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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172426
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20241205BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G01N35/04 A
G01N35/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090137
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】小森 裕也
(72)【発明者】
【氏名】下平 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 誠
(72)【発明者】
【氏名】児玉 究
(72)【発明者】
【氏名】松田 勇
(72)【発明者】
【氏名】瀬町 崇浩
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CD04
2G058CF11
2G058CF22
2G058EA02
2G058EA04
2G058GA01
2G058GE04
(57)【要約】
【課題】試料の分析精度を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る自動分析装置は、反応ディスクと、駆動部と、測光部と、算出部と、を備える。反応ディスクは、試料と試薬とが混合された反応液を保持する反応容器を、円周上に配置して保持する。駆動部は、反応ディスクの回転が等速状態である等速区間、反応ディスクの回転が停止状態から等速区間に達するまでの加速区間、及び反応ディスクの回転が等速区間から停止状態に達するまでの減速区間において反応ディスクを回転させる。測光部は、駆動部による反応ディスクの回転によって測光位置を通過した反応容器に保持された反応液を測光する。算出部は、等速区間、加速区間、及び減速区間のうち、少なくとも加速区間又は減速区間における測光部による反応液の測光によって取得された測定データを用いて、試料の分析値を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料と試薬とが混合された反応液を保持する反応容器を、円周上に配置して保持する反応ディスクと、
前記反応ディスクの回転が等速状態である等速区間、前記反応ディスクの回転が停止状態から前記等速区間に達するまでの加速区間、及び前記反応ディスクの回転が前記等速区間から前記停止状態に達するまでの減速区間において前記反応ディスクを回転させる駆動部と、
前記駆動部による前記反応ディスクの回転によって測光位置を通過した前記反応容器に保持された前記反応液を測光する測光部と、
前記等速区間、前記加速区間、及び前記減速区間のうち、少なくとも前記加速区間又は前記減速区間における前記測光部による前記反応液の測光によって取得された測定データを用いて、前記試料の分析値を算出する算出部と、を備える自動分析装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記加速区間及び前記減速区間の少なくとも一方の区間における前記反応液の測光により取得された測定データの重み付けを、前記等速区間における前記反応液の測光により取得された測定データの重み付けよりも大きくする、請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記算出部は、重み付けが行われた前記測定データの平均値又は中央値を算出することで、前記分析値を算出する、請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記算出部は、重み付けが行われた前記測定データを用いて近似される一次関数の傾きを算出することで、前記分析値を算出する、請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記測定データは、複数回の測光サイクルでの前記測光部による前記反応液の測光によって取得された複数の測定値を含んでおり、
前記算出部は、前記測定データに含まれる前記複数の測定値のうち、前記反応液の反応の終盤の測光サイクルで取得された測定値を用いて、前記分析値を算出する、請求項3又は4に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記算出部は、1回の測光サイクルにおける前記測光部による少なくとも1つの測光点での測光によって取得された少なくとも1つの測光値に基づいて、1つの前記測定値を算出し、前記測光点の数に応じて前記測定データに含まれる複数の測定値の重み付けを行うことで、前記測定データの重み付けを行う、請求項5に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記加速区間及び前記減速区間の少なくとも一方で行われる測光における前記測光点の数は、前記等速区間で行われる測光における前記測光点の数よりも多い、請求項6に記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記加速区間内及び前記減速区間内における前記反応ディスクの回転速度が遅いときに行われる測光における前記測光点の数は、前記加速区間内及び前記減速区間内における前記反応ディスクの回転速度が速いときに行われる測光における前記測光点の数よりも多い、請求項6に記載の自動分析装置。
【請求項9】
前記測定値は、前記少なくとも1つの測光値の代表値である、請求項6に記載の自動分析装置。
【請求項10】
前記代表値は、前記少なくとも1つの測光値の平均値、中央値又は積分値である、請求項9に記載の自動分析装置。
【請求項11】
前記算出部は、前記測光位置に停止した前記反応容器に保持された前記反応液を前記測光部が測光することにより取得された測定データを更に用いて、前記分析値を算出する、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の自動分析装置。
【請求項12】
前記算出部は、前記反応容器が前記測光位置に停止したときの測光により取得された測定データの重み付けを、前記加速区間及び前記減速区間の少なくとも一方の区間における測光により取得された測定データの重み付けよりも大きくする、請求項11に記載の自動分析装置。
【請求項13】
前記算出部は、前記等速区間における前記測光部による前記反応液の測光によって取得された第2の測定データを用いて、前記試料の第2の分析値を算出する、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の自動分析装置。
【請求項14】
前記駆動部による前記反応ディスクの回転によって第2の測光位置を通過した前記反応容器に保持された前記反応液を測光する第2の測光部を更に備え、
前記算出部は、前記第2の測光部が前記等速区間において前記反応液を測光することにより取得された第3の測定データを用いて、第3の分析値を算出する、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の自動分析装置。
【請求項15】
前記算出部は、前記測光部による前記反応液の測光によって取得された測定データに基づいて、前記分析値として低濃度の測定項目の濃度を算出し、前記第2の測光部による前記反応液の測光によって取得された前記第3の測定データに基づいて、前記第3の分析値として通常濃度の測定項目の濃度を算出する、請求項14に記載の自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動分析装置では、反応ディスクに保持された反応容器内に試薬と試料とを分注し、試薬と試料とが混合された反応液を測光部によって測光することで、試料の検査項目を分析することが行われていた。このような自動分析装置において、反応ディスクを駆動する駆動部は、反応ディスクが加速区間、等速区間、及び減速区間を有するように、反応ディスクの回転速度を台形状に変化させながら反応ディスクの回転と停止とを繰り返させる。また、自動分析装置は、反応ディスクが等速区間にあるときに測光部を通過する反応容器内の反応液を測光することで取得された測定データに基づいて、試料成分の濃度を算出していた。一方、反応ディスクが加減速区間にあるときは、主に洗浄中の反応容器が測光位置を通過していた。
【0003】
しかしながら、従来の自動分析装置では、反応ディスクが最高速度を有する等速区間において測光位置を通過する反応容器に対して、少ない測光点数での測光を行い、少ない測光点数での測光によって取得された測定データに基づいて試料成分の濃度を演算していた。このため、従来の自動分析装置では、試料の分析精度を向上させることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-223845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、試料の分析精度を向上させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る自動分析装置は、反応ディスクと、駆動部と、測光部と、算出部と、を備える。反応ディスクは、試料と試薬とが混合された反応液を保持する反応容器を、円周上に配置して保持する。駆動部は、反応ディスクの回転が等速状態である等速区間、反応ディスクの回転が停止状態から等速区間に達するまでの加速区間、及び反応ディスクの回転が等速区間から停止状態に達するまでの減速区間において反応ディスクを回転させる。測光部は、駆動部による反応ディスクの回転によって測光位置を通過した反応容器に保持された反応液を測光する。算出部は、等速区間、加速区間、及び減速区間のうち、少なくとも加速区間又は減速区間における測光部による反応液の測光によって取得された測定データを用いて、試料の分析値を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る自動分析装置の構成の一例を示すブロック図。
