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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172505
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】光学系およびそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20241205BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090270
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 貴洋
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA01
2H087MA04
2H087PA04
2H087PA05
2H087PA17
2H087PA18
2H087PA19
2H087PB05
2H087PB06
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA14
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA44
(57)【要約】
【課題】 小型でありながら画面中心から周辺まで良好な光学性能を有する光学系を提供すること。
【解決手段】 6つ以下のレンズからなる光学系L0であって、複数の正レンズと、最も像側に配置された負の屈折力の最終レンズGRnを有し、光学系L0における最も物体側のレンズ面から最終レンズ面までの距離にバックフォーカスを加えた光学全長をTL、半画角をω[°]、全系の焦点距離をf、前記複数の正レンズのうち屈折率が最も大きいレンズ及び屈折率が2番目に大きいレンズの屈折率の平均値をnp12aveとするとき、
0.50<TL/(f×tanω)<1.90
1.80<np12ave<2.20
なる条件を満足する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6つ以下のレンズからなる光学系であって、
複数の正レンズと、最も像側に配置された負の屈折力の最終レンズを有し、
前記光学系における最も物体側のレンズ面から最終レンズ面までの距離にバックフォーカスを加えた光学全長をTL、半画角をω[°]、全系の焦点距離をf、前記複数の正レンズのうち屈折率が最も大きいレンズ及び屈折率が2番目に大きいレンズの屈折率の平均値をnp12aveとするとき、
0.50<TL/(f×tanω)<1.90
1.80<np12ave<2.20
なる条件を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記光学系を構成するレンズによって形成される空気レンズの中で最も負の屈折力の強い空気レンズの焦点距離をfnairとするとき、
-1.00<fnair/f<-0.05
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記光学系の最も物体側から順に、第1正レンズを含む正レンズ要素、第1負レンズが配置されており、
前記正レンズ要素は単レンズまたは接合レンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項4】
前記正レンズ要素の焦点距離をfGp、前記第1負レンズの焦点距離をfGnとするとき、
-10.00<fGp/fGn<-1.45
なる条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項5】
前記光学系を構成するレンズによって形成される空気レンズの中で最も負の屈折力の強い空気レンズの焦点距離をfnair、前記正レンズ要素の焦点距離をfGpとするとき、
-1.50<fnair/fGp<-0.01
なる条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項6】
前記正レンズ要素の最も物体側のレンズ面の曲率半径をGpR1、前記正レンズ要素の最も像側のレンズ面の曲率半径をGpR2とするとき、
-2.00<(GpR2+GpR1)/(GpR2-GpR1)<20.00
なる条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項7】
前記第1負レンズの像側に第2正レンズが配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項8】
前記第2正レンズの像側に第3正レンズが配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光学系。
【請求項9】
前記正レンズ要素の焦点距離をfGpとするとき、
0.05<f/fGp<2.00
なる条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項10】
前記第1負レンズの焦点距離をfGnとするとき、
-1.00<fGn/f<-0.15
なる条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項11】
前記第1負レンズの物体側のレンズ面は凹面であることを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項12】
前記第1負レンズの像側に少なくとも1つの正レンズが配置され、
前記正レンズの像側のレンズ面は凸面であることを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項13】
前記最終レンズの焦点距離をfGRnとするとき、
-3.50<fGRn/f<-0.20
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項14】
