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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172553
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/16 20060101AFI20241205BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241205BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20241205BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20241205BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20241205BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G03B21/16
G03B21/00 D
G03B21/14 A
H04N5/74 E
H04N9/31 440
H05K7/20 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090342
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】松宮 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】月岡 敬太
(72)【発明者】
【氏名】大月 伸行
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C060
5E322
【Fターム(参考)】
2K203LA02
2K203LA05
2K203LA12
2K203LA23
2K203LA27
2K203LA33
2K203LA37
2K203MA12
5C058BA35
5C058EA52
5C060JA29
5E322AA01
5E322BA01
5E322BA03
5E322BC03
5E322EA11
5E322FA09
(57)【要約】
【課題】複数の冷却対象を効率よく冷却し、筐体内の熱を速やかに排出できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターは、複数の開口を有する排出口を備えた外装筐体と、複数のフィンを有する第1冷却対象と、第2冷却対象と、外気を第1冷却風として第1及び第2冷却対象に送出する第1冷却ファンと、外気を第2冷却風として送出して外装筐体内を陽圧にする第2冷却ファンとを備え、複数のフィンは、第1冷却風の流路の一部を構成し、複数の開口のうち少なくとも1つは、複数のフィンに対する下流にて複数のフィンと対向し、第2冷却対象は、外装筐体の内部において陽圧となる位置に配置され、第1冷却ファンから複数のフィンの間を流通する第1冷却風は、第1冷却ファンの吐出力によって開口に流通し、第1冷却ファンから第2冷却対象に流れる第1冷却風は、外装筐体内の陽圧が作用して開口に流通する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の開口を有する排出口を備えた外装筐体と、
複数のフィンを有する第1冷却対象と、
第2冷却対象と、
前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第1冷却風として前記第1冷却対象及び前記第2冷却対象のそれぞれに送出する第1冷却ファンと、
前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第2冷却風として前記外装筐体内に送出して、前記外装筐体内を陽圧にする第2冷却ファンと、を備え、
前記複数のフィンは、前記複数のフィンの間にて前記第1冷却風が流通する流路の一部を構成し、
前記複数の開口のうち少なくとも1つの開口は、前記第1冷却風が流通する流路において前記複数のフィンに対する下流にて前記複数のフィンと対向した位置に配置され、
前記第2冷却対象は、前記外装筐体の内部において陽圧となる位置に配置され、
前記第1冷却ファンから前記複数のフィンの間を流通する前記第1冷却風は、前記第1冷却ファンの吐出力によって前記少なくとも1つの開口に流通し、
前記第1冷却ファンから前記第2冷却対象に流れる前記第1冷却風は、前記外装筐体内の陽圧が作用して前記複数の開口のうちのいずれかに流通する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却対象の発熱量は、前記第2冷却対象の発熱量よりも大きい、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却対象は、光を出射する光源装置の熱を放熱する放熱部材であり、
前記第2冷却対象は、前記光源装置を駆動する光源駆動回路である、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
第3冷却対象を備え、
前記外装筐体は、前記第3冷却対象を収容する収容室を前記外装筐体の内部に備え、
前記第1冷却ファンは、前記外装筐体の外気と、前記収容室内の気体を吸引する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項4に記載のプロジェクターにおいて、
前記第3冷却対象は、電源装置である、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却ファンから送出された前記第1冷却風の一部が流通し、前記複数のフィンから前記排出口までの空間と、前記第1冷却ファンから送出された前記第1冷却風の他の一部が流通し、前記第2冷却対象から前記排出口までの空間とを仕切る仕切部材を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記複数の開口のうち、前記第1冷却ファンの吐出力によって前記複数のフィンを通過した前記第1冷却風を排出する第1開口と、前記外装筐体内の陽圧によって前記第1冷却風を排出する第2開口とは、互いに隣り合って配置されている、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
第1排出口を有する第1面、及び、第2排出口を有する第2面を備えた外装筐体と、
複数のフィンを有する第1冷却対象と、
第2冷却対象と、
前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第1冷却風として前記第1冷却対象及び前記第2冷却対象のそれぞれに送出する第1冷却ファンと、
前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第2冷却風として前記外装筐体内に送出して、前記外装筐体内を陽圧にする第2冷却ファンと、を備え、
前記複数のフィンは、前記複数のフィンの間にて前記第1冷却風が流通する流路の一部を構成し、
前記第1排出口は、前記第1冷却風が流通する流路において前記複数のフィンに対する下流にて前記複数のフィンと対向した位置に配置され、
前記第2冷却対象は、前記外装筐体の内部において陽圧となる位置に配置され、
前記第1冷却ファンから前記複数のフィンの間を流通する前記第1冷却風は、前記第1冷却ファンの吐出力によって前記第1排出口に流通し、
前記第1冷却ファンから前記第2冷却対象に流れる前記第1冷却風は、前記外装筐体内の陽圧が作用して前記第2排出口に流通する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項9】
請求項8に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却ファンから送出された前記第1冷却風の一部が流通し、前記複数のフィンから前記第1排出口までの第1空間と、前記第1冷却ファンから送出された前記第1冷却風の他の一部が流通し、前記第2冷却対象から前記第2排出口までの第2空間とを仕切る仕切部材を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項10】
請求項9に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2面は、前記第1面と交差する向きに配置され、
前記第1空間は、前記第1面に対向し、
前記第2空間は、前記第1空間に対して前記第2面側に配置され、前記第1面と前記第2面とに対向する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項11】
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却対象は、光を出射する光源装置の熱を放熱する放熱部材であり、
前記第2冷却対象は、前記光源装置を駆動する光源駆動回路である、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項12】
請求項1から請求項3、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
入射する光を変調する光変調装置を含み、画像光を形成する画像形成ユニットを備え、
前記画像形成ユニットは、前記外装筐体内に配置され、
前記第2冷却ファンは、前記画像形成ユニットに前記第2冷却風を送出する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置から出射された光から画像光を形成し、形成した画像光を投射するプロジェクターが知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、ランプユニット、偏光板ユニット、LCDユニット、レンズユニット、電源ブロック、及び、2つの送風用ファンを備える。2つの送風用ファンのうち、プロジェクターの後側に配置された送風用ファンが、プロジェクターの下部前側から外気を吸引することによって、電源ブロックに気流を流通させる。2つの送風用ファンのうち、偏光板ユニット及びLCDユニットの近傍に配置された送風用ファンは、外部吸気口から吸引した外気を偏光板ユニット及びLCDユニットに送風する。偏光板ユニット及びLCDユニットを流通した気流は、ランプユニットに流通し、電源ブロックに流通した外気とともに、プロジェクターの後側に配置された送風用ファンによって排出される。
【0003】
特許文献2に記載のプロジェクターは、第1ファン及び第2ファンを備える。第1ファンは、プロジェクターの底面に設けられた第1導入口を介して外装筐体の外部の空気を吸引し、第1ファンから送出された空気は、分岐して電源装置及び信号処理装置のそれぞれに流通する。第2ファンは、電源装置及び信号処理装置を流通した空気を吸引し、吸引した空気を整流装置に送出する。整流装置に流通した空気は、排出口から外装筐体の外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-325982号公報
【特許文献2】特開2021-103220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクターでは、1つのファンから送出された冷却気体は、LCDユニット及び偏光板ユニットを流通した後、更にランプユニットに流通する。このため、1つのファンから送出された冷却気体の温度は、冷却対象を流通するごとに上昇するため、冷却気体の流路において下流に配置された冷却対象の冷却効率が低下するという問題がある。
また、特許文献2に記載のプロジェクターでも、電源装置及び信号処理装置を冷却した冷却気体が整流装置に流通するので、特許文献1に記載のプロジェクターと同様に、冷却気体の流路において下流に配置された冷却対象の冷却効率が低下するという問題がある。
