(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172558
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】揺動直線駆動機構を備えた駆動装置
(51)【国際特許分類】
F04B 27/04 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
F04B27/04 F
F04B27/04 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090347
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510063502
【氏名又は名称】ナブテスコオートモーティブ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】314003007
【氏名又は名称】Zメカニズム技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】須田 智春
(72)【発明者】
【氏名】池田 成
(72)【発明者】
【氏名】湊 一郎
(72)【発明者】
【氏名】下村 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 穣
【テーマコード(参考)】
3H076
【Fターム(参考)】
3H076AA04
3H076BB26
3H076CC36
3H076CC40
3H076CC46
(57)【要約】
【課題】安定して回転運動を直線運動に動力変換することができ、動作効率の高い駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置は、筐体12と、メインシャフトM1,M2の両端部が筐体12に支持されている第1クランク軸CR1と、偏心シャフトM3に支持され、第1ジャーナル部JA1と第2ジャーナル部JA2とを具備する第2クランク軸CR2と、第1ジャーナル部JA1に設けられた第1スライダS1と、第2ジャーナル部JA2に設けられた第2スライダS2と、第1ジャーナル部JA1の移動に伴って直線運動する第1移動体と、筐体12に設けられ、第1スライダS1の移動をガイドする第1ガイド体30と、筐体12に設けられ、第2スライダS2の移動をガイドする第2ガイド体32と、筐体12に設けられ、第1移動体の直線運動をガイドする第3ガイド体14aと、を備えている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
第1中心軸線を有するメインシャフトと前記第1中心軸線と平行な第2中心軸線を有し前記メインシャフトに対し偏心して位置する偏心シャフトとを具備し、前記メインシャフトの軸方向の両端部が前記筐体に前記第1中心軸線の回りで回転自在に支持されている第1クランク軸と、
前記第2中心軸線の回りで回転自在に前記偏心シャフトに支持され、前記第2中心軸線に対し一方向に偏心した第1ジャーナル部と前記第2中心軸線に対し他方向に偏心した第2ジャーナル部とを具備する第2クランク軸と、
前記第1ジャーナル部に回転自在に設けられた第1スライダと、
前記第2ジャーナル部に回転自在に設けられた第2スライダと、
前記第1ジャーナル部に回動自在に連結され、前記第1ジャーナル部の移動に伴って、前記第1中心軸線と直交する第1方向に直線運動する第1移動体と、
前記筐体に設けられ、前記第1方向に沿った前記第1スライダの移動をガイドする第1ガイド体と、
前記筐体に設けられ、前記第1中心軸線と直交し、かつ、前記第1方向と直交する第2方向に沿った前記第2スライダの移動をガイドする第2ガイド体と、
前記筐体に設けられ、前記第1移動体の前記第1方向の直線運動をガイドする第3ガイド体と、
を備える駆動装置。
【請求項2】
前記第2クランク軸は、前記第1ジャーナル部および前記第2ジャーナル部を貫通して延びる透孔を有し、前記透孔は、前記第2中心軸線と同軸の中心軸線を有し、
前記第1クランク軸の前記偏心シャフトが前記透孔に回転自在に挿通されている、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1クランク軸は、互いに軸方向に離間した一対のメインシャフトと、一方のメインシャフトと前記偏心シャフトの一端との間に設けられた第1カウンタウエイトと、他方の前記メインシャフトと前記偏心シャフトの他端との間に設けられた第2カウンタウエイトと、を有する請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第2クランク軸は、前記第1ジャーナル部に取り付けられた第1内カウンタウエイトと、前記第2ジャーナル部に取り付けられた第2内カウンタウエイトと、を備えている、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第1ガイド体は、間隔を置いて互いに平行に対向しているとともに、それぞれ前記第1方向に直線状に延びる一対の第1ガイド面を有し、前記第1スライダは、前記一対の第1ガイド面と間に位置し、一対の第1ガイド面に接触している、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第2ガイド体は、間隔を置いて互いに平行に対向しているとともに、それぞれ前記第2方向に直線状に延びる一対の第2ガイド面を有し、前記第2スライダは、前記一対の第2ガイド面と間に位置し、一対の第2ガイド面に接触している、請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記第1スライダは、前記第1ジャーナル部と同軸の円環状に形成され、前記一対の第1ガイド面に接触した外周面を有している、請求項5に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記第1スライダは、前記第1ジャーナル部に回転自在に係合する内孔と、互いに平行に対向しそれぞれ直線的に延びる一対のガイド面とを有する板状に形成され、前記一対のガイド面は前記第1ガイド体の前記一対の第1ガイド面に接触している、請求項5に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記第3ガイド体は、前記筐体に設けられ前記第1方向に延びる第1シリンダを有し、
前記第1移動体は、前記第1方向に往復動可能に前記第1シリンダ内に設けられた第1ピストンと、前記第1ピストンに連結された一端部と前記第1ジャーナル部に回転自在に連結された他端部とを有する第1コンロッドと、を含んでいる、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記第2ジャーナル部に回動自在に連結され、前記第2ジャーナル部の移動に伴って、前記第1方向と直交する第2方向に直線運動する第2移動体と、前記筐体に設けられ、前記第2移動体の前記第2方向の直線運動をガイドする第4ガイド体と、を更に備える、請求項9に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第4ガイド体は、前記筐体に設けられ前記第2方向に延びる第2シリンダを有し、
前記第2移動体は、前記第2方向に往復動可能に前記第2シリンダ内に設けられた第2ピストンと、前記第2ピストンに連結された一端部と前記第2ジャーナル部に回転自在に連結された他端部とを有する第2コンロッドと、を含んでいる、請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記第2ピストンは、前記第1ピストンと異なる径を有している、請求項11に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、偏心回転する回転体の回転、揺動運動を直線運動に変換する揺動直線駆動機構を備えた駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転運動を直線運動に動力変換する機構として、2重偏心円弧揺動機構が知られている。2重偏心円弧揺動機構では、2重円の偏心機構を特定の割合で半径を定めることにより、片側の偏心軸が直線運動をする。
このような揺動機構では、移動体としての往復動作部を支持しているクランク軸(偏心軸)は片持ち構造にて支持されている。揺動支点部を往復動作部の直下に配置すると、偏心軸の一端に入出力軸を設けることができる。
しかし、揺動支点部を往復動作部の直下に配置した場合、往復動作部に外力が作用した際、片持ち状態の偏心軸が変形し、揺動支点部の動作に支障をきたす場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6593945号公報
【特許文献2】特許第6755542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の実施形態の課題は、安定して回転運動を直線運動に動力変換することができ、動作効率の高い駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、駆動装置は、筐体と、第1中心軸線を有するメインシャフトと前記第1中心軸線と平行な第2中心軸線を有し前記メインシャフトに対し偏心して位置する偏心シャフトとを具備し、前記メインシャフトの軸方向の両端部が前記筐体に前記第1中心軸線の回りで回転自在に支持されている第1クランク軸と、前記第2中心軸線の回りで回転自在に前記偏心シャフトに支持され、前記第2中心軸線に対し一方向に偏心した第1ジャーナル部と前記第2中心軸線に対し他方向に偏心した第2ジャーナル部とを具備する第2クランク軸と、前記第1ジャーナル部に回転自在に設けられた第1スライダと、前記第2ジャーナル部に回転自在に設けられた第2スライダと、前記第1ジャーナル部に回動自在に連結され、前記第1ジャーナル部の移動に伴って、前記第1中心軸線と