前記複数の正レンズのうち屈折率が最も大きいレンズの屈折率をnp1とするとき、
1.81<np1<2.20
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項15】
少なくとも3つの正レンズを有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項16】
前記最終レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をGRnR1、前記最終レンズの像側のレンズ面の曲率半径をGRnR2とするとき、
1.00<(GRnR2+GRnR1)/(GRnR2-GRnR1)<8.00
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項17】
開放での開口絞り径をD、前記開口絞りから像面までの光軸上での距離をTとするとき、
2.50<T/D<12.00
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項18】
前記光学系を構成するレンズによって形成される空気レンズの中で最も負の屈折力の強い空気レンズの焦点距離をfnairとするとき、
-1.00<fnair/f<-0.05
なる条件を満足することを特徴とする請求項3乃至17のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項19】
前記光学系の最も物体側から順に、第1正レンズを含む正レンズ要素、第1負レンズが配置されており、
前記正レンズ要素は単レンズまたは接合レンズであることを特徴とする請求項4乃至17のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項20】
前記光学系を構成するレンズによって形成される空気レンズの中で最も負の屈折力の強い空気レンズの焦点距離をfnairとするとき、
-1.00<fnair/f<-0.05
なる条件を満足することを特徴とする請求項19に記載の光学系。
【請求項21】
請求項1乃至17のいずれか一項に記載の光学系と、
前記光学系により形成される光学像を光電変換する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系に関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子を用いたデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に用いられる光学系において、小型でありながら画面中心から周辺までの良好な光学性能を有するレンズが要求されている。
【0003】
特許文献1には、光学系を小型化するため、複数の屈折力の強い正レンズを配置した光学系が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-125312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の光学系をさらに小型化するために各正レンズの屈折力をより強くする場合、像面湾曲を良好に補正することが困難となる。結果として、画面周辺において十分な光学性能が得られないおそれがある。
【0006】
そこで、小型でありながら画面中心から周辺まで良好な光学性能を有する光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光学系は、6つ以下のレンズからなる光学系であって、複数の正レンズと、最も像側に配置された負の屈折力の最終レンズを有し、前記光学系における最も物体側のレンズ面から最終レンズ面までの距離にバックフォーカスを加えた光学全長をTL、半画角をω[°]、全系の焦点距離をf、前記複数の正レンズのうち屈折率が最も大きいレンズ及び屈折率が2番目に大きいレンズの屈折率の平均値をnp12aveとするとき、
0.50<TL/(f×tanω)<1.90
1.80<np12ave<2.20
なる条件を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小型でありながら画面中心から周辺まで良好な光学性能を有する光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の光学系の無限遠合焦時の断面図である。
図2】実施例1の光学系の縦収差図である。
図3】実施例2の光学系の無限遠合焦時の断面図である。
図4】実施例2の光学系の縦収差図である。
図5】実施例3の光学系の無限遠合焦時の断面図である。
図6】実施例3の光学系の縦収差図である。
図7】実施例4の光学系の無限遠合焦時の断面図である。
図8】実施例4の光学系の縦収差図である。
図9】実施例5の光学系の無限遠合焦時の断面図である。
図10】実施例5の光学系の縦収差図である。
図11】実施例6の光学系の無限遠合焦時の断面図である。
図12】実施例6の光学系の縦収差図である。
図13】実施例7の光学系の無限遠合焦時の断面図である。
図14】実施例7の光学系の縦収差図である。
図15】撮像装置の概略図である。
図16】レンズ装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面は、便宜的に実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。また、各図面において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1、3、5、7、9、11、及び13はそれぞれ、実施例1乃至7の光学系L0の無限遠合焦時における断面図である。各図において、左側が物体側(前側)であり、右側が像側(後側)である。各実施例の光学系L0は、複数のレンズを有して構成されている。
【0012】