これらのことから、複数の冷却対象を効率よく冷却しつつ、筐体内の熱を速やかに排出できるプロジェクターが要望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様に係るプロジェクターは、複数の開口を有する排出口を備えた外装筐体と、複数のフィンを有する第1冷却対象と、第2冷却対象と、前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第1冷却風として前記第1冷却対象及び前記第2冷却対象のそれぞれに送出する第1冷却ファンと、前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第2冷却風として前記外装筐体内に送出して、前記外装筐体内を陽圧にする第2冷却ファンと、を備え、前記複数のフィンは、前記複数のフィンの間にて前記第1冷却風が流通する流路の一部を構成し、前記複数の開口のうち少なくとも1つの開口は、前記第1冷却風が流通する流路において前記複数のフィンに対する下流にて前記複数のフィンと対向した位置に配置され、前記第2冷却対象は、前記外装筐体の内部において陽圧となる位置に配置され、前記第1冷却ファンから前記複数のフィンの間を流通する前記第1冷却風は、前記第1冷却ファンの吐出力によって前記少なくとも1つの開口に流通し、前記第1冷却ファンから前記第2冷却対象に流れる前記第1冷却風は、前記外装筐体内の陽圧が作用して前記複数の開口のうちのいずれかに流通する。
【0007】
本開示の第2態様に係るプロジェクターは、第1排出口を有する第1面、及び、第2排出口を有する第2面を備えた外装筐体と、複数のフィンを有する第1冷却対象と、第2冷却対象と、前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第1冷却風として前記第1冷却対象及び前記第2冷却対象のそれぞれに送出する第1冷却ファンと、前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第2冷却風として前記外装筐体内に送出して、前記外装筐体内を陽圧にする第2冷却ファンと、を備え、前記複数のフィンは、前記複数のフィンの間にて前記第1冷却風が流通する流路の一部を構成し、前記第1排出口は、前記第1冷却風が流通する流路において前記複数のフィンに対する下流にて前記複数のフィンと対向した位置に配置され、前記第2冷却対象は、前記外装筐体の内部において陽圧となる位置に配置され、前記第1冷却ファンから前記複数のフィンの間を流通する前記第1冷却風は、前記第1冷却ファンの吐出力によって前記第1排出口に流通し、前記第1冷却ファンから前記第2冷却対象に流れる前記第1冷却風は、前記外装筐体内の陽圧が作用して前記第2排出口に流通する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るプロジェクターを示す斜視図。
図2】一実施形態に係るプロジェクターを示す斜視図。
図3】一実施形態に係るファブリックを省略したプロジェクターを示す斜視図。
図4】一実施形態に係るプロジェクターを示す断面図。
図5】一実施形態に係る光源装置の構成を示す模式図。
図6】一実施形態に係るベースを示す斜視図。
図7】一実施形態に係るベースを示す斜視図。
図8】一実施形態に係る制御基板を示す平面図。
図9】一実施形態に係るプロジェクターの下部構成を示す断面図。
図10】一実施形態に係る第2ファンから送出された冷却気体の流通方向を示す図。
図11】一実施形態に係る第3ダクトを構成するダクト部材を示す図。
図12】一実施形態に係る第3ファンによって吸引される冷却気体の流れを説明する図。
図13】一実施形態に係る外装筐体内に導入された冷却気体の流通方向を示す図。
図14】一実施形態に係る第3ファンから送出された冷却風の流通方向を示す図。
図15】一実施形態に係る第3ファンから送出された冷却風の流通方向を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの構成]
図1及び図2は、本実施形態に係るプロジェクター1を示す斜視図である。詳述すると、図1は、上方正面側から見たプロジェクター1を示す斜視図であり、図2は、下方背面側から見たプロジェクター1を示す斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、画像情報に応じた画像光を被投射面に投射する。プロジェクター1は、図1及び図2に示すように、外装筐体2を備える。
以下の説明では、互いに直交する三方向を、+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。+Y方向は、プロジェクター1が設置される設置面に対して垂直に起立する方向である。+Y方向からプロジェクター1を見た場合、+Z方向は、プロジェクター1が画像光を投射する方向である。
図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。図示を省略するが、+X方向に沿う軸をX軸とし、+Y方向に沿う軸をY軸とし、+Z方向に沿う軸をZ軸とする。
【0010】
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、図1及び図2に示すように、プロジェクター1の外装を構成する筐体である。外装筐体2は、+Y方向の部分を構成するアッパーケース2Aと、-Y方向の部分を構成するロアーケース2Bと、-Z方向、+X方向及び-X方向のそれぞれの一部を構成するファブリックユニット2Cと、を備える。外装筐体2は、アッパーケース2A、ロアーケース2B及びファブリックユニット2Cが組み合わされて略直方体形状に構成されている。外装筐体2は、正面21、背面22、右側面23、左側面24、天面25、底面26及び傾斜面27を有する。
正面21は、アッパーケース2Aにおける-Y方向の部分と、ロアーケース2Bにおける+Y方向の部分とによって構成される。背面22、右側面23及び左側面24のそれぞれは、アッパーケース2Aにおける-Y方向の部分と、ロアーケース2Bにおける+Y方向の部分と、ファブリックユニット2Cとによって構成される。天面25は、アッパーケース2Aによって構成され、底面26は、ロアーケース2Bによって構成される。
【0011】
[正面及び背面の構成]
図1に示す正面21と、図2に示す背面22とは、Z軸において互いに反対側となる面である。
正面21は、図1に示すように、外装筐体2において+Z方向を向く側面であり、底面26と連続している。正面21には、被投射面に投射される画像光が通過する投射口211が設けられている。
背面22は、図2に示すように、外装筐体2において+Z方向を向く側面である。背面22における-Y方向の部分は、後述するスピーカーユニット8を-Z方向にて覆うファブリックユニット2Cによって構成されている。
【0012】
[右側面及び左側面の構成]
図1に示す右側面23と、図2に示す左側面24とは、X軸において互いに反対側となる面である。
右側面23は、図1に示すように、外装筐体2において+X方向を向く側面である。右側面23には、電源ボタン231、接続端子232~235及びインレット236が設けられている。
左側面24は、図2に示すように、外装筐体2において-X方向を向く側面である。左側面24には、外装筐体2内を流通した冷却気体を排出する排出口241,242が設けられている。
【0013】
排出口241は、後述する無線通信装置4及び第2放熱部材317を流通した冷却風を排出する排出口である。
排出口242は、排出口241に対して+Z方向に設けられている。排出口242は、Z軸に長い略矩形状の開口2421がY軸に沿って複数設けられた構成を有する。すなわち、排出口242は、複数の開口2421によって構成されている。
複数の開口2421のうち、少なくとも1つの開口2421は、後述する第1放熱部材312を冷却した冷却気体を排出する第1開口2422であり、少なくとも他の1つの開口2421は、後述する光源駆動回路72を含む制御基板7等を冷却した冷却気体を排出する第2開口2423である。
本実施形態では、第1開口2422は、後述するダクト部材57における排出口242側の端部よりも-Y方向に配置された開口であり、第2開口2423は、ダクト部材57の排出口242側の端部よりも+Y方向に配置された開口である。第2開口2423は、複数の開口2421のうち最も+Y方向に配置された1つの開口2421であり、第1開口2422は、複数の開口2421のうち、第2開口2423以外の開口2421である。このように、第1開口2422と第2開口2423とは、互いに隣り合って配置されている。
なお、排出口242を介して外装筐体2の外部に排出される冷却風の流れについては、後に詳述する。
【0014】
[ファブリックユニットの構成]
図3は、ファブリックユニット2Cを構成するファブリック2C1を省略したプロジェクター1を-Z方向から見た斜視図である。なお、図3においては、連通口2CA1、右側放音口2CR1及び左側放音口2CL1のそれぞれを構成する複数の開口部2C3のうち一部の開口部2C3についてのみ符号を付す。
ファブリックユニット2Cは、図1及び図2に示すように、背面22、右側面23及び左側面24に跨るように配置される。
ファブリックユニット2Cは、図1及び図2に示すように、ファブリック2C1を備える他、図3に示すように、ファブリック2C1を指示するフレーム2C2を備える。
ファブリック2C1は、フレーム2C2の外側の面に設けられて、フレーム2C2を覆う。
【0015】
フレーム2C2は、図3に示すように、+Y方向から見て略U字状に形成されている。フレーム2C2は、背面22における-Y方向の部分を構成する背面部2CAと、右側面23における-Y方向かつ-Z方向の部分を構成する右側面部2CRと、左側面24における-Y方向かつ-Z方向の部分を構成する左側面部2CLと、を有する。
背面部2CAは、外装筐体2の内部と外部とを連通する連通口2CA1を有する。
連通口2CA1は、縦横に配列された複数の開口部2C3によって構成されており、各開口部は、後述する第1放音部82の放音口であるとともに、外装筐体2の外気を冷却気体として外装筐体2の内部に導入する導入口である。
右側面部2CRは、後述する第2放音部83の放音口となる右側放音口2CR1を有する。
左側面部2CLは、後述する第2放音部84の放音口となる左側放音口2CL1を有する。
【0016】
[天面及び底面の構成]
図1に示す天面25と、図2に示す底面26とは、Y軸において互いに反対側となる面である。底面26は、背面22と連続し、かつ、背面22に交差した壁であり、第2壁に相当する。
天面25は、図1に示すように、外装筐体2において+Y方向を向く面である。
底面26は、図2に示すように、外装筐体2において-Y方向を向く面である。換言すると、底面26は、プロジェクター1が載置される設置面と対向する対向面であり、外装筐体2において-Y方向から見える部分である。
【0017】
底面26は、突出部261及び段差部263を有する。
突出部261は、底面26の略中央において-Y方向に突出した部分であり、-Y方向から見て略矩形状に形成されている。突出部261には、固定脚部262が設けられている。
固定脚部262は、突出部261において-Z方向の2つの隅部のそれぞれに設けられている。固定脚部262は、設置面に接触する接触部の1つである。
【0018】
段差部263は、底面26において突出部261以外の部分であり、設置面に接触しない非接触部である。具体的に、段差部263は、突出部261において固定脚部262が設けられた面261Aよりも+Y方向に配置されており、プロジェクター1が設置面に設置されたときに設置面から+Y方向に離間する。
段差部263には、第1吸気口264、メッシュ265,268、第2吸気口266、第3吸気口267及び調節脚部269が設けられている。すなわち、外装筐体2は、吸気口264,266,267を備える。