直交する第1方向に直線運動する第1移動体と、前記筐体に設けられ、前記第1方向に沿った前記第1スライダの移動をガイドする第1ガイド体と、前記筐体に設けられ、前記第1中心軸線と直交し、かつ、前記第1方向と直交する第2方向への前記第2スライダの直線移動をガイドする第2ガイド体と、前記筐体に設けられ、前記第1移動体の前記第1方向の直線運動をガイドする第3ガイド体と、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、安定して回転運動を直線運動に動力変換することができ、動作効率の高い駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る駆動装置の外観を示す斜視図。
【
図6】
図6は、筐体の一部破断して示す前記駆動装置の一側面図。
【
図7】
図7は、筐体の一部破断して示す前記駆動装置の他側面図。
【
図8】
図8は、第1変形例に係る駆動装置の駆動機構の側面図。
【
図9】
図9は、第2変形例に係る駆動装置の駆動機構の側面図。
【
図10】
図10は、第3変形例に係る駆動装置の駆動機構の側面図。
【
図11】
図11は、第4変形例に係る駆動装置の駆動機構の側面図。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図。
【
図13】
図13は、第3施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図。
【
図15】
図15は、第5実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図。
【
図16】
図16は、第6実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図。
【
図17】
図17は、第6実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図。
【
図18】
図18は、第6実施形態において、筐体12の一部破断して示す駆動装置の一側面図。
【
図19】
図19は、第6実施形態において、筐体12の一部破断して示す駆動装置の他側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る駆動装置の外観を模式的に示す斜視図、
図2は、駆動装置の駆動機構を示す斜視図である。
本実施形態において、駆動装置10は、例えば、2気筒のコンプレッサあるいは発電機として構成されている。
図1に示すように、駆動装置10は、ほぼ矩形箱状の筐体(クランクケース)12と、筐体12に取付けられた第1シリンダ14aおよび第2シリンダ14bと、筐体12内および第1、第2シリンダ14a、14b内に設けられた2軸揺動直線駆動機構(以下、駆動機構と称する)20と、を備えている。
一例では、筐体12は、矩形状の底壁12aと、底壁12aの対向する2辺に沿って立設されたほぼ五角形状の第1側壁12bおよび第2側壁12cと、底壁12aの他の対向する2辺に沿って立設された第3側壁12dおよび第4側壁12eと、第1~第4側壁の上端縁に繋がる第1天井壁13aおよび第2天井壁13bと、を有している。第1および第2天井壁13a、13bは、底壁12aに対し傾斜しているとともに、互いにほぼ90度の角度を成して対向している。
【0010】
第3ガイド体として機能する第1シリンダ14aは、第1天井壁13aに設置され、第1天井壁13aと直交する方向(Y方向)に延出している。第4ガイド体として機能する第2シリンダ14bは、第2天井壁13bに設置され、第2天井壁13bと直交する方向(Z方向)に延出している。Y方向とZ方向とは互いに直交する方向であり、第1シリンダ14aと第2シリンダ14bとはほぼ90度の角度を成して配置されている。
【0011】
筐体12の内に第1ガイド体30および第2ガイド体32が設けられている。第1、第2ガイド体30、32は、筐体12の内面に固定されている。後述するように、第1ガイド体30および第2ガイド体32は、駆動機構20のスライダの直線運動をガイドする。
【0012】
駆動機構20は、第1クランク軸(内クランク軸)CR1、第2クランク軸(外クランク軸)CR2、第2クランク軸CR2に装着された第1スライダS1および第2スライダS2、並びに、第2クランク軸CR2に連結された第1ピストンP1および第2ピストンP2を有している。第1クランク軸CR1は、それぞれ第1中心軸線C1に沿って延びる一対のメインシャフトを有している。これらのメインシャフトは、筐体12の第1側壁12bおよび第2側壁12cに設けられた軸受B1、B2により回転自在に支持されている。これにより、第1クランク軸CR1は、第1中心軸線C1がX方向に一致した状態で、筐体12に両持ち支持されている。なお、X方向は、Y方向およびZ方向と直交する方向で、筐体12の底壁12aと平行な方向である。