各図において、Giは、光学系L0に含まれるレンズのうち物体側から数えてi番目(iは自然数)のレンズである。また、Gpは正の屈折力の正レンズ要素であり、GRnは最も像側に配置された負の屈折力の最終レンズGRnである。また、レンズ要素とは1枚の単レンズまたは複数枚のレンズからなる接合レンズである。本実施例の接合レンズは2つ以上のレンズの間に接着剤等を塗布することで接着されている。
【0013】
また、各図において、SPは開口絞りを表し、IPは像面を表す。各実施例の光学系L0をデジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ用の撮像光学系として用いる際には像面IPに固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。固体撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等を用いることができる。各実施例の光学系L0を銀塩フィルム用カメラ用の撮像光学系として用いる際には像面IPにはフィルムの感光面が配置される。
【0014】
各図における矢印は、無限遠から近距離(至近端)へのフォーカシングに際しての各レンズの移動の軌跡を示している。各実施例においては、フォーカシングに際して光学系L0全体が像側から物体側に移動する。また、光学系L0の一部のレンズのみを像側から物体側、または物体側から像側へ移動させることでフォーカシングを行ってもよい。
【0015】
図2、4、6、8、10、12、及び14は、それぞれ実施例1乃至7の光学系の無限遠合焦時の収差図である。
【0016】
各図においてFnoはFナンバーであり、ωは近軸計算により求められる撮像半画角(°)を示す。球面収差図において、実線はd線(波長587.6nm)における球面収差、二点鎖線はg線(波長435.8nm)における球面収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面でのd線における非点収差、破線はメリディオナル像面でのd線における非点収差を示す。歪曲図はd線における歪曲を示す。色収差図はg線における倍率色収差を示す。
【0017】
次に、各実施例の光学系における特徴的な構成について述べる。
【0018】
各実施例の光学系は、6つ以下のレンズからなり、複数の正レンズを有している。光学系L0を小型化しようとすると、正レンズの屈折力が強くなりやすい。このとき、強い正の屈折力を複数の正レンズで分担することで、正レンズ1つ当たりの屈折力を弱くすることができる。結果として、像面湾曲や球面収差、軸上色収差などの諸収差を良好に補正することができる。また、光学系L0は最も像側に負の屈折力の最終レンズGRnを有している。光学系L0の最も像面に近い位置では、光束が十分に収束し、かつ軸上光束と軸外光束がレンズ面状で光軸直交方向に分離した位置を通過する。負の屈折力の最終レンズGRnを配置することで、光学系L0全系での正のペッツバール和を小さくできる。結果として、像面湾曲などの諸収差を良好に補正することができる。また光学系L0に配置されるレンズは6枚以下である。6つ以下のレンズで光学系L0を構成することで、光学系L0を小型化することができる。なお、光学系L0が接合レンズを有する場合、接合レンズを形成する複数の単レンズの枚数を個々に数えて6つ以下レンズで光学系L0を構成する。
【0019】
次に、各実施例の光学系L0が、満足する条件について述べる。各実施例の光学系L0は、以下の条件式(1)乃及び(2)を満足する。
【0020】
光学系における最も物体側のレンズ面から最終レンズ面までの距離にバックフォーカスを加えた光学全長をTL、半画角をω[°]、全系の焦点距離をfとする。また、前記複数の正レンズのうち屈折率が最も大きいレンズ及び屈折率が2番目に大きいレンズの平均屈折率をnp12aveとする。なお、半画角は光学系L0のイメージサークルの端部に結像する光の半画角で定義しても良いし、光学系L0が装着される撮像装置のイメージセンサの最大像高に結像する光の半画角で定義しても良い。
0.50<TL/(f×tanω)<1.90 (1)
1.80<np12ave<2.20 (2)
【0021】
条件式(1)の下限値を下回ると、各レンズの屈折力が強くなり過ぎる。結果として、アンダー方向の像面湾曲や球面収差の補正が困難なため、好ましくない。もしくは、像面IPに対する光線の入射角が大きくなり過ぎて、ケラレが発生しやすくなるため、好ましくない。条件式(1)の上限値を上回ると、光学全長TLが大型化するため好ましくない。
【0022】
光学系L0を小型化するためには、各正レンズの屈折力を強くすることが有効であるが、一方でペッツバール和が大きくなりやすい。このとき、正レンズの屈折率を高くすることでペッツバール和を小さくし像面湾曲を補正することができる。
【0023】
条件式(2)の下限値を下回ると、正のペッツバール和が大きくなり過ぎる。結果として、アンダー方向の像面湾曲の補正が困難なため、好ましくない。条件式(2)の上限値を上回ると、材料の色分散が大きくなり過ぎる。結果として、軸上色収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0024】
なお、実施例1、5乃至7において、屈折率が最も大きいレンズ及び屈折率が2番目に大きいレンズは、第1レンズG1及び第4レンズG4である(第1レンズG1及び第4レンズG4は、同じ屈折率)。なお、本実施形態において、屈折率が最も大きいレンズが2つある場合、どちらか一方を屈折率が最も大きいレンズとし、他方を2番目に大きいレンズとする。実施例2において、屈折率が最も大きいレンズは第3レンズG3であり、屈折率が2番目に大きいレンズは第4レンズG4である。実施例3において、屈折率が最も大きいレンズは第1レンズG1であり、屈折率が2番目に大きいレンズは第4レンズG4及び第5レンズG5である(第4レンズG4及び第5レンズG5は、同じ屈折率)。実施例4において、屈折率が最も大きいレンズは第1レンズG1であり、屈折率が2番目に大きいレンズは第3レンズG3である。
