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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172437
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】サッシ窓
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/32 20060101AFI20241205BHJP
   E06B 3/20 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
E06B3/32 B
E06B3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090156
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白井 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中澤 結
(72)【発明者】
【氏名】寺山 和宏
(72)【発明者】
【氏名】黒田 久美子
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA08
2E014BB00
2E014CB02
2E014CD07
(57)【要約】
【課題】屋外側に開く構造において、意匠性に優れ、かつ、窓の屋外側に日よけ部材を設置しても、日よけ部材と窓本体との干渉を防止できるサッシ窓を実現する。
【解決手段】サッシ窓10は、建物の開口縁5に設けられる窓枠12に装着され屋外側に開くように移動可能である開き窓本体28を含む。開き窓本体は、上下方向両端及び左右方向両端の複数の枠部材により形成された框30と、框の内側に取り付けられたガラスパネル60とを含む。框は、枠状に形成された框本体33と、框本体33において厚み方向両側に環状に設けられガラスパネル60の端部を押圧する2つの押し縁部34,35とを有する。2つの押し縁部34,35のうち、屋外側に設けられた一方の押し縁部34は、少なくとも上下方向の一端において、框の内周側に向かって開口する溝部45が設けられ、断面が、矩形の一端を開口させた形状を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口縁に設けられる窓枠と、前記窓枠に装着され屋外側に開くように移動可能である開き窓本体と、を備えるサッシ窓であって、
前記開き窓本体は、上下方向両端及び左右方向両端の複数の枠部材により形成された框と、前記框の内側に取り付けられたガラスパネルとを含み、
前記框は、枠状に形成された框本体と、前記框本体において厚み方向両側に環状に設けられ前記ガラスパネルの端部を押圧する2つの押し縁部とを有し、
2つの前記押し縁部のうち、屋外側に設けられた一方の前記押し縁部は、少なくとも上下方向の一端において、前記框の内周側に向かって開口する溝部が設けられ、断面が、矩形の一端を開口させた形状を有する、
サッシ窓。
【請求項2】
一方の前記押し縁部の上下方向一端における屋外側の端部は、外周側に延伸され、上下方向一端の前記枠部材の屋外側面を覆っている、
請求項1に記載のサッシ窓。
【請求項3】
一方の前記押し縁部の上下方向一端における屋外側の面と、上下方向一端の前記枠部材の屋外側面とは、同一平面上に位置する、
請求項1に記載のサッシ窓。
【請求項4】
一方の前記押し縁部は、上下方向の両端と左右方向の両端とにおいて、それぞれ前記框の内周側に向かって開口する前記溝部が設けられた、断面が、矩形の一端を開口させた形状を有する、
請求項1に記載のサッシ窓。
【請求項5】
前記窓枠及び前記框のそれぞれは、少なくとも一部が樹脂製である、
請求項1に記載のサッシ窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サッシ窓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、サッシを含むサッシ窓において、窓枠に装着され屋外側に開くように移動可能である開き窓本体が設けられ、開き窓とした構造が知られている。
【0003】
