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特開2024-172419情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172419
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090127
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】515139846
【氏名又は名称】ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 慎一郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】      (修正有)
【課題】商品等を提供する場での決済処理を必要とする店舗と必要としない店舗とが混在する複合商業施設において、その場での決済処理と退場時の一括決済処理を一元管理する情報処理システム等を提供する。
【解決手段】所定の商業施設での情報処理システムSにおいて、管理サーバ1は、その場での決済処理が必要な第一の商品等にかかるPOS端末3から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品等の情報と、を含む第一決済情報を受信する第一決済情報受信部32、その場での決済処理が不要な第二の商品等にかかる顧客端末6から、少なくとも顧客を特定する情報と決済の対象となった商品等の情報を含む第二決済情報を受信する第二決済情報受信部33及び顧客が退場時に通過したゲート端末4から、顧客を特定する情報を受信したことに応じて、第一決済情報及び第二決済情報を商業施設にかかる従業員端末5に送信する決済情報送信部37を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の商業施設の決済を管理する情報処理システムであって、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が必要な第一の商品または役務にかかる第一決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第一決済情報を受信する第一決済情報受信手段と、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が不要な第二の商品または役務にかかる第二決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第二決済情報を受信する第二決済情報受信手段と、
前記所定の商業施設において、前記顧客が退場時に通過したゲート装置から、前記顧客を特定する情報を受信したことに応じて、前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員の端末に送信する決済情報送信手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記顧客が前記所定の商業施設の入場時に通過したゲート装置から、前記顧客を特定する情報と、入場日時と、を含む入場情報を受信する入場情報受信手段をさらに備え、
前記決済情報送信手段は、前記入場情報に基づいて、前記顧客の最新の入場日時の後の前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員の端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記顧客が前記所定の商業施設の退場時に通過したゲート装置から、前記顧客を特定する情報と、退場日時と、を含む退場情報を受信する退場情報受信手段をさらに備え、
前記決済情報送信手段は、前記入場日時の受信後前記退場日時の受信の記録がない場合に、前記従業員の端末に警報を出力するための情報を送信する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第一決済装置から前記第一の商品または役務の情報を受信したことあるいは前記第二決済装置から前記第二の商品または役務の情報を受信したことに応じて、前記第一の商品または役務あるいは前記第二の商品または役務を前記所定の商業施設以外で購入指示を入力するための施設外購入情報を前記第一決済装置または前記第二決済装置に送信する施設外購入可能化手段をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第一決済装置から前記第一の商品または役務の情報を受信したことあるいは前記第二決済装置から前記第二の商品または役務の情報を受信したことに応じて、前記第一の商品または役務あるいは前記第二の商品または役務を前記所定の商業施設及びオンラインショッピングで使用可能な特典を出力するための特典情報を前記第一決済装置または前記第二決済装置に送信する特典付与手段をさらに備える、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第一決済装置から前記第一の商品または役務の情報を受信したことあるいは前記第二決済装置から前記第二の商品または役務の情報を受信したことに応じて、前記顧客からの更なる操作を要せず前記第一の商品または役務あるいは前記第二の商品または役務を購入するための電子的なショッピングカートに入れるための情報を前記第一決済装置または前記第二決済装置に送信する自動カートイン手段をさらに備える、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
所定の商業施設の決済を管理する情報処理装置であって、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が必要な第一の商品または役務にかかる第一決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第一決済情報を受信する第一決済情報受信手段と、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が不要な第二の商品または役務にかかる第二決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第二決済情報を受信する第二決済情報受信手段と、
前記所定の商業施設において、前記顧客が退場時に通過したゲート装置から、前記顧客を特定する情報を受信したことに応じて、前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員の端末に送信する決済情報送信手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
所定の商業施設の決済を管理する情報処理方法であって、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が必要な第一の商品または役務にかかる第一決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第一決済情報を受信するステップと、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が不要な第二の商品または役務にかかる第二決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第二決済情報を受信するステップと、
前記所定の商業施設において、前記顧客が退場時に通過したゲート装置から、前記顧客を特定する情報を受信したことに応じて、前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員の端末に送信するステップと、
を備える情報処理方法。
【請求項9】
所定の商業施設の決済を管理するプログラムであって、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が必要な第一の商品または役務にかかる第一決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第一決済情報を受信するステップと、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が不要な第二の商品または役務にかかる第二決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第二決済情報を受信するステップと、
前記所定の商業施設において、前記顧客が退場時に通過したゲート装置から、前記顧客を特定する情報を受信したことに応じて、前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員の端末に送信するステップと、
をコンピュータにより実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業施設を利用する顧客の利便性を高めるための技術として、例えば、特許文献1には、ホテルの中の飲食店または小売店の精算処理を、そのホテルのチェックアウト時にまとめて実行可能にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-140409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、経営主体がそれぞれ異なる複数のテナントで構成された、大型のショッピングモールなどの商業施設(以下、「複合商業施設」と呼ぶ。)には、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要とする店舗と、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要としない店舗とが含まれるが、これらの決済処理を複合商業施設にて一元管理する仕組みは存在しない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要とする店舗と、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要としない店舗とが混在する複合商業施設において、その場での決済処理と退場時の一括決済処理を一元管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
所定の商業施設の決済を管理する情報処理システムであって、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が必要な第一の商品または役務にかかる第一決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第一決済情報を受信する第一決済情報受信手段と、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が不要な第二の商品または役務にかかる第二決済装置から、少なくとも顧客を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第二決済情報を受信する第二決済情報受信手段と、
