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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172516
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】連結具
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/00 20060101AFI20241205BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B25H3/00 Z
A45C11/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090286
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】591006634
【氏名又は名称】株式会社エビス
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】丸山 清
【テーマコード(参考)】
3B045
3C012
【Fターム(参考)】
3B045BA24
3B045CE08
3B045EA02
3B045GA04
3B045GD02
3C012BG01
(57)【要約】
【課題】従来のチェーン型連結具が有する機能を有しながらも、容易に組み付け連結可能な実用性に優れた連結具を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の連結構造体1と、これらを連結する連結部材2とを備え、連結構造体1は、連設部3を介して連設される第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cを有し、第二主筒4b及び第三主筒4cは、第一主筒4aと平行であり、且つ、連通状態に設けられ、さらに、第二主筒4bは、第一主筒4aの長手方向一側端部の外側に設けられ、また、第三主筒4cは、第一主筒4aの長手方向他側端部の外側に設けられ、連通状態にされる一の連結構造体1の第二主筒4b及び第三主筒4cと、他の連結構造体1の第一主筒4aとに連結部材2が挿通されて、連結構造体1同士が連結されている連結具。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体と、前記連結構造体同士を連結する連結部材とを備え、前記連結構造体は、前記連結部材を挿通可能に構成され、連設部を介して連設される第一主筒、第二主筒及び第三主筒を有し、前記第二主筒及び前記第三主筒は、前記第一主筒の中心軸線と平行且つ連通状態に設けられ、さらに、前記第二主筒は、平面視において前記第一主筒の長手方向一側端部よりも外側に設けられ、また、前記第三主筒は、平面視において前記第一主筒の長手方向他側端部よりも外側に設けられた構成であり、一の前記連結構造体の前記第二主筒と前記第三主筒の間に、他の連結構造体の前記第一主筒が前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒と連通状態に配設され、この連通状態に配設された前記他の連結構造体の前記第一主筒並びに前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒に前記連結部材が挿通されて前記連結構造体同士が連結されていることを特徴する連結具。
【請求項2】
請求項1記載の連結具において、前記連設部は、横長方形板状に構成され、この横長方形板状の連設部の一側長辺部の長手方向中央に前記第一主筒が設けられ、他側長辺部の長手方向一側に前記第二主筒、長手方向他側に前記第三主筒が夫々設けられていることを特徴とする連結具。
【請求項3】
請求項2記載の連結具において、前記連設部には、携帯付属物用連結体を取り付ける取付部が設けられ、この取付部に取り付けられた前記携帯付属物用連結体を介して前記携帯付属物が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項4】
請求項1記載の連結具において、前記連設部は、一本の軸部材と、この軸部材の長手方向中央部に被嵌される第一副筒、前記軸部材の長手方向一側に被嵌される第二副筒及び前記軸部材の長手方向他側に被嵌される第三副筒と、前記第一副筒に突設される第一連結部、前記第二副筒に突設される第二連結部及び前記第三副筒に突設される第三連結部とからなり、前記第二連結部及び前記第三連結部は、前記第一連結部の突出方向と逆方向に突出するように構成され、前記第一主筒は、前記第一連結部に前記第一副筒と平行に設けられ、前記第二主筒は、前記第二連結部に前記第二副筒と平行に設けられ、前記第三主筒は、第三連結部に前記第三副筒と平行に設けられていることを特徴とする連結具。
【請求項5】
請求項4記載の連結具において、前記第二連結部及び前記第三連結部には、夫々、携帯付属物用連結体を取り付ける取付部が設けられ、この取付部に取り付けられた前記携帯付属物用連結体を介して前記携帯付属物が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項6】
請求項4記載の連結具において、前記第一主筒、前記第一副筒及び前記第一連結部は一体に形成されて第一部材として構成され、前記第二主筒、前記第二副筒及び前記第二連結部は一体に形成されて第二部材として構成され、前記第三主筒、前記第三副筒及び前記第三連結部は一体に形成されて第三部材として構成され、前記第二部材と前記第三部材とは、同形同大に構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項7】
請求項5記載の連結具において、前記第一主筒、前記第一副筒及び前記第一連結部は一体に形成されて第一部材として構成され、前記第二主筒、前記第二副筒及び前記第二連結部は一体に形成されて第二部材として構成され、前記第三主筒、前記第三副筒及び前記第三連結部は一体に形成されて第三部材として構成され、前記第二部材と前記第三部材とは、同形同大に構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項8】
請求項6,7いずれか1項に記載の連結具において、前記第一部材は、前記第二部材及び前記第三部材と同形同大に構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項9】
請求項1~7いずれか1項に記載の連結具において、前記連結部材は、ボルト及びナットであり、連通状態の前記他の連結構造体の前記第一主筒、前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒に抜け止め挿通されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項10】
請求項8記載の連結具において、前記連結部材は、ボルト及びナットであり、連通状態の前記他の連結構造体の前記第一主筒、前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒に抜け止め挿通されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物を取り付ける際に用いる連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の連結具として、特許文献1,2に開示されるチェーン型連結具が知られている。
【0003】
このチェーン型連結具は、パイプ部材を遊嵌させた二本のボルトを連結プレートにより連結してなるものであり、連結プレートは、パイプ部材により内方移動が抑制され、チェーン形状が保持されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭53-150594号公報
【特許文献2】実用新案登録第3236292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1,2に開示されるチェーン型連結具は、二本のボルトを連結した短尺タイプであるが、このチェーン型連結具には、図17(a)に示すように、連結するボルト数を増やし、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能となる長尺タイプのものもある。
【0006】
図17(a)は、四本のボルト40を連結した構成とした場合である。この構成の場合、ボルト40同士の連結に必要な連結プレート41の数は、図示するように、片側三枚ずつの計六枚となる。
【0007】
この六枚の連結プレート41を用いて四本のボルト40を連結する場合、一本目と二本目のボルト40を連結する一枚目の連結プレート41に上から重ねるように二本目と三本目のボルト40を連結する二枚目の連結プレート41をセットするが、三本目と四本目のボルト40を連結する三枚目の連結プレート41は、二枚目の連結プレート41に上から重ねるようにセットすると、図17(b)に示すように連結プレート41とボルト40に遊嵌するパイプ部材42との隙間が徐々に広がってゆき、チェーン形状の外観が損なわれるため、三枚目の連結プレート41は、図17(a)に示すように、二枚目の連結プレート41の下側に位置するようにセットするのが一般的である。
【0008】
しかしながら、上記のように連結プレートを内外交互にセットして組み付けてゆくのは非常に厄介な作業であった。
【0009】
