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特開2024-172479医用検査管理システム、医用画像診断装置、医用検査管理方法、及びプログラム
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  • 特開-医用検査管理システム、医用画像診断装置、医用検査管理方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172479
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】医用検査管理システム、医用画像診断装置、医用検査管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20241205BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G16H40/20
A61B6/03 330Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090224
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 圭佑
【テーマコード(参考)】
4C093
5L099
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093FA60
4C093FB09
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】略同時期の画像診断装置による検査負担を軽減すること。
【解決手段】医用検査管理システムは、取得部と、第1生成部と、を備える。前記取得部は、被検体の第1の診察における医用画像診断装置の検査予約に関する第1予約検査情報と、前記被検体の前記第1の診察とは異なる第2の診察に関する診察情報とを取得する。前記第1生成部は、前記第1予約検査情報と前記診察情報とに基づいて、前記医用画像診断装置の検査予約に関する第2予約検査情報を生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の第1の診察における医用画像診断装置の検査予約に関する第1予約検査情報と、前記被検体の前記第1の診察とは異なる第2の診察に関する診察情報とを取得する取得部と、
前記第1予約検査情報と前記診察情報とに基づいて、前記医用画像診断装置の検査予約に関する第2予約検査情報を生成する第1生成部と、
を備える医用検査管理システム。
【請求項2】
前記第2予約検査情報に基づいて、前記被検体の検査内容に応じた前記医用画像診断装置の設定内容を有する設定情報を生成する第2生成部を更に備える、
請求項1に記載の医用検査管理システム。
【請求項3】
前記診察情報に基づいて、前記医用画像診断装置による前記被検体の検査部位を推定する推定部を更に備え、
前記第2生成部は、前記第2予約検査情報と前記検査部位とに基づいて、前記設定情報を生成する、
請求項2に記載の医用検査管理システム。
【請求項4】
前記第2予約検査情報を前記医用画像診断装置に送信する通信部を更に備える、
請求項1に記載の医用検査管理システム。
【請求項5】
前記設定情報を表示する表示制御部を更に備える、
請求項2に記載の医用検査管理システム。
【請求項6】
前記第1予約検査情報における前記医用画像診断装置の検査と、前記第2の診察における前記医用画像診断装置の検査と、を一括で実行することを要求する操作を受け付ける操作部を更に備え、
前記第1生成部は、前記操作部により前記操作が受け付けられた場合に、前記第2予約検査情報を生成する、
請求項1に記載の医用検査管理システム。
【請求項7】
前記第1生成部は、保険点数に基づいて、前記第2予約検査情報における検査日時を決定する、
請求項1に記載の医用検査管理システム。
【請求項8】
被検体の第1の診察における医用画像診断装置の検査予約に関する第1予約検査情報と、前記被検体の前記第1の診察とは異なる前記被検体の第2の診察に関する診察情報とを取得する取得部と、
前記第1予約検査情報と前記診察情報とに基づいて、前記被検体の検査内容に応じた前記医用画像診断装置の設定内容を有する設定情報を生成する第2生成部と、
を備える医用画像診断装置。
【請求項9】
被検体の第1の診察における医用画像診断装置の検査予約に関する第1予約検査情報と、前記被検体の前記第1の診察とは異なる第2の診察に関する診察情報とを取得し、
前記第1予約検査情報と前記診察情報とに基づいて、前記医用画像診断装置の検査予約に関する第2予約検査情報を生成する、
ことを含む医用検査管理方法。
【請求項10】
コンピュータに
被検体の第1の診察における医用画像診断装置の検査予約に関する第1予約検査情報と、前記被検体の前記第1の診察とは異なる第2の診察に関する診察情報とを取得し、
前記第1予約検査情報と前記診察情報とに基づいて、前記医用画像診断装置の検査予約に関する第2予約検査情報を生成する、
ことを実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用検査管理システム、医用画像診断装置、医用検査管理方法、及びプログラムに関する。
【0002】
従来、X線CT(Computed Tomography)装置などの医用画像診断装置による検査を行う場合、病院は、それぞれの診療科ごとに検査を行っていた。同時期に患者が複数の診療科を受診し、それぞれの診療科で検査を行う場合も、病院は、それぞれの診療科ごとに画像診断装置による検査を行っていた。
【0003】
しかしながら、患者及び病院は、同時期に診療科ごとに画像診断装置による検査を行わなければならず、負担が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-330815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、略同時期の画像診断装置による検査負担を軽減することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る医用検査管理システムは、取得部と、第1生成部と、を備える。前記取得部は、被検体の第1の診察における医用画像診断装置の検査予約に関する第1予約検査情報と、前記被検体の前記第1の診察とは異なる第2の診察に関する診察情報とを取得する。