(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172431
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ケーブル管理装置およびケーブル管理方法
(51)【国際特許分類】
H02G 11/00 20060101AFI20241205BHJP
B63J 99/00 20090101ALI20241205BHJP
【FI】
H02G11/00
B63J99/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090146
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000121327
【氏名又は名称】遠藤工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 達紀
(72)【発明者】
【氏名】渋木 雅利
【テーマコード(参考)】
5G371
【Fターム(参考)】
5G371AA07
5G371BA01
5G371CA07
(57)【要約】
【課題】簡素な構成のケーブル管理装置を実現する。
【解決手段】ケーブル管理装置100は、第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とを具備する。第1ガイド部材30は、第1連結部31と第1延在部32と第2延在部33とを含み、第2ガイド部材40は、第2連結部41と第3延在部42と第4延在部43とを含む。第2ガイド部材40が基準位置P1にある状態で第1連結部31と第2連結部32とが距離D1だけ離間した待機状態から、第1ガイド部材30をX1方向に移動することで、第1連結部31と第2連結部41とが距離D2(D2<D1)だけ離間した伸長状態に遷移する。また、第1連結部31と第2連結部41との距離を距離D2に維持したまま第1ガイド部材30および第2ガイド部材40をX2方向に移動することで、基準位置P1よりもX2方向にある退避位置P2に第2ガイド部材40が位置する退避状態に遷移する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガイド部材と、
前記第1ガイド部材に平面視で重複する第2ガイド部材とを具備し、
接続端子が先端に設置されたケーブルを管理する装置であって、
前記第1ガイド部材は、
第1連結部と、
相互に間隔をあけて前記第1連結部から設置面に沿う第1方向に延在する第1延在部および第2延在部とを含み、
前記第2ガイド部材は、
前記第1連結部に対して前記第1方向に位置する第2連結部と、
相互に間隔をあけて前記第2連結部から前記第1方向とは反対の第2方向に延在する第3延在部および第4延在部とを含み、
前記第1延在部のうち前記第1方向の第1端部と前記第3延在部のうち前記第2方向の第2端部との間において前記第1連結部と前記第2連結部とを含む環状の案内経路に沿って湾曲した状態で、前記ケーブルは前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材に支持される
ケーブル管理装置。
【請求項2】
前記第2ガイド部材が基準位置にある状態で前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離だけ離間した待機状態から、前記第2ガイド部材を前記基準位置に維持したまま前記第1ガイド部材を前記第1方向に移動することで、前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離を下回る第2距離だけ離間した伸長状態に遷移し、
前記伸長状態から、前記第1連結部と前記第2連結部との距離を前記第2距離に維持したまま前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材を前記第2方向に移動することで、前記基準位置よりも前記第2方向にある退避位置に前記第2ガイド部材が位置する退避状態に遷移する
請求項1のケーブル管理装置。
【請求項3】
前記第1連結部は、前記第2方向に凸の円弧状であり、
前記第2連結部は、前記第1方向に凸の円弧状である
請求項1のケーブル管理装置。
【請求項4】
前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材とを支持する支持機構
をさらに具備する請求項1から請求項3の何れかのケーブル管理装置。
【請求項5】
前記支持機構は、
相互に間隔をあけて前記第1方向に延在する第1レール部材および第2レール部材と、
相互に間隔をあけて前記第1方向に延在する第3レール部材および第4レール部材とを含み、
前記第1延在部が前記第1レール部材に移動可能に支持され、かつ、前記第2延在部が前記第2レール部材に移動可能に支持された状態で、前記第1ガイド部材は前記第1レール部材と前記第2レール部材との間に支持され、
前記第3延在部が前記第3レール部材に移動可能に支持され、かつ、前記第4延在部が前記第4レール部材に移動可能に支持された状態で、前記第2ガイド部材は前記第3レール部材と前記第4レール部材との間に支持される
請求項4のケーブル管理装置。
【請求項6】
前記第1ガイド部材に設置された第1ロック機構と、
前記第2ガイド部材に設置された第2ロック機構と、
前記第2ガイド部材のうち前記第2ロック機構よりも前記第1方向に設置された第3ロック機構と、
前記第2ガイド部材に設置された第4ロック機構と、
前記支持機構に設置された第5ロック機構と、
前記支持機構のうち前記第5ロック機構よりも前記第2方向に設置された第6ロック機構とをさらに具備し、
前記第1ロック機構は、前記第2ロック機構および前記第3ロック機構の何れかに固定可能であり、
前記第4ロック機構は、前記第5ロック機構および前記第6ロック機構の何れかに固定可能である
請求項4のケーブル管理装置。
【請求項7】
第1ガイド部材と、前記第1ガイド部材に平面視で重複する第2ガイド部材とを利用して、接続端子が先端に設置されたケーブルを管理する方法であって、
前記第1ガイド部材は、
第1連結部と、
相互に間隔をあけて前記第1連結部から設置面に沿う第1方向に延在する第1延在部および第2延在部とを含み、
前記第2ガイド部材は、
前記第1連結部に対して前記第1方向に位置する第2連結部と、
相互に間隔をあけて前記第2連結部から前記第1方向とは反対の第2方向に延在する第3延在部および第4延在部とを含み、