本発明は、このような従来のチェーン型連結具が有する問題に鑑みなされたものであり、従来のチェーン型連結具が有する機能を有しながらも、容易に組み付け連結可能な実用性に優れた連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体1と、前記連結構造体1同士を連結する連結部材2とを備え、前記連結構造体1は、前記連結部材2を挿通可能に構成され、連設部3を介して連設される第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cを有し、前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cは、前記第一主筒4aの中心軸線と平行且つ連通状態に設けられ、さらに、前記第二主筒4bは、平面視において前記第一主筒4aの長手方向一側端部よりも外側に設けられ、また、前記第三主筒4cは、平面視において前記第一主筒4aの長手方向他側端部よりも外側に設けられた構成であり、一の前記連結構造体1の前記第二主筒4bと前記第三主筒4cの間に、他の連結構造体1の前記第一主筒4aが前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cと連通状態に配設され、この連通状態に配設された前記他の連結構造体1の前記第一主筒4a並びに前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cに前記連結部材2が挿通されて前記連結構造体1同士が連結されていることを特徴する連結具に係るものである。
【0012】
また、請求項1記載の連結具において、前記連設部3は、横長方形板状に構成され、この横長方形板状の連設部3の一側長辺部の長手方向中央に前記第一主筒4aが設けられ、他側長辺部の長手方向一側に前記第二主筒4b、長手方向他側に前記第三主筒4cが夫々設けられていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0013】
また、請求項2記載の連結具において、前記連設部3には、携帯付属物用連結体10を取り付ける取付部5が設けられ、この取付部5に取り付けられた前記携帯付属物用連結体10を介して前記携帯付属物30が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0014】
また、請求項1記載の連結具において、前記連設部3は、一本の軸部材6と、この軸部材6の長手方向中央部に被嵌される第一副筒7a、前記軸部材6の長手方向一側に被嵌される第二副筒7b及び前記軸部材6の長手方向他側に被嵌される第三副筒7cと、前記第一副筒7aに突設される第一連結部8a、前記第二副筒7bに突設される第二連結部8b及び前記第三副筒7cに突設される第三連結部8cとからなり、前記第二連結部8b及び前記第三連結部8cは、前記第一連結部8aの突出方向と逆方向に突出するように構成され、前記第一主筒4aは、前記第一連結部8aに前記第一副筒7aと平行に設けられ、前記第二主筒4bは、前記第二連結部8bに前記第二副筒7bと平行に設けられ、前記第三主筒4cは、第三連結部8cに前記第三副筒7cと平行に設けられていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0015】
また、請求項4記載の連結具において、前記第二連結部8b及び前記第三連結部8cには、夫々、携帯付属物用連結体10を取り付ける取付部5が設けられ、この取付部5に取り付けられた前記携帯付属物用連結体10を介して前記携帯付属物30が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0016】
また、請求項4記載の連結具において、前記第一主筒4a、前記第一副筒7a及び前記第一連結部8aは一体に形成されて第一部材9aとして構成され、前記第二主筒4b、前記第二副筒7b及び前記第二連結部8bは一体に形成されて第二部材9bとして構成され、前記第三主筒4c、前記第三副筒7c及び前記第三連結部8cは一体に形成されて第三部材9cとして構成され、前記第二部材9bと前記第三部材9cとは、同形同大に構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0017】
また、請求項5記載の連結具において、前記第一主筒4a、前記第一副筒7a及び前記第一連結部8aは一体に形成されて第一部材9aとして構成され、前記第二主筒4b、前記第二副筒7b及び前記第二連結部8bは一体に形成されて第二部材9bとして構成され、前記第三主筒4c、前記第三副筒7c及び前記第三連結部8cは一体に形成されて第三部材9cとして構成され、前記第二部材9bと前記第三部材9cとは、同形同大に構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0018】
また、請求項6,7いずれか1項に記載の連結具において、前記第一部材9aは、前記第二部材9b及び前記第三部材9cと同形同大に構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0019】
また、請求項1~7いずれか1項に記載の連結具において、前記連結部材2は、ボルト2a及びナット2bであり、連通状態の前記他の連結構造体1の前記第一主筒4a、前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cに抜け止め挿通されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0020】
また、請求項8記載の連結具において、前記連結部材2は、ボルト2a及びナット2bであり、連通状態の前記他の連結構造体1の前記第一主筒4a、前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cに抜け止め挿通されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上述のように構成したから、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能でありながら、容易に組み付け連結可能な実用性に優れた連結具となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施例1を示す説明分解斜視図である。
図2】実施例1を示す正面図である。
図3】実施例1のベルトループへの取り付け方法を示す説明図である。
図4】実施例1の携帯付属物用連結体を用いた携帯付属物の取付け方法を示す説明図である。
図5】実施例1の使用状態を示す斜視図である。
図6】実施例1の別使用例を示す説明正面図である。
図7】実施例2を示す説明分解斜視図である。
図8】実施例2を示す正面図である。
図9】実施例2の使用状態を示す斜視図である。
図10】実施例2の別使用例を示す説明正面図である。
図11】実施例3を示す説明分解斜視図である。
図12】実施例3を示す正面図である。
図13】実施例3のベルトループへの取り付け方法を示す説明図である。
図14】実施例3の携帯付属物用連結体を用いた携帯付属物の取付け方法を示す説明図である。
図15】実施例3の使用状態を示す斜視図である。
図16】実施例3の別使用例を示す説明正面図である。
図17】従来例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
本発明は、一の連結構造体1の第二主筒4bと第三主筒4cの間に、他の連結構造体1の第一主筒4aを、前記一の連結構造体1の第二主筒4b及び第三主筒4cと連通状態に配設し、この連通状態に配設した前記他の連結構造体1の第一主筒4a、前記一の連結構造体1の第二主筒4b及び第三主筒4cに連結部材2(たとえばボルト2a)を挿通配設するだけで、連結構造体1同士を連結することができる。
【0025】
また、連結部材2により連結された連結構造体1同士は、この連結部材2を回動軸として相対回動可能に設けられることとなり、従来のチェーン型連結金具(長尺タイプ)と同様、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能なものとなる。
【0026】
このように、本発明は、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能でありながら、容易に組み付け連結可能な実用性に優れた連結具となる。
【実施例0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例は、作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体1と、この連結構造体1同士を連結する連結部材2とを備え、連結構造体1は、連結部材2を挿通可能に構成され、連設部3を介して連設される第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cを有し、第二主筒4b及び第三主筒4cは、第一主筒4aの中心軸線と平行且つ連通状態に設けられ、さらに、第二主筒4bは、平面視において第一主筒4aの長手方向一側端部よりも外側に設けられ、また、第三主筒4cは、平面視において第一主筒4aの長手方向他側端部よりも外側に設けられた構成であり、一の連結構造体1の第二主筒4bと第三主筒4cの間に、他の連結構造体1の第一主筒4aがこれらと連通状態に配設され、この連通状態に配設された一の連結構造体1の第一主筒4aと、他の連結構造体1の第二主筒4b及び第三主筒4cとに連結部材2が挿通されて連結構造体1同士が連結されているものである。
