IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

特開2024-172468情報処理装置、方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172468
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241205BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 308
G06F3/12 373
G03G21/00 388
G03G21/00 510
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090205
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 昴一郎
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270LA14
2H270LA98
2H270QB01
2H270QB05
2H270QB07
2H270RA02
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】画像形成装置のユーザビリティの向上に有利な技術を提供する。
【解決手段】画像形成装置の色検証について情報処理を行う情報処理装置は、前記画像形成装置の構成部品についての部品情報を保持する保持手段と、前記画像形成装置における色検証結果および部品交換実績を取得する取得手段と、前記画像形成装置の色検証結果が、それまでの色検証結果から変化したことを検知する検知手段と、前記部品情報と前記部品交換実績との比較結果に基づいて前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを判定する判定手段と、を備え、前記部品情報は、対応の構成部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを示す色品質影響情報を含み、前記判定手段は、前記部品交換実績が示す交換部品が色品質に影響するものか否かを該色品質影響情報に基づいて判定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の色検証について情報処理を行う情報処理装置であって、
前記画像形成装置の構成部品についての部品情報を保持する保持手段と、
前記画像形成装置における色検証結果および部品交換実績を取得する取得手段と、
前記画像形成装置の色検証結果が、それまでの色検証結果から変化したことを検知する検知手段と、
前記部品情報と前記部品交換実績との比較結果に基づいて前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記部品情報は、対応の構成部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを示す色品質影響情報を含み、前記判定手段は、前記部品交換実績が示す交換部品が色品質に影響するものか否かを該色品質影響情報に基づいて判定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記画像形成装置の色品質の変化の要因である色品質変化要因を表示する表示手段を更に備え、
前記画像形成装置の色検証結果がそれまでの色検証結果から変化したことが前記検知手段により検知され、かつ、前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響することが前記判定手段により判定された場合に、前記表示手段は前記部品交換実績を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、カラープロファイル情報を更に取得し、
前記検知手段は、前記カラープロファイル情報に基づいて前記画像形成装置のカラープロファイルの更新を更に検知し、
前記カラープロファイルが更新されたことが前記検知手段により検知された場合には、前記表示手段は前記カラープロファイルの更新を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記画像形成装置のキャリブレーションの実行実績を示すキャリブレーション情報を更に取得し、
前記検知手段は、前記キャリブレーション情報に基づいて前記画像形成装置のキャリブレーションの実行を更に検知し、
前記キャリブレーションが実行されたことが前記検知手段により検知された場合には、前記表示手段は前記キャリブレーションの実行を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記部品交換実績は、前記交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響する色を示す影響色情報を含み、前記表示手段は前記影響色情報に基づく情報を更に表示する
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
画像形成装置の色検証についての情報処理の方法であって、
前記画像形成装置の構成部品についての部品情報を保持するステップと、
前記画像形成装置における色検証結果および部品交換実績を取得するステップと、
前記画像形成装置の色検証結果が、それまでの色検証結果から変化したことを検知するステップと、
前記部品情報と前記部品交換実績との比較結果に基づいて前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを判定するステップと、を含み、
前記部品情報は、対応の構成部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを示す色品質影響情報を含み、前記判定するステップでは、前記部品交換実績が示す交換部品が色品質に影響するものか否かを該色品質影響情報に基づいて判定する
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記画像形成装置の色品質の変化の要因である色品質変化要因を表示するステップを更に含み、
前記画像形成装置の色検証結果がそれまでの色検証結果から変化したことが検知され、かつ、前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響することが判定された場合に、前記表示するステップでは、前記部品交換実績を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
