IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 長野計器株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-差圧発生装置 図1
  • 特開-差圧発生装置 図2
  • 特開-差圧発生装置 図3
  • 特開-差圧発生装置 図4
  • 特開-差圧発生装置 図5
  • 特開-差圧発生装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172538
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】差圧発生装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 27/00 20060101AFI20241205BHJP
   G05D 16/20 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G01L27/00
G05D16/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090321
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000150707
【氏名又は名称】長野計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】山村 祐司
(72)【発明者】
【氏名】石川 諒太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 康久
【テーマコード(参考)】
2F055
5H316
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB06
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF45
2F055HH01
5H316AA15
5H316BB01
5H316DD13
5H316DD17
5H316EE02
5H316FF02
5H316HH04
5H316HH12
(57)【要約】
【課題】校正作業を簡素化することができる差圧発生装置を提供すること。
【解決手段】差圧発生装置1は、一端が、所定の圧力で流体を供給可能な流体供給源に接続される管路6と、管路6に設けられ、管路6内を流通する流体の圧力を調整する圧力調整弁5と、管路6における圧力調整弁5の二次側に設けられ、管路6の流路断面積を減少させる第1オリフィス部646と、管路6における第1オリフィス部646の二次側に設けられ、管路6の流路断面積を減少させる第2オリフィス部647と、管路6における第2オリフィス部647の一次側に接続される高圧ポート部211と、管路6における第2オリフィス部647の二次側に接続される低圧ポート部212と、高圧ポート部211を第2オリフィス部647の二次側に接続させ、かつ、低圧ポート部212を第2オリフィス部647の一次側に接続させるポート切替機構7と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が、所定の圧力で流体を供給可能な流体供給源に接続される管路と、
前記管路に設けられ、前記管路内を流通する前記流体の圧力を調整する圧力調整弁と、
前記管路における前記圧力調整弁の二次側に設けられ、前記管路の流路断面積を減少させる第1オリフィス部と、
前記管路における前記第1オリフィス部の二次側に設けられ、前記管路の流路断面積を減少させる第2オリフィス部と、
前記管路における前記第2オリフィス部の一次側に接続される高圧ポート部と、
前記管路における前記第2オリフィス部の二次側に接続される低圧ポート部と、
前記高圧ポート部を前記第2オリフィス部の二次側に接続させ、かつ、前記低圧ポート部を前記第2オリフィス部の一次側に接続させるポート切替機構と、を備える
ことを特徴とする差圧発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の差圧発生装置において、
前記第2オリフィス部の一次側と二次側との間の差圧を測定する基準差圧測定部と、
前記基準差圧測定部の測定結果に基づいて、前記第2オリフィス部の一次側と二次側との間の差圧が所定の設定値となるように前記圧力調整弁の開度を調整する制御部と、を備える
ことを特徴とする差圧発生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の差圧発生装置において、
前記管路における前記圧力調整弁の一次側に設けられ、前記管路内に流通する前記流体の圧力を減圧させる減圧弁を備え、
前記流体供給源は、
前記管路の一端に接続され、所定の圧力で前記流体を発生させる流体発生装置と、
前記管路の一端に接続され、所定の圧力の前記流体を外部装置から流入させる流体流入部と、を備える
ことを特徴とする差圧発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の差圧発生装置において、
