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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172507
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20241205BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090272
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】井野 友裕
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA01
2H087MA07
2H087NA07
2H087PA09
2H087PA10
2H087PA18
2H087PA19
2H087PB10
2H087PB11
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA21
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA34
2H087QA37
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA44
(57)【要約】
【課題】 高い光学性能を有し、大口径比且つ小型な光学系を提供すること。
【解決手段】 物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群からなる光学系であって、像ぶれ補正に際して、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は不動であり、前記第2レンズ群は光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動し、前記第2レンズ群は、第1レンズ要素からなり、前記第3レンズ群は、最も物体側に配置された第2レンズ要素と、該第2レンズ要素に隣り合って配置された第3レンズ要素と、を有し、前記第1レンズ群において最も像側に配置されたレンズは像側に凹面を向けており、前記第2レンズ要素、前記第3レンズ要素が所定の形状を満足する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群からなる光学系であって、
像ぶれ補正に際して、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は不動であり、前記第2レンズ群は光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動し、
前記第2レンズ群は、第1レンズ要素からなり、
前記第3レンズ群は、最も物体側に配置された第2レンズ要素と、該第2レンズ要素に隣り合って配置された第3レンズ要素と、を有し、
前記第1レンズ群において最も像側に配置されたレンズは像側に凹面を向けており、前記第3レンズ要素は物体側に凹面を向けていることを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記光学系の焦点距離をf、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
0.15<|f2/f|<4.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記光学系の焦点距離をf、前記光学系のバックフォーカスをskとするとき、
0.05<sk/f<0.40
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項4】
前記第1レンズ要素のうち、最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をvd2とするとき、
40.0<vd2<98.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項5】
前記第2レンズ群の焦点距離の符号と前記第2レンズ要素の焦点距離の符号は異なることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項6】
前記第2レンズ要素の焦点距離をf31、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
0.1<|f2/f31|<3.7
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項7】
フォーカシングに際して、前記第1レンズ群および前記第2レンズ群は不動であり、前記第3レンズ群の少なくとも一部が移動することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項8】
前記第3レンズ群は、最も像側に配置された第1部分群と、該第1部分群に隣り合って配置された第2部分群と、を有し、
前記第2部分群は、前記第3レンズ要素を有し、
フォーカシングに際して前記第1部分群は不動であり、前記第2部分群は移動することを特徴とする請求項7に記載の光学系。
【請求項9】
前記光学系の焦点距離をf、前記第1部分群の焦点距離をfrとするとき、
-4.9<fr/f<-0.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項8に記載の光学系。
【請求項10】
前記光学系の焦点距離をf、前記第2部分群の焦点距離をffとするとき、
0.3<ff/f<1.1
なる条件式を満足することを特徴とする請求項8に記載の光学系。
【請求項11】
前記第1部分群は、第4レンズ要素と該第4レンズ要素の像側に隣り合って配置された第5のレンズ要素と、を有し、
前記第1部分群において、前記第4レンズ要素と前記第5レンズ要素とが最大の空気間隔を隔てて配置されており、
前記第4レンズ要素の最も像側のレンズ面の曲率半径をr3f、前記第5レンズ要素の最も物体側のレンズ面の曲率半径をr3rとするとき、
-1.2<(r3f+r3r)/(r3f-r3r)<2.4
なる条件式を満足することを特徴とする請求項8に記載の光学系。
【請求項12】
前記光学系の焦点距離をf、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
0.15<|f2/f|<4.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項3乃至11に記載の光学系。
【請求項13】
前記光学系の焦点距離をf、前記光学系のバックフォーカスをskとするとき、
0.05<sk/f<0.40
