(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172469
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像処理装置、その制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
H04N1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090206
(22)【出願日】2023-05-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 直紀
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC34
(57)【要約】
【課題】本発明は、ハードウェア資源が十分でない画像処理装置であっても、所定事項が印刷された印刷物への記入内容を好適に確認する仕組みを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、印刷物の印刷データを解析して得られる、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する。また、画像処理装置は、1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの印刷物を読み取って得られる読取画像に、領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する。さらに、画像処理装置は、表示部を介するユーザ入力に従って、1以上の領域ごとに確認結果を設定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置であって、
印刷物の印刷データを解析して得られる、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得手段と、
前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの印刷物を読み取って得られる読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する表示制御手段と、
前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記設定手段によって設定された確認結果を示すオブジェクトを前記読取画像に重畳して前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに領域の内容を示す属性を設定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記表示された読取画像に重畳して表示されている前記領域を示すオブジェクトを選択し、選択したオブジェクトに対応する領域を削除することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記表示された読取画像に新たな領域を示すオブジェクトを設定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記印刷データに従って前記印刷物を印刷する印刷手段と、
前記印刷データを解析して、前記領域情報を生成してメモリに記憶する解析手段とをさらに備え、
前記取得手段は、前記メモリに記憶された前記領域情報を取得することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記取得手段は、ネットワークを介して接続された外部装置から所定の印刷データに対応する領域情報を取得することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記外部装置は前記印刷物を印刷した印刷装置であることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記印刷物はテストの解答用紙であり、
前記領域は、前記テストの設問に対する解答を記入する解答欄、又は記入済みの解答用紙を採点した際の点数を設定する点数欄であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、記入済み前記印刷物を採点するための採点画面を表示し、
前記設定手段は、
前記採点画面を介するユーザ入力に従って、前記表示された読取画像に重畳して表示されている記入済みの前記解答欄に対して正解、不正解、又は一部正解を示す採点結果を設定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記設定手段は、さらに、
前記採点画面を介するユーザ入力に従って、前記一部正解の点数を設定することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記表示された読取画像に重畳して表示されている記入済みの前記解答欄に対して、前記設定手段によって設定された採点結果を示すオブジェクトを重畳して表示することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記設定手段は、
前記採点画面を介するユーザ入力に従って、前記表示された読取画像の選択した位置にコメントを設定することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記設定手段によって設定された前記コメントを、前記表示された読取画像に重畳して表示することを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記採点画面を介して採点結果を反映した読取画像を出力する出力手段をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記出力手段は、複数の採点対象の採点結果に基づいて個人データ及び集計データの少なくとも1つを出力することを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記表示部は、情報機器に設けられた表示部であり、
前記表示制御手段は、画面情報を前記情報機器へ送信することにより前記表示部への表示を制御することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項18】
画像処理装置であって、
印刷物の印刷データを解析して、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得手段と、
前記印刷データに従って前記印刷物を出力する印刷手段と、
前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの前記印刷物を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取った読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する表示制御手段と、
前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項19】
画像処理装置の制御方法であって、
取得手段が、印刷物の印刷データを解析して得られる、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得工程と、
表示制御手段が、前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの印刷物を読み取って得られる読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する表示制御工程と、
設定手段が、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定工程と
を含むことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項20】
画像処理装置を、
印刷物の印刷データを解析して得られる、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得手段と、
前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの印刷物を読み取って得られる読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する表示制御手段と、
前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定手段と
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物に対して記入が行われた用紙をスキャナで読み取り、当該読取画像を用いてPCなどのデバイスにおいて記入内容を解析するシステムが知られている。例えばテスト用紙の読取画像を用いて電子的に採点を行う採点システムなどがある。そのような画像解析による採点システムでは、設問への採点と合計点の記入等のためテスト画像中の解答欄や点数の小計欄、合計欄等の外縁を示す枠の位置と大きさを認識する必要がある。多くのシステムでは画像認識やAI処理を用いて、印刷物における枠情報等に関する情報を取得することが一般的である。例えば特許文献1には、印刷データを解析して作成された帳票について印刷用スプールファイルと罫線データとを管理用コンピュータに登録することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術には以下に記載する課題がある。上記従来技術を用いると、例えば管理用コンピュータで管理されているデータを用いて、電子採点を行うシステムが考えられる。しかし、上記従来技術のように、印刷物の内容に関する情報を管理したり、印刷データを解析するためには、それらの制御を行うための十分なハードウェア資源が必要となり、印刷装置とは別に処理能力の高いサーバ等を設ける必要がある。つまり、このような制御を行う装置には、CPUやメモリ等について十分なハードウェア資源が必要となる。従って、CPUの処理能力が低い印刷装置などの画像処理装置や、記憶領域の容量が少ない画像処理装置では、処理による遅延やメモリ資源の枯渇を引き起こしてしまい、ユーザに十分な性能の機能を提供することができない。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一つに鑑みて成されたものであり、ハードウェア資源が十分でない画像処理装置であっても、所定事項が印刷された印刷物への記入内容を好適に確認する仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、画像処理装置であって、印刷物の印刷データを解析して得られる、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得手段と、前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの印刷物を読み取って得られる読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトとを重畳して表示部に表示する表示制御手段と、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、例えば、画像処理装置であって、印刷物の印刷データを解析して、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得手段と、前記印刷データに従って前記印刷物を出力する印刷手段と、前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの前記印刷物を読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取った読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトとを重畳して表示部に表示する表示制御手段と、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハードウェア資源が十分でない画像処理装置であっても、所定事項が印刷された印刷物への記入内容を好適に解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係るシステムの構成例を示す図。