前記第1延在部のうち前記第1方向の第1端部と前記第3延在部のうち前記第2方向の第2端部との間において前記第1連結部と前記第2連結部とを含む環状の案内経路に沿って湾曲した状態で、前記ケーブルは前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材に支持され、
前記第2ガイド部材が基準位置にある状態で前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離だけ離間した待機状態から、前記第2ガイド部材を前記基準位置に維持したまま前記第1ガイド部材を前記第1方向に移動することで、前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離を下回る第2距離だけ離間した伸長状態に遷移し、
前記伸長状態から、前記第1連結部と前記第2連結部との距離を前記第2距離に維持したまま前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材を前記第2方向に移動することで、前記基準位置よりも前記第2方向にある退避位置に前記第2ガイド部材が位置する退避状態に遷移する
ケーブル管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケーブルを管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば港湾に停泊した船舶に対して陸上から電力を供給するためのケーブルを管理する各種の技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、ケーブルリールおよびケーブルクレーンを利用して、船舶の受電端子に接続される位置まで巻取ケーブルを案内する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のケーブルクレーンは構成が複雑である。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、簡素な構成のケーブル管理装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係るケーブル管理装置は、第1ガイド部材と、前記第1ガイド部材に平面視で重複する第2ガイド部材を具備し、接続端子が先端に設置されたケーブルを管理する装置であって、前記第1ガイド部材は、第1連結部と、相互に間隔をあけて前記第1連結部から設置面に沿う第1方向に延在する第1延在部および第2延在部とを含み、前記第2ガイド部材は、前記第1連結部に対して前記第1方向に位置する第2連結部と、相互に間隔をあけて前記第2連結部から前記第1方向とは反対の第2方向に延在する第3延在部および第4延在部とを含み、前記第1延在部のうち前記第1方向の第1端部と前記第3延在部のうち前記第2方向の第2端部との間において前記第1連結部と前記第2連結部とを含む環状の案内経路に沿って湾曲した状態で、前記ケーブルは前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材に支持される。
【0006】
本開示のひとつの態様に係るケーブル管理方法は、第1ガイド部材と、前記第1ガイド部材に平面視で重複する第2ガイド部材とを利用して、接続端子が先端に設置されたケーブルを管理する方法であって、前記第1ガイド部材は、第1連結部と、相互に間隔をあけて前記第1連結部から設置面に沿う第1方向に延在する第1延在部および第2延在部とを含み、前記第2ガイド部材は、前記第1連結部に対して前記第1方向に位置する第2連結部と、相互に間隔をあけて前記第2連結部から前記第1方向とは反対の第2方向に延在する第3延在部および第4延在部とを含み、前記第1延在部のうち前記第1方向の第1端部と前記第3延在部のうち前記第2方向の第2端部との間において前記第1連結部と前記第2連結部とを含む環状の案内経路に沿って湾曲した状態で、前記ケーブルは前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材に支持され、前記第2ガイド部材が基準位置にある状態で前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離だけ離間した待機状態から、前記第2ガイド部材を前記基準位置に維持したまま前記第1ガイド部材を前記第1方向に移動することで、前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離を下回る第2距離だけ離間した伸長状態に遷移し、前記伸長状態から、前記第1連結部と前記第2連結部との距離を前記第2距離に維持したまま前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材を前記第2方向に移動することで、前記基準位置よりも前記第2方向にある退避位置に前記第2ガイド部材が位置する退避状態に遷移する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る給電システムの概略図である。
【
図3】ケーブル管理装置の平面図および側面図である。
【
図6】第1ガイド部材および第2ガイド部材の各々の断面図である。
【
図7】電ケーブルをケーブル管理装置に併記した平面図である。
【
図9】伸長状態にあるケーブル管理装置の平面図である。
【
図10】退避状態にあるケーブル管理装置の平面図である。
【
図14】退避状態における接続端子の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図面においては、各要素の寸法および縮尺が実際の製品とは相違する場合がある。また、以下に説明する形態は、本開示を実施する場合に想定される例示的な一形態である。したがって、本開示の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0009】
A:ケーブル管理装置100
図1は、本開示のひとつの形態に係る給電システム10の概略図である。給電システム10は、港湾に停泊する船舶90に陸上から電力を供給するためのシステムである。給電システム10は、給電装置11と給電ケーブル12とケーブル管理装置100とを具備する。
【0010】
