前記二次コイルの内部に配置されている、
<5>に記載の高周波モジュール。
【0123】
<7>
前記一次コイル及び前記二次コイルは、前記モジュール基板のパターン配線によって構成されている、
<1>~<6>のいずれか1つに記載の高周波モジュール。
【0124】
<8>
前記二次コイルは、前記モジュール基板の複数のレイヤに形成されている、
<7>に記載の高周波モジュール。
【0125】
<9>
前記高周波モジュールは、さらに、前記整合回路と前記スイッチ回路との間に配置された金属壁を備える、
<1>~<8>のいずれか1つに記載の高周波モジュール。
【0126】
<10>
前記モジュール基板は、互いに対向する第1主面及び第2主面を有し、
前記整合回路は、前記第1主面に配置され、
前記スイッチ回路は、前記第2主面に配置されている、
<1>~<9>のいずれか1つに記載の高周波モジュール。
【0127】
<11>
モジュール基板と、
前記モジュール基板に配置され、第1電力増幅器及び第2電力増幅器を含む集積回路と、
前記モジュール基板に配置された整合回路と、
前記モジュール基板に配置され、前記第1電力増幅器の出力端及び前記第2電力増幅器の出力端の間に接続される一次コイルと前記整合回路及びグランドの間に接続される二次コイルとを含むバランと、
前記モジュール基板に配置され、前記一次コイルの両端部の間の接続部に切り替え可能に接続される第1電源端子及び第2電源端子と、
前記モジュール基板に配置され、前記第1電源端子及び前記第2電源端子と前記一次コイルとの間に接続されるスイッチ回路と、
前記モジュール基板に配置され、前記スイッチ回路の出力端子と前記一次コイルの前記接続部との間を電気的に接続する電源ラインと、を備え、
前記モジュール基板は、所定方向に沿って第1領域、第2領域及び第3領域に分割され、前記第2領域は、前記第1領域及び前記第3領域の間に位置し、
前記所定方向は、前記モジュール基板の平面視において、前記一次コイルの両端部を結ぶ線分と垂直な方向であり、
前記バランは、前記第2領域に配置され、前記第1領域及び前記第3領域に配置されず、
前記スイッチ回路の前記出力端子は、前記第2領域又は前記第3領域に配置され、
前記整合回路は、前記第1領域に配置され、前記第2領域に配置されていない、
高周波モジュール。
【0128】
<12>
前記スイッチ回路は、前記第3領域に配置され、
前記バランは、前記整合回路と前記スイッチ回路との間に配置されている、
<11>に記載の高周波モジュール。
【0129】
<13>
前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、前記第3領域に配置されている、
<12>に記載の高周波モジュール。
【0130】
<14>
前記スイッチ回路は、前記第2領域に配置され、
前記バランは、前記集積回路及び前記スイッチ回路の間に配置されている、
<11>に記載の高周波モジュール。
【0131】
<15>
前記第1電源端子及び前記第2電源端子は、前記第2領域に配置されている、
<14>に記載の高周波モジュール。
【0132】
<16>
前記整合回路に接続される前記二次コイルの端部は、前記二次コイルのうち前記第3領域の最も遠くに位置する、
<11>~<15>のいずれか1つに記載の高周波モジュール。
【0133】
<17>
前記高周波モジュールは、さらに、前記第2領域に配置され、前記電源ラインとグランドとの間に接続されるキャパシタを備える、
<11>~<16>のいずれか1つに記載の高周波モジュール。
【0134】
<18>
前記キャパシタは、前記モジュール基板の平面視において、前記一次コイル及び前記二次コイルの内部に配置されている、
<17>に記載の高周波モジュール。
【0135】
<19>
前記一次コイル及び前記二次コイルは、前記モジュール基板のパターン配線によって構成されている、
<11>~<18>のいずれか1つに記載の高周波モジュール。
【0136】
<20>
前記二次コイルは、前記モジュール基板の複数のレイヤに形成されている、
<19>に記載の高周波モジュール。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明は、フロントエンド部に配置される高周波モジュールとして、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
【符号の説明】
【0138】
1、1A 高周波モジュール
2 アンテナ
3 RFIC
4 BBIC
5 通信装置
10 集積回路
11、12 電力増幅器
20 バラン
21 一次コイル
22 二次コイル
30 整合回路
31、32、52 キャパシタ
40 スイッチ回路
51 インダクタ
61、62 電源端子
63、64 高周波入力端子
65 アンテナ接続端子
71 線分
72 点
90 モジュール基板
90a、90b 主面
91、92、93 領域
94 樹脂部材
95 シールド電極層
96 金属壁
101、102、403 出力端子
211、212、221、222 端部
213、223 接続部
401、402 入力端子
500 電源ライン
521、522 端子
901、902、903、904 レイヤ
912、923 境界線
D1、D2 距離
Vcc1、Vcc2 電源電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12