【0019】
第1吸気口264は、突出部261に対して-Z方向に配置されている。すなわち、第1吸気口264は、底面26において背面22側の位置に設けられている。第1吸気口264は、後述する冷却装置5の第1ファン51によって、外装筐体2の外気を外装筐体2の内部に、冷却気体として導入する。
メッシュ265は、第1吸気口264に対応して外装筐体2の内部に設けられて、第1吸気口264を流通する外気に含まれる塵埃を捕集する。
【0020】
第2吸気口266は、底面26において+X方向かつ+Z方向の部分に配置されている。第2吸気口266は、後述する冷却装置5の第2ファン54によって、外装筐体2の外気を外装筐体2の内部に、冷却気体として導入する。なお、図示を省略するが、外装筐体2の内部には、第2吸気口266に対応してスポンジ状のフィルターが設けられている。フィルターは、第2吸気口266を通過する外気に含まれる塵埃を捕集する。
第3吸気口267は、底面26において-X方向かつ+Z方向の部分に配置されている。第3吸気口267は、後述する冷却装置5の第3ファン55によって、外装筐体2の外気を外装筐体2の内部に、冷却気体として導入する。第3吸気口267は、X軸に沿って並んだ3つの開口部2671~2673により構成されている。+X方向の1つの開口部2671は、第3ファン55によって、後述する電源装置9に流通する冷却気体を導入する。開口部2671に対して-X方向に配置された2つの開口部2672,2673は、第3ファン55に直接吸引される冷却気体を導入する。
メッシュ268は、外装筐体2の内部に、第3吸気口267に対応して設けられている。メッシュ268は、メッシュ265と同様に、第3吸気口267を通過する外気に含まれる塵埃を捕集する。
調節脚部269は、X軸において第2吸気口266と第3吸気口267とによって挟まれる位置に設けられている。調節脚部269は、底面26からの突出量を調節可能な脚部であり、設置面に接触する接触部の1つである。
【0021】
[傾斜面の構成]
傾斜面27は、正面21、背面22、右側面23及び左側面24と底面26とに跨るように、ロアーケース2Bに設けられている。傾斜面27は、正面側傾斜面27A、背面側傾斜面27B、右側傾斜面27C及び左側傾斜面27Dを含む。
正面側傾斜面27Aは、正面21における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。正面側傾斜面27Aは、正面21と底面26とに跨り、正面21とは反対側の背面22に向かうに従って設置面に近接する面である。すなわち、正面側傾斜面27Aにおける-Y方向の部分は、正面21に対して傾斜し、正面側傾斜面27Aにおける+Y方向の部分は、底面26に対して傾斜する。
【0022】
背面側傾斜面27Bは、背面22における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。
右側傾斜面27Cは、右側面23における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。
左側傾斜面27Dは、左側面24における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。
背面側傾斜面27B、右側傾斜面27C及び左側傾斜面27Dのそれぞれは、正面側傾斜面27Aと同様に傾斜している。
【0023】
[プロジェクターの上部構成]
図4は、XZ平面に沿うプロジェクター1の断面を示す図である。
プロジェクター1は、外装筐体2の他、図4に示すように、外装筐体2内における+Y方向の部分に配置される画像投射装置3、無線通信装置4及び冷却装置5を備える他、画像投射装置3、無線通信装置4及び冷却装置5を-Y方向から支持するベース6と、を備える。
この他、詳しくは後述するが、プロジェクター1は、画像投射装置3、無線通信装置4及び冷却装置5に対する+Y方向に配置される制御基板7と、ベース6に対して-Y方向に配置されるスピーカーユニット8及び電源装置9と、を備える。
【0024】
[画像投射装置の構成]
画像投射装置3は、画像情報に応じた画像光を生成し、生成した画像光を投射する。画像投射装置3は、外装筐体2の略中央にX軸及びZ軸に沿って設けられている。画像投射装置3は、光源装置31、均一化光学系32、色分離光学系33、リレー光学系34、画像形成ユニット35、光学部品用筐体36及び投射光学装置37を備える。
光源装置31は、外装筐体2内において-X方向で、かつ、Z軸における略中央の位置に設けられ、+X方向に照明光を出射する。光源装置31の構成は、後に詳述する。
【0025】
均一化光学系32は、光源装置31から出射された照明光を均一化する。均一化された照明光は、色分離光学系33及びリレー光学系34を経て、後述する光変調装置352の光変調領域を照明する。均一化光学系32は、2つのレンズアレイ321,322、偏光変換素子323及び重畳レンズ324を備える。
色分離光学系33は、均一化光学系32から入射する照明光を赤、緑及び青の各色光に分離する。色分離光学系33は、2つのダイクロイックミラー331,332と、ダイクロイックミラー331によって分離された青色光を反射する反射ミラー333と、を備える。
【0026】
リレー光学系34は、他の色光の光路より長い赤色光の光路に設けられ、赤色光の損失を抑制する。リレー光学系34は、入射側レンズ341、リレーレンズ343、反射ミラー342,344を備える。なお、他の色光の光路よりも長い光路を有する色光を青色光とし、青色光の光路上にリレー光学系34を設ける構成としてもよい。
【0027】
画像形成ユニット35は、入射する赤、緑及び青の各色光を変調し、変調した各色光を合成して画像光を形成する。画像形成ユニット35は、入射する色光に応じて設けられる3つのフィールドレンズ351と、入射する光を変調する3つの光変調装置352と、1つの色合成部353と、を備える。すなわち、画像形成ユニット35は、光変調装置352を含み、画像光を形成する。
【0028】
3つの光変調装置352は、赤色光を変調する光変調装置352R、緑色光を変調する光変調装置352G、及び、青色光を変調する光変調装置352Bを含む。光変調装置352は、例えば、液晶パネルと、液晶パネルを挟む一対の偏光板とによって構成できる。なお、光変調装置352は、光が入射することによって発熱する熱源である。
色合成部353は、光変調装置352B,352G,352Rによって変調された3つの色光を合成して画像光を形成し、形成した画像光を投射光学装置37に出射する。本実施形態では、色合成部353は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、これに限らず、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
【0029】
光学部品用筐体36は、均一化光学系32、色分離光学系33及びリレー光学系34を収容する。
投射光学装置37は、画像形成ユニット35から入射する画像光を被投射面に拡大して投射する投射レンズである。投射光学装置37としては、複数のレンズと、複数のレンズが内部に収容される筒状の鏡筒とを有する組レンズを例示できる。
【0030】
[光源装置の構成]
図5は、光源装置31の構成を示す模式図である。
光源装置31は、均一化光学系32に向けて+X方向に照明光WLを出射する。光源装置31は、図5に示すように、光源311、第1放熱部材312、拡散透過部313、光分離部314、第1集光素子315、波長変換素子316、第2放熱部材317、第2集光素子318、拡散反射素子319及び光源用筐体CAを備える。
【0031】
光源装置31には、Z軸に沿う光軸Ax1と、X軸に沿う光軸Ax2とが設定され、光軸Ax1と光軸Ax2とは、互いに直交している。光源装置31の光学部品は、光軸Ax1又は光軸Ax2上に配置されている。
具体的に、光源311、拡散透過部313、光分離部314、第1集光素子315及び波長変換素子316は、光軸Ax1上に配置されている。
拡散反射素子319、第2集光素子318及び光分離部314は、光軸Ax2上に配置されている。すなわち、光分離部314は、光軸Ax1と光軸Ax2との交差部に配置される。
光軸Ax2は、均一化光学系32のレンズアレイ321にて、画像投射装置3の光軸と繋がる。
【0032】
[光源用筐体の構成]
光源用筐体CAは、光源311、拡散透過部313、光分離部314、第1集光素子315、波長変換素子316、第2集光素子318及び拡散反射素子319を収容する。本実施形態では、光源用筐体CAは、内部に塵埃が侵入しにくい密閉筐体である。しかしながら、これに限らず、光源用筐体CAは、上記した光学部品を収容できればよい。
【0033】
[光源の構成]
光源311は、-Z方向に光を出射する。光源311は、発光素子3111及び基板3112を備える。
発光素子3111は、青色光BLを出射する。青色光BLは、波長変換素子316の蛍光体を励起させる励起光である。発光素子3111は、ピーク波長が455nmのレーザー光を出射する半導体レーザーである。
基板3112は、発光素子3111を支持した状態にて光源用筐体CAに固定される。基板3112は、発光素子3111から熱を受熱し、受熱した熱を第1放熱部材312に伝達する。すなわち、基板3112は、発光素子3111を支持する支持基板として機能する他、発光素子3111から受熱する受熱基板として機能する。
【0034】
[第1放熱部材の構成]
第1放熱部材312は、光源用筐体CAの外部に露出して、光源311から伝達された熱を光源用筐体CAの外部にて放熱する。詳述すると、第1放熱部材312は、冷却装置5の後述する第3ダクト56内に配置され、基板3112から伝達される発光素子3111の熱を放熱する。第1放熱部材312は、後述する第3ファン55から流通する冷却気体に、発光素子3111の熱を伝達し、これにより、発光素子3111を冷却する。
第1放熱部材312は、XZ平面に沿うフィン3121がY軸に沿って複数配置されたヒートシンクである。すなわち、第1放熱部材312は、複数のフィン3121を有し、第1放熱部材312には、X軸に沿って冷却風が流通可能である。
【0035】
[拡散透過部の構成]
拡散透過部313は、光源311から入射する青色光BLを拡散させて、照度分布を均一化した光を出射する。拡散透過部313から出射された青色光BLは、光分離部314に入射する。拡散透過部313は、ホログラムを有する構成、複数の小レンズが光軸直交面に配列された構成、及び、光が通過する面が粗面である構成を例示できる。
なお、拡散透過部313に代えて、一対のマルチレンズアレイを有するホモジナイザー光学素子を光源装置31に採用してもよい。一方、拡散透過部313が採用される場合には、ホモジナイザー光学素子が採用される場合に比べて、光源311から光分離部314までの距離を短くできる。
【0036】
[光分離部の構成]
光分離部314は、光源311から拡散透過部313を介して入射する青色光BLのうち、一部の青色光BLを通過させ、他の青色光BLを反射するハーフミラーの機能を有する。すなわち、光分離部314は、拡散透過部313から入射する青色光BLのうち、一部の青色光BLである第1部分光を-Z方向に透過させて第1集光素子315に入射させ、他の青色光BLである第2部分光を-X方向に反射して第2集光素子318に入射させる。
光分離部314は、波長変換素子316から+Z方向に入射する蛍光YLを反射し、拡散反射素子319から+X方向に入射する青色光BLを透過させるダイクロイックミラーの機能を更に有する。
【0037】
[第1集光素子の構成]
第1集光素子315は、光分離部314を透過した第1部分光を波長変換素子316に集光する。また、第1集光素子315は、波長変換素子316から入射する蛍光YLを平行化する。
【0038】
[波長変換素子の構成]
