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特開2024-172444計画システム、計画方法、及び計画プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172444
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】計画システム、計画方法、及び計画プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241205BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090165
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】成松 克己
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA08
3C100AA18
3C100AA22
3C100AA32
3C100AA36
3C100BB05
3C100BB12
3C100BB39
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】製品の部材の需要変動の増大を抑制する。
【解決手段】実施形態の計画システムは、複数の生産計画日に計画された製品の生産に対してそれぞれ、1つ以上の部材及び1つ以上の仕掛品を含む複数の引当材料のうち、少なくとも1つを引き当てる引当処理を実行する引当部、を備え、上記引当部は、上記引当処理において、上記1つ以上の部材が引き当てられた上記製品の生産の各々について、引き当てられた上記1つ以上の部材が使用される予定である使用予定日を算出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の生産計画日に計画された製品の生産に対してそれぞれ、1つ以上の部材及び1つ以上の仕掛品を含む複数の引当材料のうち、少なくとも1つを引き当てる引当処理を実行する引当部、
を備え、
前記引当部は、前記引当処理において、前記1つ以上の部材が引き当てられた前記製品の生産の各々について、引き当てられた前記1つ以上の部材が使用される予定である使用予定日を算出する、
計画システム。
【請求項2】
前記1つ以上の部材の入荷状態は、
在庫する状態、入荷予定である状態、及び発注予定である状態を含む、
請求項1記載の計画システム。
【請求項3】
前記引当処理の結果に基づき、前記複数の生産計画日に計画された前記製品の生産が実行される複数の回答計画日を算出する回答作成部を、
をさらに備え、
前記引当部は、前記引当処理において、
引き当てられた前記複数の引当材料をそれぞれ用いて、前記製品の生産が実行可能とされる複数の生産回答可能日を算出し、
前記回答作成部は、
前記複数の生産計画日及び前記複数の生産回答可能日に基づいて、前記複数の回答計画日を決定する、
請求項1記載の計画システム。
【請求項4】
各期間における前記製品の生産数量の目標値を含む生産計画ガイド情報に基づいて、前記複数の生産計画日における前記製品の生産を計画する生産計画部を、
さらに備える、
請求項3記載の計画システム。
【請求項5】
前記複数の生産計画日、及び前記複数の回答計画日に基づき、前記各期間の販売数量及び在庫数量を含むサマリ情報を生成するサマリ作成部を、
さらに備え、
前記サマリ情報は、新たな生産計画ガイド情報にフィードバックされる、
請求項4記載の計画システム。
【請求項6】
前記生産計画部は、
前記新たな生産計画ガイド情報に基づいて、新たな複数の生産計画日における前記製品の生産を計画する、
ように構成される、
請求項5記載の計画システム。
【請求項7】
複数の生産計画日に計画された製品の生産に対してそれぞれ、1つ以上の部材及び1つ以上の仕掛品を含む複数の引当材料のうち、少なくとも1つを引き当てることと、
前記1つ以上の部材が引き当てられた前記製品の生産の各々について、引き当てられた前記1つ以上の部材が使用される予定である使用予定日を算出することと、
を備える、
計画方法。
【請求項8】
複数の生産計画日に計画された製品の生産に対してそれぞれ、1つ以上の部材及び1つ以上の仕掛品を含む複数の引当材料のうち、少なくとも1つを引き当てることと、
前記1つ以上の部材が引き当てられた前記製品の生産の各々について、引き当てられた前記1つ以上の部材が使用される予定である使用予定日を算出することと、
を実行させる
計画プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、計画システム、計画方法、及び計画プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の生産に関する計画を生成する計画システムが知られる。計画システムは、例えば、生成した計画に基づいて、顧客へ回答する製品の納期を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0155164号明細書
【特許文献2】米国特許第9767495号明細書
【特許文献3】特開2000-353190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製品の部材の需要変動の増大を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の計画システムは、複数の生産計画日に計画された製品の生産に対してそれぞれ、1つ以上の部材及び1つ以上の仕掛品を含む複数の引当材料のうち、少なくとも1つを引き当てる引当処理を実行する引当部、を備え、上記引当部は、上記引当処理において、上記1つ以上の部材が引き当てられた上記製品の生産の各々について、引き当てられた上記1つ以上の部材が使用される予定である使用予定日を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る計画システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図2】実施形態に係る計画システムの機能構成の一例を示すブロック図。
図3】実施形態に係る計画システムを用いて計画が作成される製品の製造ラインの一例を示す概略図。
図4】実施形態に係る計画システムに用いられる基本情報に含まれる、製品-WIP品引当マスタ情報の一例を説明するための表。
図5】実施形態に係る計画システムに用いられる基本情報に含まれる、製品-部材要求マスタ情報の一例を説明するための表。
図6】実施形態に係る計画システムに用いられる基本情報に含まれる、生産キャパシティ情報の一例を説明するための表。
図7】実施形態に係る計画システムに用いられる部材在庫・回答情報の一例を説明するための表。
図8】実施形態に係る計画システムに用いられるWIP品情報の一例を説明するための表。
図9】実施形態に係る計画システムに用いられる完成品在庫情報の一例を説明するための表。
図10】実施形態に係る計画システムに用いられる生産実績情報の一例を説明するための表。
図11】実施形態に係る計画システムに用いられる生産計画ガイド情報の一例を説明するための表。
図12】実施形態に係る計画システムに用いられるデマンド情報の一例を説明するための表。
図13】実施形態に係る計画システムが生成する生産計画情報の一例を説明するための表。
図14】実施形態に係る計画システムが生成する引当情報の一例を説明するための表。
図15】実施形態に係る計画システムが生成する生産計画・回答計画情報の一例を説明するための表。
図16】実施形態に係る計画システムが生成する顧客向け回答情報の一例を説明するための表。
図17】実施形態に係る計画システムが生成する部材要求情報の一例を説明するための表。
図18】実施形態に係る計画システムが生成する月次サマリ情報の一例を説明するための表。
図19】実施形態に係る計画システムを用いた計画動作の一例を説明するフローチャート。
図20】実施形態に係る計画システムを用いた引当情報の生成の一例を説明するフローチャート。
図21】実施形態に係る計画システムを用いた材料の引当の一例を説明するためのフローチャート。
図22】実施形態に係る計画システムを用いた材料の引当の一例を説明するためのフローチャート。
図23】生産計画・回答計画情報を生成するための製品ごとの引当情報。
図24】実施形態に係る計画システムを用いた顧客向け回答情報の生成の一例を説明するためのフローチャート。
図25】月次サマリ作成部により生成される、デマンドステータスごとのサマリ情報。
図26】実施形態に係る計画システムを用いた月次サマリ情報の生成の一例を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同等の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。
【0008】
1 実施形態
実施形態に係る計画システムについて説明する。
【0009】
1.1 構成
実施形態に係る計画システムの構成について説明する。
【0010】
1.1 ハードウェア構成
実施形態に係る計画システムのハードウェア構成について説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る計画システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、計画システム1は、制御回路11、メモリ12、通信モジュール13、ユーザインターフェイス14、及びドライブ15を含む。ドライブ15は、記憶媒体16を含む。
【0012】
制御回路11は、計画システム1の各構成要素を全体的に制御する回路である。制御回路11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。
【0013】
メモリ12は、計画システム1の補助記憶装置である。メモリ12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びメモリカード等を含む。メモリ12には、計画システム1の計画動作に使用される各種情報、及び計画プログラムが記憶される。
【0014】
計画動作において、計画システム1は、対象となる製品を生産するための生産計画を生成する。また、計画動作において、計画システム1は、生成された生産計画に基づく製品の生産に対して、部材及び仕掛品(WIP品)の引当を実行する。さらに、計画動作において、計画システム1は、引当の結果に基づいて、部材をサプライヤに発注するための部材要求情報、及び顧客へ回答する製品の納期を含む顧客向け回答情報を生成する。計画動作の詳細は、後述する。
【0015】
通信モジュール13は、ネットワークを介したデータの送受信に使用される回路である。
【0016】
ユーザインターフェイス14は、ユーザと制御回路11との間で情報を通信するための回路である。ユーザインターフェイス14は、入力機器及び出力機器を含む。入力機器は、例えば、タッチパネル及び操作ボタン等を含む。出力機器は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)及びEL(Electroluminescence)ディスプレイ、並びにプリンタを含む。ユーザインターフェイス14は、ユーザからの入力(ユーザ入力)を電気信号に変換した後、制御回路11に送信する。ユーザインターフェイス14は、制御回路11から受信した計画プログラムの実行結果を、ユーザに出力し得る。
【0017】
ドライブ15は、記憶媒体16に記憶されたプログラムを読込むための装置である。ドライブ15は、例えば、CD(Compact Disk)ドライブ、及びDVD(Digital Versatile Disk)ドライブ等を含む。
【0018】
記憶媒体16は、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。記憶媒体16は、計画プログラムを記憶してもよい。
【0019】
1.1 機能構成
次に、実施形態に係る計画システム1の機能構成について、図2を用いて説明する。図2は、実施形態に係る計画システムの機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図2では、機能構成に加えて、各機能構成が扱う情報が図示される。
【0020】
