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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172524
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241205BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L21/304 643C
H01L21/304 647Z
H01L21/304 651M
H01L21/30 572B
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090301
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】太田 喬
(72)【発明者】
【氏名】村元 僚
(72)【発明者】
【氏名】福本 将也
(72)【発明者】
【氏名】根本 脩平
【テーマコード(参考)】
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F146MA07
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB45
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157BB23
5F157BB24
5F157BB32
5F157BB33
5F157BB35
5F157BB45
5F157BB53
5F157BB73
5F157BB79
5F157BD33
5F157BE12
5F157BE43
5F157CF16
5F157CF22
5F157CF34
5F157CF40
5F157CF92
5F157DB02
5F157DB03
5F157DB18
(57)【要約】
【課題】基板から効率よく異物を除去できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置100は、基板保持部2と、圧壊部4とを備える。基板保持部2は、基板Wを保持する。圧壊部4は、基板保持部2に保持された基板W上の微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊する。ある実施形態において、圧壊部4は、負圧発生部4Aを含む。負圧発生部4Aは、基板Wの上方空間を負圧にして微細気泡を圧壊する。また、ある実施形態において、負圧発生部4Aは、ノズル41aを含む。ノズル41aは、複数の液噴出口412aを有する。ノズル41aは、複数の液噴出口412aから微細気泡含有処理液を噴出して、複数の液噴出口412aの間の空間を負圧にする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部に保持された前記基板上の微細気泡含有液膜に含有されている微細気泡を圧壊する圧壊部と
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記圧壊部は、前記基板の上方空間を負圧にして前記微細気泡を圧壊する負圧発生部を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記負圧発生部は、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて噴出して、前記微細気泡含有液膜を形成するノズルを含み、
前記ノズルは、前記微細気泡含有処理液を噴出する複数の液噴出口を有し、
前記ノズルは、前記複数の液噴出口から前記微細気泡含有処理液を噴出して、前記複数の液噴出口の間の空間を負圧にする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ノズルは、前記基板に対向して、前記基板との間に隙間を形成する対向面を有し、
前記複数の液噴出口は、前記対向面に設けられて、前記隙間の一部である負圧形成領域を囲み、前記負圧形成領域の外側に向かう斜め方向へ前記微細気泡含有処理液を噴出して、前記負圧形成領域を負圧にする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記負圧発生部は、前記基板保持部に保持された前記基板に対向する対向部材を含み、
前記対向部材は、前記基板に向けて気体を噴出する複数の気体噴出口を有し、
前記対向部材は、前記複数の気体噴出口から前記気体を噴出して、前記複数の気体噴出口の間の空間を負圧にする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記対向部材は、前記基板に対向して、前記基板との間に隙間を形成する対向面を有し、
前記複数の気体噴出口は、前記対向面に設けられて、前記隙間の一部である負圧形成領域を囲み、前記負圧形成領域の外側に向かう斜め方向へ前記気体を噴出して、前記負圧形成領域を負圧にする、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記対向部材は、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて吐出して、前記微細気泡含有液膜を形成する液吐出口を有する、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記負圧発生部は、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて噴出して、前記微細気泡含有液膜を形成するラインノズルを含み、
前記ラインノズルは、前記基板保持部に保持された前記基板に対して略平行に延び、
前記ラインノズルは、前記基板に向けて前記微細気泡含有処理液を噴出する複数の液噴出口を有し、
前記複数の液噴出口は、前記ラインノズルが延びる方向に沿って、前記ラインノズルの両側に配置され、
前記ラインノズルは、前記複数の液噴出口から前記微細気泡含有処理液を噴出して、前記複数の液噴出口の間の空間を負圧にする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ラインノズルは、前記基板に対向して、前記基板との間に隙間を形成する対向面を有し、
前記複数の液噴出口は、前記対向面に設けられて、前記隙間の一部である負圧形成領域の両側に、前記ラインノズルが延びる方向に沿って配置され、前記負圧形成領域の外側に向かう斜め方向へ前記微細気泡含有処理液を噴出して、前記負圧形成領域を負圧にする、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記負圧発生部は、前記基板保持部に保持された前記基板に対向する対向部材を含み、
前記対向部材は、前記基板保持部に保持された前記基板に対して略平行に延び、
前記対向部材は、前記基板に向けて気体を噴出する複数の気体噴出口を有し、
前記複数の気体噴出口は、前記対向部材が延びる方向に沿って、前記対向部材の両側に配置され、
前記対向部材は、前記複数の気体噴出口から前記気体を噴出して、前記複数の気体噴出口の間の空間を負圧にする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記対向部材は、前記基板に対向して、前記基板との間に隙間を形成する対向面を有し、
前記複数の気体噴出口は、前記対向面に設けられ、前記隙間の一部である負圧形成領域を挟み、前記負圧形成領域の外側に向かう斜め方向へ前記気体を噴出して、前記負圧形成領域を負圧にする、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記対向部材は、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて吐出して、前記微細気泡含有液膜を形成する複数の液吐出口を有し、
前記複数の液吐出口は、前記対向部材が延びる方向に沿って、前記複数の気体噴出口の間に配置される、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記負圧発生部は、対向部材と、対向部材回転部とを含み、
前記対向部材は、前記基板保持部に保持された前記基板に対向し、
前記対向部材回転部は、前記対向部材を回転させて、前記基板と前記対向部材との間の空間を負圧にする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記対向部材は、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて吐出して、前記微細気泡含有液膜を形成する液吐出口を有する、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記圧壊部は、前記基板上の前記微細気泡含有液膜に向けて流体を噴出して前記微細気泡を圧壊する流体噴出部を含む、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記圧壊部は、前記微細気泡含有液膜を加熱して前記微細気泡を圧壊する加熱部を含む、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記微細気泡含有液膜は、前記基板の上面に形成され、
前記加熱部は、前記基板の下面を加熱して、前記微細気泡含有液膜を加熱する第1加熱部を含む、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記加熱部は、前記微細気泡含有液膜又は前記基板に光を照射して、前記微細気泡含有液膜を加熱する第2加熱部を含む、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記第2加熱部は、温度放射により前記光を発生させる、請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記第2加熱部は、前記光として、放電により閃光を発生させる、請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記基板保持部及び前記基板を収容する処理室を更に備え、
前記圧壊部は、前記処理室の内側空間を減圧して前記微細気泡を圧壊する減圧部を含む、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記微細気泡は、オゾンガスの気泡を含む、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記微細気泡含有液膜は、前記微細気泡と、液体とを含み、
前記液体は、純水又は硫酸を含む、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微細気泡を含有する洗浄液を用いて基板を洗浄する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。微細気泡は、ナノバブルと、マイクロバブルとを含む。ナノバブルは、直径が1nm以上1μm未満の気泡である。マイクロバブルは、直径が1μm以上1mm未満の気泡である。
【0003】
特許文献1の微細気泡洗浄装置は、微細気泡を含有する気泡洗浄液を用いて、半導体基板を洗浄する。より具体的には、特許文献1の微細気泡洗浄装置は、気泡洗浄液に含有されている微細気泡の寿命を短くした短寿命気泡洗浄液を生成して、短寿命気泡洗浄液を半導体基板に供給する。短寿命気泡洗浄液中の微細気泡は、半導体基板に接触又は衝突することによって圧壊する。この圧壊の際に発生するエネルギーによって、半導体基板から異物が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/021562号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、微細気泡の寿命を短くした短寿命気泡洗浄液を用いて基板を洗浄する場合、短寿命気泡洗浄液中の微細気泡は、半導体基板に接触又は衝突することによって圧壊する。したがって、例えば、基板の表面に複雑な構造のパターンが形成されている場合、パターンの隙間の奥に微細気泡が到達する前に微細気泡が圧壊して、パターンの隙間の奥から異物を除去できない可能性がある。一方、パターンの隙間の奥に到達できる程度に微細気泡の寿命をコントロールした場合、パターンの隙間の入り口付近では微細気泡が圧壊しないため、パターンの隙間の入り口付近から異物を除去できない可能性がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板から効率よく異物を除去できる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、基板保持部と、圧壊部とを備える。前記基板保持部は、基板を保持する。前記圧壊部は、前記基板保持部に保持された前記基板上の微細気泡含有液膜に含有されている微細気泡を圧壊する。
【0008】
ある実施形態において、前記圧壊部は、負圧発生部を含む。前記負圧発生部は、前記基板の上方空間を負圧にして前記微細気泡を圧壊する。
【0009】
ある実施形態において、前記負圧発生部は、ノズルを含む。前記ノズルは、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて噴出して、前記微細気泡含有液膜を形成する。前記ノズルは、前記微細気泡含有処理液を噴出する複数の液噴出口を有する。前記ノズルは、前記複数の液噴出口から前記微細気泡含有処理液を噴出して、前記複数の液噴出口の間の空間を負圧にする。
【0010】
ある実施形態において、前記ノズルは、対向面を有する。前記対向面は、前記基板に対向して、前記基板との間に隙間を形成する。前記複数の液噴出口は、前記対向面に設けられて、前記隙間の一部である負圧形成領域を囲む。前記複数の液噴出口は、前記負圧形成領域の外側に向かう斜め方向へ前記微細気泡含有処理液を噴出して、前記負圧形成領域を負圧にする。
【0011】
ある実施形態において、前記負圧発生部は、対向部材を含む。前記対向部材は、前記基板保持部に保持された前記基板に対向する。前記対向部材は、前記基板に向けて気体を噴出する複数の気体噴出口を有する。前記対向部材は、前記複数の気体噴出口から前記気体を噴出して、前記複数の気体噴出口の間の空間を負圧にする。
【0012】
ある実施形態において、前記対向部材は、対向面を有する。前記対向面は、前記基板に対向して、前記基板との間に隙間を形成する。前記複数の気体噴出口は、前記対向面に設けられて、前記隙間の一部である負圧形成領域を囲む。前記複数の気体噴出口は、前記負圧形成領域の外側に向かう斜め方向へ前記気体を噴出して、前記負圧形成領域を負圧にする。
【0013】
ある実施形態において、前記対向部材は、液吐出口を有する。前記液吐出口は、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて吐出して、前記微細気泡含有液膜を形成する。
【0014】
ある実施形態において、前記負圧発生部は、ラインノズルを含む。前記ラインノズルは、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて噴出して、前記微細気泡含有液膜を形成する。前記ラインノズルは、前記基板保持部に保持された前記基板に対して略平行に延びる。前記ラインノズルは、前記基板に向けて前記微細気泡含有処理液を噴出する複数の液噴出口を有する。前記複数の液噴出口は、前記ラインノズルが延びる方向に沿って、前記ラインノズルの両側に配置される。前記ラインノズルは、前記複数の液噴出口から前記微細気泡含有処理液を噴出して、前記複数の液噴出口の間の空間を負圧にする。
【0015】
ある実施形態において、前記ラインノズルは、対向面を有する。前記対向面は、前記基板に対向して、前記基板との間に隙間を形成する。前記複数の液噴出口は、前記対向面に設けられて、前記隙間の一部である負圧形成領域の両側に、前記ラインノズルが延びる方向に沿って配置される。前記複数の液噴出口は、前記負圧形成領域の外側に向かう斜め方向へ前記微細気泡含有処理液を噴出して、前記負圧形成領域を負圧にする。
【0016】
ある実施形態において、前記負圧発生部は、対向部材を含む。前記対向部材は、前記基板保持部に保持された前記基板に対向する。前記対向部材は、前記基板保持部に保持された前記基板に対して略平行に延びる。前記対向部材は、前記基板に向けて気体を噴出する複数の気体噴出口を有する。前記複数の気体噴出口は、前記対向部材が延びる方向に沿って、前記対向部材の両側に配置される。前記対向部材は、前記複数の気体噴出口から前記気体を噴出して、前記複数の気体噴出口の間の空間を負圧にする。
【0017】