波長変換素子316は、入射する光の波長を変換した変換光を、光の入射方向とは反対方向に拡散させて出射する反射型の波長変換素子である。波長変換素子316は、蛍光体層3161及び基板3162を有し、光源用筐体CAに対して直接又は間接的に固定されている。
蛍光体層3161は、励起光である青色光BLが入射されることによって励起される蛍光体を含有し、入射した青色光BLの波長よりも長い波長を有する蛍光YLを出射する。蛍光体層3161から出射される光は、例えば500~700nmの範囲にピーク波長を有する非偏光の蛍光YLであり、蛍光YLは、緑色光及び赤色光を含む。
基板3162は、蛍光体層3161を支持するとともに、蛍光体層3161から受熱する。図示を省略するが、蛍光体層3161と基板3162との間には、蛍光体層3161から入射する光を反射する反射層が設けられている。或いは、基板3162において蛍光体層3161が設けられる面は、反射面として機能する。
波長変換素子316から出射された蛍光YLは、光軸Ax1に沿って第1集光素子315を通過した後、光分離部314に入射する。光分離部314に入射した蛍光YLは、光分離部314にて+X方向に反射されて、光軸Ax2に沿って光源装置31の外部に出射される。
【0039】
[第2放熱部材の構成]
第2放熱部材317は、光源用筐体CAの外部に露出して、波長変換素子316から伝達された熱を光源用筐体CAの外部にて放熱する。詳述すると、第2放熱部材317は、後述する第2ダクト53内に配置され、基板3162から伝達される蛍光体層3161の熱を放熱する。第2放熱部材317は、後述する第1ファン51から流通する冷却気体に、蛍光体層3161の熱を伝達し、これにより、波長変換素子316を冷却する。
第2放熱部材317は、XZ平面に沿うフィン3171がY軸に沿って複数配置されたヒートシンクである。すなわち、第2放熱部材317は、複数のフィン3121を有し、第2放熱部材317には、X軸に沿って冷却風が流通可能である。
【0040】
[第2集光素子の構成]
第2集光素子318は、光分離部314から入射する第2部分光を拡散反射素子319に集光する。第2集光素子318は、拡散反射素子319から入射する青色光を平行化する。
【0041】
[拡散反射素子の構成]
拡散反射素子319は、光源用筐体CAの内面に固定されている。拡散反射素子319は、波長変換素子316から出射される蛍光YLの拡散角と略同じ拡散角、もしくは、蛍光YLの拡散角よりも少し小さい拡散角で、第2集光素子318から入射する青色光BLを反射して拡散させる。すなわち、拡散反射素子319は、入射する光の波長を変換せずに、入射する光を反射して拡散させる。
拡散反射素子319にて+X方向に反射された青色光BLは、第2集光素子318を通過した後、光分離部314を+X方向に通過し、蛍光YLとともに光源装置31の外部に出射される。
以上のように、光源装置31の外部に出射される照明光WLは、青色光BLと、緑色光及び赤色光を含む蛍光YLとが混在した白色光である。
【0042】
[無線通信装置の構成]
図4に示す無線通信装置4は、上記した制御基板と電気的に接続され、例えば映像出力装置等の図示しない外部機器と無線にて通信する。詳述すると、無線通信装置4は、映像出力装置から映像信号を受信し、受信した映像信号を制御基板に出力する。無線通信装置4は、後述する冷却装置5を構成する第1ファン51と、冷却装置5を構成する第2ダクト53の第2流路とに対して画像形成ユニット35とは反対側に配置されている。
【0043】
[冷却装置の構成]
図4に示す冷却装置5は、プロジェクター1を構成する冷却対象を冷却する。冷却装置5は、第1ファン51、第1ダクト52、第2ダクト53、第2ファン54、第3ファン55及び第3ダクト56を備える。第1ファン51、第1ダクト52、第2ダクト53、第2ファン54、第3ファン55及び第3ダクト56のそれぞれは、外装筐体2の内部に設けられている。
なお、第2ファン54、第3ファン55及び第3ダクト56については、後に詳述する。
【0044】
[第1ファンの構成]
第1ファン51は、吸気部511,512及び送出部513を有する両面吸気型のシロッコファンである。第1ファン51は、吸気部511が-Z方向を向き、吸気部512が+Z方向を向き、送出部513が-X方向を向くように、無線通信装置4に対して+Z方向に、無線通信装置4と隣接して配置される。
第1ファン51は、第1ダクト52を流通する冷却気体を吸引して第2ダクト53に送出する。これにより、第1ファン51は、無線通信装置4及び第2放熱部材317に冷却気体を流通させて、無線通信装置4及び第2放熱部材317を冷却する。なお、上記のように、第2放熱部材317には、波長変換素子316から熱が伝達される。
【0045】
[第1ダクトの構成]
第1ダクト52は、第1ファン51の吸気側ダクトであり、第1吸気口264及び連通口2CA1から外装筐体2の内部に導入した冷却気体を第1ファン51に流通させる。すなわち、第1ダクト52は、第1ファン51と、連通口2CA1及び第1吸気口264とを連通させ、第1ファン51は、第1ダクト52を介して外装筐体2の外気を吸引する。
第1ダクト52は、外装筐体2の背面22の内面と、後述するスピーカーユニット8を構成するスピーカー筐体81の第1面811と、スピーカーユニット8を構成する封止材86と、無線通信装置4の-Z方向の面41とによって構成される。
【0046】
[第2ダクトの構成]
第2ダクト53は、第1ファン51の排気側ダクトであり、第1ファン51の送出部513と排出口241とを接続する。第2ダクト53は、第1ファン51の送出部513から-X方向に延在した後、+Z方向に屈曲して排出口241に接続された略L字状に形成されている。第2ダクト53は、送出部513と排出口241との間に冷却気体が流通可能に設けられており、無線通信装置4における+Z方向の面42によって少なくとも一部が構成される第2流路を構成する。詳述すると、第2ダクト53の内部には、無線通信装置4における+Z方向の面の一部が露出する他、第2放熱部材317が配置される。すなわち、第2ダクト53によって形成される冷却気体の第2流路では、第2放熱部材317は、無線通信装置4に対する冷却気体の下流に設けられている。なお、第2放熱部材317の発熱量は、無線通信装置4の発熱量よりも大きい。
【0047】
第1ファン51の送出部513から第2ダクト53内に送出された冷却気体のうち、一部の冷却気体は、無線通信装置4の+Z方向の面に沿って流通する。これにより、無線通信装置4において+Z方向の部分が冷却される。
無線通信装置4に沿って流通した冷却気体は、他の冷却気体とともに、第2放熱部材317に流通する。これにより、第2放熱部材317が冷却され、ひいては、波長変換素子316が冷却される。
第2放熱部材317を流通した冷却気体は、+Z方向に流通する。+Z方向に流通した冷却気体は、-X方向に流通し、排出口241から外装筐体2の外部に排出される。
このような第2ダクト53における-Y方向の部分は、後述するベース6によって構成される。
【0048】
[ベースの構成]
図6は、外装筐体2内に配置されたベース6を示す斜視図である。
ベース6は、外装筐体2の内部に配置されて、画像投射装置3、無線通信装置4及び冷却装置5を-Y方向から支持する。ベース6は、図6に示すように、投射装置配置部61、通信装置配置部62、第1ファン配置部63、ダクト構成部64、第2ファン配置部65及びダクト構成部66を、+Y方向の面6Aに有する。
【0049】
投射装置配置部61は、画像投射装置3が配置される凹状部分である。投射装置配置部61は、ベース6のZ軸における中央に、+Y方向から見て、画像投射装置3の形状に合わせた略L字状に形成されている。
通信装置配置部62は、無線通信装置4が配置される凹状部分である。通信装置配置部62は、ベース6における-Z方向の部分に、X軸に沿って設けられている。
第1ファン配置部63は、第1ファン51が配置される凹状部分である。ダクト構成部64は、図示しない蓋部材と組み合わされて第2ダクト53を構成する凹状部分である。第1ファン配置部63とダクト構成部64の主な部分とは、Z軸において投射装置配置部61と通信装置配置部62との間に設けられている。
第2ファン配置部65は、第2ファン54が-Y方向に配置される部分である。換言すると、第2ファン配置部65は、第2ファン54を+Y方向にて覆う部分である。第2ファン配置部65は、ベース6において+X方向かつ+Z方向に設けられている。
【0050】
ダクト構成部66は、第3ファン55が内部に配置される他、後述するダクト部材57と組み合わされて第3ダクト56を構成する凹状部分である。ダクト構成部66は、ベース6において-X方向かつ+Z方向に設けられている。ダクト構成部66は、第3ファン配置部661、第1開口部662、第2開口部663及び第3開口部664を有する。
第3ファン配置部661は、第3ファン55が配置される。
第1開口部662及び第2開口部663は、第3ファン配置部661の略中央に開口している。第1開口部662及び第2開口部663は、Z軸に並んで配置され、Y軸に沿ってベース6を貫通している。第1開口部662は、第3吸気口267を構成する開口部2672,2673と連通し、第2開口部663は、後述する収容室28と連通している。
第3開口部664は、ダクト構成部66において-X方向の端部に設けられている。第3開口部664は、排出口242と連通する。
【0051】
図7は、-Y方向から見たベース6を示す斜視図である。
ベース6は、上記構成に加えて、図7に示すように、ダクト構成部67,68を-Y方向の面6Bに有する。
ダクト構成部67は、ベース6において+X方向かつ+Z方向に設けられている。ダクト構成部67は、面6Bから-Y方向に枠状に起立している。ダクト構成部67は、ベース6とロアーケース2Bとが組み合わされたときに、ロアーケース2Bの内面と接触して、図3に示す第2吸気口266を囲む。すなわち、ダクト構成部67は、第2吸気口266と第2ファン54とを接続し、第2吸気口266から導入された冷却気体を第2ファン54に導くダクトを構成する。
【0052】
ダクト構成部68は、ベース6において-X方向かつ+Z方向に設けられている。ダクト構成部67は、面6Bから-Y方向に枠状に起立している。ダクト構成部68は、ロアーケース2Bと組み合わされることによって、図3に示す第3吸気口267から導入された冷却気体を第3ファン55に導くダクトを構成する。
ダクト構成部68は、第1起立部681、第2起立部682、第3起立部683及び枠状部684を有する。第1起立部681、第2起立部682、第3起立部683及び枠状部684は、ロアーケース2Bの内面と接触する。
【0053】
第1起立部681は、-Y方向から見て、図2に示した第3吸気口267の開口部2671を囲む。第1起立部681は、+X方向かつ-Z方向に開口しており、開口部2671から導入した冷却気体を、第2起立部682側に流通させる。
第2起立部682は、ダクト構成部67における-Z方向の部分と共通に設けられている。第2起立部682は、X軸に沿って延在しており、第1起立部681から流通する冷却気体を、後述する収容室28に導く。
第3起立部683は、ベース6に対する-Y方向の空間にて、第1開口部662と第2開口部663とを区画して、図2に示した第3吸気口267の開口部2672,2673から導入した冷却気体が、収容室28に流通することを規制する。
枠状部684は、ロアーケース2Bの内面と接触して、開口部2672,2673を囲む。枠状部684は、開口部2672,2673と第1開口部662とを連通させる。すなわち、枠状部684は、開口部2672,2673と第3ファン55とを接続し、開口部2672,2673から導入された冷却気体を第3ファン55に直接導くダクトを構成する。
このようなダクト構成部68によって、第3吸気口267から第3ファン55に導かれる冷却気体の流れについては、後に詳述する。
【0054】
[制御基板の構成]
図8は、XZ平面に沿うプロジェクター1の断面を示す図であり、外装筐体2内の制御基板7を+Y方向から見た平面図である。
