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特開2024-172572通行支援システムおよび通行支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172572
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】通行支援システムおよび通行支援方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20241205BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20241205BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20241205BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241205BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241205BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/00 D
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090366
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森林 健
(72)【発明者】
【氏名】北尾 雄一朗
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】桜木 友喜
(72)【発明者】
【氏名】長廻 武志
(72)【発明者】
【氏名】平川 太樹
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD20
2F129EE02
2F129EE26
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129EE94
2F129EE96
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF57
2F129FF59
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF65
2F129FF71
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA05
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】天候により走行困難度が変化する区間を含む経路の適切な通行を支援すること。
【解決手段】通行支援システム1では、端末装置10は、位置情報取得部21と、天候情報取得部23と、降車状態判定部24と、移動速度および降車移動距離の少なくともどちらかを算出する算出部25と、移動速度および降車移動距離の少なくともどちらかを、天候情報および位置情報に紐づけて走行データとしてサーバ装置40に送信する通信部19と、経路案内部27と、表示制御部28とを有し、サーバ装置40は、複数の端末装置10から受信した走行データをデータベースとして構築するデータ構築部53と、移動速度および降車移動距離の少なくともいずれかから、天候情報に応じた走行困難度を算出する困難度算出部54とを有し、サーバ装置40の通信部41は、経路と走行困難度とを端末装置10へ送信し、端末装置10の表示制御部28は、走行困難度が変化する区間の表示態様を変えて表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロモビリティに配置された端末装置と、
サーバ装置と、
を備えた、通行支援システムであって、
前記端末装置は、
前記マイクロモビリティの現在位置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に対応する天候を示す天候情報を取得する天候情報取得部と、
前記マイクロモビリティのユーザの降車状態を判定する降車状態判定部と、
前記降車状態と前記位置情報とに基づいて、前記マイクロモビリティの移動速度、および、前記ユーザが前記マイクロモビリティから降車して移動した距離である降車移動距離の少なくともどちらかを算出する算出部と、
前記移動速度および前記降車移動距離の少なくともどちらかを、前記天候情報および前記位置情報に紐づけて走行データとして前記サーバ装置に送信する通信部と、
目的地までの経路を案内する経路案内部と、
表示部の表示を制御する表示制御部と、を有し、
前記サーバ装置は、
地図情報を記憶した地図情報記憶部と、
複数の前記マイクロモビリティに配置された前記端末装置から、前記走行データを受信する通信部と、
受信した前記走行データをデータベースとして構築するデータ構築部と、
前記データベースに基づいて、前記移動速度および前記降車移動距離の少なくともいずれかから、所定の区間ごとに、前記天候情報に応じて変化する、前記マイクロモビリティの走行困難度を算出する困難度算出部と、を有し、
前記サーバ装置の前記通信部は、前記目的地までの前記経路と、前記経路における所定の区間ごとの前記走行困難度とを示す経路情報を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置の前記表示制御部は、前記経路情報に基づいて、前記走行困難度が変化する区間と他の区間とを表示態様を変えて前記経路を表示するよう制御する、
通行支援システム。
【請求項2】
前記サーバ装置の前記通信部は、前記天候情報が降雨、降雪、暴風、および、異常気温のいずれかを示す場合、前記走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間を含む経路を示す経路情報を送信する、
請求項1に記載の通行支援システム。
【請求項3】
前記サーバ装置の前記通信部は、前記天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、前記走行困難度が減少を示す区間を含む経路を示す経路情報を送信する、
請求項1に記載の通行支援システム。
【請求項4】
前記データベースは、さらに、日時情報と紐づけられており、
前記サーバ装置の前記通信部は、前記走行困難度が、曜日または時間帯の少なくともどちらかと前記天候情報とにより変化する区間を含む経路を示す経路情報を送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の通行支援システム。
【請求項5】
マイクロモビリティに配置された端末装置と、
サーバ装置と、
を備えた、通行支援方法であって、
前記端末装置は、