カラープロファイル情報を取得するステップと、
前記カラープロファイル情報に基づいて前記画像形成装置のカラープロファイルの更新を検知するステップと、を更に含み、
前記カラープロファイルが更新されたことが検知された場合には、前記表示するステップでは、前記カラープロファイルの更新を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記画像形成装置のキャリブレーションの実行実績を示すキャリブレーション情報を取得するステップと、
前記キャリブレーション情報に基づいて前記画像形成装置のキャリブレーションの実行を検知するステップと、を更に含み、
前記キャリブレーションが実行されたことが検知された場合には、前記表示するステップでは、前記キャリブレーションの実行を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記部品交換実績は、前記交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響する色を示す影響色情報を含み、前記表示するステップでは、前記影響色情報に基づく情報を更に表示する
ことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項11】
コンピュータに、請求項6から請求項10の何れか1項に記載の方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタ等に代表される画像形成装置のなかには、色品質が基準範囲から外れた場合に、色品質が変化したものと判定し、そのことをユーザに通知するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-90146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成においては、画像形成装置のメンテナンスにより部品交換が行われた場合にユーザにとって不測の色品質の変化が発生する可能性があり、ユーザビリティの向上の観点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、発明者による上記課題の認識を契機として為されたものであり、画像形成装置のユーザビリティの向上に有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る情報処理装置は、
画像形成装置の色検証について情報処理を行う情報処理装置であって、
前記画像形成装置の構成部品についての部品情報を保持する保持手段と、
前記画像形成装置における色検証結果および部品交換実績を取得する取得手段と、
前記画像形成装置の色検証結果が、それまでの色検証結果から変化したことを検知する検知手段と、
前記部品情報と前記部品交換実績との比較結果に基づいて前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記部品情報は、対応の構成部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを示す色品質影響情報を含み、前記判定手段は、前記部品交換実績が示す交換部品が色品質に影響するものか否かを該色品質影響情報に基づいて判定する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置のユーザビリティを向上可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る支援システムの構成例を示す図。
図2】情報処理装置の構成例を示すブロック図。
図3】ウェブシステムおよび印刷業者システムの機能を示すブロック図。
図4A】色検証アプリによる表示画面についての図。
図4B】色検証アプリによる表示画面についての図。
図5A】サービスツールによる表示画面についての図。
図5B】サービスツールによる表示画面についての図。
図5C】サービスツールによる表示画面についての図。
図6】画像形成装置が保持する診断データの例を示す図。
図7A】色品質変化要因を表示する場合の処理内容の一例を示すフローチャート。
図7B】色品質変化要因を表示する場合の処理内容の一例を示すフローチャート。
図8】サービスツールから色検証アプリに通知される色品質変化要因情報の例を示す図。
図9】色検証アプリの色検証結果画面の色品質変化要因の表示の例を示す図。
図10A】色品質変化要因を表示する場合の処理内容の一例を示すフローチャート。
図10B】色品質変化要因を表示する場合の処理内容の一例を示すフローチャート。
図11A】サービスツールから色検証アプリに通知される色品質変化要因情報の例を示す図。
図11B】サービスツールから色検証アプリに通知される色品質変化要因情報の例を示す図。
図12A】色検証アプリの色検証結果画面の色品質変化要因の表示の例を示す図。
図12B】色検証アプリの色検証結果画面の色品質変化要因の表示の例を示す図。
図13】画像形成装置が保持する診断データの例を示す図。
図14A】色品質変化要因を表示する場合の処理内容の一例を示すフローチャート。
図14B】色品質変化要因を表示する場合の処理内容の一例を示すフローチャート。
図15】サービスツールから色検証アプリに通知される色品質変化要因情報の例を示す図。
図16】色検証アプリの色検証結果画面の色品質変化要因の表示の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る支援システムSYを示すブロック図である。システムSYは、ウェブシステム101および印刷業者システム103を備え、それらはインターネット100により相互接続される。ウェブシステム101は、情報処理装置102を含み、クラウド上に構成されてもよいし、自社サーバにより構成されてもよい。
【0011】
印刷業者システム103は、情報処理装置104、ネットワーク105、画像形成装置106、測色器107およびシリアルバス108を含む。情報処理装置104と画像形成装置106とは、ネットワーク105により相互接続される。また、情報処理装置104と測色器107とは、シリアルバス108により相互接続される。画像形成装置106は、情報処理装置104上で動作する各種プログラムに基づいて制御され、ウェブシステム101からの印刷設定および印刷データを処理する。画像形成装置106は、該処理の結果に基づいて用紙(或いはシート状のメディア)に画像を形成し、その成果物を印刷物として出力する。