特許文献1には、建物の開口縁に設けられる窓枠と、窓枠に取り付けられ屋内側に開くように移動可能である窓本体とを備える、内開き窓が記載されている。特許文献1に記載された構成では、窓の屋外側に、巻き取り型のシャッタが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58―222284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、夏期に窓から日射熱が室内に流入し室温が上昇するのを防ぐために、シェードや、シャッタ等の日よけ部材を、窓の屋外側に設置することが望ましい。特許文献1に記載された構成のように、内開き窓であれば窓の屋外側にシャッタ等の日よけ部材を設けても、窓を開く際に日よけ部材と窓本体とが干渉することはない。しかしながら、屋外側に開く構造をもつ滑り出し窓等の開き窓においては、窓を開く際に日よけ部材と窓本体とが干渉してしまうため、屋外側に日よけ部材を設置することは困難である。
【0006】
一方、窓と日よけ部材が干渉しない程度に、日よけ部材を外壁から突出させて設置することも考えられるが、意匠性が損なわれてしまう。
【0007】
本開示の目的は、屋外側に開く構造において、意匠性に優れ、かつ、窓の屋外側に日よけ部材を設置しても、日よけ部材と窓本体との干渉を防止できるサッシ窓を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のサッシ窓は、建物の開口縁に設けられる窓枠と、窓枠に装着され屋外側に開くように移動可能である開き窓本体と、を備えるサッシ窓であって、開き窓本体は、上下方向両端及び左右方向両端の複数の枠部材により形成された框と、框の内側に取り付けられたガラスパネルとを含み、框は、枠状に形成された框本体と、框本体において厚み方向両側に環状に設けられガラスパネルの端部を押圧する2つの押し縁部とを有し、2つの押し縁部のうち、屋外側に設けられた一方の押し縁部は、少なくとも上下方向の一端において、框の内周側に向かって開口する溝部が設けられ、断面が、矩形の一端を開口させた形状を有する、サッシ窓である。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係るサッシ窓によれば、屋外側に開く構造において、意匠性に優れ、かつ、窓の屋外側に日よけ部材を設置しても、日よけ部材と窓本体との干渉を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態のサッシ窓を屋外側から見た斜視図である。
図2図1の下側部分を拡大して斜め上から見た斜視図である。
図3図1のA-A断面で切断した断面を含む拡大斜視図である。
図4図3の断面の拡大図である。
図5】比較例のサッシ窓において、図3に対応する図である。
図6図5の断面の拡大図である。
図7】実施形態の別例のサッシ窓において、図4に対応する図である。
図8】実施形態の別例のサッシ窓において、図4に対応する図である。
図9】実施形態の別例のサッシ窓において、図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は、説明のための例示であって、サッシ窓の仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0012】
図1は、実施形態のサッシ窓10を屋外側から見た斜視図である。図2は、図1の下側部分を拡大して斜め上から見た斜視図である。図3は、図1のA-A断面で切断した断面を含む拡大斜視図である。図4は、図3の断面の拡大図である。
【0013】
図1から図4において、建物の外壁1は、外壁躯体としての壁パネル2を含んで構成される。壁パネル2は、格子状等に組まれたパネル芯材3と、パネル芯材3の屋外側に配置された外装材(図示せず)とを含んでいる。
【0014】
サッシ窓10は、窓枠12と、窓枠12に装着され屋外側(例えば、図4の矢印α方向)に開くように移動可能である開き窓本体28とを含んで構成される。窓枠12は、建物の外壁1において、パネル芯材3で形成された断面矩形状の開口縁5(図3)に設けられる枠体である。開き窓本体28は、窓枠12の内側に組み付けられた框30と、框30の内側に取り付けられたガラスパネル60とを含む。ガラスパネル60は、単層ガラス、または複層ガラスにより構成される。
【0015】
サッシ窓10は、框30が窓枠12に対し屋外側に滑り出し開閉可能に支持された滑り出し窓として形成される。窓枠12の左右両端で上下方向に延びる縦枠要素15,16と、框30の左右両端で上下方向に延びる縦框要素31,32とは、アーム部材(図示せず)で連結される。
【0016】
図3図4に示すように、窓枠12は、樹脂により中空の矩形枠状に形成される。窓枠12は、建物の開口縁5に嵌め込まれた状態で、建物の外壁1にネジ等の固定手段により固定される。