前記第1生成部は、前記第1予約検査情報と前記診察情報とに基づいて、前記医用画像診断装置の検査予約に関する第2予約検査情報を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムの一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置の構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置が実行するスキャンプラン取得処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置が実行するスキャン処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本実施形態に関する医用検査管理システム、医用画像診断装置、医用検査管理方法、及びプログラムについて説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の一例を示す図である。医用情報処理システム1は、医用画像診断装置30による検査を管理する。そして、医用情報処理装置20は、医用検査管理システムの一例である。医用情報処理システム1は、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)10、医用情報処理装置20、及び医用画像診断装置30を備える。病院情報システム10、医用情報処理装置20、及び医用画像診断装置30は、ネットワーク40を介して通信可能に接続される。
【0010】
図1に示す医用情報処理システム1は、病院情報システム10、医用情報処理装置20、及び医用画像診断装置30をそれぞれ一台ずつ備えているが、各システムや装置の台数は任意である。また、医用情報処理システム1は、図1に示されていないシステムや装置を有していてもよい。
【0011】
病院情報システム10は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。例えば、病院情報システム10は、電子カルテ情報や、検査オーダ情報を記憶する。
【0012】
電子カルテ情報は、患者の健康に関する記録である。例えば、電子カルテ情報は、患者を識別するための患者識別情報、患者の診察結果の情報、患者の問診内容の情報、医用画像診断装置30による検査予定、医用画像診断装置30による検査履歴などを有する。なお、電子カルテ情報は、これら全ての情報を有していなくても良いし、これら以外の情報を有していてもよい。
【0013】
検査オーダ情報は、医用画像診断装置30による検査のオーダ内容が示された情報である。検査オーダ情報は、患者を識別するための患者識別情報、検査目的を示す検査目的情報、及び検査日時を示す日時情報を有する。
【0014】
医用情報処理装置20は、パーソナルコンピュータやタブレット端末などのコンピュータ機器によって実現される。また、医用情報処理装置20は、複数台の装置からなるシステムにより形成されてもよい。医用情報処理装置20は、医用画像診断装置30による検査を管理する。
【0015】
医用情報処理装置20は、医用画像診断装置30による検査オーダ情報を受け付ける。また、医用情報処理装置20は、未だ実施されていない検査がある場合に、これからオーダされる検査と、オーダ済みであって未だ実施されていない検査とを一括で実施するように最適化する。すなわち、医用情報処理装置20は、これからオーダされる検査の検査目的と、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査目的と、を満たすスキャンプランである最適化スキャンプランを取得する。そして、医用情報処理装置20は、最適化スキャンプランで医用画像診断装置30にスキャンさせる。
【0016】
医用画像診断装置30は、患者の医用画像を撮像する装置である。例えば、医用画像診断装置30は、X線CT装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT-CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET-CT装置であってもよい。医用画像診断装置30は、最適化スキャンプランに従って、患者をスキャンする。これにより、医用画像診断装置30は、複数の検査目的を満たす医用画像を生成することができる。
【0017】
次に、医用情報処理システム1が備える装置の一例について説明する。なお、以下では医用情報処理システム1が備える医用画像診断装置30をX線CT装置として説明する。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置20の構成の一例を示すブロック図である。医用情報処理装置20は、NW(ネットワーク)インターフェース21と、入力インターフェース22と、ディスプレイ23と、記憶回路24と、処理回路25とを有する。
【0019】
NWインターフェース21は、処理回路25に接続され、ネットワーク40を介して接続された各装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、NWインターフェース21は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0020】
入力インターフェース22は、処理回路25に接続され、操作者(医療従事者)から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路25に出力する。具体的には、入力インターフェース22は、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換して処理回路25に出力する。例えば、入力インターフェース22は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、本明細書において、入力インターフェース22は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース22の例に含まれる。
【0021】
ディスプレイ23は、処理回路25に接続され、処理回路25から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ23は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。
【0022】
記憶回路24は、処理回路25に接続され、各種データを記憶する。また、記憶回路24は、処理回路25が読み出して実行することで各種機能を実現するための種々のプログラムを記憶する。例えば、記憶回路24は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0023】