ある実施形態において、前記対向部材は、対向面を有する。前記対向面は、前記基板に対向して、前記基板との間に隙間を形成する。前記複数の気体噴出口は、前記対向面に設けられ、前記隙間の一部である負圧形成領域を挟む。前記複数の気体噴出口は、前記負圧形成領域の外側に向かう斜め方向へ前記気体を噴出して、前記負圧形成領域を負圧にする。
【0018】
ある実施形態において、前記対向部材は、複数の液吐出口を有する。前記複数の液吐出口は、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて吐出して、前記微細気泡含有液膜を形成する。前記複数の液吐出口は、前記対向部材が延びる方向に沿って、前記複数の気体噴出口の間に配置される。
【0019】
ある実施形態において、前記負圧発生部は、対向部材と、対向部材回転部とを含む。前記対向部材は、前記基板保持部に保持された前記基板に対向する。前記対向部材回転部は、前記対向部材を回転させて、前記基板と前記対向部材との間の空間を負圧にする。
【0020】
ある実施形態において、前記対向部材は、液吐出口を有する。前記液吐出口は、前記微細気泡を含有する処理液である微細気泡含有処理液を、前記基板保持部に保持された前記基板に向けて吐出して、前記微細気泡含有液膜を形成する。
【0021】
ある実施形態において、前記圧壊部は、流体噴出部を含む。前記流体噴出部は、前記基板上の前記微細気泡含有液膜に向けて流体を噴出して前記微細気泡を圧壊する。
【0022】
ある実施形態において、前記圧壊部は、加熱部を含む。前記加熱部は、前記微細気泡含有液膜を加熱して前記微細気泡を圧壊する。
【0023】
ある実施形態において、前記微細気泡含有液膜は、前記基板の上面に形成される。前記加熱部は、第1加熱部を含む。前記第1加熱部は、前記基板の下面を加熱して、前記微細気泡含有液膜を加熱する。
【0024】
ある実施形態において、前記加熱部は、第2加熱部を含む。前記第2加熱部は、前記微細気泡含有液膜又は前記基板に光を照射して、前記微細気泡含有液膜を加熱する。
【0025】
ある実施形態において、前記第2加熱部は、温度放射により前記光を発生させる。
【0026】
ある実施形態において、前記第2加熱部は、前記光として、放電により閃光を発生させる。
【0027】
ある実施形態において、上記の基板処理装置は、前記基板保持部及び前記基板を収容する処理室を更に備える。前記圧壊部は、減圧部を含む。前記減圧部は、前記処理室の内側空間を減圧して前記微細気泡を圧壊する。
【0028】
ある実施形態において、前記微細気泡は、オゾンガスの気泡を含む。
【0029】
ある実施形態において、前記微細気泡含有液膜は、前記微細気泡と、液体とを含む。前記液体は、純水又は硫酸を含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る基板処理装置によれば、基板から効率よく異物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の模式的な平面図である。
図2】本発明の実施形態1に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す側面図である。
図3】本発明の実施形態1に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す平面図である。
図4】(a)は、本発明の実施形態1に係る基板処理装置に含まれる第1負圧発生部の構成を示す図である。(b)は、第1ノズルの先端面を示す底面図である。
図5】基板処理時の第1負圧発生部、基板、及び微細気泡含有液膜を示す図である。
図6】本発明の実施形態1に係る基板処理装置の動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態2に係る基板処理装置に含まれる第2負圧発生部の構成を示す図である。
図8】本発明の実施形態3に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す側面図である。
図9】本発明の実施形態3に係る基板処理装置に含まれる第3負圧発生部の構成を示す図である。
図10】本発明の実施形態4に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す側面図である。
図11】本発明の実施形態4に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す平面図である。
図12】(a)は、第1ラインノズルの上面の一部と、保持部の上面と、アームの上面の一部とを示す図である。(b)は、第1ラインノズルの底面の一部を示す図である。
図13】本発明の実施形態4に係る基板処理装置に含まれる第4負圧発生部の構成を示す図である。
図14】本発明の実施形態4に係る基板処理装置に含まれる第4負圧発生部の構成を示す他の図である。
図15】(a)は、第2ラインノズルの上面の一部と、保持部の上面と、アームの上面の一部とを示す図である。(b)は、第2ラインノズルの底面の一部を示す図である。
図16】本発明の実施形態5に係る基板処理装置に含まれる第5負圧発生部の構成を示す図である。
図17】本発明の実施形態5に係る基板処理装置に含まれる第5負圧発生部の構成を示す他の図である。
図18】本発明の実施形態6に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す側面図である。
図19】本発明の実施形態7に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す側面図である。
図20】(a)は、吐出ノズルの移動軌跡を示す平面図である。(b)は、流体噴出部の移動軌跡を示す平面図である。
図21】本発明の実施形態8に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す側面図である。
図22】本発明の実施形態9に係る基板処理装置に含まれる基板処理部の内部の構成を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面(図1図22)を参照して本発明の基板処理装置に係る実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0033】
本発明に係る基板処理装置において基板処理の対象となる「基板」には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、及び光磁気ディスク用基板などの各種の基板を適用可能である。以下では主として、円盤状の半導体ウエハを基板処理の対象とする場合を例に本発明の実施形態を説明するが、本発明に係る基板処理装置は、上記した半導体ウエハ以外の各種の基板に対しても同様に適用可能である。また、基板の形状についても、円盤状に限定されず、本発明に係る基板処理装置は、各種の形状の基板に対して適用可能である。
【0034】
[実施形態1]
まず、図1図6を参照して、本発明の実施形態1を説明する。図1は、本実施形態の基板処理装置100の模式的な平面図である。基板処理装置100は、基板Wを処理する。より具体的には、基板処理装置100は、枚葉式の装置であり、処理液を用いて1枚ずつ基板Wを処理する。以下、処理液による基板Wの処理を「基板処理」と記載する場合がある。本実施形態において、処理液には、微細気泡含有処理液が含まれる。
【0035】
微細気泡含有処理液は、微細気泡を含有する処理液である。微細気泡は、例えば、ナノバブル又はマイクロバブルを含む。微細気泡は、ナノバブル及びマイクロバブルの両者を含んでもよい。ナノバブルは、直径が1nm以上1μm未満の気泡である。マイクロバブルは、直径が1μm以上1mm未満の気泡である。例えば、微細気泡は、直径が1nm以上100μm以下の気泡を含んでもよい。
【0036】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の基板処理部200と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。
【0037】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理部200との間で基板Wを搬送する。なお、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間に、基板Wを一時的に載置する載置台(パス)を設けて、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間で載置台を介して間接的に基板Wを受け渡しする装置構成としてもよい。
【0038】
複数の基板処理部200は、複数のタワーTW(図1では4つのタワーTW)を形成している。複数のタワーTWは、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置される。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理部200(図1では3つの基板処理部200)を含む。
【0039】
基板処理部200の各々は、微細気泡含有処理液を基板Wの上面に供給して、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成する。微細気泡含有液膜LMは、微細気泡を含有する液膜である。基板処理部200の各々は、微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊して、基板Wから異物を除去する。すなわち、基板処理部200は、基板Wを洗浄する。具体的には、微細気泡が圧壊される際に発生するエネルギーにより異物が除去される。異物は、例えば、パーティクル又はレジスト膜を含む。異物は、パーティクル及びレジスト膜の両者を含んでもよい。
【0040】
制御装置101は、基板処理装置100の各部の動作を制御する。例えば、制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、及び基板処理部200を制御する。制御装置101は、制御部102と、記憶部103とを含む。
【0041】
制御部102は、記憶部103に記憶されている各種情報に基づいて基板処理装置100の各部の動作を制御する。制御部102は、例えば、プロセッサを有する。制御部102は、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、又は、MPU(Micro Processing Unit)を有してもよい。あるいは、制御部102は、汎用演算機又は専用演算器を有してもよい。
【0042】
記憶部103は、基板処理装置100の動作を制御するための各種情報を記憶する。例えば、記憶部103は、データ及びコンピュータプログラムを記憶する。データは、種々のレシピデータを含む。レシピデータは、プロセスレシピを含む。プロセスレシピは、基板処理の手順を規定するデータである。具体的には、プロセスレシピは、基板処理に含まる一連の処理の実行順序、各処理の内容、及び各処理の条件(パラメータの設定値)を規定する。
【0043】
記憶部103は、主記憶装置を有する。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。記憶部103は、補助記憶装置を更に有してもよい。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリ及びハードディスクドライブの少なくも一方を含む。記憶部103はリムーバブルメディアを含んでもよい。
【0044】
続いて、図1図3を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図2は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す側面図である。図3は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す平面図である。
【0045】
図2に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、圧壊部4と、リンスノズル6と、カップ10とを有する。基板処理装置100は、リンス液供給部61を更に備える。
【0046】
基板Wは、処理室200a内に搬入されて、処理室200a内で処理される。処理室200aは、略箱形状を有する。処理室200aは、基板保持部2と、基板回転部3と、圧壊部4の一部と、リンスノズル6と、カップ10と、リンス液供給部61の一部とを収容する。処理室200aは、例えば、チャンバーである。
【0047】
基板保持部2は、基板Wを保持する。基板保持部2の動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。より具体的には、基板保持部2は、基板Wを水平な姿勢で保持する。基板保持部2は、例えば、スピンチャックである。本実施形態において、基板保持部2は、複数のチャック部材21と、スピンベース22とを有する。
【0048】
図3に示すように、スピンベース22は、略円板状であり、水平な姿勢で複数のチャック部材21を支持する。複数のチャック部材21は、スピンベース22の周縁部に配置される。複数のチャック部材21は、基板Wの端部EGを挟持する。複数のチャック部材21により、基板Wが水平な姿勢で保持される。複数のチャック部材21の動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。複数のチャック部材21は、基板Wの中心位置CTがスピンベース22の中心と一致するように配置されている。
【0049】
図2に戻る。基板回転部3は、基板保持部2を回転させることにより、基板保持部2に保持されている基板Wを回転させる。具体的には、基板回転部3は、鉛直方向に延びる第1回転軸線AX1を中心として、基板Wと基板保持部2とを一体に回転させる。基板回転部3の動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0050】
詳しくは、第1回転軸線AX1は、スピンベース22の中心を通る。したがって、スピンベース22は、スピンベース22の中心を回転中心として回転する。また、既に説明したように、基板保持部2は、基板Wの中心位置CTがスピンベース22の中心と一致するように基板Wを保持する。したがって、基板Wは、基板Wの中心を回転中心として回転する。
【0051】
基板回転部3は、例えば、シャフト32と、モータ本体31とを有する。シャフト32はスピンベース22に結合される。モータ本体31は、シャフト32を回転させる。その結果、スピンベース22が回転する。モータ本体31の動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。モータ本体31は、例えば、電動モータである。
【0052】
圧壊部4は、基板保持部2に保持された基板W上の微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊する。圧壊部4は、制御装置101(制御部102)によって制御される。本実施形態において、圧壊部4は、第1負圧発生部4Aを含む。第1負圧発生部4Aは、基板Wの上方空間を負圧にして、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊する。具体的には、第1負圧発生部4Aは、第1ノズル41aを含む。本実施形態では更に、第1負圧発生部4Aは、ノズル移動部5Aを含む。
【0053】
第1ノズル41aは、基板処理時に基板Wに対向する。詳しくは、第1ノズル41aは、基板処理時に基板Wの上方に位置する。第1ノズル41aは、基板処理時に、基板保持部2に保持された基板Wの上面に向けて微細気泡含有処理液を噴出して、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成する。より詳しくは、第1ノズル41aは、回転中の基板Wに向けて微細気泡含有処理液を噴出する。図3に示すように、基板処理時に、ノズル移動部5Aは、制御装置101(制御部102)によって制御されて、第1ノズル41aを円弧状の軌跡TJ1に沿って移動させる。
【0054】
具体的には、軌跡TJ1は、基板Wの中心位置CTに対向する位置(中心位置CTの上方の位置)と待機位置PS1とを通過する軌跡である。待機位置PS1は、平面視において基板保持部2の外側の位置である。本実施形態において、待機位置PS1は、平面視においてカップ10の外側の位置である。軌跡TJ1は更に、基板Wの端部EGに対向する位置のうちの2か所通過する。以下、基板Wの端部EGに対向する位置を、「端部対向位置」と記載する場合がある。端部対向位置には、待機位置PS1に近い位置と、待機位置PS1から遠い位置との2か所が含まれる。