図2図2は、第1の実施形態に係る自動分析装置において、図1に示される分析機構の構成を示す図。
図3図3は、第1の実施形態に係る自動分析装置の動作例を示すフローチャート。
図4図4は、第1の実施形態に係る自動分析装置の動作例において、反応液の測定値の時間変化を示すグラフ。
図5図5は、第1の実施形態に係る自動分析装置の動作例において、反応ディスクの回転速度と測光点数との関係を説明するための説明図。
図6図6は、比較例に係る自動分析装置の動作例において、反応ディスクの回転速度と測光ユニットを通過する反応容器との関係を示す図。
図7図7は、第1の実施形態に係る自動分析装置の動作例において、反応ディスクの回転速度と測光ユニットを通過する反応容器との関係を示す図。
図8図8は、第1の実施形態に係る自動分析装置の動作例において、測定値を用いた重み付け平均の算出の一例を説明するためのグラフ。
図9図9は、第1の実施形態に係る自動分析装置の動作例において、図8に対応する重み付け平均の算出結果を示す図。
図10図10は、第1の実施形態の変形例に係る自動分析装置の動作例において、反応ディスクの回転速度と測光ユニットを通過する反応容器との関係を示す図。
図11図11は、第2の実施形態に係る自動分析装置の動作例を示すフローチャート。
図12図12は、第2の実施形態に係る自動分析装置の動作例において、反応ディスクの回転速度と測光ユニットを通過する反応容器との関係を示す図。
図13図13は、第3の実施形態に係る自動分析装置の動作例を示すフローチャート。
図14図14は、第3の実施形態に係る自動分析装置の動作例を説明するための説明図。
図15図15は、第4の実施形態に係る自動分析装置の動作例を説明するための説明図。
図16図16は、第5の実施形態に係る自動分析装置の動作例において、反応液の測定値の時間変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、自動分析装置の実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る自動分析装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示される自動分析装置1は、分析機構2と、解析回路3と、駆動機構4と、入力インタフェース5と、出力インタフェース6と、通信インタフェース7と、記憶回路8と、制御回路9とを備える。駆動機構4は、駆動部の一例である。
【0010】
分析機構2は、標準試料(すなわち、キャリブレータ)及び被検試料等の試料に、この試料に設定される各検査項目で用いられる試薬を添加することで、試料と試薬とが混合された反応液(すなわち、混合液)を得る。分析機構2は、反応液を測定し、例えば吸光度、蛍光強度、又は散乱光量で表される標準データ及び被検データを生成する。標準データは、含まれる検出対象の濃度が既知の標準試料についての、吸光度、蛍光強度、又は散乱光量の測定データ、或いは、発光や燐光又はそれらの組み合わせの測定データを表す。また、被検データは、被検試料についての吸光度、蛍光強度又は散乱光量の測定データを表す。なお、以下の説明において、標準試料と被検試料とを区別せずに表現する場合は、単に「試料」と呼ぶことがある。
【0011】
解析回路3は、分析機構2により生成される標準データ、及び被検データを解析し、検量データ、及び分析データ等を生成するプロセッサである。検量データは、例えば、標準データと、標準試料について予め設定された標準検量線との関係を示す。標準検量線は、例えば、標準試料を使って試薬メーカーが算出した測定精度の高い検量線である。また、分析データは、被検データを検量データに基づいて分析することで得られる、例えば、濃度値、及び酵素の活性値として表されるデータである。
【0012】
解析回路3は、記憶回路8に記憶されている動作プログラムを実行し、この動作プログラムに対応する機能を実現することで、検量データ及び分析データ等を生成する。例えば、解析回路3は、吸光度又は散乱光量が既知で濃度が0の標準試料と、吸光度又は散乱光量が既知で、濃度がそれぞれ既知である複数の標準試料とについて得られた標準データ、これらの標準試料について予め設定された標準検量線、及び予め設定された測光タイミング等に基づき、検量データを算出する。また、解析回路3は、被検データ、この被検データに対応する検査項目の検量データ、及び予め設定された測光タイミング等に基づき、分析データを生成する。解析回路3は生成した検量データ、及び分析データ等を制御回路9へ出力する。
【0013】
駆動機構4は、制御回路9の制御に従い、分析機構2を駆動させる。駆動機構4は、例えば、ギア、ステッピングモータ、ベルトコンベア、及びリードスクリュー等により実現される。
【0014】
入力インタフェース5は、例えば、操作者から、又は病院内ネットワークNWを介して測定を依頼された試料に係る各検査項目の分析パラメータ等の設定を受け付ける。入力インタフェース5は、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパッド等により実現される。入力インタフェース5は、制御回路9に接続され、操作者から入力される操作指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御回路9へ出力する。なお、本明細書において入力インタフェース5はマウス、及びキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、自動分析装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路9へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース5の例に含まれる。
【0015】
出力インタフェース6は、制御回路9に接続され、制御回路9から供給される信号を出力する。出力インタフェース6は、例えば、表示回路、及び印刷回路等により実現される。表示回路には、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等が含まれる。なお、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換し、ビデオ信号を外部へ出力する処理回路も表示回路に含まれる。印刷回路は、例えば、プリンタ等を含む。なお、印刷対象を表すデータを外部へ出力する出力回路も印刷回路に含まれる。
【0016】
通信インタフェース7は、例えば、病院内ネットワークNWと接続する。通信インタフェース7は、病院内ネットワークNWを介してHIS(Hospital Information System)とデータ通信を行う。なお、通信インタフェース7は、病院内ネットワークNWと接続する検査部門システム(Laboratory Information System:LIS)を介してHISとデータ通信を行っても構わない。
【0017】
記憶回路8は、種々の情報を記憶する非一過性の記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、SSD(Solid State Drive)、及び集積回路記憶装置等である。記憶回路8は、例えば、自動分析装置1を制御する制御プログラムと、この制御プログラムの実行に用いられる各種のデータとを記憶する。記憶回路8は、HDD及びSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体、或いはRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。なお、記憶回路8は、必ずしも単一の記憶装置により実現される必要は無い。例えば、記憶回路8は、複数の記憶装置により実現されてもよい。
【0018】
より具体的には、記憶回路8は、解析回路3で実行される動作プログラム、及び制御回路9で実行される動作プログラムを記憶している。記憶回路8は、分析機構2内に保持されている試薬に関する検量線情報を記憶する。検量線情報には、試薬について予め設定された標準検量線に関するデータが、検査項目毎に含まれている。検量線情報は、通信インタフェース7を介し、例えば、試薬のロット単位で、試薬メーカーから提供される。なお、検量線情報は、例えば、試薬と共に試薬メーカーから提供され、入力インタフェース5から操作者により入力されても構わない。
【0019】
制御回路9は、自動分析装置1の中枢として機能するプロセッサである。制御回路9は、記憶回路8に記憶されている動作プログラムを実行することで、この動作プログラムに対応する機能を実現する。なお、制御回路9は、記憶回路8で記憶されているデータの少なくとも一部を記憶する記憶領域を備えても構わない。
【0020】
図2は、図1に示される分析機構2の構成の一例を示す模式図である。図2に示される分析機構2は、反応ディスク201、恒温部202、サンプルディスク203、第1試薬庫204、及び第2試薬庫205を備える。
【0021】
反応ディスク201は、反応容器2011を所定の経路に沿って搬送する。具体的には、反応ディスク201は、複数の反応容器2011を、環状に配列させて保持する。すなわち、反応ディスク201は、試料と試薬とが混合された反応液を保持する反応容器2011を、円周上に配置して保持する。反応ディスク201は、駆動機構4により、既定の時間間隔(すなわち、サイクル)で回動と停止とが交互に繰り返される。
【0022】