処理回路25は、医用情報処理装置20全体の動作を制御する。処理回路25は、例えば、検査オーダ受付機能251、患者情報取得機能252、予約表示機能253、予約統一機能254、スキャンプラン取得機能255、及びスキャンプラン表示機能256を有する。実施形態では、構成要素である検査オーダ受付機能251、患者情報取得機能252、予約表示機能253、予約統一機能254、スキャンプラン取得機能255、及びスキャンプラン表示機能256にて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路24へ記憶されている。処理回路25は、プログラムを記憶回路24から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路25は、図2の処理回路25内に示された各機能を有することになる。
【0024】
なお、図2においては単一のプロセッサにて、検査オーダ受付機能251、患者情報取得機能252、予約表示機能253、予約統一機能254、スキャンプラン取得機能255、及びスキャンプラン表示機能256を実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路25を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、図2においては、記憶回路24等の単一の記憶回路が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置して、処理回路25は、個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
【0025】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD),及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路24に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路24にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0026】
検査オーダ受付機能251は、患者に対する医用画像診断装置30による検査予約に関する操作をユーザから受け付ける。すなわち、検査オーダ受付機能251は、医用画像診断装置30による検査に関する検査オーダ情報を入力する操作を受け付ける。例えば、検査オーダ受付機能251は、検査オーダ情報として、例えば医師等のユーザから、患者を識別する患者識別情報や、医用画像診断装置30による検査の検査目的などを入力する操作を受け付ける。例えば、患者識別情報は、患者IDや、患者の名前などである。例えば、検査目的情報は、検査対象となる患者の部位や、疑われている疾患などの医用画像診断装置30による検査の目的が示された情報である。
【0027】
患者情報取得機能252は、患者の第1の診察における医用画像診断装置30の検査予約に関する検査オーダ情報と、第1の診察とは異なる第2の診察に関する電子カルテ情報と、を取得する。患者情報取得機能252は、取得部の一例である。また、電子カルテ情報は、診察情報の一例である。また、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダ情報は、第1予約検査情報の一例である。例えば、患者情報取得機能252は、前回の診察における医用画像診断装置30の検査予約に関する検査オーダ情報と、今回の診察に関する電子カルテ情報と、を取得する。さらに詳しくは、患者情報取得機能252は、検査オーダ受付機能251により受け付けられた検査対象の患者に関する患者情報を取得する。例えば、患者情報取得機能252は、検査オーダ受付機能251により受け付けられた患者識別情報が示す患者の患者情報を収集する。例えば、患者情報とは、電子カルテ情報や検査オーダ情報などである。
【0028】
患者情報取得機能252は、検査オーダ受付機能251により医用画像診断装置30による検査をオーダする入力が受け付けられた場合に、入力された患者識別情報と同一の患者識別情報を有する電子カルテ情報や検査オーダ情報などの患者情報を病院情報システム10から取得する。
【0029】
予約表示機能253は、オーダ済みであって未だ実施されていない医用画像診断装置30による検査を表示する。さらに詳しくは、予約表示機能253は、患者情報取得機能252に取得された患者情報に基づいて、オーダ済みであって未だ実施されていない医用画像診断装置30による検査の予約が有るか否かを判定する。具体的には、予約表示機能253は、電子カルテ情報に示された患者の医用画像診断装置30による検査予定に基づいて予約の有無を判定してもよいし、検査オーダ情報に示された検査日時から予約の有無を判定してもよい。予約表示機能253は、オーダ済みであって未だ実施されていない医用画像診断装置30による検査が有る場合に、該当する検査に関する情報を表示する。例えば、予約表示機能253は、検査日時や検査目的を表示する。
【0030】
予約統一機能254は、電子カルテ情報と検査オーダ情報とに基づいて、検査オーダ受付機能251により受け付けられた検査オーダと、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダとの検査内容を一括で実施することを要求する検査オーダ情報を生成する。予約統一機能254は、第1生成部の一例である。検査オーダ受付機能251により受け付けられた検査オーダと、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダとの検査内容を一括で実施することを要求する検査オーダ情報は、第2予約検査情報の一例である。
【0031】
予約統一機能254は、オーダ済みであって未だ実施されていない医用画像診断装置30による検査が予約表示機能253により表示された場合に、これからオーダされる検査と、オーダ済みであって未だ実施されていない検査とを一括で実施するか否かの入力を受け付ける。すなわち、予約統一機能254は、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダ情報が複数有る場合には、これからオーダされる検査と一括で実施する検査を選択する入力をユーザから受け付ける。
【0032】