【0055】
ノズル移動部5Aは、軌跡TJ1に沿って、2か所の端部対向位置の間で第1ノズル41aを移動させてもよい。例えば、第1ノズル41aは、待機位置PS1に近い側の端部対向位置において微細気泡含有処理液の噴出を開始し、待機位置PS1から遠い側の端部対向位置へ移動するまでの間に微細気泡含有処理液の噴出を継続し、待機位置PS1から遠い側の端部対向位置に到達したタイミングで、微細気泡含有処理液の噴出を停止してもよい。又は、ノズル移動部5Aは、待機位置PS1から基板Wの中心位置CTに対向する位置まで第1ノズル41aを移動させた後に、軌跡TJ1に沿って、2か所の端部対向位置の間で第1ノズル41aを移動させてもよい。この場合、第1ノズル41aは、基板Wの中心位置CTに対向する位置において微細気泡含有処理液の噴出を開始してもよい。以下、2か所の端部対向位置の間で第1ノズル41aが移動する動作を、「フルスキャン」と記載する場合がある。第1ノズル41aは、フルスキャン時に微細気泡含有処理液の噴出を継続する。
【0056】
なお、ノズル移動部5Aは、2か所の端部対向位置の間で第1ノズル41aを複数回往復させてもよい。つまり、ノズル移動部5Aは、第1ノズル41aを複数回フルスキャンさせてもよい。
【0057】
あるいは、ノズル移動部5Aは、軌跡TJ1に沿って、基板Wの中心位置CTに対向する位置と、2か所の端部対向位置の一方との間で第1ノズル41aを移動させてもよい。例えば、第1ノズル41aは、基板Wの中心位置CTに対向する位置において微細気泡含有処理液の噴出を開始し、待機位置PS1に近い側の端部対向位置へ移動するまでの間に微細気泡含有処理液の噴出を継続し、待機位置PS1に近い側の端部対向位置に到達したタイミングで、微細気泡含有処理液の噴出を停止してもよい。以下、基板Wの中心位置CTに対向する位置と、2か所の端部対向位置の一方との間で第1ノズル41aが移動する動作を、「ハーフスキャン」と記載する場合がある。第1ノズル41aは、ハーフスキャン時に微細気泡含有処理液の噴出を継続する。
【0058】
なお、ノズル移動部5Aは、基板Wの中心位置CTに対向する位置と、2か所の端部対向位置の一方との間で第1ノズル41aを複数回往復させてもよい。つまり、ノズル移動部5Aは、第1ノズル41aを複数回ハーフスキャンさせてもよい。
【0059】
図2に戻る。図2に示すように、ノズル移動部5Aは、アーム51Aと、基台52Aと、駆動部53Aとを有し、第1ノズル41aを鉛直方向及び水平方向に移動させる。
【0060】
アーム51Aは水平方向に沿って延びる。アーム51Aは第1ノズル41aを支持する。例えば、第1ノズル41aは、アーム51Aの先端部に結合される。アーム51Aは基台52Aに結合される。基台52Aは、鉛直方向に沿って延びる。
【0061】
駆動部53Aは、鉛直方向及び水平方向にアーム51Aを移動させる。この結果、第1ノズル41aが鉛直方向及び水平方向に移動する。駆動部53Aは、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0062】
具体的には、駆動部53Aは、ノズル揺動機構531Aと、ノズル昇降機構532Aとを含む。ノズル揺動機構531Aは、鉛直方向に延びる第2回転軸線AX2を中心として基台52Aを揺動させて、アーム51Aを水平面に沿って揺動させる。この結果、第1ノズル41aが水平面に沿って移動する。詳しくは、第1ノズル41aは、第2回転軸線AX2を中心とする円弧状の軌跡(図3に示す軌跡TJ1)に沿って移動する。また、ノズル昇降機構532Aは、基台52Aを鉛直方向に沿って昇降させて、アーム51Aを昇降させる。この結果、第1ノズル41aが鉛直方向に沿って移動する。ノズル揺動機構531Aは、例えば、ボールねじ機構と、正逆回転可能な電動モータとを含む。電動モータは、ボールねじ機構を駆動する。ノズル昇降機構532Aも同様に、例えば、ボールねじ機構と、正逆回転可能な電動モータとを含んでもよい。
【0063】
リンスノズル6は固定ノズルであり、静止した状態で、基板Wの上方から回転中の基板Wにリンス液を供給する。リンス液供給部61は、リンスノズル6にリンス液を供給する。リンス液供給部61は、リンス液供給配管611と、リンス液開閉弁612とを含む。処理室200aは、リンス液供給配管611の一部を収容する。リンス液は、例えば、純水(例えば、脱イオン水)のような水、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、又は、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水であってもよい。
【0064】
詳しくは、リンス液は、リンス液供給配管611を介してリンスノズル6に供給される。その結果、リンスノズル6からリンス液が吐出される。リンス液供給配管611は、リンス液が流通する管状部材である。リンス液開閉弁612は、リンス液供給配管611に設けられて、リンス液供給配管611を介したリンス液の供給開始及び供給停止を制御する。リンス液開閉弁612の開閉動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。リンス液開閉弁612は、例えば、電磁弁であってもよい。
【0065】
具体的には、リンス液開閉弁612が開くと、リンス液供給配管611におけるリンス液の流通が開始され、リンス液開閉弁612が閉じると、リンス液供給配管611におけるリンス液の流通が停止する。したがって、リンス液開閉弁612が開くと、リンスノズル6にリンス液供給配管611を介してリンス液が供給されて、リンスノズル6からリンス液が吐出される。リンス液開閉弁612が閉じると、リンスノズル6へのリンス液供給配管611を介したリンス液の供給が停止して、リンスノズル6からのリンス液の吐出が停止する。
【0066】
なお、リンスノズル6は、移動ノズルであってもよい。この場合、基板処理装置100は、リンスノズル6を水平方向及び上下方向に移動させるリンス移動部を更に備える。リンス移動部の構成は、ノズル移動部5Aと略同様であってもよい。
【0067】
カップ10は、回転する基板Wから飛散する処理液を受け止めて、微細気泡含有処理液及びリンス液が処理室200aの内部に飛散することを防止する。具体的には、カップ10は、基板保持部2及び基板回転部3の外方に配置される。カップ10は、略筒形状を有する。換言すると、カップ10は、基板保持部2及び基板回転部3を取り囲んでいる。
【0068】
詳しくは、カップ10は、図示しない昇降部により、上位置と下位置との間で昇降する。上位置は、下位置よりも上方の位置である。例えば、センターロボットCR(図1)により基板Wが処理室200a内部に搬入される際、あるいは、センターロボットCR(図1)により基板Wが処理室200a内部から搬出される際に、カップ10は下位置に退避している。カップ10は、微細気泡含有処理液又はリンス液を受け止める際に、上位置に配置される。換言すると、カップ10は、基板処理時に上位置に配置される。なお、昇降部は、制御装置101(制御部102)によって制御される。昇降部は、例えば、ボールねじ機構と、正逆回転可能な電動モータとを含む。電動モータは、ボールねじ機構を駆動する。
【0069】
続いて、図4を参照して、第1負圧発生部4Aを説明する。図4(a)は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる第1負圧発生部4Aの構成を示す図である。詳しくは、図4(a)は、基板処理時に基板Wの中心位置CT(図3参照)に対向する第1ノズル41aを示す。なお、図4(a)は、第1ノズル41aの断面を示している。図4(b)は、第1ノズル41aの先端面を示す底面図である。第1ノズル41aの先端面は、基板W側の面である。換言すると、第1ノズル41aの先端面は、基板Wに対向する面である。
【0070】
図4(a)に示すように、第1ノズル41aは、複数の液噴出口412aを有する。複数の液噴出口412aはそれぞれ、微細気泡含有処理液を噴出する。具体的には、回転中の基板Wに向けて複数の液噴出口412aから微細気泡含有処理液が噴出される。第1ノズル41aは、複数の液噴出口412aから微細気泡含有処理液を噴出して、複数の液噴出口412aの間の空間を負圧にする。本実施形態において、第1ノズル41aは、対向面411aと、複数の流路413aと、貫通孔414aと、凹部415aと、流入口417aとを更に有する。また、第1負圧発生部4Aは、処理液供給部7と、補助ガス供給部8とを更に有する。
【0071】
対向面411aは、基板処理中に、基板保持部2に保持された基板Wに対向して、対向面411aと基板Wとの間に隙間Gを形成する。すなわち、対向面411aは、第1ノズル41aの先端面を示す。図2に示すノズル移動部5Aは、基板処理時に、隙間Gにおいてベルヌーイ効果が発生し得る位置まで第1ノズル41aを基板Wに接近させる。例えば、基板処理時に、隙間Gの大きさは1mm程度であってもよい。ここで、隙間Gの大きさは、基板Wの上面と対向面411aとの間の距離を示す。
【0072】
複数の流路413a及び流入口417aは、第1ノズル41aの内部に形成される。流入口417aは、複数の流路413aに連通する。処理液供給部7は、流入口417aに微細気泡含有処理液を供給する。この結果、流入口417aを介して複数の流路413aに微細気泡含有処理液が流入する。
【0073】
複数の流路413aは複数の液噴出口412aに連通する。複数の流路413aは複数の液噴出口412aまで微細気泡含有処理液を流通させる。つまり、複数の流路413aは複数の液噴出口412aに微細気泡含有処理液を供給する。この結果、回転中の基板Wに向けて、複数の液噴出口412aから微細気泡含有処理液が噴出して、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。また、複数の液噴出口412aから微細気泡含有処理液が噴出することで、複数の液噴出口412aの間の空間がベルヌーイ効果によって負圧になる。
【0074】
詳しくは、図4(a)に示すように、複数の液噴出口412aは、対向面411aに設けられて、隙間Gの一部である負圧形成領域SPを囲む。換言すると、隙間Gのうち、複数の液噴出口412aによって囲まれる空間が、負圧形成領域SPである。例えば、図4(b)に示すように、複数の液噴出口412aは、円周方向に沿って配置される。
【0075】
図4(a)に示すように、複数の液噴出口412aは、負圧形成領域SPの外側に向かう斜め方向へ微細気泡含有処理液を噴出して、負圧形成領域SPを負圧にする。具体的には、液噴出口412aは、対向面411aの外方に向けて傾斜している。複数の液噴出口412aから噴出された微細気泡含有処理液は、基板Wの上面で流れの向きが側方に変えられ、基板Wの上面と対向面411aとの間の狭い空間(隙間G)を、負圧形成領域SPの外側に向かって高速で流れる。これらの高速な流れがベルヌーイ効果を生じさせ、負圧形成領域SPを負圧にする。
【0076】
凹部415aは、対向面411aに設けられる。複数の液噴出口412aは、凹部415aを囲むように配置される。したがって、凹部415aは、負圧形成領域SPに面する。例えば、凹部415aは、対向面411aの中央部に設けられてもよい。
【0077】
貫通孔414aは、凹部415aに連通する。つまり、貫通孔414aの一端が凹部415aに接続する。貫通孔414aは、第1ノズル41aを貫通する。例えば、貫通孔414aは、鉛直方向に延びる。この場合、貫通孔414aの一端は対向面411a(凹部415a)で開口し、貫通孔414aの他端は、第1ノズル41aの上面で開口する。
【0078】
本実施形態によれば、貫通孔414aが負圧形成領域SPを負圧形成領域SPの外部と連通させる。よって、負圧形成領域SPの負圧が大きくなり過ぎることを回避できる。また、対向面411aに凹部415aを設けることで、負圧形成領域SPの負圧が大きくなり過ぎることをより確実に回避することができる。
【0079】
なお、凹部415aは省略されてもよい。また、貫通孔414aが延びる方向は、負圧形成領域SPを負圧形成領域SPの外部と連通できる限り、特に限定されない。
【0080】
続いて、図4(a)を参照して、処理液供給部7を更に説明する。図4(a)に示すように、処理液供給部7は、微細気泡生成部71と、処理液供給配管72と、第1配管73aと、第2配管73bと、第1開閉弁74aと、第2開閉弁74bと、第1流量調整弁75aと、第2流量調整弁75bとを有する。
【0081】
第1配管73aは、気体を流通させる管状部材であり、微細気泡生成部71まで気体を流通させる。つまり、第1配管73aは、微細気泡生成部71に気体を供給する。
【0082】
第1開閉弁74aは、第1配管73aに設けられて、第1配管73aを介した気体の供給開始及び供給停止を制御する。第1開閉弁74aの開閉動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。第1開閉弁74aの構成は、リンス液開閉弁612(図2)と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0083】
第1流量調整弁75aは、第1配管73aに設けられて、第1配管73aを流通する気体の流量を調整する。第1流量調整弁75aの動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。例えば、第1流量調整弁75aは開度の調整が可能であってもよい。この場合、気体は、第1流量調整弁75aの開度に対応する流量で第1配管73aを流通する。第1流量調整弁75aの開度は、制御装置101(制御部102)によって制御される。第1流量調整弁75aは、例えば、モーターニードルバルブであってもよい。
【0084】
第1配管73aを介して微細気泡生成部71に供給する気体の種類は、後工程や、基板Wを用いて製造される最終製品の性能に影響しない気体である限り、特に限定されない。例えば、気体の種類は、基板Wから除去する対象の異物の種類に応じて決定されてもよい。例えば、基板Wから除去する対象の異物がレジスト膜である場合、気体はオゾンガスであってもよい。オゾンガスを使用することにより、基板Wからレジスト膜を効率よく除去することができる。
【0085】
第2配管73bは、液体を流通させる管状部材であり、微細気泡生成部71まで液体を流通させる。つまり、第2配管73bは、微細気泡生成部71に液体を供給する。
【0086】
第2開閉弁74bは、第2配管73bに設けられて、第2配管73bを介した液体の供給開始及び供給停止を制御する。第2開閉弁74bの開閉動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。第2開閉弁74bの構成は、リンス液開閉弁612(図2)と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0087】
第2流量調整弁75bは、第2配管73bに設けられて、第2配管73bを流通する液体の流量を調整する。第2流量調整弁75bの動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。第2流量調整弁75bの構成は、第1流量調整弁75aと同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0088】
第2配管73bを介して微細気泡生成部71に供給する液体の種類は、後工程や、基板Wを用いて製造される最終製品の性能に影響しない液体である限り、特に限定されない。例えば、液体は、基板処理に用いられる液体であってもよいし、リンス処理に用いられる液体であってもよい。液体の種類は、基板Wから除去する対象の異物の種類に応じて決定されてもよい。例えば、基板Wから除去する対象の異物がレジスト膜である場合、液体は、純水又は硫酸であってもよい。純水又は硫酸を使用することにより、基板Wからレジスト膜を効率よく除去することができる。なお、純水は、例えば、脱イオン水(DIW:Deionzied Water)であってもよい。
【0089】
微細気泡生成部71は、第2配管73bを介して微細気泡生成部71に供給される液体中に、第1配管73aを介して微細気泡生成部71に供給される気体からなる微細気泡を発生させて、微細気泡含有処理液を生成する。微細気泡生成部71の動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0090】
微細気泡生成部71の構成は、液体中に微細気泡を発生させることができる限り、特に限定されない。例えば、微細気泡生成部71は、高速旋回液流式、又は加圧溶解式であってもよいし、超音波キャビテーション式であってもよい。高速旋回液流式及び加圧溶解式により、液体中にマイクロバブルとナノバブルとを同時に発生させることができる。超音波キャビテーション式により、液体中にナノバブルを発生させることができる。