【
図2】一実施形態に係る採点支援アプリのRUIの一例を示す図。
【
図3】一実施形態に係るホーム画面例、採点支援アプリのLUI及びRUIページ例を示す図。
【
図4】一実施形態に係る採点支援アプリのRUIの一例を示す図。
【
図5】一実施形態に係る採点支援アプリのRUIの一例を示す図。
【
図6】一実施形態に係る採点支援アプリのRUIの一例を示す図。
【
図7】一実施形態に係る採点データ構造例及び具体例を示す図。
【
図8】一実施形態に係る解答用紙の印刷時処理に関するフローチャート。
【
図9】一実施形態に係る解答用紙のスキャン時処理に関するフローチャート。
【
図10】一実施形態に係る選択ページの描画及び制御処理に関するフローチャート。
【
図11】一実施形態に係るTopページの描画及び制御処理に関するフローチャート。
【
図12】一実施形態に係る枠設定ページの描画及び制御処理に関するフローチャート。
【
図13A】一実施形態に係る採点ページの描画及び制御処理に関するフローチャート。
【
図13B】一実施形態に係る採点ページの描画及び制御処理に関するフローチャート。
【
図14】一実施形態に係る結果ページの描画及び制御処理に関するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<第1の実施形態>
<システム構成>
まず
図1を参照して、本実施形態に係るシステムの構成例を説明する。本実施形態に係るシステム117は、複合機100と情報機器110とを含んで構成され、各装置はネットワーク118を介して相互通信可能に接続されている。本実施形態では、画像処理装置の一例として複合機(MFP)100を適用した場合について説明する。しかし、本発明を限定する意図はなく、印刷装置やコピー機、ファクシミリ装置等を適用してもよい。また、本実施形態に係るシステムとしては他の画像処理装置や情報機器等が含まれてもよい。情報機器110はユーザが所有するPC、スマートフォン、タブレットなどの情報端末である。ユーザは自身の情報機器110から複合機100にアクセスし各種情報の確認やサービスを利用することができる。
【0012】
複合機100は、ネットワーク118を介して通信可能に接続された各情報機器に対して、各種サービスを提供する。例えば、複合機100は、印刷、スキャン、SEND、及び画像解析などのサービスを提供することができる。ここで、画像解析とは、印刷物を印刷するための印刷データの解析や、印刷済みの用紙を読み取った読取画像の解析を示す。例えば、所定事項が印刷された印刷物に対して記入が行われる領域を解析し、その解析結果と、記入済みの用紙を読み取った読取画像とを用いて電子採点のサービスや帳票、申請書などの確認システムを提供することができる。電子採点のサービスとは、テストの解答用紙を読み取った読取画像を表示した画面上で電子的に採点を行うサービスを示す。本実施形態によれば、解答欄や小計点、合計点等の1以上の所定の領域を事前に解析し、テスト実施後の解答用紙を読み取った読取画像と、事前に解析した解析情報とを用いて電子的な採点を行わせる。その後、採点結果を反映した解答用紙や集計データ等の印刷を行う。以下では、上記所定の領域について、矩形形状を例に説明するが、特に形状について限定するものではない。また、以下で記載する用語「枠」は、所定の領域の外縁を示すものである。なお、解答欄に紐付けて点数を設定することにより、電子的に採点した後の小計点や合計点の点数を自動で出力することができる。これにより、電子採点において、採点者は設問の採点を行うだけで点数等が自動で出力されるため、採点に関わる作業を低減することができる。
【0013】
複合機100は、CPU101、ROM102、DRAM103、操作部104、スキャナ105、プリンタ106、通信部107及び画像処理部108を備える。CPU101はシステムの制御部であり、装置全体を制御する。また、ROM102に格納された制御プログラムを読み出して実行する。ROM102はeMMCなどのフラッシュメモリで構成されており、CPU101の制御プログラムや画像データなどを格納する。DRAM103はプログラム制御変数等や、処理する画像データなどを一時的に保存できる揮発性メモリである。ROM102やDRAM103は以降で説明する印刷データを解析して得られる枠やその属性を示す領域情報を記憶することもできる。
【0014】
操作部104は複合機100の機器内の情報を表示し、表示した各画面を介したユーザ入力を受け付けるユーザとのインタフェース部である。スキャナ105は画像データを読み取り、バイナリデータに変換するデバイスであり、これを用いて画像送信機能などの原稿読み取りを行なう。プリンタ106は定着温調制御を行って印刷データに従った画像を用紙に定着させ、出力するデバイスである。
【0015】
通信部107は複合機100と外部通信網とのインタフェース部であり、ネットワークへのインタフェースであるネットワーク通信部を含む。画像処理部108は入力画像データ及び出力画像データに対して、解像度変換、圧縮伸長、回転などの画像処理を行うASICで構成される。それぞれの制御部はデータバス109を介して接続され、相互にデータを授受することができる。
【0016】
情報機器110は複合機100にアクセスして、複合機100が提供するサービスを利用するデバイスである。例えば、情報機器110は電子採点アプリを起動して電子採点を複合機100へ要求することができる。情報機器110は、操作部111、ブラウザ112、CPU113、通信部114、及びROM115を含んで構成される。
【0017】
操作部111は機器内の情報を表示するユーザとのインタフェース部である。情報機器110の構成によっては表示された各画面を介してユーザ入力を受け付ける役割も果たす。ユーザ入力を受け付けるとその情報を複合機100へ送信する。ブラウザ112は、html及びscriptを解釈してユーザに提示するモジュールである。ブラウザ112を用いることで文章や画像などのデータの閲覧や編集を行うことが可能である。
【0018】
CPU113はシステムの制御部であり、装置全体を制御する。通信部114は機器と外部通信網とのインタフェース部である。通信部114はネットワークへのインタフェースであるネットワーク通信部や、USBフラッシュメモリへの入出力を行うUSBフラッシュメモリ制御部を含む。ROM115はeMMCなどのフラッシュメモリで構成されており、CPU113の制御プログラムや画像データなどの格納を行う。それぞれの制御部やモジュールはデータバス116を介して接続され、相互にデータを授受することができる。
【0019】
<RUIの画面例(採点準備画面)>
次に
図2を参照して、本実施形態に係る採点支援アプリのRUI画面(採点準備画面)について説明する。RUI画面は複合機100が提供する画面情報を情報機器110で表示する画面を示す。この場合は、複合機100のCPU101は、情報機器110へ画面情報を送信し、各画面を介したユーザ入力である操作情報を情報機器110から受信する表示制御手段として機能する。ここではRUI画面のうち電子採点の準備に関する画面について説明する。Topページ画面200は、複合機100のIPアドレスにPCやスマートフォンなどの情報端末からアクセスし採点支援アプリのページを開いたときに表示される画面である。なお、RUIとはRemote User Interfaceの略である。
【0020】
Topページ画面200には、電子採点の準備を行うためのページリンク201及び電子採点を行うためのページリンク202が選択可能に表示される。これらのリンクを選択することで当該ページにアクセスすることが可能である。ページリンク201を選択すると、画面203へ遷移する。画面203は電子採点準備のページ例を示す。画面203にアクセスすることで、アクセス後に印刷のために投入される印刷データを電子採点のために事前に解析することができる。つまり、解答用紙の印刷を複合機100で行う際に、当該解答用紙を印刷するための印刷データを解析し、各設問に対する解答欄や点数の小計や合計を記入する点数欄を認識することができる。つまり電子採点の準備とは、解答用紙の印刷データを解析して、電子採点を行う際の情報を取得することを示す。当該処理に関してのフローは後述する。
【0021】
画面204は、画面203を表示中に印刷ジョブが投入された際に表示される画面の一例を示す。印刷ジョブが投入されたため、当該ジョブを電子採点用に解析している旨のメッセージが表示される。また、画面205は、画面204を表示中に印刷ジョブの電子採点用解析が完了した際に表示される画面の一例を示す。解析が完了し電子採点の準備が整ったことをユーザに示すために表示される。
【0022】
画面206は、Topページ画面200の電子採点を行うページリンク202を選択することで表示される画面である。画面206にアクセスすることで、電子採点を行うテストを選択することができる。なお、電子採点の準備は終わったが記入済みの解答用紙がスキャンされていない場合、画面206には解答用紙スキャンを促すメッセージ207が表示される。
【0023】
<LUIの画面例>
次に
図3を参照して、本実施形態に係る複合機100の操作部104に表示される、採点支援アプリのLUI画面について説明する。なお、LUIとはLocal User Interfaceの略である。画面300は、主に複合機100の起動直後に操作部104に表示され、ユーザは画面300に表示されるアイコンを選択することで、アイコンに登録された画面を表示させ、当該機能を利用することができる。例えば、教育支援アイコン301を選択することで教育支援アプリに関する操作を行う画面を表示することができる。
【0024】
画面302は、教育支援アイコン301を選択して採点支援アプリを起動した際の画面例を示す。画面302は、解答用紙の作成及び印刷ボタン303、採点及び集計ボタン304、及びアプリ終了ボタン305を含んで表示される。解答用紙の作成及び印刷ボタン303を操作すると解答用紙の作成と印刷を操作部104を用いて実行させることができる。採点及び集計ボタン304を操作すると、解答済みの解答用紙のスキャンと採点を行うための画面306に遷移する。アプリ終了ボタン305を操作すると教育支援アプリを終了することができる。
【0025】
画面306は複合機100の操作部104に表示される、採点方法を選択するための画面の一例を示す。自動採点ボタン307を操作するとスキャナ105でスキャンされた読取画像を自動で採点し集計処理を行う。電子採点ボタン308を操作すると電子採点対象のテストを選択する画面309に遷移する。
【0026】
