(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172539
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 61/02 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65B61/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090322
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】河村 涼一
(72)【発明者】
【氏名】芝 恭平
(72)【発明者】
【氏名】高森 和章
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA02
3E056BA03
3E056BA05
3E056CA02
3E056DA01
3E056EA05
3E056FA01
3E056GA04
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、異なる商品に対して共通のフィルムを使用できる製袋包装機を提供することである。
【解決手段】帯状のフィルムFにおいて、印字部30によって印字される印字領域Rは、製袋後に袋の表側になる第1領域R1と裏側になる第2領域R2とに跨っている。制御部70は、第1領域R1に印字する第1情報と、第2領域R2に印字する第2情報とを纏めて印字部30に印字させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状フィルムから成形される筒状フィルム内に物品を供給し、前記筒状フィルムを横シールすることにより1袋詰単位の商品を製造する製袋包装機であって、
前記帯状フィルムに前記商品に関する情報を印字する印字部と、
前記印字部を駆動制御する制御部と、
を備え、
前記帯状フィルムにおいて、前記印字部によって印字される印字領域は、製袋後に袋の表側になる第1領域と裏側になる第2領域とに跨っており、
前記制御部は、前記第1領域に印字する第1情報と、前記第2領域に印字する第2情報とを纏めて前記印字部に印字させる、
製袋包装機。
【請求項2】
前記印字部は、前記第1情報および前記第2情報を、前記帯状フィルムの同一平面上に印字する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記第1領域および前記第2領域は互いに隣接し、或いは一体化され、
1つの前記印字部が、前記第1領域および前記第2領域に接触して印字を行う、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記第1領域に少なくとも前記商品の商品名が印字され、
前記第2領域に少なくとも前記商品の前記商品名以外の付加情報が印字される、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記制御部は、前記帯状フィルムの搬送に同期させて前記印字部を駆動制御する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記第1領域および前記第2領域は、熱に反応して印字が行われる感熱印字域を有し、
前記印字部は、前記感熱印字域に接触して印字を行う、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記印字部は、前記帯状フィルムの搬送方向と交差する方向に複数の発熱体が配列されたサーマルヘッドで構成されている、
請求項6に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
袋の表側および裏側になるフィルム全面に袋詰め商品に対応した商標や原材料名が予め印刷され、さらに製造年月日が印字されたシート状のフィルムから袋を作り、その中に、スナック菓子などの物品を詰める製袋包装機が広く普及している。例えば、特許文献1(特開2016-175661号公報)には、文字または図形が印刷されたフィルムを使用する製袋包装機が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような製袋包装機では、異なる商品に対しては異なるフィルムが使用されるので、フィルム交換という作業が必要となる。