制御基板7は、図4に示した画像投射装置3と、冷却装置5の第1ダクト52以外の構成とに対する+Y方向の外装筐体2の上層空間に配置され、プロジェクター1を制御する。例えば、制御基板7は、光源装置31の点灯、画像形成ユニット35による画像形成、冷却装置5による冷却対象の冷却等を制御する。
制御基板7は、図8に示すように、略矩形状の基板である。制御基板7は、-X方向かつ-Z方向の部分に設けられた切欠71を有する。切欠71は、無線通信装置4を避ける部分である。
図8では図示を省略するが、制御基板7は、-Y方向を向く面に実装された複数の回路素子を有する。例えば、制御基板7は、光源装置31の駆動を制御する光源駆動回路72を有する。光源駆動回路72については、後に詳述する。
【0055】
[プロジェクターの下部構成]
図9は、プロジェクター1の下部構成を示す図であり、XZ平面に沿うプロジェクター1の断面を示す図である。
プロジェクター1は、上記構成の他、図9に示すように、外装筐体2内における-Y方向の部分に配置されるスピーカーユニット8及び電源装置9を備える。
【0056】
[スピーカーユニットの構成]
スピーカーユニット8は、外装筐体2における-Y方向かつ-Z方向の部分に配置されて、制御基板7から入力する音声信号に応じた音声を出力する。この他、スピーカーユニット8は、外装筐体2内に配置されることによって、背面22の内面とともに第1ダクト52を構成する。
スピーカーユニット8は、スピーカー筐体81、第1放音部82、第2放音部83,84、多孔質部材85及び封止材86を有する。
【0057】
スピーカー筐体81は、第1放音部82、第2放音部83,84、多孔質部材85及び封止材86を支持するエンクロージャーである。スピーカー筐体81は、第1面811、第2面812、第3面813及び第4面814を有し、横向きの四角錐台形状に形成されている。すなわち、スピーカー筐体81は、-Z方向に向かうに従ってX軸に沿う寸法が小さくなる形状に形成されている。
【0058】
第1面811は、-Z方向を向く面であり、ファブリックユニット2Cにおける背面部2CAの内面と対向する。詳述すると、第1面811は、背面部2CAの連通口2CA1と対向する。
第1面811には、+Z方向に凹む凹部8111が設けられている。凹部8111は、第1吸気口264から外装筐体2内に導入された冷却気体が流通する第1ダクト52の幅を大きくする。
【0059】
第2面812は、第1面811とは反対側となる面である。
第3面813は、+X方向かつ-Z方向を向く面である。すなわち、第3面813は、XY平面及びYZ平面のそれぞれに対して傾斜する傾斜面である。
第4面814は、-X方向かつ-Z方向を向く面である。すなわち、第4面814は、XY平面及びYZ平面のそれぞれに対して傾斜する傾斜面である。
なお、図示を省略するが、スピーカー筐体81は、+Y方向を向いて無線通信装置4及び第1ファン51と対向する第5面と、-Y方向を向いて底面26の内面と対向する第6面と、を有する。
このようなスピーカー筐体81は、連通口2CA1及び第1吸気口264と対向して配置される。
【0060】
第1放音部82は、第1面811に設けられている。詳述すると、第1放音部82は、凹部8111の底部に配置されている。第1放音部82は、スピーカー筐体81に設けられたバスレフダクトBRの出口側ポートである。このため、第1放音部82は、低音域の音を出力する。
なお、バスレフダクトBRの入口側ポートは、スピーカー筐体81内に配置されている。バスレフダクトBRの入口側ポートには、多孔質部材85が設けられている。多孔質部材85は、スピーカー筐体81の内部にて、入口側ポートの全てを覆うように設けられている。
このような多孔質部材85によって、バスレフダクトBRを流れる空気の流速が出口側ポートにて低減されるので、出口側ポートである第1放音部82にて発生するポートノイズ及び風切り音の発生を抑制できる。なお、多孔質部材85は、-Z方向から見て第1放音部82の全てを覆うように設けられていてもよく、入口側ポートと出口側ポートとの間に設けられていてもよい。多孔質部材85は、例えばスポンジにより構成できる。
【0061】
第2放音部83,84のそれぞれは、制御基板7から入力する音声信号に応じた音声を出力する。第2放音部83,84は、フルレンジのスピーカーであり、第1放音部82から出力される音よりも高音域の音を出力可能である。すなわち、第2放音部83,84は、第1放音部82とは異なる音域の音を出力可能である。
第2放音部83は、第3面813に設けられ、第2放音部83において放音する放音面83Aは、+X方向かつ-Z方向を向く。第2放音部83から出力された音は、ファブリックユニット2Cの右側放音口2CR1及びファブリック2C1を介して外装筐体2の外部に放音される。
第2放音部84は、第4面814に設けられ、第2放音部84において放音する放音面84Aは、-X方向かつ-Z方向を向く。第2放音部84から出力された音は、ファブリックユニット2Cの左側放音口2CL1及びファブリック2C1を介して外装筐体2の外部に放音される。
このように各第2放音部83,84が配置されることによって、外装筐体2の外部に音を効果的に広げることができる。
【0062】
封止材86は、外装筐体2を構成するファブリックユニット2Cの内面と、スピーカー筐体81との間に設けられ、ファブリックユニット2Cの内面とスピーカー筐体81の外面との間の空間を封止する。本実施形態では、封止材86は、スピーカー筐体81に接着材又は両面接着テープによって固定されている。
詳述すると、封止材86は、第1面811、第5面及び第6面に跨って設けられている。封止材86は、スピーカー筐体81と外装筐体2の内面との間に設けられ、第1放音部82を囲んで、第1放音部82が配置された空間と第2放音部83,84が配置された空間とを仕切る。すなわち、封止材86は、第1ファン51によって第1放音部82が配置された空間を流通する気流と第2放音部83,84とを仕切る。
このようなスピーカーユニット8が外装筐体2の内部に配置されることによって、第1ダクト52の一部が構成される。
【0063】
[電源装置及び収容室の構成]
電源装置9は、プロジェクター1の電子部品に電力を供給する電源基板である。電源装置9は、図示を省略するが、電源回路を構成する複数の回路素子を有し、複数の回路素子は、電源装置9の駆動時に発熱する熱源である。電源装置9は、外装筐体2の内部に設けられた収容室28内に収容されている。
収容室28は、外装筐体2における-Y方向かつZ軸の中央部分に設けられた凹状部分であり、電源装置9を収容する。
電源装置9及び収容室28は、上記したベース6によって+Y方向から覆われる。
【0064】
[第2ファンの構成]
図10は、第2ファン54から送出された冷却気体の流通方向を示す図である。
図4に示す第2ファン54は、第2冷却ファンに相当する。第2ファン54は、外装筐体2の内部において+X方向かつ+Z方向の隅部に設けられている。第2ファン54は、第2吸気口266を介して外装筐体2の外気を冷却気体として吸引して、画像形成ユニット35と、画像投射装置3に対して+Y方向に配置された制御基板7とに冷却風を送出する。第2ファン54が送出する冷却風は、第2冷却風に相当する。
【0065】
具体的に、第2ファン54は、ベース6に設けられた図示しないダクト部材を介して冷却風を画像形成ユニット35及び偏光変換素子323に送出する。ダクト部材は、図10に白抜きの矢印にて示すように、第2ファン54から送出された冷却風を分流し、分流した冷却風を、画像形成ユニット35の光変調装置352R,352G,352Bのそれぞれに個別に流通させる他、偏光変換素子323に流通させる。各光変調装置352R,352G,352B及び偏光変換素子323に流通した冷却風は、各光変調装置352R,352G,352B及び偏光変換素子323を冷却しつつ、+Y方向に流通する。
【0066】
各光変調装置352R,352G,352B及び偏光変換素子323を冷却した冷却風は、図8に示した制御基板7における-Y方向の面に沿って流通する。これにより、制御基板7において-Y方向の面に実装された回路素子が冷却される。
ここで、第2ファン54から冷却風が送出されることによって、外装筐体2の内部において画像投射装置3及び制御基板7が配置された空間S1は、陽圧となる。一方、当該空間は、排出口241と連通している。陽圧は、第2ファン54の吐出力と排出口241の排出抵抗とによって発生させることができる。
このため、光変調装置352を含む画像形成ユニット35、偏光変換素子323及び制御基板7を冷却した冷却風は、図10に斜線の矢印によって示すように、外装筐体2内にて拡散した後、空間S1内の陽圧によって排出口242の第2開口2423に向かって押し出されるとともに、後述する第3ダクト56を流通して排出口242の第1開口2422から排出される冷却風によって誘引されて、第2開口2423から外装筐体2の外部に排出される。
【0067】
なお、外装筐体2内では、無線通信装置4、第1ファン51及びスピーカーユニット8が配置される空間S2は、上記空間S1に対して封止部材SMによって区画されている。このため、空間S1内を流通する冷却気体が、空間S2内に流入することが抑制され、空間S1内を流通する冷却風が、第1ファン51によって吸引されることが抑制される。すなわち、封止部材SMは、空間S1と空間S2とを熱的に区画する。
【0068】
[第3ダクトの構成]
図11は、第3ダクト56を構成するダクト部材57を示す図である。換言すると、図11は、アッパーケース2A及び制御基板7を取り外した状態のプロジェクター1を+Y方向から見た平面図である。
第3ダクト56は、第3ファン55から送出された冷却風を、第1冷却対象である第1放熱部材312と、第2冷却対象である光源駆動回路72とに導く。更に、第3ダクト56は、第1放熱部材312を冷却した冷却風を排出口242に導く。
第3ダクト56は、ベース6のダクト構成部66と、図11に示すダクト部材57とが組み合わされて構成される。すなわち、冷却装置5は、ダクト部材57を有する。
【0069】
ダクト部材57は、ダクト構成部66を+Y方向にて覆うようにベース6と組み合わされて、排出口242と接続される。本実施形態では、ダクト構成部66を覆う他、ダクト構成部66から+X方向に延在して、投射光学装置37を+Y方向にて覆う。
ダクト部材57は、制御基板7において光源装置31に対する+Y方向の位置に設けられた光源駆動回路72に冷却風を流通させる流通口571を有する。流通口571は、ダクト部材57をY軸に沿って貫通している。詳しくは後述するが、流通口571を通過して後述する光源駆動回路72に流通した冷却風は、制御基板7に沿って流通して、排出口242の第2開口2423を介して外装筐体2の外部に排出される。すなわち、ダクト部材57は、冷却風FW31が流通し、第1放熱部材312の複数のフィン3121から排出口242までの空間と、冷却風FW32が流通し、光源駆動回路72から排出口242までの空間とを仕切る仕切部材として機能する。なお、冷却風FW31は、第3ファン55から送出された冷却風FW3の一部であり、冷却風FW32は、第3ファン55から送出された冷却風FW3の他の一部である。
【0070】
[第3ファンの構成及び機能]
図12は、第3ファン55によって吸引される冷却気体の流れを説明する図である。
第3ファン55は、第1冷却ファンに相当する。第3ファン55は、第3吸気口267と対向するように第3ダクト56内に配置される。第3ファン55は、第3吸気口267から導入した冷却気体を-Y方向を向く面にて吸引し、吸引した冷却気体を送出して、第3ダクト56を介して第1放熱部材312及び光源駆動回路72に流通させる。
詳述すると、第3ファン55は、図12に示すように、ベース6の第3ファン配置部661に開口した第1開口部662を介して、第3吸気口267のうち開口部2672,2673から、外装筐体2の外気を直接吸引する。開口部2672,2673から第3ファン55に到達する冷却風を冷却風FW1とする。