【0017】
框30は、樹脂製で中空の矩形枠状に形成された框本体33と、框本体33において厚み方向両側の内周側端部に環状に設けられた樹脂製の2つの押し縁部34,35とを有する。2つの押し縁部34,35は、ガラスパネル60の外周側端部を厚み方向両側から弾性的に押圧する。框30は、上下方向両端に配置され左右方向に延びる横框要素36,37と、左右方向両端に配置され上下方向に延びる縦框要素31,32とが枠状に連結されて形成される。上下方向両端の横框要素36,37と、左右方向両端の縦框要素31,32とは、それぞれ枠部材に相当する。
【0018】
2つの押し縁部34,35のうち、屋外側に設けられた一方の押し縁部34は、框本体33とは別部材である矩形枠状の押し縁部材40により形成される。押し縁部材40は、框本体33の内周の厚み方向一端部である屋外側端部に全周にわたって設けられた溝33aに嵌め込まれて係止される係止部41と、框本体33の内周縁から内周側に突出する部分に設けられ、断面が、矩形の一端である内周側端を開口させた形状である押し縁本体42とを有する。押し縁本体42は、框30の内周側に向かって開口する溝部45が設けられ、溝部45のそれぞれは、框30の矩形状の内周縁の辺に沿って延びている。
【0019】
また、押し縁本体42のガラスパネル60側の側面には、ゴム製の気密部材50が取り付けられる。
【0020】
このように、押し縁部材40には、ガラスパネル60の外側に配置され框30の内周側に向かって開口する溝部45が形成される。溝部45は、框30の枠状部分の下端部だけでなく上端部にも同様に設けられる。これにより、図4に示すように、サッシ窓10の屋外側に、上下方向に展開移動可能な巻取り型または折り畳み型のシェードや、シャッタ等の日よけ部材100を設けて、上下方向両端のいずれか一方の溝部45内に日よけ部材100を収容できる。図4では、日よけ部材100の例として、折り畳み型のシェードが下端の溝部45に収容可能であることを示している。このような溝部45は、ガラスパネル60と一体に移動可能に設けられる。このため、開き窓本体28の屋外側に開く機能が日よけ部材100で妨げられることを防止できる。すなわち、サッシ窓10の屋外側に日よけ部材100を設置しても、日よけ部材100と開き窓本体28との干渉を防止できる。また、日よけ部材100を展開しないときには、溝部45に日よけ部材100を収容できるので、屋外側から見たときの意匠性に優れる。
【0021】
2つの押し縁部34,35のうち、屋内側の他方の押し縁部35は、框本体33の厚み方向他端部である屋内側端部の内周から全周にわたって突出している。他方の押し縁部35は、框本体33の他の部分と一体の矩形枠状である。他方の押し縁部35の框幅方向(図4の上下方向)における長さは、押し縁部材40の框本体33から内周側に突出する部分の框幅方向における長さと同じである。他方の押し縁部35のガラスパネル60側の端部には、ゴム製の気密部材51が取り付けられる。2つの押し縁部34,35は、ガラスパネル60の厚み方向両外側面と気密部材50,51を介して対向し、各気密部材50,51の先端は、ガラスパネル60の厚み方向外側面に接触している。各気密部材50,51の一部は、各押し縁部34,35より内周側に突出している。2つの押し縁部34,35が、ガラスパネル60の厚み方向両外側面に気密部材50,51を介して押し付けられることにより、框30に対しガラスパネル60が保持される。各気密部材50,51は、2つの押し縁部34,35と、ガラスパネル60の厚み方向両外側面との間を、気密にシールする。
【0022】
窓枠12は、上下方向両端に配置され左右方向に延びる横枠要素17,18と、左右方向両端に配置され上下方向に延びる縦枠要素15,16とが枠状に連結されて形成され、建物の開口縁5に取り付けられる。
【0023】
図3図4に示すように、下端の横枠要素18は、略矩形筒状で複数本の仕切り板18a,18b,18c,18dが窓枠12の厚み方向複数位置に設けられた枠本体19と、枠本体19の屋内側端部の内周から内側に向かって延びる断面矩形状の突部20とを含む。突部20の屋外側端の内周端部にはゴム製の気密部材21が取り付けられる。気密部材21の先端は框本体33の屋内側端部の側面に押し付けられる。枠本体19の屋内側端の側面からは屋内側に延出する延出部22が形成される。
【0024】