第1ピストンP1は、第1シリンダ14a内に配置され、Y方向に直線的に昇降移動する。第2ピストンP2は、第2シリンダ14b内に配置され、Z方向に直線的に昇降移動する。第2クランク軸CR2に取り付けられた第1スライダS1は、第1ガイド体30によりガイドされY方向に直線運動する。第2クランク軸CR2に取り付けられた第2スライダは、第2ガイド体32によりガイドされZ方向に直線運動する。
【0013】
次に、駆動機構20の構成を詳細に説明する。
図2は、駆動機構の斜視図、
図3は、駆動機構の分解斜視図である。
図示のように、駆動機構20は、第1クランク軸(内クランク軸)CR1、および、第1クランク軸CR1に回転自在に支持される第2クランク軸(外クランク軸)CR2を有している。第1クランク軸CR1は、第1中心軸線C1を有する一対のメインシャフトM1、M2と、第2中心軸線C2を有する偏心シャフトM3と、を有しいる。一対のメインシャフトM1、M2は軸方向に互いに所定長さ離間している。一方のメインシャフトM1は、第1カウンタエイトW1を介して偏心シャフトM3の一端に連結されている。他方のメインシャフトM2は、第2カウンタエイトW2を介して偏心シャフトM3の他端に連結されている。偏心シャフトM3の第2中心軸線C2は、第1中心軸線C1と平行に、かつ、第1中心軸線C1から所定間隔離間(偏心)して位置している。
本実施形態では、メインシャフトM2、第2カウンタウエイトW2、偏心シャフトM3は一体に形成され、メインシャフトM1および第1カウンタウエイトW1は一体に形成されている。偏心シャフトM3の他端は、第1カウンタウエイトW1に分離可能に連結されている。
【0014】
メインシャフトM1は、軸受(例えば、ボールベアリング)B1により筐体12に回転自在に支持される。メインシャフトM2は、軸受(例えば、ボールベアリング)B2により筐体12に回転自在に支持される。少なくとも一方のメインシャフト、例えば、メインシャフトM2は、筐体12から外部に突出し、入出力軸を構成している。他方のメインシャフトM1を入出力軸としても良い。
【0015】
図3に示すように、第2クランク軸CR2は、円柱形状の第1ジャーナル部JA1と、円柱形状の第2ジャーナル部JA2と、第1ジャーナル部JA1と第2ジャーナル部JA2との間に位置する円盤状のベース部BAと、を有している。ベース部BAは、中心軸線CB1を有している。第1ジャーナル部JA1は、ベース部BAの径よりも小さい径に形成され、更に、ベース部BAの中心軸線CB1に対し偏心して位置している。第2ジャーナル部JA2は、ベース部BAの径よりも小さい径に形成され、更に、ベース部BAの中心軸線CB1に対して、第1ジャーナル部JA1と反対の方向に偏心して位置している。
すなわち、第1ジャーナル部JA1は中心軸線CG1を有し、この中心軸線CG1は、ベース部BAの中心軸線CB1と平行で、かつ、中心軸線CB1から径方向に所定間隔離間している。第2ジャーナル部JA2は中心軸線CG2を有し、この中心軸線CG2は、ベース部BAの中心軸線CB1と平行で、かつ、中心軸線CB1に対し中心軸線CG1と180度反対の方向に所定間隔離間している。
第2クランク軸CR2は、第1ジャーナル部JA1、ベース部BAおよび第2ジャーナル部JA2を貫通して延びる透孔22を有している。透孔22は、ベース部BAの中心軸線CB1と同軸に延び、第1ジャーナル部JA1の端面および第2ジャーナル部JA2の端面に開口している。
【0016】
駆動機構20は、第1ピストンP1、第2ピストンP2、第1スライダS1、第2スライダS2、第1内カウンタウエイトIW1、および第2内カウンタウエイトIW2を更に備えている。
第1スライダS1および第1内カウンタウエイトIW1は、第2クランク軸CR2の第1ジャーナル部JA1に取り付けられ、第1ピストンP1はコンロッドCN1を介して第1ジャーナル部JA1に連結される。第2スライダS2および第2内カウンタウエイトIW2は、第2クランク軸CR2の第2ジャーナル部JA2に取り付けられ、第2ピストンP2はコンロッドCN2を介して第2ジャーナル部JA2に連結される。
本実施形態では、第1ピストンP1は、第2ピストンP2よりも大径のピストンを用いている。第1ピストンP1およびコンロッドCN1は、第1移動体を構成し、第2ピストンP2およびコンロッドCN2は、第2移動体を構成している。
【0017】
図4は、駆動機構20の側面図、
図5は、駆動機構20を含む駆動装置の断面図である。図示のように、第1クランク軸CR1のメインシャフトM1、M2は、軸受B1、B2を介して筐体12の側壁12b、12cに第1中心軸線C1の回りで回転自在に支持されている。第1中心軸線C1は、筐体12の底壁12aとほぼ平行に延びている。
第1クランク軸CR1の偏心シャフトM3が第2クランク軸CR2の透孔22に挿通されている。第2クランク軸CR2は、中心軸線C2の回りで回転自在に偏心シャフトM3に支持されている。また、第1クランク軸CR1が第1中心軸線C1の回りで回転することにより、第2クランク軸CR2は、第1中心軸線C1の回りで公転する。更に、第2クランク軸CR2が第2中心軸線C2の回りで自転すると、第1ジャーナル部JA1は、第2中心軸線C2の回りを公転し、第2ジャーナル部JA2は、第2中心軸線C2の回りを公転する。これにより、第1ジャーナル部JA1は、Y方向に直線運動し、第2ジャーナル部JA2は、Z方向に直線運動することになる。