【0091】
なお、微細気泡生成部71の構成は、基板Wに形成されているパターン(構造体)の隙間の寸法に応じて選択又は設計されてもよい。例えば、基板Wに形成されているパターン(構造体)の隙間の寸法が1nm以上1μm未満である場合、超音波キャビテーション式の微細気泡生成部71を用いてもよい。これにより、パターン(構造体)の隙間の内部に微細気泡(ナノバブル)を侵入させることができる。よって、パターン(構造体)の奥から異物を除去することができる。
【0092】
処理液供給配管72は、微細気泡含有処理液を流通させる管状部材であり、微細気泡生成部71において生成された微細気泡含有処理液を第1ノズル41aの流入口417aまで流通させる。つまり、処理液供給配管72は、微細気泡含有処理液を第1ノズル41aの流入口417aに供給する。この結果、複数の流路413aに微細気泡含有処理液が流入して、複数の液噴出口412aから微細気泡含有処理液が噴出する。
【0093】
続いて、第1ノズル41a及び補助ガス供給部8を説明する。補助ガス供給部8は、複数の流路413aに補助ガスを供給する。具体的には、補助ガス供給部8は、補助ガス供給配管8aと、補助ガス開閉弁8bと、流量調整弁8cとを有する。
【0094】
補助ガス供給配管8aは、補助ガスを流通させる管状部材であり、複数の流路413aまで補助ガスを流通させる。つまり、補助ガス供給配管8aは、複数の流路413aに補助ガスを供給する。なお、補助ガス供給配管8aは、複数の流路413aの一部に補助ガスを供給してもよい。この場合、第1ノズル41aは、補助ガス供給配管8aから供給された補助ガスを他の流路413aまで流通させる流路を更に有する。
【0095】
補助ガス開閉弁8bは、補助ガス供給配管8aに設けられて、補助ガス供給配管8aを介した補助ガスの供給開始及び供給停止を制御する。補助ガス開閉弁8bの開閉動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。補助ガス開閉弁8bの構成は、リンス液開閉弁612(図2)と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0096】
流量調整弁8cは、補助ガス供給配管8aに設けられて、補助ガス供給配管8aを流通する補助ガスの流量を調整する。流量調整弁8cの動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。流量調整弁8cの構成は、第1流量調整弁75aと同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0097】
複数の流路413aに補助ガスが供給されることにより、複数の流路413aを流通する微細気泡含有処理液の流速が増加して、複数の液噴出口412aから噴出する微細気泡含有処理液の流速が増加する。よって、隙間Gを流れる微細気泡含有処理液の流速が増加するので、負圧形成領域SPに、より確実に負圧を発生させることができる。
【0098】
詳しくは、補助ガスは、流路413aに微細気泡含有処理液が流入する流入箇所よりも上流側から流路413aに供給される。流路413aに流入する微細気泡含有処理液に対し、補助ガスによる圧力が作用して、微細気泡含有処理液の流速が増加する。例えば、補助ガス供給部8は、第1ノズル41aの上面から複数の流路413aに補助ガスを供給してもよい。なお、補助ガスを供給することにより、微細気泡含有処理液が液噴出口412aからスプレー状に噴出されてもよい。本実施形態によれば、補助ガスの流量を調整することで、微細気泡の圧壊度を調整することができる。
【0099】
補助ガスの種類は、後工程や、基板Wを用いて製造される最終製品の性能に影響しない気体である限り、特に限定されない。例えば、補助ガスは、不活性ガスであってもよい。不活性ガスは、例えば、窒素ガスであってもよい。あるいは、補助ガスは、微細気泡生成部71に供給する気体と同じ種類の気体であってもよい。なお、補助ガス供給部8は、省略されてもよい。
【0100】
続いて、図5を参照して、第1負圧発生部4Aを説明する。図5は、基板処理時の第1負圧発生部4A、基板W、及び微細気泡含有液膜LMを示す図である。既に説明したように、第1負圧発生部4Aは、基板Wの上方空間を負圧にする。具体的には、第1負圧発生部4Aは、基板Wと第1ノズル41aとの間の空間(隙間G)の一部(負圧形成領域SP)を負圧にする。図5に示すように、負圧形成領域SPが負圧になると、微細気泡含有液膜LMの厚みが負圧形成領域SPにおいて薄くなり、負圧形成領域SP内の微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が膨張して圧壊する。この結果、微細気泡が圧壊される際に発生するエネルギーにより、負圧形成領域SP内の異物が基板Wから除去される。具体的には、基板Wに付着している異物が基板Wから離れて、微細気泡含有液膜LM中に混入する。
【0101】
続いて、図1図6を参照して、本実施形態の基板処理装置100の動作を説明する。図6は、本実施形態の基板処理装置100の動作を示すフローチャートである。詳しくは、図6は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる制御装置101(制御部102)が実行する処理の流れを示す。図6に示す処理は、工程S1~工程S5を含む。
【0102】
図6に示すように、制御装置101(制御部102)は、基板処理を実行する際に、まずセンターロボットCRを制御して、処理室200a内に基板Wを搬入させる(工程S1)。そして、制御装置101(制御部102)は、基板保持部2に基板Wを保持させる。基板保持部2が基板Wを保持すると、制御装置101(制御部102)は、カップ10を下位置から上位置へ移動させる。
【0103】
カップ10を下位置から上位置へ移動させた後、制御装置101(制御部102)は、基板回転部3を制御して、基板Wを回転させる。また、制御装置101(制御部102)は、ノズル移動部5Aを制御して、第1ノズル41aを待機位置PS1から基板Wに対向する位置へ移動させる。
【0104】
基板Wの回転速度が既定の回転速度に達すると、制御装置101(制御部102)は、処理液供給部7及び補助ガス供給部8を制御して、回転中の基板Wに向けて第1ノズル41aの複数の液噴出口412aから微細気泡含有処理液を噴出させる。このとき、制御装置101(制御部102)は、ノズル移動部5Aを制御して、図3を参照して説明したように、第1ノズル41aをフルスキャン又はハーフスキャンさせる。この結果、基板Wが処理される(工程S2)。具体的には、基板Wから異物が除去される。
【0105】
詳しくは、第1ノズル41aを移動させながら、複数の液噴出口412aから微細気泡含有処理液を噴出させることにより、微細気泡含有処理液を基板Wの上面に拡げて、微細気泡含有液膜LMを形成することができる。そして、微細気泡含有液膜LMが形成された領域に負圧形成領域SPを移動させて、負圧形成領域SPの範囲内の微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊することができる。
【0106】
更に、本実施形態によれば、回転中の基板Wに対して複数の液噴出口412aから微細気泡含有処理液を噴出させつつ、第1ノズル41aをフルスキャン又はハーフスキャンさせるため、基板Wの上面の略全面を、異物除去の対象領域とすることができる。したがって、基板Wの上面の略全面から異物を除去することができる。
【0107】
制御装置101(制御部102)は、フルスキャン処理又はハーフスキャン処理が終了すると、処理液供給部7及び補助ガス供給部8を制御して、微細気泡含有処理液の噴出を停止させる。その後、制御装置101(制御部102)は、ノズル移動部5Aを制御して、第1ノズル41aを待機位置PS1へ移動させる。
【0108】
制御装置101(制御部102)は、第1ノズル41aを待機位置PS1へ移動させた後、リンス液供給部61を制御して、リンスノズル6から回転中の基板Wにリンス液を供給させる(工程S3)。この結果、基板Wの上面にリンス液の液膜が形成される。換言すると、基板Wの上面の液膜が、微細気泡含有液膜LMからリンス液の液膜に置換される。これにより、基板Wから除去されて微細気泡含有液膜LMに混入した異物が、微細気泡含有液膜LMと共に基板Wの外部へ排出される。
【0109】
制御装置101(制御部102)は、リンス液の供給を開始してから第1既定時間が経過すると、基板回転部3を制御して、基板Wの回転速度を増加させる。この結果、基板Wが乾燥する(工程S4)。基板Wの回転速度を増加させてから第2既定時間が経過すると、制御装置101(制御部102)は、基板回転部3を制御して、基板Wの回転を停止させる。
【0110】
制御装置101(制御部102)は、基板Wの回転を停止させると、カップ10を上位置から下位置へ移動させる。カップ10が下位置へ移動すると、制御装置101(制御部102)は、基板保持部2を制御して、基板Wの保持を解除させる。そして、制御装置101(制御部102)は、センターロボットCRを制御して、処理室200aの外部に基板Wを搬出させる(工程S5)。この結果、図6に示す処理が終了する。
【0111】
以上、図1図6を参照して説明したように、本実施形態によれば、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。この結果、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0112】
例えば、基板Wの表面に複雑な構造のパターン(構造体)が形成されている場合であっても、パターン(構造体)の隙間の奥まで微細気泡含有処理液を侵入させた後に微細気泡を圧壊させることができる。したがって、パターン(構造体)の隙間の入り口付近だけではなく、パターン(構造体)の隙間の奥からも異物を除去することができる。
【0113】
また、寿命が短い微細気泡を使用する構成では、微細気泡が基板に接触又は衝突することによって圧壊するため、液膜中の微細気泡の量が少ない。換言すると、液膜中の微細気泡の密度が小さい。これに対し、本実施形態によれば、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができるため、寿命が短い微細気泡を使用する構成と比べて、液膜中の微細気泡の量が多い状態で微細気泡を一気に圧壊することができる。したがって、寿命が短い微細気泡を使用する構成と比べて、異物除去に寄与するエネルギーが大きくなるため、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0114】
また、寿命が短い微細気泡を使用する構成では、基板に接触又は衝突しなかった微細気泡が、圧壊しないままの状態で液膜中に残存する。これに対し、本実施形態によれば、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。したがって、寿命が短い微細気泡を使用する構成と比べて、液膜中に残存する微細気泡を少なくできる。よって、効率よく異物を除去することができる。
【0115】
また、本実施形態によれば、微細気泡が圧壊する際に発生するエネルギーを利用して異物を除去できるため、処理液のみを用いて異物を除去する構成と比べて、処理液の使用量を削減することができる。
【0116】
また、本実施形態によれば、オゾンガスからなる微細気泡を生成することにより、純水を用いてレジスト膜を剥離することができる。具体的には、オゾンガスからなる微細気泡を用いた場合、微細気泡が圧壊する際に発生するエネルギーと、微細気泡の気液界面の高濃度なオゾンとにより、レジスト膜を剥離することができる。更に、オゾンガスからなる微細気泡を用いることで、オゾン水を用いてレジスト膜を剥離する構成と比べてオゾンの使用量を削減することができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、微細気泡含有処理液の液体に硫酸以外の液体(例えば、純水)を用いることで、硫酸を用いることなくレジスト膜を剥離することができる。よって、環境への負荷を軽減できる。
【0118】
[実施形態2]
続いて図7を参照して本発明の実施形態2について説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態2は、実施形態1と異なり、ベルヌーイ効果を発生させるために第2ノズル41bから気体を噴出する。
【0119】
図7は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる第2負圧発生部4Bの構成を示す図である。詳しくは、図7は、基板処理時に基板Wの中心位置CT(図3参照)に対向する第2ノズル41bを示す。なお、図7は、第2ノズル41bの断面を示している。
【0120】
図7に示すように、本実施形態において、圧壊部4は第2負圧発生部4Bを含む。第2負圧発生部4Bは、第2ノズル41bと、処理液供給部7と、ガス供給部81とを有する。
【0121】
第2ノズル41bは、基板処理時に、基板保持部2に保持された基板Wに対向する。第2ノズル41bは、対向部材の一例である。第2ノズル41bは、複数の気体噴出口412bを有する。複数の気体噴出口412bはそれぞれ、基板保持部2に保持された基板Wに向けて気体を噴出する。具体的には、回転中の基板Wに向けて複数の気体噴出口412bから気体が噴出される。第2ノズル41bは、第1ノズル41aと同様に、複数の気体噴出口412bから気体を噴出して、複数の気体噴出口412bの間の空間を負圧にする。本実施形態において、第2ノズル41bは、対向面411bと、複数の第1流路413bと、第2流路414bと、液吐出口416bとを更に有する。
【0122】
対向面411bは、対向面411aと同様に、基板保持部2に保持された基板Wに対向して、対向面411bと基板Wとの間に隙間Gを形成する。図2を参照して説明したように、ノズル移動部5Aは、基板処理時に、隙間Gにおいてベルヌーイ効果が発生し得る位置まで第2ノズル41bを基板Wに接近させる。
【0123】
液吐出口416bは、対向面411bに設けられる。液吐出口416bは、基板保持部2に保持された基板Wに向けて微細気泡含有処理液を吐出して、微細気泡含有液膜LMを形成する。具体的には、回転中の基板Wに向けて液吐出口416bから微細気泡含有処理液が吐出される。この結果、微細気泡含有液膜LMが基板Wの上面に形成される。本実施形態において、液吐出口416bは、複数の気体噴出口412bによって囲まれる位置に設けられる。例えば、液吐出口416bは、対向面411bの中央に設けられてもよい。
【0124】
複数の第1流路413b及び第2流路414bは、第2ノズル41bの内部に形成される。本実施形態において、処理液供給部7は、第2流路414bに微細気泡含有処理液を供給する。ガス供給部81は、複数の第1流路413bに気体を供給する。
【0125】
第2流路414bは、液吐出口416bに連通する。第2流路414bは、液吐出口416bまで微細気泡含有処理液を流通させる。つまり、第2流路414bは、液吐出口416bに微細気泡含有処理液を供給する。この結果、回転中の基板Wに向けて、液吐出口416bから微細気泡含有処理液が吐出される。
【0126】
複数の第1流路413bは複数の気体噴出口412bに連通する。複数の第1流路413bは複数の気体噴出口412bまで気体を流通させる。つまり、複数の第1流路413bは複数の気体噴出口412bに気体を供給する。この結果、回転中の基板Wに向けて、複数の気体噴出口412bから気体が噴出して、複数の気体噴出口412bの間の空間がベルヌーイ効果によって負圧になる。
【0127】
詳しくは、複数の気体噴出口412bは、複数の液噴出口412aと同様に、対向面411bに設けられて、隙間Gの一部である負圧形成領域SPを囲む。複数の気体噴出口412bは、負圧形成領域SPの外側に向かう斜め方向へ気体を噴出して、負圧形成領域SPを負圧にする。具体的には、気体噴出口412bは、対向面411bの外方に向けて傾斜している。複数の気体噴出口412bから噴出された気体は、基板Wの上面と対向面411bとの間の狭い空間(隙間G)を、負圧形成領域SPの外側に向かって高速で流れる。これらの高速な流れがベルヌーイ効果を生じさせ、負圧形成領域SPを負圧にする。
【0128】
本実施形態において、制御装置101(制御部102)は、処理液供給部7を制御して、液吐出口416bから微細気泡含有処理を吐出させ、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成する。例えば、第2ノズル41bは、基板Wの中心位置CTに対向する位置から、回転する基板Wに向けて微細気泡含有処理液を吐出してもよい。