制御回路11のCPUは、メモリ12又は記憶媒体16に記憶された計画プログラムをRAMに展開する。そして、制御回路11のCPUは、RAMに展開された計画プログラムを解釈及び実行することによりメモリ12、通信モジュール13、ユーザインターフェイス14、ドライブ15、及び記憶媒体16を制御する。これによって、図2に示すように、計画システム1は、生産計画部20、引当部21、製品別回答作成部22、顧客向け回答作成部23、部材要求作成部24、及び月次サマリ作成部25を備えるコンピュータとして機能する。
【0021】
計画システム1には、例えば基本情報d0、部材在庫・回答情報d1、WIP品情報d2、完成品在庫情報d3、生産実績情報d4、生産計画ガイド情報d5、及びデマンド情報d6が入力される。なお、以下の説明において、基本情報d0、部材在庫・回答情報d1、WIP品情報d2、完成品在庫情報d3、生産実績情報d4、生産計画ガイド情報d5、及びデマンド情報d6の各々を区別しない場合には、基本情報d0、部材在庫・回答情報d1、WIP品情報d2、完成品在庫情報d3、生産実績情報d4、生産計画ガイド情報d5、及びデマンド情報d6をそれぞれ、単に入力情報と呼ぶ。計画システム1は、入力情報d0~d6を用いて計画動作を実行する。入力情報d0~d6は、例えば、ユーザによってユーザインターフェイス14を介して入力される。入力情報d0~d6は、例えば、メモリ12又は記憶媒体16に記憶され得る。なお、記憶された入力情報d0~d6は、例えば、ユーザによってユーザインターフェイス14を介して更新されてもよい。
【0022】
基本情報d0は、例えば、仕掛品及び部材の各々を製品の生産に用いるように引き当てる際に利用される情報、及び各製品の生産能力に関する情報を含む。
【0023】
部材在庫・回答情報d1は、部材の入荷状況に関する情報を含む。
【0024】
WIP品情報d2は、例えば計画動作を実行する日(計画実行日)に存在する仕掛品に関する情報を含む。
【0025】
完成品在庫情報d3は、例えば、各製品の在庫に関する情報を含む。
【0026】
生産実績情報d4は、例えば、生産された各製品の数量に関する情報を含む。
【0027】
生産計画ガイド情報d5は、例えば、各製品の月間計画数量に関する情報を含む。月間計画数量は、各月において生産する各製品の数量の目標値である。
【0028】
デマンド情報d6は、例えば、各デマンドに関する情報を含む。デマンドは、顧客から製品を受注すること、及び顧客からの製品の受注が見込まれることを含む。
【0029】
入力情報d0~d6の詳細については、後述する。
【0030】
生産計画部20は、例えば、入力情報d0~d6の全部又は部分を用いて、各製品について、生産計画を作成する。生産計画は、各製品の月間計画数量の生産を達成するための計画である、ということができる。生産計画は、例えば、各製品を生産することが計画された生産計画日、及び各生産計画日において生産する当該製品の数量の目標値(日間計画数量)を含む。生産計画部20は、各製品について、各月に含まれる生産計画日の日間計画数量の合計が、当該月の月間計画数量と同等になるように、生産計画を作成する。また、生産計画部20は、生産計画を含む生産計画情報d7を生成する。生産計画情報d7の詳細については後述する。
【0031】
引当部21は、例えば、入力情報d0~d6の全部又は部分を用いて、生産計画情報d7に含まれる製品及び生産計画日の各組合せに対して、部材及び仕掛品の引当を行う。引当部21は、引き当てられた部材及び仕掛品を含む引当情報d8を生成する。引当情報d8の詳細については後述する。
【0032】
製品別回答作成部22は、例えば、引当情報d8に基づいて、回答計画を作成する。回答計画は、例えば、部材及び仕掛品の引当の結果に基づいて、各製品を生産できると見積もられる計画である。回答計画は、部材及び仕掛品の状況を考慮した、現実的な計画であるということもできる。回答計画は、例えば、製品及び生産計画日の各組合せに対応付けられる1つ以上の回答計画日及び部分計画数量を含む。回答計画日は、各生産計画日に生産することが計画された製品を生産できる日程である。部分計画数量は、各回答計画日に生産できる製品の数量である。製品別回答作成部22は、例えば、製品及び生産計画日の各組合せに対応付けられる部分計画数量の合計が、当該生産計画日の当該製品の日間計画数量と同等になるように、回答計画を作成する。また、製品別回答作成部22は、例えば、回答計画を含む、生産計画・回答計画情報d9を生成する。生産計画・回答計画情報d9の詳細については後述する。
【0033】
顧客向け回答作成部23は、例えば、入力情報d0~d6の全部又は部分、及び生産計画・回答計画情報d9を用いて、デマンド情報d6における各デマンドについて、在庫する製品、及び在庫していない(生産が計画された)製品を引き当てる。また、顧客向け回答作成部23は、例えば、各デマンドについて、顧客へ回答する製品の納期(顧客回答)を作成する。また、顧客向け回答作成部23は、各デマンドに対する製品の引当に関する情報、及び顧客回答を含む、顧客向け回答情報d10を生成する。顧客向け回答情報d10の詳細については後述する。
【0034】
顧客向け回答情報d10は、例えば、顧客に送付される。なお、以下の説明では、顧客として、顧客CA、CB、CC、及びCDが存在する場合が説明される。しかしながら、顧客の数はこれに限られず、1以上の顧客が存在すればよい。また、以下の説明において、顧客CA、CB、CC、及びCDの各々を区別しない場合には、顧客CA、CB、CC、及びCDをそれぞれ、単に顧客Cと呼ぶ。
【0035】
部材要求作成部24は、例えば、引当情報d8から、製品の生産に引き当てられた部材に関する情報を抽出する。また、部材要求作成部24は、例えば、抽出した当該情報に基づく部材要求情報d11を生成する。部材要求情報d11の詳細については後述する。
【0036】
部材要求情報d11は、例えば、部材を供給するサプライヤに送付される。なお、以下の説明では、説明を簡単にするために、サプライヤとして、サプライヤXが存在する場合が説明される。しかしながら、サプライヤの数はこれに限られず、複数のサプライヤが存在してもよい。
【0037】
月次サマリ作成部25は、例えば、入力情報d0~d6の全部又は部分、及び顧客向け回答情報d10を用いて、各月のデマンド、販売、及び在庫に関する月次サマリ情報d12を生成する。月次サマリ情報d12の詳細については後述する。
【0038】
月次サマリ情報d12は、例えば、次回以降の計画動作に用いられる生産計画ガイド情報d5にフィードバックされ得る。すなわち、各製品の月間計画数量は、月次サマリ情報d12に基づいて設定、及び補正され得る。フィードバック後の生産計画ガイド情報d5は、生産計画部20による新たな生産計画情報d7の生成に用いられる。
【0039】
なお、入力情報d0~d6、引当情報d8、生産計画・回答計画情報d9、顧客向け回答情報d10、部材要求情報d11、及び月次サマリ情報d12は、メモリ12又は記憶媒体16に保持され得る。
【0040】
1.2 製品
実施形態に係る計画システム1により計画動作が実行される製品の製造ラインの一例について、図3を用いて説明する。図3は、実施形態に係る計画システムを用いて計画が作成される製品の製造ラインの一例を示す概略図である。以下では、計画システム1が、製品PA及びPBについての計画動作を実行する場合について説明される。しかしながら、これに限られず、計画動作の対象とされる製品は1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【0041】
製品PAは、部材M1及びM2を用いて、工程SA1、SA2、及びSATを含む製造ラインによって製造される。より具体的に、工程SA1において、部材M1が投入される。そして、投入された部材M1に対して、工程SA1の処理が実行される。次に、工程SA2において、部材M2が投入される。それから、投入された部材M2、及び工程SA1の処理が実行された部材M1を用いて、工程SA2の処理が実行される。最後に、工程SATの処理が実行される。工程SATは、例えば、製品PAの品質検査を行う工程である。以上のようにして、製品PAが製造される。
【0042】
製品PBは、製品PAと同じ部材M1及びM2を用いて、工程SB1、SB2、及びSBTを含む製造ラインによって製造される。製品PBの製造ラインは、工程SA1、SA2、及びSATの代わりに、工程SB1、SB2、及びSBTの処理が実行されることを除き、製品PAの製造ラインと同様であるため、説明を省略する。
【0043】
なお、以下の説明において、製品PA及びPBを区別しない場合は、製品PA及びPBをそれぞれ、単に製品Pとも呼ぶ。また、以下の説明において、部材M1及びM2を区別しない場合は、部材M1及びM2をそれぞれ、単に部材Mとも呼ぶ。また、以下の説明において、工程SA1、SA2、SAT、SB1、SB2、及びSBTを区別しない場合は、工程SA1、SA2、SAT、SB1、SB2、及びSBTをそれぞれ、単に工程Sとも呼ぶ。
【0044】
1.3 入力情報
実施形態に係る計画システム1の入力情報d0~d6について具体的に説明する。
【0045】
(基本情報d0)
基本情報d0は、例えば、製品-WIP品引当マスタ情報d0-1、製品-部材要求マスタ情報d0-2、及び生産キャパシティ情報d0-3を含む。基本情報d0について、図4図5、及び図6を用いて説明する。図4は、実施形態に係る計画システムに用いられる基本情報に含まれる、製品-WIP品引当マスタ情報の一例を説明するための表である。図5は、実施形態に係る計画システムに用いられる基本情報に含まれる、製品-部材要求マスタ情報の一例を説明するための表である。図6は、実施形態に係る計画システムに用いられる基本情報に含まれる、生産キャパシティ情報の一例を説明するための表である。
【0046】
なお、以降の説明において、表の各行に含まれる1セットのデータをレコードとも呼ぶ。
【0047】
製品-WIP品引当マスタ情報d0-1は、製品Pの生産に用いるために、各仕掛品を引き当てる際に利用される。図4に示すように、製品-WIP品引当マスタ情報d0-1は、例えば、製品P、仕掛品、投入部材、仕掛工程、残りリードタイムLTrm、及び残歩留を含む。製品-WIP品引当マスタ情報d0-1では、投入部材、仕掛工程、残りリードタイムLTrm、及び残歩留が、仕掛品ごとに保持される。
【0048】
仕掛品は、仕掛品WIP-SA1、WIP-SA2、WIP-SAT、WIP-SB1、WIP-SB2、及びWIP-SBTを含む。仕掛品WIP-SA1、WIP-SA2、WIP-SATは、製品PAの仕掛品である。また、仕掛品WIP-SB1、WIP-SB2、WIP-SBTは、製品PBの仕掛品である。仕掛品WIP-SA1、WIP-SA2、WIP-SAT、WIP-SB1、WIP-SB2、及びWIP-SBTはそれぞれ、工程SA1、SA2、SAT、SB1、SB2、及びSBTの処理が実行されている仕掛品である。なお、以下の説明において、仕掛品WIP-SA1、WIP-SA2、WIP-SAT、WIP-SB1、WIP-SB2、及びWIP-SBTを区別しない場合は、仕掛品WIP-SA1、WIP-SA2、WIP-SAT、WIP-SB1、WIP-SB2、及びWIP-SBTをそれぞれ、単に仕掛品WIPとも呼ぶ。
【0049】
仕掛工程は、各仕掛品WIPに対して実行されている工程Sである。すなわち、仕掛品WIP-SA1、WIP-SA2、WIP-SAT、WIP-SB1、WIP-SB2、及びWIP-SBTの仕掛工程はそれぞれ、工程SA1、SA2、SAT、SB1、SB2、及びSBTである。
【0050】
各仕掛品WIPの投入部材は、各製造ラインにおいて、当該仕掛品の仕掛工程以前に投入される部材Mである。より具体的に、仕掛品WIP―SA1及びWIP-SB1についての投入部材は、部材M1である。また、仕掛品WIP―SA2、WIP-SAT、WIP-SB2、及びWIP-SBTの投入部材は、部材M1及びM2である。
【0051】
各仕掛品WIPの残りリードタイムLTrmは、当該仕掛品の仕掛工程が開始されてから、製品が生産されるまでの日数である。
【0052】
各仕掛品WIPの残歩留は、当該仕掛品の仕掛工程以降の工程Sにおける歩留をそれぞれ乗じることで得られる比の値である。なお、実施形態における例では、説明を簡単にするため、各仕掛品の残歩留が1とされる。
【0053】
以上のように、投入部材、仕掛工程、残りリードタイムLTrm、及び残歩留が、仕掛品ごとに保持されることで、各製品Pに対する仕掛品WIPの引当が容易になる。
【0054】
