(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172491
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】包装用紙自動開封装置、給紙装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/26 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65H1/26 310M
B65H1/26 310L
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090248
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田丸 剛士
(72)【発明者】
【氏名】大島 亮
(72)【発明者】
【氏名】安藤 裕一
(72)【発明者】
【氏名】柳橋 志遠
(72)【発明者】
【氏名】下川原 壮人
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA02
3F343FA07
3F343FB01
3F343FC17
3F343FC18
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA34
3F343HB06
3F343HC23
3F343KB03
3F343LA04
3F343LA13
3F343LA14
3F343LC02
3F343LC14
3F343LC27
(57)【要約】
【課題】様々なパッキング形態で包装された包装用紙を、用紙を傷付けることなくカットして自動開封することができる包装用紙自動開封装置、給紙装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】包装用紙自動開封装置100は、用紙束9を包装した包装用紙90を自動開封するための装置である。包装用紙自動開封装置100は、包装用紙面92,93を抑えるための高摩擦係数部材61を有した一つ以上の抑え部材6と、抑え部材6に面した包装用紙面92とは包装用紙90の稜線91を挟んで隣り合った位置にある包装用紙面93を抑え部材6の方向に引き寄せる引き寄せ部材7と、包装用紙90の稜線91部分を切断する切断部材8と、を有する。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙束を包装した包装用紙を自動開封する包装用紙自動開封装置であって、
包装用紙面を抑えるための高摩擦係数部材を有した一つ以上の抑え部材と、
前記抑え部材に面した包装用紙面とは前記包装用紙の稜線を挟んで隣り合った位置にある包装用紙面を前記抑え部材の方向に引き寄せる引き寄せ部材と、
前記包装用紙の稜線部分を切断する切断部材と、
を有する、
包装用紙自動開封装置。
【請求項2】
前記包装用紙の少なくとも一部を除去する除去部材を有している、
請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【請求項3】
前記包装用紙の少なくとも隣り合う二つ以上の稜線を切断する、
請求項1または請求項2に記載の包装用紙自動開封装置。
【請求項4】
複数の用紙を束ねて構成された用紙束と、
一つ以上の前記抑え部材、前記引き寄せ部材、もしくは、前記除去部材と、
を相対的に動かすことで、前記包装用紙を前記稜線に向けて引き寄せる、
請求項2に記載の包装用紙自動開封装置。
【請求項5】
前記抑え部材は、前記切断部材をガイドするガイド部を有している、
請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【請求項6】
前記引き寄せ部材は、前記包装用紙をカットするための切断部材を有している、
請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【請求項7】
前記包装用紙の稜線部分を検出する検出手段を有している、
請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【請求項8】
前記検出手段は、カメラから成り、前記カメラによって取得した画像により前記稜線を検出する、
請求項7に記載の包装用紙自動開封装置。
【請求項9】
前記包装用紙の少なくとも一部を除去する除去部材と、一つの前記抑え部材と、が前記包装用紙の同じ側面にあり、
前記除去部材によって前記包装用紙の少なくとも一部を除去する際、前記抑え部材が退避する、
請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の包装用紙自動開封装置を備え、
前記包装用紙の前面の縦稜線を切断し、
前面の前記引き寄せ部材を下方に下げることで、前面の前記包装用紙を下方に下げ、
前記包装用紙の少なくとも一部を除去する前記除去部材と、前記抑え部材とを上方に退避して、給紙ローラにより給紙する、
給紙装置。
【請求項11】
請求項10に記載の給紙装置と、
前記給紙装置から供給された用紙に画像を形成する画像形成部と、
を備える、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用紙自動開封装置、給紙装置及び画像形成装置に関し、特に、複数の用紙が重なった用紙束を包装用紙で梱包した用紙梱包物を開封する包装用紙自動開封装置、給紙装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に使用される用紙は、用紙束状に積層されて用紙束を包装用紙によって包装した包装体の状態になっている。画像形成装置等に用紙を用いる際に、用紙梱包物の包装用紙(包装紙)を開封する装置としては、例えば、特許文献1に記載されている給紙装置及び画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の給紙装置は、二つの第1ブレードと、二つの第2ブレードと、第1移動部と、第2移動部と、回動部と、開封部と、制御部と、を備えて構成されている。
二つの第1ブレードは、用紙束の第1端面及び用紙面に平行な方向において、互いに先端部を対向配置した平板状の部材から成る。
二つの第2ブレードは、二つの第1ブレードに対してそれぞれ交差する方向に移動可能に取り付けられたて、用紙束の面方向に沿う平板状の部材から成る。
【0004】
第1移動部は、二つの第1ブレードの先端部を互いに近づく方向に移動させて、二つの第1ブレードの先端部を用紙梱包物の第1折り畳み部と第2折り畳み部の間に挿入させるための装置である。
第2移動部は、二つの第2ブレードを二つの第1ブレードに対して交差する方向(前後方向)に移動させる装置である。
回動部は、二つの第1ブレードの基端部を中心に第1端面に沿って二つの第1ブレードを回動させる回動装置である。
開封部は、第1折り畳み片を用紙束の用紙方向に沿って第1端面から離れる方向に移動させ、包装用紙から用紙束を露出させて用紙梱包物を開封することで、給紙可能な状態にするための装置である。
制御部は、第1移動部、第2移動部、回動部及び開封部をそれぞれ駆動制御する制御装置である。
【0005】
この他、用紙梱包物を自動的に開封する装置としては、特許文献2に記載されている梱包開封装置、画像形成装置及び梱包用開封方法が知られている。
特許文献2に記載の梱包開封装置は、用紙束を包装用紙で梱包した用紙梱包物が載置される下側構造部と、ワイヤーと、ワイヤーが用紙梱包物内の用紙のうち互いに重なる二つの用紙の間を通過するワイヤーを移動させる移動機構を有する上側構造部と、を備えている。このように構成された梱包開封装置は、複数の用紙を切断することなく用紙梱包物の側面を切断することが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-159998号公報
【特許文献2】特開2019-31390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の給紙装置は、包装用紙の折り畳み片の内側に第1部ブレードを挿入し開封する方法の場合、折り畳み片の上にテープ止めがされたパッケージでは部材の挿入が困難となるという問題点があった。
【0008】