【0129】
制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有液膜LMを形成した後、処理液供給部7を制御して、微細気泡含有処理液の吐出を停止させる。そして、制御装置101(制御部102)は、ノズル移動部5Aを制御して、第2ノズル41bをフルスキャン又はハーフスキャンさせつつ、ガス供給部81を制御して、気体噴出口412bから気体を噴出させる。この結果、負圧になった負圧形成領域SPが、回転する基板Wに対して移動する。
【0130】
なお、処理液供給部7の構成は、処理液供給配管72が微細気泡含有処理液を第2流路414bに供給する点を除いて、図4に示す処理液供給部7と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0131】
ガス供給部81は、ガス供給配管81aと、ガス開閉弁81bと、流量調整弁81cとを有する。ガス供給部81の構成は、図4に示す補助ガス供給部8と略同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0132】
ガス供給部81が供給する気体の種類は、補助ガスと同様に、後工程や、基板Wを用いて製造される最終製品の性能に影響しない気体である限り、特に限定されない。例えば、ガス供給部81が供給する気体は、不活性ガスであってもよい。不活性ガスは、例えば、窒素ガスであってもよい。あるいは、ガス供給部81が供給する気体は、微細気泡生成部71に供給する気体と同じ種類の気体であってもよい。
【0133】
以上、図7を参照して本発明の実施形態2を説明した。実施形態2によれば、実施形態1と同様に、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。よって、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0134】
また、本実施形態によれば、ガス供給部81の流量調整弁81cを制御して、気体噴出口412bから噴出する気体の流量を調整することができる。したがって、負圧形成領域SPの負圧の大きさを調整して、微細気泡の圧壊度を制御することができる。
【0135】
[実施形態3]
続いて図8及び図9を参照して本発明の実施形態3について説明する。但し、実施形態1、2と異なる事項を説明し、実施形態1、2と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態3は、実施形態1、2と異なり、基板処理装置100が第1遮断部材42を備える。
【0136】
図8は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す側面図である。図8に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、圧壊部4と、リンスノズル6と、カップ10とを有する。基板処理装置100は、リンス液供給部61を備える。
【0137】
本実施形態において、圧壊部4は、第3負圧発生部4Cを含む。第3負圧発生部4Cは、基板Wの上方空間を負圧にして、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊する。具体的には、第3負圧発生部4Cは、第1遮断部材42と、遮断部材移動部5Cと、処理液供給部7と、ガス供給部81とを含む。
【0138】
第1遮断部材42は、基板保持部2の上方に位置する。第1遮断部材42は、基板処理時に、基板保持部2に保持された基板Wに対向する。第1遮断部材42は、対向部材の一例である。
【0139】
遮断部材移動部5Cは、制御装置101(制御部102)によって制御されて、近接位置と退避位置との間で第1遮断部材42を移動させる。第1遮断部材42が近接位置に位置する場合、第1遮断部材42は、下降して基板Wの上面に隙間G(図9参照)をあけて近接する。詳しくは、遮断部材移動部5Cは、隙間G(図9参照)においてベルヌーイ効果が発生し得る位置まで第1遮断部材42を基板Wに接近させる。図8は、退避位置に位置する第1遮断部材42を示す。第1遮断部材42が退避位置に位置する場合、第1遮断部材42は近接位置よりも鉛直上方に離れた場所に位置する。第1遮断部材42が近接位置から退避位置に変化するとき、第1遮断部材42は上昇して基板Wから離間する。具体的には、遮断部材移動部5Cは、アーム51Cと、基台52Cと、駆動部53Cとを有し、第1遮断部材42を鉛直方向に移動させる。
【0140】
アーム51Cは水平方向に沿って延びる。アーム51Cは第1遮断部材42を支持する。例えば、第1遮断部材42は、アーム51Cの先端部に結合される。アーム51Cは基台52Cに結合される。基台52Cは、鉛直方向に沿って延びる。
【0141】
駆動部53Cは、基台52Cを鉛直方向に移動させる。この結果、第1遮断部材42が鉛直方向に移動する。駆動部53Cは、制御装置101(制御部102)によって制御される。具体的には、駆動部53Cは、昇降機構を含む。昇降機構は、基台52Cを鉛直方向に沿って昇降させて、アーム51Cを昇降させる。この結果、第1遮断部材42が鉛直方向に沿って移動する。昇降機構は、例えば、ボールねじ機構と、正逆回転可能な電動モータとを含む。電動モータは、ボールねじ機構を駆動する。
【0142】
処理液供給部7は、基板処理時に、第1遮断部材42に微細気泡含有処理液を供給する。その結果、第1遮断部材42が、近接位置から基板Wの上面に向けて微細気泡含有処理液を吐出して、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成する。より詳しくは、第1遮断部材42は、回転中の基板Wに向けて微細気泡含有処理液を吐出する。その結果、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。
【0143】
また、基板処理時に、ガス供給部81が第1遮断部材42に気体を供給する。その結果、第1遮断部材42が、近接位置から基板Wの上面に向けて気体を噴出して、ベルヌーイ効果により基板Wの上方空間を負圧にする。
【0144】
具体的には、基板処理時に、制御装置101(制御部102)が、処理液供給部7を制御して、第1遮断部材42から微細気泡含有処理を吐出させ、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成する。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有液膜LMを形成した後、処理液供給部7を制御して、微細気泡含有処理液の吐出を停止させる。そして、制御装置101(制御部102)は、ガス供給部81を制御して、第1遮断部材42から気体を噴出させ、基板Wの上方空間を負圧にする。この結果、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が圧壊する。
【0145】
続いて、図8及び図9を参照して、第3負圧発生部4Cを説明する。図9は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる第3負圧発生部4Cの構成を示す図である。詳しくは、図9は、近接位置に位置する第1遮断部材42を示す。なお、図9は、第1遮断部材42の断面を示している。
【0146】
図9に示すように、第1遮断部材42は、複数の気体噴出口422を有する。複数の気体噴出口422はそれぞれ、基板保持部2に保持された基板Wに向けて気体を噴出する。具体的には、回転中の基板Wに向けて複数の気体噴出口422から気体が噴出される。第1遮断部材42は、複数の気体噴出口422から気体を噴出して、複数の気体噴出口422の間の空間を負圧にする。
【0147】
詳しくは、第1遮断部材42は、対向面421を有する。対向面421は、水平面に拡がる形状を有している。対向面421は、第1遮断部材42が近接位置に位置するとき、基板保持部2に保持された基板Wに対向して、対向面421と基板Wとの間に隙間Gを形成する。
【0148】
具体的には、対向面421は、第1遮断部材42が近接位置に位置するとき、基板Wの上面の全部分を覆って、基板Wの上方空間を周辺雰囲気から遮断する。例えば、対向面421の外形は円形状であり、基板Wの直径以上の直径を有する。図8を参照して説明したように、遮断部材移動部5Cは、基板処理時に、隙間Gにおいてベルヌーイ効果が発生し得る位置まで第1遮断部材42を基板Wに接近させる。
【0149】
複数の気体噴出口422は、対向面421に設けられて、隙間Gの一部である負圧形成領域SPを囲む。具体的には、複数の気体噴出口422は、対向面421の周縁部に設けられる。気体噴出口422の数は、負圧形成領域SPを負圧にできる限り、特に限定されない。例えば、第2ノズル41bは、8つの気体噴出口422を有してもよい。
【0150】
複数の気体噴出口422は、負圧形成領域SPの外側に向かう斜め方向へ気体を噴出して、負圧形成領域SPを負圧にする。具体的には、気体噴出口422は、対向面421の外方に向けて傾斜しており、基板Wの上面の端部EGに向けて気体を噴出する。したがって、基板Wの上面の略全部分が、負圧形成領域SPとなる。
【0151】
複数の気体噴出口422から噴出された気体は、対向面421の周縁部と、基板Wの上面の端部EGとの間の狭い空間(隙間G)を、基板Wの外側に向かって高速で流れる。これらの高速な流れがベルヌーイ効果を生じさせ、負圧形成領域SP(基板Wの上方空間の略全部分)を負圧にする。
【0152】
図9に示すように、第1遮断部材42は、液吐出口424を更に有する。液吐出口424は、対向面421に設けられる。液吐出口424は、基板保持部2に保持された基板Wに向けて微細気泡含有処理液を吐出して、微細気泡含有液膜LMを形成する。例えば、液吐出口424は、対向面421の中央に設けられてもよい。
【0153】
図9に示すように、第1遮断部材42は、複数の第1流路423と、第2流路425とを更に有する。複数の第1流路423及び第2流路425は、第1遮断部材42の内部に形成される。本実施形態において、処理液供給部7は、第2流路425に微細気泡含有処理液を供給する。ガス供給部81は、複数の第1流路423に気体を供給する。
【0154】
第2流路425は、液吐出口424に連通する。第2流路425は、液吐出口424まで微細気泡含有処理液を流通させる。つまり、第2流路425は、液吐出口424に微細気泡含有処理液を供給する。この結果、回転中の基板Wに向けて、液吐出口424から微細気泡含有処理液が吐出される。
【0155】
複数の第1流路423は複数の気体噴出口422に連通する。複数の第1流路423は複数の気体噴出口422まで気体を流通させる。つまり、複数の第1流路423は複数の気体噴出口422に気体を供給する。この結果、回転中の基板Wに向けて、複数の気体噴出口422から気体が噴出され、複数の気体噴出口422の間の空間がベルヌーイ効果によって負圧になる。
【0156】
本実施形態において、制御装置101(制御部102)は、処理液供給部7を制御して、液吐出口424から微細気泡含有処理を吐出させ、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有処理液の吐出を停止させる。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有処理液の吐出を停止させた後に、ガス供給部81を制御して、気体噴出口422から気体を噴出させ、負圧形成領域SPを負圧にする。
【0157】
なお、処理液供給部7の構成は、図7に示す処理液供給部7と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。同様に、ガス供給部81の構成は、図7に示すガス供給部81と略同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0158】
以上、図8及び図9を参照して本発明の実施形態3を説明した。実施形態3によれば、実施形態1、2と同様に、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。よって、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0159】
なお、微細気泡含有処理液に含有されている液体が硫酸である場合、第1遮断部材42は、微細気泡含有液膜LMを形成した後に、液吐出口424から水蒸気を吐出して、第1遮断部材42と基板Wとの間の隙間Gに水蒸気を供給してもよい。水蒸気を供給することにより、硫酸の温度を昇温させることができる。あるいは、水蒸気を供給することにより、第1遮断部材42と基板Wとの間の隙間Gを硫酸の温度が低下し難い環境とすることができる。その結果、基板Wからレジスト膜を効率よく除去することができる。
【0160】
具体的には、基板処理装置100は、第2流路425に水蒸気を供給する水蒸気供給部を更に備えてもよい。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有液膜LMが形成された後に、処理液供給部7を制御して、微細気泡含有処理液の吐出を停止させる。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有処理液の吐出を停止させた後に、水蒸気供給部を制御して、第1遮断部材42(液吐出口424)から水蒸気を吐出させる。
【0161】
[実施形態4]
続いて図10図14を参照して本発明の実施形態4について説明する。但し、実施形態1~3と異なる事項を説明し、実施形態1~3と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態4は、実施形態1~3と異なり、基板処理装置100が第1ラインノズル43aを備える。
【0162】
図10は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す側面図である。図11は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す平面図である。
【0163】
図10に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、圧壊部4と、リンスノズル6と、カップ10とを有する。基板処理装置100は、リンス液供給部61を更に備える。
【0164】
本実施形態において、圧壊部4は、第4負圧発生部4Dを含む。第4負圧発生部4Dは、基板Wの上方空間を負圧にして、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊する。具体的には、第4負圧発生部4Dは、第1ラインノズル43aを含む。本実施形態では、第4負圧発生部4Dは、ラインノズル移動部5Dを更に含む。
【0165】
第1ラインノズル43aは、基板保持部2に保持された基板Wに対して略平行に延びる。例えば、第1ラインノズル43aは、略水平方向に延びる。第1ラインノズル43aは、基板処理時に基板Wに対向する。詳しくは、第1ラインノズル43aは、基板処理時に基板Wの上方に位置する。第1ラインノズル43aは、基板処理時に、基板保持部2に保持された基板Wの上面に向けて微細気泡含有処理液を噴出して、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成する。より詳しくは、第1ラインノズル43aは、回転中の基板Wに向けて微細気泡含有処理液を噴出する。
【0166】
本実施形態において、第1ラインノズル43aの長さは、基板Wの直径と略等しい。図11に示すように、基板処理時に、ラインノズル移動部5Dは、制御装置101(制御部102)によって制御されて、第1ラインノズル43aを円弧状の軌跡TJ2に沿って移動させる。
【0167】
具体的には、軌跡TJ2は、図3に示す軌跡TJ1と同様に、基板Wの中心位置CTに対向する位置(中心位置CTの上方の位置)と、2か所の端部対向位置(基板Wの端部EGに対向する位置)と、待機位置PS2とを通過する軌跡である。待機位置PS2は、待機位置PS1と同様に、平面視において基板保持部2の外側の位置である。本実施形態において、待機位置PS2は、平面視においてカップ10の外側の位置である。ラインノズル移動部5Dは、ノズル移動部5Aと同様に、第1ラインノズル43aをフルスキャン又はハーフスキャンさせる。第1ラインノズル43aは、軌跡TJ2に沿って移動しつつ、基板Wに向けて微細気泡含有処理液を噴出する。
【0168】