前記所定の商業施設において、前記顧客が退場時に通過したゲート装置から、前記顧客を特定する情報を受信したことに応じて、前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員の端末に送信する決済情報送信手段と、
を備える情報処理システムである。
【0007】
本発明の一態様の上記情報処理システムに対応する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要とする店舗と、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要としない店舗とが混在する複合商業施設において、その場での決済処理と退場時の一括決済処理を一元管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システム全体構成の一例を示す図である。
図2】管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】管理サーバにおける機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】管理サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】所定の商業施設としての複合商業施設の具体例を示す図である。
図6】顧客端末に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図7】顧客端末に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図8】顧客端末に表示されるユーザインターフェースの変形例を示す図である。
図9】顧客端末に表示されるユーザインターフェースの変形例を示す図である。
図10】顧客端末に表示されるユーザインターフェースの変形例を示す図である。
図11】所定の商業施設としての複合商業施設の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<概要>
本実施形態では、経営主体がそれぞれ異なる複数のテナント(例えば飲食店や小売店等)で構成された、大型のショッピングモールなどの複合商業施設に適用可能な情報処理システムについて説明する。
複合商業施設には、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要とする店舗(以下、「第一店舗」と呼ぶ。)と、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要としない店舗(以下、「第二店舗」と呼ぶ。)との少なくとも一方が含まれる。本実施形態に係る情報処理システムは、複合商業施設における、第一店舗の決済処理と、第二店舗の決済処理との一元管理を可能にする。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの全体構成の一例を示す図である。
情報処理システムSは、管理サーバ1と、決済サーバ2と、POS(Point of Sale)端末3-1乃至3-n(nは1以上の整数値)と、ゲート端末4と、従業員端末5-1乃至5-m(mは1以上の整数値)と、顧客端末6-1乃至6-r(rは1以上の整数値)とがネットワークNを介して接続されることで構成される。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、VPN(Vertual Private Network)等である。
なお、POS端末3-1乃至3-n、従業員端末5-1乃至5-m、顧客端末6-1乃至6-rの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめてPOS端末3、従業員端末5、顧客端末6の各々と呼ぶ。
【0012】
≪管理サーバ1≫
管理サーバ1は、情報処理システムSの全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。管理サーバ1は、上述の各端末及び外部から送信されてくる各種の情報を受信し、各種の処理を行う。また、管理サーバ1は、上述の各端末等及び外部に向けて各種の情報を送信する。
【0013】
例えば、管理サーバ1は、入場管理装置及び退場管理装置としてのゲート端末4から、顧客を特定する情報とともに、顧客が複合商業施設に入場(入店)した日時を少なくとも含む顧客の入場に関する情報(以下、「入場情報」と呼ぶ。)を受信して管理する。本実施形態における入場及び退場は、第一決済及び第二決済を実施可能な複合商業施設への入場及び複合商業施設からの退場を意味する。また、管理サーバ1は、複合商業施設において、その場での決済処理を必要とする商品または役務(以下、「第一商品等」と呼ぶ。)を提供する第一店舗に設置された第一決済装置としてのPOS端末3から、第一商品等の決済に関する情報(以下、「第一決済情報」と呼ぶ。)を受信する。第一決済情報には、例えば、第一商品等の提供対象となる顧客を特定するための情報、決済対象の第一商品等の情報、後述する決済サーバ2による決済処理の結果などが含まれる。本実施形態においては、上記の第一決済装置から上記の第一決済情報を受信する手段を第一決済情報受信部とした。
【0014】
第一商品等としては、例えば、その場で消費する飲食の提供や退場直前まで未決済とするには高額すぎる商品等が挙げられ、より具体的には飲食店における料理の提供、その場で消費する缶コーヒー、高額ウィスキー、化粧品の対面販売、等が挙げられる。
第一決済装置としては、第一商品等をその場で決済処理する装置のことであり、例えば第一商品等を提供する店舗での決済処理を行う装置等が挙げられ、より具体的には飲食店用POS装置、小売用のPOS装置等が挙げられる。
顧客を特定する情報としては、例えば、顧客ごとに設けられる二次元コード等が挙げられる。
【0015】
また、管理サーバ1は、複合商業施設において、その場での決済処理を必要としない商品または役務(以下、「第二商品等」と呼ぶ。)を提供する第二店舗において、第二決済装置である顧客のスマートフォンまたは小売店のPOS装置等から、第二商品等の決済に関する情報(以下、「第二決済情報」と呼ぶ。)を受信する。この情報受信の際には、第二商品等の決済処理は未だ済んでいない状態である。「第二決済情報」には、第二商品等の提供対象となる顧客を特定する情報、決済対象の第二商品等の情報、後述する決済サーバ2による決済処理の結果などが含まれる。以下、第一商品等と第二商品等とを区別して説明する必要がない場合、これらをまとめて「商品等」あるいは単に「商品」と呼ぶ場合がある。本実施形態においては、上記の第二決済装置から上記の第二決済情報を受信する手段を第二決済情報受信部とした。
【0016】
第二商品等としては、例えば、複合商業施設を退場する直前に一括で決済することができる商品等が挙げられ、より具体的には小売店における商品等が挙げられる。
第二決済装置としては、第二商品等を一括で決済処理する装置のことであり、例えば複合商業施設を退場する際に複数店舗分の第二商品等をまとめて決済処理する装置等が挙げられ、具体的にはスマートフォン決済アプリケーションをインストールした会員顧客のスマートフォン、プラスティック会員カードを保有する会員顧客向けの退場時POS装置、退場時にカート内商品を識別及び精算する装置、スマートフォン等により受信した決済対象の商品等の情報に基づいて精算を実施する精算カウンター等が挙げられる。
【0017】
また、管理サーバ1は、複合商業施設から退場する前に、精算カウンター等により未決済処理の第二商品等を一括して決済した第二決済情報を受信する。本実施形態における第二決済情報は、第二商品等を選択するだけの未決済時と、第二商品等の決済を完了した決済時の二段階で受信してもよい。また、本実施形態における第二決済装置は、ゲート装置と一体的に構成されていてもよい。
【0018】
また、管理サーバ1は、複合商業施設から退場する顧客を特定する情報を受信し、その情報に対応する第一決済情報及び第二決済情報を、複合商業施設に係る従業員に送信する制御を行う。具体的には、管理サーバ1は、第一決済情報及び第二決済情報を従業員に送信する手法として、その従業員の従業員端末5の出力部(図2参照)のディスプレイ等に第一決済情報及び第二決済情報を表示させる制御を行う。
【0019】
また、管理サーバ1は、複合商業施設においてその場での決済処理が必要な第一の商品等(商品・役務)に関する情報と、複合商業施設においてその場での決済処理が不要な第二の商品等に関する情報をデータベースに記憶して管理する。
商品に関する情報には、商品等の基本的な内容を示す情報と、商品等の販売促進に資する情報とが含まれる。
商品等の基本的な内容を示す情報には、例えば、商品の撮像画像のデータ、商品の名称、商品単価などが含まれる。
商品等の販売促進に資する情報には、商品の販売促進に資する商品等の販促情報や、商品等を購入した際の特典情報などが含まれる。
販促情報には、例えば、顧客からのレビューや評価に関する情報、クーポンなど特典に関する情報などが含まれる。
特典情報としては、具体的には、ボーナスポイントの付与率や付与数、商品価格の割引率や値引額などが挙げられる。付与されたポイントについては、ポイントの残数を確認したり、決済において利用できるようにしてもよい。なお、管理サーバ1の具体的な構成や処理の詳細については後述する。
【0020】
≪決済サーバ2≫
決済サーバ2は、各種の決済処理を行うサーバとしての情報処理装置である。例えば、決済サーバ2は、複合商業施設において、第一店舗に設置された第一決済装置としてのPOS端末3または顧客端末6を用いて、顧客を特定する情報と決済対象の商品等の情報とを含む第一決済情報を受信して第一商品等の決済処理を行う。この場合、決済サーバ2は、決済処理の結果を、第一決済装置としてのPOS端末3または顧客端末6に向けて送信する。
【0021】
また、決済サーバ2は、複合商業施設において、第二店舗に設置された第二決済装置としてのPOS端末3または顧客端末6を用いて、顧客を特定する情報と決済対象の商品等の情報とを含む第二決済情報を受信するとともに、退場時の精算カウンター等を用いて、決済処理を行う。この場合、決済サーバ2は、決済処理の結果を、第二決済装置としてのPOS端末3または顧客端末6に向けて送信する。
【0022】
≪POS端末3≫