【0004】
それゆえ、異なる商品に対して共通のフィルムを使用できる製袋包装機が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の製袋包装機は、帯状フィルムから成形される筒状フィルム内に物品を供給し、筒状フィルムを横シールすることにより1袋詰単位の商品を製造する製袋包装機であって、印字部と制御部とを備えている。印字部は、帯状フィルムに商品に関する情報を印字する。制御部は、印字部を駆動制御する。帯状フィルムにおいて、印字部によって印字される印字領域は、製袋後に袋の表側になる第1領域と裏側になる第2領域とに跨っている。制御部は、第1領域に印字する第1情報と、第2領域に印字する第2情報とを纏めて印字部に印字させる。
【0006】
この製袋包装機では、第1領域および第2領域の両方に対して、商品に関する情報が製袋時に印字されるので、異なる商品ごとに予め印刷または印字された異なるフィルムを備える必要がなく、異なる商品に対して共通のフィルムを使用することが可能である。
【0007】
第2観点の製袋包装機は、第1観点の製袋包装機であって、印字部が第1情報および第2情報を帯状フィルムの同一平面上に印字する。
【0008】
この製袋包装機では、帯状フィルムが筒状フィルムへ成形される前の一平面が印字面となるので、例えば、1つの印字部で第1情報と第2情報とを印字することが可能である。
【0009】
第3観点の製袋包装機は、第1観点の製袋包装機であって、第1領域および第2領域が互いに隣接し、或いは一体化されている。1つの印字部が、第1領域および第2領域に接触して印字を行う。
【0010】
この製袋包装機では、1つの印字部だけで、第1領域への第1情報の印字、および第2領域への第2情報の印字を同時に行うことが可能となり、第1領域および第2領域それぞれに対応する2つの印字部を搭載する必要がなく、構成および制御が簡素化する。
【0011】
第4観点の製袋包装機は、第1観点から第3観点のいずれか1つの製袋包装機であって、第1領域に少なくとも商品の商品名が印字され、第2領域に少なくとも商品の商品名以外の付加情報が印字される。
【0012】
この製袋包装機では、商品の商品名および付加情報が製袋時に印字されるので、異なる商品ごとに予め印刷または印字された異なるフィルムを備える必要がなく、異なる商品に対して共通のフィルムを使用することが可能である。
【0013】
第5観点の製袋包装機は、第1観点から第3観点のいずれか1つの製袋包装機であって、制御部が帯状フィルムの搬送に同期させて印字部を駆動制御する。
【0014】
第6観点の製袋包装機は、第1観点から第3観点のいずれか1つの製袋包装機であって、第1領域および第2領域が、熱に反応して印字が行われる感熱印字域を有している。印字部は、感熱印字域に接触して印字を行う。
【0015】
第7観点の製袋包装機は、第6観点の製袋包装機であって、印字部が、帯状フィルムの搬送方向と交差する方向に複数の発熱体が配列されたサーマルヘッドで構成されている。
【発明の効果】
【0016】
本開示の製袋包装機では、第1領域および第2領域の両方に対して、商品に関する情報が製袋時に印字されるので、異なる商品ごとに予め印刷または印字された異なるフィルムを備える必要がなく、異なる商品に対して共通のフィルムを使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の一実施形態に係る製袋包装機の概略構成図。
【
図2】フィルムをサーマルヘッド側から視たときのフィルムの表側面の正面図。
【
図3】印字領域に印字されたフィルムから袋を製袋する製袋部の斜視図。
【
図4A】筒状フィルムから切り離された袋を表側から視たときの当該袋の斜視図。
【
図4B】筒状フィルムから切り離された袋を裏側から視たときの当該袋の斜視図。
【
図5】本開示の第1変形例に係る製袋包装機の概略構成図。
【
図6】第2変形例に係るフィルムをサーマルヘッド側から視たときのフィルムの表側面の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本開示の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
(1)製袋包装機1の概略構成