製品-部材要求マスタ情報d0-2は、製品Pの生産に用いるために、各部材Mを引き当てる際に利用される。図5に示すように、製品-部材要求マスタ情報d0-2は、例えば、製品P、部材M、部材識別子(部材ID)、サプライヤ(発注先)、投入工程、使用数、要求リードタイムLTrq、及び歩留を含む。製品-部材要求マスタ情報d0-2では、部材識別子(部材ID)、サプライヤ(発注先)、投入工程、使用数、要求リードタイムLTrq、及び歩留が、製品P及び部材Mの各組合せに対応付けられて、保持される。
【0055】
部材識別子は、例えば、部材Mが投入される工程S(投入工程)を示す識別子である。部材識別子は、部材識別子A1、A2、B1、及びB2を含む。各部材識別子A1、A2、B1、及びB2は、当該部材識別子に対応付けられる部材Mが、工程SA1、SA2、SB1、及びSB2において投入されることを示す。
【0056】
使用数は、例えば、製品Pを1つ生産するために使用される部材Mの数である。
【0057】
要求リードタイムLTrqは、例えば、部材Mを投入してから、製品Pが生産されるまでの日数である。より具体的に、製品PAについての部材M1及びM2の要求リードタイムLTrqはそれぞれ、例えば、仕掛品WIP-SA1及びWIP-SA2の残りリードタイムLTrmと同等である。また、製品PBについての部材M1及びM2の要求リードタイムLTrqはそれぞれ、例えば、仕掛品WIP-SB1及びWIP-SB2の残りリードタイムLTrmと同等である。
【0058】
歩留は、例えば、製品Pの製造における各部材Mの歩留である。
【0059】
なお、以下では、説明を簡単にするため、製品PA及びPBについての各部材MのサプライヤがいずれもサプライヤXである場合の例が説明される。
【0060】
生産キャパシティ情報d0-3は、製品PA及びPBの生産能力に関する情報を含む。図6に示すように、生産キャパシティ情報d0-3は、例えば、生産設定、製品名リスト、及び各月の生産キャパシティを含む。
【0061】
生産設定は、例えば、各月の生産キャパシティを決定するために予め選択される設定である。以下の説明では、例として、生産設定が設定1である場合を示す。設定1は、例えば、各月の生産キャパシティを、予め定められた固定値にする設定である。なお、図示しないが、生産設定は、設定1と異なる設定であってもよい。この場合に、各月の生産キャパシティは、月ごとに異なる値に設定されてもよい。なお、以下の説明において、特に記載がない限り、月及び日は、同年内の月及び日である。
【0062】
製品名リストは、生産される製品Pのリストである。
【0063】
各月の生産キャパシティは、各月に生産することができる、製品名リスト内の製品Pの総生産量である。
【0064】
(部材在庫・回答情報d1)
部材在庫・回答情報d1について、図7を用いて説明する。図7は、実施形態に係る計画システムに用いられる部材在庫・回答情報の一例を説明するための表である。
【0065】
部材在庫・回答情報d1は、例えば、部材M、入荷状態、部材回答日、未使用数量、及び使用済数量を含む。部材在庫・回答情報d1では、例えば、未使用数量及び使用済数量が、部材M、入荷状態、及び部材回答日の各組合せに対応付けられて、保持される。
【0066】
入荷状態は、例えば、部材Mが入荷済であることを示す「在庫」、及び部材Mが入荷する予定であることを示す「入荷予定」を含む。なお、以下の説明において、「入荷予定」の入荷状態を、「回答」の入荷状態とも呼ぶ。
【0067】
部材回答日は、例えば、部材Mの入荷日である。より具体的に、部材回答日は、入荷状態が「在庫」である部材Mが入荷した日、又は入荷状態が「回答」である部材Mが入荷する予定の日である。
【0068】
未使用数量は、例えば、部材回答日に入荷する部材Mの数量(入荷数量)のうち、使用されていない当該部材の数量である。なお、入荷状態が「回答」である部材Mの未使用数量は、当該部材の入荷数量と同等とされる。
【0069】
使用済数量は、例えば、部材Mの入荷数量のうち、使用済である当該部材の数量である。部材Mが使用済であることは、例えば、当該部材を工程Sに投入済であることを意味する。なお、入荷状態が「回答」である部材Mの使用済数量は0である。
【0070】
(WIP品情報d2)
WIP品情報d2について、図8を用いて説明する。図8は、実施形態に係る計画システムに用いられるWIP品情報の一例を説明するための表である。図8では、計画動作が実行される際に、仕掛品WIP-SA2、WIP-SAT、及びWIP-SB1が存在する場合の例が示される。
【0071】
WIP品情報d2は、例えば、仕掛品WIP、仕掛工程、及び仕掛品WIPの数量を含む。WIP品情報d2では、例えば、仕掛工程及び数量が、存在する各仕掛品WIPに対応付けられて、保持される。数量は、計画実行日に存在する各仕掛品WIPの数量である。
【0072】
(完成品在庫情報d3)
完成品在庫情報d3について、図9を用いて説明する。図9は、実施形態に係る計画システムに用いられる完成品在庫情報の一例を説明するための表である。
【0073】
完成品在庫情報d3は、例えば、製品P、最新の在庫数量、及び計画実行日を含む月(計画実行月)の前月末の在庫数量を含む。図9では、最新の在庫数量、及び前月末の在庫数量がそれぞれ、在庫数量(最新)、及び在庫数量(前月末)として示される。完成品在庫情報d3では、例えば、最新の在庫数量、及び前月末の在庫数量が、各製品Pに対応付けられて、保持される。
【0074】
最新の在庫数量は、計画実行日において在庫する、最新の各製品Pの数量である。
【0075】
前月末の在庫数量は、計画実行月の前月末において在庫していた各製品Pの数量である。
【0076】
(生産実績情報d4)
生産実績情報d4について、図10を用いて説明する。図10は、実施形態に係る計画システムに用いられる生産実績情報の一例を説明するための表である。
【0077】
生産実績情報d4は、例えば、製品P、生産日、及び生産数量を含む。生産実績情報d4では、例えば、生産数量が、製品P及び生産日の各組合せに対応付けられて、保持される。
【0078】
生産日は、例えば、各製品Pが生産された日である。
【0079】
生産数量は、各生産日に生産された製品Pの数量である。
【0080】
(生産計画ガイド情報d5)
生産計画ガイド情報d5について、図11を用いて説明する。図11は、実施形態に係る計画システムに用いられる生産計画ガイド情報の一例を説明するための表である。
【0081】
生産計画ガイド情報d5は、例えば、製品P、生産計画月、月間計画数量、及びフラグを含む。生産計画ガイド情報d5では、例えば、月間計画数量及びフラグが、製品P及び生産計画月の各組合せに対応付けられて、保持される。
【0082】
生産計画月は、各製品Pを生産するよう計画される月である。図11の例では、製品Pの生産計画月としてそれぞれ、3月、4月、及び5月が含まれる場合が示される。
【0083】
月間計画数量は、生産計画月内に生産するよう計画される製品Pの数量である。
【0084】
フラグは、例えば、フラグに対応付けられる月間計画数量が予め定められた固定値とされるかどうかを示す。フラグが“FIXED”である場合、月間計画数量は予め定められた固定値とされる。図11の例では、製品PA及びPBについて、全ての生産計画月についてのフラグが“FIXED”である場合が示される。なお、図示しないが、フラグが“FIXED”でない場合、当該フラグに対応付けられる月間計画数量は、例えば、上記固定値と異なる値とされ得る。
【0085】
(デマンド情報d6)
デマンド情報d6について、図12を用いて説明する。図12は、実施形態に係る計画システムに用いられるデマンド情報の一例を説明するための表である。なお、図示される表には、説明のため、適宜、各レコードにIndexが付される。
【0086】
デマンド情報d6は、例えば、顧客C、受注製品、デマンドステータス、デマンド数量、希望納期、及び出荷日を含む。デマンド情報d6では、例えば、顧客C、受注製品、デマンドステータス、デマンド数量、希望納期、及び出荷日が、これらの組合せごとに保持される。なお、デマンド情報d6の各レコードを、単にデマンドとも呼ぶ。
【0087】
受注製品は、顧客Cから受注済である製品P、又は当該顧客Cからの受注が見込まれる製品Pである。
【0088】
デマンドステータスは、受注製品の受注状態を示す。デマンドステータスは、「受注」及び「見込み」を含む。受注製品が受注済の製品Pである場合、デマンドステータスは、「受注」である。受注製品が、受注が見込まれる製品Pである場合、デマンドステータスは、「見込み」である。
【0089】
デマンド数量は、デマンド情報d6の各レコードにおける受注製品の数量である。受注製品が受注済の製品Pである場合、デマンド数量は顧客Cから受注した数量である。受注製品が、受注が見込まれる製品Pである場合、デマンド数量は顧客Cからの受注が見込まれる数量である。
【0090】
希望納期は、受注製品の納期である受注製品が受注済の製品Pである場合、顧客Cが希望する当該受注製品の納期である。希望納期は、受注製品が、受注が見込まれる製品Pである場合、顧客Cが希望すると見込まれる当該受注製品の納期である。
【0091】
出荷日は、デマンド情報d6の各レコードにおける受注製品の出荷日である。受注製品が出荷されていないレコードにおいて、図12では、出荷日に「-」が示される。
【0092】
以上のようなデマンド情報d6において、例えば、図12の1番目のレコードは、顧客CBから100個の製品PAを受注したこと、顧客CBの希望納期が3/5であること、及び当該製品PAが3/5に出荷されたことを示す。また、例えば、図12の6番目のレコードは、顧客CAから100個の製品PBを受注する見込みであること、顧客CAの希望納期は4/10であると見込まれること、及び当該製品PBがまだ出荷されていないことを示す。
【0093】
1.4 計画システムが生成する情報
計画システム1が生成する、生産計画情報d7、引当情報d8、生産計画・回答計画情報d9、顧客向け回答情報d10、部材要求情報d11、及び月次サマリ情報d12について説明する。
【0094】
(生産計画情報d7)
生産計画情報d7について、図13を用いて説明する。図13は、実施形態に係る計画システムが生成する生産計画情報の一例を説明するための表である。
【0095】
生産計画情報d7は、例えば、製品P、生産計画月、生産計画日、生産数量、及び日間計画数量を含む。生産計画情報d7では、例えば、生産数量及び日間計画数量が、製品P、生産計画月、及び生産計画日の各組合せに対応付けられて、保持される。
【0096】
図13において、製品Pが生産されていないレコードにおいて、生産数量には「-」が示される。また、製品Pが生産済であるレコードにおいて、日間計画数量には「-」が示される。
【0097】
以上のようなデマンド情報d6において、例えば、図13の3番目のレコードは、製品PBについて、生産計画月及び生産計画日がそれぞれ3月及び3/20であること、当該生産計画日における製品PBの生産がまだ実行されていないこと、及び当該生産計画日における日間計画数量が300個であることを示す。
【0098】
以上のように、生産計画情報d7は、生産計画日及び日間計画数量を有する生産計画を含む。
【0099】
(引当情報d8)
引当情報d8について、図14を用いて説明する。図14は、実施形態に係る計画システムが生成する引当情報の一例を説明するための表である。
【0100】
引当情報d8は、例えば、製品P、生産計画月、生産計画日、引当材料、引当材料の状態、引当識別子(引当ID)、生産数量、引当計画数量、引当実数量、入荷予定日、生産回答可能日、生産回答日、要求数量、及び要求日(使用予定日)を含む。引当情報d8では、例えば、生産数量、引当計画数量、引当実数量、入荷予定日、生産回答可能日、生産回答日、要求数量、及び要求日が、製品P、生産計画月、生産計画日、引当材料、引当材料の状態、及び引当識別子の各組合せに対応付けられて、保持される。
【0101】
引当材料は、製品Pの生産に引き当てられる部材M及び仕掛品WIPを含む材料である。各生産計画日の製品Pについて、1つ以上の引当材料が引き当てられ得る。なお、生産済である製品Pには引当材料が引き当てられないため、図14では、当該製品のレコードの引当材料に「-」が示される。
【0102】