前記マイクロモビリティの現在位置の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報に対応する天候を示す天候情報を取得する天候情報取得ステップと、
前記マイクロモビリティのユーザの降車状態を判定する降車状態判定ステップと、
前記降車状態と前記位置情報とに基づいて、前記マイクロモビリティの移動速度、および、前記ユーザが前記マイクロモビリティから降車して移動した距離である降車移動距離の少なくともどちらかを算出する算出ステップと、
前記移動速度および前記降車移動距離の少なくともどちらかを、前記天候情報および前記位置情報に紐づけて走行データとして前記サーバ装置に送信する通信制御ステップと、
目的地までの経路を案内する経路案内ステップと、
表示部の表示を制御する表示制御ステップと、を実行し、
前記サーバ装置は、
複数の前記マイクロモビリティに配置された前記端末装置から、前記走行データを受信する通信制御ステップと、
受信した前記走行データをデータベースとして構築するデータ構築ステップと、
前記データベースに基づいて、前記移動速度および前記降車移動距離の少なくともいずれかから、所定の区間ごとに、前記天候情報に応じて変化する、前記マイクロモビリティの走行困難度を算出する困難度算出ステップと、を実行し、
前記サーバ装置における前記通信制御ステップは、前記目的地までの前記経路と、前記経路における所定の区間ごとの前記走行困難度とを示す経路情報を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置における前記表示制御ステップは、前記経路情報に基づいて、前記走行困難度が変化する区間と他の区間とを表示態様を変えて前記経路を表示するよう制御する、 通行支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通行支援システムおよび通行支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの経路探索を行うにあたり、太陽光の直射を極力避けることができる経路を探索する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-226199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、例えば、高温の快晴時などには、太陽光の直射を極力避けることができる経路に多数の車両が集中して、道路が混雑するおそれがある。このような場合、スムースに走行することが困難になるおそれがある。そこで、天候により走行困難度が変化する区間を含む経路の適切な通行を支援することが望まれる。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、天候により走行困難度が変化する区間を含む経路の適切な通行を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る通行支援システムは、マイクロモビリティに配置された端末装置と、サーバ装置と、を備えた、通行支援システムであって、前記端末装置は、前記マイクロモビリティの現在位置の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に対応する天候を示す天候情報を取得する天候情報取得部と、前記マイクロモビリティのユーザの降車状態を判定する降車状態判定部と、前記降車状態と前記位置情報とに基づいて、前記マイクロモビリティの移動速度、および、前記ユーザが前記マイクロモビリティから降車して移動した距離である降車移動距離の少なくともどちらかを算出する算出部と、前記移動速度および前記降車移動距離の少なくともどちらかを、前記天候情報および前記位置情報に紐づけて走行データとして前記サーバ装置に送信する通信部と、目的地までの経路を案内する経路案内部と、表示部の表示を制御する表示制御部と、を有し、前記サーバ装置は、地図情報を記憶した地図情報記憶部と、複数の前記マイクロモビリティに配置された前記端末装置から、前記走行データを受信する通信部と、受信した前記走行データをデータベースとして構築するデータ構築部と、前記データベースに基づいて、前記移動速度および前記降車移動距離の少なくともいずれかから、所定の区間ごとに、前記天候情報に応じて変化する、前記マイクロモビリティの走行困難度を算出する困難度算出部と、を有し、前記サーバ装置の前記通信部は、前記目的地までの前記経路と、前記経路における所定の区間ごとの前記走行困難度とを示す経路情報を前記端末装置へ送信し、前記端末装置の前記表示制御部は、前記経路情報に基づいて、前記走行困難度が変化する区間と他の区間とを表示態様を変えて前記経路を表示するよう制御する。
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る通行支援方法は、マイクロモビリティに配置された端末装置と、サーバ装置と、を備えた、通行支援方法であって、前記端末装置は、前記マイクロモビリティの現在位置の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報に対応する天候を示す天候情報を取得する天候情報取得ステップと、前記マイクロモビリティのユーザの降車状態を判定する降車状態判定ステップと、前記降車状態と前記位置情報とに基づいて、前記マイクロモビリティの移動速度、および、前記ユーザが前記マイクロモビリティから降車して移動した距離である降車移動距離の少なくともどちらかを算出する算出ステップと、前記移動速度および前記降車移動距離の少なくともどちらかを、前記天候情報および前記位置情報に紐づけて走行データとして前記サーバ装置に送信する通信制御ステップと、目的地までの経路を案内する経路案内ステップと、表示部の表示を制御する表示制御ステップと、を実行し、前記サーバ装置は、複数の前記マイクロモビリティに配置された前記端末装置から、前記走行データを受信する通信制御ステップと、受信した前記走行データをデータベースとして構築するデータ構築ステップと、前記データベースに基づいて、前記移動速度および前記降車移動距離の少なくともいずれかから、所定の区間ごとに、前記天候情報に応じて変化する、前記マイクロモビリティの走行困難度を算出する困難度算出ステップと、を実行し、前記サーバ装置における前記通信制御ステップは、前記目的地までの前記経路と、前記経路における所定の区間ごとの前記走行困難度とを示す経路情報を前記端末装置へ送信し、前記端末装置における前記表示制御ステップは、前記経路情報に基づいて、前記走行困難度が変化する区間と他の区間とを表示態様を変えて前記経路を表示するよう制御する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、天候により走行困難度が変化する区間を含む経路の適切な通行を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る通行支援システムの構成例を示す概略図である。