窓枠12において、屋外側端の外周側に屋外側に延びる断面略矩形の外突部80が設けられる。外突部80は、外装材(図示せず)の外側面より屋外側に突出する。また、窓枠12の外周面から外側には、窓枠12の厚み方向に対し直交する方向に延びる突き当て部82が延びており、その突き当て部82がパネル芯材3の屋外側面に突き当てられて、窓枠12の位置決めが図られる。上端の横枠要素17の構成は、下端の横枠要素18と、上下方向の関係が逆になるだけで同様である。
【0025】
左右方向両端の縦枠要素15,16の構成は、上下方向と左右方向の関係が入れ替わるだけで、上端の横枠要素17または下端の横枠要素18の構成と同様である。
【0026】
また、左右方向両端の縦框要素31,32の構成は、上下方向と左右方向の関係が入れ替わるだけで、上端の横框要素36または下端の横框要素37の構成と同様である。このため、押し縁部材40において、各縦框要素31,32を構成する部分にも、框30の内周側に向かって開口する溝部45が設けられる。
【0027】
上記のサッシ窓10によれば、屋外側に開く構造において、サッシ窓10の屋外側に日よけ部材100を設置しても、日よけ部材100と開き窓本体28との干渉を防止できる。さらに、日よけ部材100を展開しない状態で、日よけ部材100を押し縁部材40の溝部45に収容できるので、外側から日よけ部材100が見えにくくなる。また、サッシ窓10と日よけ部材100が干渉しない程度に、日よけ部材100を外壁1から突出させて設置する必要がない。これにより、意匠性に優れた構造のサッシ窓10を実現できる。
【0028】
また、上記では、サッシ窓10の押し縁部材40において、上下方向両端及び左右方向両端に溝部45を設ける場合を説明したが、これに限定せず、屋外側の押し縁部の上下方向両端部のみ、または、上下方向一端部のみに、框の内周側に向かって開口する溝部が設けられてもよい。一方、本実施形態のように、屋外側の押し縁部34が、上下方向の両端と左右方向の両端とにおいて、それぞれ框30の内周側に向かって開口する溝部45が設けられた、断面が、矩形の一端を開口させた形状を有する構成とする場合には、日よけ部材100の左右方向両端部を左右方向両端の溝部45に入り込ませることができる。これにより、日よけ部材100を上下方向に展開させた場合に左右方向両端が見えにくくなるので、意匠性をさらに向上できる。
【0029】
また、実施形態のように、窓枠12及び框30のそれぞれを、少なくとも一部が樹脂製である構成とする、すなわち樹脂サッシを用いた構成とする場合には、アルミサッシフレームを用いた構造と比べて熱伝導率が低く、断熱性が高くなる。
【0030】
図5は、比較例のサッシ窓10aにおいて、図3に対応する図である。図6は、図5の断面の拡大図である。図5図6に示す比較例では、框30aの屋外側端部に設ける押し縁部材40aに、框30aの内周側に開口する溝部は設けられない。押し縁部材40aは、扁平な中空状の筒部52が枠状に設けられ、筒部52の外周部に、溝33aに係止される係止部53が設けられる。
【0031】
このような比較例では、サッシ窓10aの外側に日よけ部材を設けることを考えた場合に、サッシ窓10aを開く際に日よけ部材と開き窓本体28aとが干渉してしまう。このため、サッシ窓10aの屋外側に日よけ部材を設置することは困難である。一方、図1図5に示した実施形態によれば、このような不都合を防止できる。
【0032】
図7は、実施形態の別例の第1例のサッシ窓10bにおいて、図4に対応する図である。本例の構成では、図1図5の構成と異なり、框30bの屋外側端部に設ける押し縁部材40bは、断面が、矩形の一端である内周側端を開口させた形状である押し縁本体42の屋外側端の外周面から、ガラスパネル60の面方向に平行に外周側に向かって、矩形枠状のフランジ部54が延出される。また、フランジ部54の外周端には、屋内側に向かって曲げられた外周側筒部55が形成される。フランジ部54の框幅方向(図7の上下方向)長さは、框本体33の屋外側面の框幅方向長さと略一致する。また、外周側筒部55の先端は、框本体33の屋外側面の外周端に近接対向する。これにより、押し縁部材40bの上下方向両端における屋外側の端部であるフランジ部54は、外周側に延伸され、上下方向両端の横框要素37の屋外側面を覆っている。
【0033】
このような構成によれば、框30bの屋外側面が、サッシ窓10bの厚み方向に対し直交する広い平面状となり、サッシ窓10bの外周付近における段差を少なくできる。これにより、サッシ窓10bの意匠性のさらなる向上を図れる。本例において、その他の構成及び作用は、図1図5の構成と同様である。
【0034】