予約統一機能254は、これからオーダされる検査と、オーダ済みであって未だ実施されていない検査とを一括で実施する入力を受け付けた場合に、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダ情報を更新する。例えば、予約統一機能254は、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダ情報に、これからオーダされる検査の検査目的を追加する。これにより、予約統一機能254は、これからオーダされる検査と、オーダ済みであって未だ実施されていない検査とを一括で実施する検査オーダ情報を生成する。すなわち、予約統一機能254は、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダ情報の検査日時と、検査オーダ受付機能251により受け付けられた検査オーダに関する検査オーダ情報の検査日時と、を同一にする。
【0033】
一方、予約統一機能254は、これからオーダされる検査を他の検査と一括で実施しない入力を受け付けた場合に、検査オーダ受付機能251により入力された検査オーダ情報を生成する。
【0034】
また、予約統一機能254は、電子カルテ情報に基づいて、患者の健康に関する懸念事項を示す懸念事項情報を含む検査オーダ情報を生成してもよい。例えば、懸念事項とは、過去に患者が罹患した部位や、患者が不調を訴えている部位や、検査履歴や、受診科の履歴等である。具体的には、予約統一機能254は、電子カルテ情報に含まれる過去に患者が罹患した部位、または患者が不調を訴えている部位に基づいて、医用画像診断装置30による検査の追加検査部位を推定する。追加検査部位は、懸念事項から導出された追加で検査する患者の検査部位である。例えば、予約統一機能254は、電子カルテ情報に当該患者が過去に腎臓の疾患を患ったことを含む場合に、腎臓を追加検査部位と推定する。例えば、予約統一機能254は、電子カルテ情報に当該患者が過去に呼吸器の不調を訴えた場合に、呼吸器を追加検査部位と推定する。また、予約統一機能254は、検査履歴、または受診科の履歴から、医用画像診断装置30による検査の追加検査部位を推定する。例えば、予約統一機能254は、当該患者が泌尿器科の受診した受診科の履歴、または泌尿器科で医用画像診断装置30による検査を受けた検査履歴がある場合に、腎臓を追加撮影部位と推定する。予約統一機能254は、推定部の一例である。また、予約統一機能254は、推定した追加検査部位を示す懸念事項情報を生成する。そして、医用画像診断装置30は、懸念事項情報が示す追加検査部位を検査対象の検査部位にする。したがって、予約統一機能254は、患者の健康に関する懸念事項を含む横断的な検査を実行させることができる。
【0035】
また、予約統一機能254は、診療報酬の基準になる保険点数に基づいて、検査オーダ情報における検査日時を決定してもよい。例えば、X線CT装置とMRI装置とを同日に検査する場合、保険点数は、検査を実行する順番で点数が異なることがある。このような場合、予約統一機能254は、保険点数が高くになるように検査を実行する順番を決定する。これにより、予約統一機能254は、病院が受け取れる診療報酬を高めることができる。
【0036】
予約統一機能254は、これからオーダされる検査と、オーダ済みであって未だ実施されていない検査とを一括して実施することを制限してもよい。例えば、予約統一機能254は、造影検査や被ばく線量が高い検査を、他の検査と一括で実行すると患者の負担が大きくなる。このような場合、予約統一機能254は、複数の検査を一括で実施することを制限してもよい。
【0037】
例えば、予約統一機能254は、想定される検査内容、過去の検査履歴、被ばく線量の履歴、往来歴などを含む電子カルテ情報と、一括で実施することを制限する条件が規定された制限条件情報とに基づいて、組み合わせる対象の検査が、他の検査と一括して実行することが許可されている検査であるか否かを判定する。そして、予約統一機能254は、他の検査と一括して実行することが禁止されている場合に、一括して実行することが禁止されていることを表示する。または、予約表示機能253は、他の検査と組み合わせることができないように表示してもよい。
【0038】
スキャンプラン取得機能255は、検査オーダ情報が有する検査目的に応じたスキャンプランを取得する。例えば、スキャンプラン取得機能255は、検査オーダ情報を含むスキャンプラン生成要求を医用画像診断装置30に送信する。スキャンプラン取得機能255は、通信部の一例である。そして、スキャンプラン取得機能255は、スキャンプラン生成要求の応答として、スキャンプランを医用画像診断装置30から受信する。
【0039】
スキャンプランとは、患者をスキャンする医用画像診断装置30の設定内容である。スキャンプランは、撮像プロトコルとも称される。例えば、スキャンプランには、撮像領域、照射X線量、撮像種別などが含まれる。撮像領域は、撮像する患者の領域を示す設定である。照射X線量は、患者に照射するX線量を示す設定である。撮像種別は、スキャノ撮像、非ヘルカリ撮像、ヘルカリ撮像などの撮像の種別である。なお、これら設定は、スキャンプランの一例であって、スキャンプランにこれら以外の設定が含まれていても良いし、スキャンプランにこれら設定が含まれていなくてもよい。
【0040】
また、スキャンプラン取得機能255は、予約統一機能254により懸念事項情報が生成されている場合、検査オーダ情報と、懸念事項情報とを含むスキャンプラン生成要求を医用画像診断装置30に送信してもよい。
【0041】
スキャンプラン表示機能256は、スキャンプラン取得機能255により取得されたスキャンプランをディスプレイ23に表示する。これにより、医師は、スキャンプラン取得機能255により取得されたスキャンプランを確認することができる。
【0042】
図3は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置30の構成の一例を示す図である。図3に示すように、医用画像診断装置30は、架台装置310と、寝台装置330と、コンソール装置340とを有する。そして、患者は、医用画像診断装置30の被検体Pとなる。
【0043】
ここで、図3においては、非チルト状態での回転フレーム313の回転軸又は寝台装置330の天板333の長手方向をZ軸方向とする。Z軸方向は、スキャン軸方向の一例である。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向及びX軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。なお、図3は、説明のために架台装置310を複数方向から描画したものであり、医用画像診断装置30が架台装置310を1つ有する場合を示す。
【0044】