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4乃至11に記載の光学系。
【請求項14】
前記第1レンズ要素のうち、最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をvd2とするとき、
40.0<vd2<98.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至11に記載の光学系。
【請求項15】
前記光学系の焦点距離をf、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記光学系のバックフォーカスをskとするとき、
0.15<|f2/f|<4.50
0.05<sk/f<0.40
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4乃至11に記載の光学系。
【請求項16】
前記光学系の焦点距離をf、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第1レンズ要素のうち、最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をvd2とするとき、
0.15<|f2/f|<4.50
40.0<vd2<98.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至11に記載の光学系。
【請求項17】
前記光学系の焦点距離をf、前記光学系のバックフォーカスをsk、前記第1レンズ要素のうち、最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をvd2とするとき、
0.05<sk/f<0.40
40.0<vd2<98.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至11に記載の光学系。
【請求項18】
前記光学系の焦点距離をf、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記光学系のバックフォーカスをsk、前記第1レンズ要素のうち、最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をvd2とするとき、
0.15<|f2/f|<4.50
0.05<sk/f<0.40
40.0<vd2<98.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至11に記載の光学系。
【請求項19】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、第3レンズ群からなる光学系であって、
像ぶれ補正に際して、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は不動であり、前記第2レンズ群は光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動し、
前記第2レンズ群は、第1レンズ要素からなり、
前記第3レンズ群は、最も物体側に配置された第2レンズ要素と、該第2レンズ要素に隣り合って配置された第3レンズ要素と、を有し、
前記第1レンズ要素は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、
前記第1レンズ群において最も像側に配置されたレンズは像側に凹面を向けており、前記第2レンズ要素または第3レンズ要素は、物体側に凹面を向けていることを特徴とする光学系。
【請求項20】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の光学系と、
該光学系によって形成された像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系に関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置に用いる光学系として、高い光学性能を有し、大口径比且つ小型な光学系が求められている。
【0003】
小型な光学系を得るために、特許文献1は、第1レンズ群が正の屈折力を有する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-200339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正、正、負のレンズ群を有し、フォーカシングに際して第2レンズ群が移動し、像ぶれ補正に際して第1レンズ群において最も像側に配置されたレンズが移動する。しかしながら、第3レンズ群において最も物体側から2番目に配置されたレンズは物体側に凸面を向けているため、大口径比にすると、コマ収差等の補正が困難である。
【0006】
そこで本発明は、高い光学性能を有し、大口径比且つ小型な光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群からなる光学系であって、像ぶれ補正に際して、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は不動であり、前記第2レンズ群は光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動し、前記第2レンズ群は、第1レンズ要素からなり、前記第3レンズ群は、最も物体側に配置された第2レンズ要素と、該第2レンズ要素に隣り合って配置された第3レンズ要素と、を有し、前記第1レンズ群において最も像側に配置されたレンズは像側に凹面を向けており、前記第3レンズ要素は物体側に凹面を向けていることを特徴とする。
【0008】
本発明の別の側面の光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、第3レンズ群からなる光学系であって、像ぶれ補正に際して、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は不動であり、前記第2レンズ群は光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動し、前記第2レンズ群は、第1レンズ要素からなり、前記第3レンズ群は、最も物体側に配置された第2レンズ要素と、該第2レンズ要素に隣り合って配置された第3レンズ要素と、を有し、前記第1レンズ要素は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、前記第1レンズ群において最も像側に配置されたレンズは像側に凹面を向けており、前記第2レンズ要素または第3レンズ要素は、物体側に凹面を向けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高い光学性能を有し、大口径比且つ小型な光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の光学系のレンズ断面図