画面309は複合機100の操作部104に表示される、電子採点対象のテストを選択する画面の一例を示す。この画面で選択したテストにスキャン画像が紐づけられる。なお、電子採点対象のテストが複数ある場合はテストA選択ボタン310、及びテストB選択ボタン311のように複数の候補が選択可能に表示される。例えばテストA選択ボタン310を操作した場合、画面312に遷移する。
【0027】
画面312は複合機100の操作部104に表示される、電子採点対象のテスト解答用紙をスキャンするための画面の一例を示す。開始ボタン313を操作すると、スキャナ105を用いて解答用紙のスキャンが行われる。なお、画面312には、画面309で選択されたテスト名が表示される。これにより、ユーザに紐づけ先のテスト名を再確認させることができる。
【0028】
画面314は複合機100の操作部104に表示される、電子採点対象のテスト解答用紙のスキャン中に表示される画面の一例を示す。画面314はスキャンが完了するまで表示される。スキャン完了後は画面315に自動で遷移する。画面315では、スキャンが完了した旨と、電子採点が可能である旨のメッセージが表示される。スキャン完了時に自動で画面315が所定時間表示され、その後自動で画面302に遷移する。
【0029】
画面316は、例としてテストAに対する電子採点スキャン完了後の電子採点の選択画面の一例を示す。画面316は情報機器110の表示部に表示されるRUI画面である。画面206と比較すると、テストAはスキャンが完了したためテストA選択ボタン317に示されるようにサムネイル画像が表示され、当該ボタン317を操作することで電子採点を複合機100に対して要求することができる。なお、テストBはスキャンを行っていないためテストB選択ボタン318に示されるように解答用紙をスキャンするよう促す文言が表示される。したがって、当該ボタン318を操作しても電子採点を行うことはできない。
【0030】
<RUIの画面例(採点実施画面)>
次に
図4を参照して、本実施形態に係る採点支援アプリのRUI画面(採点実施画面)の一例について説明する。ここでは、採点支援アプリの電子採点を実施する際の画面について説明する。本実施形態では、テストの電子採点を例に説明するが本発明を限定する意図はない。つまり、本発明は所定の事項が印刷された印刷物に対して記入が行われた用紙をスキャナで読み取り、当該読取画像を画面に表示して確認させ、ユーザ入力に応じて確認結果を受け付け、当該確認結果を読取画像へ重畳して表示するシステムに適用することができる。なお、確認結果を読取画像へ重畳して表示することは、確認結果を示すオブジェクトを読取画像へ埋め込む制御としてもよい。例えば、本発明は、テストの電子採点に加えて、帳票や申請書等の任意の記入用紙をスキャンして得た読取画像を表示して確認させ、確認結果、例えば記入が妥当であるか否かを示す情報を読取画像へ合成するシステムなどに適用することができる。
【0031】
画面400は、電子採点選択ページで表示される電子採点可能なテストの採点ボタン、例えば画面316のボタン318が操作された際に遷移する画面の一例を示す。画面400において、枠設定ボタン401を操作すると画面405に遷移し、電子採点を行うための枠設定を行うことができる。また採点ボタン402を操作すると画面413に遷移し、電子採点を行うことができる。また、結果ボタン403を操作すると画面422に遷移し、電子採点結果を出力することができる。そして、ページ下部には原稿画像404が表示され採点内容やコメントを確認することができる。
【0032】
画面405は、電子採点を行う際に必要となる解答欄や小計、合計欄などの領域を指定する枠を設定するための画面である。ここで「枠」とは、所定の領域の外縁を示すオブジェクトであり、原稿画像404に重畳して表示される。画面405において、枠削除ボタン406を操作すると、設定された枠を削除することができる。枠追加ボタン407を操作すると、新たに領域を指定して枠を追加することができる。枠属性ボタン408を操作すると対象の枠が解答欄を示したものか、小計欄を示したものか、などの属性を設定することができる。完了ボタン409を操作すると、設定した枠情報を保存し、画面400に遷移する。また、画面405では原稿画像上に操作可能な枠410~412が表示されるため、ユーザが処理対象枠を認識することができる。枠410~412については、色を変更したり、点滅表示したりすることにより強調表示が行われてもよい。なお、各ボタン操作時の画面例に関しては
図5を用いて後述する。
【0033】
画面413は、解答への採点やコメント記載などの電子採点を行うための画面を示す。画面413において、正解ボタン414を操作すると、採点結果として正解を設定することができる。不正解ボタン415を操作すると、採点結果として不正解を設定することができる。一部正解ボタン416を操作すると、採点結果として一部正解を設定することができる。コメント追加ボタン417を操作すると、コメントを追加することができる。コメント移動ボタン418を操作すると、選択したコメントの場所を移動することができる。コメント削除ボタン419を操作すると、選択したコメントを削除することができる。点数設定ボタン420を操作すると、テストにおける正解、不正解、一部正解の点数を確認、設定することができる。完了ボタン421を操作すると、設定情報を保存して、画面400に遷移する。なお、各ボタン操作時の画面例に関しては
図6を用いて後述する。
【0034】
画面422は、電子採点を行った結果を出力するための画面を示す。ランキングボタン423を操作すると、得点の高い順に並べ替えた生徒情報を出力することができる。生徒別ボタン424を操作すると、生徒毎の採点結果を出力することができる。完了ボタン425を操作すると、画面400に遷移する。なお、各ボタン操作時の処理フローに関しては
図14を用いて後述する。
【0035】
<RUIの画面例(枠設定画面)>
次に
図5を参照して、本実施形態に係る採点支援アプリのRUI画面(枠設定画面)の一例について説明する。ここでは、画面400で枠設定ボタン401が操作された際の画面405の詳細な表示制御について説明する。
【0036】
画面500は、枠情報の削除を行うための画面の一例を示す。枠削除ボタン501は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。選択可能な複数の枠502~504は強調表示される。画面505は、枠情報の削除対象を選択するための画面の一例を示す。ユーザは画面505に表示されたポインタ506を操作して対象枠を選択する。ポインタ506については情報機器110の操作部111、例えばタッチパネルデバイスやポインティングデバイス等を用いて操作することができる。画面505ではポインタ506を介して枠502が選択されている様子を示す。このように、ユーザはポインタ506を削除したい枠に合わせて操作、例えばクリック操作やタッチ操作を行うことで削除する枠を選択することができる。画面507は、枠情報の削除対象を選択した後の画面の一例を示す。508に示すように、画面505で選択された枠502が削除され、枠が存在しないことが確認できる。
【0037】
画面509は、枠情報の追加を行うための画面の一例を示す。枠追加ボタン510は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。ユーザは枠追加ボタン510を選択した状態でポインタ511を介して新たな枠を読み取った原稿画像上に設定することができる。例えば、クリック操作やタッチ操作によりポインタ511の位置を起点として枠の追加を行うことができる。なお、以下ではクリック操作やタッチ操作を単にクリック操作等と称する。画面512は、枠の終点位置を設定する画面の一例を示す。例えばクリック解除又はタッチ解除によりポインタ513の位置が枠の終点として適用される。つまり、ユーザはポインタ511が示す位置においてクリック操作等により枠の始点(例えば、矩形枠の左上)を決定する。さらに、ユーザはドラッグ操作やスワイプ操作によってポインタ511をポインタ513の位置まで移動させて、操作中のクリックの解除操作や新たなクリック操作等により枠の終点(矩形枠の右下)を決定する。これらの一連の操作によって、矩形の枠を指定することができる。画面514は、枠の終点位置を設定した後の画面の一例を示す。クリック等により設定された始点と、クリック解除により設定された終点を囲む領域515として枠が設定されていることが確認できる。
【0038】
画面516は、選択した枠が紐づく対象を解答欄、合計欄などの属性として指定するための画面の一例を示す。枠属性ボタン517は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。ユーザは枠属性ボタン517を選択した状態でポインタ518を操作してクリック操作等により対象の枠を選択する。ここでは枠502が選択されている様子を示す。画面519は、ポインタ518を介して選択された枠に対して設定する属性を選択する画面の一例を示す。画面519では520に示すように選択された枠のみが強調表示されて様々な属性を選択することができる。例えば属性として合計欄を選択する場合は合計ボタン521を操作すればよい。合計ボタン521を操作することで枠に対して合計欄を示す属性が設定され、その後画面が画面516に自動で遷移する。
【0039】
一方、画面522は、選択された枠に対して設定する属性として小計欄を選択する画面の一例を示す。小計ボタン523を操作することで枠に対して小計欄としての属性が設定される。なお、小計対象となる枠を選択する必要があるため、ボタン操作後に画面が画面524に自動で遷移する。画面524は、小計対象となる枠を選択する画面の一例を示す。クリック操作等によりポインタ525の位置にある枠を選択することができる。全ての枠を選択した後に選択済ボタン526を操作することで小計対象となる枠を確定することができる。
【0040】
<RUIの画面例(正解設定画面)>
次に
図6を参照して、本実施形態に係る採点支援アプリのRUI画面(正解設定画面)の一例について説明する。ここでは、画面400で採点ボタン402が操作された際の画面413の詳細な表示制御について説明する。また、ここでいう正解設定とは、テストの設問に対する正解設定を示す。
【0041】
画面600は、採点結果として正解を設定するための画面の一例を示す。正解ボタン601は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。クリック操作等によりポインタ602の位置にある枠に対して正解であることを設定することができる。画面603は、採点結果として正解を設定した後の画面の一例を示す。正解が設定された枠の中心に正解を意味する図形(例えば、採点結果を示す円形状のオブジェクト)604が描画される。
【0042】
画面605は、採点結果として不正解を設定するための画面の一例を示す。不正解ボタン606は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。クリック操作等によりポインタ602の位置にある枠に対して不正解を設定することができる。画面607は、採点結果として不正解を設定した後の画面の一例を示す。不正解が設定された枠の中心に不正解を意味する図形(例えば、採点結果を示すX字形状のオブジェクト)608が描画される。
【0043】
