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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172430
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】投影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20241205BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241205BHJP
   G03B 21/28 20060101ALI20241205BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20241205BHJP
   A63J 5/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G03B21/14 E
G03B21/00 F
G03B21/28
H04N5/74 Z
A63J5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090144
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】523205186
【氏名又は名称】株式会社よしもと統合ファンド
(71)【出願人】
【識別番号】523163749
【氏名又は名称】尾▲崎▼ 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 勝
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA02
2K203FA25
2K203FA76
2K203FA79
2K203FA82
2K203FB05
2K203FB06
2K203GC05
2K203GC06
2K203GC14
2K203GC20
2K203HA02
2K203HA03
2K203HA54
2K203HA57
2K203HB08
2K203HB22
2K203HB25
2K203KA72
2K203MA16
2K203MA30
5C058BA35
5C058EA02
(57)【要約】
【課題】観者が光源を視認できない投影装置を提供する。
【解決手段】投影装置1は、映像を光として投射する光源と、映像を投影する対象物10を配置可能なステージ6と、光源から出射した光の一部を回析させる第1のスリット板3と、第1のスリット板3とステージ6との間に配置され、第1のスリット板3を通過した光の一部を回析させる第2のスリット板5と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を光として投射する光源と、
前記映像を投影する対象物を配置可能なステージと、
前記光源から出射した光の一部を回析させる第1のスリット板と、
前記第1のスリット板と前記ステージとの間に配置され、前記第1のスリット板を通過した光の一部を回析させる第2のスリット板と、を備えた、
投影装置。
【請求項2】
前記光源から出射した光を反射して前記ステージに配置された前記対象物に向ける反射鏡を更に備え、
前記第1のスリット板は、前記光源と前記反射鏡との間に配置され、
前記第2のスリット板は、前記反射鏡と前記ステージとの間に配置されている、
請求項1に記載の投影装置。
【請求項3】
前記光源は、水平方向よりも下側を向くように傾けて取り付けられ、かつ水平方向よりも上側を向くように光を投射するようにレンズシフトしたDLPプロジェクタである、
請求項1に記載の投影装置。
【請求項4】
前記第1のスリット板の開口の下端と前記第2のスリット板の開口の任意の点とを通る直線よりも下側の空間内に前記光源が配置されている、
請求項1に記載の投影装置。
【請求項5】
前記第1のスリット板の開口は、前記第2のスリット板の開口よりも大きい、
請求項1に記載の投影装置。
【請求項6】
前記第2のスリット板の開口は、不透明な領域に囲まれた透明な領域であり、
前記第2のスリット板は、前記透明な領域の大きさを変更可能な透明液晶である、
請求項1に記載の投影装置。
【請求項7】
前記反射鏡の鏡面は、湾曲していない平面である、
請求項2に記載の投影装置。
【請求項8】
前記反射鏡は、前記光源から出射した光を前記ステージに配置された前記対象物に向ける第1の位置と、前記光源から出射した光を前記ステージの外部に向ける第2の位置と、の間で移動可能に構成されている、
請求項2に記載の投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクションマッピングの投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立体物に該立体物の凹凸に沿うように歪曲させた映像を投影するプロジェクションマッピングを応用して様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、筐体内に配置された立体物に写真を投影して冠婚葬祭を演出する技術が開示されている。特許文献2には、人物にキャラクタの衣装を投影して仮想的に変身させる技術が開示されている。特許文献3には、アスレチック施設の遊具にテクスチャを投影して動きを演出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-043108号公報