【0025】
なお、以下の条件式(1a)、(2a)を満足することが好ましい。
0.70<TL/(f×tanω)<1.85 (1a)
1.82<np12ave<2.15 (2a)
【0026】
また、以下の条件式(1b)、(2b)を満足することがより好ましい。
0.90<TL/(f×tanω)<1.78 (1b)
1.84<np12ave<2.10 (2b)
【0027】
さらに、以下の条件式(1c)、(2c)を満足することで各条件式が意味する効果を最大限に得られる。
1.10<TL/(f×tanω)<1.72 (1c)
1.85<np12ave<2.05 (2c)
【0028】
実施例3、5乃至7における光学系L0は、開口絞りSPの像側に、正レンズと負レンズからなる接合レンズを有している。このような構成とすることで、軸上色収差を良好に補正することができる。さらに、開口絞りSPの像側に配置される接合レンズの少なくとも1つは、物体側から順に負レンズ、正レンズからなる接合レンズであり、正レンズの屈折力の絶対値が、負レンズの屈折力の絶対値よりも大きいことが好ましい。このような構成とすることで、ペッツバール和が小さくなり、像面湾曲を良好に補正することができる。
【0029】
実施例1、3、及び5乃至7における最終レンズGRnは少なくとも一方のレンズ面が非球面である。このような構成とすることで、非点収差や歪曲収差を良好に補正することができる。また、最終レンズGRnにおける像側の非球面は、光軸近傍に凸面である領域を含み、周辺に凹面である領域を含むことがより好ましい。さらに、最終レンズGRnが非球面を有するレンズである場合、レンズ重量を軽量化するため、レンズの材料はプラスチック等の樹脂材料であることが好ましい。
【0030】
ここで、光軸近傍とは近軸領域のことであり、非球面レンズの場合、光軸近傍での凹面と凸面は近軸曲率半径の符号で定義する。また、屈折力の正負についても同様に、近軸曲率半径より算出されるものとする。
【0031】
実施例1乃至7に係る光学系L0は、最終レンズGRの物体側に隣り合って配置された正レンズまたは正の接合レンズを有する。このような構成とすることで、倍率色収差や歪曲収差を良好に補正することができる。
【0032】
実施例1乃至7に係る第1レンズG1における物体側のレンズ面は凸面である。このような構成とすることで、第1レンズG1において発生するアンダー方向の球面収差の発生を抑制することができる。
【0033】
各実施例の最終レンズGRnは、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズである。このような構成とすることで、歪曲収差の発生を抑制することができる。
【0034】
各実施例の光学系L0における一部またはすべてのレンズを光学系の光軸に対して垂直方向の成分を持つ方向に移動可能な構成としてもよい。このような構成とすることで、手振れ等により像ぶれが発生した際に、光学系の光軸に対して垂直方向の成分を持つ方向に移動させることで像ぶれ補正を行うことができる。
【0035】
次に、各実施例の光学系L0が満足することが好ましい条件について説明する。
【0036】
光学系L0は、最も物体側から順に、正の屈折力の第1正レンズを備えた正レンズ要素Gp、第1負レンズを有し、正レンズ要素Gpは正の単レンズまたは、全体として正の屈折力の接合レンズのいずれかであることが好ましい。このような構成とすることで、球面収差および軸像色収差を良好に補正することができる。また、第1負レンズの物体側のレンズ面は凹面であることが好ましい。このような構成とすることで、物体側から入射する軸外光束に対し、略コンセントリックな面形状となり、軸外光束のコマ収差や非点収差を小さくすることができる。
【0037】
光学系L0は、少なくとも3つの正レンズを有することが好ましい。光学系L0の全長を小型化しようとすると、正レンズの屈折力を強くする必要があるが、球面収差や軸上色数差の補正が困難となる。そのため、少なくとも3つ正レンズを配置することで、レンズ1枚当たりの屈折力を弱くすることができる。結果として、上述の収差の発生を抑制することができる。
【0038】
光学系L0は、第1負レンズよりも像側に配置された第2正レンズを有することが好ましい。第1負レンズの像側にさらに正レンズを配置することで、正の屈折力を複数のレンズで分担できるため、球面収差や軸上色収差の抑制を図ることができる。
【0039】
また、開口絞りSPは、正レンズ要素Gp、第1負レンズ、第2正レンズのいずれかの像側に隣り合って配置されることが好ましい。このような構成とすることで、開口絞りSPから像面IPまでの距離を大きくすることができる。結果として、像面IPへの軸外光線の入射角を小さくすることができる。
【0040】
光学系L0は、第2正レンズよりも像側に配置された第3正レンズを有することがさらに好ましい。第1負レンズの像側に2つの正レンズを配置することで、上述の球面収差等の抑制効果に加えて、さらに像面IPに対する軸外光線の入射角を緩和することができ、非点収差を補正することができる。
【0041】
さらに、光学系L0において、第1負レンズの像側に配置されるそれぞれの正レンズの像側レンズ面は凸面であることが好ましい。このような構成とすることで、コマ収差や非点収差を小さくすることができる。
【0042】
各実施例の光学系L0は、以下の条件式(3)乃至(12)のうち1つ以上を満足することが好ましい。
【0043】
ここで、正レンズ要素Gpの焦点距離をfGp、第1負レンズの焦点距離をfGn、光学系L0の空気間隔とその物体側のレンズ面及び像側のレンズ面で構成される空気レンズのうち、負の屈折力が最も強い空気レンズLairの焦点距離をfnairとする。また、最終レンズGRnの焦点距離をfGRn、複数の正レンズのうち屈折率が最も大きいレンズの屈折率をnp1、開放での開口絞りSPの直径をD、開口絞りSPから像面IPまでの光軸上での距離をTとする。正レンズ要素Gpの最も物体側の面の曲率半径をGpR1、正レンズ要素Gpの最も像側面の曲率半径をGpR2、最終レンズGRnの物体側の面の曲率半径をGRnR1、最終レンズGRnの像側の面の曲率半径をGRnR2とする。