図2】実施例1の光学系の(A)縦収差図、(B)横収差図、(C)0.3°の像ぶれ補正時の横収差図
図3】実施例2の光学系のレンズ断面図
図4】実施例2の光学系の(A)縦収差図、(B)横収差図、(C)0.3°の像ぶれ補正時の横収差図
図5】実施例3の光学系のレンズ断面図
図6】実施例3の光学系の(A)縦収差図、(B)横収差図、(C)0.3°の像ぶれ補正時の横収差図
図7】実施例4の光学系のレンズ断面図
図8】実施例4の光学系の(A)縦収差図、(B)横収差図、(C)0.3°の像ぶれ補正時の横収差図
図9】実施例5の光学系のレンズ断面図
図10】実施例5の光学系の(A)縦収差図、(B)横収差図、(C)0.3°の像ぶれ補正時の横収差図
図11】実施例6の光学系のレンズ断面図
図12】実施例6の光学系の(A)縦収差図、(B)横収差図、(C)0.3°の像ぶれ補正時の横収差図
図13】実施例7の光学系のレンズ断面図
図14】実施例7の光学系の(A)縦収差図、(B)横収差図、(C)0.3°の像ぶれ補正時の横収差図
図15】撮像装置を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の光学系及びそれを有する撮像装置の実施例について、添付の図面に基づいて説明する。
【0012】
図1、3、5、7、9、11、13は、それぞれ実施例1から7の光学系L0の無限遠物体に合焦したときの断面図である。各実施例の光学系L0はデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ、車載用カメラ等の撮像装置に用いられる光学系である。
【0013】
各レンズ断面図において左方が物体側で、右方が像側である。尚、各実施例の光学系L0をプロジェクターなどの投射レンズとして用いても良い。このときは左方がスクリーン側、右方が投射画像側となる。
【0014】
各レンズ断面図の下方に示した実線の矢印は、像ぶれ補正に際して移動するレンズ群の移動方向を表している。また、各レンズ断面図の上方に示した実線の矢印は、無限遠から至近にフォーカシングしたときのレンズ群の移動方向を表している。
【0015】
各レンズ断面図において、SPは開口絞りである。IPは像面であり、各実施例の光学系をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラに使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例の光学系を銀塩フィルム用カメラの光学系として使用する際には像面IPにはフィルム面に相当する感光面が置かれる。
【0016】
各実施例の光学系L0は、物体側から像側へ順に配置された、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3からなり、像ぶれ補正に際して、第1レンズ群L1および第3レンズ群L3は不動であり、第2レンズ群L2は光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動する。
【0017】
各レンズ群は1枚のレンズから構成されていてもよいし、複数のレンズから構成されていてもよい。
【0018】
図2、4、6、8、10、12、14は、それぞれ実施例1から7の光学系において、無限遠物体に合焦したときの収差図である。各図において、(A)は縦収差図、(B)は横収差図、(C)は0.3°の像ぶれを補正した際の横収差図である。
【0019】
縦収差図は、左から順に、球面収差、非点数差、歪曲収差、倍率色収差を表している。
【0020】
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において実線はサジタル像面における収差量、破線はメリディオナル像面における収差量を示している。歪曲収差図ではd線に対する歪曲収差量を示している。色収差図ではg線における倍率色収差量を示している。ωは撮像半画角(°)である。
【0021】
横収差図において、FnoはFナンバー、ωは撮像半画角(度)である。破線はd線、g線のメリディオナル方向の収差量、実線はd線のサジタル方向の収差量を表している。但し、絞りの中心を通過する破線がd線のメリディオナル方向の収差量を表し、絞りの中心を通過しない破線がg線のメリディオナル方向の収差量を表わす。
【0022】
次に、各実施例の光学系における特徴的な構成について述べる。
【0023】
各実施例の光学系L0において、第1レンズ群L1の屈折力を正とすることで、光学系L0の主点を物体側に配置し、光学系L0のレンズ全長を短くしている。ここでレンズ全長とは、光学系L0において最も物体側に配置されたレンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離である。
【0024】
像ぶれ補正に際して、第2レンズ群L2は光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動する。像ぶれ補正に際して像高の高い位置の周辺光量を確保するためには、像ぶれ補正に際して移動するレンズの径を大きくする必要がある。そこで、第1レンズ群L1の屈折力を正とすることで、第2レンズ群L2に入射する軸上光束の光軸からの高さを低くしている。その結果、第2レンズ群L2に配置されたレンズの径が大きくなることを抑制している。
【0025】
さらに、第3レンズ群L3を配置することで、像面湾曲等を補正している。
【0026】
第2レンズ群L2は、第1レンズ要素E1からなり、第3レンズ群L3は、最も物体側に配置された第2レンズ要素E2と、第2レンズ要素E2に隣り合って配置された第3レンズ要素E3とを有している。ここでレンズ要素とは、1枚のレンズ、或いは複数のレンズが接合された1枚の接合レンズである。
【0027】
像ぶれ補正に際して、光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動する第2レンズ群L2の像側に複数のレンズ要素を配置することで、像ぶれ補正に際して発生する諸収差を良好に補正することができる。
【0028】
第1レンズ群L1において最も像側に配置されたレンズは像側に凹面を向けることによって、像面湾曲を良好に補正することができる。
【0029】
第3レンズ要素E3は物体側に凹面を向けることによって、軸外光線が第3レンズ要素E3の物体側のレンズ面の法線に対して比較的小さい角度で入射するため、コマ収差等を補正することができる。
【0030】
以上の構成により、高い光学性能を有し、大口径比且つ小型な光学系を実現することが可能となる。
【0031】