図1は、本開示の一実施形態に係る製袋包装機100の概略構成図である。
図1において、製袋包装機100は、いわゆる縦ピロー包装機であって、フィルムロールFRから繰り出される帯状のフィルム(以下、単に「フィルムF」という。)を筒状に成形して所定の位置で縦シールし、物品を投入してから、横シールして封止した後、袋Bとして排出する装置である。
【0020】
製袋包装機100は、フィルム供給部10、搬送部20、印字部30、製袋部40、および制御部70を有している。
【0021】
(1-1)フィルム供給部10
フィルム供給部10は、フィルムロールFRを、回転自在に支持する。フィルム供給部10は、シャフト12と、シャフト12を回転させるシャフトモータ(図示せず)とを有している。シャフト12は、フィルムロールFRの中心孔に挿入されることによって、フィルムロールFRを支持する。シャフト12は、シャフトモータの出力軸に接続されており、シャフトモータの駆動に連動して回転する。シャフトモータの動作(回転数)は、制御部70によって制御される。
【0022】
(1-2)搬送部20
搬送部20は、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFを製袋部40へと搬送する。搬送部20は、複数のローラ21およびテンションローラ25を含んでいる。複数のローラ21は、フィルム供給部10と製袋部40の間に配置されている。テンションローラ25は、鉛直方向に移動することでフィルムFに所定の張力を付加する。
【0023】
(1-3)印字部30
印字部30は、搬送中のフィルムFの所定の位置に、商品名、製造年月日などの所定の情報を印字する。印字部30は、サーマルヘッド31およびプラテンローラ32を含んでいる。
【0024】
サーマルヘッド31は、フィルムFの搬送方向と交差する方向に配列された複数の発熱体31aを有している。各発熱体31aは、通電可能に組み込まれており、通電時間が制御されて、発熱温度が制御される。
【0025】
サーマルヘッド31は、プラテンローラ32側へ一定の力で押されており、フィルムFはサーマルヘッド31とプラテンローラ32とに挟まれた状態で搬送される。この搬送の際に、サーマルヘッド31の各発熱体31aが発熱するように制御される。
【0026】
フィルムFには、製袋後に外表面となる表側面FSの一部または全面に、熱によって発色する処理が施されている。印字部30の動作は、制御部70によってフィルムFの搬送に同期して駆動制御される。
【0027】
(1-4)製袋部40
製袋部40は、フィルムFを加工して製袋する。製袋部40は、フォーマ41、縦シール部42、横シール部43、及び切断部44を含んでいる。
【0028】
フォーマ41は、搬送されてきたフィルムFのうち搬送方向と平行な両端部が重なるように筒状に丸める。その重ね合わせされた部分が縦シール部42によって加熱シールされて、筒状のフィルム(以下、筒状フィルムFcという。)が成形される。
【0029】
横シール部43は、筒状フィルムFcの所定位置を、その搬送方向と直交する方向から挟み込んで加熱シールして袋の底部を形成する。底部が形成された筒状フィルムFcには、ホッパ39を介して1袋分の物品が充填される。1袋分の物品が充填された筒状フィルムFcは、所定長さ下流側へ搬送された時点で再び横シール部43によって加熱シールされ、先行する袋Bの頭部と後続の袋Bの底部が形成される。
【0030】
切断部44は、横シール部43によって加熱シールされた部分を、上下寸法のほぼ中央位置で切断し、先行する袋Bの頭部と後続の袋Bの底部とを切り離す。
【0031】
製袋部40から供給された袋Bは、排出コンベア23によって、製袋包装機100外へと排出される。
【0032】
(1-5)制御部70
制御部70は、RAMやROM等のメモリと、CPUを含むマイクロコンピュータである。制御部70は、メモリに格納された制御プログラムに応じて、製袋包装機100に含まれる各部の動作又は状態を、適宜制御する。
【0033】
(2)フィルムFへの印字
図2は、フィルムFをサーマルヘッド31側から視たときのフィルムFの表側面FSの正面図である。
図2において、フィルムFは幅Wfを有する帯状のフィルムであり、フィルム搬送方向Dfに沿って等間隔でマークMが印刷されている。
【0034】