給電装置11は、地上に設置されて電力を出力する。例えば蓄電装置を具備する電力設備が給電装置11として例示される。給電ケーブル12は、給電装置11から出力される電力を船舶90に供給するためのケーブルである。給電ケーブル12の基端部は給電装置11に接続される。給電ケーブル12の先端には接続端子13が設置される。接続端子13は、船舶90の受電端子94に接続される給電プラグである。なお、本実施形態では1本の給電ケーブル12に着目するが、給電システム10には複数の給電ケーブル12が設置されてもよい。
【0011】
ケーブル管理装置100は、給電ケーブル12を管理するための装置である。ケーブル管理装置100は、地上の設置面Gに設置される。なお、給電ケーブル12はケーブル管理装置100を構成する要素と解釈されてもよい。
【0012】
図2は、ケーブル管理装置100の斜視図である。
図1および
図2に例示される通り、以下の説明においては相互に直交する3軸(X軸,Y軸,Z軸)を想定する。X軸およびY軸は、設置面Gに平行な面内において相互に直交する。設置面Gは例えば水平面である。
【0013】
以下の説明においては、X軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向の反対の方向をX2方向と表記する。X1方向は、設置面Gから船舶90に向かう方向である。X1方向は「第1方向」の一例であり、X2方向は「第2方向」の一例である。また、Y軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向の反対の方向をY2方向と表記する。Z軸は、例えば鉛直方向に沿う軸線である。任意の要素をZ軸に沿う方向に観察することを以下では「平面視」と表記する。
【0014】
図3は、ケーブル管理装置100の平面図および側面図である。
図2および
図3に例示される通り、本実施形態のケーブル管理装置100は、第1ガイド部材30と第2ガイド部材40と支持機構50とを具備する。第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とは鉛直方向に重複して設置される。具体的には、第2ガイド部材40は第1ガイド部材30の下方に位置する。第1ガイド部材30および第2ガイド部材40は、給電ケーブル12を収容および案内する中空の構造体である。すなわち、第1ガイド部材30と第2ガイド部材40との協働により給電ケーブル12が収容および案内される。支持機構50は、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40を支持する構造体である。支持機構50は、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40の下方に位置する。
【0015】
図4は、第1ガイド部材30の平面図である。
図4に例示される通り、第1ガイド部材30は、第1連結部31と第1延在部32と第2延在部33とを含む構造体である。第1連結部31は、平面視でX2方向に凸の円弧状に湾曲する部分である。
【0016】
第1延在部32および第2延在部33は、Y軸の方向に相互に間隔をあけて第1連結部31からX1方向に延在する部分である。第1延在部32は、第1連結部31のうちY1方向の端部からX1方向に延在する。
図2および
図3に例示される通り、第1延在部32のうちX1方向の端部E1は、鉛直下方に向けて円弧状に湾曲する。
図4の第2延在部33は、第1連結部31のうちY2方向の端部からX1方向に延在する。第2延在部33は第1延在部32よりも短い。
【0017】
第1延在部32のうちY1方向(すなわち外側)に向く側壁面には複数の支持ローラ34が設置される。同様に、第2延在部33のうちY2方向(すなわち外側)に向く側壁面には複数の支持ローラ34が設置される。各支持ローラ34は、回転軸がY軸に沿う円柱状の回転体である。第1延在部32および第2延在部33の各々における複数の支持ローラ34は、X軸の方向に沿って相互に間隔をあけて設置される。
【0018】
第1ガイド部材30には把手部材35が設置される。把手部材35は、給電ケーブル12を操作する作業者が把持可能な部材である。具体的には、第1ガイド部材30のうち第2延在部33の上面に把手部材35が設置される。なお、把手部材35が設置される位置は以上の例示に限定されない。
【0019】
図5は、第2ガイド部材40の平面図である。
図5に例示される通り、第2ガイド部材40は、第2連結部41と第3延在部42と第4延在部43とを含む構造体である。
図3に例示される通り、第2連結部41は、第1ガイド部材30の第1連結部31に対して平面視でX1方向に位置する。第2連結部41は、平面視でX1方向に凸の円弧状に湾曲する部分である。
【0020】
第3延在部42および第4延在部43は、Y軸の方向に相互に間隔をあけて第2連結部41からX2方向に延在する部分である。第3延在部42は、第2連結部41のうちY1方向の端部からX2方向に延在する。第4延在部43は、第2連結部41のうちY2方向の端部からX2方向に延在する。第4延在部43は第3延在部42よりも短い。第3延在部42のうちX2方向の端部E2は給電装置11に近接して設置される。
【0021】
第3延在部42のうちY1方向(すなわち外側)に向く側壁面には複数の支持ローラ44が設置される。同様に、第4延在部43のうちY2方向(すなわち外側)に向く側壁面には複数の支持ローラ44が設置される。各支持ローラ44は、回転軸がY軸に沿う円柱状の回転体である。第3延在部42および第4延在部43の各々における複数の支持ローラ44は、X軸の方向に沿って相互に間隔をあけて設置される。
【0022】
図6は、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40の各々の断面図である。
図6に例示される通り、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40は、内壁部61と外壁部62とを具備する。外壁部62は内壁部61の外側に位置する。内壁部61と外壁部62とは相互に間隔をあけて設置される。
【0023】
第1ガイド部材30および第2ガイド部材40の各々において、内壁部61と外壁部62との間の空間には複数の縦ローラ対63と複数の横ローラ対64とが設置される。複数の縦ローラ対63は、第1ガイド部材30または第2ガイド部材40が延在する方向に沿って等間隔に設置される。同様に、複数の横ローラ対64は、第1ガイド部材30または第2ガイド部材40が延在する方向に沿って等間隔に設置される。
【0024】