具体的には、駆動機構4は、1サイクル毎に図2の矢印R1方向へ反応ディスク201を回転駆動して、反応ディスク201に保持されている反応容器2011を、反応ディスク201の回転前の位置と異なる位置に移動させる。例えば、駆動機構4は、1サイクル毎の反応ディスク201の回転駆動により、反応ディスク201に保持された反応容器2011を、反応ディスク201の回転駆動前の反応容器2011の位置に対してR1方向に90°ずれた反応容器2011の位置に隣接する位置に停止させる。また、駆動機構4は、4サイクル(すなわち、約1周)毎の反応ディスク201の回転駆動により、反応容器2011を、4サイクルの反応ディスク201の回転駆動前の反応容器2011の位置から1つの反応容器2011分ずれた位置に反応容器2011を停止させる。反応容器2011の停止位置の中には、後述するサンプル吐出位置、第1試薬吐出位置、第2試薬吐出位置、第1攪拌位置、第2攪拌位置、及び洗浄位置がある。
【0023】
また、駆動機構4は、1サイクル毎の反応ディスク201の回転駆動において、反応ディスク201の回転速度を変化させる。具体的には、駆動機構4は、反応ディスク201の回転が等速状態である等速区間、反応ディスク201の回転が停止状態から等速区間に達するまでの加速区間、及び反応ディスク201の回転が等速区間から停止状態に達するまでの減速区間において反応ディスク201を回転させる。これにより、反応ディスク201の1サイクルの回転速度は台形状に変化する。
【0024】
反応容器2011は、例えば、ガラスにより形成されている。反応容器2011は、四角柱状を有し、上部に開口部を有している。四角柱を形成する第1乃至第4側壁のうち、第1側壁の外面からは、測光ユニット214に設けられる光源から照射される光が入射される。第1乃至第4側壁のうち、第1側壁と対向する第2側壁の外面からは、第1側壁の外面から入射された光が出射される。
【0025】
恒温部202は、所定の温度に設定された熱媒体を貯留する。恒温部202は、貯留する熱媒体に反応容器2011を浸漬させることで、反応容器2011に収容される反応液を昇温する。
【0026】
サンプルディスク203は、試料を収容する試料容器を複数保持する。サンプルディスク203は、駆動機構4により1サイクル毎に回動及び停止される。なお、この試料容器を搬送する機構は、サンプルディスク203に限られず、サンプルディスク203に代えて1又は複数の試料容器が収容されたラックを所定の位置に搬送するラックサンプラにより構成されてもよい。
【0027】
第1試薬庫204は、標準試料、及び被検試料に含まれる所定の成分と反応する第1試薬を収容する試薬容器2042を複数保冷する。第1試薬は、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)等を含む緩衝液である。試薬容器2042には、試薬ラベルが貼付されている。試薬ラベルには、試薬情報を表す光学式マークが印刷されている。光学式マークには、例えば、1次元画素コード、及び2次元画素コード等、任意の画素コードが用いられる。試薬情報は、試薬容器2042に収容される試薬に関する情報であり、例えば、試薬名、試薬メーカコード、試薬項目コード、ボトル種類、ボトルサイズ、容量、製造ロット番号、及び有効期間等を含む。
【0028】
また、第1試薬庫204は、標準試料を収容する標準試料容器を複数保冷する。標準試料容器には、濃度が異なる同一の成分の標準試料が収容されていても構わない。なお、標準試料容器は、サンプルディスク203に保持されていても構わない。
【0029】
第1試薬庫204内には、試薬ラック2041が回転自在に設けられている。試薬ラック2041は、複数の試薬容器2042、及び複数の標準試料容器を円環状に配列して保持する。試薬ラック2041は、駆動機構4により1サイクル毎に回動及び停止される。また、第1試薬庫204内には、試薬容器2042に貼付されている試薬ラベルから試薬情報を読み取るリーダ(図示せず)が設けられている。読み取られた試薬情報は、記憶回路8で記憶される。
【0030】
第1試薬庫204上の所定の位置には、第1試薬吸引位置が設定されている。第1試薬吸引位置は、例えば、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、試薬ラック2041に円環状に配列される試薬容器2042及び標準試料容器の開口部の移動軌道とが交差する位置に設けられる。
【0031】
第2試薬庫205は、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する試薬容器2052を複数保冷する。第2試薬は、例えば、試料に含まれる所定の抗原又は抗体と、特異的抗原抗体反応により結合又は乖離する抗原又は抗体が固定化された不溶性担体、例えば、担体粒子とを含む溶液である。特異的反応により結合又は乖離するものとして酵素、基質、アプタマー、受容体であっても良い。第2試薬庫205内には、試薬ラック2051が回転自在に設けられている。
【0032】
試薬ラック2051は、複数の試薬容器2052を円環状に配列して保持する。なお、第2試薬庫205において、標準試料を収容する標準試料容器が保冷されていても構わない。試薬ラック2051は、駆動機構4により1サイクル毎に回動及び停止される。また、第2試薬庫205内には、試薬容器2052に貼付されている試薬ラベルから試薬情報を読み取るリーダ(図示せず)が設けられている。読み取られた試薬情報は、記憶回路8で記憶される。
【0033】
第2試薬庫205上の所定の位置には、第2試薬吸引位置が設定されている。第2試薬吸引位置は、例えば、第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、試薬ラック2051に円環状に配列される試薬容器2052の開口部の移動軌道とが交差する位置に設けられる。
【0034】
なお、試薬としては、以上に例示されたものよりも高感度な試薬を用いることもできる。
【0035】
また、図2に示される分析機構2は、サンプル分注アーム206、サンプル分注プローブ207、第1試薬分注アーム208、第1試薬分注プローブ209、第2試薬分注アーム210、第2試薬分注プローブ211、第1攪拌ユニット212、第2攪拌ユニット213、測光ユニット214、及び洗浄ユニット215を備える。測光ユニット214は、測光部の一例である。
【0036】
サンプル分注アーム206は、反応ディスク201とサンプルディスク203との間に設けられている。サンプル分注アーム206は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。サンプル分注アーム206は、一端にサンプル分注プローブ207を保持する。
【0037】
サンプル分注プローブ207は、サンプル分注アーム206の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、サンプルディスク203で保持される試料容器の開口部が位置するようになっている。また、サンプル分注プローブ207の回動軌道上には、サンプル分注プローブ207が吸引した試料を反応容器2011へ吐出するためのサンプル吐出位置が設けられている。サンプル吐出位置は、サンプル分注プローブ207の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道との交点に相当する。
【0038】
サンプル分注プローブ207は、駆動機構4によって駆動され、サンプルディスク203で保持される試料容器の開口部の直上、又は、サンプル吐出位置において上下方向に移動する。また、サンプル分注プローブ207は、サンプル分注プローブ207に接続された分注ポンプの動作にしたがって試料の分注を行う。すなわち、サンプル分注プローブ207は、制御回路9による分注ポンプの制御に従った分注ポンプの吸引動作によって、直下に位置する試料容器から試料を吸引する。また、サンプル分注プローブ207は、制御回路9による分注ポンプの制御に従った分注ポンプの吐出動作によって、吸引された試料をサンプル吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。
【0039】
第1試薬分注アーム208は、第1試薬庫204の外周近傍に設けられている。第1試薬分注アーム208は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。第1試薬分注アーム208は、一端に第1試薬分注プローブ209を保持する。
【0040】
第1試薬分注プローブ209は、第1試薬分注アーム208の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、第1試薬吸引位置が設けられている。また、第1試薬分注プローブ209の回動軌道上には、第1試薬分注プローブ209が吸引した第1試薬、又は標準試料を反応容器2011へ吐出するための第1試薬吐出位置が設定されている。第1試薬吐出位置は、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道との交点に相当する。
【0041】
第1試薬分注プローブ209は、駆動機構4によって駆動され、回動軌道上の第1試薬吸引位置、又は第1試薬吐出位置において上下方向に移動する。第1試薬分注プローブ209は、第1試薬分注プローブ209に接続された第1試薬ポンプの動作にしたがって第1試薬又は標準試料の分注を行う。すなわち、第1試薬分注プローブ209は、制御回路9による第1試薬ポンプの制御に従った第1試薬ポンプの吸引動作によって、第1試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器2042から第1試薬又は標準試料を吸引する。また、第1試薬分注プローブ209は、制御回路9による第1試薬ポンプの制御に従った第1試薬ポンプの吐出動作によって、吸引された第1試薬又は標準試料を第1試薬吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。
【0042】
第2試薬分注アーム210は、第1試薬庫204の外周近傍に設けられている。第2試薬分注アーム210は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。第2試薬分注アーム210は、一端に第2試薬分注プローブ211を保持する。
【0043】