次に、各実施例の光学系L0の好ましい構成について述べる。
【0032】
第2レンズ群L2の焦点距離の符号と第2レンズ要素E2の焦点距離の符号が異なることで、像ぶれ補正に際して第2レンズ群L2で発生する球面収差、像面湾曲等を第2レンズ要素E2で補正することができる。
【0033】
フォーカシングに際して、第1レンズ群L1および第2レンズ群L2は不動であり、第3レンズ群L3の少なくとも一部が移動する。第3レンズ群L3の少なくとも一部に入射する軸上光束は、光軸からの高さが比較的低いため、フォーカシングによる球面収差等の変動を抑制することができる。
【0034】
第3レンズ群L3は、最も像側に配置された第1部分群L3Bと、第1部分群L3Bに隣り合って配置された第2部分群L3Aとを有し、第2部分群L3Aは第2レンズ要素E2を有する。そしてフォーカシングに際して第1部分群L3Bは不動であり、第2部分群L3Aは移動する。
【0035】
第1部分群L3Bは軸外光線の光軸からの高さが高い位置に配置されるためフォーカシングにより発生する像面湾曲等の変動が大きい。そこで、第1部分群L3Bをフォーカシングに際して不動とし、軸外光線の光軸からの高さが低い第2部分群L3Aが移動することで、フォーカシングにより発生する像面湾曲等の変動を抑制することができる。
【0036】
次に、各実施例の光学系L0において満足することが好ましい条件式について述べる。
【0037】
各実施例の光学系L0は、以下の条件式のうちの1つ以上を満足することが好ましい。
0.15<|f2/f|<4.50・・・(1)
0.05<sk/f<0.40・・・(2)
40.0<vd2<98.0・・・(3)
0.1<|f2/f31|<3.7・・・(4)
-4.9<fr/f<-0.5・・・(5)
0.3<ff/f<1.1・・・(6)
-1.2<(r3f+r3r)/(r3f-r3r)<2.4・・・(7)
【0038】
ここで、fは光学系L0の焦点距離、f2は第2レンズ群L2の焦点距離、skは光学系L0のバックフォーカスである。vd2は第1レンズ要素E1のうち、最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数を表している。
【0039】
なお、ある材料のアッベ数νdは、d線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0040】
f31は第2レンズ要素E2の焦点距離、frは第1部分群L3Bの焦点距離、ffは第2部分群L3Aの焦点距離である。
【0041】
第1部分群L3Bは、第4レンズ要素E4と第4レンズ要素E4の像側に隣り合って配置された第5のレンズ要素E5とを有し、第1部分群L3Bにおいて、第4レンズ要素E4と第5レンズ要素E5とが最大の空気間隔を隔てて配置されている。このときr3fは第4レンズ要素E4の最も像側のレンズ面の曲率半径、r3rは第5レンズ要素E5最も物体側のレンズ面の曲率半径である。
【0042】
次に前述の条件式(1)~(7)の技術的意味について説明する。
【0043】
条件式(1)の上限を上回って、第2レンズ群L2の屈折力が弱くなりすぎると、所定の手ぶれ補正角を得るためには、第2レンズ群L2が光軸と垂直方向に大きく移動することとなる。その結果、第2レンズ群L2に配置されたレンズの径が大型化するため好ましくない。条件式(1)の下限を下回って、第2レンズ群L2の屈折力が強くなりすぎると、手ぶれ補正に際して第2レンズ群L2で発生する諸収差が大きくなるため好ましくない。
【0044】
条件式(2)の上限を上回ると、光学系L0のバックフォーカスが長くなりすぎるため、大型化する。条件式(2)の下限を下回ると、撮像素子を配置した際に撮像素子と最も像側に配置されたレンズの像側の面とで反射するゴースト光が撮像素子で結像しやすくなるため好ましくない。
【0045】
条件式(3)の上限を上回って、第1レンズ要素E1のうち、最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数が大きくなると、g線とF線に関する部分分散比が大きすぎるため、軸上色収差を補正することが困難となる。条件式(3)の下限を下回って、第1レンズ要素E1のうち、最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数が小さくなると、手ぶれ補正に際して第1レンズ要素E1の偏心により発生するC線に対するF線の色収差を補正することが困難となる。
【0046】
条件式(4)の上限を上回って、第2レンズ要素E2の屈折力が強くなりすぎると、球面収差やコマ収差を補正することが困難となる。条件式(4)の下限を下回って、第2レンズ群L2の屈折力が強くなりすぎると、手ぶれ補正に際して第2レンズ群L2で発生する諸収差が大きくなるため好ましくない。
【0047】
条件式(5)の上限を上回って、第1部分群L3Bの屈折力が強くなりすぎると、像面湾曲等の補正が困難となる。条件式(5)の下限を下回って、第1部分群L3Bの屈折力が弱くなりすぎると、光学系L0の主点が像側に配置されるため、光学系L0のレンズ全長が長くなる。
【0048】
条件式(6)の上限を上回って、第2部分群L3Aの屈折力が弱くなりすぎると、第1部分群L3Bに入射する軸外光線の光軸からの高さが高くなるため、第1部分群L3Bに配置された各レンズの径が大型化する。条件式(6)の下限を下回って、第2部分群L3Aの屈折力が強くなりすぎると、球面収差やコマ収差の補正が困難となる。
【0049】
条件式(7)の上限を上回って第4レンズ要素E4の最も像側のレンズ面の曲率の絶対値が大きくなると、球面収差等の補正が困難となる。条件式(7)の下限を下回って第5レンズ要素E5の最も物体側のレンズ面の曲率の絶対値が小さくなると、像面湾曲等の補正が困難となる。
【0050】
なお、条件式(1)~(7)の上限と下限の少なくとも一方を以下の数値範囲のように設定することがより好ましい。
1.10<|f2/f|<4.00・・・(1a)
0.10<sk/f<0.37・・・(2a)
45.0<vd2<90.0・・・(3a)
0.5<|f2/f31|<3.3・・・(4a)
-4.3<fr/f<-1.1・・・(5a)
0.31<ff/f<0.93・・・(6a)
-0.8<(r3f+r3r)/(r3f-r3r)<2.0・・・(7a)
【0051】
また、条件式(1)~(7)の上限と下限の少なくとも一方を以下の数値範囲のように設定することがさらに好ましい。
1.60<|f2/f|<3.50・・・(1b)
0.15<sk/f<0.32・・・(2b)
50.0<vd2<85.0・・・(3b)
1.0<|f2/f31|<2.8・・・(4b)
-3.8<fr/f<-1.6・・・(5b)
0.32<ff/f<0.84・・・(6b)
-0.3<(r3f+r3r)/(r3f-r3r)<1.5・・・(7b)