また、特許文献2に記載の梱包開封装置は、包装用紙の稜線にカッターで切込みを入れ、ワイヤーを平行に移動させる方法の場合、ワイヤーで稜線を切り難く、包装紙内部の印刷用紙を傷付ける可能性があるという問題点があった。
【0009】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、様々なパッキング形態で包装された包装用紙を、用紙を傷付けることなくカットして自動開封することができる包装用紙自動開封装置、給紙装置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明は、以下の構成を備える。
(1) 用紙束を包装した包装用紙を自動開封する包装用紙自動開封装置であって、包装用紙面を抑えるための高摩擦係数部材を有した一つ以上の抑え部材と、前記抑え部材に面した包装用紙面とは前記包装用紙の稜線を挟んで隣り合った位置にある包装用紙面を前記抑え部材の方向に引き寄せる引き寄せ部材と、前記包装用紙の稜線部分を切断する切断部材と、を有する、包装用紙自動開封装置。
【0011】
(2) 前記包装用紙の少なくとも一部を除去する除去部材を有している、請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【0012】
(3) 前記包装用紙の少なくとも隣り合う二つ以上の稜線を切断する、請求項1または請求項2に記載の包装用紙自動開封装置。
【0013】
(4) 複数の用紙を束ねて構成された用紙束と、一つ以上の前記抑え部材、前記引き寄せ部材、もしくは、前記除去部材と、を相対的に動かすことで、前記包装用紙を前記稜線に向けて引き寄せる、請求項2に記載の包装用紙自動開封装置。
【0014】
(5) 前記抑え部材は、前記切断部材をガイドするガイド部を有している、請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【0015】
(6) 前記引き寄せ部材は、前記包装用紙をカットするための切断部材を有している、請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【0016】
(7) 前記包装用紙の稜線部分を検出する検出手段を有している、請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【0017】
(8) 前記検出手段は、カメラから成り、前記カメラによって取得した画像により前記稜線を検出する、請求項7に記載の包装用紙自動開封装置。
【0018】
(9) 前記包装用紙の少なくとも一部を除去する除去部材と、一つの前記抑え部材と、が前記包装用紙の同じ側面にあり、前記除去部材によって前記包装用紙の少なくとも一部を除去する際、前記抑え部材が退避する、請求項1に記載の包装用紙自動開封装置。
【0019】
(10) 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の包装用紙自動開封装置を備え、前記包装用紙の前面の縦稜線を切断し、前面の前記引き寄せ部材を下方に下げることで、前面の前記包装用紙を下方に下げ、前記包装用紙の少なくとも一部を除去する前記除去部材と、前記抑え部材とを上方に退避して、給紙ローラにより給紙する、給紙装置。
【0020】
(11) 請求項10に記載の給紙装置と、前記給紙装置から供給された用紙に画像を形成する画像形成部と、を備える、画像形成装置。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、様々なパッキング形態で包装された包装用紙を、用紙を傷付けることなく自動開封することができる包装用紙自動開封装置、給紙装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す構成図である。
【
図2A】画像形成装置における制御系の主要部を示すブロック図である。
【
図2B】画像形成装置の搬送路の要部を示す説明図である。
【
図3A】包装用紙の稜線を切断する前の状態を示す包装用紙自動開封装置の概略側面図である。
【
図3B】包装用紙の稜線を切断しているときの状態を示す包装用紙自動開封装置の概略側面図である。
【
図3C】包装用紙自動開封装置を示す概略斜視図である。
【
図4】除去手段の設置状態を示す包装用紙自動開封装置の概略斜視図である。
【
図5A】切断部材で切断する包装用紙の二つの稜線の位置と、包装用紙を除去する方向と、を示す用紙梱包物の概略図である。
【
図5B】切断部材で切断する包装用紙の三つの稜線の位置と、包装用紙を除去する方向と、を示す用紙梱包物の概略図である。
【
図6A】引き寄せ部材を並進移動させるときの状態を示す包装用紙自動開封装置の概略斜視図である。
【
図6B】引き寄せ部材を並進移動させて形成した包装用紙のたるみを切断しているときの状態を示す包装用紙自動開封装置の概略側面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第1変形例を示す概略側面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第2変形例を示す概略側面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第3変形例を示す概略側面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第4変形例を示す概略側面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第5変形例を示す概略斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第6変形例を示す図であり、カメラで撮影した包装用紙の稜線を示す画像である。
【
図13】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第7変形例を示す概略斜視図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第8変形例を示す概略斜視図である。
【
図15A】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第9変形例を示すフローチャートである。
【
図15B】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第9変形例を示す図であり、切断部材で切断する包装用紙の三つの稜線の位置と、包装用紙を除去する方向と、を示す包装用紙の概略図である。
【
図15C】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第9変形例を示す図であり、引き寄せ部材で用紙梱包物の側面を引き寄せるときの状態を示す包装用紙自動開封装置の概略斜視図である。
【
図15D】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第9変形例を示す図であり、抑え部材を退避させ、除去手段で包装用紙の一部を除去しているときの状態を示す包装用紙自動開封装置の概略斜視図である。
【
図15E】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第9変形例を示す図であり、抑え部材を下降させることで包装用紙を下げているときの状態を示す包装用紙自動開封装置の概略斜視図である。
【
図15F】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第9変形例を示す図であり、除去手段と抑え部材とを退避させて、給紙ローラで用紙を給紙しているときの状態を示す包装用紙自動開封装置の概略斜視図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置の第10変形例を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態について、
図1~
図6Bを参照しながら説明する。