第2試薬分注プローブ211は、第2試薬分注アーム210の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、第2試薬吸引位置が設けられている。また、第2試薬分注プローブ211の回動軌道上には、第2試薬分注プローブ211が吸引した第2試薬を反応容器2011へ吐出するための第2試薬吐出位置が設定されている。第2試薬吐出位置は、第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道との交点に相当する。
【0044】
第2試薬分注プローブ211は、駆動機構4によって駆動され、回動軌道上の第2試薬吸引位置、又は第2試薬吐出位置において上下方向に移動する。第2試薬分注プローブ211は、第2試薬分注プローブ211に接続された第2試薬ポンプの動作にしたがって第2試薬の分注を行う。すなわち、第2試薬分注プローブ211は、制御回路9による第2試薬ポンプの制御に従った第2試薬ポンプの吸引動作によって、第2試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器2052から第2試薬を吸引する。また、第2試薬分注プローブ211は、制御回路9による第2試薬ポンプの制御に従った第2試薬ポンプの吐出動作によって、吸引された第2試薬を第2試薬吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。
【0045】
第1攪拌ユニット212は、反応ディスク201の外周近傍に設けられている。第1攪拌ユニット212は、第1攪拌アーム2121、及び第1攪拌アーム2121の先端に設けられる第1攪拌子を有する。第1攪拌ユニット212は、第1攪拌子により、反応ディスク201上の第1攪拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている標準試料と第1試薬との反応液を攪拌する。また、第1攪拌ユニット212は、第1攪拌子により、反応ディスク201上の第1攪拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている被検試料と第1試薬との反応液を攪拌する。
【0046】
第2攪拌ユニット213は、反応ディスク201の外周近傍に設けられている。第2攪拌ユニット213は、第2攪拌アーム2131、及び第2攪拌アーム2131の先端に設けられる第2攪拌子を有する。第2攪拌ユニット213は、第2攪拌子により、反応ディスク201上の第2攪拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている標準試料と第1試薬と第2試薬との反応液を攪拌する。また、第2攪拌ユニット213は、第2攪拌子により、第2攪拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている被検試料と第1試薬と第2試薬との反応液を攪拌する。
【0047】
測光ユニット214は、反応容器2011内に吐出された試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を測光位置において光学的に測定する。より具体的には、測光ユニット214は、駆動機構4による反応ディスク201の回転によって測光位置を通過した反応容器2011に保持された反応液を測光する。測光ユニット214は、光源、及び光検出器を有する。測光ユニット214は、制御回路9の制御に従い、光源から光を照射する。照射された光は、反応容器2011の第1側壁から入射され、第1側壁と対向する第2側壁から出射される。測光ユニット214は、反応容器2011から出射された光を、光検出器により検出する。
【0048】
例えば、光検出器は、光源から反応容器2011に照射される光の光軸上に配置されている。光検出器は、反応容器2011内の標準試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を透過した光を検出し、検出した光の強度に基づき、吸光度により表される標準データを生成する。また、光検出器は、反応容器2011内の被検試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を透過した光を検出し、検出した光の強度に基づき、吸光度により表される被検データを生成する。測光ユニット214は、生成した標準データ、及び被検データを解析回路3へ出力する。
【0049】
洗浄ユニット215は、洗浄位置に位置する測定が行われた反応容器2011を洗浄する。より具体的には、洗浄ユニット215は、測光ユニット214で反応液の測定が終了した反応容器2011の内部を洗浄する。例えば、洗浄ユニット215は、制御回路9による廃液ポンプの制御に従った廃液ポンプの吸引動作によって、測定が終了した反応容器2011内の反応液を廃液として吸引する。また、洗浄ユニット215は、制御回路9による洗浄ポンプの制御に従った洗浄ポンプの吐出動作によって、廃液が吸引された反応容器2011内への洗浄液の吐出を行う。また、洗浄ユニット215は、制御回路9による洗浄ポンプの制御に従った洗浄ポンプの吸引動作によって、吐出された洗浄液を反応容器2011から吸引する。また、洗浄ユニット215は、制御回路9による乾燥ポンプの制御に従った乾燥ポンプの吐出動作によって、洗浄液が吸引された反応容器2011内への乾燥空気の吐出を行う。
【0050】
制御回路9は、入力インタフェース5から入力される入力操作の電気信号に応じて、自動分析装置1全体の動作を制御する回路である。例えば、制御回路9は、システム制御機能91と、校正制御機能92と、測定制御機能93とを有する。
【0051】
ここで、例えば、図1に示す制御回路9の構成要素であるシステム制御機能91、校正制御機能92、及び測定制御機能93が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路8に記録されている。制御回路9は、例えば、プロセッサである。制御回路9を構成するプロセッサは、記憶回路8から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の制御回路9は、図1の制御回路9内に示された各機能を有することとなる。
【0052】
なお、図1においては、システム制御機能91、校正制御機能92、及び測定制御機能93の各処理機能が単一の制御回路9によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、制御回路9は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、制御回路9が有する各処理機能は、単一又は複数の制御回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0053】
システム制御機能91は、入力インタフェース5から入力される入力情報に基づき、自動分析装置1における各部を統括して制御する機能である。
【0054】
校正制御機能92は、標準データを生成するように、分析機構2、及び駆動機構4を制御する機能である。具体的には、制御回路9は、所定のタイミングで校正制御機能92を実行する。所定のタイミングとは、例えば、初期設定時、装置起動時、メンテナンス時、及び操作者から校正動作開始の指示が入力された際等である。
【0055】
校正制御機能92を実行すると制御回路9は、分析機構2、及び駆動機構4を制御する。分析機構2、及び駆動機構4が制御されることで、分析機構2では、標準データが生成される。具体的には、例えば、駆動機構4により駆動されることで、分析機構2の第1試薬分注プローブ209は、標準試料を第1試薬庫204から吸引し、吸引した標準試料を反応容器2011へ吐出する。第1試薬分注プローブ209は、第1試薬を第1試薬庫204から吸引し、吸引した第1試薬を、標準試料が吐出された反応容器2011へ吐出する。第1攪拌ユニット212は、標準試料に第1試薬が添加された溶液を撹拌する。
【0056】
第2試薬分注プローブ211は、第2試薬を第2試薬庫205から吸引し、吸引した第2試薬を、標準試料と第1試薬とが混合された反応液へ吐出する。第2攪拌ユニット213は、反応液に第2試薬が添加された溶液を撹拌する。測光ユニット214は、標準試料、第1試薬、及び第2試薬が撹拌されてなる反応液を光学的に測定することで、標準データを生成する。測光ユニット214は、生成した標準データを解析回路3へ出力する。測光ユニット214は、予め設定された周期で予め設定された回数、反応液の測定を繰り返し、生成した標準データを解析回路3へ出力する。分析機構2は、予め設定した複数の濃度の標準試料について上記動作を繰り返し、生成した標準データを解析回路3へ出力する。
【0057】
測定制御機能93は、被検データを生成するように、分析機構2、及び駆動機構4を制御する機能である。具体的には、制御回路9は、所定の指示に応じて測定制御機能93を実行する。所定の指示とは、例えば、操作者から入力される測定動作開始の指示、及び予め設定した時刻に到達したことを表す指示等である。
【0058】
測定制御機能93を実行すると制御回路9は、分析機構2、及び駆動機構4を制御する。分析機構2、及び駆動機構4が制御されることで、分析機構2では、被検データが生成される。具体的には、駆動機構4により駆動されることで、分析機構2のサンプル分注プローブ207は、被検試料をサンプルディスク203から吸引し、吸引した被検試料を反応容器2011へ吐出する。第1試薬分注プローブ209は、第1試薬を第1試薬庫204から吸引し、吸引した第1試薬を、被検試料が吐出された反応容器2011へ吐出する。第1攪拌ユニット212は、被検試料に第1試薬が添加された溶液を撹拌する。
【0059】
第2試薬分注プローブ211は、第2試薬を第2試薬庫205から吸引し、吸引した第2試薬を、被検試料と第1試薬とが混合された反応液へ吐出する。第2攪拌ユニット213は、反応液に第2試薬が添加された溶液を撹拌する。測光ユニット214は、被検試料、第1試薬、及び第2試薬が撹拌されてなる反応液を光学的に測定することで、被検データを生成する。測光ユニット214は、生成した被検データを解析回路3へ出力する。測光ユニット214は、予め設定された周期で予め設定された回数、反応液の測定を繰り返し、生成した被検データを解析回路3へ出力する。