引当材料の状態は、引当材料の在庫状況や仕掛工程に関する状態である。引当材料が部材Mである場合、引当材料の状態は、部材在庫・回答情報d1に基づく当該部材の入荷状態(「在庫」及び「回答」)、並びに当該部材を発注予定である状態(「要求」)のうちいずれかである。引当材料が仕掛品WIPである場合、引当材料の状態は、当該引当材料の仕掛工程である。すなわち、引当材料の状態は、「工程SA1」、「工程SA2」、「工程SAT」、「工程SB1」、「工程SB2」、及び「工程SBT」のうちいずれかである。なお、生産済である製品Pには引当材料が引き当てられないため、図14では、当該製品のレコードの引当材料の状態に「-」が示される。
【0103】
引当識別子は、製品Pの引当材料に対応する部材識別子である。より具体的に、製品Pの引当材料が部材Mである場合、引当識別子は当該部材の部材識別子である。引当材料が仕掛品WIPである場合、引当識別子は、当該仕掛品の各投入部材の部材識別子である。すなわち、引当材料が仕掛品WIP-SA1である場合、引当識別子は部材識別子A1である。また、引当材料が仕掛品WIP-SB1である場合、引当識別子は部材識別子B1である。また、引当材料が仕掛品WIP-SA2及びWIP-SATの各々である場合(投入部材が部材M1及びM2である場合)、引当情報d8において、引当識別子が部材識別子A1であるレコード、及び引当識別子が部材識別子A2であるレコードが保持され得る。また、引当材料が仕掛品WIP-SB2及びWIP-SBTの各々である場合(投入部材が部材M1及びM2である場合)、引当情報d8において、引当識別子が部材識別子B1であるレコード、及び引当識別子が部材識別子B2であるレコードが保持され得る。なお、生産済である製品Pには引当材料が引き当てられないため、図14では、当該製品のレコードの引当識別子に「-」が示される。
【0104】
引当計画数量は、生産計画日の製品Pの生産に引き当てられる引当材料の数量である。なお、生産済である製品Pには引当材料が引き当てられないため、図14では、当該製品のレコードの引当計画数量に「-」が示される。
【0105】
引当実数量は、生産計画日の製品Pの生産に引き当てられる引当材料のうち、引当を確定できる当該引当材料の数量である。引当を確定できることは、引当材料の状態が、「要求」ではなく、「在庫」、「回答」、「工程SA1」、「工程SA2」、「工程SAT」、「工程SB1」、「工程SB2」、及び「工程SBT」のいずれかであることを意味する。すなわち、仕掛品WIP、及び少なくとも発注が完了している部材Mであれば、引当を確定できることとする。引当材料の状態が「要求」である場合、部材Mが発注されていないため引当が未確定であるとする。なお、引当が未確定であるレコード、及び生産済である製品Pのレコードについて、図14では、引当実数量に「-」が示される。
【0106】
入荷予定日は、入荷予定である部材Mの部材回答日である。すなわち、引当材料の状態が「回答」であるレコードの入荷予定日に、部材在庫・回答情報d1に基づく部材回答日が示される。在庫する部材M、及び仕掛品WIPが引き当てられた製品Pのレコード、並びに生産済の製品Pのレコードについて、入荷予定日は設定されない。入荷予定日が設定されないレコードについて、図14では、入荷予定日に「-」が示される。また、発注予定である部材Mの入荷予定日は未確定である。入荷予定日が未確定であるレコードについて、図14では、入荷予定日に「NA」が示される。
【0107】
生産回答可能日は、引当材料を用いて最短で製品Pが生産される日である。生産回答可能日は、仕掛品WIPの残りリードタイムLTrm、及び部材Mの要求リードタイムLTrqに基づいて、算出され得る。より具体的に、引当材料の状態が「在庫」である場合、生産回答可能日は、計画実行日より、引当材料である部材Mの要求リードタイムLTrq後の日である。引当材料の状態が「回答」である場合、生産回答可能日は、入荷予定日より、引当材料である部材Mの要求リードタイムLTrq後の日である。引当材料の状態が「要求」である場合、生産回答可能日は未確定とされる。引当材料が仕掛品WIPである場合、生産回答可能日は、計画実行日より当該仕掛品の残りリードタイムLTrm後の日である。なお、生産済である製品Pのレコードの生産回答可能日は設定されない。生産回答可能日が設定されないレコードについて、図14では、生産回答可能日に「-」が示される。また、引当材料の状態が「要求」であるレコードの生産回答可能日は未確定である。生産回答可能日が未確定であるレコードについて、図14では、生産回答可能日に「NA」が示される。また、以下の説明において、計画実行日は3月15日であるとする。
【0108】
生産回答日は、生産計画日及び生産回答可能日のうちいずれか遅い日である。すなわち、生産回答可能日が生産計画日より遅いために、現実的に、生産計画日における製品Pの生産ができない場合に、より現実的な製品Pの生産日として、生産回答可能日が生産回答日とされる。なお、上述のように、生産済である製品Pのレコードの生産回答日は設定されない。生産回答可能日が設定されないレコードについて、図14では、生産回答日に「-」が示される。また、上述のように、引当材料の状態が「要求」であるレコードの生産回答日は未確定である。このため、生産回答可能日が未確定であるレコードについて、図14では、生産回答日に「NA」が示される。
【0109】
要求数量は、引当材料として発注する予定である部材Mの数量である。すなわち、要求数量は、引当材料の状態が「要求」であるレコードの引当計画数量と同等である。なお、生産済の製品Pについてのレコード、並びに引当材料が在庫する部材M、入荷予定の部材M、及び仕掛品WIPであるレコードについては、発注予定の部材Mがないとして、図14では、要求数量に「-」が示される。
【0110】
要求日は、生産計画日における製品Pの生産に、引当材料として部材Mが使用される日(部材Mが工程Sに投入される日)である。要求日は、例えば、生産計画日より、基本情報d0における部材Mの要求リードタイムLTrq前の日である。なお、生産済である製品Pのレコード、及び引当材料が仕掛品WIPであるレコードの要求日は設定されない。要求日が設定されないレコードについて、図14では、要求日に「-」が示される。
【0111】
以上のような引当情報d8において、図14の3番目のレコード、及び4番目のレコードは、生産計画日が3/20である製品PBに関連する。図14の3番目のレコードは、例えば、生産計画日が3/20である製品PBの生産に仕掛品WIP-SB1が引き当てられること、当該仕掛品に対する工程SB1が実行されていること、当該仕掛品の引当識別子は引当識別子B1であること、当該仕掛品を用いて当該製品が生産されていないこと、当該仕掛品の引当計画数量及び引当実数量が300個であること、並びに当該仕掛品を用いた製品PBの生産についての生産回答可能日及び生産回答日が3/18、及び3/20であることを示す。図14の4番目のレコードは、例えば、生産計画日が3/20である製品PBに部材M2が引き当てられること、当該部材の入荷状態は「在庫」であること、当該部材の引当識別子は引当識別子B2であること、当該仕掛品を用いて当該製品が生産されていないこと、当該部材の引当計画数量及び引当実数量が300個であること、当該部材を用いた製品PBの生産についての生産回答可能日及び生産回答日が3/17、及び3/20であること、並びに当該部材の要求日が3/18であることを示す。
【0112】
(生産計画・回答計画情報d9)
生産計画・回答計画情報d9について、図15を用いて説明する。図15は、実施形態に係る計画システムが生成する生産計画・回答計画情報の一例を説明するための表である。
【0113】
生産計画・回答計画情報d9は、例えば、製品P、生産計画日、回答計画日、生産状況、生産数量、部分計画数量、及び遅延部材を含む。生産計画・回答計画情報d9では、例えば、生産数量、部分計画数量、及び遅延部材が、製品P、生産計画日、回答計画日、及び生産状況の各組合せに対応付けられて保持される。生産計画・回答計画情報d9において、製品P及び生産計画日の組合せごとに、1つ以上のレコードが保持される。
【0114】
回答計画日は、製品P及び生産計画日の各組合せに対応付けられる引当情報d8のレコードから選択される、いずれかのレコードの生産回答日である。生産計画・回答計画情報d9において製品P及び生産計画日の各組合せに対応付けられる各レコードの回答計画日は、例えば、当該組合せに対応付けられる引当情報d8のレコードの生産回答日のうち、最も遅い生産回答日である。また、生産計画・回答計画情報d9において製品P及び生産計画日の各組合せに複数のレコードが対応付けられる場合、例えば、当該複数のレコードの回答計画日はそれぞれ、互いに異なる。なお、以降の説明において、日程が未確定である(「NA」である)場合に、最も遅い日程であるとする。生産計画・回答計画情報d9を生成する際の引当情報d8のレコードの選択方法については後述する。
【0115】
生産状況は、製品Pの生産についての代表的な引当材料の状態である。生産状況は、例えば、上述のように選択された引当情報d8のレコードの引当材料の状態に基づく。生産状況は、「在庫」、「回答」、「要求」、「工程SA1」、「工程SA2」、「工程SAT」、「工程SB1」、「工程SB2」、及び「工程SBT」、並びに「生産済」を含む。生産状況が「生産済」であることは、製品Pを生産済であることを示す。
【0116】
遅延部材は、上述のように選択された引当情報d8のレコードの引当材料を用いて、生産計画日に製品Pを生産する場合に、遅延すると見込まれる部材Mである。例えば、上述のように選択された引当情報d8のレコードにおいて、引当材料が部材Mであり、かつ生産計画日が要求日より早い場合に、当該引当材料は遅延部材である、とされる。また、例えば、当該選択された引当情報d8のレコードにおいて、生産計画日が要求日以降である場合に、遅延部材がないとされる。また、この場合、図15では、遅延部材に「-」が示される。
【0117】
製品P及び生産計画日の各組合せに対応付けられる1つ以上のレコードの部分計画数量の合計は、例えば、当該生産計画日に対応付けられた、生産計画情報d7のレコードの日間計画数量と同等とされる。なお、生産済みの製品Pのレコードの部分計画数量は設定されないため、図15では、部分計画数量に「-」が示される。
【0118】
以上のような生産計画・回答計画情報d9において、図15の6番目のレコード、及び7番目のレコードは、生産計画日が4/15である製品PAに関連する。図15の6番目のレコードは、例えば、生産計画日が4/15である製品PAの生産について、生産状況が「工程SA2」であること、回答計画日が4/15であること、当該生産状況を有する製品PAの部分計画数量が100であること、及び遅延部材がないことを示す。また、図15の7番目のレコードは、生産計画日が4/15である製品PAの生産について、生産状況が「要求」(部材Mを発注予定である状況)であること、回答計画日が未確定であること、当該生産状況を有する製品PAの部分計画数量が400であること、及び遅延部材が部材M2であることを示す。
【0119】
以上のように、生産計画・回答計画情報d9は、各製品Pについて、回答計画日及び部分計画数量を有する回答計画を含む。また、生産計画・回答計画情報d9において、回答計画日及び部分計画数量の各組合せは、上述のように、生産計画日に対応付けられて保持される。
【0120】
(顧客向け回答情報d10)
顧客向け回答情報d10について、図16を用いて説明する。図16は、実施形態に係る計画システムが生成する顧客向け回答情報の一例を説明するための表である。
【0121】
顧客向け回答情報d10は、例えば、顧客、受注製品、デマンドステータス、デマンド数量、希望納期、出荷日、生産状況、生産計画日、回答計画日、遅延部材、生産計画余裕日数、回答計画余裕日数、及び顧客回答を含む。顧客向け回答情報d10では、例えば、出荷日、生産状況、生産計画日、回答計画日、遅延部材、生産計画余裕日数、回答計画余裕日数、及び顧客回答が、各デマンドに対応付けられて、保持される。
【0122】
顧客向け回答情報d10では、例えば、各デマンドに対して、完成品在庫情報d3、及び生産計画・回答計画情報d9に基づき、在庫する製品P、及び生産が計画される製品Pが引き当てられる。在庫する製品Pが引き当てられたデマンドに関するレコードについて、図16では、生産状況に「製品在庫」が示される。生産が計画される製品Pは、例えば、生産状況が「生産済」でなく、引当材料が引き当てられた製品Pであることを示す。
【0123】
なお、出荷済の製品Pのレコード、及び在庫する製品Pが引き当てられたデマンドに対応付けられる(生産状況が「製品在庫」である)レコードにおいて、生産計画日及び回答計画日は設定されない。図16では、これらのレコードの生産計画日及び回答計画日に、「-」が示される。