【0029】
具体的には、本実施例は、連結部材2がボルト2a及びナット2bで構成され、連通状態の第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cに挿通配設されるボルト2aにナット2bが螺着され、このナット2bにより抜け止めされ、この連結部材2により連結された連結構造体1同士は、この連結部材2を回動軸として相対回動可能に設けられ、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能となるように構成されている。
【0030】
また、本実施例は、連設部3の構成が異なる以下の実施例1~3の形態に構成することができる。
【0031】
<実施例1>
本実施例に係る連結具について、図1~6に基づいて説明する。なお、本実施例は、二体の連結構造体1を連結した構成の場合であるが、連結具を構成する連結構造体1の連結数は適宜設計変更可能である。
【0032】
本実施例の連結構造体1は、図1に示すように、一本の軸部材6と、この軸部材6の長手方向中央部に被嵌される第一副筒7a、軸部材6の長手方向一側に被嵌される第二副筒7b及び軸部材6の長手方向他側に被嵌される第三副筒7cと、第一副筒7aに突設される第一連結部8a、第二副筒7bに突設される第二連結部8b及び第三副筒7cに突設される第三連結部8cとからなり、且つ、第二連結部8b及び第三連結部8cが第一連結部8aの突出方向と逆方向に突出するように設けられてなる連設部3を備え、さらに、第一主筒4aは第一連結部8aに第一副筒7aと平行に設けられ、第二主筒4bは第二連結部8bに第二副筒7bと平行に設けられ、第三主筒4cは第三連結部8cに第三副筒7cと平行に設けられた構成である。
【0033】
具体的には、本実施例の連結構造体1は、金属製(アルミ製、アルミ合金製若しくはステンレス製)であり、図1に示すように、第一主筒4a、第一副筒7a及び第一連結部8aが一体に形成されてなる第一部材9aと、第二主筒4b、第二副筒7b及び第二連結部8bが一体に形成されてなる第二部材9bと、第三主筒4c、第三副筒7c及び第三連結部8cが一体に形成されてなる第三部材9cとが軸部材6により一体的に連結されてなるものである。
【0034】
より具体的には、第一部材9aを構成する第一主筒4aと第一副筒7aは、同形同大の円筒状体に構成され、また、この第一主筒4aと第一副筒7aとを連結する第一連結部8aは、筒状体に構成され、第一主筒4aと第一副筒7aとを連結すると共に、後述する携帯付属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5となるように構成されている。
【0035】
また、第二部材9bを構成する第二主筒4bと第二副筒7bも、第一主筒4aと第一副筒7aと同様、同形同大の円筒状体に構成され、また、この第二主筒4bと第二副筒7bとを連結する第二連結部8bも、第一連結部8aと同様に筒状体に構成され、第二主筒4bと第二副筒7bとを連結すると共に、携帯付属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5となるように構成されている。
【0036】
また、第三部材9cを構成する第三主筒4cと第三副筒7cも、第一主筒4aと第一副筒7a及び第二主筒4bと第二副筒7bと同様、同形同大の円筒状体に構成され、また、この第三主筒4cと第三副筒7cとを連結する第三連結部8cも、第一連結部8a、第二連結部8bと同様に筒状体に構成され、第三主筒4cと第三副筒7cとを連結すると共に、携帯付属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5となるように構成されている。
【0037】
さらに、本実施例の連結構造体1は、第一主筒4a、第二主筒4b、第三主筒4c、第一副筒7a、第二副筒7b及び第三副筒7cが全て同形同大の円筒状体に構成され、また、第一連結部8a、第二連結部8b及び第三連結部8cが全て同形同大の筒状体に構成されている。
【0038】
すなわち、第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cは、同形同大に構成され、本実施例の連結構造体1は、この三つの同一部材(第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9c)が一本の軸部材6(ボルト6a及びナット6b)により連結されて構成されており、本実施例は、図1,2に示すように、前記構成の二体の連結構造体1を、ボルト2a、ナット2bからなる連結部材2で連結してなる構成とされている。
【0039】
また、本実施例において、連結構造体1同士を連結する連結部材2(ボルト2a及びナット2b)と、連結構造体1を構成する第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cを連結する軸部材6(ボルト6a及びナット6b)は、同一のボルト、ナットが採用されている。
【0040】
また、本実施例の連結構造体1は、第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cを全て同一部材で構成されているが、たとえば、第二部材9b及び第三部材9cを同一部材、第一部材9aをこれらと異なる構成(たとえば第三主筒4c(第三副筒7c)の長さが異なる構成)としても良い。
【0041】
また、本実施例は、一の連結構造体1(図中上側の連結構造体1)の第一部材9aに設けられる第一主筒4aが、作業者のベルトに装着されるベルトループ20と連結される連結部となり、図3に示すように、この第一主筒4aをベルトループ20に設けられた一対の筒状連結部20aの間に、この一対の筒状連結部20aと連通状態に配設し、この連通状態の一対の筒状連結部20aと第一主筒4aとに連結部材21、具体的には、ボルト21aを挿通しナット21bを螺着して抜け止め状態にすることでベルトループ20と連結することができるように構成されている。
【0042】
また、本実施例は、図4,5に示すように、二の連結構造体1(図中下側の連結構造体1)の第二部材9b及び第三部材9cに設けられる取付部5(第二部材9bの第二連結部8bに設けられる取付部5と第三部材9cの第三連結部8cに設けられる取付部5)に別体の携帯付属物用連結体10を取り付け、この携帯付属物用連結体10を介して工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付けることができるように構成されている。
【0043】
具体的には、携帯付属物用連結体10は、一対のL字状連結部材10aを連結してなるものであり、本実施例は、分離状態の一方のL字状連結部材10aを二の連結構造体1の第二部材9b及び第三部材9cに設けられる取付部5に挿通配設し、他方を携帯付属物30に設けられる挿通部30aに挿通配設し、夫々に挿通配設したL字状連結部材10a同士をボルト11a、ナット11bで連結することで、携帯付属物30を取り付けることができるように構成されている。
【0044】
本実施例は上述のように構成したから、一の連結構造体1の第二主筒4bと第三主筒4cの間に、二の連結構造体1の第一主筒4aを、第二主筒4b及び第三主筒4cと連通状態に配設し、この連通状態に配設した第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cに連結部材2、具体的には、ボルト2aを挿通配設し、これにナット2bを螺着して抜け止め状態にするの極めて簡易な作業で、連結構造体1同士を容易に連結することができる。
【0045】
また、連結部材2により連結された連結構造体1同士は、この連結部材2(ボルト2a)を回動軸として相対回動可能に設けられることとなり、さらに、本実施例は、連結構造体1同士が相対回動するだけではなく、連結構造体1を構成する第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cが軸部材6のボルト6aを回動軸として回動自在に設けられることとなり、これにより、従来のチェーン型連結金具(長尺タイプ)と同等、若しくはそれ以上にチェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能なものとなる。
【0046】
このように、本実施例は、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能でありながら、容易に組み付け連結可能な実用性に優れた連結具となる。
【0047】
また、本実施例は、ベルトループ20や携帯付属物30との連結も容易であり、ベルトループ20との連結は、連結構造体1同士の連結と同様、ベルトループ20の一対の筒状連結部20aの間に、一の連結構造体1の第一主筒4aを、一対の筒状連結部20aと連通状態に配設し、この連通状態に配設した一対の筒状連結部20a及び第一主筒4aに連結部材21(ボルト21a及びナット21)を挿通配設するだけで、ベルトループ20に連結することができる。
【0048】
また、携帯付属物30との連結は、分離させた携帯付属物用連結体10の一方のL字状連結部材10aを二の連結構造体1の第二部材9b及び第三部材9cに設けられる取付部5に挿通配設し、他方を携帯付属物30に設けられる挿通部30aに挿通配設し、夫々に挿通配設したL字状連結部材10a同士をボルト11a、ナット11bで連結するだけでで、携帯付属物30を取り付けることができる。
【0049】