-10.00<fGp/fGn<-1.45 (3)
-1.50<fnair/fGp<-0.01 (4)
-1.00<fnair/f<-0.05 (5)
-3.50<fGRn/f<-0.20 (6)
-2.00<(GpR2+GpR1)/(GpR2-GpR1)<20.00
(7)
1.81<np1<2.20 (8)
1.00<(GRnR2+GRnR1)/(GRnR2-GRnR1)<8.00
(9)
2.50<T/D<12.00 (10)
0.05<f/fGp<2.00 (11)
-1.00<fGn/f<-0.15 (12)
【0044】
条件式(3)は、像面湾曲などの諸収差を良好に補正するための条件式である。条件式(3)の下限値を下回ると、正レンズ要素Gpの屈折力が弱くなり過ぎて、光学全長が大きくなるため、好ましくない。一方で、条件式(3)の上限値を上回ると、光学系L0のペッツバール和が大きくなり過ぎて、像面湾曲や球面収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0045】
条件式(4)は、像面湾曲などの諸収差を良好に補正するための条件式である。下限値を下回ると、fGpが小さくなり過ぎて、光学系L0のペッツバール和が大きくなる。結果として、像面湾曲の補正が困難となるため、好ましくない。一方で、条件式(4)の上限値を上回ると、空気レンズLairの負の屈折力が強くなり過ぎて、球面収差や軸上色収差が過補正となるため、好ましくない。
【0046】
条件式(5)は、像面湾曲、球面収差、軸上色収差などの諸収差を良好に補正するための条件式である。条件式(5)の下限値を下回ると、空気レンズLairの負の屈折力が弱くなり過ぎて、像面湾曲や球面収差、軸上色収差の補正が不足するため好ましくない。一方で、条件式(5)の上限値を上回ると、空気レンズLairの負の屈折力が強くなり過ぎて、球面収差や軸上色収差が過補正となるため、好ましくない。
【0047】
条件式(6)は、軸外のサジタル方向の収差の発生を抑制するための条件式である。条件式(6)の下限値を下回ると、最終レンズGRnの負の屈折力が弱くなり過ぎて、像面湾曲の補正が不足するため、好ましくない。一方で、条件式(6)の上限値を上回ると、最終レンズGRnの負の屈折力が強くなり過ぎて、像面湾曲が過補正となるため好ましくない。
【0048】
条件式(7)は、非点収差や歪曲収差などの諸収差の発生を抑制するための条件式である。条件式(7)の下限値を下回ると、正レンズ要素Gpのコンセントリック性が小さくなり過ぎて、諸収差の発生量が増大するため、好ましくない。一方で、条件式(7)の上限値を上回ると、正レンズ要素Gpの屈折力が弱くなり過ぎて、光学全長が増大するため、好ましくない。
【0049】
条件式(8)は、像面湾曲を良好に補正するための条件式である。条件式(8)の下限値を下回ると、正のペッツバール和が大きくなり過ぎて、アンダー方向の像面湾曲の補正が困難なため、好ましくない。一方で、条件式(8)の上限値を上回ると、材料の色分散が大きくなり過ぎて、軸上色収差の補正が困難となるため、好ましくない。なお、光学系L0に配置される複数の正レンズのうち、屈折率が最も大きいレンズは、実施例1及び5においては、第1レンズG1及び第4レンズG4である。実施例2及び4においては、第3レンズG3である、実施例3及び7においては、第1レンズG1である。実施例6においては、第4レンズG4である。
【0050】
条件式(9)は、歪曲収差など諸収差の発生を抑制するための条件式である。条件式(9)の下限値を下回ると、像面IPに入射する軸外光線の入射角が大きくなり過ぎる、若しくは歪曲収差の発生量が増大するため、好ましくない。一方で、条件式(9)の上限値を上回ると、最終レンズGRnの屈折力が弱くなり過ぎて、像面湾曲を良好に補正することが困難となるため、好ましくない。
【0051】
条件式(10)は、開放での開口絞りSPの直径D、開口絞りSPから像面IPまでの光軸上での距離Tとの比に関する条件式である。条件式(10)の下限値を下回ると、像面IPに入射する軸外光線の入射角が大きくなりすぎるため、好ましくない。一方で、条件式(10)の上限値を上回ると、光学全長が大きくなりすぎるため好ましくない。
【0052】
条件式(11)は、像面湾曲を良好に補正するための条件式である。条件式(11)の下限値を下回ると、正レンズ要素Gpの屈折力が弱くなり過ぎて、光学全長が大きくなるため、好ましくない。条件式(11)の上限値を上回ると、正レンズ要素Gpの屈折力が強くなり過ぎて、光学系L0のペッツバール和が大きくなる。結果として、像面湾曲の補正が困難となるため、好ましくない。
【0053】
条件式(12)は、像面湾曲を良好に補正するための条件式である。条件式(12)の下限値を下回ると、負レンズGnの屈折力が弱くなり過ぎて、像面湾曲の補正が困難となるため、好ましくない。一方で、条件式(12)の上限値を上回ると、負の屈折力が強くなり過ぎて、像面湾曲や球面収差が過補正となるため、好ましくない。
【0054】
なお、以下の条件式(3a)乃至(12a)を満足することが好ましい。
-9.00<fGp/fGn<-1.60 (3a)
-1.30<fnair/fGp<-0.03 (4a)
-0.85<fnair/f<-0.10 (5a)
-3.10<fGRn/f<-0.35 (6a)
-1.00<(GpR2+GpR1)/(GpR2-GpR1)<18.00
(7a)
1.83<np1<2.15 (8a)
1.20<(GRnR2+GRnR1)/(GRnR2-GRnR1)<7.00
(9a)
3.00<T/D<11.00 (10a)
0.15<f/fGp<1.85 (11a)
-0.90<fGn/f<-0.20 (12a)