POS端末3は、顧客が購入する商品等の決済処理を行う第一決済装置あるいは第二決済装置としての情報処理装置である。POS端末3は、管理サーバ1、従業員端末5、及び顧客端末6の各々から送信されてくる各種の情報と、入力部(図2参照)のタッチパネル等に入力された情報とを受信し、各種の処理を行う。また、POS端末3は、管理サーバ1、決済サーバ2、従業員端末5、及び顧客端末6の各々に向けて各種の情報を送信する。
【0023】
例えば、第一決済装置としてのPOS端末3は、管理サーバ1にて管理されている顧客を特定する情報及び決済対象の商品等の情報と、入力部のタッチパネル等に入力された情報と、顧客端末6から得られる顧客を特定する情報とに基づいて、決済処理を完了させる。
【0024】
また、第二決済装置としてのPOS端末3は、管理サーバ1にて管理されている顧客を特定する情報及び決済対象の商品等の情報と、入力部のタッチパネル等に入力された情報と、顧客端末6から得られる顧客を特定する情報に加え、退場時に精算カウンター等と協働することにより、決済サーバ2との間で決済処理を完了させる。
【0025】
また、第一決済装置又は第二決済装置としてのPOS端末3は、POSの画面上に特典内容を表示して、顧客又は従業員にその特典を利用するか否かを選択する機能を有していてもよい。
【0026】
≪ゲート端末4≫
ゲート端末4は、複合商業施設の入退場ゲートに設置される、入場管理装置及び退場管理装置としての情報処理装置である。複合商業施設への顧客の入退場を管理する。具体的には、ゲート端末4は、複合商業施設に入場する顧客の顧客端末6から顧客を特定する情報を受信し、その顧客の入場情報とともに管理サーバ1に向けて送信する。
【0027】
また、ゲート端末4は、複合商業施設から退場する顧客の顧客端末6から顧客を特定する情報を受信し、その顧客が複合商業施設から退場した日時を少なくとも含む顧客の退場に関する情報(以下、「退場情報」と呼ぶ。)とともに管理サーバ1に向けて送信する。
なお、ゲート端末4が顧客端末6から顧客を特定する情報を受信する際に用いられる手法は特に限定されない。例えば、ゲート端末4が、顧客端末6の出力部のディスプレイ等に表示された2次元コードを読み取り、その2次元コードに対応付けられた顧客を特定する情報を受信する手法や、ゲート端末4が、顧客端末6との間の近距離無線通信により送信されてきた顧客を特定する情報を受信する手法などを用いてもよい。
【0028】
≪従業員端末5≫
従業員端末5は、複合商業施設の従業員が操作する情報処理装置であり、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等で構成される。従業員端末5は、例えば、第一店舗に配置された従業員、第二店舗に配置された従業員、入退場ゲートの近傍に配置された従業員などにより操作される。従業員端末5は、管理サーバ1、POS端末3、及び外部から送信されてくる各種の情報を受信し、各種の処理を行う。例えば、従業員端末5は、管理サーバ1から送信されてくる第一決済情報及び第二決済情報を受信し、出力部のディスプレイ等に表示する。
【0029】
≪顧客端末6≫
顧客端末6は、情報処理システムSが適用される複合商業施設を利用する顧客が操作する情報処理装置である。顧客端末6は、管理サーバ1、決済サーバ2、POS端末3、及び外部の各々から送信されてくる各種の情報を受信し、各種の処理を行う。また、顧客端末6は、管理サーバ1、決済サーバ2、POS端末3、及び外部に向けて各種の情報を送信する。例えば、顧客端末6は、複合商業施設にて第一商品等の提供を受ける際、POS端末3に顧客を特定する情報を提供する。なお、顧客端末6がPOS端末3に顧客を特定する情報を提供する際に用いられる手法は特に限定されない。例えば、2次元コードの読み取り、近距離無線通信などの従来の手法を用いて行うことができる。また、顧客端末6は、第一決済装置及び第二決済装置としても機能する。
【0030】
第二決済装置として機能する顧客端末6は、複合商業施設にて第二商品等の提供を受ける際、購入を検討する第二商品等またはその第二商品等に付された識別情報(例えば、1次元コードなど)を撮像し、その撮像画像のデータに基づいて決済対象の商品等を特定する。そして、顧客端末6は、特定した決済対象の商品等の情報を管理サーバ1から受信した後に、第二商品等の決済を一括で完了することで、その決済情報を決済サーバ2に向けて送信する。
【0031】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係る管理サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0032】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0033】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0034】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0035】
なお、図示はしないが、POS端末3、ゲート端末4、従業員端末5、及び顧客端末6は、図2に示すハードウェア構成を有し、さらに、撮像部を備えるとよい。撮像部は、カメラ等で構成され、被写体となる商品またはその商品に付された識別情報(例えば、バーコード等)を撮像し、画像(動画像または静止画像)のデータとして受信する。
【0036】
<機能構成>
(管理サーバ1の機能構成)
図3は、管理サーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
管理サーバ1のCPU11においては、動作する際に、入場情報受信部31と、第一決済情報受信部32と、第二決済情報受信部33と、施設外購入可能化部34と、特典付与部35と、退場情報受信部36と、決済情報送信部37と、自動カートイン部38とが機能する。また、管理サーバ1の記憶部18においては、顧客情報DB41と、入場情報DB42と、商品情報DB43と、第一決済情報DB44と、第二決済情報DB45と、退場情報DB46とが設けられている。
【0037】
入場情報受信部31(入店情報受信手段)は、ゲート端末4から送信されてきた入場情報を、通信部19を介して受信する。
本実施形態では、入場情報受信部31は、顧客が複合商業施設の入場時に通過するゲート装置から、顧客を特定する情報と、入場日時と、を含む入場情報(入店情報)を受信する。
入場情報受信部31により受信された入場情報は、記憶部18の入場情報DB42に記憶されて管理される。
【0038】
第一決済情報受信部32(第一決済情報受信手段)は、POS端末3から送信されてきた第一決済情報を、通信部19を介して受信する。本実施形態では、第一決済情報受信部32は、複合商業施設においてその場での決済処理が必要な第一商品等(例えば、飲食店における料理等)にかかるPOS端末3から、少なくとも顧客を特定する情報(例えば、二次元コード等)と、決済の対象となった商品等の情報(例えば、飲食店における料理、高額ウィスキー、化粧品の対面販売、その場で消費する缶コーヒー等)と、を含む第一決済情報を受信する。第一決済情報受信部32により受信された第一決済情報は、記憶部18の第一決済情報DB44に記憶されて管理される。
【0039】
第二決済情報受信部33(第二決済情報受信手段)は、POS端末3から送信されてきた第二決済情報を、通信部19を介して受信する。または、第二決済情報受信部33は、顧客端末6から送信されてきた第二決済情報を、通信部19を介して受信する。本実施形態では、第二決済情報受信部33は、複合商業施設においてその場での決済処理が不要な第二商品等(例えば、小売店における商品等)にかかる顧客端末6等(例えば、決済アプリケーションをインストールした会員顧客のスマートフォン、プラスティック会員カードを保有する会員顧客向けの退店時POS装等)から、少なくとも顧客を特定する情報(例えば、二次元コード等)と、決済の対象となった商品等の情報(例えば、小売店舗における商品等)と、を含む第二決済情報を受信する。第二決済情報受信部33により受信された第二決済情報は、記憶部18の第二決済情報DB45に記憶されて管理される。
【0040】
施設外購入可能化部34(施設外購入可能化手段)は、第一決済装置から第一の商品等を特定する情報を受信したこと又は第二決済装置から第二の商品等を特定する情報を受信したことに応じて、第一の商品等又は第二の商品等を、複合商業施設以外(例えば、ネットスーパーやECサイト)で購入指示を入力するための情報を第一決済装置又は第二決済装置に送信する。
例えば、施設外購入可能化部34は、顧客が購入を検討している第一商品等及び第二商品等の各々の情報の各々を受信し、受信した第一商品等及び第二商品等の各々を特定する。そして、施設外購入可能化部34は、来場している複合商業施設において特定の第一商品等及び第二商品等を購入した際の利点や、売り切れ等により複合商業施設にて購入できない場合に、異なる他の手法にて顧客が購入できるようにする提案を行う。
【0041】
具体的には、施設外購入可能化部34は、受信した第一商品等及び第二商品等の各々を複合商業施設にて購入する手法とは異なる他の手法による購入を支援する情報(以下、「施設外購入情報」と呼ぶ。)を顧客端末6に向けて送信する制御を行う。
施設外購入情報としては、例えば、複合商業施設のネットスーパーや、他のEC(Electronic Commerce)サイトにおける購入を支援する情報などが挙げられる。
【0042】
また、施設外購入可能化部34は、第一商品等または第二商品等を複数購入する顧客の操作を支援する制御を行う。例えば、施設外購入可能化部34は、電子的なショッピングカートに同一の商品を複数入れる場合に、スキャン操作を購入数量分繰り返してもよいが、スキャン操作を一回行い、このスキャンした商品等の購入数量を入力することにより、複数個の商品等を選択する構成としてもよい。
【0043】
特典付与部35(特典付与手段)は、第一決済装置から第一の商品等を特定する情報を受信したこと又は第二決済装置から第二の商品等を特定する情報を受信したことに応じて、第一の商品等又は第二の商品等を複合商業施設及びオンラインショッピング(例えば、ネットスーパーやECサイト)で使用可能な特典(例えば、割引クーポン、数量限定販促キャンペーン商品(例えば一人3品限定や全国・地域10万本限定等)の引換券等)を出力するための情報を第一決済装置又は第二決済装置に送信する。
すなわち、特典付与部35は、オンラインショッピング及び複合商業施設のうち少なくとも一方で利用できる特典情報を付与する。例えば、特典付与部35は、施設外購入可能化部34により受信された第一商品等及び第二商品等の各々を販売するオンラインショッピング及び複合商業施設の実店舗のうち少なくとも一方で利用できる特典情報を、顧客を特定する情報に対応付けて付与する。