前記管路における前記減圧弁の一次側に設けられ、前記管路内に流通する前記流体の圧力を測定する圧力センサと、
前記圧力センサの測定値に基づいて、前記流体発生装置の駆動を制御する流体発生装置制御部と、を備える
ことを特徴とする差圧発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差圧発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、微小な差圧を発生させることができる差圧発生装置が知られている(例えば、特許文献1等)。
【0003】
特許文献1では、圧力降下が大きく異なる2つの流動抵抗要素を直列に接続し、それらに作動流体を層流状態で流過させている。具体的には、まず、圧力降下が大なる高流動抵抗要素により圧力を降下させ、次に、圧力降下が小さな低流動抵抗要素により圧力を降下させ、当該低流動抵抗要素の前後における微小な差圧を高精度に計算して導出できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-77536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のような差圧発生装置は、通常、差圧計等の測定機器の校正に用いられる。この際、プラス側の差圧の校正に加えて、マイナス側の差圧の校正を実施することがある。この場合、プラス側の差圧の校正を実施した後に、差圧計に接続するポートの圧力配管を高圧側と低圧側とで入れ替えてマイナス側の校正を実施する必要があるため、ポートを切り替える作業が発生していまい、校正作業が煩雑になってしまうといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の差圧発生装置は、一端が、所定の圧力で流体を供給可能な流体供給源に接続される管路と、前記管路に設けられ、前記管路内を流通する前記流体の圧力を調整する圧力調整弁と、前記管路における前記圧力調整弁の二次側に設けられ、前記管路の流路断面積を減少させる第1オリフィス部と、前記管路における前記第1オリフィス部の二次側に設けられ、前記管路の流路断面積を減少させる第2オリフィス部と、前記管路における前記第2オリフィス部の一次側に接続される高圧ポート部と、前記管路における前記第2オリフィス部の二次側に接続される低圧ポート部と、前記高圧ポート部を前記第2オリフィス部の二次側に接続させ、かつ、前記低圧ポート部を前記第2オリフィス部の一次側に接続させるポート切替機構と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明では、第2オリフィス部の一次側に接続される高圧ポート部を第2オリフィス部の二次側に接続させ、かつ、第2オリフィス部の二次側に接続される低圧ポート部を第2オリフィス部の一次側に接続させるポート切替機構を備える。これにより、差圧計の一次側に高圧ポート部を接続し、二次側に低圧ポート部に接続した状態でプラス側の校正を実施し、その後、ポート切替機構により接続させるポートを切り替えることにより、マイナス側の校正を実施することができる。そのため、作業者は差圧計に接続させるポートの圧力配管接続を入れ替える必要がないので、校正作業を簡素化することができる。
【0008】
本発明の差圧発生装置において、前記第2オリフィス部の一次側と二次側との間の差圧を測定する基準差圧測定部と、前記基準差圧測定部の測定結果に基づいて、前記第2オリフィス部の一次側と二次側との間の差圧が所定の設定値となるように前記圧力調整弁の開度を調整する制御部と、を備えることが好ましい。
この構成では、基準差圧測定部の測定結果に基づいて、第2オリフィス部の一次側と二次側との間の差圧が所定の設定値となるように圧力調整弁の開度を調整する制御部を備えるので、作業者は圧力調整弁の開度を調整する必要がなく、また、流体を所定の温度に調整させる必要もないので、所定の差圧値を容易に達成することができる。
【0009】
本発明の差圧発生装置において、前記管路における前記圧力調整弁の一次側に設けられ、前記管路内に流通する前記流体の圧力を減圧させる減圧弁を備え、前記流体供給源は、前記管路の一端に接続され、所定の圧力で前記流体を発生させる流体発生装置と、前記管路の一端に接続され、所定の圧力の前記流体を外部装置から流入させる流体流入部と、を備えることが好ましい。
この構成では、流体供給源は、管路の一端に接続され、所定の圧力で流体を発生させる流体発生装置を備えるので、外部から所定の圧力の流体の供給がない場合でも、所定の圧力を発生させることができる。また、流体供給源は、管路の一端に接続され、所定の圧力の流体を外部装置から流入させる流体流入部を備えるので、外部から所定の圧力の流体の供給がある場合はそれを利用でき、流体発生装置を駆動させる必要がないので、省電力化を達成できる。
【0010】
本発明の差圧発生装置において、前記管路における前記減圧弁の一次側に設けられ、前記管路内に流通する前記流体の圧力を測定する圧力センサと、前記圧力センサの測定値に基づいて、前記流体発生装置の駆動を制御する流体発生装置制御部と、を備えることが好ましい。