図2図2は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間を含む、目的地までの経路の一例を示す図である。
図5図5は、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間を含む、目的地までの経路の他の例を示す図である。
図6図6は、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間を含む、目的地までの経路の他の例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る端末装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、経路探索処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る通行支援システムおよび通行支援方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[実施形態]
<通行支援システム>
図1は、実施形態に係る通行支援システムの構成例を示す概略図である。通行支援システム1は、天候に応じて混雑度、言い換えると、走行困難度が変化する、マイクロモビリティ100の経路を提示するシステムである。通行支援システム1は、マイクロモビリティ100に配置された端末装置10と、サーバ装置40とを備える。
【0012】
マイクロモビリティ100は、例えば、キックボード、および、自転車などのようなマイクロ(超小型)モビリティである。マイクロモビリティ100は、乗車したユーザを覆う屋根および空調装置を備えていないモビリティである。マイクロモビリティ100は、例えば、降雨、降雪、暴風、および、異常気温などの悪天候時に、屋根および空調装置を備えていないため、乗車の快適性が損なわれる。マイクロモビリティ100は、車道および歩道を通行可能である。マイクロモビリティ100は、降車したユーザが押したり引いたりして移動可能である。
【0013】
<端末装置>
図2は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。端末装置10は、マイクロモビリティ100に配置された固定式の電子機器、または、ユーザが所持する携帯用電子機器のような可搬式の電子機器である。端末装置10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部11と、操作部12と、表示部18と、通信部19と、端末制御装置(以下、「制御部」という。)20と、を備える。
【0014】
GNSS受信部11は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機などで構成される。GNSS受信部11は、受信したGNSS信号を位置情報取得部21に出力する。
【0015】
操作部12は、端末装置10に対する各種操作を受付可能である。例えば、操作部12は、端末装置10に対する物理的な操作手段、または、表示部18に配置されたタッチパネルなどによって構成される。例えば、操作部12は、目的地を入力する操作を受付可能である。例えば、操作部12は、出発地から目的地までの経路を探索する操作を受付可能である。例えば、操作部12は、出発地から目的地までの経路の案内を開始する操作を受付可能である。操作部12は、受け付けた操作を示す操作情報を端末装置10の操作受付部22へ出力する。
【0016】
表示部18は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部18は、端末装置10から出力された映像信号に基づいて、目的地までの経路を案内する映像などを表示する。
【0017】
通信部19は、広域の無線通信を行う通信部である。通信部19は、例えば、ネットワークを介して、サーバ装置40と情報の通信を行う。ネットワークは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。通信部19は、例えば、携帯電話網用の広域無線通信モジュールで構成されている。通信部19は、Wi-Fi(登録商標)などの通信モジュールで構成され、任意のアクセスポイントや他のスマートフォンなどと接続して広域の無線通信を実現してもよい。
【0018】
通信部19は、サーバ装置40にデータベースとして記憶するための走行データを、サーバ装置40に送信する。より詳しくは、通信部19は、算出部25の算出結果である、マイクロモビリティ100の移動速度、および、ユーザがマイクロモビリティ100から降車して移動した距離である降車移動距離の少なくともどちらかを示す情報と、天候情報および位置情報を紐づけて、走行データとしてサーバ装置40に送信する。通信部19は、マイクロモビリティ100の移動速度、および、ユーザがマイクロモビリティ100から降車して移動した降車移動距離の少なくともどちらかと、その位置を示す位置情報と、そのときのその位置の天候情報とを紐づけて、走行データとしてサーバ装置40に送信する。
【0019】
天候情報とは、降雨量、降雪量、風速、風向、および、気温の少なくともいずれかを示す情報である。天候情報とは、降雨、降雪、暴風、および、異常気温の少なくともいずれかを判定可能な情報である。
【0020】
降雨量が、例えば、降雨量閾値以上である場合、降雨と判定する。降雨量閾値は、マイクロモビリティ100に乗車して走行することが難しくなる程度の降雨量である。
【0021】
降雪量が、例えば、降雪量閾値以上である場合、降雪と判定する。降雪量閾値は、マイクロモビリティ100に乗車して走行することが難しくなる程度の降雪量である。
【0022】
風速が、例えば、風速閾値以上である場合、暴風と判定する。風速閾値は、マイクロモビリティ100に乗車して走行することが難しくなる程度の風速である。さらに風向きが向かい風である場合に限って、暴風としてもよい。
【0023】
気温が、例えば、低温閾値以下である場合、または、高温閾値以上である場合、異常気温と判定する。低温閾値および高温閾値は、マイクロモビリティ100に乗車して走行することが難しくなる程度の気温である。
【0024】
通信部19は、サーバ装置40の経路探索部55が探索した経路情報をサーバ装置40から受信する。
【0025】
本実施形態では、通信部19は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が降雨、降雪、暴風、および、異常気温のいずれかを示す場合(以下、「マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合」という。)、走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間を含む経路を示す経路情報をサーバ装置40から受信する。走行困難度および困難度閾値については、後述する。