なお、第1ラインノズル43aが端部対向位置に位置する際に、第1ラインノズル43aの一部はカップ10の内側に進入し、平面視したとき、カップ10の上端で囲まれた開口から露出しない状態となる。
【0169】
図10に戻る。図10に示すように、ラインノズル移動部5Dは、保持部51Dと、アーム52Dと、基台53Dと、駆動部54Dとを有し、第1ラインノズル43aを鉛直方向及び水平方向に移動させる。駆動部54Dは、ラインノズル揺動機構541Dと、ラインノズル昇降機構542Dとを含む。
【0170】
保持部51Dは、鉛直方向に延びる。第1ラインノズル43aは保持部51Dの下端に結合して、保持部51Dによって保持される。例えば、保持部51Dは、第1ラインノズル43aの中央部に結合する。アーム52Dは水平方向に延びる。アーム52Dの先端に、保持部51Dの上端部が結合する。したがって、保持部51Dは、アーム52Dの先端から鉛直下方に延びる。
【0171】
ラインノズル揺動機構531Dは、鉛直方向に延びる第3回転軸線AX3を中心として基台53Dを揺動させる。この結果、第1ラインノズル43aが水平面に沿って移動する。詳しくは、第1ラインノズル43aは、第3回転軸線AX3を中心とする円弧状の軌跡(図11に示す軌跡TJ2)に沿って移動する。ラインノズル移動部5Dの他の構成は、図2を参照して説明したノズル移動部5Aと略同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0172】
図12(a)は、第1ラインノズル43aの上面の一部と、保持部51Dの上面と、アーム52Dの上面の一部とを示す図である。図12(b)は、第1ラインノズル43aの底面の一部を示す図である。図13は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる第4負圧発生部4Dの構成を示す図である。詳しくは、図13は、図12(a)のXIII-XIII線に沿って切断した第1ラインノズル43aの断面及び保持部51Dの断面を示す。図14は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる第4負圧発生部4Dの構成を示す他の図である。詳しくは、図14は、図12(a)のXIV-XIV線に沿って切断した第1ラインノズル43aの断面と、保持部51Dの側面とを示す。なお、図13及び図14は、基板処理時に基板Wの中心位置CT(図11参照)に対向する第1ラインノズル43aを示している。
【0173】
図12(b)、図13及び図14に示すように、第1ラインノズル43aは、複数の液噴出口432aを有する。図12(b)に示すように、複数の液噴出口432aは、第1ラインノズル43aが延びる方向に沿って、第1ラインノズル43aの両側に配置される。複数の液噴出口432aはそれぞれ、微細気泡含有処理液を噴出する。具体的には、回転中の基板Wに向けて複数の液噴出口432aから微細気泡含有処理液が噴出される。第1ラインノズル43aは、複数の液噴出口432aから微細気泡含有処理液を噴出して、複数の液噴出口432aの間の空間を負圧にする。
【0174】
より詳しくは、第1ラインノズル43aは、図12(b)、図13及び図14に示すように、対向面431aを有する。図13及び図14に示すように、対向面431aは、基板処理中に、基板保持部2に保持された基板Wに対向して、対向面431aと基板Wとの間に隙間Gを形成する。図10に示すラインノズル移動部5Dは、基板処理時に、隙間Gにおいてベルヌーイ効果が発生し得る位置まで第1ラインノズル43aを基板Wに接近させる。
【0175】
図12(b)、図13及び図14に示すように、複数の液噴出口432aは、対向面431aに設けられる。複数の液噴出口432aは、隙間Gの一部である負圧形成領域SPの両側に、第1ラインノズル43aが延びる方向に沿って配置される。本実施形態では、負圧形成領域SPは、第1ラインノズル43aが延びる方向に沿って延びる。複数の液噴出口432aは、負圧形成領域SPの外側に向かう斜め方向へ微細気泡含有処理液を噴出して、負圧形成領域SPを負圧にする。
【0176】
より具体的には、図13及び図14に示すように、第1ラインノズル43aは、複数の流路433aを有する。また、図13に示すように、第1ラインノズル43aは、流入口437aを更に有する。
【0177】
複数の流路433a及び流入口437aは、第1ラインノズル43aの内部に形成される。流入口437aは、複数の流路433aに連通する。処理液供給部7は、流入口437aに微細気泡含有処理液を供給する。この結果、流入口437aを介して複数の流路433aに微細気泡含有処理液が流入する。
【0178】
複数の流路433aは複数の液噴出口432aに連通する。複数の流路433aは、複数の液噴出口432aまで微細気泡含有処理液を流通させる。つまり、複数の流路433aは、複数の液噴出口432aに微細気泡含有処理液を供給する。この結果、回転中の基板Wに向けて、複数の液噴出口432aから微細気泡含有処理液が噴出して、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。また、液噴出口432aは、対向面431aの外方に向けて傾斜している。したがって、複数の液噴出口432aから微細気泡含有処理液が噴出することで、複数の液噴出口432aの間の空間がベルヌーイ効果によって負圧になる。
【0179】
図12(b)、図13及び図14に示すように、第1ラインノズル43aは、凹部435aを更に有する。また、図12(a)、図12(b)、図13及び図14に示すように、第1ラインノズル43aは、複数の貫通孔434aを有する。図12(a)及び図13に示すように、保持部51Dは、貫通孔5aを有する。
【0180】
図12(b)、図13及び図14に示すように、凹部435aは、対向面431aに設けられる。図12(b)に示すように、凹部435aは、第1ラインノズル43aが延びる方向に沿って延びる。複数の液噴出口432aは、凹部435aの両側に、第1ラインノズル43aが延びる方向に沿って配置される。したがって、凹部435aは、負圧形成領域SPに面する。例えば、凹部435aは、対向面431aの中央部に設けられてもよい。
【0181】
複数の貫通孔434aは、凹部435aに連通する。つまり、複数の貫通孔434aのそれぞれの一端は凹部435aに接続する。複数の貫通孔434aはそれぞれ、第1ラインノズル43aを貫通する。例えば、複数の貫通孔434aはそれぞれ、鉛直方向に延びる。この場合、複数の貫通孔434aの各々の一端は、対向面431a(凹部435a)で開口し、複数の貫通孔434aの各々の他端は、第1ラインノズル43aの上面で開口する。
【0182】
保持部51Dの貫通孔5aは、保持部51Dを貫通する。貫通孔5aの一端は、複数の貫通孔434aのうちの一つに接続する。つまり、貫通孔5aは、複数の貫通孔434aのうちの一つに連通する。したがって、複数の貫通孔434aのうちの一つは、貫通孔5aを介して外部と連通する。貫通孔5aは、例えば、鉛直方向に延びる。この場合、貫通孔5aの一端は、保持部51Dの下面で開口し、貫通孔5aの他端は、保持部51Dの上面で開口する。
【0183】
本実施形態によれば、複数の貫通孔434aと貫通孔5aとが負圧形成領域SPを負圧形成領域SPの外部と連通させる。よって、負圧形成領域SPの負圧が大きくなり過ぎることを回避できる。また、対向面431aに凹部435aを設けることで、負圧形成領域SPの負圧が大きくなり過ぎることをより確実に回避することができる。
【0184】
なお、凹部435aは省略されてもよい。また、複数の貫通孔434aが延びる方向、及び貫通孔5aが延びる方向は、負圧形成領域SPを負圧形成領域SPの外部と連通できる限り、特に限定されない。
【0185】
続いて、図12(a)、図12(b)、図13、及び図14を参照して、第1ラインノズル43a及び補助ガス供給部8を説明する。補助ガス供給部8は、複数の流路433aに補助ガスを供給する。詳しくは、補助ガス供給部8は、複数の流路433aの一部に補助ガスを供給する。第1ラインノズル43aは、補助ガス供給配管8aから供給された補助ガスを他の流路433aまで流通させる流路を更に有する。本実施形態によれば、複数の流路433aに補助ガスを供給することで、実施形態1と同様に、負圧形成領域SPに、より確実に負圧を発生させることができる。
【0186】
なお、処理液供給部7の構成は、図4(a)に示す処理液供給部7と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。同様に、補助ガス供給部8の構成は、図4(a)に示す補助ガス供給部8と略同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0187】
本実施形態において、制御装置101(制御部102)は、実施形態1と同様に、第1ラインノズル43aをフルスキャン又はハーフスキャンさせつつ、第1ラインノズル43aから微細気泡含有処理液を噴出させる。
【0188】
以上、図10図14を参照して本発明の実施形態4を説明した。実施形態4によれば、実施形態1~3と同様に、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。よって、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0189】
なお、本実施形態では、第1ラインノズル43aはフルスキャン又はハーフスキャンしたが、第1ラインノズル43aは基板Wの上方において回転してもよい。例えば、第1ラインノズル43aは、第1回転軸線AX1を回転中心として回転してもよい。
【0190】
また、本実施形態では、第1ラインノズル43aはフルスキャン又はハーフスキャンしたが、第1ラインノズル43aは直線移動してもよい。
【0191】
また、本実施形態では、第1ラインノズル43aはフルスキャン又はハーフスキャンしたが、基板処理中の第1ラインノズル43aの位置は固定されてもよい。
【0192】
また、第1ラインノズル43aの長さは、基板Wの直径より短くてもよい。例えば、第1ラインノズル43aの長さは、基板Wの半径と略等しくてもよい。
【0193】
また、本実施形態では、第4負圧発生部4Dは補助ガス供給部8を含んだが、実施形態1と同様に、補助ガス供給部8は省略されてもよい。
【0194】
[実施形態5]
続いて図15図17を参照して本発明の実施形態5について説明する。但し、実施形態1~4と異なる事項を説明し、実施形態1~4と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態5は、実施形態1~4と異なり、ベルヌーイ効果を発生させるために第2ラインノズル43bから気体を噴出する。
【0195】
図15(a)は、第2ラインノズル43bの上面の一部と、保持部51Dの上面と、アーム52Dの上面の一部とを示す図である。図15(b)は、第2ラインノズル43bの底面の一部を示す図である。図16は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる第5負圧発生部4Eの構成を示す図である。詳しくは、図16は、図15(a)のXVI-XVI線に沿って切断した第2ラインノズル43bの断面及び保持部51Dの断面を示す。図17は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる第5負圧発生部4Eの構成を示す他の図である。詳しくは、図17は、図15(a)のXVII-XVII線に沿って切断した第2ラインノズル43bの断面と、保持部51Dの側面とを示す。なお、図16及び図17は、基板処理時に基板Wの中心位置CT(図11参照)に対向する第2ラインノズル43bを示している。
【0196】
図15(a)、図15(b)、図16及び図17に示すように、本実施形態において、圧壊部4は第5負圧発生部4Eを含む。第5負圧発生部4Eは、第2ラインノズル43bと、処理液供給部7と、ガス供給部81とを有する。圧壊部4は、更に、図10を参照して説明したラインノズル移動部5Dを有する。
【0197】
第2ラインノズル43bは、基板処理時に、基板保持部2に保持された基板Wに対向する。本実施形態において、第2ラインノズル43bは、対向部材の一例である。第2ラインノズル43bは、基板保持部2に保持された基板Wに対して略平行に延びる。例えば、第2ラインノズル43bは、略水平方向に延びてもよい。
【0198】
第2ラインノズル43bは、複数の気体噴出口432bを有する。図15(b)に示すように、複数の気体噴出口432bは、第2ラインノズル43bが延びる方向に沿って、第2ラインノズル43bの両側に配置される。複数の気体噴出口432bはそれぞれ、気体を噴出する。具体的には、回転中の基板Wに向けて複数の気体噴出口432bから気体が噴出される。第2ラインノズル43bは、第1ラインノズル43aと同様に、複数の気体噴出口432bから気体を噴出して、複数の気体噴出口432bの間の空間を負圧にする。
【0199】
より詳しくは、図15(b)、図16及び図17に示すように、第2ラインノズル43bは対向面431bを有する。図16及び図17に示すように、対向面431bは、対向面431aと同様に、基板処理中に、基板保持部2に保持された基板Wに対向して、対向面431bと基板Wとの間に隙間Gを形成する。図10を参照して説明したラインノズル移動部5Dは、基板処理時に、隙間Gにおいてベルヌーイ効果が発生し得る位置まで第2ラインノズル43bを基板Wに接近させる。
【0200】
図15(b)、図16及び図17に示すように、複数の気体噴出口432bは、対向面431bに設けられる。複数の気体噴出口432bは、隙間Gの一部である負圧形成領域SPの両側に、第2ラインノズル43bが延びる方向に沿って配置される。負圧形成領域SPは、第2ラインノズル43bが延びる方向に沿って延びる。したがって、負圧形成領域SPは、複数の気体噴出口432bによって挟まれる。換言すると、負圧形成領域SPは、複数の気体噴出口432bの間に形成される。複数の気体噴出口432bは、負圧形成領域SPの外側に向かう斜め方向へ気体を噴出して、負圧形成領域SPを負圧にする。
【0201】
更に、図15(b)、図16及び図17に示すように、第2ラインノズル43bは、複数の液吐出口436bを有する。複数の液吐出口436bは、対向面431bに設けられる。複数の液吐出口436bはそれぞれ、基板保持部2に保持された基板Wに向けて微細気泡含有処理液を吐出して、微細気泡含有液膜LMを形成する。図15(b)に示すように、複数の液吐出口436bは、第2ラインノズル43bが延びる方向に沿って配置される。複数の液吐出口436bは、複数の気体噴出口432bによって挟まれる位置に設けられる。換言すると、複数の液吐出口436bは、複数の気体噴出口432bの間に設けられる。例えば、複数の液吐出口436bは、第2ラインノズル43bの中央に配置される。
【0202】
より具体的には、図16及び図17に示すように、第2ラインノズル43bは、複数の第1流路433bと、複数の第2流路434bとを更に有する。図16に示すように、保持部51Dは、流路5bを有する。複数の第1流路433b及び複数の第2流路434bは、第2ラインノズル43bの内部に形成される。流路5bは、保持部51Dの内部に形成されて、第2ラインノズル43bの複数の第2流路434bのうちの一つに連通する。
【0203】
本実施形態において、処理液供給部7は、複数の第2流路434bに微細気泡含有処理液を供給する。ガス供給部81は、複数の第1流路433bに気体を供給する。
【0204】
具体的には、処理液供給部7は、保持部51Dの流路5bに微細気泡含有処理液を供給する。第2ラインノズル43bは、複数の第2流路434bを連通させる流路を更に有する。この結果、処理液供給部7から流路5bを介して第2ラインノズル43bに供給された微細気泡含有処理液が、複数の第2流路434bを流通する。
【0205】
ガス供給部81は、複数の第1流路433bの一部に気体を供給する。第2ラインノズル43bは、複数の第1流路433bを連通させる流路を更に有する。この結果、ガス供給部81から第2ラインノズル43bに供給された気体が、複数の第1流路433bを流通する。
【0206】
複数の第2流路434bは、複数の液吐出口436bに連通する。複数の第2流路434bは、複数の液吐出口436bまで微細気泡含有処理液を流通させる。つまり、複数の第2流路434bは、複数の液吐出口436bに微細気泡含有処理液を供給する。この結果、回転中の基板Wに向けて、複数の液吐出口436bから微細気泡含有処理液が吐出される。
【0207】