この構成では、流体の圧力に基づいて流体発生装置の駆動を制御する流体発生装置制御部を備えるので、流体流入部を介して外部装置から供給される流体の圧力が閾値以下の場合に、流体発生装置を自動で駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る差圧発生装置の概略を示す斜視図。
図2図1とは別の方向から視た差圧発生装置の概略を示す斜視図。
図3図2における背面板を外した状態の差圧発生装置の概略を示す斜視図。
図4】前記実施形態の差圧発生管路の一部の概略を示す分解斜視図。
図5】前記実施形態の差圧発生管路の一部の概略を示す断面図。
図6】前記実施形態の差圧発生装置の概略を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
本発明の一実施形態に係る差圧発生装置1を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の差圧発生装置1の概略を示す斜視図であり、図2は、図1とは別の方向から視た差圧発生装置1の概略を示す斜視図であり、図3は、図2における背面板21を外した状態の差圧発生装置1の概略を示す斜視図である。
図1図3に示すように、差圧発生装置1は、筐体2を備える。
【0013】
[筐体2]
筐体2は、金属製で直方体状に形成され、前面側にタッチパネル3が設けられ、背面側に背面板21が設けられている。
タッチパネル3は、液晶モニタなどにより構成されており、差圧値や設定値などを表示する表示部31として構成され、かつ、設定値などの設定のために操作する操作部32として構成されている。
【0014】
背面板21は、矩形の平板状に形成されており、筐体2に対して着脱可能に構成されている。そして、背面板21には、高圧ポート部211、低圧ポート部212、流体流入部213、および、メインスイッチ214等が設けられている。なお、高圧ポート部211、低圧ポート部212、および、流体流入部213の詳細について後述する。
また、筐体2の側面には、把持部22が設けられている。これにより、作業者が差圧発生装置1を容易に持ち運ぶことができるようにしている。
【0015】
図3に示すように、筐体2の内部には、ポンプ4と、圧力調整弁5と、管路6と、ポート切替機構7とが収納されている。なお、ポート切替機構7の詳細については後述する。
ポンプ4は、所謂エアーポンプであり、外部装置から供給される流体の圧力が閾値以下の場合に、所定の圧力で流体である空気を発生させるように構成されている。すなわち、ポンプ4は、本発明の流体発生装置の一例である。
圧力調整弁5は、後述する制御部9から入力される信号に応じて開度を調整可能なように構成されている。
【0016】
[管路6]
管路6は、流体流入部213に接続される流入管路61と、高圧ポート部211に接続される高圧管路62と、低圧ポート部212に接続される低圧管路63と、一次側が圧力調整弁5に接続され二次側が大気開放される差圧発生管路64と、を備える。
【0017】
図4は、差圧発生管路64の一部の概略を示す分解斜視図であり、図5は、差圧発生管路64の一部の概略を示す断面図である。
図4図5に示すように、差圧発生管路64は、L型継手部641と、第1T型継手部642と、第2T型継手部643と、第1チューブ644と、第2チューブ645と、を備える。
【0018】
第1チューブ644は、内部が中空とされたチューブ状に形成され、一次側がL型継手部641に接続され、二次側が第1T型継手部642に接続されている。そして、第1チューブ644の二次側の端部には、第1オリフィス部646が設けられている。
第1オリフィス部646は、二次側の端部にフランジ部が設けられた円管状に形成されている。そして、第1オリフィス部646は、二次側の端部の流路断面積が減少するように構成されている。これにより、管路6を構成する第1チューブ644は、第1オリフィス部646により流路断面積が減少するように構成されている。そのため、第1チューブ644は、一次側と二次側とで、すなわち、L型継手部641側と第1T型継手部642側とで流通する流体である空気の圧力差が生じるように構成されている。
【0019】
第2チューブ645は、内部が中空とされたチューブ状に形成され、一次側が第1T型継手部642に接続され、二次側が第2T型継手部643に接続されている。そして、第2チューブ645の二次側の端部には、第2オリフィス部647が設けられている。
第2オリフィス部647は、二次側の端部にフランジ部が設けられた円管状に形成されている。そして、第2オリフィス部647は、二次側の端部の流路断面積が減少するように構成されている。これにより、管路6を構成する第2チューブ645は、第2オリフィス部647により流路断面積が減少するように構成されている。そのため、第2チューブ645は、一次側と二次側とで、すなわち、第1T型継手部642側と第2T型継手部643側とで流通する流体である空気の圧力差が生じるように構成されている。
【0020】