【0071】
図13は、第3吸気口267のうち開口部2671から外装筐体2の内部に導入された冷却気体の流通方向を示す図である。
一方、第3ファン55の吸引力によって、第3吸気口267の開口部2671から外装筐体2内に導入された冷却気体は、開口部2671を部分的に囲む第1起立部681及びベース6によって第3ファン55に直接流通することができない。このため、開口部2671から導入された冷却気体は、第2起立部682に向かって+X方向に流通し、冷却風FW2として収容室28内に流入する。
収容室28内に流入した冷却風FW2は、第3ファン55の吸引力によって電源装置9に沿って-X方向に流通して、電源装置9を冷却する。電源装置9を冷却した冷却風FW2は、+Z方向に流通して収容室28外に流出し、第3起立部683に沿って+Y方向に流通する。そして、+Y方向に流通した冷却風FW2は、ベース6の第3ファン配置部661に開口した第2開口部663を介して、第3ファン55に吸引される。
【0072】
図14は、第3ファン55から第3ダクト56内に送出された冷却風の流通方向を示す図である。図15は、第1放熱部材312におけるプロジェクター1のXY平面に沿う断面を示す図であり、第3ファン55から送出された冷却風の流通方向を示す図である。
第3ファン55は、第3吸気口267から吸引した冷却風FW1,FW2を、第3ダクト56内に送出して、図14に示すように、第1冷却対象としての第1放熱部材312、及び、第2冷却対象としての光源駆動回路72に冷却風FW3を流通させる。第3ファン55が送出する冷却風は、第1冷却風に相当する。
具体的に、冷却風FW3のうち一部の冷却風FW31は、図15に示すように、第1放熱部材312のフィン3121間を流通して、第1放熱部材312を冷却した後、排出口242の第1開口2422を介して外装筐体2の外部に排出される。すなわち、第3ファン55の送出部551から第1放熱部材312の複数のフィン3121間を流通する冷却風FW31は、第3ファン55の吐出力によって第1開口2422に流通する。このように、複数のフィン3121の間にて冷却風FW31が流通する流路の一部が構成される。
そして、冷却風FW31は、冷却風FW31が流通する第3ダクト56内の流路において複数のフィン3121に対する下流にて複数のフィン3121と対向した位置に配置された第1開口2422から排出される。
【0073】
一方、第3ファン55から送出された冷却風FW3のうち他の冷却風FW32は、ダクト部材57の流通口571を介してダクト部材57に対する+Y方向に流通する。すなわち、冷却風FW32は、外装筐体2内において第2ファン54が冷却風を送出することによって陽圧となる空間S1に流入する。
ここで、制御基板7が有する光源駆動回路72は、第2ファン54によって陽圧となる空間S1内に配置され、かつ、Y軸において第1放熱部材312と並置されている。すなわち、光源駆動回路72は、制御基板7において第1放熱部材312に対する+Y方向の位置に配置されている。
このため、第1放熱部材312に対して冷却風FW3の上流側に開口する流通口571を介してダクト部材57と制御基板7との間に流入した冷却風FW32は、光源駆動回路72に沿って流通して、光源駆動回路72を冷却する。
【0074】
光源駆動回路72を冷却した冷却風FW32は、排出口242を構成する複数の開口2421のうち、ダクト部材57よりも+Y方向に設けられた第2開口2423から排出される。
第2開口2423は、空間S1内の気体が排出される開口でもある。このため、冷却風FW32は、空間S1内の陽圧が作用して排出口242側押し出され、第2開口2423から排出される。これにより、冷却風FW32の排出効率を高めることができる。
【0075】
なお、第1放熱部材312の発熱量は、光源駆動回路72の発熱量よりも大きい。このため、第3ファン55から送出量及び送出圧が高い状態にて流通する冷却風FW31の流路上に第1放熱部材312が配置され、第1放熱部材312を流通した冷却風FW31は、第3ファン55の吐出力によって第1開口2422に流通する。
一方、冷却風FW32の送出量及び送出圧は、冷却風FW31の送出量及び送出圧よりも低いものの、光源駆動回路72の発熱量は、第1放熱部材312の発熱量よりも低い他、空間S1の陽圧が冷却風FW32に作用する。このため、光源駆動回路72を冷却した冷却風FW32の排出効率を高めることができ、ひいては、光源駆動回路72の冷却効率を高めることができる。
【0076】
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を奏する。
プロジェクター1は、外装筐体2、第1放熱部材312、第2ファン54、第3ファン55及び光源駆動回路72を備える。
外装筐体2は、複数の開口2421を有する排出口242を備える。
第1放熱部材312は、第1冷却対象に相当し、複数のフィン3121を有する。
光源駆動回路72は、第2冷却対象に相当し、第1放熱部材312と並置されている。
第3ファン55は、第1冷却ファンに相当する。第3ファン55は、第3吸気口267を介して外装筐体2の外気を吸引し、吸引した外気を冷却風FW3として第1放熱部材312及び光源駆動回路72のそれぞれに送出する。第3ファン55が送出する冷却風は、第1冷却風に相当する。
第2ファン54は、第2冷却ファンに相当する。第2ファン54は、第2吸気口266を介して外装筐体2の外気を吸引し、吸引した外気を冷却風として外装筐体2内に送出して、外装筐体2内の空間S1を陽圧にする。第2ファン54が送出する冷却風は、第2冷却風に相当する。
【0077】
複数のフィン3121は、複数のフィン3121の間にて冷却風FW3の一部である冷却風FW31が流通する流路の一部を構成する。
複数の開口2421のうち第1開口2422は、冷却風FW31が流通する流路において複数のフィン3121に対する下流にて複数のフィン3121と対向した位置に配置されている。
光源駆動回路72は、外装筐体2の内部において陽圧となる空間S1内に配置されている。
第3ファン55から第1放熱部材312の複数のフィン3121の間を流通する冷却風FW31は、第3ファン55の吐出力によって第1開口2422に流通する。
第3ファン55から光源駆動回路72に流れる冷却風FW32は、外装筐体2内の陽圧が作用して第2開口2423に流通する。
【0078】
このような構成によれば、互いに並置された第1放熱部材312及び光源駆動回路72のうち、第1放熱部材312は、複数のフィン3121の間を流通して排出口242から排出される冷却風FW31によって冷却され、光源駆動回路72は、第3ファン55から送出され、外装筐体2内の陽圧が作用して排出口242から排出される冷却風FW32によって冷却される。このため、第3ファン55の吐出力により排出口242から排出される冷却風FW31によって第1放熱部材312を効果的に冷却でき、第1放熱部材312を冷却した冷却風FW31を速やかに排出できる。更に、外装筐体2内の陽圧が作用して排出口242から排出される冷却風FW32によって光源駆動回路72を効果的に冷却でき、光源駆動回路72を冷却した冷却風FW32を速やかに排出できる。従って、第1放熱部材312及び光源駆動回路72のそれぞれの冷却効率を高めることができるので、第1放熱部材312を冷却する冷却ファンと、光源駆動回路72を冷却する冷却ファンとを個別に設ける場合に比べて、プロジェクター1の小型化を図ることができる他、ファンによる騒音を低減できる。
【0079】
プロジェクター1では、第3ファン55の吐出圧によって排出口242から排出される冷却風FW31が流通する第1放熱部材312の発熱量は、空間S1内の陽圧が作用する冷却風FW32が流通する光源駆動回路72の発熱量よりも大きい。
このような構成によれば、第1放熱部材312には、第3ファン55からの冷却風FW31が停滞することなく流通するので、光源駆動回路72の発熱量よりも大きい発熱量を有する第1放熱部材312を冷却風FW31によって効果的に冷却できる。この他、第1放熱部材312は、複数のフィン3121を有するので、第1放熱部材312の放熱効率は、光源駆動回路72の放熱効率よりも高い。このため、冷却風FW31によって第1放熱部材312を効果的に冷却できる。
【0080】
プロジェクター1では、第1冷却対象は、光を出射する光源装置31が有する光源311の熱を放熱する第1放熱部材312であり、第2冷却対象は、光源装置31を駆動する光源駆動回路72である。すなわち、第1冷却対象は、光源装置31である。
一般的に、光源装置31の発熱量は、光源駆動回路72の発熱量よりも大きい。このため、上記構成によれば、第1冷却対象を第1放熱部材312とし、第2冷却対象を光源駆動回路72とすることによって、第1放熱部材312、ひいては、光源装置31と、光源駆動回路72とのそれぞれの冷却効率を高めることができる。
また、光源装置31と光源駆動回路72とは、互いに近接して配置される場合が多い。このため、第3ファン55から送出された冷却風FW3を、互いに近い位置に配置される第1放熱部材312と光源駆動回路72とに流通させやすくすることができる。
【0081】
プロジェクター1は、第3冷却対象としての電源装置9を備える。外装筐体2は、電源装置9を収容する収容室28を外装筐体2の内部に備える。第3ファン55は、第3吸気口267の開口部2672,2673を介して外装筐体2の外気を吸引する他、収容室28内の気体を吸引する。
このような構成によれば、第3ファン55によって、第1放熱部材312、光源駆動回路72及び電源装置9のそれぞれを冷却できる。従って、冷却対象ごとに冷却用のファンを設ける場合に比べてファンの数を削減できるので、プロジェクター1の小型化を図ることができる他、プロジェクター1の製造コストを低減できる。
【0082】
プロジェクター1では、収容室28内に配置されて、第3ファン55によって冷却風FW2が流通する第3冷却対象は、電源装置9である。
このような構成によれば、電源装置9を効果的に冷却できる。
【0083】
プロジェクター1は、第3ダクト56を構成するダクト部材57を備える。ダクト部材57は、仕切部材に相当する。ダクト部材57は、第3ファン55から送出された冷却風FW3の一部である冷却風FW31が流通し、複数のフィン3121から排出口242までの空間と、第3ファン55から送出された冷却風FW3の他の一部である冷却風FW32が流通し、光源駆動回路72から排出口242までの空間とを仕切る。
このような構成によれば、各空間がダクト部材57によって仕切られることにより、冷却風FW31,FW32が各空間を効率よく流通できる。従って、第1放熱部材312及び光源駆動回路72のそれぞれの冷却効率を高めることができる。
【0084】
プロジェクター1では、排出口242を構成する複数の開口2421のうち、第3ファン55の吐出力によって複数のフィン3121を通過した冷却風FW31を排出する第1開口2422と、外装筐体2内の陽圧によって冷却風FW32を排出する第2開口2423とは、互いに隣り合って配置されている。
このような構成によれば、第1開口2422から排出される冷却風FW31の排出速度は比較的高いので、第2開口2423から排出される冷却風FW32を、第1開口2422からの冷却風FW31の排気によって誘引できる。従って、第2開口2423からの排気を、第1開口2422からの排気によってアシストできるので、第2開口2423から排出される冷却風FW32によって冷却される光源駆動回路72の冷却効率を更に高めることができる。
【0085】
プロジェクター1は、入射する光を変調する光変調装置352を含み、画像光を形成する画像形成ユニット35を備える。画像形成ユニット35は、外装筐体2内に配置され、第2ファン54は、画像形成ユニット35に冷却風を送出する。