複数の第1流路433bは複数の気体噴出口432bに連通する。複数の第1流路433bは複数の気体噴出口432bまで気体を流通させる。つまり、複数の第1流路433bは複数の気体噴出口432bに気体を供給する。また、気体噴出口432bは、対向面431bの外方に向けて傾斜している。この結果、回転中の基板Wに向けて、複数の気体噴出口432bから気体が噴出して、複数の気体噴出口432bの間の空間がベルヌーイ効果によって負圧になる。
【0208】
本実施形態において、制御装置101(制御部102)は、処理液供給部7を制御して、液吐出口436bから微細気泡含有処理を吐出させ、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成する。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有液膜LMを形成した後、処理液供給部7を制御して、微細気泡含有処理液の吐出を停止させる。そして、制御装置101(制御部102)は、ラインノズル移動部5Dを制御して、第2ラインノズル43bをフルスキャン又はハーフスキャンさせつつ、ガス供給部81を制御して、気体噴出口432bから気体を噴出させる。この結果、負圧になった負圧形成領域SPが、回転する基板Wに対して移動する。
【0209】
なお、処理液供給部7の構成は、図7に示す処理液供給部7と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。同様に、ガス供給部81の構成は、図7に示すガス供給部81と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0210】
以上、図15図17を参照して本発明の実施形態5を説明した。実施形態5によれば、実施形態1~4と同様に、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。よって、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0211】
[実施形態6]
続いて図18を参照して本発明の実施形態6について説明する。但し、実施形態1~5と異なる事項を説明し、実施形態1~5と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態6は、実施形態1~5と異なり、ベルヌーイ効果を発生させるために第2遮断部材44を高速で回転させる。
【0212】
図18は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す側面図である。図18に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、圧壊部4と、処理液供給部7と、リンスノズル6と、カップ10と、吐出ノズル443とを有する。基板処理装置100は、リンス液供給部61を備える。
【0213】
本実施形態において、圧壊部4は、第6負圧発生部4Fを含む。第6負圧発生部4Fは、基板Wの上方空間を負圧にして、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊する。具体的には、第6負圧発生部4Fは、第2遮断部材44と、遮断部材移動部5Fと、遮断部材回転部44Aとを含む。本実施形態において、遮断部材回転部44Aは、第2遮断部材44を回転させて、基板Wと第2遮断部材44との間の空間(隙間G)を負圧にする。
【0214】
第2遮断部材44は、基板保持部2の上方に位置する。第2遮断部材44は、基板処理時に、基板保持部2に保持された基板Wに対向する。第2遮断部材44は、対向部材の一例である。
【0215】
遮断部材移動部5Fは、図8を参照して説明した遮断部材移動部5Cと同様に、制御装置101(制御部102)によって制御されて、近接位置と退避位置との間で第2遮断部材44を移動させる。遮断部材移動部5Fは、遮断部材移動部5Cと同様に、アーム51Fと、基台52Fと、駆動部53Fとを有し、第2遮断部材44を鉛直方向に移動させる。アーム51Fは、第2遮断部材44を回転可能に支持する。遮断部材移動部5Fの他の構成は、遮断部材移動部5Cと略同様であるため、その詳しい説明は割愛する。
【0216】
遮断部材回転部44Aは、鉛直方向に延びる第4回転軸線AX4を中心として、第2遮断部材44を回転させる。その結果、基板Wと第2遮断部材44との間の空間(隙間G)が負圧になる。遮断部材回転部44Aは、対向部材回転部の一例である。遮断部材回転部44Aの動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。遮断部材回転部44Aは、例えば、電動モータを含む。第4回転軸線AX4は、スピンベース22の中心を通る。したがって、第4回転軸線AX4は、基板処理時に、基板保持部2に保持された基板Wの中心を通る。
【0217】
吐出ノズル443は、アーム51F及び第2遮断部材44を鉛直方向に貫通する。吐出ノズル443は、アーム51Fによって回転不能に支持される。吐出ノズル443は、第2遮断部材44と共に鉛直方向に移動する。
【0218】
処理液供給部7は、基板処理時に、吐出ノズル443に微細気泡含有処理液を供給する。その結果、第2遮断部材44が近接位置に位置する際に、吐出ノズル443から基板Wの上面に向けて微細気泡含有処理液が吐出されて、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。より詳しくは、吐出ノズル443は、回転中の基板Wに向けて微細気泡含有処理液を吐出する。その結果、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。
【0219】
制御装置101(制御部102)は、基板処理時に、処理液供給部7を制御して、吐出ノズル443から微細気泡含有処理を吐出させ、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成する。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有液膜LMが形成されると、処理液供給部7を制御して、吐出ノズル443からの微細気泡含有処理液の吐出を停止させる。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有処理液の吐出を停止させた後、遮断部材回転部44Aを制御して、第2遮断部材44を高速回転させる。この結果、基板Wの上方空間が負圧になり、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が圧壊する。例えば、制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有液膜LMが形成された後に、第2遮断部材44の回転速度を1000rpmに設定してもよい。本実施形態によれば、基板Wの回転速度を調整して、微細気泡の圧壊度を制御することができる。
【0220】
詳しくは、図18に示すように、第2遮断部材44は、遮断板441を有する。遮断板441は、対向面441aを有する。対向面441aは、水平面に拡がる形状を有している。対向面441aは、第2遮断部材44が近接位置に位置するとき、基板保持部2に保持された基板Wに対向して、対向面441aと基板Wとの間に隙間Gを形成する。具体的には、対向面441aは、第2遮断部材44が近接位置に位置するとき、基板Wの上面の全部分を覆って、基板Wの上方空間を周辺雰囲気から遮断する。例えば、対向面441aの外形は円形状であり、基板Wの直径以上の直径を有する。
【0221】
更に、遮断板441は、液吐出口442を有する。液吐出口442は、対向面441aに設けられる。詳しくは、遮断板441は、鉛直方向に遮断板441を貫通する貫通孔を有する。貫通孔は、遮断板441の中央に設けられる。第4回転軸線AX4は、貫通孔の中心を通る。貫通孔の下端は、対向面441aに位置する。貫通孔の下端により、液吐出口442が形成される。
【0222】
吐出ノズル443は、遮断板441の貫通孔に挿通されている。吐出ノズル443から微細気泡含有処理液が吐出されと、液吐出口442から基板保持部2に保持された基板Wに向けて、微細気泡含有処理液が吐出されて、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。詳しくは、液吐出口442は、回転中の基板Wに向けて微細気泡含有処理液を吐出する。この結果、微細気泡含有液膜LMが形成される。
【0223】
第2遮断部材44は、スピン軸444を更に有する。スピン軸444は、遮断板441に結合する。スピン軸444は、遮断板441から上方へ突出する。スピン軸444は、アーム51Fによって回転可能に支持される。遮断部材回転部44Aは、スピン軸444を回転させる。この結果、スピン軸444と共に遮断板441が回転する。
【0224】
スピン軸444は、円筒状である。スピン軸444の内部空間は、遮断板441の貫通孔に連通する。第4回転軸線AX4は、スピン軸444の中心を通る。吐出ノズル443の一部は、アーム51Fから下方へ突出して、スピン軸444の内部空間と遮断板441の貫通孔とに挿通されている。
【0225】
以上、図18を参照して本発明の実施形態6を説明した。実施形態6によれば、実施形態1~5と同様に、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。よって、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0226】
[実施形態7]
続いて図19及び図20を参照して本発明の実施形態7について説明する。但し、実施形態1~6と異なる事項を説明し、実施形態1~6と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態7は、実施形態1~6と異なり、圧壊部4が、流体噴出部4Gと、第1加熱部4Hと、減圧部4Kとを含む。
【0227】
図19は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す側面図である。図20(a)は、吐出ノズル9の移動軌跡を示す平面図である。図20(b)は、流体噴出部4Gの移動軌跡を示す平面図である。
【0228】
図19に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、圧壊部4と、リンスノズル6と、吐出ノズル9と、ノズル移動部91と、カップ10とを有する。基板処理装置100は、処理液供給部7と、リンス液供給部61とを更に備える。
【0229】
吐出ノズル9は、基板処理時に基板Wに対向する。詳しくは、吐出ノズル9は、基板処理時に基板Wの上方に位置する。吐出ノズル9は、基板処理時に、基板保持部2に保持された基板Wの上面に向けて微細気泡含有処理液を吐出して、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMを形成する。より詳しくは、吐出ノズル9は、回転中の基板Wに向けて微細気泡含有処理液を吐出する。その結果、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。
【0230】
図20(a)に示すように、ノズル移動部91は、円弧状の軌跡TJ3に沿って、待機位置PS3と処理位置との間で吐出ノズル9を移動させる。待機位置PS3は、平面視において基板保持部2の外側の位置である。本実施形態において、待機位置PS3は、平面視においてカップ10の外側の位置である。処理位置は、基板Wの上方の位置である。処理位置は、例えば、基板Wの中心位置CTに対向する位置であってもよい。吐出ノズル9は、基板処理時に処理位置から微細気泡含有処理液を吐出する。なお、処理位置は、ベルヌーイ効果が発生し得る位置より上方の位置であってもよい。
【0231】
図19に戻る。図19に示すように、ノズル移動部91は、ノズル移動部5Aと同様に、アーム911と、基台912と、駆動部913とを有し、吐出ノズル9を鉛直方向及び水平方向に移動させる。駆動部913は、駆動部53Aと同様に、ノズル揺動機構914と、ノズル昇降機構915とを含む。
【0232】
ノズル揺動機構914は、鉛直方向に延びる第5回転軸線AX5を中心として基台912を揺動させる。この結果、吐出ノズル9が水平面に沿って移動する。詳しくは、吐出ノズル9は、第5回転軸線AX5を中心とする円弧状の軌跡(図20(a)に示す軌跡TJ3)に沿って移動する。ノズル移動部91の他の構成は、ノズル移動部5Aと略同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0233】
本実施形態において、処理液供給部7は、吐出ノズル9に微細気泡含有処理液を供給する。処理液供給部7が吐出ノズル9に微細気泡含有処理液を供給することにより、吐出ノズル9が基板Wに微細気泡含有処理液を吐出する。
【0234】
本実施形態において、圧壊部4は、流体噴出部4Gと、第1加熱部4Hと、減圧部4Kとを含む。以下、流体噴出部4G、第1加熱部4H、減圧部4Kの順に説明する。
【0235】
流体噴出部4Gは、基板Wの上面に形成されている微細気泡含有液膜LMに向けて流体を噴出して、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊する。流体噴出部4Gは、例えば、スプレーノズルである。具体的には、圧壊部4は、流体噴出部4Gに加えて、流体噴出移動部5Gと、流体供給部92とを更に含む。
【0236】
図20(b)に示すように、流体噴出移動部5Gは、ノズル移動部5Aと同様に、制御装置101(制御部102)によって制御されて、流体噴出部4Gを円弧状の軌跡TJ4に沿って移動させる。より具体的には、流体噴出移動部5Gは、ノズル移動部5Aと同様に、流体噴出部4Gをフルスキャン又はハーフスキャンさせる。流体噴出移動部5Gは、軌跡TJ4に沿って移動しつつ、基板Wに向けて流体を噴出する。なお、流体噴出部4Gから流体を噴出させる位置は、ベルヌーイ効果が発生し得る位置より上方の位置であってもよい。
【0237】
図19に戻る。図19に示すように、流体噴出移動部5Gは、ノズル移動部5Aと同様に、アーム51Gと、基台52Gと、駆動部53Gとを有し、流体噴出部4Gを鉛直方向及び水平方向に移動させる。駆動部53Gは、駆動部53Aと同様に、揺動機構531Gと、昇降機構532Gとを含む。
【0238】
揺動機構531Gは、鉛直方向に延びる第6回転軸線AX6を中心として基台52Gを揺動させる。この結果、流体噴出部4Gが水平面に沿って移動する。詳しくは、流体噴出部4Gは、第6回転軸線AX6を中心とする円弧状の軌跡(図20(b)に示す軌跡TJ4)に沿って移動する。流体噴出移動部5Gの他の構成は、ノズル移動部5Aと略同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0239】
流体供給部92は、流体噴出部4Gに流体を供給する。流体供給部92が流体噴出部4Gに流体を供給することにより、流体噴出部4Gから流体が噴出する。流体供給部92は、流体供給配管921と、流体開閉弁922と、流量調整弁923とを含む。
【0240】
流体は、流体供給配管921を介して流体噴出部4Gに供給される。その結果、流体噴出部4Gから流体が噴出する。流体供給配管921は、流体が流通する管状部材である。
【0241】
流体開閉弁922は、流体供給配管921に設けられて、流体供給配管921を介した流体の供給開始及び供給停止を制御する。流体開閉弁922の開閉動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。流体開閉弁922の構成は、リンス液開閉弁612と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0242】
流量調整弁923は、流体供給配管921に設けられて、流体供給配管921を流通する流体の流量を調整する。流量調整弁923の動作は、制御装置101(制御部102)によって制御される。流量調整弁923の構成は、第1流量調整弁75aと同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0243】
流体供給配管921を介して流体噴出部4Gに供給する流体は、液体であってもよいし、気体であってもよい。流体の種類は、後工程や、基板Wを用いて製造される最終製品の性能に影響しない流体である限り、特に限定されない。例えば、流体として、基板処理に用いられる液体が使用されてもよいし、リンス処理に用いられる液体が使用されてもよい。あるいは、流体として、窒素ガス等の不活性ガスが使用されてもよい。
【0244】
