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  • 特開-車両制御装置 図1
  • 特開-車両制御装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172567
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20241205BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241205BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B60R16/02 645D
H02J7/00 P
H02J7/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090361
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】稲毛 達也
(72)【発明者】
【氏名】寺島 大樹
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CC02
5G503FA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電流センサの出力を適正に補正できる車両制御装置を提供する。
【解決手段】高圧バッテリ12と第1車載機器15及び第2車載機器18との間の電流の供給路に設けられるリレー回路14と、高圧バッテリから第1車載機器及び第2車載機器に供給される電流を検知する磁気式の電流センサ13と、高圧バッテリから第1車載機器及び第2車載機器への電流の供給を許容するオン状態と、高圧バッテリから第1車載機器及び第2車載機器への電流の供給を規制するオフ状態との間でリレー回路を切り替える制御部19を備え、制御部は、リレー回路がオン状態、かつ、車両の駐車時における車両制御を実行中である場合、電流センサにより検知される電流の変化量が所定条件を満たすことを条件に、電流センサにより検知される電流値を記憶部20に記憶し、リレー回路がオフ状態である場合、記憶部に記憶された電流センサの電流値に基づいて電流センサの出力を補正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたバッテリと車載機器との間の電流の供給路に設けられるリレー回路と、
前記バッテリから前記車載機器に供給される電流を検知する磁気式の電流センサと、
前記バッテリから前記車載機器への電流の供給を許容するオン状態と、前記バッテリから前記車載機器への電流の供給を規制するオフ状態との間で前記リレー回路を切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記リレー回路がオン状態であり、かつ、車両の駐車時における車両制御を実行中である場合、前記電流センサにより検知される電流の変化量が所定条件を満たすことを条件に、前記電流センサにより検知される電流値を記憶部に記憶し、前記リレー回路がオフ状態である場合、前記記憶部に記憶された前記電流センサの電流値に基づいて、前記電流センサの出力を補正する、
車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されたバッテリと車載機器との間に流れる電流を磁気式の電流センサにより検出する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載のシステムにおいては、バッテリの正極及び負極それぞれにシステムメインリレーが接続された構成において、各リレーのうちの電流センサに近い側の第1リレーをオンにすると共に他方の第2リレーをオフにし、電流センサが外乱磁界の影響を受けた状態で電流センサのセンサ出力を補正するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-43144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、車両の駐車時においても、車両監視やプレ空調を目的として、バッテリと車載機器とを接続するリレーをオンに維持することがある。これに対し、電流センサのセンサ出力の補正は、通常、バッテリと車載機器とを接続するリレーをオフにした状態で行われるため、電流センサのセンサ出力を補正する機会を確保しにくくなるという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電流センサの出力を適正に補正することができる車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する車両制御装置は、車両に搭載されたバッテリと車載機器との間の電流の供給路に設けられるリレー回路と、バッテリから車載機器に供給される電流を検知する磁気式の電流センサと、バッテリから車載機器への電流の供給を許容するオン状態と、バッテリから車載機器への電流の供給を規制するオフ状態との間でリレー回路を切り替える制御部と、を備え、制御部は、リレー回路がオン状態であり、かつ、車両の駐車時における車両制御を実行中である場合、電流センサにより検知される電流の変化量が所定条件を満たすことを条件に、電流センサにより検知される電流値を記憶部に記憶し、リレー回路がオフ状態である場合、記憶部に記憶された電流センサの電流値に基づいて、電流センサの出力を補正する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電流センサの出力を適正に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の車両制御装置の概略構成を示す模式図である。
図2】車両制御の内容の一例を示すフローチャートである。
図3】駐車中サービス処理の内容の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、車両制御装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の車両制御装置が適用される車両10は、例えば、イグニッションスイッチ11と、高圧バッテリ12と、電流センサ13と、リレー回路14と、第1車載機器15と、DCDCコンバータ16と、補機バッテリ17と、第2車載機器18と、制御部19とを備える。