尚、画像の概念には典型的には文字、記号、図形、写真等が含まれ、画像形成は印字、印刷、記録などと表現されてもよい。
【0012】
図2は、情報処理装置102の構成例を示すブロック図である(情報処理装置104についても同様とする。)。情報処理装置102は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、バス204を含む。また、情報処理装置102は、KBC(キーボードコントローラ)205、CRTC(Cathod Ray Tube(ブラウン管ディスプレイ)コントローラ)206、DKC(ディスクコントローラ)207、NIC(ネットワークインタフェースコントローラ)212を更に含む。また、情報処理装置102は、KB(キーボード)208、CRT(Cathod Ray Tube(ブラウン管ディスプレイ))209、HDD(ハードディスクドライブ)210を更に含む。
【0013】
CPU201は、ROM203のプログラム用ROMに記憶されたプログラム、或いは、HDD210からRAM202にロードされたプログラムを実行する。プログラムの例には、OS(オペレーティングシステム)プログラム、アプリケーションプログラム等が挙げられる。RAM202は、CPU201のメインメモリ、ワークエリア等として機能する。ROM203は、フォントROMやデータROMを含み、プログラムやデータ等の情報を機能毎に管理して記憶する。
【0014】
KBC205は、KB208からの操作入力を制御する他、不図示のポインティングデバイスからの操作入力を制御する。CRTC206は、CRT209への表示出力を制御する。HDD210には、ブートプログラム、アプリケーションプログラム、フォントデータ等が記憶されており、DKC207は、HDD210とのアクセスを制御する。NIC212は、ネットワークに接続された外部装置との通信を制御する。
【0015】
バス204は、CPU201を、RAM202、ROM203、各種コントローラ205~207およびNIC212に接続し、要素間のデータ、情報ないし信号の授受ないし転送を可能とする。
【0016】
情報処理装置102には、汎用コンピュータが典型的には用いられうるが、スマートフォン等の携帯端末が用いられてもよい。その場合、KBC205に代替してタッチパネルコントローラが用いられてもよい。また、HDD210に代替して、SSD(ソリッドステートドライブ)等の不揮発性メモリが用いられてもよいし、その他の公知の大容量記憶装置が用いられてもよい。また、NIC212に代替/付随して、有線LAN及び/又は無線LANが用いられてもよい。
【0017】
図3は、ウェブシステム101および印刷業者システム103それぞれの機能を説明するためのブロック図である。
【0018】
先ず、印刷業者システム103において、情報処理装置104は画像処理装置300を含む。
【0019】
画像処理装置300には、画像形成装置106を制御するためのアプリケーションプログラムが備えられており、画像処理装置300は、色検証管理部303、画像処理部304およびプロファイル管理部305を含む。画像処理装置300は、印刷ジョブの印刷実行指示を受け付けると該印刷データを画像処理部304により画像データに変換し、該変換された画像データを印刷実行コマンドと共に画像形成装置106に転送する。尚、画像形成装置106においては、時間経過、環境変化等に起因して品質(主に色。以下「色品質」というが「色味」と表現されてもよい。)が変化しうる。
【0020】
色検証管理部303は、色検証プロセスを実行可能である。色検証プロセスは主に、
(1)複数の色パッチで構成されるチャートを印刷すること、
(2)チャートの測色を行って、測色結果を取得すること、
(3)比較用色基準(例えば印刷会社ないし印刷業界により定められた色基準)と、上記測色結果とを比較して合格/不合格を検査する色検証を行って、色検証結果を取得すること、
の3つのステップを含む。測色結果および色検証結果は、測色値として色検証管理部303により所定時間に亘って一次的に保持されうる。
尚、上記色検証において、比較用色基準と測色結果との差異が基準範囲の場合には合格となり、そうでない場合に不合格となる。
【0021】
プロファイル管理部305は、色再現特性を高めるための色変換、即ち画像処理装置300用のデータから画像形成装置106用のデータへの色変換、を行う際に必要なカラープロファイルを管理する。画像形成装置106が複数の場合には、カラープロファイルは画像形成装置106毎に管理され、更に、印字に用いられる用紙毎に作成されて管理されうる。このようなカラープロファイルを切り替えることにより、画像形成装置106および用紙に対する印刷物の品質を安定化させることが可能となる。
【0022】
次に、ウェブシステム101において、情報処理装置102は、色検証アプリケーションプログラム(以下、単に「色検証アプリ」という。)301およびサービスツール302を含む。
色検証アプリ301は、色検証管理部306および色検証結果表示部307を含む。色検証管理部306は、画像処理装置300の色検証管理部303同様、色検証プロセスを実行可能である。色検証管理部306は、色検証プロセスにより得られた色検証結果を画像処理装置300の色検証管理部303から取得し、画像形成装置106の色品質の変化を検知可能である。
色検証結果表示部307は、上述の色検証結果を表示可能である。表示形態の例としては、色検証結果を数値化して表形式で表示すること、色検証結果の一定期間における画像形成装置106の色品質の変化(主に、変化の有無、変化がある場合にはその度合い。変化の傾向、推移ないし履歴。)をグラフ化して表示すること等が挙げられる。
【0023】
サービスツール302は、画像形成装置106のメンテナンス(典型的には装置の点検、修理などであるが、その趣旨を逸脱しない範囲で広義に解釈可能とする。)に必要なサービスマニュアル、ツール、推奨作業などを作業員に提供するためのアプリケーションプログラムである。本実施形態では、サービスツール302は、サービスマスタデータDB(データベース)308、診断データ取得部309および診断データ通知部310を含む。尚、サービスツール302は、情報処理装置104に備えられてもよく、画像処理装置300にインストールされてもよい。
【0024】
サービスマスタデータDB308は、画像形成装置106、画像処理装置300、色検証アプリ301等のメンテナンスに必要な情報を保持しており、例えば、画像形成装置106の構成部品に関する情報などが挙げられる。診断データ取得部309は、画像処理装置300から診断データを取得することができる。診断データ通知部310は、診断データ取得部309により取得された診断データのうち、色検証アプリ301に必要なものを通知することができる。