【0026】
区間とは、例えば、アーケードなど歩道に風雨除けの屋根が設けられた区間である。区間とは、所定距離の区間、交差点から交差点までの区間などの任意の区間でもよい。
【0027】
本実施形態では、通信部19は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が減少を示す区間を含む経路を示す経路情報をサーバ装置40から受信する。
【0028】
本実施形態では、通信部19は、走行困難度が、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とにより変化する区間を含む経路を示す経路情報をサーバ装置40から受信する。
【0029】
<端末制御装置>
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。制御部20は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。制御部20は、位置情報取得部21と、操作受付部22と、天候情報取得部23と、降車状態判定部24と、算出部25と、経路取得部26と、経路案内部27と、表示制御部28と、通信制御部29とを備える。
【0030】
位置情報取得部21は、マイクロモビリティ100の現在位置を示す位置情報を取得する。本実施形態では、位置情報取得部21は、GNSS受信部11が取得した電波の信号に基づいて、マイクロモビリティ100の位置情報を取得する。
【0031】
操作受付部22は、操作部12が受け付けた操作の操作情報を取得する。操作受付部22は、例えば、目的地の設定操作を示す操作情報を取得して制御信号を出力する。操作受付部22は、例えば、目的地が設定されると、マイクロモビリティ100の現在位置及び目的地の位置情報を含む制御信号を出力する。操作受付部22は、例えば、マイクロモビリティ100の現在位置から目的地までの経路を探索する操作を示す操作情報を取得して制御信号を出力する。操作受付部22は、例えば、経路の案内を開始する操作を示す操作情報を取得して制御信号を出力する。
【0032】
天候情報取得部23は、マイクロモビリティ100の現在位置を示す位置情報に対応する天候を示す天候情報を取得する。天候情報取得部23は、例えば、通信部19を介して外部システム等から天候情報を取得する。
【0033】
降車状態判定部24は、マイクロモビリティ100のユーザの降車状態を判定する。降車状態判定部24は、ユーザがマイクロモビリティ100から降車したこと、および、乗車したことを判定する。
【0034】
降車状態判定部24は、マイクロモビリティ100に加わる圧力から降車状態を判定してもよい。降車状態判定部24は、例えば、マイクロモビリティ100に配置された圧力センサからセンサデータを取得して、降車状態を判定する。降車状態判定部24は、センサデータが示す圧力が、圧力閾値以上である状態から、圧力閾値未満に減少した場合、ユーザが降車したと判定する。降車状態判定部24は、センサデータが示す圧力が、圧力閾値未満である状態から、圧力閾値以上に増加した場合、ユーザが乗車したと判定する。
【0035】
降車状態判定部24は、後述する算出部25で算出されたマイクロモビリティ100の移動速度から降車状態を判定してもよい。降車状態判定部24は、移動速度が速度閾値以上である場合、ユーザが乗車していると判定する。降車状態判定部24は、移動速度が速度閾値未満である場合、ユーザが降車していると判定する。
【0036】
算出部25は、降車状態判定部24によって判定した降車状態と位置情報とに基づいて、ユーザがマイクロモビリティ100から降車して移動した降車移動距離および移動速度の少なくともどちらかを算出する。より詳しくは、算出部25は、ユーザが降車した位置と、再び乗車した位置との間の経路の区間について、マイクロモビリティ100から降車して移動した降車移動距離を算出する。算出部25は、マイクロモビリティ100の現在位置の変化から移動速度を算出する。
【0037】
経路取得部26は、目的地までの経路を取得する。より詳しくは、経路取得部26は、操作受付部22によって受け付けた目的地までの経路を探索する探索要求をサーバ装置40へ送信し、探索結果をサーバ装置40から受信する。経路取得部26は、位置情報取得部21が取得したマイクロモビリティ100の現在位置と、操作受付部22によって受け付けた目的地とを探索要求とともにサーバ装置40へ送信し、探索結果をサーバ装置40から受信する。
【0038】
本実施形態では、経路取得部26は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、天候情報を含む探索要求をサーバ装置40へ送信し、探索結果をサーバ装置40から受信する。
【0039】
本実施形態では、経路取得部26は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、その天候に対応する走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間を含む経路をサーバ装置40から受信する。走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間とは、悪天候を凌げる区間で歩行者とマイクロモビリティ100の双方が集まり混雑するが、所定の割合でユーザがマイクロモビリティ100に乗車状態で移動可能な区間である。
【0040】
本実施形態では、経路取得部26は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が減少を示す区間を含む経路をサーバ装置40から受信する。走行困難度が減少を示す区間とは、悪天候を凌ぐため歩行者やマイクロモビリティのユーザが別の場所に移動し、混雑していない区間である。
【0041】
本実施形態では、経路取得部26は、走行困難度が、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とにより変化する区間を含む経路をサーバ装置40から受信する。経路取得部26は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が示す天候、および、曜日または時間帯の少なくともどちらかが対応する走行困難度が条件を満たす区間を含む経路をサーバ装置40から受信する。
【0042】
経路案内部27は、目的地までの経路に沿った案内を行う。経路を案内する方法は、公知の経路案内方法を使用可能であり、限定されない。
【0043】
表示制御部28は、表示部18に対する表示を制御する。より詳しくは、表示制御部28は、経路取得部26が取得した経路情報が示す経路に沿った経路案内の映像を表示部18に表示させる映像信号を出力する。
【0044】
表示制御部28は、経路取得部26が取得した経路情報に基づいて、天候情報に応じて、走行困難度が変化する区間と変化しない他の区間との表示態様を変えて経路を表示するよう制御する。