【0052】
次に、各実施例の光学系L0の構成の詳細について述べる。なお、実施例2以降は実施例1との差異を主に述べる。
【0053】
[実施例1]
実施例1の光学系L0は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、開口絞りSP、正の屈折力の第3レンズ群L3から構成される。第1レンズ群L1および第3レンズ群L3の屈折力を正、第2レンズ群L2の屈折力を負とすることで、光学系L0は対称性の良い配置となり、諸収差を補正しやすくしている。
【0054】
第2レンズ群L2に配置されたレンズを物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとすることで、手ぶれ補正に際して発生する諸収差を抑制している。
【0055】
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に配置された第2部分群L3A、第1部分群L3Bから構成されており、フォーカシングに際して第1部分群L3Bは不動であり、第2部分群L3Bは移動する。第2部分群L3Aが正レンズと負レンズを有することで、フォーカシングに際して発生する軸上色収差の変動を抑制しやすくしている。
【0056】
実施例1では第2レンズ群L2が1枚のレンズで構成されているが、正レンズと負レンズを接合した接合レンズとすることで、像ぶれ補正に際して発生する色ずれをさらに抑制することができる。
【0057】
[実施例2]
実施例2の光学系L0では、第2レンズ群L2と開口絞りSPとの間に正レンズを配置している。これによって、比較的、軸上光束の光軸からの高さが高い位置に正レンズを配置することができ、軸上色収差等を補正しやすくしている。
【0058】
[実施例3]
実施例3の光学系L0では、最も像側に配置されたレンズを両凸形状としている。これによって、像面湾曲等を補正しやすくしている。
【0059】
[実施例4]
実施例4の光学系L0では、第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に配置された第2部分群L3A、第1部分群L3Bから構成されており、第1部分群L3Bにおいて最も物体側に配置されたレンズは像側に凹面を向けたメニスカス形状を有している。これによって、球面収差等を補正しやすくしている。
【0060】
[実施例5]
実施例5の光学系L0では、第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に配置された第2部分群L3A、第1部分群L3Bから構成されており、フォーカシングに際して第1部分群L3Bは不動であり、第2部分群L3Aは移動する。第2部分群L3Aは最も物体側に配置された第2レンズ要素E2を有し、第2レンズ要素E2は正レンズと負レンズを接合した接合レンズで構成されている。これによって、フォーカシングに際して発生する軸上色収差の変動を抑制しやすくしている。
【0061】
[実施例6]
実施例6の光学系L0では、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、開口絞りSP、正の屈折力の第3レンズ群L3から構成される。
【0062】
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に配置された第1部分群L3C、第2部分群L3B、第3部分群L3Aから構成されており、フォーカシングに際して第1部分群L3C、第3部分群L3Aは不動であり、第2部分群L3Bは移動する。第2部分群L3Bより物体側に第3部分群L3Aを配置することで、球面収差やコマ収差を補正しやすくしている。
【0063】
第2レンズ群L2の屈折力を正とすることで、光学系L0の主点を物体側に配置し、光学系L0のレンズ全長を短くしている。
【0064】
第2レンズ群L2に配置されたレンズを物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとすることで、手ぶれ補正に際して発生する諸収差を抑制している。
【0065】
[実施例7]
実施例7の光学系L0では、第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に配置された第2部分群L3A、第1部分群L3Bから構成されており、第2部分群L3Aは両凹レンズを有している。これによって、像面湾曲等を補正しやすくしている。
【0066】
以下に、実施例1から7にそれぞれ対応する数値実施例1~7を示す。
【0067】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、dは第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率を表している。νdiはd線を基準としたアッベ数を表している。
【0068】
非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A2,A4,A6を各々非球面係数としたとき、
X=(H/R)/[1+{1-(1+K)(H/R)1/2]+A4×h+A6×h+A8×h+A10×h10
なる式で表している。*は非球面形状を有する面を意味している。「e-x」は10-xを意味している。BFはバックフォーカスであり、最も像側に配置されたレンズ群の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の距離を空気換算で示している。
【0069】
(数値実施例1)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 27.036 6.00 1.69680 55.5
2 125.703 0.10
3 22.305 4.42 1.69680 55.5
4 46.767 0.78
5 79.259 2.00 1.72047 34.7
6 16.261 6.21
7 120.317 1.00 1.69680 55.5
8 52.619 2.91
9(絞り) ∞ (可変)
10 27.327 2.53 1.49700 81.5
11 702.363 3.35
12 -17.594 3.37 1.80810 22.8
13 -51.896 3.66 1.95375 32.3
14 -20.881 3.21
15* 190.838 3.67 1.53110 55.9
16* -80.059 (可変)
17 -39.643 1.00 1.48749 70.2
18 823.067 5.72
19 -23.975 4.91 2.00100 29.1
20 -23.539 12.56
像面 ∞
非球面データ
第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.51425e-05 A 6=-1.02749e-07 A 8=-2.68244e-10