ここで、本実施形態では、第2オリフィス部647よりも第1オリフィス部646の方が、流路断面積が小さくなるように構成されている。すなわち、第2オリフィス部647に比べて第1オリフィス部646の方が、流通する流体である空気の圧力損失が大きくなるように構成されている。
【0021】
また、本実施形態では、第1オリフィス部646には、二次側の端部に径方向に延びるフランジ部が設けられており、第1チューブ644の二次側の端面と第1T型継手部642の内面とで当該フランジ部が挟みこまれて位置決めされることから、第1オリフィス部646の位置がずれてしまうことを抑制できる。同様に、第2オリフィス部647には、二次側の端部に径方向に延びるフランジ部が設けられており、第2チューブ645の二次側の端面と第2T型継手部643の内面とで当該フランジ部が挟みこまれて位置決めされることから、第2オリフィス部647の位置がずれてしまうことを抑制できる。
さらに、本実施形態では、第2T型継手部643の先端側は大気開放されている。これにより、第2オリフィス部647の二次側は大気圧になるので、圧力が安定化する。なお、上記構成に限られるものではなく、例えば、第2オリフィス部647の二次側は、所定の圧力に調整された接続先に接続されていてもよい。このように構成することで、大気圧が変動するような環境においても、第2オリフィス部647の二次側の圧力を安定化させることができる。
【0022】
図6は、差圧発生装置1の概略を示す構成図である。
図6に示すように、差圧発生装置1は、さらに、圧力センサ81と、減圧弁82と、基準差圧測定部83と、制御部9とを備える。
【0023】
圧力センサ81は、流体流入部213を介して外部装置から供給される空気、または、ポンプ4で発生した空気の圧力を測定可能に構成されている。なお、流体流入部213およびポンプ4は、本発明の流体供給源を構成する。
このように、本実施形態では、所定の圧力の空気を外部装置から流入させる流体流入部213を備えるので、外部から所定の圧力の流体の供給がある場合はそれを利用でき、ポンプ4を駆動させる必要がないので、省電力化を達成できる。
【0024】
減圧弁82は、管路6における圧力調整弁5の一次側に設けられ、管路6内に流通する空気の圧力を減圧させるように構成されている。これにより、流体流入部213を介して外部装置から空気を供給する場合において、外部装置から供給される空気の圧力が著しく高い場合であっても、所定の圧力の空気を圧力調整弁5に供給することができる。
【0025】
基準差圧測定部83は、所謂差圧センサであり、差圧発生管路64における第2オリフィス部647の一次側と二次側との間の差圧を測定可能に構成されている。そして、基準差圧測定部83は、測定値に応じた測定信号を制御部9に出力するように構成されている。
【0026】
[ポート切替機構7]
ポート切替機構7は、一次側が前述した第1T型継手部642および第2T型継手部643に接続されている。すなわち、ポート切替機構7は、一次側が第2オリフィス部647の一次側および二次側に接続されている。さらに、ポート切替機構7は、二次側が高圧ポート部211および低圧ポート部212に接続されている。そして、ポート切替機構7は、第2オリフィス部647の一次側を高圧ポート部211に接続させ、第2オリフィス部647の二次側を低圧ポート部212に接続できるように構成されている。これにより、高圧ポート部211から流出する空気と、低圧ポート部212から流出する空気とで、所定の圧力差を生じさせることができるように構成されている。
【0027】
さらに、本実施形態では、ポート切替機構7は、第2オリフィス部647の一次側を低圧ポート部212に接続させ、第2オリフィス部647の二次側を高圧ポート部211に接続できるように構成されている。すなわち、ポート切替機構7は、第2オリフィス部647の一次側および二次側と、高圧ポート部211および低圧ポート部212との接続を切り替え可能に構成されている。これにより、差圧発生装置1に接続される差圧計の一次側に高圧ポート部211を接続し、二次側に低圧ポート部212に接続した状態でプラス側の校正を実施し、その後、ポート切替機構7により接続させるポートを切り替えることにより、マイナス側の校正を実施することができる。そのため、作業者は差圧計に接続させるポートの圧力配管接続を入れ替える必要がないので、校正作業を簡素化することができる。
【0028】
[制御部9]
制御部9は、中央演算部91と、PID回路92と、ポンプ制御部93と、を備える。
中央演算部91は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)により構成される所謂制御装置である。そして、本実施形態では、中央演算部91は、表示部31および操作部32により構成されるタッチパネル3の動作を制御することにより、発生させる差圧値を設定したり、表示部31に現在の差圧値を表示させたりするように構成されている。
【0029】