オンラインショッピングとしては、例えば、複合商業施設のネットスーパーや、他のECサイトなどが挙げられる。また、特典情報としては、例えば、割引クーポン、数量限定販促キャンペーン商品(例えば一人3品限定や、全国あるいは地域で10万本限定など)の引換券等が挙げられる。
【0044】
また、特典付与部35は、商品の特定によらず、顧客の特定のみで特典を付与してもよい。この場合の特典が付与される顧客としては、例えば、特定の複合商業施設やオンラインショップでの前年度の購入金額が所定額を超えた顧客等が挙げられる。
さらに、特典付与部35は、一定の条件に基づいて、顧客全員に特典を付与してもよい。この場合の一定の条件としては、例えば、雨の日に店舗に来店したこと等が挙げられる。
【0045】
退場情報受信部36(退店情報受信手段)は、ゲート端末4から送信されてきた退場情報を、通信部19を介して受信する。
本実施形態では、入場情報受信部31は、顧客が複合商業施設の退場時に通過するゲート装置から、顧客を特定する情報と、退場日時と、を含む退場情報(退店情報)を受信する。
退場情報受信部36により受信された退場情報は、記憶部18の退場情報DB46に記憶されて管理される。
【0046】
決済情報送信部37は、複合商業施設において、顧客が退店時に通過するゲート装置から、顧客を特定する情報を受信したことに応じて、第一決済情報及び第二決済情報を複合商業施設にかかる従業員の従業員端末5に送信する。
また、決済情報送信部37は、上述の入場情報に基づいて、顧客の最新の入場日時の後の第一決済情報及び第二決済情報を複合商業施設にかかる従業員の従業員端末5に送信する。
また、決済情報送信部37は、上述の入場情報の受信後、退場日時の受信の記録がない場合に、従業員の従業員端末5に警報を出力するための情報を送信する。
また、決済情報送信部37は、退場情報受信部36により退場情報が受信されたにもかかわらず、未決済状態の第一商品等または第二商品等がある場合には、通信部19を介して従業員端末5に向けて顧客を特定する情報を送信する制御を行う。
また、決済情報送信部37は、特典付与部35により管理されている特典情報を、通信部19を介して顧客端末6に向けて所定のタイミングで送信する制御を行う。
【0047】
自動カートイン部38は、第一決済装置から第一の商品等を特定する情報を受信したこと又は第二決済装置から第二の商品等を特定する情報を受信したことに応じて、顧客からの更なる操作を要せず第一の商品等又は第二の商品等を購入するための電子的なショッピングカートに入れるための情報を、第一決済装置又は第二決済装置に送信する。
【0048】
<処理内容>
図4は、本実施形態に係る管理サーバ1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0049】
管理サーバ1は、まず、複合商業施設のゲート端末4から入場情報が送信されてきたかを確認する(ステップS1)。管理サーバ1は、入場情報が送信されてくると(ステップS1で「あり」)、送信されてきた入場情報を受信し(ステップS2)、受信した入場情報をデータベース(例えば、図3の入場情報DB42)に記憶して管理する(ステップS3)。これに対して、ゲート端末4から入場情報が送信されてきていない場合(ステップS1で「なし」)、管理サーバ1は、ゲート端末4から入場情報が送信されてくるまでステップS1の処理を繰り返す。
【0050】
次に、管理サーバ1は、複合商業施設内に入場した顧客が施設内に留まっているかを確認する(ステップS4)。顧客が複合商業施設内でウインドショッピングをした場合や、所望の商品等が見い出せなかった場合など、商品等の購入に至らない場合もある。管理サーバ1は、複合商業施設のゲート端末4から退場情報が送信されてくると(ステップS4で「あり」)、送信されてきた退場情報を受信し(ステップS15)、受信した退場情報をデータベース(例えば、図3の退場情報DB46)に記憶して管理する(ステップS16)。次いで、管理サーバ1は、ステップS16で記憶した退場情報に含まれる顧客を特定する情報を従業員端末5に向けて送信する(ステップS17)。これに対して、管理サーバ1は、複合商業施設のゲート端末4から退場情報が送信されてきていない場合(ステップS4で「なし」)、管理サーバ1は、顧客が複合商業施設内での第一商品等または第二商品等の購入検討が継続していると判断する。
【0051】
管理サーバ1は、複合商業施設の第一店舗に設置されたPOS端末3等から第一決済情報が送信されたか確認する(ステップS5)。管理サーバ1は、第一決済情報が送信されてくると(ステップS5で「あり」)、送信されてきた第一決済情報を受信し(ステップS6)、受信した第一決済情報をデータベース(例えば、図3の第一決済情報DB44)に記憶して管理する(ステップS7)。次いで、管理サーバ1は、複合商業施設の第二店舗に設置されたPOS端末3等から第二決済情報が送信されたか確認する(ステップS8)。これに対して、第一店舗に設置されたPOS端末3等から第一決済情報が送信されてきていない場合(ステップS5で「なし」)、管理サーバ1は、ステップS6及びS7を経由せずに、複合商業施設の第二店舗に設置されたPOS端末3等から第二決済情報が送信されたか確認する(ステップS8)。
【0052】
管理サーバ1は、第二決済情報が送信されてくると(ステップS8で「あり」)、送信されてきた第二決済情報を受信し(ステップS9)、受信した第二決済情報をデータベース(例えば、図3の第二決済情報DB45)に記憶して管理する(ステップS10)。なお、ステップS9で受信した第二決済情報は、決済の済んでいない未決済の状態である。次いで、管理サーバ1は、第二決済情報において未決済分があるか確認する(ステップS11)。これに対して、第二店舗に設置されたPOS端末3等から第二決済情報が送信されてきていない場合(ステップS8で「なし」)、管理サーバ1は、ステップS9及びS10を経由せずに、第二決済情報において未決済分があるか確認する(ステップS11)。
【0053】
ステップS11においては、管理サーバ1は、第二決済情報において未決済分がある場合(ステップS11で「あり」)、例えば未決済分の精算を複合商業施設退場する前に完了するよう顧客端末にアナウンスすることもできる。未決済分の精算が完了すると、管理サーバ1は、決済サーバから送信されてきた未決済分精算情報を受信し(ステップS12)、受信した第二決済情報をデータベース(例えば、図3の第二決済情報DB45)に記憶して管理する(ステップS13)。次いで、管理サーバ1は、複合商業施設内の顧客が施設内に留まっているかを確認する(ステップS14)。これに対して、第二決済情報において未決済分がない場合(ステップS11で「なし」)、管理サーバ1は、ステップS12及びS13を経由せずに、複合商業施設内の顧客が施設内に留まっているかを確認する(ステップS14)。
【0054】
続いて、管理サーバ1は、複合商業施設のゲート端末4から退場情報が送信されてきていない場合(ステップS14で「なし」)には、管理サーバ1は、顧客が複合商業施設内での第一商品等または第二商品等の購入検討が継続していると判断する。これに対して、管理サーバ1は、複合商業施設のゲート端末4から退場情報が送信されてくると(ステップS14で「あり」)、送信されてきた退場情報を受信し(ステップS15)、受信した退場情報をデータベース(例えば、図3の退場情報DB46)に記憶して管理する(ステップS16)。次いで、管理サーバ1は、ステップS16で記憶した退場情報に含まれる顧客を特定する情報を従業員端末5に向けて送信する(ステップS17)。
【0055】
<具体例>
(複合商業施設の具体例)
図5は、本実施形態に係る情報処理システムSが適用される、所定の商業施設としての複合商業施設Mの具体例を示す図である。
【0056】
図5に例示する複合商業施設Mには、入退場ゲートGと、カフェカウンターC1と、ラウンジカウンターC2と、ワインバーカウンターC3と、棚H1乃至H3とが配置されている。入退場ゲートGは、顧客が複合商業施設Mに入場する際、及び顧客が複合商業施設Mから退場する際に通過する出入口となるゲートである。カフェカウンターC1及びラウンジカウンターC2は、第一商品等としてのコーヒーや軽食等の飲食物を顧客に提供するためのカウンターである。ワインバーカウンターC3は、第一商品等としてのワインや軽食等の飲食物を顧客に提供するためのカウンターである。棚H1乃至H3には、第二商品等としての食品やお土産等が陳列されたいわゆる商品陳列棚である。以下、棚H1乃至H3に陳列された第二商品等のことを商品Iと呼ぶ。また、複合商業施設Mの場内の各所には、従業員E1乃至E3が配置されている。また、複合商業施設Mには顧客U1乃至U4が来場している。
【0057】
複合商業施設Mに配置された入退場ゲートGには、入場管理装置及び退場管理装置としてのゲート端末4が設置されている。また、カフェカウンターC1、ラウンジカウンターC2、及びワインバーカウンターC3の各々には、第一決済装置としてのPOS端末3-1乃至3-3の各々が設置されている。また、複合商業施設Mに配置された従業員E1乃至E3の各々は、従業員端末5-1乃至5-3の各々を所持している。また、複合商業施設Mに来場している顧客U1乃至U4の各々は、第一決済装置及び第二決済装置として機能する顧客端末6-1乃至6-4の各々を所持している。
【0058】
顧客U1は、複合商業施設Mに入場するために入退場ゲートGを通過しようとしている。このとき、顧客U1は、顧客端末6-1に対する所定の入力操作を行うことで、自身の顧客を特定する情報が対応付けられた2次元コードを表示させる。そして、顧客U1は、顧客端末6-1に表示された2次元コードを、入退場ゲートGの近傍に設置されたゲート端末4に読み取らせる。
【0059】
ゲート端末4は、2次元コードを読み取ると、管理サーバ1にてその2次元コードに対応付けられている顧客を特定する情報を受信する。顧客U1を特定する情報を受信したゲート端末4は、その顧客を特定する情報を入場情報とともに管理サーバ1に向けて送信する。
【0060】
顧客U2は、複合商業施設Mに配置されているカフェカウンターC1で、第一商品等としてのコーヒーを注文し、その代金を支払おうとしている。このとき、顧客U2は、顧客端末6-2に対する所定の入力操作を行うことで、自身を特定する情報が対応付けられた2次元コードを表示させる。そして、顧客U2は、顧客端末6-2に表示させた2次元コードを、カフェカウンターC1に設置された、第一決済装置であるPOS端末3-1に読み取らせる。
【0061】
POS端末3-1は、顧客U2を特定する情報及び決済対象の商品等の情報と、タッチパネル等に入力された情報と、顧客端末6-2から読み取った2次元コードに対応付けられた顧客を特定する情報とに基づいて、決済サーバ2との間で決済処理を完了させる。
【0062】