なお、便宜上、添付図面において、「F」は正面方向、「B」は背面方向、「L」は左方向、「R」は右方向、「U」は鉛直上方向、「D」を鉛直下方向として説明する。また、以下の説明において、同一の構成のものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態における画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。
図2Aは、画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
まず、
図1と
図2を用いて、画像形成装置1の構成を説明する。この画像形成装置1は、シートを搬送するシート搬送装置として機能する。
【0025】
画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式を採用する。画像形成装置1は、感光体ドラム23Y上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト26に一次転写する。画像形成装置1は、中間転写ベルト26上で4色のトナー像を重ね合わせた後、シートに二次転写することにより、トナー像を形成する。
【0026】
YMCKの4色に対応する感光体ドラム23Yは、中間転写ベルト26の移動方向に沿って配置されている。画像形成装置1は、中間転写ベルト26に各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
【0027】
図2Aに示すように、画像形成装置1は、主に、画像読取部11、操作表示部12、画像処理部13、画像形成部14、搬送部15、制御部10等を備える。
【0028】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各構成部を制御する。このとき、記憶部16に格納されている各種データが参照される。記憶部16は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
【0029】
制御部10は、通信部17を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えば、パーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部10は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいてシートにトナー像を形成させる。通信部17は、例えば、LANカード等の通信制御カードで構成される。
【0030】
画像形成部14は、中間転写ユニット19と定着装置5を備える。これに限られず、定着装置5のうちの定着ニップと、中間転写ユニット19のうちの二次転写ニップと、をまとめて、画像形成部14としてもよい。中間転写ユニット19は、
図1の中間転写ベルト26上にトナー像を形成し、形成したトナー像をシートに転写する。定着装置5は、トナー像が二次転写されたシートを定着ニップで加熱、加圧することにより、シートにトナー像を定着させる。
【0031】
搬送部15は、
図1で示す搬送ローラ32,33等の全てのローラを含む。制御部10は、搬送部15を駆動することにより、搬送経路でのシートの搬送を制御する。なお、特に図示しないが、シートの搬送経路の所定の位置に、該シートを検出するセンサが設けられている。制御部10は、このセンサからの検出信号に基づいて、シートの位置を特定できる。
制御部10は、画像形成装置1に含まれる各構成部を制御する。制御部10は「制御装置」または「コントローラ」と称してもよい。
【0032】
画像読取部11は、ADF装置及びスキャナ装置を備える。ADF装置は、原稿トレイに載置された1以上の原稿を搬送機構により搬送してスキャナ装置へ送り出す。スキャナ装置は、ADF装置からコンタクトガラス上に搬送された原稿またはコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査する。スキャナ装置は、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部11は、スキャナ装置による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。画像処理部13は、この入力画像データに対して所定の画像処理を実行する。
【0033】
操作表示部12は、例えば、タッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成される。操作表示部12は、表示部121及び操作部122を含む。表示部121は、制御部10の制御に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等を表示する。操作部122は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備える。操作部122は、ユーザによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部10に出力する。
【0034】
画像処理部13は、画像読取部11からの入力画像データに対して、初期設定またはユーザ設定に応じたデジタル画像処理を行う。例えば、画像処理部13は、記憶部16内の階調補正データ(例えば、階調補正テーブルLUT)に基づいて階調補正を行う。画像処理部13は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を実行する。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部14が制御される。
【0035】
図1に戻り説明を続ける。
図1に示す転写ユニット20Y,20M,20C,20Kと、
図2Aの中間転写ユニット19と、定着装置5とは、
図2Aに示す画像形成部14を構成する。画像形成部4は、シートにトナー像を形成して定着させるものである。
【0036】
図2Aに示す転写ユニット20Y,20M,20C,20Kは、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる転写を行う。Y成分用の転写ユニット20Y、M成分用の転写ユニット20M、C成分用の転写ユニット20C、K成分用の転写ユニット20Kは、同様の構成を有する。以下の説明では、Y成分用の転写ユニット20Yの構成要素について説明し、同様に構成されている他の転写ユニット20M,20C,20Kの構成要素の説明を省略する。
【0037】
転写ユニット20Yは、露光装置21Y、現像装置22Y、感光体ドラム23Y、帯電装置24Y、ドラムクリーニング装置25Y等を備える。この転写ユニット20Yは、中間転写ベルト26にY成分のトナー像を形成するものである。
【0038】
感光体ドラム23Yは、例えば、アルミニウム製の導電性円筒体(例えば、アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えば、フタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えば、ポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなる。電荷発生層は、露光装置21Yによる露光により一対の正電荷と負電荷を発生させる。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えば、ポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部10は、感光体ドラム23Yの駆動モータ(図示省略)に駆動電流を供給することにより、この感光体ドラム23Yを一定の周速度で回転させる。
【0039】
帯電装置24Yは、光導電性を有する感光体ドラム23Yの表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置21Yは、例えば、半導体レーザーで構成され、感光体ドラム23Yに対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム23Yの電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム23Yの表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム23Yの表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