画面609は、採点結果として一部正解を設定するための画面の一例を示す。一部正解ボタン610は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。クリック操作等によりポインタ602の位置にある枠に対して一部正解を設定することができる。画面611は、採点結果として一部正解を設定した後の画面の一例を示す。一部正解が設定された枠の中心に一部正解を意味する図形(例えば、採点結果を示す三角形状のオブジェクト)612が描画される。画面613は、採点結果として一部正解を設定した後の画面の変形例を示す。一部正解の点数を入力することが可能であり、入力された点数は一部正解を意味する図形の中心614に描画される。ここでは、三角形状のオブジェクトの中心に入力された点数「5」が描画されている例を示す。
【0044】
画面615は、コメントを追加するための画面の一例を示す。コメント追加ボタン616は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。クリック操作等によりポインタ602の位置に対してコメントを追加することができる。画面617は、コメント追加位置を設定した後の画面の一例を示す。指定位置618にコメントを入力することが可能であり、入力されたコメントは指定位置618から描画される。ここでは、コメントとして「きれいに!」と描画されている例を示す。なお、コメントの文字列も採点結果(確認結果)を示すオブジェクトの一例である。
【0045】
画面619は、コメントを移動するための画面の一例を示す。コメント移動ボタン620は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。クリック操作等によりポインタ602の位置にあるコメントを移動対象として選択できる。画面622は、コメント移動後の画面の一例を示す。クリック解除によりポインタ623の位置にコメントを移動することができる。移動されたコメント624は移動後の位置に再描画される。
【0046】
画面625は、コメントを削除するための画面の一例を示す。コメント削除ボタン626は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。クリック操作等によりポインタ602の位置にあるコメントを削除対象として選択できる。画面628は、コメント削除後の画面の一例を示す。削除対象のコメントが削除されたため、コメントが存在していた領域629に何も描画されていないことが確認できる。
【0047】
画面630は、正解、不正解、点数入力のない一部正解に対する配点を設定するための画面の一例を示す。点数設定ボタン631は既に選択済であるため、グレーアウトで表示される。正解、不正解、点数入力のない一部正解に対する現在の配点設定が表示され632、各配点の確認及び更新を行うことができる。ここでは正解が「2」点、不正解が「0」点、一部正解が「1」点に設定されていることを示す。完了ボタン633を操作することにより、設定した採点を格納し、正解設定を終了して画面400に戻る。
【0048】
<採点情報のデータ構造>
次に
図7を参照して、本実施形態に係る電子採点による採点情報を保持するためのデータ構造について説明する。700は採点データを保持するためのデータ構造を示す。701はデータ構造を用いて保持している具体的な採点情報を示す。
【0049】
データ構造700には、テスト名(タイトル)や画像のパス、データの生成・更新日時や配点情報といったテスト全体に関わる基本情報や、各生徒の原稿パスや当該原稿に対する生徒情報、枠情報、コメント情報などの採点情報を保持することができる。採点情報701にはデータ構造700の各要素に具体的な情報が設定された様子を示す。採点情報701の例では一人の生徒に関する情報が設定されているが、複数の生徒に関するそれぞれの情報が含まれてよい。このように、電子採点を行う場合は本構造体の情報が操作されることとなる。
【0050】
<解答用紙を印刷する際の処理手順>
(基本フロー)
次に
図8を参照して、本実施形態に係る複合機100で解答用紙を印刷する際の処理手順について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU101がROM102に格納されたプログラムをDRAM103に読み出して実行することにより実現される。
図8(a)は、本実施形態に係る複合機100による解答用紙を印刷する際の基本フローを示す。本フローでは、解答用紙を印刷する際に印刷データ(以下では、解答用紙データ)の解析制御が行われる。ここでは、採点支援アプリの電子採点準備におけるRUI画面203~205を介して要求された処理を複合機100で実施する制御について説明する。
【0051】
S801でCPU101は、通信部107を介してユーザから画面200を介して電子採点準備の指示を受け付け、解答用紙データ解析フラグをONに設定し、処理をS802に進める。S802でCPU101は、通信部107を介して印刷ジョブが投入されたかを監視する。印刷ジョブが投入された場合は処理をS803に進める。印刷ジョブが投入されていない場合は監視のためにS802の処理を繰り返す。
【0052】
S803でCPU101は、通信部107を介して投入された印刷ジョブの解答用紙データの解析処理を実行し、処理をS804に進める。なお、解答用紙データの解析処理の詳細は
図8(b)を用いて後述する。S804でCPU101は、採点データの生成処理を実行し、処理をS805に進める。なお、採点データの生成処理の詳細は
図8(c)を用いて後述する。次に、S805でCPU101は、解答用紙データ解析フラグをOFFに設定して、本フローチャートの処理を終了する。
【0053】
(印刷データの解析処理)
図8(b)は、本実施形態に係る複合機100による解答用紙データ解析処理(S803)の詳細手順を示す。本フローでは、入力された解答用紙データから矩形情報を抽出する解析制御が行われる。
【0054】
S806でCPU101は、解答用紙データから描画要素を取得し、処理をS807に進める。なお、ここで述べている描画要素とは、複合機100にて解答用紙を描画するために解答用紙データ内に記述されている図形や文字描画命令のことを示す。続いて、S807でCPU101は、取得した描画要素が矩形の描画要素であるかどうかを判断する。矩形描画要素である場合は処理をS808に進め、矩形描画要素ではない場合は処理をS809に進める。なお、矩形情報の判断処理については一般的な公知の印刷データの描画処理を用いて行えばよい。例えば、印刷データがAdobe社によって開発されたPostScriptV3で生成されている場合はrectstroke命令により矩形が描画されるため、当該命令の存在を確認することで矩形描画判断が行える。また、ここでは矩形の描画要素を例に説明するが本発明を限定する意図はない。本発明は印刷物上の所定の領域を有する描画要素であればよく、特に矩形に形状を限定するものではない。
【0055】
S808でCPU101は、描画要素内の矩形情報をDRAM103に保存し、処理をS809に進める。S809でCPU101は、取得した描画要素が最後の要素であるかどうかを判断する。最後の要素である場合は本フローチャートの処理を終了する。一方、最後の要素ではない場合は全ての要素を確認するために処理をS806に進める。
【0056】
(採点データの生成処理)
図8(c)は、本実施形態に係る複合機100による採点データ生成処理(S804)の詳細手順を示す。本フローでは、入力された解答用紙の印刷ジョブに対応する採点データを生成する制御が行われる。
【0057】
S810でCPU101は、採点データを生成し、処理をS811に進める。なお、生成した採点データはデータ構造700に示す形式と同じデータ構造となっており、各要素へデータを設定する前の状態となる。S811でCPU101は、生成した採点データのタイトルとして印刷ファイル名をセットし、処理をS812に進める。S812でCPU101は、生成した採点データの生成日時及び更新日時として現在時刻をセットし、処理をS813に進める。S813でCPU101は、採点情報に矩形情報をセットし、採点データをROM102に保存して、本フローチャートの処理を終了する。なお、矩形情報の設定処理の詳細は
図8(d)を用いて後述する。
【0058】
(矩形情報の設定処理)
図8(d)は、本実施形態に係る複合機100による採点情報への矩形情報の設定処理(S813)の詳細手順を示す。本フローでは、保存された矩形情報を採点情報に設定する制御を行う。
【0059】
S814でCPU101は、枠情報を生成し、処理をS815に進める。ここで生成する枠情報には、枠の位置やサイズ、属性情報や採点結果、個別点数や属性詳細情報などの情報が含まれる。つまり、枠とは、印刷物上の所定の領域に対応し、印刷後に記入が行われる領域を示す。例えば、解答欄、小計欄、合計欄等の枠がある。S815でCPU101は、DRAM103から矩形情報を読み出して処理をS816に進める。当該矩形情報は上記S808でDRAM103に保存された情報である。
【0060】
S816でCPU101は、矩形情報から位置を取得し、枠情報にセットして処理をS817に進める。S817でCPU101は、矩形情報からサイズを取得し、枠情報にセットして処理をS818に進める。S818でCPU101は、取得した矩形情報が最後の矩形情報であるかどうかを判断する。最後の矩形情報である場合は本フローチャートの処理を終了する。最後の矩形情報ではない場合は全ての矩形情報を処理するために処理をS814に戻す。
【0061】
<解答用紙を読み取る際の処理手順>
(基本フロー)
次に
図9を参照して、本実施形態に係る複合機100で解答用紙を読み取る際の処理手順について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU101がROM102に格納されたプログラムをDRAM103に読み出して実行することにより実現される。
図9(a)は、本実施形態に係る複合機100による解答用紙を読み取る際の基本フローの処理手順を示す。本フローでは、解答用紙を読み取る際のスキャン処理及び電子採点用前処理の一連の制御が行われる。ここでは、採点支援アプリの電子採点準備におけるLUI画面312、314を表示中に複合機100で実施される制御について説明する。
【0062】
S901でCPU101は、ユーザからスキャン実行指示を受けてスキャナ105を用いてスキャン処理を行い、処理をS902に進める。なお、ここで述べているスキャン処理とは一般的な複合機100で実施されるスキャン処理と同じであり、公知の手法にて実現され、画像はROM102に保存される。また、上記スキャン実行指示とは、画面312の開始ボタン313を操作することにより行われる。S902でCPU101は、電子採点の前処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。なお、電子採点の前処理の詳細は
図9(b)を用いて後述する。
【0063】
(採点前処理)
図9(b)は、本実施形態に係る複合機100による電子採点の前処理(S902)の詳細手順を示す。本フローでは、スキャン画像を用いた電子採点用の前処理が実行される。
【0064】
S903でCPU101は、ROM102から読み出した画像に対してサムネイル画像を生成し、処理をS904に進める。ここで、サムネイル画像の生成とは、一般的な複合機100で実施されるJPEGやPNG画像の生成処理と同様であり、公知の手法にて実現され、画像はROM102に保存される。S904でCPU101は、採点データの追記処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。なお、採点データの追記処理の詳細は
図9(c)を用いて後述する。
【0065】
(採点データの追記処理)