このように、第1ジャーナル部JA1および第2ジャーナル部JA2は、それぞれ回転運動を直線運動に変換する揺動支点を構成している。
【0018】
コンロッドCN1の一端は、ピストンピンを介して第1ピストンP1に回動自在に連結されている。コンロッドCN1の他端は、第1ジャーナル部JA1の外周面に回動自在に連結されている。これにより、第1ピストンP1は、コンロッドCN1を介して第2クランク軸CR2に連結されている。第1ピストンP1およびコンロッドCN1は、第1ジャーナル部JA1の直線運動に連動して、Y方向に直線的に移動する。その際、第1シリンダ14aは、第1ピストンP1のY方向の直線移動をガイドするガイド体として機能する。
第1内カウンタウエイトIW1は、第1ジャーナル部JA1の外周面に連結され、第1ジャーナル部JA1から径方向の外側に延出している。一例では、第1スライダS1は、円環状に形成されている。第1スライダは、軸受を介して第1ジャーナル部JA1の外周面に取り付けられ、第1ジャーナル部JA1の中心軸線CG1の回りで回転自在に取り付けられている。
本実施形態では、第1ジャーナル部JA1において、ベース部BAからコンロッドCN1、第1内カウンタウエイトIW1、第1スライダS1の順で並んでいる。
【0019】
コンロッドCN2の一端は、ピストンピンを介して第2ピストンP2に回動自在に連結されている。コンロッドCN2の他端は、第2クランク軸CR2の第2ジャーナル部JA2の外周面に回動自在に連結されている。これにより、第2ピストンP2は、コンロッドCN2を介して第2クランク軸CR2に連結されている。第2ピストンP2およびコンロッドCN2は、第2ジャーナル部JA2の直線運動に連動して、Z方向に直線的に移動する。その際、第2シリンダ14bは、第2ピストンP2のZ方向の直線移動をガイドするガイド体として機能する。
第2内カウンタウエイトIW2は、第2ジャーナル部JA2の外周面に連結され、第2ジャーナル部JA2から第1内カウンタウエイトIW1と反対の径方向に延出している。第2スライダS2は、一例では、円環状に形成され、軸受を介して第2ジャーナル部JA2の外周面に取り付けられている。第2スライダS2は、第2ジャーナル部JA2の中心軸線CG2の回りで回転自在に取り付けられている。
本実施形態では、第2ジャーナル部JA2において、ベース部BAからコンロッドCN2、第2内カウンタウエイトIW2、第2スライダS2の順で並んでいる。
【0020】
図6は、筐体12の一部破断して示す駆動装置の一側面図、
図7は、筐体12の一部破断して示す駆動装置の他側面図である。
図6および
図7に示すように、揺動支点としての第1ジャーナル部JA1および第1スライダS1の直線運動をガイドする第1ガイド体30は、例えば、一対のガイド板30A、30Bを含んでいる。ガイド板30Aは筐体12の底壁12aおよび側壁12eにほぼ垂直に立設されている。ガイド板30Aは、Y方向に直線的に延びる側縁からなるガイド面30aを有している。
ガイド板30Bは筐体12の第2天井壁13bおよび第3側壁12dにほぼ垂直に立設されている。ガイド板30Bは、Y方向に直線的に延びる側縁からなるガイド面30bを有している。ガイド面30bは、第1スライダS1の径とほぼ等しい間隔を置いて、ガイド面30aに平行に対向している。
【0021】
ガイド板30A、30Bは、X方向において、第1スライダS1と同一の位置に設けられている。第1スライダS1は、ガイド面30aとガイド面30bとの間に挟まれ、第1スライダS1の外周面がガイド面30a、30bに接触している。これにより、第1スライダS1は、Y方向の直線運動する際、ガイド面30a、30bによりY方向にガイドされる。
【0022】
図6および
図7に示すように、揺動支点としての第2ジャーナル部JA2および第2スライダS2の直線運動をガイドする第2ガイド体32は、例えば、一対のガイド板32A、32Bを含んでいる。ガイド板32Aは筐体12の底壁12aおよび側壁12dにほぼ垂直に立設されている。ガイド板32Aは、Z方向に直線的に延びる側縁からなるガイド面32aを有している。
ガイド板32Bは筐体12の第1天井壁13aおよび第4側壁12eにほぼ垂直に立設されている。ガイド板32Bは、Z方向に直線的に延びる側縁からなるガイド面32bを有している。ガイド面32bは、第2スライダS2の径とほぼ等しい間隔を置いて、ガイド面32aに平行に対向している。
ガイド板32A、32Bは、X方向において、第2スライダS2と同一の位置に設けられている。第2スライダS2は、ガイド面32aとガイド面32bとの間に位置し、第2スライダS2の外周面は、ガイド面32a、32bに接触している。これにより、第2スライダS2は、Z方向の直線運動する際、ガイド面32a、32bによりZ方向にガイドされる。