なお、本実施例は、図6に示すように、一体の連結構造体1のみを連結具として使用することもできる。
【0050】
<実施例2>
本実施例に係る連結具について、図7~10に基づいて説明する。
【0051】
本実施例は、実施例1と連結部の構成が異なる場合である。
【0052】
具体的には、本実施例の連結部、すなわち、第一主筒4aと第一副筒7aとを連結する第一連結部8a、第二主筒4bと第二副筒7bとを連結する第二連結部8b及び第三主筒4cと第三副筒7cとを連結する第三連結部8cは、夫々、図7に示すように、板状体に構成されている。
【0053】
また、第一連結部8a、第二連結部8b及び第三連結部8cは、夫々、図8に示すように、板面中央に携帯付属物用連結体10をボルト12a、ナット12bで取り付け固定するための挿通孔5aが設けられ、取付部5に構成されている。
【0054】
具体的には、本実施例は、図9に示すように、二の連結構造体1の第二部材9bの第二連結部8b及び第三部材9cの第三連結部8cが取付部5となり、この各取付部5の挿通孔5aと携帯付属物用連結体10に設けられた連通孔(図示省略)とを連通状態にし、この連通孔にボルト12aを挿通しナット12bで固定することで、携帯付属物用連結体10を取り付けることができるように構成されている。
【0055】
その余の構成は実施例1と同様である。
【0056】
なお、本実施例も実施例1と同様、図10に示すように、一体の連結構造体1のみを連結具として使用することもできる。
【0057】
<実施例3>
本実施例に係る連結具について、図11~16に基づいて説明する。なお、本実施例は、四体の連結構造体1を連結した構成の場合であるが、連結具を構成する連結構造体1の連結数は適宜設計変更可能である。
【0058】
本実施例の連結構造体1は、図11に示すように、横長方形板状に構成された連設部3を備え、この横長方形板状の連設部3の一側長辺部の長手方向中央に第一主筒4aが設けられ、他側長辺部の長手方向一側に第二主筒4b、長手方向他側に前記第三主筒4cが夫々設けられた構成である。
【0059】
具体的には、本実施例の連結構造体1は、金属製(アルミ製、アルミ合金製若しくはステンレス製)であり、図11に示すように、第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cは、同形の円筒状体に構成されている。
【0060】
より具体的には、第二主筒4bと第三主筒4cは同形同大の円筒状体に構成され、また、第一主筒4aよりも短い長さに設定されている(本実施例は、第一主筒4aの約1/2の長さに設定)。
【0061】
また、連設部3は、前述のとおり、横長方形板状に構成され、図12に示すように、板面に携帯付属物用連結体10をボルト11a、ナット11bで取り付け固定するための挿通孔5aが設けられ、取付部5に構成されている。
【0062】
また、本実施例は、一の連結構造体1(図中最上側の連結構造体1)に設けられる第一主筒4aが、作業者のベルトに装着されるベルトループ20と連結される連結部となり、図13に示すように、この第一主筒4aをベルトループ20に設けられた一対の筒状連結部20aの間に、この一対の筒状連結部20aと連通状態に配設し、この連通状態の一対の筒状連結部20aと第一主筒4aとに連結部材21、具体的には、ボルト21aを挿通しナット21bを螺着して抜け止め状態にすることでベルトループ20と連結することができるように構成されている。
【0063】
また、本実施例は、図14に示すように、四の連結構造体1(図中最下側の連結構造体1)の連設部3でもある取付部5に別体の携帯付属物用連結体10を取り付け、この携帯付属物用連結体10を介して工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付けることができるように構成されている。
【0064】
具体的には、本実施例は、図14に示すように、取付部5(連設部3)に設けられた挿通孔5aと携帯付属物用連結体10に設けられた連通孔10bとを連通状態にし、この連通孔にボルト12aを挿通しナット12bで固定することで、図15に示すように、携帯付属物用連結体10を取り付けることができるように構成されている。
【0065】
本実施例は上述のように構成したから、従来のチェーン型連結金具(長尺タイプ)と同様、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能なものとなる。
【0066】
しかも、本実施例の連結構造体1は、第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cが横長方形板状に形成された一つの連設部3で一体的に形成された一部材で構成されているから、本実施例のように四つの連結構造体1を連結する場合でも、その部品数はわずか7つであり、このように少数の部品で構成されることで、組み立てが極めて容易であり、また、低コストに製造可能な画期的な連結具となる。
【0067】
なお、本実施例も実施例1,2と同様、図16に示すように、一体の連結構造体1のみを連結具として使用することもできる。
【0068】
また、本発明は、実施例1~3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0069】
1 連結構造体
2 連結部材
2a ボルト
2b ナット
3 連設部
4a 第一主筒
4b 第二主筒
4c 第三主筒
5 取付部
6 軸部材
7a 第一副筒
7b 第二副筒
7c 第三副筒
8a 第一連結部
8b 第二連結部
8c 第三連結部
9a 第一部材
9b 第二部材
9c 第三部材
10 携帯付属物用連結体
30 携帯付属物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-10-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体と、前記連結構造体同士を連結する連結部材とを備え、前記連結構造体は、前記連結部材を挿通可能に構成され、連設部を介して連設される第一主筒、第二主筒及び第三主筒を有し、前記第二主筒及び前記第三主筒は、前記第一主筒の中心軸線と平行且つ連通状態に設けられ、さらに、前記第二主筒は、平面視において前記第一主筒の長手方向一側端部よりも外側に設けられ、また、前記第三主筒は、平面視において前記第一主筒の長手方向他側端部よりも外側に設けられた構成であり、一の前記連結構造体の前記第二主筒と前記第三主筒の間に、他の連結構造体の前記第一主筒が前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒と連通状態に配設され、この連通状態に配設された前記他の連結構造体の前記第一主筒並びに前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒に前記連結部材が挿通されて前記連結構造体同士が連結され、前記連設部は、一本の軸部材と、この軸部材の長手方向中央部に被嵌される第一副筒、前記軸部材の長手方向一側に被嵌される第二副筒及び前記軸部材の長手方向他側に被嵌される第三副筒と、前記第一副筒に突設される第一連結部、前記第二副筒に突設される第二連結部及び前記第三副筒に突設される第三連結部とからなり、前記第二連結部及び前記第三連結部は、前記第一連結部の突出方向と逆方向に突出するように構成され、前記第一主筒は、前記第一連結部に前記第一副筒と平行に設けられ、前記第二主筒は、前記第二連結部に前記第二副筒と平行に設けられ、前記第三主筒は、第三連結部に前記第三副筒と平行に設けられ、前記第二連結部及び前記第三連結部には、夫々、携帯付属物用連結体を取り付ける取付部が設けられ、この取付部に取り付けられた前記携帯付属物用連結体を介して前記携帯付属物が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項2】
請求項記載の連結具において、前記第一主筒、前記第一副筒及び前記第一連結部は一体に形成されて第一部材として構成され、前記第二主筒、前記第二副筒及び前記第二連結部は一体に形成されて第二部材として構成され、前記第三主筒、前記第三副筒及び前記第三連結部は一体に形成されて第三部材として構成され、前記第二部材と前記第三部材とは、同形同大に構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項3】
請求項2記載の連結具において、前記第一部材は、前記第二部材及び前記第三部材と同形同大に構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項4】
請求項1~いずれか1項に記載の連結具において、前記連結部材は、ボルト及びナットであり、連通状態の前記他の連結構造体の前記第一主筒、前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒に抜け止め挿通されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項5】