【特許文献2】特開2022-096063号公報
【特許文献3】特開2022-007225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの技術では、プロジェクションマッピングを施された立体物を観者がある程度の自由な視点から観察することができる。プロジェクションマッピングでは、直視できない強い光が光源であるDLPプロジェクタから投射される。強い光が目に入ると、眩しさで作品への没入感が失われることがある。また、レトロな雰囲気のアート作品の内部にDLPプロジェクタ等の精密機器が見えてしまうと作品への没入感が失われることがある。
【0005】
そこで、本発明は、観者が光源を視認できない投影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る投影装置は、映像を光として投射する光源と、映像を投影する対象物を配置可能なステージと、光源から出射した光の一部を回析させる第1のスリット板と、第1のスリット板とステージとの間に配置され、第1のスリット板を通過した光の一部を回析させる第2のスリット板と、を備えている。
【0007】
この態様によれば、第1のスリット板と第2のスリット板とによって光源を視認できないように観者の視線が遮られている。そのため、作品への没入感が失われることがない。
【0008】
上記態様において、光源から出射した光を反射してステージに配置された対象物に向ける反射鏡を更に備え、第1のスリット板は、光源と反射鏡との間に配置され、第2のスリット板は、反射鏡とステージとの間に配置されていてもよい。
【0009】
汎用品として市場に流通しているDPLプロジェクタの焦点距離は、卓上サイズよりも大きい。この態様によれば、光路を反射鏡で折り返すことができるため、焦点距離が短い特注品を用意しなくても汎用品のDLPプロジェクタを採用して卓上サイズのアート作品を制作することができる。
【0010】
上記態様において、光源は、水平方向よりも下側を向くように傾けて取り付けられ、かつ水平方向よりも上側を向くように光を投射するようにレンズシフトしたDLPプロジェクタであることが好ましい。
【0011】
上記態様において、第1のスリット板の開口の下端と第2のスリット板の開口の任意の点とを通る直線よりも下側の空間内に光源が配置されていることが好ましい。
【0012】
これらの態様によれば、第1のスリット板で光源を隠すような位置関係になるため、観者が光源からの光を直視しにくい設計に好適である。
【0013】
上記態様において、第1のスリット板の開口は、第2のスリット板の開口よりも大きいことが好ましい。
【0014】
この態様によれば、第1のスリット板から第2のスリット板に向かう光の拡散に合わせてスリット板の開口が大きくなるため、光で照らされている領域と照らされていない領域とのステージ上の境界を回折現象によって目立たなくすることができる。
【0015】
上記態様において、第2のスリット板の開口は、不透明な領域に囲まれた透明な領域であり、第2のスリット板は、透明な領域の大きさを変更可能な透明液晶であってもよい。
【0016】
第2のスリット板の開口の大きさは、対象物の大きさや形状に合わせて調整することが好ましい。この態様によれば、第2のスリット板を交換することなく開口の大きさを調整できる。
【0017】
上記態様において、反射鏡の鏡面は、湾曲していない平面であることが好ましい。
【0018】
この態様によれば、曲面の鏡面ではなく平面の鏡面で光を反射するため、映像に歪みが生じにくく高精度な映像を対象物に投影できる。
【0019】
上記態様において、反射鏡は、光源から出射した光をステージに配置された対象物に向ける第1の位置と、光源から出射した光をステージの外部に向ける第2の位置と、の間で移動可能に構成されていてもよい。
【0020】
この態様によれば、反射鏡が第1の位置から第2の位置に一時的に移動したとき、ステージの外部まで映像を投影することができる。筐体内の対象物に映像を投影するアート作品の場合、例えば、鳩が飛ぶ映像を筐体の外部に投影できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、観者が光源を視認できない投影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の第1実施形態の投影装置の一例を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示された投影装置の内部構造を示す断面図である。
図3図3は、図2に示されたDLPプロジェクタの鏡像を示す断面図である。
図4図4は、図2に示された投影装置の変形例を示す断面図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態の投影装置の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本発明の投影装置1は、例えば、図1から図4に示すように、卓上サイズのアート作品として用いることができる。図5に示すように、劇場の舞台装置として用いてもよい。
【0024】