【0045】
表示態様を変えるとは、例えば、走行困難度が変化する区間と他の区間との色を変えて表示することである。その際、さらに走行困難度が増加する区間と減少する区間とを区別するために色を変えて表示してもよい。表示態様を変えるとは、例えば、走行困難度が変化する区間のみに、走行困難度が変化することを示すメッセージ画像を表示することである。
【0046】
本実施形態では、表示制御部28は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、同じ悪天候時に走行困難度が変化する区間の表示態様を他の区間の表示態様とは変えて経路を表示するよう制御する。例えば、表示制御部28は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候が降雨である場合、降雨時における走行困難度が変化する区間の表示態様を他の区間の表示態様とは変えて経路を表示するよう制御する。
【0047】
本実施形態では、表示制御部28は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間の表示態様を他の区間の表示態様とは変えて経路を表示するよう制御する。
【0048】
本実施形態では、表示制御部28は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が減少を示す区間の表示態様を他の区間の表示態様とは変えて経路を表示するよう制御する。
【0049】
通信制御部29は、サーバ装置40との通信を行うよう通信部19を制御する。より詳しくは、通信制御部29は、算出部25の算出結果である、マイクロモビリティ100の移動速度、および、ユーザがマイクロモビリティ100から降車して移動した降車移動距離の少なくともどちらかを示す情報を、天候情報および位置情報に紐づけてサーバ装置40に送信するよう制御する。通信制御部29は、目的地までの走行中に所定時間間隔でサーバ装置40に送信してもよいし、目的地への到着後にサーバ装置40に送信してもよい。
【0050】
通信制御部29は、サーバ装置40の経路探索部55が探索した経路情報をサーバ装置40から受信するよう制御する。
【0051】
本実施形態では、通信制御部29は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間を含む経路を示す経路情報をサーバ装置40から受信するよう制御する。
【0052】
本実施形態では、通信制御部29は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が減少を示す区間を含む経路を示す経路情報をサーバ装置40から受信するよう制御する。
【0053】
本実施形態では、通信制御部29は、走行困難度が、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とにより変化する区間を含む経路を示す経路情報をサーバ装置40から受信するよう制御する。
【0054】
<サーバ装置>
図3は、実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。サーバ装置40は、ナビゲーションを含む走行支援サービスを行う事業者によって設置されている。サーバ装置40は、通信部41と、地図情報記憶部42と、走行データ記憶部43と、サーバ制御装置(以下、「制御部」という。)50と、を備える。
【0055】
通信部41は、広域の無線通信を行う通信部である。通信部41は、例えば、ネットワークを介して、複数のマイクロモビリティ100に配置された端末装置10と情報の通信を行う。ネットワークは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。通信部41は、例えば、携帯電話網用の広域無線通信モジュールで構成されている。
【0056】
通信部41は、天候情報および位置情報に紐づけられた、算出部25の算出結果である、マイクロモビリティ100の移動速度、および、ユーザがマイクロモビリティ100から降車して移動した降車移動距離の少なくともどちらかを示す情報を走行データとして、複数のマイクロモビリティ100に配置された端末装置10から受信する。
【0057】
通信部41は、経路探索部55の探索結果を端末装置10へ送信する。通信部41は、目的地までの経路と、経路における所定の区間ごとの走行困難度とを示す経路情報を端末装置10へ送信する。
【0058】
本実施形態では、通信部41は、探索要求とともに取得した、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間を含む経路を示す経路情報を端末装置10へ送信する。
【0059】
本実施形態では、通信部41は、探索要求とともに取得した、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が減少を示す区間を含む経路を示す経路情報を端末装置10へ送信する。
【0060】
本実施形態では、通信部41は、走行困難度が、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とにより変化する区間を含む経路を端末装置10へ送信する。
【0061】
地図情報記憶部42は、地図情報を記憶する。地図情報記憶部42は、記憶している地図情報を制御部50の地図情報取得部52へ出力する。地図情報記憶部42は、通信部41などによる通信機能を介して地図情報を取得する外部サーバ等の記憶装置であってもよい。
【0062】
地図情報は、例えば、道路の形状、交差点、および、勾配などの道路状況を含む道路地図である。
【0063】
走行データ記憶部43は、複数のマイクロモビリティ100の端末装置10から受信した走行データを集計してデータベースとして記憶する。走行データ記憶部43は、通信部41などによる通信機能を介して走行データを取得する外部サーバ等の記憶装置であってもよい。
【0064】
<サーバ制御装置>
制御部50は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置である。制御部50は、図示しない記憶部に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。制御部50は、通信制御部51と、地図情報取得部52と、データ構築部53と、困難度算出部54と、経路探索部55とを備える。
【0065】
通信制御部51は、通信部41を制御して、端末装置10との通信を制御する。より詳しくは、通信制御部51は、天候情報および位置情報に紐づけられた、算出部25の算出結果である、マイクロモビリティ100の移動速度、および、ユーザがマイクロモビリティ100から降車して移動した降車移動距離の少なくともどちらかを示す情報を、端末装置10から受信するよう制御する。