このような構成によれば、熱源である画像形成ユニット35を冷却風によって冷却できる他、画像形成ユニット35を冷却した冷却風が外装筐体2の内部にて拡散されることによって、外装筐体2内の圧力をより高めることができる。
【0086】
[実施形態の変形]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
【0087】
上記実施形態では、制御基板7は、無線通信装置4まで延在しているとした。すなわち、制御基板7は、無線通信装置4を避けて配置されていた。しかしながら、これに限らず、制御基板7は、無線通信装置4に対する+Y方向に配置されていてもよい。また、無線通信装置4は、上記した位置とは異なる位置に配置されていてもよく、無線通信装置4は、無くてもよい。
これらの場合、制御基板7を背面22まで延在させることができ、陽圧が作用した冷却風FW32が排出される排出口を背面22に配置できる。冷却風FW32は陽圧で作用されるので、外装筐体2において冷却風FW32が排出される排出口が配置される面は、冷却風FW31が排出される排出口が配置される面と同じ面でなくてもよい。従って、冷却風FW31が排出される排出口と冷却風FW32が排出される排出口とは、外装筐体2において互いに異なる面に配置されていてもよく、例えば互いに交差する面に配置されていてもよい。この場合、外装筐体2において、冷却風FW31が排出される排出口が配置される第1面は、左側面24とは異なる面であってもよく、冷却風FW32が排出される排出口が配置される第2面は、背面22とは異なる面であってもよい。
【0088】
冷却風FW31が排出される排出口を第1排出口とし、冷却風FW32が排出される排出口を第2排出口とした場合、プロジェクター1は、第1排出口を有する第1面、及び、第2排出口を有する第2面を備えた外装筐体2と、第1放熱部材312と、光源駆動回路72と、第3ファン55と、第2ファン54と、を備える。
第1放熱部材312は、第1冷却対象に相当し、複数のフィン3121を有する。
光源駆動回路72は、第2冷却対象に相当し、第1放熱部材312と並置されている。
第3ファン55は、第1冷却ファンに相当する。第3ファン55は、第3吸気口267を介して外装筐体2の外気を吸引し、吸引した外気を冷却風FW3として第1放熱部材312及び光源駆動回路72のそれぞれに送出する。第3ファン55が送出する冷却風は、第1冷却風に相当する。
第2ファン54は、第2冷却ファンに相当する。第2ファン54は、第2吸気口266を介して外装筐体2の外気を吸引し、吸引した外気を冷却風として外装筐体2内に送出して、外装筐体2内の空間S1を陽圧にする。第2ファン54が送出する冷却風は、第2冷却風に相当する。
【0089】
複数のフィン3121は、複数のフィン3121の間にて冷却風FW3の一部である冷却風FW31が流通する流路の一部を構成する。
第1面にある第1排出口は、冷却風FW31が流通する流路において複数のフィン3121に対する下流にて複数のフィン3121と対向した位置に配置されている。
光源駆動回路72は、外装筐体2の内部において陽圧となる空間S1内に配置されている。
第3ファン55から第1放熱部材312の複数のフィン3121の間を流通する冷却風FW31は、第3ファン55の吐出力によって第1排出口に流通する。
第3ファン55から光源駆動回路72に流れる冷却風FW32は、外装筐体2内の陽圧が作用して第2面にある第2排出口に流通する。
【0090】
このようなプロジェクター1は、上記実施形態に係るプロジェクター1と同様の効果を奏する。
すなわち、第1放熱部材312及び光源駆動回路72のうち、第1放熱部材312は、複数のフィン3121の間を流通して第1面の第1排出口から排出される冷却風FW31によって冷却され、光源駆動回路72は、第3ファン55から送出され、外装筐体2内の陽圧が作用して第2面の第2排出口から排出される冷却風FW32によって冷却される。このため、第3ファン55の吐出力により第1排出口から排出される冷却風FW31によって第1放熱部材312を効果的に冷却でき、第1放熱部材312を冷却した冷却風FW31を速やかに排出できる。更に、外装筐体2内の陽圧が作用して第2排出口から排出される冷却風FW32によって光源駆動回路72を効果的に冷却でき、光源駆動回路72を冷却した冷却風FW32を速やかに排出できる。従って、第1放熱部材312及び光源駆動回路72のそれぞれの冷却効率を高めることができるので、第1放熱部材312を冷却する冷却ファンと、光源駆動回路72を冷却する冷却ファンとを個別に設ける場合に比べて、プロジェクター1の小型化を図ることができる他、ファンによる騒音を低減できる。
なお、このようなプロジェクター1は、冷却風FW31が流通し、複数のフィン3121から第1排出口までの第1空間と、冷却風FW32が流通し、光源駆動回路72から排出口242までの第2空間とを仕切る仕切部材を備えていてもよい。例えば、このような仕切部材は、上記したダクト部材57と同様の構成としてもよい。
【0091】
なお、第2排出口が配置される第2面が、第1排出口が配置される第1面と交差する向きに配置されている場合、冷却風FW31が流通する第1空間は、第1面に対向し、冷却風FW32が流通する第2空間は、第1空間に対して第2面側に配置されて、第1面と第2面に対向させてもよい。
このような場合、第1空間と第2空間とを第1面及び第2面に寄せて配置できるので、第1面と第2面とのそれぞれに排出口を配置でき、プロジェクター1の小型化を図りながら、排出口の配置の自由度を向上できる。
【0092】
上記実施形態では、第1冷却対象は、光源装置31の光源311の熱を放熱する第1放熱部材312であるとした。しかしながら、これに限らず、第1冷却対象は、光源装置31の他の構成の熱を放熱する放熱部材であってもよい。例えば、第1冷却対象は、第2放熱部材317であってもよい。また、光源装置31の熱を放熱するものであれば、第1冷却対象は、光源用筐体CAであってもよい。更に、第1冷却対象は、光源装置31以外の構成の熱を放熱するものであってもよく、熱源そのものであってもよい。
上記実施形態では、第2冷却対象は、光源装置31を駆動させる光源駆動回路72であるとした。しかしながら、これに限らず、第2冷却対象は、熱源であってもよく、放熱部材であってもよい。
【0093】
上記実施形態では、第1冷却ファンとしての第3ファン55から送出された冷却風FW3のうち冷却風FW32を、ダクト部材57の流通口571に流通させることによって、第1冷却対象に流通する冷却風FW31と、第2冷却対象に流通する冷却風FW32とを分流した。しかしながら、これに限らず、他の分流機構を用いて、第3ファン55から送出された冷却風を分流してもよい。
【0094】
上記実施形態では、第1冷却対象の発熱量は、第2冷却対象の発熱量よりも大きく、第2冷却対象を流通して排出口242から排出される冷却風FW32には、外装筐体2内の陽圧が作用するとした。しかしながら、これに限らず、第1冷却対象の発熱量は、外装筐体内の陽圧が作用する冷却風が流通する第2冷却対象の発熱量と同じでもよく、第2冷却対象の発熱量よりも小さくてもよい。
【0095】
上記実施形態では、第1冷却ファンとしての第3ファン55は、第3吸気口267の開口部2672,2673から外気を直接吸引するとともに、開口部2671から第3冷却対象である電源装置9が配置される収容室28を流通した外気を吸引するとした。しかしながら、これに限らず、第3冷却対象は、電源装置9以外の構成でもよく、第3冷却対象は無くてもよい。
【0096】
上記実施形態では、ダクト部材57は、第3ファン55から送出された冷却風FW3の一部である冷却風FW31が流通し、第1放熱部材312の複数のフィン3121から排出口242までの空間と、第3ファン55から送出された冷却風FW3の他の一部である冷却風FW32が流通し、光源駆動回路72から排出口242までの空間とを仕切るとした。しかしながら、これに限らず、各空間を仕切るダクト部材57は無くてもよく、また、他の構成によって各空間を仕切ってもよい。
【0097】
上記実施形態では、排出口242を構成する複数の開口2421のうち、冷却風FW31が排出される第1開口2422と、陽圧が作用した冷却風FW32が排出される第2開口2423とは、互いに隣り合って配置されているとした。しかしながら、これに限らず、第1開口2422と第2開口2423とは、互いに離間していてもよい。例えば、冷却風FW31が排出される排出口と、冷却風FW32が排出される排出口とは、異なっていてもよい。
【0098】
上記実施形態では、第2冷却ファンとしての第2ファン54は、画像形成ユニット35に冷却風を送出しつつ、外装筐体2内の空間S1を陽圧とするとした。しかしながら、これに限らず、第2ファン54から冷却風が送出される冷却対象は、他の構成でもよく、また、第2ファン54の冷却風による冷却対象は無くてもよい。すなわち、第2冷却ファンは、外装筐体内を陽圧にすれば、他の用途は問わない。
【0099】
上記実施形態では、スピーカーユニット8が有する多孔質部材85は、バスレフダクトBRの入口側ポートに設けられるとした。しかしながら、これに限らず、多孔質部材85は、バスレフダクトBRの出口側ポートに設けられていてもよい。すなわち、多孔質部材85は、スピーカー筐体81の外部に設けられていてもよい。
なお、多孔質部材85が入口側ポートに設けられている場合には、多孔質部材85がスピーカー筐体81の外部に露出しないので、スピーカーユニット8の外装筐体2内への組付け作業を簡略化できる。
【0100】
上記実施形態では、プロジェクター1は、3つの光変調装置352R,352G,352Bを備えるとした。しかしながら、これに限らず、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも、本開示の内容を適用可能である。
上記実施形態では、画像投射装置3は、図4に示したように+Y方向から見て略L字状に構成されていた。しかしながら、これに限らず、画像投射装置3の構成及びレイアウトは、上記に限定されず、例えば略U字状に構成されていてもよい。
【0101】
上記実施形態では、光変調装置352は、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルを備えるとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置は、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルを備えていてもよい。また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
【0102】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
複数の開口を有する排出口を備えた外装筐体と、
複数のフィンを有する第1冷却対象と、
第2冷却対象と、
前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第1冷却風として前記第1冷却対象及び前記第2冷却対象のそれぞれに送出する第1冷却ファンと、
前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第2冷却風として前記外装筐体内に送出して、前記外装筐体内を陽圧にする第2冷却ファンと、を備え、
前記複数のフィンは、前記複数のフィンの間にて前記第1冷却風が流通する流路の一部を構成し、
前記複数の開口のうち少なくとも1つの開口は、前記第1冷却風が流通する流路において前記複数のフィンに対する下流にて前記複数のフィンと対向した位置に配置され、
前記第2冷却対象は、前記外装筐体の内部において陽圧となる位置に配置され、
前記第1冷却ファンから前記複数のフィンの間を流通する前記第1冷却風は、前記第1冷却ファンの吐出力によって前記少なくとも1つの開口に流通し、