架台装置310は、X線管311と、X線検出器312と、回転フレーム313と、X線高電圧装置314と、制御装置315と、ウェッジ316と、コリメータ317と、DAS(Data Acquisition System)318とを有する。なお、架台装置310は、ガントリとも称される。
【0045】
X線管311は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管311は、X線高電圧装置314からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、被検体Pに対し照射するX線を発生する。例えば、X線管311には、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
【0046】
X線検出器312は、X線管311から照射されて被検体Pを通過したX線を検出し、検出したX線の数やエネルギーに対応した信号をDAS318へと出力する。X線検出器312は、例えば、X線管311の焦点を中心とした1つの円弧に沿ってチャンネル方向(チャネル方向)に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。X線検出器312は、例えば、チャンネル方向に複数の検出素子が配列された検出素子列が列方向(スライス方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
【0047】
例えば、X線検出器312は、X線管311から照射されたX線を検出する複数の検出モジュールと、検出モジュールにより検出されたデータを伝送する伝送ユニットとを備える。検出モジュールは、チャンネル方向に並べて配置される。伝送ユニットは、検出モジュールの配置ごとに設けられたスロットを有する。そして、X線検出器312は、X線管311から照射されたX線を検出する検出モジュールが複数並べて配置され、配置ごとに設けられ検出モジュールが接続されるスロットと、検出モジュールの其々とが配線される。ここで、スロットは、複数の検出モジュールの其々が接続される接続口である。
【0048】
例えば、X線検出器312は、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量をそれに応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、フォトダイオード等の光センサを有する。なお、X線検出器312は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
【0049】
回転フレーム313は、X線管311とX線検出器312とを対向支持し、制御装置315によってX線管311とX線検出器312とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム313は、アルミニウムを材料とした鋳物である。なお、回転フレーム313は、X線管311及びX線検出器312に加えて、X線高電圧装置314やウェッジ316、コリメータ317、DAS318等を更に支持することもできる。更に、回転フレーム313は、図3において図示しない種々の構成を更に支持することもできる。回転フレーム313が支持する種々の構成については後述する。なお、回転フレーム313は、回転ベースや回転体等とも称される。また、架台装置310において、回転フレーム313、及び、回転フレーム313と共に回転移動する部分は、回転部とも称される。
【0050】
X線高電圧装置314は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管311に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管311が発生するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置314は、回転フレーム313に設けられてもよいし、図示しない固定フレームに設けられても構わない。
【0051】
制御装置315は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置315は、後述する入力インターフェース343からの入力信号を受けて、架台装置310及び寝台装置330の動作制御を行う。例えば、制御装置315は、回転フレーム313の回転や架台装置310のチルト、寝台装置330及び天板333の動作等について制御を行う。一例を挙げると、制御装置315は、架台装置310をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム313を回転させる。なお、制御装置315は架台装置310に設けられてもよいし、コンソール装置340に設けられてもよい。
【0052】
ウェッジ316は、X線管311から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ316は、X線管311から被検体Pへ照射されるX線の分布が、予め定められた分布になるように、X線管311から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ316は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工したフィルタである。
【0053】
コリメータ317は、ウェッジ316を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ317は、X線絞りと呼ばれる場合もある。また、図1においては、X線管311とコリメータ317との間にウェッジ316が配置される場合を示すが、X線管311とウェッジ316との間にコリメータ317が配置される場合であってもよい。この場合、ウェッジ316は、X線管311から照射され、コリメータ317により照射範囲が制限されたX線を透過して減衰させる。
【0054】
DAS318は、X線検出器312が有する各検出素子によって検出されるX線の信号を収集する。例えば、DAS318は、各検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行なう増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。
【0055】