【0025】
図4A~4Bは、色検証アプリ301による表示画面の例である。本実施形態においては、色検証アプリ301は、ウェブシステム101の一部として実現され、ウェブブラウザ400を介して閲覧および操作が可能とする。尚、表示画面は、例えばオンプレミスアプリケーション等により他の態様で表示されてもよい。
【0026】
図4Aは、色検証アプリ301の色検証プロセスの実行により色検証管理部306により取得された色検証結果が表形式で表示された場合の画面の一例を示す。色検証プロセスが実行された場合、色検証レポート401が表示される。ここでは、色検証アプリ301の画面例として色検証レポート401を示すが、色検証管理部303により色検証プロセスが実行された場合、色検証結果としてのレポートは画像処理装置300の画面に表示されてもよい。
【0027】
色検証結果表示部402は、測色結果と比較用色基準との比較により合格/不合格を判定した結果を表示する。色検証結果表示部402には、例えば、色検証プロセスの実施日時、テスト名称、色検証のターゲット名、チャート印刷が行われた装置(ここでは画像形成装置106)の名称等が表示される。
測定基準テーブル403は、測定値を検証する際の測定基準および許容値を表示し、測定基準の個々に対して色検証の判定結果が表示される。
パッチ比較テーブル404は、チャートに配置されたパッチそれぞれに対して基準値および測定値を比較可能に表示され、基準値と測定値との差分はdEとして表示される。例えば、パッチ405はシアン単色を表し、パッチ406はマゼンタ単色を表し、パッチ407はイエロー単色を表し、また、パッチ408はブラック単色を表す。
ボタン409は、色検証レポート401を閉じるために用いられる。
【0028】
図4Bは、色検証管理部306にて保持される色検証結果のうち、ユーザにより指定された期間のものを示す場合の画面の一例を示す。
フィルタ部410は、所望の色検証結果についてフィルタを指定して表示することができる。例えば、ユーザは、表示対象とする色検証結果について、期間、色検証のテスト名称、画像形成装置名称などを指定することができる。
色検証結果グラフ表示部411は、フィルタ部410にて指定されたフィルタに応じた色検証結果をグラフ形式で表示する。この表示態様により、指定された期間における画像形成装置106の色品質の傾向を認識可能となる。
色検証結果表示部417は、色検証結果グラフ表示部411に表示された色検証結果おける或る時点での値を表示する。例えば、グラフ412は、全色の平均ΔE00 418の結果を示す。同様に、グラフ413は、シアン単色のΔE00 419の結果を示し、グラフ414は、マゼンタ単色のΔE00 420の結果を示し、グラフ415は、イエロー単色のΔE00 421の結果を示し、また、グラフ416は、ブラック単色のΔE00 422の結果を示す。
【0029】
図5A~5Cは、サービスツール302による表示画面の例である。本実施形態においては、サービスツール302は、ウェブシステム101の一部として実現され、図4A等同様、ウェブブラウザ500を介して閲覧および操作が可能とする。
【0030】
図5Aは、サービスツール302に登録されたメンテナンス対象の製品を検索するための画面である。作業員は図5Aの表示画面を閲覧しながら、依頼のあったメンテナンスに必要な製品を検索することができる。
製品選択画面501は、製品検索部502、検索結果表示部503および製品情報閲覧ボタン504を含む。製品検索部502は、サービス組織選択部505、製品名選択部506、シリアル番号入力部507、製品バージョン入力部508および検索実行ボタン509を含む。検索結果表示部503には、製品検索部502にて指定された製品の属性に合致する製品の一覧が表示される。検索結果表示部503にて選択された製品に対して製品情報閲覧ボタン504が押下された場合、図5Bの製品情報画面510が表示される。
【0031】
図5Bは、製品情報画面510における製品情報の表示例である。製品情報表示画面510は、表示メニュー選択部511を含む。表示メニュー選択部511は、製品情報表示メニュー512、データ収集メニュー513およびデータ分析メニュー514を含む。
製品情報表示メニュー512が選択された場合、製品情報515が表示される。製品情報515は、例えば、選択された製品のシリアル番号、サービス組織、製品名、ソフトウェアバージョン、MACアドレス、最後の通信日時等の情報を表示する。データ収集メニュー513が選択された場合、図5Cのデータ収集画面が表示される。データ分析メニュー514が選択された場合、データ分析画面が表示される。
【0032】
図5Cは、データ収集メニュー513が選択されたことにより表示されるデータ収集画面の一例である。診断データ一覧516は、画像処理装置300から取得された診断データの一覧を表示する。ダウンロードボタン517の押下により、診断データ一覧516にて選択された診断データがローカル環境にダウンロードされる。リクエストボタン518の押下により、画像処理装置300に対して診断データをアップロードするリクエストが送信される。該リクエストを受信した画像処理装置300は、診断データを作成してサービスツール302に送信する。
【0033】
図6は、画像処理装置300が保持する診断データ600の例を示す。診断データ600は、プログラムにより処理可能な形式で記載され、本実施形態ではXML(eXtensible Markup Language)形式で記載されるものとする。これにより、サービスツール302は、診断データ600を解析し、図5にて図示された画面に解析結果を表示することができる。
【0034】
システム情報601には、IPアドレス、シリアル番号等、画像処理装置300の構成情報が記載される。システム情報601は、図5Bの製品情報画面510の製品情報表示メニュー512に表示される。
機器リソース情報602及び603には、画像処理装置300および画像形成装置106が管理する各種統計情報が記載される。
【0035】
機器リソース情報602には、画像処理装置106の部品に関する情報が記載される。図6の例では、給紙装置部品情報605およびドラムユニット部品情報606が記載される。その要素としては、部品の名称607、該部品の使用状況を示すカウンタ値608、及び、該部品が交換された際に色品質に影響があるか否かを示す色品質影響フラグ609が挙げられる。色品質影響フラグ609によれば、給紙ユニット部品が交換された場合には色品質に影響がなく、ドラムユニット部品が交換された場合には色品質に影響があると判断可能である。部品が交換されたことの検知は、カウンタ値608が0に更新されたか否かに基づいて判断可能である。