【0066】
通信制御部51は、経路探索部55の探索結果を端末装置10へ送信するよう制御する。通信制御部51は、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間を含む、目的地までの経路を案内可能な経路情報を端末装置10へ送信するよう制御する。
【0067】
本実施形態では、通信制御部51は、探索要求とともに取得した、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間を含む経路を示す経路情報を端末装置10へ送信するよう制御する。
【0068】
本実施形態では、通信制御部51は、探索要求とともに取得した、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が減少を示す区間を含む経路を示す経路情報を端末装置10へ送信するよう制御する。
【0069】
本実施形態では、通信制御部51は、走行困難度が、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とにより変化する区間を含む経路を示す経路情報を端末装置10へ送信するよう制御する。
【0070】
地図情報取得部52は、地図情報記憶部42から地図情報を取得する。
【0071】
データ構築部53は、複数のマイクロモビリティ100に配置された端末装置10から送信された走行データを集計してデータベースとして走行データ記憶部43に構築する。より詳しくは、データ構築部53は、複数のマイクロモビリティ100に配置された端末装置10から送信された算出結果である、マイクロモビリティ100の移動速度、および、ユーザがマイクロモビリティ100から降車して移動した降車移動距離の少なくともいずれかを、天候情報および位置情報に紐づけた走行データを集計してデータベースとして走行データ記憶部43に構築する。データ構築部53は、端末装置10から天候情報および位置情報に紐づけられた、算出部25の算出結果を取得するたび、または、任意の期間ごとに処理を実行する。
【0072】
本実施形態では、走行データのデータベースは、さらに、曜日および時間帯を含む日時情報と紐づけられていてもよい。
【0073】
困難度算出部54は、走行データのデータベースに基づいて、複数のマイクロモビリティ100の移動速度および降車移動距離の少なくともいずれかから、所定の区間ごとに、天候情報に応じて変化する、マイクロモビリティ100の走行困難度を算出する。より詳しくは、困難度算出部54は、所定の区間における複数のマイクロモビリティ100の移動速度および降車移動距離の少なくともいずれかから、所定の区間および天候ごとに、マイクロモビリティ100の走行困難度を算出する。例えば、困難度算出部54は、走行データのデータベースに基づいて、所定の区間ごと、かつ、降雨、降雪、暴風、および、異常気温などの天候ごとに、マイクロモビリティ100の走行困難度を算出する。同じ区間であっても、天候が異なれば、走行困難度が同じになるとは限らない。
【0074】
走行困難度は、マイクロモビリティ100に乗車して走行することの難しさを示す。走行困難度は、周囲の歩行者の増加に伴い高くなる。走行困難度は、周囲の歩行者の減少に伴い低くなる。走行困難度は、混雑度が増加するほど高くなる。走行困難度は、混雑度が減少するほど低くなる。
【0075】
走行困難度は、例えば、5段階評価などで示す。この場合、走行困難度が高いほど、数値が大きくなる。
【0076】
困難度算出部54は、走行データのデータベースに基づいて、所定の区間における複数のマイクロモビリティ100の移動速度から、天候ごとに、マイクロモビリティ100の走行困難度を算出する。歩行者およびマイクロモビリティ100の所定区間当たりの数量、言い換えると混雑度が増加するほど、スムースな交通が妨げられるので、マイクロモビリティ100から降車せざるを得ず速度が抑えられるためである。
【0077】
例えば、困難度算出部54は、所定区間における複数のマイクロモビリティ100の移動速度の平均速度が基準速度より遅くなるほど、走行困難度が高くなるように、言い換えると、増加傾向として算出する。例えば、困難度算出部54は、所定区間における複数のマイクロモビリティ100の移動速度の平均速度が基準速度より速くなるほど、走行困難度が低くなるように、言い換えると、減少傾向として算出する。
【0078】
例えば、困難度算出部54は、所定区間において、移動速度が基準速度より遅いマイクロモビリティ100の台数の割合が高くなるほど、走行困難度が高くなるように、言い換えると、増加傾向として算出する。例えば、困難度算出部54は、所定区間において、移動速度が基準速度より速いマイクロモビリティ100の台数の割合が高くなるほど、走行困難度が低くなるように、言い換えると、減少傾向として算出する。
【0079】
基準速度は、あらかじめ設定された、例えば、ユーザがマイクロモビリティ100に乗車して移動する移動速度の平均速度などである。基準速度は、例えば、道路または車道の幅、および、路面の凹凸および舗装の種類の少なくともいずれかを含む路面状態などに基づいて設定される。基準速度は、例えば、悪天候時を除いた通常天候時の移動速度の平均速度である。
【0080】
困難度算出部54は、走行データのデータベースに基づいて、所定の区間における複数のマイクロモビリティ100の降車移動距離から、天候ごとに、マイクロモビリティ100の走行困難度を算出する。歩行者およびマイクロモビリティ100の所定区間当たりの数量が増加するほど、マイクロモビリティ100から降車して移動する距離が増加すると予測されるためである。
【0081】
例えば、困難度算出部54は、所定区間における複数のマイクロモビリティ100の降車移動距離が長くなるほど、走行困難度が高くなるように、言い換えると、増加傾向として算出する。困難度算出部54は、所定区間における複数のマイクロモビリティ100の降車移動距離が短くなるほど、走行困難度が低くなるように、言い換えると、減少傾向として算出する。
【0082】
例えば、困難度算出部54は、所定区間において、降車移動距離が距離閾値より長いマイクロモビリティ100の台数の割合が高くなるほど、走行困難度が高くなるように、言い換えると、増加傾向として算出する。例えば、困難度算出部54は、所定区間において、降車移動距離が距離閾値より短いマイクロモビリティ100の台数の割合が高くなるほど、走行困難度が低くなるように、言い換えると、減少傾向として算出する。
【0083】
困難度算出部54は、経路探索部55の処理の実行時に困難度を算出してもよい。この場合、困難度算出部54は、探索要求とともに取得した、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が示す天候に対応し、目的地までの経路に該当する走行データのデータベースに基づいて、困難度を算出する。
【0084】