従業員E1は、カフェカウンターC1にて接客を担当する従業員として、顧客に対し第一商品等を提供する業務を行う。具体的には、従業員E1は、第一商品等としてのコーヒーの注文を承る業務、注文内容をPOS端末3-1に入力する業務、第一商品等として提供するコーヒーの代金の決済を行うための情報を入力する業務などを行う。代金の決済を行うための情報を入力する業務としては、例えば、顧客U2の顧客端末6-2に表示された2次元コードを、POS端末3-1で読み取るための操作などが挙げられる。
【0063】
また、カフェカウンターC1に設置されたPOS端末3-1が、従業員E1による操作を必要としない、いわゆるセルフPOS端末である場合には、従業員E1は、必要に応じて顧客対応を行う。具体的には、従業員E1は、従業員端末5-1に対する所定の入力操作を行い、セルフPOS端末であるPOS端末3-1に対する顧客の入力操作の内容を従業員端末5-1に表示させることで確認する。そして、その内容が対面による顧客対応を必要とするものである場合には、従業員E1がPOS端末3-1に移動して対面による顧客対応を行う。
【0064】
また、従業員E1は、これらの業務に付随する業務として、注文内容の確認、予約内容の確認、お渡しが必要となる商品の確認、特典情報(例えば、利用可能なクーポンに関する情報など)の確認、他の従業員(例えば、後述する従業員E2)が行う作業(例えば、お渡し商品の準備等)の指示などを行う。このとき、従業員E1は、従業員端末5-1に対する所定の入力操作を行い、注文内容、予約内容、お渡しが必要となる商品、特典情報等の情報を従業員端末5-1に表示させることで確認する。
【0065】
従業員E2は、カフェカウンターC1で提供される第一商品等の管理を担当する従業員として、遠隔(例えば、倉庫や厨房といったバックヤード)から顧客対応等の業務を行う。具体的には、従業員E2は、第一商品等としてのコーヒー豆の予約を承る業務、予約内容を従業員端末5-2に入力する業務、お渡しが必要となる商品に関する情報を従業員端末5-2に入力する業務、特典情報(例えば、利用可能なクーポンに関する情報など)を従業員端末5-2に入力する業務、業務実績を従業員端末5-2に入力する業務などを行う。
【0066】
また、従業員E2は、これらの業務に付随する業務として、注文内容に応じた第一商品等の準備(例えば、コーヒーを淹れる調理業務、コーヒー豆等のお渡し商品の準備)などを行う。このとき、従業員E2は、従業員端末5-2に対する所定の入力操作を行い、注文内容、予約内容、お渡しが必要となる商品、特典情報等の情報を従業員端末5-2に表示させることで確認する。
【0067】
顧客U3は、棚H1に陳列されている第二商品等としての商品Iの購入を検討している。このとき、顧客U3は、第二決済装置として機能する顧客端末6-3に対する所定の入力操作を行い、商品Iまたは商品Iに付された識別情報(例えば、バーコード)を撮像することで、購入を検討している商品Iを特定する。
【0068】
顧客U3の入力操作により、顧客U3が購入を検討している商品Iが特定されると、顧客端末6-3は、その商品Iの情報を管理サーバ1に向けて送信する。
管理サーバ1は、第一商品等及び第二商品等の各々に関する施設外購入情報を顧客端末6-3に向けて送信する。また、管理サーバ1は、オンラインショッピング及び複合商業施設のうち少なくとも一方で利用できる特典情報を顧客端末6-3に向けて送信する。
【0069】
顧客端末6-3は、撮像した商品Iまたは商品Iに付された識別情報(例えば、バーコード)の撮像画像のデータから特定される決済対象の商品等の情報を管理サーバ1から受信することで未決済の第二決済情報を生成する。そして、顧客端末6-3は、未決済の第二決済情報を第二決済情報DB45に送信する。第二決済情報DB45に蓄えられて未決済分の第二決済情報は、顧客が退場時に一括精算することで、決済サーバ2との間で決済処理を完了させる。
【0070】
顧客U4は、複合商業施設Mから退場するために入退場ゲートGを通過しようとしている顧客である。このとき、顧客U4は、顧客端末6-4に対する所定の入力操作を行うことで、自身を特定する情報が対応付けられた2次元コードを表示させる。そして、顧客U4は、顧客端末6-4に表示された2次元コードを、入退場ゲートGの近傍に設置されたゲート端末4に読み取らせる。
【0071】
ゲート端末4は、2次元コードを読み取ると、管理サーバ1にてその2次元コードに対応付けられている顧客を特定する情報を受信する。顧客U4を特定する情報を受信したゲート端末4は、その顧客を特定する情報を退場情報とともに管理サーバ1に向けて送信する。このとき、入退場ゲートGに自動扉が設けられている場合には、第一決済装置及び第二決済装置による顧客U4の決済処理が問題なく完了しているかどうかに基づいて、自動扉の開閉の制御を行うこともできる。
【0072】
ゲート端末4から管理サーバ1に向けて顧客U4を特定する情報と退場情報とが送信されると、管理サーバ1は、送信されてきた顧客U4を特定する情報及び退場情報を受信し、その顧客を特定する情報に対応する第一決済情報及び第二決済情報を、顧客U4及び後述する従業員E3に送信する制御を行う。具体的には、管理サーバ1は、顧客U4の第一決済情報及び第二決済情報を顧客U4及び従業員E3に送信する手法として、顧客U4及び従業員E3の各々の顧客端末6-4及び従業員端末5-3の各々の出力部のディスプレイ等に第一決済情報及び第二決済情報を表示させる制御を行う。
【0073】
顧客U4の顧客端末6-4は、表示した第一決済情報に未決済の第一商品等が含まれている場合には、第一決済装置として未決済の第一商品等の決済処理を行う。また、顧客端末6-4は、表示した第二決済情報に未決済の第二商品等が含まれている場合には、第二決済装置として未決済の第二商品等の決済処理を行う。これにより、顧客U4が未決済の状態で複合商業施設Mから退場することを防ぐことができる。
【0074】
従業員E3は、入退場のために入退場ゲートGを通過する顧客に対する案内や監視を担当する従業員として、入退場ゲートGの近傍にて顧客対応等の業務を行う。例えば、従業員E3は、退場のために入退場ゲートGを通過しようとしている顧客が複合商業施設Mにて提供を受けた第一商品等及び第二商品等(例えば、図5の商品I)の決済処理が問題なく完了しているかどうかを確認する業務を行う。例えば、従業員E3は、顧客U4の第一決済情報及び第二決済情報を参照することで、未決済の状態の第一商品等及び第二商品等がないかどうかを確認する。このとき、従業員E3は、顧客U4の第一決済情報及び第二決済情報を参照するために、自身が所持する従業員端末5-3に顧客U4の第一決済情報及び第二決済情報を表示させるための操作を行う。
【0075】
(ユーザインターフェースの具体例)
図6は、複合商業施設に入場した顧客の顧客端末6に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
複合商業施設に入場した顧客は、顧客端末6を操作することで、図6に示すユーザインターフェースを表示させる。ここで、「顧客端末6を操作する」とは、例えば、複合商業施設を利用する顧客の利便性を向上させるために配布された、顧客用のアプリケーションソフトウェアを起動させる操作や、単に顧客端末6を起動させる操作などが挙げられる。
【0076】
図6に示すユーザインターフェースは、表示領域として、商品等スキャンカメラエリアA1と、決済対象の商品等の情報の表示エリアA2と、場内購入操作エリアA3と、場内購入カート情報表示エリアA4とを含むように構成されている。
【0077】
商品等スキャンカメラエリアA1は、複合商業施設の実店舗にて提供されている第一商品等及び第二商品等またはこれらの商品等に付されている識別情報(例えば、バーコード等)を撮像する際、撮像対象の第一商品等及び第二商品等またはこれらの商品等に付されている識別情報を表示させる表示領域である。顧客端末6を操作する顧客は、商品等スキャンカメラエリアA1に撮像対象の第一商品等及び第二商品等またはこれらの商品等に付されている識別情報を表示させた状態で、撮像するための所定の操作(例えば、カーソルLを合わせてシャッターボタンB1を押下する操作)を行う。すると、撮像画像のデータから得られる決済対象の商品等の情報に基づいて、顧客が購入を検討する第一商品等または第二商品等が特定される。
【0078】
表示エリアA2は、顧客が購入を検討する第一商品等または第二商品等の基本的な内容を示す情報、および商品等の販売促進に資する情報等が表示される表示領域である。表示エリアA2には、「>>もっと見る」と表記されたボタンB2が表示されている。ボタンB2が押下されると、表示エリアA2に表示しきれない情報が表示される。なお、ボタンB2が押下されたときに表示される情報の詳細については、図7を参照して後述する。
【0079】
場内購入操作エリアA3は、表示エリアA2に表示された第一商品等または第二商品等の購入に関する操作を行うための情報が表示される表示領域である。具体的には、場内購入操作エリアA3には、購入する数量を選択する操作を行うためのボタン、購入対象となる第一商品等または第二商品等を選択する操作(いわゆるカートインの操作)を行うためのボタン等が表示される。
【0080】
場内購入カート情報表示エリアA4は、購入対象として選択された(いわゆるカートインの操作が行われた)第一商品等または第二商品等が表示される表示領域である。場内購入カート情報表示エリアA4には、例えば、購入対象として選択された第一商品等または第二商品等の情報がそのまま表示されていてもよいし、購入対象として選択された第一商品等または第二商品等の情報を表示させるためのボタン(例えば、購入用のカートを模したアイコン)が表示されていてもよい。
【0081】
図7は、図6に示すボタンB2が押下されたときに顧客端末6に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図6のボタンB2が押下されると、図6の表示エリアA2が拡大表示されるとともに、表示領域としての場内提供商品等のレコメン表示エリアA5と、ECのレコメンド商品等表示エリアA6と、商品等レビュー評価表示エリアA7と、カート内容表示エリアA8とが表示される。
【0082】
拡大表示された表示エリアA2には、「ネットスーパー」と表記されたボタンB3が表示される。ボタンB3が押下されると、購入対象として選択された第一商品等または第二商品等の施設外購入情報が表示される。例えば、複合商業施設のネットスーパーや、他のECサイトにおける購入を支援する情報が表示される。具体的には、複合商業施設のネットスーパーの購入用のカートにカートインされたことを示す情報などが表示される。カートインされたことを示す情報としては、例えば、購入用のカートを模したアイコンに第一商品等または第二商品等が入る様子をアニメーション化した情報などが挙げられる。
【0083】