作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体と、前記連結構造体同士を連結する連結部材とを備え、前記連結構造体は、第一主筒と該第一主筒に対して第一連結部を介して平行配設される第一副筒とを有する第一部材、第二主筒と該第二主筒に対して第二連結部を介して平行配設される第二副筒とを有する第二部材及び第三主筒と該第三主筒に対して第三連結部を介して平行配設される第三副筒とを有する第三部材で構成され、前記第二部材は、前記第二副筒が前記第一部材の前記第一副筒と連通状態になるようにして前記第一部材の左右一側に配され、前記第三部材は、前記第三副筒が前記第一部材の前記第一副筒と連通状態となるようにして前記第一部材の左右他側に配され、これら前記第一部材、前記第二部材及び前記第三部材は、連通状態の前記第一副筒、前記第二副筒及び前記第三副筒に軸部材が挿通されることで連設され、一の前記連結構造体の前記第二部材と前記第三部材の間に、他の前記連結構造体の前記第一部材を配すると共に、前記他の連結構造体の前記第一主筒並びに前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒を連通状態にし、この連通状態の前記他の連結構造体の前記第一主筒並びに前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒に前記連結部材が挿通されることで前記連結構造体同士が連結されるように構成され、さらに、前記第二部材及び前記第三部材には、夫々、携帯附属物用連結体を挿通配設により取り付け可能な取付部が設けられ、最下端に位置する前記第二部材及び前記第三部材の前記各取付部に挿通配設された前記携帯付属物用連結体を介して前記携帯付属物が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【請求項6】
請求項5記載の連結具において、最上部に位置する前記連結構造体の前記第一部材には、ベルトループが設けられていることを特徴とする連結具。
【請求項7】
作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物を取り付ける際に用いる連結具であって、第一部材、第二部材及び第三部材からなる連結構造体を有し、前記第一部材は、第一主筒と該第一主筒に対して第一連結部を介して平行配設される第一副筒とを有し、前記第二部材は、第二主筒と該第二主筒に対して第二連結部を介して平行配設される第二副筒とを有し、前記第三部材は、第三主筒と該第三主筒に対して第三連結部を介して平行配設される第三副筒とを有し、前記第二部材は、前記第二副筒が前記第一部材の前記第一副筒と連通状態になるようにして前記第一部材の左右一側に配され、前記第三部材は、前記第三副筒が前記第一部材の前記第一副筒と連通状態となるようにして前記第一部材の左右他側に配され、これら前記第一部材、前記第二部材及び前記第三部材は、連通状態の前記第一副筒、前記第二副筒及び前記第三副筒に軸部材が挿通されることで連設され、さらに、前記第一部材には、ベルトループが設けられ、また、前記第二部材及び前記第三部材には、夫々、携帯附属物用連結体を挿通配設により取り付け可能な取付部が設けられ、この取付部に挿通配設された前記携帯付属物用連結体を介して前記携帯付属物が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物を取り付ける際に用いる連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の連結具として、特許文献1,2に開示されるチェーン型連結具が知られている。
【0003】
このチェーン型連結具は、パイプ部材を遊嵌させた二本のボルトを連結プレートにより連結してなるものであり、連結プレートは、パイプ部材により内方移動が抑制され、チェーン形状が保持されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭53-150594号公報
【特許文献2】実用新案登録第3236292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1,2に開示されるチェーン型連結具は、二本のボルトを連結した短尺タイプであるが、このチェーン型連結具には、図17(a)に示すように、連結するボルト数を増やし、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能となる長尺タイプのものもある。
【0006】
図17(a)は、四本のボルト40を連結した構成とした場合である。この構成の場合、ボルト40同士の連結に必要な連結プレート41の数は、図示するように、片側三枚ずつの計六枚となる。
【0007】
この六枚の連結プレート41を用いて四本のボルト40を連結する場合、一本目と二本目のボルト40を連結する一枚目の連結プレート41に上から重ねるように二本目と三本目のボルト40を連結する二枚目の連結プレート41をセットするが、三本目と四本目のボルト40を連結する三枚目の連結プレート41は、二枚目の連結プレート41に上から重ねるようにセットすると、図17(b)に示すように連結プレート41とボルト40に遊嵌するパイプ部材42との隙間が徐々に広がってゆき、チェーン形状の外観が損なわれるため、三枚目の連結プレート41は、図17(a)に示すように、二枚目の連結プレート41の下側に位置するようにセットするのが一般的である。
【0008】
しかしながら、上記のように連結プレートを内外交互にセットして組み付けてゆくのは非常に厄介な作業であった。
【0009】
本発明は、このような従来のチェーン型連結具が有する問題に鑑みなされたものであり、従来のチェーン型連結具が有する機能を有しながらも、容易に組み付け連結可能な実用性に優れた連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体1と、前記連結構造体1同士を連結する連結部材2とを備え、前記連結構造体1は、前記連結部材2を挿通可能に構成され、連設部3を介して連設される第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cを有し、前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cは、前記第一主筒4aの中心軸線と平行且つ連通状態に設けられ、さらに、前記第二主筒4bは、平面視において前記第一主筒4aの長手方向一側端部よりも外側に設けられ、また、前記第三主筒4cは、平面視において前記第一主筒4aの長手方向他側端部よりも外側に設けられた構成であり、一の前記連結構造体1の前記第二主筒4bと前記第三主筒4cの間に、他の連結構造体1の前記第一主筒4aが前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cと連通状態に配設され、この連通状態に配設された前記他の連結構造体1の前記第一主筒4a並びに前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cに前記連結部材2が挿通されて前記連結構造体1同士が連結され、前記連設部3は、一本の軸部材6と、この軸部材6の長手方向中央部に被嵌される第一副筒7a、前記軸部材6の長手方向一側に被嵌される第二副筒7b及び前記軸部材6の長手方向他側に被嵌される第三副筒7cと、前記第一副筒7aに突設される第一連結部8a、前記第二副筒7bに突設される第二連結部8b及び前記第三副筒7cに突設される第三連結部8cとからなり、前記第二連結部8b及び前記第三連結部8cは、前記第一連結部8aの突出方向と逆方向に突出するように構成され、前記第一主筒4aは、前記第一連結部8aに前記第一副筒7aと平行に設けられ、前記第二主筒4bは、前記第二連結部8bに前記第二副筒7bと平行に設けられ、前記第三主筒4cは、第三連結部8cに前記第三副筒7cと平行に設けられ、前記第二連結部8b及び前記第三連結部8cには、夫々、携帯付属物用連結体10を取り付ける取付部5が設けられ、この取付部5に取り付けられた前記携帯付属物用連結体10を介して前記携帯付属物30が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0012】
また、請求項記載の連結具において、前記第一主筒4a、前記第一副筒7a及び前記第一連結部8aは一体に形成されて第一部材9aとして構成され、前記第二主筒4b、前記第二副筒7b及び前記第二連結部8bは一体に形成されて第二部材9bとして構成され、前記第三主筒4c、前記第三副筒7c及び前記第三連結部8cは一体に形成されて第三部材9cとして構成され、前記第二部材9bと前記第三部材9cとは、同形同大に構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0013】
また、請求項2記載の連結具において、前記第一部材9aは、前記第二部材9b及び前記第三部材9cと同形同大に構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0014】
また、請求項1~いずれか1項に記載の連結具において、前記連結部材2は、ボルト2a及びナット2bであり、連通状態の前記他の連結構造体1の前記第一主筒4a、前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cに抜け止め挿通されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0015】