【0060】
図1に示される解析回路3は、記憶回路8に記憶されている動作プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。例えば、解析回路3は、動作プログラムを実行することで、検量データ生成機能31、及び分析データ生成機能32を有する。解析回路3は、分析データ生成機能32を実行することで、算出部として機能する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによって検量データ生成機能31、及び分析データ生成機能32が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて解析回路を構成し、各プロセッサが動作プログラムを実行することにより検量データ生成機能31、及び分析データ生成機能32を実現しても構わない。
【0061】
検量データ生成機能31は、分析機構2で生成された標準データに基づいて検量データを生成する機能である。具体的には、解析回路3は、分析機構2で生成された標準データを受信すると、検量データ生成機能31を実行する。検量データ生成機能31を実行すると解析回路3は、所定の検査項目の試薬について予め設定された標準検量線に関するデータ、及び測光タイミング線に関するデータを記憶回路8から読み出す。解析回路3は、標準データ、標準検量線、及び測光タイミング線に基づき、検量データを生成する。解析回路3は、生成した検量データを記憶回路8に記憶させる。
【0062】
分析データ生成機能32は、分析機構2で生成された被検データを解析することで分析データを生成する機能である。具体的には、解析回路3は、分析機構2で生成された被検データを受信すると、分析データ生成機能32を実行する。分析データ生成機能32を実行すると解析回路3は、所定の検査項目について記憶されている検量データ、及び測光タイミング線に関するデータを記憶回路8から読み出す。解析回路3は、被検データ、測光タイミング線、及び検量データに基づき、分析データを生成する。第1の実施形態において、解析回路3は、分析データ生成機能32の実行により、等速区間、加速区間、及び減速区間のうち、少なくとも加速区間における測光ユニット214による反応液の測光によって取得された測定データを被検データに用いて、被検試料中の測定項目の濃度を算出する。測定項目の濃度は、試料の分析値の一例である。
【0063】
解析回路3は、分析データ生成機能32の実行により、加速区間における反応液の測光により取得された測定データの重み付けを、等速区間における反応液の測光により取得された測定データの重み付けよりも大きくしてもよい。
【0064】
また、解析回路3は、分析データ生成機能32の実行により、重み付けが行われた測定データの平均値又は中央値を算出することで、測定項目の濃度を算出してもよい。
【0065】
また、測定データは、複数回の測光サイクルでの測光ユニット214による反応液の測光によって取得された複数の測定値を含んでいてもよい。測定値は、例えば、吸光度、蛍光強度、又は散乱光量である。
【0066】
測光サイクルとは、反応液の測光対象の反応容器2011が測光ユニット214を1回通過するときの、通過の開始から通過の終了までの期間である。測光サイクルは、測光対象の反応容器2011が測光ユニット214を1回通過するときの反応液の露光時間と呼ぶこともできる。また、測光サイクルは、測光タイミングと呼ぶこともできる。
【0067】
測光サイクルの回数は、例えば、33回であってもよい。解析回路3は、分析データ生成機能32の実行により、測定データに含まれる複数の測定値のうち、反応液の反応の終盤の測光サイクルで取得された測定値を用いて、測定項目の濃度を算出してもよい。なお、測定項目の濃度の演算対象には、終盤の測光サイクルで取得された測定値が含まれなくてもよい。例えば、解析回路3は、33回の測光サイクルのうち、9-11回目の測光サイクルで取得された測定値を用いて測定項目の濃度を算出してもよい。
【0068】
また、解析回路3は、分析データ生成機能32の実行により、1回の測光サイクルにおける測光ユニット214による少なくとも1つの測光点での測光によって取得された少なくとも1つの測光値に基づいて、1つの測定値を算出してもよい。そして、解析回路3は、測光点の数に応じて、測定データに含まれる複数の測定値の重み付けを行ってもよい。
【0069】
また、加速区間で行われる測光における測光点の数は、等速区間で行われる測光における測光点の数よりも多くてもよい。
【0070】
また、加速区間内における反応ディスク201の回転速度が遅いときに行われる測光における測光点の数は、加速区間内における反応ディスク201の回転速度が速いときに行われる測光における測光点の数よりも多くてもよい。
【0071】
また、測定値は、少なくとも1つの測光値の代表値であってもよい。
【0072】
また、代表値は、少なくとも1つの測光値の平均値、中央値又は積分値であってもよい。
【0073】
次に、以上のように構成された第1の実施形態に係る自動分析装置1の動作例について説明する。図3は、第1の実施形態に係る自動分析装置1の動作例を示すフローチャートである。なお、図3のフローチャートは、必要に応じて繰り返される(他のフローチャートにおいても同様)。図4は、第1の実施形態に係る自動分析装置1の動作例において、反応液の測定値の時間変化(すなわち、タイムコース)を示すグラフである。
【0074】
図3及び図4に示すように、測定制御機能93は、入力インタフェース5を介して操作者から入力される測定動作開始の指示に応じて、分析機構2及び駆動機構4を制御することで測定動作を開始する。先ず、測定制御機能93による制御の下で、駆動機構4は、サンプル分注プローブ207を駆動して、サンプル分注プローブ207に、サンプルディスク203から被検試料を吸引させ、吸引された被検試料を、サンプル吐出位置に停止した反応容器2011に吐出させる。これにより、駆動機構4は、反応容器2011に被検試料を分注する(ステップS1)。
【0075】
被検試料を分注した後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、反応ディスク201を回転駆動して、被検試料が分注された反応容器2011を第1試薬吐出位置に移動させる。また、測定制御機能93による制御の下で、駆動機構4は、第1試薬分注プローブ209を駆動して、第1試薬分注プローブ209に、第1試薬庫204から第1試薬を吸引させ、吸引された第1試薬を、第1試薬吐出位置に移動された被検試料が分注された反応容器2011に吐出させる。これにより、駆動機構4は、被検試料が分注された反応容器2011に第1試薬を分注する(ステップS2)。
【0076】
第1試薬を分注した後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、反応ディスク201を回転駆動して、被検試料及び第1試薬が分注された反応容器2011を第1撹拌位置に移動させる。また、測定制御機能93による制御の下で、駆動機構4は、第1攪拌ユニット212を駆動して、第1攪拌ユニット212に、第1撹拌位置に移動された反応容器2011内の被検試料と第1試薬との反応液を撹拌させる(ステップS3)。
【0077】
被検試料と第1試薬との反応液を撹拌した後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、被検試料と第1試薬との反応液が撹拌された後の反応容器2011が、1回目からA回目(Aは、1よりも大きい自然数)まで繰り返し測光ユニット214を通過するように、反応ディスク201を1サイクル毎に繰り返し回転駆動させる。駆動機構4は、反応容器2011が1回目からA回目まで測光ユニット214を通過する1回目からA回目の測光サイクルのときは、反応ディスク201を等速区間で回転駆動する。測光ユニット214は、1回目からA回目の測光サイクルのときに、等速区間において反応液を測光する(ステップS4)。
【0078】
図5は、第1の実施形態に係る自動分析装置1の動作例において、反応ディスク201の回転速度と測光点数との関係を説明するための説明図である。図5に示すように、1回の測光サイクルでは、測光ユニット214によって少なくとも1つの測光点での測光が行われ、測光点毎の測光値を示す測定データが得られる。1回の測光サイクルで取得された少なくとも1つの測光値を示す測定データは、測定制御機能93による制御の下で測光ユニット214から解析回路3に出力される。解析回路3に出力された少なくとも1つの測光値を示す測定データは、解析回路3による分析データ生成機能32の実行によって、対応する測光サイクルの測定値の算出に用いられる。1回の測光サイクルに含まれる測光点数は、反応ディスク201の回転速度が速いほど少ない。すなわち、1回の測光サイクルに含まれる測光点数は、1回の測光サイクルの時間が短いほど少ない。図5に示される例において、反応ディスク201の回転速度が速い(すなわち、1回の測光サイクルが短時間である)場合の測光点数は4である。一方、反応ディスク201の回転速度が遅い(すなわち、1回の測光サイクルが長時間である)場合の測光点数は8である。なお、図3のステップS4の等速区間では、例えば、1回目からA回目の測光サイクルにおける反応ディスク201の回転速度が一定であることで、測光点数は一定である。
【0079】
等速区間での1回目~A回目の測光が行われた後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、反応ディスク201を回転駆動して、等速区間での1回目からA回目の測光が行われた反応容器2011を第2試薬吐出位置に移動させる。また、測定制御機能93による制御の下で、駆動機構4は、第2試薬分注プローブ211を駆動して、第2試薬分注プローブ211に、第2試薬庫205から第2試薬を吸引させ、被検試料と第1試薬との反応液への吸引された第2試薬の吐出とを行わせる。これにより、駆動機構4は、反応容器2011に第2試薬を分注する(ステップS5)。