第16面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.65405e-05 A 6=-1.25616e-07 A 8= 3.88661e-11
焦点距離 63.70
Fナンバー 2.00
半画角 18.76
像高 21.64
レンズ全長 75.00
BF 12.56
物体距離 INF -550
d 9 6.59 1.00
d16 1.00 6.59
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
L1 1 74.96
L2 7 -135.03
L3A 10 36.33
L3B 17 -166.77
【0070】
(数値実施例2)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 29.783 4.98 1.88300 40.8
2 102.447 0.10
3 28.287 2.50 1.80400 46.5
4 40.845 1.53
5 90.811 2.00 1.77830 23.9
6 23.081 5.59
7 201.959 1.00 1.48749 70.2
8 54.604 1.67
9 42.929 2.43 1.49700 81.5
10 ∞ 2.00
11(絞り) ∞ (可変)
12 -27.865 1.00 1.74077 27.8
13 20.352 5.96 2.00100 29.1
14 -100.636 1.00
15* 112.727 6.00 1.53110 55.9
16* -28.998 (可変)
17 -47.234 1.00 1.51633 64.1
18 -221.898 5.52
19 -19.648 7.90 2.00100 29.1
20 -23.873 11
像面 ∞
非球面データ
第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.75467e-05 A 6= 1.97933e-07 A 8=-2.95654e-09 A10= 1.45209e-11 A12=-2.46835e-14
第16面
K = 0.00000e+00 A 4= 6.22989e-07 A 6= 1.22874e-07 A 8=-1.04510e-09 A10= 1.57744e-12 A12= 6.91149e-15
焦点距離 63.85
Fナンバー 2.00
半画角 18.72
像高 21.64
レンズ全長 75.00
BF 11.00
物体距離 INF -550
d11 10.82 3.80
d16 1.00 8.02
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
L1 1 81.84
L2 7 -153.86
L3A 9 86.38
L3B 12 47.29
L3C 17 -128.50
【0071】
(数値実施例3)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 25.616 3.32 1.88300 40.8
2 49.495 0.10
3 22.502 3.12 1.91082 35.2
4 47.541 2.00 1.85478 24.8
5 16.022 5.23
6 184.459 1.00 1.72916 54.7
7 70.672 5.23
8(絞り) ∞ (可変)
9 38.923 1.72 1.88300 40.8
10 147.998 3.43
11 -16.678 1.00 1.71736 29.5
12 51.734 7.31 1.88300 40.8
13 -21.955 0.10
14* 245.390 4.61 1.53110 55.9
15* -43.523 (可変)
16 207.872 1.00 1.72047 34.7
17 36.190 5.54
18 -52.561 1.00 1.67270 32.1
19 126.784 0.10
20 62.377 4.67 2.05090 26.9
21 -190.877 14.20
像面 ∞
非球面データ
第14面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.56447e-05 A 6=-2.84437e-08 A 8=-5.76863e-10
第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.46813e-05 A 6=-4.68532e-08 A 8=-2.95788e-10
焦点距離 48.50
Fナンバー 2.00
半画角 17.19
像高 15.00
レンズ全長 70.00
BF 14.20
物体距離 INF -300
d 8 7.00 1.00
d15 1.00 7.00
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
L1 1 79.05
L2 6 -157.71
L3A 9 28.95
L3B 16 -89.56
【0072】
(数値実施例4)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 33.912 7.59 1.62041 60.3
2 224.115 0.10
3 25.023 6.66 1.49700 81.5
4 53.185 1.37
5 101.782 1.00 1.61340 44.3
6 18.876 9.29
7 856.627 1.00 1.48749 70.2
8 64.447 3.37
9(絞り) ∞ (可変)
10 34.683 4.02 1.49700 81.5
11 -247.089 3.62
12 -26.323 1.00 1.57501 41.5
13 28.895 6.40 1.75500 52.3
14 -36.428 0.10
15* -67.411 2.82 1.53110 55.9
16* -60.398 (可変)
17 273.598 1.00 1.64769 33.8
18 43.060 16.26
19 -41.128 1.00 1.49700 81.5
20 241.622 0.10
21 85.602 5.63 1.95375 32.3
22 -94.353 20.00
像面 ∞
非球面データ
第15面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.48165e-05 A 6= 9.25099e-08 A 8=-2.15078e-10
第16面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.44178e-05 A 6= 9.37885e-08 A 8=-1.27995e-10