図9(c)は、本実施形態に係る複合機100による採点データ追記処理(S904)の詳細手順を示す。本フローでは、取得したスキャン画像及びサムネイル画像を採点データに紐づける処理が行われる。
【0066】
S905でCPU101は、ROM102から採点データを読み出して、処理をS906に進める。なお、読み出す対象の採点データは画面309において選択されたテストに対応するものである。テストのタイトル又は作成日等のユニークな情報を用いて対象の採点データを特定可能である。別途解答用紙データの解析時にUUIDなどのユニークな識別情報を生成して採点データに付与しておき、それを用いて特定するような構成であってもよい。
【0067】
S906でCPU101は、上記S901のスキャン処理で保存されたスキャン画像のROM102におけるパスを採点データの原稿パスにセットし、処理をS907に進める。S907でCPU101は、上記S903のサムネイル画像の生成処理で保存されたサムネイル画像のROM102におけるパスを採点データのサムネイル画像パスにセットし、処理をS908に進める。S908でCPU101は、現在日時を採点データの更新日時にセットし、処理をS909に進める。
【0068】
S909でCPU101は、ROM102からスキャン画像を読み出して、処理をS910に進める。S910でCPU101は、読み出したスキャン画像が最初のスキャン画像であるかどうかを判断する。最初のスキャン画像である場合は処理をS911に進め、最初のスキャン画像ではない場合は処理をS912に進める。S911でCPU101は、採点データ内の採点情報に含まれる最初の要素を取得し、処理をS913に進める。一方、S912でCPU101は、採点データ内の採点情報に含まれる最初の要素をコピーして新規要素として採点情報に追加し、処理をS913に進める。
【0069】
S913でCPU101は、読み出したスキャン画像のROM102におけるパスを取得した採点情報要素の生徒原稿パスにセットし、処理をS914に進める。S914でCPU101は、読み出したスキャン画像が最後のスキャン画像であるかどうかを判断する。最後のスキャン画像である場合は本フローチャートの処理を終了する。一方、最後のスキャン画像ではない場合は処理をS915に進める。S915でCPU101は、ROM102から次のスキャン画像を読み出して処理をS910に戻す。
【0070】
<描画処理(選択画面)>
次に
図10を参照して、本実施形態に係る複合機100による選択ページの描画処理の処理手順を説明する。本フローでは、ユーザに電子採点対象のデータを表示する。ここでは、画面316を表示する際に実施される処理について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU101がROM102に格納されたプログラムをDRAM103に読み出して実行することにより実現される。
【0071】
S1001でCPU101は、ROM102に採点データが格納されているかどうかを判断する。採点データが格納されている場合は処理をS1002に進める。採点データが格納されていない場合は本フローチャートの処理を終了する。S1002でCPU101は、ROM102から採点データを読み出して処理をS1003に進める。
【0072】
S1003でCPU101は、ボタン領域を作成し処理をS1004に進める。なお、ここで述べているボタン領域を例としてhtmlで具体的に表現するとbuttonタグとなる。本タグを設定することでボタンとして動作する。例えば、画面316の例では、テストA選択ボタン317の領域が生成される。S1004でCPU101は、採点データからタイトル、生成日時、及び更新日時を取得して表示し、処理をS1005に進める。表示処理の一例としてhtmlで具体的に表現すると、buttonタグ内に表示情報として当該情報をセットすることとなる。
【0073】
S1005でCPU101は、採点データ内のサムネイル画像パスに従ってROM102のサムネイル画像データを参照しサムネイル画像が存在するかどうかを判断する。サムネイル画像が存在する場合は処理をS1006に進め、サムネイル画像が存在しない場合は処理をS1007に進める。S1007でCPU101は、解答用紙スキャンを促す文言を表示し処理をS1009に進める。表示処理の一例としてhtmlで具体的に表現すると、buttonタグ内にpタグを設定して文言をセットすることとなる。
【0074】
一方S1006でCPU101は、採点データからサムネイル画像のパスを取得しROM102から画像を読み出して表示し、処理をS1008に進める。表示処理の一例としてhtmlで具体的に表現すると、buttonタグ内にimgタグを設定して画像をセットすることとなる。S1008でCPU101は、採点ページに遷移するための設定を実施し、処理をS1009に進める。遷移処理の一例としてhtmlで具体的に表現すると、buttonタグのonClick属性として対象ページへのリンクを設定することとなる。
【0075】
S1009でCPU101は、読み出した採点データが最後のデータであるかどうかを判断する。最後のデータである場合は本フローチャートの処理を終了する。一方、最後のデータではない場合は処理をS1010に進める。S1010でCPU101は、ROM102から次の採点データを読み出して処理をS1003に戻す。上記の処理手順により、本実施形態によれば、電子採点対象のテスト一覧を表示することができ、かつ採点対象原稿がスキャン済みのテストは採点画面に遷移して採点を行うことができる。
【0076】
<描画処理(Top画面)>
次に
図11を参照して、本実施形態に係るTopページの描画処理の処理手順を説明する。本フローでは、ユーザが解答用紙に対して電子採点を行うためのページを表示する。ここでは、画面400を表示する際に実施する処理について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU101がROM102に格納されたプログラムをDRAM103に読み出して実行することにより実現される。
【0077】
S1101でCPU101は、ROM102から採点対象となるテストの採点データを読み出し、処理をS1102に進める。S1102でCPU101は、採点データから採点情報を取得し、処理をS1103に進める。S1103でCPU101は、採点情報の生徒原稿パス情報に従ってROM102から原稿画像を読み出し、処理をS1104に進める。
【0078】
S1104でCPU101は、採点情報から枠情報を読み出して原稿画像に重畳表示し、処理をS1105に進める。なお、枠情報は複数存在するため全ての枠情報に関して処理を行うものとする。S1105でCPU101は、採点情報からコメント情報を読み出して原稿画像に重畳表示し、処理をS1106に進める。なお、コメント情報は複数存在するため全てのコメント情報に関して処理を行うものとする。
【0079】
S1106でCPU101は、参照している採点情報が最後の要素であるかどうかを判断する。最後の要素である場合は処理をS1107に進め、最後の要素ではない場合は処理をS1108に進める。
【0080】
S1107でCPU101は、電子採点を行うための各種ボタンを描画し、本フローチャートの処理を終了する。各種ボタンとは、例えば画面400におけるボタン401~403に相当する。一方、S1108でCPU101は、採点データの採点情報に格納されている次の要素を取得し、処理をS1103に戻す。
【0081】
<描画処理(枠設定画面)>
(基本フロー)
次に
図12を参照して、本実施形態に係る枠設定画面に関わる制御の処理手順について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU101がROM102に格納されたプログラムをDRAM103に読み出して実行することにより実現される。
図12(a)は、本実施形態に係る枠設定画面の描画する際の基本フローを示す。本フローでは、ユーザが解答用紙に対して電子採点を行うための枠を設定する画面を表示する。ここでは、画面405を表示する際に実施される処理について説明する。
【0082】
S1201でCPU101は、設定されている全ての枠情報を原稿画像に重畳表示し、処理をS1202に進める。なお、ユーザが枠を認識しやすいように強調表示を行って重畳表示することが望ましい。例えば、画面405における枠410~412のように表示が行われるものとする。S1202でCPU101は、メニュー欄を生成して表示し、本フローチャートの処理を終了する。ここでメニュー欄とは、例えば画面405における各種ボタン406~409のことを示す。
【0083】
(ボタン操作時の制御)
図12(b)は、本実施形態に係る枠設定画面において各種ボタン406~409が操作された際の処理手順を示す。本フローでは、ユーザが枠に対して実施する処理を決定することができる。
【0084】
S1203でCPU101は、操作されたボタンが完了ボタン409であるかどうかを判断する。完了ボタン409である場合は処理をS1204に進め、完了ボタン409ではない場合は他のボタン(例えば、ボタン406~408)が操作されたと判断して、処理をS1205に進める。S1204でCPU101は、画面400に画面遷移し、本フローチャートの処理を終了する。S1205でCPU101は、選択されたボタンに対応する処理モードをONに設定し、処理をS1206に進める。S1206でCPU101は、選択されたボタンのみをグレーアウトして、本フローチャートの処理を終了する。
【0085】
(枠の制御)
図12(c)は、本実施形態に係る枠設定画面において枠又は原稿画像が選択された際の処理手順を示す。本フローでは、ユーザが指示する枠処理を決定することができる。
【0086】
S1207でCPU101は、選択された対象が枠かどうかを判断する。枠である場合は処理をS1208に進める。枠ではない場合は処理をS1211に進める。なお、枠が選択されたかどうかの判断は、例えば入力デバイスがポインティングデバイスの場合は、選択した際のポインタ位置を取得し、当該位置に該当する枠を取得する。S1208でCPU101は、現在の処理モードが枠削除モードかどうかを判断する。枠削除モードの場合は処理をS1209に進め、枠削除モードではない場合は処理をS1210に進める。
【0087】
S1209でCPU101は、選択された枠情報を削除し、本フローチャートの処理を終了する。一方S1210でCPU101は、選択された枠情報に対して枠属性設定処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。なお、枠属性設定処理の詳細については後述する。
【0088】
選択された位置が枠ではない場合S1211でCPU101は、現在の処理モードが枠追加モードであるかを判断する。枠追加モードである場合は処理をS1212に進め、枠追加モードではない場合は本フローチャートの処理を終了する。S1212でCPU101は、選択された位置に基づき枠追加処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。なお、枠追加処理の詳細については後述する。
【0089】
(枠属性の設定)
図12(d)は、本実施形態に係る枠設定画面において枠属性設定処理(S1210)の詳細な処理手順を示す。本フローでは、ユーザが選択した枠に対して属性を設定することができる。
【0090】
S1213でCPU101は、選択された枠のみを重畳表示し、処理をS1214に進める。本処理を行うことで現在ユーザが処理対象とする枠を認識しやすくなる。S1214でCPU101は、メニュー欄の表示を更新し、処理をS1215に進める。ここでメニュー欄の表示とは、画面519に示される各種ボタンのことを示す。枠属性は複数あるため、各属性に応じたボタンを表示する必要があり本処理が必要となる。