図8は、実施形態の別例の第2例のサッシ窓10cにおいて、図4に対応する図である。本例の構成では、框30cの框本体33bは、屋外側端部が図1図5の構成の框本体33よりも屋外側に延びて、框30cの厚み方向における框本体33bの長さが大きくなっている。そして、框本体33bの屋外側面が、押し縁部材40の屋外側面と同一平面上に位置するように配置される。これにより、框30cの屋外側面が、框本体33bと押し縁部材40とで一体になって、サッシ窓10cの厚み方向に対し直交する広い平面状となるので、サッシ窓10cの外周付近における段差を少なくできる。これにより、サッシ窓10cの意匠性のさらなる向上を図れる。本例において、その他の構成及び作用は、図1図5の構成と同様である。
【0035】
図9は、実施形態の別例の第3例のサッシ窓10dにおいて、図4に対応する図である。本例の構成では、框30dの2つの押し縁部34a、35aのうち、屋外側の押し縁部34aは、框本体33cの一部として、框本体33cの他の部分と一体に設けられる。押し縁部34aは、框30dの内周側が開口した矩形枠状であり、溝部45が形成されるまた、屋外側の押し縁部34aのガラスパネル60側の端部には、ゴム製の気密部材50が取り付けられ、ガラスパネル60の側面を押圧する。
【0036】
一方、2つの押し縁部34a、35aのうち、屋内側の押し縁部35aは、框本体33cとは別部材である矩形枠状の押し縁部材70により形成される。押し縁部材70は、框本体33cの内周の屋内側端部に全周にわたって設けられた溝33dに嵌め込まれて係止される係止部71と、框本体33cの内周縁から内周側に突出する部分に設けられ、断面が、矩形の押し縁本体72とを有する。押し縁本体72のガラスパネル60側の側面には、ゴム製の気密部材51が取り付けられ、ガラスパネル60の側面を押圧する。本例において、その他の構成及び作用は、図1図5の構成と同様である。
【0037】
上記の実施形態では、本開示の構成を、滑り出し窓に適用した場合を説明したが、窓のタイプはこれらに限定するものではなく、窓が屋外側に開く構成であれば、種々のタイプの窓に本開示の構成を適用できる。また、上記の実施形態では、本開示の構成を、樹脂サッシを用いる構造に適用する場合を説明したが、アルミサッシフレーム等、金属製のサッシを用いる構造に本開示の構成を適用することもできる。
【0038】
本開示は、以下の実施形態によりさらに説明される。
構成1:建物の開口縁に設けられる窓枠と、前記窓枠に装着され屋外側に開くように移動可能である開き窓本体と、を備えるサッシ窓であって、
前記開き窓本体は、上下方向両端及び左右方向両端の複数の枠部材により形成された框と、前記框の内側に取り付けられたガラスパネルとを含み、
前記框は、枠状に形成された框本体と、前記框本体において厚み方向両側に環状に設けられ前記ガラスパネルの端部を押圧する2つの押し縁部とを有し、
2つの前記押し縁部のうち、屋外側に設けられた一方の前記押し縁部は、少なくとも上下方向の一端において、前記框の内周側に向かって開口する溝部が設けられ、断面が、矩形の一端を開口させた形状を有する、
サッシ窓。
構成2:一方の前記押し縁部の上下方向一端における屋外側の端部は、外周側に延伸され、上下方向一端の前記枠部材の屋外側面を覆っている、
構成1に記載のサッシ窓。
構成3:一方の前記押し縁部の上下方向一端における屋外側の面と、上下方向一端の前記枠部材の屋外側面とは、同一平面上に位置する、
構成1に記載のサッシ窓。
構成4:一方の前記押し縁部は、上下方向の両端と左右方向の両端とにおいて、それぞれ前記框の内周側に向かって開口する前記溝部が設けられた、断面が、矩形の一端を開口させた形状を有する、
構成1から構成3のいずれか1つに記載のサッシ窓。
構成5:前記窓枠及び前記框のそれぞれは、少なくとも一部が樹脂製である、
構成1から構成4のいずれか1つに記載のサッシ窓。
【符号の説明】
【0039】
1 外壁、2 壁パネル、3 パネル芯材、5 開口縁、10,10a,10b,10c,10d サッシ窓、12 窓枠、15,16 縦枠要素、17,18 横枠要素、19 枠本体、20 突部、21 気密部材、22 延出部、28,28a 開き窓本体、30,30a,30b,30c,30d 框、31,32 縦框要素、33,33b,33c 框本体、33d 溝、34,35,34a,35a 押し縁部、40,40a,40b 押し縁部材、41 係止部、42 押し縁本体、45 溝部、50,51 気密部材、52 筒部、53 係止部、54 フランジ部、60 ガラスパネル、70 押し縁部材、71 係止部、72 押し縁本体、80 外突部、82 突き当て部、100 日よけ部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9