このようにして、交換された部品の色品質影響フラグ609に基づいて、該部品の交換作業が色品質に影響するか否かを判断可能である。色品質影響フラグ609は、色品質影響情報に対応する。
【0036】
機器リソース情報603には、画像形成装置106にて実行されうるキャリブレーションに関する情報が記載される。図6の例では、キャリブレーション回数情報610およびキャリブレーション日時情報611が記載される。その要素としては、要素の意味を示すキー名称612、及び、要素の値である値613が挙げられる。キャリブレーションが実行されたことの検知は、例えばキャリブレーション回数情報610について、値613が示すキャリブレーション回数が更新されたことにより判断可能である。或いは、該検知は、キャリブレーション日時情報612について、値613が示すキャリブレーション日時が更新されたことにより判断可能である。
【0037】
機器設定情報604には、画像処理装置300および画像形成装置106のシステム設定値が記載される。その要素としては、色設定情報614が挙げられる。図6の例では、インプットプロファイル情報615およびアウトプットプロファイル情報616が記載される。その要素としては、ユーザ情報617、要素の意味を表すキー名称618、及び、作成されたプロファイル毎の固有値となるプロファイル名称619が挙げられる。プロファイルが更新されたことの検知は、プロファイル名称619が更新されたこと等により判断可能である。
【0038】
図7A~7Bは、部品交換による色品質変化を色品質変化要因として色検証アプリ301にて表示する場合の処理内容の一例を示すフローチャートである。
【0039】
図7Aは、色品質に影響のある部品交換がサービスツール302にて検知され、そのことが色検証アプリ301に通知されるまでのフローチャートを示す。
ステップS701(以下、単に「S701」と示す。後述の他のステップについても同様とする。)では、サービスツール302の診断データ取得部309は画像処理装置300から診断データ600を取得する。
【0040】
S702では、サービスツール302は、前記診断データ600を解析し、機器リソース情報602に記載されたカウンタ情報から部品交換実績があるか否かを判定する。部品交換実績がない場合(No判定の場合)、本フローチャートは終了となり、部品交換実績がある場合(Yes判定の場合)、S703に進む。
【0041】
S703では、サービスツール302は、機器リソース情報602に記載された色品質影響フラグ609に基づいて、対応の部品が色品質に影響するか否かを判定する。色品質への影響がない場合(No判定の場合)、本フローチャートは終了となり、色品質への影響がある場合(Yes判定の場合)、S704に進む。
【0042】
S704では、サービスツール302は、色検証アプリ301に通知するための色品質変化要因情報800(図8参照)を作成する。色品質変化要因情報800には、画像処理装置300の構成情報が記載されたシステム情報801、色品質に影響のある交換部品の情報を示す交換部品情報(部品交換実績)802等が記載される。図8の例では、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのドラムユニットが交換された場合について示される。
【0043】
S705では、サービスツール302の診断データ通知部310は、色検証アプリ301の色検証管理部306に色品質変化要因情報800を送信し、通知する。
S706では、色検証アプリ301の色検証管理部306は、色品質変化要因情報800を受信する。
【0044】
図7Bは、前述の色検証プロセスにより検知された色品質変化の要因を色品質変化要因情報800に基づいて表示するためのフローチャートを示す。
S707では、色検証アプリ301の色検証管理部306は、画像処理装置300の色検証管理部303に対して画像形成装置106の色検証の実行を指示する。これにより、画像形成装置106にて色検証用のチャート印字が実行され、また、測色器107にてチャートの測色が実行され、画像処理装置300の色検証管理部303を通して色検証アプリ301の色検証管理部306に対して測色結果が通知される。
【0045】
S708では、色検証管理部306は、S707にて通知された色検証結果と過去の色検証結果との差分が閾値以上か否かを判定する。色検証結果の差分が閾値以上ではない場合(No判定の場合)、本フローチャートは終了となり、該差分が閾値以上の場合(Yes判定の場合)、S709に進む。
【0046】
S709では、色検証結果表示部307は、色検証結果グラフ411に対して、色品質変化が発生したことを色品質変化表示901として表示する(図9参照)。
【0047】
S710では、色検証管理部306は、色品質変化要因を判定する処理を開始する。
【0048】
S711では、色検証管理部306は、色品質変化要因情報800をサービスツール302から受信済か否かを判定する。色品質変化要因情報800を受信済ではない場合(No判定の場合)、S712に進み、色品質変化要因情報800を受信済の場合(Yes判定の場合)、S713に進む。
【0049】
S712では、色検証管理部306は、色品質変化要因なしと判定し、色品質変化要因を判定する処理を終了する。
【0050】
S713では、色検証管理部306は、色品質変化要因情報800に部品交換実績があるか否かを判定する。部品交換実績がない場合(No判定の場合)、S712に進み、即ち、色検証管理部306は、色品質変化要因なしと判定して色品質変化要因を判定する処理を終了する。部品交換実績がある場合(Yes判定の場合)、S714に進む。
【0051】
S714では、色検証管理部306は、部品交換による色品質変化要因があるものと判定して、色品質変化要因を判定する処理を終了する。
【0052】
S715では、色検証管理部306は、S710に基づいて色品質変化要因ありか否かを判定する。色品質変化要因なしの場合(No判定の場合)、本フローチャートは終了となり、色品質変化要因ありの場合(Yes判定の場合)、S716に進む。
【0053】
S716では、色検証結果表示部307は、色検証結果グラフ411に対して、色品質変化要因902を表示し(図9参照)、本フローチャートは終了となる。図9の例では、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのドラムユニットが交換された場合について示される。