また、フィルム供給部10にセットされるフィルムFの表側面FSおよび裏側面BSには、例えば、会社ロゴや、会社を想起させる特定の絵柄等が印刷されていても良い。ただし、製袋後に外表面となる表側面FSのうち、印字部30によって印字される印字領域Rには、熱によって発色する感熱発色層が形成されている。これにより、充填される商品の種類に応じて、印字領域Rに商品名や添加物名等を印字することができる。
【0035】
図2において、フィルムFの両端と平行に延びる第1仮想線L1、第2仮想線L2は、製袋後に袋Bの幅Wb方向の端となる。
図2正面視で、第1仮想線L1と第2仮想線L2に挟まれた部分は、製袋後に袋の表側となり、残りの部分は裏側となる。
【0036】
本実施形態では、
図2正面視において、印字領域Rのうち第1仮想線L1と第2仮想線L2との間の中央から第2仮想線L2に向かって第1領域R1が形成され、第2仮想線L2を挟んで第1領域R1の右側に第2領域R2が形成されている。
【0037】
図2に示すように、フィルム搬送方向Dfにおけるサーマルヘッド31より上流側に位置する第1領域R1および第2領域R2には何も印字されていない。
【0038】
一方、サーマルヘッド31を通過し、サーマルヘッド31より下流側に位置する第1領域R1および第2領域R2には所定の情報が印字されている。
【0039】
具体的には、商品名および商品の特徴などの第1情報が第1領域R1に記載され、第1情報以外の商品に関する付加情報(原材料、内容量、賞味期限など)が第2領域R2に記載される。
【0040】
(3)製袋包装機の動作
図3は、印字領域Rに印字されたフィルムFから袋Bを製袋する製袋部40の斜視図である。
図1および
図3において、フィルム供給部10から供給されるフィルムFは、製袋部40に到達する途中において、印字部30のサーマルヘッド31によって印字領域Rの第1領域R1および第2領域R2それぞれに必要な商品情報が印字される。
【0041】
サーマルヘッド31は、
図2に示すように、フィルムFが製袋前の平面であるうちに、製袋後に袋Bの表側になる第1領域R1と袋の裏側になる第2領域R2とに跨って印字する。それゆえ、1つのサーマルヘッド31によって袋Bの表側および裏側に印字することができ、異なる商品に対してフィルムの共通化を図ることが可能となり、コスト低減に資する。
【0042】
図3に示すように、フィルムFは裏側面BSを上方、表側面FSを下方にしてフォーマ41に到達し、裏側面BSが内側となるようにフォーマ41の内側に配置される、ホッパ39下部の円筒部分に巻き付けられて筒状になるので、印字領域Rがある表側面FSは外側となる。
【0043】
このとき、フィルムFは、上下方向に延びる両端部が重ね合わせられ、プルダウンベルト22によって下方に搬送される。フィルムFの重なり部分は、縦シール部42によって縦方向に加熱シールされ、筒状フィルムFcが成形される。
【0044】
筒状フィルムFcが形成された後、一対の横シール部43が筒状フィルムFcを挟み込んで横方向に加熱シールする。このとき、筒状フィルムFcの横シールされた部分の下方では、物品Cが封入された袋Bが形成されている。
【0045】
一方、筒状フィルムFcの横シールされた部分の上方では、計量された物品Cがフォーマ41の内側に配置される円筒部分を落下して、筒状フィルムFcの中に投入される。
【0046】
また、
図1に示すように、筒状フィルムFcが横シールされるタイミングに合わせて、横シール部43に内蔵されている切断部44によって、筒状フィルムFcの横シールされた部分が横方向に切断される。これにより、物品Cが封入された袋Bは、後続の筒状フィルムFcから切り離される。
【0047】
図4Aは、筒状フィルムFcから切り離された袋Bを表側から視たときの当該袋Bの斜視図である。
図4Bは、筒状フィルムFcから切り離された袋Bを裏側から視たときの当該袋Bの斜視図である。
図4Aにおいて、製袋後の第1領域R1は、袋Bの表側となる。
図4Bにおいて、製袋後の第2領域R2は、袋Bの裏側となる。
【0048】
上記実施形態の
図2、
図3、
図4Aおよび
図4Bでは、印字領域Rが製袋後の袋の半分領域に偏っているが、これは一例であって、さらに広い印字領域であってもよい。この点については第2変形例において説明する。
【0049】
また、文字だけの印字だけではなく、絵柄や図形なども点描画で描くことができる。商品によっては、袋の表側および/または裏側の全領域が印字領域であってもよい。