【0040】
現像装置22Yは、例えば、「二成分現像方式の現像装置である。現像装置22Yは、感光体ドラム23Yの表面に各色成分のトナーを付着させることによりトナー像を形成する。トナー像は、静電潜像を可視化して形成されるものである。
【0041】
ドラムクリーニング装置25Yは、感光体ドラム23Yの表面に摺接されるクリーニング部材としてのドラムクリーニングブレード等を有する。ドラムクリーニング装置25Yは、一次転写後に感光体ドラム23Yの表面に残存するトナーを、ドラムクリーニングブレードによって除去する。
【0042】
中間転写ベルト26と、一次転写ローラ231Y,231M,231C,231Kと、バックアップローラ27と、複数の支持ローラ29と、駆動ローラ28と、二次転写ローラ34、及びベルトクリーニング装置261は、
図2Aに示す中間転写ユニット19を構成する。
【0043】
中間転写ベルト26は、無端状ベルトで構成される。中間転写ベルト26は、複数の支持ローラ29と、バックアップローラ27と、駆動ローラ28と、一次転写ローラ231Y,231M,231C,231Kとにループ状に張架される。複数の支持ローラ29は、従動ローラで構成される。駆動ローラ28は、例えば、K成分用の一次転写ローラ231Kよりもベルト走行方向下流側に配置されるがことが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラ28が回転することにより、中間転写ベルト26は、図の右回り方向に一定速度で走行する。
【0044】
一次転写ローラ231Yは、感光体ドラム23Yに対向して、中間転写ベルト26の内周面側に配置される。一次転写ローラ231Yと感光体ドラム23Yとは、中間転写ベルト26を挟む。一次転写ローラ231Yが感光体ドラム23Yに圧接されることにより、一次転写ニップが形成される。一次転写ニップは、感光体ドラム23Yから中間転写ベルト26へトナー像を転写する。
一次転写ローラ231M,231C,231Kも同様に、各色成分の感光体ドラム23M,23C,23Kに対向して、中間転写ベルト26の内周面側に配置され、同様に中間転写ベルト26へトナー像を転写する。
【0045】
二次転写ローラ34は、バックアップローラ27に対向して、中間転写ベルト26の外周面側に配置される。バックアップローラ27は、駆動ローラ28のベルト走行方向下流側に配置される。二次転写ローラ34と、バックアップローラ27とは、中間転写ベルト26を挟む。また、二次転写ローラ34がバックアップローラ27に圧接されることにより、二次転写ニップが形成される。二次転写ニップは、中間転写ベルト26からシートへトナー像を転写する。
【0046】
各色の感光体ドラム23Y,23M,23C,23K上のトナー像は、中間転写ベルト26に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラ231Yに一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト26の裏面側(一次転写ローラ231Yと当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、Y成分のトナー像は中間転写ベルト26に静電的に転写される。
【0047】
その後、シートが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト26上のトナー像がシートに二次転写される。典型的には、二次転写ローラ34に二次転写バイアスを印加し、シートの裏面側(二次転写ローラ34と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像はシートに静電的に転写される。トナー像が転写されたシートは、定着装置5に向けて搬送される。
【0048】
ベルトクリーニング装置261は、中間転写ベルト26の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有する。ベルトクリーニング装置261は、二次転写後に中間転写ベルト26の表面に残留する転写残トナーを除去する。
【0049】
定着装置5は、二次転写ニップの下流側に配置され、上側定着器51と、下側定着器52と、不図示の加熱源等を備える。上側定着器51は、シートの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する。下側定着器52は、シートの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する。定着面側部材と裏面側支持部材とは定着ニップを形成する。
【0050】
定着ニップは、シートを狭持して搬送する。定着装置5は、トナー像が二次転写されたシートを定着ニップで加熱、加圧することにより、シートにトナー像を定着させる。また、定着装置5には、エアを吹き付けることにより、定着面側部材からシートを分離させる不図示のエア分離ユニットが配置されている。
【0051】
搬送部15は、給紙部、排紙部及び搬送経路を含んで構成される。給紙部を構成する三つの給紙トレイユニット31a~31cには、坪量、サイズ等に基づいて識別されたシート(例えば、規格長尺シートやA4用紙等)が予め設定された種類ごとに収容される。
【0052】
搬送経路は、複数の搬送ローラと、給紙搬送路41~44及び搬送路45,46と、シートの両面に画像形成するための反転搬送路等と、を有する。複数の搬送ローラは、一対の搬送ローラ32,33と、ローラ38と、排紙ローラ35と、搬送ローラ36,37等を含む。「一対の搬送ローラ」とは、対向している二つの搬送ローラをいう。搬送ローラ32,33とローラ38とは、二次転写ニップよりも上流側に設けられる。
【0053】
給紙トレイユニット31a~31cに収容されているシートは、最上部から一枚ずつ送出され、給紙搬送路41~44などにより、画像形成部14(
図2A参照)に搬送される。ローラ38は、シートの傾きを補正すると共に、シートの搬送タイミングを調整する。給紙搬送路44は、給紙トレイユニット31a~31cから給紙されたシートを搬送路45,46に搬送する経路である。給紙搬送路44は、搬送路45,46の一端に繋がっている。
【0054】
給紙搬送路41~44は、装置本体内の一方の側部の近傍に設けられる。給紙搬送路41~44は、給紙トレイユニット31a~31cから搬送路45へ上下(略垂直)方向に設けられている。給紙搬送路41~44は、装置本体の一方の側部に設けられた開閉扉(図示せず)が開かれることで、給紙搬送路41~44の経路の一部が外方に露出される。これにより、給紙搬送路41~44の経路の一部が外方に露出されている状態となり、ユーザは、ジャム処理等が可能になる。
【0055】
給紙搬送路41~44は、上方の端部が搬送路45と繋がり、下方の端部が給紙トレイユニット31a~31cと繋がる。
【0056】
次に、搬送路45,46について説明する。搬送路45,46は、二次転写ニップにシートを搬送するための経路である。換言すれば、搬送路45,46は、画像形成部14にシートを搬送するための経路である。搬送路45,46は、シートが搬送される主搬送路である。この主搬送路には、搬送方向上流側から、搬送ローラ33とローラ38と、二次転写ニップ及び定着ニップを経由して、シートを搬送する経路である。搬送路46は、シートの表裏を反転させる反転搬送路に接続されている。
【0057】
搬送路45,46は、装置内部で給紙トレイユニット31a~31cの上方に設けられ、装置本体の一方の側部から他方の側部へ延びている。また、搬送路45,46の他端は、装置本体の他方の側部に設けられた排紙部の排出口と繋がる。
【0058】
二次転写ニップは、中間転写ベルト26のトナー像をシートの一方の面(例えば、表面)に一括して転写する。定着ニップは、転写されたトナー像を定着させる。なお、本実施形態では、「画像形成処理」は、二次転写ニップによるシートへの転写処理と、定着ニップによるトナー像の定着処理とを含む。画像が形成されたシートは、排紙ローラ35により機外に排紙される。
【0059】