【0054】
以上の処理によれば、ユーザは、画像形成装置106の部品交換により色品質が変化したことを色検証アプリ301により認識可能となる。よって、本実施形態によれば、画像形成装置106のユーザビリティの向上に有利となりうる。尚、色品質が変化しうる交換部品は、本実施形態ではドラムユニットが例示されたが、他の例としては、トナー、現像機、帯電器、転写ユニット、定着器など、画像形成に直接的に寄与する要素でありうる。
【0055】
(第2実施形態)
色品質が変化する要因としては、第1実施形態にて例示された部品の交換の他、画像形成のための制御態様が変わること(制御段差)が考えられる。その具体例としては、画像処理装置300のカラープロファイルが変更(更新ないし切替え)された場合、画像形成装置106にてキャリブレーションが実行された場合等が挙げられる。
そこで、第2実施形態では、部品交換に起因する色品質への影響に加え、カラープロファイルの変更実績およびキャリブレーションの実行実績に起因する色品質への影響を更に考慮する。
【0056】
図10A~10Bは、部品交換、カラープロファイルの変更およびキャリブレーションの実行により色品質の変化があった場合に色品質変化要因を色検証アプリ301にて表示するための処理を示すフローチャートである。
【0057】
図10Aは、部品交換、カラープロファイルの変更、及び/又は、キャリブレーションの実行に起因する色品質変化がサービスツール302にて検知され、そのことが色検証アプリ301に通知されるまでのフローチャートを示す。
S1001では、サービスツール302の診断データ取得部309は、画像処理装置300から診断データ600を取得する。
S1002では、色品質変化要因800を色検証アプリ301へ通知するか否かを示す通知フラグがFalseに設定される。
【0058】
S1003では、サービスツール302は、診断データ600を解析することにより、機器リソース情報602に記載されたカウンタ情報に基づいて部品交換実績があるか否かを判定する。部品交換実績がない場合(No判定の場合)、S1007に進み、部品交換実績がある場合(Yes判定の場合)、S1004に進む。
【0059】
S1004では、サービスツール302は、機器リソース情報602に記載された色品質影響フラグ609に基づいて、対応の部品が色品質に影響するか否かを判定する(S703同様)。色品質への影響がない場合(No判定の場合)、S1007に進み、色品質への影響がある場合(Yes判定の場合)、S1005に進む。
【0060】
S1005では、サービスツール302は、色品質変化要因情報800に対して、色品質に影響のある部品交換実績802を追加する(図8参照)。
S1006では、通知フラグがTrueに設定される。
【0061】
S1007では、サービスツール302は、診断データ600を解析することにより、カラープロファイルが更新されたか否かを判定する。該判定は、色設定情報614に基づいてプロファイル名称619が更新されたか否か等により行われうる。カラープロファイルが更新されていない場合(No判定の場合)、S1010に進み、カラープロファイルが更新されている場合(Yes判定の場合)、S1008に進む。
【0062】
S1008では、サービスツール302は、色品質変化要因情報800に対して、更新されたプロファイル情報1101を追加する(図11A参照)。
S1009では、通知フラグがTrueに設定される。
【0063】
S1010では、サービスツール302は、診断データ600を解析することにより、画像形成装置106にてキャリブレーションが実行されたか否かを判定する。該判定は、機器リソース情報603に基づいて、本例では、キャリブレーション回数が更新されたこと及び/又はキャリブレーション日時が更新されていることに基づいて行われうる。キャリブレーションが実行されていない場合(No判定の場合)、S1013に進み、キャリブレーションが実行されている場合(Yes判定の場合)、S1011に進む。
【0064】
S1011では、サービスツール302は、色品質変化要因情報800に対して、キャリブレーション情報1102を追加する(図11B参照)。
S1012では、通知フラグがTrueに設定される。
【0065】
S1013では、通知フラグがTrueか否かの判定が行われる。通知フラグがFalseの場合(No判定の場合)、本フローチャートは終了となり、通知フラグがTrueの場合(Yes判定n場合)、S1014に進む。
【0066】
S1014では、サービスツール302の診断データ通知部310は、色検証アプリ301の色検証管理部306に色品質変化要因情報800を送信し、通知する(S705同様)。
S1015では、色検証アプリ301の色検証管理部306は、色品質変化要因情報800を受信する(S706同様)。
【0067】
図10Bは、前述の色検証ステップにより検出された色品質変化の要因を色品質変化要因情報800に基づいて表示するためのフローチャートを示す。
S1016では、色検証アプリ301の色検証管理部306は、画像処理装置300の色検証管理部306に対して画像形成装置106の色検証の実行を指示する。これにより、画像形成装置106にて色検証用のチャート印字が実行され、また、測色器107にてチャートの測色が実行され、画像処理装置300の色検証管理部303を通して色検証アプリ301の色検証管理部306に対して測色結果が通知される。
【0068】
S1017では、色検証管理部306は、S1016にて通知された色検証結果と過去の色検証結果との差分が閾値以上か否かを判定する。色検証結果の差分が閾値以上ではない場合(No判定の場合)、本フローチャートは終了となり、該差分が閾値以上の場合(Yes判定の場合)、S1018に進む。
【0069】
S1018では、色検証結果表示部307は、色検証結果グラフ411に対して、色品質変化が発生したことを色品質変化表示901として表示する(図9、12A及び12B参照)。
【0070】
S1019では、色検証管理部306は、色品質変化要因を判定する処理を開始する。
【0071】
S1020では、色検証管理部306は、色品質変化要因情報800をサービスツール302から受信済か否かを判定する。色品質変化要因情報800を受信済ではない場合(No判定の場合)、S1021に進み、色品質変化要因情報800が受信済の場合(Yes判定の場合)、S1022に進む。
【0072】
S1021では、色検証管理部306は、色品質変化要因なしと判定し、色品質変化要因を判定する処理を終了する。