【0050】
(4)特徴
(4-1)
製袋包装機100は、帯状のフィルムFから成形される筒状フィルムFc内に物品Cを供給し、筒状フィルムFcを横シールすることにより1袋詰単位の商品を製造する。製袋包装機100は、印字部30と制御部70とを備えている。印字部30は、フィルムFに商品に関する情報を印字する。制御部70は、印字部30を駆動制御する。帯状のフィルムFにおいて、印字部30によって印字される印字領域Rは、製袋後に袋の表側になる第1領域R1と裏側になる第2領域R2とに跨っている。制御部70は、第1領域R1に印字する第1情報と、第2領域R2に印字する第2情報とを纏めて印字部30に印字させる。
【0051】
製袋包装機100では、第1領域R1および第2領域R2の両方に対して、商品に関する情報が製袋時に印字されるので、異なる商品ごとに予め印刷または印字された異なるフィルムを備える必要がなく、異なる商品に対して共通のフィルムを使用することが可能である。
【0052】
(4-2)
印字部30は、第1情報および第2情報を帯状のフィルムFの同一平面上に印字する。製袋包装機100では、フィルムFが筒状フィルムFcへ成形される前の一平面が印字面となるので、1つの印字部30で第1情報と第2情報とを印字することが可能である。
【0053】
(4-3)
製袋包装機100では、第1領域R1および第2領域R2は互いに隣接し、或いは一体化されており、1つの印字部30だけで第1領域R1への第1情報の印字、および第2領域R2への第2情報の印字を同時に行うことが可能である。それゆえ、第1領域R1および第2領域R2それぞれに対応する2つの印字部を搭載する必要がなく、構成および制御が簡素化する。
【0054】
(4-4)
第1領域R1に少なくとも商品の商品名が印字され、第2領域R2に少なくとも商品の商品名以外の付加情報が印字される。
【0055】
(4-5)
制御部70は、帯状のフィルムFの搬送に同期させて印字部30を駆動制御する。
【0056】
(4-6)
第1領域R1および第2領域R2は、熱に反応して印字が行われるように感熱発色層が形成された感熱印字域を有している。印字部30は、感熱印字域に接触して印字を行う。
【0057】
(4-7)
印字部30は、帯状のフィルムFの搬送方向と交差する方向に複数の発熱体31aが配列されたサーマルヘッド31で構成されている。
【0058】
(5)変形例
(5-1)第1変形例
上記実施形態では、筒状フィルムFcを上下方向に搬送して物品Cを投入する縦ピロー包装機を例に説明した。しかし、本願発明は、縦ピロー包装機に限定されるものではなく、筒状フィルムFcを水平方向に搬送して物品を投入する横ピロー包装機にも適用することができる。
【0059】
図5は、本開示の第1変形例に係る製袋包装機200の概略構成図である。
図5において、製袋包装機200は、横ピロー包装機である。ここでは、製袋包装機200の構成要素のうち本実施形態の製袋包装機100と同じ構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
図5において、フィルム供給部10から供給されるフィルムFは、製袋部140に到達する途中において、印字部30のサーマルヘッド31によって印字領域Rの第1領域R1および第2領域R2それぞれに必要な商品情報が印字される。
【0061】
サーマルヘッド31は、
図2に示すように、フィルムFが製袋前の平面であるうちに、製袋後に袋Bの表側になる第1領域R1と袋の裏側になる第2領域R2とに跨って印字する。それゆえ、1つのサーマルヘッド31によって袋Bの表側および裏側に印字することができ、異なる商品に対してフィルムの共通化を図ることが可能となり、コスト低減に資する。
【0062】
フィルムFは製袋部140のフォーマ141に到達時、裏側面BSを上方、表側面FSを下方にしており、裏側面BSが内側となるようにフォーマ141の円筒部分に巻き付けられて筒状になるので、印字領域Rがある表側面FSは外側となる。
【0063】
フィルムFは、搬送方向に延びる両端部が重ね合わせられる。フィルムFの重なり部分は、第1シール部142によってフィルムFの搬送方向と平行な第1方向D1に沿って加熱シールされ、筒状フィルムFc´が成形される。
【0064】