反転搬送路は、装置本体の内部で給紙トレイユニット31a~31cと搬送路45,46との間に設けられる。反転搬送路は、装置本体の他方の側部から一方の側部へ延びている。反転搬送路は、第1還流搬送路47と、第2還流搬送路49と、収容路48とを含む。第1還流搬送路47は、搬送路46で搬送されるシートの搬送方向において、定着器より下流側で搬送路46から下方へ分岐する。第2還流搬送路49は、二次転写ニップより上流側で搬送路46と合流する。
【0060】
第1還流搬送路47の一端と、第2還流搬送路49の一端とは繋がっている。この繋がっている箇所が、スイッチバックポイント40となる。換言すれば、スイッチバックポイント40は、第1還流搬送路47と、第2還流搬送路49とが合流している箇所である。
収容路48は、スイッチバックポイント40から、搬送ローラ36、搬送ローラ37、搬送ローラ33、ローラ38、二次転写ニップまでの経路をいう。また、収容路48は、スイッチバック前のシートの裏面に画像を形成するために、シートを収容する経路である。収容路48は、スイッチバックを行う前のシートを収容するための経路である。
【0061】
画像形成装置1は、収容路48に収容されているシートの一端がスイッチバック領域(例えば、スイッチバックポイント40)に位置する場合に、シートに対してスイッチバックを実行することが可能である。
【0062】
図2Bは、画像形成装置1の搬送部15の要部を示す図である。
図2Bに示す反転搬送路において、第1還流搬送路47からシートが搬送される矢印aで示す搬送方向を正方向と称し、第2還流搬送路49へシートが搬送される矢印bで示す搬送方向を負方向と称する。なお、本実施形態では、スイッチバックポイント40は、「ポイント」という局所的な概念を有するが、例えば、スイッチバックポイント40は、「ポイント」という局所的な概念よりも広い概念を持つ「スイッチバック領域」と表現してもよい。つまり、スイッチバック領域は、第1還流搬送路47と、第2還流搬送路49とが合流している箇所の領域である。
【0063】
反転搬送路は、スイッチバックポイント40に対して、正方向の搬送方向における下流側に、スイッチバックローラとしての搬送ローラ36及び搬送ローラ37を備える。搬送ローラ36,37は、モータ(図示省略)の駆動力が伝達され、正方向及び負方向の両方向にシートを搬送させることができる。具体的には、搬送ローラ36及び搬送ローラ37は、制御部10の制御の下、同期して回転し、互いに搬送方向及び周速度(シート搬送速度)が同じになるように回転駆動される。
【0064】
図3Aは、包装用紙90の稜線91を切断する前の状態を示す包装用紙自動開封装置100の概略側面図である。
図3Bは、包装用紙90の稜線91を切断しているときの状態を示す包装用紙自動開封装置100の概略側面図である。
図3Cは、包装用紙自動開封装置100を示す概略斜視図である。
図3Dは、
図3CのIII部拡大図である。
【0065】
次に、包装用紙自動開封装置100が包装用紙90を開封する用紙梱包物900について説明する。
図3(A)及び
図3(B)に示すように、用紙梱包物900は、複数の用紙(例えば、コピー用紙)を束ねて構成された用紙束9を包装用紙90の上に置き、その包装用紙90を筒状に変形させて用紙束9を包み込んだものである。
図3(C)に示すように、用紙梱包物900は、筒状の包装用紙90の開放部分を折り込むことにより、左右端部の前後にそれぞれフラップ94,95を形成する。その左右端部の前後のフラップ94,95をそれぞれ重なるように折り畳んで、重なる部分をのり付けすることにより、用紙梱包物900が完成する。
【0066】
次に、包装用紙自動開封装置100を説明する。
図3A及び
図3Bに示すように、包装用紙自動開封装置100は、ミシン目等の破断用部分がなく、一般に流通されている包装用紙90によって包装された用紙梱包物900の包装用紙90を自動開封する装置である。
図3Cに示すように、包装用紙自動開封装置100は、一つ以上の抑え部材6と、引き寄せ部材7と、切断部材8と、切断部材移動機構80と、除去手段30(除去部材)と、除去手段駆動機構(図示省略)と、を備えて構成されている。
【0067】
図4は、除去手段30の設置状態を示す包装用紙自動開封装置100の概略斜視図である。
図3A、
図3B、
図3C及び
図4に示すように、抑え部材6は、包装用紙90の上面を下方向に押圧して用紙梱包物900を動かないように抑えるための部材である。抑え部材6は、樹脂、金属等によって形成された一つ以上の矩形の平板状部材から成る。
図4に示すように、抑え部材6の中央部には、除去手段30の除去ローラ30bを回転自在に挿入するための開口部6aが形成されている。開口部6aは、左右方向に延設された細長い矩形の貫通孔から成る。
図3A及び
図3Bに示すように、抑え部材6の下面の包装用紙90の対向部分には、包装用紙90の稜線91近傍を抑えるための高摩擦係数部材61を有している。
【0068】
引き寄せ部材7は、抑え部材6に面した包装用紙面92とは包装用紙90の稜線91を挟んで隣り合った位置にある包装用紙面93を、抑え部材6の方向(矢印c方向)に引き寄せるための部材である。引き寄せ部材7は、包装用紙面93を抑え部材6の方向に引き寄せることによって、包装用紙90の稜線91がある部分にたるみ90aを形成することができる。引き寄せ部材7は、樹脂、金属等によって形成された矩形の平板状の部材から成る。引き寄せ部材7の包装用紙90の対向部分には、包装用紙90を抑えるための高摩擦係数部材71を有している。また、引き寄せ部材7は、当該引き寄せ部材7を抑え部材6の方向に進退させるための引き寄せ部材移動機構(図示省略)を備えている。
【0069】
引き寄せ部材移動機構(図示省略)は、一例を挙げると、引き寄せ部材7に固定されたラックと、ラックに噛合して回転するピニオンと、ピニオンを回転駆動させるための電動モータと、引き寄せ部材7を用紙梱包物900を押し付けたり、離間させたりする進退機構と、を備えて構成されている。引き寄せ部材移動機構(図示省略)は、引き寄せ部材7を、包装用紙90の稜線91に沿って抑え部材6の方向に移動及び後退させることが可能なものであればよく、その構造等は適宜変更してもよい。
【0070】
高摩擦係数部材61,71は、
図3Bに示すように、抑え部材6及び引き寄せ部材7を用紙梱包物900の包装用紙面92,93に押し付けて移動させた際に、抑え部材6及び引き寄せ部材7が包装用紙面92,93を滑るのを抑制するための部材である。高摩擦係数部材61,71は、摩擦係数の高いゴム製の板部材等から成る。高摩擦係数部材61,71は、抑え部材6及び引き寄せ部材7の包装用紙面92,93に対向する面に固着されている。
【0071】
図5Aは、切断部材8で切断する包装用紙90の二つの稜線91の位置と、包装用紙90を除去する方向と、を示す用紙梱包物900の概略図である。
図5Bは、切断部材8で切断する包装用紙90の三つの稜線91の位置と、包装用紙90を除去する方向と、を示す用紙梱包物900の概略図である。
【0072】
図3Bに示すように、切断部材8は、包装用紙90を開封し易くするために、包装用紙90の稜線91部分を切断する部材である。切断部材8は、
図5A及び
図5Bに示すように、包装用紙90の少なくとも隣り合う二つ以上の稜線91a,91b,91cを切断することが好ましい。切断部材8で包装用紙90を切断する場合は、切断する前に、
図5Bに示すように、用紙束9と、抑え部材6、引き寄せ部材7、もしくは、除去手段30と、を相対的動かすことで、包装用紙90を引き寄せて、稜線91の近傍にたるみ90aを作る。切断部材8は、その用紙して形成したたるみ90aを切断することで、包装用紙90内の用紙を傷付けないようにしている。
【0073】
図3C及び
図3Dに示すように、切断部材8は、包装用紙90を切断する刃部8aと、刃部8aの基端部に連結された円筒部8bと、を一体形成して成る。切断部材8は、円筒部8bが切断部材移動機構80によって支持レール81を進退することで、刃部8aが包装用紙90を切断するように構成されている。
【0074】
刃部8aは、金属製のカッター形状の部材から成る。
円筒部8bは、円柱形状の支持レール81に、軸方向に移動自在に嵌められて、包装用紙90の稜線91に沿って移動可能に配置されている。