【0124】
また、顧客向け回答情報d10には、生産計画日が設定された製品Pのうち、デマンドに引き当てられない製品Pが、受注が未確定の受注製品として、生産計画日ごとに示される。図16では、このようにデマンドに引き当てられない製品Pのレコードにおいて、顧客、デマンドステータス、希望納期、及び出荷日に、「-」が示される。また、当該レコードのデマンド数量が、各生産計画日が設定された製品Pのうち、デマンドに引き当てられなかった数量と同等とされる。
【0125】
生産計画余裕日数は、生産計画日から希望納期までの日数である。なお、出荷済の製品Pが引き当てられたレコードの生産計画余裕日数は、製品Pが出荷済であるため、算出されない。出荷済のために生産計画余裕日数が算出されないレコードについて、図16では、生産計画余裕日数に、「-」が示される。また、製品Pの生産状況が「製品在庫」であるレコードの生産計画余裕日数は、在庫する製品Pを引き当てるため、算出されない。在庫する製品Pを引き当てるために生産計画余裕日数が算出されないレコードについて、図16では、生産計画余裕日数に、「-(在庫)」が示される。また、デマンドに引き当てられない製品Pのレコードの生産計画余裕日数は、希望納期が未確定であるため、未確定であるとする。希望納期が未確定であるために生産計画余裕日数が未確定であるレコードについて、図16では、生産計画余裕日数に、「NA」が示される。
【0126】
回答計画余裕日数は、回答計画日から希望納期までの日数である。なお、出荷済の製品Pが引き当てられたレコードの回答計画余裕日数は、製品Pが出荷済であるため、算出されない。出荷済のために回答計画余裕日数が算出されないレコードについて、図16では、回答計画余裕日数に、「-」が示される。また、製品Pの生産状況が「製品在庫」であるレコードの回答計画余裕日数は、在庫する製品Pを引き当てるため、算出されない。在庫する製品Pを引き当てるために回答計画余裕日数が算出されないレコードについて、図16では、回答計画余裕日数に、「-(在庫)」が示される。また、デマンドに引き当てられない製品Pのレコードの回答計画余裕日数は、希望納期が未確定であるため、未確定であるとする。また、回答計画日が未確定であるレコードの回答計画余裕日数も、未確定であるとする。回答計画余裕日数が未確定であるレコードについて、図16では、回答計画余裕日数に、「NA」が示される。
【0127】
顧客回答は、例えば、回答計画余裕日数に基づく、各デマンドの製品Pを納品できる日程である。回答計画余裕日数が正の日数であるレコード、及び在庫する製品Pが引き当てられるレコードでは、希望納期に納品できるとして、顧客回答は希望納期と同等とされる。製品Pを出荷済であるレコード、及び回答計画余裕日数が未確定であるレコードの顧客回答については、例えば、具体的な日程が回答されない。顧客回答の具体的な日程が回答されないレコードについて、図16では、顧客回答に「-」が示される。なお、図示しないが、回答計画余裕日数が負の日数であるレコードでは、例えば、希望納期に納品できないとして、顧客回答は回答計画日と同等とされる。
【0128】
以上のような顧客向け回答情報d10において、例えば、図16の3番目のレコードは、図12のデマンド情報d6の3番目のレコードにおける受注製品である製品PAについて、在庫する製品PAを引き当てること、生産計画余裕日数、及び回答計画余裕日数は「-(在庫)」であること、及び顧客回答は3/15であることを示す。また、例えば、図16の4番目のレコードは、図12のデマンド情報d6の4番目のレコードの受注製品である製品PBについて、生産状況が「工程SB1」である製品PBを引き当てること、引き当てられた当該製品の生産計画日及び回答計画日は3/20であること、生産計画余裕日数及び回答計画余裕日数は0日であること、及び顧客回答は3/20であることを示す。また、例えば、図16の15番目のレコードは、図12のデマンド情報d6のレコードに引き当てられない製品PBについて、生産状況が「回答」であること、生産計画日及び回答計画日は4/10及び4/22であること、遅延部材は部材M2であること、生産計画余裕日数及び回答計画余裕日数が未確定であることを示す。
【0129】
(部材要求情報d11)
部材要求情報d11について、図17を用いて説明する。図17は、実施形態に係る計画システムが生成する部材要求情報の一例を説明するための表である。
【0130】
部材要求情報d11は、引当情報d8に基づく、各生産計画日の製品Pの生産に使用される部材Mについての情報である。部材要求情報d11は、例えば、部材M、入荷状態、部材回答日、未使用数量、使用済数量、要求日、及び製品Pを含む。部材要求情報d11では、例えば、部材M、入荷状態、部材回答日、未使用数量、使用済数量、要求日、及び製品Pが、これらの組合せごとに保持される。入荷予定である部材Mのレコードにおいて、部材回答日は未確定である。また、当該レコードにおいて、未使用数量は、引当情報d8において、要求日に製品Pの生産に引き当てられた引当材料の引当計画数量と同等である。
【0131】
部材要求情報d11において、例えば、図17の1番目のレコードは、図7の部材在庫・回答情報d1の1番目のレコードにおける2/10に入荷した部材M1について、200個の未使用の部材M1の要求日が4/7であること、2/10に入荷した使用済みの部材M1が300個あること、及び当該200個の未使用の部材M1は製品PBの生産に引き当てられることを示す。また、例えば、図17の6番目のレコードは、入荷状態が「要求」である部材M1について、100個の未使用の部材M1の要求日が4/10であること、及び当該100個の未使用の部材M1が製品PAの生産に引き当てられることを示す。
【0132】
(月次サマリ情報d12)
月次サマリ情報d12について、図18を用いて説明する。図18は、実施形態に係る計画システムが生成する月次サマリ情報の一例を説明するための表である。
【0133】
月次サマリ情報d12は、例えば、受注製品、生産計画月、月間デマンド数量、月間受注数量、月間計画数量、フラグ、回答数量、生産計画に基づく販売数量、回答計画に基づく販売数量、生産計画に基づく在庫数量、及び回答計画に基づく在庫数量を含む。月次サマリ情報d12では、例えば、月間デマンド数量、生産数量、月間計画数量、フラグ、回答数量、生産計画に基づく販売数量、回答計画に基づく販売数量、生産計画に基づく在庫数量、及び回答計画に基づく在庫数量が、受注製品及び生産計画月の組合せごとに保持される。
【0134】
月間デマンド数量は、例えば、各製品Pについて、希望納期が各生産計画月に含まれるデマンド情報d6のレコードのデマンド数量の合計である。デマンドがない生産計画月についての月間デマンド数量には、「-」が示される。
【0135】
月間受注数量は、例えば、各製品Pについて、希望納期が各生産計画月に含まれ、かつデマンドステータスが「受注」であるデマンド情報d6のレコードのデマンド数量の合計である。デマンドステータスが「受注」である受注製品がない生産計画月の月間受注数量については、「-」が示される。
【0136】
回答数量は、例えば、各製品Pについて、回答計画日が各生産計画月に含まれる顧客向け回答情報d10のレコードのデマンド数量の合計である。各生産計画月に含まれる回答計画日がない場合、当該生産計画月についての回答数量には、「-」が示される。なお、回答数量は、回答計画日が各生産計画月に含まれる生産計画・回答計画情報d9の生産数量及び部分計画数量の合計とも同等である。
【0137】
生産計画に基づく販売数量は、例えば、各製品Pについて、生産計画に基づいて算出される製品Pの販売数量である。生産計画に基づく販売数量は、希望納期が各生産計画月に含まれる顧客向け回答情報d10のレコードのうち、出荷済の製品Pのレコード、在庫する製品Pのレコード、及び希望納期に対して生産計画日の余裕がある製品Pのレコード(生産計画余裕日数が「-」、「-(在庫)」及び正の日数であるレコード)のデマンド数量の合計である。生産計画余裕日数が未確定である製品Pのデマンド数量は、生産計画に基づく販売数量に含まれない。
【0138】
回答計画に基づく販売数量は、例えば、各製品Pについて、回答計画に基づいて算出される製品Pの販売数量である。回答計画に基づく販売数量は、希望納期が各生産計画月に含まれる顧客向け回答情報d10のレコードのうち、出荷済の製品Pのレコード、在庫する製品Pのレコード、及び希望納期に対して回答計画日の余裕がある製品Pのレコード(回答計画余裕日数が「-」、「-(在庫)」及び正の日数であるレコード)のデマンド数量の合計である。回答計画余裕日数が未確定である製品Pのデマンド数量は、回答計画に基づく販売数量に含まれない。
【0139】
生産計画に基づく在庫数量は、各生産計画月の生産計画に基づく販売数量、及び月間計画数量を考慮した、当該月の月末において見込まれる製品Pの在庫数量である。計画実行月の直前の月(実施形態では2月)の生産計画に基づく在庫数量は、完成品在庫情報d3における、前月末の在庫数量と同等である。
【0140】
回答計画に基づく在庫数量は、各生産計画月の回答計画に基づく販売数量、及び月間計画数量を考慮した、当該生産計画月の月末において見込まれる製品Pの在庫数量である。計画実行月の直前の生産計画月の回答計画に基づく在庫数量は、当該生産計画月の生産計画に基づく在庫数量と同等である。
【0141】
1.5 動作
次に、実施形態に係る計画システム1を用いた計画動作について説明する。
【0142】
1.5.1 計画動作
計画動作の全体的な流れについて、図19を用いて説明する。図19は、実施形態に係る計画システムを用いた計画動作の一例を説明するフローチャートである。
【0143】
st0において、生産計画部20は、生産計画情報d7を生成する。生産計画部20は、各生産計画月に含まれる生産計画日における生産数量及び部分計画数量の合計が、生産計画ガイド情報d5における当該生産計画月の月間計画数量と同等になるように、生産計画日及び部分計画数量を決定する。
【0144】
st1において、引当部21は、引当情報d8を生成する。すなわち、引当部21は、各生産計画日における製品Pの生産に対して、材料の引当を行う。なお、材料の引当を、単に引当処理とも呼ぶ。引当処理の詳細については後述する。
【0145】
st2において、製品別回答作成部22は、生産計画・回答計画情報d9を生成する。生産計画・回答計画情報d9の生成の詳細については後述する。
【0146】
st3において、顧客向け回答作成部23は、顧客向け回答情報d10を生成する。顧客向け回答情報d10の生成の詳細については後述する。
【0147】
st4において、顧客向け回答情報d10が、各顧客Cに送信される。
【0148】
st5において、部材要求作成部24は、部材要求情報d11を生成する。
【0149】
より具体的に、部材要求作成部24は、引当材料が部材M1及びM2である引当情報d8のレコードを選択する。部材要求作成部24は、例えば、選択された引当情報d8の各レコードに対応付けられる、部材要求情報d11のレコードを作成する。すなわち、部材要求作成部24は、製品、部材、入荷状態、及び要求日を含む部材要求情報d11の各レコードについて、部材回答日、未使用数量、及び使用済数量を算出する。
【0150】
部材要求作成部24は、入荷状態が「在庫」及び「回答」であるレコードについて、部材在庫・回答情報d1に基づいて、部材要求情報d11における部材回答日を決定する。部材要求作成部24は、入荷状態が「要求」であるレコードについて、部材回答日が未確定であるとする。
【0151】
また、部材要求作成部24は、各レコードにおける未使用数量を、当該レコードに対応する引当情報d8のレコードにおける引当計画数量と同等とする。
【0152】
また、部材要求作成部24は、例えば、入荷状態が「在庫」である部材Mの部材要求情報d11のレコードのいずれか1つにおいて、使用済数量を、部材在庫・回答情報d1における当該部材の使用済数量と同等とする。なお、図17には図示されないが、入荷状態が「在庫」である部材Mの部材要求情報d11のレコードが複数ある場合、部材要求作成部24は、例えば、当該複数のレコードのうち1つを除くレコードにおいて、使用済数量を0とする。部材要求作成部24は、入荷状態が「回答」である部材要求情報d11のレコードにおいて、使用済の部材Mは無いとして、使用済数量を0とする。部材要求作成部24は、入荷状態が「要求」である部材要求情報d11のレコードにおいて、部材Mが入荷していないとして、使用済数量を「-」とする。
【0153】