また、作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体1と、前記連結構造体1同士を連結する連結部材2とを備え、前記連結構造体1は、第一主筒4aと該第一主筒4aに対して第一連結部8aを介して平行配設される第一副筒7aとを有する第一部材9a、第二主筒4bと該第二主筒4bに対して第二連結部8bを介して平行配設される第二副筒7bとを有する第二部材9b及び第三主筒4cと該第三主筒4cに対して第三連結部8cを介して平行配設される第三副筒7cとを有する第三部材9cで構成され、前記第二部材9bは、前記第二副筒7bが前記第一部材9aの前記第一副筒7aと連通状態になるようにして前記第一部材9aの左右一側に配され、前記第三部材9cは、前記第三副筒7cが前記第一部材9aの前記第一副筒7aと連通状態となるようにして前記第一部材9aの左右他側に配され、これら前記第一部材9a、前記第二部材9b及び前記第三部材9cは、連通状態の前記第一副筒7a、前記第二副筒7b及び前記第三副筒7cに軸部材6が挿通されることで連設され、一の前記連結構造体1の前記第二部材9bと前記第三部材9cの間に、他の前記連結構造体1の前記第一部材9aを配すると共に、前記他の連結構造体1の前記第一主筒4a並びに前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cを連通状態にし、この連通状態の前記他の連結構造体1の前記第一主筒4a並びに前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cに前記連結部材2が挿通されることで前記連結構造体1同士が連結されるように構成され、さらに、前記第二部材9b及び前記第三部材9cには、夫々、携帯附属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5が設けられ、最下端に位置する前記第二部材9b及び前記第三部材9cの前記各取付部5に挿通配設された前記携帯付属物用連結体10を介して前記携帯付属物30が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0016】
また、請求項5記載の連結具において、最上部に位置する前記連結構造体1の前記第一部材9aには、ベルトループ20が設けられていることを特徴とする連結具に係るものである。
【0017】
また、作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付ける際に用いる連結具であって、第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cからなる連結構造体1を有し、前記第一部材9aは、第一主筒4aと該第一主筒4aに対して第一連結部8aを介して平行配設される第一副筒7aとを有し、前記第二部材9bは、第二主筒4bと該第二主筒4bに対して第二連結部8bを介して平行配設される第二副筒7bとを有し、前記第三部材9cは、第三主筒4cと該第三主筒4cに対して第三連結部8cを介して平行配設される第三副筒7cとを有し、前記第二部材9bは、前記第二副筒7bが前記第一部材9aの前記第一副筒7aと連通状態になるようにして前記第一部材9aの左右一側に配され、前記第三部材9cは、前記第三副筒7cが前記第一部材9aの前記第一副筒7aと連通状態となるようにして前記第一部材9aの左右他側に配され、これら前記第一部材9a、前記第二部材9b及び前記第三部材9cは、連通状態の前記第一副筒7a、前記第二副筒7b及び前記第三副筒7cに軸部材6が挿通されることで連設され、さらに、前記第一部材9aには、ベルトループ20が設けられ、また、前記第二部材9b及び前記第三部材9cには、夫々、携帯附属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5が設けられ、この取付部5に挿通配設された前記携帯付属物用連結体10を介して前記携帯付属物30が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能でありながら、容易に組み付け連結可能な実用性に優れた連結具となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1を示す説明分解斜視図である。
図2】実施例1を示す正面図である。
図3】実施例1のベルトループへの取り付け方法を示す説明図である。
図4】実施例1の携帯付属物用連結体を用いた携帯付属物の取付け方法を示す説明図である。
図5】実施例1の使用状態を示す斜視図である。
図6】実施例1の別使用例を示す説明正面図である。
図7】実施例2を示す説明分解斜視図である。
図8】実施例2を示す正面図である。
図9】実施例2の使用状態を示す斜視図である。
図10】実施例2の別使用例を示す説明正面図である。
図11】実施例3を示す説明分解斜視図である。
図12】実施例3を示す正面図である。
図13】実施例3のベルトループへの取り付け方法を示す説明図である。
図14】実施例3の携帯付属物用連結体を用いた携帯付属物の取付け方法を示す説明図である。
図15】実施例3の使用状態を示す斜視図である。
図16】実施例3の別使用例を示す説明正面図である。
図17】従来例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0021】
本発明は、一の連結構造体1の第二主筒4bと第三主筒4cの間に、他の連結構造体1の第一主筒4aを、前記一の連結構造体1の第二主筒4b及び第三主筒4cと連通状態に配設し、この連通状態に配設した前記他の連結構造体1の第一主筒4a、前記一の連結構造体1の第二主筒4b及び第三主筒4cに連結部材2(たとえばボルト2a)を挿通配設するだけで、連結構造体1同士を連結することができる。
【0022】
また、連結部材2により連結された連結構造体1同士は、この連結部材2を回動軸として相対回動可能に設けられることとなり、従来のチェーン型連結金具(長尺タイプ)と同様、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能なものとなる。
【0023】
このように、本発明は、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能でありながら、容易に組み付け連結可能な実用性に優れた連結具となる。
【実施例0024】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体1と、この連結構造体1同士を連結する連結部材2とを備え、連結構造体1は、連結部材2を挿通可能に構成され、連設部3を介して連設される第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cを有し、第二主筒4b及び第三主筒4cは、第一主筒4aの中心軸線と平行且つ連通状態に設けられ、さらに、第二主筒4bは、平面視において第一主筒4aの長手方向一側端部よりも外側に設けられ、また、第三主筒4cは、平面視において第一主筒4aの長手方向他側端部よりも外側に設けられた構成であり、一の連結構造体1の第二主筒4bと第三主筒4cの間に、他の連結構造体1の第一主筒4aがこれらと連通状態に配設され、この連通状態に配設された一の連結構造体1の第一主筒4aと、他の連結構造体1の第二主筒4b及び第三主筒4cとに連結部材2が挿通されて連結構造体1同士が連結されているものである。
【0026】
具体的には、本実施例は、連結部材2がボルト2a及びナット2bで構成され、連通状態の第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cに挿通配設されるボルト2aにナット2bが螺着され、このナット2bにより抜け止めされ、この連結部材2により連結された連結構造体1同士は、この連結部材2を回動軸として相対回動可能に設けられ、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能となるように構成されている。
【0027】
また、本実施例は、連設部3の構成が異なる以下の実施例1~3の形態に構成することができる。
【0028】
<実施例1>
本実施例に係る連結具について、図1~6に基づいて説明する。なお、本実施例は、二体の連結構造体1を連結した構成の場合であるが、連結具を構成する連結構造体1の連結数は適宜設計変更可能である。
【0029】
本実施例の連結構造体1は、図1に示すように、一本の軸部材6と、この軸部材6の長手方向中央部に被嵌される第一副筒7a、軸部材6の長手方向一側に被嵌される第二副筒7b及び軸部材6の長手方向他側に被嵌される第三副筒7cと、第一副筒7aに突設される第一連結部8a、第二副筒7bに突設される第二連結部8b及び第三副筒7cに突設される第三連結部8cとからなり、且つ、第二連結部8b及び第三連結部8cが第一連結部8aの突出方向と逆方向に突出するように設けられてなる連設部3を備え、さらに、第一主筒4aは第一連結部8aに第一副筒7aと平行に設けられ、第二主筒4bは第二連結部8bに第二副筒7bと平行に設けられ、第三主筒4cは第三連結部8cに第三副筒7cと平行に設けられた構成である。
【0030】
具体的には、本実施例の連結構造体1は、金属製(アルミ製、アルミ合金製若しくはステンレス製)であり、図1に示すように、第一主筒4a、第一副筒7a及び第一連結部8aが一体に形成されてなる第一部材9aと、第二主筒4b、第二副筒7b及び第二連結部8bが一体に形成されてなる第二部材9bと、第三主筒4c、第三副筒7c及び第三連結部8cが一体に形成されてなる第三部材9cとが軸部材6により一体的に連結されてなるものである。
【0031】
より具体的には、第一部材9aを構成する第一主筒4aと第一副筒7aは、同形同大の円筒状体に構成され、また、この第一主筒4aと第一副筒7aとを連結する第一連結部8aは、筒状体に構成され、第一主筒4aと第一副筒7aとを連結すると共に、後述する携帯付属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5となるように構成されている。