各縦ローラ対63は、内側ローラ631と外側ローラ632とで構成される。内側ローラ631および外側ローラ632は、回転軸がZ軸に沿う回転体である。内側ローラ631は内壁部61に設置され、外側ローラ632は外壁部62に設置される。したがって、内側ローラ631と外側ローラ632とは相互に間隔をあけて設置される。
【0025】
各横ローラ対64は、上側ローラ641と下側ローラ642とで構成される。上側ローラ641および下側ローラ642は、回転軸がX-Y平面に沿う回転体である。上側ローラ641と下側ローラ642とはZ軸の方向に相互に間隔をあけて設置される。以上の構成において、内側ローラ631と外側ローラ632と上側ローラ641と下側ローラ642とにより包囲された断面矩形状の空間に給電ケーブル12が収容される。なお、内壁部61と外壁部62との間に複数の給電ケーブル12が収容されてもよい。
【0026】
なお、第1ガイド部材30のうち第2延在部33においては下側ローラ642が省略される。また、第2ガイド部材40のうち第4延在部43においては上側ローラ641が省略される。
【0027】
図2および
図3に例示される通り、第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とは平面視で相互に重複する。具体的には、第1ガイド部材30の第1延在部32と第2ガイド部材40の第3延在部42とはX軸に沿う直線上に位置し、第1ガイド部材30の第2延在部33と第2ガイド部材40の第4延在部43とはX軸に沿う直線上に位置する。
【0028】
第1ガイド部材30と第2ガイド部材40との内部には、端部E1と端部E2とにわたる案内経路Qが形成される。案内経路Qは、給電ケーブル12を収容する空間である。具体的には、案内経路Qは、端部E1から、第1延在部32と第1連結部31と第2延在部33と第4延在部43と第2連結部41と第3延在部42とを以上の順番で経由して、端部E2に至る経路である。以上の説明から理解される通り、案内経路Qは、第1連結部31と第2連結部41とを含む環状の経路である。
【0029】
本実施形態においては第1連結部31および第2連結部41が円弧状であるから、端部E1と端部E2との間には平面視で環状(長円状または円形状)の案内経路Qが形成される。したがって、例えば第1連結部31および第2連結部41が直線状である形態と比較して、給電ケーブル12の過度な屈曲を抑制できる。ただし、第1連結部31および第2連結部41が直線状である形態も本開示の範囲には包含される。
【0030】
図7は、給電ケーブル12が設置された状態の平面図である。
図7に例示される通り、給電ケーブル12は案内経路Qに沿って湾曲した状態で設置される。すなわち、給電ケーブル12は、第1ガイド部材30の端部E1からX1方向に突出する接続端子13を起点として、第1延在部32と第1連結部31と第2延在部33と第4延在部43と第2連結部41と第3延在部42とを以上の順番により通過して、端部E2からX2方向に突出する。給電ケーブル12のうち端部E2からX2方向に突出した基端部が、給電装置11に接続される。前述の通り、第2延在部33においては下側ローラ642が省略され、第4延在部43においては上側ローラ641が省略されている。したがって、給電ケーブル12は第2延在部33と第4延在部43とにわたり延在する。
【0031】
以上の説明の通り、給電ケーブル12は、端部E1と端部E2との間において第1連結部31と第2連結部41とを含む環状の案内経路Qに沿って湾曲した状態で、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40に支持される。給電ケーブル12は、第1連結部31と第2連結部41とに巻回された状態にある。
【0032】
図8は、支持機構50の平面図および側面図である。支持機構50は、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40の各々をX軸の方向に移動可能な状態で支持する。具体的には、支持機構50は、複数の梁部51と複数の脚部52と第1レール機構53と第2レール機構54と繰出口55とを具備する。
【0033】
複数の梁部51の各々は、Y軸に沿う長尺状の部材である。複数の梁部51は、X軸の方向に相互に間隔をあけて配列される。複数の脚部52は、各梁部51の両端部から鉛直下方に突出する構造体である。複数の脚部52の下面が設置面Gに接触した状態でケーブル管理装置100は設置面Gに設置される。
【0034】
第1レール機構53は、第1ガイド部材30をX軸の方向に移動可能な状態で支持する機構である。具体的には、第1レール機構53は、第1レール部材531と第2レール部材532とを具備する。第1レール部材531および第2レール部材532は、Y軸の方向に相互に間隔をあけてX軸の方向(X1,X2)に延在する。すなわち、第1レール部材531および第2レール部材532は、設置面Gに沿って延在する。
【0035】
第1レール部材531の内壁面(すなわち第2レール部材532との対向面)には、X軸の方向に延在する案内溝56が形成される。同様に、第2レール部材532の内壁面(すなわち第1レール部材531との対向面)には、X軸の方向に延在する案内溝56が形成される。
【0036】
図3に例示される通り、第1ガイド部材30の第1延在部32の外壁面と第1レール部材531の内壁面とは相互に対向する。第1延在部32の外壁面に設置された複数の支持ローラ34は、第1レール部材531の案内溝56に収容される。したがって、第1延在部32は、X軸の方向に移動可能な状態で第1レール部材531に支持される。
【0037】
また、第1ガイド部材30の第2延在部33の外壁面と第2レール部材532の内壁面とは相互に対向する。第2延在部33の外壁面に設置された複数の支持ローラ34は、第2レール部材532の案内溝56に収容される。したがって、第2延在部33は、X軸の方向に移動可能な状態で第2レール部材532に支持される。
【0038】
以上の説明から理解される通り、第1ガイド部材30は、第1レール部材531と第2レール部材532との間に支持される。作業者は、把手部材35を把持した状態で第1ガイド部材30をX軸の方向(X1,X2)に手動で移動させることが可能である。
【0039】
図8の第2レール機構54は、第2ガイド部材40をX軸の方向に移動可能な状態で支持する機構である。具体的には、第2レール機構54は、第3レール部材541と第4レール部材542とを具備する。第3レール部材541および第4レール部材542は、Y軸の方向に相互に間隔をあけてX軸の方向(X1,X2)に延在する。すなわち、第3レール部材541および第4レール部材542は、設置面Gに沿って延在する。