焦点距離 85.00
Fナンバー 2.00
半画角 10.01
像高 15.00
レンズ全長 100.00
BF 20.00
物体距離 INF -850
d 9 6.67 1.00
d16 1.00 6.67
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
L1 1 121.99
L2 7 -143.02
L3A 10 46.80
L3B 17 -311.35
【0073】
(数値実施例5)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 29.349 4.46 1.75500 52.3
2 73.048 0.10
3 24.477 4.38 1.75500 52.3
4 52.138 0.47
5 68.262 2.00 1.62004 36.3
6 17.461 6.62
7 121.268 1.00 1.69680 55.5
8 55.257 3.03
9(絞り) ∞ (可変)
10 24.877 5.60 1.49700 81.5
11 -21.560 1.00 1.67270 32.1
12 176.582 4.64
13 -20.206 1.00 1.68893 31.1
14 -57.593 3.72 2.00100 29.1
15 -21.354 1.38
16* 50.838 2.82 1.53110 55.9
17* 108.965 (可変)
18 -34.985 1.00 1.49700 81.5
19 -160.842 4.82
20 -23.471 5.89 1.92286 20.9
21 -23.516 11.00
像面 ∞
非球面データ
第16面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.49844e-05 A 6=-1.95576e-07 A 8=-1.40575e-10
第17面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.39300e-05 A 6=-2.46602e-07 A 8= 3.36062e-10
焦点距離 63.70
Fナンバー 2.00
半画角 13.25
像高 15.00
レンズ全長 75.00
BF 11.00
物体距離 INF -550
d 9 7.00 1.00
d17 3.07 9.07
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
L1 1 74.51
L2 7 -146.60
L3A 10 42.59
L3B 18 -207.67
【0074】
(数値実施例6)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 27.660 4.51 1.88300 40.8
2 61.828 0.10
3 25.904 2.93 1.88300 40.8
4 39.290 0.71
5 53.474 2.00 1.77830 23.9
6 18.643 5.70
7 54.363 1.79 1.49700 81.5
8 167.561 2.34
9(絞り) ∞ 2.23
10 -51.370 2.00 1.53172 48.8
11 -65.085 (可変)
12 -20.924 1.00 1.63980 34.5
13 40.206 5.00 1.88300 40.8
14 -37.291 1.44
15* 3053.440 5.84 1.53110 55.9
16* -28.491 (可変)
17 -53.133 1.00 1.49700 81.5
18 -383.385 8.76
19 -18.299 4.49 1.95375 32.3
20 -20.465 11.23
像面 ∞
非球面データ
第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.51751e-05 A 6=-3.20358e-08 A 8= 6.95809e-11 A10=-2.48332e-12
第16面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.17165e-06 A 6=-9.88118e-08 A 8= 5.83909e-10 A10=-2.84506e-12
焦点距離 63.70
Fナンバー 2.10
半画角 13.25
像高 15.00
レンズ全長 75.00
BF 11.23
物体距離 INF -550
d11 10.92 3.65
d16 1.00 8.27
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
L1 1 91.93
L2 7 161.07
L3A 9 -482.92
L3B 12 46.53
L3C 17 -140.44
【0075】
(数値実施例7)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 28.633 5.25 1.75500 52.3
2 101.718 0.10
3 22.128 4.86 1.59522 67.7
4 50.341 0.61
5 75.364 2.00 1.62004 36.3
6 15.904 6.62
7 122.670 1.00 1.69680 55.5
8 53.443 2.92
9(絞り) ∞ (可変)
10 29.388 1.98 1.49700 81.5
11 98.832 2.74
12 -22.112 1.00 1.76182 26.5
13 32.628 5.55 1.90366 31.3
14 -38.452 0.58
15* -354.569 5.90 1.53110 55.9
16* -25.898 (可変)
17 -32.262 1.00 1.49700 81.5
18 48392.250 5.31
19 -26.406 3.50 1.92286 20.9
20 -23.324 11.00
像面 ∞
非球面データ
第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.37070e-05 A 6= 8.10707e-09 A 8= 3.31170e-10
第16面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.12044e-05 A 6=-4.12036e-08 A 8= 5.07568e-10
焦点距離 63.71
Fナンバー 2.00
半画角 13.25
像高 15.00
レンズ全長 75.00
BF 11.00
物体距離 INF -550
d 9 7.05 1.00
d16 6.03 12.08