【0073】
S1022では、色検証管理部306は、色品質変化要因情報800に部品交換実績があるか否かを判定する。部品交換実績がない場合(No判定の場合)、S1024に進み、部品交換実績がある場合(Yes判定の場合)、S1023に進む。
【0074】
S1023では、色検証管理部306は、部品交換による色品質変化要因があるものと判定して、色品質変化要因を判定する処理を終了する。
【0075】
S1024では、色品質変化要因情報800にカラープロファイルの更新があるか否かが判定される。カラープロファイルの更新がある場合(Yes判定の場合)、S1025に進み、カラープロファイルの更新がない場合(No判定の場合)、S1026に進む。
【0076】
S1025では、カラープロファイルの更新による色品質変化があるものと判定して、色品質変化要因を判定する処理を終了する。
【0077】
S1026では、色品質変化要因情報800に画像形成装置106のキャリブレーション情報があるか否かが判定される。キャリブレーション情報がある場合(Yes判定の場合)、S1027に進み、キャリブレーション情報がない場合(No判定の場合)、S1021に進んで色品質変化要因なし判定する。
【0078】
S1027では、画像形成装置106のキャリブレーションの実行による色品質変化があるものと判定して、色品質変化要因を判定する処理を終了する。
【0079】
S1028では、色検証管理部306は、S1019に基づいて色品質変化要因ありか否かを判定する。色品質変化要因なしの場合(No判定の場合)、本フローチャートは終了となり、色品質変化要因ありの場合(Yes判定の場合)、S1029に進む。
【0080】
S1029では、色検証結果表示部307は、色検証結果グラフ411に対して色品質変化要因を表示し(図9、12A及び12B参照)、本フローチャートは終了となる。色品質変化要因が部品交換によるものと判定されている場合、図9に示されるように色品質変化要因902が表示される。色品質変化要因がカラープロファイルの更新によるものと判定されている場合、図12Aに示されるように色品質変化要因1201が表示される。色品質変化要因が画像形成装置106のキャリブレーションの実行によるものと判定されている場合、図12Bに示されるように色品質変化要因1202が表示される。
【0081】
以上の処理によれば、ユーザは、画像形成装置106の部品交換により色品質が変化したことの他、カラープロファイルの更新及び/又はキャリブレーションの実行により色品質が変化したことを認識可能となる。よって、本実施形態によれば、画像形成装置106のユーザビリティの向上に有利となりうる。
【0082】
(第3実施形態)
第2実施形態では、色品質変化要因として、画像形成装置106の部品交換、カラープロファイルの更新およびキャリブレーションの実行が例示された。これらのうち、画像形成装置106の部品交換による色品質の変化は、特定の色に対して発生する場合がある。例えば、ドラムユニットのイエローのみが交換された場合、一般にイエローについて色品質に影響が表れうる。
第3実施形態では、画像形成装置106の部品交換により、何れの色に対して色品質の影響があるかが判定される。
【0083】
図13は、本実施形態に係る画像処理装置300が保持する診断データ600の例である。本実施形態においては、診断データ600には、機器リソース情報602のドラムユニット部品情報606に対して影響色情報1301が記載される。一方、ワイヤ部品情報1302について、色品質影響フラグ609によれば色品質に影響があるものの、対応の部品が交換された場合に影響のある色が一意ではないことから影響色情報1301が付与されない。
【0084】
図14A~14Bは、第2実施形態の内容に加え、影響色情報1301を考慮して、部品交換により何れの色に対して影響があるかを判定してユーザに通知するためのフローチャートである。
【0085】
図14Aは、部品交換、カラープロファイルの変更、及び/又は、キャリブレーションの実行に起因する色品質変化がサービスツール302にて検知され、そのことが色検証アプリ301に通知されるまでのフローチャートを示す。本フローチャートでは、図10AのS1005に代替してS1400が行われる、という点で第2実施形態と異なる。
S1400では、サービスツール302は、色品質変化要因情報800(図8参照)に対して、色品質に影響のある部品交換実績802を追加し、本実施形態では、部品交換実績802に対して影響色情報1501が付与される(図15参照)。
【0086】
図14Bは、前述の色検証ステップにより検出された色品質変化の要因を色品質変化要因情報800に基づいて表示するためのフローチャートを示す。本フローチャートでは、図10BのS1023以降にS1401~S1402が行われる、という点で第2実施形態と異なる。
S1401では、色検証管理部306は、色品質変化要因情報800の部品交換実績802に影響色情報1501があるか否かを判定する。影響色情報1501がない場合(No判定の場合)、色品質変化要因を判定する処理は終了となる。影響色情報1501がある場合(Yes判定の場合)、S1402に進む。
【0087】
S1402では、色検証管理部306は、影響色情報1501に対応する評価指標を関連付け、色検証結果グラフ411に対し、影響のある評価指標について色品質変化表示1601を表示する(図16参照)。また、色検証結果グラフ411に対して色品質変化要因1602が表示される。その後、色品質変化要因を判定する処理は終了となる。
【0088】
以上の処理によれば、ユーザは、画像形成装置106の部品交換により変化する色情報に基づいて色検証結果の表示を切り替えることができる。色検証結果と共に色品質変化要因1602が表示されることにより、ユーザは、色品質の変化の要因を認識可能となる。よって、本実施形態によれば、画像形成装置106のユーザビリティの向上に有利となりうる。
【0089】
(プログラム)
本発明は、上記実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理により実現されてもよい。例えば、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によって実現されてもよい。
【0090】
(その他)