【0023】
上記のように構成された駆動装置10の動作について説明する。
例えば、駆動装置10をコンプレッサとして用いる場合、一方のメインシャフトM2に回転力が入力され、第1クランク軸CR1が第1中心軸線C1の回りで回転される。これに伴い、第2クランク軸CR2は、第1中心軸線C1の回りで公転し、かつ、第2中心軸線C2の回りで自転する。更に、第2クランク軸CR2の第1ジャーナル部JA1は、第2中心軸線C2の回りを公転し、第2ジャーナル部JA2は、第2中心軸線C2の回りを公転する。
【0024】
これにより、第1ジャーナル部JA1および第1ジャーナル部JA1に取り付けられている第1スライダS1、第1内カウンタウエイトIW1、コンロッドCN1、並びに第1ピストンP1は、Y方向に直線運動する。第1ジャーナル部JA1および第1スライダS1の直線運動は、第1ガイド体30により直線的にガイドされる。更に、第1ピストンP1の直線運動は、第1シリンダ14aにガイドされる。
第1ピストンP1が第1シリンダ14a内を昇降することにより、第1シリンダ14a内の気体(空気、冷媒等)が圧縮、加圧され、図示しない、吐出ポートから外部に供給される。
【0025】
第2クランク軸CR2の第2ジャーナル部JA2、および第2ジャーナル部JA2に取り付けられている第2スライダS2、第2内カウンタウエイトIW2、コンロッドCN2、並びに第2ピストンP2は、Z方向に直線運動する。第2ジャーナル部JA2および第2スライダS2の直線運動は、第2ガイド体32により直線的にガイドされる。更に、第2ピストンP2の直線運動は、第2シリンダ14bにガイドされる。
第2ピストンP2が第2シリンダ14b内を昇降することにより、第2シリンダ14b内の気体(空気、冷媒等)が圧縮、加圧され、図示しない、吐出ポートから外部に供給される。
【0026】
本実施形態のように、第1ピストンP1と第2ピストンP2とを異径とした場合、いわゆる2段圧縮のコンプレッサを実現することができる。すなわち、大径の第1ピストンP1を用いて第1段の圧縮動作を行いほぼ所望の圧力まで加圧した後、小径の第2ピストンP2を用いて第2段の圧縮動作を行い、加圧状態を調整することができる。
【0027】
上記のように構成された第1実施形態に係る駆動装置10によれば、2軸揺動直線駆動機構20の第1クランク軸CR1を両持ち支持にて回転自在に支持することにより、揺動支点を構成する第2クランク軸CR2を安定して支持し、揺動支点に生じる不具合の発生を防止することができる。同時に、第1クランク軸CR1の両軸端、メインシャフトM1、M2のいずれをも入出力軸にすることが可能となる。更に、揺動支点となる第1ジャーナル部JA1および第2ジャーナル部JA2を筐体12に設けられたガイド体30、32によってガイドすることにより、揺動支点は安定した、かつ、円滑な直線運動を行うことができる。また、揺動支点の直下に往復移動体(ピストン)を配置した場合でも、揺動支点の円滑な直線運動が妨げられることがない。以上のことから、高効率かつ低振動の駆動装置が得られる。
【0028】
なお、駆動装置10は、コンプレッサに限らず、発電機、エンジン等に適用しても良い。この場合、第1シリンダ14aおよび第2シリンダ14bのシリンダヘッドに、バルブ機構、燃料供給手段、点火手段、排気機構を設け、第1および第2シリンダ14a、14b内に燃料を供給および点火、燃焼、排気することにより、第1および第2ピストンP1、P2をY方向およびZ方向にそれぞれ駆動し第1クランク軸CR1を回転駆動することができる。
【0029】
次に、変形例あるいは他の実施形態に係る駆動装置について説明する。以下に説明する変形例および他の実施形態において、前述した第1実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略あるいは簡略化し、第1実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
【0030】
(第1変形例)
図8は、第1変形例に係る駆動装置の駆動機構の側面図である。
第1変形例によれば、X方向における、ピストン、スライダ、カウンタウエイトの配列の順番が、前述した第1実施形態と相違している。
図8に示すように、第1変形例によれば、第1ジャーナル部JA1において、ベース部BAからコンロッドCN1、第1スライダS1、第1内カウンタウエイトIW1の順でX方向に並んでいる。第2ジャーナル部JA2においは、ベース部BAからコンロッドCN2、第2スライダS2、第2内カウンタウエイトIW2の順でX方向に並んでいる。
【0031】
(第2変形例)
図9は、第2変形例に係る駆動装置の駆動機構の側面図である。
図9に示すように、第2変形例によれば、第1ジャーナル部JA1において、ベース部BAから第1スライダS1、第1内カウンタウエイトIW1、コンロッドCN1の順でX方向に並んでいる。第2ジャーナル部JA2においは、ベース部BAから第2スライダS2、第2内カウンタウエイトIW2、コンロッドCN2の順でX方向に並んでいる。