場内提供商品等のレコメン表示エリアA5には、表示エリアA2に表示されている第一商品等または第二商品等との関連、顧客の購入履歴、顧客の属性に基づいてレコメンドされた商品Iの情報が表示される。レコメンドされた商品Iの情報が選択されると、その商品Iが陳列されている棚Hの位置、及びその棚Hのどの位置に陳列されているのかを示す情報が表示される。また、商品Iの施設外購入情報を表示させるためのボタンとして、「ネットスーパー」と表記されたボタンB4が表示される。
【0084】
ECのレコメンド商品等表示エリアA6には、表示エリアA2に表示されている第一商品等または第二商品等との関連、顧客の購入履歴、顧客属性に基づいてレコメンドされたECサイトの商品の情報が表示される。レコメンドされたECサイトの商品の情報が選択されると、その商品の施設外購入情報として、図示はしないが、ECサイトの商品を購入するための操作画面が表示される。ECサイトの商品を購入するための操作画面には、例えば、配送日時を選択するための操作ボタン、ECサイトのカートの内容を表示させるための操作ボタン、購入操作を行うための操作ボタンなどが表示される。
【0085】
商品等レビュー評価表示エリアA7には、複合商業施設Mの実店舗での購入と、オンラインでの購入とを合わせた、顧客による第一商品等または第二商品のレビューに関する情報が表示される。レビューに係る商品を示すアイコンを選択する操作が行われると、そのレビューの詳細な情報が表示される。また、商品等レビュー評価表示エリアA7には、「この商品のレビューを書く」と表示されたボタンB5が表示されている。ボタンB5が押下されると、図示はしないが、レビューを入力するための入力画面が表示される。
【0086】
カート内容表示エリアA8には、カートの内容のヘッダ部の情報が表示される。例えば、カート内容表示エリアA8には、買上げ点数、合計金額などの情報がフロート表示される。カート内容表示エリアA8を上方にスライドさせる操作が行われると、カート全体の内容がスクロール表示される。また、カート内容表示エリアA8に表示させるカートの種類を、実店舗、ネットスーパー、ECの各々を示すタブで切替表示させることもできる。
【0087】
(ユーザインターフェースの変形例1)
図8は、図6に示すボタンB2が押下されたときに顧客端末6に表示されるユーザインターフェースの変形例を示す図である。
図8に示すユーザインターフェースは、上述の図7の例と同様に、図6の表示エリアA2が拡大表示されるとともに、表示領域としての場内提供商品等のレコメン表示エリアA5と、商品等レビュー評価表示エリアA7とが表示され、さらに、表示領域としてのオンライン購入情報表示エリアA9が表示される。なお、図8に示すユーザインターフェースは、上述の図7の例とは異なり、カート内容表示エリアA8は表示されない。
【0088】
オンライン購入情報表示エリアA9には、表示領域として、複合商業施設Mのネットスーパーでの購入情報表示エリアA9-1と、上述の図7のECのレコメンド商品等表示エリアA6と同様のECのレコメンド商品等表示エリアA9-2とが表示される。このうち、複合商業施設Mのネットスーパーでの購入情報表示エリアA9-1には、複合商業施設Mのネットスーパーでオンライン購入するための基本情報が表示される。
【0089】
複合商業施設Mのネットスーパーでの購入情報表示エリアA9-1を選択する操作が行われると、表示エリアA2に表示されている第一商品等または第二商品等の施設外購入情報として、図示はしないが、表示エリアA2に表示されている第一商品等または第二商品等を複合商業施設Mのネットスーパーで購入するための操作画面が表示される。この操作画面には、例えば、店舗を選択するための操作ボタン、配送日時を選択するための操作ボタン、複合商業施設Mのネットスーパーのカートの内容を表示させるための操作ボタン、購入操作を行うための操作ボタンなどが表示される。
【0090】
(ユーザインターフェースの変形例2)
図9は、顧客端末6に表示されるユーザインターフェースの変形例を示す図である。
図9に示すユーザインターフェースは、表示領域としての特典情報表示エリアA11と、販促値割引情報表示エリアA12と、レコメンド情報表示エリアA13とが表示される。
特典情報表示エリアA11には、例えば、クーポンによるサービスの利用や商品の受領、商品購入時の値割引、ボーナスポイントの付与等の特典情報が表示される。販促値割引情報表示エリアA12には、商品販促情報による値割引に関する情報が表示される。レコメンド情報表示エリアA13には、商品のレコメンドに関する情報が表示される。
【0091】
顧客は、図9に示すユーザインターフェースから、現在来店中の実店舗で購入可能な商品の情報、複合商業施設Mのネットスーパーで購入可能な商品の情報、及び商品の在庫に関する情報を、視覚を通じて容易に把握できる。これにより、顧客は、今すぐ実店舗で購入する商品であるか、あるいはネットスーパーで購入して後日配送してもらう商品であるかの判断が容易になる。
【0092】
特典情報を特典情報表示エリアA11に表示させることで、例えば、複合商業施設Mの実店舗での買い物と、複合商業施設Mのネットスーパーでの買い物とにおける特典情報を共通化させることができる。この場合、顧客は、顧客端末6を操作することで、複合商業施設Mの実店舗とネットスーパーとの両方で利用可能な特典情報(例えば、クーポン数など)を確認し利用できる。これにより、例えば、複合商業施設Mの実店舗のみを利用する顧客と、複合商業施設Mの実店舗とネットスーパーのみを利用する顧客とでクーポンの利用可能回数の標準化を図ることができる。また、例えば、顧客に対してクーポンの利用可能回数を分かりやすくすることができる。これに対して、特典情報を共通化することなく、複合商業施設Mの実店舗でのみ利用可能なクーポンと、複合商業施設Mのネットスーパーでのみ利用可能なクーポンとをそれぞれ利用できるようにすることもできる。
【0093】
また、上述のクーポンを、特定の商品(例えば、プレミアムの数量限定商品など)に対する引換券として利用できるようにすることもできる。また、複合商業施設Mの実店舗と、複合商業施設Mのネットスーパーとの購入履歴を共通管理することもできる。これにより、顧客1人につき購入できる商品の数量を制限することができるので、例えば、転売目的など不正目的による過剰購入を防ぐことができる。例えば、商品の購入数量を制限するためにクーポンを引換券として用いた場合、顧客に対する数量限定商品の訴求が可能となる。また、顧客自身の購入の権利の把握が容易になる。
【0094】
また、商品販促情報による値割引に関する情報を販促値割引情報表示エリアA12に表示させることで、複合商業施設Mの実店舗での買い物と、複合商業施設Mのネットスーパーでの買い物とを同一にすることができるので、公平感を高めることができる。また、これに対して、複合商業施設Mの実店舗と、複合商業施設Mのネットスーパーとで異なる値割引を適用することもできる。これにより、例えば、商品の配送などの作業に要する費用が発生するネットスーパーの値割引を少なくして利益を確保することもできる。
【0095】
また、商品のレコメンドに関する情報をレコメンド情報表示エリアA13に表示させることで、レコメンドされる商品について、顧客ごとの実店舗とネットスーパーとの両方の購入履歴を組み合わせたデータの受信が可能となる。そして、顧客ごとの実店舗とネットスーパーとの両方の購入履歴を組み合わせたデータに基づく商品のレコメンドが可能となる。この場合、顧客ごとの実店舗とネットスーパーとの両方の購入履歴をAI(人工知能)に学習させることで、レコメンドされる商品の幅を広げることもできる。
【0096】
(ユーザインターフェースの変形例3)
本実施形態においては、第一決済装置または第二決済装置から決済対象の商品等の情報を受信したことに応じて、顧客からの更なる操作を要せず第一の商品または役務あるいは第二の商品または役務を購入するための電子的なショッピングカートに入れるための情報を第一決済装置または第二決済装置に送信する自動カートイン部をさらに備えてもよい。
【0097】
図10(A)及び(B)は、顧客端末6に表示されるユーザインターフェースの変形例を示す図である。図10(A)は、自動カートイン機能が「ON」になったときの状態を示している。図10(B)は、自動カートイン機能が「OFF」になったときの状態を示している。
図10(A)及び(B)に示すユーザインターフェースは、表示領域として、商品等スキャンカメラエリアA21と、表示エリアA22と、カートイン操作エリアA23と、場内購入カート情報表示エリアA24とを含むように構成されている。なお、場内購入カート情報表示エリアA24には、上述の図6の場内購入カート情報表示エリアA4と同様の情報が表示される。
【0098】
商品等スキャンカメラエリアA21には、上述の図6の商品等スキャンカメラエリアA1に表示される情報に加えて、「クイックカートイン」と表記されたON/OFFボタンB6が表示される。ここで、図10(A)に示すように、ON/OFFボタンB6を「ON」にする操作が行われると、自動カートイン機能が「ON」になり、撮像した商品が自動でカートインされる。これにより、商品を1つずつ順番に撮像しながらカートに追加する場合に比べて、直感的で効率のよい操作が可能となる。自動カートイン機能は、異なる商品を多く購入する場合などに有効である。
【0099】
表示エリアA22には、上述の図6の表示エリアA2に表示される情報に加えて、自動カートイン機能に対応する情報が表示される。例えば、自動カートイン機能が「ON」になり、撮像した商品が自動でカートインされると、表示エリアA22には、自動カートインされた後も、次の商品がスキャンされるまで自動カートインされた商品が表示され続ける。これにより、決済対象の商品等の情報を表示させる詳細画面(図示せず)への動線を残すことができる。また、カートイン操作エリアA23には、撮像した商品が自動でカートインされたことを示す情報が表示される。なお、図10(A)の例では、「カートインされました」というメッセージが表示されている。
【0100】
また、図10(B)に示すように、ON/OFFボタンB6を「OFF」にする操作が行われると、自動カートイン機能が「OFF」になり、撮像した商品の数量を増減させる操作と、手動でカートインさせる操作とが必要になる。ただし、同じ商品をまとめてカートに入れる際に、何度も商品スキャンする必要がなくなる。表示エリアA22には、撮像された商品の情報が表示されるが、その商品を手動でカートインさせる操作が行われると、その商品の表示が消える。これにより、カートインする操作を誤って複数回行ってしまうことを防ぐことができる。また、別の商品が撮像されると、その商品の情報の表示に切り替わる。
【0101】
自動カートイン機能が「OFF」である場合、カートイン操作エリアA23には、撮像された商品の数量を手動で増減変更するための数量設定ボタンB7と、商品を手動でカートインさせるためのカートインボタンB8とが表示されている。顧客は、表示エリアA22に表示された商品について、数量設定ボタンB7で数量を指定したうえで、カートインボタンB8を押下する。これにより、指定した数量の商品がカートインされる。このとき、上述の図10(A)のように、「カートインされました」というメッセージが表示されるようにしてもよい。