【0055】
また、以下の条件式(3b)乃至(12b)を満足することがより好ましい。
-8.00<fGp/fGn<-1.75 (3b)
-1.10<fnair/fGp<-0.05 (4b)
-0.70<fnair/f<-0.15 (5b)
-2.70<fGRn/f<-0.50 (6b)
0.00<(GpR2+GpR1)/(GpR2-GpR1)<16.00
(7b)
1.85<np1<2.13 (8b)
1.40<(GRnR2+GRnR1)/(GRnR2-GRnR1)<6.00
(9b)
3.50<T/D<10.00 (10b)
0.25<f/fGp<1.70 (11b)
-0.80<fGn/f<-0.25 (12b)
【0056】
さらに、以下の条件式(3c)乃至(12c)を満足することが好ましい。
-6.50<fGp/fGn<-1.90 (3c)
-0.90<fnair/fGp<-0.07 (4c)
-0.55<fnair/f<-0.18 (5c)
-2.30<fGRn/f<-0.65 (6c)
0.20<(GpR2+GpR1)/(GpR2-GpR1)<14.00
(7c)
1.87<np1<2.12 (8c)
1.60<(GRnR2+GRnR1)/(GRnR2-GRnR1)<5.00
(9c)
4.00<T/D<9.00 (10c)
0.35<f/fGp<1.55 (11c)
-0.70<fGn/f<-0.30 (12c)
【0057】
次に、各実施例の光学系の具体的な構成について述べる。
【0058】
[実施例1]
本実施例の光学系は、正の屈折力の第1レンズG1、負の屈折力の第2レンズG2、正の屈折力の第3レンズG3、正の屈折力の第4レンズG4、負の屈折力の第5レンズG5からなり、開口絞りSPは、第1レンズG1の像側に配置されている。本実施例において、正の屈折力のレンズ要素Gpは、第1レンズG1からなり、最終レンズGRnは、第5レンズG5である。また、負の屈折力が最も強い空気レンズLairは、第1レンズG1の像側のレンズ面及び第2レンズG2の物体側のレンズ面から形成される。
【0059】
[実施例2]
本実施例の光学系は、実施例1の光学系と同様の構成である。
【0060】
[実施例3]
本実施例の光学系は、正の屈折力の第1レンズG1、負の屈折力の第2レンズG2、負の屈折力の第3レンズG3、正の屈折力の第4レンズG4、正の屈折力の第5レンズG5、負の屈折力の第6レンズG6からなる。開口絞りSPは、第1レンズG1の像側に配置されている。本実施例において、正レンズ要素Gpは、第1レンズG1と第2レンズG2(負レンズ)からなる接合レンズであり、最終レンズGRnは、第6レンズG6である。また、負の屈折力が最も強い空気レンズLairは、第2レンズG2の像側のレンズ面及び第3レンズG3の物体側のレンズ面から形成される。
【0061】
[実施例4]
本実施例の光学系は、開口絞りSPが第3レンズG3の像側に配置されている点で実施例1と異なる。
【0062】
[実施例5]
本実施例の光学系は、正の屈折力の第1レンズG1、負の屈折力の第2レンズG2、正の屈折力の第3レンズG3、正の屈折力の第4レンズG4、負の屈折力の第5レンズG5、負の屈折力の第6レンズG6からなる。開口絞りSPは、第1レンズG1の像側に配置されている。本実施例において、正の屈折力のレンズ要素Gpは、第1レンズG1からなり、最終レンズGRnは、第6レンズG6である。また、負の屈折力が最も強い空気レンズLairは、第1レンズG1の像側のレンズ面及び第2レンズG2の物体側のレンズ面から形成される。
【0063】
[実施例6]
本実施例の光学系は、第2レンズG2及び第3レンズG3からなる接合レンズを有する点で実施例1と異なる。
【0064】
[実施例7]
本実施例の光学系は、実施例6の光学系と同様の構成である。
【0065】
以下に、実施例1乃至7にそれぞれ対応する数値実施例1乃至7を示す。
【0066】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上での距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)、g線(波長435.8nm)における屈折率をNd、NF、NC、Ngとするとき、以下の式で定義される値である。
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
【0067】
なお、各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー、半画角(°)は全て各実施例の光学系L0が無限遠物体に焦点を合わせた時の値である。バックフォーカスBFは最終レンズ面から像面までの距離である。光学全長は第1レンズ面から最終レンズ面までの距離にバックフォーカスを加えた値である。
【0068】
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4、A6、A8、A10を各次数の非球面係数とするとき、以下の式で表すことができる。なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。
x=(h/R)/[1+{1-(1+K)(h/R)1/2]+A4×h+A6×h
+A8×h+A10×h10
【0069】
[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 7.738 0.75 1.88100 40.1
2 9.062 1.16
3(絞り) ∞ 1.01
4 -7.257 0.40 1.80809 22.8
5 -21.613 0.10
6 150.190 2.39 1.77250 49.6
7 -10.270 0.40
8 49.181 1.61 1.88100 40.1
9 -38.910 4.69
10* -9.168 1.30 1.53500 55.7
11* -31.991 12.00
像面 ∞