【0032】
(第3変形例)
図10は、第3変形例に係る駆動装置の駆動機構の側面図である。
図10に示すように、第3変形例によれば、第1ジャーナル部JA1において、ベース部BAから第1内カウンタウエイトIW1、第1スライダS1、コンロッドCN1の順でX方向に並んでいる。第2ジャーナル部JA2においは、ベース部BAから第2内カウンタウエイトIW2、第2スライダS2、コンロッドCN2の順でX方向に並んでいる。
【0033】
(第4変形例)
図11は、第4変形例に係る駆動装置の駆動機構の側面図である。
図11に示すように、第4変形例によれば、第1ジャーナル部JA1において、ベース部BAから第1スライダS1、コンロッドCN1、第1内カウンタウエイトIW1の順でX方向に並んでいる。第2ジャーナル部JA2においは、ベース部BAから第2スライダS2、コンロッドCN2、第2内カウンタウエイトIW2の順でX方向に並んでいる。
上記第1変形例ないし第4変形例において、駆動機構の他の構成は前述した第1実施形態の駆動機構と同様である。但し、第1シリンダおよび第2シリンダの設置位置は、第1ピストンP1および第2ピストンP2の配列位置に応じて調整される。第1変形例ないし第4変形例においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
第1実施形態において、駆動装置10は2気筒としているが、これに限らず、1気筒、あるいは3気筒以上としても良い。
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図である。図示のように、第2実施形態によれば、駆動装置10の駆動機構20は、単気筒であり、例えば、第1ピストンP1のみを有している。第1ピストンP1は、コンロッドCN1を介して第2クランク軸CR2の第1ジャーナル部JA1(
図5参照)に連結されている。第1ジャーナル部JAには、第1スライダS1および第1内カウンタウエイトIW1が装着されている。第2クランク軸CR2の第2ジャーナル部JA2には、第2スライダS2および第2内カウンタウエイトIW2が装着されている。
本実施形態によれば、揺動支点となる第1ジャーナル部JA1および第2ジャーナル部JA2の両方をガイド体によって直線運動ガイドする構成であることから、単気筒の駆動機構20とした場合でも、ピストンに作用する負荷が小さく、安定した極低振動動作を実現することができる。同時に、単気筒とすることにより、駆動装置10の候が高を図ることが可能となる。
【0035】
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図である。図示のように、第3実施形態によれば、駆動装置10の駆動機構20は、3気筒であり、第3ピストンP3を更に備えている。第3ピストンP3は、コンロッドCN3を介して第2クランク軸CR2の第1ジャーナル部JA1(
図5参照)に連結されている。コンロッドCN3の基端部は、コンロッドCN1の基端部と共通、すなわち、一体に形成されている。第1ジャーナル部JA1の直線運動に伴い、第1ピストンP1および第3ピストンP3は、Y方向に一体的に直線移動される。
なお、一例では、第3ピストンP3は、第1ピストンP1よりも小径で、第2ピストンP2と同一径のピストンを用いている。
【0036】
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図である。図示のように、第4実施形態によれば、駆動装置10の駆動機構20は、4気筒であり、第4ピストンP4を更に備えている。第4ピストンP4は、コンロッドCN4を介して第2クランク軸CR2の第2ジャーナル部JA2に連結されている。コンロッドCN4の基端部は、コンロッドCN2の基端部と共通、すなわち、一体に形成されている。第2ジャーナル部JA2の直線運動に伴い、第2ピストンP2および第4ピストンP4は、Z方向に一体的に直線移動される。
なお、一例では、第4ピストンP4は、第2ピストンP2よりも大径で、第1ピストンP1と同一径のピストンを用いている。
【0037】
(第5実施形態)
図15は、第5実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図である。なお、
図15は、
図14と反対の方向から駆動機構20を見た斜視図である。
図示のように、第5実施形態によれば、駆動装置10の駆動機構20は、第4実施形態と同様に、4気筒に構成されている。本実施形態において、第3ピストンP3は、第2ピストンP2よりも大径で、第1ピストンP1と同一径のピストンを用いている。第4ピストンP4は、第1ピストンP1よりも小径で、第2ピストンP2と同一径のピストンを用いている。すなわち、大径の第1ピストンP1および第3ピストンP3が一体のコンロッドCN1、CN3を介して互いに連結され、Y方向に直線的に昇降移動される。小径の第2ピストンP2および第4ピストンP4が一体のコンロッドCN2、CN4を介して互いに連結され、Z方向に直線的に昇降移動される。