【0102】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要とする店舗(例えば、図5のカフェカウンターC1)と、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要としない店舗(例えば、図5の棚H1乃至H3に陳列された商品Iを販売する店舗)とが混在する複合商業施設(例えば、図5の複合商業施設M)において、その場での決済処理と退場時の一括決済処理を一元管理することができるとともに、商業施設からの退場時に従業員端末(例えば、図5の従業員端末5-3)に送信される決済情報に基づいて、従業員(例えば、図5の従業員E3)が適切に顧客の決済処理の確認を行うことができる。
【0103】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0104】
(顧客が顧客端末を使用しない場合)
例えば、上述の実施形態では、顧客が顧客端末6を用いて複合商業施設の商品を購入する構成となっているが、これに限定されない。例えば、会員カード等の媒体によっても複合商業施設を利用できる。
図11は、本実施形態に係る情報処理システムSが適用される、所定の商業施設としての複合商業施設Mの具体例として、図5とは異なる例を示す図である。
【0105】
図11に例示する複合商業施設Mには、入退場ゲートGと、カフェカウンターC1と、ラウンジカウンターC2と、ワインバーカウンターC3と、精算カウンターC4と、棚H1乃至H3とが配置されている。また、複合商業施設Mには、従業員E1乃至E3が配置されており、顧客U1乃至U4が来場している。なお、入退場ゲートG、カフェカウンターC1、ラウンジカウンターC2、ワインバーカウンターC3、棚H1乃至H3、及び従業員E1乃至E3については、上述の図5の例と同様であるため説明を省略する。以下、図11を参照しながら、図5の例と異なる点について説明する。
【0106】
精算カウンターC4は、顧客が複合商業施設Mから退場する際、第二商品等としての商品Iの決済を行うためのカウンターである。精算カウンターC4には、第二決済装置としてのPOS端末3-4が設置されている。また、複合商業施設Mに来場している顧客U1乃至U4の各々は、会員カードD1乃至5の各々を所持している。会員カードD1乃至5の各々には、顧客U1乃至U4の各々を特定する情報が対応付けられた2次元コードが印刷されている。
【0107】
顧客U1は、複合商業施設Mに入場するために入退場ゲートGを通過しようとしている。このとき、顧客U1は、会員カードD1に印刷された2次元コードを、入退場ゲートGの近傍に設置されたゲート端末4に読み取らせる。すると、ゲート端末4は、2次元コードを読み取ると、管理サーバ1にてその2次元コードに対応付けられている顧客を特定する情報を受信する。顧客U1を特定する情報を受信したゲート端末4は、その顧客を特定する情報を入場情報とともに管理サーバ1に向けて送信する。
【0108】
顧客U2は、複合商業施設Mに配置されているカフェカウンターC1で、第一商品等としてのコーヒーを注文し、その代金を支払おうとしている。このとき、顧客U2は、会員カードD2に印刷された2次元コードを、カフェカウンターC1に設置された、決済処理を行うPOS端末3-1に読み取らせる。すると、POS端末3-1は、顧客U2を特定する情報及び決済対象の商品等の情報と、タッチパネル等に入力された情報と、会員カードD2から読み取った2次元コードに対応付けられた顧客を特定する情報とに基づいて、決済サーバ2との間で決済処理を完了させる。
【0109】
顧客U3は、棚H1に陳列されている第二商品等としての商品Iの購入を検討している。顧客U3は、商品Iの購入を決めると、商品Iをカート内に入れ、他の商品の購入検討の後、退場時に精算カウンターC4にて他の購入商品と一括して商品Iの決済を行う。具体的には、顧客U3は、会員カードD3に印刷された2次元コードを、精算カウンターC4に設置された、第二決済処理を行うPOS端末3-4に読み取らせる。すると、POS端末3-4は、顧客U3を特定する情報及び決済対象の商品等の情報と、タッチパネル等に入力された情報と、会員カードD3から読み取った2次元コードに対応付けられた顧客を特定する情報とに基づいて、決済サーバ2との間で決済処理を完了させる。
【0110】
顧客U4は、複合商業施設Mから退場するために入退場ゲートGを通過しようとしている顧客である。このとき、顧客U4は、会員カードD3に印刷された2次元コードを、入退場ゲートGの近傍に設置されたゲート端末4に読み取らせる。ゲート端末4は、2次元コードを読み取ると、管理サーバ1にてその2次元コードに対応付けられている顧客を特定する情報を受信する。顧客U4を特定する情報を受信したゲート端末4は、その顧客を特定する情報を退場情報とともに管理サーバ1に向けて送信する。このとき、入退場ゲートGに自動扉が設けられている場合には、第一決済装置及び第二決済装置による顧客U4の決済処理が問題なく完了しているかどうかに基づいて、自動扉の開閉の制御を行うこともできる。
【0111】
ゲート端末4から管理サーバ1に向けて顧客U4を特定する情報と退場情報とが送信されると、管理サーバ1は、送信されてきた顧客U4を特定する情報及び退場情報を受信し、その顧客を特定する情報に対応する第一決済情報及び第二決済情報を従業員E3に送信する制御を行う。具体的には、管理サーバ1は、顧客U4の第一決済情報及び第二決済情報を従業員E3に送信する手法として、従業員E3の従業員端末5-3の出力部のディスプレイ等に第一決済情報及び第二決済情報を表示させる制御を行う。これにより、従業員E3は、顧客U4の第一決済情報及び第二決済情報を知得できるので、顧客U4が未決済の状態で複合商業施設Mから退場しないかどうかを監視できる。
【0112】
(変形例)
情報処理システムSを構成する管理サーバ1、決済サーバ2、POS端末3、ゲート端末4、従業員端末5、顧客端末6の各々の上述の処理は一例であり、情報処理システムS全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システムS内で分担してもよいし協働してもよい。例えば、管理サーバ1の機能の一部または全部を情報処理システムS内の他の情報処理装置等の機能としてもよいし、情報処理システムS内の他の情報処理装置等の機能の一部または全部を管理サーバ1の機能としてもよい。さらに、管理サーバ1の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システムS全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0113】
(その他)
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、管理サーバ1の機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0114】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0115】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0116】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0117】
換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、(1)本発明の情報処理システムは、所定の商業施設(例えば、図5の複合商業施設M)の決済を管理する情報処理システムであって、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が必要な第一の商品または役務(例えば、図5のカフェカウンターC1で提供される飲食物)にかかる第一決済装置(例えば、図5のカフェカウンターC1に設置されたPOS端末3-1)から、少なくとも顧客(例えば、図5の顧客U2)を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第一決済情報を受信する第一決済情報受信手段(例えば、図3の第一決済情報受信部32)と、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が不要な第二の商品または役務(例えば、図5の複合商業施設Mの棚H1に陳列された商品I)にかかる第二決済装置(例えば、図5の顧客端末6-3、図5の退場時の精算カウンターC4に設置されたPOS端末3-4)から、少なくとも顧客(例えば、図5の顧客U3)を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第二決済情報を受信する第二決済情報受信手段(例えば、図3の第二決済情報受信部33)と、
前記所定の商業施設において、前記顧客が退場時に通過したゲート装置(例えば、図5のゲート端末4)から、前記顧客(例えば、図5の顧客U1)を特定する情報を受信したことに応じて、前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員(例えば、図5の従業員E3)の端末(例えば、図5の従業員端末5-3)に送信する決済情報送信手段(例えば、図3の決済情報送信部37)と、
を備える。
この構成によれば、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要とする店舗と、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要としない店舗とが混在する複合商業施設において、その場での決済処理と退場時の一括決済処理を一元管理することができるとともに、商業施設からの退場時に従業員端末に送信される決済情報に基づいて、従業員が適切に顧客の決済処理の確認を行うことができる。
【0118】
また、(2)前記顧客が前記所定の商業施設の入場時に通過したゲート装置(例えば、図5のゲート端末4)から、前記顧客を特定する情報と、入場日時と、を含む入場情報を受信する入場情報受信手段(例えば、図3の入場情報受信部31)をさらに備え、
前記決済情報送信手段は、前記入場情報に基づいて、前記顧客の最新の入場日時の後の前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員の端末に送信してもよい。
この構成によれば、従業員は、最新の入場日時よりも後のタイミングで決済が行われた情報のみを参照することができるので、迅速な判断を行うことができる。
【0119】