困難度算出部54は、任意の期間ごとに困難度を算出してもよい。この場合、困難度算出部54は、走行データのデータベースに基づいて、所定の区間および天候ごとに、困難度を算出する。
【0085】
困難度算出部54は、算出した困難度を天候情報と位置情報とに対応付けて困難度データとして記憶してもよい。
【0086】
困難度算出部54は、さらに、曜日または時間帯ごとに走行困難度を算出してもよい。困難度算出部54は、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とに応じて変化する走行困難度を算出してもよい。より詳しくは、困難度算出部54は、所定の区間における複数のマイクロモビリティ100の移動速度および降車移動距離の少なくともいずれかから、所定の区間、天候、および、曜日または時間帯の少なくともどちらかごとに、マイクロモビリティ100の走行困難度を算出する。同じ区間、かつ、同じ天候であっても、曜日または時間帯の少なくともどちらかが異なれば、走行困難度が同じになるとは限らない。
【0087】
経路探索部55は、端末装置10からの探索要求に基づいて、設定された目的地までのマイクロモビリティ100の経路を探索する。本実施形態では、出発地は、例えば、マイクロモビリティ100の現在位置とする。より詳しくは、経路探索部55は、マイクロモビリティ100の現在位置及び目的地の位置情報と、地図情報記憶部42が記憶した地図情報、走行データ記憶部43の走行データとに基づいて、経路を探索する。経路を探索する方法は、公知の経路探索方法を使用可能であり、限定されない。経路探索部55は、探索結果を端末装置10へ送信する。
【0088】
本実施形態では、経路探索部55は、探索要求とともに取得した、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、困難度算出部54によって算出された、同じ悪天候時の走行困難度が通常天候時の走行困難度に比べて困難度閾値以下の増加を示す区間を含む経路を探索する。言い換えると、経路探索部55は、探索要求とともに取得した、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、混雑度が通常天候時に比べて混雑度閾値以下の増加を示す、すなわち、混雑しすぎない区間を含む経路を探索する。経路探索部55は、探索要求とともに取得した、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、走行困難度が通常天候時の走行困難度に比べて困難度閾値より大きい増加を示す区間を外した経路を探索してもよい。
【0089】
通常天候時の走行困難度は、所定の区間ごとに、例えば、悪天候時を除いた走行困難度である。
【0090】
困難度閾値は、スムースな交通が可能な範囲の値が設定される。
【0091】
本実施形態では、経路探索部55は、探索要求とともに取得したマイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、困難度算出部54によって算出された同じ悪天候時の走行困難度が減少を示す区間を含む経路を探索する。言い換えると、経路探索部55は、探索要求とともに取得したマイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、同じ悪天候時の混雑度が通常の天候の混雑度に比べて減少する区間を含む経路を探索する。
【0092】
本実施形態では、経路探索部55は、困難度算出部54によって算出された走行困難度が、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とにより変化する区間を含む経路を探索する。
【0093】
図4は、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間を含む、目的地までの経路の一例を示す図である。マイクロモビリティ100の現在位置Sから、目的地Gまでの経路を矢印で示す。図4に示す経路は、例えば、通常天候時において、現在位置Sから出発する際に提示される経路である。この経路は、区間A1、区間A2、区間A3、区間A4、区間A5および区間A6を含む。区間A3は、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間である。区間A3は、例えば、アーケードが設置された区間であり、降雨時などには歩行者の人数やマイクロモビリティの台数が増加する。区間A3は、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、走行困難度が困難度閾値より大きくなる。
【0094】
図5は、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間を含む、目的地までの経路の他の例を示す図である。図5に示す経路は、例えば、降雨時において、現在位置Sから出発する際に提示される経路である。経路は、区間A1、区間A7、区間A8、区間A4、区間A5および区間A6を含む。区間A7は、雨を凌ぎながら移動できる区間であり走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間である。図4に示す区間A3は、走行困難度が困難度閾値より大きいため、経路から外れている。
【0095】
図6は、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間を含む、目的地までの経路の他の例を示す図である。図6に示す経路は、例えば、雨が止んだ時に、現在位置Sから出発する際に提示される経路である。経路は、区間A1、区間A9、区間A4、区間A5および区間A6を含む。区間A9は、降雨時において走行困難度が減少を示す区間である。雨を凌ぐために歩行者やマイクロモビリティが、この区間を使用して移動するのを避けているので、雨が止んだ時には一定の期間、この区間は空いている。図5に示す区間A7および区間A8が経路から外れて、走行困難度が減少する区間A9が含まれる。
【0096】
<端末装置における情報処理>
次に、図7を用いて、端末装置10における情報処理について説明する。図7は、実施形態に係る端末装置における処理の一例を示すフローチャートである。例えば、マイクロモビリティ100による走行を開始する前に、端末装置10が起動する。端末装置10を起動すると、制御部20は、表示制御部28によって、目的地を設定する設定画面を表示部18に表示する。
【0097】
制御部20は、目的地の入力操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。より詳しくは、制御部20は、操作受付部22によって、目的地の設定操作と、マイクロモビリティ100の現在位置から目的地までの経路を探索する操作とを受け付けたか否かを判定する。制御部20は、目的地の入力操作を受け付けたと判定する場合(ステップS101でYes)、ステップS102へ進む。制御部20は、目的地の入力操作を受け付けていないと判定する場合(ステップS101でNo)、ステップS101の処理を再度実行する。