【0032】
また、第二部材9bを構成する第二主筒4bと第二副筒7bも、第一主筒4aと第一副筒7aと同様、同形同大の円筒状体に構成され、また、この第二主筒4bと第二副筒7bとを連結する第二連結部8bも、第一連結部8aと同様に筒状体に構成され、第二主筒4bと第二副筒7bとを連結すると共に、携帯付属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5となるように構成されている。
【0033】
また、第三部材9cを構成する第三主筒4cと第三副筒7cも、第一主筒4aと第一副筒7a及び第二主筒4bと第二副筒7bと同様、同形同大の円筒状体に構成され、また、この第三主筒4cと第三副筒7cとを連結する第三連結部8cも、第一連結部8a、第二連結部8bと同様に筒状体に構成され、第三主筒4cと第三副筒7cとを連結すると共に、携帯付属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5となるように構成されている。
【0034】
さらに、本実施例の連結構造体1は、第一主筒4a、第二主筒4b、第三主筒4c、第一副筒7a、第二副筒7b及び第三副筒7cが全て同形同大の円筒状体に構成され、また、第一連結部8a、第二連結部8b及び第三連結部8cが全て同形同大の筒状体に構成されている。
【0035】
すなわち、第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cは、同形同大に構成され、本実施例の連結構造体1は、この三つの同一部材(第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9c)が一本の軸部材6(ボルト6a及びナット6b)により連結されて構成されており、本実施例は、図1,2に示すように、前記構成の二体の連結構造体1を、ボルト2a、ナット2bからなる連結部材2で連結してなる構成とされている。
【0036】
また、本実施例において、連結構造体1同士を連結する連結部材2(ボルト2a及びナット2b)と、連結構造体1を構成する第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cを連結する軸部材6(ボルト6a及びナット6b)は、同一のボルト、ナットが採用されている。
【0037】
また、本実施例の連結構造体1は、第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cを全て同一部材で構成されているが、たとえば、第二部材9b及び第三部材9cを同一部材、第一部材9aをこれらと異なる構成(たとえば第三主筒4c(第三副筒7c)の長さが異なる構成)としても良い。
【0038】
また、本実施例は、一の連結構造体1(図中上側の連結構造体1)の第一部材9aに設けられる第一主筒4aが、作業者のベルトに装着されるベルトループ20と連結される連結部となり、図3に示すように、この第一主筒4aをベルトループ20に設けられた一対の筒状連結部20aの間に、この一対の筒状連結部20aと連通状態に配設し、この連通状態の一対の筒状連結部20aと第一主筒4aとに連結部材21、具体的には、ボルト21aを挿通しナット21bを螺着して抜け止め状態にすることでベルトループ20と連結することができるように構成されている。
【0039】
また、本実施例は、図4,5に示すように、二の連結構造体1(図中下側の連結構造体1)の第二部材9b及び第三部材9cに設けられる取付部5(第二部材9bの第二連結部8bに設けられる取付部5と第三部材9cの第三連結部8cに設けられる取付部5)に別体の携帯付属物用連結体10を取り付け、この携帯付属物用連結体10を介して工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付けることができるように構成されている。
【0040】
具体的には、携帯付属物用連結体10は、一対のL字状連結部材10aを連結してなるものであり、本実施例は、分離状態の一方のL字状連結部材10aを二の連結構造体1の第二部材9b及び第三部材9cに設けられる取付部5に挿通配設し、他方を携帯付属物30に設けられる挿通部30aに挿通配設し、夫々に挿通配設したL字状連結部材10a同士をボルト11a、ナット11bで連結することで、携帯付属物30を取り付けることができるように構成されている。
【0041】
本実施例は上述のように構成したから、一の連結構造体1の第二主筒4bと第三主筒4cの間に、二の連結構造体1の第一主筒4aを、第二主筒4b及び第三主筒4cと連通状態に配設し、この連通状態に配設した第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cに連結部材2、具体的には、ボルト2aを挿通配設し、これにナット2bを螺着して抜け止め状態にするの極めて簡易な作業で、連結構造体1同士を容易に連結することができる。
【0042】
また、連結部材2により連結された連結構造体1同士は、この連結部材2(ボルト2a)を回動軸として相対回動可能に設けられることとなり、さらに、本実施例は、連結構造体1同士が相対回動するだけではなく、連結構造体1を構成する第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cが軸部材6のボルト6aを回動軸として回動自在に設けられることとなり、これにより、従来のチェーン型連結金具(長尺タイプ)と同等、若しくはそれ以上にチェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能なものとなる。
【0043】
このように、本実施例は、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能でありながら、容易に組み付け連結可能な実用性に優れた連結具となる。
【0044】
また、本実施例は、ベルトループ20や携帯付属物30との連結も容易であり、ベルトループ20との連結は、連結構造体1同士の連結と同様、ベルトループ20の一対の筒状連結部20aの間に、一の連結構造体1の第一主筒4aを、一対の筒状連結部20aと連通状態に配設し、この連通状態に配設した一対の筒状連結部20a及び第一主筒4aに連結部材21(ボルト21a及びナット21)を挿通配設するだけで、ベルトループ20に連結することができる。
【0045】
また、携帯付属物30との連結は、分離させた携帯付属物用連結体10の一方のL字状連結部材10aを二の連結構造体1の第二部材9b及び第三部材9cに設けられる取付部5に挿通配設し、他方を携帯付属物30に設けられる挿通部30aに挿通配設し、夫々に挿通配設したL字状連結部材10a同士をボルト11a、ナット11bで連結するだけでで、携帯付属物30を取り付けることができる。
【0046】
なお、本実施例は、図6に示すように、一体の連結構造体1のみを連結具として使用することもできる。
【0047】
<実施例2>
本実施例に係る連結具について、図7~10に基づいて説明する。
【0048】
本実施例は、実施例1と連結部の構成が異なる場合である。
【0049】
具体的には、本実施例の連結部、すなわち、第一主筒4aと第一副筒7aとを連結する第一連結部8a、第二主筒4bと第二副筒7bとを連結する第二連結部8b及び第三主筒4cと第三副筒7cとを連結する第三連結部8cは、夫々、図7に示すように、板状体に構成されている。
【0050】
また、第一連結部8a、第二連結部8b及び第三連結部8cは、夫々、図8に示すように、板面中央に携帯付属物用連結体10をボルト12a、ナット12bで取り付け固定するための挿通孔5aが設けられ、取付部5に構成されている。
【0051】
具体的には、本実施例は、図9に示すように、二の連結構造体1の第二部材9bの第二連結部8b及び第三部材9cの第三連結部8cが取付部5となり、この各取付部5の挿通孔5aと携帯付属物用連結体10に設けられた連通孔(図示省略)とを連通状態にし、この連通孔にボルト12aを挿通しナット12bで固定することで、携帯付属物用連結体10を取り付けることができるように構成されている。
【0052】
その余の構成は実施例1と同様である。
【0053】
なお、本実施例も実施例1と同様、図10に示すように、一体の連結構造体1のみを連結具として使用することもできる。
【0054】
<実施例3>
本実施例に係る連結具について、図11~16に基づいて説明する。なお、本実施例は、四体の連結構造体1を連結した構成の場合であるが、連結具を構成する連結構造体1の連結数は適宜設計変更可能である。
【0055】
本実施例の連結構造体1は、図11に示すように、横長方形板状に構成された連設部3を備え、この横長方形板状の連設部3の一側長辺部の長手方向中央に第一主筒4aが設けられ、他側長辺部の長手方向一側に第二主筒4b、長手方向他側に前記第三主筒4cが夫々設けられた構成である。
【0056】
具体的には、本実施例の連結構造体1は、金属製(アルミ製、アルミ合金製若しくはステンレス製)であり、図11に示すように、第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cは、同形の円筒状体に構成されている。
【0057】
より具体的には、第二主筒4bと第三主筒4cは同形同大の円筒状体に構成され、また、第一主筒4aよりも短い長さに設定されている(本実施例は、第一主筒4aの約1/2の長さに設定)。
【0058】