【0040】
第3レール部材541の内壁面(すなわち第4レール部材542との対向面)には、X軸の方向に延在する案内溝56が形成される。同様に、第4レール部材542の内壁面(すなわち第3レール部材541との対向面)には、X軸の方向に延在する案内溝56が形成される。
【0041】
図3に例示される通り、第2ガイド部材40の第3延在部42の外壁面と第3レール部材541の内壁面とは相互に対向する。第3延在部42の外壁面に設置された複数の支持ローラ44は、第3レール部材541の案内溝56に収容される。したがって、第3延在部42は、X軸の方向に移動可能な状態で第3レール部材541に支持される。
【0042】
また、第2ガイド部材40の第4延在部43の外壁面と第4レール部材542の内壁面とは相互に対向する。第4延在部43の外壁面に設置された複数の支持ローラ44は、第4レール部材542の案内溝56に収容される。したがって、第4延在部43は、X軸の方向に移動可能な状態で第4レール部材542に支持される。以上の説明から理解される通り、第2ガイド部材40は、第3レール部材541と第4レール部材542との間に支持される。
【0043】
図8に例示される通り、第2レール機構54は第1レール機構53の下方に設置される。具体的には、第1レール部材531の下方に第3レール部材541が設置され、第2レール部材532の下方に第4レール部材542が設置される。したがって、前述の通り、第1ガイド部材30の下方に第2ガイド部材40が位置する。
【0044】
図8の繰出口55は、平面視で端部E1のX1方向に設置される。具体的には、繰出口55は、側面551と底面552とで構成されて上方が開口した構造体である。内部空間の断面積がX1方向に沿って拡大するように、側面551と底面552とはX軸に対して湾曲または傾斜する。
【0045】
以上に説明した通り、本実施形態においては、設置面Gに沿う第1レール部材531と第2レール部材532との間に第1ガイド部材30が位置し、設置面Gに沿う第3レール部材541と第4レール部材542との間に第2ガイド部材40が位置する。したがって、第1レール部材531および第2レール部材532が第1ガイド部材30の上方に位置する形態、または、第3レール部材541および第4レール部材542が第2ガイド部材40の下方に位置する形態と比較して、鉛直方向におけるケーブル管理装置100のサイズを抑制できる。
【0046】
図4に例示される通り、第1ガイド部材30には第1ロック機構71が設置される。具体的には、第1ガイド部材30のうち第2延在部33の内壁面に第1ロック機構71が設置される。
【0047】
図5に例示される通り、第2ガイド部材40には第2ロック機構72と第3ロック機構73と第4ロック機構74とが設置される。具体的には、第2ガイド部材40のうち第4延在部43の内壁面に第2ロック機構72と第3ロック機構73と第4ロック機構74とが設置される。第3ロック機構73は、第2ロック機構72よりもX1方向に位置する。第4ロック機構74は、第2ロック機構72と第3ロック機構73との間に位置する。
【0048】
図8に例示される通り、支持機構50には第5ロック機構75と第6ロック機構76とが設置される。第6ロック機構76は、第5ロック機構75よりもX2方向に位置する。
【0049】
第1ロック機構71と第2ロック機構72と第3ロック機構73とは、第1ガイド部材30と第2ガイド部材40との固定/解除を切替えるための機構である。具体的には、第1ロック機構71は、第2ロック機構72および第3ロック機構73の何れかに固定可能である。例えば、第1ロック機構71と第2ロック機構72とに固定ピンを挿通することで第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とが固定され、固定ピンを抜去することで第1ガイド部材30と第2ガイド部材40との固定が解除される。同様に、第1ロック機構71と第3ロック機構73とに固定ピンを挿通することで第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とが固定され、固定ピンを抜去することで第1ガイド部材30と第2ガイド部材40との固定が解除される。
【0050】
以上の態様においては、第1ロック機構71を第2ロック機構72および第3ロック機構73の何れかに固定することで第1連結部31と第2連結部41との距離が変化する。具体的には、
図3に例示される通り、第1ロック機構71を第2ロック機構72に固定することで、第1連結部31と第2連結部41との間隔が距離D1に設定される。他方、
図9および
図10に例示される通り、第1ロック機構71を第3ロック機構73に固定することで、第1連結部31と第2連結部41との間隔が距離D2に設定される。
【0051】
第4ロック機構74と第5ロック機構75と第6ロック機構76とは、第2ガイド部材40と支持機構50との固定/解除を切替えるための機構である。具体的には、第4ロック機構74は、第5ロック機構75および第6ロック機構76の何れかに固定可能である。例えば、第4ロック機構74と第5ロック機構75とに固定ピンを挿通することで第2ガイド部材40と支持機構50とが固定され、固定ピンを抜去することで固定が解除される。同様に、第4ロック機構74と第6ロック機構76とに固定ピンを挿通することで第2ガイド部材40と支持機構50とが固定され、固定ピンを抜去することで固定が解除される。
【0052】
以上の態様においては、第4ロック機構74を第5ロック機構75および第6ロック機構76の何れかに固定することで、第2ガイド部材40の位置を変更できる。具体的には、
図3および
図9に例示される通り、第4ロック機構74を第5ロック機構75に固定することで、第2ガイド部材40は基準位置P1に位置する。他方、
図10に例示される通り、第4ロック機構74を第6ロック機構76に固定することで、第2ガイド部材40は退避位置P2に位置する。
【0053】
B:給電ケーブル12の管理方法
以上に説明したケーブル管理装置100を利用して給電ケーブル12を管理する方法を説明する。給電ケーブル12を管理する過程において、ケーブル管理装置100は、地上の作業者の操作により、待機状態と伸長状態と退避状態とに遷移し得る。具体的には、船舶90に対して給電ケーブル12を接続する過程において、ケーブル管理装置100は、待機状態から伸長状態に遷移し、伸長状態から退避状態に遷移する。他方、船舶90から給電ケーブル12を抜去する過程において、ケーブル管理装置100は、退避状態から伸長状態に遷移し、伸長状態から待機状態に遷移する。各状態について以下に詳述する。