投影装置1は、DLPプロジェクタ2等の光源を観者が視認できない構造であることが特徴の一つである。図2に示された投影装置1は、前後左右どの向きから観者が見ても、筐体9に内蔵されたDLPプロジェクタ2のレンズ2Lを視認できない。図4に示された投影装置1は、最前列から最後列のどの座席から観者が見ても、舞台の天井に配置されたDLPプロジェクタ2のレンズ2Lや筐体を視認できない。眩しさで作品への没入感が失われることを未然に防ぐことができる。以下、図面を参照して各構成について詳しく説明する。
【0025】
図1は、本発明の第1実施形態の投影装置1の一例を示す斜視図である。本実施形態の投影装置1は、筐体9内の対象物10に映像を投影するアート作品として構成されている。図示した例では、筐体9は、前後左右の四面が全てガラス板で構成された略四角柱に形成されている。筐体9の形状は略四角柱に限定されず、四角柱以外の略角柱であってもよいし、略円柱であってもよいし、略角錐台や略円錐台であってもよい。
【0026】
ガラス板は、室内灯等の外乱光を吸収するように黒等の暗色に着色されていることが好ましい。ガラス板の内側には、光を遮る材料で中空の箱状に形成された遮光部91,92が上下方向Zに互いに離間して配置されている。遮光部91は、筐体9の天面を含む筐体9の上部を構成している。遮光部92は、筐体9の底面を含む筐体9の下部を構成している。
【0027】
図2は、図1に示された投影装置1の内部構造を示す断面図である。図2に示すように、投影装置1は、前述した筐体9に加え、遮光部91に収容されたDLPプロジェクタ2、第1のスリット板3、反射鏡4、第2のスリット板5等と、遮光部92の上面に区画されたステージ6と、を備えている。遮光部92には、図示しない電源ユニットや制御ボードが収容されている。
【0028】
DLPプロジェクタ(Digital Light Processing,登録商標)2は、多数のマイクロ反射鏡が設けられたデジタル反射鏡デバイス(以下、DMD)、DMDに向けて光を投射する投射光源等を備え、DMD及び投射光源を連携させた制御によって映像を光として投射する。
【0029】
本実施形態に係る光源は、DLPプロジェクタ2に限定されず、同様の機能を有した他のプロジェクタであってもよい。以下の説明において、レンズ2Lが設けられた面を正面とし、正面とは反対側の面を背面としたとき、背面から正面への向きをDLPプロジェクタ2の正面の向きDとする。
【0030】
図示した例では、DLPプロジェクタ2の正面の向きDが、XY平面に平行な水平方向よりも下側を向くように、すなわち俯角になるように傾けて取り付けられ、かつ水平方向よりも上側を向くように光を投射する、すなわち仰角で光を投射するようにレンズシフトしている。さらに、図示した例では、第1のスリット板3の開口3Sの下端P1と第2のスリット板5の開口5Sの任意の点(例えば、開口5Sの縁において下端P1から最も遠い点P2)とを通る直線(例えば、視線V1)と鉛直方向と双方に直交する側面視において、DLPプロジェクタ2が、下端P1と開口5Sの任意の点とを通る当該直線よりも下側の空間内に隠れるように配置されている。
【0031】
図示した例では、ステージ6が、映像を投影する対象物10を配置可能な台座であり、上下方向Zに直交するXY平面に平行に延在している。ステージ6の表面は、室内灯等の外乱光を吸収するように黒等の暗色に着色されていることが好ましい。対象物10を配置可能なステージ6は、遮光部92の上面に限定されない。遮光部91,92に上下に挟まれ、ガラス板に四方を囲まれた筐体9の内部空間をステージ6としてもよい。その場合、対象物10を鋼線、磁力、超音波浮揚等の手段によって筐体9の内部空間に浮かせて配置してもよい。
【0032】
反射鏡4は、DLPプロジェクタ2から出射した光を反射してステージ6に配置された対象物10に向けるように配置されている。反射鏡4は、湾曲していない平板状に形成されている。反射鏡4の鏡面4Mは、曲面ではなく平面であり、映像に歪みを生じさせないで光を正反射する。
【0033】
第1のスリット板3は、DLPプロジェクタ2と反射鏡4との間に配置され、DLPプロジェクタ2から出射した光の一部を回析させる。第2のスリット板5は、反射鏡4とステージ6との間に配置され、第1のスリット板3を通過した光の一部を回析させる。第1のスリット板3の開口3Sは、光の拡散に合わせて第2のスリット板5の開口5Sよりも大きく形成されている。
【0034】
本実施形態では、筐体9によって観者の視線V1~V7が第2のスリット板5の高さZ5からステージ6の上面の高さZ6までの領域αを通る範囲に規制されている。領域αは、あらかじめ設定された対象物10を観察するための領域である。DLPプロジェクタ2と対象物10との位置関係から反射鏡4の位置が定まり、反射鏡4に映るDLPプロジェクタ2のレンズ2Lと領域αとの位置関係から第1及び第2のスリット板3,5の開口3S,5Sの大きさが定まる。
【0035】
図示した例では、領域αを通る視線V1~V7のうち、視線V4が、第1及び第2のスリット板3,5が存在しなければ、反射鏡4に映るDLPプロジェクタ2のレンズ2Lを視認できる位置にある。第1のスリット板3の開口3Sは、視線V4を第1のスリット板3が遮る大きさに形成されている。
【0036】
つまり、第1及び第2のスリット板3,5の少なくとも一方は、あらかじめ設定された対象物10を観察するための領域αを通過する観者の視線V1~V7のうち、反射鏡4に映るDLPプロジェクタ2のレンズ2Lを視認できる位置にある視線V4を遮るように配置されている。