【0091】
S1215でCPU101は、メニューボタンが操作されたかどうかを判断する。操作された場合は処理をS1216に進める。一方、操作されていない場合は操作待ちのためS1215の処理を繰り返す。ここでメニューボタンとは、画面519に示される各種ボタンのことを示す。S1216でCPU101は、小計ボタン523が操作されたかどうかを判断する。小計ボタン523が操作された場合は処理をS1217に進め、小計ボタン523が操作されていない場合は処理をS1218に進める。
【0092】
S1217でCPU101は、小計属性の設定処理を実行し、処理をS1219に進める。小計属性の設定処理の詳細については後述する。一方S1218でCPU101は、選択枠の属性情報を更新し、処理をS1219に進める。ここで設定する属性情報は操作されたメニューボタンに対応する属性情報を用いる。S1219でCPU101は、メニュー欄の表示更新を行い、本フローチャートの処理を終了する。なお、本処理を行うことでユーザに表示される画面は画面516に示す画面に戻る。
【0093】
(小計属性の設定)
図12(e)は、本実施形態に係る枠設定画面において小計属性設定処理(S1217)の詳細な処理手順を示す。本フローでは、ユーザが選択した小計枠が集計対象とする枠を設定することができる。
【0094】
S1220でCPU101は、メニュー欄の表示を更新し、処理をS1221に進める。ここでメニュー欄の表示とは、画面524に示される選択済ボタン526を表示することを示す。小計対象の複数の枠を選択後に、確定処理を行う必要があるため本処理が必要となる。S1221でCPU101は、選択枠の属性情報を更新し、処理をS1222に進める。ここで設定する属性情報は小計属性を意味する情報を用いる。なお、選択方法は、ポインティングデバイスによりポインタを操作し、ポインタが所定の枠の領域に移動した段階でマウス等により決定操作を行うことにより、当該枠を選択するようにしてもよい。
【0095】
S1222でCPU101は、小計対象の選択済ボタン526が操作されたかどうかを判断する。操作された場合は本フローチャートの処理を終了し、操作されていない場合は処理をS1223に進める。S1223でCPU101は、新規の枠が選択されたかどうかを判断する。新規の枠が選択された場合は処理をS1224に進め、新規の枠が選択されていない場合は処理をS1222に戻す。ここで新規の枠とは、小計対象枠として登録されていない枠のことを示す。S1224でCPU101は、選択された枠を小計対象枠として枠情報に登録し、処理をS1222に戻す。なお、枠情報の登録先として採点情報701に示す属性詳細情報に格納してもよいし、別途新たな格納先を作成してもよい。
【0096】
(枠追加)
図12(f)は、本実施形態に係る枠設定画面において枠追加処理(S1212)の詳細な処理手順を示す。本フローでは、ユーザが新たに枠を追加することができる。枠を追加する際は、例えばポインティングデバイスを介してポインタを操作し、クリック操作等により枠の開始位置(左上)を指定し、当該クリック操作を解除することにより枠の終了位置(左下)を指定することができる。
【0097】
S1225でCPU101は、クリック操作等が解除されたかどうかを判断する。クリック操作等が解除された場合は処理をS1226に進め、クリック操作等が解除されていない場合は解除待ちのため処理をS1225に進める。なお、ユーザが画面をクリックして枠開始位置を設定し、その後クリックを解除することで枠終了位置を設定するものであり、終了位置の設定待ちのために本処理が必要となる。
【0098】
S1226でCPU101は、クリック操作等の解除時のポインタ座標を取得し、処理をS1227に進める。S1227でCPU101は、枠の領域サイズを取得し、処理をS1228に進める。なお、枠の領域サイズとしてはクリック解除時のポインタ座標からクリック操作時のポインタ座標の差分を取得すればよい。
【0099】
S1228でCPU101は、枠情報を追加し、処理をS1229に進める。S1229でCPU101は、追加した枠情報にクリック操作の開始時座標を枠位置としてセットし、処理をS1230に進める。S1230でCPU101は、追加した枠情報に取得した領域サイズを枠サイズとしてセットし、本フローチャートの処理を終了する。
【0100】
<描画処理(採点画面)>
(基本フロー)
次に
図13A及び
図13Bを参照して、本実施形態に係る採点画面に関わる制御の処理手順について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU101がROM102に格納されたプログラムをDRAM103に読み出して実行することにより実現される。
図13A(a)は、本実施形態に係る採点画面の描画処理の基本フローを示す。本フローでは、ユーザが解答用紙に対して電子採点を行う画面を表示する。ここでは画面413を表示する際に実施される処理について説明する。
【0101】
S1301でCPU101は、設定されている全ての枠情報及びコメント情報を原稿画像に重畳表示し、処理をS1302に進める。なお、採点情報は複数存在するため、全ての採点情報に関して処理を実施することとする。S1302でCPU101は、メニュー欄を生成して表示し、本フローチャートの処理を終了する。ここでメニュー欄とは、画面413における各種ボタン414~421を示す。
【0102】
(ボタン操作時の制御)
図13A(b)は、本実施形態に係る採点画面413において各種ボタン414~421が操作された際の処理手順を示す。本フローでは、ユーザが枠及びコメント、原稿に対して実施する処理を決定することができる。
【0103】
S1303でCPU101は、操作されたボタンが完了ボタン421であるかどうかを判断する。完了ボタン421である場合は処理をS1304に進め、完了ボタン421ではない場合は処理をS1305に進める。S1304でCPU101は、画面400に画面遷移し、本フローチャートの処理を終了する。
【0104】
一方S1305でCPU101は、現在の処理モードが点数設定モードであるかどうかを判断する。点数設定モードである場合は処理をS1306に進め、点数設定モードではない場合は処理をS1308に進める。なお、点数設定モードの場合は他のモードと異なる画面を表示しているため、画面表示を採点用表示に戻すために本判定が必要となる。S1306でCPU101は、原稿画像をロードし、処理をS1307に進める。原稿画像は採点情報の要素分存在するため、全ての原稿画像をロードする。
【0105】
S1307でCPU101は、ロードした原稿画像に枠情報を重畳表示し、処理をS1308に進める。ここでは、全ての採点情報の全ての枠情報を対応する原稿画像に重畳表示が行われる。S1308でCPU101は、選択されたボタンに対応する処理モードをONに設定し、処理をS1309に進める。正解ボタン414が操作された場合は正解モード、不正解ボタン415が操作された場合は不正解モード、一部正解ボタン416が操作された場合は一部正解モードが設定される。また、コメント追加ボタン417が操作された場合はコメント追加モード、コメント移動ボタン418が操作された場合はコメント移動モードが設定される。さらに、コメント削除ボタン419が操作された場合はコメント削除モード、点数設定ボタン420が操作された場合は点数設定モードが設定される。
【0106】
S1309でCPU101は、選択されたボタンのみをグレーアウトで表示し、処理をS1310に進める。S1310でCPU101は、点数設定ボタン420が操作されたかどうかを判断する。点数設定ボタン420が操作された場合は処理をS1311に進め、点数設定ボタン420が操作されていない場合は本フローチャートの処理を終了する。S1311でCPU101は、点数設定ページを描画し、本フローチャートの処理を終了する。ここで点数設定ページとは、画面630に示されるようなページであり、現在の配点情報を描画するページである。
【0107】
(配点の制御)
図13A(c)は、本実施形態に係る採点画面413において枠、原稿画像、配点情報が選択された際の処理手順を示す。本フローでは、選択領域に対して実施する処理を決定することができる。
【0108】
S1312でCPU101は、現在の処理モードが採点モードであるかどうかを判断する。ここで採点モードとは、ボタン414、415、416の何れかが選択されたモードであり、選択した枠の領域に対して正解、不正解、又は一部正解の採点を設定するモードである。採点モードである場合は処理をS1313に進め、当該モードでない場合は処理をS1315に進める。S1313でCPU101は、枠が選択されたかどうかを判断する。枠が選択されている場合は処理をS1314に進め、枠が選択されていない場合は本フローチャートの処理を終了する。S1314でCPU101は、採点処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。採点処理の詳細については後述する。
【0109】
S1315でCPU101は、現在の処理モードがコメント制御モードであるかどうかを判断する。ここでコメント制御モードとは、ボタン417、418、419の何れかが選択されたモードであり、コメントの追加、移動、削除を行うモードである。当該モードである場合は処理をS1316に進め、当該モードでない場合は処理をS1317に進める。S1316でCPU101は、コメント処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。コメント処理の詳細については後述する。
【0110】
S1317でCPU101は、現在の処理モードが点数設定モードであるかどうかを判断する。当該モードである場合は処理をS1318に進め、当該モードでない場合は、本フローチャートの処理を終了する。S1318でCPU101は、点数設定処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。点数設定処理の詳細については後述する。
【0111】
(採点処理)
図13B(d)は、本実施形態に係る上記採点処理(S1314)の詳細な処理手順を示す。本フローでは、枠に対して正解、不正解、又は一部正解を設定することができる。
【0112】
S1319でCPU101は、選択された枠の採点結果を更新し、処理をS1320に進める。なお、採点結果は現在の処理モードを参照して設定する。S1320でCPU101は、選択された枠の領域中心に選択された採点に対応する図形を描画し、処理をS1321に進める。描画する図形は現在の処理モードに対応して決定される。
【0113】
S1321でCPU101は、現在の処理モードが一部正解モードであるかどうかを判断する。一部正解モードである場合は処理をS1322に進め、一部正解モードでない場合は本フローチャートの処理を終了する。S1322でCPU101は、ユーザから数字の入力があったかどうかを判断する。数字の入力があった場合は処理をS1323に進め、数字の入力が無い場合は入力待ちのため処理をS1322の処理を繰り返す。
【0114】
S1323でCPU101は、選択された枠情報の個別点数を入力された数字で更新し、処理をS1324に進める。S1324でCPU101は、選択された枠領域の中心に個別点数を描画し、処理をS1325に進める。S1325でCPU101は、選択された枠からフォーカスが外れたかどうかを判断する。フォーカスが外れた場合は本フローチャートの処理を終了する。フォーカスが外れていない場合は再びキー入力待ちのため処理をS1322に進める。フォーカスが外れたかどうかの判定は、javascriptの例で具体的に述べるとtextareaタグ等のonBlurイベントが発行されたかどうかで判断を行ってもよい。