DAS318が生成した検出データは、回転フレーム313に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode: LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置310の非回転部分(例えば、固定フレーム等。図3での図示は省略している)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置340へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム313を回転可能に支持する固定フレーム等である。なお、回転フレーム313から架台装置310の非回転部分へのデータの送信方法は、光通信に限らず、非接触型の如何なるデータ伝送方式を採用してもよいし、接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。
【0056】
寝台装置330は、撮影対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台331と、寝台駆動装置332と、天板333と、支持フレーム334とを有する。基台331は、支持フレーム334を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置332は、被検体Pが載置された天板333を、天板333の長軸方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム334の上面に設けられた天板333は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置332は、天板333に加え、支持フレーム334を天板333の長軸方向に移動してもよい。
【0057】
コンソール装置340は、メモリ341と、ディスプレイ342と、入力インターフェース343と、処理回路344とを有する。なお、コンソール装置340は架台装置310とは別体として説明するが、架台装置310にコンソール装置340又はコンソール装置340の各構成要素の一部が含まれてもよい。
【0058】
メモリ341は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ341は、例えば、投影データやCT画像データを記憶する。また、例えば、メモリ341は、医用画像診断装置30に含まれる回路が各種の機能を実現するためのプログラムを記憶する。メモリ341は、医用画像診断装置30とネットワーク40を介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。
【0059】
ディスプレイ342は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ342は、処理回路344によって生成された各種の画像を表示したり、操作者から各種の操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。例えば、ディスプレイ342は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ342は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置340本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、ディスプレイ342は、表示部の一例である。
【0060】
入力インターフェース343は、操作者から各種の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路344に出力する。また、例えば、入力インターフェース343は、スキャン条件や、CT画像データを再構成する際の再構成条件、CT画像データから後処理画像を生成する際の画像処理条件等の入力操作を操作者から受け付ける。
【0061】
例えば、入力インターフェース343は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インターフェース343は、架台装置310に設けられてもよい。また、入力インターフェース343は、コンソール装置340本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インターフェース343は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、コンソール装置340とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路344へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース343の例に含まれる。
【0062】
処理回路344は、医用画像診断装置30全体の動作を制御する。処理回路344は、例えば、スキャンプラン生成機能3441、スキャンプラン設定機能3442、スキャンプラン表示機能3443、及びスキャン機能3444を有する。実施形態では、スキャンプラン生成機能3441、スキャンプラン設定機能3442、スキャンプラン表示機能3443、及びスキャン機能3444にて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ341へ記憶されている。処理回路344は、プログラムをメモリ341から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路344は、図3の処理回路344内に示された各機能を有することになる。
【0063】
なお、図3においては単一のプロセッサにて、スキャンプラン生成機能3441、スキャンプラン設定機能3442、スキャンプラン表示機能3443、及びスキャン機能3444を実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路344を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、図3においては、メモリ341等の単一の記憶回路が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置して、処理回路344は、個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
【0064】
スキャンプラン生成機能3441は、検査オーダ情報に基づいて、患者の検査内容に応じた医用画像診断装置30の設定内容を有するスキャンプランを生成する。スキャンプラン生成機能3441は、第2生成部の一例である。また、スキャンプランは、設定情報の一例である。
【0065】