支持レール81は、切断部材移動機構80によって移動する円筒部8bの所定方向に移動するようにガイドするための部材である。支持レール81は、切断しようとする包装用紙90の稜線91に沿って平行に配置されて、刃部8aが稜線91を切断できるように配置されている。このため、切断部材8、支持レール81及び切断部材移動機構80は、切断しようとする包装用紙90の稜線91の数に合わせた数から成る。
【0075】
切断部材移動機構80は、切断部材8を包装用紙90の稜線91に沿って移動させるための装置である。切断部材移動機構80は、一例を挙げると、支持レール81に平行に配置されたねじ棒部材と、ねじ棒部材の両端部を支持するねじ棒支持部材と、ねじ棒部材のねじ部に噛合して進退する雌ねじ部材と、雌ねじ部材と円筒部8bとを連結する連結部材と、ねじ棒部材を回転駆動させるための電動モータと、を備えて構成されている。切断部材移動機構80は、切断部材8を、包装用紙90の稜線91に沿って平行に移動及び後退させることが可能なものであればよく、その構造等は適宜変更してもよい。なお、切断部材移動機構80は、例えば、特開2019-31390号公報に開示されているカッターを移動させる機構であってもよい。
【0076】
図4に示す除去手段30は、包装用紙90の少なくとも一部を除去するための除去部材である。除去手段30は、包装用紙90を除去するための除去ローラ30bと、除去ローラ30bの軸心に連結されて一体に回転する回転軸30aと、回転軸30aを回転駆動させるための除去手段駆動機構(図示省略)と、を備えた構成されている。
【0077】
除去ローラ30bは、略円盤状の部材から成る。除去ローラ30bは、当該除去ローラ30bの外周面を包装用紙90の包装用紙面92に押し付けた状態で回転することで、稜線91カット後の包装用紙90を移動させて、用紙束9から除去するためのローラである。
【0078】
除去手段駆動機構(図示省略)は、例えば、除去ローラ30Bbの回転軸に設けられた歯車と、この歯車を回転させる電動モータと、歯車と電動モータとの間に介在されて電動モータの回転を減速させて歯車を回転させる歯車減速機構と、除去ローラ30bを下降させて用紙梱包物900に押し付けたり、上昇させて離間させたりする昇降機構と、を備えて成る。
【0079】
図6Aは、引き寄せ部材7を並進移動させるときの状態を示す包装用紙自動開封装置100の概略斜視図である。
図6Aは、引き寄せ部材7を並進移動させて形成した包装用紙90のたるみ90aを切断しているときの状態を示す包装用紙自動開封装置100の概略側面図である。
【0080】
図6A及び
図6Bに示すように、前記したたるみ90aは、用紙束9と、一つ以上の抑え部材6、引き寄せ部材7、もしくは、除去ローラ30bと、が相対的に動くことで、包装用紙90を引き寄せて、稜線91の近傍に形成される。
【0081】
≪作用≫
本実施形態に係る包装用紙自動開封装置100は、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、
図1~
図6Bを参照しながらその作用効果について説明する。
【0082】
包装用紙自動開封装置100で用紙梱包物900の包装用紙90を開封する場合は、まず、
図3Aに示すように、用紙梱包物900の包装用紙面92の上方に抑え部材6を配置し、用紙梱包物900の包装用紙面93の側方に引き寄せ部材7を配置する。
【0083】
次に、
図3Bに示すように、抑え部材駆動機構(図示省略)を駆動させて、抑え部材6を下降させ、抑え部材6の高摩擦係数部材61によって用紙梱包物900の包装用紙面92を押圧して抑え付ける。
【0084】
続いて、引き寄せ部材駆動機構(図示省略)を駆動させて、引き寄せ部材7の高摩擦係数部材71を用紙梱包物900の包装用紙面93に押し付けると共に、引き寄せ部材7を抑え部材6方向(矢印c方向)に移動させる。すると、包装用紙90は、包装用紙面93が高摩擦係数部材71によって抑え部材6方向(矢印c方向)に引き寄せられることで、上側右端部の稜線91の部分にたるみ90aが形成される。
【0085】
次に、切断部材移動機構80を駆動させて、切断部材8を、用紙梱包物900の上側右端部の稜線91部分のたるみ90aに沿って移動させることによって、稜線91部分のたるみ90aをカットする。このように、包装用紙90の稜線部分のたるみ90aをカットして切り込みを入れることで、用紙梱包物900内の用紙を切断部材8で傷付けることなく、カットすることができる。
【0086】
包装用紙90の稜線91を切断する場合は、
図5A及び
図5Bに示すように、隣り合う二つ以上の稜線91a,91b,91cをカットする。続いて、除去手段駆動機構(図示省略)を駆動させて除去ローラ30bを回転駆動させることによって、包装用紙面92をカットしていない稜線91の方向(矢印d,eの除去方向)に移動させて自動的に除去する。
【0087】
このようにして、用紙梱包物900の包装用紙90を除去して取り除くことで、用紙を給紙装置300によって給紙し易くすることができる。
【0088】
本発明は、
図3A及び
図3Bに示すように、用紙束9を包装した包装用紙90を自動開封する包装用紙自動開封装置100であって、包装用紙面92,93を抑えるための高摩擦係数部材61を有した一つ以上の抑え部材6と、抑え部材6に面した包装用紙面92とは包装用紙90の稜線91を挟んで隣り合った位置にある包装用紙面93を抑え部材6の方向に引き寄せる引き寄せ部材7と、包装用紙90の稜線91部分を切断する切断部材8と、を有する。
かかる構成によれば、包装用紙自動開封装置100は、包装用紙90の稜線91の近傍を抑えるための抑え部材6と、包装用紙面93を引き寄せる引き寄せ部材7と、を備えていることで、包装用紙90を稜線91方向に引き寄せることができる。また、包装用紙自動開封装置100は、包装用紙90の稜線91部分を切断する切断部材8と、を有することで、様々なパッキング形態で包装された包装用紙を、用紙を傷付けることなくカットして自動開封することができる。
【0089】
また、
図4に示すように、包装用紙自動開封装置100は、包装用紙90の少なくとも一部を除去する除去部材(除去手段30)を有している。
かかる構成によれば、包装用紙自動開封装置100は、除去手段30を有することで、切断部材8で切断した箇所を除去手段30で開封して、包装用紙90の一部(例えば、上側の包装用紙面92)を自動的に除去することができる。
【0090】
また、
図5A及び
図5Bに示すように、包装用紙自動開封装置100は、包装用紙90の少なくとも隣り合う二つ以上の稜線91a,91b,91cを切断する。
かかる構成によれば、包装用紙自動開封装置100は、包装用紙90の隣り合う二つ以上の稜線91a,91b,91cを切断することで、カットしてない稜線91の方向(矢印d,e方向)に包装用紙90を除去することができる。このため、包装用紙自動開封装置100は、二つ以上の稜線91a,91b,91cを切断することで、包装用紙90内の用紙を取り易くことができるため、スムーズに給紙することができる。
【0091】
また、
図6A及び
図6Bに示すように、包装用紙自動開封装置100は、複数の用紙を束ねて構成された用紙束9と、一つ以上の抑え部材6、引き寄せ部材7、もしくは、除去部材(除去手段30)と、を相対的に動かすことで、包装用紙90を稜線91に向けて引き寄せる。
かかる構成によれば、包装用紙自動開封装置100は、用紙束9と、抑え部材6、引き寄せ部材7、もしくは、除去手段30と、を相対的に動かすことで、包装用紙面92,93を稜線91側に引き寄せて、稜線91部分にたるみ90aを形成することができる。包装用紙90は、たるみ90aがあることによって、切断部材8で容易にカットすることができる。このため、包装用紙自動開封装置100は、包装用紙90内の用紙を傷付けずに開封させることができる。
【0092】
本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、
図2Aに示すように、給紙装置300と、300から供給された用紙に画像を形成する画像形成部14と、を備える。
かかる構成によれば、包装用紙自動開封装置100は、給紙装置300と、画像形成部14と、を備えていることで、インクジェット式やその他の用紙に、画像形成を行うあらゆるタイプの画像形成装置に給紙装置300を適用させて使用することができる。
【0093】