【0080】
第2試薬を分注した後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、反応ディスク201を回転駆動して、第2試薬が分注された反応容器2011を第2撹拌位置に移動させる。また、測定制御機能93による制御の下で、駆動機構4は、第2攪拌ユニット213を駆動して、第2攪拌ユニット213に、第2撹拌位置に移動された反応容器2011内の被検試料と第1試薬と第2試薬との反応液を撹拌させる(ステップS6)。図4に示される例においては、第2撹拌位置での反応液の撹拌が行われた後に、反応液の反応が進行する。そして、反応液の反応が平衡状態に近づくまでは、測光ユニット214による測光値が上昇することになる。また、測光値が上昇することで、測光値を用いて算出される測定値も上昇することになる。
【0081】
被検試料と第1試薬と第2試薬との反応液を撹拌した後、図3に示すように、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、被検試料と第1試薬と第2試薬との反応液が撹拌された後の反応容器2011が、A+1回目からB回目(Bは、A+1よりも大きい自然数)まで繰り返し測光ユニット214を通過するように、反応ディスク201を1サイクル毎に繰り返し回転駆動させる。なお、第2撹拌位置での反応液の撹拌後の測光サイクルの回数(B-A-1)は、第2撹拌位置での反応液の撹拌前の測光サイクルの回数(A-1)と同じであっても異なっていてもよい。駆動機構4は、反応容器2011がA+1回目からB回目まで測光ユニット214を通過するA+1回目からB回目の測光サイクルのときは、反応ディスク201を等速区間で回転駆動する。測光ユニット214は、A+1回目からB回目の測光サイクルのときに、等速区間において反応液を測光する(ステップS7)。
【0082】
等速区間でのA+1回目~B回目の測光が行われた後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、反応容器2011が、B+1回目からn回目(nは、B+1よりも大きい自然数)まで繰り返し測光ユニット214を通過するように、反応ディスク201を1サイクル毎に繰り返し回転駆動させる。nは、例えば、33であってもよい。1回目からn回目までの測光に要する時間は、例えば、10分間であってもよい。駆動機構4は、反応容器2011がB+1回目からn回目まで測光ユニット214を通過するB+1回目からn回目の測光サイクルのときは、反応ディスク201を加速区間で回転駆動する。測光ユニット214は、B+1回目からn回目の測光サイクルのときに、加速区間において反応液を測光する(ステップS8)。
【0083】
加速区間おける反応ディスク201の回転速度は、等速区間における反応ディスク201の回転速度よりも遅い。反応ディスク201の回転速度が遅いことで、加速区間における各回の測光サイクルは、等速区間における各回の測光サイクルよりも長時間である。測光サイクルが長時間であることで、加速区間における各回の測光サイクルでは、等速区間における各回の測光サイクルよりも測光点数を増やすことができる。測定点数を増やすことができるので、例えば、高感度の検出が必要な検査項目や測光ばらつきが大きい検査項目に対して十分な測光点数を確保することができる。十分な測光点数を確保することができることで、高感度の検出が必要な検査項目や測光ばらつきが大きい検査項目に求められる測定データの精度を満足することができる。また、スループットを向上させるために等速区間において反応ディスク201を高速に回転させたとしても、加速区間において十分な測光点数を確保することができるので、測定の効率化と精度とを両立させることも可能となる。
【0084】
加速区間でのB+1回目からn回目の測光が行われた後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、反応ディスク201を回転駆動して、加速区間でのB+1回目からn回目の測光が行われた反応容器2011を洗浄位置に移動させる。また、測定制御機能93による制御の下で、駆動機構4は、洗浄ユニット215を駆動して、洗浄ユニット215に、洗浄位置に移動された反応容器2011の洗浄を行わせる(ステップS9)。
【0085】
図6は、比較例に係る自動分析装置の動作例において、反応ディスク201の回転速度と測光ユニット214を通過する反応容器2011との関係を示す図である。図7は、第1の実施形態に係る自動分析装置1の動作例において、反応ディスク201の回転速度と測光ユニット214を通過する反応容器2011との関係を示す図である。
【0086】
仮に、等速区間のみにおいて測光を行う場合、図6に示すように、1サイクルの反応ディスク201の回転中に、先ず、加速区間において、反応ディスク201に円周上に配置して保持された複数の反応容器2011のうち、洗浄ユニット215による洗浄が行われている反応容器2011(図6における洗浄対象容器)が、測光ユニット214を通過する。次いで、等速区間において、測光サイクルの回数の降順に(すなわち、測光サイクルの回数がn回の反応容器2011を先頭に)、測光ユニット214による測光が行われる反応容器2011(図6における測光対象容器)が、測光ユニット214を通過する。次いで、減速区間において、洗浄対象容器が測光ユニット214を通過する。1つの反応容器2011を中心に考えれば、反応容器2011は、反応ディスク201の4サイクル(すなわち、約1周)の回転毎に、測光サイクルの回数が1つずつ増加する。測定項目の算出には、反応液の反応の終盤(すなわち、測光サイクルの回数が多い側)の等速区間内の複数回の測光サイクルで取得された複数の測定値(図6における演算対象)が用いられる。なお、図6において、加速区間と等速区間との境界付近及び等速区間と減速区間との境界付近には、洗浄対象容器及び測光対象容器以外の反応容器2011が測光ユニット214を通過するマージンの区間Mが設けられている。
【0087】
これに対して、第1の実施形態においては、図7に示すように、1サイクルの反応ディスク201の回転中に、先ず、加速区間において、測光サイクルの回数の降順に(すなわち、測光サイクルの回数がn回の反応容器2011を先頭に)、測光ユニット214による測光が行われる反応容器2011(図7における測光対象容器)が、測光ユニット214を通過する。次いで、等速区間において、測光サイクルの回数の降順に、加速区間の測光対象容器よりも測光回数が少ない測光対象容器が、測光ユニット214を通過する。測定項目の算出には、反応液の反応の終盤の加速区間内及び等速区間内の複数回の測光サイクルで取得された複数の測定値(図7の演算対象)が用いられる。1つの反応容器2011を中心に考えれば、反応容器2011は、反応ディスク201の4サイクル(約1周)の回転毎に、測光サイクルの回数が1つずつ増加して、等速区間での測光から加速区間での測光へと遷移する。
【0088】
図8は、第1の実施形態に係る自動分析装置1の動作例において、測定値を用いた重み付け平均の算出の一例を説明するためのグラフである。図9は、第1の実施形態に係る自動分析装置1の動作例において、図8に対応する重み付け平均の算出結果を示す図である。
【0089】
1回の測光サイクルにおける測光によって取得された少なくとも1つの測光値を示す測光データが測光ユニット214から解析回路3に出力された後、解析回路3は、分析データ生成機能32の実行によって当該測光サイクルに対応する1つの測定値を算出する。図8及び図9に示される例において、解析回路3は、少なくとも1つの測光値の代表値を算出することで、測定値を算出する。代表値は、例えば、少なくとも1つの測光値の平均値、中央値、又は積分値である。解析回路3は、分析データ生成機能32の実行によって測光サイクル毎に測定値を算出することで、図4に示されるような測光サイクル毎の測定値を有する測定データを生成する。
【0090】
測光サイクル毎の測定値を有する測定データを生成した後、解析回路3は、分析データ生成機能32の実行によって、反応液の反応の終盤の測光サイクルで取得された複数の測定値(すなわち、演算対象)を用いて、測定項目の濃度を算出する。なお、図4に示される例において、反応液の反応の終盤の測光サイクルで取得された複数の測定値は一定であるが、実際は、図8に示すように平衡状態にありながらも測定値が変動し得る。図8及び図9に示される例において、解析回路3は、n-4回目及びn-3回目の測光サイクルのときの等速区間における測光により取得された測定値(図9における代表値)と、n-2回目、n-1回目、及びn回目の測光サイクルのときの加速区間における測光により取得された測定値(代表値)とを用いて測定項目の濃度を算出する。図9に示すように、加速区間における測光点数は、等速区間における測光点数よりも多い。また、加速区間における反応ディスク201の回転速度が遅いときの測光点数は、加速区間における反応ディスク201の回転速度が速いときの測光点数よりも多い。例えば、n回目の測光サイクルのときの測光点数は、n-1回目の測光サイクルのときの測光点数よりも多い。
【0091】
複数の測定値を用いた測定項目の濃度の算出において、解析回路3は、測光点数に応じて複数の測定値の重み付けを行う。具体的には、解析回路3は、測光点数が多い加速区間における測光により取得された測定値の重み付けを、測光点数が少ない等速区間における測光により取得された測定値の重み付けよりも大きくする。また、解析回路3は、加速区間における反応ディスク201の回転速度が遅いときの測光により取得された測定値の重み付けを、加速区間における反応ディスク201の回転速度が速いときの測光により取得された測定値の重み付けよりも大きくする。図8及び図9に示される例において、解析回路3は、測光点数に応じた重み係数を測定値に乗じることで、測定値の重み付けを行う。図8及び図9に示される例において、重み係数は、各測光サイクルの測光点数を平均測光点数で除した値である。測光点数に応じた測定値の重み付けを行うことで、測光点数が少ない測定値を測光点数が多い測定値と等価に扱う場合と比較して、測定ばらつきの影響が少ない測定データを得ることができる。なお、図8及び図9に示した方法以外の方法で重み係数を算出してもよい。