筒状フィルムFc´が成形された後、一対の第2シール部143が筒状フィルムFc´を上下に挟み込んで第1方向D1と直交する水平な第2方向D2に沿って加熱シールする。このとき、筒状フィルムFc´のシールされた部分の下流側では、物品C´が封入された袋B´が成形されている。
【0065】
一方、筒状フィルムFc´のシールされた部分の上流では、計量された物品C´が搬送コンベア113を介して筒状フィルムFc´の中に搬入されている。
【0066】
また、筒状フィルムFc´がシールされるタイミングに合わせて、第2シール部143に内蔵されている切断部(図示せず)によって、筒状フィルムFc´のシールされた部分が第2方向D2に沿って切断される。これにより、物品C´が封入された袋B´は、後続の筒状フィルムFc´から切り離される。
【0067】
製袋部140から供給された袋B´は、排出コンベア123によって、製袋包装機200外へと排出される。
【0068】
(5-2)第2変形例
上記実施形態の
図2では、印字領域Rが製袋後の袋の半分領域に偏っているが、これに限定されるものではなく、さらに広い印字領域であってもよい。
【0069】
図6は、第2変形例に係るフィルムF´をサーマルヘッド131側から視たときのフィルムF´の表側面FS´の正面図である。ここでは、フィルムF´のうち本実施形態のフィルムFと同じ構成に対しては同一の符号を付して説明を省略する。
図6において、フィルムF´は幅Wfを有する帯状のフィルムである。
【0070】
また、フィルムF´の表側面FS´および裏側面には、文字やマーク等の図柄が印刷されておらず、無地である。
【0071】
但し、製袋後に外表面となる表側面FS´のうち、印字部130によって印字される印字領域R´には、熱によって発色する感熱発色層が形成されている。そのため、サーマルヘッド131の発熱体131aの発熱温度を制御することによって、多色で発色させることができる。
【0072】
図6において、感熱発色層は、印字領域R´全体に形成されるが、実際に印字される第1領域R1´および第2領域R2のみに形成されてもよい。
【0073】
サーマルヘッド131は、前述の
図2に記載のサーマルヘッド31よりも幅寸法が大きいものが使用されている。例えば、本実施形態では幅寸法が5インチのものが使用されるのに対して、第2変形例では幅寸法が8インチのもが使用される。
【0074】
図6において、フィルムF´の両端と平行に延びる第1仮想線L1、第2仮想線L2は、製袋後に袋の幅方向の端となる。
図6正面視で、第1仮想線L1と第2仮想線L2に挟まれた部分は、製袋後に袋の表側となり、残りの部分は裏側となる。
【0075】
第2変形例では、
図6正面視において、印字領域R´のうち第1仮想線L1と第2仮想線L2との間に第1領域R1´が形成され、第2仮想線L2を挟んで第1領域R1´の右側に第2領域R2が形成されている。
【0076】
図6に示すように、フィルム搬送方向Dfにおけるサーマルヘッド131より上流側に位置する第1領域R1´および第2領域R2には何も印字されていない。
【0077】
一方、サーマルヘッド131を通過し、サーマルヘッド131より下流側に位置する第1領域R1´および第2領域R2には所定の情報および図形または絵柄Piが印字されている。
【0078】
具体的には、商品名、商品の特徴および図形または絵柄Piなどの第1情報が第1領域R1´に記載され、第1情報以外の商品に関する付加情報(原材料、内容量、賞味期限など)が第2領域R2に記載される。
【0079】
上記の通り、第2変形例に係る製袋包装機200では、第1領域R1´および第2領域R2の両方に対して、商品に関する情報が製袋時に印字されるので、異なる商品ごとに予め印刷または印字された異なるフィルムを備える必要がなく、異なる商品に対して共通のフィルムを使用することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
30 印字部
31 サーマルヘッド
31a 発熱体
70 制御部
100 製袋包装機
200 製袋包装機
B 袋
B´ 袋
C 物品
C´ 物品
F 帯状のフィルム(帯状フィルム)
F´ 帯状のフィルム(帯状フィルム)
Fc 筒状フィルム
Fc´ 筒状フィルム
R 印字領域
R´ 印字領域
R1 第1領域
R1´ 第1領域
R2 第2領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】