【0038】
上記第3ないし第5実施形態において、駆動機構20の他の構成は、第1実施形態における駆動機構20と同様である。そして、第3ないし第5実施形態に示した3気筒あるいは4気筒の駆動装置においても、前述した第1実施形態に係る駆動装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
(第6実施形態)
図16は、第6実施形態に係る駆動装置の駆動機構を示す斜視図、
図17は、駆動機構を異なる方向から見た斜視図、
図18は、第6実施形態において、筐体の一部破断して示す駆動装置の一側面図、
図19は、第6実施形態において、筐体の一部破断して示す駆動装置の他側面図である。
第6実施形態によれば、円環状のスライダに代えて、他の形状、ここでは、矩形状のスライダS1、S2を用いている。
【0040】
図17および
図18に示すように、第1スライダS1は、矩形の板材で形成され、第2クランク軸CR2の第1ジャーナル部JA1が嵌合する円形の内孔と、互いに直交する4つの側面と、を有している。4つの側面のうち、互いに平行に対向し、Y方向に直線的に延びる2つの側面は、第1スライダS1の一対のガイド面GA1、GA2を構成している。本実施形態によれば、第1スライダS1は、Y方向に延びる分割面D1の位置で2つのパーツに分割可能に形成されている。分割面D1は、X方向に凹凸が並んだ凹凸面であり、2つのパーツの組み合せて分割面同士を接合した際、2つのパーツ同士がX方向にずれること防止している。第1スライダS1は、軸受を介して第1ジャーナル部JA1の外周面に装着され、第1ジャーナル部JA1の中心軸線と直交する平面内に位置している。
図18に示すように、第1スライダS1は、第1ガイド体30のガイド板30A、30Bの間に位置している。第1スライダS1は、ガイド面30aとガイド面30bとの間に挟まれ、第1スライダS1のガイド面GA1、GA2がガイド面30a、30bにそれぞれ接触している。これにより、第1スライダS1は、Y方向の直線運動する際、ガイド面30a、30bによりY方向にガイドされる。
【0041】
図16および
図19に示すように、第2スライダS2は、矩形の板材で形成され、第2クランク軸CR2の第2ジャーナル部JA2が嵌合する円形の内孔と、互いに直交する4つの側面と、を有している。4つの側面のうち、互いに平行に対向し、Z方向に直線的に延びる2つの側面は、第2スライダS2の一対のガイド面GB1、GB2を構成している。本実施形態によれば、第2スライダS2は、Z方向に延びる分割面D2の位置で2つのパーツに分割可能に形成されている。分割面D2は、X方向に凹凸が並んだ凹凸面であり、2つのパーツの組み合せて分割面同士を接合した際、2つのパーツ同士がX方向にずれること防止している。第2スライダS2は、軸受を介して第2ジャーナル部JA2の外周面に装着され、第2ジャーナル部JA2の中心軸線と直交する平面内に位置している。
【0042】
図19に示すように、第2スライダS2は、第2ガイド体32のガイド板32A、32Bの間に位置している。第2スライダS2は、ガイド面32aとガイド面32bとの間に挟まれ、第2スライダS2のガイド面GB1、GB2がガイド面32a、32bにそれぞれ接触している。これにより、第2スライダS2は、Z方向の直線運動する際、ガイド面32a、32bによりZ方向にガイドされる。
【0043】
上記第6実施形態において、駆動機構20の他の構成は、前述した第1実施形態における駆動機構20と同様である。そして、第6実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、スライダを分割可能な構成とすることにより、スライダの組立性が向上する。
なお、スライダは、互いに平行に対向する2つの側面(ガイド面)を有していればよく、矩形状に限らず他の形状としても良い。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
10 駆動装置
12 筐体
C1 第1中心軸線
C2 第2中心軸線
M1,M2 メインシャフト
M3 偏心シャフト
CR1 第1クランク軸
JA1 第1ジャーナル部
JA2 第2ジャーナル部
CR2 第2クランク軸
S1 第1スライダ
GA1、GA2 一対のガイド面
S2 第2スライダ
GB1、GB2 一対のガイド面
P1 第1ピストン(第1移動体)
CN1 コンロッド(第1移動体)
P2 第2ピストン(第2移動体)
CN2 コンロッド(第2移動体)
30 第1ガイド体
30a ガイド面
32 第2ガイド体
32a ガイド面
14a 第3ガイド体、第1シリンダ
14b 第4ガイド体、第2シリンダ
P1 第1ピストン
CN1 第1コンロッド
22 透孔
W1 第1カウンタウエイト
IW1 第1内カウンタウエイト
W2 第2カウンタウエイト
IW2 第2内カウンタウエイト