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
L1 1 74.11
L2 7 -136.72
L3A 10 38.81
L3B 17 -153.67
【0076】
以下の表に各実施例における種々の値を示す。
【0077】
【表1】
【0078】
[撮像装置]
次に、本発明の光学系L0を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、図15を用いて説明する。図15において、11は実施例1~7で説明したいずれかの光学系によって構成された撮像光学系である。12はカメラ本体10に内蔵され、撮像光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでもよいし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでもよい。
【0079】
このように、本発明の光学系L0をデジタルスチルカメラなどの撮像装置に適用することにより、高解像度で広画角な画像を得ることができる。
【0080】
各実施例の開示は、以下の構成を含む。
【0081】
(構成1)
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群からなる光学系であって、
像ぶれ補正に際して、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は不動であり、前記第2レンズ群は光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動し、
前記第2レンズ群は、第1レンズ要素からなり、
前記第3レンズ群は、最も物体側に配置された第2レンズ要素と、該第2レンズ要素に隣り合って配置された第3レンズ要素と、を有し、
前記第1レンズ群において最も像側に配置されたレンズは像側に凹面を向けており、前記第3レンズ要素は物体側に凹面を向けていることを特徴とする光学系。
【0082】
(構成2)
前記光学系の焦点距離をf、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
0.15<|f2/f|<4.50
なる条件式を満足することを特徴とする構成1に記載の光学系。
【0083】
(構成3)
前記光学系の焦点距離をf、前記光学系のバックフォーカスをskとするとき、
0.05<sk/f<0.40
なる条件式を満足することを特徴とする構成1または2に記載の光学系。
【0084】
(構成4)
前記第1レンズ要素のうち、最も屈折力の強いレンズの材料のアッベ数をvd2とするとき、
40.0<vd2<98.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至3の何れか一構成に記載の光学系。
【0085】
(構成5)
前記第2レンズ群の焦点距離の符号と前記第2レンズ要素の焦点距離の符号は異なることを特徴とする構成1乃至4の何れか一構成に記載の光学系。
【0086】
(構成6)
前記第2レンズ要素の焦点距離をf31、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
0.1<|f2/f31|<3.7
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至5の何れか一構成に記載の光学系。
【0087】
(構成7)
フォーカシングに際して、前記第1レンズ群および前記第2レンズ群は不動であり、前記第3レンズ群の少なくとも一部が移動することを特徴とする構成1乃至6の何れか一構成に記載の光学系。
【0088】
(構成8)
前記第3レンズ群は、最も像側に配置された第1部分群と、該第1部分群に隣り合って配置された第2部分群と、を有し、
前記第2部分群は、前記第3レンズ要素を有し、
フォーカシングに際して前記第1部分群は不動であり、前記第2部分群は移動することを特徴とする構成7に記載の光学系。
【0089】
(構成9)
前記光学系の焦点距離をf、前記第1部分群の焦点距離をfrとするとき、
-4.9<fr/f<-0.5
なる条件式を満足することを特徴とする構成8に記載の光学系。
【0090】
(構成10)
前記光学系の焦点距離をf、前記第2部分群の焦点距離をffとするとき、
0.3<ff/f<1.1
なる条件式を満足することを特徴とする構成8または9に記載の光学系。
【0091】
(構成11)
前記第1部分群は、第4レンズ要素と該第4レンズ要素の像側に隣り合って配置された第5のレンズ要素と、を有し、
前記第1部分群において、前記第4レンズ要素と前記第5レンズ要素とが最大の空気間隔を隔てて配置されており、
前記第4レンズ要素の最も像側のレンズ面の曲率半径をr3f、前記第5レンズ要素の最も物体側のレンズ面の曲率半径をr3rとするとき、
-1.2<(r3f+r3r)/(r3f-r3r)<2.4
なる条件式を満足することを特徴とする構成8乃至10の何れか一構成に記載の光学系。
【0092】
(構成12)
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、第3レンズ群からなる光学系であって、
像ぶれ補正に際して、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群は不動であり、前記第2レンズ群は光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動し、
前記第2レンズ群は、第1レンズ要素からなり、
前記第3レンズ群は、最も物体側に配置された第2レンズ要素と、該第2レンズ要素に隣り合って配置された第3レンズ要素と、を有し、
前記第1レンズ要素は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであり、
前記第1レンズ群において最も像側に配置されたレンズは像側に凹面を向けており、前記第2レンズ要素または第3レンズ要素は、物体側に凹面を向けていることを特徴とする光学系。
【0093】
(構成13)
構成1乃至12の何れか一項に記載の光学系と、
該光学系によって形成された像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【0094】
以上、本発明に好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0095】
L0 光学系
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
E1 第1レンズ要素
E2 第2レンズ要素
E3 第3レンズ要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15