<第1変形例>
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
図7は、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第1変形例を示す概略側面図である。
【0094】
図7に示す包装用紙自動開封装置100Aのように、たるみ90aは、除去手段30Aの除去ローラ30Abを回転させて包装用紙面92を右方向に引き寄せることによって、上側右端部の稜線91の箇所に形成してもよい。
【0095】
この場合、除去手段30Aの除去ローラ30Abの外周面は、高摩擦係数部材30Acで覆うことによって、除去ローラ30Abの外周面を滑り難くすることが好ましい。
【0096】
このように、除去手段30Aは、包装用紙90の包装用紙面92に押し付けた除去ローラ30Abを除去手段駆動機構(図示省略)によって回転駆動させて、包装用紙面92を稜線91側に引き寄せることで、たるみ90aを成形することができる。このため、用紙を傷付けることなくカットして自動開封することができる。
【0097】
<第2変形例>
図8は、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第2変形例を示す概略側面図である。
【0098】
図8に示す包装用紙自動開封装置100Bのように、たるみ90aを形成するための除去手段30Bの除去ローラ30Bbは、抑え部材6Bに回転自在に軸支させて、抑え部材6Bと共に並進移動するように構成してもよい。
【0099】
この場合、除去手段30Bの除去ローラ30Bbの外周面は、高摩擦係数部材30Bcで覆われて、包装用紙面92に当接させた状態に配置されている。除去ローラ30Bbは、抑え部材6Bに回転自在に配置されて、抑え部材6Bを稜線91側方向(矢印i方向)に移動させることで、包装用紙面92を稜線91側に引き寄せるように除去手段駆動機構(図示省略)によって回転して、上側右端部の稜線91の箇所にたるみ90aを形成するようにしてもよい。
【0100】
このように、除去手段駆動機構(図示省略)は、包装用紙90の包装用紙面92に押し付けた除去ローラ30Bbを、抑え部材6Bを稜線91側方向(矢印i方向)に移動させることで、回転させる。回転する除去ローラ30Bbは、包装用紙面92を稜線91側に引き寄せることで、たるみ90aを成形することができる。そのたるみ90aを切断部材8でカットすることで、用紙を傷付けることなく自動開封することができる。
【0101】
<第3変形例>
図9は、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第3変形例を示す概略側面図である。
図9に示すように、抑え部材6Cは、切断部材8をガイドするガイド部6C1を有していてもよい。
【0102】
この場合、ガイド部6C1は、切断部材8でたるみ90aを切断するときに、切断部材8の先端部がたるみ90aに食い込んで、たるみ90aを切断し易く形成されるように導く案内部分である。ガイド部6C1は、包装用紙90に形成されるたるみ90aに対向する抑え部材6Cの対向面に形成された一つまたは複数のV字状、レ字形状、鋸刃形状等の溝から成る。
【0103】
かかる構成によれば、抑え部材6Cは、ガイド部6C1を有していることで、引き寄せた包装用紙90をカットする際、切断部材8を所望の位置にガイドすることができるので、包装用紙90を所望の状態にカットすることができる。
【0104】
<第4変形例>
図10は、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第4変形例を示す概略側面図である。
また、
図10に示すように、引き寄せ部材7Dは、包装用紙90をカットするための切断部材8Dを有していてもよい。
【0105】
この場合、切断部材8Dは、引き寄せ部材7Dに一体形成されて、引き寄せ部材移動機構(図示省略)によって引き寄せ部材7Dと一体に移動することで、包装用紙90のたるみ90aを切断するように構成されている。
【0106】
かかる構成によれば、引き寄せ部材7Dは、切断部材8Dを有していることで、切断部材8Dが一体化されているため、省スペース化と、部品点数の削減と、を図ることができる。
【0107】
<第5変形例>
図11は、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第5変形例を示す概略斜視図である。
また、
図11に示すように、包装用紙自動開封装置100Eは、包装用紙90の稜線91部分を検出する検出手段S1を有していてもよい。
【0108】
この場合、検出手段S1は、包装用紙90の稜線91部分を検出することが可能なセンサであればよく、センサの構造、種類等は特に限定されない。
【0109】
かかる構成によれば、包装用紙自動開封装置100Eは、包装用紙90の稜線91を検出する検出手段S1を有していることで、稜線91を確実に検出することができる。このため、切断部材8で包装用紙90をカットする際に、稜線91を確実にカットすることができるので、包装用紙90内の用紙を傷付けずに開封させることができる。
【0110】
<第6変形例>
図12は、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第6変形例を示す図であり、カメラで撮影した包装用紙90の稜線91を示す画像である。
また、
図11及び
図12に示すように、検出手段S1は、カメラから成り、カメラによって取得した画像により稜線91を検出するようにしてもよい。
【0111】
かかる構成によれば、包装用紙自動開封装置100Eは、包装用紙90の稜線91を検出するカメラを有していることで、撮影した背景とのコントラストを基に、稜線91を確実に検出することができる。このため、切断部材8で包装用紙90をカットする際に、稜線91を確実にカットすることができるので、包装用紙90内の用紙を傷付けずに開封させることができる。
【0112】
<第7変形例>
図13は、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第7変形例を示す概略斜視図である。
また、
図13に示すように、包装用紙自動開封装置100は、包装用紙90の少なくとも一部を除去する除去部材(除去手段30)と、一つの抑え部材6と、が包装用紙90の同じ側面にあり、除去手段30によって包装用紙90の少なくとも一部を除去する際、抑え部材6が退避するようにしてもよい。
【0113】
この場合、抑え部材6は、除去手段30によって包装用紙90の一部を除去する際に、抑え部材6を抑え部材移動機構(図示省略)によって上方向に上昇させて、包装用紙90の包装用紙面92上から退避させる。抑え部材移動機構(図示省略)は、その一例を挙げると、抑え部材6に固定されたラックと、ラックに噛合して回転するピニオンと、ピニオンを回転駆動させるための電動モータと、抑え部材6を下降させて用紙梱包物900に押し付けたり、上昇させて離間させたりする昇降機構と、を備えて成る。
【0114】
かかる構成によれば、包装用紙自動開封装置100Fは、除去部材(除去手段30)によって包装用紙90の一部を除去する際、抑え部材6を退避させることで、抑え部材6を包装用紙面92上から離間させて抑え部材6と包装用紙面92との摩擦抵抗を無くすことができる。このため、除去手段30によって包装用紙90の一部をスムーズに除去し易くすることができる。
【0115】
<第8変形例>
図14は、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第8変形例を示す概略斜視図である。
本発明の実施形態に係る給紙装置300は、
図14に示すように、包装用紙自動開封装置100を備え、包装用紙90の前面の縦稜線91dを切断し、前面の引き寄せ部材7を下方に下げることで、前面の包装用紙90を下方に下げ、包装用紙90の少なくとも一部を除去する除去部材(除去手段30)と、抑え部材6とを上方に退避して、給紙ローラ39により給紙する。
【0116】
この場合、包装用紙90は、前面の縦稜線91dを切断した後、前面に配置されている引き寄せ部材7を引き寄せ部材移動機(図示省略)によって下方向(矢印o方向)に下げることで、前面の包装用紙90を下方に下げて引っ張り出す。このようにすることで、給紙ローラ39によって包装用紙90内の用紙を給紙する際に、引き寄せ部材7を包装用紙90から離間させることで、用紙を送り易くすることができる。