さらに詳しくは、スキャンプラン生成機能3441は、検査オーダ情報を含むスキャンプラン生成要求を受信する。言い換えると、スキャンプラン生成機能3441は、患者の診察に関する電子カルテ情報と、患者に対する医用画像診断装置30の検査予約に関する検査オーダ情報とに基づいて、医用画像診断装置30の検査予約に関する検査オーダ情報を取得する。スキャンプラン生成機能3441は、スキャンプラン生成要求を受信した場合に、スキャンプラン生成要求に含まれる検査オーダ情報の検査目的を満たすスキャンプランを生成する。例えば、スキャンプラン生成機能3441は、検査目的ごとに各種設定の推奨値が規定された推奨設定情報に基づいて、検査目的に対応した推奨値が指定されたスキャンプランを生成する。これにより、スキャンプラン生成機能3441は、検査目的を満たすスキャンプランを生成する。
【0066】
また、スキャンプラン生成機能3441は、スキャンプラン生成要求に複数の検査目的が含まれている場合に、複数の検査目的のそれぞれを満たすスキャンプランを生成する。例えば、スキャンプラン生成機能3441は、推奨設定情報において推奨値に幅が有る場合、それぞれの検査目的の推奨値を満たす設定を探索することによりスキャンプランを生成する。
【0067】
例えば、スキャンプラン生成機能3441は、検査目的が内科からオーダされた胃と、泌尿器科からオーダされた腎臓との場合、撮像領域に胃と腎臓とを含むスキャンプランを生成する。さらに、このスキャンプランにおいて、スキャンプラン生成機能3441は、胃の照射X線量の推奨値と、腎臓の照射X線量の推奨値とを満たすスキャンプランを生成する。
【0068】
また、スキャンプラン生成機能3441は、検査オーダ情報と、懸念事項情報とを含むスキャンプラン生成要求を受信した場合に、検査オーダ情報と、懸念事項情報とに基づいて、スキャンプランを生成する。すなわち、スキャンプラン生成機能3441は、懸念事項情報が示す追加検査部位を撮像領域に含めるスキャンプランを生成する。例えば、スキャンプラン生成機能3441は、懸念事項が示す検査部位を撮像領域に含めるスキャンプランを生成する。また、スキャンプラン生成機能3441は、懸念事項に応じた設定が示された懸念事項対応情報に基づいて、懸念事項を検査対象としたスキャンプランを生成してもよい。
【0069】
なお、上記したスキャンプランの生成方法は一例であって、スキャンプラン生成機能3441は、他の方法によりスキャンプランを生成してもよい。例えば、スキャンプラン生成機能3441は、複数の検査目的の組み合わせごとにスキャンプランが設定されスキャンプラン一覧情報から、スキャンプラン生成要求に含まれる検査目的に適合するスキャンプランを取得することにより、スキャンプランを生成してもよい。または、スキャンプラン生成機能3441は、複数の検査目的の組み合わせに適したスキャンプランを出力する学習済みモデルによりスキャンプランを生成してもよい。
【0070】
スキャンプラン生成機能3441は、スキャンプランを生成した場合に、スキャンプラン生成要求を送信した医用情報処理装置20に、生成したスキャンプランを送信する。または、スキャンプラン生成機能3441は、生成したスキャンプランと、スキャンプランにより検査する患者の患者識別情報とを関連付けてメモリ341に記憶してもよい。
【0071】
スキャンプラン設定機能3442は、患者をスキャンする場合に、スキャンプランを設定する。スキャンプラン設定機能3442は、設定部の一例である。さらに詳しくは、スキャンプラン設定機能3442は、スキャン対象の患者のスキャンプランを取得する。例えば、スキャンプラン設定機能3442は、医用情報処理装置20からスキャンプランを取得する。そして、スキャンプラン設定機能3442は、取得したスキャンプランを設定する。
【0072】
または、スキャンプラン設定機能3442は、スキャン対象となる患者の患者識別情報に関連付けられたスキャンプランをメモリ341から取得してもよい。そして、スキャンプラン設定機能3442は、取得したスキャンプランを設定する。
【0073】
スキャンプラン表示機能3443は、スキャンプラン設定機能3442により設定されたスキャンプランをディスプレイ342に表示する。スキャンプラン表示機能3443は、表示制御部の一例である。これにより、医用画像診断装置30を操作する医療従事者は、スキャンプラン設定機能3442により設定されたスキャンプランを確認することができる。
【0074】
さらに、スキャンプラン表示機能3443は、スキャンプラン設定機能3442により設定されたスキャンプランを変更する操作を受け付けてもよい。これにより、医療従事者は、必要に応じて、スキャンプラン設定機能3442により設定されたスキャンプランを変更することができる。
【0075】
スキャン機能3444は、スキャンプラン設定機能3442により設定されたスキャンプランに基づいて、患者のスキャンの実行を指示する。更に詳しくは、スキャン機能3444は、スキャンプランに示された内容のスキャンの実行を架台装置310に指示する。これにより、DAS318は、検出データを取得する。
【0076】
次に、医用情報処理システム1が実行する処理について説明する。
【0077】
図4は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置20が実行するスキャンプラン取得処理の一例を示すフローチャートである。
【0078】
検査オーダ受付機能251は、検査オーダを入力する操作を受け付ける(ステップS1)。
【0079】
患者情報取得機能252は、検査オーダの対象となる患者情報を取得する(ステップS2)。患者情報取得機能252は、病院情報システム10から電子カルテ情報や検査オーダ情報を取得する。
【0080】
予約表示機能253は、電子カルテ情報や検査オーダ情報などの患者情報に基づいて、オーダ済みであって未だ実施されていない医用画像診断装置30の検査予約が有るか否かを判定する(ステップS3)。
【0081】
医用画像診断装置30の検査予約が無い場合に(ステップS3;No)、予約統一機能254は、ステップS1において入力された検査オーダの検査オーダ情報を生成する(ステップS4)。
【0082】
スキャンプラン取得機能255は、ステップS4において生成された検査オーダ情報に基づいて、スキャンプランを取得する(ステップS5)。さらに詳しくは、スキャンプラン取得機能255は、検査オーダ情報を含むスキャンプラン生成要求を医用画像診断装置30に送信する。そして、スキャンプラン取得機能255は、スキャンプラン生成要求の応答として、スキャンプランを医用画像診断装置30から受信する。また、スキャンプラン取得機能255は、懸念事項情報を含むスキャンプラン生成要求を医用画像診断装置30に送信してもよい。そして、スキャンプラン取得機能255は、懸念事項情報に応じたスキャンプランを医用画像診断装置30から受信してもよい。