【0054】
(1)待機状態
待機状態は、ケーブル管理装置100の使用前の状態である。例えばケーブル管理装置100は待機状態で保管される。前掲の
図3には、待機状態が図示されている。
図3に例示される通り、待機状態は、第2ガイド部材40が基準位置P1にある状態で第1連結部31と第2連結部41とが距離D1だけ離間した状態である。基準位置P1は、第2ガイド部材40の初期的な位置である。
【0055】
待機状態においては、第1ロック機構71が第2ロック機構72に固定されることで第1ガイド部材30が第2ガイド部材40に固定され、かつ、第4ロック機構74が第5ロック機構75に固定されることで第2ガイド部材40が支持機構50に固定される。すなわち、待機状態では、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40はX軸の方向に移動できない。
【0056】
(2)伸長状態
図9は、伸長状態にあるケーブル管理装置100の平面図である。伸長状態は、第2ガイド部材40を基準位置P1に維持したまま第1ガイド部材30をX1方向に移動した状態である。伸長状態においては、第1連結部31と第2連結部41とが距離D2だけ離間する。伸長状態における距離D2は待機状態における距離D1を下回る(D2<D1)。
【0057】
具体的には、作業者は、待機状態における第1ロック機構71と第2ロック機構72との固定を解除することで第1ガイド部材30と第2ガイド部材40との固定を解除する。第2ガイド部材40と支持機構50との固定は待機状態から維持される。以上の状態において、作業者は、第1ガイド部材30のみをX1方向に移動する。伸長状態に遷移すると、第1ロック機構71が第3ロック機構73に固定されることで第1ガイド部材30が第2ガイド部材40に固定される。
【0058】
(3)退避状態
図10は、退避状態にあるケーブル管理装置100の平面図である。退避状態は、伸長状態から、第1連結部31と第2連結部41との間隔を距離D2に維持したまま、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40をX2方向に移動した状態である。退避状態において、第2ガイド部材40は退避位置P2に位置する。すなわち、第2ガイド部材40は、待機状態および伸長状態における基準位置P1から退避位置P2に移動(すなわち退避)する。退避位置P2は、基準位置P1よりもX2方向にある位置である。
【0059】
具体的には、作業者は、伸長状態における第4ロック機構74と第5ロック機構75との固定を解除することで第2ガイド部材40と支持機構50との固定を解除する。第1ガイド部材30と第2ガイド部材40との固定は伸長状態から維持される。以上の状態において、作業者は、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40を一括的にX2方向に移動する。すなわち、第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とは固定されているから、作業者が把手部材35を把持した状態で第1ガイド部材30をX2方向に移動することで、第2ガイド部材40も第1ガイド部材30とともにX2方向に移動する。退避状態に遷移すると、第4ロック機構74が第6ロック機構76に固定されることで第2ガイド部材40が支持機構50に固定される。
【0060】
図11から
図13は、以上に説明した各状態における給電ケーブル12の状態に関する説明図である。
図11から
図13においては、給電ケーブル12とケーブル管理装置100との関係に加えて、給電ケーブル12と船舶90との関係が図示されている。
図11から
図13において、ケーブル管理装置100は、簡略化された第1ガイド部材30および第2ガイド部材40のみで便宜的に表現されている。
【0061】
船舶90の例えば船橋には、作業面91と端子面92と天井面93とが設置される。端子面92は、Y-Z平面に平行な平面である。端子面92には受電端子94が設置される。作業面91は、X-Y平面に平行な床面である。船舶90側の作業者は、給電ケーブル12の接続端子13を端子面92の受電端子94に接続する作業を作業面91上で実行する。天井面93は、作業面91に対向する上面である。
【0062】
図11は、待機状態の模式図である。待機状態においては、距離D1だけ離間した第1連結部31と第2連結部41とに給電ケーブル12が環状に巻回された状態にある。給電ケーブル12の接続端子13は、第1ガイド部材30の端部E1の近傍に位置する。
【0063】
図12は、伸長状態の模式図である。伸長状態においては、第2ガイド部材40が基準位置P1に維持されたまま第1ガイド部材30がX1方向に移動することで、第1連結部31と第2連結部41との間隔は距離D2に減少する。すなわち、案内経路Qのうち第1連結部31と第2連結部41とで構成される環状部分の経路長は、待機状態と比較して短縮される。したがって、給電ケーブル12の接続端子13は、第1ガイド部材30の移動に連動して当該経路長の短縮分だけX1方向に移動する。すなわち、接続端子13は待機状態と比較して船舶90の端子面92に接近する。
【0064】
伸長状態において、船上の作業者は、陸上から伸長した給電ケーブル12の接続端子13を把持し、当該接続端子13を端子面92の受電端子94に接続する。
【0065】
図13は、退避状態の模式図である。退避状態においては、伸長状態と比較して、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40がX2方向に退避する。すなわち、第1ガイド部材30の端部E1と船舶90との距離が増加する。また、距離D2を維持したまま第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とがX2方向に移動することで、給電ケーブル12のうち第1ガイド部材30から露出する範囲が拡大する。船上の作業者による給電ケーブル12の取扱が容易になる。
【0066】
また、退避状態においては、給電ケーブル12のうち第1ガイド部材30から露出した部分(以下「余裕部分」という)が充分に確保される。したがって、
図14に例示される通り、ケーブル管理装置100の正面に位置する受電端子94に接続端子13を接続できるほか、