前記第1冷却ファンから前記第2冷却対象に流れる前記第1冷却風は、前記外装筐体内の陽圧が作用して前記複数の開口のうちのいずれかに流通する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0103】
このような構成によれば、第1冷却対象及び第2冷却対象のうち、第1冷却対象は、複数のフィンの間を流通して排出口から排出される第1冷却風によって冷却され、第2冷却対象は、第1冷却ファンから送出され、外装筐体内の陽圧が作用して排出口から排出される第1冷却風によって冷却される。このため、第1冷却ファンの吐出力により排出口から排出される第1冷却風によって第1冷却対象を効果的に冷却でき、第1冷却対象を冷却した第1冷却風を速やかに排出できる。更に、外装筐体内の陽圧が作用して排出口から排出される第1冷却風によって第2冷却対象を効果的に冷却でき、第2冷却対象を冷却した第1冷却風を速やかに排出できる。従って、各冷却対象の冷却効率を高めることができるので、第1冷却対象を冷却する冷却ファンと、第2冷却対象を冷却する冷却ファンとを個別に設ける場合に比べて、プロジェクターの小型化を図ることができる他、冷却ファンによる騒音を低減できる。
【0104】
[付記2]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却対象の発熱量は、前記第2冷却対象の発熱量よりも大きい、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1冷却対象には、第1冷却ファンからの第1冷却風が停滞することなく流通するので、第2冷却対象の発熱量よりも大きい発熱量を有する第1冷却対象を第1冷却風によって効果的に冷却できる。この他、第1冷却対象は、複数のフィンを有するので、第1冷却対象の放熱効率は、第2冷却対象の放熱効率よりも高い。このため、第1冷却風によって第1冷却対象を効果的に冷却できる。
【0105】
[付記3]
付記2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却対象は、光を出射する光源装置の熱を放熱する放熱部材であり、
前記第2冷却対象は、前記光源装置を駆動する光源駆動回路である、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、一般的に、光源装置の発熱量は、光源駆動回路の発熱量よりも大きいので、第1冷却対象を放熱部材とし、第2冷却対象を光源駆動回路とすることによって、放熱部材、ひいては、光源装置と、光源駆動回路とのそれぞれの冷却効率を高めることができる。
また、光源装置と光源駆動回路とは、互いに近接して配置される場合が多い。このため、第1冷却ファンから送出された第1冷却風を、互いに近い位置に配置される放熱部材と光源駆動回路とに流通させやすくすることができる。
【0106】
[付記4]
付記1から付記3のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
第3冷却対象を備え、
前記外装筐体は、前記第3冷却対象を収容する収容室を前記外装筐体の内部に備え、
前記第1冷却ファンは、前記外装筐体の外気と、前記収容室内の気体を吸引する、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1冷却ファンによって、第1冷却対象、第2冷却対象及び第3冷却対象のそれぞれを冷却できる。従って、冷却対象ごとに冷却ファンを設ける場合に比べて冷却ファンの数を削減できるので、プロジェクターの小型化を図ることができる他、プロジェクターの製造コストを低減できる。
【0107】
[付記5]
付記4に記載のプロジェクターにおいて、
前記第3冷却対象は、電源装置である、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第3冷却対象である電源装置を効果的に冷却できる。
【0108】
[付記6]
付記1から付記5のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却ファンから送出された前記第1冷却風の一部が流通し、前記複数のフィンから前記排出口までの空間と、前記第1冷却ファンから送出された前記第1冷却風の他の一部が流通し、前記第2冷却対象から前記排出口までの空間とを仕切る仕切部材を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、各空間が仕切部材によって仕切られることにより、第1冷却風が各空間を効率よく流通するので、第1冷却対象及び第2冷却対象のそれぞれの冷却効率を高めることができる。
【0109】
[付記7]
付記1から付記6のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記複数の開口のうち、前記第1冷却ファンの吐出力によって前記複数のフィンを通過した前記第1冷却風を排出する第1開口と、前記外装筐体内の陽圧によって前記第1冷却風を排出する第2開口とは、互いに隣り合って配置されている、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1開口から排出される第1冷却風の排出速度は比較的高いので、第2開口から排出される第1冷却風を、第1開口からの第1冷却風の排気によって誘引できる。従って、第2開口からの排気を、第1開口からの排気によってアシストできるので、第2開口から排出される第1冷却風によって冷却される第2冷却対象の冷却効率を更に高めることができる。
【0110】
[付記8]
第1排出口を有する第1面、及び、第2排出口を有する第2面を備えた外装筐体と、
複数のフィンを有する第1冷却対象と、
第2冷却対象と、
前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第1冷却風として前記第1冷却対象及び前記第2冷却対象のそれぞれに送出する第1冷却ファンと、
前記外装筐体の外気を吸引し、吸引した外気を第2冷却風として前記外装筐体内に送出して、前記外装筐体内を陽圧にする第2冷却ファンと、を備え、
前記複数のフィンは、前記複数のフィンの間にて前記第1冷却風が流通する流路の一部を構成し、
前記第1排出口は、前記第1冷却風が流通する流路において前記複数のフィンに対する下流にて前記複数のフィンと対向した位置に配置され、
前記第2冷却対象は、前記外装筐体の内部において陽圧となる位置に配置され、
前記第1冷却ファンから前記複数のフィンの間を流通する前記第1冷却風は、前記第1冷却ファンの吐出力によって前記第1排出口に流通し、
前記第1冷却ファンから前記第2冷却対象に流れる前記第1冷却風は、前記外装筐体内の陽圧が作用して前記第2排出口に流通する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0111】
このような構成によれば、第1冷却対象及び第2冷却対象のうち、第1冷却対象は、複数のフィンの間を流通して第1面の第1排出口から排出される第1冷却風によって冷却され、第2冷却対象は、第1冷却ファンから送出され、外装筐体内の陽圧が作用して第2面の第2排出口から排出される第1冷却風によって冷却される。このため、第1冷却ファンの吐出力により第1排出口から排出される第1冷却風によって第1冷却対象を効果的に冷却でき、第1冷却対象を冷却した第1冷却風を速やかに排出できる。更に、外装筐体内の陽圧が作用して第2排出口から排出される第1冷却風によって第2冷却対象を効果的に冷却でき、第2冷却対象を冷却した第1冷却風を速やかに排出できる。従って、各冷却対象の冷却効率を高めることができるので、第1冷却対象を冷却する冷却ファンと、第2冷却対象を冷却する冷却ファンとを個別に設ける場合に比べて、プロジェクターの小型化を図ることができる他、冷却ファンによる騒音を低減できる。
【0112】
[付記9]
付記8に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却ファンから送出された前記第1冷却風の一部が流通し、前記複数のフィンから前記第1排出口までの第1空間と、前記第1冷却ファンから送出された前記第1冷却風の他の一部が流通し、前記第2冷却対象から前記第2排出口までの第2空間とを仕切る仕切部材を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、各空間が仕切部材によって仕切られることにより、第1冷却風が各空間を効率よく流通するので、第1冷却対象及び第2冷却対象のそれぞれの冷却効率を高めることができる。
【0113】
[付記10]
付記9に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2面は、前記第1面と交差する向きに配置され、
前記第1空間は、前記第1面に対向し、
前記第2空間は、前記第1空間に対して前記第2面側に配置され、前記第1面と前記第2面とに対向する、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1空間と第2空間とを第1面及び第2面に寄せて配置するので、第1面と第2面とのそれぞれに排出口を配置でき、プロジェクターの小型化を図りながら、排出口の配置の自由度を向上できる。
【0114】
[付記11]
付記8から付記10のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却対象は、光を出射する光源装置の熱を放熱する放熱部材であり、
前記第2冷却対象は、前記光源装置を駆動する光源駆動回路である、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、一般的に、光源装置の発熱量は、光源駆動回路の発熱量よりも大きいので、第1冷却対象を放熱部材とし、第2冷却対象を光源駆動回路とすることによって、放熱部材、ひいては、光源装置と、光源駆動回路とのそれぞれの冷却効率を高めることができる。
また、光源装置と光源駆動回路とは、互いに近接して配置される場合が多い。このため、第1冷却ファンから送出された第1冷却風を、互いに近い位置に配置される放熱部材と光源駆動回路とに流通させやすくすることができる。
【0115】
[付記12]
付記1から付記11のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
入射する光を変調する光変調装置を含み、画像光を形成する画像形成ユニットを備え、
前記画像形成ユニットは、前記外装筐体内に配置され、
前記第2冷却ファンは、前記画像形成ユニットに前記第2冷却風を送出する、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、熱源である画像形成ユニットを第2冷却風によって冷却できる他、画像形成ユニットを冷却した第2冷却風が外装筐体の内部にて拡散されることによって、外装筐体内の圧力をより高めることができる。
【符号の説明】
【0116】
1…プロジェクター、2…外装筐体、22…背面(第2面)、24…左側面(第1面)、242…排出口、2421…開口、2422…第1開口、2423…第2開口、25…天面、26…底面、261…突出部、262…固定脚部、263…段差部、28…収容室、3…画像投射装置、31…光源装置、311…光源、312…第1放熱部材(第1冷却対象)、3121…フィン、35…画像形成ユニット、352,352B,352G,352R…光変調装置、4…無線通信装置、5…冷却装置、51…第1ファン、52…第1ダクト、53…第2ダクト、54…第2ファン(第2冷却ファン)、55…第3ファン(第1冷却ファン)、56…第3ダクト、6…ベース、7…制御基板、72…光源駆動回路(第2冷却対象)、8…スピーカーユニット、9…電源装置(第3冷却対象)。
図1
図2
図3
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図10
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