【0115】
(コメント制御)
図13B(e)は、本実施形態に係るコメント処理(S1316)の詳細な処理手順を示す。本フローでは、コメントの追加、削除、移動を行うことができる。
【0116】
S1326でCPU101は、現在の処理モードがコメント削除モードであるかどうかを判断する。コメント削除モードである場合は処理をS1327に進め、コメント削除モードではない場合は処理をS1329に進める。S1327でCPU101は、コメントが選択されたかどうかを判断する。コメントが選択されている場合は処理をS1328に進め、コメントが選択されていない場合は本フローチャートの処理を終了する。コメント選択の有無はポインタ座標を内包するコメント領域が存在するかを確認すればよい。S1328でCPU101は、選択されたコメント情報を削除し、本フローチャートの処理を終了する。
【0117】
一方S1329でCPU101は、現在の処理モードがコメント移動モードであるかどうかを判断する。コメント移動モードである場合は処理をS1330に進め、コメント移動モードではない場合は処理をS1331に進める。S1330でCPU101は、選択されたコメントに対してコメント移動処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。コメント移動処理の詳細については後述する。一方S1331でCPU101は、コメント追加処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。コメント追加処理の詳細については後述する。
【0118】
(コメント移動処理)
図13B(f)は、本実施形態に係るコメント移動処理(S1330)の詳細な処理手順を示す。本フローでは、コメントの移動を行うことができる。
【0119】
S1332でCPU101は、コメントが選択されたかどうかを判断する。コメントが選択されている場合は処理をS1333に進め、コメントが選択されていない場合は、本フローチャートの処理を終了する。S1333でCPU101は、ポインタ座標を取得し処理をS1334に進める。
【0120】
S1334でCPU101は、選択されたコメント情報の位置を更新し、処理をS1335に進める。具体的には、コメント情報の位置情報にポインタ座標をセットすることによりコメント情報の位置を更新する。S1335でCPU101は、クリックが解除されたかどうかを判断する。解除されている場合は、本フローチャートの処理を終了し、解除されていない場合は処理をS1333に戻す。
【0121】
(コメント追加処理)
図13B(g)は、本実施形態に係るコメント追加処理(S1331)の詳細な処理手順を示す。本フローでは、コメントの追加を行うことができる。
【0122】
S1336でCPU101は、採点情報内のコメント情報に新規コメント要素を追加し、処理をS1337に進める。S1337でCPU101は、ポインタ座標を取得し、処理をS1338に進める。S1338でCPU101は、新規追加したコメント要素の位置情報を更新し、処理をS1339に進める。なお、位置情報の更新処理としては、ポインタ座標をセットすることにより行われてもよい。
【0123】
S1339でCPU101は、キーが入力されたかどうかを判断する。キーが入力された場合は処理をS1340に進め、キーが入力されてない場合は処理をS1341に進める。S1340でCPU101は、新規追加したコメント要素のコメント文を更新し、処理をS1341に進める。なお、コメント文の更新処理としては入力されたキーに対応する文字が存在する場合は当該文字を追加することにより行われる。一方で、入力されたキーに対応する文字が存在しない場合は、例えば戻るキーやエンターキーの場合は1文字削除やスペース追加を行い、矢印キー等の場合は何も変更を行わないものとする。
【0124】
S1341でCPU101は、選択されたコメントからフォーカスが外れたかどうかを判断する。フォーカスが外れた場合は、本フローチャートの処理を終了する。フォーカスが外れていない場合は再びキー入力待ちのため処理をS1339に戻す。フォーカスが外れたかどうかの判定は、javascriptで具体的に述べるとbuttonタグ等のonBlurイベントが発行されたかどうかで判断を行ってもよい。
【0125】
(点数設定処理)
図13B(h)は、本実施形態に係る点数設定処理(S1318)の詳細な処理手順を示す。本フローでは、正解、不正解、点数入力が行われなかった一部正解への点数設定を行うことができる。
【0126】
S1342でCPU101は、更新対象となる配点種別が選択されたかどうかを判断する。選択されている場合は処理をS1343に進める。選択されていない場合は、本フローチャートの処理を終了する。なお、選択されたかどうかは点数が表示されているテキストボックスなどの表示箇所にフォーカスが当たっているかどうかを確認すればよい。
【0127】
S1343でCPU101は、キーが入力されたかどうかを判断する。入力された場合は処理をS1344に進め、入力されていない場合はキー入力待ちのため処理をS1343に進める。S1344でCPU101は、採点データの配点情報を更新し、本フローチャートの処理を終了する。なお、数字以外の入力は無効とするなどのガード処理を用意し、数字のみを受け付けるように制御することが望ましい。
【0128】
<描画処理(結果画面)>
(基本フロー)
次に
図14を参照して、本実施形態に係る結果画面に関わる制御の処理手順について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU101がROM102に格納されたプログラムをDRAM103に読み出して実行することにより実現される。
図14(a)は、本実施形態に係る結果画面422の描画処理の基本フローを示す。本フローでは、電子採点を行った結果を出力するためのページを表示する。ここでは、画面422を表示する際に実施される処理について説明する。以下で説明する処理は、例えばCPU101がROM102に格納されたプログラムをDRAM103に読み出して実行することにより実現される。
【0129】
S1401でCPU101は、全ての枠情報及びコメント情報を原稿画像に重畳表示してDRAM103に保存し、処理をS1402に進める。なお、採点情報は複数存在するため、全ての採点情報に関して処理を実施することとする。S1402でCPU101は、メニュー欄を生成して表示し、本フローチャートの処理を終了する。ここでメニュー欄とは、画面422における各種ボタン423~425のことを示す。
【0130】
(ボタン操作時の制御)
図14(b)は、本実施形態に係る結果画面422の各種ボタン423~425が操作された際の処理手順を示す。本フローでは、採点結果の出力を行うことができる。
【0131】
S1403でCPU101は、操作されたボタンが完了ボタン425であるかどうかを判断する。完了ボタン425である場合は処理をS1404に進め、完了ボタン425ではない場合は処理をS1405に進める。S1404でCPU101は、画面400に画面遷移し、本フローチャートの処理を終了する。
【0132】
一方S1405でCPU101は、操作されたボタンがランキングボタン423であるかどうかを判断する。ランキングボタン423である場合は処理をS1406に進め、ランキングボタン423ではない場合は処理をS1407に進める。S1406でCPU101は、ランキング処理を行い、本フローチャートの処理を終了する。ランキング処理の詳細については後述する。一方S1407でCPU101は、生徒別処理を行い、本フローチャートの処理を終了する。生徒別処理の詳細については後述する。
【0133】
(ランキング処理)
図14(c)は、本実施形態に係るランキング処理(S1406)の詳細手順を示す。本フローでは、得点順に並べ替えた生徒情報を出力することができる。
【0134】
S1408でCPU101は、枠情報の採点結果合計値を取得し、処理をS1409に進める。なお、採点結果合計値は全ての枠情報のうち属性情報として解答情報がセットされているものに対して、採点結果に応じた配点情報を取得して加算していくことで求めることができる。ただし、採点結果が一部正解である場合は個別点数を参照し、当該個別点数に情報が入っていない場合は配点情報の点数を加算することとする。
【0135】
S1409でCPU101は、生徒情報を取得し、処理をS1410に進める。S1410でCPU101は、生徒情報と採点合計値をペアとしてDRAM103に保持し、処理をS1411に進める。S1411でCPU101は、参照した採点情報が最後の採点情報要素であるかどうかを判断する。最後の採点情報要素である場合は処理をS1412に進め、最後の採点情報要素では無い場合は処理をS1414に進める。
【0136】
S1412でCPU101は、生徒情報(個人データ)と採点合計値(集計データ)のペア情報を採点合計値でソートし、処理をS1413に進める。S1413でCPU101は、ソートされた生徒情報と採点合計値のペア情報を基に画像を生成し、プリンタ106を介して出力して、本フローチャートの処理を終了する。なお、本実施形態ではプリンタ106による出力としているが、通信部107によってメール送信やFAX送信、ファイルサーバ送信など様々な手法を用いて当該出力を行ってもよい。一方、S1414でCPU101は、次の採点情報要素を取得し、処理をS1408に戻す。
【0137】
(生徒別処理)
図14(d)は、本実施形態に係る生徒別処理(S1407)の詳細手順を示す。本フローでは、既に作成済みの枠と、コメント情報とを重畳表示した生徒別の原稿画像を出力することができる。
【0138】
S1415でCPU101は、枠情報の枠及びコメント情報を重畳表示した原稿画像をDRAM103から読み出し、処理をS1416に進める。ここで読み出す画像はS1401によって生成された画像、即ち、採点結果が反映された画像を示す。S1416でCPU101は、読み出した原稿画像をプリンタ106を介して出力し、処理をS1417に進める。本実施形態ではプリンタ106による出力としているが、本発明を限定する意図はなく、通信部107によってメール送信やFAX送信、ファイルサーバ送信など様々な手法で出力を行ってもよい。
【0139】
S1417でCPU101は、読み出した原稿画像が最後の画像かどうかを判断する。最後の画像である場合は、本フローチャートの処理を終了し、最後の画像ではない場合は処理をS1418に進める。S1418でCPU101は、次の枠情報の枠及びコメント情報を重畳表示した原稿画像をDRAM103から読み出して処理をS1416に戻す。
【0140】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置は、印刷物の印刷データを解析して得られる、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する。また、画像処理装置は、1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの印刷物を読み取って得られる読取画像に、領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する。さらに、画像処理装置は、表示部を介するユーザ入力に従って、1以上の領域ごとに確認結果を設定する。これにより、電子採点準備のための解答用紙印刷データの解析に加えて、当該解析結果を用いた電子採点の実施及び結果の出力を行うことが可能となる。よって、ハードウェア資源が十分でない画像処理装置であっても、所定事項が印刷された印刷物への記入内容を好適に確認する仕組みを提供することができる。