【0011】
イグニッションスイッチ11は、車両の電気系統を制御する際に操作されるスイッチであり、車両の駐車中には車両の電気系統をオフにするために操作される。
【0012】
高圧バッテリ12は、例えば、充放電可能な二次電池であり、第1車載機器15及び第2車載機器18に対して電力を供給する。
【0013】
電流センサ13は、例えば、磁気式の電流センサであり、高圧バッテリ12から供給される電流の大きさを検知する。
【0014】
第1車載機器15は、高電圧で作動する車載機器であり、例えば、車両の走行時に作動する走行用モータ、減速機、インバータなどを含む。
【0015】
リレー回路14は、高圧バッテリ12と第1車載機器15、DCDCコンバータ16、補機バッテリ17、第2車載機器18とを接続する電力供給路の途中位置に設けられ、制御部19からの制御に基づいて、高圧バッテリ12から第1車載機器15、DCDCコンバータ16、補機バッテリ17、第2車載機器18の各々への電力供給の有無を切り替える。
【0016】
DCDCコンバータ16は、電力変換のための回路であり、スイッチング素子( 図示せず)等を含んで構成されている。DCDCコンバータ16は、例えば、高圧バッテリ12から供給される電力を降圧して補機バッテリ17及び第2車載機器18の各々に出力する。
【0017】
補機バッテリ17は、例えば、高圧バッテリ12よりも出力電圧の低い二次電池であり、高圧バッテリ12から供給される電力に基づいて充電を行い、高圧バッテリ12からの電力の供給が規制された場合に第2車載機器18に対して電力を供給する。
【0018】
第2車載機器18は、低電圧で作動する車載機器であり、例えば、車両の駐車時に作動するカメラ、センサ、通信機器などを含む。
【0019】
制御部19は、高圧バッテリ12から第1車載機器15及び第2車載機器18への電流の供給を許容するオン状態と、高圧バッテリ12から第1車載機器15及び第2車載機器18への電流の供給を規制するオフ状態との間でリレー回路14を切り替える。
【0020】
制御部19は、リレー回路14がオン状態である場合、リレー回路14の作動時に発生する外乱磁界の影響を考慮して電流センサ13の出力を補正する。制御部19は、例えば、リレー回路14がオン状態であり、かつ、車両10の駐車時における車両制御を実行中である場合、電流センサ13により検知される電流の変化量が所定条件を満たすことを条件に、電流センサ13により検知される電流値を記憶値として記憶部20に記憶する。車両10の駐車時における車両制御は、例えば、車両監視やプレ空調などを含む。所定条件は、例えば、電流センサ13により検知される電流の変化量が一定期間に亘って所定の閾値未満となり、電流センサ13の出力が安定したことを条件に成立する。そして、制御部19は、例えば、リレー回路14がオフ状態である場合、記憶部20に記憶された電流センサ13の記憶値に基づいて、電流センサ13の出力を補正する。
【0021】
次に、本実施形態の車両制御装置が実行する車両制御について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。図2に示すフローチャートは、例えば、イグニッションスイッチ11がオフ操作された場合に実行される。
【0022】
図2に示すように、制御部19は、リレー回路14をオフに設定する(ステップS10)。
【0023】
次に、制御部19は、記憶部20に記憶された電流センサ13の記憶値に基づいて、電流センサ13の出力を補正する(ステップS11)。すなわち、制御部19は、高圧バッテリ12からの電力の供給を遮断した状態で、後述するように、記憶部20に記憶された、車両10の駐車時におけるサービスの実行中にリレー回路14が発生する外乱磁界の影響下での電流センサ13の記憶値に基づいて、リレー回路14が発生する外乱磁界の影響を考慮して電流センサ13の出力を補正する。
【0024】
次に、制御部19は、リレー回路14をオンに設定する(ステップS12)。
【0025】
次に、制御部19は、車両10の駐車中のサービス処理を実行する(ステップS13)。
【0026】
図3に示すように、制御部19は、車両10の駐車中のサービス処理を実行する際には、まず、例えば、車両監視により車両周囲の対象物を認識したり、プレ空調が作動したりする等、イベントが発生中であるか否かを判定する(ステップS21)。
【0027】
制御部19は、イベントが発生中であると判定した場合(ステップS21=YES)、イベントが完了または中断するまで待機する。一方、制御部19は、イベントが発生中ではないと判定した場合(ステップS21=NO)、電流センサ13の記憶値を記憶部20から呼び出す(ステップS22)。
【0028】
次に、制御部19は、先のステップS22において呼び出した電流センサ13の検出値が記憶部20から呼び出した電流センサ13の記憶値と一致しているか否かを判定する(ステップS23)。
【0029】
制御部19は、電流センサ13の検出値が記憶部20から呼び出した電流センサ13の記憶値と一致していないと判定した場合(ステップS23=NO)、電流センサ13の記憶値を修正する(ステップS24)。一方、制御部19は、電流センサ13の検出値が記憶部20から呼び出した電流センサ13の記憶値と一致していると判定した場合(ステップS23=YES)、電流センサ13の記憶値を修正しない。
【0030】
次に、制御部19は、駐車中サービスを終了したか否かを判定する(ステップS25)。制御部19は、駐車中サービスを終了していないと判定した場合(ステップS25=NO)、その処理をステップS21に戻し、駐車中サービスが終了するまでの間、ステップS21~ステップS25の処理を繰り返す。一方、制御部19は、駐車中サービスが終了したと判定した場合(ステップS25=YES)、図3に示すフローチャートを終了する。
【0031】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0032】
10…車両、11…イグニッションスイッチ、12…高圧バッテリ、13…電流センサ、14…リレー回路、15…第1車載機器、16…DCDCコンバータ、17…補機バッテリ、18…第2車載機器、19…制御部、20…記憶部。
図1
図2
図3