【0037】
図3は、図2に示されたDPLプロジェクタ2の鏡像2´を示す断面図である。図3に示すように、PLPプロジェクタ2とその鏡像2´とは、反射鏡4の鏡面4Mから対称な位置にある。反射鏡4に映ったDPLプロジェクタ2を観者が視認できる範囲は、DPLプロジェクタ2の鏡像2´を観者が直視できる範囲と一致する。同様に、反射鏡4に映ったDPLプロジェクタ2のレンズ2Lを観者が視認できる範囲は、レンズ2Lの鏡像2L´を観者が直視できる範囲と一致する。
【0038】
観者の視線V1~V3及びV5~V7はいずれも、筐体9によって領域αを通る範囲に規制され、鏡像2´を通る直線上にない、すなわち鏡像2´を直視できる範囲にない。観者の視線V4は、鏡像2´を通る直線にある、すなわち鏡像2´を直視できる範囲にあるものの、鏡像2´を通る直線を横切るように配置された第1のスリット板3によって遮られている。
【0039】
このように、投影装置1は、第1のスリット板3又は第2のスリット板5の少なくとも一方(図示した例では、第1のスリット板3)が、あらかじめ設定された対象物10を観察するための領域αを通る直線であって、かつDLPプロジェクタ2の鏡像2´を通る直線(図示した例では、観者の視線V4)を遮るように構成されている。以上のように構成された本実施形態によれば、DLPプロジェクタ2等の光源を観者が視認できない構造の投影装置1を提供することができる。
【0040】
図4は、図2に示された投影装置1の変形例を示す断面図である。図示した例では、第2のスリット板5板の開口5Sが、不透明な領域52に囲まれた透明な領域51であり、第2のスリット板5が、電圧を印加することにより透明な領域51の大きさを変更可能な透明液晶で構成されている。図4に示された変形例によれば、第2のスリット板5を交換することなく開口5Sの大きさを調整できる。
【0041】
図示した例では、反射鏡4が、実線で描かれた第1の位置と二点鎖線で描かれた第2の位置との間で移動可能に構成されている。第1の位置(初期位置)で待機中の反射鏡4は、DLPプロジェクタ2から出射した光をステージ6に配置された対象物10に向ける。第2の位置に移動した反射鏡4は、DLPプロジェクタ2から出射した光をステージ6の外部7に向けて筐体9の外部まで映像を投影できる。
【0042】
図4に示された変形例によれば、筐体9がテーブルや床面に載置されているとき、第2の位置θ2に反射鏡4を移動させることで、筐体9の内外を越えて行き来するダイナミックな映像を投影できる。例えば、鳩が飛ぶ映像を筐体9の外部にあるテーブルや床面に投影できるようになる。
【0043】
図5は、本発明の第2実施形態の投影装置の一例を示す断面図である。図示した例では、投影装置1が、劇場の舞台装置として用いられている。本実施形態の投影装置1は、図2に示された第1実施形態と同様に、DLPプロジェクタ2、第1のスリット板3、反射鏡4、第2のスリット板5及びステージ6等を備えている。
【0044】
本実施形態では、ステージ6が劇場の舞台であり、映像を投影する対象物10が舞台に配置された演者、大道具や小道具等である。演者にキャラクタの衣装を投影して仮想的に変身させたり、大道具や小道具にテクスチャを投影して動きを演出したりすることができる。
【0045】
本実施形態では、最前列81から最後列82までの座席によって観者の視線V8,V9の範囲βが規制されている。図5に示された投影装置1は、最前列から最後列のどの座席8から観者が見ても、舞台の天井に配置されたDLPプロジェクタ2等の光源のレンズ2Lを視認できないように、第1及び第2のスリット板3,5によって観者の視線V8,V9が遮られている。
【0046】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、DLPプロジェクタ2等の光源からの光を観者が直視しにくい投影装置1を提供することができる。
【0047】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0048】
例えば、第1実施形態において、図2に示された筐体9の上下を反転させてもよい。その場合、筐体9の下部に収容されたDLPプロジェクタ2は、正面の向きDが仰角になるように傾けて取り付けられ、俯角で光を投射するようにレンズシフトしていることが好ましい。例えば、各実施形態において、反射鏡4を省略してもよい。第1実施形態の場合、DLPプロジェクタ2を図3に示されたDLPプロジェクタ2の鏡像2´の位置に配置すれば、反射鏡4を省略できる。
【符号の説明】
【0049】
1…投影装置、2…DLPプロジェクタ(光源の一例)、2L…レンズ、2´,2L´…鏡像、3…第1のスリット板、3S…第1のスリット板の開口、4…反射鏡、4M…鏡面、5…第2のスリット板、5S…第2のスリット板の開口、6…ステージ、7…ステージの外部、9…筐体、10…対象物、51…透明な領域、52…不透明な領域、81…最前列、82…最後列、91,92…遮光部、D…正面の向き、P1…第1のスリット板の開口の下端、P2…第2のスリット板の開口において第1のスリット板の開口の下端から最も遠い点、V1~V9…視線、X…左右方向、Y…前後方向、Z…上下方向、Z5…第2のスリット板の高さ、Z6…ステージの高さ、α,β…あらかじめ設定された対象物を観察するための領域。
図1
図2
図3
図4
図5