【0083】
ステップS3において、医用画像診断装置30の検査予約が有る場合に(ステップS3;Yes)、予約表示機能253は、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダ情報を表示する(ステップS6)。
【0084】
予約表示機能253は、ステップS1において入力された検査オーダの検査と、オーダ済みであって未だ実施されていない検査とを一括で実施することを要求する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS7)。一括で実施することを要求する操作を受け付けていない場合に(ステップS7;No)、医用情報処理装置20は、ステップS4に移行する。
【0085】
一括で実施することを要求する操作を受け付けた場合に(ステップS7;Yes)、予約統一機能254は、ステップS1において入力された検査オーダに基づいて、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダ情報を更新する(ステップS8)。言い換えると、予約統一機能254は、ステップS1において入力された検査オーダと、オーダ済みであって未だ実施されていない検査の検査オーダとの検査内容を一括で実施することを要求する検査オーダ情報に更新する。
【0086】
スキャンプラン取得機能255は、ステップS8において生成された検査オーダ情報に基づいて、スキャンプランを取得する(ステップS9)。さらに詳しくは、スキャンプラン取得機能255は、検査オーダ情報を含むスキャンプラン生成要求を医用画像診断装置30に送信する。そして、スキャンプラン取得機能255は、スキャンプラン生成要求の応答として、スキャンプランを医用画像診断装置30から受信する。また、スキャンプラン取得機能255は、懸念事項情報を含むスキャンプラン生成要求を医用画像診断装置30に送信してもよい。そして、スキャンプラン取得機能255は、懸念事項情報に応じたスキャンプランを医用画像診断装置30から受信してもよい。
【0087】
スキャンプラン表示機能256は、スキャンプランを表示する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。スキャンプランを表示する操作を受け付けていない場合に(ステップS10;No)、スキャンプラン表示機能256は、スキャンプラン取得処理を終了する。
【0088】
スキャンプランを表示する操作を受け付けた場合に(ステップS10;Yes)、スキャンプラン表示機能256は、スキャンプランが示す医用画像診断装置30の設定内容を表示する(ステップS11)。
【0089】
以上により、医用情報処理装置20は、スキャンプラン取得処理を実行する。
【0090】
図5は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置30が実行するスキャン処理の一例を示すフローチャートである。
【0091】
スキャンプラン設定機能3442は、医用情報処理装置20からスキャンプランを取得する(ステップS21)。
【0092】
スキャンプラン設定機能3442は、医用情報処理装置20から取得したスキャンプランを設定する(ステップS22)。
【0093】
スキャンプラン表示機能3443は、設定されたスキャンプランをディスプレイ342に表示する(ステップS23)。この時、スキャンプラン表示機能3443は、スキャンプランを変更する操作を受け付けてもよい。
【0094】
スキャン機能3444は、設定されたスキャンプランによる患者のスキャンの実行を指示する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS24)。スキャンの実行を指示する操作を受け付けていない場合に(ステップS24;No)、スキャンプラン表示機能3443は、ステップS23においてスキャンプランをディスプレイ342に表示する。
【0095】
スキャンの実行を指示する操作を受け付けた場合に(ステップS24;Yes)、スキャン機能3444は、患者のスキャンを実行する(ステップS25)。
【0096】
以上により、医用情報処理装置20は、スキャン処理を実行する。
【0097】
以上のように、第1の実施形態に係る医用情報処理装置20は、医用画像診断装置30による検査予約に関する操作を受け付ける。また、医用情報処理装置20は、患者の診察に関する電子カルテ情報と、未だ実施されていない患者に対する医用画像診断装置30の検査オーダ情報とを取得する。そして、医用情報処理装置20は、電子カルテ情報と、未だ実施されていない検査オーダ情報とに基づいて、操作により受け付けた検査予約に関する検査オーダ情報を生成する。このように、医用情報処理装置20は、複数の検査を一括で実施する検査オーダ情報を生成する。したがって、医用情報処理装置20は、略同時期の画像診断装置による検査負担を軽減することができる。
【0098】
(変形例1)
第1の実施形態において、病院情報システム10と、医用情報処理装置20とは、異なる装置であると説明した。しかしながら、病院情報システム10と、医用情報処理装置20とは、一体に形成されてもよい。また、医用情報処理装置20の処理回路25が有する機能の全部又は一部は、病院情報システム10が有していてもよいし、医用画像診断装置30が有していてもよいし、図1に示されていない装置が有していてもよい。また、医用画像診断装置30の処理回路344が有する機能の全部又は一部は、病院情報システム10が有していてもよいし、医用情報処理装置20が有していてもよいし、図1に示されていない装置が有していてもよい。
【0099】
以上説明した少なくとも1つの実施形態等によれば、略同時期の画像診断装置による検査負担を軽減することができる。
【0100】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0101】
1 医用情報処理システム
10 病院情報システム(HIS:Hospital Information System)
20 医用情報処理装置
25 処理回路
251 検査オーダ受付機能
252 患者情報取得機能
253 予約表示機能
254 予約統一機能
255 スキャンプラン取得機能
256 スキャンプラン表示機能
30 医用画像診断装置
340 コンソール装置
341 メモリ
342 ディスプレイ
343 入力インターフェース
344 処理回路
3441 スキャンプラン生成機能
3442 スキャンプラン設定機能
3443 スキャンプラン表示機能
3444 スキャン機能
P 被検体
図1
図2
図3
図4
図5