実施形態においては、個々の要素をその主機能に基づく表現で命名したが、実施形態で述べられた機能は副機能であってもよく、その表現に厳密に限定されるものではない。また、その表現は同様の表現に置換え可能とする。同様の趣旨で、「部(unit、pоrtiоn)」という表現は、「ツール(tооl)」、「部品(cоmpоnent)」、「部材(member)」、「構造体(structure)」、「組立体(assembly)」等に置換え可能である。或いは、其れらは省略されてもよいし付されてもよい。また、個々の要素の包含関係は、その趣旨を逸脱しない範囲で変更されてもよい。
【0091】
(実施形態のまとめ)
実施形態にて例示された幾つかの特徴は次のとおりである:
[1]
画像形成装置の色検証について情報処理を行う情報処理装置であって、
前記画像形成装置の構成部品についての部品情報を保持する保持手段と、
前記画像形成装置における色検証結果および部品交換実績を取得する取得手段と、
前記画像形成装置の色検証結果が、それまでの色検証結果から変化したことを検知する検知手段と、
前記部品情報と前記部品交換実績との比較結果に基づいて前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記部品情報は、対応の構成部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを示す色品質影響情報を含み、前記判定手段は、前記部品交換実績が示す交換部品が色品質に影響するものか否かを該色品質影響情報に基づいて判定する
ことを特徴とする情報処理装置。
[2]
前記画像形成装置の色品質の変化の要因である色品質変化要因を表示する表示手段を更に備え、
前記画像形成装置の色検証結果がそれまでの色検証結果から変化したことが前記検知手段により検知され、かつ、前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響することが前記判定手段により判定された場合に、前記表示手段は前記部品交換実績を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする[1]記載の情報処理装置。
[3]
前記取得手段は、カラープロファイル情報を更に取得し、
前記検知手段は、前記カラープロファイル情報に基づいて前記画像形成装置のカラープロファイルの更新を更に検知し、
前記カラープロファイルが更新されたことが前記検知手段により検知された場合には、前記表示手段は前記カラープロファイルの更新を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする[2]記載の情報処理装置。
[4]
前記取得手段は、前記画像形成装置のキャリブレーションの実行実績を示すキャリブレーション情報を更に取得し、
前記検知手段は、前記キャリブレーション情報に基づいて前記画像形成装置のキャリブレーションの実行を更に検知し、
前記キャリブレーションが実行されたことが前記検知手段により検知された場合には、前記表示手段は前記キャリブレーションの実行を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする[2]または[3]記載の情報処理装置。
[5]
前記部品交換実績は、前記交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響する色を示す影響色情報を含み、前記表示手段は前記影響色情報に基づく情報を更に表示する
ことを特徴とする[2]~[4]の何れか1項記載の情報処理装置。
[6]
画像形成装置の色検証についての情報処理の方法であって、
前記画像形成装置の構成部品についての部品情報を保持するステップと、
前記画像形成装置における色検証結果および部品交換実績を取得するステップと、
前記画像形成装置の色検証結果が、それまでの色検証結果から変化したことを検知するステップと、
前記部品情報と前記部品交換実績との比較結果に基づいて前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを判定するステップと、を含み、
前記部品情報は、対応の構成部品が前記画像形成装置の色品質に影響するか否かを示す色品質影響情報を含み、前記判定するステップでは、前記部品交換実績が示す交換部品が色品質に影響するものか否かを該色品質影響情報に基づいて判定する
ことを特徴とする方法。
[7]
前記画像形成装置の色品質の変化の要因である色品質変化要因を表示するステップを更に含み、
前記画像形成装置の色検証結果がそれまでの色検証結果から変化したことが検知され、かつ、前記画像形成装置における交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響することが判定された場合に、前記表示するステップでは、前記部品交換実績を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする[6]記載の方法。
[8]
カラープロファイル情報を取得するステップと、
前記カラープロファイル情報に基づいて前記画像形成装置のカラープロファイルの更新を検知するステップと、を更に含み、
前記カラープロファイルが更新されたことが検知された場合には、前記表示するステップでは、前記カラープロファイルの更新を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする[7]記載の方法。
[9]
前記画像形成装置のキャリブレーションの実行実績を示すキャリブレーション情報を取得するステップと、
前記キャリブレーション情報に基づいて前記画像形成装置のキャリブレーションの実行を検知するステップと、を更に含み、
前記キャリブレーションが実行されたことが検知された場合には、前記表示するステップでは、前記キャリブレーションの実行を前記色品質変化要因として表示する
ことを特徴とする[7]または[8]記載の方法。
[10]
前記部品交換実績は、前記交換部品が前記画像形成装置の色品質に影響する色を示す影響色情報を含み、前記表示するステップでは、前記影響色情報に基づく情報を更に表示する
ことを特徴とする[7]~[9]の何れか1項記載の方法。
[11]
コンピュータに、[6]~[10]の何れか1項に記載の方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
【0092】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0093】
SY:支援システム、101:ウェブシステム、103:印刷業者システム、106:画像形成装置、102及び104:情報処理装置。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15
図16