【0098】
目的地の入力操作を受け付けたと判定する場合(ステップS101でYes)、制御部20は、経路を探索する(ステップS102)。より詳しくは、制御部20は、操作受付部22が、目的地の設定操作と、マイクロモビリティ100の現在位置から目的地までの経路を探索する操作とを受け付けると、経路取得部26によって、目的地までの経路を探索する探索要求をサーバ装置40へ送信し、探索結果をサーバ装置40から受信する。制御部20は、ステップS103へ進む。
【0099】
図8を用いて、ステップS102における経路探索処理について説明する。図8は、経路探索処理の一例を示すシーケンス図である。端末装置10は、経路取得部26によって、目的地までの経路を探索する探索要求をサーバ装置40へ送信する。端末装置10は、経路取得部26によって、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、天候情報を含む探索要求をサーバ装置40へ送信する。サーバ装置40は、制御部50の経路探索部55によって、設定された目的地までのマイクロモビリティ100の経路を探索する。サーバ装置40は、探索結果である経路を端末装置10へ送信する。端末装置10は、探索結果である経路をサーバ装置40から受信する。
【0100】
制御部20は、経路案内を開始する(ステップS103)。より詳しくは、制御部20は、経路案内部27によって、目的地までの経路に沿った案内を行う。制御部20は、処理を終了する。
【0101】
このようにして、サーバ装置40によって、目的地までの経路と、経路における所定の区間ごとの走行困難度とを示す経路情報が端末装置10へ送信される。端末装置10によって、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間と他の区間とを表示態様を変えて経路が表示される。
【0102】
マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、サーバ装置40によって、走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間を含む経路を示す経路情報が端末装置10へ送信される。
【0103】
マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、サーバ装置40によって、同じ悪天候時の走行困難度が減少を示す区間を含む経路を示す経路情報が端末装置10へ送信される。
【0104】
サーバ装置40によって、走行困難度が、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とにより変化する区間を含む経路が端末装置10へ送信される。
【0105】
<効果>
上述したように、本実施形態では、複数のマイクロモビリティ100に配置された端末装置10から受信した、移動速度および降車して移動した降車移動距離の少なくともいずれかを天候情報および位置情報に紐づけた走行データを集計してデータベースを構築する。本実施形態では、走行データのデータベースに基づいて、移動速度および降車移動距離の少なくともいずれかから、マイクロモビリティ100の走行困難度を算出する。本実施形態では、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間と他の区間とを表示態様を変えて経路を表示する。本実施形態によれば、ユーザは、表示によって、天候情報に応じて走行困難度が変化する区間を確認できる。このように、本実施形態によれば、天候により走行困難度が変化する区間を含む経路の適切な通行を支援することができる。
【0106】
本実施形態では、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候を示す場合、走行困難度が困難度閾値以下の増加を示す区間を含む経路を示す経路情報を送信する。本実施形態によれば、走行困難度が困難度閾値より大きい、走行しにくくなる道路を避けて通行することができる。
【0107】
本実施形態では、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、同じ悪天候時の走行困難度が減少を示す区間を含む経路を示す経路情報を送信する。本実施形態によれば、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、走行しやすい経路を通行することができる。
【0108】
本実施形態では、走行困難度が、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とにより変化する区間を含む経路を送信する。本実施形態によれば、曜日または時間帯の少なくともどちらかと天候情報とに応じて、走行しやすい経路を通行することができる。
【0109】
図示した端末装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0110】
端末装置の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0111】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0112】
サーバ制御装置50の通信制御部51は、探索要求とともに取得した、マイクロモビリティ100の現在位置の天候情報が悪天候からの回復または変化を示す場合、走行困難度が困難度閾値以上であっても、走行困難度の変化の推移から、走行困難度が困難度閾値以下になると予測される場合は、その区間を含む経路を示す経路情報を端末装置10へ送信するよう制御してもよい。これは、走行困難度の変化の推移が減少を示す区間であれば、走行困難度が困難度閾値以下になると予測されるためである。
【0113】
本開示は、SDGsの「産業と技術革新の基盤をつくろう」の実現に貢献し、IoTソリューションによる価値創出に寄与する事項を含む。
【符号の説明】
【0114】
1 通行支援システム
10 端末装置
11 GNSS受信部
12 操作部
18 表示部
19 通信部
20 制御部(端末制御装置)
21 位置情報取得部
22 操作受付部
23 天候情報取得部
24 降車状態判定部
25 算出部
26 経路取得部
27 経路案内部
28 表示制御部
29 通信制御部
40 サーバ装置
41 通信部
42 地図情報記憶部
43 走行データ記憶部
50 制御部(サーバ制御装置)
51 通信制御部
52 地図情報取得部
53 データ構築部
54 困難度算出部
55 経路探索部
100 マイクロモビリティ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8