PID回路92は、基準差圧測定部83から出力される測定信号に基づいて、第2オリフィス部647の一次側と二次側との間の差圧が所定の設定値となるように圧力調整弁5の開度を調整するように構成されている。これにより、PID回路92が、基準差圧測定部83の測定結果に基づいて、第2オリフィス部647の一次側と二次側との間の差圧が所定の設定値となるように圧力調整弁5の開度を調整するので、作業者は圧力調整弁5の開度を調整する必要がなく、また、空気を所定の温度に調整させる必要もないので、所定の差圧値を容易に達成することができる。
【0030】
ポンプ制御部93は、圧力センサ81の測定値に基づいて、ポンプ4の駆動を制御するように構成されている。これにより、流体流入部213を介して外部装置から供給される流体の圧力が閾値以下の場合に、圧力センサ81の測定値は所定の圧力よりも低くなることから、所定の圧力を閾値としてポンプ制御部93がポンプ4を自動で駆動させるようにすることができる。そのため、外部装置から空気が供給される場合と、ポンプ4を駆動させる場合とを自動で切り替えることができる。なお、ポンプ制御部93は、本発明の流体発生装置制御部の一例である。
【0031】
以上のような本実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、第2オリフィス部647の一次側に接続される高圧ポート部211を第2オリフィス部647の二次側に接続させ、かつ、第2オリフィス部647の二次側に接続される低圧ポート部212を第2オリフィス部647の一次側に接続させるポート切替機構7を備える。これにより、差圧計の一次側に高圧ポート部211を接続し、二次側に低圧ポート部212に接続した状態でプラス側の校正を実施し、その後、ポート切替機構7により接続させるポートを切り替えることにより、マイナス側の校正を実施することができる。そのため、作業者は差圧計に接続させるポートの圧力配管接続を入れ替える必要がないので、校正作業を簡素化することができる。
【0032】
(2)本実施形態では、基準差圧測定部83の測定結果に基づいて、第2オリフィス部647の一次側と二次側との間の差圧が所定の設定値となるように圧力調整弁5の開度を調整するPID回路92を備えるので、作業者は圧力調整弁5の開度を調整する必要がなく、また、空気を所定の温度に調整させる必要もないので、所定の差圧値を容易に達成することができる。
【0033】
(3)本実施形態では、管路6の一端に接続され、所定の圧力で流体を発生させるポンプ4を備えるので、外部から所定の圧力の流体の供給がない場合でも、所定の圧力を発生させることができる。また、管路6の一端に接続され、所定の圧力の流体を外部装置から流入させる流体流入部213を備えるので、外部から所定の圧力の流体の供給がある場合はそれを利用でき、ポンプ4を駆動させる必要がないので、省電力化を達成できる。
【0034】
(4)本実施形態では、空気の圧力に基づいてポンプ4の駆動を制御するポンプ制御部93を備えるので、流体流入部213を介して外部装置から供給される流体の圧力が閾値以下の場合に、ポンプ4を自動で駆動させるができる。
【0035】
[変形例]
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0036】
前記実施形態では、タッチパネル3は、表示部31および操作部32により構成される液晶パネルとして構成されていたが、これに限定されない。例えば、表示機能のみを有する液晶パネルと、当該液晶パネルとは別に操作ボタンなどが設けられるように構成されていてもよい。
【0037】
前記実施形態では、流体供給源は、流体流入部213およびポンプ4を備えて構成されていたが、これに限定されない。例えば、流体供給源として、外部装置から流体を供給できる流体流入部のみを備えるように構成されていてもよく、あるいは、所定の圧力の流体を発生させる流体発生装置のみを備えるように構成されていてもよい。
【0038】
前記実施形態では、第2オリフィス部647よりも第1オリフィス部646の方が、流路断面積が小さくなるように構成されていたが、これに限定されない。例えば、第1オリフィス部よりも第2オリフィス部の方が、流路断面積が小さくなるように構成されていてもよく、あるいは、第1オリフィス部と第2オリフィス部とで流路断面積が同じになるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…差圧発生装置、2…筐体、3…タッチパネル、4…ポンプ(流体発生装置)、5…圧力調整弁、6…管路、7…ポート切替機構、9…制御部、21…背面板、22…把持部、31…表示部、32…操作部、61…流入管路、62…高圧管路、63…低圧管路、64…差圧発生管路、81…圧力センサ、82…減圧弁、83…基準差圧測定部、91…中央演算部、92…PID回路、93…ポンプ制御部(流体発生装置制御部)、211…高圧ポート部、212…低圧ポート部、213…流体流入部、214…メインスイッチ、641…L型継手部、642…第1T型継手部、643…第2T型継手部、644…第1チューブ、645…第2チューブ、646…第1オリフィス部、647…第2オリフィス部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6