st6において、部材要求情報d11が、サプライヤXに送信される。
【0154】
st7において、月次サマリ作成部25は、月次サマリ情報d12を生成する。月次サマリ情報d12の生成の詳細については後述する。
【0155】
st8において、例えば、月次サマリ情報d12が生産計画ガイド情報d5にフィードバックされる。
【0156】
st4、st6、及びst8のうち全ての工程が完了すると、計画動作は終了する。
【0157】
1.5.2 引当情報を生成する工程
引当情報d8の生成について、図20を用いて説明する。図20は、実施形態に係る計画システムを用いた引当情報の生成の一例を説明するフローチャートである。
【0158】
引当部21は、生産計画情報d7の各生産計画日の製品Pのうち、生産されていない製品Pについて、材料の引当を実行する。
【0159】
st10において、引当部21は、変数iを1に初期化する。そして、処理はst11に進む。
【0160】
st11において、引当部21は、生産計画日が早い順にi番目の生産計画日を選択する。そして、処理はst12に進む。
【0161】
st12において、引当部21は、生産計画情報d7に基づいて、選択された生産計画日の製品Pが生産済の製品Pではないかどうかを判定する。生産済の製品Pではない場合(st12;YES)、処理はst13に進む。生産済の製品Pである場合(st12;NO)、当該生産済の製品Pについて、引当情報d8のレコードを作成する。そして、処理はst14に進む。
【0162】
st13において、引当部21は、選択された生産計画日について、材料の引当を実行する。材料の引当は、選択された生産計画日の製品Pに引当材料を引き当て、当該引き当てられた引当材料の各々について、引当情報d8のレコードを作成することである。材料の引当の詳細については、後述する。そして、処理はst14に進む。
【0163】
st14において、引当部21は、変数iが、生産計画情報d7における生産計画日の日数の値npl以上であるかどうかを判定する。変数iが値npl以上である場合(st14;YES)、処理は終了する。変数iが値npl未満である場合(st14;NO)、処理はst15に進む。なお、値npl(生産計画情報d7のレコードの数)は、実施形態に係る例では、8である。
【0164】
st15において、引当部21は、変数iをインクリメントし、処理はst10に進む。以上のようにして、引当部21が、変数iが値nplであると判定するまで(st14;YES)、引当部21は、st10~st15の処理を繰り返す。
【0165】
以上のようにして、処理が終了する。
【0166】
1.5.2.1 材料の引当
st13における材料の引当について、図21及び図22を用いてさらに説明する。図21及び図22は、実施形態に係る計画システムを用いた材料の引当の一例を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、選択された生産計画日に製品PAが生産されるよう計画される場合について説明し、選択された生産計画日に製品PBが生産されるよう計画される場合についての説明を省略する。
【0167】
材料の引当において、まず、引当部21は、残りリードタイムLTrmが短い仕掛品WIPを優先的に引き当てる。すなわち、引当部21は、製品PAについて、仕掛品WIP-SAT、WIP-SA2、及びWIP-SA1の順に引き当てる。そして、引当部21は、仕掛品WIPが引き当てられなかった製品PAについて、部材Mを引き当てる。
【0168】
st20において、引当部21は、引き当てられていない仕掛品WIP-SATがあるかどうか判定する。引き当てられていない仕掛品WIP-SATがある場合(st20;YES)、処理はst21に進む。引き当てられていない仕掛品WIP-SATがない場合(st20;NO)、処理はst23に進む。
【0169】
st21において、引当部21は、例えば、引き当てられていない仕掛品WIP-SATから、n個の仕掛品WIP-SATを、st11において選択された生産計画日における生産に引き当てる。値nは、引き当てられていない仕掛品WIP-SATの数が部分計画数量の値n未満である場合、引き当てられていない仕掛品WIP-SATの数と同等である。また、値nは、引き当てられていない仕掛品WIP-SATの数が値n以上である場合、値nと同等である。
【0170】
また、引当部21は、上述のように引き当てられた仕掛品WIP-SATについて、引当情報d8のレコードを作成する。すなわち、引当部21は、引当材料の状態(仕掛工程)、引当識別子(部材M1及びM2の部材識別子)、引当計画数量、引当実数量、生産回答可能日、及び生産回答日を決定する。引当部21は、仕掛品WIP-SATに関する、引当計画数量及び引当実数量を値nと同等とする。また、引当部21は、仕掛品WIPに関する生産回答可能日を、計画実行日より当該仕掛品の残りリードタイムLTrm後の日とする。また、引当部21は、生産回答日を、生産計画日及び生産回答可能日のうちいずれか遅い日とする。
【0171】
そして、処理はst22に進む。
【0172】
st22において、引当部21は、値nが値n以上であるかどうかを判定する。値nが値n以上である場合(st22;YES)、材料の引当は終了する。値nが値n未満である場合(st22;NO)、処理はst23に進む。
【0173】
st23において、引当部21は、引き当てられていない仕掛品WIP-SA2があるかどうか判定する。引き当てられていない仕掛品WIP-SA2がある場合(st23;YES)、処理はst24に進む。引き当てられていない仕掛品WIP-SA2がない場合(st23;NO)、処理はst26に進む。
【0174】
st24において、引当部21は、例えば、引き当てられていない仕掛品WIP-SA2から、n個の仕掛品WIP-SA2を、st11において選択された生産計画日における生産に引き当てる。値nは、引き当てられていない仕掛品WIP-SA2の数が値(n-n1)未満である場合、引き当てられていない仕掛品WIP-SA2の数と同等である。また、値nは、引き当てられていない仕掛品WIP-SA2の数が値(n-n1)以上である場合、値(n-n1)と同等である。
【0175】
また、引当部21は、引き当てられた仕掛品WIP-SA2について、引当情報d8のレコードを作成する。すなわち、引当部21は、引当材料の状態、引当識別子、引当計画数量、引当実数量、生産回答可能日、及び生産回答日を決定する。引当部21は、仕掛品WIP-SA2に関する、引当計画数量及び引当実数量を値nと同等とする。また、引当部21は、st21の処理と同様に、引当材料の状態、引当識別子、生産回答可能日、及び生産回答日を決定する。
【0176】
そして、処理は、st25に進む。
【0177】
st25において、引当部21は、値nが値(n-n1)以上であるかどうかを判定する。値nが値(n-n1)以上である場合(st25;YES)、材料の引当は終了する。値nが値(n-n1)未満である場合(st25;NO)、処理はst26に進む。
【0178】
st26において、引当部21は、引き当てられていない仕掛品WIP-SA1があるかどうか判定する。引き当てられていない仕掛品WIP-SA1がある場合(st26;YES)、処理はst27に進む。引き当てられていない仕掛品WIP-SA1がない場合(st26;NO)、処理はst30に進む。
【0179】
st27において、引当部21は、引き当てられていない仕掛品WIP-SA1から、n個の仕掛品WIP-SA1を、st11において選択された生産計画日における生産に引き当てる。値nは、引き当てられていない仕掛品WIP-SA1の数が値(n-n1-n)未満である場合、引き当てられていない仕掛品WIP-SA1の数と同等である。また、値nは、引き当てられていない仕掛品WIP-SA1の数が値(n-n1-n)以上である場合、値(n-n1-n)と同等である。
【0180】
また、引当部21は、引き当てられた仕掛品WIP-SA1について、引当情報d8のレコードを作成する。すなわち、引当部21は、引当材料の状態、引当識別子、引当計画数量、引当実数量、生産回答可能日、及び生産回答日を決定する。引当部21は、仕掛品WIP-SA1に関する、引当計画数量及び引当実数量を値nと同等とする。また、引当部21は、st21及びst24の処理と同様に、引当材料の状態、引当識別子、生産回答可能日、及び生産回答日を決定する。
【0181】
そして、処理はst28に進む。
【0182】
st28において、引当部21は、値nが値(n-n1-n)以上であるかどうかを判定する。値nが値(n-n1-n)以上である場合(st28;YES)、材料の引当は終了する。値nが値(n-n1-n)未満である場合(st28;NO)、処理はst29に進む。
【0183】
st29において、引当部21は、部材M2の引当を実行する。すなわち、仕掛品WIP-SA1を用いて製品PAを生産するために用いられる部材M2を、引き当てられた仕掛品WIP-SA1の数と同等の値nだけ引き当てる。部材Mの引当については後述する。そして、処理は終了する。
【0184】
st30において、引当部21は、部材M1及びM2の引当を実行する。引当部21は、仕掛品WIP-SA1が引き当てられた場合(st26;YES)、(n-n1-n)個の部材M1、及び(n-n1-n-n)個の部材M2を製品PAに引き当てる。引当部21は、仕掛品WIP-SA1が引き当てられない場合(st26;NO)、(n-n1-n)個の部材M1及びM2を製品PAに引き当てる。各部材Mの引当は、st29の処理と同様である。そして、処理は終了する。
【0185】
選択された生産計画日に製品PBが生産されるよう計画される場合、製品PA、並びに仕掛品WIP-SAT、WIP-SA1、及びWIP-SA2に対して処理が実行される代わりに、製品PB、並びに仕掛品WIP-SBT、WIP-SB1、及びWIP-SB2に対して処理が実行されることを除き、st20~st30の処理と実質的に同等である。
【0186】
次に、st29及びst30の処理における各部材Mの引当について、図22を用いて説明する。
【0187】
各部材Mの引当において、引当部21は、入荷状態が「在庫」である部材M、入荷状態が「回答」である部材Mを、この順に優先的に引き当てる。また、入荷状態が「在庫」及び「回答」である部材Mがない場合に、発注予定であるとして、入荷状態が「要求」である部材Mを引き当てる。
【0188】
st31において、引当部21は、入荷状態が「在庫」であり、引き当てられていない部材Mがあるかどうか判定する。入荷状態が「在庫」であり、引き当てられていない部材Mがある場合(st31;YES)、処理はst32に進む。入荷状態が「在庫」であり、引き当てられていない部材Mがない場合(st31;NO)、処理はst34に進む。
【0189】
st32において、引当部21は、入荷状態が「在庫」であり、引き当てられていない部材Mから、n個の部材Mを、st11において選択された生産計画日における生産に引き当てる。値nは、入荷状態が「在庫」であり、引き当てられていない部材Mの数が値n未満である場合、当該部材Mの数と同等である。値nは、上述したst29又はst30において引き当てられる各部材Mの数である。値nは、入荷状態が「在庫」であり、引き当てられていない部材Mの数が値n以上である場合、値nと同等である。
【0190】
また、引当部21は、上述のように引き当てられた部材Mについて、引当情報d8のレコードを作成する。すなわち、引当部21は、引当材料の状態(入荷状態)、引当識別子(部材識別子)、引当計画数量、引当実数量、生産回答可能日、生産回答日、及び要求日を決定する。引当部21は、引当計画数量及び引当実数量を値nと同等とする。引当部21は、生産回答可能日を、計画実行日より部材Mの要求リードタイムLTrq後の日とする。引当部21は、生産回答日を、st22、st24、及びst27の処理と同様に決定する。引当部21は、要求日を、生産計画日より、部材Mの要求リードタイムLTrq前の日とする。
【0191】
st33において、引当部21は、値nが値n以上であるかどうかを判定する。値nが値n以上である場合(st33;YES)、各部材Mの引当は終了する。値nが値n未満である場合(st33;NO)、処理はst34に進む。
【0192】
st34において、引当部21は、入荷状態が「回答」であり(入荷予定であり)、引き当てられていない部材Mがあるかどうか判定する。入荷状態が「回答」であり、引き当てられていない部材Mがある場合(st34;YES)、処理はst35に進む。入荷状態が「回答」であり、引き当てられていない部材Mがない場合(st34;NO)、処理はst37に進む。