また、(3)前記顧客が前記所定の商業施設の退場時に通過したゲート装置(例えば、図5のゲート端末4)から、前記顧客を特定する情報と、退場日時と、を含む退場情報を受信する退場情報受信手段(例えば、図3の退場情報受信部36)をさらに備え、
前記決済情報送信手段は、前記入場日時の受信後前記退場日時の受信の記録がない場合に、前記従業員の端末に警報を出力するための情報を送信してもよい。
この構成によれば、従業員は、前回入場してから退場処理をせずに再び入場した顧客を特定して声がけ等をすることができる。また、コンバージョンしなかった客に適宜インタビュー、アンケート等ができる。さらに、将来ゲートデバイス等が進歩すれば実効性も上がることが期待できる。
【0120】
また、(4)前記第一決済装置から前記第一の商品または役務の情報を受信したことあるいは前記第二決済装置から前記第二の商品または役務の情報を受信したことに応じて、前記第一の商品または役務あるいは前記第二の商品または役務を前記所定の商業施設以外で購入指示を入力するための施設外購入情報(例えば、上述の施設外購入支援情報)を前記第一決済装置または前記第二決済装置に送信する施設外購入可能化手段(例えば、図3の施設外購入可能化部34)をさらに備えてもよい。
この構成によれば、リアル商業施設での商品または役務画像のスキャン等を契機として、当該リアル商業施設以外での購入機会をシームレスに提供することで売上機会損失を抑制できる。
【0121】
また、(5)前記第一決済装置から前記第一の商品または役務の情報を受信したことあるいは前記第二決済装置から前記第二の商品または役務の情報を受信したことに応じて、前記第一の商品または役務あるいは前記第二の商品または役務を前記所定の商業施設(例えば、図5の複合商業施設Mの実店舗)及びオンラインショッピング(例えば、図5の複合商業施設Mのネットスーパーや、他のECサイトなど)で使用可能な特典を出力するための特典情報(例えば、上述の特典情報)の引換券などを前記第一決済装置または前記第二決済装置に送信する特典付与手段(例えば、図3の特典付与部35)をさらに備えてもよい。
この構成によれば、リアル商業施設での商品または役務画像のスキャン等を契機として、当該リアル商業施設及びオンラインショッピングで使用可能な割引クーポンや商品引換券を提示することで、リアル商業施設及びオンラインショッピングトータルの売上機会を促進するとともに、数量限定の販促キャンペーンを容易に実施したり、いわゆる転売ヤーによる不正転売行為を抑制する(引換券の管理により個人による大量購入を禁止する)ことができる。
【0122】
また、(6)前記第一決済装置から前記第一の商品または役務の情報を受信したことあるいは前記第二決済装置から前記第二の商品または役務の情報を受信したことに応じて、前記顧客からの更なる操作を要せず前記第一の商品または役務あるいは前記第二の商品または役務を購入するための電子的なショッピングカートに入れるための情報を前記第一決済装置または前記第二決済装置に送信する自動カートイン手段(例えば、図3の自動カートイン部38)をさらに備えてもよい。
この構成によれば、連続した商品スキャンや複数個の同一商品購入等、顧客のスキャンニーズに応じてカートイン行為を容易にすることができる。
【0123】
また、(7)本発明の情報処理装置は、所定の商業施設(例えば、図5の複合商業施設M)の決済を管理する情報処理装置であって、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が必要な第一の商品または役務(例えば、図5のカフェカウンターC1で提供される飲食物)にかかる第一決済装置(例えば、図5のカフェカウンターC1に設置されたPOS端末3-1)から、少なくとも顧客(例えば、図5の顧客U2)を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第一決済情報を受信する第一決済情報受信手段(例えば、図3の第一決済情報受信部32)と、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が不要な第二の商品または役務(例えば、図5の複合商業施設Mの棚H1に陳列された商品I)にかかる第二決済装置(例えば、図5の顧客端末6-3、図5の退場時の精算カウンターC4に設置されたPOS端末3-4)から、少なくとも顧客(例えば、図5の顧客U3)を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第二決済情報を受信する第二決済情報受信手段(例えば、図3の第二決済情報受信部33)と、
前記所定の商業施設において、前記顧客が退場時に通過したゲート装置(例えば、図5のゲート端末4)から、前記顧客(例えば、図5の顧客U1)を特定する情報を受信したことに応じて、前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員(例えば、図5の従業員E3)の端末(例えば、図5の従業員端末5-3)に送信する決済情報送信手段(例えば、図3の決済情報送信部37)と、
を備える。
この構成によれば、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要とする店舗と、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要としない店舗とが混在する複合商業施設において、その場での決済処理と退場時の一括決済処理を一元管理することができるとともに、商業施設からの退場時に従業員端末に送信される決済情報に基づいて、従業員が適切に顧客の決済処理の確認を行うことができる。
【0124】
また、(8)本発明の情報処理方法は、所定の商業施設(例えば、図5の複合商業施設M)の決済を管理する情報処理方法であって、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が必要な第一の商品または役務(例えば、図5のカフェカウンターC1で提供される飲食物)にかかる第一決済装置(例えば、図5のカフェカウンターC1に設置されたPOS端末3-1)から、少なくとも顧客(例えば、図5の顧客U2)を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第一決済情報を受信するステップと、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が不要な第二の商品または役務(例えば、図5の複合商業施設Mの棚H1に陳列された商品I)にかかる第二決済装置(例えば、図5の顧客端末6-3、図5の退場時の精算カウンターC4に設置されたPOS端末3-4)から、少なくとも顧客(例えば、図5の顧客U3)を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第二決済情報を受信するステップと、
前記所定の商業施設において、前記顧客が退場時に通過したゲート装置(例えば、図5のゲート端末4)から、前記顧客(例えば、図5の顧客U1)を特定する情報を受信したことに応じて、前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員(例えば、図5の従業員E3)の端末(例えば、図5の従業員端末5-3)に送信するステップと、
を備える。
この構成によれば、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要とする店舗と、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要としない店舗とが混在する複合商業施設において、その場での決済処理と退場時の一括決済処理を一元管理することができるとともに、商業施設からの退場時に従業員端末に送信される決済情報に基づいて、従業員が適切に顧客の決済処理の確認を行うことができる。
【0125】
また、(9)本発明が適用されるプログラムは、所定の商業施設の決済を管理するプログラムであって、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が必要な第一の商品または役務(例えば、図5のカフェカウンターC1で提供される飲食物)にかかる第一決済装置(例えば、図5のカフェカウンターC1に設置されたPOS端末3-1)から、少なくとも顧客(例えば、図5の顧客U2)を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第一決済情報を受信するステップと、
前記所定の商業施設において、その場での決済処理が不要な第二の商品または役務(例えば、図5の複合商業施設Mの棚H1に陳列された商品I)にかかる第二決済装置(例えば、図5の顧客端末6-3、図5の退場時の精算カウンターC4に設置されたPOS端末3-4)から、少なくとも顧客(例えば、図5の顧客U3)を特定する情報と、決済の対象となった商品または役務の情報と、を含む第二決済情報を受信するステップと、
前記所定の商業施設において、前記顧客が退場時に通過したゲート装置(例えば、図5のゲート端末4)から、前記顧客(例えば、図5の顧客U1)を特定する情報を受信したことに応じて、前記第一決済情報及び前記第二決済情報を前記所定の商業施設にかかる従業員(例えば、図5の従業員E3)の端末(例えば、図5の従業員端末5-3)に送信するステップと、
をコンピュータにより実行させる。
この構成によれば、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要とする店舗と、商品または役務の提供が行われる場での決済処理を必要としない店舗とが混在する複合商業施設において、その場での決済処理と退場時の一括決済処理を一元管理することができるとともに、商業施設からの退場時に従業員端末に送信される決済情報に基づいて、従業員が適切に顧客の決済処理の確認を行うことができる。
【符号の説明】
【0126】
1:管理サーバ、2:決済サーバ、3:POS端末、4:ゲート端末、5:従業員端末、6:顧客端末、11:CPU、18:記憶部、19:通信部、31:入場情報受信部、32:第一決済情報受信部、33:第二決済情報受信部、34:施設外購入可能化部、35:特典付与部、36:退場情報受信部、37:決済情報送信部、38:自動カートイン部、41:顧客情報DB、42:入場情報DB、43:商品情報DB、44:第1決済情報DB、45:第2決済情報DB、46:退場情報DB、S:情報処理システム、N:ネットワーク
図1
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図3
図4
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図7
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