図14の態様Aまたは態様Bのように、ケーブル管理装置100の正面からY軸の方向(Y1方向またはY2方向)にずれた位置の受電端子94にも接続端子13を到達させることが可能である。
【0067】
なお、以上の説明においては、接続端子13を船舶90に接続する作業を例示したが、接続端子13を船舶90から抜去する作業は、接続端子13の接続の作業を逆順に実行することで実現される。具体的には、まず、距離D2を維持したまま第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とをX1方向に移動することで退避状態から伸長状態に遷移する。また、第2ガイド部材40を基準位置P1に維持したまま第1ガイド部材30をX2方向に移動することで伸長状態から待機状態に遷移する。
【0068】
以上に説明した通り、本実施形態によれば、第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とが相対的に移動する簡素な構成により、給電ケーブル12を管理することが可能である。例えば、電気的な接点に関する複雑な構造を必要とせずに給電ケーブル12を管理できる。第1実施形態においては特に、第2ガイド部材40を基準位置P1に維持したまま第1ガイド部材30をX1方向に移動することで給電ケーブル12の接続端子13がX1方向に移動する。したがって、特許文献1のケーブルクレーンと比較して、鉛直方向におけるケーブル管理装置100の高さが抑制され、結果的に船舶90(特に天井面93)に対するケーブル管理装置100の衝突の可能性を低減できる。
【0069】
図12に例示される通り、伸長状態においては第1ガイド部材30が船舶90に接近するから、例えば船舶90が揺動した場合に端部E1が天井面93に衝突する可能性がある。本実施形態においては、
図13に例示される通り、伸長状態から退避状態に遷移することで第1ガイド部材30の端部E1がX2方向に退避する。したがって、退避状態においては端部E1が船舶90に衝突する可能性を低減できる。
【0070】
B:変形例
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0071】
(1)前述の形態においては、作業者が把手部材35を把持した状態で第1ガイド部材30および第2ガイド部材40を手動により移動する形態を例示したが、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40を移動させる駆動機構が設置されてもよい。例えば電動機、油圧機構または空圧機構等のアクチュエータが、第1ガイド部材30および第2ガイド部材40の各々をX軸の方向に移動させる。
【0072】
(2)第1ガイド部材30と第2ガイド部材40との固定/解除を切替える機構(第1ロック機構71,第2ロック機構72,第3ロック機構73)と、第2ガイド部材40と支持機構50との固定/解除を切替える機構(第4ロック機構74,第5ロック機構75,第6ロック機構76)との一方または双方は省略されてもよい。例えば、前述のように第1ガイド部材30および第2ガイド部材40の位置が駆動機構により制御される形態においては、以上に例示した固定/解除のための機構は省略されてよい。
【0073】
(3)前述の形態においては、複数の脚部52を設置面Gに接触した状態でケーブル管理装置100が設置される形態を例示したが、ケーブル管理装置100を設置面Gに設置するための構成は、以上の例示に限定されない。例えば、第1レール機構53および第2レール機構54が、設置面Gに対して直接的に固定されてもよい。第1レール機構53および第2レール機構54が設置面Gに固定される形態においては、前述の梁部51および脚部52は省略されてよい。
【0074】
(4)前述の形態においては、第2ガイド部材40が第1ガイド部材30の下方に位置する形態を例示したが、第1ガイド部材30と第2ガイド部材40との位置関係は以上の例示に限定されない。例えば、第1ガイド部材30が第2ガイド部材40の下方に位置する形態も想定される。第2ガイド部材40が第1ガイド部材30の下方に位置する形態と、第1ガイド部材30が第2ガイド部材40の下方に位置する形態とは、第1ガイド部材30と第2ガイド部材40とが平面視で相互に重複する形態、または第1ガイド部材30と第2ガイド部材40と鉛直方向に積層された形態として包括的に表現される。
【0075】
(5)前述の形態においては、給電ケーブル12が船舶90に接続される形態を例示したが、給電ケーブル12の接続先は船舶90に限定されない。例えば、自動車または電車等の任意の移動体に給電ケーブル12を接続するために、本開示に係るケーブル管理装置100が利用されてもよい。
【0076】
C:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
【0077】
本開示のひとつの態様(態様1)に係るケーブル管理装置は、第1ガイド部材と、前記第1ガイド部材に平面視で重複する第2ガイド部材を具備し、接続端子が先端に設置されたケーブルを管理する装置であって、前記第1ガイド部材は、第1連結部と、相互に間隔をあけて前記第1連結部から設置面に沿う第1方向に延在する第1延在部および第2延在部とを含み、前記第2ガイド部材は、前記第1連結部に対して前記第1方向に位置する第2連結部と、相互に間隔をあけて前記第2連結部から前記第1方向とは反対の第2方向に延在する第3延在部および第4延在部とを含み、前記第1延在部のうち前記第1方向の第1端部と前記第3延在部のうち前記第2方向の第2端部との間において前記第1連結部と前記第2連結部とを含む環状の案内経路に沿って湾曲した状態で、前記ケーブルは前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材に支持される。
【0078】
以上の態様においては、第1ガイド部材と第2ガイド部材とが相対的に移動する簡素な構成によりケーブルを管理することが可能である。また、第2ガイド部材を基準位置に維持したまま第1ガイド部材を設置面に沿う第1方向に移動することでケーブルの接続端子が第1方向に移動する。したがって、特許文献1のケーブルクレーンと比較して、鉛直方向におけるケーブル管理装置の高さが抑制され、接続端子の接続先の設備(以下「接続先設備」という)にケーブル管理装置が衝突する可能性を低減できる。また、伸長状態から退避状態に遷移することで第1ガイド部材の第1端部が第2方向に退避するから、接続先設備に第1端部が衝突する可能性を低減できる。
【0079】