【0092】
複数の測定値の重み付けを行った後、解析回路3は、重み付けが行われた複数の測定値の平均値である重み付け平均を算出する。より具体的には、解析回路3は、重み付けが行われた複数の測定値の和を、測光サイクルの数(図9における5)で除することで重み付け平均を算出する。図9に示される例において、測定値の重み付け平均(0.514)は、測定値の単純平均(0.508)よりも大きい。これは、加速区間側の測定値及び重み付けが、等速区間側の測定値及び重み付けよりも大きいことによる。解析回路3は、重み付け平均を算出する替わりに、複数の測定値の中央値を算出してもよい。重み付け平均を算出した後、解析回路3は、重み付け平均に基づいて算出された反応曲線(近似式)と、予め検量データ生成機能31の実行によって生成された検量データとに基づいて、測定項目の濃度を算出する。例えば、解析回路3は、エンドポイント法によって測定項目の濃度を算出する。
【0093】
なお、自動分析装置1の動作は、図3のフローチャートに示された動作に限定されない。例えば、自動分析装置1は、第1試薬の分注の直後に第2試薬を分注することも可能である。
【0094】
以上説明したように、第1の実施形態では、分析データ生成機能32の実行により解析回路3が、等速区間、加速区間、及び減速区間のうち、少なくとも加速区間における測光ユニット214による反応液の測光によって取得された測定データを用いて、被検試料中の測定項目の濃度を算出する。
【0095】
これにより、高感度の検出が必要な検査項目や測光ばらつきが大きい検査項目に対して加速区間における測光によって十分な測光点数を確保することができる。十分な測光点数を確保することができることで、高感度の検出が必要な検査項目や測光ばらつきが大きい検査項目に求められる測定データの精度を満足することができる。これにより、被検試料中の測定項目の測定精度、すなわち、被検試料の分析精度を向上させることができる。
【0096】
また、第1の実施形態では、分析データ生成機能32の実行により解析回路3が、加速区間における反応液の測光により取得された測定データの重み付けを、等速区間における反応液の測光により取得された測定データの重み付けよりも大きくする。
【0097】
これにより、加速区間における多くの測光点での測光に基づいて取得された精度の高い測定値を測定項目の濃度の算出に大きく反映させることができるので、被検試料の分析精度を更に向上させることができる。
【0098】
また、第1の実施形態では、分析データ生成機能32の実行により解析回路3が、重み付けが行われた測定データの平均値又は中央値を算出することで、測定項目の濃度を算出する。
【0099】
これにより、反応の終盤で平衡状態になる測定データの平均値又は中央値に基づいて、測定項目の濃度を簡便かつ適切に算出することができる。
【0100】
また、第1の実施形態では、測定データは、複数回の測光サイクルでの測光ユニット214による反応液の測光によって取得された複数の測定値を含んでいる。また、分析データ生成機能32の実行により解析回路3は、測定データに含まれる複数の測定値のうち、反応液の反応の終盤の測光サイクルで取得された測定値を用いて、測定項目の濃度を算出する。
【0101】
これにより、反応の終盤の測光サイクルで取得された測定値に基づいて、測定項目の濃度を高精度に算出することができる。
【0102】
また、第1の実施形態では、分析データ生成機能32の実行により解析回路3が、1回の測光サイクルにおける測光ユニット214による少なくとも1つの測光点での測光によって取得された少なくとも1つの測光値に基づいて、1つの測定値を算出する。また、分析データ生成機能32の実行により解析回路3は、測光点の数に応じて、測定データに含まれる複数の測定値の重み付けを行う。
【0103】
これにより、測光点数が多い加速区間における測光で取得された測定値の重み付けを、測光点数が少ない等速区間における測光で取得された測定データの重み付けよりも確実に大きくすることができるので、被検試料の分析精度を適切に向上させることができる。
【0104】
また、第1の実施形態では、測定値が、少なくとも1つの測光値の代表値である。代表値は、少なくとも1つの測光値の平均値、中央値又は積分値である。
【0105】
これにより、測光サイクル毎の測定値を簡便かつ適切に算出することができる。
【0106】
(第1の実施形態の変形例)
次に、測定項目に応じて測光点数を多くする第1の実施形態の変形例について、上述した自動分析装置1との差異を中心に説明する。図10は、第1の実施形態の変形例に係る自動分析装置1の動作例において、反応ディスク201の回転速度と測光ユニット214を通過する反応容器2011との関係を示す図である。
【0107】
図10に示される例において、分析データ生成機能32の実行により解析回路3は、通常の感度の測定が求められる一部の測定項目(図10における通常項目)については、等速区間における1回目からn回目までの測光サイクルでの測光によって測定データを取得し、反応の終盤の複数の測定値に基づいて測定項目の濃度を算出する。一方、分析データ生成機能32の実行により解析回路3は、高感度の測定が求められる他の一部の測定項目(図10における高感度項目)については、等速区間における1回目からn回目までの測光サイクルでの測光と、加速区間におけるn+1回目からn+a回目までの測光サイクルでの測光とによって測定データ(すなわち、第2の測定データ)を取得し、反応の終盤の複数の測定値に基づいて測定項目の濃度(すなわち、第2の分析値)を算出する。なお、図10に示される例においては、図7に示されていたマージンの区間Mが測光区間に替えられていることで測光サイクルの回数が増えている。
【0108】
図10に示される例によれば、通常の感度の測定が求められる測定項目については、測定データを迅速に取得することができ、高感度の測定が求められる測定項目については、測光点数を増やして測定データの精度を向上させることができる。
【0109】
(第2の実施形態)
次に、減速区間における測光によって取得された測定データを用いて測定項目の濃度を算出する第2の実施形態について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。図11は、第2の実施形態に係る自動分析装置1の動作例を示すフローチャートである。図12は、第2の実施形態に係る自動分析装置1の動作例において、反応ディスク201の回転速度と測光ユニット214を通過する反応容器2011との関係を示す図である。
【0110】
これまでは、等速区間及び加速区間における測光ユニット214による反応液の測光によって取得された測定データを用いて測定項目の濃度を算出する例について説明した。これに対して、第2の実施形態における自動分析装置1は、等速区間及び減速区間における測光ユニット214による反応液の測光によって取得された測定データを用いて測定項目の濃度を算出する。
【0111】
例えば、図11に示すように、等速区間でのA+1回目~B回目の測光が行われた後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、反応容器2011が、B+1回目からn回目まで繰り返し測光ユニット214を通過するように、反応ディスク201を1サイクル毎に繰り返し回転駆動させる。駆動機構4は、反応容器2011がB+1回目からn回目まで測光ユニット214を通過するB+1回目からn回目の測光サイクルのときは、反応ディスク201を減速区間で回転駆動する。測光ユニット214は、B+1回目からn回目の測光サイクルのときに、減速区間において反応液を測光する(ステップS21)。
【0112】
図12に示すように、第2の実施形態においては、1サイクルの反応ディスク201の回転中に、先ず、加速区間において、洗浄対象容器が測光ユニット214を通過する。次いで、等速区間において、測光サイクルの回数の昇順に(すなわち、測光サイクルの回数が1回の反応容器2011を先頭に)、測光対象容器が測光ユニット214を通過する。このような構成は、例えば、第1の実施形態に対して、反応ディスク201の4サイクル毎の回転角度を変更することで実現してもよい。次いで、減速区間において、測光サイクルの回数の昇順に、等速区間の測光対象容器よりも測光回数が多い測光対象容器が測光ユニット214を通過する。測定項目の算出には、反応液の反応の終盤の等速区間内及び減速区間内の複数回の測光サイクルで取得された複数の測定値(図12における演算対象)が用いられる。
【0113】
また、第2の実施形態において、解析回路3は、分析データ生成機能32の実行により、測光点数に応じて複数の測定値の重み付けを行って測定項目の濃度を算出する。解析回路3は、測光点数が多い減速区間における測光により取得された測定値の重み付けを、測光点数が少ない等速区間における測光により取得された測定値の重み付けよりも大きくする。
【0114】
以上説明したように、第2の実施形態では、分析データ生成機能32の実行により解析回路3が、等速区間、加速区間、及び減速区間のうち、少なくとも減速区間における測光ユニット214による反応液の測光によって取得された測定データを用いて、被検試料中の測定項目の濃度を算出する。
【0115】
これにより、高感度の検出が必要な検査項目や測光ばらつきが大きい検査項目に対して減速区間における測光によって十分な測光点数を確保することができる。これにより、第1の実施形態と同様に、被検試料の分析精度を向上させることができる。
【0116】
(第3の実施形態)
次に、停止状態における測光によって取得された測定データを用いて測定項目の濃度を算出する第3の実施形態について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。図13は、第3の実施形態に係る自動分析装置1の動作例を示すフローチャートである。図14は、第3の実施形態に係る自動分析装置1の動作例を説明するための説明図である。