また、除去手段30の除去ローラ30bと抑え部材6とは、除去手段駆動機構(図示省略)及び抑え部材移動機構(図示省略)によって上方向(矢印n方向)に退避させる。その後、さらに、除去ローラ30bと抑え部材6とを、右方向(矢印p方向)に退避させることで、抑え板6が
図14に二点鎖線で示す位置に移動するため、給紙ローラ39を用紙束9に接触させることが可能となる。このようにすることで、給紙ローラ39によって包装用紙90内の用紙を給紙する際に、除去手段30と抑え部材6とを包装用紙90から離間させることで、用紙を送り易くすることができる。
また、用紙を給紙する際には、給紙ローラ39を回転させて、用紙を左方向に送り出して給紙する。
【0117】
かかる構成によれば、給紙装置300は、包装用紙90の縦稜線91dを切断し、引き寄せ部材7を下方に下げることで、前面の包装用紙90を下方に下げ、除去手段30と抑え部材6とを上方に退避させて、給紙ローラ39により給紙することができる。このため、用紙を給紙する際に、包装用紙90が邪魔にならないようにすることができるので、給紙し易くすることができる。
【0118】
<第9変形例>
図15Aは、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第9変形例を示すフローチャートである。
図15Bは、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第9変形例を示す図であり、切断部材8で切断する包装用紙90の三つの稜線91の位置と、包装用紙90を除去する方向と、を示す包装用紙90の概略図である。
図15Cは、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第9変形例を示す図であり、引き寄せ部材7で用紙梱包物900の側面を引き寄せるときの状態を示す包装用紙自動開封装置100Gの概略斜視図である。
図15Dは、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第9変形例を示す図であり、抑え部材6を退避させ、除去手段30で包装用紙90の一部を除去しているときの状態を示す包装用紙自動開封装置100Gの概略斜視図である。
図15Eは、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第9変形例を示す図であり、抑え部材6を下降させることで包装用紙90を下げているときの状態を示す包装用紙自動開封装置100Gの概略斜視図である。
図15Fは、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第9変形例を示す図であり、除去手段30と抑え部材6とを退避させて、給紙ローラ39で用紙を給紙しているときの状態を示す包装用紙自動開封装置100Gの概略斜視図である。
【0119】
次に、
図15Aを主に
図15B~
図15Fを参照しながら包装用紙90の複数の稜線91を同時にカットする本発明の第9変形例を説明する。
まず、
図15Bに示すように、用紙梱包物900を所定位置にセットする(ステップS1)。続いて、
図15Cに示すように、用紙梱包物900の上面を抑え部材6で抑えて、用紙梱包物900が上方に移動しないように抑え付ける(ステップS2)。
【0120】
次に、
図15B及び
図15Cに示すように、用紙梱包物900の後側側面を引き寄せ部材7で抑える(ステップS3)。同じように、用紙梱包物900の左側側面を引き寄せ部材7で抑える(ステップS6)、さらに、用紙梱包物900の前側側面を引き寄せ部材7で抑える(ステップS9)。このようにして、用紙梱包物900が、前方向、後方向及び左方向に移動しないように、引き寄せ部材7で抑え付ける。
【0121】
続いて、用紙梱包物900の後側側面の引き寄せ部材7を稜線91方向に動かすことによって、後側側面の包装用紙90の稜線91aにたるみ90a(
図3B参照)を形成する(ステップS4)。次に、切断部材8を切断部材移動機構80で移動させて包装用紙90の後側側面の稜線91aを、切断部材8でカットする(ステップS5)。
【0122】
同じようにして、用紙梱包物900の左側側面の引き寄せ部材7を稜線91方向に動かすことによって、左側側面の包装用紙90の稜線91aにたるみ90a(
図3B参照)を形成する(ステップS7)。次に、切断部材8を切断部材移動機構80で移動させて包装用紙90の左側側面の稜線91bをカットする(ステップS8)。
【0123】
また、用紙梱包物900の前側側面の引き寄せ部材7を稜線91方向に動かすことによって、前側側面の包装用紙90の稜線91aにたるみ90a(
図3B参照)を形成する(ステップS10)。次に、切断部材8を切断部材移動機構80で移動させて包装用紙90の前側側面の稜線91cをカットする(ステップS11)。
【0124】
続いて、
図15Cに示すように、用紙梱包物900の後側側面と前側側面の引き寄せ部材7を引き寄せ部材移動機構(図示省略)によって左方向(矢印w方向)に移動させることで、包装用紙90を左側に引き寄せる(ステップS12)。このとき、前後の引き寄せ部材7は、引き寄せ部材移動機構(図示省略)によって、前後の縦稜線91dよりも先まで移動させる。このようにすることで、縦稜線91dの部分にたるみ90aを形成することができる。
【0125】
次に、切断部材移動機構80によって、切断部材8を移動させて、縦稜線91dのたるみ90aをカットする(ステップS13)。続いて、
図15Dに示すように、用紙梱包物900の上面にある抑え部材6を、抑え部材移動機構(図示省略)を駆動させることによって上方向(矢印j方向)に退避させて、包装用紙90の上面を除去する準備する(ステップS14)。次に、除去手段30(除去部材)を除去手段駆動機構(図示省略)によって回転させることで、包装用紙90の一部(包装用紙90の上面)を除去する(ステップS15)。
【0126】
続いて、
図15Eに示すように、左側の引き寄せ部材7を引き寄せ部材移動機構(図示省略)によって下方に下げることで、左側側面の包装用紙90を下げる(ステップS16)。次に、
図15Fに示すように、除去手段駆動機構(図示省略)によって除去手段30(除去部材)を上方(矢印r方向)に退避させ、さらに、包装用紙90の上面の抑え部材6を抑え部材移動機構(図示省略)によって右方向(矢印s方向)に退避させて、給紙の準備をする(ステップS17)。
【0127】
このようにして、除去手段30と、包装用紙90の上面の抑え部材6を退避させることで、給紙ローラ39が包装用紙90内の用紙に接触できるような状態にする。続いて、給紙ローラ39を下降させて用紙と接触させて、給紙ローラ39を回転駆動させることで、用紙を給紙する。
【0128】
このように、包装用紙自動開封装置100は、包装用紙90の複数の稜線91をそれぞれ切断部材8でカットすることで、除去手段30によって包装用紙90の除去し易くすることができる。
【0129】
<第10変形例>
図16は、本発明の実施形態に係る包装用紙自動開封装置100の第10変形例を示す概略斜視図である。
前記実施形態では、用紙梱包物900の側面の稜線91において、包装用紙90の上側端部の箇所にある稜線91をカットする場合を設定したが、切断部材8でカットする箇所はこれに限定されるものではない。
図16に示すように、包装用紙90の下側の稜線91eをカットしてもよい。
【0130】
この場合、包装用紙90は、用紙梱包物900の抑え部材6を下方に下げずに退避させて、上面の包装用紙90と、左側側面の包装用紙90と、を除去手段30の除去ローラ30bでまとめて除去することができる。
【符号の説明】
【0131】
1 画像形成装置
6,6B,6C 抑え部材
6C1 ガイド部
7,7D 引き寄せ部材
8,8D 切断部材
9 用紙束
14 画像形成部
30 除去手段(除去部材)
39 給紙ローラ
61 高摩擦係数部材
90 包装用紙
90a たるみ
91,91a,91b,91c,91e 稜線
91d 縦稜線
92 包装用紙面
93 包装用紙面
100 包装用紙自動開封装置
300 給紙装置
S1 検出手段