非球面データ
第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.41101e-04 A 6=-1.45607e-06 A 8= 6.00534e-08

第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.19673e-04 A 6= 3.67228e-06 A 8=-1.93542e-08

焦点距離 21.40
Fナンバー 5.60
画角 45.31
像高 21.64
光学全長 25.80
BF 12.00

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 47.50
2 4 -13.69
3 6 12.53
4 8 24.87
5 10 -24.51
【0070】
[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 11.834 1.02 1.51742 52.4
2 -25.826 0.06
3(絞り) ∞ 0.47
4 -7.218 0.40 1.78880 28.4
5 47.558 0.30
6 -30.165 1.15 1.90043 37.4
7 -9.008 1.62
8 -25.232 1.77 1.87070 40.7
9 -9.587 6.38
10 -8.488 0.85 1.85150 40.8
11 -20.683 12.00
像面 ∞

焦点距離 23.29
Fナンバー 8.00
画角 42.90
像高 21.64
光学全長 26.00
BF 12.00

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 15.83
2 4 -7.92
3 6 13.91
4 8 16.87
5 10 -17.47
【0071】
[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 14.659 1.08 1.95375 32.3
2 30.241 0.45 1.84666 23.8
3 18.784 2.18
4(絞り) ∞ 1.73
5 -11.073 0.50 1.75211 25.0
6 40.242 2.81 1.88300 40.8
7 -20.286 0.20
8 71.833 3.32 1.88300 40.8
9 -21.327 6.04
10* -10.968 1.70 1.53500 55.7
11* -21.394 14.99
像面 ∞

非球面データ
第10面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.10643e-04 A 6=-2.30262e-08 A 8=-2.90550e-09

第11面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.79791e-04 A 6=-5.25593e-07

焦点距離 26.30
Fナンバー 3.20
画角 39.45
像高 21.64
光学全長 35.00
BF 14.99

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 28.85
2 2 -59.64
3 5 -11.50
4 6 15.61
5 8 18.94
6 10 -44.60
【0072】
[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 7.005 1.09 1.90043 37.4
2 9.014 0.68
3 -37.330 0.40 1.80810 22.8
4 8.070 0.11
5 11.644 1.38 2.00100 29.1
6 -32.110 0.16
7(絞り) ∞ 4.03
8 -16.915 1.84 1.77250 49.6
9 -10.041 4.26
10 -9.273 0.85 1.62004 36.3
11 -14.975 12.00
像面 ∞

焦点距離 23.29
Fナンバー 8.00
画角 42.89
像高 21.64
光学全長 26.80
BF 12.00

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 27.75
2 3 -8.18
3 5 8.67
4 8 28.65
5 10 -41.66
【0073】
[数値実施例5]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 12.769 0.84 2.00100 29.1
2 16.333 1.40
3(絞り) ∞ 1.52
4 -13.660 0.50 1.69895 30.1
5 15.694 2.86 1.77250 49.6
6 -19.634 1.31
7 41.421 4.39 2.00100 29.1
8 -12.109 0.70 1.84666 23.8
9 -168.023 4.77
10* -9.977 1.70 1.53500 55.7
11* -17.748 15.01
像面 ∞

非球面データ
第10面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.61874e-04 A 6=-3.94009e-07

第11面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.26750e-04 A 6=-6.64754e-07

焦点距離 26.50
Fナンバー 3.30
画角 39.23
像高 21.64
光学全長 35.00
BF 15.01

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 52.31
2 4 -10.38
3 5 11.70
4 7 9.76
5 8 -15.44
6 10 -46.11
【0074】
[数値実施例6]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 14.396 0.81 2.00069 25.5
2 18.559 2.77
3(絞り) ∞ 1.30
4 -10.693 0.50 1.75211 25.0
5 29.792 3.20 1.81600 46.6
6 -13.198 1.37
7 41.129 1.73 2.00100 29.1
8 -165.450 8.12
9* -12.336 1.70 1.53500 55.7
10* -21.128 15.00
像面 ∞

非球面データ
第9面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.19175e-04 A 6=-2.16613e-07

第10面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.62337e-04 A 6=-3.78328e-07

焦点距離 28.07
Fナンバー 3.50
画角 37.62
像高 21.64
光学全長 36.50
BF 15.00

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 58.43
2 4 -10.41
3 5 11.60
4 7 33.05
5 9 -59.42
【0075】
[数値実施例7]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 10.406 0.78 2.00100 29.1
2 12.421 1.66
3(絞り) ∞ 1.24
4 -10.798 0.50 1.75211 25.0
5 18.724 2.14 1.88300 40.8
6 -21.507 0.61
7 45.977 2.35 1.90043 37.4
8 -21.959 5.02
9* -9.730 1.70 1.53500 55.7
10* -18.575 15.00
像面 ∞

非球面データ
第9面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.46126e-04 A 6=-9.47401e-07

第10面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.69634e-04 A 6=-8.89847e-07