態様1の具体例(態様2)において、前記第2ガイド部材が基準位置にある状態で前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離だけ離間した待機状態から、前記第2ガイド部材を前記基準位置に維持したまま前記第1ガイド部材を前記第1方向に移動することで、前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離を下回る第2距離だけ離間した伸長状態に遷移し、前記伸長状態から、前記第1連結部と前記第2連結部との距離を前記第2距離に維持したまま前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材を前記第2方向に移動することで、前記基準位置よりも前記第2方向にある退避位置に前記第2ガイド部材が位置する退避状態に遷移する。
【0080】
態様1または態様2の具体例(態様3)において、前記第1連結部は、前記第2方向に凸の円弧状であり、前記第2連結部は、前記第1方向に凸の円弧状である。以上の態様においては、第1連結部および第2連結部が円弧状であるから、第1端部と第2端部との間には長円状の案内経路が形成される。したがって、例えば第1連結部および第2連結部が直線状である形態と比較して、ケーブルの過度な屈曲を抑制できる。
【0081】
態様1から態様3の何れかの具体例(態様4)において、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材とを支持する支持機構をさらに具備する。
【0082】
態様4の具体例(態様5)において、前記支持機構は、相互に間隔をあけて前記第1方向に延在する第1レール部材および第2レール部材と、相互に間隔をあけて前記第1方向に延在する第3レール部材および第4レール部材とを含み、前記第1延在部が前記第1レール部材に移動可能に支持され、かつ、前記第2延在部が前記第2レール部材に移動可能に支持された状態で、前記第1ガイド部材は前記第1レール部材と前記第2レール部材との間に支持され、前記第3延在部が前記第3レール部材に移動可能に支持され、かつ、前記第4延在部が前記第4レール部材に移動可能に支持された状態で、前記第2ガイド部材は前記第3レール部材と前記第4レール部材との間に支持される。以上の態様においては、設置面に沿う第1レール部材と第2レール部材との間に第1ガイド部材が位置し、設置面に沿う第3レール部材と第4レール部材との間に第2ガイド部材が位置する。したがって、第1レール部材および第2レール部材が第1ガイド部材の上方に位置する形態、または、第3レール部材および第4レール部材が第2ガイド部材の下方に位置する形態と比較して、鉛直方向におけるケーブル管理装置のサイズを抑制できる。
【0083】
態様4または態様5の具体例(態様6)において、前記第1ガイド部材に設置された第1ロック機構と、前記第2ガイド部材に設置された第2ロック機構と、前記第2ガイド部材のうち前記第2ロック機構よりも前記第1方向に設置された第3ロック機構と、前記第2ガイド部材に設置された第4ロック機構と、前記支持機構に設置された第5ロック機構と、前記支持機構のうち前記第5ロック機構よりも前記第2方向に設置された第6ロック機構とをさらに具備し、前記第1ロック機構は、前記第2ロック機構および第3ロック機構の何れかに固定可能であり、前記第4ロック機構は、前記第5ロック機構および前記第6ロック機構の何れかに固定可能である。以上の態様においては、第1ロック機構を第2ロック機構および第3ロック機構の何れかに固定することで第1連結部と第2連結部との距離が変化する。また、第4ロック機構を第5ロック機構および第6ロック機構の何れかに固定することで、第2ガイド部材の位置を変更できる。
【0084】
本開示のひとつの態様(態様7)に係るケーブル管理方法は、第1ガイド部材と、前記第1ガイド部材に平面視で重複する第2ガイド部材とを利用して、接続端子が先端に設置されたケーブルを管理する方法であって、前記第1ガイド部材は、第1連結部と、相互に間隔をあけて前記第1連結部から設置面に沿う第1方向に延在する第1延在部および第2延在部とを含み、前記第2ガイド部材は、前記第1連結部に対して前記第1方向に位置する第2連結部と、相互に間隔をあけて前記第2連結部から前記第1方向とは反対の第2方向に延在する第3延在部および第4延在部とを含み、前記第1延在部のうち前記第1方向の第1端部と前記第3延在部のうち前記第2方向の第2端部との間において前記第1連結部と前記第2連結部とを含む環状の案内経路に沿って湾曲した状態で、前記ケーブルは前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材に支持され、前記第2ガイド部材が基準位置にある状態で前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離だけ離間した待機状態から、前記第2ガイド部材を前記基準位置に維持したまま前記第1ガイド部材を前記第1方向に移動することで、前記第1連結部と前記第2連結部とが第1距離を下回る第2距離だけ離間した伸長状態に遷移し、前記伸長状態から、前記第1連結部と前記第2連結部との距離を前記第2距離に維持したまま前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材を前記第2方向に移動することで、前記基準位置よりも前記第2方向にある退避位置に前記第2ガイド部材が位置する退避状態に遷移する。
【符号の説明】
【0085】
10…給電システム、11…給電装置、12…給電ケーブル、13…接続端子、100…ケーブル管理装置、30…第1ガイド部材、31…第1連結部、32…第1延在部、33…第2延在部、34…支持ローラ、35…把手部材、40…第2ガイド部材、41…第2連結部、42…第3延在部、43…第4延在部、44…支持ローラ、50…支持機構、51…梁部1、52…脚部、53…第1レール機構、531…第1レール部材、532…第2レール部材、54…第2レール機構、541…第3レール部材、542…第4レール部材、55…繰出口、551…側面、552…底面、56…案内溝、61…内壁部、62…外壁部、63…縦ローラ対、631…内側ローラ、632…外側ローラ、64…横ローラ対、641…上側ローラ、642…下側ローラ、G…案内経路、71…第1ロック機構、72…第2ロック機構、73…第3ロック機構、74…第4ロック機構、75…第5ロック機構、76…第6ロック機構、90…船舶、91…作業面、92…端子面、93…天井面、94…受電端子。