【0117】
第1の実施形態では、等速区間及び加速区間における測光ユニット214による反応液の測光によって取得された測定データを用いて測定項目の濃度を算出する例について説明した。これに対して、第3の実施形態における自動分析装置1は、等速区間、加速区間、及び停止状態における測光ユニット214による反応液の測光によって取得された測定データを用いて、測定項目の濃度を算出する。
【0118】
例えば、図13に示すように、被検試料と第1試薬との反応液を撹拌した後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、被検試料と第1試薬との反応液が撹拌された後の反応容器2011が、1回目からn/2回目まで繰り返し測光ユニット214を通過するように、反応ディスク201を1サイクル毎に繰り返し回転駆動させる。なお、n/2は、割り切れない場合に例えば四捨五入した回数である。nは、例えば33であってもよい。駆動機構4は、反応容器2011が1回目からn/2回目まで測光ユニット214を通過する1回目からn/2回目の測光サイクルのときは、反応ディスク201を等速区間で回転駆動する。測光ユニット214は、1回目からn/2回目の測光サイクルのときに、等速区間において反応液を測光する(ステップS41)。
【0119】
また、被検試料と第1試薬と第2試薬との反応液を撹拌した後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、被検試料と第1試薬と第2試薬との反応液が撹拌された後の反応容器2011が、n/2+1回目からn回目まで繰り返し測光ユニット214を通過するように、反応ディスク201を1サイクル毎に繰り返し回転駆動させる。駆動機構4は、反応容器2011がn/2+1回目からn回目まで測光ユニット214を通過するn/2+1回目からn回目の測光サイクルのときは、反応ディスク201を等速区間で回転駆動する。測光ユニット214は、n/2+1回目からn回目の測光サイクルのときに、等速区間において反応液を測光する(ステップS71)。
【0120】
等速区間でのn/2+1回目~n回目の測光が行われた後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、反応容器2011が、n+1回目からn+a-1回目まで繰り返し測光ユニット214を通過するように、反応ディスク201を1サイクル毎に繰り返し回転駆動させる。駆動機構4は、反応容器2011がn+1回目からn+a-1回目まで測光ユニット214を通過するn+1回目からn+a-1回目の測光サイクルのときは、反応ディスク201を加速区間で回転駆動する。測光ユニット214は、n+1回目からn+a-1回目の測光サイクルのときに、加速区間において反応液を測光する(ステップS31)。
【0121】
加速区間でのn+1回目~n+a-1回目の測光が行われた後、駆動機構4は、測定制御機能93による制御の下で、図14に示すように、反応容器2011が、測光ユニット214の光軸上に停止するように、反応ディスク201を1サイクル回転駆動させる。測光ユニット214は、反応容器2011が測光ユニット214の光軸上で停止するn+a回目の測光サイクルのときは、図13に示すように、停止状態において反応液を測光する(ステップS32)。
【0122】
測定項目の算出には、反応液の反応の終盤の等速区間内、加速区間内、及び停止状態の複数回の測光サイクルで取得された複数の測定値(すなわち、演算対象)が用いられる。
【0123】
また、第3の実施形態において、解析回路3は、分析データ生成機能32の実行により、測光点数に応じて複数の測定値の重み付けを行って測定項目の濃度を算出する。解析回路3は、測光点数が最も多い停止状態における測光により取得された測定値の重み付けを、次に測光点数が多い加速区間における測光により取得された測定値の重み付けよりも大きくする。
【0124】
以上説明したように、第3の実施形態では、分析データ生成機能32の実行により解析回路3が、停止状態における測光ユニット214による反応液の測光によって取得された測定データを更に用いて、被検試料中の測定項目の濃度を算出する。
【0125】
これにより、高感度の検出が必要な検査項目や測光ばらつきが大きい検査項目に対して停止状態における測光によって十分な測光点数を確保することができる。これにより、被検試料の分析精度を更に向上させることができる。
【0126】
(第4の実施形態)
次に、2つの測光ユニット214,2141を備える第4の実施形態について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。図15は、第4の実施形態に係る自動分析装置1の動作例を説明するための説明図である。
【0127】
図15に示すように、第4の実施形態における自動分析装置1は、第1の実施形態で説明した測光ユニット214に加えて、更に、第2の測光ユニット2141を備える。
【0128】
第2の測光ユニット2141は、駆動機構4による反応ディスク201の回転によって第2の測光位置を通過した反応容器2011に保持された反応液を測光する。
【0129】
分析データ生成機能32の実行により解析回路3は、測光ユニット214が等速区間、加速区間、及び停止状態において反応液を測光することにより取得された測定データを用いて、低濃度の測定項目の濃度を算出する。また、分析データ生成機能32の実行により解析回路3は、第2の測光ユニット2141が等速区間において反応液を測光することにより取得された測定データ(すなわち、第3の測定データ)を用いて、通常濃度の測定項目の濃度を算出する。通常濃度の測定項目の濃度は、試料の第3の分析値の一例である。
【0130】
より具体的には、図15に示される例において、測光ユニット214による測光サイクルがn回目となる反応容器2011は、1サイクルの回転後に測光ユニット214の光軸上で停止し、停止状態においてn回目の測光サイクルによる測光が行われるように構成されている。第2の測光ユニット2141は、測光ユニット214による測光サイクルがn回目の反応容器2011(すなわち、第2の測光ユニット2141による測光サイクルがn回目となる反応容器2011)が、測光ユニット214の光軸上から1サイクル回転するときの等速区間上に配置されている。このような構成において、測光ユニット214では、図7にしたがって等速区間、加速区間、停止状態での測光を行うことができる。また、第2の測光ユニット2141では、図6にしたがって等速区間での測光を行うことができる。
【0131】
第4の実施形態によれば、測定項目ごとに適切な測光点数での測光を行うことがきるため、被検試料の分析を適切かつ効率的に行うことができる。
【0132】
(第5の実施形態)
次に、測定データを用いて一次関数の傾きを算出する第5の実施形態について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。図16は、第5の実施形態に係る自動分析装置1の動作例において、反応液の測定値の時間変化を示すグラフである。
【0133】
第1の実施形態においては、反応の終盤において測定値が平衡状態(すなわち、一定値)に漸近する測定データに対して、反応の終盤の複数の測定値の重み付け平均を用いたエンドポイント法によって被検試料の分析値を算出する例について説明した。これに対して、図16に示すように、第5の実施形態において、測光ユニット214による測光によって取得された測定値は、洗浄動作の直前の加速区間におけるn回目の測光サイクル付近の段階でも、平衡状態にならずに直線的に増加している。
【0134】
このような測定値に対して、解析回路3は、分析データ生成機能32の実行により、測定値(すなわち、代表値)の重み付けを用いた最小二乗法によって近似される一次関数の傾きを算出することで、被検試料の分析値を算出する。被検試料の分析値は、例えば、被検試料中の測定項目の濃度又は活性値である。測定値の重み付けを用いた最小二乗法においては、例えば、測光点数が多い測定値ほど、一次関数の近似に用いられる測定値の点数を多くとるように重み付けが行われる。これにより、近似される一次関数は、測光点数が多い測定値の近くを通るようになるため、誤差が少ない測定値が一次関数の傾きに対して支配的になる。被検試料の分析値の算出は、例えば、レート法にしたがって行われる。
【0135】
第5の実施形態によれば、測定データを用いて近似される一次関数の傾きに基づいて被検試料を分析する場合においても、加速区間における十分な測光点数での測光に基づいて取得された測光値を用いることができるので、被検試料の分析精度を向上させることができる。なお、解析回路3は、加速区間の替わりに減速区間及び停止状態の少なくとも一方での測光に基づいて取得された測光値を用いて一次関数の傾きを算出してもよい。
【0136】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、試料の分析精度を向上させることができる。
【0137】
実施形態の説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路8に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路8にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、上記各実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、上記実施形態における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0138】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0139】
1 自動分析装置
201 反応ディスク
2011 反応容器
214 測光ユニット
2141 第2の測光ユニット
32 分析データ生成機能
4 駆動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16