また、連設部3は、前述のとおり、横長方形板状に構成され、図12に示すように、板面に携帯付属物用連結体10をボルト11a、ナット11bで取り付け固定するための挿通孔5aが設けられ、取付部5に構成されている。
【0059】
また、本実施例は、一の連結構造体1(図中最上側の連結構造体1)に設けられる第一主筒4aが、作業者のベルトに装着されるベルトループ20と連結される連結部となり、図13に示すように、この第一主筒4aをベルトループ20に設けられた一対の筒状連結部20aの間に、この一対の筒状連結部20aと連通状態に配設し、この連通状態の一対の筒状連結部20aと第一主筒4aとに連結部材21、具体的には、ボルト21aを挿通しナット21bを螺着して抜け止め状態にすることでベルトループ20と連結することができるように構成されている。
【0060】
また、本実施例は、図14に示すように、四の連結構造体1(図中最下側の連結構造体1)の連設部3でもある取付部5に別体の携帯付属物用連結体10を取り付け、この携帯付属物用連結体10を介して工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付けることができるように構成されている。
【0061】
具体的には、本実施例は、図14に示すように、取付部5(連設部3)に設けられた挿通孔5aと携帯付属物用連結体10に設けられた連通孔10bとを連通状態にし、この連通孔にボルト12aを挿通しナット12bで固定することで、図15に示すように、携帯付属物用連結体10を取り付けることができるように構成されている。
【0062】
本実施例は上述のように構成したから、従来のチェーン型連結金具(長尺タイプ)と同様、チェーンのごとく柔軟な動き(変形)が可能なものとなる。
【0063】
しかも、本実施例の連結構造体1は、第一主筒4a、第二主筒4b及び第三主筒4cが横長方形板状に形成された一つの連設部3で一体的に形成された一部材で構成されているから、本実施例のように四つの連結構造体1を連結する場合でも、その部品数はわずか7つであり、このように少数の部品で構成されることで、組み立てが極めて容易であり、また、低コストに製造可能な画期的な連結具となる。
【0064】
なお、本実施例も実施例1,2と同様、図16に示すように、一体の連結構造体1のみを連結具として使用することもできる。
【0065】
また、本発明は、実施例1~3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0066】
1 連結構造体
2 連結部材
2a ボルト
2b ナット
3 連設部
4a 第一主筒
4b 第二主筒
4c 第三主筒
5 取付部
6 軸部材
7a 第一副筒
7b 第二副筒
7c 第三副筒
8a 第一連結部
8b 第二連結部
8c 第三連結部
9a 第一部材
9b 第二部材
9c 第三部材
10 携帯付属物用連結体
20 ベルトループ
30 携帯付属物
【手続補正書】
【提出日】2024-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体と、前記連結構造体同士を連結する連結部材とを備え、前記連結構造体は、第一主筒と該第一主筒に対して第一連結部を介して平行配設される第一副筒とを有する第一部材、第二主筒と該第二主筒に対して第二連結部を介して平行配設される第二副筒とを有する第二部材及び第三主筒と該第三主筒に対して第三連結部を介して平行配設される第三副筒とを有する第三部材で構成され、前記第二部材は、前記第二副筒が前記第一部材の前記第一副筒と連通状態になるようにして前記第一部材の左右一側に配され、前記第三部材は、前記第三副筒が前記第一部材の前記第一副筒と連通状態となるようにして前記第一部材の左右他側に配され、これら前記第一部材、前記第二部材及び前記第三部材は、連通状態の前記第一副筒、前記第二副筒及び前記第三副筒に軸部材が挿通されることで連設され、一の前記連結構造体の前記第二部材と前記第三部材の間に、他の前記連結構造体の前記第一部材を配すると共に、前記他の連結構造体の前記第一主筒並びに前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒を連通状態にし、この連通状態の前記他の連結構造体の前記第一主筒並びに前記一の連結構造体の前記第二主筒及び前記第三主筒に前記連結部材が挿通されることで前記連結構造体同士が連結されるように構成され、さらに、前記第二部材及び前記第三部材には、夫々、携帯付属物用連結体を挿通配設により取り付け可能な取付部が設けられ、最下端に位置する前記第二部材及び前記第三部材の前記各取付部に挿通配設された前記携帯付属物用連結体を介して前記携帯付属物が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物を取り付ける際に用いる連結具であって、第一部材、第二部材及び第三部材からなる連結構造体を有し、前記第一部材は、第一主筒と該第一主筒に対して第一連結部を介して平行配設される第一副筒とを有し、前記第二部材は、第二主筒と該第二主筒に対して第二連結部を介して平行配設される第二副筒とを有し、前記第三部材は、第三主筒と該第三主筒に対して第三連結部を介して平行配設される第三副筒とを有し、前記第二部材は、前記第二副筒が前記第一部材の前記第一副筒と連通状態になるようにして前記第一部材の左右一側に配され、前記第三部材は、前記第三副筒が前記第一部材の前記第一副筒と連通状態となるようにして前記第一部材の左右他側に配され、これら前記第一部材、前記第二部材及び前記第三部材は、連通状態の前記第一副筒、前記第二副筒及び前記第三副筒に軸部材が挿通されることで連設され、さらに、前記第一部材には、ベルトループが設けられ、また、前記第二部材及び前記第三部材には、夫々、携帯付属物用連結体を挿通配設により取り付け可能な取付部が設けられ、この取付部に挿通配設された前記携帯付属物用連結体を介して前記携帯付属物が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付ける際に用いる連結具であって、複数の連結構造体1と、前記連結構造体1同士を連結する連結部材2とを備え、前記連結構造体1は、第一主筒4aと該第一主筒4aに対して第一連結部8aを介して平行配設される第一副筒7aとを有する第一部材9a、第二主筒4bと該第二主筒4bに対して第二連結部8bを介して平行配設される第二副筒7bとを有する第二部材9b及び第三主筒4cと該第三主筒4cに対して第三連結部8cを介して平行配設される第三副筒7cとを有する第三部材9cで構成され、前記第二部材9bは、前記第二副筒7bが前記第一部材9aの前記第一副筒7aと連通状態になるようにして前記第一部材9aの左右一側に配され、前記第三部材9cは、前記第三副筒7cが前記第一部材9aの前記第一副筒7aと連通状態となるようにして前記第一部材9aの左右他側に配され、これら前記第一部材9a、前記第二部材9b及び前記第三部材9cは、連通状態の前記第一副筒7a、前記第二副筒7b及び前記第三副筒7cに軸部材6が挿通されることで連設され、一の前記連結構造体1の前記第二部材9bと前記第三部材9cの間に、他の前記連結構造体1の前記第一部材9aを配すると共に、前記他の連結構造体1の前記第一主筒4a並びに前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cを連通状態にし、この連通状態の前記他の連結構造体1の前記第一主筒4a並びに前記一の連結構造体1の前記第二主筒4b及び前記第三主筒4cに前記連結部材2が挿通されることで前記連結構造体1同士が連結されるように構成され、さらに、前記第二部材9b及び前記第三部材9cには、夫々、携帯付属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5が設けられ、最下端に位置する前記第二部材9b及び前記第三部材9cの前記各取付部5に挿通配設された前記携帯付属物用連結体10を介して前記携帯付属物30が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、作業者が装着する腰ベルトに工具を保持する工具保持具や工具を収納する工具袋などの携帯付属物30を取り付ける際に用いる連結具であって、第一部材9a、第二部材9b及び第三部材9cからなる連結構造体1を有し、前記第一部材9aは、第一主筒4aと該第一主筒4aに対して第一連結部8aを介して平行配設される第一副筒7aとを有し、前記第二部材9bは、第二主筒4bと該第二主筒4bに対して第二連結部8bを介して平行配設される第二副筒7bとを有し、前記第三部材9cは、第三主筒4cと該第三主筒4cに対して第三連結部8cを介して平行配設される第三副筒7cとを有し、前記第二部材9bは、前記第二副筒7bが前記第一部材9aの前記第一副筒7aと連通状態になるようにして前記第一部材9aの左右一側に配され、前記第三部材9cは、前記第三副筒7cが前記第一部材9aの前記第一副筒7aと連通状態となるようにして前記第一部材9aの左右他側に配され、これら前記第一部材9a、前記第二部材9b及び前記第三部材9cは、連通状態の前記第一副筒7a、前記第二副筒7b及び前記第三副筒7cに軸部材6が挿通されることで連設され、さらに、前記第一部材9aには、ベルトループ20が設けられ、また、前記第二部材9b及び前記第三部材9cには、夫々、携帯付属物用連結体10を挿通配設により取り付け可能な取付部5が設けられ、この取付部5に挿通配設された前記携帯付属物用連結体10を介して前記携帯付属物30が連結されるように構成されていることを特徴とする連結具に係るものである。