【0193】
st35において、引当部21は、入荷状態が「回答」であり、引き当てられていない部材Mから、n個の部材Mを、st11において選択された生産計画日における生産に引き当てる。値nは、入荷状態が「回答」であり、引き当てられていない部材Mの数が値(n-n)未満である場合、当該部材Mの数と同等である。また、値nは、入荷状態が「回答」であり、引き当てられていない部材Mの数が値(n-n)以上である場合、値(n-n)と同等である。
【0194】
また、引当部21は、上述のように引き当てられた部材Mについて、引当情報d8のレコードを作成する。すなわち、引当部21は、引当材料の状態、引当識別子、引当計画数量、引当実数量、入荷予定日(部材回答日)、生産回答可能日、生産回答日、及び要求日を決定する。引当部21は、引当計画数量及び引当実数量を値nと同等とする。引当部21は、生産回答可能日、生産回答日、及び要求日を、st32の処理と同様に決定する。
【0195】
st36において、引当部21は、値nが値(n-n)以上であるかどうかを判定する。値nが値(n-n)以上である場合(st36;YES)、各部材Mの引当は終了する。値nが値(n-n)未満である場合(st36;NO)、処理はst37に進む。
【0196】
st37において、引当部21は、入荷状態が「要求」である(発注予定である)、n個の部材Mを、st11において選択された生産計画日における生産に引き当てる。値nは、値(n-n-n)と同等である。
【0197】
また、引当部21は、上述のように引き当てられた部材Mについて、引当情報d8のレコードを作成する。すなわち、引当部21は、引当材料の状態、引当識別子、引当計画数量、引当実数量、入荷予定日、生産回答可能日、生産回答日、要求数量、及び要求日を決定する。引当部21は、引当計画数量及び要求数量を値nと同等とする。また、引当部21は、入荷予定日、生産回答可能日、及び生産回答日を未確定であるとする。また、引当部21は、要求日を、st32及びst35の処理と同様に決定する。
【0198】
以上のようにして、各部材Mの引当が終了する。
【0199】
1.5.3 生産計画・回答計画情報の生成
生産計画・回答計画情報d9の生成について、図23を用いて説明する。図23は、生産計画・回答計画情報を生成するための製品ごとの引当情報である。
【0200】
製品ごとの引当情報d8’は、例えば、製品、生産計画日、引当材料、引当材料の状態、生産数量、部分計画数量、生産回答日、及び要求日を含む。
【0201】
製品別回答作成部22は、製品P及び生産計画日の各組合せに対応付けられる引当情報d8のレコードのうち、生産回答日が最も遅い、いずれか1つのレコードを選択する。また、製品別回答作成部22は、例えば、製品ごとの引当情報d8’を生成する際に、製品P及び生産計画日の各組合せに対応付けられる引当情報d8のレコードのうち、生産回答日が最も遅いレコードを含む、生産回答日が互いに異なる複数のレコードを選択してもよい。
【0202】
製品別回答作成部22は、上述のように選択された引当情報d8のレコードに対応する、製品ごとの引当情報d8’のレコードを作成する。
【0203】
図23の例では、生産計画日が4月15日の製品PAについて、例えば、引当材料が仕掛品WIP-SA2であり、生産回答日が4/15であるレコードと、及び引当材料が部材M2であり、生産回答日が未確定であるレコードとが作成される。また、その他の生産計画日ごとに、1つのレコードが作成される。
【0204】
製品別回答作成部22は、製品ごとの引当情報d8’の生成において、各製品Pについて、生産計画日ごとに1つのレコードが作成される場合に、当該レコードの部分計画数量を、当該生産計画日の日間計画数量と同等とする。また、製品別回答作成部22は、例えば、各製品Pについて、生産計画日ごとに、複数のレコードが作成される場合に、当該複数のレコードの部分計画数量の合計が当該生産計画日の日間計画数量と同等になるようにする。
【0205】
なお、図示しないが、製品ごとの引当情報d8’は、図14に示される引当情報d8とともに示されてもよい。
【0206】
次に、製品別回答作成部22は、製品ごとの引当情報d8’に基づいて、生産計画・回答計画情報d9を生成する。より具体的に、製品別回答作成部22は、例えば、製品ごとの引当情報d8’の各レコードに対応する生産計画・回答計画情報d9のレコードを作成する。すなわち、製品別回答作成部22は、製品P、生産計画日、生産数量、及び部分計画数量の組合せごとに、回答計画日、生産状況、及び遅延部材を決定する。
【0207】
製品別回答作成部22は、製品ごとの引当情報d8’のレコードの生産回答日が具体的な日程、及び未確定(「NA」)である場合、生産計画日及び生産回答日のうちいずれか遅い日程を回答計画日とする。また、製品別回答作成部22は、製品ごとの引当情報d8’のレコードが、生産済の製品Pに関する(引当材料が「-」である)場合、回答計画日を生産計画日と同等とする。
【0208】
また、製品別回答作成部22は、製品ごとの引当情報d8’のレコードが、生産されていない製品Pに関する場合、生産状況を引当材料の状態と同等とする。また、製品別回答作成部22は、製品ごとの引当情報d8’のレコードが、生産済の製品Pに関する場合、生産状況を「生産済」とする。
【0209】
また、製品別回答作成部22は、製品ごとの引当情報d8’のレコードにおいて、引当材料が部材Mであり、かつ要求日が生産計画日より遅い場合に、当該部材を遅延部材とする。製品別回答作成部22は、製品ごとの引当情報d8’のレコードにおいて、引当材料が仕掛品WIPである場合、及び要求日が生産計画日以前である場合に、遅延部材はないとする。
【0210】
1.5.4 顧客向け回答情報の生成
st3における顧客向け回答情報d10を生成する工程について、図24を用いて説明する。図24は、実施形態に係る計画システムを用いた顧客向け回答情報の生成の一例を説明するためのフローチャートである。
【0211】
顧客向け回答情報d10の生成において、顧客向け回答作成部23は、例えば、完成品在庫情報d3、及び生産計画・回答計画情報d9に基づき、在庫する製品Pを、在庫していない(生産が計画される)製品Pよりも優先的に、デマンド情報d6の各デマンドに引き当てる。在庫していない製品Pは、生産計画・回答計画情報d9において、部分計画数量が設定されるレコードの製品Pである。また、顧客向け回答作成部23は、在庫していない製品Pを、生産計画・回答計画情報d9における生産計画日及び回答計画日に基づいて、各デマンドに引き当てる。
【0212】
st40において、顧客向け回答作成部23は、変数iを1に初期化する。そして、処理はst41に進む。
【0213】
st41において、顧客向け回答作成部23は、希望納期が早い順にi番目のデマンドを選択する。そして、処理はst42に進む。
【0214】
st42において、顧客向け回答作成部23は、選択されたデマンドの製品Pが出荷済の製品であるかどうかを判定する。出荷済の製品Pである場合(st42;YES)、選択されたデマンドについて、選択されたデマンドの製品Pが出荷済の製品であることを示す、顧客向け回答情報d10のレコードを作成する。そして、処理はst48に進む。出荷済の製品Pではない場合(st42;NO)、処理はst43に進む。
【0215】
st43において、顧客向け回答作成部23は、選択されたデマンドの製品Pについて、生産計画・回答計画情報d9に基づいて、在庫する製品Pのうち、引き当てられていない当該製品があるかどうかを判定する。在庫する製品Pのうち、引き当てられていない製品Pがある場合(st43;YES)、処理はst44に進む。在庫する製品Pのうち、引き当てられていない製品Pがない場合(st43;NO)、処理はst46に進む。
【0216】
st44において、顧客向け回答作成部23は、n個の在庫する製品Pを、選択されたデマンドに引き当てる。値nは、在庫する製品Pのうち、引き当てられていない製品Pの数が値n未満である場合、在庫する製品Pのうち、引き当てられていない製品Pの数と同等である。値nは、選択されたデマンドのデマンド数量である。また、値nは、在庫する製品Pのうち、引き当てられていない製品Pの数が値n以上である場合、値nと同等である。
【0217】
また、顧客向け回答作成部23は、選択されたデマンドについて、顧客向け回答情報d10のレコードを作成する。顧客向け回答作成部23は、在庫する製品を引き当てるとして、生産状況を「製品在庫」とする。また、顧客向け回答作成部23は、生産計画日、回答計画日、及び遅延部材をそれぞれ、無しとする。また、顧客向け回答作成部23は、生産計画余裕日数、及び回答計画余裕日数を「-(在庫)」とする。また、顧客向け回答作成部23は、顧客回答を希望納期と同等とする。
【0218】
そして、処理はst45に進む。
【0219】
st45において、顧客向け回答作成部23は、値nが値n以上であるかどうかを判定する。値nが値n以上である場合(st45;YES)、処理はst48に進む。値nが値n未満である場合(st45;NO)、処理はst47に進む。
【0220】
st46において、顧客向け回答作成部23は、生産計画・回答計画情報d9に基づいて、選択されたデマンドの製品Pに対して、生産されていない製品Pのうち、引き当てられていない製品Pから、生産計画日が早い製品Pから順にn個を引き当てる。また、生産計画日が同じである生産計画・回答計画情報d9の複数のレコードがある場合、顧客向け回答作成部23は、引き当てられていない製品Pのうち回答計画日が早い製品Pを優先的に引き当てる。
【0221】
また、顧客向け回答作成部23は、選択されたデマンドについて、顧客向け回答情報d10のレコードを作成する。顧客向け回答作成部23は、生産状況、生産計画日、回答計画日、及び遅延部材をそれぞれ、引き当てられた製品Pのレコードの生産状況、生産計画日、回答計画日、及び遅延部材と同等とする。また、顧客向け回答作成部23は、生産計画日から希望納期までの日数、及び回答計画日から希望納期までの日数をそれぞれ、生産計画余裕日数、及び回答計画余裕日数とする。なお、生産計画日及び回答計画日が未確定である場合、生産計画余裕日数、及び回答計画余裕日数も未確定であるとされる。また、顧客向け回答作成部23は、回答計画余裕日数が正の日数である場合に、希望納期に納品できるとして、顧客回答を希望納期と同等とする。また、図示しないが、顧客向け回答作成部23は、回答計画余裕日数が負の日数である場合に、例えば、希望納期に納品できないとして、顧客回答を回答計画日と同等とする。顧客向け回答作成部23は、回答計画余裕日数が未確定である場合、顧客回答を確定できないとする。
【0222】
そして、処理はst48に進む。
【0223】
st47において、顧客向け回答作成部23は、st46と同様に、選択されたデマンドの製品Pのうち、在庫する製品Pが引き当てられなかった製品Pに対して、生産されていない製品Pのうち、引き当てられていない製品Pから、(n-n)個を引き当てる。また、顧客向け回答作成部23は、st46と同様に、顧客向け回答情報d10のレコードを作成する。そして、処理はst48に進む。
【0224】
st48において、顧客向け回答作成部23は、変数iがデマンド情報d6に含まれるデマンド数(レコード数)の値n以上であるかどうか判定する。変数iが値n以上である場合(st48;YES)、処理はst50に進む。変数iが値n未満である場合、処理はst49に進む。
【0225】
st49において、顧客向け回答作成部23は、変数iをインクリメントし、処理はst41に進む。以上のようにして、変数iが値n以上であると判定するまで(st48;YES)、顧客向け回答作成部23は、st40~st49の処理を繰り返す。
【0226】
st50において、顧客向け回答作成部23は、デマンド情報d6のデマンドに引き当てられなかった製品Pについて、顧客向け回答情報d10のレコードを作成する。顧客向け回答作成部23は、例えば、当該レコードの顧客、デマンドステータス、希望納期、生産計画余裕日数、回答計画余裕日数、及び顧客回答が未確定であるとする。
【0227】
そして、処理は終了する。
【0228】
1.5.5 月次サマリ情報の生成
st7における月次サマリ情報d12を生成する工程について、図25及び図26を用いて説明する。図25は、月次サマリ作成部により生成される、デマンドステータスごとのサマリ情報である。図26は、実施形態に係る計画システムを用いた月次サマリ情報の生成の一例を説明するためのフローチャートである。