制御装置101(制御部102)は、処理液供給部7を制御して、回転中の基板Wに向けて吐出ノズル9から微細気泡含有処理液を吐出させる。その結果、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有液膜LMが形成された後、ノズル移動部91を制御して、吐出ノズル9を処理位置から待機位置PS3へ移動させる。その後、制御装置101(制御部102)は、流体噴出移動部5Gを制御して、流体噴出部4Gを移動させつつ、流体供給部92を制御して、回転中の基板Wに向けて流体噴出部4Gから流体を噴出させる。この結果、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が圧壊されて、基板Wから異物が除去される。
【0245】
続いて、第1加熱部4Hを説明する。第1加熱部4Hは、基板Wの上面に形成されている微細気泡含有液膜LMを加熱して、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊する。本実施形態において、第1加熱部4Hは、基板Wの下面を加熱して、微細気泡含有液膜LMを加熱する。
【0246】
詳しくは、図19に示すように、第1加熱部4Hは、加熱部材451と、昇降軸452と、給電部453と、ヒータ昇降部454とを有してもよい。
【0247】
加熱部材451は、略円盤状であり、チャック部材21に保持された基板Wとスピンベース22との間に位置する。加熱部材451には、ヒータが埋め込まれている。ヒータは、例えば、抵抗体を含む。給電部453は、加熱部材451に埋め込まれたヒータに通電して、加熱部材451を加熱させる。給電部453は、制御装置101(制御部102)によって制御される。
【0248】
昇降軸452は略棒状の部材であり、略鉛直方向に延びる。昇降軸452は、加熱部材451に結合する。ヒータ昇降部454は、昇降軸452を昇降させることにより、加熱部材451を昇降させる。具体的には、ヒータ昇降部454は、チャック部材21に保持された基板Wの下面とスピンベース22の上面との間で加熱部材451を昇降させる。ヒータ昇降部454は、制御装置101(制御部102)によって制御される。ヒータ昇降部454は、例えば、ボールねじ機構と、正逆回転可能な電動モータとを備えてもよい。
【0249】
制御装置101(制御部102)は、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成された後、給電部453を制御して加熱部材451を加熱させる。この結果、輻射熱により基板Wが加熱されて、微細気泡含有液膜LMが加熱される。微細気泡含有液膜LMが加熱されると、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が圧壊する。具体的には、微細気泡含有液膜LMが加熱されると、微細気泡が膨張して圧壊する。この結果、基板Wから異物が除去される。
【0250】
続いて、減圧部4Kを説明する。減圧部4Kは、制御装置101(制御部102)によって制御される。減圧部4Kは、処理室200aの内側空間200bを減圧して、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊する。具体的には、制御装置101(制御部102)は、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成された後、減圧部4Kを駆動して、処理室200aの内側空間200bを減圧する。この結果、処理室200aの内側空間200bが負圧になり、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が圧壊する。詳しくは、処理室200aの内側空間200bが負圧になると、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が膨張して圧壊する。この結果、基板Wから異物が除去される。
【0251】
以上、図19及び図20を参照して本発明の実施形態7を説明した。実施形態7によれば、実施形態1~6と同様に、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。よって、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0252】
なお、圧壊部4は、流体噴出部4G、第1加熱部4H、及び減圧部4Kのうちの任意の一つ又は二つを含んでもよい。
【0253】
また、吐出ノズル9は、円弧状の軌跡に沿って移動しながら基板Wに向けて微細気泡含有処理液を吐出してもよい。すなわち、吐出ノズル9は、ハーフスキャン又はフルスキャンしながら微細気泡含有処理液を吐出してもよい。換言すると、吐出ノズル9は、スキャンノズルであってもよい。
【0254】
[実施形態8]
続いて図21を参照して本発明の実施形態8について説明する。但し、実施形態1~7と異なる事項を説明し、実施形態1~7と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態8は、実施形態1~7と異なり、圧壊部4が、第1加熱部4Hと、減圧部4Kと、第2加熱部4Laとを含む。
【0255】
図21は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す側面図である。図21に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、圧壊部4と、リンスノズル6と、吐出ノズル9と、ノズル移動部91と、カップ10とを有する。基板処理装置100は、処理液供給部7と、リンス液供給部61とを更に備える。
【0256】
本実施形態において、圧壊部4は、第1加熱部4Hと、減圧部4Kと、第2加熱部4Laとを含む。第2加熱部4Laは、微細気泡含有液膜LM又は基板Wに光を照射して、微細気泡含有液膜LMを加熱する。その結果、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が圧壊されて、基板Wから異物が除去される。
【0257】
第2加熱部4Laは、制御装置101(制御部102)によって制御されて、温度放射により光を発生させる。以下、第2加熱部4Laを、「ランプ加熱部4La」と記載する場合がある。具体的には、ランプ加熱部4Laは、光源を含む。制御装置101(制御部102)は、ランプ加熱部4La(光源)を連続点灯させる。例えば、ランプ加熱部4Laは、ハロゲンランプを含む。
【0258】
本実施形態において、ランプ加熱部4Laは、基板処理時に基板Wに対向する。詳しくは、ランプ加熱部4Laは、基板処理時に基板Wの上方に位置する。ランプ加熱部4Laは、基板処理時に、基板Wの上面に形成されている微細気泡含有液膜LMに向けて光を照射する。
【0259】
具体的には、圧壊部4は、ランプ加熱部4Laに加えて、ランプ移動部5Lを更に含む。ランプ移動部5Lは、ノズル移動部5Aと同様に、制御装置101(制御部102)によって制御されて、ランプ加熱部4Laを円弧状の軌跡に沿って移動させる。より具体的には、ランプ移動部5Lは、ノズル移動部5Aと同様に、ランプ加熱部4Laをフルスキャン又はハーフスキャンさせる。ランプ加熱部4Laは、円弧状の軌跡に沿って移動しつつ、基板Wに向けて光を照射する。
【0260】
ランプ移動部5Lは、ノズル移動部5Aと同様に、アーム51Lと、基台52Lと、駆動部53Lとを有し、ランプ加熱部4Laを鉛直方向及び水平方向に移動させる。駆動部53Lは、駆動部53Aと同様に、揺動機構531Lと、昇降機構532Lとを含む。
【0261】
揺動機構531Lは、鉛直方向に延びる第7回転軸線AX7を中心として基台52Lを揺動させる。この結果、ランプ加熱部4Laが水平面に沿って移動する。詳しくは、ランプ加熱部4Laは、第7回転軸線AX7を中心とする円弧状の軌跡に沿って移動する。ランプ移動部5Lの他の構成は、ノズル移動部5Aと略同様であるため、その詳細な説明は割愛する。なお、ランプ加熱部4Laから光を出射させる位置は、ベルヌーイ効果が発生し得る位置より上方の位置であってもよい。
【0262】
制御装置101(制御部102)は、処理液供給部7を制御して、回転中の基板Wに向けて吐出ノズル9から微細気泡含有処理液を吐出させる。その結果、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有液膜LMが形成された後、ノズル移動部91を制御して、吐出ノズル9を処理位置から待機位置PS3へ移動させる。その後、制御装置101(制御部102)は、ランプ移動部5Lを制御して、ランプ加熱部4Laを移動させつつ、ランプ加熱部4Laを制御して、回転中の基板Wに向けてランプ加熱部4Laから光を照射させる。この結果、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が圧壊されて、基板Wから異物が除去される。
【0263】
以上、図21を参照して本発明の実施形態8を説明した。実施形態8によれば、実施形態1~7と同様に、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。よって、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0264】
なお、圧壊部4は、第1加熱部4Hと、減圧部4Kと、第2加熱部4Laとのうちの任意の一つ又は二つを含んでもよい。また、本実施形態では、第2加熱部4Laは基板Wの上面側から微細気泡含有液膜LMに光を照射したが、第2加熱部4Laは、基板Wの下面側から基板Wに光を照射してもよい。つまり、基板Wの下面側に、第1加熱部4Hに替えて第2加熱部4Laが配置されてもよい。この場合、第2加熱部4Laは、基板Wの下面の略全面に光を照射する。
【0265】
[実施形態9]
続いて図22を参照して本発明の実施形態9について説明する。但し、実施形態1~8と異なる事項を説明し、実施形態1~8と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態9は、実施形態1~8と異なり、圧壊部4が、第1加熱部4Hと、減圧部4Kと、第2加熱部4Lbとを含む。
【0266】
図22は、本実施形態の基板処理装置100に含まれる基板処理部200の内部の構成を模式的に示す側面図である。図22に示すように、基板処理部200は、処理室200aと、基板保持部2と、基板回転部3と、圧壊部4と、リンスノズル6と、吐出ノズル9と、ノズル移動部91と、カップ10とを有する。基板処理装置100は、処理液供給部7と、リンス液供給部61とを更に備える。
【0267】
本実施形態において、圧壊部4は、第1加熱部4Hと、減圧部4Kと、第2加熱部4Lbとを含む。第2加熱部4Lbは、微細気泡含有液膜LM又は基板Wに光を照射して、微細気泡含有液膜LMを加熱する。その結果、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が圧壊されて、基板Wから異物が除去される。
【0268】
第2加熱部4Lbは、制御装置101(制御部102)によって制御されて、放電により閃光を発生させる。以下、第2加熱部4Lbを、「フラッシュランプ加熱部4Lb」と記載する場合がある。具体的には、フラッシュランプ加熱部4Lbは、パルス光を発光する光源を含む。制御装置101(制御部102)がフラッシュランプ加熱部4Lbを駆動すると、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に光源が発光する。すなわち、フラッシュランプ加熱部4Lbは、閃光を発生させる。例えば、フラッシュランプ加熱部4Lbは、キセノンフラッシュランプを含む。
【0269】
本実施形態において、フラッシュランプ加熱部4Lbは、基板処理時に基板Wに対向する。詳しくは、フラッシュランプ加熱部4Lbは、基板処理時に基板Wの上方に位置する。フラッシュランプ加熱部4Lbは、基板処理時に、基板Wの上面に形成されている微細気泡含有液膜LMに向けて閃光を照射する。より詳しくは、フラッシュランプ加熱部4Lbは、回転中の基板Wに向けて閃光を照射する。
【0270】
圧壊部4は、フラッシュランプ加熱部4Lbに加えて、ランプ移動部5Lを更に含む。ランプ移動部5Lは、制御装置101(制御部102)によって制御されて、フラッシュランプ加熱部4Lbを円弧状の軌跡に沿って移動させる。具体的には、ランプ移動部5Lは、フラッシュランプ加熱部4Lbをフルスキャン又はハーフスキャンさせる。フラッシュランプ加熱部4Lbは、円弧状の軌跡に沿って移動しつつ、基板Wに向けて閃光を照射する。詳しくは、制御装置101(制御部102)は、フラッシュランプ加熱部4Lbを間欠的に駆動して、間欠的に閃光を発生させる。なお、フラッシュランプ加熱部4Lbから光を出射させる位置は、ベルヌーイ効果が発生し得る位置より上方の位置であってもよい。
【0271】
制御装置101(制御部102)は、処理液供給部7を制御して、回転中の基板Wに向けて吐出ノズル9から微細気泡含有処理液を吐出させる。その結果、基板Wの上面に微細気泡含有液膜LMが形成される。制御装置101(制御部102)は、微細気泡含有液膜LMが形成された後、ノズル移動部91を制御して、吐出ノズル9を処理位置から待機位置PS3へ移動させる。その後、制御装置101(制御部102)は、ランプ移動部5Lを制御して、フラッシュランプ加熱部4Lbを移動させつつ、フラッシュランプ加熱部4Lbを制御して、回転中の基板Wに向けてフラッシュランプ加熱部4Lbから閃光を間欠的に照射させる。この結果、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡が圧壊されて、基板Wから異物が除去される。
【0272】
以上、図22を参照して本発明の実施形態9を説明した。実施形態9によれば、実施形態1~8と同様に、基板Wに微細気泡含有液膜LMを形成した後に、微細気泡含有液膜LMに含有されている微細気泡を圧壊させることができる。よって、基板Wから効率よく異物を除去することができる。
【0273】
なお、圧壊部4は、第1加熱部4Hと、減圧部4Kと、第2加熱部4Lbとのうちの任意の一つ又は二つを含んでもよい。また、本実施形態では、第2加熱部4Lbは基板Wの上面側から微細気泡含有液膜LMに閃光を照射したが、第2加熱部4Lbは、基板Wの下面側から基板Wに閃光を照射してもよい。つまり、基板Wの下面側に、第1加熱部4Hに替えて第2加熱部4Lbが配置されてもよい。この場合、第2加熱部4Lbは、基板Wの下面の略全面に閃光を照射する。
【0274】
以上、図面(図1図22)を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0275】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0276】
例えば、図1図18を参照して説明した第1負圧発生部4A~第6負圧発生部4Fのうちのいずれか1つと、図19図22を参照して説明した流体噴出部4G、第1加熱部4H、減圧部4K、第2加熱部4La、及び第2加熱部4Lbのうちの1つ以上とを組み合わせてもよい。
【0277】
また、図1図22を参照して説明した実施形態において、基板保持部2は、複数のチャック部材21を基板Wの周端面に接触させる挟持式のチャックであったが、基板Wを保持する方式は、基板Wを水平に保持できる限り、特に限定されない。例えば、基板保持部2は、バキューム式のチャックであってもよいし、ベルヌーイ式のチャックであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0278】
本発明は、基板を処理する装置に有用である。
【符号の説明】
【0279】
2 :基板保持部
3 :基板回転部
4 :圧壊部
4A :第1負圧発生部
4B :第2負圧発生部
4C :第3負圧発生部
4D :第4負圧発生部
4E :第5負圧発生部
4F :第6負圧発生部
4G :流体噴出部
4H :第1加熱部
4K :減圧部
4La :第2加熱部
4Lb :第2加熱部
41a :第1ノズル
41b :第2ノズル
42 :第1遮断部材
43a :第1ラインノズル
43b :第2ラインノズル
44 :第2遮断部材
100 :基板処理装置
101 :制御装置
102 :制御部
103 :記憶部
200 :基板処理部
200a :処理室
200b :内側空間
411a :対向面
411b :対向面
412a :液噴出口
412b :気体噴出口
416b :液吐出口
421 :対向面
422 :気体噴出口
424 :液吐出口
431a :対向面
431b :対向面
432a :液噴出口
432b :気体噴出口
436b :液吐出口
441a :対向面
442 :液吐出口
G :隙間
LM :微細気泡含有液膜
SP :負圧形成領域
W :基板
図1
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