【0141】
<変形例>
本発明は上記実施形態に限らず様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では解答用紙のスキャン対象となるテストを本体操作部104において選択する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限らず、複合機100のIPアドレスにPCやスマートフォンなどの情報端末からアクセスし、採点支援アプリのページを開いたときに表示されるRUI画面から選択するようにしてもよい。他のLUI画面についてもRUI画面として適用してもよい。
【0142】
また、上記実施形態では複合機100のCPU101を用いて印刷データの解析を行って矩形情報を取得しているが、解答用紙の作成を行うソフトウェアと複合機100が連携可能な場合は、解答用紙作成ソフトウェア上で矩形解析処理を実行してもよい。例えば、複合機100とは異なる印刷データに従って印刷物を出力するプリンタや情報機器などで当該印刷データの解析を行ってもよい。この場合、これらの装置が解析結果を複合機100に送信することで、複合機100内での矩形解析処理をスキップするような構成としてもよい。
【0143】
更に、上記実施形態では予め電子採点準備としてPDL解析フラグをONに設定したうえで複合機100に印刷ジョブを投入して解析を行った。しかし、解答用紙の作成を行うソフトウェアと複合機100が連携可能な場合は、印刷ジョブの属性情報として解析フラグを設け、当該用途で印刷を行う場合は解答用紙作成ソフトウェアで当該フラグをONと設定してもよい。この場合、当該フラグがONであるジョブのみを複合機100で解析するようにしてもよい。これにより、PDL解析フラグをONに設定する、というユーザの手間が減るため、より利便性を向上することができる。
【0144】
他に、上記実施形態では解答用紙のスキャン対象となるテストを本体操作部104に表示される採点支援アプリ内の画面から選択していた。しかし、印刷データの解析時に矩形解析処理と合わせて電子採点用スキャン処理を行うためのアイコンをホーム画面上に生成してもよい。その場合は、ユーザが採点支援アプリの画面からテスト対象を選択せずに当該アイコンを操作してすぐに解答用紙のスキャンが行えるため、より利便性を向上することができる。
【0145】
また、上記実施形態において複合機100で実施している印刷データの解析処理や、電子採点処理全般をユーザのPC又はサーバで処理させる構成としてもよい。また、テストの解答用紙の印刷を行うプリンタと、記入済みの解答用紙をスキャンして電子採点を実行するプリンタとが異なるプリンタであってもよい。この場合、印刷を行うプリンタで印刷データを解析し、解析結果をスキャンするプリンタへ提供してもよいし、スキャンするプリンタが印刷を行うプリンタから印刷データを取得して、解析してもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、所定の事項が印刷される印刷物としてテストの解答用紙を例に説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば帳票や申請書などの任意の記入用紙にも適用することができる。この場合、印刷データを解析して記入欄等を解析し、記入済みの用紙を読み取った読取画像に解析結果を示す枠等を重畳して表示し、ユーザによる確認結果、記入内容の妥当性を示すオブジェクトを重畳して表示してもよい
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0147】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【0148】
本明細書の開示は、以下の画像処理装置、その制御方法、及びプログラムを含む。
(項目1)
画像処理装置であって、
印刷物の印刷データを解析して得られる、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得手段と、
前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの印刷物を読み取って得られる読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する表示制御手段と、
前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
(項目2)
前記表示制御手段は、前記設定手段によって設定された確認結果を示すオブジェクトを前記読取画像に重畳して前記表示部に表示することを特徴とする項目1に記載の画像処理装置。
(項目3)
前記設定手段は、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに領域の内容を示す属性を設定することを特徴とする項目1又は2に記載の画像処理装置。
(項目4)
前記設定手段は、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記表示された読取画像に重畳して表示されている前記領域を示すオブジェクトを選択し、選択したオブジェクトに対応する領域を削除することを特徴とする項目1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
(項目5)
前記設定手段は、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記表示された読取画像に新たな領域を示すオブジェクトを設定することを特徴とする項目1乃至4の何れか1項に記載の画像処理装置。
(項目6)
前記印刷データに従って前記印刷物を印刷する印刷手段と、
前記印刷データを解析して、前記領域情報を生成してメモリに記憶する解析手段とをさらに備え、
前記取得手段は、前記メモリに記憶された前記領域情報を取得することを特徴とする項目1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
(項目7)
前記取得手段は、ネットワークを介して接続された外部装置から所定の印刷データに対応する領域情報を取得することを特徴とする項目1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
(項目8)
前記外部装置は前記印刷物を印刷した印刷装置であることを特徴とする項目7に記載の画像処理装置。
(項目9)
前記印刷物はテストの解答用紙であり、
前記領域は、前記テストの設問に対する解答を記入する解答欄、又は記入済みの解答用紙を採点した際の点数を設定する点数欄であることを特徴とする項目1乃至8の何れか1項に記載の画像処理装置。
(項目10)
前記表示制御手段は、記入済み前記印刷物を採点するための採点画面を表示し、
前記設定手段は、
前記採点画面を介するユーザ入力に従って、前記表示された読取画像に重畳して表示されている記入済みの前記解答欄に対して正解、不正解、又は一部正解を示す採点結果を設定することを特徴とする項目9に記載の画像処理装置。
(項目11)
前記設定手段は、さらに、
前記採点画面を介するユーザ入力に従って、前記一部正解の点数を設定することを特徴とする項目10に記載の画像処理装置。
(項目12)
前記表示制御手段は、前記表示された読取画像に重畳して表示されている記入済みの前記解答欄に対して、前記設定手段によって設定された採点結果を示すオブジェクトを重畳して表示することを特徴とする項目11に記載の画像処理装置。
(項目13)
前記設定手段は、
前記採点画面を介するユーザ入力に従って、前記表示された読取画像の選択した位置にコメントを設定することを特徴とする項目12に記載の画像処理装置。
(項目14)
前記表示制御手段は、前記設定手段によって設定された前記コメントを、前記表示された読取画像に重畳して表示することを特徴とする項目13に記載の画像処理装置。
(項目15)
前記採点画面を介して採点結果を反映した読取画像を出力する出力手段をさらに備えることを特徴とする項目14に記載の画像処理装置。
(項目16)
前記出力手段は、複数の採点対象の採点結果に基づいて個人データ及び集計データの少なくとも1つを出力することを特徴とする項目15に記載の画像処理装置。
(項目17)
前記表示部は、情報機器に設けられた表示部であり、
前記表示制御手段は、画面情報を前記情報機器へ送信することにより前記表示部への表示を制御することを特徴とする項目1乃至16の何れか1項に記載の画像処理装置。
(項目18)
画像処理装置であって、
印刷物の印刷データを解析して、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得手段と、
前記印刷データに従って前記印刷物を出力する印刷手段と、
前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの前記印刷物を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取った読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する表示制御手段と、
前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
(項目19)
画像処理装置の制御方法であって、
取得手段が、印刷物の印刷データを解析して得られる、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得工程と、
表示制御手段が、前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの印刷物を読み取って得られる読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する表示制御工程と、
設定手段が、前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定工程と
を含むことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
(項目20)
画像処理装置を、
印刷物の印刷データを解析して得られる、記入が行われる印刷物上の1以上の領域に関する領域情報を取得する取得手段と、
前記1以上の領域に対して記入が行われた記入済みの印刷物を読み取って得られる読取画像に、前記領域情報に対応する領域を示すオブジェクトを重畳して表示部に表示する表示制御手段と、
前記表示部を介するユーザ入力に従って、前記1以上の領域ごとに確認結果を設定する設定手段と
して機能させるプログラム。
【0149】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0150】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0151】
100:複合機、101:CPU、102:ROM、103:DRAM、104:操作部、105:スキャナ、106:プリンタ、107:通信部、108:画像処理部、109:データバス、110:情報機器、111:操作部、112:ブラウザ、113:CPU、114:通信部、115:ROM、116:データバス、117:システム、118:ネットワーク