【0229】
月次サマリ情報d12の生成において、月次サマリ作成部25は、例えば、生産実績情報d4、及び顧客向け回答情報d10に基づいて、デマンドステータスごとのサマリ情報d12’を生成する。デマンドステータスごとのサマリ情報d12’では、顧客向け回答情報d10の各レコードのデータ、デマンド月、オーダ月、生産計画月、生産回答月、生産計画に基づく販売月、及び回答計画に基づく販売月の組合せが、これらの組合せごとに保持される。生産計画に基づく販売月、及び回答計画に基づく販売月は、図25では、販売月(生産)、及び販売月(回答)として示される。なお、図25では、サマリ情報d12’に含まれる顧客向け回答情報d10の一部が省略される。
【0230】
月次サマリ作成部25は、まず、顧客向け回答情報d10のレコードごとに、デマンドステータスごとのサマリ情報d12’のレコードを作成する。すなわち、月次サマリ作成部25は、デマンド月、オーダ月、生産計画月、生産回答月、生産計画に基づく販売月、及び回答計画に基づく販売月を決定する。
【0231】
月次サマリ作成部25は、希望納期を含む月をデマンド月とする。月次サマリ作成部25は、デマンドに引き当てられなかった製品Pのレコードについては、希望納期が設定されないとする。図25では、希望納期が設定されないレコードのデマンド月に「-」が示される。
【0232】
月次サマリ作成部25は、デマンドステータスが「受注」である各レコードの希望納期を含む月をオーダ月とする。月次サマリ作成部25は、デマンドステータスが「見込み」のレコード、及び希望納期が無いレコードについて、確定した受注がないとする。図25では、確定した受注がないレコードのオーダ月に「-」が示される。
【0233】
月次サマリ作成部25は、回答計画日が具体的な日程である場合、当該回答計画日を含む月を、生産回答月とする。月次サマリ作成部25は、回答計画日が「-」及び「NA」であるレコードの回答計画日が設定されていないとする。図25では、回答計画日が設定されないレコードの生産回答月に「-」が示される。
【0234】
月次サマリ作成部25は、デマンドステータスが「受注」及び「見込み」であり、かつ生産計画日が希望納期以前であるレコード、及び出荷済の製品Pのレコードにおいて、生産計画に基づく販売月を、希望納期を含む月とする。月次サマリ作成部25は、デマンドステータスが「-」であるレコード、並びに生産計画日が希望納期より後であるレコードにおいて、生産計画に基づく販売月が設定されないとする。図25では、生産計画に基づく販売月が設定されないレコードにおいて、生産計画に基づく販売月に「-」が示される。
【0235】
月次サマリ作成部25は、デマンドステータスが「受注」及び「見込み」であり、かつ回答計画日が希望納期以前であるレコード、及び出荷済の製品Pのレコードにおいて、回答計画に基づく販売月を、希望納期を含む月とする。月次サマリ作成部25は、デマンドステータスが「-」及び「生産済」であるレコード、並びに回答計画日が希望納期より後であるレコードにおいて、回答計画に基づく販売月が設定されないとする。図25では、回答計画に基づく販売月が設定されないレコードにおいて、回答計画に基づく販売月に「-」が示される。
【0236】
次に、月次サマリ作成部25は、生産実績情報d4における生産済の製品Pについて、デマンドステータスごとのサマリ情報d12’のレコードを作成する。月次サマリ作成部25は、デマンドステータスを「生産済」とする。また、月次サマリ作成部25は、デマンド数量を生産数量と同等とする。また、月次サマリ作成部25は、生産計画日及び回答計画日を、生産日と同等とする。また、月次サマリ作成部25は、例えば、生産済の製品Pであるために、顧客、希望納期、及び出荷日が設定されないとする。また、図示が省略されるが、月次サマリ作成部25は、生産状況をデマンドステータスと同等とする。また、図示が省略されるが、月次サマリ作成部25は、生産済の製品Pであるために、遅延部材、生産計画余裕日数、回答計画余裕日数、及び顧客回答が設定されないとする。
【0237】
また、月次サマリ作成部25は、生産実績情報d4における生産済の製品Pについて、デマンド月、オーダ月、生産計画に基づく販売月、及び回答計画に基づく販売月を設定されないとする。図25では、これらに「-」が示される。生産計画月、及び生産回答月は、顧客向け回答情報d10のレコードごとに作成された、デマンドステータスごとのサマリ情報d12’のレコードと同様である。
【0238】
そして、月次サマリ作成部25は、デマンドステータスごとのサマリ情報d12’を用いて、月次サマリ情報d12を生成する。デマンドステータスごとのサマリ情報d12’を用いた月次サマリ情報d12の生成について、図26を用いて説明する。
【0239】
st51において、月次サマリ作成部25は、月次サマリ情報d12におけるレコードが作成されていない製品Pを選択する。そして、処理はst52に進む。
【0240】
st52において、月次サマリ作成部25は、変数iを1に初期化する。そして、処理はst53に進む。
【0241】
st53において、月次サマリ作成部25は、月次サマリ情報d12においてレコードが作成される生産計画月から、早い順にi番目の生産計画月を選択する。なお、月次サマリ情報d12においてレコードが作成される生産計画月は、例えば、計画実行月の前月以降の所定の月数内の月とし得る。実施形態に係る例では、各製品Pについて、2月から7月の月次サマリ情報d12における6つのレコードが作成される。なお、月次サマリ情報d12におけるレコードが作成される生産計画月の数は、6ヶ月に限られず、例えば、2ヶ月以上5ヶ月以下、又は7ヶ月以上でもよい。
【0242】
また、月次サマリ作成部25は、選択された生産計画月の月次サマリ情報d12のレコードを作成する。すなわち、月次サマリ作成部25は、月間デマンド数量、月間受注数量、回答数量、生産計画に基づく販売数量、回答計画に基づく販売数量、生産計画に基づく在庫数量、及び回答計画に基づく在庫数量を算出する。
【0243】
月次サマリ作成部25は、デマンドステータスごとのサマリ情報d12’のレコードのうち、デマンド月が上記選択された生産計画月であるレコードのデマンド数量の合計を、月間デマンド数量とする。
【0244】
また、月次サマリ作成部25は、デマンドステータスごとのサマリ情報d12’のレコードのうち、デマンドステータスが「受注」であり、かつデマンド月が上記選択された生産計画月であるレコードのデマンド数量の合計を、月間受注数量とする。
【0245】
また、月次サマリ作成部25は、デマンドステータスごとのサマリ情報d12’のレコードのうち、回答計画日が各生産計画月に含まれるレコードのデマンド数量の合計を、回答数量とする。
【0246】
また、月次サマリ作成部25は、希望納期が各生産計画月に含まれるデマンドステータスごとのサマリ情報d12’のレコードのうち、生産計画余裕日数が「-」、「-(在庫)」、及び正の日数であるレコードのデマンド数量の合計を、生産計画に基づく販売数量とする。
【0247】
また、月次サマリ作成部25は、希望納期が各生産計画月に含まれるデマンドステータスごとのサマリ情報d12’のレコードのうち、回答計画余裕日数が「-」、「-(在庫)」又は正の日数であるレコードのデマンド数量の合計を、回答計画に基づく販売数量とする。
【0248】
また、月次サマリ作成部25は、各生産計画月について、当該生産計画月の前月の生産計画に基づく在庫数量と、当該生産計画月の月間計画数量の合計から、当該生産計画月の生産計画に基づく販売数量を減算した数量を、生産計画に基づく在庫数量とする。
【0249】
また、月次サマリ作成部25は、各生産計画月について、当該生産計画月の前月の回答計画に基づく在庫数量と、当該生産計画月の月間計画数量の合計から、当該生産計画月の回答計画に基づく販売数量を減算した数量を、回答計画に基づく在庫数量とする。
【0250】
また、月次サマリ作成部25は、生産計画ガイド情報d5の各生産計画月における月間計画数量及びフラグを、月次サマリ情報d12における月間計画数量及びフラグとする。なお、月次サマリ作成部25は、生産計画ガイド情報d5に含まれない生産計画月について、月間計画数量及びフラグが設定されないとする。
【0251】
そして、処理は、st54に進む。
【0252】
st54において、月次サマリ作成部25は、所定の月数の生産計画月について月次サマリ情報d12のレコードを作成したかどうか判定する。所定の月数の生産計画月について月次サマリ情報d12のレコードを作成したと判定した場合(st54;YES)、処理はst56に進む。月次サマリ情報d12のレコードが作成されていない生産計画月があると判定した場合(st54;NO)、処理はst55に進む。
【0253】
st55において、月次サマリ作成部25は、変数iをインクリメントし、処理はst53に進む。
【0254】
st56において、月次サマリ作成部25は、全ての製品Pについて月次サマリ情報d12のレコードを作成したかどうかを判定する。全ての製品Pについての月次サマリ情報d12のレコードを作成したと判定した場合(st56;YES)、処理は終了する。月次サマリ情報d12のレコードが作成されていない製品Pがあると判定した場合(st56;NO)、処理はst51に進む。以上のようにして、月次サマリ作成部25が、全ての製品Pについて月次サマリ情報d12のレコードを作成したと判定するまで(st56;YES)、月次サマリ作成部25は、st51~st56の処理を繰り返す。
【0255】
以上のようにして、処理が終了する。
【0256】
2 効果
実施形態によれば、製品Pの部材Mの需要変動の増大を抑制することができる。
【0257】
実施形態に係る計画システム1における引当部21は、複数の生産計画日に計画された製品Pの生産に対してそれぞれ、1つ以上の部材M及び1つ以上の仕掛品WIPを含む複数の引当材料のうち、少なくとも1つを引き当てる引当処理を行う。引当部21は、引当処理において、1つ以上の部材Mが引き当てられた製品Pの生産の各々について、当該1つ以上の部材Mが使用される予定である要求日を算出する。これにより、実施形態に係る計画システム1は、引当処理において算出された部材の要求日に基づいて、サプライヤXへの部材Mの発注を行うことができる。すなわち、部材要求作成部24が、引当情報d8を用いて部材要求情報d11を生成することができる。このため、サプライヤXへの部材Mの発注量の見積もりの精度を向上し、ブルウィップ現象の影響による需要変動の増大を抑制することができる。
【0258】
補足すると、製品の生産に関する回答系と、部材の要求に関する要求系とが分離する場合、部材の発注量の見積もりの精度の低下を抑制することが困難であった。回答系では、例えば、短期的な(直近の一ヶ月等における)製品の生産について、在庫する部材や仕掛品の数量に基づき、製品の生産を実行するための計画(短期生産計画)が生成される。要求系では、例えば、中長期的な(次月以降等における)製品の生産に関する計画(中長期生産計画)に基づき、部材が発注される。以上のような回答系及び要求系において、短期生産計画と、中長期生産計画とは直接的には関連付けられない。これにより、中長期的な製品の生産のために部材の発注をする際に、製品の生産に対する部材の引当結果等の部材の状況を考慮することが困難であった。このため、部材の発注量の見積もりの精度の低下を抑制することが困難になっていた。
【0259】
実施形態によれば、引当部21は、短期的な製品Pの生産、及び中長期的な製品Pの生産を含む生産計画を用いた引当処理の結果に基づいて、部材Mの発注を行う。これにより、期間に関わらず、製品Pの生産に対する部材Mの引当状況に基づいて部材Mを発注することができる。したがって、部材Mの発注量の見積もりの精度を向上することができる。
【0260】
3 その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0261】
1…計画システム、11…制御回路、12…メモリ、13…通信モジュール、14…ユーザインターフェイス、15…ドライブ、16…記憶媒体、20…生産計画部、21…引当部、22…製品別回答作成部、23…顧客向け回答作成部、24…部材要求作成部、25…月次サマリ作成部、顧客…CA、CB、CC、CD、サプライヤ…X。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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