焦点距離 24.29
Fナンバー 4.10
画角 41.69
像高 21.64
光学全長 31.00
BF 15.00

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 53.70
2 4 -9.04
3 5 11.63
4 7 16.78
5 9 -40.94
【0076】
各数値実施例における種々の値を、以下の表1にまとめて示す。
【0077】
【表1】
【0078】
[撮像装置]
次に、本発明の光学系L0を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、図15を用いて説明する。図15において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至7のいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでも良いし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでも良い。
【0079】
このように本発明の光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、レンズが小型である撮像装置を得ることができる。
【0080】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【0081】
本発明の実施形態は以下の構成を含む。
【0082】
[構成1]
6つ以下のレンズからなる光学系であって、
複数の正レンズと、最も像側に配置された負の屈折力の最終レンズを有し、
前記光学系における最も物体側のレンズ面から最終レンズ面までの距離にバックフォーカスを加えた光学全長をTL、半画角をω[°]、全系の焦点距離をf、前記複数の正レンズのうち屈折率が最も大きいレンズ及び屈折率が2番目に大きいレンズの屈折率の平均値をnp12aveとするとき、
0.50<TL/(f×tanω)<1.90
1.80<np12ave<2.20
なる条件を満足することを特徴とする光学系。
【0083】
[構成2]
前記光学系を構成するレンズによって形成される空気レンズの中で最も負の屈折力の強い空気レンズの焦点距離をfnairとするとき、
-1.00<fnair/f<-0.05
なる条件を満足することを特徴とする構成1に記載の光学系。
【0084】
[構成3]
前記光学系の最も物体側から順に、第1正レンズを含む正レンズ要素、第1負レンズが配置されており、
前記正レンズ要素は単レンズまたは接合レンズであることを特徴とする構成1又は2に記載の光学系。
【0085】
[構成4]
前記正レンズ要素の焦点距離をfGp、前記第1負レンズの焦点距離をfGnとするとき、
-10.00<fGp/fGn<-1.45
なる条件を満足することを特徴とする構成3に記載の光学系。
【0086】
[構成5]
前記光学系を構成するレンズによって形成される空気レンズの中で最も負の屈折力の強い空気レンズの焦点距離をfnair、前記正レンズ要素の焦点距離をfGpとするとき、
-1.50<fnair/fGp<-0.01
なる条件を満足することを特徴とする構成3又は4に記載の光学系。
【0087】
[構成6]
前記正レンズ要素の最も物体側のレンズ面の曲率半径をGpR1、前記正レンズ要素の最も像側のレンズ面の曲率半径をGpR2とするとき、
-2.00<(GpR2+GpR1)/(GpR2-GpR1)<20.00
なる条件を満足することを特徴とする構成3乃至5のいずれか一項に記載の光学系。
【0088】
[構成7]
前記第1負レンズの像側に第2正レンズが配置されていることを特徴とする構成3乃至6のいずれか一項に記載の光学系。
【0089】
[構成8]
前記第2正レンズの像側に第3正レンズが配置されていることを特徴とする構成7に記載の光学系。
【0090】
[構成9]
前記正レンズ要素の焦点距離をfGpとするとき、
0.05<f/fGp<2.00
なる条件を満足することを特徴とする構成3乃至8のいずれか一項に記載の光学系。
【0091】
[構成10]
前記第1負レンズの焦点距離をfGnとするとき、
-1.00<fGn/f<-0.15
なる条件を満足することを特徴とする構成3乃至8のいずれか一項に記載の光学系。
【0092】
[構成11]
前記第1負レンズの物体側のレンズ面は凹面であることを特徴とする構成3乃至10のいずれか一項に記載の光学系。
【0093】
[構成12]
前記第1負レンズの像側に少なくとも1つの正レンズが配置され、
前記正レンズの像側のレンズ面は凸面であることを特徴とする構成3乃至11のいずれか一項に記載の光学系。
【0094】
[構成13]
前記最終レンズの焦点距離をfGRnとするとき、
-3.50<fGRn/f<-0.20
なる条件を満足することを特徴とする構成1乃至12のいずれか一項に記載の光学系。
【0095】
[構成14]
前記複数の正レンズのうち屈折率が最も大きいレンズの屈折率をnp1とするとき、
1.81<np1<2.20
なる条件を満足することを特徴とする構成1乃至13のいずれか一項に記載の光学系。
【0096】
[構成15]
少なくとも3つの正レンズを有することを特徴とする構成1乃至14のいずれか一項に記載の光学系。
【0097】
[構成16]
前記最終レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をGRnR1、前記最終レンズの像側のレンズ面の曲率半径をGRnR2とするとき、
1.00<(GRnR2+GRnR1)/(GRnR2-GRnR1)<8.00
なる条件を満足することを特徴とする構成1乃至15のいずれか一項に記載の光学系。
【0098】
[構成17]
開放での開口絞り径をD、前記開口絞りから像面までの光軸上での距離をTとするとき、
2.50<T/D<12.00
なる条件を満足することを特徴とする構成1乃至16のいずれか一項に記載の光学系。
【0099】
[構成18]
構成1乃至17のいずれか一項に記載の光学系と、
前記光学系により形成される光学像を光電変換する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【符号の説明】
【0100】
L0 光学系
GRn 最終レンズ
図1
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